JP5208580B2 - 浄水カートリッジ、浄水カートリッジの製造方法、および浄水器 - Google Patents
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Description
(1)原水通路と浄水通路とが形成されたケースと、該ケースの内部に備えられ、両端が開口した筒状体とを有し、
前記ケースは、略有底円筒状のケース本体と、該ケース本体の開口部に固定され、複数の突出部が形成された蓋とで構成され、
該筒状体の内部に、活性炭を結合材により一定形状に成形した成形活性炭が収容され、
前記成形活性炭は、その全面が不織布によって被包され、
前記突出部が前記不織布を押圧することを特徴とする浄水カートリッジ。
(2)前記成形活性炭に、前記不織布の少なくとも一部分が融着して固定されていることを特徴とする(1)に記載の浄水カートリッジ。
(3)前記不織布に、活性炭繊維が含有されていることを特徴とする(1)または(2)に記載の浄水カートリッジ。
(4)前記不織布に、イオン交換繊維が含有されていることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の浄水カートリッジ。
(5)前記成形活性炭は、前記筒状体に圧入されていることを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載の浄水カートリッジ。
(6)該筒状体の内部に、前記不織布に被包された成形活性炭よりも下流側に、中空糸膜が収容されていることを特徴とする(1)〜(5)のいずれかに記載の浄水カートリッジ。
(7)両端が開口した筒状体の内部に、整流板と、活性炭を結合材により一定形状に成形し、その全面が不織布によって被包された成形活性炭とを、この順に並ぶように収容した後、
前記筒状体を、略有底円筒状のケース本体を備え、原水通路と浄水通路とが形成されたケース内に、前記成形活性炭が前記整流板に対して原水通路側に配されるよう固定し、前記ケース本体の開口部に、複数の突出部が形成された蓋を固定して、前記突出部で前記不織布を押圧することを特徴とする浄水カートリッジの製造方法。
(8)前記筒状体に、中空糸膜と、前記整流板と、その全面が不織布によって被包された前記成形活性炭とを、この順に並ぶように収容することを特徴とする(7)に記載の浄水カートリッジの製造方法。
(9)(1)〜(6)のいずれかに記載の浄水カートリッジと、蛇口から取り入れた原水が流れる通路を切換える切換機構を有した本体とからなることを特徴とする浄水器。
本発明の浄水カートリッジの製造方法によると、浄水カートリッジ組み立てを効率的に行うことができる。
該浄水カートリッジを用いた本発明の浄水器は、良質な浄水を安定して供給できる。
図1に示すように、本発明の一実施形態例の浄水カートリッジ4は、原水通路27と浄水通路26とが形成されたケース13と、ケース13の内部に備えられ、両端が開口した筒状体44とを有している。
ケース本体13aの内壁41には、雄コネクタ14aと雄コネクタ14cとの間の範囲に、ケース本体13aの底壁13cに向かって内径が徐々に縮径する縮径部42が形成されている。
筒状体44の外周の出口48近傍には、環状の溝51が形成され、この溝51にOリング52が装着されている。
筒状体44の内周面には、段差53が形成されている。段差53よりも入口47側の筒状体44の内周面は、出口48側よりも拡径して形成されるとともに、入口47から段差53に向かって徐々に縮径して先細り状となる縮径部53aが形成されている。
活性炭は、残留塩素、カビ臭、トリハロメタンなどの有機化合物の吸着力に優れた濾材である。
成形活性炭56に用いられる活性炭としては、活性炭繊維、粒状活性炭が挙げられる。中でも、被処理水との接触面積が大きく、吸着性、通水性が高い活性炭繊維が好ましい。また、活性炭繊維と粒状活性炭とを組み合わせて用いてもよい。
成形活性炭56中の活性炭の含有量は、85〜99%が好ましい。成形活性炭56中の活性炭の充填密度は、0.15〜0.30g/mlが好ましい。この範囲で成形活性炭56が成形されていることで、吸着性能を十分に確保しつつ小型化することができる。
成形活性炭56は、前記活性炭と前記結合材とを水中で混練してスラリー状とし、かかるスラリーを所定の型に入れ、加熱および加圧することで一定形状に成形されたものである。
不織布55としては、通水によっても形状を安定して維持でき、かつ水の透過が良好であることが好ましい。また、不織布55をプレフィルターとして効果的に作用させるには、不織布55の目付は、5〜100g/m2であることが好ましく、10〜30g/m2がより好ましい。また、不織布55をプレフィルターとして効果的に作用させるには、不織布55の厚みは、0.05〜1mmであることが好ましく、0.1〜0.3mmがより好ましい。
成形活性炭56と不織布55との融着の方法としては特に限定されないが、例えば熱溶融性を示す繊維を不織布55に混合し、この不織布55で成形活性炭56の全面を被包し、所望箇所を加熱することで、成形活性炭56と不織布55とを融着する方法などが挙げられる。
熱溶融性を示す繊維の材質としては、例えばポリアクリロニトリル、ポリビニルアルコール、ポリエチレンまたはポリプロピレンなどのポリオレフィン、などの熱可塑性樹脂が挙げられる。また、前記結合材として、繊維状のものを用いることは、接着性が向上する点で好ましい。
中空糸膜57としては、セルロース系、ポリオレフィン系(ポリエチレン、ポリプロピレン)、ポリビニルアルコール系、エチレン・ビニルアルコール共重合体、ポリエーテル系、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)系、ポリスルフォン系、ポリアクリロニトリル系、ポリ弗化エチレン系、ポリカーボネート系、ポリエステル系、ポリアミド系、芳香族ポリアミド系などの各種材料からなる中空糸膜を好適に使用できる。
ポッティング材58の材質としては、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリオレフィン樹脂などが挙げられる。
図1に示すように、中空糸膜と、前記整流板と、その全面が不織布によって被包された前記成形活性炭とを、この順に並ぶように収容する。この例の場合、整流板54および成形活性炭56は、図2に示すように、入口47側から筒状体44内に、整流板54、成形活性炭56の順に収容される。この際、成形活性炭56は、入口47側から筒状体44内に圧入される。これにより、図1に示すように、成形活性炭56は、その周面が(不織布55を介して)筒状体44の縮径部53aの内周面を押圧した状態、すなわち成形活性炭56の周面が筒状体44の内周面に密接した状態となる。
なお、成形活性炭56は、筒状体44の形状に合わせて適宜変更可能であり、例えば略円錐台状に形成されていてもよい。
また、中空糸膜57は、入口47側から筒状体44内に収容されてもよく、出口48側から筒状体44内に収容されてもよい。
このようにして、筒状体44は、その入口47および出口48方向への変位が規制された状態でケース13内に固定される。また、ケース本体13aの内部空間は、Oリング52によって仕切られ、Oリング52よりも入口47側に原水Aを入口47側に流す通路T1が形成され、Oリング52よりも出口48側に浄水Bが浄水通路26に向かって流すための通路T2が形成される。
原水Aは、雄コネクタ14bに設けられた原水通路27を通って、浄水カートリッジ4のケース13内に流入する。そして、原水Aは、ケース13の内周面と、筒状体44の外周面との間に形成される通路T1を、筒状体44の入口47側に向かって流れ、蓋13bの内面付近に到達した後、成形活性炭56を被包する不織布55と、蓋13bとの間に回り込み、筒状体44の入口47側から筒状体44内に流入する。
また、本発明の浄水カートリッジ4は、その組み立て時に、前述した3つの構成部材を夫々用意する必要が無いため、製造コストの削減を図ることができる。
また、本発明の浄水カートリッジの製造方法によると、浄水カートリッジの組み立てを効率的に行うことができる。
なお、本発明は圧入に限らず、筒状体44の内周に任意の形状の突起を設けて、成形活性炭56の周面をこの突起に引っ掛けるなどして収容してもよい。
なお、本発明は融着に限らず、接着剤やピンなどを用いて、不織布55を成形活性炭56に固定してもよい。
また、成形活性炭56は、1枚の不織布55で被包されてもよく、必要に応じて複数枚の不織布55で被包されてもよい。
イオン交換繊維としては、スルホン酸基を交換基とする強酸型、カルボン酸基を交換基とする弱酸型、4級アンモニウム基を交換基とする強塩基型、アミン基を交換基とする弱塩基型などが挙げられる。
浄水器1は、図3に示すように、水栓の蛇口2に取り付けられる本体3と、本体3の後面に着脱自在に設けられた浄水カートリッジ4とで概略構成されている。なお、この実施の形態では、蛇口2に対して図3に示すように浄水器1が取り付けられている状態で、蛇口2の正面、つまり蛇口2の延長線上に立った使用者から見た前後方向を、浄水器の前後方向と称し、前記状態で使用者から見た左右方向を浄水器の左右方向と称する。
なお、本発明における操作レバー9は左右幅方向に長尺であるものに限られず、例えば回動レバーや、上下方向に長尺なレバーであっても差し支えない。
浄水カートリッジ4には、略円筒状のケース13の外周壁に、前述した略円筒状の雄コネクタ14a,14b,14cが形成されている。雄コネクタ14aは前述した雌コネクタ12aと対をなすものであり、雄コネクタ14bは雌コネクタ12bと対をなすものである。また、雄コネクタ14cは雌コネクタ12cと対をなすものである。雌コネクタ12aと雄コネクタ14aとで浄水カートリッジ4と本体3との間の浄水の通路である浄水通路26を構成し、雌コネクタ12bと雄コネクタ14bとで浄水カートリッジ4と本体3との間の原水の通路である原水通路27を構成している。
また、カートリッジ4内での成形活性炭56、整流板54、ろ過膜(中空糸膜57)の並び順は特に限定されず、適宜変更可能である。整流板54は適宜省略可能である。
また、成形活性炭56を被包する不織布55とは別に、フェルトや不織布などのプレフィルターを任意の位置に設けてもよい。
本発明の浄水カートリッジの製造方法によると、浄水カートリッジの組み立てを効率的に行うことができる。
該浄水カートリッジを用いた本発明の浄水器は、良質な浄水を安定して供給できる。
3 本体
4 浄水カートリッジ
13 ケース
26 浄水通路
27 原水通路
44 筒状体
54 整流板
55 不織布
56 成形活性炭
57 中空糸膜(ろ過膜)
58 ポッティング材
Claims (9)
- 原水通路と浄水通路とが形成されたケースと、該ケースの内部に備えられ、両端が開口した筒状体とを有し、
前記ケースは、略有底円筒状のケース本体と、該ケース本体の開口部に固定され、複数の突出部が形成された蓋とで構成され、
該筒状体の内部に、活性炭を結合材により一定形状に成形した成形活性炭が収容され、
前記成形活性炭は、その全面が不織布によって被包され、
前記突出部が前記不織布を押圧することを特徴とする浄水カートリッジ。 - 前記成形活性炭に、前記不織布の少なくとも一部分が融着して固定されていることを特徴とする請求項1に記載の浄水カートリッジ。
- 前記不織布に、活性炭繊維が含有されていることを特徴とする請求項1または2に記載の浄水カートリッジ。
- 前記不織布に、イオン交換繊維が含有されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の浄水カートリッジ。
- 前記成形活性炭は、前記筒状体に圧入されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の浄水カートリッジ。
- 該筒状体の内部に、前記不織布に被包された成形活性炭よりも下流側に、中空糸膜が収容されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の浄水カートリッジ。
- 両端が開口した筒状体の内部に、整流板と、活性炭を結合材により一定形状に成形し、その全面が不織布によって被包された成形活性炭とを、この順に並ぶように収容した後、
前記筒状体を、略有底円筒状のケース本体を備え、原水通路と浄水通路とが形成されたケース内に、前記成形活性炭が前記整流板に対して原水通路側に配されるよう固定し、前記ケース本体の開口部に、複数の突出部が形成された蓋を固定して、前記突出部で前記不織布を押圧することを特徴とする浄水カートリッジの製造方法。 - 前記筒状体に、中空糸膜と、前記整流板と、その全面が不織布によって被包された前記成形活性炭とを、この順に並ぶように収容することを特徴とする請求項7に記載の浄水カートリッジの製造方法。
- 請求項1〜6のいずれかに記載の浄水カートリッジと、蛇口から取り入れた原水が流れる通路を切換える切換機構を有した本体とからなることを特徴とする浄水器。
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