JP5207238B2 - 中空紐状物の収納方法 - Google Patents

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Description

本発明は、中空紐状物の収納方法に関する。
公知の線材収納方法として、スライバ、マルチフィラメント、電線、ワイヤー等様々な形態の線材についての収納方法が広く開示されている。
例えば、特許文献1及び2には、電線やワイヤー等の比較的剛性の高い線材の収納方法が開示されている。
また、特許文献3〜6には、スライバやマルチフィラメント等の比較的剛性の低い線材の収納方法が開示されている。
これら特許文献1〜6に記載の線材の収納方法は、いずれも収納容器を回転あるいは移動させながら、収納容器へ供給する線材の位置を回転あるいは移動させる方式が採用されている。そのため、線材の配置状態を収納容器の収納面全体にわたって比較的均等に収納することができ、収納効率の面で優れている。さらに、収納容器の内壁面と収納した線材の集合体との間の隙間を少なくでき、収納形態安定性の面でも優れている。
図6あるいは図7に示すように、これら公知の線材収納方法における線材11’の収納状態は、真円形状(図6)あるいは楕円形状(図7)の線材配置を一定間隔ピッチでずらした状態であり、このような状態にすることで、収納容器全体にわたっての均等な線材収納を実現している。
実開昭36−18364号公報 特開平9−136767号公報 特開昭51−15023号公報 特開昭55−165864号公報 特公昭64−3787号公報 特許第3626249号公報
しかしながら、特許文献1〜6に記載された収納方法により収納された線材の収納状態は、その断面が例えば図5(b)に示すように、積層された線材11’同士が交差して接触した交差接触状態になりやすかった。このような交差接触状態では、曲げ癖が付与されやすくなる。
従って、線材の収納量が大量にある場合には接触点が多くなるため、曲げ癖がより付与されやすくなり、特に収納容器の底部に収納された線材は、曲げ癖や上部からの重みを受けることに起因して、線材の断面形状が潰れやすかった。特に、中空紐状の線材の場合、多くの用途において柔軟性が要求されており、剛性が付与されにくいため、より一層潰れやすかった。
また、特許文献1〜6に記載された収納方法では、収納容器への線材の供給部分については回転あるいは移動等の動きを与える駆動を必要としているため、使用する収納装置が複雑な機構になりやすかった。
本発明の目的は、収納効率および収納形態安定性を確保しつつ、簡易な収納機構で、かつ積層された中空紐状物同士の交差接触による潰れを低減して中空紐状物を収納できる中空紐状物の収納方法を提供することである。
本発明の中空紐状物の収納方法は、中空紐状物を円筒容器に収納する中空紐状物の収納方法において、前記円筒容器を回転させて、且つ円筒容器の回転数を変化させて前記中空紐状物を前記円筒容器内に供給しながら、前記中空紐状物を前記円筒容器の内底面に渦巻き状態に配置し、且つ渦巻き状態に配置した中空紐状物を鉛直方向に積層させ、前記円筒容器の回転数を高回転数から徐々に低回転数に変化させた後に、逆に低回転数から高回転数に徐々に変化させる第一の回転数パターン、または前記円筒容器の回転数を低回転数から徐々に高回転数に変化させた後に、逆に高回転数から低回転数に徐々に変化させる第二の回転数パターンを繰り返す標準設定と、該標準設定に対して高回転数の設定時間を長くする設定と、前記標準設定に対して低回転数の設定時間を長くする設定とを前記円筒容器への中空紐状物の収納状態に応じて切り替えることを特徴とする。
さらに、前記円筒容器への中空紐状物の供給位置を当該記円筒容器の内壁面付近に固定することが好ましい。
また、前記中空紐状物が、中空状多孔質膜支持体であっても潰れにくい。
さらに、前記中空紐状物の最外径が1〜5mmであることが好ましい。
また、前記円筒容器の内径が300〜600mmであることが好ましい。
さらに、前記円筒容器の中心部に、外径が50〜200mmである円筒状の芯棒が取り付けられていることが好ましい。
また、1回転あたりの渦巻き円の半径Rの変化量αが下記式(1)を満たすことが好ましい。
中空紐状物の外径≦変化量α≦中空紐状物の外径×3 ・・・(1)
本発明の中空紐状物の収納方法によれば、収納効率および収納形態安定性を確保しつつ、簡易な収納機構で、かつ積層された中空紐状物同士の交差接触による潰れを低減して中空紐状物を収納できる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について説明する。
<中空紐状物>
本発明に用いる中空紐状物は、その外観が中空紐状物の長手方向の中心軸線に直角な断面で見た際、最外径が概略円形状であり、内部に長手方向に連続した空間を1つ以上有している構造であれば、特に限定されない。例えば、中空の組紐や編紐等マルチフィラメントから編まれた柔軟性の高い紐状物が挙げられる。
また、近年、分離を完全に行うことができ、かつコンパクトな濾過膜を用いた水処理が注目されており、濾過膜として中空状多孔質膜支持体が用いられている。中空状多孔質膜支持体は剛性が付与されにくいため、従来の方法で収納すると交差接触によって潰れやすくなるが、本発明は中空状多孔質膜支持体を収納する場合にも好適である。
中空紐状物の最外径は特に限定されるものではないが、おおよそ1〜5mm程度の大きさが本発明には好適である。
<収納方法>
図1は、本発明に用いる収納装置の一例を示す概略構成図である。この例の収納装置10は、中空紐状物11を収納する円筒容器12と、該円筒容器12を回転させる回転テーブル13と、中空紐状物11の供給位置を固定する供給ガイド14とを具備している。
本発明の中空紐状物の収納方法は、円筒容器12を回転させて、且つ円筒容器12の回転数を変化させて中空紐状物11を円筒容器12内に供給しながら、中空紐状物11を円筒容器12の内底面に渦巻き状態に配置し、且つ渦巻き状態に配置した中空紐状物11を鉛直方向に積層させることを特徴とする。
ここで、図1に示す収納装置10を用いて本発明を具体的に説明する。
(円筒容器)
円筒容器12は、図2に示すように中心部に円筒状の芯棒15が取り付けられていることが好ましい。
本発明においては、中空紐状物11を円筒容器12の内底面に渦巻き状態に配置するが、この際、円筒容器12の中心部では渦巻き円の曲率半径が小さくなるため、円筒容器12の中心部に中空紐状物11を配置させることは実際には困難である。そのため、円筒容器12の中心部には中空紐状物11が収納されない空間が生じてしまい、空間部分に積層された中空紐状物11が落ち込むことにより中空紐状物11の収納形態が崩れてしまう場合がある。従って、中空紐状物11の収納形態安定性を容易に確保するためには、円筒容器12の中心部に芯棒15を取り付けることが好ましい。
なお、本発明において「曲率半径」とは、曲線の局所的な曲がり具合を円に近似させたときの円の半径を意味する。
芯棒15の外径は中空紐状物11の柔軟性に応じて、中空紐状物11がとり得る最小の曲率半径より大きくすることが好ましい。具体的には、50〜200mmが好ましい。
円筒容器12の内径については特に限定はないが、円筒容器12の運搬等の取り扱い上、支障のない範囲でなるべく大きい内径とする方が、同じ量の中空紐状物11を収納する場合、中空紐状物11の収納高さを低く抑えられ、中空紐状物11の潰れを低減できる点から好ましい。具体的には、300〜600mmが好ましい。
(回転テーブル)
円筒容器12を回転させる回転テーブル13については、円筒容器12が容易に設置できる構造であれば特に限定はない。また、駆動方式としては、中空紐状物11の供給速度に応じた回転数の変化範囲での駆動が可能であれば特に限定されないが、中空紐状物11を円筒容器12に収納するには、後述する回転テーブル13の回転数パターンを予め設定する必要があるため、回転数パターンのプログラム入力が可能なコントローラー機能を有した駆動方式とすることが好ましい。
(供給ガイド)
供給ガイド14は、中空紐状物11の供給場所を規制できる形態であれば特に限定はされないが、中空紐状物11の外径よりも大きいリング状の形態とするのが好ましい。さらには、リング状の表面はバリ等がない滑らかな形状であることがより好ましい。
本発明では、円筒容器12への中空紐状物11の供給位置が重要となる。すなわち、中空紐状物11の供給位置を円筒容器12の内壁面付近に固定することが好ましい。これにより、中空紐状物11を円筒容器12の内壁面に沿って渦巻き状に配置しやすくなる。
なお、円筒容器の「内壁面付近」とは、内壁面から20mm以内の範囲を意味する。
中空紐状物11の供給位置を円筒容器12の内壁面付近に固定するには、供給ガイド14の取り付け固定位置を円筒容器12の内壁面付近の上方位置とすることが好ましい。例えば、供給ガイド14の取り付け固定位置を円筒容器12の中心上方にすると、中空紐状物11を円筒容器12の内壁面に沿って渦巻き状に配置しにくくなる。
(回転数パターンの設定)
中空紐状物11を円筒容器12に収納する際の回転テーブル13の回転数パターンは、円筒容器12に供給する中空紐状物11の供給速度及び外径、円筒容器12の内径、円筒容器12の芯棒15の外径に応じて決定される。
回転数パターンを決定する手順としては、まず、円筒容器12へ配置したい中空紐状物11を渦巻き状態に配置できるように設定(渦巻き配置設定)する。
中空紐状物11を円筒容器12の内底面に渦巻き状態に配置するにあたっては、まず、図3に示すような1回転あたりの渦巻き円の半径Rの変化量αを考慮して、回転数パターンを設定する。
1回転あたりの渦巻き円半径Rの変化量αは、円筒容器12に供給される中空紐状物11の外径に応じて設定されるが、中空紐状物11の外径以上とすることが、隣接した中空紐状物11同士が積み重なりにくく、隣接した中空紐状物11同士を密な状態で配置できる点で好ましい。また、変化量αは、下記式(1)を満たすことが好ましい。
中空紐状物の外径≦変化量α≦中空紐状物の外径×3 ・・・(1)
なお、渦巻き配置設定を決定するにあたって必要な1回転あたりの渦巻き円半径Rの変化量αは一定でなくてもよく、渦巻き円の半径Rの大きさが中心から大きくなるに従って変化量αを小さくしてもよく、逆に渦巻き円の半径Rの大きさが大きくなるに従って変化量αを大きくしてもよい。中空紐状物11の柔軟性や円筒容器12の大きさに応じて、収納効率と収納形態安定性が確保できる渦巻き配置設定を適宜選定すればよい。
渦巻き配置設定が決定すれば、回転テーブル13の回転数パターンは中空紐状物11の供給速度から決定できる。
以下に回転数パターンの決定までの手順の一例を具体的に説明するが、回転数パターンの決定に際しては表計算ソフト(エクセル等)を使用すると便利であり、以下の手順は表計算を利用した方法を前提条件として説明する。
まず、渦巻き円の半径Rを決定する関係式を、図3に示す幾何学的関係から変化量αと全回転角θで表現されるセル式として入力する。具体的な式の形は、渦巻き配置の開始点を円筒容器12の内壁面とし、内壁面から中心に向かって中空紐状物11を渦巻き状に配置する場合、円筒容器12の内径をDとして下記セル式(2)で表される。なお、式(2)〜(6)中、nはセル番号によって変わる変数を表す。
=(D/2−αθ)/2π ・・・(2)
一方、渦巻き配置の開始点を芯棒15の外径とし、円筒容器の中心から内壁面に向かって中空紐状物11を渦巻き状に配置する場合、芯棒15の外径をdとして下記セル式(3)で表される。
=(d/2+αθ)/2π ・・・(3)
上記式(2)、(3)に示す渦巻き円の半径Rの関係式を利用して、渦巻き円の半径Rの時の回転数が、中空紐状物11の供給速度との関係から表現できる。具体的な式の形は、回転数をw、中空紐状物11の供給速度をvとして下記セル式(4)で表される。
=v/2πR ・・・(4)
以上のように、回転数wは渦巻き円の半径Rの大きさから一意的に決定するが、回転数パターンを設定するためには、収納時間に対して回転数wが一意的に決定される必要がある。
ここで、渦巻き円の半径Rから中空紐状物11の収納量が一意的に決定されることを利用して、回転数wに対応する収納時間を一意的に決定する関係を導く。すなわち、渦巻き円の半径Rと収納量の関係は、渦巻き円の半径Rに対する収納量をLとすると、渦巻き円の半径Rと回転角変化の積が、渦巻き円の半径Rが変化する毎に積算されていくので、下記セル式(5)で表される。
n+1=L+Rn+1−θ) ・・・(5)
収納量に対する収納時間は中空紐状物11の供給速度vとの関係から収納時間をtとすると、下記セル式(6)で表される。
=L/v ・・・(6)
以上のように各々の関係をセル式(2)〜(6)で表すことができるので、最終的には収納時間と回転数の関係がセル上で導き出され、所望の渦巻き配置設定に対する回転数パターンを決定できる。
本発明においては、このようにして導き出された回転数パターンを適宜設定入力し、円筒容器の回転数を変化させて中空紐状物を円筒容器内に供給しながら、中空紐状物を円筒容器の内底面に渦巻き状態に配置し、且つ渦巻き状態に配置した中空紐状物を鉛直方向に積層させることで中空紐状物を円筒容器に収納する。
中空紐状物を円筒容器の内底面に渦巻き状態に配置し、且つ渦巻き状態に配置した中空紐状物を鉛直方向に積層させるには、円筒容器の回転数を高回転数から徐々に低回転数に変化させた後に、逆に低回転数から高回転数に徐々に変化させる第一の回転数パターン、または前記円筒容器の回転数を低回転数から徐々に高回転数に変化させた後に、逆に高回転数から低回転数に徐々に変化させる第二の回転数パターンを繰り返すのが好ましい。
さらに、第一の回転数パターン、または第二の回転数パターンを繰り返す標準設定と、該標準設定に対して高回転数の設定時間を長くする設定と、前記標準設定に対して低回転数の設定時間を長くする設定とを、円筒容器への中空紐状物の収納状態に応じて選択して、回転数パターンを入力設定するのがより好ましい。
具体的には、中空紐状物を円筒容器の内壁面から中心に向かって渦巻き状に配置する場合には、低回転数から徐々に高回転数に回転数パターンを変化させるのが好ましく、中心から内壁面に向かって渦巻き状に配置する場合には、逆に高回転数から徐々に低回転数に回転数パターンを変化させるのが好ましい。
従って、例えば渦巻き配置の開始点を円筒容器の芯棒の外径とし、円筒容器の中心から内壁面に向かって中空紐状物を渦巻き状に配置し、さらに鉛直方向上に積層させる場合は、回転数パターンを第一の回転数パターンに設定すればよい。すなわち、高回転数から徐々に低回転数に回転数パターンを変化させて、円筒容器の中心から内壁面に向かって中空紐状物を渦巻き状に配置して一層目を積層する。次いで、低回転数から徐々に高回転数に回転数パターンを変化させて、内壁面から中心に向かって中空紐状物を渦巻き状に配置して二層目を積層する。次いで、高回転数から徐々に低回転数に回転数パターンを変化させて、中心から内壁面に向かって中空紐状物を渦巻き状に配置して三層目を積層する。これを交互に繰り返すことで、渦巻き状態に配置した中空紐状物を鉛直方向に積層できる。
なお、回転数パターンは、計算上は収納時間に対して曲線状に回転数が変化するパターンになるが、実際の回転数パターンとしては厳密に計算上導き出されたパターンに追従しなくてもよく、例えば図4に示すように計算上導き出された回転数パターンに大凡追従するようなステップ状に変化する回転数パターンとしてもよい。
設定された回転数パターンを繰り返しながら円筒容器に中空紐状物を収納していくことで、渦巻き配置された中空紐状物の収納形態を積層していくことができる。
このとき、設定した渦巻き状態は、中空紐状物の供給速度と、回転テーブルの回転数パターンとによって計算上、実現し得る中空紐状物の配置状態であって、実際には、中空紐状物が積層されるにつれて収納面が平面でなくなることもある。その結果、徐々に中心部だけが高く積み重なったり、逆に外側が高く積み重なったりして、中空紐状物の積層面の高さが徐々に不均一になり、中心から外側に向かっての均一な収納面が確保できなくなることもあり得る。
そこで、前述の方法に則って設定された第一の回転数パターン、または第二の回転数パターンを繰り返す設定を標準設定として、該標準設定に対して高回転数の設定時間を長くする設定と、前記標準設定に対して低回転数の設定時間を長くする設定とを標準設定とは異なる回転数パターンとして準備しておき、円筒容器への収納状態を確認しながら必要に応じて回転数パターンを切り替えることができるようにすることが好ましい。これにより、中空紐状物の積層面の高さは均一になりやすくなり、中心から外側に向かっての均一な収納面が確保しやすくなる。
このようにして収納された中空紐状物の収納状態は、その断面が例えば図5(a)に示すようになり、図5(b)に示すものに比較して交差接触状態になりにくく、曲げ癖が付与されにくい。
従って、本発明であれば、中空紐状物の収納量が大量にあっても、接触点は増えにくいので、中空紐状物同士の交差接触による潰れを低減できる。
さらに、回転あるいは移動等の動きを与える駆動を用いなくても、円筒容器の回転数を変化させることで容易に中空紐状物を円筒容器に供給できるので、簡易な収納機構で中空紐状物を収納できる。
また、本発明であれば、濾過膜として用いられる中空状多孔質膜支持体を収納する場合にも好適である。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
収納する中空紐状物として、ポリエステル原糸(南亜製、「84dtex−72fil」)を5本束ねた状態で丸編された、外径約2.5mm、内径約1.8mmの編紐を使用し、100m/時間の速度で連続的に製紐しながら円筒容器に収納することとした。
収納装置としては、図1に示す構成のものを使用し、具体的な構成としては以下に示すものを用いた。
円筒容器12としては、内径約450mm、高さ820mmの内容積の中心部に、外径約130mmの芯棒を取り付けた構造のペーパードラムを使用した。
回転テーブル13は、大凡0.4〜20rpmの範囲で制御可能なブラシレスDCモーター(オリエンタル社製)駆動により回転する構造とし、円筒容器12内に中空紐状物11を渦巻き配置するための回転数パターンはシーケンサー内にパターンプログラムを入力しておき、起動ボタンを押すと同時にシーケンサーから回転数パターンに応じて回転数指令がモータードライバーへ出力されるシステムとした。
供給ガイド14としては孔径約6mmのスネールガイド(湯浅糸道工業社製)を使用し、大凡円筒容器12の縁に近い部分に取り付け、供給ガイド14を通して垂れ落ちた状態にある中空紐状物11が、円筒容器12の内壁面にほぼ接するような状態とした。
<実施例1>
上述の収納装置10を用い、図3に示す1回転あたりの渦巻き円の半径Rの変化量αが3mmとなるように渦巻き配置設定をし、表1に示す繰返し回転数パターンを入力して、円筒容器12を乗せた回転テーブル13をパターンに応じて回転させながら編紐(中空紐状物)11を円筒容器12内に収納した。
具体的には、渦巻き配置の開始点を円筒容器12の内壁面とし、表1に示すステップ1〜25の条件にて内壁面から中心に向かって編紐を渦巻き状に配置して1層目を積層した。次いで、ステップ26〜50の条件にて円筒容器12の中心からない壁面に向かって編紐を渦巻き状に配置して2層目を積層した。次いで、ステップ1〜25の条件にて内壁面から中心に向かって編紐を渦巻き状に配置して3層目を積層した。これを交互に繰り返し、編紐を鉛直方向に積層した。なお、実施例1で設定した回転数パターンは、第二の回転数パターンである。
その結果、約100時間の収納時間で約10000mの量の編紐が収納できた。収納状態としては積層高さが増すにつれて円筒容器の内壁面に隙間ができる傾向があったが、収納形態は崩れにくく、円筒容器の内底部に収納された編紐に潰れも見られなかった。
<実施例2>
変化量αが5mmとなるように渦巻き配置設定をし、表1に示す繰返し回転数パターンを入力した以外は、実施例1と同様にして編紐を円筒容器内に収納した。
その結果、約100時間の収納時間で約10000mの量の編紐が収納できた。収納状態としては積層高さが増すにつれて円筒容器の内壁面に隙間ができる傾向があったが、収納形態は崩れにくく、円筒容器の内底部に収納された編紐に潰れも見られなかった。
<実施例3>
円筒容器の内壁付近から円筒容器の芯棒付近に渦巻き配置するにつれて、渦巻き円の半径Rの変化量αが3mmから5mmに大きくなるように渦巻き配置設定をし、円筒容器の芯棒付近から円筒容器の内壁付近に渦巻き配置するにつれて、渦巻き円の半径Rの変化量αが5mmから3mmに小さくなるように渦巻き配置設定をし、表1に示す繰返し回転数パターンを入力した以外は、実施例1と同様にして編紐を円筒容器内に収納した。
その結果、約100時間の収納時間で約10000mの量の編紐が収納できた。収納状態としては積層高さが増すにつれて円筒容器の内壁面に隙間ができる傾向があったが、収納形態は崩れにくく、円筒容器の内底部に収納された編紐に潰れも見られなかった。
Figure 0005207238
本発明に用いる収納装置の一例を示す概略構成図である。 図1の収納装置に備わる収納容器の一例を示す概略図である。 渦巻き配置状態を設定するための、渦巻き円の半径とその変化量を示す概念図である。 計算上導き出される回転数パターンの一例を示すグラフである。 (a)は本発明により収納された中空紐状物の収納状態の一例を示す断面図であり、(b)は従来の方法により収納された線材の収納状態の一例を示す断面図である。 従来の方法により収納された線材の収納状態の一例を示す平面図である。 従来の方法により収納された線材の収納状態の他の例を示す平面図である。
符号の説明
10 収納装置
11 中空紐状物
12 円筒容器
13 回転テーブル
14 供給ガイド
15 芯棒

Claims (7)

  1. 中空紐状物を円筒容器に収納する中空紐状物の収納方法において、
    前記円筒容器を回転させて、且つ円筒容器の回転数を変化させて前記中空紐状物を前記円筒容器内に供給しながら、前記中空紐状物を前記円筒容器の内底面に渦巻き状態に配置し、且つ渦巻き状態に配置した中空紐状物を鉛直方向に積層させ
    前記円筒容器の回転数を高回転数から徐々に低回転数に変化させた後に、逆に低回転数から高回転数に徐々に変化させる第一の回転数パターン、または前記円筒容器の回転数を低回転数から徐々に高回転数に変化させた後に、逆に高回転数から低回転数に徐々に変化させる第二の回転数パターンを繰り返す標準設定と、該標準設定に対して高回転数の設定時間を長くする設定と、前記標準設定に対して低回転数の設定時間を長くする設定とを前記円筒容器への中空紐状物の収納状態に応じて切り替えることを特徴とする中空紐状物の収納方法。
  2. 前記円筒容器への中空紐状物の供給位置を当該記円筒容器の内壁面付近に固定することを特徴とする請求項1に記載の中空紐状物の収納方法。
  3. 前記中空紐状物が、中空状多孔質膜支持体であることを特徴とする請求項1または2に記載の中空紐状物の収納方法。
  4. 前記中空紐状物の最外径が1〜5mmであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の中空紐状物の収納方法。
  5. 前記円筒容器の内径が300〜600mmであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の中空紐状物の収納方法。
  6. 前記円筒容器の中心部に、外径が50〜200mmである円筒状の芯棒が取り付けられていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の中空紐状物の収納方法。
  7. 1回転あたりの渦巻き円の半径Rの変化量αが下記式(1)を満たすことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の中空紐状物の収納方法。
    中空紐状物の外径≦変化量α≦中空紐状物の外径×3 ・・・(1)
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