JP5206133B2 - 帯電装置、画像形成装置 - Google Patents
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Description
一方、特許文献1には、メッシュ状のグリッド電極を介して潜像担持体に対向しながら放電を発生させる部材として、ワイヤーの代わりに、複数の尖歯を有する鋸歯状の放電電極を用いた帯電装置が開示されている。かかる構成では、バイアスが印加された放電電極において、グリッド電極に対向している複数の鋭利な歯先に電荷を集中させることで、張架ワイヤー方式のスコロトロン帯電器に比べて、より低い電圧でコロナ放電を発生させることが可能である。
また、上述のように、スコロトロン帯電器よりは低い電圧でコロナ放電を発生させることができるが、それでも4[kV]以上の電圧は必要であり、低電位化の観点からも更なる改良が望れていた。
感光体を一様帯電せしめるための帯電部材として、カーボンナノチューブを用い、帯電バイアスを印加したカーボンナノチューブのナノメートルオーダーの貫通孔から感光体に向けて電子を放出する方式の帯電装置が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
しかしながら、かかる方式では、カーボンナノチューブの貫通孔から感光体に向けて電子を良好に放出させるためには、カーボンナノチューブ及び感光体を真空に近い減圧環境下におく必要がある。記録紙の通紙を行うプリンタ内でこのような減圧環境をつくり出すことは極めて困難であるため、かかる方式は実用性に欠ける。また、たとえカーボンナノチューブの貫通孔から電子を良好に放出させることができたとしても、トナーが舞い散るプリンタ内では、貫通孔にトナーが詰まり易いので、長期間に渡って帯電性能を安定して維持することが困難だと思われる。
ただし、編みこんだ状態の繊維を金属またはフィルムで挟んだ形態の電極では、電極の先端でバラツキがでる。バラツキは各電極間の放電開始電圧に違いをもたらすので、結果として感光体長手方向のムラが発生する。
図12には、編みこみタイプのブラシの加工工程を示す。一般的な加工方法で、繊維束を編みこんだものを保持体で挟み込む作成方法をとる。この作り方では保持体によって挟まれた繊維束が先端にいくに連れて広がりを見せる。
本発明の帯電装置は、導電性保持体と、これに保持される放電電極を備え、帯電バイアスが印加される放電電極の先端または表面と、画像形成装置の潜像担持体との間で間隙を介した放電を生じせしめることで該潜像担持体の表面を一様帯電せしめる帯電装置であって、上記放電電極の先端または表面に対向する複数の開口を有し且つ上記帯電バイアスとは異なる値のバイアスが印加される電極を介して、上記放電電極と上記潜像担持体との間で放電を生じせしめる帯電装置において、上記放電電極が束を成しながらブラシ状に配列されており、該放電電極束のそれぞれの先端面が中心軸に対して傾いていて、且つ該放電電極束先端部がピッチを持って配置されていることを特徴とする。
また、本発明の帯電装置は、さらに、放電電極が一列に並んで電極束を構成していることを特徴とする。
また、本発明の帯電装置は、導電性保持体と、これに保持される放電電極を備え、帯電バイアスが印加される放電電極の先端または表面と、画像形成装置の潜像担持体との間で間隙を介した放電を生じせしめることで該潜像担持体の表面を一様帯電せしめる帯電装置であって、上記放電電極の先端または表面に対向する複数の開口を有し且つ上記帯電バイアスとは異なる値のバイアスが印加される電極を介して、該放電電極と上記潜像担持体との間で放電を生じせしめる帯電装置において、上記放電電極は円筒状の導電性部材に貼り付けられて円筒状の放電電極束を成し、放電電極の先端面が中心軸に対して傾いていて、且つ上記放電電極束の先端部がピッチを持って上記導電性保持材に配置されていることを特徴とする。
また、本発明の帯電装置は、さらに、導電性部材において電極先端が螺旋状に配置されていることを特徴とする。
また、本発明の帯電装置は、さらに、電極と導電性保持体とが着脱可能な構成であることを特徴とする。
また、本発明の帯電装置は、さらに、複数の電極で1つの電極ユニットを構成していることを特徴とする。
本発明の画像形成装置は、上記のいずれかに記載の帯電装置を有することを特徴とする。
本発明は、放電点の周りに電極が少なくなることより、より少ない印加電圧で放電させることが可能となる。すなわち、低エネルギ化が可能となる。
本発明は、経時的な電極汚れや電極劣化による放電バラツキ(帯電ムラ)が起こった場合に、電極を傷めることなく、容易に修理することが可能となる。帯電ブラシを1本交換に比べてコスト的に安価で済む。
本発明は、機内に舞っているトナーや定着部シリコン蒸気による局部的な汚れによる放電バラツキ(帯電ムラ)に対する電極交換を実施するときに、電極交換を複数本まとめて行うことが可能であり、手間がかからなくて済む。
まず、本実施形態に係るプリンタの基本的な構成について説明する。図1は、本実施形態に係るプリンタを示す概略構成図である。このプリンタは、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラック(以下、Y、C、M、Kと記す)用の4つのプロセスユニット1Y,C,M,Kを備えている。これらは、画像を形成する画像形成物質として、互いに異なる色のY,C,M,Kトナーを用いるが、それ以外は同様の構成になっている。Yトナー像を生成するためのプロセスユニット1Yを例にすると、これは図2に示すように、感光体ユニット2Yと現像ユニット7Yとを有している。これら感光体ユニット2Y及び現像ユニット7Yは、図3に示すようにプロセスユニット1Yとして一体的にプリンタ本体に対して着脱される。ただし、プリンタ本体から取り外した状態では、図4に示すように現像ユニット7Yを図示しない感光体ユニットに対して着脱することができる。
帯電装置5Yは、図示しない駆動手段によって図中時計回り方向に回転駆動せしめられる感光体3Yの表面を一様帯電せしめる。帯電装置5Yによって一様帯電せしめられた感光体3Yの表面は、後述する光書込ユニットから発せられるレーザ光によって露光走査されてY用の静電潜像を担持する。
現像手段たる現像ユニット7Yは、第1搬送スクリュウ8Yが配設された第1剤収容部9Yを有している。また、透磁率センサからなるトナー濃度センサ(以下、トナー濃度センサという)10Y、第2搬送スクリュウ11Y、現像ロール12Y、ドクターブレード13Yなどが配設された第2剤収容部14Yも有している。これら2つの剤収容部内には、磁性キャリアとマイナス帯電性のYトナーとからなる図示しないY現像剤が内包されている。第1搬送スクリュウ8Yは、図示しない駆動手段によって回転駆動せしめられることで、第1剤収容部9Y内のY現像剤を図紙面に直交する方向における手前側から奥側へと搬送する。そして、第1剤収容部9Yと第2剤収容部14Yとの間の仕切壁に設けられた図示しない連通口を経て、第2剤収容部14Y内に進入する。
プロセスユニット1Y,C,M,Kの図中下方には、光書込ユニット20が配設されている。潜像形成手段たる光書込ユニット20は、画像情報に基づいて発したレーザ光Lを、各プロセスユニット1Y,C,M,Kの感光体3Y,C,M,Kに照射する。これにより、感光体3Y,C,M,K上にY,C,M,K用の静電潜像が形成される。なお、光書込ユニット20は、光源から発したレーザ光Lを、モータによって回転駆動されるポリゴンミラー21によって偏向せしめながら、複数の光学レンズやミラーを介して感光体3Y,C,M,Kに照射するものである。かかる構成のものに代えて、LEDアレイによる光走査を行うものを採用することもできる。
各プロセスユニット1Y,C,M,Kの図中上方には、無端移動体たる中間転写ベルト41を張架しながら図中反時計回りに無端移動せしめる転写ユニット40が配設されている。転写手段たる転写ユニット40は、中間転写ベルト41の他、ベルトクリーニングユニット42、第1ブラケット43、第2ブラケット44などを備えている。また、4つの1次転写ローラ45Y,C,M,K、2次転写バックアップローラ46、駆動ローラ47、補助ローラ48、テンションローラ49なども備えている。中間転写ベルト41は、これら8つのローラに張架されながら、駆動ローラ47の回転駆動によって図中反時計回りに無端移動せしめられる。4つの1次転写ローラ45Y,C,M,Kは、このように無端移動せしめられる中間転写ベルト41を感光体3Y,C,M,Kとの間に挟み込んでそれぞれ1次転写ニップを形成している。そして、中間転写ベルト41の裏面(ループ内周面)にトナーとは逆極性(例えばプラス)の転写バイアスを印加する。中間転写ベルト41は、その無端移動に伴ってY,C,M,K用の1次転写ニップを順次通過していく過程で、そのおもて面に感光体3Y,C,M,K上のY,C,M,Kトナー像が重ね合わせて1次転写される。これにより、中間転写ベルト41上に4色重ね合わせトナー像(以下、4色トナー像という)が形成される。
2次転写ニップを通過した後の中間転写ベルト41には、記録紙Pに転写されなかった転写残トナーが付着している。これは、ベルトクリーニングユニット42によってクリーニングされる。なお、ベルトクリーニングユニット42は、クリーニングブレード42aを中間転写ベルト41のおもて面に当接させており、これによってベルト上の転写残トナーを掻き取って除去するものである。
先に示した図1において、2次転写ニップを通過した記録紙Pは、中間転写ベルト41から分離した後、定着ユニット60内に送られる。そして、定着ユニット60内の定着ニップに挟まれながら図中下側から上側に向けて搬送される過程で、定着ベルト64によって加熱されたり、押圧されたりして、フルカラートナー像が定着せしめられる。
転写ユニット40の上方には、Y,C,M,Kトナーを収容する4つのトナーカートリッジ100Y,C,M,Kが配設されている。トナーカートリッジ100Y,C,M,K内のY,C,M,Kトナーは、プロセスユニット1Y,C,M,Kの現像ユニット7Y,C,M,Kに適宜供給される。これらトナーカートリッジ100Y,C,M,Kは、プロセスユニット1Y,C,M,Kとは独立してプリンタ本体に脱着可能である。
図5は、Y用の帯電装置5Yを、Y用の感光体3Yとともに示す斜視図である。また、図6は、帯電装置5Yを示す分解斜視図である。また、図7は、帯電装置5Yを感光体3Yとともに示す拡大構成図である。
図5に示すように、感光体3Yの直下に配設された帯電装置5Yは、ケーシング501Yと、グリッド電極503Yとを有している。グリッド電極503Yは、電極としての機能を発揮するために、ステンレス、銅、鉄などの金属材料から構成されている。電極としての役割の他、図6に示すように、ケーシング501Yに設けられた保守点検開口を覆う蓋としての役割を担っている。ただし、自らに設けられた開口としての複数のスリット504Yを通して、ケーシング501Yの内部を露出させている。
ケーシング501Yは、図7に示すように、グリッド電極503Yが固定された保守点検開口を真上に向けて感光体3Yに対向させる姿勢でプリンタ本体内に固定されている。そして、鉛直方向下方を向く底板には、通気用開口502Yが設けられている。
ケーシング501Y内には、帯電ブラシ507Yが固定されている。この帯電ブラシ507Yは、導電性保持体としての金属ホルダー506Yと、この金属ホルダー506Yに立設せしめられた導電性繊維たる複数の導電性繊維(放電電極)からなるブラシ部505Yとを有している。そして、金属ホルダー506Yがケーシング501Yにネジ止めされることで、ケーシング501Y内に固定されている。導電性繊維としては、合成繊維であるアクリル等の長繊維から作られる石油ピッチ炭素繊維、石炭タール等から作られるPAN系炭素繊維、ステンレス等からなる金属繊維などを例示することができる。なお、炭素繊維は、金属繊維に比べて安価で且つ入手し易いので、製造コストを低減する上で有利である。
通常のブラシは、繊維が隙間なく配置されている(図8)が、本発明に係るブラシの電極はピッチを持って配置され、且つ、放電電極束のそれぞれの先端が斜めに裁断されている(図9、図21)。導電性保持体からのブラシの長さはどの電極も等しい距離を設けている。
図10には、ブラシの電極部がどのように導電性保持体の内側で繋がっているかを示した図である。隣同士の電極は繋がっており、電極部先端は緩やかに「ハの字」状になっている。ブラシ電極の上から導電性保持体が被さり1本のブラシを形成している(図10)。
このとき、電極部は斜めに裁断されているので、切り口は、竹を斜めに切ったような形状をしている。
図12には編みこみタイプのブラシの加工工程を示す。一般的な加工方法で、繊維束を編みこんだものを保持体で挟み込む作製方法をとる。この作り方では保持体によって挟まれた繊維束が先端にいくに連れて広がりを見せる。
本ブラシの作り方を説明する。
この繊維を「平織り」で織ると図14に示すような状態になり、平たい繊維の形を崩すことなく基布を形成することが可能である。この基布をトムソン型で抜くことにより、ブラシの先端形状を形成させる(図15)。裁断部の横糸を抜いた基布は、導電性接着剤または導電性テープなどで導電性保持体に設置する(図16)。
各電極は、繊維が薄く並べられた状態となっており、先端は斜めにカットされている。導電性保持体からのブラシの長さはどの電極も等しい距離を設けている。
このようにして構成された電極ユニットは、導電性保持体に取り付けられる。導電性保持体には、等ピッチに取り付け穴が設けられており、電極ユニットはこのそれぞれの穴に圧入により取り付けられる。この時、電極ユニットと導電性保持体の間に導電性グリスを塗布していてもよい。
このようにして構成された電極ユニットは、導電性保持体に取り付けられる。導電性保持体には、等ピッチで取り付け穴が設けられており、電極ユニットは圧入により取り付けられる。この時、電極ユニットと導電性保持体の間に導電性グリスを塗布していてもよい。
このようにして構成された電極ユニットは、導電性保持体に取り付けられる。導電性保持体には、等ピッチに取り付け穴が設けられており、電極ユニットはこのそれぞれの穴に圧入により取り付けられる。この時、電極ユニットと導電性保持体の間に導電性グリスを塗布していてもよい。
2 感光体ユニット
3 感光体
4 ドラムクリーニング装置
5 帯電装置
7 現像ユニット
8 第1搬送スクリュウ
9 第1剤収容部
10 トナー濃度センサ
11 第2搬送スクリュウ
12 現像ロール
13 ドクターブレード
14 第2剤収容部
15 現像スリーブ
16 マグネットローラ
20 光書込ユニット
21 ポリゴンミラー
31 第1給紙カセット
31a 第1給紙ローラ
32 第2給紙カセット
32a 第2給紙ローラ
33 給紙路
34 搬送ローラ対
35 レジストローラ対
40 転写ユニット
41 中間転写ベルト
42 ベルトクリーニングユニット
42a クリーニングブレード
43 第1ブラケット
44 第2ブラケット
45 1次転写ローラ
46 2次転写バックアップローラ
47 駆動ローラ
48 補助ローラ
49 テンションローラ
50 2次転写ローラ
60 定着ユニット
61 加圧加熱ローラ
62 定着ベルトユニット
63 加熱ローラ
64 定着ベルト
65 テンションローラ
66 駆動ローラ
67 排紙ローラ対
68 スタック部
100 トナーカートリッジ
501 ケーシング
502 通気用開口
503 グリッド電極
504 スリット
505 ブラシ部
506 金属ホルダー
507 帯電ブラシ
510 グリッド電源
511 帯電電源
L レーザ光
P 記録紙
Claims (7)
- 導電性保持体と、これに保持される放電電極を備え、帯電バイアスが印加される放電電極の先端または表面と、画像形成装置の潜像担持体との間で間隙を介した放電を生じせしめることで該潜像担持体の表面を一様帯電せしめる帯電装置であって、
上記放電電極の先端または表面に対向する複数の開口を有し且つ上記帯電バイアスとは異なる値のバイアスが印加される電極を介して、上記放電電極と上記潜像担持体との間で放電を生じせしめる帯電装置において、
上記放電電極が束を成しながらブラシ状に配列されており、該放電電極束のそれぞれの先端面が中心軸に対して傾いていて、且つ該放電電極束先端部がピッチを持って配置されている
ことを特徴とする帯電装置。 - 請求項1に記載の帯電装置において、
放電電極が一列に並んで電極束を構成している
ことを特徴とする帯電装置。 - 導電性保持体と、これに保持される放電電極を備え、帯電バイアスが印加される放電電極の先端または表面と、画像形成装置の潜像担持体との間で間隙を介した放電を生じせしめることで該潜像担持体の表面を一様帯電せしめる帯電装置であって、
上記放電電極の先端または表面に対向する複数の開口を有し且つ上記帯電バイアスとは異なる値のバイアスが印加される電極を介して、上記放電電極と上記潜像担持体との間で放電を生じせしめる帯電装置において、
上記放電電極は円筒状の導電性部材に貼り付けられて円筒状の放電電極束を成し、放電電極の先端面が中心軸に対して傾いていて、且つ上記放電電極束の先端部がピッチを持って上記導電性保持材に配置されている
ことを特徴とする帯電装置。 - 請求項3に記載の帯電装置において、
導電性部材において電極先端が螺旋状に配置されている
ことを特徴とする帯電装置。 - 請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の帯電装置において、
電極と導電性保持体とが着脱可能な構成である
ことを特徴とする帯電装置。 - 請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の帯電装置において、
複数の電極で1つの電極ユニットを構成している
ことを特徴とする帯電装置。 - 請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の帯電装置を有する
ことを特徴とする画像形成装置。
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