JP5207195B2 - 排出量取引システム及び排出量取引方法 - Google Patents

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Description

本発明は、予め割り当てられた温室効果ガスの排出枠が余ったことにより発生する排出余剰量を証券のように使えるようにし、これを効率的に取引可能とする排出量取引システム及び排出量取引方法に関する。
近年、二酸化炭素(CO2)等の温室効果ガスによる環境への悪化が、地球温暖化現象として重大な社会問題、国際問題となっている。この地球温暖化防止対策として、温室効果ガス削減の数値目標や、排出量取引、クリーン開発メカニズム等についての国際協定(気候変動に関する国際連合枠組条約の京都議定書(Kyoto Protocol to the United Nations Framework Convention on Climate Change):1997年12月11日に開催された地球温暖化防止京都会議で議決した議定書)が締結され、現在なお、各国はその実現に向けて努力している。
中でも排出量取引は、温室効果ガスの削減努力により生じた余剰排出枠を国家間や企業間で売買することであり、温室効果ガスの排出量削減に経済的インセンティブを与えることが期待されている。ところが、現在の排出量取引には問題も多い。その問題の1つに、中小企業やNPO(Nonprofit Organization)、個人等が排出枠を購入することが難しいというものがある。現在の排出量取引は国家間や大企業間が想定されており、その取引単位は大きく、売買も複雑であるためである。つまり、中小企業やNPO、個人は、自ら排出した温暖効果ガスを相殺(カーボンオフセット)しようとしても、その手段がないという問題があった。
このような問題を解決する手法として、排出枠を信託財産とし、その信託財産を信託受益権として小口化する手法が知られている。この手法では、具体的には、排出枠を保有している企業が信託銀行に排出枠を信託することが行われ、信託銀行からは、これを裏付けとする小口信託受益権が交付される。事業者や個人は、信託銀行からこのようにして交付された信託受益権を譲り受けることで、排出枠の実質的な所有者としての地位を得られる。例えば特許文献1には、燃料転換によって生じたCO2排出量の減少を、排出枠として証書化する市場を提供するためのシステムについて、記載されている。
一方、排出量取引は、排出削減の結果である排出枠に金銭的な価値を与えるものであるが、排出量取引そのものが温室効果ガスの排出を削減できるわけではないという問題も存在する。温室効果ガスは、商品やサービスの生産や流通等のすべての経済・社会活動の中で生じることから、商品やサービスの購入者側が、温室効果ガスを排出する量が少ない商品やサービスを積極的に選ぶことが求められている。
温室効果ガスを排出する量が少ない商品やサービスを積極的に選んで購入する行為は「グリーン購入」と称されており、2000年には、グリーン購入を推進するための「グリーン購入法」が制定されている。グリーン購入を推進する手法は色々考案されており、例えば特許文献2には、このグリーン購入に伴う二酸化炭素の削減量を集計して把握する手法が記載されている。
また、商品のCO2排出量とその出所を示すことにより、温室効果ガス削減への取り組みを行いやすくする「カーボンフットプリント」という取り組みも知られている。
特開2004−310469号公報 特開2007−249406号公報
しかしながら、カーボンフットプリントは商品のCO2排出量とその出所を示すだけであり、購入者に経済的インセンティブはない。従って、購入者の善意に頼った方法であり、実効性には疑問がある。一方で排出枠は、排出削減の結果によって生まれると同時に、経済的なインセンティブを与えることができる。つまり、例えば商品やサービスと排出枠とを結びつけて販売し、それらの商品やサービスを購入者に購入させるようにすれば、その売却行為によりカーボンオフセットが実現されるようになる。また、これらの排出枠付きの商品やサービスを購入者が積極的に選択するようになれば、結果として排出削減が促進されることになる。
このため、排出枠付きと銘打った商品が市場に数多く登場している。そしてこのような排出枠付き商品は、排出枠の所有業者によってメーカ又は販売店に販売される。つまり、排出枠付き商品の利用や処分時のCO2排出などを、メーカ又は販売店が排出枠の所有業者に替わって行うことになる。この取引では、消費者が排出枠付き商品を購入しても、その排出枠はメーカ又は販売店が所有または国へ無償で譲渡されるので、排出枠の所有権が消費者に移ることはないという問題があった。
上記問題点に鑑み、本発明は、商品単位で排出枠を開示するとともに、その取引も商品単位で行えるようにすることを目的とする。
本発明では非接触IC媒体を用いる。本発明で用いる非接触IC媒体とは、RFID(Radio Frequency IDentification)タグ、ICカード及び/又は同等の機能を有する情報蓄積媒体をいう。ホログラフィ等を用いた偽造防止付バーコードを付与した媒体は、本発明において非接触IC媒体として用いることができ、本発明においては上記の「同等の機能を有する情報蓄積媒体」に含めて取扱うこととする。 本発明の排出量取引システムにおいては、商品及び/又は排出枠を販売する販売者側の端末装置と、商品及び/又は排出枠を購入する購入者側の端末装置と、排出枠の決済を行う決済側サーバと、決済側サーバに対して決済処理の実行を要求する管理サーバとがネットワークで接続されている。
本発明の排出量取引システムに用いられる管理サーバは、非接触IC媒体へのデータの読み書きを行う第1の読書機と、排出枠の重量の情報と非接触IC媒体の識別情報とを対応付けて管理する第1のデータベースと、ネットワークを介してデータの送受信を行う第1の通信処理部と、第1のデータベース及び第1の通信処理部を制御する第1の制御部とを備える。また、購入者側の端末装置は、非接触IC媒体へのデータの読み書きを行う第2の読書機と、ネットワークを介してデータの送受信を行う第2の通信処理部と、第1の読書機と第2の通信処理部を制御する第2の制御部とを備えている。
また、本発明の排出量取引システムに用いられる決済側サーバは、販売者側の排出枠の重量の情報と、販売者の排出枠取り扱い口座の口座情報と、購入者側の排出枠の重量の情報と、購入者の排出枠取り扱い口座の口座情報とを管理する第2のデータベースと、第2のデータベースの制御及び販売者の口座からの引き落とし処理と購入者の口座への振り込み処理を制御する第3の制御部とを備えている。
そして、購入者側から、販売者側より購入した商品から取り外した非接触IC媒体が送られた場合に、第1の読書機に非接触IC媒体を読み取らせ、第1の読書機が読み取った識別情報に対応付けられた、第1のデータベース上の排出枠の重量を減算するとともに、減算した重量の情報である減算重量情報と非接触IC媒体の識別情報とを、決済処理の実行要求として決済側サーバに送信する。そして、管理サーバより決済処理の実行要求を受信した場合は、実行要求の中に含まれる識別情報に対応付けられた第2のデータベース上の、販売者における排出枠の重量から、管理サーバから送信された減算重量情報に記載された分の重量を減算するとともに、減算した重量を、第2のデータベース上の購入者における排出枠の重量に加算し、さらに、販売者の口座より減算した重量分に相当する金額を引き落とし、引き落とした金額を購入者の口座に振り込むようにしている。
また、本発明の排出量取引方法は、商品及び/又は排出枠を販売する販売者側と、商品及び/又は排出枠を購入する購入者側との間で温室効果ガスの排出枠を取引する排出量取引方法であって、排出枠の決済を行う決済側サーバに対して決済処理の実行を要求する管理サーバの処理においては、排出枠の重量の情報と非接触IC媒体の識別情報とを対応付けて管理するステップと、決済側サーバに設けられたデータベースに、販売者側の排出枠の重量の情報と、販売者の排出枠取り扱い口座の口座情報と、購入者側の排出枠の重量の情報と、購入者の排出枠取り扱い口座の口座情報を格納するステップと、を含む。
また、購入者側から、販売者側より購入した商品から取り外した非接触IC媒体が送られた場合に、非接触IC媒体に記載された識別情報を読み出し、読み出した識別情報に対応付けられた、データベース上の排出枠の重量を減算するとともに、減算した重量の情報である減算重量情報と非接触IC媒体の識別情報とを、決済処理の実行要求として決済側サーバに送信するステップと、決済側サーバにおいて、送信された決済処理の実行要求と、データベースに格納された情報に基づいて、販売者側と購入者側との間で取引がなされた排出枠に関連して販売者の口座からの引き落とし処理と購入者の口座への振り込み処理行うステップとを含んでいる。
本発明によれば、商品に添付された非接触IC媒体自体に排出枠に関連する情報を参照するための情報を記録しており、これによって排出枠を証券化(取引の対象物として実体化)しているので、排出枠の取引を容易にかつ確実に行えるようになる。
本発明が取り扱う排出枠の概念を説明するための概念図である。 本発明の実施形態例におけるシステムの概要を示す説明図である。 本発明の実施形態例におけるシステムの概要を示す説明図である。 本発明の実施形態例におけるシステムの構成例を示す説明図である。 本発明の実施形態例における排出枠口座管理事業者における処理の例を示す説明図であり、Aは引当処理の例を示し、Bは振込処理の例を示す。 本発明の実施形態例における商品販売事業者内のシステム内部構成の例を示すブロック図である。 本発明の実施形態例における電子タグ購入事業者内のシステム内部構成の例を示すブロック図である。 本発明の実施形態例における電子タグ情報管理事業者内のシステム内部構成例を示すブロック図である。 本発明の実施形態例における排出枠口座管理事業者内のシステム内部構成例を示すブロック図である。 本発明に用いられる電子タグのデータ構造の例を示す図である。 商品販売事業者のデータベースのテーブル構成例を示す図である。 排出枠口座管理事業者のデータベースのテーブル構成例を示す図である。 電子タグ情報管理事業者のデータベースのテーブル構成例を示す図である。 本発明の実施形態例における販売フェーズでの処理の例を説明するシステム構成図である。 本発明の実施形態例における販売フェーズでの処理の例を示すシーケンス図である。 本発明の実施形態例における販売フェーズでの商品販売事業者端末の処理を示すフローチャートである。 本発明の実施形態例における商品販売事業者内のデータベースのテーブル構成を示す図である。 本発明の実施形態例における電子タグ情報管理事業者における処理を示すフローチャートである。 本発明の実施形態例における電子タグ情報管理事業者のデータベースの処理に対応するテーブルの変化を示す図である。 本発明の実施形態例における排出余剰量の登録例を示す図である。 本発明の実施形態例における排出枠口座管理事業者における処理を説明するフローチャートである。 本発明の実施形態例における排出枠口座管理事業者のデータベース処理の結果、テーブルの変化を示す図である。 本発明の実施形態例における譲渡フェーズでの処理の例を示すフローチャート及びシーケンス図である。 本発明の実施形態例における排出余剰量参照フェーズでの処理の例を示すシステム概要図である。 本発明の実施形態例における排出余剰量参照フェーズでの処理の例を示すシーケンス図である。 本発明の実施形態例における電子タグ情報管理事業者内のデータベースの例を示す図である。 本発明の実施形態例における返却フェーズでの処理の例を示すシステム概要図である。 本発明の実施形態例における返却フェーズでの処理の例を示すシーケンス図である。 本発明の実施形態例における、読み出し専用の電子タグが使用される場合の返却フェーズにおける処理の例を示すシーケンス図である。 本発明の実施形態例における決済フェーズでの処理の例を示すシステム概要図である。 本発明の実施形態例における決済フェーズでの処理の例を示すシーケンス図である。 本発明の実施形態例における決済フェーズでの電子タグ情報管理事業者の処理の例を示すフローチャートである。 本発明の実施形態例における決済フェーズでの電子タグ情報管理事業者のデータベースの変化の例を示す図である。 本発明の実施形態例における決済フェーズでの排出枠口座管理事業者の処理の例を示すフローチャートである。 本発明の実施形態例における引き落とし処理時の排出枠口座管理事業者のデータベースの変化の例を示す図である。 本発明の実施形態例における振り込み処理時の排出枠口座管理事業者のデータベースの変化の例を示す図である。 本発明の変形例における電子タグのデータ構造の例を示す図である。 本発明の変形例における電子タグ情報管理事業者の特定方法を示すシーケンス図である。 本発明の変形例における電子タグ情報管理事業者内のデータベースのテーブル構造の例を示す図である。
以下、添付図面に基づいて、本発明のCO2排出量取引方法及びその管理システムの実施の形態例について、以下の項目にしたがって順次説明する。
1.排出枠の概念
2.システムの全体構成例
3.システムの内部構成例
4.電子タグ内のデータ構造
5.システムを構成する各データベースの構築例
6.システムの動作例
7.実施の形態による効果
8.実施の形態の変形例(1):電子タグの所有者が電子タグ情報管理事業者である場合の例
9.実施の形態の変形例(2):リユース・リサイクルシステムに適用する場合の例
[1.排出枠の概念]
図1は、本発明の実施の形態例(以下、「本例」と略称する。)を説明するための前提として、CO2等の温室効果ガスの排出枠を有価証券化して販売することを示した概念図である。A社とB社という企業が存在し、夫々の企業に排出可能枠が定められている状態が示されている。そして左側に示すA社においては、割り当てられた排出可能枠よりも、実際に排出した量(以下、実際排出量と称する)の方が少ないことが示されている。つまりA社は、排出可能枠から実際排出量を差し引いた余剰分の排出量(以下、「排出余剰量」と称する。)を有している。
一方、図1に示されるB社は、温室効果ガスの実際排出量が排出可能枠を超えている企業である。したがって、B社にとって排出可能枠が不足している。このような場合、B社はこの不足分を他から調達することにより、排出可能枠を増やすことができる。図1に示した例では、A社が排出余剰量を排出枠として販売し、その排出枠をB社が購入するという取引が成立する。なお、以下の説明では、決済される前の排出枠を「排出余剰量」と称し、決済後の排出枠を「排出枠」と称する。
本実施の形態のシステムは、排出余剰量を、工場等で生産される様々な生産物に添付して販売できるようにするシステムである。図2は、本例のシステムによって、企業における温室効果ガス(図2の例ではCO2)が削減される仕組みを示した説明図である。図2には、自動車の製造工程の各段階に関わる様々な工場が示されており、具体的には、エンジン工場F1〜エンジン工場F2と、ガラス工場F3〜ガラス工場F4、タイヤ工場F5〜タイヤ工場F6と、自動車組立工場F7とが示されている。
そして、エンジンを生産する工場であっても、エンジン工場F1とエンジン工場F2とでは、商品(エンジン)に添付する排出余剰量の量が異なっていることが示されている。エンジン工場F1では20kgの排出余剰量が商品に添付されているのに対して、エンジン工場F2では1kgの排出余剰量しか添付されていない。ここで、商品に添付する排出余剰量が多い工場とは、自社における排出量削減努力によって余剰の排出枠が増えた工場か、他の企業等から排出枠を多く購入した工場のいずれかである。
また、商品の購入者においては、排出余剰量は後にキャッシュバックされるものであるため、同等の商品であるならば、排出余剰量がより多く添付された商品を積極的に選択するようになる。つまり、排出余剰量がより多く添付された商品の方が、より売れるようになる。このため各工場では、より販売力のある商品、つまり、より多くの排出枠を添付した商品を販売するようになり、この結果、市場全体における排出枠の削減が進むことになる。
[2.システム全体構成例]
図3は、本発明の実施形態例のシステムの概要を説明するための図である。図3はシステムの大まかな概要のみを説明したものであり、システムを構成する装置の詳細等については後述する。
商品販売事業者P1は、商品10を製造・販売する事業者であり、商品10とともに、権利としての排出余剰量も販売する。排出余剰量は非接触IC媒体を用いた形態で販売される。以下では非接触IC媒体はRFIDタグ6(以下では「電子タグ6」と称する)を例に説明する。具体的には、商品販売事業者P1は、排出余剰量の管理データと紐付けされた識別子が記載された電子タグ6を用意し、その電子タグ6を商品10に添付して販売する。本例では、商品販売事業者P1は、商品10の製造・販売業者であるとともに、電子タグ6の所有者を兼ねている。
各商品10への排出余剰量の割り当て量は、任意に設定することができるものとする。すなわち、排出余剰量を一種のキャッシュバックとして利用できる。排出余剰量のデータはデータベースD1に記録されている。そして、このデータベースD1に記録された情報は、商品10に添付した電子タグ6から読み出せるようにしてある。
商品購入者P2は、商品販売事業者P1によって販売された電子タグ6付きの商品10を購入する者である。商品購入者P2は、図示せぬ電子タグ読書機によって商品10に添付された電子タグ6を読み取ることにより、購入した排出余剰量の情報を参照することができる。商品10と電子タグ6とは分離可能に構成してあり、商品10から電子タグ6を取り外すことにより、商品10を本来の用途で使用することができるようになる。また、この場合の取り外された電子タグ6は、有価証券として使用可能である。つまり電子タグ6は、「排出余剰量」を「排出枠」として決済するための有価証券のように使用できる。
排出枠の決済をするには、商品購入者P2は、電子タグ6を商品販売事業者P1に返却すればよい。返却された電子タグ6を受け取った商品販売事業者P1は、電子タグ6の受取と引き替えに、商品購入者P2の口座へ、代金の支払いを行う。すなわち、本例のシステムによれば、電子タグ6の返却行為により排出枠の決済を行えるようになる。なお、本例では、排出余剰量の決済処理を「電子タグ情報管理事業者」という商品販売事業者P1とは別の事業者に行わせる仕組みとしてある。なお、電子タグ情報管理事業者を含めたシステム構成については、次の図4を参照して説明する。
また、商品購入者P2は、電子タグ6が取り付けられた商品10又は、商品10から取り外した単体の電子タグ6を、他の商品購入者(タグ購入者P2′)に転売することもできる。そして、タグ購入者P2′から商品販売事業者P1に電子タグ6が返却されることにより、権利としての排出枠がタグ購入者P2′に譲渡されるようになる。なお、本例では電子タグ6に排出余剰量を記載して商品10に添付するようにしている、電子タグ6の代わりに、ICカード、偽造防止つきバーコードを使用する媒体等の情報蓄積媒体を用いるようにしてもよい。
次に、「電子タグ情報管理事業者」も含めたシステムの構成例について、図4を参照して説明する。図4において、図3と対応する箇所には同一の符号を付してある。本例のシステムでは、商品販売事業者P1が有する端末装置2と、電子タグ購入事業者P2が有する端末装置3と、電子タグ情報管理事業者P3が有する端末装置4とがネットワーク1を介して接続されている。
図4に示す商品販売事業者P1は、図3に示した商品販売事業者P1と同じであり、排出枠(排出余剰量)を商品10に添付して販売する。商品販売事業者P1が有する端末装置2には、それぞれの商品10毎に付加された電子タグ6を読み取る電子タグ読書機7aが接続されている。本例では、電子タグ6として、読み取りだけでなく書き込みも行えるものを使用できるようにしている。電子タグ6内のデータ構成については後述する。また端末装置2は、データベースサーバ(以下、簡略化して「DBサーバ」という。)8にも接続されている。DBサーバ8では、電子タグ6の運用に関する情報が管理される。なお、DBサーバ8の構築例についても後述する。
図4の電子タグ購入事業者P2は、図3における商品購入者P2と同じ人(または事業者)であり、商品販売事業者P1から、電子タグ6が添付された商品10を購入する。電子タグ購入事業者P2は、電子タグ6付きの商品10を購入した時点で、電子タグ6に割り当てられた排出余剰量を、自らの口座(購入側排出枠口座)に移転させることができる権利を有する。なお、電子タグ購入事業者P2の中には、電子タグ6が添付された商品10を購入する事業者だけでなく、商品10が付いていない電子タグ6のみを購入する事業者も含まれる。このため、ここでは「商品購入事業者」ではなく「電子タグ購入事業者P2」と称している。
電子タグ購入事業者P2が保有する端末装置3には、電子タグ6の読み取り及び書き込みを行える電子タグ読書機7b(第2の読書機)が接続されている。なお、電子タグ6として、読み取りだけが行えるものが使用されている場合には、読み取り専用の電子タグ読取機が使用される。なお、電子タグ6として、読み取りだけが行える他の方法として、例えば、バーコードを付与した媒体を使用する構成に適用してもよい。その場合には、電子タグ読書機の代わりに読み取り専用のバーコードスキャナを使用することができる。また、バーコードの複製を防止するためにはホログラフィ等の偽造防止技術を適用することができる。
電子タグ情報管理事業者P3は、商品販売事業者P1に代わって、排出余剰量の決済業務を行う事業者である。つまり電子タグ情報管理事業者P3は、電子タグ購入事業者P2より電子タグ6の返却を受け付け、電子タグ6に添付された排出余剰量を、電子タグ購入事業者P2の口座に移転させる処理を行う。なお、電子タグ情報管理事業者P3は、複数存在してもよい。つまり商品販売事業者P1は、排出余剰量の決済代行業務を、複数の電子タグ情報管理事業者P3に委託するようにしてもよい。
電子タグ情報管理事業者P3が使用する端末装置4には、電子タグ読書機7c(第1の読書機)と、DBサーバ9(管理サーバ)が接続されている。DBサーバ9では、電子タグ6に割り当てられた排出余剰量と、排出余剰量の登録を行った事業者(商品販売事業者P1)の名称と、その排出枠が管理される口座(以下、排出枠口座と称する)の口座番号と、その口座を管理する事業者である排出枠口座管理事業者名とが管理される。DBサーバ9の詳細については後述する。なお、端末装置4は複数用意することもできるし、この端末装置4に接続される電子タグ読書機7cも複数あってもよい。
販売側排出枠口座管理事業者P4とは、商品販売事業者P1の排出枠口座を管理する排出枠口座管理事業者であり、購入側排出枠口座管理事業者P5とは、電子タグ購入事業者P2の排出枠口座を管理する排出枠口座管理事業者である。なお、販売側排出枠口座管理事業者P4と電子タグ情報管理事業者P3は、同一の事業者であってもよいものとする。
販売側排出枠口座管理事業者P4内には、排出枠口座DBサーバ5a(決済側サーバ)が配置され、購入側排出枠口座管理事業者P5内には、排出枠口座DBサーバ5b(決済側サーバ)が配置されている。排出枠口座DBサーバ5aと排出枠口座DBサーバ5bでは、排出枠がその取り扱い単位毎に口座番号で管理される。このため、商品販売事業者P1は、販売側排出枠口座管理事業者P4が管理する口座を少なくとも1つ以上有し、電子タグ購入事業者P2は、購入側排出枠口座管理事業者P5が管理する口座を1つ以上有する必要がある。なお、1つの事業者(商品販売事業者P1又は電子タグ購入事業者P2)が複数の口座を有するようにしてもよい。
図5に、販売側排出枠口座管理事業者P4の排出枠口座DBサーバ5aと、購入側排出枠口座管理事業者P5の排出枠口座DBサーバ5bによる排出枠口座の管理の例を示してある。図5Aは、電子タグ6付き商品10又は電子タグ6が販売されるフェーズにおける処理を示し、図5Bは、電子タグ6の返却によって排出余剰量が決済されるフェーズでの処理を示している。
図5Aに示されるように、販売側排出枠口座管理事業者P4の排出枠口座DBサーバ5aでは、排出余剰量の総重量が「残高」Wsとして管理されている。そして、商品販売事業者P1によって排出余剰量が商品10に添付された時点で、販売側排出枠口座管理事業者P4の排出枠口座DBサーバ5aによって、添付された排出余剰量の重量分rが残高Wsから差し引かれ、「引当」As分に移転される。商品10に添付された排出余剰量は、いずれは電子タグ情報管理事業者P3より請求されるものであるため、残高を超える割り当てを防ぐ引当金として扱うようにしているためである。
購入側排出枠口座管理事業者P5の排出枠口座DBサーバ5bでは、その時点で電子タグ購入事業者P2が所有している排出余剰量が、残高Wbと引当Abとして管理されている。
図5Bに示すように、電子タグ購入事業者P2から電子タグ情報管理事業者P3に対して電子タグ6が返却されることによって、販売側排出枠口座管理事業者P4の排出枠口座DBサーバ5aと、購入側排出枠口座管理事業者P5の排出枠口座DBサーバ5bで決済処理が行われる。
まず、電子タグ購入事業者P2から電子タグ情報管理事業者P3に対して電子タグ6が返却されると、販売側排出枠口座管理事業者P4の排出枠口座DBサーバ5aにおいて、引当Asから商品添付分の重量分rが減算される。これにより、重量分rに相当する金額が、販売側排出枠口座管理事業者P4が管理する商品販売事業者P1の口座から引き落とされる。引当Asから減算された重量分rは、購入側排出枠口座管理事業者P5の排出枠口座DBサーバ5bに移転され、残高Wbに加算される。そして、重量分rに相当する金額が、購入側排出枠口座管理事業者P5が管理する電子タグ購入事業者P2の口座に振り込まれるようになる。
なお、本例のシステムでは、口座からの引き出し(排出余剰量の移転処理)は、口座の所有者または口座を管理する排出枠口座管理事業者によってしか行えないようにしてあり、口座への振り込み及び口座の参照は、誰が行ってもよいようにしている。
[3.システムの内部構成例]
次に、図6〜図9に基づいて、上述した各事業者におけるシステムの内部構成の例について説明する。
図6は、商品販売事業者P1内のシステムの内部構成例を示すブロック図である。図6において、図3、図4と対応する箇所には同一の符号を付してある。
<電子タグ6の構成例>
電子タグ6は、制御部6−1と、送受信部6−2と、記憶部6−3とから構成される。制御部6−1は、MPU(Micro Processing Unit)等よりなり、電子タグ6内の各部を制御する。記憶部6−3は半導体メモリ等よりなり、電子タグ6の識別子を記憶している。送受信部6−2は、制御部6−1による制御に基づいて電子タグ読書機7aと交信し、記憶部6−3に記憶された識別子を電子タグ読書機7aに送信する。
<電子タグ読書機7aの構成例>
電子タグ読書機7aは、制御部7a−1と、送受信部7a−2と、通信部7a−4とから構成される。制御部7a−1は、電子タグ読書機7aを構成する各部を制御する。送受信部7a−2は、制御部7a−1による制御に基づいて電子タグ6と交信し、電子タグ6に記憶された識別子を受信する。通信部7a−4は、制御部7a−1による制御に基づいて、電子タグ6から受信した識別子を端末装置2に送信する。
<端末装置2の構成例>
端末装置2は、制御部2−1と、通信処理部2−2と、記憶部2−3と、電子タグ読書機インタフェース(I/F)部2−4と、操作部2−5と、表示部2−6とから構成される。
制御部2−1は、端末装置2の有する各部を制御する。電子タグ読書機I/F部2−4は、制御部2−1による制御に基づいて、電子タグ読書機7aから送信された電子タグ6の識別子を受信し、これを制御部2−1に供給する。通信処理部2−2は、制御部2−1による制御に基づいて、電子タグ読書機7aから受信した電子タグ6の識別子をDBサーバ8に送信する。操作部2−5は、キーボードやマウス(いずれも図示略)よりなり、ユーザから入力された指示に基づいて、当該指示に応じた指示信号を生成して制御部2−1に供給する。
記憶部2−3は、HDD(Hard Disk Drive)等よりなり、制御部2−1が各種制御を行うための各種プログラムや各種データを記憶する。表示部2−6は、LCD(Liquid Crystal Display)等より成り、制御部2−1による制御に基づいて、各種通知等を画面上に表示する。
<DBサーバ8の構成>
DBサーバ8は、制御部8−1と、通信処理部8−2と、記憶部8−3とから構成される。通信処理部8−2は、制御部8−1による制御に基づいて、端末装置2が送信した電子タグ6の識別子を、ネットワーク1(図4参照)を介して受信し、これを制御部8−1に供給する。
記憶部8−3は、HDD等よりなり、制御部8−1が各種制御を行うための各種プログラムや各種データが記憶されている。また、記憶部8−3には、DB400(第3のデータベース)が格納されている。DB400には、電子タグ6を運用する際に必要な様々な情報が登録されている。DB400の構成例については後述する。制御部8−1は、DBサーバ8を構成する上述の各部を制御する。例えば、DB400へのデータの書き込みや、DB400からのデータの読み出しの制御等を行う。
図7は、電子タグ購入事業者P2内のシステムの内部構成例を示すブロック図である。図7において、図3、図4及び図6と対応する箇所には同一の符号を付してある。電子タグ購入事業者P2内のシステムは、電子タグ6の読み書きを行う電子タグ読書機7bと、端末装置3とで構成される。その他の構成については、図6に示したシステムとほぼ同一であるため、説明は省略する。
図8は、電子タグ情報管理事業者P3内のシステムの内部構成例を示すブロック図である。図8において、図3、図4及び図6、図7と対応する箇所には同一の符号を付してある。電子タグ情報管理事業者P3内のシステムは、電子タグ6の読み書きを行う電子タグ読書機7cと、端末装置4と、DBサーバ9とで構成される。電子タグ読書機7cについては、図7に示した電子タグ読書機7bと同一の構成であり、端末装置4については、図6に示した端末装置2及び図7に示した端末装置3と同一の構成である。また、DBサーバ9にはDB600(第1のデータベース)が格納されている。それ以外の構成については、図6に示したDBサーバ8とほぼ同一の構成であるため、これらに関しての説明は省略する。
図9は、販売側排出枠口座管理事業者P4又は購入側排出枠口座管理事業者P5におけるシステムの内部構成例を示すブロック図である。図9においては、販売側排出枠口座管理事業者P4と購入側排出枠口座管理事業者P5とを、ともに「排出枠口座管理事業者」と称している。
排出枠口座管理事業者内のシステムは、制御部5−1(第2の制御部)と、通信処理部5−2と、記憶部5−3と、で構成される。通信処理部5−2は、ネットワーク1を介して、商品販売事業者P1や電子タグ情報管理事業者P3との間でやりとりされるデータを、送信又は受信する。記憶部5−3は、HDD等よりなり、制御部5−1が各種制御を行うための各種プログラムや各種データが記憶されている。また、記憶部5−2は、DB500(第2のデータベース)を備えている。DB500には、商品販売事業者P1や電子タグ情報管理事業者P3の口座の情報や、排出枠の残高情報及び引当分情報が格納される。DB500の構成例については後述する。
制御部5−1は、MPU等よりなり、排出枠口座管理事業者内のシステムを構成する各部を制御する。例えば、DB500へのデータの書き込みや、DB500からのデータの読み出しの制御等を行う。
[4.電子タグ内のデータ構造の例]
次に、図10を参照して、電子タグ6内のデータ構造について説明する。電子タグ6内の記憶部6−3(図6参照)には、電子タグ6のそれぞれを識別するための識別子と、排出枠の譲渡先の口座番号とが格納されている。識別子には、商品販売事業者P1の番号又は名称と、一意に割り当てられた電子タグ6の識別子とが含まれる。電子タグ6に一意に割り当てられる識別子は、製造時等に半導体レベルで割り当てられるものとする。すなわち、変更は不可能である。排出枠の譲渡先の口座番号情報は、排出枠の決済をするときに使用される。
[5.各データベースの構築例]
次に、図11〜図14に基づいて各事業者の保有するデータベース構造について説明する。図11は、商品販売事業者P1が有するDB400のテーブル構造を示した図である。図11に示すように、DB400には、各電子タグ6に割り振られた識別子401と、状態402と、利用回数403と、利用開始日404と、商品情報405と、電子タグ情報管理事業者名406とが記録される。
状態402とは、電子タグ6が商品10に添付中であるか等の、電子タグ6の状態を示す項目である。商品10に電子タグ6が添付されている場合には、この欄は「添付中」となる。電子タグ6が無効とされている状態では、この欄は「無効済み」となる。電子タグ6の無効化は、電子タグ購入事業者P2より電子タグ6が返却された場合等に、その電子タグ6を使用して再度決済処理等が行われないようにする目的で行われる。
利用回数403とは、電子タグ6自体の利用回数を示す項目である。一度無効済みとなった電子タグ6は再度利用することができるようにしてあり、利用回数403の項目によってその利用回数が管理される。利用開始日404には、電子タグ6の利用を開始した年月日の情報が記録される。このように、利用回数や利用開始日を管理することにより、予め定めておいた利用回数や利用開始日からの経過日数等を超えた場合に、その電子タグ6は再利用せずに廃棄する等の処理をとることができるようになる。商品情報405には、商品10を製造したメーカの名称や、商品の型番の情報等の、商品10に関する情報が記録される。電子タグ情報管理事業者名406には、電子タグ情報管理事業者P3の名称が記録される。
図11に示した例によれば、識別子「1012-4567-00003」の電子タグ6は、現在商品10に添付中であり、2008年5月30日に利用が開始されてから現在に至るまでに、20回利用されていることが分かる。また、この電子タグ6が添付された商品10のメーカ名及び型番と、電子タグ情報管理事業者P3が「A管理会社」であることが分かる。
図12は、排出枠口座管理事業者内のDB500のテーブル構造を示した図である。なお、図12に示したDB500の構造は、販売側排出枠口座管理事業者P4と購入側排出枠口座管理事業者P5の双方に共通するものとする。図12に示すように、DB500には、それぞれの商品販売事業者P1あるいは電子タグ購入事業者P2の口座番号501が記録されており、これに続いて、口座所有事業者名502が記録されている。また、排出枠識別番号503では、排出枠の所定単位重量ごとに割り振られた識別番号が記録されている。排出枠の識別番号(以下、排出枠識別番号と称する)は、例えば国際連合等の認証機関によって発行された番号である。排出枠識別番号で管理される各排出枠は、その種類や出所に応じて取引価格が異なる場合がある。
図12に示した例では、口座番号が「00000001」であるX製造会社では、排出枠識別番号IDX1〜排出枠識別番号IDXMで管理されるM個の排出枠を所有していることが記録されている。また、口座番号が「00000002」であるY販売会社では、排出枠識別番号IDY1〜排出枠識別番号IDYNで管理されるN個の排出枠を所有していることが記録されている。
排出枠識別番号で管理される各排出枠においては、残高504と引当分505と有効期限506の情報が管理されている。
残高504には、排出枠識別番号で管理される排出枠の総重量から、決済によって移転された分の排出枠を引いた場合の、残りの重量が記録される。引当分505には、決済によって移転された分の排出枠の重量が記録される。有効期限506には、排出枠識別番号で管理される排出枠の有効期限が記録される。なお、有効期限の表記のフォーマットは任意の形式であってよいものとする。
図13は、電子タグ情報管理事業者P3内のDB600のテーブル構造を示した図である。図13に示すように、電子タグ情報管理事業者のDB600には、電子タグ6ごとに割り当てられた識別子601と、各商品10に関する排出余剰量を登録した登録事業者名602と、各商品10に関する排出枠の口座管理事業者名603が記録されている。口座管理事業者名603には、名称ではなく、各事業者に割り当てられた固有の番号や記号を登録するようにしてもよい。登録事業者名602は、本例では商品販売事業者P1となる。
電子タグ情報管理事業者P3のDB600には、さらに、商品10に関する排出枠口座の番号604と、排出余剰量605と、排出枠移転先の口座管理事業者名606と、移転先の口座番号607が記録されている。ここでいう「移転先」とは、排出枠の移転先のことであり、本例においては電子タグ購入事業者P2が該当する。
DB600においても、排出余剰量605は、排出枠識別番号毎に管理される。例えば、「1012-4567-00003」という識別子を持つ電子タグ6には、「JP001-000-0001」という排出枠識別番号で管理される排出枠と、「JP001-000-0002」で管理される排出枠と、「JP001-000-0003」で管理される排出枠が割り当てられている。例えば「JP001-000-0001」という排出枠識別番号で管理される排出枠の残量は、2kgであることが分かる。
[6.システムの動作例]
次に、本例のシステムの動作の例を説明する。なお、本例のシステムにおいては、電子タグ6の販売・購入から排出枠の決済までの間に複数のフェーズが存在するため、説明はそれぞれのフェーズ毎に以下の順序で行う。
(1)販売フェーズの動作例
(2)譲渡フェーズの動作例
(3)排出枠参照フェーズの動作例
(4)電子タグ返却フェーズの動作例
(5)決済フェーズの動作例
(1)販売フェーズの動作例
図14は、本発明の実施形態例を販売フェーズからみた場合のシステム構成図であり、図4の構成図に処理の流れを追加したものである。図15は、販売フェーズにおける各装置間での処理を示すシーケンス図である。図14と図15には、処理の手順を示す符号として同一のものを付与してある。また、図14及び図15において、太字で示された線は、そこで認証付きの通信が行われることを示すものである。
販売フェーズとは、商品販売事業者P1によって電子タグ6が商品10に添付されてから、電子タグ6付きの商品10が電子タグ購入事業者P2によって購入されるまでのフェーズを指す。図14に示すように、販売フェーズでは、まず商品販売事業者P1において、商品10に添付する電子タグ6の識別子と、排出余剰量に関する各情報とが対応付けられてDBサーバ8に登録される。そして登録されたこれらの情報が、電子タグ情報管理事業者P3と販売側排出枠口座管理事業者P4にも送信される。排出余剰量については、販売側排出枠口座管理事業者P4側で引当の可否が判断された上で、電子タグ情報管理事業者P3内のDB600に登録される。そして、このような手続きが完了した後に、電子タグ6が添付された商品10が、電子タグ購入事業者P2に販売される。
次に、図14に示す販売フェーズのシステムの動作について、まず図15のシーケンス図に基づいて説明する。その後に、各事業者内のシステムにおける動作について、図16〜図22を参照して説明する。
図15において、まず、商品販売事業者P1によって、商品10に電子タグ6が添付される(ステップS1)。この添付された電子タグ6は電子タグ読書機7aで読み取られ(ステップS2)、読み取られた電子タグの識別子が端末装置2に送られる(ステップS3)。
続いて、端末装置2において、商品10の排出余剰量と口座管理事業者名、口座番号、電子タグ情報管理事業者名が入力される(ステップS4)。ステップS3で受け取った電子タグの識別子と、ステップS4で入力された電子タグ情報管理事業者名は、商品販売事業者P1内のDBサーバ8に送られて(ステップS5)、DB400に記憶される(ステップS6)。
次に、端末装置2から電子タグ情報管理事業者P3内のDBサーバ9に対して、口座番号と電子タグ識別子、商品の排出余剰量、及び排出枠口座管理事業者名が認証付き通信により送られ(ステップS7)、電子タグ情報管理事業者P3では、これらの情報がDB600に追加される(ステップS8)。
そして、電子タグ情報管理事業者P3内のDB600での、タグ情報の追加完了を示す追加完了通知が、商品販売事業者P1の端末装置2に送られる(ステップS9)。すると、今度は、端末装置2から販売側排出枠口座管理事業者P4の排出枠口座DBサーバ5aに対して、口座番号と電子タグ識別子、商品の排出余剰量、電子タグ情報管理事業者名が、認証付き通信によって送信される(ステップS10)。
続いて、販売側排出枠口座管理事業者P4の排出枠口座DBサーバ5aから電子タグ情報管理事業者P3のDB600に対して、電子タグ識別子と排出余剰量とが認証付き通信により送られ(ステップS11)、この結果、電子タグ情報管理事業者P3のDB600に排出余剰量が追加される(ステップS12)。
次に、電子タグ情報管理事業者P3内のDBサーバ9から販売側排出枠口座管理事業者P4のDBサーバ5aに対して追加完了通知がなされ(ステップS13)、続いて、販売側排出枠口座管理事業者P4のDBサーバ5aから商品販売事業者P1の端末装置2に対して、引当移転完了通知が送られる(ステップS14)。これを受けて、端末装置2では、商品販売事業者P1に対する排出余剰量の登録完了通知がされ(ステップS15)、商品販売事業者P1によって、電子タグ6付きの商品10の販売が開始される(ステップS16)。そして、電子タグ購入事業者P2に対して電子タグ6付き商品10が納品され(ステップS17)、電子タグ購入事業者P2によって商品10が受け取られる(ステップS18)。これをもって販売側のシーケンスが終了する。
<端末装置2における処理の説明>
次に、図16のフローチャートに基づいて、本発明の実施形態例における端末装置2での処理について更に詳しく説明する。まず、各商品10に付加された電子タグ6が、商品販売事業者P1によって電子タグ読書機7aにかざされ、それによって電子タグ6の識別子が電子タグ読書機7aに受信される(ステップS20)。続いて、商品販売事業者P1によって、商品10の排出余剰量と口座管理事業者名、口座番号、電子タグ情報管理事業者名等の各種データが端末装置2に入力される(ステップS21)。そして、入力された電子タグ識別子、商品の排出余剰量と口座管理事業者名、口座番号、電子タグ情報管理事業者名が、端末装置2からDB400に送信される(ステップS22)。
次に、端末装置2から電子タグ情報管理事業者P3のDB600に対して、口座番号と電子タグ識別子、商品の排出余剰量、排出枠口座管理事業者名が認証付き通信で送信される(ステップS23)。そして、電子タグ情報管理事業者P3より追加完了通知が送信された場合に、それが端末装置2によって受信される(ステップS24)。
続いて、端末装置2は、電子タグ識別子と排出余剰量を販売側排出枠口座管理事業者P4のDB500に認証付き通信で送信する(ステップS25)。次に、端末装置2では、販売側排出枠口座管理事業者P4から残高不足の通知を受け取ったか否かが判断される(ステップS26)。この判断ステップS26で、残高不足の通知ではないと判断されたときは、排出余剰量登録完了の通知が表示部2−6上に表示される(ステップS27)。一方、判断ステップS26で残高不足である旨の通信を受け取ったと判断された場合は、排出枠不足の通知を表示して、処理を中止する(ステップS28)。
図17は、DB400におけるデータの登録例を示す図であり、Aは、図16のステップS22で電子タグ6に関する情報が端末装置2から送信される前の状態を示し、Bは送信された後の状態を示す。図17において、図11と対応する箇所には同一の符号を付してあり、説明は省略する。
図17Aに示したDB400には、「1013-7890-00032」という識別子の電子タグ6の情報として、商品情報405と電子タグ情報管理事業者名406とが記載されていない。この状態で、端末装置2から情報が送信されると、DB400におけるデータの登録状態が図17Bに示すようになる。すなわち、商品情報405にメーカ名と型番や他の情報が追加され、電子タグ情報管理事業者名406に「B管理会社」が追加される。また、状態402が「無効済み」から「添付中」に変化し、利用回数403が「51」から「52」に変わっている。
つまり、DB400に登録された電子タグ6に関する情報のうち、固定的に登録されているのは、識別子と利用開始日の情報のみであり、他の情報は、電子タグ6の使用状態に応じて書き換えられることが分かる。
<電子タグ情報管理事業者のDBサーバでの処理の説明>
次に、図18のフローチャートに基づいて、電子タグ情報管理事業者P3のDBサーバ9での処理の例について説明する。まず、電子タグ情報管理事業者P3のDBサーバ9は、端末装置2から電子タグ識別子と排出枠所有者名(図13の602で示す登録事業者名と同じ。)、商品の排出余剰量、排出枠口座管理事業者名、口座番号を、認証付き通信を通じて受信する(ステップS31)。
続いて、受信した電子タグ識別子が、DB600に登録済みであるか否かが判断される(ステップS32)。受信した電子タグ識別子が既に登録されていると判定された場合は、送信者に対して二重登録の通知が送信される(ステップS33)。ステップS32で、同じ識別子は登録されていないと判断された場合は、受信した電子タグ識別子に関する情報を格納するラインがDB600内に追加され、そのラインに、受信した電子タグ識別子と販売側排出枠口座管理事業者P4の情報が入力される(ステップS34)。
次に、商品販売事業者P1の端末装置2に対して、追加完了通知が認証付き通信で送信される(ステップS35)。続いて、販売側排出枠口座管理事業者P4の排出枠口座DBサーバ5aから電子タグ識別子と引当排出余剰量を認証付き通信で受信し(ステップS36)、この受信した電子タグ識別子から、送信者が販売側排出枠口座管理事業者P4であるかどうかが判定される(ステップS37)。
ステップS37で、送信者が販売側排出枠口座管理事業者P4ではないと判定された場合は、送信者に対して受信しない旨の拒絶通知が返信される(ステップS38)。また、ステップS37で、送信者が販売側排出枠口座管理事業者P4であると判定された場合は、電子タグ識別子に関する排出余剰量が、DB600に追加される(ステップS39)。そして、販売側排出枠口座管理事業者P4に対して、追加完了通知が認証付き通信で送信される(ステップS40)。
図19は、図18のステップS34とステップS39でのDB600への登録処理の詳細を説明するための図である。図19Aは、図18のステップS31で、商品販売事業者P1の端末装置2から電子タグ6に関する情報が送信される前のDB600のデータ登録例を示すものである。
図19Bは、図18のステップS34で、電子タグ識別子に関する情報を格納するラインがDB600内に追加され、そのライン内に、受信した電子タグ識別子と販売側排出枠口座管理事業者P4の情報が入力された状態を示す図である。例えば、商品販売事業者P1の端末装置2から受信した情報が下記であった場合に、この情報が図19B中に斜線で示した部分に追加される。
電子タグ識別子:1014-1111-00027
登録事業者名:Z小売店
排出枠の口座管理事業者名:C口座管理組合
排出枠口座番号:00000003
また、図18のステップS39で送信された排出余剰量は、図19C中の斜線で示した部分に追加される。この箇所を拡大表示したものを図20に示してある。例えば、商品販売事業者P1の端末装置2から受信した情報が下記であった場合に、排出余剰量の情報は図20に示すように登録される。
排出枠識別番号:JP001-000-0001、残量:2kg、有効期限:2008.4-2009.3
排出枠識別番号:JP001-000-0002、残量:2kg、有効期限:-2009.3
排出枠識別番号:JP001-000-0003、残量1kg、有効期限:2009.4-
<販売側排出枠口座管理事業者データベースの処理の説明>
次に、図21のフローチャートに基づいて、販売側排出枠口座管理事業者P4内で行われる処理の例について説明する。まず、販売側排出枠口座管理事業者P4の排出枠口座DBサーバ5a(図14参照)は、商品販売事業者P1の端末装置2から、電子タグ識別子と口座番号、商品に割り当てた排出余剰量、電子タグ情報管理事業者名を認証付き通信で受信する(ステップS50)。
そして、送信者が口座所有者であるかが判断され(ステップS51)、送信者が口座所有者でない場合は、受信できない旨の拒絶通知が送信者に返信される(ステップS52)。ステップS51で、送信者が口座所有者と一致していると判断された場合は、次に排出枠残高が、商品10に添付された排出余剰量以上であるかどうかが判断される(ステップS53)。
このステップS53で、排出枠残高が商品10に添付された排出余剰量より少ない場合には、送信者に対して残高が不足している旨の通知が行われる(ステップS54)。一方、ステップS53で、排出枠残高が商品の排出余剰量以上であると判断された場合には、排出枠残高から商品に添付された排出枠余剰量分を減算し、さらに引当排出枠に商品10に添付された排出余剰量分を加算する処理が行われる(ステップS55)。ここで行われる減算及び加算の処理の詳細については後述するものとし、以下の説明では、これらの処理のことを「引当処理」と称する。
続いて、電子タグ情報管理事業者P3に対して排出余剰量が認証付き通信で送信され(ステップS56)、電子タグ情報管理事業者P3から認証付き通信で送信された追加完了通知が受信される(ステップS57)。最後に、排出枠口座DBサーバ5aに、口座番号、電子タグ識別子、排出余剰量が追加し、商品販売事業者P1の端末装置2に対して、引当移転完了通知が認証付き通信で送信される(ステップS58)。
次に、図22を参照して、販売側排出枠口座管理事業者P4内の排出枠口座DBサーバ5aにおける、引当処理の例について説明する。図22は、排出枠口座DBサーバ5a内のDB500のデータ登録例を示す図であり、Aは引当処理が行われる前の状態を示し、Bは引当処理が行われた後の状態を示す。ここでいう引当処理とは、図5Aを参照して説明した、商品10に添付された分の重量rを残高Wsから減算し、引当Asに加算する処理を指す。
図22Aに示すように、DB500に記録されている「00000001」の口座番号では、排出枠識別番号ID〜IDで管理される排出余剰量が管理されている。例えばIDの識別番号を持つ排出余剰量は、残高がW、引当分はAであり、IDの識別番号で管理される排出余剰量は、残高がWであり、引当分はAであることが示されている。
商品販売事業者P1によって排出枠識別番号ID〜IDで管理される排出余剰量が商品10に添付されると、DB500のデータは図22Bのように変更される。つまり、残高W〜残高Wにおいては、商品10に割り当てられた重量r〜重量rの各排出余剰量が減算され、引当分A〜Aにおいては、重量r〜重量rが加算される。
(2)譲渡フェーズの動作例
次に、本例のシステムにおける譲渡フェーズでの処理の例について、図23を参照して説明する。本例のシステムでは、電子タグ6が添付された商品10を、購入者がそのまま使用してもよいが、譲渡することもできるようにしている。譲渡の行為は、0回以上繰り返してもよいものとする。
図23Aは、譲渡が行われない場合の処理の例を示すフローチャートである。図23Aでは、電子タグ購入事業者P2によって電子タグ6付きの商品10が受け取られ(ステップS61)、電子タグ6が商品10から取り外される(ステップS62)。そして、電子タグ6は、取り外しを行った商品購入事業者P2によって取得される(ステップS63)。すなわちこの場合は、商品購入事業者P2が、排出枠の決済権を有することになる。
図23Bは、電子タグ6が、商品10に添付された状態で譲渡される場合の処理の例を示すフローチャートである。まず、商品購入事業者P2によって電子タグ6付きの商品10が受け取られ(ステップS71)、電子タグ6が添付された商品10が、譲渡先事業者に譲渡される(ステップS72)。つまり、電子タグ6付き商品10が、譲渡先事業者に受け渡される(ステップS73)。そして譲渡先事業者によって、電子タグ6付き商品10が受け取られる(ステップS74)。この場合は、譲渡先事業者が、排出枠の決済権を有することになる。
図23Cは、商品10から取り外された電子タグ6が、単体で譲渡される場合の例を示すフローチャートである。まず、商品購入事業者P2によって電子タグ6付きの商品10が受け取られ(ステップS81)、電子タグ6が商品10から取り外される(ステップS82)。そして、電子タグ6が単体で譲渡先事業者に譲渡される(ステップS83)。つまり、電子タグ6が譲渡先事業者に受け渡される(ステップS84)。そして、譲渡先事業者によって、電子タグ6が受け取られる(ステップS85)。この場合も、譲渡先事業者が、排出枠の決済権を有することになる。
図23Dは、もともと電子タグ6のみを購入した電子タグ購入事業者P2が、他の譲渡先事業者に電子タグ6を譲渡する場合の処理の例を示すフローチャートである。電子タグ購入事業者P2では、電子タグ6を受け取ると(ステップS91)、その電子タグ6の譲渡先事業者への譲渡が行われる(ステップS92)。すなわち、電子タグ6が譲渡先事業者に受け渡され(ステップS93)、譲渡先事業者によって電子タグ6が受け取られる(ステップS94)。この場合にも、譲渡先事業者が、排出枠の決済権を有することになる。
このように本例のシステムによれば、電子タグ6が添付された商品10から電子タグ6を取り外して排出枠として決済する以外にも、電子タグ6付き商品10や、商品10から取り外した電子タグ6を他の事業者に譲渡することもできる。なお、上述した譲渡には有償のものだけでなく無償のものも含まれるものとする。
(3)排出枠参照フェーズの動作例
次に、排出枠参照フェーズによる本システムでの動作の例について、図24及び図25を参照して説明する。図24と図25には、処理の手順を示す符号として同一のものを付与してある。排出枠参照フェーズとは、電子タグ6付き商品10又は、電子タグ6を受け取った電子タグ購入事業者P2が、その電子タグ6に割り当てられた排出余剰量を参照するフェーズを指す。排出余剰量の参照は、0回以上行ってもよいものとする。
図24は、本発明の実施形態例を排出枠参照フェーズからみた場合のシステム構成図であり、図4に示したシステムと対応している。図24に示すように、電子タグ購入事業者P2は、電子タグ6を電子タグ読書機7bにかざして電子タグ6の識別子を取得する。そして、識別子から特定される電子タグ情報管理事業者P3に対して、排出余剰量の問い合わせを行うことにより、排出余剰量を照会できる。
図25は、排出枠参照フェーズにおける各装置での動作の例を示すシーケンス図である。まず、電子タグ購入事業者P2において、電子タグ6が受け取られ(ステップS110)、その電子タグ6が電子タグ読書機7bによって読み取られると(ステップS111)、電子タグ読書機7bから端末装置3に対して、電子タグ6の識別子が送信される(ステップS112)。そして、端末装置3において、制御部3−1(図7参照)の制御に基づいて、入力された識別子が商品販売事業者P1のDBサーバ8に送信される(ステップS113)。
商品販売事業者P1のDBサーバ8では、受信した電子タグ6の識別子をキーとして、制御部8−1(図6参照)の制御に基づいて、DB400が検索され、電子タグ情報管理事業者P3が特定される(ステップS114)。そして、該当する電子タグ情報管理事業者P3の情報が、電子タグ購入事業者P2の端末装置3に送信される(ステップS115)。
電子タグ購入事業者P2においては、ステップS115で商品販売事業者P1から送信された情報に基づいて、電子タグ情報管理事業者P3の端末装置4に対して、電子タグ6の識別子が送信される(ステップS116)。
電子タグ情報管理事業者P3の端末装置4では、受信した電子タグ6の識別子をキーとして、制御部9−1(図8参照)の制御に基づいて、DB600が検索される(ステップS117)。そして、該当する排出余剰量の情報が、電子タグ購入事業者P2の端末装置3に送信される(ステップS118)。そして、端末装置3に接続された表示部3−6の画面上に、電子タグ6に割り当てられた排出枠(排出余剰量)が表示される(ステップS119)。
図26に、図25のステップS117で参照される電子タグ情報管理事業者P3内のDB600の例を示してある。図26において、図13と対応する箇所には同一の符号を付してあり、詳細な説明は省略する。図25のステップS116で送信された識別子が、「1012-4567-00003」であった場合には、「1012-4567-00003」に対応付けられた排出余剰量の情報として、下記情報が電子タグ購入事業者P2に送信される。
排出枠識別番号:JP001-000-0001、残量:2kg、有効期限:2008.4-2009.3
排出枠識別番号:JP001-000-0002、残量:2kg、有効期限:-2009.3
排出枠識別番号:JP001-000-0003、残量1kg、有効期限:2009.4-
(4)電子タグ返却フェーズの動作例
次に、本例のシステムにおける電子タグ返却フェーズにおける動作の例を、図27と図28を参照して説明する。図27と図28には、処理の手順を示す符号として同一のものを付与してある。電子タグ返却フェーズとは、電子タグ6付き商品10又は電子タグ6を購入した電子タグ購入事業者P2が、商品10に割り当てられた排出枠の決済をするために、電子タグ情報管理事業者P3に電子タグ6を返却するフェーズを指す。
図27は、本発明の実施形態例を電子タグ返却フェーズからみた場合のシステム構成図であり、図4の構成図に処理の流れを追加したものである。図27に示すように、決済を行いたい電子タグ購入事業者P2において、決済時に必要となる口座番号等の情報が電子タグ6に書き込まれた上で、その電子タグ6が電子タグ情報管理事業者P3に返却される(口座番号等の情報が電子タグ6に書き込めない場合は後述する)。そして、電子タグ6を受け取った電子タグ情報管理事業者P3において、電子タグ6に記載された情報がDB600に書き込みされる。
図28は、電子タグ返却フェーズにおける各装置での動作の例を示すシーケンス図である。まず、電子タグ購入事業者P2において、決済対象の電子タグ6を電子タグ読書機7bに読み取らせ(ステップS121)、電子タグ読書機7bから端末装置3に対して、電子タグ6の識別子が送信される(ステップS122)。また、電子タグ購入事業者P2によって、購入側排出枠口座管理事業者P5の名称と、振り込みを希望する口座番号の情報とが端末装置3に入力される(ステップS123)。
続いて、端末装置3から電子タグ読書機7bに対して、購入側排出枠口座管理事業者P5の名称と口座番号を、電子タグ6に書き込ませるための指示が供給される(ステップS124)。そしてこの指示に基づいて、これらの情報が実際に電子タグ6に書き込まれる。また端末装置3において、ステップS122で送信された識別子から電子タグ情報管理事業者P3を特定する処理が行われる(ステップS125)。すなわち、端末装置3が商品販売事業者P1に対して識別子を送信することによって、誰が電子タグ情報管理事業者P3であるかの問い合わせを行い、商品販売事業者P1から送信された情報を受け取ることによって、電子タグ情報管理事業者P3の情報を取得する。端末装置3では、取得した電子タグ情報管理事業者P3の情報が、制御部3−1(図7参照)の制御に基づいて表示部3−6に表示される(ステップS126)。
次に、電子タグ購入事業者P2から電子タグ情報管理事業者P3に対して電子タグ6が返却され(ステップS127)、返却された電子タグ6が、電子タグ情報管理事業者P3によって受け取られる(ステップS128)。電子タグ情報管理事業者P3においては、電子タグ6を電子タグ読書機7cに読み取られ(ステップS129)、電子タグ読書機7cから端末装置4に対して、電子タグ6の識別子と、購入側排出枠口座管理事業者P5の名称と、口座番号とが送信される(ステップS130)。
電子タグ6の識別子と、購入側排出枠口座管理事業者P5の名称と、口座番号とは、端末装置4からDBサーバ9に送信され(ステップS131)、DBサーバ9の制御部9−1の制御に基づいて、DB600に書き込まれる(ステップS132)。
なお、ここまで説明した実施の形態では、書き込みも行える電子タグ6を用いた場合の構成及び処理を説明したが、読み出ししか行えないバーコード等の電子タグ6を用いるようにしてもよい。この場合の、電子タグ返却フェーズにおける処理の例を図29に示している。
まず、電子タグ購入事業者P2において、決済対象の電子タグ6を電子タグ読書機7bに読み取らせ(ステップS140)、電子タグ読書機7bから端末装置3に対して、電子タグ6の識別子が送信される(ステップS141)。続いて、電子タグ購入事業者P2の端末装置3によって、識別子内に記載の情報を基に電子タグ情報管理事業者P3が特定されると(ステップS142)、電子タグ情報管理事業者P3の名前が、表示部3−6(図7参照)に、電子タグ6の返却先の事業者名として表示される(ステップS143)。
次に、電子タグ購入事業者P2から電子タグ情報管理事業者P3に対して電子タグ6が返却されるとともに(ステップS144)、電子タグ購入事業者P2から電子タグ情報管理事業者P3に対して、振込先として指定したい口座番号と、口座を管理する購入側排出枠口座管理事業者P5の名称とが送信される(ステップS145)。
返却された電子タグ6が、電子タグ情報管理事業者P3によって受け取られると(ステップS146)、電子タグ6が電子タグ読書機7cに読み取られる(ステップS147)。続いて、電子タグ読書機7cから端末装置4に対して電子タグ6の識別子が送信され(ステップS148)、端末装置4から電子タグ情報管理事業者P3のDB600に対して、識別子と、購入側排出枠口座管理事業者P5の名称と、口座番号とが送信される(ステップS149)。そして、送信されたこれらの情報が、DBサーバ9の制御部9−1(図8参照)の制御に基づいて、DB600に登録される(ステップS150)。
なお、図29のシーケンス図では、電子タグ購入事業者P2から電子タグ情報管理事業者P3に対して、先に電子タグ6が返却されてから(ステップS144)、振込に必要な情報が入力される(ステップS145)ものとしたが、これらの処理は逆の順番で行うようにしてもよい。つまり、先に振込に必要な情報を入力してから、電子タグ6を返却させるようにしてもよい。また、電子タグ読書機は、バーコード等の読み取りのみ可能な機器でもよい。
(5)排出枠決済フェーズの動作例
次に、本例のシステムにおける排出枠決済フェーズにおける動作の例を、図30と図31を参照して説明する。図30は、本発明の実施形態例を排出枠決済フェーズからみた場合のシステム構成図であり、図4の構成図に処理の流れを追加したものである。図31は、排出枠決済フェーズにおける各装置間での処理を示すシーケンス図である。図30と図31には、処理の手順を示す符号として同一のものを付与してある。また、図30及び図31において、太字で示された線は、そこで認証付きの通信が行われていることを示すものである。
排出枠決済フェーズとは、電子タグ情報管理事業者P3によって決済代行処理が行われてから、商品販売事業者P1の口座に排出枠の代金が振り込まれ、決済済みの電子タグ6が商品販売事業者P1に返却されるまでのフェーズを指す。図30に示すように、排出枠決済フェーズでは、電子タグ情報管理事業者P3と商品販売事業者P1、販売側排出枠口座管理事業者P4との間でやりとりが行われることにより、排出余剰量の移転が行われる。
図31に示すシーケンス図では、まず、電子タグ情報管理事業者P3のDB600において、電子タグ返却フェーズで受け取った電子タグ6に記載されている識別子をキーとして、排出余剰量と、販売側排出枠口座管理事業者P4と、商品販売事業者P1の口座番号と、購入側排出枠口座管理事業者P5と、電子タグ購入事業者P2の口座番号の情報とが検索される(ステップS151)。続いて、検索の結果得られたこれらの情報が、認証付き通信によって商品販売事業者P1のDB400に送信される(ステップS152)。
商品販売事業者P1のDB400では、ステップS152で送信されてきた情報と、DB400内に登録された情報とを照合することにより、送られてきた情報が信憑性のある情報であるかの確認が行われる。そして、照合がとれた場合に、それらの情報が、販売側排出枠口座DBサーバ5aに、認証付き通信によって送信される(ステップS153)。
販売側排出枠口座DBサーバ5aでは、ステップS153で受信した情報に基づいて、引き落とし処理が行われる(ステップS154)。続いて、販売側の排出枠口座DBサーバ5aから購入側排出枠口座管理事業者P5内の排出枠口座DBサーバ5bに対して、排出枠の重量情報が記載された移転通知が、認証付きの通信によって送信される(ステップS155)。また、電子タグ情報管理事業者P3のDB600に対しては、認証付き通信によって移転完了通知が送信される(ステップS156)。さらに、商品販売事業者P1の端末装置2に対しては、排出枠の残高情報が送信される(ステップS157)。
ステップS155で送信された移転通知を受信した購入側排出枠口座管理事業者P5内の排出枠口座DBサーバ5bでは、振り込み処理が行われ(ステップS158)、排出枠の残高の情報が電子タグ購入事業者P2の端末装置3に送信される(ステップS159)。
ステップS156で送信された移転完了通知を受信した電子タグ情報管理事業者P3では、受信した情報に基づいて、排出枠移転済みの識別子に関する情報がDB600より削除される(ステップS160)。そして、電子タグ情報管理事業者P3から商品販売事業者P1の端末装置2に対して、電子タグ情報の削除完了が通知される(ステップS161)。
ステップS161で送信された削除完了通知を受信した商品販売事業者P1のDB400においては、排出枠移転済みの識別子に関する情報が、DB400より削除される(ステップS162)。
電子タグ情報管理事業者P3においては、ステップS160でDB600から排出余剰量情報が削除された後に、電子タグ情報の削除完了通知が端末装置4に送信される(ステップS163)。電子タグ情報の削除通知を受信した端末装置4では、その情報を表示部4−6の画面上に表示する処理が行われ(ステップS164)、その表示内容を確認した電子タグ情報管理事業者P3によって、電子タグ6が商品販売事業者P1に返却される(ステップS165)。
なお、ステップS157に示した商品販売事業者P1の端末装置2での残高通知処理と、ステップS159に示した電子タグ購入事業者P2内の端末装置3での残高通知処理は、電子タグ情報管理事業者P3が仮に不正を働いた場合に、それを商品販売事業者P1や電子タグ購入事業者P2において発見できるようにする目的で行っている。従って、取引の開始時等に、電子タグ情報管理事業者P3が不正を働かない旨誓約書等で宣言されている場合等、電子タグ情報管理事業者P3が信頼できる事業者であることが自明である場合には、これらの処理は省くようにしてもよい。
<電子タグ情報管理事業者P3における処理の例>
次に、上述した排出枠決済フェーズでの、電子タグ情報管理事業者P3のDBサーバ9(図4又は図8参照)における処理の例について、図32と図33を参照して説明する。図32に示すフローチャートは、図31のシーケンス図における電子タグ情報管理事業者P3のDBサーバ9での処理のみを抽出したものである。
まず、DBサーバ9は、電子タグ情報管理事業者P3の端末装置4より送信された、電子タグ6の識別子と、振込先の口座を管理する購入側排出枠口座管理事業者P5の名称と、振込先の口座番号とを受信する(ステップS171)。そして、DBサーバ9において、購入側排出枠口座管理事業者P5の名称と、口座番号とを、DB600に書き込む処理が行われる(ステップS172)。
例えば、購入側排出枠口座管理事業者P5の名称として「A口座管理会社」という情報が送られ、振込先となる電子タグ購入事業者P2の口座番号として「00000001」が入力された場合には、図33Aに示したDB600の中の斜線で示した箇所に、これらの情報が登録される。図33Aには、「A口座管理会社」が「移転先の口座管理事業者名606」に登録され、「00000001」が「移転先の口座番号607」に登録された様子が示されている。
再び図32のフローチャートに戻って説明を続けると、ステップS173では、商品販売事業者P1のDB400に対して、排出余剰量と、販売側排出枠口座管理事業者P4の名称と、商品販売事業者P1の口座番号と、購入側排出枠口座管理事業者P5の名称と、電子タグ購入事業者P2の口座番号とが、認証付き通信によって送信される(ステップS173)。
次に、販売側排出枠口座管理事業者P4のDBサーバ8より、排出枠の移転完了通知を受信すると(ステップS174)、電子タグ6の識別子に関する排出余剰量の情報が、電子タグ情報管理事業者P3のDB600から削除される(ステップS175)。そして、排出余剰量の削除完了の通知が、商品販売事業者P1のDB400に送信される(ステップS176)。
排出余剰量が削除される前後のDB600のデータの例を、図33Bと図33Cに示してある。Bは削除前の状態を示し、Cは削除後の状態を示す。ここでは、DB600が図33Bに示した状態であるときに、「1014-1111-00011」という識別子の排出余剰量の移転完了通知を受け取ったという状況を想定している。従って、図33Cに示したDB600では、「1014-1111-00011」の識別子に関連付けて登録されていた情報が、すべて削除されている。
なお、ここでは識別子に関連する排出余剰量の情報をすべて削除する場合を例に挙げているが、削除するのではなく、無効化するようにしてもよい。例えば、無効化を示すフラグを格納するカラムをDB600に設け、図32のステップS175においては、そのフラグをオンにする処理を行うようにしてもよい。このようにすれば、取引された排出余剰量の履歴をデータとして残すことができるようになる。
<排出枠口座管理事業者における処理の例>
次に、排出枠決済フェーズにおける排出枠口座管理事業者での処理の例について、図34のフローチャートと、図35及び図36の説明図を参照して説明する。
図34に示すように、まず商品販売事業者P1から認証付き通信を通して送信された、移転する排出余剰量の識別番号と重量r、購入側排出枠口座管理事業者P5の名称と振込先の口座番号が、販売側排出枠口座管理事業者P4によって受信される(ステップS181)。続いて、送信者が口座所有者であるか否かが判断され(ステップS182)、口座所有者でなかった場合には、送信者に対して受信しない旨の拒絶通知が返信され(ステップS183)、処理が中止される。
送信者が口座所有者であった場合には、次に、排出枠の引当A(図5A参照)から、移行させる排出余剰量の重量r分だけ減算される(ステップS184)。そして、移転した排出余剰量に関する情報を、移転先の口座を有する購入側排出枠口座管理事業者P5に対して、認証付き通信で送信する処理が行われる(ステップS185)。続いて、残高情報を商品販売事業者P1の端末装置2に送信する処理(ステップS186)、及び電子タグ6に書き込まれた情報の削除完了通知が、電子タグ情報管理事業者P3に送信される(ステップS187)。
図35は、販売側排出枠口座管理事業者P4における引当分の減算処理(引き落とし処理)時の、DB500のデータの変化の例を示す図である。ここでは、商品販売事業者P1であるX製造会社から、電子タグ購入事業者P2であるY販売会社に、排出余剰量が移転される場合を想定している。
図35Aは、引き落とし処理前のDB500の例を示したものであり、排出枠識別番号が「JP001-000-0001」〜「JP001-000-0004」までの排出余剰量の情報が記載されている。例えば排出枠識別番号が「JP001-000-0001」の排出余剰量については、残高は9980kgで、引当分は20kgであり、有効期限は2008年4月から2009年3月であることが示されている。
図35Bは、排出余剰量の引き落とし要求として、商品販売事業者P1から送信された情報を示したものである。図35Bに示す要求中では、排出枠識別番号が「JP001-000-0001」の排出余剰量からは2kg、「JP001-000-0002」の排出余剰量からは2kg、「JP001-000-0003」の排出余剰量からは1kg分を引き落とすよう指示されている。
この情報に基づいて、実際に引き落としをした後のDB500の例を、図35Cに示してある。図35Cにおいては、図35Aに示した「JP001-000-0001」の排出余剰量の引当分20kgから、引き落とし要求分の2kgが減算されて、18kgとなっていることが示されている。同様に、「JP001-000-0002」においては30kg-2kg=28kg、「JP001-000-0003」においては40kg-1kg=39kgとなっている。つまり、引き落とし要求中に記載された排出枠識別番号と同じ識別番号の引当分から、引き落とし要求中に記載された「重量」の分だけ減算される。
図36は、購入側排出枠口座管理事業者P5における、振込処理時のDB500のデータの変化の例を示す図である。ここでは、図35Cに示す引き落とし処理を行った販売側排出枠口座管理事業者P4より、排出余剰量の移転通知が送信された場合を想定している。
図36Aは、振込処理前のDB500の例を示したものであり、排出枠識別番号が「JP001-000-0001」、「JP001-000-0002」、「JP001-000-0005」の排出余剰量の情報が記載されている。例えば排出枠識別番号が「JP001-000-0001」の排出余剰量については、残高は1000kgで、引当分は200kgで、有効期限は2008年4月から2009年3月であることが示されている。
図36Bは、商品販売事業者P1から送信された排出余剰量の移転通知に記載された情報を示したものである。排出枠識別番号が「JP001-000-0001」の排出余剰量においては2kg、「JP001-000-0002」の排出余剰量においては2kg、「JP001-000-0003」の排出余剰量においては1kg分の振り込みが指示されている。
この情報に基づいて、実際に振込処理をした後のDB500の例を、図36Cに示してある。図36Cにおいては、図36Aに示した「JP001-000-0001」の排出余剰量の残高1000kgに、移転要求分の2kgが加算されて、1002kgとなっていることが示されている。同様に、「JP001-000-0002」においては500kg+2kg=502kgとなっている。なお、「JP001-000-0003」の識別番号に関する排出余剰量の情報は、図36Aに示した振込処理前のDB500には記載されていないため、新たにラインが追加され、識別番号が「JP001-000-0003」の排出余剰量の情報が追加されている。つまり、排出余剰量移転の要求中に記載された排出枠識別番号と同じ識別番号の残高に、移転要求中に記載された「重量」の分だけ加算される。
[7.実施の形態による効果]
上述した実施の形態によれば、電子タグ6を商品10に添付して販売したり、電子タグ6を排出枠の所有者である商品販売事業者P1に返却するという行為によって、排出枠の取引を実現することができる。つまり、電子タグ6という物理実体の移動を通じて、排出枠の取引を容易にかつ確実に行えるようになる。
また、上述した実施の形態によれば、電子タグ購入事業者P2は、電子タグ6の返却という単純な行為によって排出枠の決済をすることができる。つまり、信託銀行から信託受益権を明示的に購入する手続き等を行うことなく、容易に排出枠を購入することができるようになる。
また、上述した実施の形態では、例えば電子タグ購入事業者P2が有する電子タグ読書機7bや端末装置3を店舗等の店頭に設置し、そこに電子タグ6返却用のボックス等も配置することにより、これらの装置を持たない消費者も、電子タグ6(排出余剰量)付き商品10を購入することができ、またそれを換金することができるようになる。これにより、市場における排出枠の取引が増加することが期待される。
また、上述した実施の形態によれば、排出余剰量の決済時に電子タグ6が電子タグ6の所有者の元に返却されるため、電子タグ6自体を再利用できるようになる。これにより、電子タグ6の流通単価も下がることが見込まれる。
また、上述した実施の形態によれば、電子タグ購入事業者P2は、排出余剰量を自らの使用目的で購入するだけでなく、譲渡や移転も行うことができる。つまり、排出余剰量の購入者は、自らのカーボンオフセットだけでなく、譲渡や移転という形態でも権利としての排出枠を行使することができるようになる。
例えば、家電メーカが商品販売事業者P1であり、商品10に排出余剰量付きの電子タグ6を添付して、卸業者である家電量販店に販売する場合を考えてみる。商品10への排出余剰量の添付は商品10の販売促進策となることから、家電量販店は、排出余剰量の負担の一部の負担を家電メーカに求めることが想定される。このような場合は、家電メーカは自らが提供する排出余剰量分の負担に加えて、家電量販店からも負担が請求され、二重に負担を負ってしまうことになる。このような仕組みでは、商品10に排出余剰量を添付する販売形態が拡大しないものと考えられる。
これに対して、上述した実施の形態によるシステムでは、家電メーカから排出余剰量付き商品10を購入した家電量販店が、その排出余剰量を自ら決済することもできるようになる。つまり家電量販店において、得た権利(排出余剰量)を元にして、商品に新たな付加価値を添付することができるようになる。これによって、家電メーカでの二重負担の問題が解決するため、排出余剰量付き商品10を販売するメーカや卸業者が増加するようになる。もちろん、家電量販店は、排出余剰量情報が記載された電子タグ6を添付したまま、商品10を販売する形態を選択してもよい。つまり本例のシステムによれば、商品の生産又は流通の過程に沿った形態で、排出枠の移転を実現することができるようになる。
また、上述した実施の形態によれば、図3に示したように、消費者向け、つまり生産・流通における川下だけでなく、川上から川下までのすべての過程で排出余剰量付き商品10の販売を展開することができるようになる。これにより、排出枠の取引による温室効果ガスの削減効果もより大きくなると考えられる。
また、上述した実施の形態によれば、電子タグ6を読み取ってデータベースを参照することにより、排出余剰量に関する様々な情報を確認することができる。例えば、排出枠の種類や出所、固有番号等を調べることができる。これにより、排出枠の権利所有者によって、排出枠が分割化されパッケージ化されて販売された場合にも、それぞれの排出枠に関する情報を正確に取得できるようになる。なお、排出枠は、排出削減プロジェクト等によりすでに削除された結果物ではなく、将来削減が期待される排出枠である。このため、何らかの理由で排出削減プロジェクトが中止になってしまった場合には、その排出枠は無効となってしまう可能性がある。本例によれば、仮に購入済みの排出余剰量のうち、特定の排出余剰量が無効になってしまった場合にも、他の排出枠への影響を防ぐことができる。さらに、資産価値としての排出余剰量を正確に見積もることができるようになる。
また、上述した実施の形態によれば、排出枠が決済される際に、排出枠口座管理事業者P4(又はP5)内のDB500において、残高や引当の値が変更される。すなわち、排出枠決済の手続きが、明示化されるようになる。このため、不正な手続き等が行われることを防止することができる。
また、上述した実施の形態によれば、電子タグ情報管理事業者P3によって排出枠決済の処理が行われた際に、商品販売事業者P1の端末装置2と電子タグ購入事業者P2内の端末装置3に対して、残高情報が通知されるようになる。これにより、電子タグ情報管理事業者P3による不正(虚偽排出枠のねつ造等)があった場合にも、それを即座に発見・排除することができる。また、不正の抑制にも繋がることが期待される。
また、上述した実施の形態では、電子タグ6には、電子タグ6の購入者の情報が書き込まれない。これにより、排出枠の移転や行使の段階で、購入者の情報が他者に漏れてしまうようなことがなくなる。また、電子タグ購入事業者P2は、振込先として自分が直接有する口座とは異なる口座番号を指定することも可能であり、このような方法で、プライバシー侵害の問題を回避することもできるようになる。
[8.実施の形態の変形例(1)]
なお、上述した実施の形態では、電子タグ6の所有者が商品販売事業者P1である場合を想定しているが、電子タグ情報管理事業者P3が電子タグ6の所有者である場合に適用してもよい。この場合は、以下の構成や処理が異なるようになる。
a.電子タグ6のデータ構造
b.電子タグ6から電子タグ情報管理事業者P3を特定する方法
c.電子タグ情報管理事業者P3のDB600の構成
d.販売フェーズにおける電子タグ情報管理事業者P3での処理
a.電子タグ6のデータ構造
まず、電子タグ6のデータ構造の例について、図37を参照して説明する。電子タグ6の所有者が電子タグ情報管理事業者P3である場合には、商品10に添付された電子タグ6の識別子中に、電子タグ情報管理事業者P3を示す番号(又は名称)が記載される。これにより、排出枠の参照フェーズや電子タグ6の返却フェーズにおいて、電子タグ購入事業者P2は、電子タグ情報管理事業者P3の情報を、電子タグ6を読み取ることによって取得できるようになる。
b.電子タグ6から電子タグ情報管理事業者P3を特定する方法
図38は、電子タグ購入事業者P2において、電子タグ6に記載の情報から電子タグ情報管理事業者P3を特定する場合の処理の流れを示す図である。まず、電子タグ購入事業者P2によって、電子タグ6を電子タグ読書機7bに読み取らせる操作が行われ(ステップS191)、電子タグ読書機7bから端末装置3に対して、読み取った識別子の情報が送信される(ステップS192)。
続いて、端末装置3内で、識別子内に記載された電子タグ情報管理事業者P3の情報が取り出され(ステップS193)、取り出された電子タグ情報管理事業者P3の情報が、表示部3−6(図7参照)を通して電子タグ購入事業者P2に通知される(ステップS194)。
c.電子タグ情報管理事業者P3のDB600の構成
また、電子タグ情報管理事業者P3が電子タグ6の所有者でもある場合には、DB600で、電子タグ6の使用状況に関する情報も管理する必要がでてくる。図39は、電子タグ情報管理事業者P3が電子タグ6の所有者でもある場合のDB600の構成例を示した図である。図39において、図13と対応する箇所には同一の符号を付してあり、説明は省略する。
図39に示すDB600では、図13に示した各項目以外に、状態608と、利用回数609と、利用開始日610の情報が管理されている。これらの項目は、電子タグ6の所有者が商品販売事業者P1である場合に、商品販売事業者P1のDB400において管理されていた項目であり、図11の状態402、利用回数403、利用開始日404と同じものである。電子タグ情報管理事業者P3のDB600をこのように構成することにより、電子タグ情報管理事業者P3においても、電子タグ6の使用状況を正確に把握することができるようになる。
d.販売フェーズにおける電子タグ情報管理事業者P3での処理
電子タグ6の所有者が電子タグ情報管理事業者P3である場合には、電子タグ6を商品10に添付したとき、あるいは電子タグ6に排出余剰量を割り当てたときに、図39に示したDB600のデータを書き換える処理が必要となる。具体的には、電子タグ6の識別子が格納されたラインにおいて、利用回数609の回数を1つ加算するとともに、状態608の値を「添付中」に変更する必要がある。なお、商品10に添付される電子タグ6が、初めて使用される電子タグ6である場合には、利用開始日に現在日時の情報を記入する処理も必要となる。
[9.実施の形態の変形例(2)]
また、上述した実施の形態では、排出枠の決済時には電子タグ6を商品10から取り外して電子タグ情報管理事業者P3に返却するようにしているが、商品10に添付した状態で返却する形態をとるようにしてもよい。
例えば、商品販売事業者P1が、商品10そのものや、ビール瓶などの商品10の一部を再利用(リユース)する形態をとる場合には、商品10又は商品10の一部に電子タグ6を添付した状態での返却を受け付けるようにする。
返却された商品10又は商品10の一部を受け取った電子タグ情報管理事業者P3は、電子タグ6のみを受け取った場合と同様に、電子タグ6に割り当てられた排出余剰量を、販売側排出枠口座管理事業者P4の口座から購入側排出枠口座管理事業者P5の口座に移転する処理を行えばよい。
これにより、資源としての商品10又は商品10の一部が、電子タグ購入事業者P2としての消費者から、より多く返却されるようになる。すなわち、リユース又はリサイクルが推進されるようになる。
なお、上述した実施の形態では、排出枠を添付する商品として、実体のあるものを想定して説明を行ったが、これに限定されるものではない。実体のない無形の商品に排出枠を添付して販売する形態に適用してもよい。
また、上述した実施の形態では、排出余剰量を非接触IC媒体の一形態として電子タグ6を取り上げたが、既述したように非接触IC媒体としては、電子タグ以外にも、例えばバーコードが考えられる。したがって、上述した実施の形態は、非接触IC媒体の代わりにバーコードを使用するものに適用してもよい。ただし、その場合は、電子タグ読書機の代わりにバーコードスキャナが使用されることになる。また、バーコードの複製を防止するためホログラフィ等の偽造防止技術を併用することが望ましい。
以上、本発明の実施の形態例について説明したが、本発明は上述した実施形態例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した本発明の要旨の範囲内において種々の変形例、応用例を含むものであることは言うまでもない。
引用符号の説明
1…ネットワーク、2…端末装置、2−1…制御部、2−2…通信処理部、2−3…記憶部、2−4…電子タグ読書機I/F部、2−5…操作部、2−6…表示部、3…端末装置、3−1…制御部、3−6…表示部、4…端末装置、4−6…表示部、5−1…制御部、5−2…記憶部、5−2…通信処理部、5−3…記憶部、5a,5b…排出枠口座DBサーバ、6…電子タグ、6−1…制御部、6−2…送受信部、6−3…記憶部、7a…電子タグ読書機、7a−1…制御部、7a−2…送受信部、7a−4…通信部、7b,7c…電子タグ読書機、8…データベース(DB)サーバ、8−1…制御部、8−2…通信処理部、8−3…記憶部、9…DBサーバ、9−1…制御部、10…商品、401…識別子、402…状態、403…利用回数、404…利用開始日、405…商品情報、406…電子タグ情報管理事業者名、501…口座番号、502…口座所有事業者名、503…排出枠識別番号、504…残高、505…引当分、506…有効期限、601…識別子、602…登録事業者名、603…口座管理事業者名、604…排出枠口座の番号、605…排出余剰量、606…口座管理事業者名、607…口座番号、608…状態、609…利用回数、610…利用開始日、A1…引当分、Ab…引当、As…引当、D1…データベース、F1,F2…エンジン工場、F3,F4…ガラス工場、F5,F6…タイヤ工場、F7…自動車組立工場、P1…商品販売事業者、P2…電子タグ購入事業者、P2′…タグ購入者、P3…電子タグ情報管理事業者、P4…販売側排出枠口座管理事業者、P5…購入側排出枠口座管理事業者、r,r,r…重量、W,W,W,W…残高

Claims (10)

  1. 商品及び/又は排出枠を販売する販売者側の端末装置と、前記商品及び/又は排出枠を購入する購入者側の端末装置と、前記排出枠の決済を行う決済側サーバと、前記決済側サーバに対して決済処理の実行を要求する管理サーバとがネットワークで接続された、温室効果ガスの排出枠を取引する排出量取引システムであって、
    前記管理サーバは、
    非接触IC媒体へのデータの読み書きを行う第1の読書機と、
    前記排出枠の重量の情報と非接触IC媒体の識別情報とを対応付けて管理する第1のデータベースと、
    前記ネットワークを介してデータの送受信を行う第1の通信処理部と、
    前記第1のデータベース及び前記第1の通信処理部を制御する第1の制御部と、を備え、
    前記決済側サーバは、
    前記販売者側の排出枠の重量の情報と、前記販売者の前記排出枠の取り扱い口座の口座情報と、前記購入者側の排出枠の重量の情報と、前記購入者の前記排出枠の取り扱い口座の口座情報とを管理する第2のデータベースと、
    前記第2のデータベースの制御及び前記販売者の口座からの引き落とし処理と前記購入者の口座への振り込み処理を制御する第2の制御部と、を備え、
    前記管理サーバの前記第1の制御部は、
    前記購入者側から、前記販売者側より購入した商品から取り外した前記非接触IC媒体が送られた場合に、前記第1の読書機に前記非接触IC媒体を読み取らせ、前記第1の読書機が読み取った識別情報に対応付けられた、前記第1のデータベース上の前記排出枠の重量を減算するとともに、前記減算した重量の情報である減算重量情報と前記非接触IC媒体の識別情報とを、前記決済処理の実行要求として前記決済側サーバに送信する制御を行い、
    前記決済側サーバの第2の制御部は、
    前記管理サーバより前記決済処理の実行要求を受信した場合は、前記実行要求の中に含まれる前記識別情報に対応付けられた前記第2のデータベース上の、前記販売者における排出枠の重量から、前記管理サーバから送信された前記減算重量情報に記載された分の重量を減算するとともに、前記減算した重量を、前記第2のデータベース上の前記購入者における排出枠の重量に加算し、さらに、前記販売者の口座より前記減算した重量分に相当する金額を引き落とし、前記引き落とした金額を前記購入者の口座に振り込む制御を行う、
    排出量取引システム。
  2. 前記購入者側の端末装置は、
    前記非接触IC媒体のデータの読み取りを行う第2の読書機と、
    前記ネットワークを介してデータの送受信を行う第2の通信処理部と、
    前記第1の読書機と前記第2の通信処理部を制御する第3の制御部と、を備え、
    前記管理サーバの前記第1のデータベースには、前記非接触IC媒体の識別情報と対応づけて、前記排出枠の販売元の事業者名と、前記排出枠を識別する情報である排出枠識別情報で管理される1以上の排出枠の重量の情報と、前記排出枠識別情報単位で管理される前記排出枠の有効期限の情報が登録され、
    前記第1のデータベースに記録された前記各情報は、前記非接触IC媒体を管理サーバに送る前に予め前記第2の読書機で読み出した前記非接触IC媒体の識別情報により、前記購入者側の端末装置より照会できるようにした、
    請求項1に記載の排出量取引システム。
  3. 前記販売側の端末装置には、前記非接触IC媒体に関する情報を管理する第3のデータベースが接続され、前記第3のデータベースには、前記非接触IC媒体の識別情報と、前記非接触IC媒体の使用状態と、前記非接触IC媒体の利用回数と、前記非接触IC媒体の利用開始日の各情報が記録される
    請求項1または2に記載の排出量取引システム。
  4. 前記決済側サーバにおける決済処理の終了後には、前記販売側の端末装置と前記購入側の端末装置に対して、前記決済処理後の前記排出枠の残量情報が通知される、
    請求項3に記載の排出量取引システム。
  5. 前記非接触IC媒体には、前記排出枠の譲渡先の口座番号が記載される、
    請求項1〜4のいずれかに記載の排出量取引システム。
  6. 前記非接触IC媒体には、前記識別情報のみ記載し、前記排出枠の譲渡先の口座番号を記載しないようにした、
    請求項1〜4のいずれかに記載の排出量取引システム。
  7. 前記管理サーバの前記第1の制御部では、
    前記非接触IC媒体が、前記購入者から購入した商品又は前記商品の一部に添付された状態で送られた場合にも、前記決済処理の実行要求を前記決済側サーバに送信する制御を行う、
    請求項1〜6のいずれかに記載の排出量取引システム。
  8. 前記非接触IC媒体は、電子タグである、
    請求項1〜7のいずれかに記載の排出量取引システム。
  9. 前記非接触IC媒体は、バーコードである、請求項1〜7のいずれかに記載の排出量取引システム。
  10. 商品及び/又は排出枠を販売する販売者側と、前記商品及び/又は排出枠を購入する購入者側との間で温室効果ガスの排出枠を取引する排出量取引方法であって、
    前記排出枠の決済を行う決済側サーバに対して決済処理の実行を要求する管理サーバにおいて、
    前記排出枠の重量の情報と非接触IC媒体の識別情報とを対応付けて管理するステップと、
    前記決済側サーバに設けられたデータベースに、前記販売者側の排出枠の重量の情報と、前記販売者の前記排出枠取り扱い口座の口座情報と、前記購入者側の排出枠の重量の情報と、前記購入者の前記排出枠取り扱い口座の口座情報とを格納するステップと、
    前記購入者側から、前記販売者側より購入した商品から取り外した前記非接触IC媒体が送られた場合に、前記非接触IC媒体に記載された前記識別情報を読み出し、前記読み出した前記識別情報に対応付けられた、前記データベース上の前記排出枠の重量を減算するとともに、前記減算した重量の情報である減算重量情報と前記非接触IC媒体の識別情報とを、前記決済処理の実行要求として前記決済側サーバに送信するステップと、
    前記決済側サーバにおいて、
    前記送信された前記決済処理の実行要求と、前記データベースに格納された前記情報に基づいて、前記販売者側と購入者側との間で取引がなされた排出枠に関連して前記販売者の口座からの引き落とし処理と前記購入者の口座への振り込み処理を制御するステップと、
    を含む排出量取引方法。
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