JP5207369B2 - 分析装置 - Google Patents

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Description

本発明は分析装置に係り、特に高周波誘導結合プラズマ(ICP)、マイクロ波誘導プラズマ(MIP)、容量結合プラズマ(CCP)、直流プラズマ(DCP)などのプラズマを励起源又はイオン化源として用いる原子スペクトル分析装置において、分析対象元素を含む試料(溶液、固体、気体)を加熱、脱溶媒、分解することによって、又は分析対象元素の原子化、励起、イオン化を効率よく行うことによって、高感度分析を実現する分析装置に関する。
原子スペクトル分析において分析対象元素は、一般的に以下の過程を経て分析される。すなわち、分析対象元素を含む試料の加熱、脱溶媒(試料が溶液の場合)、分解、さらに、分析対象元素の原子化、励起、イオン化が行われる。通常、これら一連の過程は、プラズマ中でプラズマの熱エネルギーやふく射エネルギーを利用して行われる。一方、これらの過程のうち試料の加熱と脱溶媒をプラズマ中ではなく外部の脱溶媒装置で行うこともある。外部の脱溶媒装置では、電気抵抗加熱や赤外線ランプ等のエネルギーが利用される。外部で脱溶媒を行うと、プラズマ中では脱溶媒にエネルギーが消費されなくなるため、分解、原子化、励起、イオン化の効率が向上することが多い。
一般的に、プラズマの生成には電気エネルギーが投入され、その一部は、熱エネルギー等として分析試料の加熱、脱溶媒、分解、分析対象元素の原子化、励起、イオン化に利用されるが、プラズマに投入された電気エネルギーの一部は、光エネルギーとして外部に放出され有効に利用されていない。プラズマ発光分析においては、分析対象元素から発せられた光が元素分析に利用されているが、プラズマからは分析に利用される光以外にも多量の光(紫外線〜赤外線)が発せられており、これらは殆ど利用されていない。この光を利用したものとして、プラズマの周囲に光電池を備えたICP分析装置が報告されているが(特許文献1)、この装置はプラズマから発せられる光を光電素子によって電気に変換して、計測手段の補助エネルギーとして利用するものであり、光エネルギーを上記の加熱、脱溶媒、分解、原子化、励起、イオン化などに利用するものではない。
プラズマ中で、分析試料の加熱、脱溶媒、分解、分析対象元素の原子化、励起、イオン化の一連の過程を行う従来の原子スペクトル分析装置では、加熱、脱溶媒に多量のエネルギーが消費されるため、励起効率、イオン化効率が低下し、発光分析及び質量分析において感度の低下が問題となっていた。
また、外部の脱溶媒装置を用いる原子スペクトル分析装置では、電気抵抗加熱や赤外線ランプ及びこれらの制御器等が必要となり、装置が大型化し、操作も煩雑となる問題があった。本発明では、これまで外部に棄てられていたプラズマからの光を分析試料の加熱、脱溶媒、分解、分析対象元素の原子化、励起、イオン化に利用することによって、高感度分析を実現するためのプラズマトーチ及びプラズマトーチホルダーを提供しようとするものである。
特開平11−223602号公報
上記の目的を達成するため、本発明においては、プラズマから発せられた光をプラズマトーチの内部又はプラズマ中心部に効率よく反射するための手段をプラズマトーチ及びプラズマトーチホルダーに具備させた。
上記の目的を達成するため、第1の発明は、外側管の外面にコイルが巻かれたトーチ先端部と、トーチ先端部内のプラズマに試料を導入するためのトーチ基底部とを備えるプラズマトーチの、トーチ先端部内のプラズマから発せられる光を用いて分析を行う分析装置において、トーチ基底部の外面若しくは内面の全部又は一部を光の反射材で被覆したことを特徴とする。
また、上記の目的を達成するため、第2の発明は、外側管の外面にコイルが巻かれたトーチ先端部と、トーチ先端部内のプラズマに試料を導入するためのトーチ基底部とを備えるプラズマトーチの、トーチ先端部内のプラズマから発せられる光を用いて分析を行う分析装置において、トーチ基底部を保持するためのトーチホルダーの、トーチ基底部との対面部分を光の反射材で被覆したことを特徴とする。
また、上記の目的を達成するため、第3の発明は、外側管の外面にコイルが巻かれたトーチ先端部と、トーチ先端部内のプラズマに試料を導入するためのトーチ基底部とを備えるプラズマトーチの、トーチ先端部内のプラズマから発せられる光を用いて分析を行う分析装置において、トーチ基底部の外面若しくは内面の全部又は一部を光の吸収材で被覆したことを特徴とする。
上記の目的を達成するため、第4の発明は、外側管の外面にコイルが巻かれたトーチ先端部と、トーチ先端部内のプラズマに試料を導入するためのトーチ基底部とを備えるプラズマトーチの、トーチ先端部内のプラズマから発せられる光を用いて分析を行う分析装置において、トーチ基底部は、外側から内側に向かって外側管、中間管及びインジェクター管の順で構成された三重管からなり、外側管の外面若しくは内面を光の反射材で被覆するとともに、インジェクター管の外面を光の吸収材で被覆したことを特徴とする。
また、上記の目的を達成するため、第5の発明は、外側管の外面にコイルが巻かれたトーチ先端部と、トーチ先端部内のプラズマに試料を導入するためのトーチ基底部とを備えるプラズマトーチの、トーチ先端部内のプラズマから発せられる光を用いて分析を行う分析装置において、トーチ基底部は、外側から内側に向かって外側管、中間管及びインジェクター管の順で構成された三重管からなり、中間管の外面若しくは内面を光の反射材で被覆するとともに、インジェクター管の外面を光の吸収材で被覆したことを特徴とする。
本発明の光利用型プラズマトーチ及びプラズマトーチホルダーは、これまで外部に棄てられていたプラズマから発せられた光を分析試料の加熱、脱溶媒、分解、分析対象元素の原子化、励起、イオン化に利用することを可能とするものであり、以下のような効果が得られる。
(1)プラズマが誘導結合プラズマ(ICP)の場合、電気エネルギーが最初に伝えられるインダクション領域の温度は10000℃、中心部の温度は5000〜6000℃に達するといわれており、ICPからは多量の赤外線が発せられている。従って、この赤外線をトーチ内部に反射させることができれば、これまで棄てられていた光エネルギーを用いて、分析試料がプラズマに導入される以前の段階で効率よく加熱することが可能となる。特に分析試料が溶液の場合、赤外線によって試料液滴が直接加熱されて溶媒が蒸発し、液滴粒径が小さくなって、プラズマの安定性が向上する効果や、プラズマ中で分析対象元素の励起効率、イオン化効率が向上する効果がある。なお、光反射材の代わりに光吸収材を用いれば、吸収された光エネルギーは熱エネルギーに変換されて、トーチ、トーチ内を流れるキャリヤーガス、キャリヤーガスによって運ばれる分析試料に順次伝わり、間接的に分析試料を加熱、脱溶媒する効果もある。また、これらの効果は、プラズマが誘導結合プラズマ(ICP)の場合だけでなく、マイクロ波誘導プラズマ(MIP)、容量結合プラズマ(CCP)、直流プラズマ(DCP)でも同様の効果がある。特に、プラズマ出力を下げた場合には、分析試料が導入されるとプラズマが不安定となりやすいが、そのような場合には本発明の効果が顕著となる。
(2)本発明によってプラズマに投入された電気エネルギーを光エネルギーとして有効利用できるため、投入電気エネルギー(プラズマ出力)の低減、プラズマトーチの小型化にも効果がある。
(3)原子スペクトル分析では、通常、アルゴンやヘリウムなどの希ガスのプラズマが利用されるが、これらのプラズマからは赤外線だけでなく、強力な紫外光が発せられている。200nm以下の真空紫外域の紫外線は、分析対象元素の塩や酸化物の分解、原子化、励起、イオン化にも関与しており、これらの紫外線を反射させて、プラズマ中心部に集光することができれば、プラズマ中心部で起きている上記の分析対象元素の塩や酸化物の分解、原子化、励起、イオン化の過程の効率を上げる効果がある。誘導結合プラズマ(ICP)でこの効果を発揮するためには、プラズマの大部分がトーチ内部に保持されるロングトーチを用いるとトーチの外部にもれる光量が減り、かつ、分析対象元素が紫外線に照射される時間が長くなるため効果が大きくなる。
本発明の光利用型プラズマトーチ及びプラズマトーチホルダーは、プラズマから発せられる光を分析試料の加熱、脱溶媒、分解、分析対象元素の原子化、励起、イオン化に利用するための光反射材又は光吸収材を備えたことを特徴としている。
以下、本発明の光利用型プラズマトーチ及びプラズマトーチホルダーの各構成要素について、誘導結合プラズマ(ICP)トーチ及びそのトーチホルダーについて説明するが、他のプラズマについても類似の形態が実施できる。
本発明の分析装置で用いられる光利用型プラズマトーチ及びプラズマトーチホルダーは、プラズマから発せられた光が集光されて利用される場所によって3つのタイプに大別される。一つ目は、分析試料がプラズマに運ばれるまでのトーチ内流路、例えば誘導結合プラズマ(ICP)においてインジェクター管(以下、インジェクターチューブともいう)で利用されるタイプである。二つ目は、プラズマ中心部に集光されて利用されるタイプである。三つ目は、両方の場所で利用されるものである。以下では添付の図面を参照して、詳細に説明する。
図1(a)〜(e)は一つ目のトーチ内流路で光が利用されるタイプのものである。このうち、図1(a)は、誘導結合プラズマトーチのコイル4によって囲まれた部分(この部分をトーチ先端部19と呼び、それ以外をトーチ基底部20と呼ぶ)を除いた外面、具体的には、外側管1及び中間管2のうち外気に曝される部分、並びにインジェクターチューブ3の外気に曝される部分に光反射材5を施したものである。光反射材5としては赤外線を効率よく反射する材料、例えば、金などが使用できるが、これに限らず、赤外線を効率よく反射する材料であれば使用できる。施す方法としては、蒸着、めっき、箔、薄板、或いは薄板を加工して筒状としたものなどが利用できるが、これらに限定されるものではない。また、光の反射率を上げるため、薄板などは表面を鏡面研磨したものが望ましい。光反射材5を施す代わりに、トーチ基底部20を光反射材そのものから作製してもよい。
図1(b)は、外側管1のトーチ基底部20の内面に光反射材5を施したものである。
図1(c)は、中間管2の外面に光反射材5を施したものである。
図1(d)は、中間管2の内面に光反射材5を施したものである。
図1(e)は、インジェクターチューブ3の外面に光反射材5を施したものである。
図1(b)〜図1(e)では光反射材5の先端部分が高温のプラズマ7によってエッチングされることのないように配置することが必要である。
また、図1(a)〜(e)のタイプのものでは光反射材5の替わりに光吸収材6を施すと光が吸収されて熱エネルギーに変換され、プラズマトーチの温度を上げることができ、この熱が最終的に液滴に伝えられるため、試料液滴の加熱蒸発に効果がある。光吸収材6としては赤外線を効率よく吸収する材質、例えば炭素などが利用できる。
また、図1(a)のようにトーチ基底部の外面[外側管1、中間管2のうち外気に曝される部分及びインジェクターチューブ3の外気に曝される部分]に光反射材5を施したものに、インジェクターチューブの外面のうち外気に曝されない部分に光吸収材6を施したものを組み合わせて用いることにより、プラズマから発せられた光をトーチ外面で反射させてインジェクター部に集光して、効率よくインジェクターチューブの加熱に利用することもできる。
図2も一つ目のトーチ内流路で光が利用されるタイプではあるが、トーチではなく、トーチホルダー9に光反射材5を施したものである。光反射材5としては赤外線を効率よく反射する材料、例えば、金などが使用できるが、これに限らず、赤外線を効率よく反射する材料であれば使用できる。施す方法としては、蒸着、めっき、箔、薄板、或いは薄板を加工して筒状としたものなどが利用できるが、これらに限定されるものではない。トーチは、長時間使用すると汚れるため、酸等で洗浄する必要があるが、蒸着等によりトーチに直接、光反射材を施した場合は、酸洗浄をすると光反射材等が溶解するといった問題が起こる。このトーチホルダーに光反射材を施した場合は、このような問題が生じない。
図3(a)及び(b)は、二つ目のプラズマ中心部に集光されるタイプである。誘導結合プラズマ(ICP)ではプラズマ7はドーナツ構造をしており、分析試料8はプラズマ7の中心部10を通過していく間に、プラズマ7のインダクション領域11からの熱伝導、ふく射によって分析試料の加熱、脱溶媒、分解、分析対象元素の原子化、励起、イオン化が行われる。従来技術では、このふく射エネルギーの一部しかプラズマ中心部10で使用されておらず、大部分は、空気中に放散されるか、トーチの外側管で吸収されている。
これらの光を光反射材5によって反射させてプラズマ中心部10で使用することによって、上記の各過程の効率を上げる。光反射材5としては、赤外線を効率よく反射する材料に加えて、紫外線を効率よく反射する材料、例えば、アルミニウムなどが使用できるが、これに限らず、紫外線を効率よく反射する材料が使用できる。一般的に、赤外線は分析試料の加熱、脱溶媒に効果が高く、紫外線は分析対象元素の原子化、励起、イオン化に効果が高い。
施す方法としては、蒸着、めっき、箔、薄板、或いは薄板を加工して筒状としたものなどが利用できるが、これらに限定されるものではない。なお、このタイプでは、コイル4を流れる高周波電流による誘導電流が光反射材5を流れるため、光反射材5の一部を切断してスリット12を設けて空隙とするか、このスリット部分を非導電性の材料で作製し、さらに光反射材5を接地して誘導電流を外部に逃す手段をとる必要がある。非導電性材料としては、プラスチック、セラミックなどがあげられるが、これに限らず、公知の非導電性材料が使用できる。
図3では、プラズマ7からの光を有効に使用するため、外側管1のトーチ先端部19がコイル4より大幅に延伸しているロングトーチを示してある。なお、図3(a)に示すタイプのトーチは、従来、シールドトーチと呼ばれていたものと構造的には類似しているが、シールドトーチはコイルとプラズマとの間に形成される容量結合を減ずることによってプラズマ電位を減少させ、プラズマとサンプリングコーン及びスキマーコーンとの二次放電を抑えることを目的としたものであって、プラズマの光を利用して励起やイオン化の効率を向上させることを目的としたものではなく、全く別のものである。
図3(a)に示すトーチにおいて、プラズマからの光を効率よく利用するため、トーチ外側管1のうちトーチ先端部19の材質は、紫外線透過率に優れた材質とし、その肉厚は耐熱性、堅牢性の許す範囲で薄くすることが望ましい。材質としては、合成石英などがあるが、耐熱性、堅牢性、光透過性に優れたものであれば、公知のものが使用できる。
さらに、光反射材5を外側管1の外面ではなく、図3(b)に示すように内面に施すことによって、外側管1における光の吸収を除くことも可能である。誘導電流は、外側管の一部を加工して配置した接地用導電材13を介して接地する。光反射材5としては耐熱性に優れたものが必要となるが、プラズマ外側管を水冷することによって光反射材5の耐久性を向上させることも可能である。
図4(a)及び(b)は、三つ目の両方の場所で利用されるタイプのものである。これらは、各々図3(a)及び(b)に示した光反射材を、トーチ全体を覆うようにトーチ基底部20にまで延伸させたものである。
図5は、三つ目の両方の場所で利用されるタイプのもので、図1(a)に示したものと図3(a)に示したものを組み合わせたものである。すなわち、外側管1のトーチ先端部とトーチ基底部の各々に、先端部光反射材14と基底部光反射材15を施したものである。このとき先端部光反射材14には誘導電流が流れるため非導電性スリット12を設ける必要があり、また、先端部光反射材14と基底部光反射材15との間にも非導電性スリット16を設ける必要がある。先端部光反射材14と基底部光反射材15は同一材料のものでも、異なった材料のものでも使用できる。例えば、先端部光反射材14を紫外線反射率が高いアルミニウムとし、基底部光反射材15を赤外線反射率が高い金としてもよい。なお、ここに示した図1(a)と図3(a)の組み合わせ以外にも、様々な組み合わせのものが使用できる。
図6は、三つ目の両方の場所で利用されるタイプのもので、図2のトーチホルダーと図3(a)に示したものを組み合わせたものである。同様に、図2のトーチホルダーと図3(b)に示したものを組み合わせることも可能である。
図7は、プラズマ中心部に集光されるタイプの変形例である。
プラズマがプラズマトーチからはみ出して存在する場合において、該プラズマトーチの外部に該プラズマを包囲するように反射筒25を設け、該反射筒の内面に反射材を施し、プラズマから放射される光をプラズマ中心部に反射させるものである。
以下、実施例を示して本発明をさらに詳細かつ具体的に説明する。
図1(a)に示すタイプのトーチの実施例を示す。プラズマトーチは石英ガラス製で、外側管の外径は20mm、長さは91mmと、通常の誘導結合プラズマ発光法及び誘導結合プラズマ質量分析法で使用されているものと同じサイズとした。このトーチにおいてトーチ基底部のうち、インジェクターチューブのボールジョイント部、及び外側ガス接続管、並びに中間ガス接続管を除いた部分に金を膜厚約0.3μmで真空蒸着させた。さらに、この蒸着膜を保護するため、蒸着膜の上にカプトン(登録商標)膜を巻きつけた。真空蒸着された金薄膜がコイルに近づきすぎると誘導電流のため加熱されて劣化するため、金薄膜の先端はインジェクターチューブの先端とほぼ一致させた。なお、この蒸着膜によって、外側管の外側に設置したテスラーコイルを放電させて種電子を生成することができなくなるため、外側ガス接続管から放電線を外側管と中間管の間に設置し、種電子を生成する方式を採用した。もちろん、種電子の生成はこの方式以外のものも使用できる。なお、ここに記したトーチの寸法、材質、蒸着させる金属の種類、膜厚はこれらに限定されるものではない。
図2に示すタイプのプラズマトーチホルダーの実施例を示す。図2(b)の断面図に示すように、このホルダーは上下二つの部分から成り、これを蝶つがい23でつないで開け閉め可能とした。ホルダーの寸法は、トーチ全長(外側管の先端からインジェクターチューブのボールジョイント部まで)が126mm、外側管の外径が20mm、長さが91mmと、通常の誘導結合プラズマ発光法及び誘導結合プラズマ質量分析法で使用されているものと同じサイズのものが納まるようにした。ホルダー本体は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)製であるが、トーチと接触する部分は、アルミニウムの表面に金を蒸着させたものを配置した。プラズマトーチを下側のホルダー21に設置後、上側のホルダー22で押さえて固定具24で固定する。なお、ここに記したトーチホルダーの寸法、材質、蒸着させる金属の種類はこれらに限定されるものではない。
図4(a)に示すタイプのトーチの実施例を示す。プラズマトーチは石英ガラス製で、外側管の外径は20mm、長さは101mmと、通常の誘導結合プラズマ発光法又は誘導結合プラズマ質量分析法において使用されているものに比べて、外側管1の長さを10mm長くしたロングトーチを使用した。特に、外側管1の先端部の約30mmを合成石英とし、かつ肉厚を0.5mmとした。これは通常の肉厚1.0mmの半分である。この外側管に肉厚0.1mmのアルミニウム製の薄膜でトーチに接する側を鏡面研磨した薄膜を巻きつけた。なお、中間管2とインジェクターチューブ3の外側管1からつながる外面にはアルミニウムを真空蒸着させた。スリット12の幅は、約3mmとした。なお、この金属薄膜によって、外側管の外側に設置したテスラーコイルを放電させて種電子を生成することができなくなるため、外側ガス接続管から放電線を外側管と中間管の間に設置し、種電子を生成する方式を採用した。もちろん、種電子の生成は、この方式以外のものも使用できる。なお、ここに記したトーチの寸法、材質、トーチに巻きつける金属の種類、寸法、蒸着させる金属の種類などは、これらに限定されるものではない。
本願発明は、高周波誘導結合プラズマ(ICP)、マイクロ波誘導プラズマ(MIP)、容量結合プラズマ(CCP)、直流プラズマ(DCP)等のプラズマを励起源又はイオン化源として用いる原子スペクトル分析装置において、分析対象元素を含む試料(溶液、固体、気体)を加熱、脱溶媒、分解することによって、又は分析対象元素の原子化、励起、イオン化を効率よく行うことによって、高感度分析を実現するための装置に関するものである。誘導結合プラズマ発光分析装置及び誘導結合プラズマ質量分析装置等の原子スペクトル分析装置は、鉄鋼、非鉄金属、半導体、石油、ナノ材料等の工業分析及び環境分析等において広範に使用されており、本願発明は、これらの分析装置において、従来問題となっていたプラズマの安定性と感度の向上をもたらし、またプラズマの小型化にも効果があることから、広く利用が可能性である。
(a)は、トーチ基底部のトーチ外面に光反射材を施した誘導結合プラズマトーチの概略図、(b)は、外側管のトーチ基底部の内面に光反射材を施した誘導結合プラズマトーチの概略図、(c)は、中間管の外面に光反射材を施した誘導結合プラズマトーチの概略図、(d)は、中間管の内面に光反射材を施した誘導結合プラズマトーチの概略図、(e)は、インジェクターチューブの外面に光反射材を施した誘導結合プラズマトーチの概略図。 (a)は、トーチと接触する面に光反射材を施したプラズマトーチホルダーの概略図、(b)は、(a)のa−a線での断面図。 (a)は、外側管のトーチ先端部の外面に光反射材を施した誘導結合プラズマトーチの概略図、(b)は、外側管のトーチ先端部の内面に光反射材を施した誘導結合プラズマトーチの概略図。 (a)は、トーチ外面に光反射材を施した誘導結合プラズマトーチの概略図、(b)は、外側管の内面に光反射材を施した誘導結合プラズマトーチの概略図。 はトーチ先端部とトーチ基底部に二分割した光反射材を施したプラズマトーチの概略図。 は、トーチ先端部に光反射材を施したプラズマトーチを、内面に光反射材を施したプラズマトーチホルダーに保持させたときの様子を示す概略図。 は、プラズマトーチ、プラズマホルダー及びトーチ先端部に延在して反射筒を設けた分析装置において、トーチ基底部及び該反射筒に反射体を設けた様子を示す概略図。
符号の説明
1 外側管
2 中間管
3 インジェクターチューブ
4 コイル
5 光反射材
6 光吸収材
7 プラズマ
8 分析試料
9 トーチホルダー
10 プラズマ中心部
11 インダクション領域
12 非導電性スリット
13 接地用導電材
14 先端部光反射材
15 基底部光反射材
16 非導電性スリット
17 外側ガス接続管
18 中間ガス接続管
19 トーチ先端部
20 トーチ基底部
21 下側ホルダー
22 上側ホルダー
23 蝶つがい
24 固定具
25 反射筒

Claims (5)

  1. 外側管の外面にコイルが巻かれたトーチ先端部と、前記トーチ先端部内のプラズマに試料を導入するためのトーチ基底部とを備えるプラズマトーチの、前記トーチ先端部内のプラズマから発せられる光を用いて分析を行う分析装置において、
    前記トーチ基底部の外面若しくは内面の全部又は一部を光の反射材で被覆したことを特徴とする分析装置。
  2. 外側管の外面にコイルが巻かれたトーチ先端部と、前記トーチ先端部内のプラズマに試料を導入するためのトーチ基底部とを備えるプラズマトーチの、前記トーチ先端部内のプラズマから発せられる光を用いて分析を行う分析装置において、
    前記トーチ基底部を保持するためのトーチホルダーの、前記トーチ基底部との対面部分を光の反射材で被覆したことを特徴とする分析装置。
  3. 外側管の外面にコイルが巻かれたトーチ先端部と、前記トーチ先端部内のプラズマに試料を導入するためのトーチ基底部とを備えるプラズマトーチの、前記トーチ先端部内のプラズマから発せられる光を用いて分析を行う分析装置において、
    前記トーチ基底部の外面若しくは内面の全部又は一部を光の吸収材で被覆したことを特徴とする分析装置。
  4. 外側管の外面にコイルが巻かれたトーチ先端部と、前記トーチ先端部内のプラズマに試料を導入するためのトーチ基底部とを備えるプラズマトーチの、前記トーチ先端部内のプラズマから発せられる光を用いて分析を行う分析装置において、
    前記トーチ基底部は、外側から内側に向かって前記外側管、中間管及びインジェクター管の順で構成された三重管からなり、
    前記外側管の外面若しくは内面を光の反射材で被覆するとともに、前記インジェクター管の外面を光の吸収材で被覆したことを特徴とする分析装置。
  5. 外側管の外面にコイルが巻かれたトーチ先端部と、前記トーチ先端部内のプラズマに試料を導入するためのトーチ基底部とを備えるプラズマトーチの、前記トーチ先端部内のプラズマから発せられる光を用いて分析を行う分析装置において、
    前記トーチ基底部は、外側から内側に向かって前記外側管、中間管及びインジェクター管の順で構成された三重管からなり、
    前記中間管の外面若しくは内面を光の反射材で被覆するとともに、前記インジェクター管の外面を光の吸収材で被覆したことを特徴とする分析装置。
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