JP5207335B2 - 超音波フェイズドアレイ送受波器 - Google Patents

超音波フェイズドアレイ送受波器 Download PDF

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本発明は、水中超音波ビームを形成する圧電振動子を使用するフェイズドアレイに関し、特に高周波化に適した超音波フェイズドアレイ送受波器に関するものである。
ドップラー効果を利用する速度計や伝播時間を利用する高度計などの測定や測量を水中で行う計測機器には超音波が利用されている。この種の速度計や高度計には、超音波を送信・受信するための送受波器が用いられる。従来から使用されている超音波の送受波器には、超音波ビーム(以下、ビームとよぶ)の先端が正方形を形成するように4つのビームを放射する直交4ビームとよばれるビームを持つ送受波器がある。
図1は従来の送受波器のビームを示す斜視図である。送受波器61から4つのビーム62が放射される。図1は、ビーム放射面64の中心を通りビーム放射面64に垂直な軸をZ軸として示している。通常使用されている送受波器では、ビーム62の主極軸63とZ軸とが成す角度α(仰角)は30度を成す。また、4つのビーム先端βは、ビーム放射面64と平行な面内において、正方形の頂角を成す。
従来の送受波器は、駆動周波数が100kHz前後で、水中での波長の10〜20倍の直径を有する円盤状の圧電セラミックス板からなる圧電振動子を4個使用し、仰角を予め持たせて送受波器内に配置する構造(以下、4円盤振動子方式とよぶ)となっている。
前記の4円盤振動子方式による送受波器は形状が大きい為、これを小型にすべく、各種試みがなされている。例えば、矩形板状の小さな圧電振動子を平面配列し、前記円盤状の圧電セラミックス板からなる圧電振動子1個と同程度の大きさで直交4ビームを放射できる送受波器の提案がなされている。
前記矩形板状の小さな圧電振動子を平面配列してなる送受波器は、超音波フェイズドアレイ送受波器(以下、フェイズドアレイ方式とよぶ)とよばれ、高度や速度などの算出方法は、前記の4円盤振動子方式と同じであり、4つのビームの反射信号から速度や高度などが算出できる。このようなフェイズドアレイ方式による送受波器は特許文献1または特許文献2に開示されている。
特開2001−197595号公報 特開2001−305217号公報
前述した従来の4円盤振動子方式、或いは、フェイズドアレイ方式による送受波器において、図1に示す高度Hを計測する場合には、直交4ビームそれぞれのビーム先端βまでの直線距離を計測し、角度αを用いて計算して求めている。
しかしながら、高度が高くなるにつれて、或いは水深が深くなるにつれて、前記直線距離の計測結果から求められる送受波器の直下の位置と送受波器直下の真の位置との差が大きくなり、高度或いは深度との誤差が大きくなるという問題点がある。この対策として、送受波器の直下へ向けてビームを放射する圧電振動子を追加することも考えられるが、4円盤振動子方式であれば、形状がさらに大きくなるという問題点がある。
また、フェイズドアレイ方式においては分解能を上げるために、駆動周波数を250kHz前後まで高周波化すると、圧電振動子の寸法が小さくなり、組み立て・配列が困難になるという問題点があった。
従って、本発明は上記従来技術の問題点を解決することを課題とする。具体的には、直交4ビームに加え、ビーム放射面の直下にビームが放射できる高周波での駆動が可能な小型の超音波フェイズドアレイ送受波器を提供することを課題とする。
本発明は、前記課題を解決するために、以下の手段を採用した。即ち、本発明は、複数の矩形板状の圧電振動子を配列して2つのアレイを構成し、圧電振動子を一定の規則に従いグループ化して回路を形成し駆動することをその要旨とする。
本発明によれば、矩形板状長さをL、幅をW、厚さをTで表したときに、L≧3×W、T=λc/2(λcは圧電振動子の共振周波数における1波長)、W≦λw/2(λwは水中での前記共振周波数における1波長)となる圧電振動子からなり、前記圧電振動子の厚さTを挟む表裏2面に各々電極を設けて、幅Wを成す面が対向するように前記圧電振動子複数が平面上に隣接配列されるアレイを2つ有し、一方のアレイは前記圧電振動子のN個(Nは4以上の整数)がN行配列され縦配列アレイを構成し、他方のアレイは前記圧電振動子のM個(Mは4以上の整数)が前記縦配列アレイを成す前記圧電振動子の配列方向に対して直交する方向にM列配列された横配列アレイを構成し、前記縦配列アレイの裏面を成す前記圧電振動子の電極全てが接続され第の入出力端子を成し、前記縦配列アレイの表面を成す前記圧電振動子の電極は、それぞれ配列に対応したN本のリード線で引出され、前記リード線を順次1番からN番としたときに、1+4j、2+4j、3+4j、4+4j(j=0、1、2・・・)に対応する番号の前記リード線を1つのグループとし、前記リード線を4グループに分けて、前記グループ毎に結線をし、前記4グループそれぞれが順に第2の入出力端子、第3の入出力端子、第4の入出力端子、第5の入出力端子を成し、前記第2の入出力端子と前記第4の入出力端子は第一の変成器の平衡2次回路に接続され、前記第3の入出力端子と前記第5の入出力端子は第二の変成器の平衡2次回路に接続され、前記第一の変成器の2次回路中性点と前記第二の変成器の2次回路中性点は共通にされて第6の入出力端子を成し、前記第6の入出力端子と前記第1の入出力端子は第五の変成器の平衡2次回路に接続され、前記第一の変成器の1次回路は前記縦配列アレイのN行配列のうち奇数行の圧電振動子の交互逆接続を成し、前記第二の変成器の1次回路は前記縦配列アレイのN行配列のうち偶数行の圧電振動子の交互逆接続を成し、前記第五の変成器の1次回路は前記縦配列アレイの全圧電振動子の順接続を成し、且つ、前記横配列アレイの裏面を成す前記圧電振動子の電極全てが接続され第7の入出力端子を成し、前記横配列アレイの表面を成す前記圧電振動子の電極は、それぞれ配列に対応したM本のリード線で引出され、前記リード線を順次1番からM番としたときに、1+4k、2+4k、3+4k、4+4k(k=0、1、2・・・)に対応する番号の前記リード線を1つのグループとし、前記リード線を4グループに分けて、前記グループ毎に結線をし、前記4グループそれぞれが順に第8の入出力端子、第9の入出力端子、第10の入出力端子、第11の入出力端子を成し、前記第8の入出力端子と前記第10の入出力端子は第三の変成器の平衡2次回路に接続され、前記入第9の出力端子と前記第11の入出力端子は第四の変成器の平衡2次回路に接続され、前記第三の変成器の2次回路中性点と前記第四の変成器の2次回路中性点は共通にされて第12の入出力端子を成し、前記第三の変成器の1次回路は前記横配列アレイのM列配列のうち奇数列の圧電振動子の交互逆接続を成し、前記第四の変成器の1次回路は前記横配列アレイのM列配列のうち偶数列の圧電振動子の交互逆接続を成し、前記第12の入出力端子と前記第7の入出力端子との端子間が前記横配列アレイを成す全圧電振動子の順接続を成すことを特徴とする超音波フェイズドアレイ送受波器が得られる。
本発明による超音波フェイズドアレイ送受波器は、矩形板状の圧電振動子を配列してなる。圧電振動子は長さをL、幅をW、厚さをTで表したときに、L≧3×W、T=λc/2(λcは前記圧電振動子の共振周波数における1波長)、W≦λw/2(λwは水中での前記共振周波数における1波長)を満たす形状にする。前記の形状とすることで、幅方向の振動が他の方向の振動の影響を受けず、隣接する圧電振動子間の干渉を防止することができる。また、圧電振動子には厚さTを成す2面にそれぞれ電極を設けて、厚さ方向に電界を印加して分極処理がなされた圧電振動子を使用する。この圧電振動子は前記電極間に圧電振動子の共振周波数を持つ電圧信号を入力することにより、超音波を放射する。
複数の前記圧電振動子を配列した状態のものをアレイと呼び、本発明による超音波フェイズドアレイ送受波器は2つのアレイで構成する。2つのアレイは共に、前記圧電振動子を配列平面に対して圧電振動子の厚さ方向が垂直となるように配列し、隣り合う圧電振動子はそれぞれの幅を成す面が対向するように隣接配列する。また、2つのアレイは同一平面上に配列し、一方のアレイにおける圧電振動子の配列方向と他方のアレイにおける圧電振動子の配列方向とは互いに直交するように配列する。
ここで、一方のアレイを縦配列アレイと呼ぶ。縦配列アレイは圧電振動子の配列を行配列とし、N個(4以上の整数)の圧電振動子を使用しN行配列したアレイのことをいう。また、他方のアレイを横配列アレイと呼ぶ。横配列アレイは圧電振動子の配列を列配列とし、M個(Mは4以上の整数)の圧電振動子を使用しM列配列したアレイのことをいう。縦配列アレイと横配列アレイは、圧電振動子の厚さTが厚みとなり、圧電振動子の電極面が表裏面となる圧電振動子の集合体を形成する。
前記縦配列アレイにおいては、前記縦配列アレイの前記裏面を成す圧電振動子の電極を全て接続して一つの入出力端子V6とする。また、前記縦配列アレイの前記表面を成す各圧電振動子の電極はリード線で引出す。従ってリード線はN本となる。このN本のリード線を4つのグループに分けて接続する。4つのグループの分け方は、前記リード線に、N行配列した前記縦配列アレイの最端にある圧電振動子から順に1番からN番と番号を付したときに、順次1+4j、2+4j、3+4j、4+4j(j=0、1、2、・・・)となる番号に対応する圧電振動子に分ける。この4つのグループそれぞれを順に入出力端子V1、V2、V3、V4とする。
一方、前記横配列アレイにおいては、前記横配列アレイの前記裏面を成す圧電振動子の電極を全て接続して一つの入出力端子H6とする。また、前記横配列アレイの前記表面を成す各圧電振動子の電極はリード線で引出す。従って、リード線はM本となる。このM本のリード線を4つのグループに分けて接続する。4つのグループの分け方は、前記リード線に、M列配列した前記横配列アレイの最端にある圧電振動子から順に1番からM番と番号を付したときに、順次1+4k、2+4k、3+4k、4+4k(k=0、1、2、・・・)となる番号に対応する圧電振動子に分ける。この4つのグループは、それぞれを順に入出力端子H1、H2、H3、H4とする。
さらに、前記入出力端子V1、V2、V3、V4、V6と前記入出力端子H1、H2、H3、H4を第一から第五の変成器に接続する。第一から第五の変成器は一次回路と平行2次回路を有し、例えば磁性材料からなるコアに1次巻線と2次巻線を設けたトランスの1次巻線を一次回路とし2次巻線を平行2次回路とすれば良い。また、前記2次巻線の巻線数を2等分する点を2次回路中性点とする。
ここで、前記縦配列アレイにおいて、前記入出力端子V1とV3は第一の変成器の平行2次回路を成す巻線の両端にそれぞれ接続し、前記入出力端子V2とV4は第二の変成器の平行2次回路を成す巻線の両端にそれぞれ接続する。また、第一の変成器の2次回路中性点と第二の変成器の2次回路中性点とを共通にして入出力端子V5とし、前記入出力端子V5とV6を第五の変成器の平行2次回路を成す巻線の両端にそれぞれ接続する。第五の変成器の2次回路中性点はアースに接続すれば良い。
一方、前記横配列アレイにおいて、前記入出力端子H1とH3は第三の変成器の平行2次回路を成す巻線の両端にそれぞれ接続し、前記入出力端子H2とH4は第四の変成器の平行2次回路を成す巻線の両端にそれぞれ接続する。また、第三の変成器の2次回路中性点と第四の変成器の2次回路中性点とを共通にして入出力端H5とする。
本発明による超音波フェイズドアレイ送受波器は、前記構成とすることにより、前記第一の変成器の1次回路は、前記縦配列アレイのN行配列のうち奇数行の圧電振動子が交互に接続され、位相が互いに逆となる交互逆接続を成し、同様に、前記第二の変成器の1次回路は前記縦配列アレイのN行配列のうち偶数行の圧電振動子の交互逆接続を成し、前記第三の変成器の1次回路は前記横配列アレイのM列配列のうち奇数列の圧電振動子の交互逆接続を成し、前記第四の変成器の1次回路は前記横配列アレイのM列配列のうち偶数列の圧電振動子の交互逆接続を成す。また、前記第五の変成器の1次回路は前記縦配列アレイの全圧電振動子が並列に接続する順接続を成し、前記入出力端子H5と前記入出力端子H6との端子間は前記横配列アレイを成す全圧電振動子が並列に接続する順接続を成す。
前記第一乃至第五の変成器の各1次回路を適宜切り替えながら、送受信動作を行うことにより、直交4ビームが得られると共に、ビーム放射面の直下にビームが得られる。また、使用する圧電振動子の長さLは例えば15mmから200mmと組み立てが容易な長さであり、高周波数での送受信が可能な超音波フェイズドアレイ送受波器が得られる。
本発明によれば、前記圧電振動子の配列ピッチをPで表したときに、P=(0.5±0.25)×λw(λwは水中での前記共振周波数における1波長)となることを特徴とする超音波フェイズドアレイ送受波器が得られる。
本発明では、前記N行配列或いはM列配列する圧電振動子において、隣り合う圧電振動子の幅方向の中心が成す距離を配列ピッチPとしたときに、配列ピッチPを水中での前記共振周波数における1波長に対して、1/4波長から3/4波長にする。このような配列ピッチで圧電振動子を配列することにより、隣り合う圧電振動子同士が干渉し合う事がない設計通りの直交4ビーム或いは、ビーム放射面の直下へのビームが得られる。
さらに、本発明では、前記超音波フェイズドアレイ送受波器に送受波切替回路と送波ビーム切替回路と受波ビーム合成回路と受波ビーム切替回路とを備えることで、前記第一乃至第五の変成器の各1次回路を適宜切り替えながらの送受信動作が可能となり、直交4ビームが得られると共に、ビーム放射面の直下にビームが得られ、高周波数での送受信が可能な超音波フェイズドアレイ送受波器が得られる。
すなわち、本発明によれば、前記超音波フェイズドアレイ送受波器と、送波信号入力部と受波信号を出力する受波信号出力部とを有し、受信動作と送信動作を切り替える機能を有する第一乃至第四の送受波切替回路と、前記第一乃至第四の送受波切替回路の前記送波信号入力部と、前記第五の変成器の1次回路との接続を切り替えて送波ビーム信号を出力する送波ビーム信号出力部を備える送波ビーム切替回路と、前記第一乃至第四の送受波切替回路の前記受波信号出力部に接続され、前記受波信号の位相を調整して演算を行い、受波ビーム信号を出力する受波ビーム信号出力部を備える受波ビーム合成回路と、前記入出力端子H5と前記入出力端子H6との間で横配列アレイを成す全圧電振動子の順接続で得られる垂直受波ビーム信号と前記受波ビーム合成回路が出力する前記受波ビーム信号とを切り替える受波ビーム切替回路とを備える超音波フェイズドアレイ送受波器であって、前記第一の送受波切替回路は前記第一の変成器に接続され、前記第二の送受波切替回路は前記第二の変成器に接続され、前記第三の送受波切替回路は前記第三の変成器に接続され、前記第四の送受波切替回路は前記第四の変成器に接続され、前記第一の送受波切替回路と前記第二の送受波切替回路へ送信信号が送信されることにより前記平面に対して垂直な面内に2つの主極を有する送波縦ツインビームが生成され、前記第三の送受波切替回路と前記第四の送受波切替回路へ送信信号が送信されることにより前記平面及び前記垂直面双方に垂直な面内に2つの主極を有する送波横ツインビームが生成され、前記入出力端子H5と前記入出力端子H6の間から得られる受波信号と前記第五の変成器への送信信号の送信とにより前記平面の直下に主極を有する送受波垂直シングルビームが生成され、前記受波ビーム合成回路は、前記第一の送受波切替回路と前記第二の送受波切替回路から出力される受波信号により得られる受波縦ツインビームを分離して受波上シングルビームと受波下シングルビームを生成し、前記第三の送受波切替回路と前記第四の送受波切替回路から出力される受波信号により得られる受波横ツインビームを分離して受波左シングルビームと受波右シングルビームを生成することを特徴とする超音波フェイズドアレイ送受波器が得られる。
本発明による超音波フェイズドアレイ送受波器は、前記第一乃至第四の変成器の各1次回路に対応する第一乃至第四の送受波切替回路を接続する。この第一乃至第四の送受波切替回路は、前記縦配列アレイと前記横配列アレイに送信信号を送る送信動作と前記縦配列アレイと前記横配列アレイが受信信号を受信する受信動作とを切り替える機能を有する。また、第一乃至第四の送受波切替回路は、前記縦配列アレイあるいは前記横配列アレイが受信する受信信号を後段の回路へ出力する受波信号出力部と前段の回路から送られてくる送信信号を受ける送波信号入力部を具備している。
前記前段の回路とは前記送波ビーム切替回路であり、前記送波ビーム切替回路は、前記第一乃至第四の送受波切替回路の各前記送波信号入力部と第五の変成器の1次回路に接続して切り替え動作を行い、送信信号を制御する機能を有する。また、前記後段の回路とは前記受波ビーム合成回路であり、前記受波ビーム合成回路は、前記第一乃至第四の送受波切替回路の各受波信号出力部から出力される受信信号の位相を調整し、演算することにより得られる受波ビーム信号を受波ビーム信号出力部から出力する機能を有する。前記受波ビーム信号は、受波ビーム切替回路に送られる。前記受波ビーム切替回路では、前記入出力端子H5とH6の間から出力される受信信号と前記受波ビーム信号を適宜切り替えて、各受信信号を出力する。
本発明によれば、前記第一と第二の送受波切替回路への送信信号の送信により前記縦配列アレイのビーム放射面中心の垂線を含む配列向に対して直交する面内に2つの主極を有する送波縦ツインビームを生成する。また、前記第三と第四の送受波切替回路への送信信号の送信により前記横配列アレイのビーム放射面中心の垂線を含む配列向に対して直交する面内に2つの主極を有する送波横ツインビームを生成する。
さらに、前記第五の変成器への送信信号の送信及び入出力端子H5とH6間からの受信信号の出力により前記縦配列アレイと前記横配列アレイの各ビーム放射面中心の直下に主極を有する送受波垂直シングルビームを生成する。前記受波縦ツインビームは前記受波ビーム合成回路により受波上シングルビームと受波下シングルビームとに分離され、前記受波横ツインビームは前記受波ビーム合成回路により受波左シングルビームと受波右シングルビームに分離される。その結果、直交4ビームと垂直ビームの合計5ビームが形成される。
通常、アレイを2つ設けると超音波フェイズドアレイ送受波器の面積は単純に2倍となるが、本発明によれば高周波化が可能となるので、例えば周波数を1.4倍以上と高周波化することにより、1つのアレイの面積は1/2以下となり、従来の超音波フェイズドアレイ送受波器より小型化が可能となる。
また、本発明による超音波フェイズドアレイ送受波器は、振動子の数量を減らすことができるので、低価格の超音波フェイズドアレイ送受波器、及びこれを使用する高度計や速度計などの計測機器を低価格で提供することが可能となる。即ち、例えば縦の配列と横の配列のピッチを1/2波長にして、縦にN行、横にM列圧電振動子を配列するアレイを考えた場合、必要となる圧電振動子の数はN×M個となる。一方、本発明による超音波フェイズドアレイ送受波器では、矩形板状の圧電振動子を用いて縦と横の配列を2つのアレイに分けて構成するので、必要となる圧電振動子の数はN+M個に減少する。さらに、本発明による超音波フェイズドアレイ送受波器は、指向性の制御が容易で、圧電振動子の配列形状の精度を高くすることが出来るので、指向性の性能が向上する。
前述の如く、本発明によれば、直交4ビームに加え、ビーム放射面の直下にビームが放射できる高周波での駆動が可能な小型の超音波フェイズドアレイ送受波器の提供が可能となる。
本発明による超音波フェイズドアレイ送受波器は、複数の矩形板状の圧電振動子を配列して2つのアレイを構成し、圧電振動子を一定の規則に従いグループ化して回路を形成する。
以下、具体的な例を挙げ、本発明による超音波フェイズドアレイ送受波器の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
(実施例1)
図2は、実施例による超音波フェイズドアレイ送受波器の結線図である。本実施例による超音波フェイズドアレイ送受波器1は、N=26(個)の矩形板状の圧電振動子3を紙面上、上から下へN行配列した縦配列アレイ2と、M=26(個)の矩形板状の圧電振動子13を紙面上、右から左へM列配列した横配列アレイ12とで構成した。圧電振動子3及び圧電振動子13には、ジルコン酸チタン酸鉛系の圧電セラミックス材料をプレス成形、焼成、加工し、厚さを5mm、幅を3mmとし、長さが15mmから200mmの範囲で数種類の異なる長さの圧電振動子を使用した。また、圧電振動子3及び圧電振動子13は厚さを成す2面に電極を形成し、分極処理を行い、厚さ方向振動の共振周波数が約250kHzの圧電振動子とした。
縦配列アレイ2及び横配列アレイ12は、共に圧電振動子3或いは圧電振動子13の配列は幅を成す面同士が対向するように緩衝材を介して配列し、圧電振動子3或いは圧電振動子13の厚さがアレイの厚みとなり、電極面が表裏面となる圧電振動子の集合体となっている。図2では縦配列アレイ2及び横配列アレイ12の表面を図示している。図2に示す様に、圧電振動子3或いは圧電振動子13を各圧電振動子の長手方向の中心が長手方向に対し直交する線上に位置するように配置した。また、数種類の長さが違う圧電振動子を配列することで、圧電振動子の端部を結んだ輪郭線が略円形となるようにした。隣り合う圧電振動子の幅方向の中心が成す距離を配列ピッチPとしたときに、配列ピッチPは水中での前記共振周波数における1波長に対して1/2波長にした。
縦配列アレイ2の表面を成す各圧電振動子3の電極には、それぞれに結線4を設けさらに結線4を4つのグループに分けて接続した。この4つのグループは、圧電振動子3に、紙面上、上から順に1から26までの行番号を付したときに、1+4j、2+4j、3+4j、4+4j(j=0、1、2・・・)となる行番号の圧電振動子3同士をまとめて4つのグループとし、それぞれを順に入出力端子V1、V2、V3、V4とした。すなわち、行番号が1、5、9、13、17、21、25となる圧電振動子3をまとめて入出力端子V1とし、行番号が2、6、10、14、18、22、26となる圧電振動子3をまとめて入出力端子V2とし、行番号が3、7、11、15、19、23となる圧電振動子3をまとめてV3とし、行番号が4、8、12、16、20、24となる圧電振動子3をまとめて入出力端子V2とした。また、縦配列アレイ2の裏面を成す各圧電振動子3の電極は全て共通にして入出力端子V6とした。
一方、横配列アレイ12の表面を成す各圧電振動子13の電極にもそれぞれに結線14を設けさらに結線14を4つのグループに分けて接続した。この4つのグループは、圧電振動子13に、紙面上、右から順に1から26までの列番号を付したときに、1+4k、2+4k、3+4k、4+4k(k=0、1、2・・・)となる列番号の圧電振動子13同士をまとめて4つのグループとし、それぞれを順に入出力端子H1、H2、H3、H4とした。すなわち、列番号が1、5、9、13、17、21、25となる圧電振動子13をまとめて入出力端子H1とし、列番号が2、6、10、14、18、22、26となる圧電振動子13をまとめて入出力端子H2とし、列番号が3、7、11、15、19、23となる圧電振動子13をまとめてH3とし、列番号が4、8、12、16、20、24となる圧電振動子13をまとめて入出力端子H2とした。また、横配列アレイ12の裏面を成す各圧電振動子13の電極は全て共通にして入出力端子H6とした。
前記入出力端子V1、V2、V3、V4、及び前記入出力端子H1、H2、H3、H4はそれぞれ変成器T1、T2、T3、T4の各並行2次回路に接続した。入出力端子V1、V3は第一の変成器である変成器T1の並行2次回路を成す巻線の両端にそれぞれ接続し、入出力端子V2、V4は第二の変成器である変成器T2の並行2次回路を成す巻線の両端にそれぞれ接続し、入出力端子H1、H3は第三の変成器である変成器T3の並行2次回路を成す巻線の両端にそれぞれ接続し、入出力端子H2、H4は第四の変成器である変成器T4の並行2次回路を成す巻線の両端にそれぞれ接続した。
変成器T1、T2、T3、T4の各並行2次回路を成す巻線の中間点を2次回路中性点として、変成器T1と変成器T2の2次回路中性点を共通にして入出力端子V5にし、変成器T3と変成器T4の2次回路中性点を共通にして入出力端子H5にした。入出力端子V5と入出力端子V6は第五の変成器である変成器T5の並行2次回路を成す巻線の両端にそれぞれ接続した。
上記の構成により、変成器T1の1次回路から見た圧電振動子3の接続は、縦配列アレイ2の奇数行が一波長間隔で交互に逆接続されている。この状態による配列面に対して垂直方向のビームの指向性は同相の送信信号の逆接続により奇数行間の総和が極小となる。又、垂直方向から±θoの主極方位では奇数行間の経路差が半波長、すなわち位相差πとなって奇数行交互に入力音波の位相が反転し、配列の逆接続による再反転で奇数行間の総和は極大となってツインビームを生成する。また、縦配列アレイ2の変成器T2の偶数行、横配列アレイ12の変成器T3の奇数列、横配列アレイ12の変成器T4の偶数列についても同様であり、±θoに主極を有するツインビームが得られる。従って、前記逆接続されている圧電振動子の間隔はλw(λwは水中での前記共振周波数における1波長)であるので、ビームの仰角θoは式(1)で表すことができる。
(2π/λw)×(逆接続間隔:λw)×sinθ0=±π ・・・(1)
∴ sinθ0=±1/2、θ0=±30°
また、変成器T5の1次回路から見た圧電振動子3の接続は、変成器T1とT2の2次 回路中性点を接続することで前記入出力端子V1、V2、V3、V4全てが短絡状態となり、変成器T3とT4の2次回路中性点を接続することで入出力端子H1、H2、H3、H4全てが短絡状態となるので、前者は縦配列アレイ2の入出力端子V6との間で,後者は横配列アレイ12の入出力端子H6との間で、縦配列アレイ2及び横配列アレイ12の表裏を成す電極間が接続されることになる。その結果、縦配列アレイ2及び横配列アレイ12は、それぞれのアレイを成す全ての圧電振動子が順接続となり、各配列面の直下に主極を有するシングルビームを生成する。
(実施例2)
図3は、実施例による超音波フェイズドアレイ送受波器の結線図である。本実施例による超音波フェイズドアレイ送受波器11は、実施例1と同様に、N=26(個)の矩形板状の圧電振動子23を紙面上、上から下へN列配列した縦配列アレイ22と、M=26(個)の矩形板状の圧電振動子33を紙面上、右から左へM行配列した横配列アレイ32とで構成した。使用した圧電振動子23及び圧電振動子33は実施例1と同じジルコン酸チタン酸鉛系の圧電セラミックス材料をプレス成形、焼成、加工し、幅と厚さが全て同じで、数種類の長さが違う形状にし、幅を成す2面に電極を形成し、分極処理を行ったものを使用した。
縦配列アレイ22及び横配列アレイ32は、共に圧電振動子23或いは圧電振動子33の配列は幅を成す面が対向するように緩衝材を介して配列し、圧電振動子23或いは圧電振動子33の厚さがアレイの厚みとなり、電極面が表裏面となる圧電振動子の集合体となっている。図3では縦配列アレイ22及び横配列アレイ32の表面を図示している。図3に示す様に、圧電振動子23或いは圧電振動子33を各圧電振動子の長手方向の中心が長手方向に対し直交する線上に位置するように配置した。また、数種類の長さが違う圧電振動子を配列することで、圧電振動子の端部を結んだ輪郭線がシェーデイング分布に相当する形状となるようにした。シェーデイングとは、指向性を制御するために圧電振動子の長さを制御することで各圧電振動子の振幅に分布を持たせることをいい、圧電振動子を配列した際に得られる前記輪郭線が振幅分布に相当しシェーデイング分布となる。また、隣り合う圧電振動子の幅方向の中心が成す距離を配列ピッチPとしたときに、配列ピッチPを水中での前記共振周波数における1波長に対して1/2波長となるようにした。
縦配列アレイ22の表面を成す各圧電振動子23の電極には、それぞれに結線24を設けさらに結線24を4つのグループに分けて接続した。この4つのグループは、圧電振動子23に、紙面上、上から順に1から26までの行番号を付したときに、1+4j、2+4j、3+4j、4+4j(j=0、1、2・・・)となる行番号の圧電振動子3同士をまとめて4つのグループとし、それぞれを順に入出力端子V1、V2、V3、V4とした。すなわち、行番号が1、5、9、13、17、21、25となる圧電振動子23をまとめて入出力端子V1とし、行番号が2、6、10、14、18、22、26となる圧電振動子23をまとめて入出力端子V2とし、行番号が3、7、11、15、19、23となる圧電振動子23をまとめてV3とし、行番号が4、8、12、16、20、24となる圧電振動子23をまとめて入出力端子V2とした。また、縦配列アレイ22の裏面を成す各圧電振動子23の電極は全て共通にして入出力端子V6とした。
一方、横配列アレイ32の表面を成す各圧電振動子33の電極にもそれぞれに結線34を設けさらに結線34を4つのグループに分けて接続した。この4つのグループは、圧電振動子33に、紙面上、右から順に1から26までの列番号を付したときに、1+4k、2+4k、3+4k、4+4k(k=0、1、2・・・)となる列番号の圧電振動子33同士をまとめて4つのグループとし、それぞれを順に入出力端子H1、H2、H3、H4とした。すなわち、列番号が1、5、9、13、17、21、25となる圧電振動子33をまとめて入出力端子H1とし、列番号が2、6、10、14、18、22、26となる圧電振動子33をまとめて入出力端子H2とし、列番号が3、7、11、15、19、23となる圧電振動子33をまとめてH3とし、列番号が4、8、12、16、20、24となる圧電振動子33をまとめて入出力端子H2とした。また、横配列アレイ32の裏面を成す各圧電振動子33の電極は全て共通にして入出力端子H6とした。
前記入出力端子V1、V2、V3、V4及び前記入出力端子H1、H2、H3、H4は、それぞれ変成器T1、T2、T3、T4の各並行2次回路に接続した。入出力端子V1、V3は第一の変成器である変成器T1の並行2次回路を成す巻線の両端にそれぞれ接続し、入出力端子V2、V4は第二の変成器である変成器T2の並行2次回路を成す巻線の両端にそれぞれ接続し、入出力端子H1、H3は第三の変成器である変成器T3の並行2次回路を成す巻線の両端にそれぞれ接続し、入出力端子H2、H4は第四の変成器である変成器T4の並行2次回路を成す巻線の両端にそれぞれ接続した。
変成器T1、T2、T3、T4の各並行2次回路を成す巻線の中間点を2次回路中性点として、変成器T1と変成器T2の2次回路中性点を共通にして入出力端子V5にし、変成器T3と変成器T4の2次回路中性点を共通にして入出力端子H5にした。入出力端子V5と入出力端子V6は第五の変成器である変成器T5の並行2次回路を成す巻線の両端
にそれぞれ接続した。
本実施例では更に、前記変成器T1乃至T4の1次回路に送受波切替回路7a乃至7dを接続した。すなわち、変成器T1の1次回路には第一の送受波切替回路となる送受波切替回路7aを接続し、変成器T2の1次回路には第二の送受波切替回路となる送受波切替回路7bを接続し、変成器T3の1次回路には第三の送受波切替回路となる送受波切替回路7cを接続し、変成器T4の1次回路には第四の送受波切替回路となる送受波切替回路7cを接続した。送受波切替回路7a乃至7dは送波信号入力部と受信信号出力部を具備し、送信信号と受信信号の切り替えを行う回路である。送受波切替回路7a乃至7dの各送波信号入力部には、送信信号を制御する送波ビーム切替回路8を接続した。送波ビーム切替回路8は、変成器T5の1次回路にも接続し、送受波切替回路7a乃至7dと変成器T5への送信信号の送信の切り替え動作を行う回路である。
送受波切替回路7a乃至7dの受信信号出力部には受波ビーム合成回路9を接続した。受波ビーム合成回路9は、送受波切替回路7a乃至7dの各受波信号出力部から出力される受信信号の位相を調整し、演算することにより得られる受波ビーム信号を受波ビーム信号出力部から出力する機能を有する。受波ビーム合成回路9の受波ビーム信号出力部には受波ビーム切替回路10を接続した。受波ビーム切替回路10では、前記入出力端子H5とH6の間から出力される受信信号と前記受波ビーム信号を適宜切り替えて、各受信信号を出力する回路である。
図4は、実施例による超音波フェイズドアレイ送受波器のビームを示す斜視図である。本実施例による超音波フェイズドアレイ送受波器11は、送波ビーム切替回路8により、送信信号の送信を縦配列アレイ22にすることで、ビーム11Aとビーム11Cからなるツインビームが得られ、送信信号の送信を横配列アレイ32にすることで、ビーム11Bとビーム11Dからなるツインビームが得られ、結果として直交4ビームが得られる。さらに、送信信号の送信を変成器T5にすることで、超音波フェイズドアレイ送受波器11の直下に放射されるビーム11Eからなるシングルビームが得られる。
一方、送受波切替回路7a乃至7dの受信信号は受波ビーム合成回路9に送られ、各位相を調整して加算し、前記直交4ビームをシングルビームに合成して出力する。シングルビームへ合成は、縦配列アレイ22では送受波切替回路7aの受信信号出力である奇数行ツインビーム信号と送受波切替回路7bの受信信号出力である偶数行ツインビーム信号との間に90°の位相差を付与して加算することにより、全行が位相差+90°又は−90°のステップの配列と等価となり、主極方位がビーム仰角で+30°又は−30°のシングルビームに合成される。行間隔と主極方位の関係は式(2)及び式(3)で表すことができる。
(2π/λw)×(行間隔:λw/2)×sinθ0=+π/2 ・・・(2)
∴sinθ0=12、θ0=30°
(2π/λw)×(行間隔:λw/2)×sinθ0=−π/2 ・・・(3)
∴sinθ0=−12、θ0=−30°
横配列アレイ32においても前記同様の原理によりシングルビームが合成され出力される。入出力端子H5とH6間の受信信号出力は送信の場合と同様に、超音波フェイズドアレイ送受波器11の直下に主軸を持つシングルビームが得られる。
本実施例による超音波フェイズドアレイ送受波器を実際に駆動して指向性を測定した。図5乃至図8は、実施例による超音波フェイズドアレイ送受波器の指向性を示すチャ−ト図である。図5乃至図8に示す指向性は、本実施例による超音波フェイズドアレイ送受波器を放射面が水面に対して垂直となるようにして水中深さ3mに沈め、放射面から3m離れた位置に水中マイクロホン或いは水中スピーカを配列し、本発明による超音波フェイズドアレイ送受波器を水面に対して水平方向に回転させながら送信及び受信の指向性を測定したものである。
図5乃至図8に示すチャートの実線は、各角度における、送信及び受信で得られた信号のレベルを示している。中心から外に向かってレベルが大きいことを示し、単位はdB(デシベル)で表示している。また、各測定で得られた最大値を0dBとしてチャートには示してある。
図5は、送波ビーム切替回路8により変成器T5に送信信号を送り、図4に示すビーム11Eであるシングルビームを実測した結果である。図6は送波ビーム切替回路8により送受波切替回路7aと7bに送信信号を送り、図4で示したビーム11Aとビーム11Cからなるツインビームを実測した結果である。図7及び図8は受波ビーム合成回路9から出力される図4に示すところのビーム11Aとビーム11Cからなるツインビームがビーム11Aとビーム11Cに分離されてシングルビームとなって出力される受波信号を実測した結果である。
図5乃至図8に示すように、本実施例による超音波フェイズドアレイ送受波器のビームは前述した設計値通りとなっていることが確認できた。
前述した如く、本発明による超音波フェイズドアレイ送受波器は、矩形板状の圧電振動子を用いて高周波化することで、圧電振動子の寸法が縮小しても、組み立て配線等が可能な長さ寸法の確保ができ、矩形板状の圧電振動子を配列し、縦配列アレイと横配列アレイの2つのアレイで超音波フェイズドアレイ送受波器を構成することにより、超音波フェイズドアレイ送受波器の直下へのシングルビームと直交4ビームとの5つのビームが得られる。従って、本発明によれば、直交4ビームに加え、ビーム放射面の直下にビームが放射できる高周波での駆動が可能な小型の超音波フェイズドアレイ送受波器の提供が可能となる。
本発明は、ドップラー効果を利用する速度計や伝播時間を利用する高度計などの測定や測量を水中で行う計測機器に利用することができる。
従来の送受波器のビームを示す斜視図。 実施例による超音波フェイズドアレイ送受波器の結線図。 実施例による超音波フェイズドアレイ送受波器の結線図。 実施例による超音波フェイズドアレイ送受波器のビームを示す斜視図。 実施例による超音波フェイズドアレイ送受波器の指向性を示すチャート図。 実施例による超音波フェイズドアレイ送受波器の指向性を示すチャート図。 実施例による超音波フェイズドアレイ送受波器の指向性を示すチャート図。 実施例による超音波フェイズドアレイ送受波器の指向性を示すチャート図。
符号の説明
1、11 超音波フェイズドアレイ送受波器
2、22 縦配列アレイ
3、13、23、33 圧電振動子
4、14、24、34 結線
7a、7b、7c、7d 送受波切替回路
8 送波ビーム切替回路
9 受波ビーム合成回路
10 受波ビーム切替回路
11A、11B、11C、11D、11E、62 ビーム
12、32 横配列アレイ
61 送受波器
63 主極軸
64 ビーム放射面
H 高度
V1、V2、V3、V4、V5、V6、H1、H2、H3、H4、H5、H6 入出力端子
T1、T2、T3、T4、T5 変成器
α 角度
β ビーム先端

Claims (3)

  1. 矩形板状長さをL、幅をW、厚さをTで表したときに、L≧3×W、T=λc/2(λcは圧電振動子の共振周波数における1波長)、W≦λw/2(λwは水中での前記共振周波数における1波長)となる圧電振動子からなり、前記圧電振動子の厚さTを挟む表裏2面に各々電極を設けて、幅Wを成す面が対向するように前記圧電振動子複数が平面上に隣接配列されるアレイを2つ有し、一方のアレイは前記圧電振動子のN個(Nは4以上の整数)がN行配列され縦配列アレイを構成し、他方のアレイは前記圧電振動子のM個(Mは4以上の整数)が前記縦配列アレイを成す前記圧電振動子の配列方向に対して直交する方向にM列配列された横配列アレイを構成し、前記縦配列アレイの裏面を成す前記圧電振動子の電極全てが接続され第の入出力端子を成し、前記縦配列アレイの表面を成す前記圧電振動子の電極は、それぞれ配列に対応したN本のリード線で引出され、前記リード線を順次1番からN番としたときに、1+4j、2+4j、3+4j、4+4j(j=0、1、2・・・)に対応する番号の前記リード線を1つのグループとし、前記リード線を4グループに分けて、前記グループ毎に結線をし、前記4グループそれぞれが順に第2の入出力端子、第3の入出力端子、第4の入出力端子、第5の入出力端子を成し、前記第2の入出力端子と前記第4の入出力端子は第一の変成器の平衡2次回路に接続され、前記第3の入出力端子と前記第5の入出力端子は第二の変成器の平衡2次回路に接続され、前記第一の変成器の2次回路中性点と前記第二の変成器の2次回路中性点は共通にされて第6の入出力端子を成し、前記第6の入出力端子と前記第1の入出力端子は第五の変成器の平衡2次回路に接続され、前記第一の変成器の1次回路は前記縦配列アレイのN行配列のうち奇数行の圧電振動子の交互逆接続を成し、前記第二の変成器の1次回路は前記縦配列アレイのN行配列のうち偶数行の圧電振動子の交互逆接続を成し、前記第五の変成器の1次回路は前記縦配列アレイの全圧電振動子の順接続を成し、且つ、前記横配列アレイの裏面を成す前記圧電振動子の電極全てが接続され第7の入出力端子を成し、前記横配列アレイの表面を成す前記圧電振動子の電極は、それぞれ配列に対応したM本のリード線で引出され、前記リード線を順次1番からM番としたときに、1+4k、2+4k、3+4k、4+4k(k=0、1、2・・・)に対応する番号の前記リード線を1つのグループとし、前記リード線を4グループに分けて、前記グループ毎に結線をし、前記4グループそれぞれが順に第8の入出力端子、第9の入出力端子、第10の入出力端子、第11の入出力端子を成し、前記第8の入出力端子と前記第10の入出力端子は第三の変成器の平衡2次回路に接続され、前記入第9の出力端子と前記第11の入出力端子は第四の変成器の平衡2次回路に接続され、前記第三の変成器の2次回路中性点と前記第四の変成器の2次回路中性点は共通にされて第12の入出力端子を成し、前記第三の変成器の1次回路は前記横配列アレイのM列配列のうち奇数列の圧電振動子の交互逆接続を成し、前記第四の変成器の1次回路は前記横配列アレイのM列配列のうち偶数列の圧電振動子の交互逆接続を成し、前記第12の入出力端子と前記第7の入出力端子との端子間が前記横配列アレイを成す全圧電振動子の順接続を成すことを特徴とする超音波フェイズドアレイ送受波器。
  2. 前記圧電振動子の配列ピッチをPで表したときに、P=(0.5±0.25)×λw(λwは水中での前記共振周波数における1波長)となることを特徴とする請求項1に記載の超音波フェイズドアレイ送受波器。
  3. 請求項1または請求項2のいずれかに記載の超音波フェイズドアレイ送受波器と、送波信号入力部と受波信号を出力する受波信号出力部とを有し、受信動作と送信動作を切り替える機能を有する第一乃至第四の送受波切替回路と、前記第一乃至第四の送受波切替回路の前記送波信号入力部と、前記第五の変成器の1次回路との接続を切替えて送波ビーム信号を出力する送波ビーム信号出力部を備える送波ビーム切替回路と、前記第一乃至第四の送受波切替回路の前記受波信号出力部に接続され、前記受波信号の位相を調整して演算を行い、受波ビーム信号を出力する受波ビーム信号出力部を備える受波ビーム合成回路と、前記第12の入出力端子と前記第7の入出力端子との間で横配列アレイを成す全圧電振動子の順接続で得られる垂直受波ビーム信号と前記受波ビーム合成回路が出力する前記受波ビーム信号とを切り替える受波ビーム切替回路とを備える超音波フェイズドアレイ送受波器であって、前記第一の送受波切替回路は前記第一の変成器に接続され、前記第二の送受波切替回路は前記第二の変成器に接続され、前記第三の送受波切替回路は前記第三の変成器に接続され、前記第四の送受波切替回路は前記第四の変成器に接続され、前記第一の送受波切替回路と前記第二の送受波切替回路へ送信信号が送信されることにより前記平面に対して垂直な面内に2つの主極を有する送波縦ツインビームが生成され、前記第三の送受波切替回路と前記第四の送受波切替回路へ送信信号が送信されることにより前記平面及び前記垂直面双方に垂直な面内に2つの主極を有する送波横ツインビームが生成され、前記第12の入出力端子と前記第7の入出力端子の間から得られる受波信号と前記第五の変成器への送信信号の送信とにより前記平面の直下に主極を有する送受波垂直シングルビームが生成され、前記受波ビーム合成回路は、前記第一の送受波切替回路と前記第二の送受波切替回路から出力される受波信号により得られる受波縦ツインビームを分離して受波上シングルビームと受波下シングルビームを生成し、前記第三の送受波切替回路と前記第四の送受波切替回路から出力される受波信号により得られる受波横ツインビームを分離して受波左シングルビームと受波右シングルビームを生成することを特徴とする超音波フェイズドアレイ送受波器。
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