JP3640854B2 - 超音波フェイズドアレイ送受波器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、超音波ビームを形成する超音波振動子のフェイズドアレイに関するもので、特に配列接続方法と駆動方法によって小型軽量化する超音波フェイズドアレイ送受波器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
水中においては、超音波のドップラー効果を利用した速度計、潮流計等が多く使用されている。この種の速度計または潮流計に用いられる代表的な送受波器は、直交4ビームを持つ超音波ドップラー送受波器である。代表的な構造は、4つの円盤状の圧電セラミック製の超音波振動子が組み込まれ、各々の放射面がビーム形成角度に正面するように配置されている。
【0003】
超音波ビームの指向幅は、駆動周波数と超音波振動子の外径で定まるが、ドップラー効果を大きくするための条件から指向幅と駆動周波数が設定され、次いで超音波振動子の外径が定まる。従って超音波振動子の外径の決定によって、直交4ビームを形成する超音波ドップラー送受波器の形状寸法は概ね定まる。
【0004】
又、一つのフェイズドアレイで2ビームを形成する円盤状の超音波ドップラー送受波器は、特開平4−238499で開示されている。この開示例は、図11に示すように、横方向に配列された超音波振動子に対して、COS曲線上の値をウエイトW1〜W10としたとき、そのビームパターンは、図12に示すように、グラフの横軸0度(即ち、超音波振動子中心の垂線方向)を中心として左右30度両方向に超音波ビームの主極が形成される。又、電気的接続を変更すれば、縦方向に対しても同様に前後30度両方向に超音波ビームが形成される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述した直交4ビームを形成する従来の代表的な超音波ドップラー送受波器は、次のような欠点がある。
【0006】
即ち、4つの超音波振動子で構成する超音波ドップラー送受波器は、その平面面積が超音波振動子の放射面積の4倍以上、質量も4倍以上になり、これを小型軽量化することは出来ない。
【0007】
又、前記開示例の1フェイズドアレイで2ビームを形成する円盤状の超音波ドップラー送受波器を用いた場合は、直交4ビームを得るのに二つのフェイズドアレイが必要となるため送受波器の平面面積が2倍になるという欠点の他、指向性合成回路が非常に複雑となる欠点があった。
【0008】
本発明は、上記の課題を解決し、最小寸法、最小質量となる小型で、安価な直交4ビームの超音波フェイズドアレイ送受波器を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、最小の超音波ドップラー送受波器とする超音波フェイズドアレイ送受波器において、超音波振動子を配列したフェイズドアレイの表面の結線と切替回路及び整相回路で縦方向に位相分布を作り、縦方向の前後2ビーム、前1ビーム、後1ビームの3種類のビーム形態を形成し、裏面の結線と切替回路及び整相回路で横方向に位相分布を作り、横方向の左右2ビーム、左1ビーム、右1ビームの3種類のビーム形態を形成し、表裏両面の交互各一操作で直交4ビームを得る。
【0010】
作動方法においては、前記超音波フェイズドアレイ送受波器の表面の前後2ビームでの送波後、前1ビームと後1ビームで受波し、次いで裏面の左右2ビームでの送波後、左1ビームと右1ビームで受波する第1の作動方法と、表面の前後2ビームと裏面の左右2ビームを連続して送波した後、表裏面の前1ビーム、後1ビーム、左1ビーム、右1ビームで受波する第2の作動方法があり、共に直交4ビームで寸法質量が最小となる超音波フェイズドアレイ送受波器を得る。
【0011】
即ち、本発明の超音波フェイズドアレイ送受波器は、表面及び裏面に電極を有する超音波振動子を縦方向にN個、横方向にM個を分極極性の方向を揃えて平面上に矩形配列した超音波フェイズドアレイ送受波器であって、二方向の配列間隔を水中音波の波長をλとして(0.5±0.25)λとし、音響放射面となる表面の電極を横方向直線状に一行ずつ電気的に結線してN本の結線群とし、裏面の電極を縦方向直線状に一列ずつ電気的に結線してM本の結線群とし、それぞれの結線群において、1+4k、2+4k、3+4k、4+4k(k=0,1,・・)及び1+4l、2+4l、3+4l、4+4l(l=0,1,・・)の合計8グループにまとめて接続してF1,F2,F3,F4及びB1,B2,B3,B4の入出力端子とし、F1とF3間で、又はF2とF4間で、又はF1とF2の短絡点とF3とF4の短絡点との間で電気信号を入出力して2行間隔で電気音響の変換極性を縦方向行毎に正負交互に分布させ、音響放射面中心の垂線を含む縦方向で垂線を中心とした対称方向に前後の主極を有する2ビームの指向性を形成し、B1とB3間で、又はB2とB4間で、又はB1とB2の短絡点とB3とB4の短絡点との間で電気信号を入出力して2列間隔で電気音響の変換極性を横方向列毎に正負交互に分布させ、前記音響放射面中心の垂線を含む横方向で垂線を中心とした対称方向に左右の主極を有する2ビームの指向性を形成し、合わせて前後2ビームと左右2ビームが直交するところの直交4ビームを形成することを特徴とする。
【0012】
本発明の超音波フェイズドアレイ送受波器における配列形状は、前記の超音波振動子数が縦横N×M(N≠M)の矩形、N=Mの正方形、若しくは正方形配列の一辺を概ねの直径とする円周内に位置する超音波振動子で構成する疑似円形とすることが出来ることを特徴とする。また、配列形状はビーム指向性の副極大レベルに影響し、矩形より円形の方が低レベルで好ましい。
【0013】
更に、本発明の超音波フェイズドアレイ送受波器は、表面及び裏面の両面に電極を有する円盤状の超音波振動子であって、表面は横軸に平行して等間隔に(N−1)行のスリットを設け、横方向に円盤外周間の長さと縦方向にスリット間の幅を有する分割振動子と分割電極N行を形成し、裏面は縦軸に平行して等間隔に(N’−1)列のスリットを設け、縦方向に円盤外周間の長さと横方向にスリット間の幅を有する分割振動子と分割電極N’列を形成し、前記超音波振動子の表裏面の両分割電極から、1+4k、2+4k、3+4k、4+4k(k=0,1,・・)及び1+4k’、2+4k’、3+4k’、4+4k’(k’=0,1,・・)の合計8グループにまとめて接続してF1,F2,F3,F4及びB1、B2,B3,B4の入出力端子とし、表裏各面の隣接する分割電極の中心間距離を水中音波の波長をλとして(0.5±0.25)λとしたことを特徴とする。
【0014】
また、本発明は、その配列形状を矩形、正方形又は疑似円形とした超音波フェイズドアレイ送受波器において、超音波振動子の縦方向の配列数をN=4n(n=1,2,・・)とし、横方向の配列数をM=4m(m=1,2,・・)とするところの少なくとも一方を4の整数倍としたこと、並びにスリット入り円盤状超音波フェイズドアレイ送受波器において、超音波振動子の表裏両面で直交したスリットで分割される振動子の、表面の分割振動子をN=4n(n=1,2,・・)とし、裏面の分割振動子をN’=4n’(n’=1,2,・・)とするところの少なくとも一方を4の整数倍としたことを特徴とする。
【0015】
本発明は、前記矩形配列、正方形配列、疑似円形配列及びスリット入り円盤状の各超音波フェイズドアレイ送受波器において、8点の入出力のF1とF3を第1の変成器の、F2とF4を第2の変成器の、B1とB3を第3の変成器の、B2とB4を第4の変成器の、各々の平衡回路用巻線に接続し、前記平衡回路用巻線の中性点を全て接地して表裏の片面の入出力信号による他面の入出力端子への影響を除去し、前記各変成器の対をなす不平衡用巻線の出力信号をS1,S2,S3,S4とし、S1とS2の内の一方の信号を他方の信号に対し90度の位相差を与える手段と、前記90度の位相差を与えた信号と他方の信号を加算及び減算する手段とを有し、S3とS4の内の一方の信号を他方の信号に対し90度の位相差を与える手段と、前記90度の位相差を与えた信号と他方の信号を加算及び減算する手段とを有し、各加算手段と各減算手段の出力から直交4ビームの各々が分離独立した1ビーム信号を得ることを特徴とする。
【0016】
次に、本発明の超音波フェイズドアレイ送受波器の動作の原理を説明する。
【0017】
本発明による超音波フェイズドアレイ送受波器の指向性特性は、振動子配列と配列の表裏両面の縦横方向の結線で特徴付けられ、送波用の2ビーム指向性の主極方位は次のように計算される。
【0018】
即ち、超音波振動子の送波音圧の極性は、例えば、図1の入出力端子F1とF3間,又はF2とF4間、又はF1とF2の短絡点とF3とF4の短絡点間への電気信号の入力により縦方向に二行間隔で正負が交互に反転するように分布し、前記出力端子のB1とB3間、又はB2とB4間、又はB1とB2の短絡点とB3とB4の短絡点間への電気信号の入力により横方向に二列間隔で正負が交互に反転するように分布する。
【0019】
このような分布による指向性は音響放射面中心の垂線の縦方向前後、又は横方向左右の2ビーム指向性となり、その主極方位と垂線の角度、即ち主極方位角(±θo)は、配列間隔をd、水中音波の波長をλとした指向性計算の結果から求められ、計算式(1)のようになる。
【0020】
sinθo=1/(4d/λ)・・・(1)
【0021】
これから配列間隔がd=0.5λの時、θo=30度で最も有用な主極方位角になり、また、d=0.25λの時のθo=90度から、d=0.75λの時のθo=20度迄の主極方位角が利用可能な範囲となる。なお、dが0.75λ以上にすると高レベルで広立体角の副極大が現れ、実用に適さなくなる。
【0022】
更に、本発明は、超音波フェイズドアレイ送受波器の受波用の1ビーム指向性4形態を、受信整相処理によって次のように形成する。
【0023】
即ち、超音波振動子の受波音圧の極性は、図5に示すように、入出力端子F1とF3を第1の変成器の、F2とF4を第2の変成器の、B1とB3を第3の変成器の、B2とB4を第4の変成器の、各々の平衡回路用巻線に接続して、各対の不平衡回路用巻線の出力信号をS1,S2,S3,S4としたとき、音響受音面(音響放射面と同じ)への入力音圧に対する出力信号の極性、即ち変換極性であり、送波の場合と同様に、S1とS2は、縦方向に二行間隔で正負が交互に反転するように分布し、S3とS4は、横方向に二列間隔で正負が交互に反転するように分布し、その結果、送波の場合と同様に縦横の各方向に2ビーム指向性を形成する。
【0024】
S1,S2両信号による縦方向全体の極性分布は、S1信号が奇数行番号の、S2信号が偶数行番号の接続組合せであることから極性の行分布は、正、正、負、負、正、正、負、負、・・・となる。
【0025】
更に、正負の極性が位相角の0度と180度の関係と等価になることから、これに置き換えた位相角の行分布は、0,0,180,180,0,0,180,180,・・・となる。
【0026】
受信整相処理におけるS1信号への−90度の位相差付与とS2信号の加算処理による位相角の行分布は、−90,0,90,180,−90(=270),0(=360),90(=450),・・・となり、この行番号方向に進相する分布により縦方向の前ビーム指向性を形成する。
【0027】
また、S1信号への−90度位相差付与とS2信号の減算処理(S2に−180度を加える)による位相角の行分布は、−90,−180,90(=−270),0,−90,−180,90(=−270),・・・となり、この行番号方向に遅相する分布により縦方向の後ビーム指向性を形成する。
【0028】
S3とS4両信号による横方向全体の極性分布についても同様にして、S3信号への−90度の位相差付与とS4信号の加算処理及び減算処理による位相角の列分布の進相と遅相により、横方向の左ビーム指向性と右ビーム指向性とをそれぞれ独立に形成する。
【0029】
送受波の縦横直交4ビーム指向性の各主極方位は、音響受音面中心の垂線方向を原点として縦横の直交軸で区分けされる4象限の各象限に位置し、この象限の分離の良さが各ビームの信号の質に関わるため垂線方向での指向性特性の切れ込みが大きい程良い。
【0030】
垂線方向の切れ込みを大きくするには、音響受音面の変換極性の正負の数と90度の位相差を与える信号の正負の数が等しければ良く、よって縦横各方向の超音波振動子の配列数が4の整数倍であることが良い。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0032】
図1は、本発明の第1の実施の形態による矩形配列超音波フェイズドアレイ送受波器の振動子の結線を示す図で、矩形配列超音波フェイズドアレイ1aを構成する超音波振動子2aの配列数がN=20、M=12の場合を示す。
【0033】
図2は、本発明の第2の実施の形態による正方形配列超音波フェイズドアレイ送受波器の振動子の結線を示す図で、正方形配列超音波フェイズドアレイ1bを構成する超音波振動子2bの配列数がn=n’=20の場合を示す。
【0034】
図3は、本発明の第3の実施の形態による疑似円形配列超音波フェイズドアレイ送受波器の振動子の結線を示す図で、疑似円形配列超音波フェイズドアレイ1cを構成する超音波振動子2cの最大配列数がn=n’=20の場合を示す。
【0035】
図4は、本発明の第3の実施の形態による超音波フェイズドアレイ送受波器の送信時の接続を示す図であり、この接続状態において、図6に示す縦方向前後2ビーム指向性と、同様の横方向左右2ビーム指向性とからなる直交4ビーム指向性を得る。
【0036】
図5は、本発明の第3の実施の形態による超音波フェイズドアレイ送受波器の受信時の接続を示す図であり、この接続状態において、図7と図8に示す縦方向前ビーム指向性と後ビーム指向性、及び縦方向と同様の横方向左ビーム指向性と右ビーム指向性とからなる直交4ビーム指向性を得る。
【0037】
以下、図3の第3の実施の形態を代表して説明する。
【0038】
第3の実施の形態による疑似円形配列超音波フェイズドアレイ送受波器の設定条件は、超音波振動子総数が292個、駆動周波数が150kHz,配列間隔がλ/2であり、このときの各ビームの指向性は主極方位角で29.9度、指向幅で6.9度であった。
【0039】
超音波振動子2cが縦横の隙間31c、32cを隔てて配列され、表面は横の結線41cで横方向直線状に一行ずつ接続して20行の結線端末を引き出し、裏面は縦の結線42cで縦方向直線状に一列ずつ接続して20列の結線端末を引き出した。
【0040】
表面の結線端末は、行番号で1,5,9,13,17、即ち1+4k、(k=0,1,・・)をまとめて短絡して入出力端子F1とし、同じく2+4kをまとめて短絡して入出力端子F2とし、以下同様に3+4kをF3、4+4kをF4とし、更に裏面の接続は列番号で1+4k’(k’=0,1,・・)をまとめてB1,2+4k’をB2,3+4k’をB3,4+4k’をB4として合計8点の入出力端子を構成した。
【0041】
超音波振動子2cは、圧電セラミックの縦振動モードを使用し、両端の電極形状は正方形とした。配列間隔は、水中音波の半波長、即ちλ/2配列とし、横振動の干渉を減ずるため、超音波振動子間の隙間31c、32cにコルク等の振動遮断材を入れた。
【0042】
また、図4に示すように、疑似円形配列超音波フェイズドアレイ1cの表面の結線をまとめた入出力端子(以下、端子と略称する)F1,F3は、第1の変成器5aの平衡回路用巻線(以下、平衡巻線と略称する)に接続し、平衡巻線の中性点(センタータップCT)は接地した。
【0043】
中性点の接地の目的は、表面と裏面の信号の相互干渉を防ぐと共に、変換極性の反転した振動子を直列接続した負荷と平衡回路を構成し、結果として安定した平衡信号を得ることにある。
【0044】
平衡巻線と対の巻線は、送受の切替が容易な不平衡回路用巻線(以下、不平衡巻線と略称する)とし、奇数行番号の総和の信号を入出力する。
【0045】
次に端子F2,F4は、第2の変成器5bの平衡巻線に接続し、中性点は接地することで、対の不平衡巻線は偶数列番号の総和の信号を入出力する。
【0046】
第1の変成器と第2の変成器の各不平衡巻線は、第1の送受切替回路6aに接続し、内部の切替スイッチ7a、7bで送波ビーム切替回路8側に接続し、内部の切替スイッチ7eで送信信号入力側に接続された時、外部送信器(図示せず)からの信号により送波する。
【0047】
従って、図4の接続においては、全ての振動子が駆動されて図6に示す縦方向前後2ビーム指向性を効率良く形成するが、接続を換えて第1の変成器と第2の変成器のいずれか一方で送波しても同様の指向性を形成することも可能であり、この間の指向性に実用上の差違はない。
【0048】
次に、裏面に対しても同様であり、端子B1,B3は、第3の変成器5cの、端子B2,B4は、第4の変成器5dの各平衡巻線に接続し、各変成器の不平衡巻線は、第2の送受切替回路6bに接続し、内部の切替スイッチ7c、7dで送波ビーム切替回路8側に接続し、内部の切替スイッチ7eで送信信号入力側に接続された時、送波し、図6と同様の横方向左右2ビーム指向性を形成した。
【0049】
縦方向前後2ビーム指向性と横方向左右2ビーム指向性は、送波ビーム切替回路8側の中の切替スイッチ7eで切り替えられて交互に送波する。
【0050】
また、図5に示すように、受信時おいては、各変成器5a〜5dの各不平衡巻線は、第1の送受切替回路6a、第2の送受切替回路6bに接続し、内部の切替スイッチ7a〜7dで第1の受信整相回路9a、第2の受信整相回路9b側に接続した。
【0051】
第1の受信整相回路9aは、第1の変成器5a、第2の変成器5bからの受信信号を受け、第1の変成器の出力信号を90度移相回路10aで移相し、第2の変成器の出力信号に対し90度の位相差を与え、その双方の信号を加算回路11aで加算して、図7に示す縦方向前ビーム指向性を形成する信号を出力し、双方の信号を減算回路12aで減算して、図8に示す縦方向後ビーム指向性を形成する信号を出力する。
【0052】
第2の受信整相回路9bも同様に、第3の変成器5c、第4の変成器5dからの信号を受け、90度移相回路10bと加算回路11b及び減算回路12bにより、横方向左ビーム指向性を形成する信号と横方向右ビーム指向性を形成する信号とを個別に出力する。
【0053】
受信時の接続においては、到来音波による入力音圧で個々の超音波振動子が駆動され、その駆動信号による振幅と位相分布の受信信号を出力するためと、フェイズドアレイの表面縦方向の受信信号の出力が表面結線だけで行われて裏面結線は中性点として接地され、裏面横方向の受信信号の出力が裏面結線だけで行われて表面結線は中性点として接地されているために表面と裏面の各出力信号間に干渉がなく、各方向のビーム指向性信号が独立しているために縦方向前後ビームと横方向左右ビームの出力を同時に得ることが出来る。
【0054】
しかしながら、送信時においては縦方向と横方向のそれぞれに2ビーム指向性を形成するのに必要な位相分布を同時に付加することは出来ないので、送波は交互送信となり、その結果として送受の組合せ作動は交互送受信となる。
【0055】
図9に、本発明の第4の実施の形態によるスリット入り円盤状のフェイズドアレイ送受波器の平面図と2方向の正面断面図を示す。
【0056】
超音波振動子21は、150kHzの縦振動共振用として、超音波振動子21の厚みが約10mmで、外形が約ψ100mmの圧電セラミックを使用した。超音波振動子21の上面に約0.5mm幅のスリットを入れ、スリット深さは超音波振動子21の厚みの70%以上とした。スリット数は、片面19溝、素子数は20個とし、表面と裏面の各スリットは、直交させた。
【0057】
図10に、本発明の第4の実施の形態のスリット入り円盤状のフェイズドアレイ送受波器の振動子の結線を示す。
【0058】
超音波振動子の表面各行と裏面各列の結線引出から変成器接続までの記載範囲は、第3の実施の形態の超音波フェイズドアレイ送受波器の結線と同様であり、以降の送信時と受信時の接続は、図4と図5に同じである。
【0059】
スリット入り円盤状のフェイズドアレイ送受波器は、第3の実施の形態による超音波フェイズドアレイ送受波器と比較して超音波振動子間で十分な振動遮断が得難いことから、双方の特性を比較するとビーム指向性の主極特性及びその他の特性は同等であるが、副極大が若干大きくなる傾向がある。
【0060】
しかしながら、スリット入り円盤状のフェイズドアレイ送受波器は、第3の実施の形態による多数の超音波振動子の配列、結線、組立をスリット加工に置き換えられるために安価な直交4ビームの超音波ドップラー送受波器を実現することが出来る。
【0061】
【発明の効果】
以上、説明した如く、本発明によれば、フェイズドアレイの超音波振動子の表面と裏面を結線し、表面の結線を使用して縦方向前後のビームを形成し、裏面の結線を使用して横方向左右のビームを形成することにより、1配列の大きさで、前後左右の直交4ビームを形成することが可能となり、同一の駆動周波数、同一のビーム幅を持つ直交4ビームの送受波器においては、最小の形状とすることが出来る。
【0062】
又、スリット入り円盤状のフェイズドアレイ送受波器においても、副極大の特性が多少劣るが、安価な直交4ビームのものを提供することが出来る。
【0063】
なお、本発明においては、説明の便宜上、表面を横方向結線で縦方向行番号に、裏面を縦方向結線で横方向列番号に、と表現しているが、単純な組み替えによる範囲、例えば、表面を縦方向結線で横方向列番号に、裏面を横方向結線で縦方向行番号に、のような範囲は本発明の範疇から外れることなく含まれる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態による矩形配列超音波フェイズドアレイ送受波器の振動子の結線を示す図。
【図2】本発明の第2の実施の形態による正方形配列超音波フェイズドアレイ送受波器の振動子の結線を示す図。
【図3】本発明の第3の実施の形態による疑似円形配列超音波フェイズドアレイ送受波器の振動子の結線を示す図。
【図4】本発明の第3の実施の形態による超音波フェイズドアレイ送受波器の送信時の接続を示す図。
【図5】本発明の第3の実施の形態による超音波フェイズドアレイ送受波器の受信時の接続を示す図。
【図6】本発明の第3の実施の形態における送波ビームの指向性を示す特性図。
【図7】本発明の第3の実施の形態における受波ビーム、前又は左の指向性を示す特性図。
【図8】本発明の第3の実施の形態における受波ビーム、後又は右の指向性を示す特性図。
【図9】本発明の第4の実施の形態によるスリット入り円盤状超音波フェイズドアレイ送受波器の振動子を示す説明図。
【図10】本発明の第4の実施の形態によるスリット入り円盤状超音波フェイズドアレイ送受波器の振動子の結線を結線を示す図。図10(a)は、表面を示す図。図10(b)は、裏面を示す図。
【図11】従来のフェイズドアレイ送受波器の配列を示す平面図。
【図12】従来のフェイズドアレイ送受波器の指向性を示す特性図。
【符号の説明】
1a 矩形配列フェイズドアレイ送受波器
1b 正方形配列フェイズドアレイ送受波器
1c 疑似円形配列フェイズドアレイ送受波器
2a,2b,2c 超音波振動子
31c (縦の)隙間
32c (横の)隙間
41c (横の)結線
42c (縦の)結線
5a 第1の変成器
5b 第2の変成器
5c 第3の変成器
5d 第4の変成器
6a 第1の送受切替回路
6b 第2の送受切替回路
7a,7b,7c,7d,7e 切替スイッチ
8 送波ビーム切替回路
9a 第1の受信整相回路
9b 第2の受信整相回路
10a,10b 90度移相回路
11a,11b 加算回路
12a,12b 減算回路
21 超音波振動子
22a 縦のスリット
22b 横のスリット
23a 横の結線
23b 縦の結線
B1,B2,B3,B4,F1,F2,F3,F4 (入出力)端子
CT センタータップ

Claims (7)

  1. 表面及び裏面に電極を有する超音波振動子を縦方向にN個、横方向にM個を分極極性の方向を揃えて平面上に矩形配列した超音波フェイズドアレイ送受波器であって、前記振動子の二方向の配列間隔を水中音波の波長をλとして(0.5±0.25)λとし、音響放射面となる前記表面の電極を横方向直線状に一行ずつ電気的に結線してN本の結線群とし、前記裏面の電極を縦方向直線状に一列ずつ電気的に結線してM本の結線群とし、それぞれの結線群において、1+4k、2+4k、3+4k、4+4k(k=0,1,・・)及び1+4l、2+4l、3+4l、4+4l(l=0,1,・・)の合計8グループにまとめて接続してF1,F2,F3,F4及びB1,B2,B3,B4の入出力端子とし、前記F1と前記F3間、又は前記F2と前記F4間、又は前記F1と前記F2の短絡点と前記F3と前記F4の短絡点との間で電気信号を入出力して2行間隔で電気音響の変換極性を縦方向行毎に正負交互に分布させ、前記音響放射面中心の垂線を含む縦方向で垂線を中心とした対称方向に前後の主極を有する2ビームの指向性を形成し、前記B1と前記B3間、又は前記B2と前記B4間、又は前記B1と前記B2の短絡点と前記B3と前記B4の短絡点との間で電気信号を入出力して2列間隔で電気音響の変換極性を横方向列毎に正負交互に分布させ、前記音響放射面中心の垂線を含む横方向で垂線を中心とした対称方向に左右の主極を有する2ビームの指向性を形成し、合わせて前後2ビームと左右2ビームが直交するところの直交4ビームを形成することを特徴とする超音波フェイズドアレイ送受波器。
  2. 請求項1記載の超音波フェイズドアレイ送受波器において、前記超音波振動子は、N=Mの正方形配列としたことを特徴とする超音波フェイズドアレイ送受波器。
  3. 請求項2記載の超音波フェイズドアレイ送受波器において、正方形配列の一辺を概ねの直径とする円周内に位置する超音波振動子で構成し、疑似円形配列としたことを特徴とする超音波フェイズドアレイ送受波器。
  4. 表面及び裏面に電極を有する円盤状の超音波振動子を備えた超音波フェイズドアレイ送受波器であって、前記表面に横軸に平行して等間隔に(N−1)行のスリットを設け、横方向に円盤外周間の長さと縦方向に前記スリット間の幅を有するN行の分割電極を形成し、裏面に縦軸に平行して等間隔に(N’−1)列のスリットを設け、縦方向に円盤外周間の長さと横方向に前記スリット間の幅を有するN’列の分割電極を形成し、それぞれの分割電極から、1+4k、2+4k、3+4k、4+4k(k=0,1,・・)及び1+4k’、2+4k’、3+4k’、4+4k’(k’=0,1,・・)の合計8グループにまとめて接続してF1,F2,F3,F4及びB1、B2,B3,B4の入出力端子とし、隣接する前記分割電極の中心間距離を水中音波の波長をλとして(0.5±0.25)λとしたことを特徴とする超音波フェイズドアレイ送受波器。
  5. 請求項1〜3のいずれかに記載の超音波フェイズドアレイ送受波器において、前記超音波振動子の縦方向の配列数をN=4n(n=1,2,・・)とし、横方向の配列数をM=4m(m=1,2,・・)とするところの少なくとも一方を4の整数倍としたことを特徴とする超音波フェイズドアレイ送受波器。
  6. 請求項4記載の超音波フェイズドアレイ送受波器において、前記表面の分割振動子をN=4n(n=1,2,・・)とし、前記裏面の分割振動子をN’=4n’(n’=1,2,・・)とするところの少なくとも一方を4の整数倍としたことを特徴とする超音波フェイズドアレイ送受波器。
  7. 請求項1〜4のいずれかに記載の超音波フェイズドアレイ送受波器において、前記F1と前記F3を第1の変成器、前記F2と前記F4を第2の変成器、前記B1と前記B3を第3の変成器、前記B2と前記B4を第4の変成器のそれぞれの平衡回路用巻線に接続し、前記平衡回路用巻線の中性点を全て接地し、前記変成器の対をなす不平衡用巻線の出力信号をS1,S2,S3,S4とし、前記S1と前記S2のうちの一方の信号を他方の信号に対し90度の位相差を与える手段と、前記90度の位相差を与えた信号と他方の信号を加算及び減算する手段とを有し、前記S3と前記S4のうちの一方の信号を他方の信号に対し90度の位相差を与える手段と、前記90度の位相差を与えた信号と他方の信号を加算及び減算する手段とを有し、各加算手段と各減算手段の出力から直交4ビームの各々が分離独立した1ビーム信号を得ることを特徴とする超音波フェイズドアレイ送受波器。
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