JP2010181082A - モデル関数処理装置および方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】モデル関数処理装置は、近似対象の入出力関係を表す分析用データが入力されたときにモデル関数式を算出するモデル関数式算出部2と、モデル関数式を記憶する記憶部7,8と、1回前の分析用データから算出された第1のモデル関数式に対して最新の分析用データから算出された第2のモデル関数式が変化した度合に応じて、第1、第2のモデル関数式に関する加重を決定する加重決定部5と、第1、第2のモデル関数式を用いてそれぞれ入力パラメータ値から出力パラメータ値を算出し、これらの出力パラメータ値の加重平均値を加重に基づいて計算し、加重平均値を最終的な出力パラメータ値として出力する加重付モデル関数値算出部9とを備える。
【選択図】 図1
Description
そこで、多目的最適化などのためにオンラインでモデル関数を更新することになるが、得られるデータが常にモデル関数を算出するために妥当なものになるとは限らないという問題点があった。
以上のような問題点は、モデル関数(多目的最適化の場合は目的関数に相当する)を更新しながら使用するときに、全く無制約で全面的に使用してしまうことにより発生する。
また、本発明のモデル関数処理装置の1構成例において、前記加重決定手段は、前記分析用データに基づいて前記近似対象を近似した評価用関数式を算出する評価用関数式算出手段と、前記1回前の分析用データから算出された評価用関数式の係数ベクトルと前記最新の分析用データから算出された最新の評価用関数式の係数ベクトルとが形成する角度を算出し、この角度に基づいて前記第1、第2のモデル関数式に関する加重を決定する係数評価手段とからなることを特徴とするものである。
また、本発明のモデル関数処理装置の1構成例において、前記評価用関数式は、1次関数式である。
運転時の計測データなどを用いて、実質的にオンラインでモデル関数(目的関数)を自動更新する場合に、通常は計測対象の特性が急激に変化することは考え難いわけであるから、更新前のモデル関数と更新後の新しいモデル関数とを適宜参照しながら使用するのが好ましいことに発明者は着眼した。
更新前のモデル関数に対する更新後の新しいモデル関数の変化の度合を定量化し、急激な変化である度合が大きい場合には、モデル関数の信頼性が低いものと一旦判断するのが、通常は妥当であると考えられる。したがって、上記着眼点1で説明した構成に加えて、モデル関数の変化の度合に応じて加重平均の加重を自動調整するようにし、モデル関数の変化の度合が大きいほど、更新前のモデル関数によって得られる出力パラメータ値を重視するように加重を与えるようにすれば、信頼性の低いモデル関数を全面的に使用してしまう確率を低減することができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1は本発明の実施の形態に係るモデル関数処理装置の構成を示すブロック図である。モデル関数処理装置は、近似対象の入出力関係を表す分析用データを記憶する分析用データ記憶部1と、分析用データに基づいて近似対象のモデル関数式を算出するモデル関数式算出部2と、分析用データに基づいて近似対象を近似した1次関数式を算出する1次関数式算出部3と、1回前の分析用データから算出された1次関数式の係数ベクトルと最新の分析用データから算出された最新の1次関数式の係数ベクトルとが形成する角度を算出し、この角度に基づいて更新前と更新後のモデル関数式に関する加重を決定する1次関数式係数評価部4と、モデル関数式算出部2の算出処理の度にモデル関数式を更新するモデル関数式更新処理部6と、更新前のモデル関数式を記憶する第1のモデル関数式記憶部7と、更新後のモデル関数式を記憶する第2のモデル関数式記憶部8と、更新前のモデル関数式を用いて入力パラメータ値から出力パラメータ値を算出すると共に、更新後のモデル関数式を用いて入力パラメータ値から出力パラメータ値を算出し、これらの出力パラメータ値の加重平均値を1次関数式係数評価部4が決定した加重に基づいて計算し、この加重平均値を最終的な出力パラメータ値とする加重付モデル関数値算出部9と、近似対象の入力パラメータ値を取得する入力パラメータ値取得部10と、加重付モデル関数値算出部が計算した出力パラメータ値を出力する出力パラメータ値出力部11とから成る。
まず、モデル関数処理装置のモデル関数式算出・更新処理について説明する。モデル関数式の近似対象としては、例えば空調設備がある。この場合、モデル関数式は、空調設備のシミュレーションのために生成される。オペレータは、近似対象の空調設備について、入力パラメータ(例えば目標温度)のデータとこれに対応する出力パラメータ(例えば室温)のデータとの組からなる分析用データを収集する。
モデル関数式算出部2は、分析用データ記憶部1に格納された分析用データに対して重回帰分析やSVR(Support Vector Regression )などの広義の多変量解析を行い、入力パラメータと出力パラメータとの関係を示すモデル関数式を算出する(ステップS101)。
1次関数式係数評価部4は、ステップS103で1次関数式算出部3が算出した1次関数式の係数ベクトル情報を算出して記憶する(ステップS104)。
モデル関数式算出部2は、ステップS101と同様に、分析用データ記憶部1に格納された分析用データに対して多変量解析を行い、モデル関数式を算出する(ステップS106)。
1次関数式算出部3は、ステップS103と同様に、分析用データ記憶部1に格納された分析用データに対して多変量解析を行い、1次関数式を算出する(ステップS108)。
続いて、1次関数式係数評価部4は、1回前に算出した1次関数式の係数ベクトルと最新の1次関数式の係数ベクトルとが形成する角度を算出することにより、更新前のモデル関数式に対する更新後のモデル関数式の変化の度合いを定量化する(ステップS110)。
Z=−2.0X3+13.0X2−32.0X+48.0+1.024Y3
−7.04Y2+19.2Y ・・・(1)
Z=−11.0X+8.4Y+44.0 ・・・(2)
α=(CZ,CX,CY,CFN)
=(1.0×100.0,−11.0×4.0,8.4×5.0,44.0)
=(100.0,−44.0,42.0,44.0) ・・・(3)
Z=−10.5X+7.6Y+42.0 ・・・(4)
β=(CZ,CX,CY,CFN)
=(1.0×100.0,−10.5×4.0,7.6×5.0,42.0)
=(100.0,−42.0,38.0,42.0) ・・・(5)
θ=cos-1{(α,β)/(|α||β|)}
=cos-1[{100.0×100.0+(−44.0)×(−42.0)
+42.0×38.0+44.0×42.0}/(125.04×122.36)]
=cos-1(0.99995)=1.81° ・・・(6)
W1=θ/180.0=0.01 ・・・(7)
W2=1.0−θ/180.0=0.99 ・・・(8)
Z=7.5X+7.6Y+10.0 ・・・(9)
γ=(CZ,CX,CY,CFN)
=(1.0×100.0,7.5×4.0,7.6×5.0,10.0)
=(100.0,30.0,38.0,10.0) ・・・(10)
θ=cos-1{(β,γ)/(|β||γ|)}
=cos-1[{100.0×100.0+(−42.0)×30.0+38.0
×38.0+42.0×10.0}/(122.36×111.55)]
=cos-1(0.55710)=56.14° ・・・(11)
W1=θ/180.0=0.31 ・・・(12)
W2=1.0−θ/180.0=0.69 ・・・(13)
加重付モデル関数値算出部9は、入力パラメータ値X,Yが入力されると(ステップS200においてYES)、第1のモデル関数式記憶部7に記憶されている更新前のモデル関数式を用いて、入力パラメータ値X,Yから出力パラメータ値Zを計算し(ステップS201)、この出力パラメータ値Zに加重W1=0.31を掛ける(ステップS202)。また、加重付モデル関数値算出部9は、第2のモデル関数式記憶部8に記憶されている更新後のモデル関数式を用いて、入力パラメータ値X,Yから出力パラメータ値Zを計算し(ステップS203)、この出力パラメータ値Zに加重W2=0.69を掛ける(ステップS204)。そして、加重付モデル関数値算出部9は、更新前のモデル関数式による出力パラメータ値Zに加重W1=0.31を掛けた結果と更新後のモデル関数式による出力パラメータ値Zに加重W2=0.69を掛けた結果とを加算した値を、最終的な出力パラメータ値Zとして出力する(ステップS205)。
また、本実施の形態では、モデル関数式の近似対象を空調設備としたが、空調設備に限らないことは言うまでもない。
Claims (8)
- 近似対象の入出力関係を表す分析用データが入力されたときに、この分析用データに基づいて前記近似対象のモデル関数式を算出するモデル関数式算出手段と、
前記モデル関数式を記憶する記憶手段と、
1回前の前記分析用データから算出された第1のモデル関数式に対して、最新の前記分析用データから算出された最新の第2のモデル関数式が変化した度合に応じて、前記第1のモデル関数式に関する加重と前記第2のモデル関数式に関する加重とを決定する加重決定手段と、
前記近似対象の入力パラメータ値を取得する入力パラメータ値取得手段と、
前記第1のモデル関数式を用いて前記入力パラメータ値から出力パラメータ値を算出すると共に、前記第2のモデル関数式を用いて前記入力パラメータ値から出力パラメータ値を算出し、これらの出力パラメータ値の加重平均値を前記加重決定手段が決定した加重に基づいて計算し、この加重平均値を前記近似対象のモデル関数式によって得られる出力パラメータ値として出力する加重付モデル関数値算出手段とを備えることを特徴とするモデル関数処理装置。 - 請求項1記載のモデル関数処理装置において、
前記加重決定手段は、前記第1のモデル関数式に対する前記第2のモデル関数式の変化の度合が大きいほど、前記第1のモデル関数式によって得られる出力パラメータ値を重視するように前記第1、第2のモデル関数式に関する加重を決定することを特徴とするモデル関数処理装置。 - 請求項1または2記載のモデル関数処理装置において、
前記加重決定手段は、
前記分析用データに基づいて前記近似対象を近似した評価用関数式を算出する評価用関数式算出手段と、
前記1回前の分析用データから算出された評価用関数式の係数ベクトルと前記最新の分析用データから算出された最新の評価用関数式の係数ベクトルとが形成する角度を算出し、この角度に基づいて前記第1、第2のモデル関数式に関する加重を決定する係数評価手段とからなることを特徴とするモデル関数処理装置。 - 請求項3記載のモデル関数処理装置において、
前記評価用関数式は、1次関数式であることを特徴とするモデル関数処理装置。 - 近似対象の入出力関係を表す分析用データが入力されたときに、この分析用データに基づいて前記近似対象のモデル関数式を算出するモデル関数式算出手順と、
前記モデル関数式を記憶する記憶手順と、
1回前の前記分析用データから算出した第1のモデル関数式に対して、最新の前記分析用データから算出した最新の第2のモデル関数式が変化した度合に応じて、前記第1のモデル関数式に関する加重と前記第2のモデル関数式に関する加重とを決定する加重決定手順と、
前記近似対象の入力パラメータ値を取得する入力パラメータ値取得手順と、
前記第1のモデル関数式を用いて前記入力パラメータ値から出力パラメータ値を算出すると共に、前記第2のモデル関数式を用いて前記入力パラメータ値から出力パラメータ値を算出し、これらの出力パラメータ値の加重平均値を前記加重決定手順で決定した加重に基づいて計算し、この加重平均値を前記近似対象のモデル関数式によって得られる出力パラメータ値として出力する加重付モデル関数値算出手順とを備えることを特徴とするモデル関数処理方法。 - 請求項5記載のモデル関数処理方法において、
前記加重決定手順は、前記第1のモデル関数式に対する前記第2のモデル関数式の変化の度合が大きいほど、前記第1のモデル関数式によって得られる出力パラメータ値を重視するように前記第1、第2のモデル関数式に関する加重を決定することを特徴とするモデル関数処理方法。 - 請求項5または6記載のモデル関数処理方法において、
前記加重決定手順は、
前記分析用データに基づいて前記近似対象を近似した評価用関数式を算出する評価用関数式算出手順と、
前記1回前の分析用データから算出した評価用関数式の係数ベクトルと前記最新の分析用データから算出した最新の評価用関数式の係数ベクトルとが形成する角度を算出し、この角度に基づいて前記第1、第2のモデル関数式に関する加重を決定する係数評価手順とを含むことを特徴とするモデル関数処理方法。 - 請求項7記載のモデル関数処理方法において、
前記評価用関数式は、1次関数式であることを特徴とするモデル関数処理方法。
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