JP5213749B2 - モデル関数更新処理装置および方法 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば空調設備を近似対象としてモデル関数式を算出し、近似対象の状況に応じてモデル関数式を適宜更新するモデル関数更新処理装置および方法に関するものである。
従来より、空調システムの最適運転制御方法として、種々の方法が提案されている。特許文献1には、シミュレーションモデルを用いて空調設備の運転制御を行なう方法が開示されている。この運転制御方法では、空調設備全体のシミュレーションモデルが予め構築され、このシミュレーションモデル上で空調設備の運転のシミュレーションが行なわれることにより、空調設備全体のランニングコストが最小となる最適制御目標値が求められる。そして、この最適制御目標値を用いて、実際の空調設備の運転が行なわれる。
しかし、特許文献1に開示された運転制御方法では、空調設備全体のシミュレーションモデルを予め構築する必要がある。しかも、実際の空調設備では、設置状況および運転状況に応じて動作特性が各空調設備で異なっている。そのため、シミュレーションモデルを実際の空調設備の動作特性と合わせるために、調整作業が必要である。この調整作業は、多くの時間と労力を必要とする。
調整作業に多くの時間と労力を必要とするという状況は、空調システムに限らず、例えば石油・化学の工業プラントや、半導体製造プロセスなどにおいても発生する。すなわち、装置や設備の設置環境によって動作特性が異なるとか、同一の装置や設備であっても時間の経過とともに動作特性が変化してくるという問題があり、予め構築したシミュレーションモデルでは不十分になることがある。
そこで、装置や設備の設置環境によって動作特性が異なるとか、同一の装置や設備であっても時間の経過とともに動作特性が変化してくるというような状況に対応する技術として、例えば特許文献2には、制御対象についての入出力関係を示すデータをファジィ数量化II類の手法で分析し、結果として得られる特性分布を近似するモデル関数を算出するモデリングアルゴリズムを実行する手段と、生成されたモデル関数を用いて制御対象からの入力信号に対する出力を算出する制御アルゴリズムを実行する際、所定時間毎にデータをとり、それを用いてモデリングアルゴリズムを実行することでモデル関数の修正、更新を行なう手段とを有する非線形制御装置が開示されている。
この非線形制御装置によれば、例えば空調システムの運転を対象とする場合であれば、モデル関数を算出する手段は、空調システムの運転時の計測データを用いて、運転に関連するモデル関数を決定することになる。したがって、シミュレーションや推定のためのモデルを予め構築することなく、空調システムの運転に関連するモデル関数を決定することもできる。制御可能な変数の最適化に適用するのであれば、空調システムの設置状況および運転状況に応じて最適化を行なうことも可能になる。このように、用途に応じて入出力信号を適宜選択すればよい。
同様の構成は、特許文献3などにも記載されており、石油・化学の工業プラントや空調システムでは、運転時の計測データを用いてモデル関数の修正・更新を行なうのが、常套手段になっている。
特開2004−293844号公報 特開平6−332506号公報 特開2006−207929号公報
特許文献2、特許文献3に開示された技術では、例えば空調システムの省エネルギー性と快適性の両立を図ろうとするような多目的最適化の課題に対しては、通常は複数のモデル関数が利用されることになり、季節変動なども考慮して運転時の計測データを用いてモデル関数の修正・更新を行なう必要もある。
そこで、多目的最適化などのためにオンラインでモデル関数を更新することになるが、得られるデータが常にモデル関数を算出するために妥当なものになるとは限らないという問題点があった。
例えば、冷却装置を用いて相対湿度を制御する場合に、冷却能力を上げれば除湿が行なわれることになるが、同時に温度も下がるので、相対湿度が上がる要素も発生する。通常は、冷却能力を上げた結果として相対湿度が上がるということはあり得ないのだが、空調システムのように周囲の環境の影響を受ける場合には、冷却能力を上げた結果として相対湿度が上がったかのようなデータが得られてしまうことも起こる。すなわち、このデータからモデル関数を算出すると、相対湿度を上げるためには冷却能力を上げればよいという結果になってしまい、最適化などの性能を損ねることになる。
以上のような問題点は、モデル関数(多目的最適化の場合は目的関数に相当する)を更新するときに、全く無制約で更新してしまうことにより発生する問題点である。
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、不適切なモデル関数が算出されてしまう確率を低減することができるモデル関数更新処理装置および方法を提供することを目的とする。
本発明のモデル関数更新処理装置は、近似対象の入出力関係を表す分析用データが入力されたときに、この分析用データに基づいて前記近似対象のモデル関数式を算出するモデル関数式算出手段と、前記近似対象における入力パラメータと出力パラメータとの関係の極性を示す極性情報が予め登録された極性知見記憶手段と、前記モデル関数式と同一または異なる判定用関数式に基づいて、前記入力パラメータと前記出力パラメータの関係の極性を入力パラメータ毎に判別し、この極性が前記極性知見記憶手段に予め登録された極性と一致するかどうかを入力パラメータ毎に判定する極性判定手段と、モデル関数式を記憶するモデル関数式記憶手段と、前記極性判定手段が全ての入力パラメータについて極性一致と判定したときのみ、前記モデル関数式記憶手段に記憶されたモデル関数式を前記モデル関数式算出手段が算出したモデル関数式に更新するモデル関数式更新処理手段とを備えることを特徴とするものである。
また、本発明のモデル関数更新処理装置の1構成例は、さらに、前記極性判定手段が少なくとも1個の入力パラメータについて極性不一致と判定したときに、モデル関数式の更新が妥当でないことをオペレータに通知する通知手段を備えることを特徴とするものである。
また、本発明のモデル関数更新処理装置の1構成例において、前記極性判定手段は、前記分析用データに基づいて前記近似対象を近似した1次の判定用関数式を算出する1次関数式算出手段と、この1次関数式算出手段が算出した1次の判定用関数式における各入力パラメータの係数の正負から、前記入力パラメータと前記出力パラメータの関係の極性を入力パラメータ毎に判別し、この極性が前記極性知見記憶手段に予め登録された極性と一致するかどうかを入力パラメータ毎に判定する1次関数式係数判定手段とからなることを特徴とするものである。
また、本発明のモデル関数更新処理装置の1構成例において、前記極性判定手段は、前記分析用データに基づいて前記近似対象を近似した奇数次の判定用関数式を算出する判定用関数式算出手段と、この判定用関数式算出手段が算出した判定用関数式における各入力パラメータの独立最高次の項の係数の正負に基づいて、前記入力パラメータと前記出力パラメータの関係の極性を入力パラメータ毎に判別し、この極性が前記極性知見記憶手段に予め登録された極性と一致するかどうかを入力パラメータ毎に判定する独立最高次係数判定手段とからなることを特徴とするものである。
また、本発明のモデル関数更新処理装置の1構成例において、前記極性判定手段は、前記分析用データに基づいて前記近似対象を近似した判定用関数式を算出する判定用関数式算出手段と、この判定用関数式算出手段が算出した判定用関数式において特定の入力パラメータ以外の各入力パラメータを想定される変動範囲内の代表値に固定して前記特定の入力パラメータを想定される最小値から最大値の間で変化させ、前記出力パラメータの変化を求めることを入力パラメータ毎に行う代表値周辺検証計算手段と、この代表値周辺検証計算手段で計算された、前記入力パラメータに対する前記出力パラメータの変化から、前記入力パラメータと前記出力パラメータの関係の極性を入力パラメータ毎に判別し、この極性が前記極性知見記憶手段に予め登録された極性と一致するかどうかを入力パラメータ毎に判定する代表値周辺増減判定手段とからなることを特徴とするものである。
また、本発明のモデル関数更新処理装置の1構成例において、前記極性判定手段は、前記分析用データに基づいて前記近似対象を近似した判定用関数式を算出する判定用関数式算出手段と、この判定用関数式算出手段が算出した判定用関数式において前記出力パラメータを前記入力パラメータで偏微分した偏微分多項式を入力パラメータ毎に算出する偏微分多項式算出手段と、この偏微分多項式算出手段が算出した偏微分多項式の微分係数の正負の分布に基づいて、前記入力パラメータと前記出力パラメータの関係の極性を入力パラメータ毎に判別し、この極性が前記極性知見記憶手段に予め登録された極性と一致するかどうかを入力パラメータ毎に判定する微分係数分布判定手段とからなることを特徴とするものである。
また、本発明のモデル関数更新処理装置の1構成例において、前記極性知見記憶手段は、前記極性情報として、入力パラメータ値の特定の条件下での出力パラメータ値の大小関係を入力パラメータ毎に記憶し、前記極性判定手段は、前記判定用関数式から、前記極性情報で規定された入力パラメータ値の条件下での出力パラメータ値の大小関係を入力パラメータ毎に求め、この大小関係が前記極性情報で規定された大小関係と一致するかどうかを入力パラメータ毎に判定することを特徴とするものである。
また、本発明のモデル関数更新処理装置の1構成例は、さらに、前記近似対象の入力パラメータ値を取得する入力パラメータ値取得手段と、前記モデル関数式記憶手段に記憶されたモデル関数式を用いて、前記入力パラメータ値取得手段が取得した入力パラメータ値から出力パラメータ値を算出するモデル関数値算出手段とを備えることを特徴とするものである。
また、本発明のモデル関数更新処理方法は、近似対象の入出力関係を表す分析用データが入力されたときに、この分析用データに基づいて前記近似対象のモデル関数式を算出するモデル関数式算出手順と、前記モデル関数式と同一または異なる判定用関数式に基づいて、入力パラメータと出力パラメータの関係の極性を入力パラメータ毎に判別し、前記近似対象における入力パラメータと出力パラメータとの関係の極性を示す極性情報が予め登録された極性知見記憶手段を参照して、前記判別した極性が前記極性知見記憶手段に予め登録された極性と一致するかどうかを入力パラメータ毎に判定する極性判定手順と、この極性判定手順で全ての入力パラメータについて極性一致と判定したときのみ、モデル関数式記憶手段に記憶されたモデル関数式を前記モデル関数式算出手順で算出したモデル関数式に更新するモデル関数式更新処理手順とを備えることを特徴とするものである。
本発明では、モデル関数式と同一または異なる判定用関数式に基づいて、入力パラメータと出力パラメータの関係の極性を入力パラメータ毎に判別し、この極性が極性知見記憶手段に予め登録された極性と一致するかどうかを入力パラメータ毎に判定し、全ての入力パラメータについて極性一致と判定したときのみ、モデル関数式記憶手段に記憶されたモデル関数式をモデル関数式算出手段が算出したモデル関数式に更新するようにしている。その結果、分析用データに不適切なデータが含まれている等の理由により、少なくとも1個の入力パラメータについて極性不一致と判定されるときには、モデル関数式を更新しないので、不適切なモデル関数が算出されてしまう確率を低減することができる。
また、本発明では、極性判定手段が少なくとも1個の入力パラメータについて極性不一致と判定したときに、オペレータに通知するようにしたので、オペレータは、モデル関数式の更新が妥当でないことを認識することができる。その結果、オペレータは、分析用データの再収集などの適切な処置をとることができる。
本発明の第1の実施の形態に係るモデル関数更新処理装置の構成を示すブロック図である。 本発明の第1の実施の形態に係るモデル関数更新処理装置のモデル関数式算出・更新処理を示すフローチャートである。 本発明の第1の実施の形態に係るモデル関数更新処理装置の出力パラメータ値算出処理を示すフローチャートである。 本発明の第1の実施の形態に係るモデル関数更新処理装置の近似対象の入出力関係を示す図である。 本発明の第1の実施の形態における第1の分析用データの分布の1例を示す図である。 本発明の第1の実施の形態における第1の分析用データの分布の1例を示す図である。 本発明の第1の実施の形態において第1の分析用データから算出した1次関数式で与えられる平面を示す図である。 本発明の第1の実施の形態における第2の分析用データの分布の1例を示す図である。 本発明の第1の実施の形態における第2の分析用データの分布の1例を示す図である。 本発明の第1の実施の形態において第2の分析用データから算出した1次関数式で与えられる平面を示す図である。 本発明の第1の実施の形態における第3の分析用データの分布の1例を示す図である。 本発明の第1の実施の形態において第3の分析用データから算出した1次関数式で与えられる平面を示す図である。 本発明の第2の実施の形態に係るモデル関数更新処理装置の構成を示すブロック図である。 本発明の第3の実施の形態に係るモデル関数更新処理装置の構成を示すブロック図である。 本発明の第3の実施の形態に係るモデル関数更新処理装置のモデル関数式算出・更新処理を示すフローチャートである。 本発明の第3の実施の形態における代表値周辺検証計算部の動作を説明するための図である。 本発明の第3の実施の形態における代表値周辺検証計算部の動作を説明するための図である。 本発明の第4の実施の形態に係るモデル関数更新処理装置の構成を示すブロック図である。 本発明の第4の実施の形態に係るモデル関数更新処理装置のモデル関数式算出・更新処理を示すフローチャートである。 本発明の第5の実施の形態に係るモデル関数更新処理装置の構成を示すブロック図である。
[発明の原理1]
運転時の計測データなどを用いて、実質的にオンラインでモデル関数(目的関数)を自動更新する場合に、オペレータ、ユーザの概略的な知見(入出力パラメータ間の関係の極性など)を活用することにより、常識的な更新を維持する確率を向上できることに発明者は着眼した。
例えば、上記の相対湿度の問題であれば、冷却能力を上げると相対湿度は下がるという入出力パラメータ間の関係の極性(この場合は単調減少なので負極性)を、知見として予め登録しておき、運転時の計測データなどを用いてモデル関数(目的関数)を算出した時点で、冷却能力と相対湿度の関係の極性をチェックすればよい。得られたモデル関数(目的関数)の極性が予め登録された極性と一致しない場合には、モデル関数の自動更新を却下するとか、アラームに相当する信号をオペレータに通知するようにすればよい。
[発明の原理2]
入力パラメータと出力パラメータの関係が単調減少関係か単調増加関係になる場合は、上記発明の原理1で説明した数式処理的な極性によるチェックは単純でわかりやすい。しかし、完全に単調な関係になるとは限らないと考えられる場合(略単調な関係)は、数式処理的な極性によるチェックは必ずしも妥当ではない。このような場合は、特別な知見のある入力パラメータ値の条件を特定し、その条件での出力パラメータ値が妥当な大小関係にあるかどうかをチェックすることが好ましい。
[第1の実施の形態]
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1は本発明の第1の実施の形態に係るモデル関数更新処理装置の構成を示すブロック図である。本実施の形態は、上記発明の原理1に基づくものである。モデル関数更新処理装置は、近似対象の入出力関係を表す分析用データを記憶する分析用データ記憶部1と、分析用データに基づいて近似対象のモデル関数式を算出するモデル関数式算出部2と、分析用データに基づいて近似対象を近似した1次関数式を算出する1次関数式算出部3と、1次関数式における各入力パラメータの係数の正負から、入力パラメータと出力パラメータの関係の極性を入力パラメータ毎に判別し、この極性が後述する極性知見記憶部6に予め登録された極性と一致するかどうかを入力パラメータ毎に判定する1次関数式係数判定部4と、近似対象における入力パラメータと出力パラメータとの関係の極性を示す極性情報が予め登録された極性知見記憶部6と、1次関数式係数判定部4が全ての入力パラメータについて極性一致と判定したときのみ、後述するモデル関数式記憶部8に記憶されたモデル関数式をモデル関数式算出部2が算出したモデル関数式に更新するモデル関数式更新処理部7と、モデル関数式記憶部8と、モデル関数式を用いて入力パラメータ値から出力パラメータ値を算出するモデル関数値算出部9と、近似対象の入力パラメータ値を取得する入力パラメータ値取得部10と、モデル関数値算出部9が計算した出力パラメータ値を出力する出力パラメータ値出力部11とから成る。
1次関数式算出部3と1次関数式係数判定部4とは、極性判定部5を構成している。モデル関数式更新処理部7は、極性判定部5が少なくとも1個の入力パラメータについて極性不一致と判定したときに、モデル関数式の更新が妥当でないことをオペレータに通知する通知手段を構成している。
図1のモデル関数更新処理装置の動作を図2、図3のフローチャートを参照して説明する。図2はモデル関数更新処理装置のモデル関数式算出・更新処理を示すフローチャート、図3はモデル関数更新処理装置の出力パラメータ値算出処理を示すフローチャートである。まず、モデル関数更新処理装置のモデル関数式算出・更新処理について説明する。モデル関数式の近似対象としては、例えば空調設備がある。この場合、モデル関数式は、空調設備のシミュレーションのために生成される。オペレータは、近似対象の空調設備について、入力パラメータ(例えば目標温度)のデータとこれに対応する出力パラメータ(例えば室温)のデータとの組からなる分析用データを収集する。
オペレータは、収集した分析用データをモデル関数更新処理装置に入力する。分析用データが入力されると(図2ステップS100においてYES)、この分析用データは分析用データ記憶部1に格納される。
モデル関数式算出部2は、分析用データ記憶部1に格納された分析用データに対して重回帰分析やSVR(Support Vector Regression )などの広義の多変量解析を行い、入力パラメータと出力パラメータとの関係を示すモデル関数式を算出する(ステップS101)。
一方、1次関数式算出部3は、分析用データ記憶部1に格納された分析用データに対して重回帰分析やSVRなどの広義の多変量解析を行い、入力パラメータと出力パラメータとの関係を示す1次関数式(判定用関数式)を算出する(ステップS102)。
1次関数式係数判定部4は、1次関数式算出部3が算出した1次関数式に基づいて、入力パラメータと出力パラメータの関係の極性を入力パラメータ毎に判別し、この極性が極性知見記憶部6に予め登録された極性と一致するかどうかを入力パラメータ毎に判定する(ステップS103)。
モデル関数式更新処理部7は、1次関数式係数判定部4が全ての入力パラメータについて極性一致と判定したときのみ、モデル関数式記憶部8に記憶されているモデル関数式をモデル関数式算出部2が算出したモデル関数式に更新する(ステップS104)。また、モデル関数式更新処理部7は、1次関数式係数判定部4が少なくとも1個の入力パラメータについて極性不一致と判定したときには、モデル関数式の更新が妥当でないことをオペレータに通知する(ステップS105)。
以後、モデル関数更新処理装置は、新たな分析用データが収集され入力される度に、ステップS100〜S106の処理を繰り返す。以上が、モデル関数更新処理装置のモデル関数式算出・更新処理である。
次に、モデル関数更新処理装置の出力パラメータ値算出処理について説明する。モデル関数更新処理装置が算出・更新したモデル関数式を用いて、例えば空調設備のシミュレーションを行いたいオペレータは、空調設備の入力パラメータ値(例えば目標温度)をモデル関数更新処理装置に入力する。この入力パラメータ値は、入力パラメータ値取得部10を介してモデル関数値算出部9に入力される。
モデル関数値算出部9は、入力パラメータ値が入力されると(図3ステップS200においてYES)、モデル関数式記憶部8に記憶されているモデル関数式を用いて、入力パラメータ値から出力パラメータ値を算出する(ステップS201)。出力パラメータ値出力部11は、モデル関数値算出部9が算出した出力パラメータ値を外部に出力する。こうして、例えば空調設備のシミュレーションの結果としての出力パラメータ値(例えば室温)を得ることができる。
以後、モデル関数更新処理装置は、新たな入力パラメータ値が入力される度に、ステップS200〜S202の処理を繰り返す。以上が、モデル関数更新処理装置の出力パラメータ値算出処理である。
次に、具体的な処理方法についての理解を容易にするために、数式的に単純な架空の近似対象を設定して、本実施の形態のモデル関数更新処理装置の動作をより具体的に説明する。まず、この近似対象について入力パラメータX,Yと出力パラメータZとの関係を表す以下のような3次多項式を仮定する。
Z=−2.0X3+13.0X2−32.0X+48.0+1.024Y3
−7.04Y2+19.2Y ・・・(1)
式(1)の3次多項式により図4に示す曲面30が得られる。式(1)では、入力パラメータXが増加すると出力パラメータZは減少する。すなわち、入力パラメータXと出力パラメータZの関係の極性は負である。また、入力パラメータYが増加すると出力パラメータZも増加する。すなわち、入力パラメータYと出力パラメータZの関係の極性は正である。この極性については、物理法則的な知見から不変であり既知なものとする。極性知見記憶部6には、以上のような極性についてのオペレータの知見が極性情報として入力パラメータ毎に予め登録されている。
ここで、入力パラメータX,Yと出力パラメータZの組み合わせ(X,Y,Z)がA(0.0,0.0,48.0),B(2.0,0.0,20.0),C(4.0,0.0,0.0),D(1.0,1.0,40.2),E(3.0,1.0,28.2),F(0.0,2.0,66.4),G(2.0,2.0,38.4),H(4.0,2.0,18.4),I(0.0,3.0,69.9),J(2.0,3.0,41.9),K(4.0,3.0,21.9),L(1.0,4.0,56.7),M(3.0,4.0,44.7),N(0.0,5.0,96.0),O(2.0,5.0,68.0),P(4.0,5.0,48.0)となっているA〜Pの16組の値が、第1の分析用データとして分析用データ記憶部1に記憶されたものとする(図2ステップS100においてYES)。
この第1の分析用データの分布を図5、図6に示す。図5は第1の分析用データのみを示した図であり、図6は式(1)の3次多項式で与えられる曲面30に第1の分析用データを重ねた図である。図6から明らかなように、A〜Pの16組の第1の分析用データは、全て3次多項式で与えられる曲面30上の正確なデータである。
極性の判定のために、上記対象を近似した1次関数式を算出するのであるが、説明を簡略化するため、ここでは求めるモデル関数式も1次とする。すなわち、モデル関数式算出部2と1次関数式算出部3とは、同じ分析用データを用いて、同じ関数式を算出する(ステップS101,S102)。分析用データ記憶部1に記憶されている第1の分析用データに対して重回帰分析やSVRなどの広義の多変量解析を行い、入力パラメータX,Yと出力パラメータZとの関係を示す1次関数式を算出すると、次式が得られる。
Z=−11.0X+8.4Y+44.0 ・・・(2)
式(2)の1次関数式で与えられる平面60を図7に示す。式(2)では、入力パラメータXの係数の符号が負になっており、入力パラメータXと出力パラメータZの関係の極性が負になるように、第1の分析用データが得られていることを示している。極性知見記憶部6に予め登録されている、入力パラメータXと出力パラメータZの関係の極性は負である。したがって、1次関数式係数判定部4は、入力パラメータXについては、1次関数式から判別した極性が極性知見記憶部6に予め登録された極性と一致すると判定する。
また、式(2)では、入力パラメータYの係数の符号が正になっており、入力パラメータYと出力パラメータZの関係の極性が正になるように、第1の分析用データが得られていることを示している。極性知見記憶部6に予め登録されている、入力パラメータYと出力パラメータZの関係の極性は正である。したがって、1次関数式係数判定部4は、入力パラメータYについても、1次関数式から判別した極性が極性知見記憶部6に予め登録された極性と一致すると判定する。
このように、1次関数式係数判定部4は、全ての入力パラメータX,Yについて、1次関数式から判別した極性が極性知見記憶部6に予め登録された極性と一致すると判定する(ステップS103においてYES)。この1次関数式係数判定部4の判定結果を受けたモデル関数式更新処理部7は、モデル関数式の新規設定・更新は妥当であると判断し、モデル関数式算出部2が算出したモデル関数式をモデル関数式記憶部8に格納する(ステップS104)。
次に、入力パラメータX,Yと出力パラメータZの組み合わせ(X,Y,Z)がA(1.0,0.0,27.0),B(3.0,0.0,15.0),C(0.0,1.0,61.2),D(2.0,1.0,33.2),E(4.0,1.0,13.2),F(1.0,2.0,45.4),G(3.0,2.0,33.4),H(1.0,3.0,48.8),I(3.0,3.0,36.9),J(0.0,4.0,77.7),K(2.0,4.0,49.7),L(4.0,4.0,29.7),M(1.0,5.0,75.0),N(3.0,5.0,63.0)となっているA〜Nの14組の値が、第2の分析用データとして新たに収集され、分析用データ記憶部1に記憶されたものとする(ステップS100においてYES)。
この第2の分析用データの分布を図8、図9に示す。図8は第2の分析用データのみを示した図であり、図9は式(1)の3次多項式で与えられる曲面30に第2の分析用データを重ねた図である。図9から明らかなように、A〜Nの14組の第2の分析用データは、全て3次多項式で与えられる曲面30上の正確なデータである。
モデル関数式算出部2と1次関数式算出部3とが、分析用データ記憶部1に記憶されている第2の分析用データに対して重回帰分析やSVRなどの広義の多変量解析を行い、入力パラメータX,Yと出力パラメータZとの関係を示す1次関数式を算出すると、次式が得られる(ステップS101,S102)。
Z=−10.5X+7.6Y+42.0 ・・・(3)
式(3)の1次関数式で与えられる平面90を図10に示す。式(3)では、入力パラメータXの係数の符号が負になっており、入力パラメータXと出力パラメータZの関係の極性が負になるように、第2の分析用データが得られていることを示している。したがって、1次関数式係数判定部4は、入力パラメータXについては、1次関数式から判別した極性が極性知見記憶部6に予め登録された極性と一致すると判定する。
また、式(3)では、入力パラメータYの係数の符号が正になっており、入力パラメータYと出力パラメータZの関係の極性が正になるように、第2の分析用データが得られていることを示している。したがって、1次関数式係数判定部4は、入力パラメータYについても、1次関数式から判別した極性が極性知見記憶部6に予め登録された極性と一致すると判定する。
このように、1次関数式係数判定部4は、全ての入力パラメータX,Yについて、1次関数式から判別した極性が極性知見記憶部6に予め登録された極性と一致すると判定する(ステップS103においてYES)。この1次関数式係数判定部4の判定結果を受けたモデル関数式更新処理部7は、モデル関数式の更新は妥当であると判断し、モデル関数式算出部2が算出したモデル関数式をモデル関数式記憶部8に格納する(ステップS104)。
次に、入力パラメータX,Yと出力パラメータZの組み合わせ(X,Y,Z)がA(1.0,0.0,27.0),B(2.0,1.0,33.2),C(0.0,3.0,33.2),D(4.0,3.0,63.0),E(2.0,4.0,49.7),F(2.0,5.0,63.0),G(3.0,5.0,63.0)となっているA〜Gの7組の値が、第3の分析用データとして新たに収集され、分析用データ記憶部1に記憶されたものとする(ステップS100においてYES)。
この第3の分析用データの分布を図11に示す。図11は式(1)の3次多項式で与えられる曲面30に第3の分析用データを重ねた図である。A,B,E,F,Gの5組の第3の分析用データは、3次多項式で与えられる曲面30上の正確なデータである。一方、C,Dの2組の第3の分析用データについては、何らかの特殊な事情により本来得られるべき正しいデータから逸脱したものを想定している。
モデル関数式算出部2と1次関数式算出部3とが、分析用データ記憶部1に記憶されている第3の分析用データに対して重回帰分析やSVRなどの広義の多変量解析を行い、入力パラメータX,Yと出力パラメータZとの関係を示す1次関数式を算出すると、次式が得られる(ステップS101,S102)。
Z=7.5X+7.6Y+10.0 ・・・(4)
式(4)の1次関数式で与えられる平面110を図12に示す。式(4)では、入力パラメータXの係数の符号が正になっており、入力パラメータXと出力パラメータZの関係の極性が正になるように、第3の分析用データが得られていることを示している。したがって、1次関数式係数判定部4は、入力パラメータXについては、1次関数式から判別した極性が極性知見記憶部6に予め登録された極性と一致しないと判定する。
また、式(4)では、入力パラメータYの係数の符号が正になっており、入力パラメータYと出力パラメータZの関係の極性が正になるように、第3の分析用データが得られていることを示している。したがって、1次関数式係数判定部4は、入力パラメータYについては、1次関数式から判別した極性が極性知見記憶部6に予め登録された極性と一致すると判定する。
このように、1次関数式係数判定部4は、少なくとも1個の入力パラメータ(ここではX)について、1次関数式から判別した極性が極性知見記憶部6に予め登録された極性と一致しないと判定する(ステップS103においてNO)。この1次関数式係数判定部4の判定結果を受けたモデル関数式更新処理部7は、モデル関数式の更新は妥当でないと判断し、モデル関数式の更新を却下して、モデル関数式の更新が妥当でないことを示すアラーム信号をオペレータに通知する(ステップS105)。このときの通知方法としては、液晶ディスプレイによる表示やLEDの点灯等の方法がある。
以上のように、本実施の形態では、第1、第2の分析用データのように適切な分析用データが得られている場合には、入出力パラメータ間の関係の極性が正しい1次関数式が得られることになり、モデル関数の自動更新が適切に行なわれる。一方で、第3の分析用データのように知見から逸脱する明らかに不適切なデータが含まれている場合には、入出力パラメータ間の関係の極性が正しくない1次関数式が得られることになり、モデル関数の自動更新が却下される。したがって、本実施の形態によれば、不適切なモデル関数が算出されてしまう確率を低減することができる。
[第2の実施の形態]
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。第1の実施の形態では、入力パラメータと出力パラメータの関係が増加関係なのか減少関係なのかということ(極性)を判定するために、分析用データを用いて1次の判定用関数式を算出して、各入力パラメータの係数の正負で極性を判定したが、別の判定方法を用いてもよい。
本実施の形態では、分析用データを用いて奇数次の高次判定用関数式を算出して、各入力パラメータの独立最高次の項の係数の正負で極性を判定する。ある入力パラメータのみに関する項のうち、最高次の項をその入力パラメータの独立最高次の項と呼ぶ。本実施の形態の方法は、高次の項であるほど、入力パラメータ空間の最小値付近と最大値付近における出力パラメータ値の大小関係について支配的になる確率が高いので、最高次の項の係数により極性を判定できる可能性が高いことに着眼した方法である。
図13は本実施の形態に係るモデル関数更新処理装置の構成を示すブロック図であり、図1と同一の構成には同一の符号を付してある。モデル関数更新処理装置は、分析用データ記憶部1と、モデル関数式算出部2と、極性判定部5aと、極性知見記憶部6と、モデル関数式更新処理部7と、モデル関数式記憶部8と、モデル関数値算出部9と、入力パラメータ値取得部10と、出力パラメータ値出力部11とから成る。極性判定部5aは、判定用関数式算出部12と、独立最高次係数判定部13とから成る。
モデル関数式算出・更新処理の流れは第1の実施の形態と同様であるので、図2を用いて本実施の形態のモデル関数式算出・更新処理について説明する。
ステップS100,S101の処理は、第1の実施の形態と同じである。
判定用関数式算出部12は、分析用データ記憶部1に記憶されている分析用データに対して重回帰分析やSVRなどの広義の多変量解析を行い、入力パラメータX,Yと出力パラメータZとの関係を示す奇数次の判定用関数式を算出する(ステップS102)。ここでは、説明を容易にするため、判定用関数式として式(1)が得られたものと仮定する。式(1)において、X3の項は入力パラメータXのみに関する独立最高次の項であり、Y3の項は入力パラメータYのみに関する独立最高次の項である。
独立最高次係数判定部13は、判定用関数式算出部12が算出した判定用関数式における各入力パラメータの独立最高次の項の係数の正負から、入力パラメータと出力パラメータの関係の極性を入力パラメータ毎に判別し、この極性が極性知見記憶部6に予め登録された極性と一致するかどうかを入力パラメータ毎に判定する(ステップS103)。
式(1)では、入力パラメータXの独立最高次の項X3に付く係数の符号は負である。これにより、独立最高次係数判定部13は、入力パラメータXと出力パラメータZの関係の極性を負と判定する。極性知見記憶部6に予め登録されている、入力パラメータXと出力パラメータZの関係の極性は負である。したがって、独立最高次係数判定部13は、入力パラメータXについては、判定用関数式から判別した極性が極性知見記憶部6に予め登録された極性と一致すると判定する。
また、式(1)では、入力パラメータYの独立最高次の項Y3に付く係数の符号は正である。これにより、独立最高次係数判定部13は、入力パラメータYと出力パラメータZの関係の極性を正と判定する。極性知見記憶部6に予め登録されている、入力パラメータYと出力パラメータZの関係の極性は正である。したがって、独立最高次係数判定部13は、入力パラメータYについても、判定用関数式から判別した極性が極性知見記憶部6に予め登録された極性と一致すると判定する。
ステップS104〜S106の処理および出力パラメータ値算出処理は、第1の実施の形態と同じである。
以上のようにして、本実施の形態においても、入力パラメータと出力パラメータの関係の極性を判定することができ、第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
なお、判定用関数式にX3やY3の項がなく、XY2やX2Yの項があったとしても、XY2やX2Yの項は独立最高次の項には該当しない。その理由は、XY2やX2Yが複数の入力パラメータを含むからである。
[第3の実施の形態]
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。本実施の形態では、分析用データを用いて高次の判定用関数式を算出して、注目する特定の入力パラメータ以外の各入力パラメータを変動範囲の代表値(中央値など)に固定し、注目する入力パラメータを想定される最小値から最大値の間にて特定間隔で変化させ、出力パラメータ値の変化により極性を判定する。本実施の形態の方法は、関数式であれば、入力パラメータ空間内の任意の位置で出力パラメータ値を容易に算出できることに着眼した方法である。
図14は本発明の第3の実施の形態に係るモデル関数更新処理装置の構成を示すブロック図であり、図1と同一の構成には同一の符号を付してある。モデル関数更新処理装置は、分析用データ記憶部1と、モデル関数式算出部2と、極性判定部5bと、極性知見記憶部6と、モデル関数式更新処理部7と、モデル関数式記憶部8と、モデル関数値算出部9と、入力パラメータ値取得部10と、出力パラメータ値出力部11とから成る。極性判定部5bは、判定用関数式算出部14と、代表値周辺検証計算部15と、代表値周辺増減判定部16とから成る。
本実施の形態のモデル関数式算出・更新処理を図15のフローチャートを参照して説明する。
図15のステップS100,S101の処理は、第1の実施の形態と同じである。判定用関数式算出部14は、分析用データ記憶部1に記憶されている分析用データに対して重回帰分析やSVRなどの広義の多変量解析を行い、入力パラメータX,Yと出力パラメータZとの関係を示す高次の判定用関数式を算出する(ステップS102)。ここでは、説明を容易にするため、判定用関数式として式(1)が得られたものと仮定する。
代表値周辺検証計算部15は、判定用関数式算出部14が算出した判定用関数式において、注目する特定の入力パラメータ以外の各入力パラメータを想定される変動範囲内の代表値(中央値など)に固定し、注目する入力パラメータを想定される最小値から最大値の間で変化させ、出力パラメータの変化を求める(ステップS107)。
入力パラメータXに注目したとき、入力パラメータX以外の入力パラメータYの想定される変動範囲(最小値から最大値)をY=0.0からY=5.0とすると、中央値はY=2.5になる。そこで、代表値周辺検証計算部15は、Y=2.5に固定して、式(1)から出力パラメータZと入力パラメータXだけの次式を求める。
Z=−2.0X3+13.0X2−32.0X+68.0 ・・・(5)
代表値周辺検証計算部15は、式(5)において入力パラメータXの想定される変動範囲(最小値から最大値)をX=0.0からX=4.0とし、変化幅をΔX=0.5として入力パラメータXを変化させると、入力パラメータXに対する出力パラメータZの計算結果および入力パラメータXの変化に対する出力パラメータZの変化量ΔZの計算結果(X,Z,ΔZ)として、(X=0.0,Z=68.0,ΔZ=0),(X=0.5,Z=55.0,ΔZ=−13.0),(X=1.0,Z=47.0,ΔZ=−8.0),(X=1.5,Z=42.5,ΔZ=−4.5),(X=2.0,Z=40.0,ΔZ=−2.5),(X=2.5,Z=38.0,ΔZ=−2.0),(X=3.0,Z=35.0,ΔZ=−3.0),(X=3.5,Z=29.5,ΔZ=−5.5),(X=4.0,Z=20.0,ΔZ=−9.5)を得る。この計算は、図16に示すように、式(1)により形成される曲面30上におけるY=2.5の線130上の点を検証していることを意味する。
一方、入力パラメータYに注目したとき、入力パラメータY以外の入力パラメータXの想定される変動範囲(最小値から最大値)をX=0.0からX=4.0とすると、中央値はX=2.0になる。そこで、代表値周辺検証計算部15は、X=2.0に固定して、式(1)から出力パラメータZと入力パラメータYだけの次式を求める。
Z=1.024Y3−7.04Y2+19.2Y+20.0 ・・・(6)
代表値周辺検証計算部15は、式(6)において入力パラメータYの想定される変動範囲(最小値から最大値)をY=0.0からY=5.0とし、変化幅をΔY=0.5として入力パラメータYを変化させると、入力パラメータYに対する出力パラメータZの計算結果および入力パラメータYの変化に対する出力パラメータZの変化量ΔZの計算結果(Y,Z,ΔZ)として、(Y=0.0,Z=20.0,ΔZ=0),(Y=0.5,Z=28.0,ΔZ=8.0),(Y=1.0,Z=33.2,ΔZ=5.2),(Y=1.5,Z=36.4,ΔZ=3.2),(Y=2.0,Z=38.4,ΔZ=2.0),(Y=2.5,Z=40.0,ΔZ=1.6),(Y=3.0,Z=41.9,ΔZ=1.9),(Y=3.5,Z=44.9,ΔZ=3.0),(Y=4.0,Z=49.7,ΔZ=4.8),(Y=4.5,Z=57.2,ΔZ=7.5),(Y=5.0,Z=68.0,ΔZ=10.8)を得る。この計算は、図17に示すように、式(1)により形成される曲面30上におけるX=2.0の線140上の点を検証していることを意味する。代表値周辺検証計算部15は、以上のような処理を判定用関数式算出部14が算出した判定用関数式の入力パラメータ毎に行う。
代表値周辺増減判定部16は、代表値周辺検証計算部15で計算された、入力パラメータに対する出力パラメータの変化から、入力パラメータと出力パラメータの関係の極性を入力パラメータ毎に判別し、この極性が極性知見記憶部6に予め登録された極性と一致するかどうかを入力パラメータ毎に判定する(ステップS103)。
入力パラメータXに注目したときの式(5)から計算された結果によると、入力パラメータXの増加に伴う出力パラメータZの減少回数(ΔZが負値になる回数)および減少量(ΔZの累積は−48.0)が多い。これにより、代表値周辺増減判定部16は、入力パラメータXと出力パラメータZの関係の極性を負と判定する。極性知見記憶部6に予め登録されている、入力パラメータXと出力パラメータZの関係の極性は負である。したがって、代表値周辺増減判定部16は、入力パラメータXについては、出力パラメータ値の変化から判別した極性が極性知見記憶部6に予め登録された極性と一致すると判定する。
また、入力パラメータYに注目したときの式(6)から計算された結果によると、入力パラメータYの増加に伴う出力パラメータZの増加回数(ΔZが正値になる回数)および増加量(ΔZの累積は48.0)が多い。これにより、代表値周辺増減判定部16は、入力パラメータYと出力パラメータZの関係の極性を正と判定する。極性知見記憶部6に予め登録されている、入力パラメータYと出力パラメータZの関係の極性は正である。したがって、代表値周辺増減判定部16は、入力パラメータYについても、出力パラメータ値の変化から判別した極性が極性知見記憶部6に予め登録された極性と一致すると判定する。
ステップS104〜S106の処理および出力パラメータ値算出処理は、第1の実施の形態と同じである。
以上のようにして、本実施の形態においても、第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
[第4の実施の形態]
次に、本発明の第4の実施の形態について説明する。本実施の形態では、分析用データを用いて高次の判定用関数式を算出して、出力パラメータを注目する特定の入力パラメータで偏微分し、微分係数の正負の分布により極性を判定する。本実施の形態の方法は、関数式であれば、偏微分した数式を自動で求めることが可能であることに着眼した方法である。
図18は本発明の第4の実施の形態に係るモデル関数更新処理装置の構成を示すブロック図であり、図1と同一の構成には同一の符号を付してある。モデル関数更新処理装置は、分析用データ記憶部1と、モデル関数式算出部2と、極性判定部5cと、極性知見記憶部6と、モデル関数式更新処理部7と、モデル関数式記憶部8と、モデル関数値算出部9と、入力パラメータ値取得部10と、出力パラメータ値出力部11とから成る。極性判定部5cは、判定用関数式算出部17と、偏微分多項式算出部18と、微分係数分布判定部19とから成る。
本実施の形態のモデル関数式算出・更新処理を図19のフローチャートを参照して説明する。
図19のステップS100,S101の処理は、第1の実施の形態と同じである。判定用関数式算出部17は、分析用データ記憶部1に記憶されている分析用データに対して重回帰分析やSVRなどの広義の多変量解析を行い、入力パラメータX,Yと出力パラメータZとの関係を示す高次の判定用関数式を算出する(ステップS102)。ここでは、説明を容易にするため、判定用関数式として式(1)が得られたものと仮定する。
偏微分多項式算出部18は、判定用関数式算出部17が算出した判定用関数式において出力パラメータZを入力パラメータXで偏微分して以下のような式を得る(ステップS108)。
∂Z/∂X=−6.0X2+26.0X−32.0 ・・・(7)
また、偏微分多項式算出部18は、判定用関数式算出部17が算出した判定用関数式において出力パラメータZを入力パラメータYで偏微分して以下のような式を得る(ステップS108)。
∂Z/∂Y=3.072Y2−14.08Y+19.2 ・・・(8)
偏微分多項式算出部18は、以上のような処理を判定用関数式算出部17が算出した判定用関数式の入力パラメータ毎に行う。
微分係数分布判定部19は、偏微分多項式算出部18が算出した式の微分係数の正負の分布により、入力パラメータと出力パラメータの関係の極性を入力パラメータ毎に判別し、この極性が極性知見記憶部6に予め登録された極性と一致するかどうかを入力パラメータ毎に判定する(ステップS103)。
入力パラメータXに注目したときに計算された式(7)は、入力パラメータYに依存しない式である。微分係数分布判定部19は、式(7)において入力パラメータXの想定される変動範囲(最小値から最大値)をX=0.0からX=4.0とし、変化幅をΔX=0.5として入力パラメータXを変化させると、入力パラメータXに対する偏微分∂Z/∂Xの計算結果(X,∂Z/∂X)として、(X=0.0,∂Z/∂X=−32.0),(X=0.5,∂Z/∂X=−20.5),(X=1.0,∂Z/∂X=−12.0),(X=1.5,∂Z/∂X=−6.5),(X=2.0,∂Z/∂X=−4.0),(X=2.5,∂Z/∂X=−4.5),(X=3.0,∂Z/∂X=−8.0),(X=3.5,∂Z/∂X=−14.5),(X=4.0,∂Z/∂X=−24.0)を得る。
この計算結果より、∂Z/∂Xの平均値が−14.0なので、微分係数分布判定部19は、入力パラメータXと出力パラメータZの関係の極性を負と判定する。極性知見記憶部6に予め登録されている、入力パラメータXと出力パラメータZの関係の極性は負である。したがって、微分係数分布判定部19は、入力パラメータXについては、偏微分多項式の微分係数の正負の分布から判別した極性が極性知見記憶部6に予め登録された極性と一致すると判定する。
また、入力パラメータYに注目したときに計算された式(8)は、入力パラメータXに依存しない式である。微分係数分布判定部19は、式(8)において入力パラメータYの想定される変動範囲(最小値から最大値)をY=0.0からY=5.0とし、変化幅をΔY=0.5として入力パラメータYを変化させると、入力パラメータYに対する偏微分∂Z/∂Yの計算結果(Y,∂Z/∂Y)として、(Y=0.0,∂Z/∂Y=19.2),(Y=0.5,∂Z/∂Y=12.9),(Y=1.0,∂Z/∂Y=8.2),(Y=1.5,∂Z/∂Y=5.0),(Y=2.0,∂Z/∂Y=3.3),(Y=2.5,∂Z/∂Y=3.2),(Y=3.0,∂Z/∂Y=4.6),(Y=3.5,∂Z/∂Y=7.6),(Y=4.0,∂Z/∂Y=12.0),(Y=4.0,∂Z/∂Y=18.0),(Y=4.0,∂Z/∂Y=25.6)を得る。
この計算結果より、∂Z/∂Yの平均値が10.9なので、微分係数分布判定部19は、入力パラメータYと出力パラメータZの関係の極性を正と判定する。極性知見記憶部6に予め登録されている、入力パラメータYと出力パラメータZの関係の極性は正である。したがって、微分係数分布判定部19は、入力パラメータYについても、偏微分多項式の微分係数の正負の分布から判別した極性が極性知見記憶部6に予め登録された極性と一致すると判定する。
ステップS104〜S106の処理および出力パラメータ値算出処理は、第1の実施の形態と同じである。
以上のようにして、本実施の形態においても、第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
[第5の実施の形態]
次に、本発明の第5の実施の形態について説明する。本実施の形態は、上記発明の原理2に基づくものである。図20は本実施の形態に係るモデル関数更新処理装置の構成を示すブロック図であり、図1と同一の構成には同一の符号を付してある。モデル関数更新処理装置は、分析用データ記憶部1と、モデル関数式算出部2と、極性判定部5dと、極性知見記憶部6と、モデル関数式更新処理部7と、モデル関数式記憶部8と、モデル関数値算出部9と、入力パラメータ値取得部10と、出力パラメータ値出力部11とから成る。極性判定部5dは、判定用関数式算出部20と、大小関係判定部21とから成る。
第1の実施の形態と同じ式(1)で表される架空の近似対象を設定し、本実施の形態のモデル関数式算出・更新処理を図2を用いて説明する。ステップS100,S101の処理は、第1の実施の形態と同じである。
判定用関数式算出部20は、1次関数式算出部3と同様に、分析用データ記憶部1に記憶されている分析用データに対して重回帰分析やSVRなどの広義の多変量解析を行い、入力パラメータX,Yと出力パラメータZとの関係を示す1次の判定用関数式を算出する(ステップS102)。
モデル関数更新処理装置のオペレータは、入力パラメータXが増加すると出力パラメータZは概ね減少すると認識しているものとする。すなわち、入力パラメータXと出力パラメータZの関係の極性は概ね負である。また、オペレータは、入力パラメータYが増加すると出力パラメータZも概ね増加すると認識しているものとする。すなわち、入力パラメータYと出力パラメータZの関係の極性は概ね正である。このような極性の知見については、必ずしも厳密なものではないが、経験的には不変であり既知なものとする。
極性知見記憶部6には、オペレータの知見に基づき、入力パラメータX,Yと出力パラメータZの関係の極性を示す以下のような極性情報が予め登録される。
(A)入力パラメータXの値が0.0以上1.0以下の範囲にある場合の出力パラメータZの値は、入力パラメータXの値が3.0以上4.0以下にある場合の出力パラメータZの値よりも大きい(極性は概ね負)。
(B)入力パラメータYの値が0.0以上1.0以下の範囲にある場合の出力パラメータZの値は、入力パラメータYの値が4.0以上5.0以下にある場合の出力パラメータZの値よりも小さい(極性は概ね正)。
大小関係判定部21は、判定用関数式算出部20が算出した1次関数式から、極性知見記憶部6の極性情報で規定された入力パラメータ値の条件下での出力パラメータ値の大小関係を入力パラメータ毎に求め、この大小関係が極性情報で規定された大小関係と一致するかどうかを入力パラメータ毎に判定する(ステップS103)。
第1の実施の形態で説明した第1の分析用データまたは第2の分析用データが分析用データ記憶部1に記憶されている場合、判定用関数式算出部20が算出した1次関数式(式(2)または式(3))によると、入力パラメータXの値が0.0以上1.0以下の範囲にある場合の出力パラメータZの値は、入力パラメータXの値が3.0以上4.0以下にある場合の出力パラメータZの値よりも大きく、入力パラメータYの値が0.0以上1.0以下の範囲にある場合の出力パラメータZの値は、入力パラメータYの値が4.0以上5.0以下にある場合の出力パラメータZの値よりも小さい。したがって、大小関係判定部21は、全ての入力パラメータX,Yについて、モデル関数の極性が極性知見記憶部6に予め登録された極性と一致すると判定する。
一方、第1の実施の形態で説明した第3の分析用データが分析用データ記憶部1に記憶されている場合、判定用関数式算出部20が算出した1次関数式(式(4))によると、入力パラメータXの値が0.0以上1.0以下の範囲にある場合の出力パラメータZの値は、入力パラメータXの値が3.0以上4.0以下にある場合の出力パラメータZの値よりも小さく、入力パラメータYの値が0.0以上1.0以下の範囲にある場合の出力パラメータZの値は、入力パラメータYの値が4.0以上5.0以下にある場合の出力パラメータZの値よりも小さい。したがって、大小関係判定部21は、少なくとも1個の入力パラメータ(ここではX)について、モデル関数の極性が極性知見記憶部6に予め登録された極性と一致しないと判定する。
ステップS104〜S106の処理および出力パラメータ値算出処理は、第1の実施の形態と同じである。
以上のようにして、本実施の形態においても、第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。また、本実施の形態では、近似対象における入力パラメータと出力パラメータの関係が単調な関係でない場合であっても、不適切なモデル関数が算出されてしまう確率を低減することができる。
なお、第2〜第5の実施の形態では、モデル関数式算出部2と判定用関数式算出部12,14,17,20とを別のものとして説明しているが、モデル関数式をそのまま判定用関数式として採用してもよい。すなわち、モデル関数式算出部と判定用関数式算出部とは同一のものとして構成してもよい。
また、第1〜第5の実施の形態で説明したモデル関数更新処理装置は、CPU、記憶装置およびインタフェースを備えたコンピュータと、これらのハードウェア資源を制御するプログラムによって実現することができる。モデル関数更新処理装置のCPUは、記憶装置に格納されたプログラムに従って第1〜第5の実施の形態で説明した処理を実行する。
本発明は、例えば空調設備を近似対象としてモデル関数式を算出し、近似対象の状況に応じてモデル関数式を適宜更新し、モデル関数式に入力パラメータ値を与えて近似対象のシミュレーション結果である出力パラメータ値を得る技術に適用することができる。
1…分析用データ記憶部、2…モデル関数式算出部、3…1次関数式算出部、4…1次関数式係数判定部、5,5a,5b,5c,5d…極性判定部、6…極性知見記憶部、7…モデル関数式更新処理部、8…モデル関数式記憶部、9…モデル関数値算出部、10…入力パラメータ値取得部、11…出力パラメータ値出力部、12…判定用関数式算出部、13…独立最高次係数判定部、14…判定用関数式算出部、15…代表値周辺検証計算部、16…代表値周辺増減判定部、17…判定用関数式算出部、18…偏微分多項式算出部、19…微分係数分布判定部、20…判定用関数式算出部、21…大小関係判定部。

Claims (16)

  1. 近似対象の入出力関係を表す分析用データが入力されたときに、この分析用データに基づいて前記近似対象のモデル関数式を算出するモデル関数式算出手段と、
    前記近似対象における入力パラメータと出力パラメータとの関係の極性を示す極性情報が予め登録された極性知見記憶手段と、
    前記モデル関数式と同一または異なる判定用関数式に基づいて、前記入力パラメータと前記出力パラメータの関係の極性を入力パラメータ毎に判別し、この極性が前記極性知見記憶手段に予め登録された極性と一致するかどうかを入力パラメータ毎に判定する極性判定手段と、
    モデル関数式を記憶するモデル関数式記憶手段と、
    前記極性判定手段が全ての入力パラメータについて極性一致と判定したときのみ、前記モデル関数式記憶手段に記憶されたモデル関数式を前記モデル関数式算出手段が算出したモデル関数式に更新するモデル関数式更新処理手段とを備えることを特徴とするモデル関数更新処理装置。
  2. 請求項1記載のモデル関数更新処理装置において、
    さらに、前記極性判定手段が少なくとも1個の入力パラメータについて極性不一致と判定したときに、モデル関数式の更新が妥当でないことをオペレータに通知する通知手段を備えることを特徴とするモデル関数更新処理装置。
  3. 請求項1または2記載のモデル関数更新処理装置において、
    前記極性判定手段は、
    前記分析用データに基づいて前記近似対象を近似した1次の判定用関数式を算出する1次関数式算出手段と、
    この1次関数式算出手段が算出した1次の判定用関数式における各入力パラメータの係数の正負から、前記入力パラメータと前記出力パラメータの関係の極性を入力パラメータ毎に判別し、この極性が前記極性知見記憶手段に予め登録された極性と一致するかどうかを入力パラメータ毎に判定する1次関数式係数判定手段とからなることを特徴とするモデル関数更新処理装置。
  4. 請求項1または2記載のモデル関数更新処理装置において、
    前記極性判定手段は、
    前記分析用データに基づいて前記近似対象を近似した奇数次の判定用関数式を算出する判定用関数式算出手段と、
    この判定用関数式算出手段が算出した判定用関数式における各入力パラメータの独立最高次の項の係数の正負に基づいて、前記入力パラメータと前記出力パラメータの関係の極性を入力パラメータ毎に判別し、この極性が前記極性知見記憶手段に予め登録された極性と一致するかどうかを入力パラメータ毎に判定する独立最高次係数判定手段とからなることを特徴とするモデル関数更新処理装置。
  5. 請求項1または2記載のモデル関数更新処理装置において、
    前記極性判定手段は、
    前記分析用データに基づいて前記近似対象を近似した判定用関数式を算出する判定用関数式算出手段と、
    この判定用関数式算出手段が算出した判定用関数式において特定の入力パラメータ以外の各入力パラメータを想定される変動範囲内の代表値に固定して前記特定の入力パラメータを想定される最小値から最大値の間で変化させ、前記出力パラメータの変化を求めることを入力パラメータ毎に行う代表値周辺検証計算手段と、
    この代表値周辺検証計算手段で計算された、前記入力パラメータに対する前記出力パラメータの変化から、前記入力パラメータと前記出力パラメータの関係の極性を入力パラメータ毎に判別し、この極性が前記極性知見記憶手段に予め登録された極性と一致するかどうかを入力パラメータ毎に判定する代表値周辺増減判定手段とからなることを特徴とするモデル関数更新処理装置。
  6. 請求項1または2記載のモデル関数更新処理装置において、
    前記極性判定手段は、
    前記分析用データに基づいて前記近似対象を近似した判定用関数式を算出する判定用関数式算出手段と、
    この判定用関数式算出手段が算出した判定用関数式において前記出力パラメータを前記入力パラメータで偏微分した偏微分多項式を入力パラメータ毎に算出する偏微分多項式算出手段と、
    この偏微分多項式算出手段が算出した偏微分多項式の微分係数の正負の分布に基づいて、前記入力パラメータと前記出力パラメータの関係の極性を入力パラメータ毎に判別し、この極性が前記極性知見記憶手段に予め登録された極性と一致するかどうかを入力パラメータ毎に判定する微分係数分布判定手段とからなることを特徴とするモデル関数更新処理装置。
  7. 請求項1または2記載のモデル関数更新処理装置において、
    前記極性知見記憶手段は、前記極性情報として、入力パラメータ値の特定の条件下での出力パラメータ値の大小関係を入力パラメータ毎に記憶し、
    前記極性判定手段は、前記判定用関数式から、前記極性情報で規定された入力パラメータ値の条件下での出力パラメータ値の大小関係を入力パラメータ毎に求め、この大小関係が前記極性情報で規定された大小関係と一致するかどうかを入力パラメータ毎に判定することを特徴とするモデル関数更新処理装置。
  8. 請求項1乃至7のいずれか1項に記載のモデル関数更新処理装置において、
    さらに、前記近似対象の入力パラメータ値を取得する入力パラメータ値取得手段と、
    前記モデル関数式記憶手段に記憶されたモデル関数式を用いて、前記入力パラメータ値取得手段が取得した入力パラメータ値から出力パラメータ値を算出するモデル関数値算出手段とを備えることを特徴とするモデル関数更新処理装置。
  9. 近似対象の入出力関係を表す分析用データが入力されたときに、この分析用データに基づいて前記近似対象のモデル関数式を算出するモデル関数式算出手順と、
    前記モデル関数式と同一または異なる判定用関数式に基づいて、入力パラメータと出力パラメータの関係の極性を入力パラメータ毎に判別し、前記近似対象における入力パラメータと出力パラメータとの関係の極性を示す極性情報が予め登録された極性知見記憶手段を参照して、前記判別した極性が前記極性知見記憶手段に予め登録された極性と一致するかどうかを入力パラメータ毎に判定する極性判定手順と、
    この極性判定手順で全ての入力パラメータについて極性一致と判定したときのみ、モデル関数式記憶手段に記憶されたモデル関数式を前記モデル関数式算出手順で算出したモデル関数式に更新するモデル関数式更新処理手順とを備えることを特徴とするモデル関数更新処理方法。
  10. 請求項9記載のモデル関数更新処理方法において、
    さらに、前記極性判定手順で少なくとも1個の入力パラメータについて極性不一致と判定したときに、モデル関数式の更新が妥当でないことをオペレータに通知する通知手順を備えることを特徴とするモデル関数更新処理方法。
  11. 請求項9または10記載のモデル関数更新処理方法において、
    前記極性判定手順は、
    前記分析用データに基づいて前記近似対象を近似した1次の判定用関数式を算出する1次関数式算出手順と、
    この1次関数式算出手順で算出した1次の判定用関数式における各入力パラメータの係数の正負から、前記入力パラメータと前記出力パラメータの関係の極性を入力パラメータ毎に判別し、この極性が前記極性知見記憶手段に予め登録された極性と一致するかどうかを入力パラメータ毎に判定する1次関数式係数判定手順とを含むことを特徴とするモデル関数更新処理方法。
  12. 請求項9または10記載のモデル関数更新処理方法において、
    前記極性判定手順は、
    前記分析用データに基づいて前記近似対象を近似した奇数次の判定用関数式を算出する判定用関数式算出手順と、
    この判定用関数式算出手順で算出した判定用関数式における各入力パラメータの独立最高次の項の係数の正負に基づいて、前記入力パラメータと前記出力パラメータの関係の極性を入力パラメータ毎に判別し、この極性が前記極性知見記憶手段に予め登録された極性と一致するかどうかを入力パラメータ毎に判定する独立最高次係数判定手順とを含むことを特徴とするモデル関数更新処理方法。
  13. 請求項9または10記載のモデル関数更新処理方法において、
    前記極性判定手順は、
    前記分析用データに基づいて前記近似対象を近似した判定用関数式を算出する判定用関数式算出手順と、
    この判定用関数式算出手順で算出した判定用関数式において特定の入力パラメータ以外の各入力パラメータを想定される変動範囲内の代表値に固定して前記特定の入力パラメータを想定される最小値から最大値の間で変化させ、前記出力パラメータの変化を求めることを入力パラメータ毎に行う代表値周辺検証計算手順と、
    この代表値周辺検証計算手順で計算した、前記入力パラメータに対する前記出力パラメータの変化から、前記入力パラメータと前記出力パラメータの関係の極性を入力パラメータ毎に判別し、この極性が前記極性知見記憶手段に予め登録された極性と一致するかどうかを入力パラメータ毎に判定する代表値周辺増減判定手順とを含むことを特徴とするモデル関数更新処理方法。
  14. 請求項9または10記載のモデル関数更新処理方法において、
    前記極性判定手順は、
    前記分析用データに基づいて前記近似対象を近似した判定用関数式を算出する判定用関数式算出手順と、
    この判定用関数式算出手順で算出した判定用関数式において前記出力パラメータを前記入力パラメータで偏微分した偏微分多項式を入力パラメータ毎に算出する偏微分多項式算出手順と、
    この偏微分多項式算出手順で算出した偏微分多項式の微分係数の正負の分布に基づいて、前記入力パラメータと前記出力パラメータの関係の極性を入力パラメータ毎に判別し、この極性が前記極性知見記憶手段に予め登録された極性と一致するかどうかを入力パラメータ毎に判定する微分係数分布判定手順とを含むことを特徴とするモデル関数更新処理方法。
  15. 請求項9または10記載のモデル関数更新処理方法において、
    前記極性知見記憶手段に予め登録された極性情報は、入力パラメータ値の特定の条件下での出力パラメータ値の大小関係を入力パラメータ毎に示すものであり、
    前記極性判定手順は、前記判定用関数式から、前記極性情報で規定された入力パラメータ値の条件下での出力パラメータ値の大小関係を入力パラメータ毎に求め、この大小関係が前記極性情報で規定された大小関係と一致するかどうかを入力パラメータ毎に判定することを特徴とするモデル関数更新処理方法。
  16. 請求項9乃至15のいずれか1項に記載のモデル関数更新処理方法において、
    さらに、前記近似対象の入力パラメータ値を取得する入力パラメータ値取得手順と、
    前記モデル関数式記憶手段に記憶されたモデル関数式を用いて、前記入力パラメータ値取得手順で取得した入力パラメータ値から出力パラメータ値を算出するモデル関数値算出手順とを備えることを特徴とするモデル関数更新処理方法。
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