JP5204225B2 - マルチユーザ無線チャネルを利用するネットワークのための経路指定プロトコル - Google Patents

マルチユーザ無線チャネルを利用するネットワークのための経路指定プロトコル Download PDF

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Description

関連出願の相互参照
本出願は、参照によってその全体が本明細書に組み込まれている、2007年7月6日出願した、「Superposition Coding for Wireless Mesh Networks」という名称の米国特許仮出願第60/958,622号による優先権を主張する。本出願の主題は、やはり参照によってその全体が本明細書に組み込まれている、本出願と同日に出願した、「Media−Access−Control Protocol for a Network Employing Multi−User Wireless Channels」という名称の米国特許出願第12/124,258号、参照整理番号Li10−31−52の主題と関連する。
本発明は、無線ネットワークに関し、より詳細には、単一送信機から複数受信機への、および/または複数送信機から単一受信機への時間重複独立ユニキャスト伝送のための通信プロトコルに関する。
このセクションでは、本発明をより理解しやすくするのを助け得る態様を紹介する。したがって、このセクションの記述は、この見方で読むべきであり、従来技術にあること、または従来技術にはないことについての是認と理解するべきではない。
従来の無線ネットワークは典型的には、ユニキャスト伝送、すなわち、通信パケットが単一送信機から単一指定受信機に送られる伝送のための二地点間リンクとして無線チャネルを取り扱う。この取り扱いは、マルチユーザ無線チャネルの利益を軽視し、または完全に見落としがちであるという点において、不利な場合がある。マルチユーザ無線チャネルは、単一送信機から複数受信機への、および/または複数送信機から単一受信機への時間重複ユニキャスト伝送を可能にする。マルチユーザ無線チャネルの使用により、有利には、ハードウェアのコストを大幅に増大することなく、ネットワークの伝送容量を増大することができる。ただし、マルチユーザ無線チャネルの利益を実現するのに使うことができる様々な通信プロトコルは、現時点では十分に開発されていない。
D. Tse、P. Viswanath、「Fundamentals of Wireless Communication」Chapter 6、Cambridge University Press、2005年 K.−Y. Doo、J. Young Song、D.−H. Cho、「Enhanced Transmission Mode Selection in IEEE 802.11a WLAN System」、Proceedings of Vehicular Technology Conference、Los Angeles、2004年9月、5059〜5062頁
従来技術における問題は、経路指定プロトコルによって対処され、その一実施形態によると、無線ネットワークの第1のステーションは、多層信号の出現について、および指定された最小伝送速度を達成する能力について、トラフィックフローに対応するその発信伝送を監視する。この監視に基づいて、第1のステーションは、監視トラフィックフローを、経路変更の候補として識別する発信要請メッセージを伝送することができる。要請メッセージを受信すると、無線ネットワークの第2のステーションは、第2のステーションを通るように監視トラフィックフローを経路変更することが、現時点で第2のステーションによって扱われている他のトラフィックフローに対するデータ処理量を減少せずに、そのトラフィックフローに対するデータ処理量を増大することが可能かどうか評価する。この評価に基づいて、第2のステーションは、監視トラフィックフローを経路変更するための提案を第1のステーションに伝送することができる。第1のステーションは、この提案を、たとえばそれによる利益を、第1のステーションが要請メッセージに応答して無線ネットワークの他のステーションから受信したかもしれない代替提案の利益と比較することによって評価する。後者の評価に基づいて、第1のステーションは、その提案が好ましいと思われるステーションを通るように、監視トラフィックフローを経路変更することができる。
一実施形態によると、無線ネットワークの第1のステーションの所で、通信方法は、(A)第2のステーションによって経路変更の候補として扱われる第1のトラフィックフローを識別する着信要請メッセージを、無線ネットワークの第2のステーションから受信するステップと、(B)1つまたは複数の多層信号を用いて扱われる第1のトラフィックフローを、第1のステーションを通るように経路変更することが、現時点で第1のステーションによって扱われている他のそれぞれの1つまたは複数のトラフィックフローに対する1つまたは複数のデータ処理量を減少せずに、第1のトラフィックフローに対するデータ処理量を増大することが可能かどうか評価するステップとを含む。
別の実施形態によると、無線ネットワークの第2のステーションの所で、通信方法は、(A)現時点で第2のステーションによって扱われている第1のトラフィックフローが、少なくとも1つの多層信号を用いて扱われているかどうか判定するステップと、(B)その判定に基づいて、第1のトラフィックフローを経路変更の候補として識別する要請メッセージを伝送するステップと、(C)第1のステーションを通るように第1のトラフィックフローを経路変更するための提案を、無線ネットワークの第1のステーションから受信するステップであって、この提案が、要請メッセージの受信に応答して生成されるステップとを含む。
さらに別の実施形態によると、無線ネットワークは、対応する1つまたは複数の無線リンクを介して結合された第1および第2のステーションを備える。第1のステーションは、(A)第2のステーションによって経路変更の候補として扱われる第1のトラフィックフローを識別する要請メッセージを、無線ネットワークの第2のステーションから受信し、(B)1つまたは複数の多層信号を用いて扱われている第1のトラフィックフローを、第1のステーションを通るように経路変更することが、現時点で第1のステーションによって扱われている他のそれぞれの1つまたは複数のトラフィックフローに対する1つまたは複数のデータ処理量を減少せずに、第1のトラフィックフローに対するデータ処理量を増大することが可能であるかどうか評価し、(C)この評価に基づいて、第1のステーションを通るように第1のトラフィックフローを経路変更するための提案を第2のステーションに伝送するように適合される。第2のステーションは、(A)第1のトラフィックフローが、少なくとも1つの多層信号を用いて扱われているかどうか判定し、(B)その判定に基づいて、要請メッセージを伝送し、(C)経路変更するための提案を第1のステーションから受信するように適合される。
本発明の他の態様、特徴、および利益が、以下の詳細な説明、添付の特許請求の範囲、および添付の図面からより完全に明らかになるであろう。
本発明の様々な実施形態を内部で実施することができる代表的な無線ネットワークを示す図である。 図2A乃至図2Cは、本発明の一実施形態による、図1のネットワーク内で重ね合せ符号化(SPC)を実装するのに使うことができる代表的な通信信号を示す図である。 本発明の一実施形態による、図1のネットワーク内で用いることができる物理レイヤ・フレームを示す図である。 図4A及び図4Bは、本発明の一実施形態による、図1のネットワークのMAC(媒体アクセス制御)レイヤ内で用いることができるDATA(データ)およびACK(肯定応答)パケットの代表的な形式を示す図である。 図5A及び図5Bは、本発明の一実施形態による、図1のネットワークのMACレイヤ内で用いることができるRTS(送信要求)およびCTS(送信可)パケットの代表的な形式を示す図である。 本発明の一実施形態による、図1のネットワークのステーションで使うことができるMACスケジューラのフローチャートを示す図である。 本発明の別の実施形態による、図1のネットワークのステーションで使うことができるMACスケジューラのフローチャートを示す図である。 本発明の一実施形態に従って経路指定プロトコルを内部で実施することができる、図1のネットワークの断片を示す図である。 本発明の一実施形態による、図1のネットワークのステーションで使うことができる経路指定プロトコルのフローチャートを示す図である。
図1は、本発明の様々な実施形態を内部で実施することができる代表的な無線ネットワーク100を示す。ネットワーク100は、複数のメッシュ・ノード110を有するメッシュ・ネットワークである。各ノード110は、いくつかの機能を実施するように適合される。たとえば、ノードは、エリア内に存在する移動端末(MT)120〜120など、1つまたは複数のMT用のアクセス・ポイント(AP)として機能し得る。各MT120は、ノード110の対応する(一般に、最も強い受信力を提供する)1つとの無線通信リンク115を確立することによって、ネットワーク100にアクセスすることができる。ノードはさらに、ネットワーク100が無線リンク105を介して、ノードからノードに通信信号を中継することを可能にする迂回中継ルータとして機能し得る。ノード110の一部、たとえば、ノード110およびノード110はさらに、それぞれの有線または無線リンク125を介して、外部の有線ネットワーク130、たとえば、インターネットや私設有線ネットワークに、ネットワーク100を接続するゲートウェイとして機能し得る。ネットワーク100のメッシュ・トポロジにより、ノード110のほぼどの通信ペアに対しても伝播パスの多様性が与えられ、このことは、こうしたノードの間に少なくとも2通りの信号伝播経路が存在することを意味する。
本発明の実施形態に従って構成された場合、ネットワーク100は、マルチユーザ無線チャネルをサポートすることが可能である。たとえば、一実施形態では、ネットワーク100の物理(PHY)レイヤは、重ね合せ符号化(SPC)および逐次干渉除去(SIC)によりマルチユーザ無線チャネルを使用可能にする。ネットワーク100の媒体アクセス制御(MAC)レイヤは、動的設定での適切な伝送機会を識別し、ネットワークの様々なステーション(たとえば、ノード110およびMT120)向けの無線媒体へのアクセスを調停することによって、こうしたPHYレイヤ性能を強化する。ネットワーク100の経路指定レイヤは、マルチユーザ無線チャネルの使用により伝送機会の数を増加する(たとえば、最大にする)信号伝播経路を識別し、こうした経路を通してトラフィックフローを方向づけることによって、マルチユーザ無線チャネルの有用性を高める。PHY、MAC、および経路指定レイヤについてはそれぞれ、後でより詳しく説明する。
物理レイヤ
このサブセクションでは、特に、重ね合せ符号化(SPC)および逐次干渉除去(SIC)の概要を述べる。この概要は、後続サブセクションで記載されるMACおよび経路指定プロトコルのいくつかの特徴を理解するのを助けることを意図している。SPC符号化およびSIC処理についてのそれ以上の詳細は、たとえば、参照によってその全体が本明細書に組み込まれている、D. Tse、P. Viswanath、「Fundamentals of Wireless Communication」Chapter 6、Cambridge University Press、2005年に見ることができる。
SPC符号化は、2つ以上の受信機への独立メッセージの同時伝送のために送信機によって用いることができる技法である。簡単にするために、ここでは、2台受信機のケースに限定する。送信機は、たとえば、ノード110aでよく、2つの受信機は、たとえば、(i)MT120および120または(ii)ノード110およびMT120または(iii)ノード110および110でよい。他の送信機/受信機の組合せも可能である。SPC符号化では、2つの受信機に対応する、通信リンク内での一般に存在する信号減衰量の差を利用する。送信機電力は、低い方の減衰を受ける信号には、大きい方の減衰を受ける信号より少ない電力が割り当てられるように、2つそれぞれの信号の間で分割される。送信機は、信号それぞれに対して伝送速度を選択し、選択された速度でメッセージそれぞれを別々にエンコードし変調し、その結果生じたそれぞれの信号を、2つの受信機への伝送用に重畳する。
図2A〜Cは、本発明の一実施形態による、ネットワーク100内でSPCを実装するのに使うことができる代表的な通信信号を図表により示す。より具体的には、図2A〜Cは、それぞれ、第1の受信機に向けられた信号(第1層信号)、第2の受信機に向けられた信号(第2層信号)、および対応する重畳信号を図表によって示す。第1および第2層信号は両方とも、四位相偏移(QPSK)変調を用いて生成され、図2A〜Bは、そうした信号をそれぞれの複素平面に示す。第2層信号のものと比較して、第1層信号のより大きい振幅は、図2Aにおいて、QPSK配置点の間を、図2Bのものより離すことによって示される。2つの信号を重ね合わせると、16個の配置点を有する新たな配置が生じる(図2Cを参照)。こうした16個の配置点は、第2層信号の存在により4通りに分けられる、第1層信号の対応するQPSK配置点を各々が有する4つのカルテットからなる。図2A〜Cで示す技法は、3つ以上の信号層にさらに拡張できることが、当業者には理解されよう。
一構成では、2つの予定受信機は、異なる信号処理方式を用いて受信信号をデコードすることができる。より具体的には、第1層信号の予定受信機は、第1層信号をデコードし、重畳された第2層信号はノイズまたは干渉として取り扱う。第2層信号の予定受信機が、SIC処理を用いて第2層信号をデコードするが、その間、受信機は最初に第1層信号をデコードし、再エンコードし、その結果生じた信号を元の重畳信号から抜き出し、次いで、残った信号をデコードする。たとえば、受信機トレーニングの間、第1層信号用の配置点からなる複素平面上の場所が、対応する各カルテットの点を1つにクラスタ化することによって判定される。次いで、スライス閾値が、判定された場所に基づいて設定される。通常動作中、スライス閾値は、スライス決定を行い、第1層信号によって搬送されるデータを復元するのに使われる。復元されたデータに基づいて、重畳信号への第1層信号の推定寄与分(contribution)が算出される。推定寄与分は次いで、重畳信号から抜き出されて、推定第2層信号が得られる。最後に、第2層信号が従来のやり方で処理されて、エンコードされたデータが復元される。
第1層信号の予定受信機は通常、第2層信号をノイズまたは干渉として取り扱い、一部のケースでは、この受信機は、第2層メッセージの内容を事前に知ることができる場合がある。このような知識はこれ以降、「サイド情報」と呼ばれる。サイド情報を用いて、受信機は、デコード処理の前に第2層信号を抜き出すことができる。サイド情報の使用は、第1層信号に関する有効信号対ノイズ比(SNR)を改善するので有益であり、改善の結果、対応する送信機は、第1および第2層信号の間のより有利な異なる電力割当てならびに/または第1層信号向けのより高いデータ速度を用いることが可能になる。
代替構成では、受信機は、重畳信号(図2Cを参照)をデコードし、第1および/または第2タイヤ構成素信号(図2A〜B)によって搬送されるデータを、これ以降では「ジョイント検出」と呼ばれる検出方法を用いて復元することができる。ジョイント検出は、重畳信号(図2C)を、16値直交振幅変調(16QAM)を用いて生成されたものであるかのように検出する。各タイム・スロット中に、重畳信号は、それがどの16QAMシンボルに対応するか判定するために、適切にスライスされる。第1および第2層の構成素信号によって搬送されるデータは次いで、その16QAMシンボルから推論される。受信機は、所望されない構成素信号に対応するデータを破棄し、所望されるものに対応するデータを保持すればよい。
図3は、本発明の一実施形態による、ネットワーク100内で用いることができるPHYレイヤ・フレーム(パケット)300を示す。フレーム300の形式は概して、参照によってその全体が本明細書に組み込まれているIEEE標準802.11の相互運用可能なPLCP(物理レイヤ収束プロトコル)プロトコル・データ単位(すなわちPPDU)のものに類似している。ただし、フレーム300のいくつかのフィールドは、PPDUの対応するフィールドとは異なる。
フレーム300は、PLCPプリアンブル、PLCPヘッダー、およびPLCPサービス・データ単位(PSDU)を含む。PLCPプリアンブルは、同期(SYNC)およびフレーム開始部(SFD)というフィールドを含む。PLCPヘッダーは、シグナリング(SIGNAL)、サービス(SERVICE)、長さ(LENGTH)、および巡回冗長コード(CRC)というフィールドを含む。こうしたフィールドはそれぞれ、IEEE標準802.11bに詳しく記載されている。PSDUの形式は、過去のIEEE標準802.11に記載されているものと同様である。
フレーム300は、たとえば以下のようにSPC符号化およびSIC処理を有効にするのに使うことができる。SFDフィールドは、リンクにおけるSNRおよび信号減衰の推定用のパイロット信号として使われる。このチャネル推定情報は、受信機の所で導出され、次いで、たとえばMACレイヤ・パケット(次のサブセクションを参照)を使って、送信機にフィードバックされる。チャネル推定情報は好ましくは、たとえば単一受信機から発生された伝送から導出される。というのは、複数送信機から発生する時間重複伝送にとって、合成SNRを、個々の通信リンクに対応する個々のSNR成分に分解することは、比較的計算集中的な場合があるからである。
フレーム300のSIGNALフィールドは、従来の802.11PLCPヘッダーのものとは、複数信号層向けの速度および電力などの追加パラメータを調節することができる可変長であるという点で異なる。たとえば、サブフィールドCNTは、パケット中の層の数を示す(たとえば、2層信号の場合、CNT=2)。サブフィールドSGNL1およびSGNL2は、それぞれ、第1および第2層信号用の速度を示す。同様に、サブフィールドPWR1、PWR2は、それぞれ、第1および第2層信号に割り当てられる電力を示す。SIGNALフィールドは、対応する第1層パケットを識別し、対応するサイド情報(利用可能な場合)を受信機が利用することを可能にする、任意選択のサブフィールドPKTID1も有し得る。同様の任意選択サブフィールド(明示的には図示せず)を、第2層信号用に追加することもできる。サブフィールドSGNL1、PWR1、PKTID1に類似した追加サブフィールドを、それ以上のどの信号層用に追加することもできる。好ましい構成において、PLCPプリアンブルおよびPLCPヘッダーは、SPC符号化されず、ベース速度およびフル伝送電力を用いて伝送される。
一実施形態では、PSDUは、エラー訂正コードを使って生成される。このコードは、伝送エラーがあるにも関わらず、受信機が第1層信号を正確に再現することを可能にし、そうすることによって、第1層信号の抜出しの後で第2層信号が再現される際の正確さも向上する。たとえば、リードソロモン・エンコードは、このようなエラー訂正機能性を提供することが可能である。IEEE標準802.11bに記載されているパケット・スクランブル化の使用は、パケット・エラー・レート(PER)をさらに低下するために、任意選択で実装することができる。
ネットワーク100のステーション(たとえば、ノード110やMT120)は、そのリンクそれぞれに関する推定SNRをSNRテーブルに格納するように構成される。各リンクごとに、SNRテーブルは好ましくは、(1)最も直近のSNRおよび(2)平均化間隔が、たとえば数秒間である平均SNRを含む。SNRテーブルは、対応するエントリのタイムスタンプを用いて周期的にリフレッシュすることができる。たとえば、チャネル可干渉時間より古いエントリは、消去してよい。チャネル可干渉時間は、ネットワーク環境に依存し、大体数百ミリ秒から数秒でよい。SNRテーブル中の各エントリは、格納された値が、対応する送信機にフィードバック済みであるかどうかを示すフラグをもつ。SNRテーブルは、PHY、MAC、および経路指定レイヤによって維持され共有される。
SNRテーブル中に対応するエントリがないリンクを越える伝送のために、ネットワーク100内の送信機(たとえば、ノード110やMT120)は、従来の伝送モード、たとえば、ベース速度、フル伝送電力、およびSPC符号化なしに復帰するように構成される。SNRテーブル中に対応するエントリがあるリンクを越える伝送のために、送信機は、たとえば以下のように、SPC符号化を用いるように構成される。送信機は、SNRテーブルから適切なエントリを取り出し、そのエントリを使って、各信号層に対する速度および電力割当てを判定する。送信機は次いで、それぞれの速度を用いて各層ごとにそれぞれの信号を生成し、判定された電力割当てに基づいて各信号をスケーリングする。このようにして生成された個々の信号が合計されて、対応する重畳PSDU(図3を参照)が生成される。送信機は次いで、対応するPLCPプリアンブルおよびPLCPヘッダーをPSDUの前に置いて、フレーム300を生成する。最後に、フレーム300は、予定受信機に伝送される。
予定受信機(たとえば、ノード110やMT120)で、フレーム300は、たとえば以下のように処理される。フレーム300のPLCPヘッダーを処理し、そのSIGNALフィールドを解析することによって、受信機はそのフレームを、SPC符号化信号を含むものとして識別する。受信機は次いで、上述のSIC処理を適用して、PSDU中の異なる信号層を再帰的に復調しデコードする。受信機は、そのSIC処理においてサイド情報(利用可能な場合)を使うことができる。適切なサイド情報パケット(群)は、たとえば、SIGNALフィールドにある対応するパケットID(群)をキー(群)として使ってパケット・キャッシュから取り出すことができる。
SIC処理は、受信機の所で時間重複伝送を生成するために、受信機によっていくつかの送信機がトリガされる状況で用いることもできる。送信機は、リンク非対称性(すなわち、それぞれのリンク中で適切に異なる信号減衰)により、受信機の所でデコード可能信号層を作成するジョブを行う、従来の(SPC符号化ではない)伝送を実施する。受信機は最初に、受信した重畳信号をバッファに格納すればよい。受信機は次いで、格納された信号を処理して、SPC符号化信号の第1層信号用に用いられるものと類似した処理を用いて、相対電力が最も高い構成素信号を抽出し、復調し、デコードする。複数送信機ケースでは、異なる信号層を完全に時間整合しなくてもよい場合があることに留意されたい。したがって、抜出し操作の前に、受信機は、再現された第1層信号を、バッファに格納された元のものと適切に整合した後でようやく、抜出しを実施する。抜出しの後で、受信機は、第2層信号のPLCPプリアンブルを見つけ、次いで、対応するPLCPヘッダーおよびPSDUを処理する。この手順は、全信号層が処理されるまで再帰的に繰り返される。
要するに、PHYレイヤは、多層通信信号の使用により、マルチユーザ無線チャネルを可能にする。多層信号は、その多層信号の層と呼ばれる、2つ以上の独立したデコード可能構成素信号の重ね合せを表す。多層信号は概して、M個の層をもつことができ、Mは1より大きい任意の整数である。層は一般に、信号強度の降順で番号を振られ、第1層信号が最高強度をもち、第2層信号が2番目に高い強度をもつ、などのようになる。多層信号は、少なくとも2通りのやり方で生成することができる。すなわち、(1)送信機がSPC符号化を用いながら発信信号を生成することによって、および(2)無線媒体でのリンク非対称によって、である。リンク非対称は、2つ以上のそれぞれの送信機によって生成される2つ以上の従来の単層信号を、(たとえば、SIC処理で)デコード可能な信号層を作成するように受信機の所で重複させる。「単層信号」という用語は本明細書では、指定された二地点間ユニキャスト伝送に向けられた単一の構成素信号を有する従来の通信信号を指す。
媒体アクセス制御レイヤ
ネットワーク100用のMACレイヤは、(1)チャネル推定情報、たとえば、ステーションのSNRテーブルにあるSNR値を、それぞれの隣接ステーションにフィードバックすることを可能にし、(2)たとえば、複数送信機から単一受信機への時間重複独立伝送、および単一送信機から複数受信機へのSPC符号化伝送により多層信号の使用を可能にし、(3)ネットワーク内の他の競合ステーションに対する長期公平性を維持するように設計される。対応するMACプロトコルは概して、IEEE標準802.11に明記されているMACプロトコルの拡張として取り扱うことができる。802.11MACプロトコルは、こうした設計目標を達成するために、後で説明するように修正される。
図4A〜Bは、本発明の一実施形態による、ネットワーク100のMACレイヤ内で用いることができるDATA(データ)およびACK(肯定応答)パケットの代表的な形式を示す。DATAパケット(図4A)は、フレーム制御、持続期間、アドレス1、アドレス2、アドレス3、シーケンス制御、アドレス4、CHA(チャネル推定)、TRG(トリガ)、フレーム本体、およびFCS(フレーム検査シーケンス)というフィールドを含む。ACKパケット(図4B)は、フレーム制御、持続期間、RA(受信機アドレス)CHA、CNT(保留パケット・カウント)、およびFCS(フレーム検査シーケンス)というフィールドを含む。CHA、TRG、およびCNTフィールド以外の全フィールドは概して、IEEE標準802.11に記載されている対応するフィールドに類似している。ACKまたはDATAフレームのフレーム制御のタイプおよびサブタイプは、新しい形式、たとえばタイプ01およびサブタイプ0101、または古い形式、たとえばタイプ01およびサブタイプ1101のどちらが使われているかを示す場合がある。新しい形式のCHA、TRG、およびCNTフィールドについては、下でより詳しく説明する。
フィールドCHAは、チャネル推定情報を含む。上述したように、チャネル推定情報は、ネットワーク100のステーションによって受信されるPHYレイヤ・パケットのSFDを用いて、PHYレイヤ内で導出されるが、このパケットは、1つまたは複数のそれぞれの追加送信機からの1つまたは複数の追加パケットで時間重畳されない。受信PHYレイヤ・パケットは、MACレイヤのDATAまたはACKパケットに対応し得る。ステーションは、導出したチャネル推定情報を、受信パケットの発信元に向けられる次のACKまたはDATAパケットのCHAフィールドを用いて、その発信元にフィードバックすることができる。複数受信機に向けられたパケットは、複数それぞれのリンクに対応するチャネル推定情報を含み得る。
フィールドCHAは、以下のサブフィールドをもつ。サブフィールド「リンク数」は、何個のリンクに関してチャネル推定情報がフィードバックされているかを示す。サブフィールド「リンク−1」は、第1のリンクのIDを与える。サブフィールド「EST−1」は、そのリンクの推定SNRを与える。サブフィールド「タイムスタンプ−1」は、チャネル推定がいつ取得されたかを示すタイムスタンプをもつ。フィールドCHAは、任意の追加リンク(例示的には第kのリンク)向けの追加サブフィールドである「リンク−k」、「EST−k」、「タイムスタンプ−k」を含む場合もある。
ACKパケットのフィールドCNTは、ステーションが、そのACKパケットの予定受信機(RA)向けの何らかの保留パケットをもつかどうかを示すのに使われる。各ステーションは、保留パケット・カウント(すなわち、このステーションへの伝送用に、対応する隣接ステーションの所で保留されているパケットの数)をもつ保留トラフィック・テーブルを維持するように構成される。このような各エントリは、受信ACKパケットのそれぞれのフィールドに含まれる情報に基づいて時々リフレッシュされ、またはタイム・アウトによって(たとえば、エントリの期間が、指定された一定の期間を超えたとき)クリアされる。保留パケット・カウントは、各DATAパケットが対応する隣接ステーションから受信されると、1だけ減らされる。
フィールドTRGは、複数それぞれの送信機から単一受信機への、パケットの時間重複伝送を可能にするのに使うことができる。フィールドTRGは、以下のサブフィールドをもつ。サブフィールド「送信元数」は、トリガされるべき送信元の数を示す。サブフィールド「送信元−1」は、第1の送信元のIDを与える。サブフィールド「速度−1」は、第1の送信元向けの速度を示す。サブフィールド「電力−1」は、第1の送信元向けの電力を示す。フィールドTRGは、任意の追加送信元(例示的にはk)向けの1つまたは複数の追加サブフィールドである「送信元−k」、「速度−k」、および「電力−k」を含む場合がある。
一構成では、フィールドTRGは、たとえば以下のように使うことができる。分かりやすく提示し、一般性を失わないために、2台送信機の例を挙げる。3つ以上の送信機から単一受信機への時間重複伝送も同様に実装できることが、当業者には理解されよう。2台送信機例の場合の3つのステーションは、ステーションA、B、Cと呼ばれ、ステーションB、Cは、それぞれ、対応する多層信号の第1および第2層信号に対応する。
DATAパケットを伝送用にスケジュールする前に、ステーションAは、その保留トラフィックおよびSNRテーブルを照会して、ステーションAへの時間重複伝送による利益を受け得る隣接ステーションがあるかどうか判定する。このような状況を保留トラフィック・テーブルが示す場合、ステーションAは、対応するトリガ・フィールドをそのDATAパケットに挿入する。この例では、トリガ・フィールドは、ステーションB、Cならびにその推奨伝送電力および速度を列挙することになり、電力および速度は、SNRテーブルに基づいて導出される。トリガ・フィールドは、ステーションB、Cに対して、両ステーションがステーションAへのそれぞれの伝送を、各々がそれぞれの推奨速度および電力を用いて始めてもよいことを示す。SIFS(最短フレーム送信間隔)間隔の経過後、ステーションB、Cはそれぞれ、ACKパケットおよび1つまたは複数のDATAパケットを伝送する。こうした伝送は概して、ステーションAがパケット再整合およびSIC処理を適用して受信パケットをデコードすることができるので、同期をとられないことに留意されたい。ステーションB、CからステーションAへ伝送するべきDATAパケットがない場合、トリガ・フィールドに示される速度および電力は、依然としてステーションB、Cから時間重複ACKパケットを送るのに使うことができる。ステーションA、B、Cはそれぞれ、最近送られたパケットを、将来はサイド情報として使用する可能があるため、送付パケット・キャッシュに格納するように構成される。トリガ・フィールドが存在しない場合、ステーションB、Cは、ACK伝送を時間重複させるのではなく、追加SIFS間隔だけ離して、ステーションBはそのACKパケットを第1のSIFS間隔の後に最初に伝送し、ステーションCは、そのACKパケットを追加SIFS間隔の後に2番目に伝送する。
図5A〜Bは、本発明の一実施形態による、ネットワーク100のMACレイヤ内で用いることができるRTS(送信要求)およびCTS(送信可)パケットの代表的な形式を示す。上述のDATAおよびACKパケットは、推測送信機へのチャネル推定情報のフィードバックを完全に可能にするが、RTS/CTSパケットは、このようなフィードバックを与える追加機会として使うことができる。こうした機会は、チャネル推定情報をより最新にし、したがってより正確にするのを助け得る。
RTSパケット510(図5Aを参照)は、フレーム制御、持続期間、RA1(受信機アドレス1)、RA2(受信機アドレス2)など、TA(送信機アドレス)、PORA(電力および速度割当て)、ならびにFCS(フレーム検査シーケンス)というフィールドを含む。フレーム制御、持続期間、TA、およびFCSフィールドはそれぞれ、IEEE標準802.11bに詳しく記載されている。RA1、RA2フィールドはそれぞれ、概してIEEE標準802.11のRTSフレームのRAフィールドに類似している。RA1は、第1層信号の受信機のアドレスを示す。RA2は、第2層信号の受信機のアドレスを示す。その他の1つまたは複数のRAフィールドを、任意の追加層信号の受信機を示すために追加することができる。
フィールドPORAは、以下のサブフィールドをもつ。サブフィールド「受信機数」は、ステーションTAが通信相手として意図する受信機の数を示す。サブフィールド「電力−1」は、受信機RA1に割り当てられる電力を示す。サブフィールド「速度−1」は、受信機RA1に割り当てられる速度を示す。フィールドPORAは、任意の追加受信機(例示的にはk)向けの1つまたは複数の追加サブフィールド「電力−k」、「速度−k」を含む場合もある。
RTSパケットを伝送するステーションが、フィールドRA1、RA2で示されるステーションに関する有効なチャネル推定情報をもつ場合、RTSパケットのフィールドPORAは、そうしたステーションからの2つそれぞれのCTSパケット520(図5Bを参照)の伝送用の速度および電力割当てを示し、こうしたパケットは両方とも、単一SIFS間隔の経過後に伝送され、したがって、時間が重複し、予定受信機、すなわちTAステーションの所で、対応する多層信号を生じる。予定受信機は、上述のパケット再整合およびSIC処理を適用して、こうした時間重複したCTSパケット520をデコードすることになる。RA1、RA2ステーションの少なくとも一方に関するチャネル推定情報が利用可能でない場合、そうしたステーションは、CTS伝送を時間重複させるのではなく、追加SIFS間隔だけ離して、RA1ステーションはそのCTSパケット520を第1のSIFS間隔経過後に最初に伝送し、RA2ステーションは、そのCTSパケット520を、追加SIFS間隔経過後に2番目に伝送する。
CTSパケット520(図5B)は、フレーム制御、持続期間、RA(受信機アドレス)、CHA(チャネル推定)、およびFCSというフィールドを含む。フレーム制御、持続期間、RA、およびFCSフィールドはそれぞれ、IEEE標準802.11に詳しく記載されている。CTSパケット520のRAフィールドは、このCTSパケットがそれに対する応答である直前のRTSパケット510にあるTAフィールドのコピーである。CTSパケット520のフィールドCHA中のサブフィールド「推定」は、対応するリンクに関する推定SNRを示し、このSNRは、先行RTSパケット510に対応するPHYレイヤ・パケットのSFDを使って算出されている。フィールドCHA中のサブフィールド・タイムスタンプは、SNRが取得されたときを示すタイムスタンプをもつ。CTSパケット520を受信すると、RAステーションは、このSNRをステーションのSNRテーブルに格納することになる。
図6は、本発明の一実施形態による、ネットワーク100のステーションで使うことができるMACスケジューラ600のフローチャートを示す。より具体的には、MACスケジューラ600は、単一送信機から複数受信機へのSPC符号化伝送をスケジュールするのに使うことができる。MACスケジューラ600は、ネットワークが多層信号を利用せずに従来の単層信号を使って動作するように構成されたとき、ネットワーク100での使用に適した、「基本」MACスケジューラへの拡張を提供するように設計される。基本MACスケジューラは、FIFO(先入れ先出し)、ラウンドロビン、および比例公平性スケジューラの1つなど、従来技術のMACスケジューラでも、他の任意の(たとえば、将来開発される)適切なMACスケジューラでもよい。
スケジューラ600の処理ブロックで、基本MACスケジューラが稼動されて、ステーションからの次の想定伝送を判定する。基本MACスケジューラの結果は、基本MACスケジューラへのアドオンを表す処理ブロック620に供給される。処理ブロック620は、マルチユーザ無線チャネルを使用することによって、ステーション向けのデータ処理量を改善するという目的に適う。
処理ブロック620の説明では、以下の呼称が使われる。ステーションは、1≦i≦nである索引iで示されるn個の隣接ステーションをもつと仮定される。hは、対応する第iのリンクにおける信号減衰(しばしば、チャネル利得とも呼ばれる)を示す。Qは、第iのリンクを越える伝送を待ち受けるパケットのキューを示し、|Q|はキューQの全長である。特に別段の記載がない限り、各(SPC符号化された、またはされない)伝送の総電力はPに固定され、全パケットが同じサイズ(群)であり、2つの信号層があると仮定される。Nは、バックグラウンド・ノイズを示す。R(1)(i,p)およびR(2)(i,p)は、それぞれ、第iのリンクの第1および第2層信号用の伝送速度を戻す関数を示し、pは、対応する信号に割り当てられた伝送電力を示す変数である。tは、第jのパケットの、ステーションでの到着時間を示す(到着時間は、第jのパケットの前に到着したパケットの数によって表され、したがって、ACK、DATAおよびCTSのCHAフィールド中のタイムスタンプとは異なる)。Dは、ステーションがSPC符号化で伝送されるべきパケットをその間に探す最大深度(キューの先頭との時間のずれ)を示すパラメータである。その深度の外にあるパケットは、深度D以内になるようにキューの中で繰り上がるまで、SPC符号化が検討されない。Dが十分に大きい場合、事実上、キュー全体がSPC符号化にふさわしいものとなる。
処理ブロック610の基本MACスケジューラは、伝送されるべき次のパケットがpkti1であると判定していると想定し、iは、対応する伝送リンクを識別する索引であり、tは、パケットpkti1の到着時間である。基本MACスケジューラは、この判定を処理ブロック620に与える。処理ブロック620は、概して類似したステップからなる2つの並列分岐621、621をもつ。分岐621は、pkti1を対応する多層信号の第1層信号として取り扱い、下付き文字「1」で指定される処理ステップを有する。同様に、分岐621は、pkti1を第2層信号として取り扱い、下付き文字「2」で指定される処理ステップを有する。MACスケジューラ600の異なる実施形態では、1つまたは複数の追加信号層に対応する1つまたは複数の追加並列分岐を、同様に処理ブロックに含めてよいことが、当業者には理解されよう。
ステップ622で、i≠iである各キューQが分析されて、パケットpkti1の伝送中にSPC符号化を用いて伝送することができるパケットの最大総数(N)を判定する。Nは、たとえば式(1)を使って判定することができる。
Figure 0005204225
式(1)で、第1項(すなわち、1)は、パケットpkti1をカウントし、このカウントは、第1層信号として伝送されることになり、第2項(すなわち、min関数)は、キューQにある可能な追加パケットをカウントし、このカウントは、第2層信号として伝送されることになり、|Q(D)は、到着時間がtとはわずかDだけ異なる、バックログになっているパケットの数である。
式(1)で使われる関数R(1)およびR(2)は、IEEE標準802.11に明記される速度、信号対干渉ノイズ比(SINR)、および任意選択でパケット・エラー・レート(PER)の間の既知の関係を用いてそれぞれの速度を戻す。一実装形態では、関数R(1)およびR(2)は、以下のように表される。
Figure 0005204225
別の実装形態では、式(2a)〜(2b)は、PERの影響を考慮するように適切に修正される。速度、SINR、およびPERの間の関係を与える適切な数値関数は、たとえば、参照によってその全体が本明細書に組み込まれている、K.−Y. Doo、J. Young Song、D.−H. Cho、「Enhanced Transmission Mode Selection in IEEE 802.11a WLAN System」、Proceedings of Vehicular Technology Conference、Los Angeles、2004年9月、5059〜5062頁にまとめられている。
ステーション向けのPERは、対応する構成ファイル中で指定される選択可能パラメータである。構成ファイルは、異なる信号層向けに異なるPER値を列挙する場合もある。第1層信号向けのSINRは、式(3a)を使って算出される。
Figure 0005204225
第2層信号向けのSINRは、式(3b)を使って算出される。
Figure 0005204225
それぞれのPER、SINR値は、PER修正された関数R(1)およびR(2)によって戻される速度値を明確に判定する。
ステップ624で、各N(式(1)も参照)に対応するそれぞれの実効データ処理量(T)が、式(4)を使って算出される。
Figure 0005204225
式(4)で、項s/R(1)(i,p)は、パケットpkti1の伝送時間を表すことに留意されたい。したがって、Tは、伝送されるパケットの総数(すなわち、N)をとり、それを伝送時間で割ることによって算出される。
ステップ626で、最も優れたリンクが識別される。より具体的には、最初に、各Tがとり得る最大値が、pを変えることによって判定される。次いで、こうした処理量の可能な最大値のうち最も高いもの(T)が識別される。Tに対応するリンクが、最も優れたリンクであり、これ以降は索引iで示される。Tに対応するpの値は、pと示される。
ステップ628で、対応するSPC構成(すなわち、パケットpkti1が、電力pを有する第1層信号として伝送され、キューQi2にあるパケットが、電力P−pを有する第2層信号として伝送される)で達成することができる可能データ処理量が定量化され、こうした同じパケットがSPC符号化なしで伝送される状況で取得されたデータ処理量と比較される。最初に、そもそもこのSPC構成が何らかの処理量改善を実際にもたらすことになるかどうか判定される。式(5)は、この判定のための適切な基準を与える。
Figure 0005204225
式(5)は、以下のように理解すればよい。式の左辺は、SPC構成を用いて伝送することができるパケットの総数(式(1)も参照)の表現である。式(5)の右辺は、同じ伝送時間中にSPC符号化なしで伝送することができるパケットの総数の表現である。右辺において、第1項は、フル伝送電力(P)を使って伝送することができるパケットpkti1をカウントする。対応する伝送時間は、s/R(1)(i,P)である。SPC符号化あり、およびなしでのパケットpkti1の伝送のための時間差(Δt)が、式(6)で与えられる。
Figure 0005204225
SPC符号化なしの場合、この時間差は、フル伝送電力でキューQi2からパケットを伝送するのに使うことができる。パケット当たりの対応伝送時間は、s/R(2)(i,P)である。このパケット単位伝送時間に対する、式(6)のΔtの比を算出することによって、Δtの間に伝送することができるパケットの数が分かる。この比は、式(5)の右辺にあるmin関数の第1の引数である。このmin関数の第2の引数は、式(1)を参照して上で説明済みであるキューの深度限界である。
式(5)で与えられる基準が満たされる場合、識別されたSPC構成は、従来の単層信号伝送で達成されるものと比較して、処理量を増大することができる。ステップ628で、この増加が、SPC符号化の使用によって伝送が可能にされる追加パケットの数(ΔN)を、たとえば式(7)を使って算出することによって定量化される。
Figure 0005204225
式(5)で与えられる基準が満たされない場合、SPC符号化の使用は有益でなく、ステップ628で、ΔNにはゼロの値が代入される。
分岐621には、ステップ622〜628があり、こうしたステップの実行は、SPC符号化の使用によって伝送が可能にされる追加パケットの数(ΔN)をもたらし、パケットpkti1は第2層信号である。より具体的には、ステップ622で、パケットの最大総数(N)が、式(1)を適切に修正することによって得られる式(8)を使って判定される。
Figure 0005204225
ステップ624で、それぞれの各N(式(8))に対する各実効処理量Tが、式(9)を使って算出される。
Figure 0005204225
ステップ626で、実効処理量を最適化しソートすることによって、最も優れたリンクが識別される。最後に、ステップ628で、ΔNが、式(10)を使って算出される。
Figure 0005204225
算出されたΔNは、正でない場合はゼロの値を代入される。
ステップ630で、ΔNとΔNの値が互いと、およびゼロと比較されて、最も有益な伝送構成が判定される。より具体的には、ΔNおよび/またはΔNがゼロより大きい場合、最も有益な伝送構成は、2つの値の高い方に対応するSPC構成である。一方、ΔNおよびΔN両方がゼロの場合、最も有益な伝送構成は、SPC符号化なしのものである。
ステップ632で、MACスケジューラ600は、処理ブロックで判定された最も有益な伝送構成を用いて発信信号を伝送するようにステーションを構成する。たとえば、ΔN、ΔN、0のうち最も大きいものがゼロの場合、MACスケジューラ600は、フル伝送電力で、SPC符号化なしでpkti1を伝送するようにステーションを構成する。最も大きい値がΔNの場合、MACスケジューラ600は、pkti1を第1層信号として伝送しながら、分岐621で判定された最も優れたリンクに対応するパケットも第2層信号として伝送するようにステーションを構成する。第1および第2層信号の間の電力割当てはp/P−pであり、伝送速度は、それぞれR(1)(i,p)およびR(2)(i,P−p)である。最も大きい値がΔNの場合、MACスケジューラ600は、pkti1を第2層信号として伝送しながら、分岐621で判定された最も優れたリンクに対応するパケットも第1層信号として伝送するようにステーションを構成する。第1および第2層信号の間の電力割当てはp/P−pであり、伝送速度は、それぞれR(1)(i,p)およびR(2)(i,P−p)である。
以下の例は、MACスケジューラ600の処理をさらに例示する。ただ2つのリンク、すなわちi=1およびi=2しかないと想定する。こうしたリンクを越える達成可能な個々の最大速度は、それぞれ9、36であると想定する。言い換えると、R(1)(1,P)=9およびR(1)(2,P)=36である。ステップ622〜626の処理で、R(1)(1,p)=6およびR(2)(2、P−p)=24であると判定していると想定する。バックログになっている十分な数のパケットを仮定すると、ステップ628の実行により、ΔN=2[=24/6−(1/6−1/9)36]が生じる。分岐621の処理はΔN=0をもたらすとさらに仮定すると、MACスケジューラ600は、SPC符号化を用いるようにステーションを構成することになり、第1および第2のリンクに対応するパケットは、それぞれ第1および第2層信号として伝送される。SPC符号化を使用した結果、番号2のキューにある2つの追加パケットの伝送に対応する処理量の増大が生じる。
一実施形態では、処理ブロック620は、分岐621、621と並列に実行されて、利用可能なサイド情報の可能利益を評価する追加分岐を含むように修正してよいことが、当業者には理解されよう。この追加分岐には、概して処理ステップ622〜628と類似した処理ステップがある。ただし、この追加分岐の処理では、既知の干渉信号の抜出しが公知の定量化可能方式で実効SINRを低下させるので、修正SINR値を用いる。修正MACスケジューラ600は、3つの処理分岐によって判定されたものを検討した後で、最良伝送構成を選び、その構成を用いるようにステーションを構成することになる。
図7は、本発明の別の実施形態による、ネットワーク100のステーションで使うことができるMACスケジューラ700の処理ブロックを示す。MACスケジューラ600と同様に、MACスケジューラ700は、基本MACスケジューラへの拡張として設計される。MACスケジューラ700は、複数送信機から単一受信機への時間重複伝送をスケジュールするのに使うことができ、単一受信機は、スケジューラを稼動させるステーションである。
処理ブロック710で、基本MACスケジューラが稼動されて、ステーションに向けられる次の伝送を予測する。処理ブロック710は概して、そのキュー・バッファの内容についての知識を用いるのではなく、ステーションが保留トラフィック・テーブルを使うことを除いて、処理ブロック610(図6)と同様である。基本MACスケジューラの結果は、処理ブロック720に供給される。
一実施形態では、MACスケジューラ700は、時間重複伝送の総伝送電力を、指定された値(P)に制限するように設計される。その場合、MACスケジューラ600の処理ブロック620は、MACスケジューラ700の処理ブロック720として、実質的に修正なしで用いることができる。たとえば、2台送信機のケースにおいて、より高い減衰を有するチャネルに対応する送信機の信号は、第1層信号として取り扱われ、より低い減衰を有するチャネルに対応する送信機の信号は、第2層信号として取り扱われる。
別の実施形態では、MACスケジューラ700は、時間重複伝送の総伝送電力を制限しないように設計される。たとえば、送信ステーションはそれぞれ、個々に達成可能な最大伝送電力(P)までの任意の伝送電力を使うように構成することができ、個々の伝送電力の合計は、Pに制限されない。その場合、MACスケジューラ600の処理ブロック620は、依然としてMACスケジューラ700の処理ブロック720として用いることができるが、ある程度の修正が加えられる。より具体的には、ステップ622での対応SINR算出のために式(3a)〜(3b)を使うのではなく、処理ブロック720は、式(11)〜(12)を使うように構成される。
Figure 0005204225
上式で、iおよびjは、それぞれ、第1および第2層信号に対応するリンクを示す。式(12)は、第jのリンクが伝送速度R(1)(j,P)を達成し得るための最小可能pを判定するのに使われる。判定されたpは、式(11)に差し込まれ、この式は次いで、第iのリンク向けの速度および電力を判定するのに使われる。
処理ブロック720の結果に依存して、MACスケジューラ700は、ステップ732で、トリガ・フィールドをもつ発信パケットを伝送するようにステーションを構成することができる。このトリガ・フィールドは、処理ブロックで識別される最も有益な伝送構成に対応するステーションを列挙する。そのパケットを受信し、トリガ・フィールドをデコードすると、識別されたステーションは、トリガ・フィールドに示されるそれぞれの速度および電力を各々が用いて、それぞれの伝送を始めることになる。こうした伝送は重複して、現在のステーションの所で対応する多層信号を生じることになり、ステーションは、パケット再整合およびSIC処理を適用してその信号をデコードする。
ネットワーク100の異なるステーションが、MACスケジューラ600および/または700の使用により、異なる程度の利益を受ける場合もある。というのは、実現される処理量改善は、実際のネットワーク環境およびトラフィック・パターンに依存するからである。その結果、一部のステーションが、それ以外の一部のステーションを上回る、有効媒体アクセスの面で「公平でない」利点を受ける場合もあり得る。異なるステーションに対する媒体アクセスの公平性が、所望のネットワーク・プロパティである場合、媒体アクセス・パラメータの一定の修正が望ましい場合もある。
概して、チャネルアクセスの公平性のために、(1)均等アクセス確率および(2)均等時分割アクセスという2つの主な手法がある。IEEE標準802.11は、均等アクセス確率手法をとることに留意されたい。均等アクセス確率は実質的に、その結果として全競合ステーションに対して均等な長期処理量を生じることが知られている。このプロパティをマルチユーザ無線チャネル環境において維持するために、ネットワーク100内のステーションによって使われる競合ウィンドウは、式(13)で明記されるように修正すればよい。
Figure 0005204225
上式で、CW’は修正競合ウィンドウであり、CWおよびRは、それぞれ、ステーションがSPC符号化および/または時間重複伝送を使用せずに動作するように構成される場合のネットワーク100内のステーション向けの競合ウィンドウおよび平均データ伝送速度であり、R’は、ネットワークがSPC符号化および/または時間重複伝送を用いるように構成される場合のそのステーション向けの平均データ伝送速度である。競合ウィンドウの短縮は、このように、全競合ステーションに対して実質的に均等な長期データ処理量を結果として生じ、それにより、マルチユーザ無線チャネルの使用による利益を、特有のネットワーク環境および/またはトラフィック・パターンに関わらず、異なるステーションの間に一様に行き渡らせることが示され得る。
経路指定レイヤ:
図8は、本発明の一実施形態に従って経路指定プロトコルを内部で実施することができる、ネットワーク100の断片800を示す。断片800は、i=1、2、...、6とラベルづけされた6つの無線リンクによって相互接続される5つのステーションS1〜S5を有する。図8は、ステーションS1〜S5の間の無線リンクの一部、すなわち、下の経路指定プロトコルの考察に直接関わるもののみを示すことに留意されたい。たとえば、ステーション(i)S1とS2、(ii)S1とS4の間の直接無線リンクは、省略されている。
以下の例は、マルチユーザ無線チャネルを使用することを積極的に求めるトラフィックフロー経路指定の潜在利益を示す。従来技術の経路指定プロトコルは、(i)ステーションS1から、ステーションS3を経由してステーションS5に至り、ステーションS3が中継器として作用するトラフィックフローf1、および(ii)ステーションS2から、ステーションS5を経由してステーションS4に至り、ステーションS5が中継器として作用するトラフィックフローf2を経路指定していると想定する。さらに、両方のトラフィックフローは、比較的大きな程度までバックログされると想定する。
全ステーションに均等媒体アクセスを提供しそれぞれ独立に伝送をスケジュールする従来の802.11MACプロトコルを用いると、両方のトラフィックフローf1、f2は、均等データ処理量を実質的に達成することになる。ただし、本発明の一実施形態による経路指定プロトコルは、トラフィックフローf2はステーションS3を経由するように経路変更することができ(その結果、トラフィックフローf2’になるが、これについては図8を参照)、このステーションは次いで、マルチユーザ無線チャネルを使うことによって全体的データ処理量の増大を試みることができると認識することができる。より具体的には、第1ホップ受信機として作用して、ステーションS3は、ステーションS1、S2からの時間重複伝送をトリガすることができ、こうした伝送は、パケット再整合およびSIC処理を用いてステーションS3でデコードすることができる。次いで、第2ホップ送信機として作用して、ステーションS3は、SPC符号化を用いてそれぞれの信号をステーションS4、S5に同時に伝送することができる。断片800中の様々なリンクに対して代表的な現実的SNR値を仮定すると、マルチユーザ無線チャネルの使用に結びついた、トラフィックフローf2のこの経路変更は、トラフィックフローf1またはトラフィックフローf2、あるいは両方に対して相当な(たとえば、約200%まで)処理量改善を生じる可能性があることを示し得る。
図9は、本発明の一実施形態による、ネットワーク100のステーションで使うことができる経路指定プロトコル900のフローチャートを示す。分かりやすくするために、および一般性を失わずに、経路指定プロトコル900のいくつかの態様について、断片800(図8)を参照して以下で説明する。同様に経路指定プロトコル900を使って、図8に示すものとは異なるリンク・トポロジおよび/またはトラフィックフローを有するネットワーク断片を経由してトラフィックを経路指定できることが、当業者には理解されよう。
経路指定プロトコル900は、マルチユーザ無線チャネルの使用を強化することによって、ローカルな2ホップ・トラフィックフローを管理するように設計される。経路指定プロトコル900の情況において、2ホップ・トラフィックフローは、隣接し合う2つのリンクを越えるトラフィックフローであり、リンクの少なくとも一方は、プロトコルを稼動させるステーションを端末として有する。たとえば、断片800において、トラフィックフローf1、f2はそれぞれ、2ホップ・トラフィックフローである。トラフィックフローf1に関して、第1および第2のホップは、それぞれ、リンクi=1およびi=2である。トラフィックフローf2に関して、第1および第2のホップは、それぞれ、リンクi=3およびi=4である。
経路指定プロトコル900は、以下の個々のチャネル使用機会および/またはその様々な組合せを求め、評価することによって、マルチユーザ無線チャネルを日和見的に利用することができる。すなわち、(i)ステーションが、SPC符号化信号またはSIC処理に適した時間重複信号の第1ホップ受信機として働く、(ii)ステーションが、SPC符号化信号またはSIC処理に適した時間重複信号の第2ホップ受信機として働く、および(iii)ステーションが、SPC符号化信号の第2ホップ送信機として働く機会である。経路指定プロトコル900は、トラフィックフローの経路変更が、このような経路変更がそのトラフィックフロー向けの個々の実効データ処理量を増大させ、このような経路変更による影響を受け得る他のローカル・トラフィックフロー向けの個々の実効データ処理量を低下させない場合にのみ確実に実施されるようにする1組の制約を利用する。短期経路指定ゆらぎおよび関連オーバーヘッドを避けるために、経路指定プロトコル900は、比較的長期間(たとえば、約30秒)に渡って平均をとられたSNR値を使って、潜在処理量変化を推定する。経路指定プロトコル900のこの特徴は、直近のSNR値が通常は使われる、MACスケジューラ600、700それぞれの、対応する特徴とは異なることに留意されたい。
経路指定プロトコル900には処理ブロック910、930があり、各ステーションが、こうした処理ブロックを並列に稼動するように構成される。ネットワーク100の第1のステーションで実行される場合、処理ブロック910は結果として、そのステーションによる要請メッセージの伝送を生じる。ネットワーク100の第2のステーションによる、その要請メッセージの受信によって、第2のステーションでの、処理ブロック930のいくつかのステップの実行がトリガされる。状況に依存して、ネットワーク100の各ステーションは適宜、第1のステーションの役割または第2のステーション役割を果たすことができる。
処理ブロック910のステップ912で、ステーションは、各トラフィックフローに対応するその伝送を絶えず監視して、こうした伝送が、SPC符号化および/または時間重複信号などの多層信号を生成するかどうか判定する。多層信号を使用せずに扱われるトラフィックフローをステーションが識別した場合、ステップ914で、ステーションは、そのトラフィックフローに対応する伝送速度を、指定された閾値と比較する。伝送速度が閾値以上の場合、処理ブロック910の実行は、ステップ912にループバックする。伝送速度が閾値より低い場合、処理ブロック910の実行はステップ916に進む。
ステップ916で、ステーションは、そのメッセージ中に記された現在の伝送速度で、要請メッセージを伝送する。一構成では、要請メッセージは、たとえば、パケットの末尾に要請メッセージがあることを示すための指定ビット列を使って、ステーションによって伝送される次のパケットの上にピギーバックされる。要請メッセージは概して、少なくとも伝送パケットのヘッダーをデコードすることが可能ないくつかの隣接ステーションによって聞くことができ、伝送パケットのペイロード部分の予定受信機は、要請メッセージに対して作用するものと同じステーションではない場合があることに留意されたい。
ステップ918で、ステーションは、要請メッセージへの応答を受信する。多数のステーションが要請メッセージを聞くことができるので、ステーションは、多数の応答を受信する場合がある。受信した応答は、経路変更するための提案を含み、この提案は、このような経路変更に関する適切な詳細(たとえば、推奨経路、速度(群)、電力割当てなど)を与える。提案側ステーションは、経路指定プロトコル900のそのコピーの処理ブロック930を実行することによって、前記詳細を導出している。
ステップ920で、ステーションは、受信した応答(群)を分析して、経路変更するかどうか決定する。たとえば、ステーションは、異なる提案を比較して「最良」の提案、たとえば、最も大きいデータ処理量増大に対応するものを識別するように構成することができる。ステーションはさらに、潜在データ処理量増大と指定された閾値を比較し、増大がその閾値を超える場合にのみその提案に基づいて作用することができる。他の適切な提案選択基準を同様に利用することもできる。ステーションは、対応するトラフィックフローを経路変更すると決定した場合、ステップ922で経路変更を行い、その後でブロック910の処理はステップ912に戻る。ステーションが経路変更するための全提案を却下すると決定した場合、処理は、ステップ920からステップ912に戻る。
処理ブロック930のステップ932で、ステーションは、その付近にある様々なトラフィックフローによって占められるチャネル時間のそれぞれの割合(τ)を絶えず監視する。一実施形態では、監視は、隣接ステーションからの伝送をリッスンすることに基づいて実施されるが、こうした伝送は、必ずしもステーションに向けられたものではないデータ・パケットを搬送する。ステーションは、こうした「漏話」パケットの少なくともヘッダーを処理して、対応するチャネル時間割合を導き出し、この割合は次いで、対応するテーブルに格納される。ステップ932は好ましくは、バックグラウンドで稼動され、処理ブロック930の実行は、隣接ステーションからの要請メッセージを受信するとステップ934に遷移する。
処理ブロック930のステップ934で、ステーションは、受信した要請メッセージ中で識別された、このステーションを通過しようとしているトラフィックフローを経路変更することによる潜在利益を評価する。より具体的には、ステーションは、1組の基準を使って、このような経路変更が、(i)経路変更を推奨されるトラフィックフロー向けの実効データ処理量を増大し得るかどうか、(ii)現在ステーションを通るように経路指定される他のトラフィックフロー向けの実効データ処理量を低下し得るかどうか判定する。経路変更が有益と思われる場合、ステップ936で、ステーションは、ステップ934で判定されている推奨速度(群)、電力割当て、および他の適切なパラメータで経路変更するための提案を含む応答を要請側ステーションに送る。ステップ936の後、処理はステップ932に戻る。ステップ934で経路変更が有益でないと判定された場合、処理はやはりステップ932に戻る。
以下は、ステーションS2からの要請メッセージを受信すると、断片800(図8)のステーションS3によってステップ934で実施することができるであろう処理の例である。現トラフィックフロー構成は、トラフィックフローf1、f2をもち、ステーションS3はステップ934を実行して、トラフィックフローf1、f2’を有する新たなトラフィックフロー構成が有益なものになるかどうか決定すると想定する。現トラフィックフロー構成に対応する総データ処理量(T)は、式(14)で与えられる。

=R(1)(1,P)τ+R(1)(3,P)τ (14)

式(14)の右辺にある第1項は、総データ処理量へのトラフィックフローf1の寄与分を考慮に入れる。トラフィックフローf1は、リンクi=1におけるチャネル時間の割合τを占め、フル伝送電力PでSPC符号化なしで伝送される。第1項は、ステーションS3でのトラフィックフローf1向けのトラフィックフロー保存を想定し、このことは、着信データの量が発信データの量に等しい、または数学的にはR(1)(1,P)τ+R(1)(2,P)τであることを意味する。同様に、式(14)の右辺にある第2項は、総データ処理量へのトラフィックフローf2の寄与分を考慮に入れる。トラフィックフローf2は、リンクi=3におけるチャネル時間の割合τを占め、やはりフル伝送電力PでSPC符号化なしで伝送される。第2項は、ステーションS5でのトラフィックフローf2向けのトラフィックフロー保存を想定し、または数学的にはR(1)(3,P)τ+R(1)(4,P)τと想定する。
新たなトラフィックフロー構成に対応する総データ処理量(T)は、式(14)に類似した式(15)で与えられる。

=R(1)(1,p)τ’+R(2)(5,p)τ’ (15)

上式で、p、pは、それぞれ、リンクi=1、i=5においてトラフィックフローf1、f2’に割り当てられる伝送電力を示し、τ’は、リンクi=1における新たなチャネル時間割合である。新たなトラフィックフロー構成のためのトラフィックフロー保存は、式(16a)〜(16b)で表される。

(1)(1,p)τ’=R(2)(2,p)τ’ (16a)
(2)(5,p)τ’=R(2)(6,P−p)τ’ (16b)

上式で、pは、リンクi=2においてトラフィックフローf1に割り当てられる伝送電力を示し、τ’は、そのリンクにおける新たなチャネル時間割合である。
式(17a)〜(17b)は、個々のトラフィックフローに関する、(個々のデータ処理量の合計である総データ処理量とは反対に)個々のそれぞれのデータ処理量の変化に対する制約を与える。

(1)(1,p)τ’≧R(1)(1,P)τ (17a)
(2)(5,p)τ’≧R(1)(3,P)τ (17b)

式(17a)は、トラフィックフローf1に関する個々のデータ処理量は、経路変更の際に低下することが許されないことを明記している。同様に、式(17b)は、トラフィックフローf2に関する個々のデータ処理量もやはり低下することが許されないことを明記している。
式(18)は、経路変更が起こると、トラフィックフローf1、f2によって占められる合成チャネル時間割合が増加することを許されないと主張する追加制約を与える。
Figure 0005204225
この制約は、経路変更によって断片800の付近で引き起こされるかもしれない、可能な有害波及効果の防止を目指している。
ステーションS3(図8)は、総データ処理量Tを最大にするp、p、pの値を探すことになり、それと同時に、式(16)〜(18)によって与えられる制約を満たそうとする。この数学的問題は、たとえば、リンクi=1、i=2において利用可能な、802.11の速度の可能な様々な組合せを試すことによって解決することができる。このような各速度ペアごとに、p、pの対応する値を、対応する速度関数およびローカルSNRテーブルを使って明確に判定することができる。そのように判定された各p、pペアごとに、pの対応する値を、たとえばpに関して式(15)、(16a)を解くことによって見つけることができる。p、p、pの値が判定されると、制約の残りのもの、たとえば、式(16b)〜(18)の妥当性を検証することができる。総データ処理量Tの最高値に対応する有効な解は、ステップ936でステーションS3がステーションS2に送る経路変更提案において指定することができる。
以上、本発明を、例示的な実施形態を参照して説明したが、この説明は、限定的な意味に解釈されることを意図していない。本発明の実施形態を、IEEE標準802.11に準拠する通信システムを参照して説明してきたが、本発明は、他の適切なシステムにおいても同様に用いることができる。説明した実施形態の様々な変更形態、ならびに本発明の他の実施形態は、当業者には明らかであり、本発明はそれに属するが、添付の特許請求の範囲で表される本発明の原理および範囲内であるとみなされる。
添付の方法クレーム中にステップがある場合、そうしたステップは、対応するラベルづけを有する特定の順序で記載されるが、請求項の記載が、そうしたステップの一部または全部を実施するための特定の順序に対して、特に指定していない限り、そうしたステップは、その特定の順序で実施されるように限定されることを必ずしも意図していない。
本発明は、方法およびそうした方法を実施する装置の形で実施することができる。本発明はまた、有形媒体、たとえばフロッピー(登録商標)・ディスケット、CD−ROM、ハード・ドライブ、または他のどのマシン可読記憶媒体の形でも実施することができ、プログラム・コードが無線トランシーバなどのマシンにロードされるとともにそれによって実行されると、マシンは本発明を実施する装置となる。汎用プロセッサ上で実装されると、プログラム・コード・セグメントは、プロセッサと組み合わされ、特殊論理回路と同様に動作する独自の装置を提供する。
特に別段の記載がない限り、各数値および範囲は、「約」または「およそ」という言葉が値または範囲の値の前に置かれている場合のように、近似であると解釈されるべきである。
本発明の性質を説明するために記載し示した部品の詳細、素材、および配置の様々な変更を、添付の特許請求の範囲において表される本発明の範囲から逸脱することなく、当業者によって行ってよいことがさらに理解されよう。
本明細書における、「一実施形態」または「実施形態」への言及は、その実施形態に関連して説明されるある特定の特徴、構造、または特性が、本発明の少なくとも1つの実施形態に含まれ得ることを意味する。本明細書の様々な箇所で「一実施形態では」という言葉が用いられているが、必ずしもすべてが同一の実施形態に言及するわけでも、必要に応じて他の実施形態と相互に排他的である別個の実施形態または代替実施形態に言及するわけでもない。同じことが、「実装形態」という用語にも当てはまる。
やはりこの説明目的のために、「結合する」、「結合」、「結合された」、「接続する」、「接続」、または「接続された」という用語は、2つ以上の要素の間でエネルギーが転送させられる、当該分野において公知である、または後で開発されるどの方式も指し、1つまたは複数の追加要素の介在が企図されるが、これは必ずしも必要とされない。逆に、「直接結合された」、「直接接続された」などの用語は、このような追加要素がないことを含意する。

Claims (10)

  1. 無線ネットワークの第1のステーションでの通信方法であって、
    前記第2のステーションによって経路変更の候補として扱われる第1のトラフィックフローを識別する着信要請メッセージを、前記無線ネットワークの第2のステーションから受信するステップと、
    1つまたは複数の多層信号を用いて扱われる前記第1のトラフィックフローを、前記第1のステーションを通るように経路変更することが、現時点で前記第1のステーションによって扱われている他のそれぞれの1つまたは複数のトラフィックフローに対する1つまたは複数のデータ処理量を減少せずに、前記第1のトラフィックフローに対するデータ処理量を増大することが可能であるかどうか評価するステップと
    現時点で前記第1のステーションによって扱われている第2のトラフィックフローが、少なくとも1つの多層信号を用いて扱われているかどうか判定するステップと、
    前記判定に基づいて、前記第2のトラフィックフローを経路変更の候補として識別する発信要請メッセージを伝送するステップと、
    第3のステーションを通るように前記第2のトラフィックフローを経路変更するための提案を、前記無線ネットワークの第3のステーションから受信するステップと、
    を含み、
    前記提案が、前記発信要請メッセージの受信に応答して生成される、方法。
  2. 前記評価に基づいて、前記第1のステーションを通るように前記第1のトラフィックフローを経路変更するための提案を前記第2のステーションに伝送するステップと、
    前記第2のステーションによって前記第1のトラフィックフローを経路変更するための前記提案を受諾すると、前記第1のトラフィックフローの扱いを引き受けるステップとをさらに含む、請求項1に記載の方法
  3. 前記第1のトラフィックフローおよび他の少なくとも1つのトラフィックフローを同時に扱うステップをさらに含む、請求項2に記載の方法
  4. 前記評価するステップが、前記第1のトラフィックフローを扱う、
    (i)前記第1のステーションが、前記第1のトラフィックフローに対応するデータをその上でエンコードしてある、対応する多層信号の第1ホップ受信機である構成、
    (ii)前記第1のステーションが、前記第1のトラフィックフローに対応するデータをその上でエンコードしてある、対応する多層信号の第2ホップ受信機である構成、および
    (iii)前記第1のステーションが、前記第1のトラフィックフローに対応するデータをその上でエンコードしてある、対応する多層信号の第2ホップ送信機である構成、の1つまたは複数に対応するデータ処理量を評価するステップを含む、請求項1に記載の方法
  5. 前記評価するステップが、
    前記構成の少なくとも1つに関して、前記構成において使われる無線リンクに対応する平均SNR値に基づいて、前記対応するデータ処理量を評価するステップと、
    前記構成の少なくとも1つに関して、前記第1のステーションの所で、前記構成に対応する総データ処理量を最適化するように、前記対応する多層信号の異なる層の間の電力割当てを変えるステップとをさらに含む、請求項4に記載の方法
  6. 前記第1のステーションの付近にある様々なトラフィックフローによって占められるチャネル時間のそれぞれの割合を監視するステップをさらに含み、前記監視するステップが、
    隣接ステーションからの伝送をリッスンするステップを含み、前記伝送の少なくともいくつかが、前記第1のステーションが予定受信機ではないパケットを搬送し、さらに、
    前記パケットの少なくともヘッダーを処理して、チャネル時間の前記それぞれの割合を導き出すステップを含む、請求項1に記載の方法
  7. 無線ネットワークの第2のステーションでの通信方法であって、
    現時点で前記第2のステーションによって扱われている第1のトラフィックフローが、少なくとも1つの多層信号を用いて扱われているかどうか判定するステップと、
    前記判定に基づいて、前記第1のトラフィックフローを経路変更の候補として識別する要請メッセージを伝送するステップと、
    前記第1のステーションを通るように前記第1のトラフィックフローを経路変更するための提案を、前記無線ネットワークの第1のステーションから受信するステップであって、前記提案は、前記要請メッセージの受信に応答して生成される、受信するステップ
    前記提案に対応するデータ処理量を、前記要請メッセージに応答して前記無線ネットワークの他の1つまたは複数のステーションから受信される1つまたは複数の追加提案に対応する1つまたは複数のデータ処理量と比較するステップと、
    を含、方法。
  8. 前記第1のステーションを通るように前記第1のトラフィックフローを経路変更することが、現時点で前記第1のステーションによって扱われている他の1つまたは複数のトラフィックフローに対する1つまたは複数のデータ処理量を減少せずに、前記第1のトラフィックフローに対するデータ処理量を増大することが可能であるかどうかを前記第1のステーションが評価する、請求項に記載の方法
  9. 前記提案を評価するステップであって、前記比較するステップは、該評価するステップの一部である、前記提案を評価するステップと、
    前記評価に基づいて、前記第1のステーションを通るように前記第1のトラフィックフローを経路変更するステップと、
    前記第1のトラフィックフローに対応する速度を閾値と比較するステップとをさらに含み、前記要請メッセージを伝送する前記ステップが前記比較にさらに基づく、請求項に記載の方法
  10. 前記第1及び第2のステーションは、最大で2つのホップによって離れている、請求項7に記載の方法。
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