JP5214401B2 - 流体軸受装置 - Google Patents

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Description

本発明は流体軸受装置に関するものである。
流体軸受装置は、軸受隙間に形成される流体の潤滑膜で軸部材を回転自在に支持するものである。この流体軸受装置は、高速回転、高回転精度、低騒音等の特徴を有するものであり、近年ではその特徴を活かして、情報機器をはじめ種々の電気機器に搭載されるモータ用の軸受装置として、より具体的には、HDD等の磁気ディスク装置やCD−ROM、CD−R/RW、DVD−ROM/RAM等の光ディスク装置等のスピンドルモータ、レーザビームプリンタ(LBP)のポリゴンスキャナモータ、PC等のファンモータなどのモータ用軸受装置として好適に使用されている。
上記モータのうち、スピンドルモータに組み込まれる流体軸受装置として、例えば特開2003−336636号公報(特許文献1)には、一端が開口したハウジングと、ハウジングの内周に固定された焼結金属製の軸受スリーブと、軸受スリーブの内周に挿入された軸部材と、ハウジングの開口部に配設されたシール部材とを主要な構成部材として備えるものが開示されている。この流体軸受装置では、軸受スリーブの内周面と軸部材の外周面との間にラジアル軸受隙間が形成され、このラジアル軸受隙間を満たす潤滑流体(例えば、潤滑油)の潤滑膜で軸部材をラジアル方向に支持するラジアル軸受部が形成される。また、ラジアル軸受隙間の一端側には、シール部材の内周面と軸部材の外周面とで形成されるシール空間が設けられる。シール空間は、軸受内部に充填された潤滑油の温度変化に伴う容積変化量を吸収するバッファ機能を有するものであり、想定される温度変化の範囲内では潤滑油の油面(気液界面)を常にその軸方向範囲内に保持する。かかる構造のシール空間によって、軸受外部への潤滑油漏れが防止される。
特開2003−336636号公報
ディスク装置の低価格化が急速に進展している昨今、流体軸受装置に対するコスト低減の要請が益々厳しさを増している。しかしながら、上記特許文献1に記載の流体軸受装置は、ハウジング、軸受スリーブ、シール部材等、数多くの部材で構成されるものであるから、部材の製作コストや管理コスト、また部材同士の組み付けコスト等が嵩み、コスト低減の要請に対応するのが困難である。
また、近年のディスク装置の高容量化に伴い、流体軸受装置に対する回転精度向上の要請も一層厳しいものとなっている。回転精度向上のための一手段として、ラジアル軸受部を軸方向の二箇所に離隔して設けると共に、ラジアル軸受部の軸受スパンを拡大することが考えられる。しかしながら、軸受スリーブを焼結金属の多孔質体で形成する上記特許文献1の構成では、軸受内部に充填される潤滑油量が多くなる分、シール空間の軸方向寸法を大きくとらざるを得ない。そのため、特に上記特許文献1に記載の流体軸受装置のように、シール空間とラジアル軸受隙間とが軸方向に積み重なった構造を有するものにおいては、ラジアル軸受部の軸受スパンを拡大すると流体軸受装置の軸方向寸法の長大化を招くおそれがあるため、上記の手段を採用することが困難となる。
本発明の課題は、流体軸受装置の低コスト化、さらには軸方向寸法を長大化することなく軸受性能の向上を図ることにある。
上記課題を解決するため、本発明では、少なくとも軸方向の一端が開口したハウジングと、ハウジングの内周に収容された軸受スリーブと、軸受スリーブの内周に挿入された軸部材と、軸受スリーブの内周面と軸部材の外周面との間のラジアル軸受隙間に形成される潤滑流体の潤滑膜で軸部材をラジアル方向に支持するラジアル軸受部と、ハウジングの一端開口をシールするシール空間と、シール空間を形成するシール部とを備え、シール空間が、シール部の内周面と軸部材の外周面との間、およびシール部の外周面とハウジングの内周面との間にそれぞれ形成され、ハウジングの内周面と軸受スリーブの外周面との間に、シール部の外周面とハウジングの内周面との間のシール空間に通じた流体通路が設けられた流体軸受装置において、軸受スリーブは、シール部を一体に有する非多孔質材料の射出成形品であり、外径端部が前記流体通路に通じると共に内径端部がラジアル軸受隙間に通じた径方向に延びる連通孔を有し、ハウジングが、軸方向の一端および他端が開口した円筒状の筒部と、該筒部の外周面に固定され、筒部の他端開口を閉塞する有底筒状の底部とで構成されていることを特徴とする流体軸受装置を提供する。
このように、本発明に係る流体軸受装置では、軸受スリーブが、シール空間を形成するシール部を一体に有する射出成形品とされるから、上記特許文献1の構成に比べ、部材点数や組立工数等を低減することができる。また、焼結金属の多孔質体とされた軸受スリーブを射出成形品、つまり非多孔質体に置換することができるので、内部空間に充填する潤滑流体(例えば、潤滑油)の量を減じることができる。これにより、例えばシール空間とラジアル軸受隙間とが軸方向に並べて設けられる場合、本発明の構成で言うと、軸受スリーブのシール部の内周面と軸部材の外周面との間にシール空間が設けられる場合であっても、潤滑流体の充填量低減分だけシール空間の軸方向寸法を短縮することができる。そのため、この寸法短縮分だけラジアル軸受部の軸受スパンを拡大することが可能となり、流体軸受装置の軸方向寸法を長大化させることなくラジアル軸受部の軸受剛性を高め、軸受性能の向上を図ることができる。
なお、上記構成の軸受スリーブの成形材料としては、樹脂材料のみならず、金属材料を用いることも可能である。これらは要求特性に応じて選択すれば良い。
ところで、この種の流体軸受装置では、軸受運転中に、内部空間を満たす潤滑流体の圧力バランスに狂いが生じる場合があり、かかる事態は、局部的な負圧の発生に伴う気泡の生成、気泡の生成に起因する潤滑流体漏れや振動の発生等の問題を招く。このような問題は、潤滑流体を、軸受内部で流動循環させる構成を採用することによって解消することができる。上記本発明の構成においては、ハウジングの内周面と軸受スリーブの外周面との間に軸方向に延びる流体通路を設けると共に、軸受スリーブに、内径側一端がラジアル軸受隙間に通じ、外径側一端が流体通路に通じた径方向の連通孔を設けることにより、前述の問題を解消することができる。なお、この連通孔は、軸受スリーブを射出成形するのと同時に形成することができる。このようにすれば、例えば、別途の機械加工で連通孔を形成する手間を省略することができることに加え、機械加工に伴って発生した切粉がコンタミとなるような事態も効果的に防止することができ、望ましい。
シール空間は、シール部の内周面と軸部材の外周面との間のみならず、シール部の外周面とハウジングの内周面との間にさらに設けることもできる(この構成を採用する場合、前者を「第1シール空間」、後者を「第2シール空間」と言う)。このような構成を採用すれば、第1シール空間の軸方向寸法をさらに短縮することができるので、ラジアル軸受部の軸受スパンを一層拡大することができ、さらなる軸受性能の向上を図ることができる。このとき、第2シール空間を、流体通路(連通孔)に通じるようにしておけば、両シール空間は、連通孔を介して互いに連通することから、一方のシール空間で流体の過不足が生じた場合であっても、上記貫通孔を介して他方のシール空間との間で流体の流通を図ることができる。これにより、両シール空間の間で流体量のバランスをとって、安定したシール性能を発揮することができる。
軸受スリーブは、対向する軸部材の端面との間にスラスト軸受隙間を形成するスラスト軸受面を有するものとすることができ、このスラスト軸受面には、スラスト軸受隙間に流体動圧を発生させるスラスト動圧発生部を射出成形と同時に型成形することができる。かかる構成とすれば、軸部材をスラスト一方向に支持するスラスト軸受部を回転精度に優れる動圧軸受で構成することができ、かつ、動圧軸受からなるスラスト軸受部を形成するためのスラスト動圧発生部を低コストに設けることができる。
以上の構成において、ハウジングは、円筒状の筒部と、該筒部の他端開口を閉塞する底部とを一体に有する型成形品とすることができる。なお、ここでいう「型成形品」には、溶融材料(溶融樹脂あるいは溶融金属)の射出成形品の他、金属のプレス加工品も含まれる。このようにすれば、上記特許文献1に記載の流体軸受装置のように、ハウジングを他端も開口した円筒形態とし、かつこの他端開口を別部材で閉塞する場合に比べ、部材点数や組立工数を減じて流体軸受装置の低コスト化を図ることができる。
もちろん、ハウジングは、円筒状の筒部と、筒部の他端開口に固定され、筒部の他端開口を閉塞する底部とを有するものとすることができるが、所期の軸受性能を安定維持可能とするためには、筒部に対する底部の固定強度が問題となる。流体軸受装置の運転中等に衝撃荷重が加わると、軸部材の端部が底部に突き当たり、この時の衝撃で底部が脱落するおそれがあるからである。上記特許文献1の流体軸受装置のようにハウジング(筒部)の内周面に底部を固定する場合、底部の肉厚を増せば筒部に対する底部の固定面積が拡大する分、筒部に対する底部の固定強度を高めることができる。しかし、底部の肉厚を増すと、軸受装置の軸方向寸法の長大化、あるいはラジアル軸受部の軸受スパンの縮小を招くため、底部をむやみに厚肉化することはできない。
かかる事情に鑑み、ハウジングを他端も開口した円筒形態とした場合には、ハウジングを、円筒状の筒部と、該筒部の外周面に固定され、筒部の他端開口を閉塞する有底筒状の底部とで構成するのが望ましい。このようにすれば、底部を筒部の内周面に固定する場合に比べて、内周面と外周面の径差分だけ両者の固定面積を増すことができる。また、有底筒状の底部を筒部の外周面に固定する場合、筒部に対する固定面積を拡大するには、底部のうち、筒状の部分の軸方向寸法を長大化すれば足り、円盤状の部分を厚肉化する必要がない。また、筒状の部分を長大化しても軸受装置の全長寸法に影響は及ばない。以上から、軸受装置の軸方向寸法やラジアル軸受部の軸受スパンに影響を与えることなく底部の耐抜け強度を高めることができ、所期の軸受性能を安定維持することが可能となる。
上記構成において、軸部材にフランジ部を設け、フランジ部の一端面とこれに対向する底部の端面との間に、さらにスラスト軸受隙間を形成することができる。かかる構成を採用することで、軸部材をスラスト両方向に動圧軸受で支持することが可能となるので、流体軸受装置の軸受性能を一層向上することができる。
軸部材のフランジ部には、その両端面に開口した連通孔を設けることができる。このような連通孔を設けておけば、フランジ部の一端側および他端側に形成される2つのスラスト軸受隙間間での圧力バランスに狂いが生じても、両スラスト軸受隙間間で前記連通孔を介して潤滑流体を流通させることができる。これにより、両スラスト軸受隙間間で生じる圧力バランスの狂いが早期に解消され、スラスト方向の回転精度の安定化が図られる。
以上に示す本発明に係る流体軸受装置は、ステータコイルと、ロータマグネットとを備えるモータ、例えばHDD等、情報機器用のスピンドルモータに組み込んで好適に使用することができる。
以上より、本発明によれば、軸方向寸法を長大化することなく軸受性能、特にラジアル方向の軸受剛性の向上を図った流体軸受装置を低コストに提供することができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、流体軸受装置を組み込んだ情報機器用スピンドルモータの一構成例を概念的に示している。このスピンドルモータは、HDD等のディスク駆動装置に用いられるもので、軸部材2を回転自在に支持する流体軸受装置1と、軸部材2に固定されたディスクハブ3と、例えば半径方向のギャップを介して対向させたステータコイル4およびロータマグネット5と、ベース部材としてのモータブラケット6とを備えている。ステータコイル4はモータブラケット6の外周に取り付けられ、ロータマグネット5はディスクハブ3の内周に取り付けられる。流体軸受装置1のハウジング7は、モータブラケット6の内周に固定される。ディスクハブ3には磁気ディスク等のディスクDが一又は複数枚(図示例は3枚)保持され、ディスクDは図示しないクランプ機構で固定される。以上の構成において、ステータコイル4に通電すると、ステータコイル4とロータマグネット5との間の電磁力でロータマグネット5が回転し、それによって、ディスクハブ3およびディスクハブ3に保持されたディスクDが軸部材2と一体に回転する。
図2は、本発明の第1実施形態に係る流体軸受装置1を示すものである。この流体軸受装置1は、一端が開口したハウジング7と、ハウジング7の内周に配設された軸受スリーブ8と、軸受スリーブ8の内周に挿入された軸部材2とを構成部材として備える。なお、以下では、ハウジング7の開口部の側を上側、その軸方向反対側を下側として説明を進める。
軸部材2は、軸部2aと、軸部2aの下端に一体又は別体に設けられたフランジ部2bとを有する。本実施形態では、軸部2aおよびフランジ部2bの双方を耐摩耗性に富む金属材料、具体的にはステンレス鋼で形成しているが、フランジ部2bの一部(例えば表層部分)又は全部を樹脂材料で形成しても良い。軸部2aの外周面2a1は凹凸のない平滑な円筒面に形成され、フランジ部2bの両端面2b1,2b2は凹凸のない平滑な平坦面に形成される。
軸受スリーブ8は、溶融材料、本実施形態では樹脂材料で円筒状に射出成形され、軸部材2との間に軸受隙間(ラジアル軸受隙間および第1スラスト軸受隙間)を形成する軸受隙間形成部8aと、軸受隙間形成部8aの上側に配置され、シール空間を形成するシール部8bとを一体に有する。この軸受スリーブ8は、軸方向全長に亘って概ね均一肉厚に形成される。各部での肉厚差が大きいと成形収縮量の差が大きくなり、軸受スリーブ8の形状精度(寸法精度)が低下するおそれがあるからである。
軸受隙間形成部8aの内周面8a1には、図3(a)に示すように、対向する軸部2aの外周面2a1との間にラジアル軸受隙間を形成するラジアル軸受面となる円筒状領域が軸方向の二箇所に離隔して設けられる。該2つの円筒状領域には、それぞれ、複数の動圧溝Aa1,Aa2をヘリングボーン形状に配列してなるラジアル動圧発生部A1,A2が形成される。上側の動圧溝Aa1は、軸方向中心m(上下の傾斜溝間領域の軸方向中央)に対して軸方向非対称に形成されており、軸方向中心mより上側領域の軸方向寸法X1が下側領域の軸方向寸法X2よりも大きくなっている。一方、下側の動圧溝Aa2は軸方向対称に形成され、その上下領域の軸方向寸法は上記軸方向寸法X2と等しくなっている。なお、ラジアル動圧発生部A1,A2の何れか一方又は双方は、対向する軸部2aの外周面2a1に形成することもでき、また、動圧溝をスパイラル形状に配列したものとすることもできる。
軸受スリーブ8(軸受隙間形成部8a)の下側端面8cには、図3(b)に示すように、対向するフランジ部2bの上側端面2b1との間に第1スラスト軸受隙間を形成するスラスト軸受面となる環状領域が設けられる。該環状領域には、第1スラスト軸受隙間に流体動圧を発生させるスラスト動圧発生部Bが形成される。図示例のスラスト動圧発生部Bは、円弧状に湾曲した動圧溝Baと、これを区画する丘部とを円周方向で交互に配列してなり、全体としてスパイラル形状を呈する。
シール部8bの内周面8b1は、対向する軸部2aの外周面2a1との間にシール空間Sを形成する。シール部8bの内周面8b1は、下方に向けて漸次縮径したテーパ面状に形成される一方、軸部2aの外周面2a1は径一定の円筒面状に形成される。従い、シール空間Sは、下方に向けて径方向寸法を漸次縮小させたテーパ形状を呈する。
軸受スリーブ8の外周面8dのうち、軸方向の一部領域(軸受隙間形成部8aに対応する軸方向領域)には、軸方向に延びる軸方向溝8d1が周方向の一又は複数箇所(本実施形態では3箇所。図3(b)を参照)に設けられる。ハウジング7の内周にこの軸受スリーブ8を固定すると、軸受スリーブ8の軸方向溝8d1とハウジング7の内周面7a1とで軸方向に延びる流体通路10が形成される。また、軸受スリーブ8には、その内外周面に開口した径方向に延びる連通孔11が周方向の3箇所に設けられる。詳細に述べると、各連通孔11は、軸受隙間形成部8aとシール部8bの境界部分を貫通するように径方向に延び、その外径端部は各流体通路10の上端に通じ、またその内径端部は上側のラジアル軸受面で形成されるラジアル軸受隙間の上端(シール空間Sの下端)に通じている。
軸受スリーブ8に設けられるラジアル動圧発生部A1,A2、スラスト動圧発生部B、軸方向溝8d1、および連通孔11は、軸受スリーブ8の射出成形後に別途の機械加工を施すことで形成することも可能であるが、本実施形態では軸受スリーブ8を射出成形するのと同時にこれら全てを形成している(詳細な図示は省略)。別途の機械加工で連通孔11等を形成した場合、機械加工に伴って生じる切粉を放置したまま使用すると、この切粉がコンタミとなって軸受性能が低下するおそれがあるため、機械加工後に入念な仕上げ処理を施す必要が生じ、コスト高が顕著となるからである。
軸受スリーブ8の成形に用いる樹脂材料は、射出成形可能な熱可塑性樹脂をベース樹脂として構成される。ベース樹脂としては、例えばポリフェニレンサルファイド(PPS)、液晶ポリマー(LCP)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)等の結晶性樹脂を用いることもできるし、ポリフェニルサルフォン(PPSU)、ポリエーテルサルフォン(PES)、ポリエーテルイミド(PEI)等の非晶性樹脂を用いることもできる。この樹脂材料には、必要に応じて、ベース樹脂に種々の特性を付与するための各種充填材(強化材や導電化材)を配合することもできる。
ハウジング7は、軸受スリーブ8を内周に固定した円筒状の筒部7aと、筒部7aの下端開口を閉塞する円盤状の底部7bとを一体に有する有底筒状(コップ状)をなし、本実施形態では樹脂の射出成形品とされる。ハウジング7成形用の樹脂材料と軸受スリーブ8成形用の樹脂材料とは、ベース樹脂を同じくしたものであっても良いし、ベース樹脂を互いに異ならせたものであっても良い。
ハウジング7の内底面7b1(底部7bの上側端面)には、図4に示すように、対向するフランジ部2bの下側端面2b2との間に第2スラスト軸受隙間を形成するスラスト軸受面となる環状領域が設けられる。該環状領域には、第2スラスト軸受隙間に流体動圧を発生させるためのスラスト動圧発生部Cが形成されている。図示例のスラスト動圧発生部Cは、V字形状に屈曲した動圧溝Caと、これを区画する丘部とを円周方向で交互に配列してなり、全体としてヘリングボーン形状を呈する。このスラスト動圧発生部Cは、その形成コストを減じるため、ハウジング7を射出成形するのと同時に型成形される。
以上の構成からなる流体軸受装置1は、例えば次のようにして組み立てられる。
まず、ハウジング7の内周に軸部材2を挿入した状態で、ハウジング7の内周に、外周面8dの所定箇所に適当な接着剤(例えば、エポキシ系接着剤)を塗布した軸受スリーブ8を挿入して、ハウジング7に対する軸受スリーブ8の軸方向の相対的な位置決めを行う。この位置決めは、例えば、フランジ部2bの下側端面2b2をハウジング7の内底面7b1に当接させると共に、フランジ部2bの上側端面2b1に軸受スリーブ8の下側端面8cを当接させた後(両スラスト軸受隙間の隙間幅をゼロにした後)、両スラスト軸受隙間の隙間幅の合計量だけ軸部材2をハウジング7の開口側に移動させることにより行われる。このようにして軸受スリーブ8の軸方向の位置決めを行った後、この状態を保持したまま接着剤を完全に固化させ、ハウジング7の内周に軸受スリーブ8を固定する。そして、ハウジング7の内部空間に潤滑流体としての潤滑油を充満させることにより、図2に示す流体軸受装置1が完成する。
なお、本実施形態では、軸受スリーブ8をハウジング7の内周に接着固定しているが、必要とされる固定強度を満足することができる限りハウジング7に対する軸受スリーブ8の固定手段は任意であり、例えば圧入、溶着等の固定手段を採用しても良い。
以上の構成からなる流体軸受装置1において、軸部材2が回転すると、軸受スリーブ8を構成する軸受隙間形成部8aの内周面8a1の上下2箇所に離隔して設けられたラジアル軸受面と、これに対向する軸部2aの外周面2a1との間にそれぞれラジアル軸受隙間が形成される。そして軸部材2の回転に伴い、両ラジアル軸受隙間の油膜圧力が動圧溝Aa1,Aa2の動圧作用によって高められ、軸部材2をラジアル方向に非接触支持するラジアル軸受部R1,R2が軸方向の二箇所に離隔形成される。これと同時に、軸受スリーブ8の下側端面8cに設けられたスラスト軸受面とフランジ部2bの上側端面2b1との間、および、フランジ部2bの下側端面2b2とハウジング7の底部7bの上側端面7b1に設けたスラスト軸受面との間に、それぞれ第1および第2スラスト軸受隙間が形成される。そして、軸部材2の回転に伴い、両スラスト軸受隙間の油膜圧力が動圧溝Ba,Caの動圧作用によって高められ、軸部材2をスラスト両方向に非接触支持する第1スラスト軸受部T1および第2スラスト軸受部T2が形成される。
また、シール空間Sが、下方(ハウジング7の内部側)に向かって径方向寸法を漸次縮小したテーパ形状を呈しているため、シール空間S内の潤滑油は毛細管力による引き込み作用によってシール空間Sが狭くなる方向、すなわちハウジング7の内部側に向けて引き込まれる。また、シール空間Sは、ハウジング7の内部空間に充填された潤滑油の温度変化に伴う容積変化量を吸収するバッファ機能を有し、想定される温度変化の範囲内で潤滑油の油面を常にシール空間S内に保持する。これらの構成から、ハウジング7内部からの潤滑油漏れが効果的に防止される。
また、上述したように、上側の動圧溝Aa1は、軸方向中心mより上側領域の軸方向寸法X1が下側領域の軸方向寸法X2よりも大きくなっているため、軸部材2の回転時、動圧溝Aa1による潤滑油の引き込み力は上側領域が下側領域に比べて相対的に大きくなる。このような引き込み力(ポンピング力)の差圧により、軸受スリーブ8の内周面8a1と軸部2aの外周面2a1との間の隙間に充満された潤滑油は下方に流動し、第1スラスト軸受部T1の第1スラスト軸受隙間→軸受スリーブ8の軸方向溝8d1で形成される流体通路10→軸受スリーブ8の連通孔11という経路を循環して、第1ラジアル軸受部R1のラジアル軸受隙間に再び引き込まれる。
このような構成とすることで、軸受内部に充満された潤滑油の圧力バランスが保たれると同時に、局部的な負圧の発生に伴う気泡の生成、気泡の生成に起因する潤滑油の漏れや振動の発生等の問題を解消することができる。上記の循環経路には、シール空間Sが連通しているので、何らかの理由で潤滑油中に気泡が混入した場合でも、気泡は、潤滑油が循環する際にシール空間S内の潤滑油の油面(気液界面)から外気に排出される。従って、気泡による悪影響は効果的に防止される。
以上に示すように、本発明に係る流体軸受装置1では、軸受スリーブ8が、シール空間Sを形成するシール部8bを一体に有する射出成形品とされる。このようにすれば、上記特許文献1に記載の流体軸受装置に比べ、部品点数および組立工数を低減することができるので、流体軸受装置1の低コスト化を図ることができる。また、焼結金属の多孔質体とされた軸受スリーブが、射出成形品、すなわち非多孔質体に置換されるので、ハウジング7の内部空間に充填する潤滑油量を低減することができる。これにより、シール空間Sとラジアル軸受隙間とが軸方向に並べて設けられる本実施形態に係る流体軸受装置1においても、充填すべき潤滑油量の低減分だけシール部8bで形成されるシール空間Sの軸方向寸法を短縮することができる。そのため、この寸法短縮分だけ軸受隙間形成部8bの軸方向寸法、さらに言えばラジアル軸受部R1,R2の軸受スパンを拡大して、軸受性能、特にラジアル方向の軸受剛性を高めることが可能となる。
以上、本発明に係る流体軸受装置1の一実施形態について説明を行ったが、本発明は上記の実施形態に限定適用されるものではなく、以下説明する構成の流体軸受装置1に適用することも可能である。なお、以下説明する流体軸受装置1では、以上で説明した構成に準ずる部材、部位には共通の参照番号を付して重複説明を省略する。
図5は、本発明の第2実施形態に係る流体軸受装置1を示すものである。同図に示す流体軸受装置1は、軸受スリーブ8のシール部8bの内周面8b1と軸部2aの外周面2a1との間に第1のシール空間S1が形成されると共に、シール部8bの外周面8b2とハウジング7の内周面7a1との間に第2のシール空間S2が形成される点において、図2に示す流体軸受装置1と構成を異にしている。第2のシール空間S2の下端は、軸受スリーブ8に設けられた径方向に延びる連通孔11の外径端部(流体通路10の上端部)に通じている。
このような構成とすれば、ラジアル軸受隙間と軸方向に並べて設けられる第1のシール空間S1の軸方向寸法をさらに短縮することができるので、ラジアル軸受部R1,R2の軸受スパンを一層拡大してさらなる回転精度の向上を図ることができる。また、第1および第2のシール空間S1,S2は、軸受スリーブ8に設けた連通孔11を介して互いに連通することから、一方のシール空間で潤滑油の過不足が生じた場合であっても、連通孔11を介して他方のシール空間との間で潤滑油の流通を図ることができる。そのため、両シール空間S1,S2の間で潤滑油量のバランスをとって、安定したシール性能を発揮することができる。さらに、流体通路10や連通孔11で構成される一連の循環経路に両シール空間S1、S2が連通しているので、潤滑油中に気泡が混入した場合でも、気泡は、潤滑油が循環する際にシール空間S1,S2内の潤滑油の油面(気液界面)から外気に排出される。従って、気泡による悪影響は一層効果的に防止される。
図6は、本発明の第3実施形態に係る流体軸受装置1を示すもので、図2に示す流体軸受装置1の変形例である。同図に示す流体軸受装置1は、ハウジング7が、円筒状の筒部71と、筒部71の下端開口を閉塞する筒部71とは別体の底部72とで構成された点において図2に示すものと構成を異にしている。以下、異なる点について詳述する。
底部72は、導電性を有する金属材料で形成され、例えば金属板をプレス加工することにより、略円盤状のプレート部72aと、プレート部72aの外径端から上方に延びる円筒状の起立部72bとを一体に有する有底筒状(コップ状)に形成される。プレート部72aの上側端面72a1には、図4に示すものと同様のスラスト動圧発生部Cが形成されている。この底部72は、起立部72bを筒部71の外周面(下端側外周面)に固定することにより、筒部71の下端開口を閉塞する。
なお、図6に示す流体軸受装置1では、筒部71および軸受スリーブ8が樹脂製とされる一方、底部72が金属製とされ、かつこの底部72の起立部72bは、軸受スリーブ8(軸受隙間形成部8a)の内周面8a1に設けられた下側のラジアル軸受面の一部と軸方向でオーバーラップしている。このような場合に、圧入を伴う手法(圧入、圧入接着等)で各部材71,72,8を互いに固定したのでは、底部72の圧入に伴う筒部71や軸受スリーブ8の変形が下側のラジアル軸受面にも及び、ラジアル軸受隙間の幅精度に悪影響が及ぶおそれがある。そのため、本実施形態では、底部72の起立部72bの内周面と筒部71の外周面との間に微小な径方向隙間を介在させ、この径方向隙間を満たす接着剤で底部72を筒部71に対して接着固定している(隙間接着)。
本実施形態のように、円筒状の筒部71と、筒部71の外周面に固定した有底筒状の底部72とでハウジング7を構成するようにすれば、上記特許文献1のように底部(蓋部材)をハウジング(筒部)の内周面に固定する場合に比べ、内周面と外周面の径差分だけ両部材間の固定面積を増すことができる。また、筒部71に薄肉部分を設け、かつこの薄肉部分の軸方向寸法を十分に確保しておけば、底部72の起立部72bの軸方向寸法を増すことができるので、固定面積の更なる増大、すなわち固定強度の更なる向上も容易に達成できる。しかも、これに伴って底部72(プレート部72b)を厚肉化する必要がなく、さらに、底部72は接着性の良好な金属材料で形成されている。従って、ハウジング7を、円筒状の筒部と、筒部の下端開口を閉塞する別体の底部とで構成する場合であっても、流体軸受装置1の軸方向寸法やラジアル軸受部R1,R2の軸受スパンに影響を与えることなく底部72の耐抜け強度を高めることができ、所期の軸受性能が安定的に維持される。
なお、流体軸受装置1は、最も外径側に位置する面をアルミ合金等の金属材料で形成されたモータブラケット6(図1を参照)の内周面に例えば接着固定することでモータに組み込まれる。このとき、図2および図5に示す実施形態のように、ハウジング7を、樹脂で有底筒状に形成した場合には、モータブラケット6に対する流体軸受装置1の十分な固定強度を確保するため、ハウジング7の外周面に別途粗面化処理等を施す必要が生じる場合もある。これに対し、本実施形態では、底部72(起立部72b)の外周面をモータブラケット6に対する固定面として利用することができる。そして、上記のように、底部72を金属材料で形成すれば、モータブラケット6と底部72(ハウジング7)との間に十分な接着強度を確保することができるため、ハウジング7の筒部71に別途の粗面化処理等を施さずともモータブラケット6と流体軸受装置1とを強固に固定することができる。従って、モータの製造コストを低廉化しつつ、信頼性に富むモータを提供することができる。
さらに、底部72を金属材料で形成した本実施形態においては、ディスクD(図1を参照)が回転することによって帯電した静電気を、軸部材2→底部72→モータブラケット6という経路を介して確実に接地側に放電することができる。但し、底部72とモータブラケット6とを接着固定した場合には、通常は絶縁体とされる接着剤によって導電経路が遮断される事態を防止するため、必要に応じて底部72の下端外径端部とブラケット6の下端内径端部とにまたがって適当な導電材を塗布し、導電経路を確保するのが望ましい。
以上のように底部72で導電経路を構成すれば、筒部71の導電性を考慮せずとも足りるため、筒部71の成形材料を検討する際に材料選択の余地が広がり、流体軸受装置1の設計自由度が増す。樹脂製のハウジング7(筒部71)に導電性を持たせる場合にはその成形用樹脂材料中に高価な導電性充填材を配合する必要があるが、本実施形態では、成形用樹脂材料に対する導電性充填材の配合を不要とすることが、あるいは配合量を少なくすることができるので、ハウジング7の製造コストを低廉化することができる。
なお、図示は省略するが、図5に示す第2実施形態の構成、すなわち軸受スリーブ8のシール部8bの外周面8b2とハウジング7の内周面7a1との間にもシール空間(第2シール空間S2)を設けた構成を、図6に示す第3実施形態に採用することももちろん可能である。
ところで、以上で説明した各実施形態では、上述のとおり、軸部材2の回転時に、軸受スリーブ8(軸受隙間形成部8a)の内周面8a1と軸部2aの外周面2a1との間の隙間に充満された潤滑油を下方に押し込む構成を採用している。この場合、軸受内部の閉塞側の空間、特に第2スラスト軸受隙間の内径側の空間で圧力が高くなり、軸部材2に作用する上向きの浮上力が過剰となる結果、両スラスト軸受部T1,T2間でのスラスト支持力をバランスさせることが難しくなる場合がある。このような場合には、例えば図7に示すように、フランジ部2bに、その両端面2b1,2b2に開口した連通孔12を設けるのが有効である。これにより、当該連通孔12を介して両スラスト軸受隙間間で潤滑油が流通可能となるので、両スラスト軸受隙間間での圧力バランスの崩れを早期に解消し、両スラスト軸受部T1,T2間でのスラスト支持力をバランスさせることができる。なお、連通孔12は、円周方向の一箇所に設ける他、円周方向の複数箇所に設けることもできる。
図7に示す形態の連通孔12は、径方向部12aと軸方向部12bとで構成され、両スラスト軸受面B,C(スラスト動圧発生部)の形成領域を避けてその内径側に開口させるため、屈曲した形状を呈する。より詳細には、径方向部12aの外径端がフランジ部2bの上側端面2b1と軸受スリーブ8の下端側内周チャンファ(面取り)と軸部2aの下端に設けられたヌスミ部2a3とで形成される空間に開口し、径方向部12aの内径端に繋がった軸方向部12bが軸部2aの小径部2a2の外周面に沿って延び、第2スラスト軸受部T2の内径側に開口している。かかる構成は、フランジ部2bを円環状に形成し、その内周面に軸方向溝を形成すると共に、フランジ部2bの上側端面2b1に前記軸方向溝に通じる半径方向溝を形成し、その後、フランジ部2bの内周に軸部2aの下端に設けた小径部2a2を嵌合することによって形成することができる。
図2、図5および図6に示す各実施形態では、軸受スリーブ8の外周面8dに軸方向溝8d1を形成し、この軸方向溝8d1とハウジング7の内周面7a1とで軸方向に延びる流体通路10を構成したが、軸受スリーブ8の外周面8dを平滑な円筒面状に形成する一方、ハウジング7の内周面7a1に軸方向溝を形成することで軸方向に延びる流体通路10を形成することもできる。
また以上に示す各実施形態では、軸方向に延びる流体通路10を設けると共に、軸受スリーブ8に径方向に延びる連通孔11を設け、軸受内部で潤滑油を流動循環させる一連の循環経路を形成しているが、このような循環経路は必ずしも形成する必要はなく、必要に応じて形成すれば良い。但し、この場合には、図7に示すような連通孔12をフランジ部2bに設け、両スラスト軸受隙間間で潤滑油の流通を図るのが望ましい。また特にこの場合、第2スラスト軸受隙間の内径側空間の圧力が高くなる傾向が顕著に現れるので、第2スラスト軸受部T2を形成する動圧溝Caを、従来多用されてきたポンプインタイプのスパイラル形状に配列すると、第2スラスト軸受隙間内に充満された潤滑油が内径側に押し込まれるため、第2スラスト軸受隙間の内径側空間の圧力増大を助長することとなる。これを回避するため、第2スラスト軸受部T2を形成する動圧溝Caは、図4に示すとおり、ヘリングボーン形状に配列するのが望ましい。一方、第1スラスト軸受部T1では、この種の問題が生じないので、動圧溝Baは、図3(b)に示すスパイラル形状に形成しても良いし、図4と同様のヘリングボーン形状としても良い。
以上の実施形態では、ハウジング7および軸受スリーブ8の双方を樹脂の射出成形品としているが、コスト面等で問題がなければ、ハウジング7および軸受スリーブ8の何れか一方または双方を、マグネシウム合金やアルミニウム合金等の低融点金属材料の射出成形品、あるいはMIM成形品とすることも可能である。さらに、ハウジング7(図6に示す実施形態では筒部71)は、射出成形品とする他、金属のプレス加工品としても良い。
また、以上の実施形態では、ラジアル軸受隙間およびスラスト軸受隙間に動圧作用を発生させる動圧発生部を、それぞれ軸受スリーブ8(軸受隙間形成部8a)の内周面8a1、下側端面8c、およびハウジング7の内底面7b1(図6に示す第3実施形態では蓋部材20のプレート部20aの上側端面20a1)に形成したが、これら動圧発生部の一部又は全部は、軸受隙間を介して対向する面、すなわち軸部2aの外周面2a1、フランジ部2bの端面2b1,2b2に形成してもよい。
また、以上の実施形態では、ヘリングボーン形状等の動圧溝による動圧作用により動圧軸受からなるラジアル軸受部R1,R2を構成した場合について説明を行ったが、いわゆる多円弧軸受、ステップ軸受、および波型軸受等、公知のその他の動圧軸受でラジアル軸受部を構成することもできる。また、ラジアル軸受隙間を介して対向する軸受スリーブ8の軸受隙間形成部8aの内周面8a1および軸部2aの外周面2a1の双方を円筒面とした、いわゆる真円軸受でラジアル軸受部を構成することもできる。
また、以上の実施形態では、ヘリングボーン形状等の動圧溝による動圧作用により動圧軸受からなるスラスト軸受部T1,T2を構成した場合について説明を行ったが、いわゆるステップ軸受や波型軸受等、公知のその他の動圧軸受でスラスト軸受部T1,T2の何れか一方又は双方を構成することもできる。また、スラスト軸受部は、軸部材2(軸部2a)の下端を接触支持する、いわゆるピボット軸受で構成することもできる。
ディスク装置用のスピンドルモータを概念的に示す断面図である。 本発明の第1実施形態に係る流体軸受装置を示す断面図である。 (a)図は軸受スリーブの断面図、(b)図は軸受スリーブの下側端面を示す図である。 図2のX−X断面図で、ハウジングの内底面を示す図である。 本発明の第2実施形態に係る流体軸受装置を示す断面図である。 本発明の第3実施形態に係る流体軸受装置を示す断面図である。 変形例に係る軸部材の要部拡大断面図である。
符号の説明
1 流体軸受装置
2 軸部材
2a 軸部
2b フランジ部
6 モータブラケット
7 ハウジング
8 軸受スリーブ
8a 軸受隙間形成部
8b シール部
8d1 軸方向溝
10 流体通路
11 (軸受スリーブの)連通孔
12 (フランジ部の)連通孔
20 蓋部材
S、S1、S2 シール隙間
R、R1、R2 ラジアル軸受部
T1、T2 スラスト軸受部

Claims (7)

  1. 少なくとも軸方向の一端が開口したハウジングと、ハウジングの内周に収容された軸受スリーブと、軸受スリーブの内周に挿入された軸部材と、軸受スリーブの内周面と軸部材の外周面との間のラジアル軸受隙間に形成される潤滑流体の潤滑膜で軸部材をラジアル方向に支持するラジアル軸受部と、ハウジングの一端開口をシールするシール空間と、シール空間を形成するシール部とを備え、シール空間が、シール部の内周面と軸部材の外周面との間、およびシール部の外周面とハウジングの内周面との間にそれぞれ形成され、ハウジングの内周面と軸受スリーブの外周面との間に、シール部の外周面とハウジングの内周面との間のシール空間に通じた流体通路が設けられた流体軸受装置において、
    軸受スリーブは、シール部を一体に有する非多孔質材料の射出成形品であり、外径端部が前記流体通路に通じると共に内径端部がラジアル軸受隙間に通じた径方向に延びる連通孔を有し、
    ハウジングが、軸方向の一端および他端が開口した円筒状の筒部と、該筒部の外周面に固定され、筒部の他端開口を閉塞する有底筒状の底部とで構成されていることを特徴とする流体軸受装置。
  2. 前記底部は、その内周面とこれに対向する前記筒部の外周面との間の径方向隙間を満たす接着剤により、前記筒部に対して固定されている請求項1記載の流体軸受装置。
  3. 前記底部は、導電性を有する金属材料で有底筒状に形成され、かつ外周面にモータブラケットに対する固定面を有する請求項1記載の流体軸受装置。
  4. 軸受スリーブが、対向する軸部材の端面との間に第1スラスト軸受隙間を形成するスラスト軸受面を有し、かつこのスラスト軸受面に、第1スラスト軸受隙間に流体動圧を発生させるスラスト動圧発生部が射出成形と同時に型成形された請求項1記載の流体軸受装置。
  5. 軸部材にフランジ部を設け、フランジ部の一端面とこれに対向する底部の端面との間に、第2スラスト軸受隙間を形成した請求項記載の流体軸受装置。
  6. 互いに対向する前記筒部の端面と前記底部の端面との間に、軸方向隙間が設けられた請求項4又は5に記載の流体軸受装置。
  7. フランジ部が、その両端面に開口した連通孔を有する請求項記載の流体軸受装置。
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