JP5206264B2 - 電池および電池の製造方法 - Google Patents
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Description
このような電池の中には、正極あるいは負極となる外部端子部材を電池ケースの外側に固定した形態の電池がある。例えば、特許文献1に示す電池は、電池ケースの外部に位置する金属端子(外部端子部材)の貫通孔内に金属製のリベット(内部端子部材)を挿通し、その先端部を突出させ、この部分を金属端子側に向けてプレスして、貫通孔よりも径大となる形状に塑性変形させて、金属端子を押圧するようにかしめてなる。
なお、樹脂からなる絶縁部材は、かしめの際に加える力が大きいと変形が生じやすい。
これに対し、本発明の電池は、前述したように、内部端子部材に、小さい力で形成できる外側かしめ部を備えるので、特に、絶縁部材の変形も抑制しつつ、適切に外部端子部材と内部端子部材のケース結合部とを連結させた電池とすることができる。
次に、本発明の実施形態1について、図面を参照しつつ説明する。
まず、本実施形態1にかかる電池1について説明する。図1に電池1の斜視図を示す。
本実施形態1にかかる電池1は、矩形箱形の電池ケース10、正極端子20、負極端子30、図示しない発電要素および電解液を備える捲回形のリチウムイオン二次電池である。
また、図示しない電解液は、エチレンカーボネート(EC)とエチルメチルカーボネート(EMC)との混合有機溶媒に溶質(LiPF6)を添加してなる有機電解液である。
また、正極固定部21Mは、封口蓋12の上面12aに対向している正極第2面21MB、および、この正極第2面21MBの裏面である正極第1面21MAを有する(図2(c)参照)。さらに、この正極固定部21Mの中央付近には、正極第1面21MAと正極第2面21MBとの間を貫通する正極端子貫通孔21Kが穿孔されている(図2(c)参照)。なお、この正極端子貫通孔21Kは、その全ての部位が、正極第2面21MB側から正極第1面21MA側に向けて、徐々に拡径してなるテーパ面TFからなるテーパ孔部21KTとなっている。
このうち、正極内部端子本体部22Bは、封口蓋12のケース貫通孔12Kよりも径大の略矩形板状のケース結合部22BAと、このケース結合部22BAから発電要素の正電極板(図示しない)に向けて屈曲し、この正電極板と溶接してなる正極集電部22BEとを含む。
また、封口蓋12と正極内部端子部材22の正極内端子本体部22Bとの間には、ガスケット42が配置されている(図2(c),図4参照)。このガスケット42は、ガスケット貫通孔42Kを有する環状で絶縁性の合成ゴム(本実施形態1では、エチレン−プロピレン−ジエンゴム)からなる。このガスケット42は、封口蓋12と正極内部端子部材22の正極内部端子本体部22Bとの間に挟持されて、両者間をシールしている。
また、負極固定部31Mは、封口蓋12の上面12aに対向している負極第2面31MB、および、この負極第2面31MBの裏面である負極第1面31MAを有する(図3(c)参照)。さらに、この負極固定部31Mの中央付近には、負極第1面31MAと負極第2面31MBとの間を貫通する負極端子貫通孔31Kが穿孔されている(図3(c)参照)。なお、この負極端子貫通孔31Kも、その全ての部位が、負極第2面31MB側から負極第1面31MA側に向けて、徐々に拡径してなるテーパ面TFからなるテーパ孔部31KTとなっている。
このうち、負極内部端子本体部32Bは、封口蓋12のケース貫通孔12Kよりも径大の略矩形板状のケース結合部32BAと、このケース結合部32BAから発電要素の負電極板(図示しない)に向けて屈曲し、この負極極板と溶接してなる負極集電部32BEとを含む。
また、封口蓋12と負極内部端子部材32の負極内端子本体部32Bとの間にも、前述した正極端子20と同様のガスケット42が配置されている(図3(c),図4参照)。このガスケット42は、封口蓋12と負極内部端子部材32の負極内部端子本体部32Bとの間に挟持されて、両者間をシールしている。
一方、この電池1では、負極外側かしめ部32GAの2つの負極拡径押圧部32GAPが、周方向において互いに逆方向に配置されてなる。つまり、負極外側かしめ部32GAを負極端子貫通孔31Kの軸線XB方向から見ると、2つの負極拡径押圧部32GAPが−字形状をなして配置されている。このような形状の負極外側かしめ部32GAを見れば、これに連なる外部端子部材が、負極外部端子部材31であると容易に判別できる。
図4に、この電池1の正極端子20を構成する、かしめ前の未加工正極内部端子部材122、ガスケット42、封口蓋12、絶縁部材41、および正極外部端子部材21の分解斜視図を示す。
このうち、未加工正極内部端子部材122は、前述の正極内部端子本体部22Bと、このうちの正極内部端子本体部22Bから軸線XA方向に延びる円筒形状の未変形正極かしめ部122Gとを有する。このうち、正極内部端子本体部22Bの正極集電部22BEは、図示しない発電要素の正電極板と既に溶接されている。また、未変形正極かしめ部122Gは、図4中、上方に開口する変形用穴122GHが設けられている。
これにより、未変形正極かしめ部122Gは塑性変形し、その一部(正極内側かしめ部22GB)が、正極外部端子部材21の正極端子貫通孔21K内でテーパ面TFと密着する。また、正極外部端子部材21の正極第1面21MAよりも外側では、未変形正極かしめ部122Gがカサ状(円錐筒状)に開いた形状とされる(図5(b)参照)。
これにより、正極第1面21MAより外側(図6中、上方)に、正極端子貫通孔21Kの径方向DRに拡径し、正極外部端子部材21の正極第1面21MAを押圧する4つの正極拡径押圧部22GAPと、これらの間に位置しており、正極拡径押圧部22GAPよりも径方向の寸法が小さい正極中間部22GANとを有する正極外側かしめ部22GAが形成される(図2(b)参照)。
図4に、この電池1の負極端子30を構成する、かしめ前の未加工負極内部端子部材132、ガスケット42、封口蓋12、絶縁部材41、および負極外部端子部材31の分解斜視図を示す。
このうち、未変形負極内部端子部材122は、前述の負極内部端子本体部32Bと、このうちの負極内部端子本体部32Bから軸線XB方向に延びる円筒形状の未変形負極かしめ部132Gとを有する。このうち、負極内部端子本体部32Bの負極集電部32BEは、図示しない発電要素の負電極板と既に溶接されている。また、未変形負極かしめ部132Gは、図4中、上方に開口する変形用穴132GHが設けられている。
これにより、未変形負極かしめ部132Gは塑性変形し、その一部(負極内側かしめ部32GB)が、負極外部端子部材31の負極端子貫通孔31K内でテーパ面TFと密着する。また、負極外部端子部材31の負極第1面31MAよりも外側では、未変形負極かしめ部132Gがカサ状(円錐筒状)に開いた形状とされる(図5(b)参照)。
これにより、負極第1面31MAより外側(図6中、上方)に、負極端子貫通孔31Kの径方向DRに拡径し、負極外部端子部材31の負極第1面31MAを押圧する2つの負極拡径押圧部32GAPと、これらの間に位置しており、負極拡径押圧部32GAPよりも径方向の寸法が小さい負極中間部32GANとを有する負極外側かしめ部32GAが形成される(図3(b)参照)。
次に、本発明の変形形態1にかかる電池201について、図1および図7を参照しつつ説明する。
本変形形態1の電池201では、外部端子部材の端子貫通孔にテーパ面からなるテーパ孔部を有さない点で前述の実施形態1と異なり、それ以外は同様である。
また、負極内部端子部材232は、実施形態1と同様に、ケース結合部22BAから延び、電池ケース10(封口蓋12)と負極外部端子部材231とをかしめてなる負極かしめ部232Gを有する。但し、本変形形態1では、上述のように負極端子貫通孔231Kにテーパ面TFがないので、負極かしめ部232Gには、このテーパ面TFを押圧する負極内側かしめ部もない。このため、2つの負極拡径押圧部232GAPのみで、封口蓋12、負極外部端子部材231、絶縁部材41およびガスケット42を、負極内部端子本体部32Bと共に挟み込んで固定している。
なお、端子貫通孔の一部がテーパ面を含むテーパ孔部である場合でも、前述の実施形態および本変形形態と同様の作用効果がある。
本実施形態2の組電池400は、図8に示すように、前述した実施形態1で示した電池1を複数用いてなる。この組電池400では、複数の電池1が直列に接続している。具体的には、各電池1は、これらの外部端子部材21,31の締結部21N,31Nの締結用貫通孔21H,31H(図1参照)に挿通してなるボルト420に、バスバ410を締結して、直列に接続されている。
例えば、実施形態1,2および変形形態1では、電池をリチウムイオン二次電池としたが、本発明は、リチウムイオン二次電池に限らず、外部端子部材および内部端子部材を有する電池であれば、いずれの種類の電池にも適用することができる。また、実施形態1および変形形態1では、捲回型の発電要素を用いたリチウムイオン二次電池を示したが、複数の正電極板と複数の負電極板とを、セパレータを介して交互に積層してなる積層型の発電要素を用いたリチウムイオン二次電池でも良い。
10,310 電池ケース
12K,312K ケース貫通孔
21,221 正極外部端子部材(外部端子部材)
21K,221K 正極端子貫通孔(端子貫通孔)
21KT テーパ孔部
21MA,221MA 正極第1面(第1面)
21MB,221MB 正極第2面(第2面)
22,222 正極内部端子部材(内部端子部材)
22BA ケース結合部
22G,222G 正極かしめ部(かしめ部)
22GA,222GA 正極外側かしめ部(外側かしめ部)
22GB 正極内側かしめ部(内側かしめ部)
22GAN,222GAN 正極中間部(中間部)
22GAP,222GAP 正極拡径押圧部(拡径押圧部)
31,231 負極外部端子部材(外部端子部材)
31K,231K 負極端子貫通孔(端子貫通孔)
31KT テーパ孔部
31MA,231MA 負極第1面(第1面)
31MB,231MB 負極第2面(第2面)
32,232 負極内部端子部材(内部端子部材)
32BA ケース結合部
32G,232G 負極かしめ部(かしめ部)
32GA,232GA 負極外側かしめ部(外側かしめ部)
32GB,232GB 負極内側かしめ部(内側かしめ部)
32GAN,232GAN 負極中間部(中間部)
32GAP,232GAP 負極拡径押圧部(拡径押圧部)
41 絶縁部材
42 ガスケット(絶縁部材)
122 未加工正極内部端子部材(未加工内部端子部材)
122G 未変形正極かしめ部(未変形かしめ部)
132 未加工負極内部端子部材(未加工内部端子部材)
132G 未変形負極かしめ部(未変形かしめ部)
DC (軸線の)周方向
DR (端子貫通孔の)径方向外側
TF テーパ面
XA (正極端子貫通孔の)軸線
XB (負極端子貫通孔の)軸線
Claims (8)
- 自身を貫通するケース貫通孔が穿孔されてなる電池ケースと、
第1面および上記第1面の裏面をなす第2面を有し、これらの間を貫通する端子貫通孔が穿孔されてなり、上記第2面を上記電池ケースに向けて上記電池ケースの外部に配置されてなる外部端子部材と、
金属からなり、上記電池ケースの内部に配置され、上記外部端子部材に電気的に接続してなる内部端子部材と、を備える
電池であって、
上記内部端子部材は、
上記電池ケースの上記ケース貫通孔よりも径大のケース結合部、および、
上記ケース結合部から延びるかしめ部であって、
上記電池ケースの上記ケース貫通孔および上記外部端子部材の上記端子貫通孔を貫通し、上記外部端子部材の少なくとも上記第1面上で塑性変形させられることにより、上記外部端子部材を上記電池ケースに向けて押圧して、上記電池ケースを挟んで、上記外部端子部材と上記ケース結合部とを機械的に連結させると共に、上記外部端子部材に電気的に接続してなる
かしめ部を有し、
上記かしめ部のうち、
上記外部端子部材の上記第1面より外側に位置する外側かしめ部は、
上記端子貫通孔の軸線の径方向外側に向けて拡がって、上記外部端子部材の上記第1面を押圧してなる1または複数の拡径押圧部と、
上記軸線の周方向に見て、上記拡径押圧部の間に位置し、上記拡径押圧部よりも径方向寸法が小さい中間部と、を含む
電池。 - 請求項1に記載の電池であって、
前記電池ケースの前記ケース貫通孔内、上記電池ケースと前記外部端子部材の前記第2面との間、および、上記電池ケースと前記内部端子部材の前記ケース結合部との間に、
絶縁性樹脂からなり、上記電池ケースと、上記外部端子部材および上記内部端子部材との間を電気的に絶縁する絶縁部材を備える
電池。 - 請求項1または請求項2に記載の電池であって、
前記外部端子部材の前記端子貫通孔は、
少なくとも前記第1面側に、この第1面側に向けて拡径するテーパ面を含むテーパ孔部を含み、
前記かしめ部は、
上記テーパ孔部内で塑性変形させられ、上記テーパ面に密着して、このテーパ面を介して、上記外部端子部材を前記電池ケースに向けて押圧する内側かしめ部を有する
電池。 - 請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の電池であって、
前記外部端子部材として、
正電位とされる正極外部端子部材、および、
負電位とされる負極外部端子部材を含み、
前記内部端子部材として、
正電位とされ、上記正極外部端子部材と電気的に接続する正極内部端子部材、および、
負電位とされ、上記負極外部端子部材と電気的に接続する負極内部端子部材を含み、
上記正極内部端子部材のうちの、前記外側かしめ部である正極外側かしめ部と、
上記負極内部端子部材のうちの、上記外側かしめ部である負極外側かしめ部とを、
互いに異なる形状としてなる
電池。 - 請求項4に記載の電池であって、
前記正極外側かしめ部は、
前記拡径押圧部である4つの正極拡径押圧部を有し、
上記4つの正極拡径押圧部は、
周方向に均等に配置されてなる
電池。 - 請求項4または請求項5に記載の電池であって、
前記負極外側かしめ部は、
前記拡径押圧部である2つの負極拡径押圧部を有し、
上記2つの負極拡径押圧部は、
周方向において互いに逆方向に配置されてなる
電池。 - 請求項1〜請求項6のいずれかに1項に記載の電池であって、
前記かしめ部の前記外側かしめ部の前記拡径押圧部と前記外部端子部材とを通電可能に接合してなる
電池。 - 自身を貫通するケース貫通孔が穿孔されてなる電池ケースと、
第1面および上記第1面の裏面をなす第2面を有し、これらの間を貫通する端子貫通孔が穿孔されてなり、上記第2面を上記電池ケースに向けて上記電池ケースの外部に配置されてなる外部端子部材と、
金属からなり、上記電池ケースの内部に配置され、上記外部端子部材に電気的に接続してなる内部端子部材と、を備える
電池の製造方法であって、
上記電池ケースの上記ケース貫通孔よりも径大のケース結合部、および、上記ケース結合部から延びる未変形かしめ部、を有する未加工内部端子部材の、上記未変形かしめ部を、上記電池ケースの上記ケース貫通孔、および、上記外部端子部材の上記端子貫通孔に挿通する挿通工程と、
上記未変形かしめ部の少なくとも先端側を、上記外部端子部材の少なくとも上記第1面上で塑性変形させて、かしめ部を形成し、上記かしめ部により、上記外部端子部材を上記電池ケースに向けて押圧して、上記電池ケースを挟んで、上記外部端子部材と上記ケース結合部とを機械的に連結させると共に、上記外部端子部材に電気的に接続するかしめ工程であって、
上記未変形かしめ部の周方向の一部を押圧し、上記端子貫通孔の軸線の径方向外側に向けて拡げて、
上記かしめ部のうち、上記外部端子部材の上記第1面より外側に位置する外側かしめ部に、
上記軸線の径方向外側に向けて拡がって、上記外部端子部材の上記第1面を押圧してなる1または複数の拡径押圧部と、
上記軸線の周方向に見て、上記拡径押圧部の間に位置し、この拡径押圧部よりも径方向寸法が小さい中間部と、を形成する
かしめ工程と、を備える
電池の製造方法。
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