JP5206233B2 - 時計および携帯機器 - Google Patents

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Description

本発明は、ゴングやお椀型音源などの音源を備える時計や携帯機器に関する。
従来、C字状のゴングと、ゴングを打つハンマーとを備えた鳴物時計が知られている(例えば、非特許文献1)。ここで、ゴングは、ムーブメント外周部に沿って配置され、地板に固定されている。また、ハンマーは、地板におけるゴングの内側の部分に回動可能に設けられており、ゼンマイの駆動力により所定のタイミングで駆動される。なお、地板にはゴングを叩いたハンマーを引き戻すばねが設けられている。
「最新腕時計フルスペック図鑑2002」株式会社学習研究社、2002年3月1日、117頁
ところで、上述したような従来の鳴物時計では、ハンマーにより直接ゴングを打つ構成であり、ハンマーには、ゴングを打つために、ハンマーをゴング側に付勢するばねと、ゴングに当接した後、ゴングから元の位置にハンマーを引き戻すためのばねとが設けられている。しかしながら、ハンマーにこのような2つの異なる方向に付勢するばねを設ける構成では、ハンマーをゴング側に付勢するばねのばね力が強いと、ハンマーでゴングを打った際に、ゴングからハンマーが離れず、ゴングの振動を阻害してしまう。逆に、ハンマーをゴングから引き戻すばねのばね力が強いと、ゴングを打つ力が弱くなり、良好な音を鳴らすことができないという問題がある。したがって、これらのばね力の力を適切に設定する必要があるが、互いに反対方向に付勢するばねをハンマーに直接取り付けると、各ばねをそれぞれ適切なばね力に設定することは困難であるという問題がある。
本発明の目的は、打たれて振動することにより音を発する音源を備える時計において、各ばねのばね力を容易に設定でき、かつ良好な音を発生させることができる時計および携帯機器を提供することにある。
本発明の時計は、ハンマー、および前記ハンマーを駆動するハンマー駆動装置を有する
本体と、前記本体を収容するケースと、前記ハンマーで打たれて振動することにより音を
発する音源と、を具備した時計であって、前記ハンマーと前記音源との間で往復変位可能
とされ、前記ハンマーによる打撃力を前記音源に伝え、前記音源を打った瞬間に前記ハンマー側に跳ね返る打撃力伝達部材を備えていることを特徴とする。
なお、本発明の音源は、御鈴、鈴、梵鐘、和時計の鐘、目覚まし時計の鐘、ゴング、太鼓のように、打撃による振動により音を発するものをいう。
この発明によれば、ハンマーからの打撃力が打撃力伝達部材に伝達され、この打撃力伝達部材が音源を打つことで音源から音が発生する。このように打撃力伝達部材を介在させることで、ハンマー側に音源側に向かって付勢されるばねを設け、打撃力伝達部材にハンマー側に向かって付勢されるばねを設けることができる。すなわち、従来、直接ハンマーに設けていた互いに異なる方向に付勢しあうばねを、ハンマーおよび打撃力伝達部材に分離させることができる。したがって、ハンマーおよび打撃力伝達部材に作用するばねのばね力をそれぞれ容易に適切に設定することができ、製造作業性も向上させることができる。
また、各ばねのばね力を適切に設定できるため、打撃力伝達部材が音源に当たった際に打撃力伝達部材にハンマーの付勢力が作用していないように設定できる。このため、打撃力伝達部材は、音源に当接したままとならず、音源を打った瞬間にハンマー側に跳ね返る。すなわち、本発明の時計では、音源の振動が打撃力伝達部材により阻害されず、良好な音を発生させることができる。したがって、音源から、初期音圧が大きく、時間の経過による音圧の減退が少なくて余韻が長く持続する良好な音を鳴らすことができる。
そして、本発明の時計では、前記音源は、前記ケースの外側に設けられ、前記ケースは、気密状態で前記本体を収容するとともに、内部の気密が確保された状態で、前記打撃力伝達部材を前記ハンマーおよび前記音源の間で往復変位可能に保持する保持部が設けられることが好ましい。
すなわち、ハンマーにより打たれて音を発生する音源が内蔵される時計では、ハンマーが音源を打つ際の打撃音をケースの外側に響かせるため、胴と裏蓋との接合部などに隙間が開いており、防水機能が十分でない場合が一般的である。また、胴と裏蓋の間にパッキンを設けるなどして防水性を確保した場合、パッキンによりケース内が気密とされる場合、ケース内の空気が振動しにくく、音が小さくなってしまう。
これに対して、この発明によれば、音源は、気密状態とされたケースの外側に設けられている。これにより、本体の防水性と音源本来の音とを両立できる。本発明では、打撃力伝達部材を介してハンマーの打撃力がケース外の音源に伝達されるので、音源周囲の空気振動により、音源本来の音を響かせることができる。
また、ハンマーがケース内(気密室内)に配置されることで、ハンマーに係る防水構造を設けることを不要にできる。もし、ハンマーの回動軸(ハンマーが回動する場合)にパッキン等を設けるとすれば、ハンマー作動時の摺動抵抗が大きくなるが、本発明では音源のみがケース外に配置されておりハンマーはケース内に配置されているので、ハンマー作動時の摺動抵抗を小さくできる。これにより、ハンマー回動軸部の磨耗を低減できるとともに、音源の打撃に要するエネルギ消費を小さくできる。つまり、ハンマー駆動装置の駆動源がゼンマイの場合にはゼンマイ持続時間を長くできる。
ここで、本発明におけるケースは、風防ガラスおよび裏蓋を含む。胴および裏蓋が一体のワンピース構造の場合、このワンピース胴および風防ガラスによってケースが構成される。このほか、風防ガラスの周縁部を保持するガラス縁が設けられている場合には、このガラス縁もケースに含まれる。要するに、胴、風防ガラス、および裏蓋など、気密室を形成する部材によってケースが構成される。
本発明の時計では、前記打撃力伝達部材は、前記ハンマーと前記音源との間で往復変位可能なピンと、前記ピンを保持する保持部および前記ピンの間を塞ぐ閉塞部材と、前記ピンを前記ハンマー側に付勢する付勢部材とを有することが好ましい。
ケースを貫通し往復変位可能な構成としては、例えば巻真やクロノグラフのボタンなどの既存技術があり、これら巻真やボタンの軸周りには、ケース内の防水性を確保するためにパッキン等が設けられる。すなわち、本発明のように打撃力伝達部材をピンを含んで構成すれば、既存の時計技術の転用によって打撃力伝達部材を容易に製作できる。つまり、新たな部品構造が不要で、コストが掛からない。
なお、ピンは、ハンマーによる打撃力を音源に伝達した後、付勢部材によって元の位置に戻る。このピンの付勢部材は、ピンに設けられたコイルばねや、本体の地板側に設けられたばねなどであってよい。
本発明の時計では、前記打撃力伝達部材は、前記ピンが前記音源側に移動した際に、前記ピンの一部に当接して前記ピンの移動を規制するストッパを備えることが好ましい。
この発明によれば、打撃力伝達部材は、ピンが音源側に過剰に移動するのを規制するストッパを備えている。これにより、例えばケースの外部の気圧が急激に減圧し、ケース内の圧力が外側に比べて高くなった場合でも、ストッパによりピンの移動を規制できるため、内圧によりピンが外部に押し出されて抜け落ちる不都合を防止することができる。
本発明の時計では、前記閉塞部材は、環状体もしくは筒状体とされた弾性部材であり、前記弾性部材における前記環状体の場合の内周縁部もしくは前記筒状体の場合の軸方向一端部は、前記ピンの外周部に固定され、前記弾性部材における前記環状体の場合の外周縁部もしくは前記筒状体の場合の軸方向他端部は、前記保持部に固定されることが好ましい。
ここで、ピンの外周部と保持部との間にリング状の弾性部材(パッキン、Oリング)が介装される構成では、弾性部材表面と保持部との間に摩擦抵抗があり、ピン移動時の摺動抵抗が大きいものとなる。これに対して、本発明では、弾性部材がピンと保持部とに固定されており、弾性部材が変形することによってピンが移動するため、ピンと保持部との間に摺動抵抗が無い。このような本発明によれば、Oリングを用いる場合と比べて、ピンを介して音源に伝達される打撃力を大きくできるとともに、音源の打撃に要するエネルギ消費を小さくできる。これにより、ハンマー駆動装置の駆動源がゼンマイの場合にはゼンマイ持続時間を長くできる。
また、ピンと保持部との間にOリングが介装される構成では、潤滑油切れを起こしてOリングが傷つき、防水性が低下するおそれがあるが、本発明ではこのようなおそれが無い。
さらに、孔があいていない弾性部材がハンマーとピンとの間に介在する構成では弾性部材によるハンマーの機械エネルギの損失が避けられないのに対して、本発明ではそのような不都合が無い。
本発明の時計では、前記打撃力伝達部材は、前記ピンとして、長さ方向に連結される第1ピンおよび第2ピンを備え、前記弾性部材における前記環状体の場合の内周縁部もしくは前記筒状体の場合の軸方向一端部は、前記第1ピンと前記第2ピンとの間に挟持されることが好ましい。
この発明によれば、ピンが二体に分割形成されているため、弾性部材を第1ピンと第2ピンとの間に挟んでピン外周部に固定することが容易となる。
また、ピンが二体とされることで各ピンの材質選択の自由度が向上する。例えば、音源に当接する第2ピンの材質は、音源の材質等に応じて、音質が向上するように選択することが可能となる。
本発明の時計では、前記打撃力伝達部材は、前記ハンマーと前記音源との間で往復変位可能なピンと、前記ピンを保持する保持部および前記ピンの間を塞ぐ閉塞部材と、を有し、前記閉塞部材は、環状体もしくは筒状体とされた弾性部材であり、前記ピンは、前記弾性部材により前記ハンマー側に向かって付勢されていることが好ましい。
この発明によれば、弾性部材によってピンが付勢されることにより、打撃後にピンを戻すばね等の付勢部材を設けることが不要となる。すなわち、弾性部材が防水性確保と、ピンを戻す付勢部材とに兼用されるため、部品コストを低減できる。
本発明の時計は、前記ケースの外側には、前記音源の少なくとも一部を覆う外側ケースが設けられ、前記外側ケースには、空気の出入りが自在な開口部が形成されていることが好ましい。
この発明によれば、衣服の袖口などが時計の外周面に接触しても、外側ケースに覆われた音源には袖口などが接触しないので、音源の振動が減衰せず、音質や音量が変化しない。
そして、外側ケースには開口部が形成されているため、外側ケースの内側と外側とは空気の出入りが自在であり、音源が発する音が直接外側ケースの外部に伝わる。これにより、外側ケースが設けられていない場合と同様に、空気振動を利用した音源本来の音を響かせることができる。
なお、外側ケースは、気密状態に設けられるケース(以下、内側ケースと言うこともある)を構成する胴やガラス縁などに固定される。
ここで、外側ケースに形成される開口部の形状や数、位置などは任意であり、例えば、開口部は、内側ケースの側面に対向する位置に形成された貫通孔であってよい。本発明では内側ケースにより本体の防水性が確保されているので、大きな開口部を形成することが可能となる。このような開口部を修飾的な形状とすることにより、外観意匠性を向上させることが可能である。
また、外側ケース自体の構成も任意であり、例えば金属線を結束して形成された鳥カゴ状に外側ケースを形成してもよい。この場合、金属線で囲まれた空間が開口部となり、外側ケース全体で大きな開口が形成される。なお、開口部は網状部材や多孔質部材により形成されていてもよい。
本発明では、外側ケースと内側ケースとの間の空間は広い方が良いが、外側ケースの開口部を介して空気の出入りが自在であるため、音源と外側ケースの内面とをさほど離す必要は無い。つまり、外側ケースが設けられていても、時計が大径化しない。
本発明の時計では、前記ケースの外側には、前記音源の少なくとも一部を覆う外側ケースが設けられ、これら前記ケースおよび前記外側ケースの間には、前記音源にて発生した音を反響させる反響室が設けられることが好ましい。
ここで、ケース(内側ケース)と、外側ケースとの間に設けられる空間を反響室として利用してもよく、別途、音源を囲う状態に反響室を設ける構成としてもよい。このような反響室を設けることにより、音源にて発生した音を反響させることができる。このように、音を反響させることで、反響による共鳴効果が発生し、音源にて発生した音圧をより大きくすることができる。反響室を設けることにより、発生した音が時計外部に拡散しにくく、余韻を長くすることができる。
また、本発明の時計では、前記外側ケースの外部と前記反響室の内部とを連通する隙間が設けられることが好ましい。
この発明によれば、上記反響室には、隙間が設けられている。すなわち、完全に反響室を密封状態とする場合では、発生した音が反響室の壁により阻まれるため、時計外部へ音が漏れず、音の振動も抑えられる。このため、時計外部では、音圧が小さい篭った音となり、音圧の減衰率も大きくなる。
なお、隙間は、反響室による共鳴効果を阻害しない開口面積に設定すればよい。例えば、隙間の面積が所定面積よりも小さい場合、反響室からの外部への音の出力が十分でなく、密封状態と略同一状態となるため、音圧が小さく、音圧減衰率も大きくなってしまう。一方、隙間の面積が所定面積よりも大きくなる場合、反響室によって音が共鳴されず、共鳴により音圧の増幅もない。また、隙間から音が容易に拡散されてしまうため、音圧の減衰率も大きくなる。これに対して、本発明のように、所定面積の隙間を設けることで、この隙間から反響による共鳴効果により、初期音圧および余韻開始時音圧が増幅された良好な音を外部に出力することができる。また、反響室により余韻減衰率も抑えられるため、余韻開始時から長時間音圧を維持することができる。
そして、本発明の時計では、前記隙間を開閉する隙間開閉手段が設けられることが好ましい。
この発明によれば、上述したような反響室に設けられる隙間を開閉可能な隙間開閉手段が設けられている。これにより、例えば雨天時など、時計の内部を防水したい場合など、時計の内部を気密にする必要がある場合や、音量を小さくしたい場合には、隙間開閉手段を操作して隙間を閉じることで、防水防塵効果を高めることができる。一方、良好な音を鳴らしたい場合には、隙間開閉手段を操作して反響室に隙間を開けることで、上述したような良好な音を発生させることができる。
ここで、本発明の時計では、前記反響室は、前記ケースおよび前記外側ケースにより形成されるとともに、前記外側ケースには、外部と連通する連通孔が形成され、前記連通孔に嵌挿されるとともに、略筒状に形成され、筒外周面に、前記外側ケースの外部と筒内部とを連通する孔部が設けられる隙間形成部材を備え、前記隙間は、前記隙間形成部材の前記孔部および前記隙間形成部材の筒周部により形成され、前記隙間開閉手段は、前記隙間形成部材の前記孔部を閉塞可能な閉塞面を有し、前記隙間形成部材の軸方向に沿って進退自在に設けられるとともに、前記閉塞面により前記孔部を閉塞する閉塞状態、および前記孔部を開口する開口状態に移動して、前記隙間を開閉することが好ましい。
この発明によれば、反響室と外側ケースの外部とを連通する連通孔に筒状の隙間形成部材が嵌挿され、この隙間形成部材の周部には、筒内部と外側ケースの外部とを連通する孔部が形成されている。そして、この孔部から隙間形成部材の筒内周部を通って反響室内部に至る連通部が隙間を形成している。そして、隙間開閉手段は、この隙間形成部材の軸方向に沿って進退し、閉塞面により孔部を開口状態および閉口状態に切り替えている。
ここで、連通孔および隙間形成部材の間、隙間形成部材および開閉部材の間は密閉状態が保たれているものであり、これにより、隙間開閉手段を進退させるだけの簡単な操作で、隙間を容易に開閉することができる。また、隙間開閉手段と、隙間形成部材との2部材により容易に隙間を開閉する機構を構成することができるため、構成が複雑化せず、簡単な構成で上述したような隙間の開閉の切り替えを実施可能な構成を得ることができる。
本発明の時計では、前記ケースは、前記本体の周りに設けられる筒状の胴部と、前記胴部の軸線方向両側にそれぞれ設けられる風防ガラスおよび蓋部とを有し、前記音源は、前記ケースの蓋部に対向する底部と、前記ケースの胴部に対向する側壁部とを有する椀形状とされていることが好ましい。
この発明によれば、お椀型音源の内部スペースにケースが設けられるので、時計の薄型化が阻害されない。このようにスペース効率が良いためお椀型音源を大きく設けることができ、その分、音の余韻を長くすることができる。
なお、ケースの胴部と蓋部とは一体に設けられていても良い。以下で述べる発明における胴部および蓋部についても、同様である。
本発明の時計では、前記ケースは、前記本体の周りに設けられる筒状の胴部と、前記胴部の軸線方向両側にそれぞれ設けられる風防ガラスおよび蓋部とを有し、前記音源は、前記胴部の外周部に沿った棒状に形成されていることが好ましい。
この発明では、外側ケースは内側ケースの胴部に対向する位置に設けられていればよく、蓋部側には設けられていなくてもよい。本発明によれば、内側ケースの胴部および外側ケースの胴部との二重胴構造により、前述と同様に防水性と音源本来の音とを両立できる。
なお、本発明では、内側ケースの蓋部にガラスを使用することにより、本体の機構を外部から視認可能なトランスパレント構造にできる。
本発明の時計では、前記音源は、複数設けられ、これらの複数の前記音源に対応して、複数の前記打撃力伝達部材が設けられることが好ましい。
この発明によれば、音源が複数設けられているため、これらの音源を同時に打つことで、より音圧を大きくすることができ、良好な音を鳴らすことができる。また、それぞれの音源の長さを変形させることで、異なる複数の音を鳴らすこともでき、それぞれの音源を打つタイミングを変化させることなどにより、例えば音楽性を持たせた音など、バリエーションに富んだ良好な音を鳴らすこともできる。
また、これらの複数の音源を単一の打撃力伝達部材で打つ構成としてもよいが、複数の音源に対してそれぞれ打撃力伝達部材を設けることが好ましい。すなわち、複数の音源を1つの打撃力伝達部材で打つ場合、打撃力が分散されるなどして、良好な音声が出力できない場合があるが、本発明では、各音源に十分な打撃力を伝達させることができ、各音源から良好な音を発生させることができる。
本発明の時計では、前記ケースの少なくとも一部は、磁性体であることが好ましい。
この発明によれば、内側ケースの少なくとも一部、例えば内側ケースの胴部が磁性体とされることにより、耐磁板を別途設ける必要が無くなる。これにより、部品点数を削減できるので、低コスト化でき、そのうえ耐磁板寸法分、小型化が可能となる。
加えて、本発明では内側ケースの胴部などが磁性体とされるので、外側ケースを貴金属などで形成できる。すなわち、外観の美観を保ちながら耐磁性と小型化とを両立できる。
本発明では、前記音源は、前記ケースに固定されていることが好ましい。
この発明では、ハンマーを有する本体、および打撃力伝達部材が設けられる内側ケースに音源が固定されるため、打撃力伝達部材と音源との距離や、ハンマーの位置と打撃力との関係などを調整した後、外側ケースを組み付ければよい。つまり、外側ケースに音源が固定される場合には組立後の再調整が必要となるのに対して、本発明の構成は有利となる。
本発明の時計では、前記ケースは、前記本体の周りに設けられる筒状の胴部と、前記胴部の軸線方向両側にそれぞれ設けられる風防ガラスおよび蓋部とを有し、前記音源は、前記ケースの蓋部に対向する底部と、前記ケースの胴部に対向する側壁部とを有する椀形状とされ、前記音源の底部の一部は、固定部材によって前記ケースの蓋部に固定され、前記固定部材は、前記底部および前記蓋部に固定される固定部材本体と、前記底部の前記蓋部側とは反対側に設けられ前記底部との間に隙間をあけて配置される部分および前記底部を支持する支持部分を含む弾性部材とを有することを特徴とする。
この発明では、側壁部よりも音の余韻に影響を与えない底部に固定部材が設けられる。これにより、側壁部の振動が減衰しにくく、余韻のある音を響かせることが可能となる。また、お椀型音源の底部は弾性部材によって支持されているか、一部に隙間があいた状態で支持されるので、底部の振動が規制されにくくなる。これにより、お椀型音源全体の振動が減衰しにくくなり、音の余韻を長くできる。
本発明の携帯機器は、ハンマー、および前記ハンマーを駆動するハンマー駆動装置を有
する本体と、前記本体を収容するケースと、打たれて振動することにより音を発する音源
と、を備え、前記ケースには、前記ハンマーと前記音源との間で往復変位可能とされ、前
記ハンマーによる打撃力を前記音源に伝え、前記音源を打った瞬間に前記ハンマー側に跳ね返る打撃力伝達部材が前記ケースの気密が確保された状態で設けられていることを特徴とする。
この発明によれば、前述の時計と同様の作用および効果を奏する。
ここで、携帯機器としては、例えば、玩具、オルゴール、簡易タイマー、電子制御式機械時計、アラーム・時打ち・引き打ち・からくり(オートマタ、オートマトン)等の少なくとも一つを搭載した時計、メカ式チャイム、機械式カメラ(タイマー撮影機構)、オートマタ、オートマトン、ラジオ、懐中電灯などが挙げられる。
以上の本発明によれば、各ばねのばね力を容易に設定でき、かつ良好な音を発生させることができる。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。なお、以降の説明において、既に説明した構成と同様の構成については、同一符号を付して説明を省略または簡略にする。
〔第1実施形態〕
本発明の第1実施形態について図1〜図5を参照して説明する。
〔1.全体構成〕
図1は、本発明の第1実施形態に係る時計1の縦断面図である。時計1は、本体としてのムーブメント1Aと、ムーブメント1Aを収容する内側ケース10と、内側ケース10の外側に設けられるお椀型の音源としてのおりん(御鈴)20と、おりん20を覆う外側ケース30とを備えている。本実施形態の時計1は、ゼンマイの駆動力により指針を駆動するとともに、ゼンマイの駆動力により発電した電力を電子回路に供給して調速を行う電子制御式機械時計とされている。
ムーブメント1Aは、図示を省略するが、ゼンマイと、ゼンマイの駆動力により時針1B、分針1C、秒針1Dを駆動する駆動輪列と、ゼンマイの駆動力により発電する発電機と、発電機から電力が供給される回路基板とを有している。なお、回路基板には水晶発振回路および分周回路などが実装されている。このムーブメント1Aは、内側ケース10内に風防ガラス13側から挿入され、内側ケース10に固定されている。
また、ムーブメント1Aは、音源を打撃することによって音を鳴らすソヌリ機構4(ソヌリ機構、時打ち機構)(図2)を有している。
なお、図1における1E(二点鎖線)は、3時方向に設けられる巻真である。巻真1Eにはりゅうず1Fが取り付けられている。また、ムーブメント1Aには、図示しないが、ソヌリ機構を起動させるか否かの切替操作が可能な押しボタンが設けられている。
〔2.ソヌリ機構の構成〕
図2は、ムーブメント1Aに搭載されたソヌリ機構4を示す平面図である。ソヌリ機構4は、ソヌリ機構4を駆動するゼンマイが内蔵された香箱車4Aと、香箱車4Aの回転力を調速装置4Cに伝達する増速輪列である動力伝達輪列4Bと、ソヌリ機構4の作動速度を調速する調速装置4Cと、ハンマー40と、ハンマー40の打撃力をおりん20に伝達する打撃力伝達部材としてのハンマーピンユニット50(図1)と、時刻に応じた数だけハンマー40を駆動するハンマー駆動装置としての打撃制御装置60(図2)と、おりん20(図1)とを有している。
なお、ソヌリ機構4の構成は、音源としてゴングではなくおりんを用いている以外は、従来から知られているものと同様なので、説明を省略あるいは簡略する。
従来のソヌリ機構の構成は、例えば、Francois Lecoultre著、「A guide to complicated watches」、159〜179頁に記載されている。
また、調速装置4Cは、本件出願人による特願2006−189812の明細書および図面で説明されているため、説明を省略する。
香箱車4Aは、時刻表示の時針1B、分針1C、秒針1Dを駆動するためのゼンマイの香箱車とは別に、ソヌリ機構専用に設けられており、ソヌリ機構の駆動源としての機械エネルギ蓄積手段を構成している。この香箱車4Aに内蔵されたゼンマイは、巻真1Eが0段目の状態でりゅうず1Fを回すことによって巻き上げられる。
〔打撃制御装置の構成〕
打撃制御装置60は、分針が設けられる筒かなMと一体に設けられるスクリューナット61と、数取り車62と、リリースレバー63と、アワー・リピーティング・ラック(以下、HRRという)64と、センターホイール(以下、CWという)65(図3)とを備えている。
これらの構成は、本件出願人による前記出願(特願2006−189812)の明細書および図面で説明されているため、詳しい説明を省略する。
なお、ソヌリ機構4の動作時ではない通常の状態では、香箱車4Aの回転力(トルク)は動力伝達輪列4Bを介してCW65に伝達され、このCW65は図1において反時計回り方向に回転力を受けている。しかし、CW65のギャザリングラックピニオン(以下、GRPという)657の無歯形部657A(図3)とHRR64の規制部646とが押し付けられているので、CW65は回転せずに停止している。なお、図2は、香箱車4Aが内蔵するゼンマイの巻き止めのためのコハゼを図示していない。
HRR64は、数取り車62で表される現時刻を、おりん20を打つ回数に相当するストロークに変換するとともに、ソヌリ機構4の停止時は香箱車4Aの解け止めを行う。
〔ハンマーの構成〕
ハンマー40は、回動軸部411を中心に回動自在なハンマー本体41と、ハンマー本体41をハンマーピンユニット50に向かって付勢するハンマーばね42と、ハンマー本体41の回動軸部411に回動自在に設けられたハンマートリップ43とを有している。
ハンマー本体41は、黄銅等の銅合金製であり、回動軸部411の軸方向に沿って突出する突起412を有している。
ハンマーばね42は、ハンマー本体41の突起412をハンマーピンユニット50に向かって付勢しており、これによってハンマー本体41が図2における反時計回り方向に付勢されている。
ハンマートリップ43は、突起412に当接する爪と、GRP657に固定されているアワーラチェット659の三角歯659Aや爪659Bに当接する爪と、ハンマートリップばね431に当接する爪とを有し、ハンマートリップばね431によって図2における時計回り方向に付勢されている。
ハンマートリップ43は、ソヌリ機構4が動作していない際には、アワーラチェット659の爪659Bによって図2の状態に維持される。これにより、ハンマーばね42とハンマートリップばね431とによって突起412が挟持された状態のハンマー本体41の位置が決まり、ハンマー本体41は、ハンマーピンユニット50から離れた位置で静止している。このため、時計1を携帯中に拍手したり、腕を強く振るなどした場合でも、ソヌリ機構4が動作していない際におりん20が鳴ることはない。
ソヌリ機構4を構成するおりん20の構成およびハンマーピンユニット50の構成については後述する。
〔3.お椀型音源およびケースの構成〕
図1に戻り、内側ケース10、おりん20、および外側ケース30の構成について説明する。〔3−1.内側ケースの構成〕
内側ケース10は、ムーブメント1Aを収容する内胴11と、内胴11に設けられるガラス縁12と、ガラス縁12に樹脂製のパッキンPK1が介装された状態で圧入される風防ガラス13とを備えている。
ガラス縁12と内胴11との間には、パッキンPK2(フッ素ゴム等のゴム製)が介装されている。
内胴11はステンレス鋼製であり、筒状の胴部111と、風防ガラス13側とは反対側に設けられる蓋部112とを有している。これら胴部111および蓋部112は、一体に形成されている。
胴部111の風防ガラス13側の端部には、ムーブメント1Aが固定される鍔部111Aが形成されている。この鍔部111Aは、おりん20の内側から外側にまで延びている。
また、胴部111におけるハンマー本体41と対向する位置には、ハンマー本体41の打撃力をおりん20に伝達する打撃力伝達部材としてのハンマーピンユニット50が設けられている。胴部111には、ハンマーピンユニット50が設けられるねじ孔111B(図4)が形成されている。
内胴11の蓋部112には、おりん20が固定される貫通孔112Aと、蓋部112のおりん20側の面から立ち上がる凸部112Bとが形成されている。貫通孔112Aは、蓋部112の中央に形成されている。凸部112Bは、貫通孔112Aを中心に円周状に形成されている。
〔3−2.ハンマーピンユニットの構成〕
図4は、内胴11の胴部111においてハンマー本体41(図1)の先端部に対向する位置に設けられたハンマーピンユニット50を示す。
ハンマーピンユニット50は、胴部111に固定される保持部としてのパイプ51と、パイプ51内を貫通するハンマーピン52と、ハンマーピン52の外周部とパイプ51の内壁との間に介装されるゴム製の閉塞部材としてのOリング53(パッキング)と、パイプ51における胴部111の内側の部分に設けられる付勢部材としてのコイルばね54(圧縮)と、パイプ51との間にコイルばね54を係止するCリング55とを有している。
パイプ51は鍔部511付きの筒体とされ、パイプ51の外周部には雄ねじ512が形成されている。ハンマーピンユニット50は、雄ねじ512が内胴11のねじ孔111Bにねじ込まれることによって胴部111に固定されている。なお、鍔部511にはドライバーの先端を挿入可能なすり割り溝511Aが形成されている。
パイプ51の鍔部511と胴部111との間には、リング状のゴム製のパッキン513が介装されている。
ハンマーピン52は、黄銅等の銅合金製であり、このハンマーピン52における胴部111の内側の端部521がハンマー40(図1)によって叩かれることにより、胴部111の外側の端部522がおりん20の開口縁近傍の内周面を打つようになっている。
ハンマーピン52は、外周に設けられたコイルばね54により、胴部111の内側に向かって付勢されている。
このようなハンマーピンユニット50では、閉塞部材としてのOリング53によってハンマーピン52とパイプ51との間の防水性が確保され、パッキン513によってパイプ51と内胴11との間の防水性が確保されている。
〔3−3.おりんの構成〕
図5は、時計1の横断面図である。この図5で図示されたムーブメント1Aの構成は、ハンマー本体41およびハンマートリップ43のみであり、その他のムーブメント1Aの構成は図示されていない。
おりん20は、お椀型音源であり、図1および図5に示すように、内胴11の胴部111および蓋部112を囲むように内胴11の外側に設けられている。このおりん20は、内胴11の胴部111に対向する側壁部21と、内胴11の蓋部112に対向する底部22(図1)とを有している。おりん20の底部22の中央部には、おりん20を内胴11に固定する固定部材25(図1)が設けられている。
なお、本実施形態のおりん20は黄銅などの銅合金等で形成され、おりん20の表面には防錆メッキが施されている。ここで、おりん20、ハンマーピン52、およびハンマー本体41はいずれも黄銅などの銅合金等で形成されており、打撃によっておりん20が永久変形しにくいようになっている。
固定部材25は、図1に示すように、おりん20の底部22に形成された貫通孔に圧入される金属製の固定部材本体としての固定パイプ251と、内胴11の貫通孔112Aおよび固定パイプ251に挿入されるねじピン252と、ねじピン252の雌ねじ部に螺合される止めねじ253と、おりん20と内胴11の蓋部112との間に介装される板状の弾性部材としての押さえばね254と、おりん20と外側ケース30との間に介装される板状の押さえばね255と、おりん20を押さえる樹脂製リング256とを有している。おりん20の底部22の穴径は固定パイプ251の軸径より大きく設定されている。
なお、固定部材25の構成部品を成す、固定パイプ251、ねじピン252、止めねじ253、押さえばね254、押さえばね255は、鉄材に防錆メッキを施したものでもよいし、ステンレス製でもよい。
ねじピン252と内胴11の蓋部112との間には、ゴム製のパッキンPK3が介装されている。
押さえばね254は、固定パイプ251の外周部に設けられる環状の部分と、この環状の部分から放射状に延びて蓋部112の凸部112Bに当接される複数の支持部254Aとを有している。
また、押さえばね255は、おりん20との間に樹脂製リング256を挟んだ状態で固定パイプ251の外周部に設けられる環状の部分と、この環状の部分から放射状に延びる複数の支持部255Aとを有している。
なお、本実施形態では4つの支持部254Aと、4つの支持部255Aとが設けられている。これらの支持部254A,255Aの数はこれに限定されないが、おりん20の平面位置を規定するために、3つ以上であることが好ましい。
固定パイプ251に挿入されたねじピン252に止めねじ253を締めることにより、押さえばね254,255が軽く適度に撓んだ状態となり、おりん20は押さえばね254,255に挟まれた状態で保持される。このような固定部材25により、おりん20は、固定部材25以外の部品(内胴11や外側ケース30等)と接触せずに吊られた状態で固定されている。
なお、おりん20が自重により下方にさがっている状態において、押さえばね254と内胴11の蓋部112との間、押さえばね254とおりん20との間、押さえばね255と外側ケース30との間、押さえばね255とおりん20との間にはそれぞれ、隙間が形成されている。
押さえばね254,255のばね性は、通常の使用状態において、おりん20が内胴11や外側ケース30に接触する位置まで移動することがないような強度(剛性)に設定されている。
〔3−4.外側ケースの構成〕
外側ケース30は、図1および図5に示すように、おりん20の側壁部21に対向する略筒状の外胴31と、おりん20の底部22に対向する裏蓋32とを有している。外胴31とおりん20とは離間しており、裏蓋32とおりん20とは固定部材25が設けられる部分を除いて離間している。
外胴31は、金、プラチナ等の貴金属で形成されている。この外胴31には、周方向の複数箇所において、外胴31を貫通する開口部311が形成されている。本実施形態では、図5に示すように、4つの開口部311が外胴31の周方向に等間隔で形成され、一つの開口部311の中心はハンマーピン52の軸線に対応しているが、外側ケース30に形成される開口部の位置、数、形状等はこれに限られない。
外側ケース30の外胴31の上端部には、内胴11の鍔部111Aがねじ312(図1)によって固定されている。なお、ねじ312は外胴31の周方向の複数箇所に設けられており、鍔部111Aにおいてねじ312が設けられる位置よりもムーブメント1A側の位置には、ゴム製のパッキンPK4が設けられている。
また、外胴31において内胴11の鍔部111Aが固定された位置とは異なる複数箇所において、外胴31はガラス縁12にねじ313によって固定されている。
裏蓋32は、周方向の数箇所でねじ321によって外胴31に固定されている。また、裏蓋32のおりん20側の面には、固定部材25の押さえばね255の先端部が当接される円周状の凸部322が形成されている。
〔4.時計の組立〕
以上のような構成の時計1は、例えば、次のように組み立てられる。
内胴11に、ハンマーピンユニット50、巻真1Eが挿通されるパイプ、図示しない押しボタンの軸が挿通されるパイプ、およびおりん20を組みつけておき、外側ケース30内に裏蓋32が設けられる側から内胴11を挿入し、パッキンPK4を介してねじ312で固定する。これにより、外側ケース30と内胴11とが一体となる。
次に、内胴11内に風防ガラス13が設けられる側からムーブメント1Aを挿入し(バヨネット形式)、ムーブメント1Aを内胴11の鍔部111Aに図示しないねじ等により周方向の複数箇所で固定して回転を規制する。
次いで、風防ガラス13が圧入されたガラス縁12を内胴11の胴部111にパッキンPK2を介装した状態で載せ、ガラス縁12を裏蓋32側からねじ313で外胴31に固定する。
さらに、りゅうず1Fを取り付けた巻真1Eを外側ケース30の外胴31の孔、内胴11のパイプを通してムーブメント1A内に挿入する。
最後に、裏蓋32を外胴31にねじ321で止めることにより、内胴11、ガラス縁12、風防ガラス13、外胴31、および裏蓋32が一体に組み立てられる。
ここで、内胴11、ガラス縁12、および風防ガラス13により構成される内側ケース10の内部は、パッキンPK1〜PK4により密閉された気密室となるため、ムーブメント1Aは、内側ケース10内に気密状態で収容されている。
これに対して、外側ケース30には開口部311が形成されているため、外側ケース30の内側と外側とは空気の出入りが自在となっている。
なお、ムーブメント1Aに設けられる巻真1Eや図示しない押しボタンの軸が外胴31、おりん20、および内胴11を貫通しているが、これらの巻真1Eや押しボタンの軸と内胴11に設けられるパイプとの間にパッキンが介装されることにより、内側ケース10の内部は気密となっている。
また、ハンマーピンユニット50(図4)においても、前述したOリング53およびパッキン513により、内側ケース10の内部は気密に保たれている。
〔5.ソヌリ機構の動作〕
図2、図3を参照し、本実施形態におけるソヌリ機構4の動作を説明する。
筒かなMの回転に伴い、スクリューナット61(図2)は1時間に1回転する。ここで、スクリューナット61に突設された突起611がリリースレバー63の本体に回転可能に設けられたビーク631に接触する前に、スクリューナット61に突設されたピン612が数取り車62の星形歯車621に係合し、数取り車62を1時間分(1/12回転=30度)だけ回転させる。
筒かなMが回転してスクリューナット61の突起611がリリースレバー63のビーク631に当接し、リリースレバー63が図2における反時計回りに回転すると、リリースレバークリック633を介してCW65のリリースラチェット652も回転する。すると、リリースラチェット652に圧入されたリリースピン652A(図3)がドライビングローラ651の長穴651Aに沿って図3における左上方向に移動し、CWリリースクリック655をCWリリースクリックばね656に抗って図3における反時計回り方向に回転させる。これにより、CWリリースクリック655の爪部655Aがドライビングラチェット660から外れる。このとき、HRR64(図2)は、HRRクリック643の先端が数取り車62の側面62Aに当接するまで、GRP657を図2における時計回り方向に瞬間的に回転させる。そして、GRP657に固定されているアワーラチェット659は、外周の三角歯659Aでハンマートリップ43を弾きながら、時計回りに回転する。
また、CWリリースクリック655(図3)がドライビングラチェット660から外れると、ドライビングローラ651がGRP657との拘束から解放され、ドライビングローラ651は香箱車4Aから動力伝達輪列4B、センターホイールピニオン653を介して伝達されるトルクで図2における反時計回り方向に回転を始める。
このドライビングローラ651の回転速度は、調速装置4Cにより調速された香箱車4Aの回転速度と同様であり、ドライビングローラ651は非常にゆっくりしたほぼ一定の速度で回転する。
センターホイールピニオン653と一体のドライビングローラ651が回転すると、リリースレバークリック633に押されたままのリリースラチェット652はそのまま停止しているので、リリースピン652Aに押し上げられていたCWリリースクリック655はCWリリースクリックばね656のばね力で再びドライビングラチェット660に噛み合う。これにより、GRP657はCWリリースクリック655に拘束され、ドライビングローラ651と一体になって反時計回り方向に回転する。
このとき、GRP657に固定されているアワーラチェット659が反時計回りに回転し、アワーラチェット659の三角歯659Aがハンマートリップ43に当たることにより、ハンマートリップ43が時計回り方向に回転する。この際、ハンマートリップ43の爪によってハンマー本体41の突起412が押され、ハンマー本体41はハンマーばね342の付勢力に抗っておりん20から離れる方向に持ち上がる。そして、アワーラチェット659がさらに反時計回りに回転して三角歯659Aがハンマートリップ43の爪を通過すると、ハンマー本体41はハンマーばね42によってハンマーピン52の端部521を叩く。これによってハンマーピン52はパイプ51内をスライドし、その端部522がおりん20の側壁部21を打つ。
ハンマーピン52は、おりん20を打った直後、おりん20からの反発力とコイルばね54のばね力とによって元の位置(図2において、ハンマー本体41を示す実線の位置)に引き戻される。このようなハンマーピン52の往復変位によってハンマー本体41の打撃力がおりん20に伝達され、おりん20が振動するとともに、おりん20の振動による空気振動によって打撃音が響く。この空気振動は、外側ケース30の開口部311を介して行われる。空気振動を利用するおりん20の音は、おりん20のゆっくりとした振動減衰により余韻や残響のある状態で鳴り、このような深みのあるおりん20本来の音が開口部311を通じて外部に直接、十分な音量で放出される。なお、開口部311は複数設けられているため、おりん20の音が時計外周から全方向に聞こえる。
ここで、おりん20がハンマーピン52を介して打たれると、固定部材25の支持部254A,255Aが適度に撓み、おりん20はハンマーピン52と離間する側に揺れるため、ハンマーピン52が戻るまで、おりん20が再度ハンマーピン52と当たることはない。このため、長い余韻を確保できる。
このおりん20を打つ動作は、ドライビングローラ651が回転してアワーラチェット659の三角歯659Aがハンマートリップ43に当たる度に行われるので、数取り車62の回転位置に応じた時刻の時数分だけおりん20が鳴らされる。従って、時計1の使用者は、鳴らされた音の数で時刻を知ることができる。
なお、調速装置4Cによって香箱車4Aの回転速度が調速されることにより、おりん20が打たれる時間間隔が長いため、おりん20の音の余韻をより十分に響かせることができる。
数取り車62の回転位置に応じた時刻の時数分だけおりん20が鳴らされると、GRP657の無歯形部657Aと、HRR64の規制部646とが接触し、CW65の回転が停止する。
筒かなMの回転によってビーク631がスクリューナット61の突起611から外れると、リリースレバー63はばね力によって時計回り方向に回転し、初期位置に戻る。
以上が、ソヌリ機構4の一連の動作である。
本実施形態により、次のような効果が得られる。
(1)ソヌリ機構4を備える時計1において、内側ケース10の外側におりん20が配置され、ハンマー40の打撃力がハンマーピンユニット50を介しておりん20に伝達される構成とした。このような構成では、ハンマー40には、ハンマーピン52側に向かって当該ハンマー40を付勢するハンマーばね42が設けられ、ハンマーピン52には、胴部111の内側に向かって当該ハンマーピン52を付勢するコイルばね54が設けられている。すなわち、時計製造時において、それぞれ別部材であるハンマー40およびハンマーピン52に設けられるハンマーばね42およびコイルばね54の付勢力をそれぞれ設定するだけでよい。したがって、ハンマー40にそれぞれ異なる方向に付勢力が作用するばねを設ける構成に比べて、バネ力を容易に設定でき、時計製造効率も向上させることができる。
また、ハンマーピン52は、おりん20を打った直後、おりん20からの反発力とコイルばね54のばね力とによって元の位置に引き戻されるため、ハンマー40の付勢力でおりん20を押圧し続けて振動を阻害することがない。したがって、おりん20を良好に振動させることができ、初期音圧も大きく、余韻も長い良好な音を発生させることができる。
(2)内側ケース10を気密としたため、おりん20が空気出入り自在の空間で振動し、空気振動によっておりん20本来の音を十分な音量で響かせることが可能となった。つまり、おりん20は気密室外にあり、おりん20の外周を囲む外胴31には複数の開口部311があるので、おりん20の音が直接外部に響く。そして、ムーブメント1Aが気密空間とされた内側ケース10内に配置されるため、時計携帯中の水や水蒸気の浸入を防止でき、ムーブメント1Aの錆びや水没による故障を防止できる。すなわち、本構成により、ムーブメント1Aの防水性とおりん20の本来の音の発生とを両立できる。
(3)開口部311が形成された外胴31によっておりん20が覆われているため、衣服の袖口などが時計1の外周部に接触してもおりん20には接触せず、おりん20の振動が減衰しない。なお、おりん20において底部22よりも音の響きに貢献する側壁部21に対向する位置に開口部311が形成されているため、おりん20の音がより十分な音量で、かつ良好な音色で外側ケース30の外部に伝わる。
(4)おりん20の内部スペースに内側ケース10が設けられるので、時計1を薄型化できる。このようにスペース効率が良いためおりん20を大きく設けることができ、その分、音の余韻を長くすることができる。
(5)ハンマー40による打撃力をおりん20に伝達する手段として、ハンマーピン52を含むハンマーピンユニット50を採用したので、巻真1Eや押しボタンの軸などに用いられる既存の防水構造と同様に、ハンマーピンユニット50の防水構造を実現できる。すなわち、既存の時計技術の転用が可能なため、新たな部品構造が不要で、コストが掛からない。
(6)ハンマー40を有するムーブメント1A、およびハンマーピンユニット50が設けられる内胴11におりん20が固定される構成のため、ハンマーピン52とおりん20との距離や、ハンマー本体41の位置と打撃力との関係などを調整した後、外側ケース30を組みつけることが可能となる。これにより、ソヌリ機構4の動作に関する組立後の再調整を不要にできる。
(7)おりん20の底部22に固定部材25が設けられることにより、おりん20の側壁部21に固定部材が設けられる場合と比べておりん20の振動が減衰しにくく、余韻のある音を響かせることが可能となる。また、おりん20の底部22の穴径が固定パイプ251の軸径より大きいため、樹脂製リング256の変形により、おりん20は自由に振動できる。さらに、おりん20の振動を妨げない状態で押さえばね254,255がおりん20を支持しているので、おりん20の振動が減衰しにくく、おりん20の音の余韻を長くできる。
そして、落下などの衝撃の際に押さえばね254,255が撓むことにより、おりん20の底部22の中央部や固定パイプ251などが塑性変形してしまうことを防止できる。
〔第2実施形態〕
次に、本発明の第2実施形態について図6〜図8を参照して説明する。
本実施形態では、音源としておりんではなくゴングが使用され、本実施形態の時計はリピータ機構を備えている。また、本実施形態の時計は、裏蓋側にガラスが設けられるシースルーバック仕様となっている。さらに、本実施形態には、第1実施形態とは異なる打撃力伝達部材が使用されている。主にこれらの点を除いて、本実施形態の時計は第1実施形態の時計1と略同様に構成されている。
図6は、本実施形態の時計7の縦断面図であり、図7は、時計7の横断面図である。なお、図7では、ハンマー本体41およびハンマートリップ43以外のムーブメントの構成部品は図示されていない。
時計7は、本体としてのムーブメント7Aと、ムーブメント7Aを収容する内側ケース71と、内側ケース71の外側に設けられるC字状の音源としてのゴング72と、ゴング72を覆う外側ケース73とを備えている。
本実施形態のムーブメント7Aには、第1実施形態のソヌリ機構の代わりにゴング72を打つ回数によって1時間毎や15分毎、1分毎に時刻を表すリピータ機構が搭載されており、このリピータ機構は、ハンマー40と、ハンマー40による打撃動作を制御するハンマー駆動装置としての打撃制御装置(図示せず)と、ゴング72と、打撃力伝達部材としてのハンマーピン74とを有して構成されている。このリピータ機構の非動作時、ハンマー40は、打撃制御装置に含まれる係止手段によって静止した状態に保たれている。
本実施形態のリピータ機構は、ハンマーピン74を除いて従来の構成と同様であるため、打撃制御装置などの説明を省略する。なお、本実施形態においても、第1実施形態のソヌリ機構4を適用することが可能である。すなわち1時間毎に時刻の時数に応じた回数だけゴング72を鳴らす機構でもよい。
内側ケース71は、筒状の内胴711と、内胴711の裏蓋側に設けられる裏側ガラス712と、風防ガラス13と、ガラス縁12とを有している。
内胴711の上端には、外胴731に固定される鍔部711Aが形成されている。また、内胴711の側面には、ハンマーピン74が設けられる保持部としての貫通孔711B(図8)が形成されている。
また、内胴711の内周部には、樹脂製のパッキンPK5が介装された状態で裏側ガラス712が圧入されている。
ゴング72は、焼入れされた鋼製の棒状部材をC字状に曲げたものであり、内胴711の外周面および外胴731に対して離間した状態で設けられている。図7に示すように、このゴング72の基端部72Aは内胴711に設けられたゴングベース720の穴に圧入された状態で固定されている。
ゴングベース720は、鉄製の直方体ブロック状の部材であり、ねじ720Aで内胴711の外周面に固定されている。ねじ720Aが挿入される内胴711のねじ穴は袋穴となっているため、内胴711内の気密が確保されている。このため、ねじ720Aの周りにゴムパッキンなどを設ける必要はない。これにより、ゴング72の振動がパッキンによって吸収されて音量が下がったり、減衰したりしない。
外側ケース73は、図6に示すように、筒状の外胴731と、裏側ガラス712の周縁部を保持する裏蓋リング732とを有している。
外胴731には、周方向の複数箇所に開口部311が形成されている。また、外胴731の内周部上端側には、内胴711の鍔部711Aを載置する載置部731Aが形成されている。
裏蓋リング732には、外胴731の内部に侵入した水を排出する複数の水抜き孔732Aが形成されている。これらの水抜き孔732Aは、裏蓋リング732の周方向に複数箇所形成されている。また、水抜き孔732Aは、開口部としての機能も有している。
なお、本実施形態ではゴング72およびハンマー40は一つずつ設けられているが、複数のゴングおよびハンマーを設けることも可能である。各ゴングの長さを変えて固有振動数を異ならせることにより、打撃音の高さが変わり、異なる高さの打撃音の組み合わせによって時刻を告げることが可能となる。複数のゴングを設ける場合、内胴711の側面に高さ方向の位置を変えて各ゴング同士が接触しないように設ければよい。また、各ゴングを共通のゴングベースに固定することもできるし、複数のゴングベースを内胴の周方向の複数箇所に設けても良い。1つのゴングベースの両側から時計回り方向および反時計回り方向にゴングをそれぞれ設けることもできる。また、ゴングの両端の高さを異ならせてスパイラル状に設けることもできる。
図8は、ハンマーピン74を示す。ハンマーピン74は、ゴング72の基端部72A(図7)近傍の位置で、内胴711の貫通孔711Bと、ムーブメント7Aの外周部に形成されたピン係止部7Bとにパイプ等を介さずに直接挿入されている。このハンマーピン74は、ゴング72を打つ平面視三角状の打撃部741(図7参照)と、ピン係止部7Bを貫通して付勢部材としての板ばね75に係合する溝742とを有している。ハンマーピン74の外周部と内胴711の貫通孔711Bとの間にはOリング53が介装されている。
板ばね75は平面視矩形状であって湾曲して形成されており、一方の短辺から他方の短辺に向かって切欠が形成されている。この切欠にハンマーピン74の溝742が挿入されている。この板ばね75はピン係止部7Bに対してハンマーピン74をハンマー40側に付勢している。
本実施形態の時計7は、次のように組み立てられる。
まず、裏側ガラス712を内胴711に樹脂製のパッキンPK5を介して固定する。
外胴731の載置部731Aに樹脂製のパッキンPK6を配置するとともに、外胴731内に風防ガラス13が設けられる側から内胴711を挿入し、外胴731の載置部731Aに内胴711の鍔部711Aを載せる。この際、パッキンPK6が載置部731Aと鍔部711Aの側面との間で時計の径方向に弾性変形し、鍔部711Aは載置部731Aに圧入された状態で固定される。このパッキンPK6の構成は、第1実施形態の時計の厚み方向に弾性変形するパッキンPK4(図1)の構成とは相違する。
なお、外胴731と内胴711とを組み付ける際、内胴711に予めゴング72を固定しておく。
次に、外胴731に装着された状態の内胴711の内部に風防ガラス13が設けられる側からムーブメント7Aを挿入し、ムーブメント7Aの地板の周縁部と係合するねじ731Bによって地板を挟んだ状態でムーブメント7Aを外胴731の上端に固定する。
このように外胴731に固定された状態のムーブメント7Aに巻真1E、図示しない押しボタン、ハンマーピン74および板ばね75を組み付ける。
次いで、外胴731の上端とガラス縁12との間にパッキンPK2を介装した状態で、パッキンPK2の内周側に設けられるねじ731Cによってガラス縁12を外胴731に固定する。ねじ731Cの軸周りにはパッキンが設けられている。
最後に、裏蓋リング732を図示しないねじで外胴731に固定することにより、内胴711、ガラス縁12、風防ガラス13、外胴731、裏蓋リング732、および裏側ガラス712が一体に組み立てられる。
ここで、内胴711、裏側ガラス712、ガラス縁12、および風防ガラス13により構成される内側ケース71の内部は、パッキンPK1,PK2,PK5,PK6により密閉された気密室となるため、ムーブメント7Aの防水性が確保される。
本実施形態におけるリピータ機構においても、第1実施形態のソヌリ機構4とほぼ同様に、指針の駆動輪列の動作に連動してハンマー40の打撃制御が行われる。ハンマー本体41は、打撃制御装置による制御によって一旦、ゴング72から離れる方向に回動した後、ハンマーピン74の端部を叩いてゴング72側に移動させる。これによってハンマーピン52はゴング72を打ち、励振させる。
ハンマーピン74は、ゴング72を打った後、板ばね75のばね力によって元の位置に戻るため、次にハンマー40によって打たれるまで、ゴング72に接触しない。
以上により、ゴング72が振動するとともに、ゴング72の振動による空気振動によって打撃音が響き、外胴731の開口部311を通じて外部に直接、十分な音量で放音される。打撃制御部は、分に応じた回数だけハンマー40を打撃動作させた後、再び、係止手段によってハンマー40を静止させる。
本実施形態によれば、第1実施形態と略同様に、内側ケース71を気密に構成するとともに、ゴング72を内胴711の外側に設けることにより、防水性とゴング72本来の音とを両立できる。
また、本実施形態によれば、第1実施形態で述べた効果と略同様の効果に加えて、次のような効果も奏する。
(8)内胴711と外胴731との固定に関し、内胴711の鍔部711Aの側面と外胴731の載置部731Aとの間にパッキンPK6が介装される構成としたので、第1実施形態のパッキンPK4のように上下方向で挟む構成よりも内胴711と外胴731との接合部の厚みを薄くできる。これにより、ゴング72周辺の空間を広くでき、打撃音をより大きく響かせることができる。
(9)ハンマーピン74が直接内胴711に設けられているため、第1実施形態のパイプ51を有するハンマーピンユニット50を使用する場合よりも内胴711の厚みを薄くでき、時計7を薄型にできる。
〔第3実施形態〕
次に、本発明の第3実施形態について図9〜図11を参照して説明する。
本実施形態では、内側ケースおよび外側ケースの組み付け構造が前記各実施形態とは相違する。また、本実施形態には、前記各実施形態とは異なる打撃力伝達部材が使用されている。主にこれらの点を除いて、本実施形態の時計は第2実施形態の時計7と略同様に構成されている。
図9は、本実施形態の時計8の縦断面図である。この図9には巻真1Eが設けられる部分の断面を示した(図9の右半分)。また、図10は、時計8の横断面図である。この図10では、ハンマー本体41およびハンマートリップ43以外のムーブメント7Aの構成部品は図示されていない。
時計8は、ムーブメント7Aと、ムーブメント7Aを収容する内側ケース81と、内側ケース81の外側に設けられるゴング72と、ゴング72を覆う外側ケースとしての外胴83とを備えている。
内側ケース81は、筒状の磁性体としての内胴811と、内胴811の裏蓋側に設けられる裏側ガラス812および裏蓋リング813と、風防ガラス13と、ガラス縁12とを有している。
内胴811は、純鉄や、フェライト系のステンレス鋼で形成された耐磁体であり、ムーブメント7Aの構成部品を磁化から保護する耐磁板を兼ねている。なお、内胴811に30μm程度の厚い防錆メッキを施したり、防錆塗料を塗布したりすることにより、内胴811が純鉄やフェライト系ステンレス鋼であって、外胴83が金やプラチナ等の貴金属で形成されていても、異種金属間に生じる電位差腐食を防止できる。内胴811の側面は外胴83で覆われており、時計8の使用時に直接触れられないので、摩擦や傷により内胴11の表面処理が損われるおそれはない。なお、内胴811の表面を改質して防錆性能を向上させたフェライト系ステンレス鋼を用いることにより、メッキやコーティング処理が不要となる。
また、ゴングベース720を内胴811にねじ止めする際には、防錆のためにねじ部分に嫌気性接着剤を塗布するとよい。
内胴811の下端部には、ゴム製のパッキンPK7を介装した状態で裏蓋リング813がねじ813Aで固定されている。
裏蓋リング813の内周部には、樹脂製のパッキンPK8を介して裏側ガラス812が圧入されている。これにより、裏側ガラス812および裏蓋リング813は時計の裏蓋として機能する。
内胴811の上端には、ムーブメント7Aの地板が固定される鍔部811Aが形成されている。また、内胴811の側面には、打撃力伝達部材としてのハンマーピンユニット90が設けられる貫通孔811B(図11)が形成されている。
外胴83には、周方向の複数箇所に開口部311が形成されている。また、外胴83の内周部上端側には、内胴811の鍔部811Aを載置する載置部831が形成されている。
図11は、打撃力伝達部材としてのハンマーピンユニット90を示す。ハンマーピンユニット90は、内胴811に設けられる外側パイプ901と、ガイドパイプ902と、第1ハンマーピン903と、第1ハンマーピン903に連結される第2ハンマーピン904と、ムーブメント7Aの地板に設けられる付勢部材としてのばね905(図10参照)と、外側パイプ901の開口を気密状態に塞ぐ弾性部材としての弾性シート906と、弾性シート906を外側パイプ901の端部に固定する固定リング907とを有している。
外側パイプ901は、金属製の鍔付きの筒体であり、内胴811の貫通孔811Bに圧入した状態で固定されている。また、ガイドパイプ902は樹脂製の鍔付きの筒体であり、鍔部が外側パイプ901に係合した状態で外側パイプ901内に圧入されている。このガイドパイプ902の材質は、テフロン(登録商標)やデルリン(登録商標)など、外側パイプ901よりも低摩擦のものとされている。
これらの外側パイプ901およびガイドパイプ902は、第1ハンマーピン903、第2ハンマーピン904が挿入される保持部として機能する。なお、ガイドパイプ902が設けられずに、一体のパイプのみによって保持部が構成されていてもよい。
本実施形態では、第1ハンマーピン903、第2ハンマーピン904の二体により、ハンマー40に叩かれた際にゴング72を打つピンが構成されている。第1ハンマーピン903は、ガイドパイプ902にガタがある状態で挿入されており、ばね905(図10)によって内胴811の内側に向かって付勢されている。第1ハンマーピン903、第2ハンマーピン904は、ゴング72を打った後、ばね905のばね力によって元の位置に引き戻される。
第2ハンマーピン904は、平面三角形状の打撃部741を有しており、第1ハンマーピン903の穴に圧入固定されている。
弾性シート906は、防水性を有するシートを環状に切り抜かれて形成された環状体とされ、弾性シート906の内周縁部は第1ハンマーピン903、第2ハンマーピン904の間に潰された状態で挟持されている。この弾性シート906は汎用品を簡易な抜き型で抜くことによって安価に製作できる。弾性シート906の外周縁部は、外側パイプ901の鍔部に嵌められる固定リング907によって潰されている。この弾性シート906により外側パイプ901の開口が塞がれるため、ハンマーピンユニット90が設けられていても内胴811内の防水性が確保されている。なお、弾性シート906の内周縁部および外周縁部にそれぞれ、コーティング剤や接着剤を塗ることにより、防水性が向上する。
本実施形態の時計8は、次のように組み立てられる。内胴811の外周部にゴング72の端部が圧入されたゴングベース720をねじ720Aで固定する。さらにハンマーピンユニット90を組み付けた内胴811に風防ガラス13が設けられる側からムーブメント7Aを挿入し、ムーブメント7Aの地板を内胴811の鍔部811Aにねじ811Cで止める。
次に、ムーブメント7Aおよびゴング72が取り付けられた状態の内胴811を外胴83に風防ガラス13側から挿入し、内胴811の鍔部811Aを外胴83の載置部831に載せる。そして、内胴811の鍔部811Aにゴム製のパッキンPK9を介してガラス縁12を載せ、裏蓋側から挿入されるねじ832により、外胴83とガラス縁12とを内胴811の鍔部811Aを挟持した状態に固定する。
最後に、裏側ガラス812が設けられた裏蓋リング813を内胴811の下端にパッキンPK7を介在させてねじ813Aで固定することにより、内胴811、ガラス縁12、風防ガラス13、外胴83、裏蓋リング813、および裏側ガラス812が一体に組み立てられる。
ここで、内胴811、裏側ガラス812、裏蓋リング813、ガラス縁12、および風防ガラス13により構成される内側ケース81の内部は、パッキンPK1,PK7,PK8,PK9により密閉された気密室となるため、ムーブメント7Aの防水性が確保されている。なお、ハンマーピンユニット90の弾性シート906や、巻真1Eに設けられるOリング1Hにより、内側ケース81の内部は気密に保たれている。
本実施形態におけるリピータ機構の動作は、第2実施形態と同様である。ムーブメント7Aに搭載された打撃制御装置による打撃制御により、ハンマー本体41が第1ハンマーピン903の端部を叩き、第1ハンマーピン903、第2ハンマーピン904がガイドパイプ902内をゴング72側に向かって移動し、第2ハンマーピン904の打撃部741がゴング72を打つ。
ここで、弾性シート906が弾性変形して第1ハンマーピン903、第2ハンマーピン904の移動に追従することから、第1ハンマーピン903、第2ハンマーピン904はゴング72に向かってスムースに移動する。弾性シート906の内周縁部および外周縁部の位置は固定されているため、外側パイプ901とガイドパイプ902とは摺動しない。
本実施形態によれば、第2実施形態と同様の効果に加えて、次のような効果が得られる。
(10)内胴811が磁性体であることにより、ムーブメント7A内の部品の磁化を防止する耐磁板を別途設ける必要が無くなる。これにより、部品点数を削減できるので、低コスト化でき、また、耐磁板の寸法分、小型化が可能となる。
そのうえ、内胴811が磁性体とされることにより、外胴83は貴金属で形成できるので、外観の美観を保ちながら耐磁性と小型化とを両立できる。
(11)ハンマーピンユニット90の第1ハンマーピン903とガイドパイプ902との間に防水用のOリングを設ける代わりに、弾性シート906によってハンマーピンユニット90の防水性を確保したので、Oリングを用いる場合と比べて打撃力伝達部材である第1ハンマーピン903、第2ハンマーピン904の移動時の抵抗を格段に小さくできる。Oリングが磨耗によってちぎれる等の不具合も生じない。このように弾性シート906を用いることにより、第1ハンマーピン903、第2ハンマーピン904を介してゴング72に伝達される打撃力を大きくできるとともに、ゴング72の打撃に要するエネルギ消費を小さくできる。これにより、香箱車4Aが内蔵するゼンマイの持続時間を長くできる。
また、弾性シート906の内周縁部および外周縁部の位置が固定されているため、Oリングを用いる場合と比べて防水性をより確実なものにできる。
(12)弾性シート906が環状とされて第1ハンマーピン903、第2ハンマーピン904の外周に設けられているので、孔があいていない弾性シートがハンマーとピンとの間に介在する場合のようなシートを潰すことによる機械エネルギの損失がない。
(13)ピンが二体とされることで第1ハンマーピン903、第2ハンマーピン904の材質の選択の自由度が向上する。
(14)内胴811にムーブメント7Aおよびゴング72を固定してから、外胴83を組みつけているので、ハンマー40の位置とゴング72との距離などの調整をした後、外胴83を組み付けることができる。
(15)組立の最後に裏蓋(裏側ガラス812および裏蓋リング813)を取り付けるので、内胴811と外胴83とを組み付けた後でも、ムーブメント7A内の部品調整が可能となる。
また、裏蓋はねじ813Aによって着脱可能に設けられるので、風防ガラス13を取り外すなどしなくても、ムーブメント7Aなどのメンテナンスを容易にできる。このため、巻真1Eをムーブメント7Aおよび内胴811などから抜き取るためにオシドリを傾ける手段を裏蓋側に設けることができる。これにより、ムーブメント7Aのメンテナンス時に文字板1Gを取り外す必要がないから、文字板1Gをムーブメント7Aに固定できる。
(16)ガラス縁12と外胴83とを止めるねじ832がガラス縁12と内胴811との間のパッキンPK9よりも外側に配置されているので、ねじ832の外周にパッキンを設けることを不要にできる。
〔第3実施形態の第1変形例〕
図12は、第3実施形態の変形例として、ゴングベース820と外胴83の内周部との位置関係を示す。本例のゴングベース820は、外胴83の内周部の最内端83Aに近接しているが接触しない位置に設けられている。外胴83の最内端83Aは、載置部831の内径である。このようにゴングベース820を含む内胴811の外径が載置部831の内径よりも小さければ、ゴングベース820の穴820Aに固定された弾性体のゴング72(図10)の先端側を巻き締めることによって、ゴング72が設けられた状態の内胴811を外胴83内に容易に挿入できる。
また、本例では、ゴングベース820を内胴811の側面に固定する2つのねじ720Aが時計厚み方向に並んでいる。こうすることで、ゴング72が圧入される穴820Aの深さ方向とねじ720Aの挿入方向とが重ならないので、ゴングベース820を小型化できる。
〔第3実施形態の第2変形例〕
また、図13は、第3実施形態の変形例として、打撃力伝達部材としてのハンマーピンユニット90'を示す。このハンマーピンユニット90'では、外周部に雄ねじ901Aが形成された外側パイプ901'が内胴811'のねじ孔にねじ込まれている。外側パイプ901'の鍔部と内胴811の側面との間はパッキンPKによって防水されている。第3実施形態では圧入によって内胴に外側パイプが装着されていたが、本例のようにねじ止めによって内胴に外側パイプが装着されていてもよい。
なお、本例では、弾性シート906が外側パイプ901'の内周側段差部に配置され、弾性シート906の外周縁部は外側パイプ901'の内周に圧入された固定リング907'によって潰されている。
〔第3実施形態の第3変形例〕
図14は、第3実施形態の変形例として、打撃力伝達部材としてのハンマーピンユニット90''を示す。内胴811'の内側から外側パイプ901''がねじ込まれ、内胴811'の外側に突出した外側パイプ901''の端部に、ワッシャ908を介して固定リング907''がねじ込まれている。ワッシャ908の外周部に形成された突起と外側パイプ901''の内周部に形成された切欠とが係合することによってワッシャ908の回転が規制されているため、固定リング907''をねじ込む際に弾性シート906が撚れたりせず、弾性シート906を均一に潰すことが可能となる。
〔第4実施形態〕
次に、本発明の第4実施形態について図15を参照して説明する。
図15は、本実施形態の打撃力伝達部材としてのハンマーピンユニット100を示す。ハンマーピンユニット100は、一体のハンマーピン101と、外周部にねじが刻設された保持部としてのパイプ102と、環状体の弾性部材としてのゴムシート103とを有している。本例では、ハンマーピン101を引き戻すためのばね等は設けられていない。
ハンマーピン101は、打撃部741と、大径部101Aと、大径部101Aから括れた小径部101Bとを有している。
パイプ102の内径は、ハンマーピン101の大径部101Aよりも若干大きく、これによってパイプ102はハンマーピン101をスラスト方向(軸方向)に案内する。
ゴムシート103の内周縁部はハンマーピン101の小径部101Bに嵌合している。このゴムシート103の孔径は、小径部101Bの軸径よりも小さく、ゴムシート103の締め付け力によってハンマーピン101とゴムシート103内周縁部との間の防水性が確保されている。なお、ゴムシート103を例えばお湯などで温めてから小径部101Bにセットすることによって、作業が容易となり、ゴムシート103に無理な力を掛けて傷つけるおそれがない。
また、ゴムシート103の外周縁部は、内胴に形成されたサライ部104と内胴にねじ込まれたパイプ102との間に挟み込まれて潰されており、これによってゴムシート103外周縁部の防水性が確保されている。
ハンマー本体41(図10)によってハンマーピン101が叩かれると、ハンマーピン101はゴムシート103を弾性変形させながら移動する。
そして、ハンマーピン101の後端からハンマー本体41が離れると、ゴムシート103の弾性力により、ハンマーピン101がハンマー本体41と音源との間の位置に戻される。つまり、ゴムシート103は、ハンマーピンユニット100の防水性を確保する部材と、ハンマーピン101を引き戻すための付勢部材とを兼ねている。
本実施形態のハンマーピンユニット100によれば、第3実施形態で述べた(11)および(12)の効果に加えて、次のような効果を奏する。
(17)ゴムシート103がハンマーピン101の付勢部材を兼ねているので、ハンマー40による打撃後にハンマーピン101を引き戻すばね等を設けることを不要にできる。これにより、部品コストを削減できる。
〔第5実施形態〕
図16は、本発明の第4実施形態の変形例として打撃力伝達部材としてのハンマーピンユニット120を示す。ハンマーピンユニット120は一体のハンマーピン121と、鍔を有する保持部としてのパイプ122と、筒状体の蛇腹形状の弾性部材としてのゴムパイプ123とを有している。本例ではハンマーピン121を引き戻すためのばね905(図10)がムーブメントに固定されている。
ハンマーピン121は、打撃部741と、大径部101Aと、大径部101Aから括れた小径部101Bと、大径部101Aの一部を切り欠いたDカット部121Cとを有している。
パイプ122の内径は、ハンマーピン121の大径部101Aの軸径よりも若干大きく、これによってパイプ122はハンマーピン121をスラスト方向に案内する。
蛇腹形状のゴムパイプ123は、孔径が小さい一端部123Aと孔径が大きい他端部123Bと、一端部123Aと他端部123Bとの間の蛇腹部123Cとを含んで形成された筒状体である。ゴムパイプ123の一端部123Aおよび他端部123Bの肉厚は、蛇腹部123Cの肉厚に比べて厚くなっている。
ゴムパイプ123の一端部123Aはハンマーピン121の小径部101Bに嵌合している。このゴムパイプ123の一端部123Aの孔径は、小径部101Bより小さく、ゴムパイプ123の締め付け力によってハンマーピン121とゴムパイプ123の一端部123Aとの間の防水性が確保されている。
また、ゴムパイプ123の他端部123Bは内胴に形成されたサライ部125と内胴に圧入されたパイプ122の鍔部122Aとによって挟み込まれて潰されており、これによってゴムパイプ123の他端部123Bの外周部近傍の防水性が確保されている。
ハンマー40(図10)によってハンマーピン121が叩かれると、ハンマーピン121はゴムパイプ123の蛇腹部123Cを変形させながら移動する。
ここで、蛇腹部123Cの肉厚が一端部123Aおよび他端部123Bの肉厚よりも相対的に薄いため、ハンマーピン121の移動時にゴムパイプ123が変形することによる打撃エネルギ損失が小さい。
本実施形態のハンマーピンユニット120によれば、第3実施形態で述べた(11)と略同様の下記効果(18)に加えて、効果(19)をも奏する。また、第3実施形態で述べた(11)の効果も奏する。
(18)弾性部材が蛇腹形状のゴムパイプ123であり、防水性をゴムパイプ123の一端部123Aと他端部123Bとで確保しているので、Oリングを用いる場合と比べてハンマーピン121の移動時の抵抗を格段に小さくでき、これによって弾性部材に吸収されるハンマー40の打撃エネルギを極力小さくできる。これにより、打撃に要するエネルギを小さくできるから、香箱車4Aが内蔵するゼンマイの持続時間を長くできる。
(19)また、ゴムパイプ123において、蛇腹部123Cの肉厚を相対的に薄く、一端部123Aと他端部123Bの肉厚を相対的に厚くすることにより、ハンマーピン121が移動する際のゴムパイプ123の変形によるエネルギ損失低減と、ゴムパイプ123の一端部123Aと他端部123Bとが確実に固定されることによる防水性向上との両方を、良好に実現できる。
〔第6実施形態〕
次に、本発明の第6実施形態について、図17および図18を参照して説明する。
図17は、本発明の第6実施形態に係る時計の概略構成を示す横断面図である。図18は、第6実施形態のハンマーピンユニットを示す図である。なお、図17において、ハンマー本体41、ハンマーばね42、およびハンマートリップ43以外のムーブメント7Aの構成部品は図示略とする。なお、前記実施形態と同様の構成については、同符号を付し、その説明を簡略、または省略する。
第6実施形態の時計9は、第3実施形態の時計8のハンマーピンユニット90を変形した構成を有している。
すなわち、第6実施形態の打撃力伝達部材としてのハンマーピンユニット130は、保持部としてのパイプ131と、ハンマーピン132と、略筒状の弾性部材としてのゴムパイプ133と、を備えている。また、本実施形態では、第5実施形態と同様に、ハンマーピン132を引き戻すためのばね905がムーブメントに固定されている。
パイプ131は、例えば鉄や黄銅などの金属により形成され、外周面が内胴811に形成される内外を連通する配設孔部に嵌挿されている。この配設孔部は、図18に示すように、大径配設孔部811Hと、小径配設孔部811Eとを備えている。
この配設孔部は、内側ケース81を構成する内胴811のハンマー40に対向する位置に設けられ、ハンマーピンユニット130が配設される。
大径配設孔部811Hおよび小径配設孔部811Eとは、同軸上に設けられ、小径配設孔部811Eにパイプ131が嵌挿されている。また、この小径配設孔部811Eのゴング72側の端部には、大径配設孔部811Hとの間に段差部が形成されている。
一方、パイプ131の外周面には、径方向に突出するパイプフランジ部131Aが形成されており、このパイプフランジ部131Aが上記段差部に係止されている。これにより、パイプ131の内側ケース81への潜り込みを防止している。また、パイプ131は、大径配設孔部811H内で、ゴング72側に突出する突出先端部131Bを備え、後述する第2ハンマーピン132Bを係止している。
ハンマーピン132は、図18に示すように、第1ハンマーピン132Aと、打撃部132B3を有する第2ハンマーピン132Bと、を備えている。本実施形態では、これらの第1ハンマーピン132Aおよび第2ハンマーピン132Bの二体により、ハンマー40に叩かれた際にゴング72を打つピンが構成されている。
第1ハンマーピン132Aは、パイプ131内で軸方向に進退自在に挿通されている。また、第1ハンマーピン132Aのハンマー40側の一端側には、他部よりも径寸法が小さい小径部132A1(溝部)が形成されている。この小径部132A1には、ムーブメント7Aに固定される引き戻すためのばね905が係合されており、第1ハンマーピン132Aが内胴811の内側に付勢されている。
また、この小径部132A1には、内胴811内のムーブメント7Aに固定されるストッパ140が配設されている。このストッパ140は、小径部132A1におけるハンマーピン132の軸方向に沿う溝幅寸法よりも小さい幅寸法を有する棒状部を備え、この棒状部の一端側がムーブメント7Aの所定位置に回動可能に固定されている。また、ストッパ140の棒状部の他端部は、内胴811の内周面に当接されている。また、ハンマーピン132が駆動していない初期状態では、ストッパ140の棒状部は、小径部132A1のゴング72側の壁132A2およびハンマー40側の壁132A3から所定寸法離れた位置に配置されている。
そして、このストッパ140は、例えばケースの外部の気圧が急激に減圧し、ケース内の圧力が外側に比べて高くなった場合など、内側ケース81の内圧が外圧よりも大きくなり、第1ハンマーピン132Aが外側に押し出された際に、小径部132A1のハンマー40側の壁132A3に当接して、第1ハンマーピン132Aの移動を規制する。
一方、ハンマー40によりハンマーピン132が駆動され、ゴング72に当接して跳ね返った際や、内側ケース81の内圧が外圧よりも小さくなり、第1ハンマーピン132Aが内胴811内に潜り込んだ際などでは、第1ハンマーピン132Aのピン鍔部132A4およびパイプ131のパイプフランジ部131Aの双方により、第1ハンマーピン132Aの移動を規制する。
ここで、ストッパ140は、時計9の製造時において、内胴811の内周面に当接される他端部を研削したり、内胴811のストッパが当接される位置を研削したりすることにより、配置位置を調整することが可能となっている。すなわち、ストッパ140は、ハンマーピン132によりゴング72が打たれた際に、壁132A3との間に所定の隙間寸法が形成される状態に、配置位置が決定されている。これにより、ハンマー40によりハンマーピン132が駆動された際にも、ストッパ140がハンマーピン132の駆動を阻害することなく、ハンマーピン132によりゴング72を打つことが可能となる。
なお、本実施形態において、第1ハンマーピン132Aに小径部132A1を設け、この小径部132A1に引き戻すためのばね905およびストッパ140を係合させる構成としたが、例えば第1ハンマーピン132Aの時計厚み方向における上下にそれぞれ所定幅寸法の溝を別々に設け、この溝にストッパ140および引き戻すためのばね905を係合させる構成などとしてもよい。
また、第1ハンマーピン132Aのゴング72側の他端部には、第1ハンマーピン132Aの軸から径方向に延出する略リング状のピン鍔部132A4が形成されている。このピン鍔部132A4は、ハンマーピン132によりゴング72が打たれた後、元の初期位置に戻った際にパイプ131の突出先端部131Bに当接し、移動が規制される。また、内側ケース81の内圧が外圧よりも小さくなった際に、第1ハンマーピン132Aの移動を規制し、内側ケース81内への抜け落ちを防止する。
さらに、このピン鍔部132A4には、第2ハンマーピン132Bとの間でゴムパイプ133を挟み込み、ゴムパイプ133を固定する、略リング状のゴム固定部132A5が突出形成されている。
そして、第1ハンマーピン132Aのゴング72側の先端面には、第2ハンマーピン132Bを圧入固定する孔部が形成されている。
第2ハンマーピン132Bは、第1ハンマーピン132Aの先端面に形成される孔部に圧入固定される圧入ピン132B1と、圧入ピン132B1のゴング72側の先端部に一体形成される打撃設置板132B2とを備えている。そして、第2ハンマーピン132Bは、上記したように、打撃設置板132B2および第1ハンマーピン132Aのゴム固定部132A5の間でゴムパイプ133を挟み込み、圧入ピン132B1を第1ハンマーピン132Aの先端面に設けられる孔部に圧入することで、ゴムパイプ133を固定するとともに第1ハンマーピン132Aに固定される。また、打撃設置板132B2には、ゴング72に対向する位置に打撃部132B3が形成され、ハンマーピン132がゴング72側に移動した際には、打撃部132B3がゴング72に当接する。
ゴムパイプ133は、孔径が小さい一端部133Aと孔径が大きい他端部133Bと、一端部133Aと他端部133Bとの間の筒状部133Cとを含んで形成された筒状体である。
ゴムパイプ133の一端部133Aは、上述したように、第1ハンマーピン132Aのゴム固定部132A5と第2ハンマーピン132Bの打撃設置板132B2とにより挟持されている。これにより、第1ハンマーピン132Aおよび第2ハンマーピン132Bの間の防水性が確保されている。さらに、このゴムパイプ133の一端部133Aの孔径は、圧入ピン132B1より小さく、ゴムパイプ133の締め付け力によっても、第2ハンマーピン132Bとゴムパイプ133の一端部133Aとの間の防水性が確保されている。
また、ゴムパイプ133の他端部133Bは内胴811の大径配設孔部811Hに嵌入される円筒状のゴム押さえ135と、大径配設孔部811Hおよび小径配設孔部811Eを連結する連結面811Dとにより挟み込まれて潰されており、これによって、ゴムパイプ133の他端部133Bの外周部近傍の防水性が確保されている。また、このゴム押さえ135は、ねじ止めにより内胴811の外周面に固定され、抜け落ちが防止されている。
本実施形態のハンマーピンユニット130によれば、上記第3実施形態で述べた作用効果に加えて、さらに次の効果をも奏する。
(20)パイプフランジ部131Aが小径配設孔部811Eおよび大径配設孔部811Hの間に形成される段差部に係止され、第1ハンマーピン132Aのピン鍔部132A4がパイプ131の突出先端部131Bに係止されている。このため、ハンマーピン132がゴング72を打った後の反動でハンマー40側に移動した際や、内側ケース81の内圧が外圧よりも小さくなりハンマーピン132がハンマー40側に移動した際でも、第1ハンマーピン132Aの移動を規制して、内側ケース81側への抜け落ちを防止することができる。
(21)第1ハンマーピン132Aのハンマー40側に一端側に小径部132A1が形成され、ストッパ140がこの小径部132A1内に配置されている。このため、内側ケース81の内圧が外圧よりも大きくなるなどして、ハンマーピン132がゴング72側に移動した場合に、ストッパ140が小径部132A1のハンマー40側の壁132A3に当接し、移動を規制することができる。したがって、第1ハンマーピン132Aのゴング72側への抜け落ちを防止することができる。
〔第7実施形態〕
次に、本発明の第7実施形態について、図面に基づいて説明する。
図19は、本発明に係る第7実施形態の時計の横断面図である。図20は、第7実施形態の時計の縦断面図である。図21は、第7実施形態の時計における隙間開閉手段が閉口状態である場合の、当該隙間開閉手段近傍の縦断面図である。図22は、第7実施形態の時計における隙間開閉手段が開口状態である場合の、隙間開閉手段の縦断面図である。
本発明に係る第7実施の形態の時計9Aは、図19ないし図22に示すように、2つの音源であるゴング72を備えている。これらのゴング72はそれぞれ、内側ケース81の内胴811の外周面に、時計の厚み方向に沿って併設され、それぞれ内胴811の外周面に沿う略C字状に形成されている。
これらのゴング72は、内胴811に固定される単一のゴングベース720に固定されているものであってもよく、それぞれ異なるゴングベース720により内胴811に固定されているものであってもよい。また、これらのゴング72の長さは、同一長さに形成されているものであってもよく、異なる長さに形成され、それぞれ異なる音色を発生するものであってもよい。さらに、図中において、断面略円形のゴング72を例示するが、例えば断面矩形状に形成されたゴング72であってもよく、2つのゴング72で断面形状が異なるものを用いてもよい。
そして、内胴811には、これら2つのゴング72に対応して、2つのハンマーピンユニット130が配設されている。なお、本実施の形態では、第6実施形態で説明したハンマーピンユニット130を2つ設ける構成として説明するが、これに限定されず、第1ないし第5実施形態で説明したようなハンマーピンユニットを用いる構成としてもよい。
ここで、これらのハンマーピンユニット130は、第1ハンマーピン132Aおよび第2ハンマーピン132Bの軸心の時計厚み方向の位置が、一対のゴング72の間の略中心に対応するように配置されている。このような構成では、一対のハンマーピンユニット130で第2ハンマーピン132Bの角度を180度変更するだけで、一方のハンマーピンユニット130により一方のゴング72を打ち、他方のハンマーピンユニット130により他方のゴングを打つ状態に、容易に各打撃部132B3の位置を設定することが可能となる。したがって、それぞれのゴング72の位置に応じて異なる第2ハンマーピン132Bを製造する必要がなく、部品種類を少なくできコストを低減できる。
また、第7実施形態の時計9Aでは、内側ケース81および外側ケースとしての外胴83の間に反響室84が形成されている。この反響室84は、気密状態とされ、後述する隙間開閉手段の開閉操作によってのみ、反響室84に外部との隙間を設けることが可能となる。
具体的には、図20に示すように、内側ケース81は、筒状の内胴811と、裏側ガラス812および裏蓋リング813を有する裏蓋と、風防ガラス13と、ガラス縁12とを有している。ここで、第3実施形態と同様に、風防ガラス13およびガラス縁12の間、内胴811の下端縁および裏蓋リング813の間、裏蓋リング813および裏側ガラス812の間、内胴811の鍔部811Aおよびガラス縁12の間には、それぞれ、パッキンPK1,PK7,PK8,PK9が設けられている。
さらに、ゴング72を覆う外側ケースとしての外胴83は、略円筒状に形成されている。この外胴83の上端縁は、リング状の樹脂性のパッキンPK10を介してガラス縁12に固定され、下端縁は、リング状の樹脂性のパッキンPK11を介して裏蓋リング813に固定されている。なお、本実施の形態では、外胴83とガラス縁12との間にパッキンPK10を設けることで気密性を確保する構成としたが、例えば、外胴83とガラス縁12とが一体形成された構成などとしてもよく、この場合、パッキンPK10が不要となる。
この外胴83における巻真1Eの延長上には、巻真設置孔833が形成され、この巻真設置孔833に巻真パイプ834がOリング834Aを介して、時計9Aの径方向に突出する状態に固定されている。また、りゅうず1Fは、この巻真パイプ834の突出先端を挿通可能な断面略円形の凹部1F1を備え、この凹部1F1内に巻真1Eが挿通固定されるりゅうず筒状部1F2を備えている。このりゅうず筒状部1F2は、外胴83に設けられる巻真パイプ834および内胴811に設けられるパイプを通してムーブメント7A内に挿通されている。ここで、内胴811のパイプとりゅうず筒状部1F2との間にはOリング1Hが介在されている。したがって、内側ケース81の内部は、パッキンPK1,PK7,PK8,PK9およびOリング1Hにより気密状態が保持されている。
また、りゅうず1Fの凹部1F1の内周面および巻真パイプ834の外周面は、Oリング1Iを介して摺接しており、りゅうず1Fの設置位置においても、反響室84は気密状態を保たれている。
さらに、外胴83の所定位置には、図21および図22に示すような音量調整部160が設けられている。この音量調整部160は、略筒状の隙間形成部材としての案内パイプ161と、隙間開閉手段としての音量調整ボタン162とを備えている。
案内パイプ161は、外胴83の外部に突出する本体部161Aと、本体部161Aの一端側に設けられる挿入固定部161Bとを有している。ここで、外胴83の所定位置には、内外を連通するとともに、例えば内周面に雌ねじが形成された連通孔が形成されており、案内パイプ161は、挿入固定部161Bの外周面に形成される雄ねじ山をこの孔部の雌ねじに螺合させて固定されている。このとき、図21および図22に示すように、挿入固定部161Bおよび本体部161Aとの境界角部にOリング163を嵌挿した状態で、挿入固定部161Bを外胴83の孔部に圧入することで、本体部161Aと外胴83との間にこのOリング163が介在することとなり、案内パイプ161および外胴83の間の気密性が確保される。
また、案内パイプ161の本体部161Aの外周面には、筒内面と筒外周面とを連通する孔部161Cが形成されている。そして、この孔部161Cから案内パイプ161の内周部を通り、反響室84に至る連通路により本発明の隙間が形成されている。ここで、隙間の面積とは、反響室84内部から外胴83の外部を連通する連通路において、連通路の連通方向に対して略直交する連通面の面積のうち、最小面積のことを指す。本実施形態では、案内パイプ161の内部(後述する音量調整ボタン162の軸部162Aの部分を除く)における連通面の面積よりも、孔部161Cの面積が小さく形成されており、この孔部161Cの面積により隙間の面積が決定される。
そして、この孔部161Cは、ゴング72が第2ハンマーピン132Bにより打たれた際に、反響室84による共鳴効果が阻害されることなく、共鳴により増幅された音を外部に伝えることができる面積に形成されている。
より具体的には、反響室84に設けられる隙間により発生するヘルムホルツ共鳴の周波数と、ゴング72にて発生する音の周波数と、が略一致するように、孔部161Cの面積が形成されている。ここで、反響室の体積をV、孔部161Cから案内パイプ161の内周部を通り、反響室84に至る連通路の長さをL、孔部161Cの面積をS、空気中の音速をν、開口端補正値をδとすると、ヘルムホルツ共鳴による共鳴周波数は、以下の式により表される。
Figure 0005206233
上記式による周波数と、ゴング72の周波数とが略一致するように、孔部161Cの隙間や案内パイプ161の長さなどを適宜調整することで、反響室84に対して最適な隙間を形成することが可能となり、本実施形態では、孔部161Cの面積が、1mm2〜2mm2程度である。ここで、孔部161Cの面積が大きすぎると、反響室84内で音の反響が起こらず、ゴング72にて発生した音がそのまま時計9Aの外部に伝達されるため、音が小さくなる恐れがある。また、孔部161Cを形成しない場合では、反響室84が完全に気密とされ、ゴング72で発生した音が時計9Aの外部に伝達されにくくなり、音量が小さくなる。これに対して、反響室84に上記のような面積の孔部161Cが形成されることにより、反響室84内で十分に音波を共鳴させて音圧を上げることができ、孔部161Cから共鳴された音を外部に良好に伝達することが可能となる。
音量調整ボタン162は、軸部162Aと、ヘッド部162Bとを備えている。軸部162Aは、案内パイプ161の筒内周径寸法よりも小さい寸法に形成されている。そして、この軸部162Aは、内胴811に形成される案内孔部811Fに挿通されて軸方向に進退自在に保持されている。ここで、軸部162Aは、樹脂製のOリング811Gを介して内胴811の案内孔部811Fに挿通されており、これにより内側ケース81内の気密性が保持されている。
そして、軸部162Aの内胴811側とは反対側となる一端部には、ヘッド部162Bが一体形成されている。ヘッド部162Bは、軸部162Aの軸心と同軸となる断面略円形の閉塞面としての案内凹部162Cを備えている。ここで、この案内凹部162Cの内周面により、本発明の閉塞面が構成されている。この案内凹部162Cは、内周径寸法が、案内パイプ161の本体部161Aの外径寸法と略同一径寸法に形成されており、音量調整ボタン162の進退により、案内パイプ161の孔部161Cを開閉する。また、案内凹部162Cの内周面における外胴83に近接する一端側(凹部の開口縁近傍)には、Oリング162Dが設けられ、このOリング162Dを介して案内凹部162Cの内周面と、案内パイプ161の外周面とが摺接している。これにより、図21に示すように、音量調整ボタン162が内胴811側に移動して、案内凹部162Cの内周面で孔部161Cを覆う閉口状態では、案内パイプ161が確実に閉塞されて反響室84内が気密状態に保たれる。一方、図22に示すように、音量調整ボタン162が内胴811側から離れ、案内凹部162Cの内周面のOリング162Dが、案内パイプ161の孔部161Cよりも外胴83から離れる位置に移動すると、孔部161Cが開放される。すなわち、この孔部161Cから案内パイプ161の筒内部(案内パイプ161の筒内周面と音量調整ボタン162の軸部162Aとの間)を通り、反響室84の内部に連通する音波伝達路が形成される。
一方、軸部162Aの内胴811側の他端部には、図示しない抜け止めストッパが設けられている。この抜け止めストッパは、例えば軸部162Aの径寸法よりも大きいフランジ状に形成されており、所定量の音量調整ボタン162が引き出されると、内側ケース81に設けられる図示しない係止部に当接して音量調整ボタン162の移動を規制する。
〔反響室の反響効果〕
次に、上述したような反響室84を設けた場合における、音の反響効果の実験結果について図23ないし図27に基づいて、説明する。
時計として、以下(I)〜(IV)を準備した。
(I)外胴83の壁厚み寸法α(図21、図22参照)が0.6mm、内胴811の外周面から外胴83の内周面までの距離寸法β(図21、図22参照)が2.95mmであり、反響室84が設けられない時計。
(II)外胴83の壁厚み寸法αが0.6mm、内胴811の外周面から外胴83の内周面までの距離寸法βが2.95mmであり、反響室84が設けられた時計9A。
(III)外胴83の壁厚み寸法αが1.2mm、内胴811の外周面から外胴83の内周面までの距離寸法βが2.3mmであり、反響室が設けられない時計。
(IV)外胴83の壁厚み寸法αが1.2mm、内胴811の外周面から外胴83の内周面までの距離寸法が2.3mmであり、(II)の時計よりも反響室84の広さが狭い時計9A。
(I)ないし(IV)の時計において、音源としてゴング72は同一寸法、同一振動周波数のものを使用し、その他、ハンマーピンユニット130の構成や、ハンマーによる打撃力を統一し、ゴング72が打たれた際に時計から同一距離だけ離れた位置における音圧の最大値、余韻開始時(音の発生時から10msec経過後)の音圧、音圧の減衰率をそれぞれ測定した。
図23は、反響室84の有無および大きさによる最大音圧値、余韻開始音圧値の違いを示す図である。図24は、反響室84の有無および大きさによる音圧の減衰率を示す図である。なお、この図23および図24において、反響室無しの状態とは、外胴83に所定面積以上の開口を形成するなどして、反響室の気密性を完全になくした状態のことを示し、反響室有りの状態とは、反響室84に1mm2〜2mm2程度の隙間を設けるのみで、反響室84の内部をほぼ気密にした常態のことを示す。また、ケース壁厚とは、外胴83の壁厚み寸法であり、内胴ケース壁距離とは、内胴811の外周面から外胴83の内周面までの距離であり、ケース壁厚が小さく、内胴ケース壁距離が大きいものほど反響室84の容積が大きいことを示す。また、図23において、各棒グラフのうち、右側に音圧最大値、左側に余韻開始時の音圧を示す。
図23および図24において、(I)および(II)を比較、(III)および(IV)を比較すると、反響室84を設ける場合と、反響室84を設けない場合とでは、反響室84を設けた方が音圧の最大値が向上することが確認できる。
また、反響室84を設ける場合の方が、音圧の減衰率が小さく、余韻が長時間続くことが確認できる。すなわち、反響室84を設けない場合、ゴング72から発生した音が共鳴されず、そのまま時計外部に逃げるため、音圧が小さく、音圧の減衰率も大きくなる。これに対して、本実施の形態では、反響室84を設けることで、ゴング72にて派生した音波が共鳴し合い、音圧を大きくすることが可能となる。また、発生した音が外部に逃げにくく、余韻も長時間持続させることが可能となる。
また、反響室84の容積、すなわち内胴811および外胴83の距離を変化させた場合に、音圧の最大値に大きな変化はないが、反響室84の容積が大きい場合の方が、容積が小さい場合に比べて余韻開始時の音圧を向上させることができる。一方、反響室84の容積が小さい場合では、容積が大きい場合に比べて、音圧の減衰率が小さくなることが確認できる。すなわち、余韻開始時の音が大きい時計9Aを製造する場合には、反響室84の容積を大きく設計し、余韻時間を長く持続させる時計9Aを製造する場合には、反響室84の容積を小さく設計することで、目的に応じた時計9Aを容易に製造することが可能となる。
また、反響室84に設けられる孔部161Cの開口面積がそれぞれ、0(完全気密状態)、1mm2〜2mm2、5mm2〜6mm2、8mm2〜10mm2、15mm2〜18mm2、30mm2〜34mm2である時計を用意し、各時計から所定距離寸法離れた位置での音圧最大値、余韻開始時音圧、音圧の減衰率を測定した。
図25は、孔部161Cの開口面積と、ゴング72から発生される音の音圧との関係を示す図である。この図25において、線Aは、音圧最大値の変化を示し、線Bは、余韻開始時の音圧の変化を示す。図26は、孔部161Cの開口面積と、音圧の減衰率との関係を示す図である。
図25に示すように、反響室84に形成される孔部161Cとしては、1mm2〜2mm2程度であるときが、音圧最大値および余韻開始時の音圧が最大となり、音圧減衰率も最小となることが分かる。孔部161Cが全く設けられない気密状態では、反響室84内に音が閉じ込められるため、時計外部への音の出力が抑えられ、音圧が低下する。一方、図26に示すように、孔部161Cの面積が大きくなると、音圧の減衰率が大きくなる。すなわち、孔部161Cが大きいと、反響室84内で音が反響することなく、孔部161Cから音が逃げてしまい、余韻の持続性も低下する。これに対して、孔部161Cの寸法を本実施形態のように、1mm2〜2mm2程度に設定することで、反響室84内にて良好に音を反響させることが可能となり、かつ孔部161Cから時計外部に十分に音を出力することも可能となる。
さらに、音源として、第1実施形態で説明したようなおりん20を用いる場合、第2ないし第6実施形態の時計のような単一のゴング72を用いる場合、本実施形態のような2つのゴング72を用いる場合に対して、それぞれ音圧最大値からの音圧の変化状態を測定した。図27は、所定ばね力でハンマーを駆動させておりん、ゴングを打った際の音圧の変化を示す図である。図27において、線Cは、おりん20を所定のばね力のハンマー40を用いて鳴らした際の音圧変化曲線である。線Dは、ゴング72を、線Cのおりん20を鳴らした際と同様のばね力のハンマー40を用いて鳴らした場合の音圧変化曲線である。線Eは、線Dで用いたゴング72を、2倍のばね力のハンマー40を用いて鳴らした際の音圧変化曲線である。
一般に、おりん20は、ゴング72に比べて大きな体積を持つため、スペースの面で不利となるが、同様のばね力のハンマー40を用いる場合では、ゴング72よりも大きな音を出すことが可能となる。しかしながら、上述のような反響室84を用いることで、図27の線Cおよび線Dから分かるように、最大音圧値で同程度の音を発生させることが可能となり、さらにハンマー40のばね力を2倍にすることでおりん20以上の余韻を実現することも可能となる。
なお、おりん20を用いる場合では、反響室84として必要となる空間は非常に大きくなる。したがって、本実施形態にような腕時計におりん20を内蔵する場合では、反響室84を設けない構成にしたほうが、良好な音圧の音を発生させることができ、この場合、外胴に開口部を設けるなどして、おりん20の音が外部に伝達されやすい構成とすることが好ましい。
上記したような第7実施形態の時計では、上述した第1ないし第6実施形態の効果に加えて、次の効果を奏することができる。
すなわち、第7実施形態の時計9Aでは、2つのゴング72が、時計9Aの厚み方向に沿って併設されている。このため、単一のゴング72を配置する場合に比べて、音圧最大値を上げることができ、より良好な音を鳴らすことができる。
また、2つのゴング72に対応して、2つのハンマーピンユニット130を設けた。このため、2つのゴング72を鳴らすための打撃力がそれぞれ対応するハンマーピンユニット130から伝達されるため、例えば単一のハンマーピンユニット130により2つのゴング72を同時に打つ場合に比べて打撃力が分散されず、大きな打撃力でゴング72を打つことができる。したがって、それぞれのゴング72から音圧の大きい良好な音を発生させることができる。
また、内胴811およびゴング72を覆う外胴83が設けられ、内胴811および外胴83で囲われる空間に略気密となる反響室84が形成されている。
このため、ゴング72で発生した音は、反響室84内で反響し共鳴し合うため、共鳴音により音圧を上げることができる。したがって、ゴング72で発生した音が反響されずにそのまま外部に出力される場合に比べて、より大きい音圧の良好な音を鳴らすことができる。また反響室84内で音が反響しあうため、音が一度に逃げず、余韻時間を長時間持続させることができる。
このとき、反響室84には、1mm2〜2mm2程度の僅かな孔部161Cを備えた隙間が形成されている。このため、この孔部161Cから音を外に出力することができる。すなわち、反響室84を完全に気密状態にした場合、音が反響室84内に篭り、外部への出力が抑えられるため、時計外部における音圧値が低下する。これに対して、孔部161Cを設けることで、反響室84内で共鳴効果を受けた音が孔部161Cから良好に出力されるため、時計外部での音圧をより大きくすることができ、より良好な音を鳴らすことができる。
そして、時計9Aの外胴83には、音量調整部160が設けられ、上述のような孔部161Cの開閉状態を切り替えることが可能な構成が採られている。このため、例えば雨天時などにおける時計内部への水滴の侵入や、塵などの侵入を防止したい場合には、この音量調整部160を操作して閉口状態にすることで、時計の防水性および防塵性を向上させることができ、音量を小さくすることができる。また、時計9Aから音圧値が大きく、余韻が長い良好な音を鳴らしたい場合には、音量調整部160を操作して孔部161Cを開口状態にすることで、上述したように孔部161Cから反響室84で共鳴効果を受けた音を出力することができ、良好な音を鳴らすことができる。したがって、利用者の好みや使用環境により、防水防塵性を重視するとともに、音量が小さい状態と、音量が大きく余韻持続時間も長い音を鳴らす状態とを切り替えて使うことができる。
また、音量調整部160は、外胴83の外部と反響室84内部とを連通するとともに、外周面に孔部161Cが形成される筒状の案内パイプ161と、案内パイプ161の内周径寸法よりも小さい径寸法の軸部162Aを有し、案内パイプ161内に挿通され、軸方向に進退可能な音量調整ボタン162とを備えている。そして、この音量調整ボタン162のヘッド部162Bには、案内パイプ161の筒外周面を覆う案内凹部162Cが形成され、音量調整ボタン162の進退によりこの案内凹部162Cの内周面により孔部161Cを開閉する。このため、案内パイプ161および音量調整ボタン162の2部材のみで孔部161Cを開閉する構成が得られ、簡単な構成で容易に孔部161Cの開閉の切り替えを実施することができる。
〔本発明の変形例〕
なお、本発明は、以上説明した各実施形態に限定されず、本発明の目的を達せられる範囲で種々の改良、変形が可能である。
図28は、本発明の変形例に係る時計の縦断面図である。本例の時計は、ムーブメント7Aと、内胴711と、裏側ガラス712と、ガラス縁12と、風防ガラス13と、ゴング72と、内胴711とガラス縁12とを固定する固定部材15とを備えている。ここで、内胴711、裏側ガラス712、ガラス縁12、および風防ガラス13によって、ムーブメント7Aを気密状態に収容する内側ケース71が構成されている。本例では、内側ケースとの間にゴング72を収容する外側ケースは設けられておらず、ゴング72は外気に開放されている。
固定部材15は、ガラス縁12の裏面に沿って環状に形成され、図示しないバンドを取り付けるためのばね棒挿通孔151Aが形成されたバンド取付部151と、固定部材15の内側に突出形成され内胴711の鍔部711Aを載置する載置部152とを有している。
前記各実施形態では、外側ケースに開口部311を設けることによって音源の振動による空気振動を可能としていたのに対して、本例は、外側ケース自体を設けない構成としたものである。本例によっても前記各実施形態と同様の効果が得られる。
外側ケースの開口部の態様は前記各実施形態には限定されず、例えば図29〜図32のような構成でもよい。なお、図29〜図32において141は、6時方向および12時方向に設けられるバンド取付部としてのカン141であり、1Fは3時方向に設けられるりゅうず1Fである。
図29、図30に示した例では、外側ケース73を構成する外胴731にスリット状の複数の開口部142が形成されている。各開口部142は、ゴング72に対向する位置およびその近傍に形成されている。
図31、図32に示した例では、外側ケース73を構成する外胴731に装飾的にデザインされた形状の複数の開口部143が形成されている。各開口部143は、ゴング72に対向する位置およびその近傍に形成されている。
ここで、前述したように内側ケースの内部が気密状態となっているため、音源が配置される外側ケースの内部の防水性を考慮する必要はない。このため、図29〜図32や、前記各実施形態などに示したように、ゴング72が配置される位置の近傍となる外胴731の側面中央部に開口部を形成できる。さらに、形成する開口部のサイズ(1つの開口部の大きさや、複数の開口部の大きさの合計)を大きくできる。これらのことから、ハンマーによる音源の打撃音を十分な音量で外側ケースの外部に伝達することができる。
また、このように開口部を外胴の目立つ位置に形成可能なため、開口部を利用して外観意匠性をも向上させることができる。
なお、開口部の位置は任意であり、例えば時計装着時に時計バンドの陰になる位置に開口部が形成されていてもよい。また、開口部が形成される位置は外胴の側面中央部に限らず、外胴と裏蓋との接合部や裏蓋に開口部が形成されていてもよい。
なお、図29ないし図32において、ゴング72が設けられる時計を例示したが、音源としておりん20が設けられる構成としてもよい。上述したように、音源としてゴング72を設ける場合では、ゴング72の体積や形状などにより、反響室84を設ける構成の方が良好な音を発生させることができる。これに対して、比較的体積が大きいおりん20を設ける場合では、反響室84による共鳴効果を得るためには、大きな体積の反響室84が必要となり、腕時計として利用する場合には、不適切となる。これに対して、上記のような開口部を設ける構成とすることで、おりん20などの比較的大きな体積を有する音源に対しても、発生した音を良好に時計外部に伝達することができる構成が得られる。
そして、第7実施形態において、外胴83に音量調整部160を設け、利用者の操作により孔部161Cを開閉可能な構成を示したが、これに限定されない。例えば、外胴83と裏蓋リング813との間のパッキンPK11を取り外し、これら外胴83および裏蓋リング813との間に、例えば1mm2〜2mm2程度の隙間を設ける構成としてもよい。
また、音量調整部160として、案内パイプ161および音量調整ボタン162を備える構成を例示したが、これに限定されず、例えば、外胴83の外周面に反響室84と時計9Aの外部とを連通する隙間を形成し、この隙間を開閉するシャッタを外胴83の外周面に沿ってスライド移動可能に設ける構成などとしてもよい。
また、ハンマーピンユニット130において、ムーブメント7A内に固定されるストッパ140によりハンマーピン132の移動を規制する例を示したが、例えば、ストッパ140が内胴811に固定される構成などとしてもよい。
なお、時計1の指針を駆動するムーブメント(時計機構)は、機械式時計、アナログクオーツ時計、電子制御式機械時計のいずれでもよい。但し、機械式時計では、テンプ・ヒゲゼンマイ・アンクル・ガンギからなる調速機による打刻音が発生し、アナログクオーツ時計では磁歪音・歯打ち音が発生するため、このような雑音が発生しにくい電子制御式機械時計は本発明に好適である。
なお、前記各実施形態では、指針を駆動する香箱車とは別に、ソヌリ機構やリピータ機構を駆動する香箱車が設けられていたが、指針駆動用の香箱車の余力トルクをソヌリやリピータ機構に分配してもよい。つまり、1つの香箱車が指針駆動とソヌリやリピータ機構の駆動とに共用されていてもよい。
さらに、前記各実施形態では、ソヌリやリピータ機構の駆動源は機械エネルギ蓄積手段である香箱車であり、打撃制御装置によってハンマーを駆動していたが、ハンマー駆動装置の構成は、ハンマーを打撃可能である限り、種々の構成にできる。なお、香箱車の回転速度を調整する調速装置は設けられていなくても良い。
またさらに、前記各実施形態では機械エネルギ蓄積手段である香箱車がハンマー駆動装置の駆動源であったが、これに限らず、電池を駆動源とし、ハンマー駆動装置としての電動機(モータ)によってハンマーが駆動される構成としてもよい。
前述した打撃力伝達部材としてのハンマーピンユニットまたはハンマーピンは、前述したいずれの実施形態および変形例にも適用可能である。
ここで、打撃力伝達部材は、ハンマーと音源との間で往復変位可能に設けられてハンマーの打撃力を音源に伝えるものであればよく、必ずしもピン形状でなくてもよいが、ピンを使用することにより、打撃力伝達部材を簡略に構成できる。
なお、第2実施形態などでは、内胴および外胴の間にゴングが設けられていたが、内側ケースの底部と裏蓋との間にゴングを設けることも検討できる。
また、第1実施形態のおりん20は銅合金製であったが、おりんの材質は特に限定されず、ステンレス鋼製等であってもよい。
また、上記実施の形態において、音源がケース外に設けられる構成を示したが、これに限定されず、音源がケースの内部に設けられる構成などとしてもよい。この場合でも、ハンマーと音源との間に打撃力伝達部材が設けられ、この打撃力伝達部材を介してハンマーの打撃力が伝達される構成とすることで、上記発明と同様の効果が得られる。
さらに、保持部として、パイプ51,102,122,131を例示したが、例えば、内胴11にハンマーピン52,74,101,121,132を直接摺動可能の保持する孔部が設けられ、この孔部が保持部の機能を有する構成などとしてもよい。
さらには、本発明は、前述したソヌリ機構やリピータ機構を具備する時計に限らず、アラームやタイマー、カリオンなどの機械的な打撃によって音を出す機構を具備する各種の時計および機器に適用できる。
以上、本発明を実施するための最良の構成について具体的に説明したが、本発明は、これに限定されるものではない。すなわち、本発明は、主に特定の実施形態に関して特に図示され、かつ、説明されているが、本発明の技術的思想および目的の範囲から逸脱することなく、以上述べた実施形態に対し、形状、材質、数量、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形および改良を加えることができるものである。
上記に開示した形状、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質などの限定の一部もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
本発明の第1実施形態に係る時計の縦断面図。 前記時計が搭載するソヌリ機構の平面図。 前記ソヌリ機構に含まれるセンターホイールの平面図。 前記実施形態におけるハンマーピンユニットを示す図。 前記時計の横断面図。 本発明の第2実施形態に係る時計の縦断面図。 前記時計の横断面図。 前記実施形態におけるハンマーピンを示す図。 本発明の第3実施形態に係る時計の縦断面図。 前記時計の横断面図。 前記実施形態におけるハンマーピンユニットを示す図。 第3実施形態の第1変形例を示す図。 第3実施形態の第2変形例に係るハンマーピンユニットを示す図。 第3実施形態の第3変形例に係るハンマーピンユニットを示す図。 本発明の第4実施形態に係るハンマーピンユニットを示す図。 本発明の第5実施形態に係るハンマーピンユニットを示す図。 本発明の第6実施形態に係る時計の横断面図。 前記第6実施形態におけるハンマーピンユニットを示す図。 本発明の第7実施形態に係る時計の横断面図。 前記第7実施形態の時計の縦断面図。 前記第7実施形態に係る隙間開閉手段を示す図。 前記第7実施形態に係る隙間開閉手段を示す図。 反響室の有無および大きさによる最大音圧値、余韻開始音圧値の違いを示す図。 反響室の有無および大きさによる音圧の減衰率を示す図。 隙間の開口面積と、ゴングから発生される音の音圧との関係を示す図。 隙間の開口面積と、音圧の減衰率との関係を示す図。 所定ばね力でハンマーを駆動させておりん、ゴングを打った際の音圧の変化を示す図。 本発明の変形例に係る時計の縦断面図。 本発明の変形例に係る時計の側面図(スリット)。 本発明の変形例に係る時計の側面図(スリット)。 本発明の変形例に係る時計の側面図(飾り孔)。 本発明の変形例に係る時計の側面図(飾り孔)。
符号の説明
1,7,8,9,9A…時計、1A,7A…本体としてのムーブメント、4…ソヌリ機構、10,71,81…内側ケース、11,711…内胴、12…ガラス縁、13…風防ガラス、20…音源としてのおりん、21…側壁部、22…底部、25…固定部材、30,73…外側ケース、31,731…外胴、32…裏蓋、40…ハンマー、50,90,90',90'',100,120…打撃力伝達部材としてのハンマーピンユニット、51,102,122,131…保持部としてのパイプ、52,101,121,132…ハンマーピン、53…閉塞部材としてのOリング、54…付勢部材としてのコイルばね、60…ハンマー駆動装置としての打撃制御装置、72…音源としてのゴング、74…打撃力伝達部材としてのハンマーピン、75…付勢部材としての板ばね、83…外側ケースとしての外胴、84…反響室、103…弾性部材としてのゴムシート、111…胴部、112…蓋部、123,133…弾性部材としてのゴムパイプ、130…打撃力伝達部材としてのハンマーピンユニット、132A1…小径部、140…ストッパ、142,143,311…開口部、161…隙間形成部材としての案内パイプ、161C…隙間を構成する孔部、162…隙間開閉手段としての音量調整ボタン、162C…閉塞面としての案内凹部、251…固定部材本体としての固定パイプ、254…弾性部材としての押さえばね、711B…保持部としての貫通孔、712,812…裏側ガラス、732,813…裏蓋リング、811…磁性体としての内胴、901,901',901''…外側パイプ、902…ガイドパイプ、903…第1ハンマーピン、904…第2ハンマーピン、905…付勢部材としてのばね、906…弾性部材としての弾性シート。

Claims (19)

  1. ハンマー、および前記ハンマーを駆動するハンマー駆動装置を有する本体と、
    前記本体を収容するケースと、前記ハンマーで打たれて振動することにより音を発する音源と、を具備した時計であって、
    前記ハンマーと前記音源との間で往復変位可能とされ、前記ハンマーによる打撃力を前
    記音源に伝え、前記音源を打った瞬間に前記ハンマー側に跳ね返る打撃力伝達部材を備えていることを特徴とする時計。
  2. 前記音源は、前記ケースの外側に設けられ、
    前記ケースは、気密状態で前記本体を収容するとともに、内部の気密が確保された状態
    で、前記打撃力伝達部材を前記ハンマーおよび前記音源の間で往復変位可能に保持する保
    持部が設けられることを特徴とする請求項1に記載の時計。
  3. 前記打撃力伝達部材は、前記ハンマーと前記音源との間で往復変位可能なピンと、前記
    ピンを保持する保持部および前記ピンの間を塞ぐ閉塞部材と、前記ピンを前記ハンマー側
    に付勢する付勢部材とを有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の時計。
  4. 前記打撃力伝達部材は、前記ピンが前記音源側に移動した際に、前記ピンの一部に当接
    して前記ピンの移動を規制するストッパを備えていることを特徴とする請求項3に記載の時計。
  5. 前記閉塞部材は、環状体もしくは筒状体とされた弾性部材であり、
    前記弾性部材における前記環状体の場合の内周縁部もしくは前記筒状体の場合の軸方向
    一端部は、前記ピンの外周部に固定され、前記弾性部材における前記環状体の場合の外周縁部もしくは前記筒状体の場合の軸方向他端部は、前記保持部に固定されることを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の時計。
  6. 前記打撃力伝達部材は、前記ピンとして、長さ方向に連結される第1ピンおよび第2ピ
    ンを備え、前記弾性部材における前記環状体の場合の内周縁部もしくは前記筒状体の場合の軸方向一端部は、前記第1ピンと前記第2ピンとの間に挟持されることを特徴とする請求項5に記載の時計。
  7. 前記打撃力伝達部材は、前記ハンマーと前記音源との間で往復変位可能なピンと、前記
    ピンを保持する保持部および前記ピンの間を塞ぐ閉塞部材と、を有し、
    前記閉塞部材は、環状体もしくは筒状体とされた弾性部材であり、前記ピンは、前記弾性部材により前記ハンマー側に向かって付勢されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の時計。
  8. 前記ケースの外側には、前記音源の少なくとも一部を覆う外側ケースが設けられ、
    前記外側ケースには、空気の出入りが自在な開口部が形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか一項に記載の時計。
  9. 前記ケースの外側には、前記音源の少なくとも一部を覆う外側ケースが設けられ、
    これら前記ケースおよび前記外側ケースの間には、前記音源にて発生した音を反響させ
    る反響室が設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか一項に記載の時計。
  10. 前記外側ケースの外部と前記反響室の内部とを連通する隙間が設けられていることを特徴とする請求項9に記載の時計。
  11. 前記隙間を開閉する隙間開閉手段が設けられていることを特徴とする請求項10に記載の時計。
  12. 前記反響室は、前記ケースおよび前記外側ケースにより形成されるとともに、前記外側
    ケースには、外部と連通する連通孔が形成され、
    前記連通孔に嵌挿されるとともに、略筒状に形成され、筒外周面に、前記外側ケースの
    外部と筒内部とを連通する孔部が設けられる隙間形成部材を備え、
    前記隙間は、前記隙間形成部材の前記孔部および前記隙間形成部材の筒周部により形成
    され、前記隙間開閉手段は、前記隙間形成部材の前記孔部を閉塞可能な閉塞面を有し、前記隙間形成部材の軸方向に沿って進退自在に設けられるとともに、前記閉塞面により前記孔部を閉塞する閉塞状態、および前記孔部を開口する開口状態に移動して、前記隙間を開閉することを特徴とする請求項11に記載の時計。
  13. 前記ケースは、前記本体の周りに設けられる筒状の胴部と、前記胴部の軸線方向両側に
    それぞれ設けられる風防ガラスおよび蓋部とを有し、
    前記音源は、前記ケースの蓋部に対向する底部と、前記ケースの胴部に対向する側壁部
    とを有する椀形状とされていることを特徴とする請求項1乃至請求項12のいずれか一項に記載の時計。
  14. 前記ケースは、前記本体の周りに設けられる筒状の胴部と、前記胴部の軸線方向両側に
    それぞれ設けられる風防ガラスおよび蓋部とを有し、
    前記音源は、前記胴部の外周部に沿った棒状に形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項12のいずれか一項に記載の時計。
  15. 前記音源は、複数設けられ、これらの複数の前記音源に対応して、複数の前記打撃力伝達部材が設けられていることを特徴とする請求項14に記載の時計。
  16. 前記ケースの少なくとも一部は、磁性体であることを特徴とする請求項1乃至請求項15のいずれか一項に記載の時計。
  17. 前記音源は、前記ケースに固定されていることを特徴とする請求項1乃至請求項16のいずれか一項に記載の時計。
  18. 前記ケースは、前記本体の周りに設けられる筒状の胴部と、前記胴部の軸線方向両側に
    それぞれ設けられる風防ガラスおよび蓋部とを有し、
    前記音源は、前記ケースの蓋部に対向する底部と、前記ケースの胴部に対向する側壁部
    とを有する椀形状とされ、
    前記音源の底部の一部は、固定部材によって前記ケースの蓋部に固定され、
    前記固定部材は、前記底部および前記蓋部に固定される固定部材本体と、前記底部の前
    記蓋部側とは反対側に設けられ前記底部との間に隙間をあけて配置される部分および前記
    底部を支持する支持部分を含む弾性部材とを有することを特徴とする請求項17に記載の時計。
  19. ハンマー、および前記ハンマーを駆動するハンマー駆動装置を有する本体と、
    前記本体を収容するケースと、打たれて振動することにより音を発する音源と、を備え、
    前記ケースには、前記ハンマーと前記音源との間で往復変位可能とされ、前記ハンマー
    による打撃力を前記音源に伝え、前記音源を打った瞬間に前記ハンマー側に跳ね返る打撃力伝達部材が設けられていることを特徴とする携帯機器。
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