JP5210292B2 - 逐次比較型a/d変換器 - Google Patents

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Description

本発明は、デジタル機器の入力回路などに適用されるA/D変換器に係り、特に高速で動作する電荷比較方式の逐次比較型のA/D変換器(A/Dコンバータ)に関する。
従来の逐次比較型A/D変換器は、例えば以下の非特許文献1に示すようなものが提案されている。
図19は、この非特許文献1に記載された原理に基づく従来の逐次比較型A/D変換器の構成図である。
この逐次比較型A/D変換器は、アナログ入力信号Ainをnビット(n:2以上の自然数)のデジタル出力Voutに変換する。そのため、静電容量が基準容量Cに設定された1個のキャパシタ1006_1を有している。更に、静電容量がそれぞれ、基準容量Cを2の累乗の逆数で段階的に重み付けした容量「C/2,・・・,C/2(n-1)」に設定された(n−1)個のキャパシタ1006_2,・・・,1006_(n−1)を有している。更に、静電容量が基準容量Cを「1/2(n-1)」で重み付けした容量「C/2(n-1)」に設定された1個のキャパシタ1006_nを有している。
また、キャパシタ1006_1〜1006_nの右端が、電荷を保存できるストレージノード(図19中のSN)に接続されている。
キャパシタ1006_1〜1006_(n−1)の左端は、それぞれスイッチ群1005_1,1005_2,・・・,1005_(n−1)の端子Oに接続されている。
スイッチ群1005_1,1005_2,・・・,1005_(n−1)は端子Oの他に端子C、P、Nを有し、制御部1001からの制御信号CTRLによってスイッチ1003d_i(iは1〜(n−1)の自然数)がオンした場合は端子Cと端子Oが短絡される。
また、スイッチ1003e_iがオンした場合は端子Pと端子Oが短絡され、スイッチ1003f_iがオンした場合は端子Nと端子Oが短絡される。
また、スイッチ1003d_iと、スイッチ1003e_iと、スイッチ1003f_iは2つ以上が同時にオンすることはない。
スイッチ群1005_1〜1005_(n−1)の端子Cと、キャパシタ1006_nの左端とは、スイッチ1003bとスイッチ1003cとに接続されている。
そして、スイッチ1003がオンした場合は、スイッチ1005_1〜1005_(n−1)の端子Cと、キャパシタ1006_nの左端とは、入力ノード(図19中のAin)に接続される。
また、スイッチ1003がオンした場合は、スイッチ1005_1〜1005_(n−1)の端子Cと、キャパシタ1006_nの左端とは、アナログコモン電圧VC(便宜上VC=0V)に接続される。
スイッチ群1005_1〜1005_(n−1)の端子Pは、VCを基準にした正側のフルスケール基準電圧VRPに接続され、スイッチ群1005_1〜1005(n−1)の端子Nは、VCを基準にした負側のフルスケール基準電圧VRNに接続される。
キャパシタ1006_1〜1006_nの右端は、SNを介してスイッチ1003a、及びコンパレータ1004の反転入力端子に接続される。スイッチ1003aがオンした場合、SNはVCに短絡される。また、コンパレータ1004の出力をDOで表し、DOは制御部1001、及び出力レジスタ1002に入力される。
制御部1001は、組み合わせ回路等で構成され、スイッチ群1005_1〜1005_(n−1)、およびスイッチ1003a〜1003cの切替を制御する制御信号CTRLを出力するものである。具体的に、制御部1001は、判定信号DOに基づいて制御信号CTRLを生成してスイッチ群1005_1〜1005_(n−1)を順次切り替え、アナログ入力電圧Ainに対応する内部電圧VXが得られる制御信号CTRLの組み合わせを決定する。
また、制御部1001からはトリガクロックCLKがコンパレータ1004に出力されている。コンパレータ1004ではこのCLKに同期してSNの電圧と正転入力ノード電圧VC(参照電圧)との大小を判定し、「SN<VC」の場合は「DO=H(1)」を出力し、「SN>VC」の場合は「DO=L(0)」を出力する。
また、制御部1001からはトリガクロックCLKが出力レジスタ1002に出力されており、コンパレータ1004からは判定信号DOが出力レジスタ1002に出力されている。
前記CLKによって出力レジスタ1002では、判定信号「DO=1」のとき「DN=1」(N:Nは「1〜n」の自然数)が、また、判定信号「DO=0」のとき「DN=0」が、出力レジスタ1002に保持される。そして、出力レジスタ1002からは、コンパレータ1004においてn個の出力値D1〜Dnまでが判定された後に、保持されたD1〜Dnが公知の方法によりデジタル出力信号Voutとして出力されるようになっている。
次に、図20を参照しながら「n=6」の場合の回路の動作を説明する。
ここで、図20(a)は、被判定電圧である、ストレージノードSNの電圧の反転極性の電圧をプロットした一例を示す図である。図20(a)において、縦軸が電圧、横軸が時間を表し、コンパレータ1004のMSB判定時刻を「t=0」としている。また、図20(b)は、制御部1001から出力されるCLKの、時刻「t=0」以降の変化の一例を示す図であり、コンパレータ1004の一定間隔の判定タイミングを表している。また、図20(c)は、コンパレータ1004の出力判定信号DOの値の一例を示す図である。
また、図20では、一例として「VRP−VC=VC−VRN=VR」とし、「Ain=(10.8/16)×VR」の入力電圧Ainがサンプリングされた場合について表している。
初期状態としてキャパシタ1006_1〜1006_nの電圧がアナログ入力電圧Ainに追従している場合、スイッチ1003a〜1003c及びスイッチ群1005_1〜1005_(n−1)の状態は、スイッチ1003a及びスイッチ1003cがオンした状態となり、スイッチ1003bがオフした状態となる。また、スイッチ群1005_1〜1005_(n−1)において、スイッチ1003d_1〜1003d_(n−1)がオンした状態となり、スイッチ1003e_1〜1003e_(n−1)及び1003f_1〜1003f_(n−1)がオフした状態となる。
アナログ入力電圧Ainをキャパシタ1006_1〜1006_nによってサンプリング(離散化)する時刻において、制御信号CTRLによってスイッチ1003aがオフし、ただちにスイッチ1003cがオフする。その後にスイッチ1003bがオンすることにより、サンプリングされたAinの極性が反転して−Ain[V]としてストレージノードSNに現れる。ここで、スイッチ1003bとスイッチ1003cとは同時にオンしないノンオーバーラップの関係が成り立っている。
スイッチの切替後に電荷再分配が十分に行われ、便宜上、寄生容量を無視した場合、ストレージノードSNの電圧が「−Ain」に十分に収束した時刻に第1判定立ち上がりクロック(図20(b)中、t=0)が、コンパレータ1004に入力される。そして、コンパレータ1004において、第1判定立ち上がりクロックによってストレージノードSNの電圧と基準信号電圧VCとが比較される。コンパレータ1004からは、「−Ain<VC」、すなわち「Ain>VC」の場合に「DO=1」が出力され、「−Ain>VC」、すなわち「Ain<VC」の場合に「DO=0」が出力される。
この第1判定結果が「DO=1」である場合、制御部1001によってスイッチ群1005_1が制御され、スイッチ1003d_1がオフし、スイッチ1003e_1がオンする。その結果、ストレージノードSNの電圧は電荷再分配により「−(Ain−VR/2)[V]」になる。
また、第1判定結果が「DO=0」である場合、制御部1001によってスイッチ群1005_1が制御され、スイッチ1003d_1がオフし、スイッチ1003f_1がオンする。その結果、ストレージノードSNの電圧は電荷再分配により「−(Ain+VR/2)[V]」になる。
同様に、第y番目(yは2〜nの自然数)の判定立ち上がりクロックである第y判定立ち上がりクロックが入力された時刻において、ストレージノードSNの電圧と基準信号電圧VCとを比較し、この判定結果に応じてスイッチ群1005_yを制御する。
そして、第(n−1)判定立ち上がりクロックが入力された時刻においてストレージノードSNの電圧と基準信号電圧VCとを比較し、その結果に応じてスイッチ群1005_(n−1)を制御した後に、第n判定立ち上がりクロックが入力された時刻においてストレージノードSNの電圧と参照電圧VCとが比較される。これにより、1〜nビットの逐次比較動作が完了し、出力レジスタ1002からはnビットの出力信号データVoutが出力される。
図20(a)に一例として、「SN=−(10.8/16)×VR」がサンプリングされた場合の被判定信号の変遷が表わされている。第1判定立ち上がりクロックにおいて「−(10.8/16)×VR<VC」であるため、図20(c)に示すように、「D1=1」が出力される。その結果、スイッチ群1005_1が制御され、ストレージノードSNの電位が、「SN=−(10.8/16)×VR+VR/2=−(2.8/16)×VR」となる。
引き続き、第2判定立ち上がりクロックにおいて、「−(2.8/16)×VR<VC」であるため、図20(c)に示すように、「D2=1」が出力される。その結果、スイッチ群1005_2が制御され、ストレージノードSNの電位が、「SN=−(2.8/16)×VR+VR/4=(1.2/16)×VR」となる。
引き続き、同様の処理が(n−1)回まで繰り返され、第n判定立ち上がりクロックによってDnが決定されnビットの逐次比較動作が完了すると、出力レジスタ1002は、格納されたD1〜Dnに基づき、nビットの出力信号データVoutを出力する。
ここで、図21は、上位6ビットの判定結果D1〜D6に基づき出力されるVoutの一例を示す図である。図20(c)に示すように、上位6ビットの判定結果は、「D1=「1」、D2=「1」、D3=「0」、D4=「1」、D5=「0」、D6=「1」」となる。出力レジスタ1002は、図21に示すように、これらを上位ビットから順番に並べ、Voutの上位6ビット「110101」を出力する。ここで、出力レジスタ1002は、例えば、シフトレジスタなどで構成される。
「図解A/Dコンバータ入門」オーム社、p.99〜104
しかしながら、上記従来の逐次比較型A/D変換器のコンパレータにおいては、その比較判定動作において1LSB(Least Significant Bit)以下の判定精度が要求される。ここで、1LSBは、フルスケールの電圧範囲FSR(Full Scale Range)を2のビット数N乗で割った値(1LSB=FSR/2N)となる。上記従来の構成において、1LSB以下の判定精度を確保した状態で、より高速に判定動作をさせるには、コンパレータの回路構成を複雑化する必要がある。コンパレータの回路構成を複雑化する場合に、消費電力の増大や、半導体集積化したときのレイアウトエリアの増大が避けて通れない。
そこで本発明は上記課題を解決するために案出されたものであり、その目的は、コンパレータへの精度要求を緩和し、高速化を可能とした逐次比較型A/D変換器を提供することにある。
〔発明1〕 上記目的を達成するために、発明1の逐次比較型A/D変換器は、
アナログ入力信号をnビット(nは2以上の自然数)のデジタル出力信号に変換する電荷比較方式の逐次比較型A/D変換器であって、
一端が共通接続され、静電容量がそれぞれ、基準容量Cを2の累乗値の逆数を用いて重み付けした容量に設定された第1〜第nの第1キャパシタと、前記第nの第1キャパシタと同じ容量に設定された第(n+1)の第1キャパシタとを含む第1キャパシタ群と、
前記第1〜第(n+1)の第1キャパシタの各他端と、前記アナログ信号の入力ノード、アナログコモン電圧の供給ノード、第1電圧の供給ノード及び第1電圧とは異なる第2電圧の供給ノードのうちいずれか1つのノードとの電気的な接続を切り替える切替手段と、
前記第1〜第(n+1)の第1キャパシタの各他端を前記アナログコモン電圧、前記第1電圧及び前記第2電圧の供給ノードのいずれか1つに選択的に接続したときの前記一端の共通接続部の電圧と基準信号電圧とを比較し、比較結果に応じた判定信号を出力する比較判定動作を行う比較判定手段と、
前記比較判定動作の動作タイミングにおいて前記共通接続部の電圧を昇圧する昇圧手段と、
前記比較判定手段の判定信号に基づき、上位ビットから順に前記nビットの各ビットに対する前記比較判定動作が逐次実行されるように、前記切替手段の切替動作、前記比較判定手段の比較判定動作及び前記昇圧手段の昇圧動作を制御する制御手段と、
前記比較判定手段の判定信号に基づき、前記nビットのデジタル出力信号を生成する出力信号生成手段と、を備える。
このような構成であれば、制御手段によって、切替手段の切替動作が制御され、第1〜第(n+1)の第1キャパシタの他端にアナログ入力信号の入力ノードが接続され、第1〜第(n+1)の第1キャパシタにアナログ入力信号がサンプリングされる。アナログ入力信号がサンプリングされると、引き続き、制御手段によって、切替手段の切替動作及び比較判定手段の比較判定動作が制御される。これにより、切替手段において、第1〜第(n+1)の第1キャパシタの各他端と、第1電圧又は第2電圧の供給ノードのいずれか一方とが、第1ビット目の判定に適した状態に選択的に接続される。そして、比較判定手段において、第1ビット目に対する、第1〜第(n+1)の第1キャパシタの一端側の共通接続部の電圧と基準信号電圧とを比較し、比較結果に応じた判定信号を出力する比較判定動作が行われる。引き続き、第2ビット目以降の各ビットの比較判定動作の動作タイミングにおいて、制御手段によって、切替手段の切替動作、比較判定手段の比較判定動作及び昇圧手段の昇圧動作が制御される。これにより、切替手段において、第1〜第(n+1)の第1キャパシタの各他端と、第1電圧又は前記第2電圧の供給ノードのいずれか一方とが、第2ビット目以降の各ビットの判定に適した状態に選択的に接続される。また、昇圧手段において、共通接続部の電圧が昇圧される。そして、比較判定手段において、第2ビット目以降の各ビットに対する、第1〜第(n+1)の第1キャパシタの一端側の共通接続部の電圧と基準信号電圧とを比較し、比較結果に応じた判定信号を出力する比較判定動作が行われる。
従って、第2ビット目以降の各ビットの比較判定動作の動作タイミングにおいて、共通接続部の電圧を昇圧することができるので、比較判定手段の判定精度を緩和することができるという効果が得られる。
〔発明2〕 更に、発明2の逐次比較型A/D変換器は、発明1の逐次比較型A/D変換器において、
前記昇圧手段は、静電容量がそれぞれ、前記第1〜第(n+1)の第1キャパシタと同じ容量に設定された第1〜第(n+1)の第1〜第((2M(n-1)−1)(Mは自然数)キャパシタを含む第2キャパシタ群と、前記第2キャパシタ群の前記第1〜第(n+1)の第1〜第(2M(n-1)キャパシタの各一端と、前記共通接続部との接続と切断とをそれぞれ選択的に切り替える第1切替部と、前記第2キャパシタ群の第m(mは、1〜(n+1)の自然数)の第1〜第((2M(n-1)−1)キャパシタの各他端と、前記第1キャパシタ群の第mの第1キャパシタの一端又は前記第2キャパシタ群の第mの第1〜((2M(n-1)−2)キャパシタの各一端との電気的な接続と切断とをそれぞれ選択的に切り替える第2切替部と、前記第2キャパシタ群の第1〜第(n+1)の第1〜第((2M(n-1)−1)キャパシタの各他端と、前記アナログ信号の入力ノード、前記アナログコモン電圧の供給ノード、前記第1電圧の供給ノード及び前記第2電圧の供給ノードのうち少なくともいずれか1つのノードとの電気的な接続と切断とをそれぞれ選択的に切り替える第3切替部とを有し、
前記制御手段は、前記nビットにおける第2ビット目以降の各ビットの比較判定動作の動作タイミングにおいて、前記第1〜第3切替部の切替動作を制御して、前記第1キャパシタ群の各第1キャパシタと、該各第1キャパシタと同じ静電容量の前記第2キャパシタ群の各第1〜第((2M(n-1)−1)キャパシタとを選択的に直列接続して、前記共通接続部の電圧を昇圧する制御を行う。
このような構成であれば、制御手段によって、第2ビット目以降の各ビットの比較判定動作の動作タイミングにおいて、第1〜第3切替部の切替動作を制御して、第1キャパシタ群の各第1キャパシタと、該各第1キャパシタと同じ静電容量の第2キャパシタ群の各第1〜第((2M(n-1)−1)キャパシタとを選択的に直列接続して、共通接続部の電圧を昇圧することができる。
つまり、第1〜第2キャパシタ群と第1〜第3切替部とによって、共通接続部の電圧を2M倍に昇圧することができるチャージポンプ回路が構成される。
以上より、キャパシタの個数は増加するが、キャパシタ1つのサイズはせいぜい数[fF]〜数十[fF]で済むので、半導体集積化したときのレイアウトエリアの増大を抑えつつ、上記発明1と同等の効果が得られる。
〔発明3〕 更に、発明3の逐次比較型A/D変換器は、発明1又は2の逐次比較型A/D変換器において、
前記比較判定手段は、前記共通接続部の電圧と第1基準信号電圧とに対して前記比較判定動作を行う第1比較判定部と、前記共通接続部の電圧と前記第1基準信号電圧とは異なる第2基準信号電圧とに対して前記比較判定動作を行う第2比較判定部とを有し、前記nビットの各ビットの比較判定動作において、前記第1比較判定部及び前記第2比較判定部の比較判定動作を並列に行い、
前記出力信号生成手段は、前記各ビットに対応する前記第1比較判定部及び前記第2比較判定部の判定信号に基づき、前記nビットのデジタル出力信号を生成する。
このような構成であれば、判定信号に冗長性を持たせることができるので、第1比較判定部及び第2比較判定部の比較判定動作において誤判定が1/4以下である場合に、誤判定を含む各判定信号に対して公知の演算規則を用いて各ビットの値を演算することで、正確な演算値を導き出すことができるという効果が得られる。
〔発明4〕 更に、発明4の逐次比較型A/D変換器は、発明1又は2の逐次比較型A/D変換器において、
前記アナログ入力信号を4ビット以上のデジタル出力信号に変換する場合に、
前記比較判定手段は、(2Z−1)個(Zは、2≦Z≦(n/2)の自然数)の比較判定部を有し、前記(2Z−1)個の比較判定部の比較判定動作を並列に行うと共に、この並列に行われる比較判定動作を、前記nビットに対して(n/Z)回行い、
前記(2Z−1)個の比較判定部は、前記共通接続部の電圧と接地電位である第1基準信号電圧とに対して前記比較判定動作を行う第1比較判定部と、前記共通接続部の電圧と、A/D変換可能な最大電圧値を(2Z−1)で割った値にzp(zp=1、2、・・・、(Z−1))を乗算した正の電圧値の第2基準信号電圧とに対する比較判定動作を行う(2Z-1−1)個の第2比較判定部と、前記共通接続部の電圧と、前記最大電圧値を(2Z−1)で割った値にzn(zn=−1、−2、・・・、−(Z−1))を乗算した負の電圧値の第3基準信号電圧とに対して前記比較判定動作を行う(2M-1−1)個の第3比較判定部とを有し、
前記出力信号生成手段は、前記並列に行われる比較判定動作における前記第1比較判定部、前記第2比較判定部及び前記第3比較判定部の各回の判定信号に基づき前記nビットにおけるZビット分のデジタル値を生成し、生成した(n/Z)回分のデジタル値に基づき前記nビットのデジタル出力信号を生成する。
このような構成であれば、判定信号に冗長性を持たせることができるので、第1〜第3比較判定部の比較判定動作において誤判定が1/4以下である場合に、誤判定を含む各判定信号に対して公知の演算規則を用いて各ビットの値を演算することで、正確な演算値を導き出すことができるという効果が得られる。
更に、(2Z−1)個の比較判定部を並列に動作させるようにしたので、Zビットを同時に比較判定することができる。これにより、アナログ入力信号を、nビットのデジタル出力信号へとより高速に変換することができるという効果が得られる。
〔発明5〕 更に、発明5の逐次比較型A/D変換器は、発明1又は2の逐次比較型A/D変換器において、
前記アナログ入力信号を5ビット以上のデジタル出力信号に変換する場合に、
前記比較判定手段は、(2Y+1−2)個(Yは2以上の自然数)の比較判定部を有し、前記(2Y+1−2)個の比較判定部の比較判定動作を並列に行うと共に、この並列に行われる比較判定動作を、前記nビットに対して(n/(Y+0.5))回行い、
前記(2Y+1−2)個の比較判定部は、前記共通接続部の電圧と、A/D変換可能な最大電圧値を(2Y+1)で割った値にyp(yp=1、2、・・・、(2Y+1−3))を乗算した正の電圧値の第1基準信号電圧とに対する比較判定動作を行う(2Y−1)個の第1比較判定部と、前記共通接続部の電圧と、前記最大電圧値を(2Y+1)で割った値にyn(yn=−1、−2、・・・、−(2Y+1−3))を乗算した負の電圧値の第2基準信号電圧とに対して前記比較判定動作を行う(2Y−1)個の第2比較判定部とを有し、
前記出力信号生成手段は、前記並列に行われる比較判定動作における前記第1比較判定部及び前記第2比較判定部の各回の判定信号に基づき前記nビットにおける(Y+0.5)ビット分のデジタル値を生成し、生成した(n/(Y+0.5))回分のデジタル値に基づき前記nビットのデジタル出力信号を生成する。
このような構成であれば、判定信号に冗長性を持たせることができるので、第1比較判定部及び第2比較判定部の比較判定動作において誤判定が1/4以下である場合に、誤判定を含む各判定信号に対して公知の演算規則を用いて各ビットの値を演算することで、正確な演算値を導き出すことができるという効果が得られる。
更に、(2Y+1−2)個の比較判定部を並列に動作させるようにしたので、(Y+0.5)ビットを同時に比較判定することができる。これにより、アナログ入力信号を、nビットのデジタル出力信号へとより高速に変換することができるという効果が得られる。
本発明の第1実施形態に係る逐次比較型A/D変換器1の構成を示す図である。 CP構造部105_1〜105_(n+1)の内部構成を示すブロック図である。 ストレージノードSNの電位を2M倍(Mは自然数)に昇圧する場合の第k(kは、1〜(2M(n-2)の自然数)の単位回路の内部構成を示す回路図である。 ストレージノードSNの電圧VSNを2倍に昇圧する場合の第1の単位回路の構成例を示す図である。 ストレージノード電圧VSNを2倍に昇圧する場合の、CP構造部105_1の回路構成の一例を示す図である。 ストレージノードSNの電圧VSNを4倍に昇圧する場合の第1の単位回路107_1の構成例を示す図である。 アナログ入力信号Vinを4ビットのデジタル出力信号Voutへと変換し、且つ比較判定動作時のストレージノードSNの電圧VSNを2倍に昇圧する場合のCP構造部105_1〜105_(n+1)の構成例を示す図である。 (a)は、被判定電圧である、ストレージノードSNの電圧の反転極性の電圧をプロットした一例を示す図であり、(b)は、制御部101から出力されるCLKの、時刻「t=0」以降の変化の一例を示す図であり、(c)は、コンパレータ104の出力判定信号DOの値の一例を示す図である。 上位6ビットの判定結果D1〜D6に基づき出力されるデジタル出力信号Voutの一例を示す図である。 本発明の第2実施形態に係る逐次比較型A/D変換器2の構成を示す図である。 (a)は、被判定電圧である、ストレージノード電圧VSNの反転極性の電圧をプロットした一例を示す図であり、(b)は、制御部401から出力されるトリガクロックCLKの、時刻「t=0」以降の変化の一例を示す図であり、(c)は、コンパレータ404a及び404bの上位6ビットの判定信号DO1[1:0]〜DO6[1:0]に基づく出力レジスタ402の出力値D1〜D6の一例を示す図である。 上位6ビットの判定結果D1〜D6に基づき出力されるデジタル出力信号Voutの一例を示す図である。 本発明の第3実施形態に係る逐次比較型A/D変換器3の構成を示す図である。 (a)は、被判定電圧である、ストレージノード電圧VSNの反転極性の電圧をプロットした一例を示す図であり、(b)は、制御部601から出力されるトリガクロックCLKの、時刻「t=0」以降の変化の一例を示す図であり、(c)は、コンパレータ604a、604b及び604cの判定信号DO1[2:0]〜DO3[2:0]に基づく出力レジスタ402の出力値D1〜D3の一例を示す図である。 判定結果D1〜D3に基づき出力されるデジタル出力信号Voutの一例を示す図である。 本発明の第4実施形態に係る逐次比較型A/D変換器4の構成を示す図である。 (a)は、被判定電圧である、ストレージノード電圧VSNの反転極性の電圧をプロットした一例を示す図であり、(b)は、制御部801から出力されるトリガクロックCLKの、時刻「t=0」以降の変化の一例を示す図であり、(c)は、コンパレータ804a〜804fの判定信号DO1[5:0]〜DO3[5:0]に基づく出力レジスタ802の出力値D1〜D3の一例を示す図である。 判定結果D1〜D3に基づき出力されるデジタル出力信号Voutの上位5ビットの一例を示す図である。 非特許文献1に記載された原理に基づく従来の逐次比較型A/D変換器の構成図である。 (a)は、被判定電圧である、ストレージノードSNの電圧の反転極性の電圧をプロットした一例を示す図であり、(b)は、制御部1001から出力されるCLKの、時刻「t=0」以降の変化の一例を示す図であり、(c)は、コンパレータ1004の出力判定信号DOの値の一例を示す図である。 上位6ビットの判定結果D1〜D6に基づき出力されるVoutの一例を示す図である。
〔第1実施形態〕
以下、本発明の第1実施形態を図面に基づき説明する。図1〜図9は、本発明に係る逐次比較型A/D変換器の第1実施形態を示す図である。
まず、本発明に係る逐次比較型A/D変換器の構成を図1に基づき説明する。図1は、本発明の第1実施形態に係る逐次比較型A/D変換器1の構成を示す図である。
逐次比較型A/D変換器1は、アナログ入力信号Ainを、nビット(nは2以上の自然数)のデジタル出力信号VoutへとA/D変換するものであって、図1に示すように、制御部101と、出力レジスタ102と、コンパレータ104とを含んで構成される。
更に、逐次比較型A/D変換器1は、スイッチ103a〜103cと、チャージポンプ構造部105_1〜105_(n+1)(以下、CP構造部105_1〜105_(n+1)と称す)と、ストレージノードSNとを含んで構成される。
次に、図2に基づき、CP構造部105_1〜105_(n+1)の内部構成を説明する。ここで、図2は、CP構造部105_1〜105_(n+1)の内部構成を示すブロック図である。
CP構造部105_1〜105_(n+1)は、図2に示すように、各々、第1〜第(2M(n-2)の単位回路107_1〜107_(2M(n-2)(Mは自然数)を含んで構成される。
単位回路107_1〜107_(2M(n-2)は、各々、昇圧する倍率(2M倍)に応じた2M個のキャパシタと、キャパシタの接続を切り替えるスイッチ群とを有する。そして、制御部101からの制御信号に応じてスイッチを切り替え、CP構造部105_1〜105_(n+1)の出力電圧を2M倍に昇圧する。
図1に戻って、CP構造部105_1〜105_(n+1)は、各々、入力端子Vin、VP、VN及びCtrlを有している。
入力端子Vinは、図1に示すように、スイッチ103b及び103cの右端に接続され、入力端子VPは、電位VC(アナログコモン電位(便宜上VC=0[V]))を基準とした正側のフルスケール基準電位VRPの電源ノード(以下、電源ノードVRPと称す)に接続されている。
また、入力端子VNは、電位VCを基準とした負側のフルスケール基準電位VRNの電源ノード(以下、電源ノードVRNと称す)に接続されている。
つまり、本実施形態において、電位VC(本実施形態では0[V])を基準(中心)として、負側の電位VRN〜正側の電位VRPの範囲がフルスケール基準電位の範囲となる。
また、入力端子Ctrlは、制御部101からの制御信号CTRLの供給ラインに接続されている。
次に、図3に基づき、チャージポンプ構造部105_1〜105_(n+1)の各々を構成する単位回路の内部構成について説明する。
ここで、図3は、ストレージノードSNの電位を2M倍に昇圧する場合の第k(kは、1〜(2M(n-2)の自然数)の単位回路の内部構成を示す回路図である。
図3に示すように、第kの単位回路107_kは、昇圧する倍率(2M倍)に応じた2M個のキャパシタ201_k1〜201_k(2M)を含んで構成される。
キャパシタ201_k1〜201_k(2M)は、基準容量Cを2の累乗値の逆数で重み付けした静電容量を有しており、第1〜第(2M(n-2)の単位回路107_1〜107_(2M(n-2)において全て同じ静電容量となる。
但し、重み付けに用いる2の累乗値の逆数は、CP構造部105_1〜105_nの各々で異なる値となっており、末尾の数字(1〜n)が大きくなるごとに段階的に小さな値(1つ前の分母の2の累乗値を2倍にした値(指数に+1した値))となる。なお、CP構造部105_nと105_(n+1)とは各キャパシタの静電容量が同じ容量となっている。
更に、第kの単位回路107_kは、スイッチ202a_k1〜202a_k(2M)と、スイッチ202b_k1〜202b_k(2M)と、スイッチ群203_kと、スイッチ202c_k2〜202c_k(2M)とを含んで構成される。
スイッチ202a_k1〜202a_k(2M)は、各左端が、キャパシタ201_k1〜201_k(2M)のうち末尾の番号(k1〜k(2M))が同じ番号のキャパシタの右端にそれぞれ接続されている。
更に、スイッチ202a_k1〜202a_k(2M)は、各右端が、出力端子SUMに共通接続(ワイアードOR接続)されている。
そして、スイッチ202a_k1〜202a_k(2M)は、制御部101からの制御信号CTRLに応じてオン・オフの状態を切り替え、スイッチ202a_k1〜202a_k(2M)がオン状態のときに、キャパシタ201_k1〜201_k(2M)の右端と出力端子SUMとを短絡する。
なお、スイッチ202a_k1〜202a_k(2M)は、各々のオン・オフの状態を独立に制御することが可能となっている。
スイッチ群203_kは、スイッチ202c_k1と、スイッチ202d_kと、スイッチ202e_kとを含んで構成される。
また、スイッチ202c_k1、202d_k及び202e_kは、MOSトランジスタなどのスイッチング素子から構成され、それぞれの右端が接続された共通端子Oを備えている。
スイッチ202c_k1の左端には端子Cが形成され、スイッチ202d_kの左端には端子Pが形成され、スイッチ202e_kの左端には端子Nが形成されている。
スイッチ202d_k〜202e_kの共通端子Oは、それぞれキャパシタ201_k1の左端とスイッチ202b_k1の左端とに接続されている。
スイッチ202c_k1の端子C及びスイッチ202c_k2〜202c_k(2M)の左端は、それぞれ入力端子Vinに接続され、スイッチ202d_kの端子Pは、入力端子VPに接続され、スイッチ202e_kの端子Nは、入力端子VNに接続されている。
そして、スイッチ202c_k1〜202c_k(2M)は、入力端子Ctrlを介して供給される制御部101からの制御信号CTRLに応じてオン・オフの状態を切り替え、スイッチ202c_k1がオン状態のときに、端子Cと端子Oとを短絡する。これにより、キャパシタ201_k1の左端を、入力端子Vinを介してスイッチ103b及び103cの右端に接続する。
また、スイッチ202c_k2〜202c_k(2M)がオン状態のときに、キャパシタ201_k2〜201_k(2M)の左端を、入力端子Vinを介してスイッチ103b及び103cの右端に接続する。
従って、スイッチ202c_k1〜202c_k(2M)は、スイッチ103cがオン状態で、スイッチ103bがオフ状態のときは、端子C及び各左端がアナログ入力信号Vinの入力ノードに接続される。また、スイッチ103cがオフ状態で、スイッチ103bがオン状態のときは、端子C及び各左端が電位VCの電源ノード(以下、電源ノードVCと称す)に接続される。
また、スイッチ202d_kは、入力端子Ctrlを介して供給される制御部101からの制御信号CTRLに応じてオン・オフの状態を切り替え、オン状態のときに、端子Pと端子Oとを短絡する。これにより、キャパシタ201_k1の左端を、入力端子VPを介して電源ノードVRPに接続する。
また、スイッチ202e_kは、入力端子Ctrlを介して供給される制御部101からの制御信号CTRLに応じてオン・オフの状態を切り替え、スイッチ202e_kがオン状態のときに、端子Nと端子Oとを短絡する。これにより、キャパシタ201_k1の左端を、入力端子VNを介して電源ノードVRNに接続する。
スイッチ202b_k1は、左端が、スイッチ群203_kの端子Oに接続され、右端が、1つ上段のCP構造部105_(k−1)のキャパシタ201_(k−1)(2M)の右端に接続されている。なお、最上段の単位回路となる第1の単位回路107_1は、スイッチ202b_11は不使用となり、その右端は、例えば開放状態とし、スイッチは常にオフ状態とする。または、第1の単位回路107_1は、スイッチ202b_11が無い構成としてもよい。
また、スイッチ202b_k2〜202b_k(2M)は、各右端が、キャパシタ201_k1〜201_k(2M−1)のうち、末尾の番号が自己の末尾番号(2〜(2M))からマイナス1した番号(1〜(2M1−1))のキャパシタの右端とそれぞれ接続されている。
具体的に、スイッチ202b_k2であれば、その右端は、キャパシタ201_k1の右端と接続され、スイッチ202b_k3であれば、その右端は、キャパシタ201_k2の右端と接続され、・・・、スイッチ202b_k(2M)であれば、その右端は、キャパシタ201_k(2M−1)の右端と接続される。
また、スイッチ202b_k2〜202b_k(2M)は、各左端が、スイッチ202c_k2〜202c_k(2M)のうち末尾の番号(k2〜k(2M))が同じ番号のスイッチの右端にそれぞれ接続されている。
具体的に、スイッチ202b_k2であれば、その左端は、スイッチ202c_k2の右端と接続され、スイッチ202b_k3であれば、その左端は、スイッチ202c_k3の右端と接続され、・・・、スイッチ202b_k(2M)であれば、その左端は、スイッチ202c_k(2M)の右端と接続される。
そして、スイッチ202b_k1〜202b_k(2M)は、入力端子Ctrlを介して供給される制御部101からの制御信号CTRLに応じてオン・オフの状態を切り替える。そして、スイッチ202b_k1(k≧2)がオン状態のときに、1つ上段の第(k−1)の単位回路107_(k−1)のキャパシタ201_(k−1)(2M)の右端と、第kの単位回路107_kのスイッチ群203_kの端子O、及びキャパシタ201_k1の左端とを短絡する。
また、スイッチ202b_k2〜202b_k(2M)がオン状態のときに、キャパシタ201_kp(pは、1〜(2M-1)の自然数)の右端と、キャパシタ201_k(p+1)の左端とを短絡する。これにより、キャパシタ201_k1〜201_k(2M)は直列に接続される。
図1に戻って、CP構造部105_1〜105_(n+1)の各出力端子SUMは、ストレージノードSNに接続されている。
スイッチ103aは、MOSトランジスタなどのスイッチング素子から構成され、上端がストレージノードSNに接続され、下端が電源ノードVCに接続されている。そして、制御部101からの制御信号CTRLに応じてオン・オフの状態を切り替え、オン状態のときに、ストレージノードSNを電源ノードVCに接続する。
スイッチ103は、MOSトランジスタなどのスイッチング素子から構成され、右端がスイッチ103の右端と、CP構造部105_1〜105_(n+1)の入力端子Vinとにそれぞれ接続され、左端がアナログ入力信号Ainの入力ノードに接続されている。そして、制御部101からの制御信号CTRLに応じてオン・オフの状態を切り替え、オン状態のときに、CP構造部105_1〜105_(n+1)の入力端子Vinをアナログ入力信号inの入力ノードに接続する。
スイッチ103は、MOSトランジスタなどのスイッチング素子から構成され、右端がスイッチ103の右端とCP構造部105_1〜105_(n+1)の入力端子Vinとにそれぞれ接続され、左端が電源ノードVCに接続されている。そして、制御部101からの制御信号CTRLに応じてオン・オフの状態を切り替え、オン状態のときに、CP構造部105_1〜105_(n+1)の入力端子Vinを電源ノードVCに接続する。
なお、スイッチ103bとスイッチ103cとは同時にオン状態とならないようにスイッチング動作が制御(ノンオーバーラップ制御)される。
制御部101は、組み合わせ回路等で構成され、CP構造部105_1〜105_(n+1)の各スイッチと、スイッチ103a〜103cとに対して、これらのオン・オフの状態を切り替える制御信号CTRLを出力する。
具体的に、コンパレータ104からの判定信号DON(Nは1〜nの自然数)に基づいて、アナログ入力電圧Ainに対応する内部電圧が得られる各スイッチのオン・オフの組み合わせを決定する。そして、決定したオン・オフの組み合わせに対応する制御信号CTRLを生成して、これをCP構造部105_1〜105_(n+1)の各スイッチと、スイッチ103a〜103cとに供給して各スイッチのオン・オフを順次切り替える。これにより、アナログ入力電圧Ainに対応する内部電圧を得るようにしている。
また、制御部101は、トリガクロックCLKを、出力レジスタ102と、コンパレータ104とに供給する機能も有している。
なお、制御部101は、トリガクロックCLKを生成する発振回路を内部に有する構成としてもよいし、外部発振回路から供給されるクロック信号に基づきトリガクロックCLKを生成する構成としてもよい。
出力レジスタ102は、コンパレータ104の出力する比較判定結果を示す信号である判定信号DONの値(D1〜Dn)を保持するメモリ部と、保持した判定結果D1〜Dnに基づき公知の方法を用いてnビットのデジタル出力信号Voutを生成する演算部とを有している。
コンパレータ104は、制御部101からのトリガクロックCLKに同期して、反転入力端子に入力されるストレージノードSNの電圧VSNと正転入力端子に入力される基準信号電圧VCとの大小を比較する。そして、「VSN<VC」のときは、判定信号DONとして、ハイレベルの信号(「DN=1」)を出力する。また、「VSN≧VC」のときは、判定信号DONとして、ローレベルの信号(「DN=0」)を出力する。
ストレージノードSNは、CP構造部105_1〜105_(n+1)の各出力端子SUMと、コンパレータ104の反転入力端子と、スイッチ103aの上端との接続点に形成された、電荷を保存可能なノードである。
次に、図4に基づき、ストレージノードSNの電位を2倍(M=1)に昇圧する場合の第1の単位回路107_1の構成を説明する。ここで、図4は、ストレージノードSNの電圧VSNを2倍に昇圧する場合の第1の単位回路107_1の構成例を示す図である。
図4に示すように、VSNを2倍に昇圧する場合の第1の単位回路107_1は、キャパシタ201_11〜201_12と、スイッチ群203_1と、スイッチ202a_11〜202a_12と、スイッチ202b_11〜202b_12と、スイッチ202c_12とを含んだ構成となっている。
具体的に、電圧VSNを2倍に昇圧する場合は、各CP構造部の出力端子SUMの出力電圧を2倍にすることになる。ここで、第1の単位回路107_1に着目して、昇圧する手順としては、まず、アナログ入力信号Vinをサンプリングするために、スイッチ202a_11〜202a_12をオン、スイッチ202b_12をオフ、スイッチ202c_11〜202c_12をオンの状態に切り替える。なお、スイッチ202b_11は常にオフとする。そして、アナログ入力電圧Vinをサンプリングするタイミングにおいて、スイッチ103bをオフのままに、スイッチ103aをオンからオフに、スイッチ103cをオンからオフに切り替える。
これにより、キャパシタ201_11〜201_12に、アナログ入力電圧Vin及び静電容量に対応した電荷がホールド(保持)される。
この状態においては、キャパシタ201_11〜201_12は並列接続されており、このときのキャパシタ201_11〜201_12の右端の電圧(保持電圧)は共に「−Vin」となっている。そして、出力端子SUMからは電圧「−Vin」が出力される。
実際の動作とは異なるが、例えば、この状態において引き続きスイッチ202a_11をオフ、スイッチ202b_12をオンに切り替えて、キャパシタ201_11及び201_12を直列に接続する。これにより、電圧「−Vin」のキャパシタが2つ直列に接続されるので、出力端子SUMには電圧「−Vin」を2倍に昇圧した電圧(2×(−Vin)=−2・Vin)が出力される。
なお、第1の単位回路107_1を例に挙げて説明したが、他の単位回路107_2〜107_2(n-2)についても同様の構成となる。
次に、図5に基づき、ストレージノード電圧VSNを2倍に昇圧する場合の、CP構造部105_1の回路構成について説明する。
ここで、図5は、ストレージノード電圧VSNを2倍に昇圧する場合の、CP構造部105_1の回路構成の一例を示す図である。
図5に示すように、電圧VSNを2倍に昇圧する場合のCP構造部105_1は、それぞれ第p(pは2〜kの自然数)の単位回路107_pと、第(p−1)の単位回路107_(p−1)とが、スイッチ202b_p1を介して接続される。
具体的に、第1の単位回路107_1と第2の単位回路107_2とがスイッチ202b_21を介して接続され、第2の単位回路107_2と第3の単位回路107_3とがスイッチ202b_31を介して接続され、・・・、第(2(n-2)−1)の単位回路107_(2(n-2)−1)と第(2(n-2))の単位回路107_(2(n-2))とがスイッチ202b_2(n-2)1を介して接続される。
なお、CP構造部105_1〜105_nの各キャパシタの静電容量は、下式(1)に基づき設定することができる。
静電容量(201_q1〜q(2M))=C/(2q-1×2n-1)・・・(1)
上式(1)において、qは1〜2(n-2)の自然数であり、Cは基準の静電容量である。
例えば、ストレージノード電圧VSNを2倍に昇圧する構成で且つ「n=4」の場合に、CP構造部105_1のキャパシタ201_11〜201_2(n-2)2の静電容量は、それぞれ「C/(21-1×24-1)=C/(20×23)=C/8」となる。
同様に、CP構造部105_2のキャパシタ201_11〜201_2(n-2)2の静電容量は、それぞれ「C/(22-1×24-1)=C/(21×23)=C/16」となる。
同様に、CP構造部105_3のキャパシタ201_11〜201_2(n-2)2の静電容量は、それぞれ「C/(23-1×24-1)=C/(22×23)=C/32」となる。
同様に、CP構造部105_4のキャパシタ201_11〜201_2(n-2)2の静電容量は、それぞれ「C/(24-1×24-1)=C/(23×23)=C/64」となる。
なお、CP構造部105_5のキャパシタ201_11〜201_2(n-2)2の静電容量は、CP構造部105_4のキャパシタ201_11〜201_2(n-2)2の静電容量と同じ「C/64」となる。つまり、CP構造部105_(n+1)のキャパシタ201_11〜201_((2M(n-2))2Mの静電容量は、CP構造部105_nのキャパシタ201_11〜201_((2M(n-2))2Mの静電容量と同じ容量となる。
また、ストレージノード電圧VSNを4倍に昇圧する構成の場合に、例えば、第1の単位回路107_1の構成は、図6に示すようになる。
ここで、図6は、ストレージノードSNの電圧VSNを4倍に昇圧する場合の第1の単位回路107_1の構成例を示す図である。
図6に示すように、電圧VSNを4倍に昇圧する場合の第1の単位回路107_1は、キャパシタ201_11〜201_14と、スイッチ群203_1と、スイッチ202a_11〜202a_14と、スイッチ202b_11〜202b_14と、スイッチ202c_12〜202c_14とを含んだ構成となっている。
4倍に昇圧する場合の手順は、2倍に昇圧する場合と同様に、まず、スイッチ202a_11〜202a_14をオン、スイッチ202b_12〜202b_14をオフ、スイッチ202c_11〜202c_14をオンの状態に切り替える。なお、スイッチ202b_11は常にオフとする。そして、アナログ入力電圧Vinをサンプリングするタイミングにおいて、スイッチ103bをオフのままに、スイッチ103aをオンからオフに、スイッチ103cをオンからオフの状態に切り替える。
これにより、キャパシタ201_11〜201_14に、アナログ入力電圧Vin及び静電容量に対応した電荷がホールド(保持)される。
この状態においては、キャパシタ201_11〜201_14は並列接続されており、このときのキャパシタ201_11〜201_14の右端の電圧(保持電圧)は共に「−Vin」となっている。そして、出力端子SUMからは電圧「−Vin」が出力される。
例えば、この状態において引き続きスイッチ202a_11〜202a_13をオフ、スイッチ202b_12〜202b_14をオンに切り替えて、キャパシタ201_11〜201_14を直列に接続する。これにより、電圧「−Vin」のキャパシタが4つ直列に接続されるので、出力端子SUMには電圧「−Vin」を4倍に昇圧した電圧(4×(−Vin)=−4・Vin)が出力される。
なお、第1の単位回路107_1を例に挙げて説明したが、他の単位回路107_2〜107_4(n-2)についても同様の構成となる。
また、図4及び図6に基づき、2倍と4倍に昇圧する場合の単位回路の構成を例に挙げて説明したが、これらの構成に限らず、本発明は2M倍に対応する。具体的に、2M倍に昇圧する場合は、各単位回路のキャパシタの数を2M個とし、各キャパシタの接続構成を、図4及び図6で示した構成と同様の接続構成とすればよい。加えて、単位回路の個数を、(2M(n-2)個とすればよい。例えば、5ビットで4倍に昇圧する場合は、各4個のキャパシタを有する単位回路(図6の単位回路)を64個((225-2=43)有する構成とする。
次に、図7に基づき、制御部101の制御信号CTRLによるCP構造部105_1〜105_(n+1)の各スイッチの制御内容について説明する。
ここで、図7は、アナログ入力信号Vinを4ビットのデジタル出力信号Voutへと変換し、且つ比較判定動作時のストレージノードSNの電圧VSNを2倍に昇圧する場合のCP構造部105_1〜105_(n+1)の構成例を示す図である。以下の説明において、「VRP−VC=VC−VRN=VR」とする。
4ビット且つ2倍に昇圧する構成の場合のCP構造部105_1〜105_(n+1)は、各々、図7に示すように、第1〜第4の単位回路107_1〜107_4を含んで構成されている。なお、各単位回路の構成は、各キャパシタやスイッチの番号が異なるのみで図4に示すものと同様となる。
まず、4回の判定のうち最初の1回目(MSBの判定)は、ストレージノード電圧VSNの昇圧を行わずにそのまま判定を行う。
つまり、最初の1回目は、各CP構造部の、スイッチ202a_11、12、21、22、31、32、41、42(以下、202a_11〜202a_42と略す(他のスイッチ202b、202cも同様))をオン状態とする制御を行う。
更に、各CP構造部のスイッチ群203_1〜203_4における、スイッチ202c_11〜202c_42をオン状態とし、スイッチ202d_1〜202d_4と、スイッチ202e_1〜202e_4とをオフ状態とする制御を行う。
これにより、各CP構造部のキャパシタ201_11、12、21、22、31、32、41、42(以下、キャパシタ201_11〜201_42と略す)が全て並列に接続されることになる。
そして、ストレージノード電圧VSNは、アナログ入力電圧Vinを逆極性とした「−Vin」となる。
コンパレータ104において、「−Vin」と基準信号電圧「VC」とが比較され両者の大小が判定されると、制御部101において、この比較判定結果に基づき制御信号CTRLが生成される。この生成された制御信号CTRLは、CP構造部105_1〜105_5の各入力端子Ctrlを介して第1〜第4の単位回路107_1〜107_4の各スイッチに供給され、これにより各スイッチが制御される。
例えば、「−Ain<VC」の場合は「D1=1」となるので、CP構造部105_1のスイッチ群203_1〜4における、スイッチ202c_11〜41をオフ状態とし、スイッチ202d_1〜4をオン状態とする制御を行う。これにより、CP構造部105_1のキャパシタ201_11〜201_42の左端が入力端子VPを介して電源ノードVRPに接続される。
更に、CP構造部105_1〜105_5の、スイッチ202a_11、21、31、41と、スイッチ202c_12、22、32、42とをオフ状態とし、スイッチ202b_12、22、32、42をオン状態とする制御を行う。なお、他のスイッチの状態はそのまま引き継ぐ。
これにより、各CP構造部の、キャパシタ201_11及び12の組と、201_21及び22の組と、201_31及び32の組と、201_41及び42の組の各組がそれぞれ直列接続されると共に、これら直列接続された4組が並列接続された状態となる。そして、ストレージノード電圧VSNは、「VSN=−2×(Vin−VR/2)」へと変化する。
そして、コンパレータ104において、「−2×(Vin−VR/2)」と基準信号電圧「VC」とが比較され、制御部101において、この比較結果に基づき制御信号CTRLが生成される。この生成された制御信号CTRLは、CP構造部105_1〜105_5の各入力端子Ctrlを介して第1〜第4の単位回路107_1〜107_4の各スイッチに供給され、これにより各スイッチが制御される。
例えば、「−2×(Vin−VR/2)<VC」の場合は「D2=1」となるので、CP構造部105_2のスイッチ群203_1〜4における、スイッチ202c_11、21、31、41をオフ状態とし、スイッチ202d_1〜4をオン状態とする制御を行う。これにより、CP構造部105_2のキャパシタ201_11〜201_42の左端が入力端子VPを介して電源ノードVRPに接続される。
更に、CP構造部105_1〜105_5のスイッチ202a_12、32をオフ状態とし、スイッチ202b_21、41をオン状態とする制御を行う。
これにより、CP構造部105_1〜105_5の、キャパシタ201_11、12、21及び22の組と、201_31、32、41及び42の組とがそれぞれ直列接続されると共に、これら直列接続された2組が並列接続された状態となる。そして、ストレージノード電圧VSNは、「VSN=−4×(Vin−VR/2−VR/4)=−4×(Vin−3・VR/4)」へと変化する。
そして、コンパレータ104において、「−4×(Vin−3・VR/4)」と基準信号電圧「VC」とが比較され、制御部101において、この比較結果に基づき制御信号CTRLが生成される。この生成された制御信号CTRLは、CP構造部105_1〜105_5の各入力端子Ctrlを介して第1〜第4の単位回路107_1〜107_4の各スイッチに供給され、これにより各スイッチが制御される。
例えば、「−4×(Vin−3/VR/4)>VC」の場合は「D3=0」となるので、CP構造部105_3のスイッチ群203_1〜4における、スイッチ202c_11、21、31、41をオフ状態とし、スイッチ202e_1〜4をオン状態とする制御を行う。これにより、CP構造部105_3のキャパシタ201_11〜201_42の左端が入力端子VNを介して電源ノードVRNに接続される。
更に、CP構造部105_1〜105_5のスイッチ202a_22をオフ状態とし、CP構造部105_1〜105_5のスイッチ202b_31をオン状態とする制御を行う。
これにより、CP構造部105_1〜105_5の、各第1〜第4の単位回路107_1〜107_4の各2つのキャパシタを合計した8個のキャパシタ201_11〜201_42が直列接続された状態となる。そして、ストレージノード電圧VSNは、「VSN=−8×(Vin−VR/2−VR/4+VR/8)=−8×(Vin−5・VR/8)」へと変化する。
そして、コンパレータ104において、「−8×(Vin−5・VR/8)」と基準信号電圧「VC」とが比較される。例えば、「−8×(Vin−5/VR/8)<VC」の場合は「D4=1」となる。
以上により、上位ビットから順に4ビットの比較判定動作が終了する。
つまり、1回目の比較判定動作において、各CP構造部のキャパシタの接続構成を「直列接続数×並列接続数」と表現すると、第1〜第4の単位回路107_1〜107_4の各2つのキャパシタを合計した8個のキャパシタを並列に接続する(1×8)。そして、2回目の比較判定動作で、各2個のキャパシタを直列接続した4組を並列接続する(2×4)。更に、3回目の比較判定動作で、各4個のキャパシタを直列接続した2組を並列接続し(4×2)、4回目の比較判定動作で、計8個のキャパシタを全て直列接続する(8×1)。これにより、電圧領域において、2/3/4回目の比較判定動作においてストレージノード電圧VSNが2/4/8倍に昇圧される。
なお、4倍に昇圧する場合は、1回目の比較判定動作において、第1〜第16の単位回路107_1〜107_16の各4つのキャパシタを合計した64個のキャパシタを並列に接続する(1×64)。そして、2回目の比較判定動作で、各4個のキャパシタを直列接続した16組を並列接続する(4×16)。更に、3回目の比較判定動作で、各16個のキャパシタを直列接続した4組を並列接続し(16×4)、4回目の比較判定動作で、64個のキャパシタを全て直列接続する(64×1)。これにより、電圧領域において、2/3/4回目の比較判定動作においてストレージノード電圧VSNが4/16/64倍に昇圧される。
本実施形態では、上記のように、2倍、4倍、8倍、・・・、2n倍と、各判定において電圧VSNを2の累乗倍で段階的に昇圧していく構成を2倍に昇圧する構成という。同様に、4倍、8倍、16倍、・・・、4n倍と、各判定において電圧VSNを4の累乗倍で段階的に昇圧していく構成を4倍に昇圧する構成という。他の倍率においても同様である。
また、上記2倍又は4倍に昇圧する構成例では、2/3/4回目の判定において、2/4/8倍又は4/16/64倍と倍率を段階的に変更する制御を行うようにしたが倍率をどれか1つに固定する制御を行ってもよい。また、倍率を完全固定にする場合は、各CP構造部を倍率に応じた構成とし、その倍率を超える分の単位回路を除く構成としてもよい。例えば、2倍、4倍に完全固定する場合は、各CP構造部は、図4、図6の単位回路を1つ備えればよい。
次に、図8〜図9に基づき、本実施形態の逐次比較型A/D変換器1の動作を説明する。
ここで、図8(a)は、被判定電圧である、ストレージノード電圧VSNの反転極性の電圧をプロットした一例を示す図である。図8(a)において、縦軸が電圧、横軸が時間を表し、コンパレータ104の最上位ビット(MSB)の判定時刻を「t=0」としている。また、図8(b)は、制御部101から出力されるトリガクロックCLKの、時刻「t=0」以降の変化の一例を示す図であり、コンパレータ104の一定間隔の判定タイミングを表している。また、図8(c)は、コンパレータ104の上位6ビットの判定信号DO1〜DO6の示す値D1〜D6の一例を示す図である。
また、図8では、一例として「VRP−VC=VC−VRN=VR」とし、「Ain=(10.8/16)×VR」の入力電圧Ainがサンプリングされた場合について表している。
また、図9は、上位6ビットの判定結果D1〜D6に基づき出力されるデジタル出力信号Voutの一例を示す図である。
以下、ストレージノード電圧VSNを2倍(固定)で昇圧する場合のnビットの逐次比較型A/D変換器1の比較判定動作を説明する。
アナログ入力信号AinをCP構造部105_1〜105_(n+1)によってサンプリング(離散化)する時刻において、制御部101からの制御信号CTRLによってスイッチ103aがオフし、ただちにスイッチ103cがオフする。その後にスイッチ103bがオンすることにより、サンプリングされたAinが、その極性を反転して「−Ain[V]」としてストレージノードSNに現れる。
電荷再分配が十分に行われ、便宜上寄生容量を無視した場合、ストレージノード電圧VSNが「−Ain[V]」に十分に収束した時刻に、制御部101からのトリガクロックCLKである第1判定立ち上がりクロック(図8(b)中、t=0)が入力され、前記第1判定立ち上がりクロックによって、コンパレータ104によって電圧VSNと基準信号電圧VCとの大小が比較される。これにより、「−Ain<VC」、すなわち「Ain>VC」の場合は、ハイレベルの判定信号DO1(D1=1)が出力され、また、「−Ain>VC」、すなわち「Ain<VC」の場合は、ローレベルの判定信号DO1(D1=0)が出力される。
第1判定立ち上がりクロックの判定結果が「D1=1」の場合は、制御部101によってCP構造部105_1のスイッチ群203_1〜203_(2M(n-2)が制御される。更に、CP構造部105_1〜105_(n+1)のスイッチ202a〜202cが制御され、電圧VSNは、電荷再分配により「−2・{Ain−(1/2)VR}[V]」になる。
また、第1判定結果が「D1=0」である場合は、同様に、制御部101によってCP構造部105_1〜105_(n+1)が制御され、電圧VSNは、電荷再分配により「−2・{Ain+(1/2)VR}[V]」になる。そして、制御部101からの第2判定立ち上がりクロックが入力され、コンパレータ104によって電圧VSNと基準信号電圧VCとが比較される。
同様に、第m番目(m:2〜(n−1)の自然数)の立ち上がりクロックが入力された時刻において、コンパレータ104によって電圧VSNと基準信号電圧VCとの大小を比較する。この比較判定結果に応じてCP構造部105_mのスイッチ群203_1〜203_(2M(n-2)を制御すると共に、CP構造部105_1〜105_(n+1)のスイッチ202a〜202cを制御する。
このようにして上位ビットから順に比較判定動作を行い、第(n−1)番目の立ち上がりクロックが入力された時刻において、コンパレータ104によって電圧VSNと基準信号電圧VCとの大小を比較する。コンパレータ104は、比較判定結果に応じてCP構造部105_(n−1)のスイッチ群203_1〜203_(2M(n-2)を制御すると共に、CP構造部105_1〜105_(n+1)のスイッチ202a〜202cを制御する。その後、第n番目の立ち上がりクロックが入力された時刻において、コンパレータ104によって電圧VSNと基準信号電圧VCとの大小を比較することで、nビットの逐次比較動作が完了する。
これにより、出力レジスタ102は、演算部において、メモリ部に格納されたD1〜Dnに基づき、nビットの出力信号データVoutを生成し、該生成したVoutを出力する。
次に、図8(a)〜(c)に基づき、一例として「SN=−(10.8/16)VR」がサンプリングされた場合の上位6ビットの比較判定動作を説明する。
図8(a)〜(c)に示すように、第1判定立ち上がりクロックにおいて「−(10.8/16)VR<VC」であるため、「D1=1」が出力される。その結果、CP構造部105_1のスイッチ群203_1〜203_(2M(n-2)が制御され、キャパシタ201_11、21、31、・・・、203_(2M(n-2)1の左端が電源ノードVRPに接続される。更に、CP構造部105_1〜105_(n+1)の各スイッチが制御され、各CP構造部における、キャパシタ201_11及び12の組、201_21及び22の組、・・・、201_(2M(n-2)1及び(2M(n-2)2の組がそれぞれ直列接続される共に、これら各組が並列接続される。これにより、「VSN=2{−(10.8/16)VR+(1/2)VR}=−(5.6/16)VR」となる。
引き続き、第2判定立ち上がりクロックにおいて、「−(5.6/16)VR<VC」であるため、「D2=1」が出力される。その結果、CP構造部105_2のスイッチ群203_1〜(2M(n-2)が制御され、キャパシタ201_11、21、31、・・・、(2M(n-2)1の左端が電源ノードVRPに接続される。
これにより、「VSN=2{−(5.6/16)VR+(1/2)VR}=(4.8/16)VR」となる。
引き続き、第3判定立ち上がりクロックにおいて、「(4.8/16)VR>VC」であるため、「D3=0」が出力される。その結果、CP構造部105_3のスイッチ群203_1〜(2M(n-2)が制御され、キャパシタ201_11、21、31、・・・、(2M(n-2)1の左端が電源ノードVRNに接続される。
これにより、「VSN=2{(4.8/16)VR−(1/2)VR}=−(6.4/16)VR」となる。
引き続き、第4判定立ち上がりクロックにおいて、「−(6.4/16)VR<VC」であるため、「D4=1」が出力される。その結果、CP構造部105_4のスイッチ群203_1〜(2M(n-2)が制御され、キャパシタ201_11、21、31、・・・、(2M(n-2)1の左端が電源ノードVRPに接続される。
これにより、「VSN=2{−(6.4/16)VR+(1/2)VR}=(3.2/16)VR」となる。
引き続き、第5判定立ち上がりクロックにおいて、「(3.2/16)VR>VC」であるため、「D5=0」が出力される。その結果、CP構造部105_5のスイッチ群203_1〜(2M(n-2)が制御され、キャパシタ201_11、21、31、・・・、(2M(n-2)1の左端が電源ノードVRNに接続される。
これにより、「VSN=2{(3.2/16)VR−(1/2)VR}=−(9.6/16)VR」となる。
引き続き、第6判定立ち上がりクロックにおいて、「−(9.6/16)VR<VC」であるため、「D6=1」が出力される。その結果、CP構造部105_6のスイッチ群203_1〜(2M(n-2)が制御され、キャパシタ201_11、21、31、・・・、(2M(n-2)1の左端が電源ノードVRPに接続される。
これにより、「VSN=2{−(9.6/16)VR+(1/2)VR}=−(3.2/16)VR」となる。
上記同様の処理が繰り返され、第n判定立ち上がりクロックによってDnが決定されると、nビットの逐次比較動作が完了する。そして、出力レジスタ102において、メモリに格納されたD1〜Dnに基づきnビットのデジタル出力信号Voutが生成され、該生成されたVoutが出力される。
図9に基づき、上位6ビットの判定結果D1〜D6に基づきデジタル出力信号を生成する一例について示す。
本実施形態において、Voutを生成する演算規則は、各ビットの判定結果D1〜Dnを上位ビットから順番(D1→D2→・・・→Dn)に並べるといった単純なものとなる。
図8(c)に示すように、各判定結果は、D1=「1」、D2=「1」、D3=「0」、D4=「1」、D5=「0」、D6=「1」となっている。出力レジスタ102は、図9に示すように、D1〜D6を、上位ビットから順番に並べ、nビットのデジタル出力信号Voutの上位6ビット「110101」を生成する。ここで、出力レジスタ102は、例えば、シフトレジスタなどで構成される。
以上、本実施形態の逐次比較型A/D変換器1は、2回目以降の比較判定動作において、コンパレータ104の被判定信号である、ストレージノードSNの電圧VSNをCP構造部105_1〜105_(n+1)によって昇圧することが可能である。
これにより、従来と比較して、コンパレータへの精度要求を緩和することができる。この結果、コンパレータの消費電力の増大、半導体集積化したときのコンパレータ部分のレイアウトエリアの増大を回避できるため、コンパクト化と省電力化を達成することができる。
なお、スイッチやキャパシタの個数が従来技術に比べて増大するが、キャパシタ1つのサイズはせいぜい数[fF]〜数十[fF]であるため、これによるエリアの増大は微々たるものである。それに比べ、精度要求の緩和によるコンパレータのレイアウトエリアの削減による効果は甚大である。
上記第1実施形態において、CP構造部105_1〜105_(n+1)のキャパシタ201_11は、発明1に記載の第1〜第(n+1)の第1キャパシタに対応する。
また、上記第1実施形態において、CP構造部105_1〜105_(n+1)のキャパシタ201_12〜201_(2M(n-2)2は、発明2に記載の第2キャパシタ群に対応する。
また、上記第1実施形態において、スイッチ103b〜103c、CP構造部105_1〜105_(n+1)のスイッチ群203_1〜203_(2M(n-2)は、発明1に記載の切替手段に対応する。
また、上記第1実施形態において、CP構造部105_1〜105_(n+1)のスイッチ202a_11〜202a_(2M(n-2)(2M)は、発明2に記載の第1切替部に対応し、CP構造部105_1〜105_(n+1)のスイッチ202b_11〜202b_(2M(n-2)(2M)は、発明2に記載の第2切替部に対応する。
また、上記第1実施形態において、CP構造部105_1〜105_(n+1)のスイッチ202c_11〜202c_(2M(n-2)(2M)は、発明2に記載の第3切替部に対応する。
また、上記第1実施形態において、CP構造部105_1〜105_(n+1)は、発明1又は2に記載の昇圧手段に対応する。
また、上記第1実施形態において、コンパレータ104は、発明1に記載の比較判定手段に対応し、制御部101は、発明1又は2に記載の制御手段に対応し、出力レジスタ102は、発明1又は2に記載の出力信号生成手段に対応する。
〔第2実施形態〕
次に、本発明の第2実施形態を図面に基づき説明する。図10〜図12は、本発明に係る逐次比較型A/D変換器の第2実施形態を示す図である。
上記第1実施形態の逐次比較型A/D変換器1は、1つのコンパレータ104を用いて比較判定動作を行っていたが、これに対して、本実施形態の逐次比較型A/D変換器2は、2つのコンパレータ404a及び404bを用いて比較判定動作を行う点が上記第1実施形態の逐次比較型A/D変換器1と異なる。
まず、図10に基づき、本実施形態の逐次比較型A/D変換器2の詳細な構成を説明する。
ここで、図10は、本発明の第2実施形態に係る逐次比較型A/D変換器2の構成を示す図である。
逐次比較型A/D変換器2は、アナログ入力信号Ainを、nビット(nは2以上の自然数)のデジタル出力信号VoutへとA/D変換するものであって、図10に示すように、制御部401と、出力レジスタ402と、コンパレータ404a及び404bとを含んで構成される。
更に、逐次比較型A/D変換器2は、スイッチ403a〜403cと、チャージポンプ構造部405_1〜405_(n+1)と、ストレージノードSNとを含んで構成される。
ここで、スイッチ403a〜403cと、チャージポンプ構造部405_1〜405_(n+1)の構成は、上記第1実施形態のスイッチ103a〜103cと、CP構造部105_1〜105_(n+1)と同様となる。
CP構造部405_1〜405_(n+1)の入力端子Vinは、スイッチ403bとスイッチ403cの右端に接続されており、スイッチ403bがオンした場合は、CP構造部405_1〜405_(n+1)の入力端子Vinはアナログ入力信号Ainの入力ノードに接続される。また、スイッチ403cがオンした場合は、CP構造部405_1〜405_(n+1)の入力端子Vinは電源ノードVCに接続される。
CP構造部405_1〜405_(n+1)の入力端子VPは、電源ノードVRPに接続され、CP構造部405_1〜405_(n+1)の入力端子VNは、電源ノードVRNに接続されている。
CP構造部405_1〜405_(n+1)は、ストレージノードSNを介して、スイッチ403aと、コンパレータ404a及び404bの反転入力端子とに接続されている。 そして、スイッチ403aがオンした場合、ストレージノードSNは、電源ノードVCに短絡される。
ここで、コンパレータ404aの出力(判定信号)をDON[0]と表し(Nは、1〜nの自然数)、コンパレータ404bの出力(判定信号)をDON[1]と表し、これらを判定信号DON[1:0]と表すと、判定信号DON[1:0]は、制御部401及び出力レジスタ402にそれぞれ入力される。
制御部401は、組み合わせ回路等で構成され、CP構造部405_1〜405_(n+1)の各スイッチと、スイッチ403a〜403cとに対して、これらのオン・オフの状態を切り替える制御信号CTRLを出力する。
具体的に、コンパレータ404a及び404bからの判定信号DON[1:0](DO1[1:0]〜DOn[1:0])に基づいて、アナログ入力電圧Ainに対応する内部電圧が得られる各スイッチのオン・オフの組み合わせを決定する。そして、決定したオン・オフの組み合わせに対応する制御信号CTRLを生成して、これをCP構造部405_1〜405_(n+1)の各スイッチと、スイッチ403a〜403cとに供給して各スイッチのオン・オフを順次切り替える。これにより、アナログ入力電圧Ainに対応する内部電圧を得るようにしている。
また、制御部401は、トリガクロックCLKを、出力レジスタ402と、コンパレータ404a及び404bとに供給する機能も有している。
なお、制御部401は、トリガクロックCLKを生成する発振回路を内部に有する構成としてもよいし、外部発振回路から供給されるクロック信号に基づきトリガクロックCLKを生成する構成としてもよい。
コンパレータ404aは、制御部401からのトリガクロックCLKに同期して、反転入力端子に入力されるストレージノードSNの電圧VSNと正転入力ノードに入力される基準信号電圧VH(VH=(1/4)・VR)との大小を比較する。そして、「SN<VH」のときは、判定信号DON[0]として、ハイレベルの信号(「DON[0]=1」)を出力し、「SN>VH」のときは、判定信号DON[0]として、ローレベルの信号(「DON[0]=0」)を出力する。
コンパレータ404bは、制御部401からのトリガクロックCLKに同期して、反転入力端子に入力される電圧VSNと正転入力ノードに入力される電圧VL(VL=−(1/4)・VR)との大小を判定する。そして、「SN<VL」のときは、判定信号DON[1]として、ハイレベルの信号(「DON[1]=1」)を出力し、「SN>VL」のときは、判定信号DON[1]として、ローレベルの信号(「DON[1]=0」)を出力する。
出力レジスタ402は、メモリ部と演算部とを有し、演算部において、コンパレータ404a及び404bの出力する判定信号DON[1:0]に基づき出力値DNを演算し、これをメモリ部に記憶し保持する。また、演算部において、メモリ部に保持した判定結果D1〜Dnに基づき、公知の方法を用いてnビットのデジタル出力信号Voutを生成する。
具体的に、演算部は、「DON[1:0]=11」のときに「DN=10」を出力値としてメモリ部に記憶し、また、「DON[1:0]=01」のときに「DN=01」を出力値としてメモリ部に記憶する。また、「DON[1:0]=00」のときに「DN=00」を出力値としてメモリ部に記憶する。そして、メモリ部にn個の出力値「D1〜Dn」までが記憶された後に、公知の方法によりデジタル出力信号Voutを生成する。
次に、図11〜図12に基づき、本実施形態の逐次比較型A/D変換器2の動作を説明する。
以下、CP構造部405_1〜405_(n+1)が、ストレージノード電圧VSNを2倍に昇圧する構成(各CP構造部の単位回路が図4に示す構成)であるとする。
ここで、図11(a)は、被判定電圧である、ストレージノード電圧VSNの反転極性の電圧をプロットした一例を示す図である。図11(a)において、縦軸が電圧、横軸が時間を表し、コンパレータ404a及び404bの最上位ビット(MSB)の判定時刻を「t=0」としている。また、図11(b)は、制御部401から出力されるトリガクロックCLKの、時刻「t=0」以降の変化の一例を示す図であり、コンパレータ404a及び404bの一定間隔の判定タイミングを表している。また、図11(c)は、コンパレータ404a及び404bの上位6ビットの判定信号DO1[1:0]〜DO6[1:0]に基づく出力レジスタ402の出力値D1〜D6の一例を示す図である。
また、図11では、一例として「VRP−VC=VC−VRN=VR」とし、「Ain=(10.8/16)×VR」の入力電圧Ainがサンプリングされた場合について表している。
また、図12は、上位6ビットの判定結果D1〜D6に基づき出力されるデジタル出力信号Voutの一例を示す図である。
初期状態としてCP構造部405_1〜405_(n+1)の入力Vinの電圧がアナログ入力信号Ainに追従している場合、そのスイッチ状態はスイッチ403a、スイッチ403cがオンしており、スイッチ403bがオフしている。
アナログ入力信号AinをCP構造部405_1〜405_(n+1)によってサンプリング(離散化)する時刻において、制御信号CTRLによってスイッチ403aがオフし、ただちにスイッチ403cがオフする。その後にスイッチ403bがオンすることにより、サンプリングされたAinが極性を反転させて「−Ain[V]」としてストレージノードSNに現れる。ここで、スイッチ403bとスイッチ403cは同時にオンしないノンオーバーラップの関係が成り立っている。
電荷再分配が十分に行われ、便宜上寄生容量を無視した場合、ストレージノードSNの電圧VSNが「−Ain」に十分に収束した時刻に第1判定立ち上がりクロック(図11(b)中、t=0)がコンパレータ404a及び404bに入力される。
これにより、コンパレータ404aにおいては、第1判定立ち上がりクロックに応じて、電圧VSNと電圧VHとが比較され、コンパレータ404bにおいては、第1判定立ち上がりクロックに応じて、電圧VSNと電圧VLとが比較される。そして、「−Ain<VL」、すなわち「Ain>VH」の場合は、コンパレータ404a及び404bから「DO1[1:0]=11」が出力される。また、「VH>−Ain>VL」、すなわち「VL<Ain<VH」の場合は、コンパレータ404a及び404bから「DO1[1:0]=01」が出力される。また、「−Ain<VH」、すなわち「Ain<VL」の場合は、コンパレータ404a及び404bから「DO1[1:0]=00」が出力される。
第1判定立ち上がりクロックの判定結果である第1判定結果が、「DO1[1:0]=11」である場合、この判定結果に基づき、制御部401において、CP構造部405_1〜405_(n+1)が制御される。具体的に、制御部401は、「DO1[1:0]=11(D1=10)」を、制御信号CTRLとしてCP構造部405_1に入力し、スイッチ群203_1〜203_2(n-2)の各スイッチを切り替える。これにより、スイッチ202c_11、21、31、・・・、2(n-2)1をオフにし、スイッチ202d_1〜202d_2(n-2)をオンにする。この切り替えによって、キャパシタ201_11、21、31、・・・、2(n-2)1が入力端子VPに接続される。
次に、制御部401は、制御信号CTRLを、CP構造部405_1〜405_(n+1)に入力し、電圧VSNを2倍に昇圧する。なお、2倍に昇圧する各スイッチの制御内容は、上記第1実施形態と同様となる。これにより、電圧VSNは、電荷再分配により「−2・{Ain−(1/2)VR}[V]」になる。
また、第1判定結果が、「DO1[1:0]=01」である場合、制御部401において、この判定結果に基づき、CP構造部405_1〜405_(n+1)が制御される。具体的に、制御部401は、「DO1[1:0]=01(D1=01)」を、制御信号CTRLとしてCP構造部405_1に入力し、スイッチ群203_1〜203_2(n-2)の各スイッチを切り替える。しかし、この場合は、スイッチ群203_1〜203_2(n-2)の各スイッチは切り替わらず、現状を維持する。従って、キャパシタ201_11、21、31、・・・、2(n-2)1は、入力端子Vinに接続されたままとなる。
次に、制御部401は、制御信号CTRLを、CP構造部405_1〜405_(n+1)に入力し、電圧VSNを2倍に昇圧する。これにより、電圧VSNは、電荷再分配により「−2・Ain[V]」になる。
また、第1判定結果が、「DO1[1:0]=00」である場合、この判定結果に基づき、制御部401において、CP構造部405_1〜405_(n+1)が制御される。具体的に、制御部401は、「DO1[1:0]=00(D1=00)」を、制御信号CTRLとしてCP構造部405_1に入力し、スイッチ群203_1〜203_2(n-2)の各スイッチを切り替える。
これにより、スイッチ202c_11、21、31、・・・、2(n-2)1をオフにし、スイッチ202e_1〜202e_2(n-2)をオンにする。この切替によって、キャパシタ201_11、21、31、・・・、2(n-2)1が入力端子VNに接続される。
次に、制御部401は、制御信号CTRLを、CP構造部405_1〜405_(n+1)に入力し、電圧VSNを2倍に昇圧する。これにより、電圧VSNは、電荷再分配により「−2・{Ain+(1/2)VR}[V]」になる。
なお、CP構造部405_(n+1)のスイッチ群203_1〜203_2(n-2)には、コンパレータ404a及び404bの判定結果は反映されず、常にVin(VC)に繋げた状態とする。
同様に、第m番目(m:2〜(n−1)の自然数)の立ち上がりクロックが入力された時刻において、コンパレータ404aによって電圧VSNと基準信号電圧VHとを比較し、また、コンパレータ404bによって電圧VSNと基準信号電圧VLを比較する。そして、これらの結果に応じてCP構造部405_mのスイッチ群203_1〜203_2(n-2)を制御して、コンパレータ404a及び404bによって比較判定動作を行う。
このようにして、上位ビットから順に比較判定動作を行い、第(n−1)番目の立ち上がりクロックが入力された時刻において、コンパレータ404aによって電圧VSNと基準信号電圧VHとを比較する。また、第(n−1)番目の立ち上がりクロックが入力された時刻において、コンパレータ404bによって電圧VSNと基準信号電圧VLとを比較する。そして、これらの結果に応じてCP構造部405_(n−1)のスイッチ群203_1〜203_2(n-2)を制御する。
その後、第n番目の立ち上がりクロックが入力された時刻において、コンパレータ404aによって電圧VSNと基準信号電圧VHとを比較する。また、第n番目の立ち上がりクロックが入力された時刻において、コンパレータ404bによって電圧VSNと基準信号電圧VLとを比較することでnビットの逐次比較動作が完了する。
これにより、出力レジスタ402は、演算部において、メモリ部に格納されたD1〜Dnに基づき、nビットの出力信号データVoutを生成し、該生成したVoutを出力する。
図11(a)〜(c)に基づき、一例として「SN=−(10.8/16)VR」がサンプリングされた場合の上位6ビットの比較判定動作を説明する。ここでは、昇圧する倍率を2倍に固定する。
図11(a)〜(c)に示すように、第1判定立ち上がりクロックにおいて「−(10.8/16)VR<VL」であるため、「D1=10」が出力される。その結果、CP構造部405_1のスイッチ群203_1〜203_2(n-2)が制御され、キャパシタ201_11、21、31、・・・、2(n-2)1の左端が電源ノードVRPに接続される。
更に、CP構造部105_1〜105_(n+1)の各スイッチが制御され、キャパシタ201_11〜22の組、201_31〜42の組、・・・、201_(2(n-2)−1)1〜2(n-2)2の組がそれぞれ直列接続される共に、これら各組が並列接続される。これにより、「VSN=2{−(10.8/16)VR+(1/2)VR}=−(5.6/16)VR」となる。
引き続き、第2判定立ち上がりクロックにおいて、「−(5.6/16)VR<VL」であるため、「D2=10」が出力される。その結果、CP構造部405_2のスイッチ群203_1〜203_2(n-2)が制御され、キャパシタ201_11、21、31、・・・、2(n-2)1の左端が電源ノードVRPに接続される。これにより、「VSN=2{−(5.6/16)VR+(1/2)VR}=(4.8/16)VR」となる。
上記同様の処理が繰り返され、第n判定立ち上がりクロックによってDnが決定されると、nビットの逐次比較動作が完了する。そして、出力レジスタ402の演算部において、メモリ部に格納されたD1〜Dnに基づき、予め設定された演算規則に従ってnビットのデジタル出力信号Voutが生成され、該生成されたVoutが出力される。
本実施形態において、Voutを生成する演算規則は、まず、DNの最上位桁とD(n−1)の最下位桁を2進法で加算する。次に、この結果に基づいて、D(n−1)の最上位桁とD(n−2)の最下位桁を、同じく2進法で加算する。以下これを繰り返して、D1の最下位桁とD2の最上位桁までを足し合わせる。D1〜Dnについて全て足し合わされた結果がデジタル出力信号Voutとなる。
ここで、図11(c)に示すように、上記比較判定動作の上位6ビットまでの出力値は、D1=「10」、D2=「10」、D3=「00」、D4=「10」、D5=「01」、D6=「00」となる。この場合における、上位5ビットのデジタル出力信号の値は、図12に示すように、「11010」となる。ここで、出力レジスタ402は、シフトレジスタと加算器などで構成される。
以上、本実施形態の逐次比較型A/D変換器2は、2回目以降の比較判定動作において、コンパレータ404a及び404bの被判定信号である、ストレージノードSNの電圧VSNをCP構造部405_1〜405_(n+1)によって2M倍に昇圧することが可能である。
これにより、従来と比較して、コンパレータへの精度要求を緩和することができる。この結果、コンパレータの消費電力の増大、半導体集積化したときのコンパレータ部分のレイアウトエリアの増大を回避できるため、コンパクト化と省電力化を達成することができる。
更に、本実施形態の逐次比較型A/D変換器2は、コンパレータ404a及び404bの2つのコンパレータを用いて比較判定動作を行うことで、判定信号に冗長性を持たせることができる。
これにより、公知の方法から、コンパレータの誤判定が1/4以下である場合に、後段の判定結果から正確な出力値を導き出すことが可能となり、コンパレータには1LSB以下の判定精度が要求されず、高速に判定させる場合に、消費電力の増大や、半導体集積化したときのレイアウトエリアの増大を避けることができる。
上記第2実施形態において、CP構造部105_1〜105_(n+1)のキャパシタ201_11は、発明1に記載の第1〜第(n+1)の第1キャパシタに対応する。
また、上記第2実施形態において、CP構造部105_1〜105_(n+1)のキャパシタ201_12〜201_(2M(n-2)(2M)は、発明2に記載の第2キャパシタ群に対応する。
また、上記第2実施形態において、スイッチ403b〜403c、CP構造部105_1〜105_(n+1)のスイッチ群203_1〜203_(2M(n-2)は、発明1に記載の切替手段に対応する。
また、上記第2実施形態において、CP構造部105_1〜105_(n+1)のスイッチ202a_11〜202a_(2M(n-2)(2M)は、発明2に記載の第1切替部に対応し、CP構造部105_1〜105_(n+1)のスイッチ202b_11〜202b_(2M(n-2)(2M)は、発明2に記載の第2切替部に対応する。
また、上記第2実施形態において、CP構造部105_1〜105_(n+1)のスイッチ202c_12〜(2M(n-2)(2M)は、発明2に記載の第3切替部に対応する。
また、上記第2実施形態において、CP構造部405_1〜405_(n+1)は、発明1又は2に記載の昇圧手段に対応する。
また、上記第2実施形態において、コンパレータ404a及び404bは、発明3に記載の第1比較判定部及び第2比較判定部に対応し、制御部401は、発明1又は2に記載の制御手段に対応し、出力レジスタ102は、発明1乃至3のいずれか1に記載の出力信号生成手段に対応する。
〔第3実施形態〕
次に、本発明の第3実施形態を図面に基づき説明する。図13〜図15は、本発明に係る逐次比較型A/D変換器の第3実施形態を示す図である。
本実施形態の逐次比較型A/D変換器3は、3つのコンパレータ604a、604b及び604cを用いて比較判定動作を行う点が上記第1及び第2実施形態の逐次比較型A/D変換器1及び2と異なる。
まず、図13に基づき、本実施形態の逐次比較型A/D変換器3の詳細な構成を説明する。
ここで、図13は、本発明の第3実施形態に係る逐次比較型A/D変換器3の構成を示す図である。
逐次比較型A/D変換器3は、アナログ入力信号Ainを、nビット(nは2以上の自然数)のデジタル出力信号VoutへとA/D変換するものであって、図13に示すように、制御部601と、出力レジスタ602と、コンパレータ604a、604b及び604cとを含んで構成される。
更に、逐次比較型A/D変換器3は、スイッチ603a〜603cと、チャージポンプ構造部605_1〜605_(n+1)と、ストレージノードSNとを含んで構成される。
ここで、スイッチ603a〜603cと、チャージポンプ構造部605_1〜605_(n+1)の構成は、上記第1実施形態のスイッチ103a〜103cと、CP構造部105_1〜105_(n+1)と同様となる。
CP構造部605_1〜605_(n+1)の入力端子Vinは、スイッチ603bとスイッチ603cの右端に接続されており、スイッチ603bがオンした場合は、CP構造部605_1〜605_(n+1)の入力端子Vinはアナログ入力信号Ainの入力ノードに接続される。また、スイッチ603cがオンした場合は、CP構造部605_1〜605_(n+1)の入力端子Vinは電源ノードVCに接続される。
CP構造部605_1〜605_(n+1)の入力端子VPは、電源ノードVRPに接続され、CP構造部605_1〜605_(n+1)の入力端子VNは、電源ノードVRNに接続されている。
CP構造部605_1〜605_(n+1)は、ストレージノードSNを介して、スイッチ603aと、コンパレータ604a、604b及び604cの反転入力端子とに接続されている。そして、スイッチ603aがオンした場合、ストレージノードSNは、電源ノードVCに短絡される。
ここで、コンパレータ604aの出力(判定信号)をDOP[0]と表し(Pは1〜(n/2)の自然数)、コンパレータ604bの出力(判定信号)をDOP[1]と表し、コンパレータ604cの出力(判定信号)をDOP[2]と表すとする。更に、これらをまとめて判定信号DOP[2:0]と表す。判定信号DOP[2:0]は、制御部601及び出力レジスタ602にそれぞれ入力される。
制御部601は、組み合わせ回路等で構成され、CP構造部605_1〜605_(n+1)の各スイッチと、スイッチ603a〜603cとに対して、これらのオン・オフの状態を切り替える制御信号CTRLを出力する。
具体的に、コンパレータ604a、604b及び604cからの判定信号DOP[2:0](DO1[2:0]〜DO(n/2)[2:0])に基づいて、アナログ入力電圧Ainに対応する内部電圧が得られる各スイッチのオン・オフの組み合わせを決定する。そして、決定したオン・オフの組み合わせに対応する制御信号CTRLを生成して、これをCP構造部605_1〜605_(n+1)の各スイッチと、スイッチ603a〜603cとに供給して各スイッチのオン・オフを順次切り替える。これにより、アナログ入力電圧Ainに対応する内部電圧を得るようにしている。
また、制御部601は、トリガクロックCLKを、出力レジスタ602と、コンパレータ604a、604b及び604cとに供給する機能も有している。
なお、制御部601は、トリガクロックCLKを生成する発振回路を内部に有する構成としてもよいし、外部発振回路から供給されるクロック信号に基づきトリガクロックCLKを生成する構成としてもよい。
コンパレータ604aは、制御部601からのトリガクロックCLKに同期して、反転入力端子に入力されるストレージノードSNの電圧VSNと正転入力ノードに入力される基準信号電圧V(V=(1/2)・VR)との大小を判定する。そして、「VSN<V」のときは、判定信号DOP[0]として、ハイレベルの信号(「DOP[0]=1」)を出力し、「VSN>V」のときは、判定信号DOP[0]として、ローレベルの信号(「DOP[0]=0」)を出力する。
コンパレータ604bは、制御部601からのトリガクロックCLKに同期して、反転入力端子に入力されるストレージノードSNの電圧VSNと正転入力ノードに入力される基準信号電圧VCとの大小を判定する。そして、「VSN<VC」のときは、判定信号DOP[1]として、ハイレベルの信号(「DOP[1]=1」)を出力し、「VSN>VC」のときは、判定信号DOP[1]として、ローレベルの信号(「DOP[1]=0」)を出力する。
コンパレータ604cは、制御部601からのトリガクロックCLKに同期して、反転入力端子に入力されるストレージノードSNの電圧VSNと正転入力ノードに入力される基準信号電圧V(V=−(1/2)・VR)との大小を判定する。そして、「VSN<V」のときは、判定信号DOP[2]として、ハイレベルの信号(「DOP[2]=1」)を出力し、「VSN>V」のときは、判定信号DOP[2]として、ローレベルの信号(「DOP[2]=0」)を出力する。
また、制御部601からはトリガクロックCLKが出力レジスタ602に出力されており、また、コンパレータ604a、604b及び604cからは判定信号DOP[2:0]が出力レジスタ602に出力されている。
出力レジスタ602は、メモリ部と演算部とを有し、演算部において、コンパレータ604a、604b及び604cの出力する判定信号DOP[2:0]に基づき出力値DP(Pは1〜(n/2)の自然数)を演算し、これをメモリ部に記憶し保持する。また、演算部において、メモリ部に保持した判定結果D1〜D(n/2)に基づき、公知の方法を用いてnビットのデジタル出力信号Voutを生成する。
具体的に、演算部は、「DOP[2:0]=111」のときに「DP=11」を出力値としてメモリ部に記憶し、また、「DOP[2:0]=011」のときに「DP=10」を出力値としてメモリ部に記憶する。更に、「DOP[2:0]=001」のときに「DP=01」を出力値としてメモリ部に記憶し、また、「DOP[2:0]=000」のときに「DP=00」を出力値としてメモリ部に記憶する。そして、メモリ部に(n/2)個の出力値「D1〜D(n/2)」までが記憶された後に、公知の方法によりデジタル出力信号Voutを生成する。
次に、図14〜図15に基づき、本実施形態の逐次比較型A/D変換器3の動作を説明する。
以下、CP構造部605_1〜605_(n+1)が、ストレージノード電圧VSNを4倍に昇圧する構成(各CP構造部の単位回路が図6に示す構成)であるとする。
ここで、図14(a)は、被判定電圧である、ストレージノード電圧VSNの反転極性の電圧をプロットした一例を示す図である。図14(a)において、縦軸が電圧、横軸が時間を表し、コンパレータ604a、604b及び604cの最上位ビット(MSB)の判定時刻を「t=0」としている。また、図14(b)は、制御部601から出力されるトリガクロックCLKの、時刻「t=0」以降の変化の一例を示す図であり、コンパレータ604a、604b及び604cの一定間隔の判定タイミングを表している。また、図14(c)は、コンパレータ604a、604b及び604cの判定信号DO1[2:0]〜DO3[2:0]に基づく出力レジスタ402の出力値D1〜D3の一例を示す図である。
また、図14では、一例として「VRP−VC=VC−VRN=VR」とし、「Ain=(10.8/16)×VR」の入力電圧Ainがサンプリングされた場合について表している。
また、図15は、判定結果D1〜D3に基づき出力されるデジタル出力信号Voutの一例を示す図である。
初期状態としてCP構造部605_1〜605_(n+1)の入力Vinの電圧がアナログ入力信号Ainに追従している場合、そのスイッチ状態はスイッチ603a、スイッチ603cがオンしており、スイッチ603bがオフしている。
アナログ入力信号AinをCP構造部605_1〜605_(n+1)によってサンプリング(離散化)する時刻において、制御信号CTRLによってスイッチ603aがオフし、ただちにスイッチ603cがオフする。その後にスイッチ603bがオンすることにより、サンプリングされたAinが極性を反転させて「−Ain[V]」としてストレージノードSNに現れる。ここで、スイッチ603bとスイッチ603cは同時にオンしないノンオーバーラップの関係が成り立っている。
電荷再分配が十分に行われ、便宜上寄生容量を無視した場合、ストレージノードSNの電圧VSNが「−Ain」に十分に収束した時刻に第1判定立ち上がりクロック(図14(b)中、t=0)がコンパレータ604a、604b及び604cに入力される。
これにより、コンパレータ604aにおいては、第1判定立ち上がりクロックに応じて、電圧VSNと電圧Vhとが比較され、コンパレータ604bにおいては、第1判定立ち上がりクロックに応じて、電圧VSNと電圧VCとが比較される。また、コンパレータ604cにおいては、第1判定立ち上がりクロックに応じて、電圧VSNと電圧Vlとが比較される。
そして、「−Ain<Vl」、すなわち「Ain>Vh」の場合は、コンパレータ604a、604b及び604cから「DO1[2:0]=111」が出力される。また、「VC>−Ain>Vl」、すなわち「VC<Ain<Vh」の場合は、コンパレータ604a、604b及び604cから「DO1[2:0]=011」が出力される。また、「Vh>−Ain>VC」、すなわち「Vl<Ain<VC」の場合は、コンパレータ604a、604b及び604cから「DO1[2:0]=001」が出力される。また、「−Ain<Vh」、すなわち「Ain<Vl」の場合は、コンパレータ604a、604b及び604cから「DO1[2:0]=000」が出力される。
第1判定立ち上がりクロックの判定結果である第1判定結果が、「DO1[2:0]=111」である場合、この判定結果に基づき、制御部601において、CP構造部605_1〜605_(n+1)の各スイッチのオン・オフが制御され、電圧VSNが4倍に昇圧される。これにより、電圧VSNは、電荷再分配により「−4・{Ain−(3/4)VR}[V]」になる。
また、第1判定結果が、「DO1[2:0]=011」である場合、この判定結果に基づき、制御部601において、CP構造部605_1〜605_(n+1)の各スイッチのオン・オフが制御され、電圧VSNが4倍に昇圧される。これにより、電圧VSNは、電荷再分配により「−4・{Ain−(1/4)VR}[V]」になる。
また、第1判定結果が、「DO1[2:0]=001」である場合、この判定結果に基づき、制御部601において、CP構造部605_1〜605_(n+1)の各スイッチのオン・オフが制御され、電圧VSNが4倍に昇圧される。これにより、電圧VSNは、電荷再分配により「−4・{Ain+(1/4)VR}[V]」になる。
また、第1判定結果が、「DO1[2:0]=000」である場合、この判定結果に基づき、制御部601において、CP構造部605_1〜605_(n+1)の各スイッチのオン・オフが制御され、電圧VSNが4倍に昇圧される。これにより、電圧VSNは、電荷再分配により「−4・{Ain+(3/4)VR}[V]」になる。
なお、CP構造部605_(n+1)のスイッチ群203_1〜203_(2M(n-2)には、コンパレータ604a、604b及び604cの判定結果は反映されず、常にVin(VC)に繋げた状態とする。
同様に、第W番目(W:2〜(n/2−1)の自然数)の立ち上がりクロックが入力された時刻において、コンパレータ604aによって電圧VSNと基準信号電圧Vhとを比較し、また、コンパレータ604bによって電圧VSNと基準信号電圧VCとを比較する。また、コンパレータ604cによって電圧VSNと基準信号電圧vlとを比較する。そして、これらの判定結果に応じてCP構造部605_1〜605_(n+1)の各スイッチのオン・オフを制御する。
このようにして、上位ビットから順に比較判定動作を行い、第(n/2−1)番目の立ち上がりクロックが入力された時刻において、コンパレータ604aによって電圧VSNと基準信号電圧Vhとを比較する。また、第(n/2−1)番目の立ち上がりクロックが入力された時刻において、コンパレータ604bによって電圧VSNと基準信号電圧VCとを比較する。また、第(n/2−1)番目の立ち上がりクロックが入力された時刻において、コンパレータ604cによって電圧VSNと基準信号電圧Vlとを比較する。そして、これらの判定結果に応じてCP構造部605_1〜605_(n+1)を制御する。その後、第(n/2)番目の立ち上がりクロックが入力された時刻において、コンパレータ604aによって電圧VSNと基準信号電圧Vhとを比較する。また、第(n/2)番目の立ち上がりクロックが入力された時刻において、コンパレータ604bによって電圧VSNと基準信号電圧VCとを比較する。また、第(n/2)番目の立ち上がりクロックが入力された時刻において、コンパレータ604cによって電圧VSNと基準信号電圧Vlとを比較することでnビットの逐次比較動作が完了する。
これにより、出力レジスタ602は、演算部において、メモリ部に格納されたD1〜D(n/2)に基づき、nビットの出力信号データVoutを生成し、該生成したVoutを出力する。
次に、図14(a)〜(c)に基づき、一例として「SN=−(10.8/16)VR」がサンプリングされた場合の比較判定動作を説明する。ここでは、昇圧する倍率を4倍に固定する。
図14(a)〜(c)に示すように、第1判定立ち上がりクロックにおいて「−(10.8/16)VR<Vl」であるため、「D1=11」が出力される。その結果、CP構造部605_1のスイッチ群203_1〜203_4(n-2)が制御され、CP構造部605_1のキャパシタ201_11、21、31、・・・、4(n-2)1の左端が電源ノードVRPに接続される。
更に、CP構造部605_1〜605_(n+1)の各スイッチが制御され、キャパシタ201_11〜42の組、201_51〜82の組、・・・、201_(4(n-2)−3)1〜4(n-2)2の組がそれぞれ直列接続される共に、これら各組が並列接続される。これにより、電圧VSNが4倍に昇圧され、「VSN=4{−(10.8/16)VR+(3/4)VR}=(4.8/16)VR[V]」となる。
引き続き、第2判定立ち上がりクロックにおいて、「Vl<(4.8/16)VR<VC」であるため、「D2=01」が出力される。その結果、CP構造部605_2のスイッチ群203_1〜203_4(n-2)が制御され、CP構造部605_2のキャパシタ201_11、21、31、・・・、4(n-2)1の左端が電源ノードVRNに接続される。これにより、「VSN=4{(4.8/16)VR−(1/4)VR}=(3.2/16)VR」となる。
上記同様の処理が繰り返され、第(n/2)判定立ち上がりクロックによってD(n/2)が決定されると、nビットの逐次比較動作が完了する。そして、出力レジスタ602の演算部において、メモリ部に格納されたD1〜D(n/2)に基づき、予め設定された演算規則に従ってnビットのデジタル出力信号Voutが生成され、該生成されたVoutが出力される。
本実施形態において、Voutを生成する演算規則は、各2ビットの判定結果D1〜D(n/2)を上位ビットから順番(D1→D2→・・・→D(n/2))に並べるといった単純なものとなる。
ここで、図11(c)に示すように、上位6ビットの判定結果は、D1=「11」、D2=「01」、D3=「01」であり、これらを上位ビットから順番に並べることで、図15に示すように、デジタル出力信号Voutの上位6ビット「110101」が得られる。ここで、出力レジスタ602はシフトレジスタなどで構成される。
以上、本実施形態の逐次比較型A/D変換器3は、2回目以降の比較判定動作において、コンパレータ604a、604b及び604cの被判定信号である、ストレージノードSNの電圧VSNをCP構造部605_1〜605_(n+1)によって2M倍に昇圧することが可能である。
これにより、従来と比較して、コンパレータへの精度要求を緩和することができる。この結果、コンパレータの消費電力の増大、半導体集積化したときのコンパレータ部分のレイアウトエリアの増大を回避できるため、コンパクト化と省電力化を達成することができる。
更に、本実施形態の逐次比較型A/D変換器3は、コンパレータ604a、604b及び604cの3つのコンパレータを用いて比較判定動作を行うことで、1回の判定動作で2ビットの判定を行うことができる。
これにより、従来の半分の総判定時間でnビットのA/D変換が完了するため、高速な逐次比較型A/D変換器の設計が容易となる。
なお、本実施形態では、1回の判定において2ビットの判定を行う逐次比較動作の構成を例に挙げて説明したが、この構成に限らない。例えば、2Z-1個のコンパレータを具備し、それぞれの正転入力電圧を「{VR/2Z-1・z(z=0、±1、±2、・・・、±(Z−1))」と設定する。更に、ストレージノード電圧VSNを、2Z倍に昇圧することが可能なCP構造部605_1〜605_(n+1)を具備することで、1回の判定においてZビットの判定を行うことが可能な逐次比較型A/D変換器を実現することができる。
上記第3実施形態において、CP構造部605_1〜605_(n+1)のキャパシタ201_11は、発明1に記載の第1〜第(n+1)の第1キャパシタに対応する。
また、上記第3実施形態において、CP構造部605_1〜605_(n+1)の(2M(n-2)(2M)は、発明2に記載の第2キャパシタ群に対応する。
また、上記第3実施形態において、スイッチ603b〜603c、CP構造部605_1〜605_(n+1)のスイッチ群203_1〜203_(2M(n-2)は、発明1に記載の切替手段に対応する。
また、上記第3実施形態において、CP構造部605_1〜605_(n+1)のスイッチ202a_11〜202a_(2M(n-2)(2M)は、発明2に記載の第1切替部に対応し、CP構造部605_1〜605_(n+1)のスイッチ202b_11〜202b_(2M(n-2)(2M)は、発明2に記載の第2切替部に対応する。
また、上記第3実施形態において、CP構造部605_1〜605_(n+1)のスイッチ202c_12〜(2M(n-2)(2M)は、発明2に記載の第3切替部に対応する。
また、上記第3実施形態において、CP構造部605_1〜605_(n+1)は、発明1又は2に記載の昇圧手段に対応する。
また、上記第3実施形態において、コンパレータ604a、604b及び604cは、発明4に記載の第1比較判定部、第2比較判定部及び第3比較判定部に対応し、制御部601は、発明1又は2に記載の制御手段に対応し、出力レジスタ602は、発明1、2及び4のいずれか1に記載の出力信号生成手段に対応する。
〔第4実施形態〕
次に、本発明の第4実施形態を図面に基づき説明する。図16〜図18は、本発明に係る逐次比較型A/D変換器の第4実施形態を示す図である。
本実施形態の逐次比較型A/D変換器4は、6つのコンパレータ804a、804b、804c、804d、804e及び804f(以下、804a〜804fと略す)を用いて比較判定動作を行う点が上記第1〜第3実施形態の逐次比較型A/D変換器1〜3と異なる。
まず、図16に基づき、本実施形態の逐次比較型A/D変換器4の詳細な構成を説明する。
ここで、図16は、本発明の第4実施形態に係る逐次比較型A/D変換器4の構成を示す図である。
逐次比較型A/D変換器4は、アナログ入力信号Ainを、nビット(nは2以上の自然数)のデジタル出力信号VoutへとA/D変換するものであって、図16に示すように、制御部801と、出力レジスタ802と、コンパレータ804a〜804fとを含んで構成される。
更に、逐次比較型A/D変換器4は、スイッチ803a〜803cと、チャージポンプ構造部805_1〜805_(n+1)と、ストレージノードSNとを含んで構成される。
ここで、スイッチ803a〜803cと、チャージポンプ構造部805_1〜805_(n+1)の構成は、上記第1実施形態のスイッチ103a〜103cと、CP構造部105_1〜105_(n+1)と同様となる。
CP構造部805_1〜805_(n+1)の入力端子Vinは、スイッチ803bとスイッチ803cの右端に接続されており、スイッチ803bがオンした場合は、CP構造部805_1〜805_(n+1)の入力端子Vinはアナログ入力信号Ainの入力ノードに接続される。また、スイッチ803cがオンした場合は、CP構造部805_1〜805_(n+1)の入力端子Vinは電源ノードVCに接続される。
CP構造部805_1〜805_(n+1)の入力端子VPは、電源ノードVRPに接続され、CP構造部805_1〜805_(n+1)の入力端子VNは、電源ノードVRNに接続されている。
CP構造部805_1〜805_(n+1)は、ストレージノードSNを介して、スイッチ803aと、コンパレータ804a〜804fの反転入力端子とに接続されている。そして、スイッチ803aがオンした場合、ストレージノードSNは、電源ノードVCに短絡される。
ここで、コンパレータ804aの出力(判定信号)をDOP[0]と表し(Pは1〜(n/2)の自然数)、コンパレータ804bの出力(判定信号)をDOP[1]と表し、コンパレータ804cの出力(判定信号)をDOP[2]と表すとする。更に、コンパレータ804dの出力(判定信号)をDOP[4]と表し、コンパレータ804eの出力(判定信号)をDOP[5]と表し、コンパレータ804fの出力(判定信号)をDOP[6]と表すとする。更に、これらをまとめて判定信号DOP[5:0]と表す。この判定信号DOP[5:0]は、制御部801及び出力レジスタ802にそれぞれ入力される。
制御部801は、組み合わせ回路等で構成され、CP構造部805_1〜805_(n+1)の各スイッチと、スイッチ803a〜803cとに対して、これらのオン・オフの状態を切り替える制御信号CTRLを出力する。
具体的に、コンパレータ804a〜804fからの判定信号DOP[5:0](DO1[5:0]〜DO(n/2)[5:0])に基づいて、アナログ入力電圧Ainに対応する内部電圧が得られる各スイッチのオン・オフの組み合わせを決定する。そして、決定したオン・オフの組み合わせに対応する制御信号CTRLを生成して、これをCP構造部805_1〜805_(n+1)の各スイッチと、スイッチ803a〜803cとに供給して各スイッチのオン・オフを順次切り替える。これにより、アナログ入力電圧Ainに対応する内部電圧を得るようにしている。
また、制御部801は、トリガクロックCLKを、出力レジスタ802と、コンパレータ804a〜804fとに供給する機能も有している。
なお、制御部801は、トリガクロックCLKを生成する発振回路を内部に有する構成としてもよいし、外部発振回路から供給されるクロック信号に基づきトリガクロックCLKを生成する構成としてもよい。
コンパレータ804aは、制御部801からのトリガクロックCLKに同期して、反転入力端子に入力されるストレージノードSNの電圧VSNと正転入力ノードに入力される基準信号電圧VH3(VH3=VC+(5/8)・VR)との大小を判定する。そして、「VSN<VH3」のときは、判定信号DOP[0]として、ハイレベルの信号(「DOP[0]=1」)を出力し、「VSN>VH3」のときは、判定信号DOP[0]として、ローレベルの信号(「DOP[0]=0」)を出力する。
コンパレータ804bは、制御部801からのトリガクロックCLKに同期して、反転入力端子に入力されるストレージノードSNの電圧VSNと正転入力ノードに入力される基準信号電圧VH2(VH2=VC−(3/8)・VR)との大小を判定する。そして、「VSN<VH2」のときは、判定信号DOP[1]として、ハイレベルの信号(「DOP[1]=1」)を出力し、「VSN>VH2」のときは、判定信号DOP[1]として、ローレベルの信号(「DOP[1]=0」)を出力する。
コンパレータ804cは、制御部801からのトリガクロックCLKに同期して、反転入力端子に入力されるストレージノードSNの電圧VSNと正転入力ノードに入力される基準信号電圧VH1(VH1=VC−(1/8)・VR)との大小を判定する。そして、「VSN<VH1」のときは、判定信号DOP[2]として、ハイレベルの信号(「DOP[2]=1」)を出力し、「VSN>VH1」のときは、判定信号DOP[2]として、ローレベルの信号(「DOP[2]=0」)を出力する。
コンパレータ804dは、制御部801からのトリガクロックCLKに同期して、反転入力端子に入力されるストレージノードSNの電圧VSNと正転入力ノードに入力される基準信号電圧VL1(VL1=VC+(1/8)・VR)との大小を判定する。そして、「VSN<VL1」のときは、判定信号DOP[3]として、ハイレベルの信号(「DOP[3]=1」)を出力し、「VSN>VL1」のときは、判定信号DOP[3]として、ローレベルの信号(「DOP[3]=0」)を出力する。
コンパレータ804eは、制御部801からのトリガクロックCLKに同期して、反転入力端子に入力されるストレージノードSNの電圧VSNと正転入力ノードに入力される基準信号電圧VL2(VL2=VC+(3/8)・VR)との大小を判定する。そして、「VSN<VL2」のときは、判定信号DOP[4]として、ハイレベルの信号(「DOP[4]=1」)を出力し、「VSN>VL2」のときは、判定信号DOP[4]として、ローレベルの信号(「DOP[4]=0」)を出力する。
コンパレータ804fは、制御部801からのトリガクロックCLKに同期して、反転入力端子に入力されるストレージノードSNの電圧VSNと正転入力ノードに入力される基準信号電圧VL3(VL3=VC+(5/8)・VR)との大小を判定する。そして、「VSN<VL3」のときは、判定信号DOP[5]として、ハイレベルの信号(「DOP[5]=1」)を出力し、「VSN>VL3」のときは、判定信号DOP[5]として、ローレベルの信号(「DOP[5]=0」)を出力する。
また、制御部801からはトリガクロックCLKが出力レジスタ802に出力されており、また、コンパレータ804a〜804fからは判定信号DOP[5:0]が出力レジスタ802に出力されている。
出力レジスタ802は、メモリ部と演算部とを有し、演算部において、コンパレータ804a〜804fの出力する判定信号DOP[5:0]に基づき出力値DP(Pは1〜(n/2)の自然数)を演算し、これをメモリ部に記憶し保持する。また、演算部において、メモリ部に保持した判定結果D1〜D(n/2)に基づき、公知の方法を用いてnビットのデジタル出力信号Voutを生成する。
具体的に、演算部は、「DOP[5:0]=111111」のときに「DP=110」を出力値としてメモリ部に記憶し、また、「DOP[5:0]=011111」のときに「DP=101」を出力値としてメモリ部に記憶する。更に、「DOP[5:0]=001111」のときに「DP=100」を出力値としてメモリ部に記憶し、また、「DOP[5:0]=000111」のときに「DP=011」を出力値としてメモリ部に記憶する。更に、「DOP[5:0]=000011」のときに「DP=010」を出力値としてメモリ部に記憶し、また、「DOP[5:0]=000001」のときに「DP=001」を出力値としてメモリ部に記憶する。
そして、メモリ部に(n/2)個の出力値「D1〜D(n/2)」までが記憶された後に、公知の方法によりデジタル出力信号Voutを生成する。
次に、図17〜図18に基づき、本実施形態の逐次比較型A/D変換器4の動作を説明する。
以下、CP構造部805_1〜805_(n+1)が、ストレージノード電圧VSNを4倍に昇圧する構成(各CP構造部の単位回路が図6に示す構成)であるとする。
ここで、図17(a)は、被判定電圧である、ストレージノード電圧VSNの反転極性の電圧をプロットした一例を示す図である。図17(a)において、縦軸が電圧、横軸が時間を表し、コンパレータ404a及び404bの最上位ビット(MSB)の判定時刻を「t=0」としている。また、図17(b)は、制御部801から出力されるトリガクロックCLKの、時刻「t=0」以降の変化の一例を示す図であり、コンパレータ804a〜804fの一定間隔の判定タイミングを表している。また、図17(c)は、コンパレータ804a〜804fの判定信号DO1[5:0]〜DO3[5:0]に基づく出力レジスタ802の出力値D1〜D3の一例を示す図である。
また、図17では、一例として「VRP−VC=VC−VRN=VR」とし、「Ain=(10.8/16)×VR」の入力電圧Ainがサンプリングされた場合について表している。
また、図18は、判定結果D1〜D3に基づき出力されるデジタル出力信号Voutの上位5ビットの一例を示す図である。
初期状態としてCP構造部805_1〜805_(n+1)の入力端子Vinの電圧がアナログ入力信号Ainに追従している場合、そのスイッチ状態はスイッチ803a、スイッチ803cがオンしており、スイッチ803bがオフしている。
アナログ入力信号AinをCP構造部805_1〜805_(n+1)によってサンプリング(離散化)する時刻において、制御信号CTRLによってスイッチ803aがオフし、ただちにスイッチ803cがオフする。その後にスイッチ803bがオンすることにより、サンプリングされたAinが極性を反転させて「−Ain[V]」としてストレージノードSNに現れる。ここで、スイッチ803bとスイッチ803cは同時にオンしないノンオーバーラップの関係が成り立っている。
電荷再分配が十分に行われ、便宜上寄生容量を無視した場合、ストレージノードSNの電圧VSNが「−Ain」に十分に収束した時刻に第1判定立ち上がりクロック(図17(b)中、t=0)がコンパレータ804a〜804fに入力される。
これにより、コンパレータ804aにおいては、第1判定立ち上がりクロックに応じて、電圧VSNと電圧VH3とが比較され、コンパレータ804bにおいては、第1判定立ち上がりクロックに応じて、電圧VSNと電圧VH2とが比較される。また、コンパレータ804cにおいては、第1判定立ち上がりクロックに応じて、電圧VSNと電圧VH1とが比較され、コンパレータ804dにおいては、第1判定立ち上がりクロックに応じて、電圧VSNと電圧VL1とが比較される。また、コンパレータ804eにおいては、第1判定立ち上がりクロックに応じて、電圧VSNと電圧VL2とが比較され、コンパレータ804fにおいては、第1判定立ち上がりクロックに応じて、電圧VSNと電圧VL3とが比較される。
そして、「−Ain<VL3」、すなわち「Ain>VH3」の場合は、コンパレータ804a〜804fから「DO1[5:0]=111111」が出力される。また、「VL2>−Ain>VL3」、すなわち「VH2<Ain<VH3」の場合は、コンパレータ804a〜804fから「DO1[5:0]=011111」が出力される。また、「VL1>−Ain>VL2」、すなわち「VH1<Ain<VH2」の場合は、コンパレータ804a〜804fから「DO1[5:0]=001111」が出力される。また、「VH1>−Ain>VL1」、すなわち「VL1<Ain<VH1」の場合は、コンパレータ804a〜804fから「DO1[5:0]=000111」が出力される。また、「VH2>−Ain>VH1」、すなわち「VL2<Ain<VL1」の場合は、コンパレータ804a〜804fから「DO1[5:0]=000011」が出力される。また、「VH3>−Ain>VH2」、すなわち「VL3<Ain<VL2」の場合は、コンパレータ804a〜804fから「DO1[5:0]=000001」が出力される。また、「−Ain>VH3」、すなわち「VH3<Ain」の場合は、コンパレータ804a〜804fから「DO1[5:0]=000000」が出力される。
第1判定立ち上がりクロックの判定結果である第1判定結果が、「DO1[5:0]=111111」である場合、この判定結果に基づき、制御部801において、CP構造部805_1〜805_(n+1)(但し、nは偶数であるとする)が制御される。具体的に、制御部801は、「DO1[5:0]=111111(D1=110)」を、制御信号CTRLとしてCP構造部805_1〜805_(n+1)に入力する。
これにより、CP構造部805_1〜805_nについて、スイッチ202c_11、21、31、・・・、4(n-2)1をオフにし、スイッチ202d_1〜202d_4(n-2)をオンにする。この切り替えによって、CP構造部805_1〜805_nのキャパシタ201_11、21、31、・・・、4(n-2)1が入力端子VPに接続される。
次に、制御部801は、制御信号CTRLを、CP構造部805_1〜805_(n+1)に入力し、電圧VSNを4倍に昇圧する。これにより、電圧VSNは、電荷再分配により「−4・{Ain−(3/4)VR}[V]」になる。
また、第1判定結果が、「DO1[5:0]=011111」である場合、制御部801において、CP構造部805_1〜805_nが制御される。具体的に、制御部801は、「DO1[5:0]=011111(D1=101)」を、制御信号CTRLとしてCP構造部805_1〜805_nに入力する。
これにより、奇数番目のCP構造部805_1、3、5、・・・、(n−3)、(n−1)のスイッチ202c_11、21、31、・・・、4(n-2)1をオフにし、スイッチ202d_1〜202d_4(n-2)をオンにする。この切り替えによって、奇数番目のCP構造部のキャパシタ201_11、21、31、・・・、4(n-2)1が入力端子VPに接続される。
一方、偶数番目のCP構造部805_2、4、6、・・・、(n−2)、nは、スイッチの切替が行われず、偶数番目のCP構造部のキャパシタ201_11、21、31、・・・、4(n-2)1は入力端子Vinに接続されたままとなる。
次に、制御部801は、制御信号CTRLを、CP構造部805_1〜805_(n+1)に入力し、電圧VSNを4倍に昇圧する。これにより、電圧VSNは、電荷再分配により「−4・{Ain−(2/4)VR}[V]」になる。
また、第1判定結果が、「DO1[5:0]=001111」である場合、制御部801において、CP構造部805_1〜805_nが制御される。具体的に、制御部801は、「DO1[5:0]=001111(D1=100)」を、制御信号CTRLとしてCP構造部805_1〜805_nに入力する。
これにより、偶数番目のCP構造部のスイッチ202c_11、21、31、・・・、4(n-2)1をオフにし、スイッチ202d_1〜202d_4(n-2)をオンにする。この切り替えによって、偶数番目のCP構造部のキャパシタ201_11、21、31、・・・、4(n-2)1が入力端子VPに接続される。
一方、奇数番目のCP構造部は、スイッチの切替が行われず、キャパシタ201_11、21、31、・・・、4(n-2)1は入力端子Vinに接続されたままとなる。
次に、制御部801は、制御信号CTRLを、CP構造部805_1〜805_(n+1)に入力し、電圧VSNを4倍に昇圧する。これにより、電圧VSNは、電荷再分配により「−4・{Ain−(1/4)VR}[V]」になる。
また、第1判定結果が、「DO1[5:0]=000111」である場合、制御部801は、「DO1[5:0]=000111(D1=011)」を、制御信号CTRLとしてCP構造部805_1〜805_nに入力する。しかし、この場合は、スイッチの切替が行われず、CP構造部805_1〜805_nのキャパシタ201_11〜201_4(n-2)1は入力端子Vinに接続されたままとなる。
次に、制御部801は、制御信号CTRLを、CP構造部805_1〜805_(n+1)に入力し、電圧VSNを4倍に昇圧する。これにより、電圧VSNは、電荷再分配により「−4・Ain[V]」になる。
また、第1判定結果が、「DO1[5:0]=000011」である場合、制御部801において、CP構造部805_1〜805_nが制御される。具体的に、制御部801は、「DO1[5:0]=000011(D1=010)」を、制御信号CTRLとしてCP構造部805_1〜805_nに入力する。
これにより、偶数番目のCP構造部のスイッチ202c_11、21、31、・・・、4(n-2)1をオフにし、スイッチ202e_1〜202e_4(n-2)をオンにする。この切り替えによって、偶数番目のCP構造部のキャパシタ201_11、21、31、・・・、4(n-2)1が入力端子VNに接続される。
一方、奇数番目のCP構造部は、スイッチの切替が行われず、キャパシタ201_11、21、31、・・・、4(n-2)1は入力端子Vinに接続されたままとなる。
次に、制御部801は、制御信号CTRLを、CP構造部805_1〜805_(n+1)に入力し、電圧VSNを4倍に昇圧する。これにより、電圧VSNは、電荷再分配により「−4・{Ain+(1/4)VR}[V]」になる。
また、第1判定結果が、「DO1[5:0]=000001」である場合、制御部801において、CP構造部805_1〜805_nが制御される。具体的に、制御部801は、「DO1[5:0]=000001(D1=001)」を、制御信号CTRLとしてCP構造部805_1〜805_nに入力する。
これにより、奇数番目のCP構造部のスイッチ202c_11、21、31、・・・、4(n-2)1をオフにし、スイッチ202e_1〜202e_4(n-2)をオンにする。この切り替えによって、奇数番目のCP構造部のキャパシタ201_11、21、31、・・・、4(n-2)1が入力端子VNに接続される。
一方、偶数番目のCP構造部は、スイッチの切替が行われず、キャパシタ201_11、21、31、・・・、4(n-2)1は入力端子Vinに接続されたままとなる。
次に、制御部801は、制御信号CTRLを、CP構造部805_1〜805_(n+1)に入力し、電圧VSNを4倍に昇圧する。これにより、電圧VSNは、電荷再分配により「−4・{Ain+(2/4)VR}[V]」になる。
また、第1判定結果が、「DO1[5:0]=000000」である場合、制御部801において、CP構造部805_1〜805_nが制御される。具体的に、制御部801は、「DO1[5:0]=000000(D1=000)」を、制御信号CTRLとしてCP構造部805_1〜805_nに入力する。
これにより、CP構造部805_1〜805_nのスイッチ202c_11、21、31、・・・、4(n-2)1をオフにし、スイッチ202e_1〜202e_4(n-2)をオンにする。この切り替えによって、CP構造部805_1〜805_nのキャパシタ201_11、21、31、・・・、4(n-2)1が入力端子VNに接続される。
次に、制御部801は、制御信号CTRLを、CP構造部805_1〜805_(n+1)に入力し、電圧VSNを4倍に昇圧する。これにより、電圧VSNは、電荷再分配により「−4・{Ain+(3/4)VR}[V]」になる。
なお、CP構造部805_(n+1)のスイッチ群203_1〜203_4(n-2)には、コンパレータ804a〜804fの判定結果は反映されず、常にVin(VC)に繋げた状態とする。
同様に、第W番目(W:2〜(n/2−1)の自然数)の立ち上がりクロックが入力された時刻において、コンパレータ804aによって電圧VSNと基準信号電圧VH3とを比較し、また、コンパレータ804bによって電圧VSNと基準信号電圧VH2とを比較する。また、第W番目の立ち上がりクロックが入力された時刻において、コンパレータ804cによって電圧VSNと基準信号電圧VH1とを比較し、また、コンパレータ804dによって電圧VSNと基準信号電圧VL1とを比較する。また、第W番目の立ち上がりクロックが入力された時刻において、コンパレータ804eによって電圧VSNと基準信号電圧VL2とを比較し、また、コンパレータ804fによって電圧VSNと基準信号電圧VL3とを比較する。そして、これらの比較判定結果(DOW[5:0])に応じてCP構造部805_1〜805_nを制御する。
上位ビットから順に比較判定動作を行い、第(n/2−1)番目の立ち上がりクロックが入力された時刻において、コンパレータ804aによって電圧VSNと基準信号電圧VH3とを比較し、また、コンパレータ804bによって電圧VSNと基準信号電圧VH2とを比較する。また、第(n/2−1)番目の立ち上がりクロックが入力された時刻において、コンパレータ804cによって電圧VSNと基準信号電圧VH1とを比較し、また、コンパレータ804dによって電圧VSNと基準信号電圧VL1とを比較する。また、第(n/2−1)番目の立ち上がりクロックが入力された時刻において、コンパレータ804eによって電圧VSNと基準信号電圧VL2とを比較し、また、コンパレータ804fによって電圧VSNと基準信号電圧VL3とを比較する。そして、これらの比較判定結果(DO(n/2−1)[5:0])に応じてCP構造805_1〜805_nを制御する。
その後、第(n/2)番目の立ち上がりクロックが入力された時刻において、コンパレータ804aによって電圧VSNと基準信号電圧VH3とを比較し、また、コンパレータ804bによって電圧VSNと基準信号電圧VH2とを比較する。また、第(n/2−1)番目の立ち上がりクロックが入力された時刻において、コンパレータ804cによって電圧VSNと基準信号電圧VH1とを比較し、また、コンパレータ804dによって電圧VSNと基準信号電圧VL1とを比較する。また、第(n/2−1)番目の立ち上がりクロックが入力された時刻において、コンパレータ804eによって電圧VSNと基準信号電圧VL2とを比較し、また、コンパレータ804fによって電圧VSNと基準信号電圧VL3とを比較する。
これにより、出力レジスタ802は、演算部において、メモリ部に格納されたD1〜D(n/2)に基づき、nビットの出力信号データVoutを生成し、該生成したVoutを出力する。
次に、図17(a)〜(c)に基づき、一例として「SN=−(10.8/16)VR」がサンプリングされた場合の比較判定動作を説明する。ここでは、昇圧する倍率を4倍に固定する。
図17(a)〜(c)に示すように、第1判定立ち上がりクロックにおいて「−(10.8/16)VR<VL3」であるため、「D1=110」が出力される。その結果、CP構造部805_1〜805nのスイッチ群203_1〜203_4(n-2)が制御され、キャパシタ201_11、21、31、・・・、4(n-2)1の左端が電源ノードVRPに接続される。
更に、CP構造部805_1〜805_(n+1)の各スイッチが制御され、電圧VSNが4倍に昇圧される。これにより、「VSN=4{−(10.8/16)VR+(3/4)VR}=(4.8/16)VR」となる。
引き続き、第2判定立ち上がりクロックにおいて、「VH1<(4.8/16)VR<VH2」であるため、「D2=010」が出力される。その結果、CP構造部805_1〜805_nが制御され、偶数番目のCP構造部のキャパシタ201_11、21、31、・・・、4(n-2)1が入力端子VNに接続される。これにより、「VSN=4{(4.8/16)VR−(1/4)VR}=(3.2/16)VR」となる。
上記同様の処理が繰り返され、第(n/2)判定立ち上がりクロックによってD(n/2)が決定されると、nビットの逐次比較動作が完了する。そして、出力レジスタ802の演算部において、メモリ部に格納されたD1〜D(n/2)に基づき、予め設定された演算規則に従ってnビットのデジタル出力信号Voutが生成され、該生成されたVoutが出力される。
本実施形態において、Voutを生成する演算規則は、まず、Dnの最上位桁とD(n−1)の最下位桁を2進法で加算する。次に、この結果に基づいて、D(n−1)の最上位桁とD(n−2)の最下位桁を、同じく2進法で加算する。以下これを繰り返して、D1の最下位桁とD2の最上位桁までを足し合わせる。D1〜Dnについて全て足し合わされた結果がデジタル出力信号Voutとなる。
ここで、図17(c)に示すように、第3判定立ち上がりクロックまでの比較判定動作の出力値は、D1=「110」、D2=「010」、D3=「010」となる。この場合における、上位5ビットのデジタル出力信号の値は、図18に示すように、「11010」となる。ここで、出力レジスタ802は、シフトレジスタと加算器などで構成される。
以上、本実施形態の逐次比較型A/D変換器3は、2回目以降の比較判定動作において、コンパレータ804a〜804fの被判定信号である、ストレージノードSNの電圧VSNをCP構造部805_1〜805_(n+1)によって2M倍に昇圧することが可能である。
これにより、従来と比較して、コンパレータへの精度要求を緩和することができる。この結果、コンパレータの消費電力の増大、半導体集積化したときのコンパレータ部分のレイアウトエリアの増大を回避できるため、コンパクト化と省電力化を達成することができる。
更に、本実施形態の逐次比較型A/D変換器4は、コンパレータ804a〜804fの6つのコンパレータを用いて比較判定動作を行うことで、判定信号に冗長性を持たせることができる。
これにより、公知の方法から、コンパレータの誤判定が1/4以下である場合に、後段の判定結果から正確な出力値を導き出すことが可能となり、コンパレータには1LSB以下の判定精度が要求されず、高速に判定させる場合に、消費電力の増大や、半導体集積化したときのレイアウトエリアの増大を避けることができる。
更に、本実施形態の逐次比較型A/D変換器4は、コンパレータ804a〜804fの6つのコンパレータを用いて比較判定動作を行うことで、1回の判定動作で2.5ビットの判定を行うことができる。
これにより、従来の半分の総判定時間でnビットのA/D変換が完了するため、高速な逐次比較型A/D変換器の設計が容易となる。
なお、本実施形態では、1回の判定において2.5ビットの判定を行う逐次比較動作の構成を例に挙げて説明したが、この構成に限らない。例えば、(2Y+1−2)個のコンパレータを具備し、それぞれの正転入力電圧を「{VR/2Y+1・y(y=0、±1、±2、・・・、±(2Y+1−3))」と設定する。更に、ストレージノード電圧VSNを、2Y倍に昇圧することが可能なCP構造部805_1〜805_(n+1)を具備することで、1回の判定において(Y+0.5)ビットの判定を行うことが可能な逐次比較型A/D変換器を実現することができる。
上記第4実施形態において、CP構造部805_1〜805_(n+1)のキャパシタ201_11は、発明1に記載の第1〜第nの第1キャパシタに対応する。
また、上記第4実施形態において、CP構造部805_1〜805_(n+1)のキャパシタ201_12〜(2M(n-2)(2M)は、発明2に記載の第2キャパシタ群に対応する。
また、上記第4実施形態において、スイッチ803b〜803c、CP構造部805_1〜805_(n+1)のスイッチ群203_1〜203_(2M(n-2)は、発明1に記載の切替手段に対応する。
また、上記第4実施形態において、CP構造部805_1〜805_(n+1)のスイッチ202a_11〜202a_(2M(n-2)(2M)は、発明2に記載の第1切替部に対応し、CP構造部805_1〜805_(n+1)のスイッチ202b_11〜202b_(2M(n-2)(2M)は、発明2に記載の第2切替部に対応する。
また、上記第4実施形態において、CP構造部805_1〜805_(n+1)のスイッチ202c_12〜(2M(n-2)(2M)は、発明2に記載の第3切替部に対応する。
また、上記第4実施形態において、CP構造部805_1〜805_(n+1)は、発明1又は2に記載の昇圧手段に対応する。
また、上記第4実施形態において、コンパレータ804a〜804cは、発明5に記載の第1比較判定部に対応し、コンパレータ804d〜804fは、発明5に記載の第2比較判定部に対応し、制御部801は、発明1又は2に記載の制御手段に対応し、出力レジスタ802は、発明1、2及び5のいずれか1に記載の出力信号生成手段に対応する。
なお、上記実施形態において、図3や図6などに示した構成のCP構造部を用いて、電圧VSNを昇圧する構成としたが、この構成に限らず、電荷比較方式で逐次比較動作が可能な構成であれば、他の構成としてもよい。
また、上記実施形態は、本発明の好適な具体例であり、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、上記の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの形態に限られるものではない。また、上記の説明で用いる図面は、図示の便宜上、部材ないし部分の縦横の縮尺は実際のものとは異なる模式図である。
また、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
1〜4…逐次比較型A/D変換器、101,401,601,801…制御部、102,402,602,802…出力レジスタ、104,404a,404b,606a〜606c,804a〜804f…コンパレータ、103a,403a,603a,803a,103b,403b,603b,803b,103c,403c,603c,803c…スイッチ、105_1〜105_(n+1),405_1〜405_(n+1),605_1〜605_(n+1),805_1〜805_(n+1)…CP構造部

Claims (5)

  1. アナログ入力信号をnビット(nは2以上の自然数)のデジタル出力信号に変換する電荷比較方式の逐次比較型A/D変換器であって、
    一端が共通接続され、静電容量がそれぞれ、基準容量Cを2の累乗値の逆数を用いて重み付けした容量に設定された第1〜第nの第1キャパシタと、前記第nの第1キャパシタと同じ容量に設定された第(n+1)の第1キャパシタとを含む第1キャパシタ群と、
    前記第1〜第(n+1)の第1キャパシタの各他端と、前記アナログ信号の入力ノード、アナログコモン電圧の供給ノード、第1電圧の供給ノード及び第1電圧とは異なる第2電圧の供給ノードのうちいずれか1つのノードとの電気的な接続を切り替える切替手段と、
    前記第1〜第(n+1)の第1キャパシタの各他端を前記アナログコモン電圧、前記第1電圧及び前記第2電圧の供給ノードのいずれか1つに選択的に接続したときの前記一端の共通接続部の電圧と基準信号電圧とを比較し、比較結果に応じた判定信号を出力する比較判定動作を行う比較判定手段と、
    前記比較判定動作の動作タイミングにおいて前記共通接続部の電圧を昇圧する昇圧手段と、
    前記比較判定手段の判定信号に基づき、上位ビットから順に前記nビットの各ビットに対する前記比較判定動作が逐次実行されるように、前記切替手段の切替動作、前記比較判定手段の比較判定動作及び前記昇圧手段の昇圧動作を制御する制御手段と、
    前記比較判定手段の判定信号に基づき、前記nビットのデジタル出力信号を生成する出力信号生成手段と、を備えることを特徴とする逐次比較型A/D変換器。
  2. 前記昇圧手段は、静電容量がそれぞれ、前記第1〜第(n+1)の第1キャパシタと同じ容量に設定された第1〜第(n+1)の第1〜第((2M(n-1)−1)(Mは自然数)キャパシタを含む第2キャパシタ群と、前記第2キャパシタ群の前記第1〜第(n+1)の第1〜第(2M(n-1)キャパシタの各一端と、前記共通接続部との接続と切断とをそれぞれ選択的に切り替える第1切替部と、前記第2キャパシタ群の第m(mは、1〜(n+1)の自然数)の第1〜第((2M(n-1)−1)キャパシタの各他端と、前記第1キャパシタ群の第mの第1キャパシタの一端又は前記第2キャパシタ群の第mの第1〜((2M(n-1)−2)キャパシタの各一端との電気的な接続と切断とをそれぞれ選択的に切り替える第2切替部と、前記第2キャパシタ群の第1〜第(n+1)の第1〜第((2M(n-1)−1)キャパシタの各他端と、前記アナログ信号の入力ノード、前記アナログコモン電圧の供給ノード、前記第1電圧の供給ノード及び前記第2電圧の供給ノードのうち少なくともいずれか1つのノードとの電気的な接続と切断とをそれぞれ選択的に切り替える第3切替部とを有し、
    前記制御手段は、前記nビットにおける第2ビット目以降の各ビットの比較判定動作の動作タイミングにおいて、前記第1〜第3切替部の切替動作を制御して、前記第1キャパシタ群の各第1キャパシタと、該各第1キャパシタと同じ静電容量の前記第2キャパシタ群の各第1〜第((2M(n-1)−1)キャパシタとを選択的に直列接続して、前記共通接続部の電圧を昇圧する制御を行うことを特徴とする請求項1に記載の逐次比較型A/D変換器。
  3. 前記比較判定手段は、前記共通接続部の電圧と第1基準信号電圧とに対して前記比較判定動作を行う第1比較判定部と、前記共通接続部の電圧と前記第1基準信号電圧とは異なる第2基準信号電圧とに対して前記比較判定動作を行う第2比較判定部とを有し、前記nビットの各ビットの比較判定動作において、前記第1比較判定部及び前記第2比較判定部の比較判定動作を並列に行い、
    前記出力信号生成手段は、前記各ビットに対応する前記第1比較判定部及び前記第2比較判定部の判定信号に基づき、前記nビットのデジタル出力信号を生成することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の逐次比較型A/D変換器。
  4. 前記アナログ入力信号を4ビット以上のデジタル出力信号に変換する場合に、
    前記比較判定手段は、(2Z−1)個(Zは、2≦Z≦(n/2)の自然数)の比較判定部を有し、前記(2Z−1)個の比較判定部の比較判定動作を並列に行うと共に、この並列に行われる比較判定動作を、前記nビットに対して(n/Z)回行い、
    前記(2Z−1)個の比較判定部は、前記共通接続部の電圧と接地電位である第1基準信号電圧とに対して前記比較判定動作を行う第1比較判定部と、前記共通接続部の電圧と、A/D変換可能な最大電圧値を(2Z−1)で割った値にzp(zp=1、2、・・・、(Z−1))を乗算した正の電圧値の第2基準信号電圧とに対する比較判定動作を行う(2Z-1−1)個の第2比較判定部と、前記共通接続部の電圧と、前記最大電圧値を(2Z−1)で割った値にzn(zn=−1、−2、・・・、−(Z−1))を乗算した負の電圧値の第3基準信号電圧とに対して前記比較判定動作を行う(2M-1−1)個の第3比較判定部とを有し、
    前記出力信号生成手段は、前記並列に行われる比較判定動作における前記第1比較判定部、前記第2比較判定部及び前記第3比較判定部の各回の判定信号に基づき前記nビットにおけるZビット分のデジタル値を生成し、生成した(n/Z)回分のデジタル値に基づき前記nビットのデジタル出力信号を生成することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の逐次比較型A/D変換器。
  5. 前記アナログ入力信号を5ビット以上のデジタル出力信号に変換する場合に、
    前記比較判定手段は、(2Y+1−2)個(Yは2以上の自然数)の比較判定部を有し、前記(2Y+1−2)個の比較判定部の比較判定動作を並列に行うと共に、この並列に行われる比較判定動作を、前記nビットに対して(n/(Y+0.5))回行い、
    前記(2Y+1−2)個の比較判定部は、前記共通接続部の電圧と、A/D変換可能な最大電圧値を(2Y+1)で割った値にyp(yp=1、2、・・・、(2Y+1−3))を乗算した正の電圧値の第1基準信号電圧とに対する比較判定動作を行う(2Y−1)個の第1比較判定部と、前記共通接続部の電圧と、前記最大電圧値を(2Y+1)で割った値にyn(yn=−1、−2、・・・、−(2Y+1−3))を乗算した負の電圧値の第2基準信号電圧とに対して前記比較判定動作を行う(2Y−1)個の第2比較判定部とを有し、
    前記出力信号生成手段は、前記並列に行われる比較判定動作における前記第1比較判定部及び前記第2比較判定部の各回の判定信号に基づき前記nビットにおける(Y+0.5)ビット分のデジタル値を生成し、生成した(n/(Y+0.5))回分のデジタル値に基づき前記nビットのデジタル出力信号を生成することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の逐次比較型A/D変換器。
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