JP5205508B1 - 光ファイバカッタ内蔵ケース - Google Patents
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Abstract
【解決手段】
刃部材21が取り付けられた刃台22が、外装ケース24外側に突出する初期位置から、刃台先端が装置本体外面に概ね面一あるいは前記初期位置に比べて小さい突出寸法で外側に突出する切断準備位置へ、刃台移動用スプリングの弾性付勢力に抗して押し込み可能である光ファイバカッタ10、収容ケース内にて、光ファイバカッタ前側へ切断準備位置に比べて大きい突出寸法で突出された刃台と装置本体後端とが刃台移動用スプリングの弾性付勢力によって収容ケースの受圧壁間に保持された光ファイバカッタ内蔵ケースを提供する。
【選択図】図1
Description
光ファイバカッタとしては、上述の切断方法を実現するべく、前記丸刃を取り付けた刃台がスライド移動可能に設けられた装置本体に、光ファイバを固定するためのファイバクランプ機構、前記丸刃によって初期傷を形成した光ファイバを初期傷とは反対の側から押し曲げるためのファイバ押圧機構を設けた構成のものが一般的である(例えば特許文献1、2)。また、この構成のファイバカッタとしては、切断品質の安定化のために、刃台を適切かつ安定な刃入速度で移動させるべく、スプリングを用いて刃台を弾性付勢して移動する構成が広く採用されている。
また、従来の光ファイバカッタは、搬送用の収容ケースに収容したときに、ケース内部でガタが生じやすく、搬送中でのケース内面との衝突によって、部品の位置ずれや変形が発生して、光ファイバへの傷形成や切断の精度に影響を与える可能性がある。
第1の発明は、光ファイバカッタを収容ケースに取り出し可能に収容してなり、前記光ファイバカッタは、光ファイバのガラスファイバ部分に傷を形成するための刃部材を刃台に取り付けた構成の刃部材付き可動ユニットが、外装ケース外側からの押し込み操作によって初期位置から切断準備位置へ移動可能に設けられた装置本体と、前記装置本体に開閉可能に枢着されたレバー本体及びファイバ押さえアームを具備する押さえレバーと、前記レバー本体の前記装置本体に対面される側にスプリングを介して前記レバー本体から離隔させて設けられた前記ファイバ押さえアームを前記装置本体に対して開方向に弾性付勢する開放用ばねと、前記装置本体における前記ファイバ押さえアームの枢着箇所付近に設けられた開放規制機構とを有し、前記装置本体は、前記外装ケースの天板部に設けられて光ファイバを支持するファイバ載せ台と、前記切断準備位置に配置された刃台を付勢して前記初期位置に移動するための刃台移動用スプリングと、前記刃台を前記切断準備位置に係止しかつ係止解除操作によって前記刃台の係止を解除する刃台係止部とを有し、前記刃台を、前記刃台移動用スプリングの弾性付勢力によって切断準備位置から初期位置へ移動させることで、前記刃部材によって、前記ファイバ載せ台に支持された光ファイバに傷を形成可能に構成され、前記刃台は、前記外装ケースから外側に突出する前記初期位置から、その先端が前記装置本体の外装ケース外面から突出しないかあるいは前記外装ケースから外側へ前記初期位置に比べて小さい突出寸法で突出する前記切断準備位置へ押し込み可能であり、前記押さえレバーの前記ファイバ押さえアームには、前記レバー本体の前記装置本体に対する閉じ操作によって前記装置本体のファイバ載せ台に対して閉じ合わせ可能なファイバ押さえ部が先端部に突設され、前記押さえレバーの前記レバー本体には、前記ファイバ押さえ部が前記ファイバ載せ台に閉じられた状態における該レバー本体の閉じ操作によって前記刃台係止部を係止解除操作する係止解除部が設けられ、前記開放規制機構は、前記ファイバ押さえアームの前記ファイバ押さえ部が前記装置本体の前記ファイバ載せ台に閉じられかつ前記装置本体の前記刃台係止部が前記刃台を前記切断準備位置に係止した状態で、前記ファイバ押さえアームの開方向への回動の規制及び許可を切り替え可能であり、前記ファイバ押さえ部が前記ファイバ載せ台に閉じられた前記ファイバ押さえアームの開方向への回動を前記開放規制機構によって規制した状態で、前記ファイバ押さえアームから前記装置本体とは反対の背面側に離隔して配置された前記レバー本体を閉じ方向に回動可能、かつ該回動を行なうことで前記係止解除部によって、前記刃台を前記切断準備位置に係止している前記刃台係止部を係止解除操作可能に構成され、前記光ファイバカッタは、前記収容ケースの互いに離隔した位置に形成された受圧壁の間に配置され、前記切断準備位置から前記装置本体の外装ケース前側に突出された刃部材付き可動ユニットの先端と、装置本体後端部とを、前記刃台移動用スプリングの弾性付勢力によって、それぞれ前記受圧壁に当接させて、前記受圧壁間に保持され、前記開放規制機構によって、前記ファイバ載せ台に対する閉じ位置にある前記ファイバ押さえ部の前記ファイバ載せ台に対する離隔方向への移動が規制されている光ファイバカッタ内蔵ケースを提供する。
第2の発明は、前記光ファイバカッタの前記装置本体は、前記刃台の移動に伴う前記刃部材の可動範囲を介して両側に配置された一対の前記ファイバ載せ台を有し、前記押さえレバーは、前記装置本体の前記一対のファイバ載せ台に架設状態に載置された光ファイバの前記一対のファイバ載せ台間に位置する部分を押圧して、前記刃部材によって傷を形成した光ファイバを劈開により破断させる枕部を有し、該枕部は、前記レバー本体の前記装置本体に対する開位置から閉じ方向への回動によって前記装置本体に対面される側に、スプリングを介して前記レバー本体から離隔させて設けられている第1の発明の光ファイバカッタ内蔵ケースを提供する。
第3の発明は、前記収容ケースは、ケース本体と該ケース本体に対して開閉可能な蓋部材とを有し、前記光ファイバカッタは、前記装置本体の底面を、前記収容ケースのケース本体の底板に対面させ、前記ケース本体の底板の片面側の互いに離隔した位置に突設された前記受圧壁の間に配置されている第1又は2の発明の光ファイバカッタ内蔵ケースを提供する。
また、本発明に係る光ファイバカッタ内蔵ケースは、光ファイバカッタが、刃台移動用スプリングの弾性付勢力によって、収容ケースの互いに離隔した位置にある受圧壁間に保持されるため、収容ケース内での光ファイバカッタのがたつきを簡単かつ確実に解消できる。
図1、図2に示すように、光ファイバカッタ10は、光ファイバ1のガラスファイバ部分に切断(劈開)用の初期傷を形成するための刃部材21を刃台22に取り付けた刃部材付き可動ユニット23を外装ケース24にスライド移動可能に収容した装置本体20と、この装置本体20の前記外装ケース24に枢着されて装置本体20に対して開閉可能に設けられた押さえレバー30とを具備する概略構成となっている。
この光ファイバカッタ10は、光ファイバ1のガラスファイバ部分への初期傷の形成(創傷)と、初期傷を形成した光ファイバ1の押し曲げによる切断とを行なう装置である。
ベースプレート24a及びカバー部材24bは、それぞれ、例えばプラスチック製の一体成形品であるが、プラスチック製のものに限定されず金属製のものも採用可能である。
このカバー部材24bは、板状の前記ベースプレート24aの上方に該ベースプレート24aに沿って延在配置された天板部24cの両側から下方へ延出する側板部24dが形成され、概ね断面コ字形で延在するカバー部本体24eを有する。図2、図8(c)に示すように、このカバー部本体24eは、天板部24cの後端(図2、図8(c)において右側の端)から下方へ延出する後壁部24fを含む。この後壁部24fは、前記天板部24cのみならず、カバー部本体24eの両側の側壁部24dの後端とも連続して形成されている。
刃部材付き可動ユニット23は、外装ケース24の刃台案内孔24h、及び外装ケース24内に設けられた案内レール(図示略)によって案内されて外装ケース24に対してその前後方向にスライド移動する。
この刃台移動用スプリング25は、その一端(引っ張りコイルばねの軸線方向一端)を外装ケース24前端部(図2左側の端部)のスプリング取付部24i(ケース側スプリング取付部)に取り付け、他端を刃台22のスプリング取付部22c(刃台側スプリング取付部)に取り付けて外装ケース24内に設けられている。刃台側スプリング取付部22cは、刃部材付き可動ユニット23が外装ケース24に対する初期位置にあるとき、装置本体20前後方向においてケース側スプリング取付部24iの後方に離隔した位置にある。
刃部材付き可動ユニット23の切断準備位置は、刃台22に突設されている図示略の後退規制用ストッパ突部が外装ケース24内の後側ストッパ当接壁(図示略)にその前側から当接する位置(外装ケース24に対する後退限界位置)である。
初期状態の光ファイバカッタ10の刃部材付き可動ユニット23は、図3に示すように、初期位置から外装ケース24に押し込んで切断準備位置に到達させたときに、刃台22に突設されている係合突部22dの前側(図3左側)に、外装ケース24に取り付けられた刃台係止部材26が係合して、外装ケース24に対する前進(外装ケース24に対する図3左側への相対移動)が規制される。刃部材付き可動ユニット23は、刃台22の係合突部22dに刃台係止部材26が係合することで、刃台移動用スプリング25の弾性付勢力に抗して切断準備位置に係止される。
切断準備位置は、換言すれば、刃台22の係合突部22dに刃台係止部材26が係合する位置である。刃台係止部材26は、刃台22に係合して、刃部材付き可動ユニット23の初期位置への前進を規制し、切断準備位置に係止する刃台係止部として機能する。
この刃台係止部材26は、前記回転軸24kに取り付けられた部分(中央部26a)から装置前側へ向かって延出する前側延出部26cの先端部の下側に突設された係合爪26bと、前記中央部26aから後側へ延出する後側延出部26dとを有する。
この刃台係止部材26は、回転軸24kから後側の質量(重量)が、回転軸24k前側(係止部材スプリング26fを含む)の重量に比べて大きい。
なお、図示例の係止部材スプリング26fである圧縮コイルばねは、その軸線が、天板部24cに概ね垂直の向きでその上端が天板部24cに当接する。
なお、刃台22の係合突部22dの上端部には、刃台係止部材26の係合爪26b前側の当接乗り上げ面26gが当接する位置に、後側に行くに従って下方に位置する爪乗り上げ面22eが形成されている。この爪乗り上げ面22eは、初期位置から切断準備位置へ移動した刃部材付き可動ユニット23の係合突部22dへの、刃台係止部材26の係合爪26bの係合を円滑にする。
なお、押さえレバー30の回動によって実現される、刃台係止部材26による刃台22の係止の解除は、後に、具体的に説明する。
図1に示すように、ホルダ載置台部24g(図1参照)の上部には、ファイバホルダ2を収容して位置決めするためのホルダ収容溝24jが形成されている。ファイバ載せ台27は、装置幅方向において、前記ホルダ収容溝24jの仮想延長上に位置する。
この光ファイバカッタ10は、光ファイバ1を把持固定しているファイバホルダ2を前記ホルダ収容溝24jに収容して前記ホルダ載置台部24g(図1参照)に載置したとき、光ファイバ1のファイバホルダ2から突出させた部分をファイバ載せ台27上に載せることができる。
ファイバ載せ台27は、前記天板部24c上の、前記長孔23mを介して装置幅方向両側の位置に設けられている。
前記枢軸11は、装置本体20のカバー部材24bの後端部に、その装置幅方向両側から突設された軸受け部24n(図1参照)に長手方向両端部が支持されて、装置幅方向に延在配置されている。また、枢軸11は装置本体20に対して回り止めして設けられている。
開放用ばね12は、具体的には、押さえレバー30に設けられているファイバ押さえアーム32(後述)を装置本体20に対して開方向に弾性付勢している。
開放用ばね12としては、押さえレバー30を装置本体20に対して開方向に弾性付勢可能であれば特に限定されず、例えば板ばね等も採用可能である。
レバー本体31は、一対のレバー側板部31bの間隔方向である幅方向を、装置幅方向(装置本体20の幅方向)に一致させて、装置本体20に取り付けられている。
ファイバ押さえアーム32の開位置ストッパ突部32eは、開放用ばね12の弾性付勢力によって、ストッパピン41の上端部に、装置後側から当接されている。ファイバ押さえアーム32は、開位置ストッパ突部32eが、ストッパピン41上端部に装置後側から当接する位置が、装置本体20に対する開方向の回動限界位置となっている。ファイバ押さえアーム32について、この開方向回動限界位置を開位置とも言う。
図2に示すように、開位置にある押さえレバー30のレバー本体31は、基端部から装置前側(図2左側)に向かって斜め上へ延在し、装置本体20に対して、装置前側へ行くにしたがって装置本体20からの離隔距離が増大するように傾斜して装置本体20上に設けられている。開位置にある押さえレバー30全体も、レバー本体31に沿って、装置本体20に対して、装置前側へ行くにしたがって装置本体20から上方への離隔距離が増大するように傾斜している。
レバー本体周囲壁は、背板部31aの装置本体20に対面される側(対向面側)に突設されている。
レバー本体31の基端部(具体的には、一対のレバー側板部31bの基端部に位置する部分)は、枢軸11に外挿して装置本体20の幅方向両側の軸受け部24nの間に配置されている。
前記ファイバ押さえ部32bは、押さえレバー30の装置本体20に対する閉じ操作によって、装置本体20のファイバ載せ台27に光ファイバ1を押さえ込む部材である。このファイバ押さえ部32bは、押さえアーム本体32a先端部の装置本体20に対面する対向面側に突設されている。
ファイバ押さえ部32bは、装置本体20の一対のファイバ載せ台27に対応させて、押さえアーム本体32aの2カ所に設けられている。
図2、図9に示すように、前記脱落防止ピン31fは、レバー本体31の幅方向両側のレバー側板部31bに長手方向両端部を取り付けて、一対のレバー側板部31b間に架設され、レバー本体31幅方向に延在配置されている。
但し、ファイバ押さえスプリング34(圧縮コイルばね)は、その軸線方向一端部を押さえアーム本体32aに取り付けず、軸線方向他端部をレバー本体31の背板部31aに取り付けて設けても良い。
ファイバ押さえスプリング34は、押さえアーム本体32a及び背板部31aの片方のみに取り付けた構成の他、押さえアーム本体32a及び背板部31aの両方に取り付けた構成も採用可能である。
また、この枕部アーム33は、枕部アーム本体33aの枕部33bが突設されている先端部と前記基端部との間の中間部に突設された位置決め突片33cを有している。
前記枕部33b及び前記位置決め突片33cは、枕部アーム本体33aの装置本体20に対面する対向面側に突設されている。
枕部アーム33は、枕部アーム本体33aから突出する位置決め突片33cの突端が、刃台22の位置決め突壁22fの上端面に当接されることで、枕部33bを、装置本体20の一対のファイバ載せ台27に架設状態に載置された光ファイバ1にその上から当接する位置に高精度に配置できる。
また、この枕部アーム33は、レバー本体31の背板部31aとファイバ押さえアーム32との間に配置されている。また、この枕部アーム33は、レバー本体31の外周に周設されたレバー本体周囲壁によって取り囲まれた内側に配置されている。
図9に示すように、枕部アーム33の枕部33b及び位置決め突片33cは、プレート状の押さえアーム本体32aの先端部に形成された窓孔32cを介して、押さえアーム本体32aからその対向面側に突出されている。前記窓孔32cは、細長板状の押さえアーム本体32aの装置幅方向(押さえアーム本体32aの幅方向)中央部に形成されている。
なお、ファイバ押さえアーム32の一対のファイバ押さえ部32bは、前記窓孔32cを介して、押さえアーム本体32aの幅方向両側に設けられている。
但し、枕部スプリング35(圧縮コイルばね)は、その軸線方向一端部をレバー本体31に取り付けず、軸線方向他端部を枕部アーム本体33aに取り付けて設けても良い。
枕部スプリング35は、レバー本体31の背板部31a及び枕部アーム本体33aの片方のみに取り付けた構成の他、枕部アーム本体33a及び背板部31aの両方に取り付けた構成も採用可能である。
開放規制機構40は、前記操作部材42に、前記後壁部24f内面(外装ケース24内面)側に設けられたストッパピン41を取り付けた構成の昇降ユニット43を有する。ストッパピン41は、操作片42aに突設され前記案内窓孔24pに通された一対のピン把持片42bの後壁部24f内面側に突出させた部分間に嵌め込んで、操作部材42によって上下方向に延在する向きで支持されている。
但し、操作片42aとしては、プレート状のものに限定されず、その形状は適宜設計変更可能である。
また、操作部材42は、操作片42aから一対のピン把持片42bの間に突出されたスペーサ突片42cを有する。このスペーサ突片42cは、操作片42aからの突出寸法が、一対のピン把持片42bに比べて小さい。
そして、この開放規制機構40は、例えば作業者が手指で操作片42aを後壁部24fに対して上下方向にスライド移動させることで、昇降ユニット43全体が外装ケース24に対して昇降する。
また、操作部材42のピン把持片42bは、装置本体20の外装ケース24の後壁部24fの案内窓孔24pの下端部に配置されている。
このとき、ストッパピン41上端は、前記切り欠き部32gに前記ピン当接面32fに垂直に形成された切り欠き部第2面32jに突き当てられる。但し、光ファイバカッタとしては、上昇限界位置まで上昇させたストッパピン41の上端が切り欠き部第2面32jに突き当たらず、該ストッパピン41上端と切り欠き部第2面32jとの間にはクリアランスが確保される構成も採用可能である。
上昇限界位置まで上昇させたストッパピン41の上端が当接されない切り欠き部第2面32jは、ストッパピン41上端の当接が回避できるように形成されていれば良く、前記ピン当接面32fに垂直である必要は無く、適宜形状に形成することが可能である。
光ファイバ1としては、例えば、単心の光ファイバ心線、光ファイバ素線といった被覆光ファイバを採用する。
これにより、刃台移動用スプリング25が引き伸ばされる。また、刃部材付き可動ユニット23の刃台22の係合突部22dの前側(図3左側)に刃台係止部材26の係合爪26bが入り込んで係合突部22dに係合し、刃部材付き可動ユニット23が刃台移動用スプリング25の弾性付勢力に抗して切断準備位置に係止される。
押さえレバー30の押し下げは、具体的には、レバー本体31の背板部31aの押し下げである。
なお、光ファイバカッタ10が初期状態にあるとき、すなわち図2の状態にあるとき、開放規制機構40のストッパピン41は下降限界位置にある。このとき、ストッパピン41の上端は、押さえアーム本体32a基端部の湾曲面32iに対して当接、あるいは僅かなクリアランスを介して離隔して配置されている。押さえアーム本体32a基端部の切り欠き部32gはストッパピン41上方からずれた位置にあるため、ストッパピン41を切り欠き部32gに入り込ませることはできない。
押さえレバー30の押し下げによる閉じ方向への回動は、ストッパピン41が下降限界位置にある状態で行なう。
また、これと同時に、枕部アーム33の位置決め突片33cの突端(下端)が、刃台22の位置決め突壁22f上端面に当接し、枕部スプリング35を介して作用するレバー本体31からの押圧力によって、位置決め突壁22fに押圧される。
また、これと同時に、枕部スプリング35の弾性変形(圧縮コイルばねの場合は圧縮変形)も進行して、枕部アーム33の位置決め突片33cの突端(下端)が刃台22の位置決め突壁22f上端面に押し付けられる。その結果、枕部アーム本体33aの先端部下側に設けられている枕部33bが、装置本体20の一対のファイバ載せ台27上に架設状態に設けられた光ファイバ1の一対のファイバ載せ台27間に位置する部分に、その上方から接する位置に高精度に位置決めされる。
前記係止解除突片31gは、レバー本体31の背板部31aからその対向面側に突出されている。この係止解除突片31gは、レバー本体31の閉じ方向への回動によって、外装ケース24のカバー部材24bの天板部24cに形成されている突片用窓孔24o(図1)から外装ケース24内に挿入される。
この係止解除突片31gによる刃部材付き可動ユニット23の係止解除は、係止解除突片31gによって刃台係止部材26の後側延出部26dを押し下げて、刃台係止部材26前端の係合爪26bを刃台22の係合突部22dよりも上方へ移動させることで実現される。
光ファイバカッタ10は、係止解除突片31gによる刃部材付き可動ユニット23の係止解除と同時、あるいはその後に、レバー本体31が押し下げ限界に達するように構成される。
光ファイバカッタ10は、切断準備位置への係止の解除によって初期位置へ向かって移動した刃部材付き可動ユニット23の刃部材21が光ファイバ1に初期傷を形成した後に、刃台22の位置決め突壁22f上端面の後端(図5右側の端)が、枕部アーム33の位置決め突片33cの突端(下端)よりも前側に移動される。これにより、図6に示すように、枕部アーム33の位置決め突片33cが、枕部スプリング35の弾性付勢力によって、位置決め突壁22f後端から下方へ押し下げられる。その結果、枕部33bが、枕部スプリング35の弾性付勢力によって、外装ケース24の一対のファイバ載せ台27間に押し下げられて、一対のファイバ載せ台27間に架設状態の光ファイバ1をその上方から下方へ押し曲げて劈開により切断する。
これにより、光ファイバ1の切断が完了する。
刃台22の前進に伴い位置決め突壁22fの上端面後端から下方へ移動した枕部アーム33の位置決め突片33cは、外装ケース24の天板部24cの長孔24mに入り込む。
図13に例示した収容ケース51は、光ファイバカッタ10の装置本体20を収容可能なトレイ状のケース本体52と、該ケース本体52に対して開閉可能なトレイ状の蓋部材53とからなる半割り構造の容器である。蓋部材53は、ケース本体52に対して脱着可能になっている。この収容ケース51は、ケース本体52に蓋部材53を閉じ合わせて一体化することで、概ね外観板状に組み立てられる。ケース本体52に蓋部材53を閉じ合わせて収容ケース51を組み立てることで、光ファイバカッタ10を収容ケース51内に収容できる。なお、図示例の収容ケース51は、ケース本体52に光ファイバカッタ10の装置本体20を収容し、蓋部材53に押さえレバー30を収容する構成となっている。
また、組み立てられた収容ケース51は、外観板状のケース部54から突出する取っ手部55を有し、容易に搬送できる。
なお、収容ケース51としては、蓋部材53がケース本体52に対してヒンジ部を介して開閉自在に取り付けられている構成も採用可能である。
この収容ケース51のケース本体52及び蓋部材53は、それぞれプラスチック製の一体成形品である。ケース本体52及び蓋部材53は、それぞれケース部半体52a、53aに取っ手部半体52b、53bが一体に突設された構成になっている。
なお、収容ケースとしては、ケース本体及び蓋部材の一方のみに取っ手部を有する構成のものも採用可能である。
まず、図3に示すように、初期状態の光ファイバカッタ10の刃台22を装置本体20前側(図3左側)から押圧して、初期位置から切断準備位置へ移動し、刃台係止部材26によって刃部材付き可動ユニット23を切断準備位置に係止する。
但し、レバー本体31の押し下げは、刃台係止部材26による刃部材付き可動ユニット23の係止を解除しないようにする。
作業者が手指で初期状態の光ファイバカッタ10のレバー本体31を押し下げる場合は、レバー本体31の係止解除突片31gの突端(下端)が刃台係止部材26の後側延出部26dに当接したときに、手指に衝撃力を感じることができる。したがって、作業者は、この衝撃力が感じられたとき、あるいはその前に、レバー本体31の押し下げを停止することで、光ファイバカッタ10を、ファイバ押さえアーム32のファイバ押さえ部32bを装置本体20のファイバ載せ台27に閉じ合わせ、かつ刃台係止部材26による刃部材付き可動ユニット23の係止を解除していない状態とすることができる。
また、ケース本体52のケース部半体52aの底板52c上の周囲壁52dによって取り囲まれる内側の領域には、底板52c上に載置した光ファイバカッタ10の装置本体20の外装ケース24に当接して、装置本体20を底板52c上の所定位置に概略位置決めするための位置決めリブ52eが複数箇所に突設されている。
光ファイバカッタ10の装置本体20は、これら位置決めリブ52eによって取り囲まれる内側の収容領域に収容してケース本体52の底板52c上に載置する。光ファイバカッタ10は、装置本体20の外装ケース24のベースプレート24aの、外装ケース24内側とは反対の外面である底面24q(装置底面)を、ケース本体52の底板52cに対面させて底板52cに載置される。
図12(a)、(b)に示すように、前記ケース本体52は、周囲壁52dの一部の平面視真っ直ぐに延在している部分52fと、複数の位置決めリブ52eの内、周囲壁52dの前記部分52fに平行に形成された位置決めリブ(図中52gを付記する。以下、受圧リブとも言う)との間に、光ファイバカッタ10の装置本体20がその前後方向を、前記部分52fと受圧リブ52gとの間の間隔方向に揃えて配置、収容される構成となっている。より具体的には、ケース本体52は、光ファイバカッタ10の装置本体20の前側(図12(a)、(b)において下側)を前記部分52fに対面させ、装置本体20の後端を受圧リブ52gに対面させた向きで、前記装置本体20が収容される構成となっている。
このため、光ファイバカッタ10の装置本体20をケース本体52に収容したときには、前記部分52fと受圧リブ52gとの間に、前記部分52f及び受圧リブ52gの間隔方向への前記装置本体20のがたつきを許容する大きさの隙間Δtが生じる。
刃台22の係止解除による突出は、前記隙間を利用した目視及び/又は刃台22前端が前記部分52fに当接したときに発生する振動によって確認できる。
以下、前記部分52fを前側受圧壁、前記受圧リブ52gを後側受圧壁とも言う。
これにより、収容ケース51内への光ファイバカッタ10の収容が完了し、光ファイバカッタ内蔵ケース50が組み立てられる。
但し、ケース壁間保持状態の光ファイバカッタ10は、前側受圧壁52fと後側受圧壁52gとの間に保持されていることで、前記幅方向両側の位置決めリブ52e間での変位を抑制できる。また、外力による急激な変位を阻止できるため、収容ケース51との衝突を防ぐことができ、衝突による部品の位置ずれや変形を確実に防止できる。
このため、光ファイバカッタ内蔵ケース50は、光ファイバカッタ10の、光ファイバへの傷形成精度や切断の精度を安定に保つことができる。
特に、装置本体20の前側(図12(a)、(b)において下側)は、刃部材付き可動ユニット23前端のみが受圧壁(前側受圧壁52f)に当接する構成であり、前側受圧壁52fとの接触面積が小さいため、刃台22前端を受圧壁に沿って摺動させるようにしてケース本体52からの取り出しを安定かつ簡単に行える。
例えば、刃部材付き可動ユニットの切断準備位置は、刃台の外装ケースから前側へ初期位置に比べて小さい突出寸法で突出する位置に限定されず、刃台前端が外装ケース前面と概ね面一、あるいは、外装ケース前面よりも後側にずれた位置とすることも可能である。
光ファイバカッタとしては、刃台移動用スプリングとして引っ張りコイルばねを用いた構成に限定されない。光ファイバカッタは、刃台移動用スプリングとして圧縮コイルばねを用いた構成も採用可能である。圧縮コイルばねを用いた構成は、刃部材付き可動ユニットを初期位置から切断準備位置へ移動することで圧縮コイルばねが圧縮変形され、切断準備位置から初期位置への刃部材付き可動ユニットの移動を圧縮コイルばねの弾性付勢力によって行なうものである。
Claims (3)
- 光ファイバカッタを収容ケースに取り出し可能に収容してなり、
前記光ファイバカッタは、
光ファイバのガラスファイバ部分に傷を形成するための刃部材を刃台に取り付けた構成の刃部材付き可動ユニットが、外装ケース外側からの押し込み操作によって初期位置から切断準備位置へ移動可能に設けられた装置本体と、前記装置本体に開閉可能に枢着されたレバー本体及びファイバ押さえアームを具備する押さえレバーと、前記レバー本体の前記装置本体に対面される側にスプリングを介して前記レバー本体から離隔させて設けられた前記ファイバ押さえアームを前記装置本体に対して開方向に弾性付勢する開放用ばねと、前記装置本体における前記ファイバ押さえアームの枢着箇所付近に設けられた開放規制機構とを有し、
前記装置本体は、前記外装ケースの天板部に設けられて光ファイバを支持するファイバ載せ台と、前記切断準備位置に配置された刃台を付勢して前記初期位置に移動するための刃台移動用スプリングと、前記刃台を前記切断準備位置に係止しかつ係止解除操作によって前記刃台の係止を解除する刃台係止部とを有し、前記刃台を、前記刃台移動用スプリングの弾性付勢力によって切断準備位置から初期位置へ移動させることで、前記刃部材によって、前記ファイバ載せ台に支持された光ファイバに傷を形成可能に構成され、
前記刃台は、前記外装ケースから外側に突出する前記初期位置から、その先端が前記装置本体の外装ケース外面から突出しないかあるいは前記外装ケースから外側へ前記初期位置に比べて小さい突出寸法で突出する前記切断準備位置へ押し込み可能であり、
前記押さえレバーの前記ファイバ押さえアームには、前記レバー本体の前記装置本体に対する閉じ操作によって前記装置本体のファイバ載せ台に対して閉じ合わせ可能なファイバ押さえ部が先端部に突設され、前記押さえレバーの前記レバー本体には、前記ファイバ押さえ部が前記ファイバ載せ台に閉じられた状態における該レバー本体の閉じ操作によって前記刃台係止部を係止解除操作する係止解除部が設けられ、
前記開放規制機構は、前記ファイバ押さえアームの前記ファイバ押さえ部が前記装置本体の前記ファイバ載せ台に閉じられかつ前記装置本体の前記刃台係止部が前記刃台を前記切断準備位置に係止した状態で、前記ファイバ押さえアームの開方向への回動の規制及び許可を切り替え可能であり、
前記ファイバ押さえ部が前記ファイバ載せ台に閉じられた前記ファイバ押さえアームの開方向への回動を前記開放規制機構によって規制した状態で、前記ファイバ押さえアームから前記装置本体とは反対の背面側に離隔して配置された前記レバー本体を閉じ方向に回動可能、かつ該回動を行なうことで前記係止解除部によって、前記刃台を前記切断準備位置に係止している前記刃台係止部を係止解除操作可能に構成され、
前記光ファイバカッタは、前記収容ケースの互いに離隔した位置に形成された受圧壁の間に配置され、前記切断準備位置から前記装置本体の外装ケース前側に突出された刃部材付き可動ユニットの先端と、装置本体後端部とを、前記刃台移動用スプリングの弾性付勢力によって、それぞれ前記受圧壁に当接させて、前記受圧壁間に保持され、
前記開放規制機構によって、前記ファイバ載せ台に対する閉じ位置にある前記ファイバ押さえ部の前記ファイバ載せ台に対する離隔方向への移動が規制されている光ファイバカッタ内蔵ケース。 - 前記光ファイバカッタの前記装置本体は、前記刃台の移動に伴う前記刃部材の可動範囲を介して両側に配置された一対の前記ファイバ載せ台を有し、
前記押さえレバーは、前記装置本体の前記一対のファイバ載せ台に架設状態に載置された光ファイバの前記一対のファイバ載せ台間に位置する部分を押圧して、前記刃部材によって傷を形成した光ファイバを劈開により破断させる枕部を有し、
該枕部は、前記レバー本体の前記装置本体に対する開位置から閉じ方向への回動によって前記装置本体に対面される側に、スプリングを介して前記レバー本体から離隔させて設けられている請求項1に記載の光ファイバカッタ内蔵ケース。 - 前記収容ケースは、ケース本体と該ケース本体に対して開閉可能な蓋部材とを有し、
前記光ファイバカッタは、前記装置本体の底面を、前記収容ケースのケース本体の底板に対面させ、前記ケース本体の底板の片面側の互いに離隔した位置に突設された前記受圧壁の間に配置されている請求項1又は2に記載の光ファイバカッタ内蔵ケース。
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