JP5214454B2 - MREJタイプxi〜xxのメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)を検出および同定するための配列 - Google Patents

MREJタイプxi〜xxのメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)を検出および同定するための配列 Download PDF

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Description

(発明の分野)
本発明は、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌を検出するための新規SCCmec右端接合部配列、ならびに診断的目的および/または疫学的目的へのその使用に関する。
(関連技術の説明)
コアグラーゼ陽性種黄色ブドウ球菌はヒト日和見病原体として詳細に記録されている(Murrayら編,1999,Manual of Clinical Microbiology,第7版,ASM Press,ワシントン)。黄色ブドウ球菌が引き起こす院内感染は、罹病および死亡の主な原因である。黄色ブドウ球菌が引き起こす最も一般的な感染の一部には皮膚が関わり、これにはさまざまな部位におけるフルンケルまたはセツ、蜂窩織炎、膿痂疹、および術後創感染が含まれる。黄色ブドウ球菌が引き起こすさらに重篤な感染の一部は、菌血症、肺炎、骨髄炎、急性心内膜炎、心筋炎、心膜炎、脳炎、髄膜炎、熱傷様皮膚症候群、および種々の膿瘍である。ブドウ球菌エンテロトキシンが媒介する食中毒は、黄色ブドウ球菌に関連するもう一つの重要な症候群である。市中疾患である毒素性ショック症候群は、毒素産生黄色ブドウ球菌による感染または定着に原因があるとされている。
メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)は、1980年代に、病院における臨床上および疫学上の大問題になった(Oliveiraら,2002,Lancet Infect Dis.2:180−9)。MRSAは、黄色ブドウ球菌感染症の治療に最もよく使用される抗生物質であるペニシリン類、セファロスポリン類、カルバペネム類、およびモノバクタム類を含む、全てのβ−ラクタムに対して耐性である。MRSA感染症は、通常であれば最後の防御策として使用される、より毒性が高く、より高価な抗生物質でしか、処置することができない。MRSAは職員を介して患者から患者へと容易に拡散しうるので、世界中の病院が、MRSA管理上の問題に直面している。したがって、MRSAの伝播を減らし感染患者の診断および処置を改良するために、MRSAを検出および/または同定するための迅速かつ簡便なスクリーニング検査または診断検査が必要とされている。
黄色ブドウ球菌におけるメチシリン耐性は、それが、β−ラクタム系抗生物質に細胞が曝された時に正常なβ−ラクタム耐性ペニシリン結合タンパク質(PBP)の生合成機能を引き継ぐ過剰なPBPをコードするDNAを、他のコアグラーゼ陰性ブドウ球菌(CNS)から獲得したことによるという点でユニークである。黄色ブドウ球菌は通常、四つのPBPを含有し、そのうち、PBP1、2および3は必須である。PBP2a(またはPBP2’)と呼ばれるMRSA中の低親和性PBPは染色体mecA遺伝子によってコードされ、β−ラクタム耐性トランスペプチダーゼとして機能する。mecA遺伝子はメチシリン感受性黄色ブドウ球菌には存在しないが、ブドウ球菌の他の種には広く分布し、高度に保存されている(Ubukataら,1990,Antimicrob.Agents Chemother.34:170−172)。
黄色ブドウ球菌N315株(1982年に日本で分離されたもの)に由来するmecA遺伝子周辺のDNA領域のヌクレオチド配列決定は、染色体に挿入されるブドウ球菌カセット染色体mec(SCCmec)と呼ばれる新規遺伝要素によってmecA遺伝子が運ばれるという発見をもたらした。SCCmecは、末端逆方向および直列反復配列、一組の部位特異的リコンビナーゼ遺伝子(ccrAおよびccrB)、ならびにmecA遺伝子複合体の存在を特徴とする可動遺伝要素である(Itoら,1999,Antimicrob.Agents Chemother.43:1449−1458;Katayamaら,2000,Antimicrob.Agents Chemother.44:1549−1555)。SCCmecは、ccrAおよびccrBを含むユニークな一組のリコンビナーゼ遺伝子の機能により、黄色ブドウ球菌N315株の染色体から正確に切り出され、特異的黄色ブドウ球菌染色体部位に、同じ向きに組み込まれる。MRSA NCTC10442株(1961年に英国で分離された最初のMRSA株)および85/2082株(1985年に分離されたニュージーランドからの株)に由来するmecA遺伝子周辺のDNAのクローニングおよび配列解析は、類似するSCCmecの構造的特徴を共有する二つの新規遺伝要素の発見をもたらした。これら三つのSCCmecは、その株が分離された年に基づいて、タイプI(NCTC10442)、タイプII(N315)およびタイプIII(85/2082)と命名された(Itoら,2001,Antimicrob.Agents Chemother.45:1323−1336)。Hiramatsuらは、SCCmec DNAがメチシリン感受性黄色ブドウ球菌(MSSA)の染色体中の特異的部位に組み込まれることを発見した。SCCmec DNAの左境界および右境界周辺の領域(すなわちそれぞれattLおよびattR)のヌクレオチド配列、ならびにSCCmec DNA組み込み部位付近の領域(すなわちSCCmec DNAの細菌染色体付着部位であるattBscc)のヌクレオチド配列を解析した。attL、attR attBscc部位の配列解析により、attBsccは新規オープンリーディングフレーム(ORF)orfXの3’末端に位置することが明らかになった。orfXは、以前に同定された機能未知のポリペプチドのいくつかと配列ホモロジーを示す推定159アミノ酸ポリペプチドをコードする(Itoら,1999,Antimicrob.Agents Chemother.43:1449−1458)。最近になって、タイプIVおよびタイプVと呼ばれる新しいタイプのSCCmecが記載された(Maら,2002,Antimicrob.Agents Chemother.46:1147−1152、Itoら,2004,Antimicrob Agents Chemother.48:2637−2651、Oliveiraら,2001,Microb.Drug Resist.7:349−360)。黄色ブドウ球菌CA05株および8/6−3P株に由来する新しいSCCmecタイプIVの右端の配列解析により、それらの配列は、黄色ブドウ球菌N315株のタイプII SCCmecのものと2000ヌクレオチドにわたってほぼ同一であることが明らかになった(Maら,2002,Antimicrob.Agents Chemother.46:1147−1152;Itoら,2001,Antimicrob.Agents Chemother.45:1323−1336)。今のところ、黄色ブドウ球菌HDE288株およびPL72株に由来するSCCmecタイプIVの右端に関する配列データは公表されていない(Oliveiraら,2001,Microb.Drug Resist.7:349−360)。
mecA遺伝子および黄色ブドウ球菌特異的染色体配列の検出に基づいてMRSAを検出し同定するための方法は、既に記載されている(Saitoら,1995,J.Clin.Microbiol.33:2498−2500;Ubukataら,1992,J.Clin.Microbiol.30:1728−1733;Murakamiら,1991,J.Clin.Microbiol.29:2240−2244;Hiramatsuら,1992,Microbiol.Immunol.36:445−453)。しかし、mecA遺伝子は、黄色ブドウ球菌とコアグラーゼ陰性ブドウ球菌の両方に広く分布するので、これらの方法でMRSAをメチシリン耐性CNSと区別することは必ずしも可能とは限らない(Suzukiら,1992,Antimicrob.Agents.Chemother.36:429−434)。この問題に対処するために、Hiramatsuらは、MRSAに特異的なPCRに基づくアッセイを開発した。このアッセイでは、3タイプのSCCmec DNAの右端にハイブリダイズするプライマーを、SCCmec組み込み部位の右側にあるヌクレオチド配列に対応する黄色ブドウ球菌染色体に特異的なプライマーと組み合わせて利用する(米国特許第6,156,507号、以下「507号特許」という)。他のブドウ球菌種(例えばスタフィロコッカス・エピデルミディス(S.epidermidis)およびスタフィロコッカス・ヘモリティカス(S.haemolyticus))におけるSCCmec組み込み部位周辺のヌクレオチド配列は、黄色ブドウ球菌に見出されるものとは異なっている。したがってこのPCRアッセイはMRSAの検出に関して特異的である。
「507号特許」に記載のPCRアッセイは、SCCmec DNAの「MREPタイピング」(mec right extremity polymorphism(mec右端多型))の開発にもつながった(Itoら,2001,Antimicrob.Agents Chemother.45:1323−1336;Hiramatsuら,1996,J.Infect.Chemother.2:117−129)。MREPタイピング法では、3タイプのSCCmec間で、三つのMREJタイプのヌクレオチド配列が、組み込み部位に隣接するSCCmec DNAの右端で異なっているという事実を利用する。タイプIと比較すると、タイプIIIはユニークなヌクレオチド配列を持ち、タイプIIはSCCmecの右末端に102ヌクレオチドの挿入を持つ。Hiramatsuらが記述したMREPタイピング法では以下の命名が用いられる:SCCmecタイプIはMREPタイプiであり、SCCmecタイプIIはMREPタイプiiであり、SCCmecタイプIIIはMREPタイプiiiである。
SCCmecタイプIIおよびIVは右端まで同じヌクレオチド配列を持つので、上記のMREPタイピング法では、Hiramatsuらが記載した新しいSCCmecタイプIV(Maら,2002,Antimicrob.Agents Chemother.46:1147−1152)をSCCmecタイプIIと区別することができない。
MREJという表現は、mec右端接合部≪mec right extremity junction≫を指す。MREJは、長さが約1キロ塩基(kb)で、SCCmec右端に由来する配列と、SCCmec組み込み部位の右側にある細菌染色体DNAに由来する配列とを含んでいる。MREPタイプi〜iiiと分類された株は、MREJタイプi〜iiiに対応する。MREJタイプiv、v、vi、vii、viii、ix、およびxは、以前に特徴づけられている(Huletskyら,2004,J Clin.Microbiol.42:1875−1884;国際特許出願PCT/CA02/00824)。
本明細書に記載する実施形態は、MRSA検出用のNATアッセイを改良するために、より多くのMRSA株の検出を可能にする、SCCmec右端接合部配列データの作成に関する。世界中のMRSA株のほとんどを検出するために、より偏在的なプライマーおよびプローブを開発する必要がある。
あらゆるメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)株の存在および/またはそれに由来する核酸の量を決定するための特異的、偏在的かつ高感度な方法および組成物を、ここに提供する。新規MREJタイプxi〜xxの検出および定量を可能にする方法、組成物およびキットを開示する。
いくつかの態様は、細菌核酸を含む試料中のMRSA細菌の存在を検出するための方法に関する。MRSA株は、mecA遺伝子を含むSCCmec核酸インサートを持っている。SCCmecインサートはMRSA細菌をメチシリン耐性にする。SCCmecは、オープンリーディングフレームorfXの3’末端で細菌DNA中に挿入されて、多型右端接合部(MREJ)を生成する。MREJタイプxi〜xxの多型MREJ核酸にハイブリダイズする、MRSA株に特異的な少なくとも一つのプライマーおよび/またはプローブを用意する。プライマーおよび/またはプローブを試料の核酸とアニールさせる。アニールしたプライマーおよび/またはプローブは、MREJの存在を示す。
好ましい実施形態では、二つ以上のプライマーおよび/またはプローブを用意する。プライマーおよび/またはプローブは、実質的に同じアニーリング条件下で、MREJ核酸にアニールすることができる。プライマーおよび/またはプローブは、少なくとも10ヌクレチド長、12ヌクレオチド長、14ヌクレオチド長、16ヌクレオチド長、18ヌクレオチド長、20ヌクレオチド長、25ヌクレオチド長、または30ヌクレオチド長であることができる。プローブおよびプライマーは、同じ物理的容器内で一緒に使用するか、異なる物理的容器内で使用することができる。
いくつかの実施形態では、プライマーおよび/またはプローブが、配列番号15、16、17、18、19、20、21、25、26、39、40、41、42、55、および56の核酸のいずれか一つとアニールする。例えばいくつかの実施形態では、表4に列挙するプライマーおよび/またはプローブが、以下のMREJ核酸を含むMRSA細菌を検出するために使用される。
Figure 0005214454
いくつかの実施形態では、ストリンジェントな条件下で二つ以上のMREJタイプ株にアニールするプライマーおよび/またはプローブが用意される。例えば、好ましい実施形態では、配列番号31、32、33が、MREJタイプxi〜xvおよびxvii〜xxの検出用に用意される。
さらなる実施形態では、タイプxi〜xxのMREJを持つ少なくとも一つのMRSAを検出するために、プライマーおよび/またはプローブが、二つ一組にして用意される。したがっていくつかの実施形態では、配列番号34/45、34/30、34/76、および34/44からなる群より選択される少なくとも一対のオリゴヌクレオチドが、MREJタイプxiの検出用に用意される。別の実施形態では、配列番号35/45、35/30、35/62、および35/44からなる群より選択される少なくとも一対のオリゴヌクレオチドが、MREJタイプxiiの検出用に用意される。さらに別の実施形態では、配列番号29/45、29/30、29/76、および29/44からなる群より選択される少なくとも一対のオリゴヌクレオチドが、MREJタイプxiiiの検出用に用意される。さらに別の実施形態では、配列番号29/45、29/30、29/59、および29/44からなる群より選択される少なくとも一対のオリゴヌクレオチドが、MREJタイプxivの検出用に用意される。別の実施形態では、配列番号24/45、24/30、24/62、および24/44からなる群より選択される少なくとも一対のオリゴヌクレオチドが、MREJタイプxvの検出用に用意される。さらに別の実施形態では、配列番号36および44のオリゴヌクレオチドが、MREJタイプxviの検出用に用意される。さらに別の実施形態では、配列番号4/45、4/30、4/62、および4/44からなる群より選択される少なくとも一対のオリゴヌクレオチドが、MREJタイプxviiの検出用に用意される。さらに別の実施形態では、7/45、7/30、7/59および7/44からなる群より選択される少なくとも一対のオリゴヌクレオチドが、MREJタイプxviiiの検出用に用意される。別の実施形態では、9/45、9/30、9/59および9/44からなる群より選択される少なくとも一対のオリゴヌクレオチドが、MREJタイプxixの検出用に用意される。さらに別の実施形態では、配列番号8/45、8/30、8/59、および8/44からなる群より選択される少なくとも一対のオリゴヌクレオチドが、MREJタイプxxの検出用に用意される。
いくつかの実施形態では、少なくとも二対のプライマーが、二つ以上のMREJタイプを検出するために用意される。
別の好ましい実施形態では、表5に列挙するプライマーおよび/またはプローブが、以下のMREJ核酸を含むMRSA細菌を検出するために、一緒に用意される。
Figure 0005214454
さらなる実施形態では、上記の方法が、所定のMREJタイプに特異的なプライマーおよび/またはプローブを用意すること、ならびにアニールしたプローブまたはプライマーを、所定のMREJタイプの存在の指標として検出することを、さらに含む。
さらに別の実施形態では、表6に列挙する配列番号に特異的なプライマーおよび/またはプローブが、以下のMREJ核酸を含むMRSA細菌を検出するために用意される。
Figure 0005214454
いくつかの実施形態では、プライマーが、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)ならびにその変形、例えばネステッドPCRおよびマルチプレックスPCR、リガーゼ連鎖反応(LCR)、核酸配列に基づく増幅法(NASBA)、自己持続配列複製法(3SR)、鎖置換増幅法(SDA)、分枝DNAシグナル増幅法(bDNA)、転写仲介増幅法(TMA)、サイクリングプローブ技術(CPT)、固相増幅法(SPA)、ヌクレアーゼ依存的シグナル増幅法(NDSA)、ローリングサークル増幅法、固定鎖置換増幅法、固相(固定化)ローリングサークル増幅法、Qβレプリカーゼ増幅法および他のRNAポリメラーゼによる技法などといった増幅反応に用いられる。
好ましい実施形態では、PCRが、試料中の核酸を増幅するために用いられる。
別の実施形態では、ストリンジェントな条件下で配列番号15、16、17、18、19、20、21、25、26、39、40、41、42、55、および56の核酸のいずれかとハイブリダイズし、xi〜xxから選択されるタイプの一つ以上のMREJとハイブリダイズする、少なくとも10、12、14、16、18、20、25、または30ヌクレオチド長のオリゴヌクレオチドが用意される。
別の実施形態では、プライマーおよび/またはプローブ対が、タイプxi〜xxの全てのMRSAを検出するために用意される。例えば、一定の実施形態では、表7に列挙するプライマー対(またはプローブ)が用意される。
Figure 0005214454
上述した方法のさらなる実施形態では、配列番号31、32、および33のいずれか一つに定義されるヌクレオチド配列を持つ内部プローブが用意される。
さらに別の実施形態では、MREJタイプxi〜xxの検出に使用されるプライマーおよび/またはプローブが、MREJタイプi〜xのMRSAを検出する能力を持つプライマーおよび/またはプローブ(例えば同時係属中の国際特許出願PCT/CA02/00824に開示されているプライマーまたはプローブなど)と組み合わせて使用される。
本発明の別の態様は、配列番号15、16、17、18、19、20、21、25、26、39、40、41、42、55、および56の核酸の少なくとも一つを含むヌクレオチド配列またはその相補体に関する。さらなる実施形態は、配列番号15、16、17、18、19、20、21、25、26、39、40、41、42、55、および56の核酸の少なくとも30、50、100、150、200、300、または500連続ヌクレオチドを含む、配列番号15、16、17、18、19、20、21、25、26、39、40、41、42、55、および56の核酸のフラグメント、またはその相補体に関する。さらなる態様は、配列番号15、16、17、18、19、20、21、25、26、39、40、41、42、55、および56の核酸配列を含むベクター、ならびに配列番号15、16、17、18、19、20、21、25、26、39、40、41、42、55、および56の核酸配列を含むベクターを含む宿主細胞(例えば大腸菌宿主細胞)に関する。
さらに別の態様は、配列番号15、16、17、18、19、20、21、25、26、39、40、41、42、55、および56のいずれか一つにアニールする、少なくとも10、12、14、16、18、20、25または30ヌクレオチド長のオリゴヌクレオチドに関する。例えば、いくつかの実施形態は、配列番号31、32、または33のいずれか一つの配列を含むオリゴヌクレオチドである。さらに別の実施形態は、配列番号15、16、17、18、19、20、21、25、26、39、40、41、42、55、および56の一つだけにアニールする、少なくとも10、12、14、16、18、20、25または30ヌクレオチド長であるオリゴヌクレオチドに関する。
さらに別の態様は、プライマーおよび/またはプローブを含むキットに関する。プライマーおよび/またはプローブは、少なくとも10、12、14、16、18、20、25、または30ヌクレオチド長であり、MREJタイプxi〜xxの核酸のいずれか一つとハイブリダイズすることができる。さらなる実施形態は、少なくとも10、12、14、16、18、20、25、または30ヌクレオチド長であって配列番号15、16、17、18、19、20、21、25、26、39、40、41、42、55、および56の核酸のいずれか一つとハイブリダイズするプライマーおよび/またはプローブを含むキットに関する。いくつかの実施形態は、プライマー対を含むキットに関する。例えば、いくつかの実施形態では、キットが以下のプライマー対を含む。
Figure 0005214454
発明の詳細な説明
メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)は、個体にとって深刻な健康への脅威となり、MRSAを検出、同定、および定量するための迅速かつ簡便な方法の必要性は明白である。
今までに利用可能であった方法では検出することができなかったMRSAの検出を可能にするMRSA株中に存在する新規DNA配列およびDNA編成を、ここに開示する。この新規DNA配列およびDNA編成は、MRSA DNAのSCCmec領域に存在する。MRSA株は、mecA遺伝子を含むSCCmecインサートを含んでいる。SCCmecは、orfXオープンリーディングフレームの3’末端で細菌DNAに挿入される。細菌DNAへのSCCmecの挿入は多型右端接合部を生成する。以下、これをMREJ(≪mec right extremity junction=mec右端接合部≫を意味する)という。MREJ領域には、SCCmec右端由来の配列と、右SCCmec組み込み部位に隣接する染色体DNA由来の配列とが含まれる。本発明の実施形態は、後述するMRSAの検出および同定に役立つプライマーおよび/またはプローブを導き出す親配列として使用することができる本明細書に開示する新規MREJの配列および編成に関する。本発明の別の態様は、新規MREJ配列から導き出される新規プライマーおよび/またはプローブ、ならびにMREJタイプxi〜xxにハイブリダイズするMRSA検出用のプライマーおよび/またはプローブを含むキットに関する。
本明細書には、核酸を含む試料中のMRSA株の存在または非存在の検出に備えた方法も開示する。MRSA株に特異的であって、本明細書に開示するタイプxi〜xxのMREJ核酸にアニールする、少なくとも一つのプライマーおよび/またはプローブを用意する。そのプライマーおよび/またはプローブを試料の核酸にアニールさせることができる。アニールしたプライマーおよび/またはプローブの検出は、そのプライマーおよび/またはプローブにハイブリダイズするMREJタイプのMRSAが存在することを示す。
プライマーおよびプローブ
本明細書で使用する用語「プライマー」および「プローブ」は、オリゴヌクレオチドまたは核酸に限定されるわけではなく、ヌクレオチドの他に、ヌクレオチドの類似体である分子も包含する。本明細書で使用したヌクレオチドおよびポリヌクレオチドは、ポリデオキシリボヌクレオチド(2−デオキシ−D−リボースを含有)、ポリリボヌクレオチド(D−リボースを含有)、プリン塩基またはピリミジン塩基のN−またはC−グリコシドである他のあらゆるタイプのポリヌクレオチド、ならびに非ヌクレオチド主鎖を含有する他のポリマー、例えばポリアミド(例えばペプチド核酸(PNA)およびポリモルホリノ(Anti−Virals,Inc.(オレゴン州コーバリス)からNeugene(商標)ポリマーとして市販されている)、および他の合成配列特異的核酸ポリマー(ただし、これらのポリマーは、DNAおよびRNAに見出されるような塩基対形成および塩基スタッキングが可能な配置で核酸塩基を含有するものとする)を総称するものとする。
ヌクレオチドおよびポリヌクレオチドという用語は、例えば3’−デオキシ−2’,5’−DNA、オリゴデオキシリボヌクレオチドN3’→P5’ホスホロアミデート、2’−O−アルキル−置換RNA、二本鎖および一本鎖DNA、ならびに二本鎖および一本鎖RNA、DNA:RNAハイブリッド、およびPNAとDNAまたはRNAとのハイブリッドを包含する。この用語は、無修飾型のポリヌクレオチドまたはオリゴヌクレオチドだけでなく、既知タイプの修飾、例えば当技術分野で知られるラベル、メチル化、「キャップ」、類似体による一つ以上の天然ヌクレオチドの置換、ヌクレオチド間修飾、例えば非荷電結合を持つもの(例えばメチルホスホネート、ホスホトリエステル、ホスホロアミデート、カルバメートなど)、負荷電結合を持つもの(例えばホスホロチオエート、ホスホロジチオエートなど)、および正荷電結合を持つもの(例えばアミノアルキルホスホロアミデート、アミノアルキルホスホトリエステル)、例えばタンパク質(ヌクレアーゼ、毒素、抗体、シグナルペプチド、ポリ−L−リジンなどを含む)などのペンダント部分を含有するもの、インターカレーター(例えばアクリジン、ソラレンなど)を持つもの、キレーター(例えば金属、放射性金属、ホウ素、酸化金属など)を含有するもの、アルキル化剤を含有するもの、修飾結合を持つもの(例えばアルファアノマー核酸など)も包含する。
本明細書で使用する用語「ヌクレオシド」および「ヌクレオチド」が、既知のプリン塩基およびピリミジン塩基を含有する部分だけでなく、修飾された他の複素環塩基を含有する部分も包含することは、理解されるだろう。そのような修飾として、メチル化されたプリン類もしくはピリミジン類、アシル化されたプリン類もしくはピリミジン類、または他の複素環が挙げられる。修飾ヌクレオシドまたはヌクレオチドは、糖部分上の修飾(例えば一つ以上のヒドロキシル基がハロゲン、脂肪族基で置き換えられるか、またはエーテル、アミンなどとして官能化される修飾)も包含するだろう。ヌクレオチドまたはポリヌクレオチドへの他の修飾は、各相補的ピリミジンまたはプリンに対して水素結合を形成するプリン塩基またはピリミジン塩基上の官能基の、転位、付加、置換、または他の形での改変を伴う。その結果得られる修飾ヌクレオチドまたはポリヌクレオチドは、他のそのような修飾ヌクレオチド単位と塩基対を形成しうるが、A、T、C、GまたはUとは塩基対を形成することができない。例えば、グアノシン(2−アミノ−6−オキシ−9−β−D−リボフラノシル−プリン)を修飾してイソグアノシン(2−オキシ−6−アミノ−9−β−D−リボフラノシル−プリン)を形成させることができる。そのような修飾は、もやはシトシンとは標準塩基対を効果的に形成しないであろうヌクレオシド塩基をもたらす。しかし、シトシン(1−β−D−リボフラノシル−2−オキシ−4−アミノ−ピリミジン)の修飾によるイソシトシン(1−β−D−リボフラノシル−2−アミノ−4−オキシ−ピリミジン)の形成は、グアノシンとは効果的に塩基対を形成しないが、イソグアノシンとは塩基対を形成するでだろう修飾ヌクレオチドをもたらす。イソシトシンはSigma Chemical Co.(ミズーリ州セントルイス)から入手することができ;イソシチジンはSwitzerら(1993)Biochemistry 32:10489−10496およびその引用文献に記載の方法によって製造することができ;2’−デオキシ−5−メチル−イソシチジンは、Torら(1993)J.Am.Chem.Soc.115:4461−4467およびその引用文献の方法によって製造することができ;イソグアニンヌクレオチドは、Mantschら(1975)Biochem.14:5593−5601に記載の方法、またはCollinsらの米国特許第5,780,610号に記載の方法を使って製造することができる。κおよびπと呼ばれる非天然型塩基対は、2,6−ジアミノピリミジンおよびその相補体(1−メチルピラゾロ[4,3]−ピリミジン−5,7−(4H,6H)−ジオンの合成に関するPiccirilliら(1990)Nature 343:33−37に記載の方法によって、合成することができる。ユニークな塩基対を形成する他のそのような修飾ヌクレオチド単位は、Leachら(1992)J.Am.Chem.Soc.114:3675−3683に記載されており、すなわち当業者には明白であるだろう。
プライマーおよび/またはプローブは、例えば固形支持体に結合された状態、液状、および凍結乾燥状態など、任意の適切な形態で用意することができる。
核酸配列へのプライマーおよび/またはプローブの特異的結合またはアニーリングは、特異的ハイブリダイゼーションによって達成される。特異的ハイブリダイゼーションが、ターゲットまたは基準核酸配列に少なくとも実質的に相補的である配列を選択することによって達成されることは、当業者には理解されるだろう。これには、オリゴヌクレオチド配列の全長にわたるオリゴヌクレオチドターゲット核酸配列の塩基対形成が含まれる。そのような配列は互いに「完全に相補的」であるということができる。あるオリゴヌクレオチドが本明細書に記載の核酸配列に対して「実質的に相補的」であるという場合、それら二つの配列は完全に相補的であってもよいし、あるいはハイブリダイゼーション時にミスマッチを形成するが、MRSA核酸の存在を検出するために使用される条件下でハイブリダイズする能力は保っている状態であってもよい。
プローブ長とプローブがターゲット配列にアニールする効率および正確さの両方との間には、正の相関関係が存在する。特に、長い配列ほど短い配列よりも融解温度(T)が高く、所与のターゲット配列内で繰り返される可能性が低く、その結果、非特異的なハイブリダイゼーションが最小限に抑えられる。
本明細書で使用する場合、「T」と「融解温度」は互いに交換可能な用語であり、ある二本鎖ポリヌクレオチド分子集団の50%が一本鎖に解離した状態になる時の温度を指す。ポリヌクレオチドのTを計算するための式は、当技術分野ではよく知られている。例えばTは、以下の等式によって計算することができる:Tm=69.3+0.41×(G+C)%−6−50/L(式中、Lはヌクレオチド数で表したプローブの長さである)。ハイブリッドポリヌクレオチドのTも、1M塩でのハイブリダイゼーションアッセイから採用された式を使って見積ることができ、PCRプライマーのTを計算するためによく用いられる:[(A+Tの数)×2℃+(G+Cの数)×4℃]。例えばC.R.Newtonら,PCR,第2版,Springer−Verlag(ニューヨーク:1997)の24頁を参照されたい。構造および配列特徴を考慮してTを計算するさらに洗練された他の計算方法も、当技術分野には存在する。計算されたTは推定値に過ぎず、至適温度は普通、実験的に決定される。
高いG+C含量を持つまたはパリンドローム配列を含むプライマーもしくはプローブ配列は、その意図するターゲット部位と同様に、自己ハイブリダイズする傾向がある。なぜなら、溶解状態では一般に、二分子ハイブリダイゼーションキネティクスよりも単分子ハイブリダイゼーションキネティクスの方が有利だからである。しかし、十分な数のG:Cヌクレオチド塩基対を含有するプローブを設計することも重要である。なぜなら、各G:C対は、AおよびT(またはAおよびU)塩基が対を形成してターゲット配列を結合する際に見られる二つの水素結合ではなく、三つの水素結合によって結合され、それゆえに、より密着した強い結合を形成するからである。好ましいG+C含量は約50%である。
ハイブリダイゼーション温度は、プローブアニーリング効率とは逆に変化し、ハイブリダイゼーション混合物に含まれているかもしれない有機溶媒(例えばホルムアミド)の濃度も同様であるが、塩濃度の増加は結合を促進する。ストリンジェントなアニーリング条件下では、長いハイブリダイゼーションプローブまたは合成プライマーほど、短いものよりも効率よくハイブリダイズし、より許容的な条件下で十分である。好ましくは、ストリンジェントなハイブリダイゼーションを、基準またはターゲット核酸配列がプローブにハイブリダイズすることを許す条件下に、適切なバッファー中で行う。ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件は、例えば約1M未満、より一般的には約500mM未満、好ましくは約200mM未満)の塩濃度から変動することができ、ハイブリダイゼーション温度は、(例えば、プローブの長さおよび/または核酸組成に依存して、下は0℃から22℃を超える温度、約30℃を超える温度、そして(ほとんどの場合)約37℃を超える温度にまでわたりうる。長いフラグメントほど、特異的結合には高いハイブリダイゼーション温度を必要としうる。ハイブリダイゼーションのストリンジェンシーにはいくつかの因子が影響を及ぼすので、単一の因子の絶対尺度よりも、パラメータの組み合わせの方が大切である。「ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件」は、以下のどちらか一方または両方を指す:a)6×SSC、約45℃の後、0.2×SSC、0.1%SDS、65℃中で1回以上の洗浄、およびb)400mM NaCl、40mM PIPES pH6.4、1mM EDTA、50℃または70℃で12〜16時間の後、洗浄。
本明細書に記載する方法において、アニールしたプライマーおよび/またはプローブの検出は、直接的または間接的であることができる。例えば、プローブを被検試料にアニールさせて、それを直接検出することができる。一方、プライマーを被検試料にアニールさせた後、増幅ステップを行うこともできる。増幅産物は直接検出するか、増幅産物にアニールするプローブの検出を介して検出することができる。
いくつかの実施形態では、二つ以上のプライマーおよび/またはプローブを用意する。例えば、いくつかの実施形態は、MREJタイプxi〜xxを含む複数のMRSA株を検出するための方法に関する。複数のプライマーおよび/またはプローブは、別個の物理的容器または同じ物理的容器中で行われる反応に使用することができる。さまざまなMRSAタイプについて調べる反応を、一つずつまたは同時に行うことができる。複数のプライマーを同じ物理的容器に用意する実施形態では、複数のオリゴヌクレオチドを使って、最も好ましくは全てが共通の条件下でターゲット領域とアニールする能力を持つ複数のオリゴヌクレオチドを使って、マルチプレックスPCR反応を行うことができる。
いくつかの実施形態では、異なるMREJタイプに特異的な複数のプライマーおよび/またはプローブを、MREJのタイプを決定することができるように、マルチプレックスPCR反応に用意する。検出に使用するプライマーおよび/またはプローブは、あるMREJタイプをもう一つのMREJタイプと区別することができるように、異なるラベルを持つことができる。本明細書で使用する用語「ラベル」は、検出可能シグナルを直接または間接的に与える能力を持つ物体を指す。典型的なラベルには、放射性同位体、蛍光分子、ビオチンなどがある。
orfX遺伝子およびいくつかのSCCmec DNAフラグメント由来の配列は公的データベースから入手することができ、それを使って、MRSAを検出するためのDNAに基づく検査が開発されているが、本明細書に開示する新規配列データは、当技術分野で知られるアッセイを使って検出されることが今までなかったMREJタイプxi〜xxのMRSAの検出を可能にする。表8に列挙するこれらの新規配列は、MRSAの既知MREJ配列に基づいて開発されたPCRアッセイでは予測することも検出することもできなかったであろう(米国特許第6,156,507号;国際特許出願PCT/CA02/00824;Itoら,2001,Antimicrob.Agents Chemother.45:1323−1336;Huletskyら,2004,J Clin.Microbiol.42:1875−1884;Maら,2002,Antimicrob.Agents Chemother.46:1147−1152;Itoら,Antimicrob Agents Chemother.2004.48:2637−2651;Oliveiraら,2001,Microb.Drug Resist.7:349−360)。したがって、これらの新規MREJ配列は、MREJタイプxi〜xxを持つMRSA株を検出および/または同定するためのプライマーおよびプローブを当業者が設計することを可能にするので、MRSA診断用の現在のNATアッセイを改良するものである。
オリゴヌクレオチドプライマーおよび/またはプローブの設計および合成
ハイブリダイゼーション用のプローブおよびDNA増幅用のプライマーを含めて、全てのオリゴヌクレオチドを、ハイブリダイゼーションまたはPCR増幅に関するその適合性について、公的または商業的に入手することができるコンピュータソフトウェア、例えばGenetics Computer Group GCG Wisconsinパッケージプログラム、ならびにOligo(商標)6およびMFOLD3.0プライマー解析ソフトウェアなどを用いるコンピュータ解析によって評価した。PCRプライマー対の潜在的適合性も、その合成に先だって、1ヌクレオチドの長いストレッチや3’末端の高いGまたはC残基比率などといった望ましくない特徴が存在しないことを確認することによって評価した(Persingら,1993,Diagnostic Molecular Microbiology.Principles and Applications,American Society for Microbiology,ワシントン)。オリゴヌクレオチド増幅プライマーは、自動DNA合成装置(Applied Biosystems)を使って合成した。
プライマーまたはプローブのオリゴヌクレオチド配列は、二重鎖DNAのどちらの鎖に由来してもよい。プライマーまたはプローブは、塩基A、G、C、もしくはTまたは類似体からなることができ、四つの天然ヌクレオチドのいずれとも対を形成するヌクレオチド類似体を使って、一つ以上の選択したヌクレオチド位置で縮重させてもよい(Nicholsら,1994,Nature 369:492−493)。プライマーおよびプローブは、ロックト核酸(LNA)(Koskinら,1998,Tetrahedron 54:3607−3630)や、ペプチド核酸(PNA)(Egholmら,1993,Nature 365:566−568)などのヌクレオチド類似体も含有しうる。プライマーまたはプローブは任意の適切な長さを持つことができ、MREJタイプxi〜xxを持つMRSAの検出に適した専有フラグメント由来のまたは選択したデータベース配列由来のDNA配列内で、どこでも選択することができる。好ましい実施形態では、プライマーおよび/またはプローブが、少なくとも10、12、14、16、18、20、25、または30ヌクレオチド長である。
所与のターゲット微生物遺伝子には変異体が自然界に存在し、それは進化中にその遺伝子内で起こった配列変異に起因すると考えられる(Watsonら,1987,Molecular Biology of the Gene,第4版,The Benjamin/Cummings Publishing Company、カリフォルニア州メンローパーク;Lewin,1989,Genes IV,John Wiley & Sons,ニューヨーク州ニューヨーク)。例えば、同じ微生物種の異なる株は、オリゴヌクレオチドハイブリダイゼーション部位に一つ以上のヌクレオチド変異を持ちうる。ある特定遺伝子に変異核酸および/または配列が存在すること、および配列変異の頻度は所与の遺伝子産物に対する進化中の選択圧に依存することは、当業者には容易に理解される。二つのPCRプライマー間の領域に関する変異配列の検出は、増幅産物を配列決定することによって達成しうる。一方、プライマーハイブリダイゼーション部位とオーバーラップする配列変異を検出するには、そのハイブリダイゼーション部位の外側にあるPCRプライマーを使った、より大きなDNAターゲットの増幅と、それに続く配列決定とが必要になる。同じような戦略を使って、プローブのハイブリダイゼーション部位における変異を検出することができる。変異MREJへのハイブリダイゼーションまたは増幅に役立つ変異プライマーおよび/またはプローブ配列が考えられるのと同様に、ターゲット核酸および/もしくは配列またはその一部の分岐が増幅プライマーまたはプローブの感度および/または特異性および/または偏在性に著しい影響を及ぼさない限りにおいて、変異MREJ配列も考えられる。
本明細書に明示的に記載するオリゴヌクレオチド配列以外のオリゴヌクレオチド配列であって、MRSAの検出および/または同定に適しているオリゴヌクレオチド配列も、本明細書に開示する新規MREJ配列または選択した公的データベース配列から導き出すことができる。例えば、オリゴヌクレオチドプライマーまたはプローブは、選ばれたものより短くても(ただし少なくとも10ヌクレオチド長)、長くてもよく;本明細書に開示するMREJ配列中または公的データベースから選択した配列中の、他のどこを選択してもよい。さらに、本明細書に開示するオリゴヌクレオチドの変異体を設計することもできる。ターゲットDNAもしくはその変異体が所与のオリゴヌクレオチドにハイブリダイズするか、またはターゲットDNAもしくはその変異体を所与のオリゴヌクレオチドPCRプライマー対によって増幅することができるならば、逆もまた真であり、所与のターゲットDNAは変異オリゴヌクレオチドプローブにハイブリダイズするか、変異オリゴヌクレオチドPCRプライマーによって増幅されうる。あるいは、PCR以外の増幅方法に使用するためのオリゴヌクレオチドをMREJ配列から設計してもよい。本明細書に開示するプライマーおよび/またはプローブは、MREJタイプxi〜xxの特異的かつ偏在的なオリゴヌクレオチドプローブおよび/または増幅プライマーの由来源として使用されるゲノムDNA配列をターゲットとすることによって設計された。専有フラグメントまたは公的データベース配列をその特異性および偏在性ゆえに選択すれば、そのサブセットも特異的かつ偏在的になる可能性が増加する。したがって、診断的目的に適したオリゴヌクレオチドの選択および評価は多くの努力を必要とするが、診断的目的に適した表9、10および11に列挙するもの以外のオリゴヌクレオチドを、選択したDNAフラグメントから導き出すことは、当業者にとって十分に可能である。
本明細書に開示する診断キット、プライマーおよびプローブは、インビトロおよび/またはインサイチューでの応用例の両方で、MREJタイプxi〜xxのMRSAを検出および/または同定するために使用することができる。例えばキットは、今までに記載されたMREJタイプi〜xのMRSAを検出するプライマー/プローブと組み合わせて使用することができると考えられる。また、本明細書に開示する診断キット、プライマーおよびプローブは単独で使用することも、微生物の検出および/または同定に適した他の任意のアッセイ、例えば、限定するわけではないが、核酸検出に基づく任意のアッセイ、任意のイムノアッセイ、任意の酵素アッセイ、任意の生化学アッセイ、任意の溶菌型アッセイ、任意の血清学的アッセイ、任意の分別培養培地、任意の濃縮培養培地、任意の選択培養培地、任意の特異的アッセイ培地、任意の同定培養培地、任意の計数培養培地、任意の細胞染色、特定細胞株での任意の培養、および動物での任意の感染性アッセイなどと組み合わせて使用することもできると考えられる。
試料には、任意の臨床試料、任意の環境試料、任意の微生物培養物、任意の微生物コロニー、任意の組織、および任意の細胞株が含まれうるが、これらに限るわけではない。
DNA増幅
いくつかの実施形態では、アニーリングステップの後に、増幅および/または検出ステップが続く。本明細書に記載する方法では、あらゆるタイプの核酸増幅技術を使用することができる。本明細書に記載する方法で使用することができる増幅反応の限定でない例には、以下に挙げるものがあるが、これらに限るわけではない:ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)(Innis編「PCR PROTOCOLS,A GUIDE TO METHODS AND APPLICATIONS」Academic Press,ニューヨーク(1990)およびInnis編「PCR STRATEGIES」(1995)Academic Press,Inc.,ニューヨーク(Innis)参照)、リガーゼ連鎖反応(LCR)(Wu(1989)Genomics 4:560;Landegren(1988)Science 241:1077;Barringer(1990)Gene 89:117参照)、核酸配列に基づく増幅法(NASBA)、自己持続配列複製法(3SR)(Guatelli(1990)Proc.Natl.Acad.Sci.USA,87:1874参照)、鎖置換増幅法(SDA)、分枝DNAシグナル増幅法 bDNA、転写仲介増幅法(TMA)(Kwoh(1989)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 86:1173参照)、サイクリングプローブ技術(CPT)、ネステッドPCR、マルチプレックスPCR、固相増幅法(SPA)、ヌクレアーゼ依存的シグナル増幅法(NDSA)、ローリングサークル増幅技術(RCA)、固定鎖置換増幅法、固相(固定化)ローリングサークル増幅、Qβレプリカーゼ増幅法および他のRNAポリメラーゼによる技法(例えばNASBA、Cangene、オンタリオ州ミシソーガ)。これらの技法および他の技法は、Berger(1987)Methods Enzymol.152:307−316;Sambrook,Ausubel,Mullis(1987)米国特許第4,683,195号および同第4,683,202号;Amheim(1990)C&EN 36−47;Lomell J.Clin.Chem.,35:1826(1989);Van Brunt,Biotechnology,8:291−294(1990);Wu(1989)Gene 4:560;Sooknanan(1995)Biotechnology 13:563−564にも記述されている。
好ましい実施形態では、PCRを使って試料中の核酸を増幅する。PCRによるDNA増幅中は、微生物ゲノム由来の熱変性ターゲットDNAの各鎖にそれぞれ結合する二つのオリゴヌクレオチドプライマーを使って、各サイクルでのDNAの変性、プライマーのアニーリングおよび新しいターゲットの合成を許す連続的熱サイクルにより、ターゲットDNAをインビトロで指数的に増幅させる(Persingら,1993,Diagnostic Molecular Microbiology:Principles and Applications,American Society for Microbiology,ワシントン)。
核酸増幅効率を改善するために、標準的増幅プロトコールには、反応混合物への変更を含めて、変更を加えることができる(ChakrabartiおよびSchutt,2002,Biotechniques,32:866−874;Al−SoudおよびRadstrom,2002,J.Clin.Microbiol.,38:4463−4470;Al−SoudおよびRadstrom,1998,Appl.Environ.Microbiol.,64:3748−3753;Wilson,1997,Appl.Environ.Microbiol.,63:3741−3751)。増幅反応混合物のそのような変更としては、さまざまなポリメラーゼの使用、または核酸増幅促進剤、例えばベタイン、BSA、スルホキシド類、タンパク質gp32、界面活性剤、陽イオン、およびテトラメチルアンモニウムクロリドなどの添加が挙げられるが、これらに限るわけではない。
核酸の検出
増幅された核酸の検出には、当業者に知られる任意のリアルタイム技術または増幅後技術が含まれうる。古典的には、PCR増幅産物の検出は、標準的な臭化エチジウム染色アガロースゲル電気泳動によって行われるが、より迅速であり、ルーチン診断にとってより実用的でありうる他の特異的増幅産物検出方法、例えば同時係属中の特許出願WO01/23604A2に記載されている方法を使用しうることは、当業者には容易に理解されるだろう。アンプリコン検出は、増幅産物にハイブリダイズする種特異的内部DNAプローブを使った固形支持体または液相ハイブリダイゼーションによって行うこともできる。そのようなプローブは、本明細書に開示するMREJ核酸のレパートリーに由来する任意の配列から作成し、DNA増幅物に特異的にハイブリダイズするように設計することができる。あるいは、アンプリコンを配列決定によって特徴づけることもできる。検出および配列決定方法の例については同時係属中の特許出願WO01/23604A2を参照されたい。
本明細書に開示する実施形態で使用することができる核酸検出技術の限定でない他の例には、蛍光共鳴エネルギー移動(FRET)に基づく方法、例えばプローブの隣接ハイブリダイゼーション(プローブ−プローブ法およびプローブ−プライマー法を含む)(J.R.Lakowicz「Principles of Fluorescence Spectroscopy」Kluwer Academic/Plenum Publishers,ニューヨーク,1999参照)、TaqManプローブ技術(欧州特許EP0543942参照)、分子ビーコンプローブ技術(Tyagiら(1996)Nat.Biotech.14:303−308参照)、Scorpionプローブ技術(Thewell(2000)Nucl Acids Res.28:3752参照)、ナノ粒子プローブ技術(Elghanianら(1997)Science 277:1078−1081参照)、およびAmplifluorプローブ技術(米国特許第5,866,366号;同第6,090,592号;同第6,117,635号;および同第6,117,986号参照)があるが、これらに限るわけではない。
好ましい実施形態では、ターゲット核酸の増幅後検出に、分子ビーコンを使用する。分子ビーコンは、ターゲットに結合しない限りヘアピンコンフォメーションで存在する一本鎖オリゴヌクレオチドである。このオリゴヌクレオチドの5’末端は蛍光色素を含有する。消光色素はオリゴヌクレオチドの3’末端に取付けられる。ビーコンがターゲットに結合していない場合は、ヘアピン構造が蛍光体と消光体とを近接させるので、蛍光を観測することはできない。しかし、ビーコンがターゲットとハイブリダイズすると、ヘアピン構造が破壊されることにより、蛍光体と消光体とが分離され、蛍光の検出が可能になる(Kramer FR.,1996,Nat Biotechnol 3:303−8参照)。他の検出方法として、免疫学的方法によるターゲット遺伝子核酸検出、フィルター、チップまたは他の任意の固形支持体上での固相ハイブリダイゼーション法が挙げられる。これらの系では、蛍光、化学発光、ポテンシオメトリー、質量分析、プラズモン共鳴、偏光測定、比色法、フローサイトメトリーまたはスキャン分析など、当業者に知られる任意の適切な方法によって、ハイブリダイゼーションを監視することができる。ジデオキシターミネーション法による配列決定またはハイブリダイゼーションによる配列決定(例えばDNAチップを使った配列決定)などのヌクレオチド配列決定は、ターゲット遺伝子の核酸を検出し特徴づけるためのもう一つの方法である。
MREJ核酸
本明細書の開示するMREJフラグメントは、新規プライマーを使ってMRSAを増幅することによって生成される配列のレパートリーとして得られた。表8〜11に開示する増幅およびシークエンスプライマー、MREJ配列のレパートリー、ならびにそこから導き出される診断的目的用のオリゴヌクレオチド配列は、本発明のさらなる目的である。
本発明の諸態様は、核酸、特に、SCCmecの右端とMRSAタイプxi〜xx中のSCCmec組み込み部位の右側にある染色体DNAとに由来する配列を含む、SCCmec右端接合部(MREJ)のDNAフラグメントに由来する核酸配列に関する。いくつかの実施形態は、MREJタイプxi〜xx株に特異的プライマーおよび/またはプローブを導き出す元となるMREJタイプxi〜xxの親配列に関する。したがって、いくつかの実施形態は、配列番号15、16、17、18、19、20、21、25、26、39、40、41、42、55、もしくは56のヌクレオチド配列、またはその相補体に関する。別の実施形態は、DNAフラグメントおよびオリゴヌクレオチド、例えばプライマーおよびプローブに関する。例えばいくつかの実施形態は、配列番号15、16、17、18、19、20、21、25、26、39、40、41、42、55、または56の核酸の少なくとも10、20、30、40、50、75、100、150、200、250、300、350、400、450、500、600、700、または800連続ヌクレオチドを含む核酸に関する。
本発明の範囲は、PCRによる増幅の使用に限定されず、任意の核酸増幅法または核酸に基づく診断検査の感度および/もしくは迅速性を増加させるために使用することができる他の任意の手法の使用を包含する。本発明の範囲は、リアルタイム検出技術および増幅後検出技術を含む任意の核酸増幅および検出技術、検出と組み合わされた任意の増幅技術、任意のハイブリダイゼーション核酸チップまたはアレイ技術、任意の増幅チップまたは増幅およびハイブリダイゼーションチップ技術の組み合わせの使用も包含する。任意のヌクレオチド配列決定法による検出および同定も、本発明の範囲に包含される。
(実施例1)
以前に記載されたMRSA診断増幅アッセイの評価
当初、文献は、DNA配列ホモロジーに基づいて、MRSA株には5タイプのSCCmec右端配列(SCCmecタイプI〜V)が見出されると、教示していた(Itoら,1999,Antimicrob.Agents Chemother.43:1449−1458;Katayamaら,2000,Antimicrob.Agents Chemother.44:1549−1555;Itoら,2001,Antimicrob.Agents Chemother.45:1323−1336;Maら,2002,Antimicrob.Agents Chemother.46:1147−1152;Itoら,2004,Antimicrob.Agents Chemother.48:2637−2651参照)。SCCmec DNAは、メチシリン感受性黄色ブドウ球菌(MSSA)の染色体のorfXと呼ばれる特異的部位に組み込まれる。一般に、各SCCmecタイプは、SCCmecカセットの右端にユニークなヌクレオチド配列を持つ。この規則の例外はSCCmecタイプIIおよびIVに見られ、これらは2000ヌクレオチドにわたってほぼ同一な配列を示す。しかし、SCCmecタイプIIは、SCCmecタイプIの右末端に102ヌクレオチドの挿入を持つ。SCCmecタイプI〜IIIと分類される株はMREJタイプi〜iiiのカテゴリーに入る。
最近、本発明者らは数株のMRSAのMREJ領域を解析した。本発明者らは、MRSA由来のSCCmecの右端接合部にある7個の新しい配列を記載し、それらをMREJタイプイiv、v、vi、vii、viii、ix、およびxと名付けた(Huletskyら,2004,J Clin.Microbiol.42:1875−1884;国際特許出願PCT/CA02/00824)。
本発明者らは、MREJタイプi、ii、iii、iv、v、およびviiのSCCmec部分をターゲットとするプライマーと、黄色ブドウ球菌orfXをターゲットとするプライマーとを持つ、リアルタイムMRSA特異的マルチプレックスPCRアッセイを設計した。orfX配列のこの領域中に同定された全ての配列多型を検出するために、orfX配列に特異的な三つの分子ビーコンプローブ(MBP)を使用した(Huletskyら,2004,J.Clin.Microbiol.42:1875−1884)。黄色ブドウ球菌orfXにハイブリダイズする配列番号30のオリゴヌクレオチドと、MREJタイプi、ii、iii、iv、v、およびviiのSCCmec部分にハイブリダイズする配列番号36、70、71、72、および74のオリゴヌクレオチドとを、PCR反応に使用した。黄色ブドウ球菌orfXにハイブリダイズする配列番号31、32、および33のオリゴヌクレオチドをプローブとして使用した。メチシリン感受性黄色ブドウ球菌(MSSA)の基準株および臨床株569株ならびに32カ国から得られた異なるMRSA株(周知の流行クローンを含む)1657株のパネルを使って、PCRアッセイの特異性および偏在性(すなわち全てまたは大半のMRSA株を検出する能力)を確認した。
本明細書に開示するMREJ核酸のレパートリーおよびそこに由来するオリゴヌクレオチドを構築するために使用した被検株のリストを表1に示す。本発明で使用した黄色ブドウ球菌臨床株は、SENTRYプログラム収集物およびいくつかの供給者の収集物の一部である。これらの黄色ブドウ球菌基準株または臨床分離株は32カ国に起源を持つ:アフリカ諸国(n=15)、アルバニア(n=2)、アルゼンチン(n=50)、オーストラリア(n=71)、オーストリア(n=2)、ベルギー(n=10)、ブラジル(n=78)、カナダ(n=607)、チリ(n=42)、中国(n=70)、デンマーク(n=33)、エジプト(n=1)、フィンランド(n=12)、フランス(n=50)、ドイツ(n=47)、ギリシャ(n=7)、アイルランド(n=5)、イスラエル(n=19)、イタリア(n=61)、日本(n=62)、メキシコ(n=1)、オランダ(n=179)、ポーランド(n=33)、ポルトガル(n=24)、シンガポール(n=20)、スロベニア(n=12)、スペイン(n=31)、スウェーデン(n=10)、スイス(n=13)、トルコ(n=28)、英国(n=22)、および米国(n=528)。ブドウ球菌株の同定の確認は、必要な場合に、MicroScan WalkAway Panel type Positive Breakpoint Combo 13を使って行った(Dade Behring Canada Inc.、カナダ・オンタリオ州ミシソーガ)。必要な場合は、黄色ブドウ球菌特異的プライマーおよびmecA特異的プライマー(配列番号50、60、61、63)を用いるPCR解析によって、同定を再確認した(Martineauら,2000,Antimicrob.Agents Chemother.44:231−238)。アッセイで得たデータを表2に示す。
試験した569株のMSSAのうち、26株はPCRアッセイに基づいてMRSAと誤認された。試験した1657株のMRSAのうち、1640株はPCRアッセイで特異的に検出されたが、広範囲にわたるさまざまな起源を代表する、これらMRSA株のうちの23株は、このアッセイでは検出されなかった。そこで、このPCRアッセイの特異性および偏在性(すなわち全てまたは大半のMRSA株を検出する能力)を確認した。上記のアッセイで検出されなかったこれらの23株のMRSAのうちの4株、CCRI−9208、CCRI−9770、CCRI−9681、およびCCRI−9860は、それぞれMREJタイプvi、viii、ix、およびxを保有することが、以前に示されている(国際特許出願PCT/CA02/00824)。
アッセイで検出されなかった残り19株のMRSAをさらに解析した。各株から得たゲノムDNAに対して、MREJタイプvi、viii、またはixのSCCmec右端にある配列をターゲットとするプライマーを、黄色ブドウ球菌orfXをターゲットとするプライマーと組み合わせて使用することにより、PCRを行った。具体的には、各PCR反応は、MREJタイプviにアニールする配列番号65のオリゴヌクレオチド、MREJタイプviiiにアニールする配列番号75のオリゴヌクレオチド、またはMREJタイプixにアニールする配列番号29のオリゴヌクレオチドと、黄色ブドウ球菌特異的プライマーである配列番号30のオリゴヌクレオチドとの組み合わせを含有した。MREJタイプxは、全orfXおよびSCCmecタイプIIの右端の一部の欠失を持つことが、以前に示されている(国際特許出願PCT/CA02/00824)。そこで、MREJタイプxを検出するためのPCR反応では、黄色ブドウ球菌染色体中のorf22にアニールする配列番号77のオリゴヌクレオチドと、SCCmecタイプII内に位置するorf27にアニールする配列番号73のオリゴヌクレオチドとを使用した。19株のうち2株、CCRI−11879およびCCRI−12036は、これらのPCRプライマーにより、MREJタイプixを保有することが示された。しかし、17株のMRSAは、MREJタイプvi、viii、ix、およびxをターゲットとするプライマーでは検出されず、これらの株は新しいMREJタイプを保有することが示唆された(表2および表3)。
(実施例2)
MRSA由来の新規MREJタイプの配列決定
MREJタイプi〜xの検出を可能にするプライマーでDNAが増幅されなかった17株のMRSAのMREJ領域をさらに特徴づけるために、これらの17株のMRSAのうち15株について、MREJのヌクレオチド配列を決定した。まず最初に、mecAにアニールするプライマー(配列番号50)とorfXの5’末端にアニールするプライマー(配列番号44)とを、PCR反応で一緒に使用して、MRSAのMREJフラグメントを増幅した。これらのプライマーを選択するために使用した戦略を図1に図解する。それぞれ100ngの精製ゲノムDNAを含有する四つの同一PCR反応を行った。各PCR反応は、1×HERCULASE(商標)DNAポリメラーゼバッファー(Stratagene、カリフォルニア州ラホーヤ)、各0.8μMの配列番号44および50のオリゴ、各0.56mMの四つのdNTP、および5単位のHERCULASE(商標)DNAポリメラーゼ(Stratagene、カリフォルニア州ラホーヤ)を、最終体積50μl中に1mM MgClと共に含有した。標準的サーマルサイクラー(MJ Research Inc.のPTC−200)を使って、PCR反応を、以下のとおり、サイクリングに付した:92℃で2分の後、変性ステップとして92℃で10秒、アニーリングステップとして55℃で30秒、および伸長ステップとして68℃で15分を35または40サイクル。
四つのPCR反応をプールした。PCR反応のうち10μLを、0.25μg/mLの臭化エチジウムを含有する0.7%アガロースゲルでの電気泳動によって分離した。次にアンプリコンをAlpha−Imager(Alpha Innotech Corporation、カリフォルニア州サンリアンドロ)で、254nmのUV光に曝露することにより、可視化した。残りのPCR増幅混合物(合計150〜200μl)も、0.7%アガロースゲルでの電気泳動によって分離し、メチレンブルーを使った染色によって可視化した(Floresら,1992,Biotechniques,13:203−205)。
試験した15株のうち、以下の8株は、配列番号44および50をプライマーとして、長さが12〜20kbの範囲の増幅産物を与えた:CCRI−11976、CCRI−11999、CCRI−12157、CCRI−12198、CCRI−12199、CCRI−12719、CCRI−9887、CCRI−9772。増幅産物をアガロースゲルから切り出し、QIAquick(商標)ゲル抽出キット(QIAGEN Inc.、カリフォルニア州バレンシア)を使って精製した。ゲル精製したDNAフラグメントを、そのままシークエンス反応に使用した。MREJ増幅産物の両鎖を、Applied Biosytems自動DNAシーケンサー(モデル377または3730xl)を、同社のBig Dye(商標)Terminator Cycle Sequencing Ready Reaction Kit(Applied Biosystems、カリフォルニア州フォスターシティ)と共に使って、ジデオキシヌクレオチド連鎖停止配列決定法により、配列決定した。シークエンス反応には、425〜495ngのゲル精製アンプリコンを、増幅反応に使用した配列番号44と共に使用した。配列番号44を使った反応から作成した配列情報に基づいて、内部シークエンスプライマーを設計し、各アンプリコン調製物のより大きい部分について両鎖から配列データを得るために使用した。具体的には、配列番号43および45のオリゴヌクレオチドを使って、MRSA CCRI−11976株およびCCRI−11999株を配列決定し;配列番号43、45、および51を使って、MRSA CCRI−12157株、CCRI−12198株、およびCCRI−12199株を配列決定し;配列番号43、45、および52を使って、MRSA CCRI−12719株を配列決定し;配列番号24を使って、MRSA CCRI−9887株を配列決定し、配列番号4、45、および57を使って、MRSA CCRI−9772株を配列決定した(図1、表9および表11)。表3に記載する8株の配列を、配列番号15、16、17、18、19、20、55、および56として示す(表8)。
決定された配列がPCRアーチファクトの配列決定に起因すると考えられるエラーを含まないことを保証するために、2回の独立したPCR増幅に由来する二つの独立したゲル精製MREJ増幅産物の調製物を、上述のように配列決定した。大半のターゲットフラグメントに関して、両アンプリコン調製物について決定された配列は同一だった。さらにまた、両鎖の配列は100%相補的であったことから、決定された配列の高い正確さが確認された。上記の戦略を使って決定されたMREJ配列を、配列表および表8に記載する。
異なるオリゴヌクレオチドプライマーセット(Olivieraらに記載)を使って、MREJタイプi〜viiを検出するためのプライマーでは増幅産物を与えなかった17株のMRSAを、さらに解析した(Oliveiraおよびde Lencastre.2002,Antimicrob.Agents Chemother.46:2155−2161)。二つの株(CCRI−12382およびCCRI−12383)が、SCCmecタイプIIIを保有し、Ψccr複合体に特異的な配列を含有していた。もう一つの株(CCRI−12845)はSCCmecタイプIIを保有していた。
CCRI−12382株およびCCRI−12383株のMREJ配列を決定するために、SCCmecタイプIII内に位置するΨccr複合体配列をターゲットとするプライマー(配列番号27)を、orfXの5’末端をターゲットとするプライマー(配列番号44)と組み合わせて使用することにより、これら二つのMRSA株のMREJフラグメントを増幅した(表10および図1)。それぞれ100ngの精製ゲノムDNA分子を含有する四つの同一PCR反応を行った。各PCR反応は、1×HERCULASE(商標)DNAポリメラーゼバッファー(Stratagene、カリフォルニア州ラホーヤ)、各0.8μMの上記二つのプライマー(配列番号27および44)、各0.56mMの四つのdNTPおよび5単位のHERCULASE(商標)DNAポリメラーゼ(Stratagene、カリフォルニア州ラホーヤ)を、最終体積50μl中に1mM MgClと共に含有した。標準的サーマルサイクラー(MJ Research Inc.(マサチューセッツ州ウォータータウン)のPTC−200)を使って、PCR反応を、以下のとおり、サイクルさせた:92℃で2分の後、変性ステップとして92℃で10秒、アニーリングステップとして55℃で30秒、および伸長ステップとして68℃で15分を35サイクル。
PCR反応をプールし、PCR増幅混合物のうち10μlを、0.25μg/mlの臭化エチジウムを含有する0.7%アガロースゲルでの電気泳動によって分離した。次にアンプリコンをAlpha−Imager(Alpha Innotech Corporation、カリフォルニア州サンリアンドロ)で、254nmのUV光に曝露することにより、可視化した。残りのPCR増幅混合物(合計150〜200μl)も、0.7%アガロースゲルでの電気泳動によって分離し、上述のようにメチレンブルーを使った染色によって可視化した。これらの二つのMRSA株の場合、約8kbの増幅産物が得られた。そのPCR増幅産物をアガロースゲルから切り出し、上述のように精製した。次に、ゲル精製したDNAフラグメントを、上述のようにそのままシークエンス反応に使用した。シークエンス反応は、配列番号44(増幅反応にも使用したもの)と各反応につき425〜495ngのゲル精製アンプリコンとを使って行った。次に、異なる内部シークエンスプライマーセットを使って、そのアンプリコンの、より大きい部分について、両鎖からの配列データを得た(配列番号28、30、および43)(図1、表9および表11)。この戦略を使って配列決定された表3に記載のMRSA CCRI−12382およびCCRI−12383の配列を、それぞれ配列番号25および26と名付ける(表8)。
CCRI−12845株(SCCmecタイプII)のMREJフラグメントを配列決定するために、orfXの5’末端にアニールする配列番号44のオリゴヌクレオチドを、MREJタイプiiのSCCmec右端にアニールする配列番号53のオリゴヌクレオチドと組み合わせて使用することにより、PCR増幅を行った。1μLの精製ゲノムDNA調製物を、39μLのPCR反応混合物が入っている4本のチューブに直接移した。各PCR反応は、50mM KCl、10mMトリス−HCl(pH9.0)、0.1%Triton X−100、2.5mM MgCl、各0,4μMの配列番号44および53のオリゴヌクレオチド、各200μMの四つのdNTP、3.3μg/μlのBSA(Sigma−Aldrich Canada Ltd)、およびTaqStart(商標)抗体(BD Bisociences、カリフォルニア州サンホゼ)と結合させた0.5単位のTaq DNAポリメラーゼ(Promega、ウィスコンシン州マディソン)を含有した。PCR反応は、標準的サーマルサイクラー(MJ Research Inc.(マサチューセッツ州ウォータータウン)のPTC−200)を使って、以下のように行った:94℃で3分の後、変性ステップとして95℃で5秒、アニーリングステップとして58℃で1分、および伸長ステップとして72℃で1分を40サイクル。このプライマーセットで4.5kbの増幅産物が得られた。
増幅産物をプールし、その混合物のうち10μlを、0.25μg/mlの臭化エチジウムを含有する1.2%アガロースゲルでの電気泳動によって分離した。次に、Alpha−Imagerでアンプリコンを可視化した。アンプリコンサイズは、1kb分子量ラダー(Life Technologies、メリーランド州ベセスダ)との比較によって見積った。残りのPCR増幅混合物(合計150μl)も1.2%アガロースゲルでの電気泳動によって分離し、上述のようにメチレンブルーを使った染色によって可視化した。PCR反応は1.2kbの増幅産物を与えた。この特異的増幅産物に対応するバンドをアガロースゲルから切り出し、上述のように精製した。次に、ゲル精製したDNAフラグメントを、上述のように、そのままシークエンス反応に使用した。シークエンス反応は、配列番号44および53のオリゴヌクレオチドならび一つの内部プライマー(配列番号54)および1反応あたり10ng/100bpのゲル精製アンプリコンを使って行った(図1、表10)。CCRI−12845株のMREJ配列を配列番号21と名付ける(表8)。
残り四つのMRSA株(CCRI−12524、CCRI−12535、CCRI−12810、およびCCRI−12905)のMREJ配列を決定するために、配列番号44のオリゴヌクレオチドを、DNA WALKING SPEED UP(商標)Sequencing Kit(Seegene、カリフォルニア州デルマー)の四つのDNA Walking ACP(DW−ACP)プライマーのそれぞれと組み合わせて、製造者の説明に従い、PTC−200サーマルサイクラーで使用した。DW−ACPプライマーシステム(DW ACP−PCR(商標)技術)を使うと、2kbまでの本物の未知ターゲット増幅産物を得ることが可能になる。DW−ACPプライマーの一つを使って得られる最初の増幅産物を、QIAQUIK(商標)PCR精製キット(QIAGEN Inc.、カリフォルニア州バレンシア)を使って精製した。DW−ACP−NプライマーをorfXにアニールする配列番号30のオリゴヌクレオチドと組み合わせて使用することにより、製造者が推奨するPCR条件下で、精製PCR産物を再増幅した。四つの異なる50μL PCR反応のPCR増幅混合物をプールし、1.2%アガロースゲルでの電気泳動によって分離した。次にアンプリコンを、上述のように、メチレンブルーを使った染色によって可視化した。1kb分子量ラダーとの比較によって、アンプリコンサイズをもう一度見積った。1.5〜3kbの増幅産物が得られた。増幅産物をアガロースゲルから切り出し、上述のように精製した後、DNAを、そのまま上述のようにシークエンスプロトコールに使用した。アンプリコン100bpごとに10ngの精製DNAを、配列番号30のオリゴヌクレオチドおよびDW−ACP−Nを用いるシークエンス反応に使用した。MRSA株CCRI−12524、CCRI−12535、CCRI−12810、およびCCRI−12905株(表3に記載)由来のMREJ配列を、配列番号39、40、41、および42と名付ける(表8)。
表3に記載するCCRI−12376およびCCRI−12593を、配列決定するのではなくPCRプライマーを使って特徴づけたところ、特異的増幅プライマーの使用により、MREJタイプxiiiを含有することが示された。
(実施例3)
新規MREJタイプxi〜xxの配列解析
以前に記載されたMREJタイプi〜xを検出するMRSA特異的プライマーによって増幅されえない17株のうち15株について取得した配列を、公的データベースから入手できる配列と比較した。MRSA CCRI−12845株を除く全ての例で、MREJ配列のorfX部分は、orfXの公的に入手できる配列と100%近くの一致度を持っていた。CRRI−12845はorfXに欠失を持っていた(配列番号21)(後述)。CCRI−12845株を除けば、大半のMREJフラグメント(配列番号15〜20、25〜26、39〜42、55〜56)のorfX部分は、公的に入手できる黄色ブドウ球菌orfX配列とほぼ100%の一致度を持つが、SCCmec自体の右端内のDNA配列は、MREJタイプi、ii、iii、iv、v、vi、vii、viii、ix、およびxのものとは異なることが示された(国際特許出願PCT/CA02/00824;米国特許第6,156,507号)。CCRI−12845のSCCmecの右端内のDNA配列はMREJタイプiiの配列に似ていた(下記参照)。したがって、10個の異なる新規MREJ配列タイプ、すなわちMREJタイプxi〜xxを、ここに報告する。
CCRI−12157、CCRI−12198、およびCCRI−12199株から得られるSCCmecの右端内の配列(配列番号17、18、および19)は互いにほぼ同一であり、MREJタイプi、ii、iii、iv、v、vi、vii、viii、ix、およびxの配列とは異なっていた(Itoら,2001,Antimicrob.Agents Chemother.45:1323−1336;Maら,2002,Antimicrob.Agents Chemother.46:1147−1152、Huletskyら,2004,J.Clin.Microbiol.42:1875−1884、国際特許出願PCT/CA02/00824、米国特許第6,156,507号)。これらの新しい配列をMREJタイプxi(配列番号17〜19)と名付けた。BLAST(商標)検索により、MREJタイプxiのSCCmec部分の最初の86bpは、スタフィロコッカス・エピデルミディスSR1株の未知配列(GenBankアクセッション番号AF270046)と87%の一致度を示すことがわかった。MREJ配列の残りの部分はユニークであり、公表されたどの配列とも有意なホモロジーを示さないことがわかった。
CCRI−12719株由来のSCCmecの右端に得られた配列(配列番号20)は、MREJタイプi〜xともMREJタイプxiとも異なっていた。この新しいMREJタイプをMREJタイプxiiと名付けた。BLAST(商標)を使ってGenBank配列と比較したところ、MREJタイプxiiのSCCmecの右端にある配列は、最近記載されたSCCmecタイプVの右端に見出される配列と100%の一致度を示した(Itoら,2004,Antimicrob.Agents.Chemother.48:2637−2651;GenBankアクセッション番号AB121219)。この配列は、スタフィロコッカス・エピデルミディスRP62a推定GTP結合タンパク質配列の212ヌクレオチド領域と、85%の一致度を示した。
CCRI−11976株、CCRI−12382株、およびCCRI−12383株から得たSCCmecの右端内の配列(配列番号15、25、および26)は、互いに100%同一であり、MREJタイプi〜xならびにMREJタイプxiおよびxiiとは異なっていた。この新しいMREJ配列をMREJタイプxiiiと名付けた(配列番号15、25、および26)。
CCRI−11999株から得たSCCmecの右端内の配列(配列番号16)も、MREJタイプi〜xならびにMREJタイプxi、xii、およびxiiiとは異なっていたので、これをMREJタイプxivと名付けた。MREJタイプxiii配列およびxiv配列のBLAST(商標)検索は、これら二つのMREJタイプのSCCmecの一部が、MREJタイプixの配列と同一であることを示した。実際、MREJタイプxiiiと比較すると、MREJタイプixおよびxivのSCCmec部分の前には、連続する102bp挿入がそれぞれ1個および2個存在している。MREJタイプix、xiii、およびxiv配列の残りの部分は、互いに99.9%同一だった。これらの配列は、メチシリン感受性株スタフィロコッカス・エピデルミディスATCC12228の染色体リコンビナーゼ遺伝子を保有するmecAを持たないSCCカセットの非連続領域(サイズは1535〜1880ヌクレオチドとさまざま)(GenBankアクセッション番号BK001539)と、(最も高いBLASTスコアに関して)97〜100%の範囲の一致度を示した。102bp挿入の配列は、MREJタイプiiに見出されるものと99〜100%同一だった。
CCRI−9887株由来のSCCmecの右端内に得られた配列は、MREJタイプi〜xとも、MREJタイプxi〜xivとも異なっており、それゆえにこれを、MREJタイプxvと名付けた(配列番号56)。MREJタイプxvのSCCmec部分内に得られた配列のBLAST検索は、このDNAフラグメントが、メチシリン感受性黄色ブドウ球菌M株のSCCカセット(これはmecAを含有しない)の非連続配列(サイズは342〜618ヌクレオチドとさまざま)(GenBnakアクセッション番号U10927)と、(最も高いBLASTスコアに関して)92%〜96%の範囲の一致度を示すことを明らかにした。MREJタイプxvの配列は記載されていたが、MRSA株のorfXの下流にあるこの配列の局在は、これまで記載がなかった。CCRI−9887 MREJ配列は、orfX配列の近くに位置するスタフィロコッカス・ヘモリティカスJCSC1435株の306ヌクレオチド領域とも、94%の一致度を示した。
CCRI−12845株由来のMREJについて得られた配列(配列番号21)は、この株のMREJフラグメントがorfXのヌクレオチド165〜434(269bpフラグメント)の欠失を持つ一方、SCCmecの右端にある配列(328ヌクレオチド)は、公的データベースに登録されているMREJタイプiiの配列と99.8〜100%の範囲の一致度を持つことを明らかにした。この株から得たMREJ配列は、既知のMREJ配列と高レベルな一致を示したが、orfX内の269bp欠失の存在がこれまでに記載されたことは一度もなかった。上述の初期PCR増幅アッセイで使用したオリゴヌクレオチドの一つはこの269bp欠失部に含まれるので、orfX中の欠失は、このMRSA株が、これまでに記載されたMRSA検出用のプライマーおよびプローブでは検出されなかった、または検出することができなかった理由の説明になる(米国特許第6,156,507号および国際特許出願PCT/CA02/00824)。この株の新規MREJ配列をMREJタイプxviと名付けた。
CCRI−9772株由来のSCCmecの右端に得られた配列は、MREJタイプi〜xとも、MREJタイプxi〜xviとも異なっていた。この新しいMREJタイプをMREJタイプxviiと名付けた(配列番号55)。GenBankデータベースに対するBLAST(商標)検索により、MREJタイプxviiのSCCmec部分は、SCCmecタイプIVを保有する黄色ブドウ球菌CA05株(JCSC1968)のSCCmec接合部の左にある配列(GenBankアクセッション番号AB063172)(Maら,2002.Antimicrob.Agents Chemother.46:1147−1152)と、100%の一致を示すことが明らかになった。MREJタイプxviiの遺伝子構成は、MSSA中のorfxの下流にある領域と類似している。配列そのものは以前に記載されていたが、MRSA株中のorfXの下流にあるこの配列の局在は、これまで一度も記載されたことがなかった。
CCRI−12524およびCCRI−12535株由来のSCCmecの右端から得られた配列は、互いにほぼ同一だったが、MREJタイプi〜xともMREJタイプxi〜xviiとも異なっていたので、これをMREJタイプxviiiと名付けた(配列番号39および40)。GenBank配列に対するBLAST検索により、スタフィロコッカス・ヘモリティカスJCSC1435のSCCmecカセットの487ヌクレオチド領域と100%一致することが明らかになった。この配列の残りの部分は、ユニークであり、公表されたどの配列とも有意なホモロジーを示さないことがわかった。
CCRI−12810株から得た配列は、MREJタイプi〜xともMREJタイプxi〜xviiiとも異なっており、これをMREJタイプxixと名付けた(配列番号41)。BLASTを使ってGenBank配列と比較したところ、MREJタイプxix配列のSCCmec部分は、ATCC25923株の機能未知の597ヌクレオチド領域(これはSCCmecの左に位置する)(GenBankアクセッション番号AB047239)と、100%の一致を示した。この結果は、SCCmec配列が公表されている他の四つのMRSA株、MRSA252、85/3907、85/2082、およびMR108(それぞれGenBankアクセッション番号BX571856、AB047088、AB037671およびAB096217)でも観察された。MREJタイプxixの遺伝子構成は、MSSA中でorfxの下流にある領域と類似している。この配列そのものは既に記載されていたが、orfXの下流にあるこのDNAフラグメントの存在は一度も記載されていなかった。
CCRI−12905株由来のSCCmecの右端に得られた配列は、MREJタイプi〜xともMREJタイプxi〜xixとも異なっており、これをMREJタイプxxと名付けた(配列番頭42)。BLASTを使ってGenbank配列と比較したところ、MREJタイプxx配列のSCCmecは、メチシリン感受性黄色ブドウ球菌NCTC8325株のorfXの下流にある二つの非連続配列(それぞれ727および307ヌクレオチド長)(GenBankアクセッション番号AB014440)と、100%および99%の一致を示した。MREJタイプxxの遺伝子構成は、MSSA中のorfxの下流にある領域と類似している。MRSA株中のorfXの下流にあるこの配列の局在は、今まで一度も記載されたことがなかった。非連続フラグメント(サイズは91〜727ヌクレオチドとさまざま)との98%〜100%の範囲の一致レベルが、SCCmec配列が公表されている11株のMRSA、すなわちN315、NCTC10442、COL、USA300、Mu50、2314、85/4231、85/2235、JCSC1978、PL72、HDE288(それぞれGenBankアクセッション番号:BA000018、AB033763、CP000046、CP000255、BA000017、AY271717、AB014428、AB014427、AB063173、AF411936、AF411935)で見出された。これらの同一フラグメントは、mecA遺伝子の下流、SCCmecの左挿入点近く(またはさらに下流)に位置する。
(実施例4)
新しいMREJタイプxi〜xxの配列比較
GCGソフトウェアプログラムPileupおよびGap(GCG、ウィスコンシン州)を使って、全ての新しいMREJタイプ(xi〜xx)について、SCCmec右端の最初の500ヌクレオチド部分の配列を互いに比較し、以前記載されたMREJタイプi〜ixの配列とも比較した。表12に、10タイプの新規MREJタイプ(xi〜xx)のSCCmec右端と、以前記載されたMREJタイプ(i〜ix)のものとの間のヌクレオチドレベルでの一致度を、GCGプログラムGapを使って示す。MREJタイプxは、この比較から除外した。なぜなら、このMREJ配列は、SCCmecタイプIIの右端と比較して、全orfXおよびSCCmec組み込み部位、ならびにSCCmecの右端にある約4kbを欠いているからである。MREJタイプix、xiii、およびxivのSCCmec右端は、MREJタイプixおよびxiv中に存在するそれぞれ1個よび2個の102bp挿入だけが相違点だった。しかし、これら三つの配列の残りの部分はほぼ100%の一致度を示した(図3)。MREJタイプxviのSCCmec部分はMREJタイプiiのそれとほぼ100%同一であるが、MREJタイプxviにおけるorfXのヌクレオチド165〜434の欠失は、今まで一度も記載されていない。他の全ての新しいMREJタイプのSCCmec右端は、互いに、またはMREJタイプi〜ixと、38.2〜59.5%の範囲の一致度を示した。新規MREJ配列と、先行技術の検出アッセイの基礎となった以前記載された配列との間の実質的な変異は、本発明で開示する新規MREJタイプxi〜xxの右端が、以前記載されたMREJプライマーでは予測することも検出することもできなかった理由の説明になる(米国特許第6,156,507号;国際特許出願PCT/CA02/00824;Itoら,2001,Antimicrob.Agents Chemother.45:1323−1336;Huletskyら,2004,J Clin.Microbiol.42:1875−1884;Maら,2002,Antimicrob.Agents Chemother.46:1147−1152;Itoら,Antimicrob Agents Chemother.2004.48:2637−2651;Oliveiraら,2001,Microb.Drug Resist.7:349−360)。
(実施例5)
MREJタイプxi〜xxを持つMRSAのSCCmec/orfX配列からの増幅プライマーの選択
上述した10タイプの新MREJタイプxi〜xxの配列データを解析して、各新MREJタイプ配列に特異的なプライマーを設計した(図2、表9および11)。MREJタイプxi(配列番号34)、MREJタイプxii(配列番号35)、MREJタイプxiiiおよびxiv(配列番号29)(MREJタイプixも検出するがMREJタイプix、xiii、およびxivのそれぞれは異なるアンプリコン長を持つ)、MREJタイプxv(配列番号24)、MREJタイプxvii(配列番号4)、MREJタイプxviii(配列番号7)、MREJタイプxix(配列番号9)、MREJタイプxx(配列番号8)に特異的なプライマーを、それぞれ、黄色ブドウ球菌orfXに特異的なプライマー(配列番号30)と組み合わせて使用し、それらの特異的MREJターゲットに対して試験した。MREJタイプxviの検出には、MREJタイプi、ii、およびxviをターゲットとするプライマー(表10)を、黄色ブドウ球菌orfXをターゲットとするプライマー(配列番号44)と組み合わせて使用した。MREJタイプi、ii、およびxviは、そのアンプリコンの長さが異なるので、互いに区別することができる。
次に、ターゲットMRSA MREJタイプのDNAを特異的に増幅することがわかったオリゴヌクレオチドプライマーを、PCR増幅によって、その偏在性について試験した(すなわち、偏在的なプライマーは、ターゲットMREJタイプのMRSAの大半のまたは全ての分離株を効率より増幅した)。PCRアッセイの特異性および偏在性は、細菌培養物を使って直接試験するか、精製細菌ゲノムDNAを使って試験した。MREJタイプxi〜xxをターゲットとするプライマーの特異性も、他の全てのMREJタイプを保有するMRSA株からのDNAを試験することによって確認した。
処理した規格化細菌懸濁液または細菌から精製したゲノムDNA調製物1μlを20μlPCR反応混合物で増幅した。各PCR反応は50mM KCl、10mMトリス−HCl(pH9.0)、0.1%Triton X−100、2.5mM MgCl、各0.4μMのMREJタイプxiプライマー(配列番号34)、MREJタイプxiiプライマー(配列番号35)、MREJタイプxiiiおよびxivプライマー(配列番号29)、MREJタイプxvプライマー(配列番号24)、MREJタイプxvi(配列番号36)、MREJタイプxviiプライマー(配列番号4)、MREJタイプxviiiプライマー(配列番号7)、MREJタイプxixプライマー(配列番号9)、またはMREJタイプxxプライマー(配列番号8)(これらを、それぞれ0.4μMの黄色ブドウ球菌特異的プライマー(配列番号30またはMREJタイプxviについては配列番号44)と組み合わせて使用)、各200μMの四つのdNTP(Pharmacia Biotech、ニュージャージー州ピスカタウェイ)、3.3μg/μlのBSA(SIGMA、ミズーリ州セントルイス)、およびTaqStart(商標)抗体(BD Biosciences、カリフォルニア州サンホゼ)と結合させた0.5U Taqポリメラーゼ(Promega、ウィスコンシン州マディソン)を含有した。
次に、標準的なサーマルサイクラー(MJ Research Inc.(マサチューセッツ州ウォータータウン)のPTC−200)を使って、PCR反応を熱サイクリングに付した:94℃で3分の後、変性ステップとして95℃で60秒、アニーリングステップとして55℃で60秒、および伸長ステップとして72℃で60秒を40サイクル、次に72℃で7分の最終的伸長。PCR産物の検出は、0.25μg/mlの臭化エチジウムを含有するアガロースゲル(1.2%)における電気泳動によって行った。
特異的MREJターゲットを保有する各MRSA株は、それぞれの特異的MREJプライマーで特異的に検出され、非ターゲットMREJタイプとの交差検出はなかった。
本発明を上に説明したが、本発明の要旨から逸脱することなくこれに変更を加えうることは、明白だろう。これらの変更は本願請求項に定義する本発明の範囲に包含される。
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SCCmec右端接合部を表す。新規MREJタイプxi〜xxを配列決定するために使用するプライマーの位置および向きが示されている。MREJタイプxi、xii、xiii、xiv、xv、xvi、xvii、xviii、xix、およびxxを配列決定するために、配列番号4、24、27−30、36、43−45、50−57、78−86を使用した。矢印とその下の数字は、プライマーの位置とそれぞれの配列番号を示す。「walk」は、SCCmec配列上で、DNA Walking SpeedUp Kit(Seegene、カリフォルニア州デルマー)のDNA Walking ACP(DW−APC)プライマーがアニールしていた位置を示す。 SCCmec右端接合部と、新規MREJタイプxi、xii、xiii、xiv、xv、xvi、xvii、xviii、xix、およびxxの検出および同定用に本発明で開発されたプライマー(配列番号4、7−9、24、29−36、44、45、59、62、73)の位置を表す。アンプリコンのサイズを表11に列挙する。MREJタイプの下にある括弧内の数字は、MREJ配列番号を示す。矢印はプライマーの位置を示し、その下の数字はそれぞれの配列番号を示す。黒いバーとその下の数字はプローブの位置とそれぞれの配列番号を示す。MREJタイプxvi中の「deletion」は、orfX中の269bp欠失の位置を示す。 orfX、組み込み部位、SSCmec右端の最初の535ヌクレオチドを含む19の代表的MREJタイプi〜ixおよびxi〜xxの多重配列アラインメントを示す。MREJタイプi〜ix配列は、それぞれ、同時係属中の国際特許出願PCT/CA02/00824配列番号1、2、232、46、50、171、166、167および168から採った。配列番号18はMREJタイプxiに対応し、配列番号20はMREJタイプxiiに対応し、配列番号15はMREJタイプxiiiに対応し、配列番号16はMREJタイプxivに対応し、配列番号56はMREJタイプxvに対応し、配列番号21はMREJタイプxviに対応し、配列番号55はMREJタイプxviiに対応し、配列番号39はMREJタイプxviiiに対応し、配列番号41はMREJタイプに対応し、そして配列番号42はMREJタイプxxに対応する。

Claims (21)

  1. 配列表の配列番号20の配列を有するメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)株の存在または不存在を検出する方法であって、
    前記MRSA株の存在を分析する試料を、第一のプライマーおよび第二のプライマーに接触させる工程であって、
    該MRSA株は、mecA遺伝子を含む、スタフィロコッカスカセット染色体メック(SCCmec)エレメントを含み、該SCCmecインサートは、染色体DNAに挿入されており、これにより、SCCmecエレメント右端および該右端に隣接する染色体DNAの両方を含む多型右端接合部(MREJ)領域タイプxii配列が生成されており、
    該第一および第二のプライマーは、少なくとも10ヌクレオチド長であり、もし、このようなMRSAが、試料中に存在する場合には、該第一のプライマーは、配列表の配列番号20のMREJタイプxiiの多型SCC右端部またはその相補鎖にハイブリダイズし、該第二のプライマーは、黄色ブドウ球菌の染色体配列にハイブリダイズし、MREJタイプxii配列のアンプリコンを特異的に生成する、工程;および
    該アンプリコンの存在を検出する工程、
    を含む方法。
  2. 前記黄色ブドウ球菌の染色体の配列が、orfXである、請求項1記載の方法。
  3. 前記第一および第二のプライマーが、以下のプライマー対からなる群より選択される、請求項1または2記載の方法:
    配列表の配列番号35/45、35/30、35/62、および35/44。
  4. 前記方法が、MREJタイプxiiの検出の為に、以下から選択される少なくとも1つのプライマーの使用を含む、請求項1から3までのいずれか1項記載の方法:
    配列表の配列番号30、35、44、45、および62。
  5. 前記方法が、MREJタイプxiiの検出の為に、以下から選択される少なくとも1つのプローブの使用を含む、請求項1から3までのいずれか1項記載の方法:
    配列表の配列番号52、30、31、32、および33。
  6. さらに、前記試料中に、少なくとも1つのさらなるメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)株の存在または不存在を検出することを含む、請求項1から5までのいずれか1項記載の方法であって、
    該少なくとも1つのさらなるMRSA株は、mec右端接合部(MREJ)タイプxi、xiii、xiv、xv、xvi、xviii、xix、およびxx核酸配列を含み、ここで、タイプxiは、配列表の配列番号17、18、または19の配列を有し、タイプxiiiは、配列表の配列番号15、25、または26の配列を有し、タイプxivは、配列表の配列番号16の配列を有し、タイプxvは、配列表の配列番号56の配列を有し、タイプxviは、配列表の配列番号21の配列を有し、xviiは、配列表の配列番号55の配列を有し、タイプxviiiは、配列表の配列番号39または40の配列を有し、タイプxixは、配列表の配列番号41の配列を有し、およびタイプxxは配列表の配列番号42の配列を有し、mecA遺伝子を含むSCCmecエレメントの存在のために耐性になっており、該SCCmecインサートは、染色体DNAに挿入されており、これにより、多型右端接合部(MREJ)が生成されており、
    ここで、該方法は、該試料を、少なくとも1つの該MREJタイプxi、xiii、xiv、xv、xvi、xvii、xviii、xix、またはxx核酸配列のアンプリコンを特異的に生成するように構成されているプライマー対と接触させることを含み、該試料中に存在している場合は、少なくとも1つの該MREJタイプxi、xiii、xiv、xv、xvi、xvii、xviii、xix、またはxx核酸配列の該アンプリコンの存在を検出することを含む、方法。
  7. 前記少なくとも1つのプライマーが
    MREJタイプxi検出用の配列番号51、30、31、32、および33、
    MREJタイプxiii検出用の配列番号29、30、31、32、および33、
    MREJタイプxiv検出用の配列番号29、30、31、32、および33、
    MREJタイプxv検出用の配列番号24、30、31、32、および33、
    MREJタイプxvi検出用の配列番号36および44、
    MREJタイプxvii検出用の配列番号4、30、31、32、および33、
    MREJタイプxviii検出用の配列番号7、30、31、32、および33、
    MREJタイプxix検出用の配列番号9、30、31、32、および33、ならびに
    MREJタイプxx検出用の配列番号8、30、31、32、および33
    からなる群より選択される、請求項6記載の方法。
  8. 以下からなる群より選択される少なくとも1つのプライマー対をさらに使用することを含む、請求項6記載の方法:
    MREJタイプxi検出用の配列番号34/45、34/30、34/76、34/44
    MREJタイプxiii検出用の配列番号29/45、29/30、29/76、29/44、
    MREJタイプxiv検出用の配列番号29/45、29/30、29/59、29/44、
    MREJタイプxv検出用の配列番号24/45、24/30、24/62、24/44、
    MREJタイプxvi検出用の配列番号36/44、
    MREJタイプxvii検出用の配列番号4/45、4/30、4/62、4/44、
    MREJタイプxviii検出用の配列番号7/45、7/30、7/59、7/44、
    MREJタイプxix検出用の配列番号9/45、9/30、9/59、9/44、
    MREJタイプxx検出用の配列番号8/45、8/30、8/59、8/44。
  9. さらに、前記試料中に、少なくとも1つのさらなるメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)株の存在または不存在を検出することを含む、請求項1から8までのいずれか1項記載の方法であって、
    該少なくとも1つのさらなるMRSA株は、MREJタイプi、ii、iii、iv、v、vi、vii、viii、ix、およびx核酸配列を含み、mecA遺伝子を含むSCCmecエレメントの存在のために耐性になっており、該SCCmecは、染色体DNAに挿入されており、これにより、多型右端接合部(MREJ)が生成されており、
    ここで、該方法は、該試料を、少なくとも1つの該MREJタイプi、ii、iii、iv、v、vi、vii、viii、ix、x核酸配列のアンプリコンを特異的に生成するように構成されているプライマー対と接触させることを含み、該試料中に存在している場合は、少なくとも1つの該MREJタイプi、ii、iii、iv、v、vi、vii、viii、ixまたはx核酸配列の該アンプリコンの存在を検出することを含む、方法。
  10. 以下からなる群より選択される少なくとも1つのプライマー対をさらに使用することを含む、請求項9記載の方法:
    MREJタイプi検出用の配列番号30/36
    MREJタイプii検出用の配列番号30/36、
    MREJタイプiii検出用の配列番号30/70、
    MREJタイプiv検出用の配列番号30/71、
    MREJタイプv検出用の配列番号30/72、
    MREJタイプvi検出用の配列番号30/65、
    MREJタイプvii検出用の配列番号30/74、
    MREJタイプviii検出用の配列番号30/75、および
    MREJタイプix検出用の配列番号30/29。
  11. 前記複数のプライマーおよび/またはプローブが同じ物理的容器内で一緒に使用される、請求項1から10までのいずれか1項記載の方法。
  12. 前記プライマーおよび/またはプローブが、すべて通常のハイブリダイゼーション条件下でハイブリダイズするように選択される、請求項1から11までのいずれか1項記載の方法。
  13. 配列表の配列番号20の配列を有していることで特徴づけられるMRSA株のタイプxiiMREJおよびさらにMREJタイプxi、xiii、xiv、xv、xvi、xvii、xviii、xix、およびxxからなる群より選択されるMRSA株をタイピングする、以下の工程を含む方法:
    MREJタイプxiiに特異的なプライマー、およびさらにMREJタイプxi、xiii、xiv、xv、xvi、xvii、xviii、xix、およびxxからなる群より選択されるMRSA株の少なくとも1つに特異的なプライマーで請求項1から11までのいずれか1項記載の方法を再現する工程であって、ここで、該タイプxiは、配列表の配列番号17、18または19の配列を有し、タイプxiiiは、配列表の配列番号15、25、または26の配列を有し、タイプxivは、配列表の配列番号16の配列を有し、タイプxvは、配列表の配列番号56の配列を有し、タイプxviは、配列表の配列番号21の配列を有し、xviiは、配列表の配列番号55の配列を有し、タイプxviiiは、配列表の配列番号39または40の配列を有し、タイプxixは、配列表の配列番号41の配列を有し、およびタイプxxは配列表の配列番号42の配列を有する工程、および
    それぞれのアンプリコンを別々に、該MREJタイプxiiおよび該少なくとも1つのさらなるMREJタイプの存在を示すものとして検出する工程。
  14. 配列表の配列番号20の配列を有していることで特徴づけられるMRSA株のタイプxiiMREJおよびさらにMREJタイプi、ii、iii、iv、v、vi、vii、viii、ix、およびxからなる群より選択されるMRSA株をタイピングする、以下の工程を含む方法:
    MREJタイプxiiに特異的なプライマー、およびさらにMREJタイプi、ii、iii、iv、v、vi、vii、viii、ix、およびxからなる群より選択されるMRSA株の少なくとも1つに特異的なプライマーで、請求項1から11までのいずれか1項記載の方法を再現する工程;および
    それぞれのアンプリコンを別々に、該MREJタイプxiiおよび該少なくとも1つのさらなるMREJタイプの存在を示すものとして検出する工程。
  15. 請求項1から11までのいずれか1項記載の方法を実施するための、配列表の配列番号20の配列を有していることで特徴づけられるMREJタイプxii核酸配列を含むMRSA株の検出に特異的なキットの使用。
  16. 請求項5から8までのいずれか1項記載の方法を実施するための、配列表の配列番号20の配列を有していることで特徴づけられるMREJタイプxii核酸配列を含むMRSA株、およびさらにMREJタイプxi、xiii、xiv、xv、xvi、xvii、xviii、xix、およびxxからなる群より選択されるMRSA株の少なくとも1つの検出に特異的なキットの使用であって、ここで、MREJ領域内に、 該タイプxiは、配列表の配列番号17、18または19の配列を有し、タイプxiiiは、配列表の配列番号15、25、または26の配列を有し、タイプxivは、配列表の配列番号16の配列を有し、タイプxvは、配列表の配列番号56の配列を有し、タイプxviは、配列表の配列番号21の配列を有し、xviiは、配列表の配列番号55の配列を有し、タイプxviiiは、配列表の配列番号39または40の配列を有し、タイプxixは、配列表の配列番号41の配列を有し、およびタイプxxは配列表の配列番号42の配列を有する、使用。
  17. 請求項9または10のいずれか1項記載の方法を実施するための、MREJタイプxii核酸配列を含むMRSA株、およびさらにMREJタイプi、ii、iii、iv、v、vi、vii、viii、ix、およびxからなる群より選択されるMRSA株の少なくとも1つの検出に特異的なキットの使用。
  18. MREJ内に配列表の配列番号20の配列を有していることで特徴づけられるMRSA株のMREJタイプxiiが、試料中に存在するかまたは不存在であるかを検出するためのキットであって、以下を含む、キット:
    a)MREJタイプxiiの配列表の配列番号20の配列のSCCmecエレメント右端部にハイブリダイズする第一のオリゴヌクレオチド;および
    b)黄色ブドウ球菌の染色体配列にハイブリダイズする第二のオリゴヌクレオチド
    ここで、該a)およびb)のオリゴヌクレオチドは、少なくとも10ヌクレオチド長からなり、SCCmecエレメント右端部および該MREJタイプxiiMRSA株に隣接する染色体DNAの両方からの配列を含むアプリコンの選択的な生成を可能にする。
  19. 前記オリゴヌクレオチドが、それぞれ、35/45、35/30、35/62、および35/44からなる群より選択されるプライマー対として提供される、請求項18記載のキット。
  20. さらに、少なくとも1つのオリゴヌクレオチドを、少なくとも1つの追加のMRSA株の検出の為に含む、請求項18または19に記載のキットであって、該追加のMRSA株は、MREJタイプi、MREJタイプii、MREJタイプiii、MREJタイプiv、MREJタイプv、MREJタイプvi、MREJタイプvii、viii、MREJタイプix、MREJタイプx、MREJタイプxi、MREJタイプxiii、MREJタイプxiv、MREJタイプxv、MREJタイプxvi、MREJタイプxvii、MREJタイプxviii、MREJタイプxix、およびMREJタイプxxからなる群より選択されるMREJタイプを含み、ここで、該タイプxiは、配列表の配列番号17、18または19の配列を有し、タイプxiiiは、配列表の配列番号15、25、または26の配列を有し、タイプxivは、配列表の配列番号16の配列を有し、タイプxvは、配列表の配列番号56の配列を有し、タイプxviは、配列表の配列番号21の配列を有し、xviiは、配列表の配列番号55の配列を有し、タイプxviiiは、配列表の配列番号39または40の配列を有し、タイプxixは、配列表の配列番号41の配列を有し、およびタイプxxは配列表の配列番号42の配列を有する、キット。
  21. さらに少なくとも1つのプローブを含む、請求項18から20までのいずれか1項記載のキットであって、該少なくとも1つのプローブが、配列表の配列番号31、32、および33からなる群より選択される核酸配列を含む、キット。
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