JP5204103B2 - 架橋医療用膠剤を製造するためのゼラチンおよび架橋剤の使用 - Google Patents

架橋医療用膠剤を製造するためのゼラチンおよび架橋剤の使用 Download PDF

Info

Publication number
JP5204103B2
JP5204103B2 JP2009518780A JP2009518780A JP5204103B2 JP 5204103 B2 JP5204103 B2 JP 5204103B2 JP 2009518780 A JP2009518780 A JP 2009518780A JP 2009518780 A JP2009518780 A JP 2009518780A JP 5204103 B2 JP5204103 B2 JP 5204103B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
gelatin
cross
transglutaminase
gel
solution
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2009518780A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2009542384A5 (ja
JP2009542384A (ja
Inventor
ゲスマイヤー,クリストフ
アーレルス,ミヒャエル
Original Assignee
テテック ティシュー エンジニアリング テクノロジーズ アクチェンゲゼルシャフト
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by テテック ティシュー エンジニアリング テクノロジーズ アクチェンゲゼルシャフト filed Critical テテック ティシュー エンジニアリング テクノロジーズ アクチェンゲゼルシャフト
Publication of JP2009542384A publication Critical patent/JP2009542384A/ja
Publication of JP2009542384A5 publication Critical patent/JP2009542384A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5204103B2 publication Critical patent/JP5204103B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61LMETHODS OR APPARATUS FOR STERILISING MATERIALS OR OBJECTS IN GENERAL; DISINFECTION, STERILISATION OR DEODORISATION OF AIR; CHEMICAL ASPECTS OF BANDAGES, DRESSINGS, ABSORBENT PADS OR SURGICAL ARTICLES; MATERIALS FOR BANDAGES, DRESSINGS, ABSORBENT PADS OR SURGICAL ARTICLES
    • A61L24/00Surgical adhesives or cements; Adhesives for colostomy devices
    • A61L24/04Surgical adhesives or cements; Adhesives for colostomy devices containing macromolecular materials
    • A61L24/10Polypeptides; Proteins
    • A61L24/104Gelatin
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P17/00Drugs for dermatological disorders
    • A61P17/02Drugs for dermatological disorders for treating wounds, ulcers, burns, scars, keloids, or the like
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P41/00Drugs used in surgical methods, e.g. surgery adjuvants for preventing adhesion or for vitreum substitution

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • Surgery (AREA)
  • Epidemiology (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • Pharmacology & Pharmacy (AREA)
  • Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Dermatology (AREA)
  • Materials For Medical Uses (AREA)
  • Medicinal Preparation (AREA)
  • Processes Of Treating Macromolecular Substances (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Description

本発明は、ヒトまたは動物身体の適用領域に架橋ゼラチンゲルを形成する架橋医療用膠剤を製造するためのゼラチンおよび架橋剤の革新的使用に関する。
医療の種々の領域における接着特性を有する組成物、即ちいわゆる医療用膠剤に関しては必要条件が存在する。このような膠剤の適用領域は、例えば外科的縫合に代替的におよび/または付加的に適している固定中の組織、組織の部分または器官、ならびに被覆または閉鎖中の創傷表面、あるいは内部および外部的に停止中の出血である。
接着機能が身体にもはや必要とされずそして再吸収されない場合に特定時間後に生分解される生分解物質は、主として、身体の中または上で用いられるこのような組成物のための基礎として適している。
医療用膠剤は、ヒト起源の異なる構成成分を含み、そして自然の血液凝固の原理に基づいている、ということが実際に既知である。このような系の主な構成成分は一般的にトロンビン、フィブリノーゲンおよび血液凝固因子XIIIであって、この場合、これらの構成成分が混合された直後に、即ち数秒以内に固化ゲルが形成される。しかしながら、種々の点で、特にゲル形成および粘着性の動態に関して、このゲルはほとんどの適用に関して所望の特性を有さない。
さらに、ヒト起源の構成成分を用いる場合、感染性疾患の伝播に関してある種の危険が存在する。したがってこの問題は、特許文書WO 94/01508 A1に記載された膠剤組成物の場合にも提示されている(この場合、血漿タンパク質または球状タンパク質は二または多機能性アルデヒドで架橋される)。
グルタルアルデヒドによるウシ血清アルブミンの架橋を基礎とする膠剤系も既知である。しかしながら架橋剤としてのグルタルアルデヒドの使用は、細胞傷害作用のため、いくつかの問題を有する。
文書DE 101 52 407 A1は、少なくとも2つの構成成分の組成物を開示するが、これは、生物組織を接合するために互いに化学的に架橋され得るし、そしてアミノ基保有ポリマーの溶液ならびに少なくとも3つのアルデヒド基を有するアルデヒドの溶液を含む。例えば脱アセチル化キチンのような天然起源のポリマー、ならびに合成ポリマーは、この場合に考え得るアミノ基保有構成成分と特定される。
本発明の目的は、改良された特性を有する医療用膠剤を提示することである。
この目的を達成するために、適用領域における架橋ゼラチンゲルを形成する上記の型の架橋医療用膠剤を製造するためのゼラチンおよび架橋剤の使用であって、
i. ゼラチンおよび架橋剤が互いに混合されて架橋医療用膠剤を形成し、これが次に適用領域に投与されるか;あるいは
ii. ゼラチンおよび架橋剤が別個の形態で提供され、そして適用領域に同時にまたは連続的に投与されて、架橋医療用膠剤の形成を伴う
ことを包含する使用が本発明に従って提案される。
主要構成成分として、本発明による医療用膠剤は、生体適合性、生分解性物質としてのゼラチンを含む。本発明の基本原理は、実質的に非架橋溶解形態でゼラチンを投与し、そして適用領域における架橋剤の作用により、それを医療用膠剤として作用する架橋ゼラチンゲルにただ変えることだけである。
本発明による医療用膠剤の特定の利点は、これが制御化方法で架橋可能であるという点である。本発明の枠組み内で、制御化架橋能力は、架橋ゼラチンゲルの最大強度がゼラチンと架橋剤との混合直後(即ち2〜3秒以内)に達成されないということ、しかしゲル形成が遅延化方法で起こり、そしてゲル強度が特定時間内に連続して増大するということを意味すると理解されるべきである。ゲル形成の動態および程度は、この場合、以下に詳述される異なるパラメーターにより影響を及ぼされるかまたは制御され得る。
ゼラチンおよび架橋剤のほかに、本発明による医療用膠剤は架橋ゼラチンゲルの形成に関与する如何なるさらなる構成成分も必要としない。したがってそれは、複数のさらなる構成成分を必ず含むトロンビンおよびフィブリノーゲンを基礎にした上記の系より実質的に簡単に合成され得る。本発明の医療用膠剤の機能は2つの構成成分、即ちゼラチンおよび架橋剤により達成され得るが、これは他の構成物質の存在を排除しない。さらなる有益な作用は、いくつかの場合は、以下でさらに詳細に記載されるような付加的構成成分により得られる。
本発明のさらなる利点は、医療用膠剤が製造をより簡単で且つ安価にするヒト起源の任意の構成成分を含まなければならないわけではない、という点である。
上記の制御化架橋は、ゼラチンと架橋剤を混合後、処置医は適用領域に医療用膠剤を適用し、それをそこに注入するかまたはそれを何らかの他の方法で投与するのに十分な時間を有する、という利点を有する。これは、投与がしばしばここでは困難で、そして多少時間を要するため、十分に許容可能でない適用領域の場合、例えば手術の経過中、特に重要である。架橋反応の開始後でさえ、当該医療用膠剤は一定期間の間依然として可塑的に変形可能であり、そして適用領域の構造に、例えば充填されるべき組織または体腔の表面に適合され得る。膠剤の粘度は、この期間中にすでに増大している。これは、構成成分が混合された後に多少突然に降下しそして次にもはや変形され得ないトロンビンベースの膠剤を上回る有意の利点である。
本発明による医療用膠剤は、組織のような構造化表面に関するだけでなく、例えば平滑プラスチック表面(例えば研磨ポリメチルメタクリレート)に関してさえも、高い粘性を有する。比較した場合、トロンビンおよびフィブリノーゲンを基礎にした組成物は、平滑プラスチック表面に関して、有意に低い粘性ならびに有意に低減された接着力を示す。
好ましい且つ持続性の接着特性に関する理由は、本発明による架橋ゼラチンゲルはほとんどシネレシスを示さず、即ちゲルの収縮が水の脱出に伴って生じない、というものである。したがって本発明による医療用膠剤は、高次元安定性も有し、これは体腔を充填する場合、さらにまた特に利点を有する。
本発明による架橋膠剤は医療の異なる領域に適用され、したがって、適用の領域によって異なる投与方法が選択され得る。
ゼラチンおよび架橋剤の供給および投与の異なる変法が詳細に記載される前に、生体材料としてのゼラチンの選択に起因する特定の利点が先ず略記されるべきである。
コラーゲンに対比して、ゼラチンは限定された且つ再現可能な組成物で、ならびに高純度で得られる。特にそれは、身体の防御反応を誘発し得る免疫原性テロペプチドを実際には含有しない。これに基づいて、ゼラチンは、アルギン酸塩またはキトサンのような他の再吸収可能な生体材料によっては保証され得ない優れた組織および細胞適合性を有する。
非架橋ゼラチンは身体温度(37℃)で可溶性であるが、それは、架橋することにより、すでに言及されているようにこれらの条件で不溶性であるゲル様形態、すなわち架橋ゼラチンゲルに変更され得る。
同時に、架橋ゼラチンゲルは完全に再吸収可能であり、即ち一定期間後、それは身体中に残渣を伴わずに分解される。これは、適切な場合は、自系酵素により手助けされ得る加水分解である。
原則として、本発明の枠組み内の異なる起源のゼラチンを用いることが可能であり、この場合、ブタゼラチン、特にブタ皮膚からのゼラチンが選択される。これは高品質で利用可能であり、そして異なる医学的適用に関してすでに認可されている。
このほかに、他のゼラチン型、例えば魚ゼラチンの使用も、特定の利点を提供し得る。特に冷水魚から得られるゼラチンは相対的に低いゲル点により区別され、即ち(非架橋)魚ゼラチンの水溶液は、例えば同一濃度のブタ皮膚ゼラチンの溶液より低い温度で液体のままである。この事実は、溶解魚ゼラチンを室温でまたは冷却された場合でも提供されるようにさせて、これが、37℃までの高温での供給と比較して取扱いを簡単にする。
医療用膠剤の生体適合性をさらに改善するためには、特に低含量の内毒素を有するゼラチンを用いるのが好ましい。内毒素は、生動物材料中に生じる微生物の代謝産物または断片である。
ゼラチンの内毒素含量は、国際単位/グラム(I.U./g)で特定され、そしてLAL検定により確定されるが、この実行は、European Pharmacopoeia(Ph. Eur. 4)の第4版に記載されている。
できるだけ低い内毒素の含量を保持するためには、ゼラチン製造の経過中にできるだけ早く微生物を破壊することが有益である。さらに適切な衛生学標準が、製造工程中に維持されるべきである。
したがってゼラチンの内毒素含量は、製造工程中の特定の測定により徹底的に低減され得る。これらの測定は、貯蔵時間を回避する新鮮な原料(例えばブタ皮膚)の使用を主に包含し、ゼラチン製造の開始直前の全製造プラントの注意深い清浄、そして必要な場合は製造プラント中のイオン交換器およびフィルター系の取替えを伴う。
本発明の枠組み内で用いられるゼラチンは、好ましくは、1200 I.U./gまたはそれ未満、さらに好ましくは200 I.U./gまたはそれ未満の内毒素含量を有する。最適には、内毒素含量は、各場合にLAL検定に従って確定した場合、50 I.U./gまたはそれ未満である。これと比較して、多数の市販のゼラチンは、20,000 I.U./g以上の内毒素含量を有する。
すでに言及されたように、コラーゲン含有原料から抽出により得られるゼラチンは、特に投与に適した温度、即ち37℃またはそれ未満で、溶液にされ得る水溶性物質である。溶液は、例えば処理されるべき組織の表面に適用され、均一にそこに分布され得るため、この溶解形態は投与のために特に有益である。投与後、即ち身体の適用領域において、ゼラチンをゼラチンゲルに転化するために、ゼラチンの架橋が本発明に従って起こる。
より低い温度、特にゼラチンのゲル化温度より低い温度(約32〜33℃)、例えば30℃が適用領域で一般的である場合には、意外にもゲル化促進が観察されるが、しかしトランスグルタミナーゼの架橋活性は、37℃の温度と比較してこれらの温度では低減される。この結果は、ゼラチン材料それ自体のゲル形成が架橋のほかの影響を有し、そしてゲル化速度増大が全体的に生じる、という事実に起因する。
ゼラチン材料の不適切なまたは不規則な架橋がここに生じ得るため、ゼラチン材料のゲル点よりはるかに低い適用領域における温度、例えば25℃は、一般的に推奨されない。
ゼラチンを、分子間および/または分子内連結により、37℃またはそれ未満の温度で不溶性であるゼラチンゲルに転化する異なる型の架橋剤が既知である。ゼラチン分子間のこれらの連結は、共有結合および複合体形成(例えばイオン的相互作用、水素架橋またはファンデルワールス力に基づく)の両方に関係し得る。
改質セルロース、特にヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)は、好ましくは、非共有的相互作用によりゼラチンにゲルを形成させる複合架橋剤として用いられる。
共有結合を形成するゼラチンと反応する化学的架橋剤も、本発明の枠組み内で用いられ得る。これらは、好ましくは、多機能性アルデヒド、イソシアネート、ハロゲン化物またはイミド、特にホルムアルデヒドに関する。しかしながら、化学的架橋剤を選択する場合、これが、例えばグルタルアルデヒドを用いる場合と同様に、身体に如何なる細胞傷害性作用を及ぼさない、ということが保証されるべきである(例えば特許文書DE 101 52 407 A1参照)。用いられるべき架橋剤の質および医療用膠剤のそれぞれの適用領域はともに、考え得る有害作用を査定する場合、考慮されるべきである。
したがって生理学的適合性の基本要件を用いて、酵素的架橋剤の適用が本発明で選択される。トランスグルタミナーゼの使用は、この場合特に好ましい。動物、植物および細菌において生じるこの酵素は、グルタミン残基のアミド結合の加水分解を、そして他のアミノ基とそこに生じる遊離アシル基の架橋を触媒する。したがってタンパク質、特にゼラチンの場合、トランスグルタミナーゼは主に、リシン残基のε-アミノ基とのグルタミン残基の連結、即ち分子間および分子内共有結合の形成を触媒する。天然酵素として、トランスグルタミナーゼは、それが適切な精製形態で用いられる限り、生理学的に安全であると認識される。
高品質および純度で利用可能である細菌起源のトランスグルタミナーゼの使用は、本発明の枠組み内で選択される。しかしながら特に組換え遺伝子発現により産生され得るヒトトランスグルタミナーゼも用いられ得る。
トランスグルタミナーゼは、好ましくは、支持材料上に固定化形態で用いられる。これは、より高い活性が同量の酵素を用いて得られるよう、膠剤中の酵素分子のより均一な分布を可能にする。オリゴ糖は、トランスグルタミナーゼのための好ましい支持材料である。
本発明によれば、ゼラチンの架橋は身体の適用領域で生じる、即ちゼラチンおよび架橋剤は、架橋反応を進行させる条件下で、投与後、投与中または投与直前に、互いに単に接触するようになるべきである。これが生じることを保証するために、ゼラチンおよび架橋剤の供給および投与の異なる形態が考えられる。上記の基本的代替方法(i)および(ii)は、以下でさらに詳細に説明される。
本発明の変法(i)によれば、ゼラチンおよび架橋剤が混合されて架橋医療用膠剤を形成し、そしてこれが適用領域に投与されるよう、医療用膠剤の適用が生じる。このような膠剤は、好ましくは、溶液中に架橋剤およびゼラチンを含有する水溶液である。
この手順を用いて、両構成成分の均質分布が溶液中で生じる、ということが保証される。このような溶液はさらにまた、簡単なやり方で、特に、適用領域上への簡単な塗布または噴霧により、あるいは注入により投与され得る。しかしながらこのような溶液は一般的に、適用領域に到達する前に架橋反応が進みすぎるのを防止するために、そして溶液の粘度が例えば注入のために高すぎるのを防止するために、単に投与直前に産生されるべきである。しかしながらゼラチンおよび架橋剤の種類によって、しばらくの間、特に低温で、投与に有害な程度にすでに進行中の架橋反応を伴わずに、2つの構成成分を含有する溶液が貯蔵され得る、ということも可能である。
水溶液は、好ましくは、ゼラチンおよび架橋剤を、好ましくは凍結乾燥形態で含む固体混合物を溶解することにより生成される。この形態の供給は、トランスグルタミナーゼが架橋剤として用いられる場合は特に適している。
酵素反応が進行し得ないこの固体形態でのゼラチンおよび架橋剤の供給は、混合物が相対的に高い貯蔵安定性を有する、という利点を有する。同時に、処置医にとっては、彼/彼女は液体媒質中に単一固体混合物を溶解する必要があるに過ぎないため、取扱いが簡単である。
固体混合物の溶解は、適用領域におけるそれぞれの予定温度に基づいて、水溶液の投与の直前に、即ち特に前もって10分未満に、好ましくは5分未満に起こるべきである。
ゼラチンは凍結乾燥形態で存在するため、その溶解性はさらにまた、より低い温度で有意に改善される。これは、医療用膠剤の適用が一般的には37℃の体温より高い温度でなされるべきでないため、重要である。したがって固体混合物の溶解は、好ましくは、37℃またはそれ未満の温度で起こる。これらの温度では、特に室温では、少なくとも主に非晶質形態で存在するため、凍結乾燥ゼラチンは容易に溶解できる。
ゼラチンゲルの形成速度、そしてさらにまたその強度に関して、ゼラチンの量に関連して用いられる架橋剤の量は、決定的重要性を有する。トランスグルタミナーゼが用いられる場合、0.6〜80単位のトランスグルタミナーゼ/ゼラチン1 g、さらに好ましくは10〜40単位/gが、上記混合物中に含入される。他の因子の中でもとりわけ、この比率の選択に起因するゲル形成の動態は、以下で詳細に考察される。
したがって、第一の変法(i)に関しては、本発明は、好ましくは凍結乾燥形態でゼラチンおよびトランスグルタミナーゼを含む固体混合物にも関する。
本発明の上記変法(ii)の場合、ゼラチンおよび架橋剤が別個の形態で提供され、そして同時にまたは連続的に適用されて、架橋医療用膠剤を形成するよう、医療用膠剤の適用が生じる。この場合、2つの構成成分の混合は、以下に記載されるように、異なる時点で起こり得る。
供給の好ましい形態は、ゼラチンおよび架橋剤がともに別個の水溶液の形態で提供されるものである。これらは次に、処置医により混合され、すでに上記されたように、単一溶液の形態で投与される。この場合、混合は、投与前10分未満に、好ましくは5分未満に生じるべきである。
しかしながら架橋反応開始が早すぎる可能性をより確かに排除するために、ゼラチン溶液および架橋剤溶液が投与中または投与後にのみ互いに接触するようになり、投与前には接触しない場合が好ましい。これは、特に2つの(別個の)溶液の同時適用により達成され得る。
溶液を投与するために用いられる手段(例えば1つまたは複数の注入カニューレまたは他のアプリケーター)の種類によって、同時適用溶液の混合は、この場合、適用領域に達する前に、間に、または後に起こり得る。しかしながら、適用領域に到達する溶液の高均質性を保証し、したがって均一架橋ゼラチンゲルの形成を保証するために、できるだけ早く、即ち適用領域に達する前に、混合を実行することは有益である。
本発明の好ましい一実施形態では、ゼラチン溶液および架橋剤溶液の同時投与は、多室アプリケーター、例えば二重室注射器を用いて両溶液を注入することにより実行される。この場合、ゼラチン溶液および架橋剤溶液は、アプリケーターの別個の小室中に入れられて、例えば共通の注射カニューレにより、所望の適用領域に(それまでに混合されて)投与される。したがって2つの溶液の混合は、投与中に、例えばカニューレ中に進入時に起こる。できるだけ徹底的な混合を達成するためには、多室アプリケーターが一混合素子を含む場合が好ましい。特にこれはカニューレの流路中の幾何学構造(固定ミキサー)であり、そこで、2つの溶液の十分な混合、特に渦巻き回転が起こる。
それゆえ、第二の変法(ii)に関しては、本発明は、水性ゼラチン溶液および水性架橋剤溶液を別個の小室中に含有する多室アプリケーターにも関する。
代替的には、水性ゼラチン溶液および水性架橋剤溶液を、一方を他方の後に適用領域に投与することも可能である。この場合、ゼラチンのみの架橋が適用領域で起こる、ということも保証される。
本発明のさらに好ましい一実施形態では、水性ゼラチン溶液は、固体形態での架橋剤と同様に提供される。この変法は、トランスグルタミナーゼのような酵素的架橋剤の場合に特に適しており、その質の保持は一般に、溶液でよりもこの形態においてより高い。酵素は、特に凍結乾燥粉末の形態で提供され、これは次に、投与前にゼラチン溶液に計量投与量で付加され、次に溶解される。
上ですでに言及された理由のため、水性ゼラチン溶液の投与が37℃またはそれ未満の温度で生じる場合が好ましい。しかしながらゼラチン溶液の製造は、より高い温度、例えば60℃でも行なわれる。
次に溶液が室温でまたは冷却しながら貯蔵される場合、ゼラチンは実際にゲル化し、固化し得るが、しかし次に、37℃に加熱することにより投与直前に再び溶液に逆戻りされ得る。
投与ゼラチン溶液の濃度は、好ましくは、医療用膠剤中のゼラチン濃度が5〜20重量%の量になるよう選択される。より低いゼラチン濃度は一般的に、容易に架橋される適切な強度を有するゼラチンゲルを生じない、ということが見出されている。
トランスグルタミナーゼが架橋剤として用いられる場合、トランスグルタミナーゼ溶液中のその量およびの濃度は、好ましくは、変法(i)に関連してすでに記載されているように、0.6〜80単位のトランスグルタミナーゼ/1 gのゼラチンが医療用膠剤を生じるように選択される。10〜40単位/gの比率がさらに好ましい。この場合、選択されるトランスグルタミナーゼ溶液の容積は一般的に、ゼラチン溶液のものより有意に低く、したがって後者はトランスグルタミナーゼ溶液と混合することにより有意に希釈されない。
架橋反応の速度ならびに形成されるゼラチンゲルの強度は、医療用膠剤中のゼラチン濃度に、そしてゼラチンおよび架橋剤間の比に大いによっている。これらのパラメーターは、さらなる因子の作用をつりあわせるために、上記の好ましい範囲内で変更され得る。
このような因子は、例えば用いられるゼラチンの種類、特にその粘度および平均分子量であり、そして架橋剤の種類、特にトランスグルタミナーゼの場合、その種類および起源である。
架橋反応の動態および程度は、異なる身体的パラメーターにより記載され得る。これらを測定するために、治療的適用の場合にin vivoでそれが進行する場合のゼラチンゲルの形成は、対応するin vitro反応がその後に続く。この場合、架橋反応の開始は、ゼラチンおよび架橋剤が水溶液中で互いに接触するようになる時点によりそれぞれ限定される。
架橋ゼラチンゲルの形成速度は、いわゆるゲル点の明細により特に特性化される。この場合、ゲル点は、ゼラチンゲルの貯蔵係数G’および損失係数G”が同一サイズである架橋反応の開始後の時点と定義される(T. Metzger, Das Rheologie-Handbuch [The manual of rheology], Verlag Vincentz, 2000, pages 173 et seq.も参照)。
非架橋液体ゼラチン溶液では、G’は明らかにG”より低い。架橋反応の経過中、即ちゼラチン増加を伴って、貯蔵および損失係数はともに増大し、この場合G’はG”より強く増大する。したがって上記のゲル点は、グラフ中の2つの曲線の交点から確定され得るが、この場合、G’およびG”は時間に関してプロットされる。ゲル点は、ゲル強度(以下参照)が架橋反応の経過中に初めて測定され得る時間として経験的にも確定され得る。
本発明による使用に関しては、架橋ゼラチンゲルのゲル点が架橋反応の開始後10分またはそれ未満に、特に好ましくは架橋反応の開始後5分またはそれ未満に到達される。上記の時間は、それぞれ、適用領域の予定温度に関連する。ゲル点は、医療用膠剤の適用領域によって、上記のパラメーターの選択により影響を及ぼされ得る。
すでに言及されているように、ゼラチンの架橋は制御方式で生じ、即ちゲル強度は連続的に増大し、そしてゲル点後のある時点でその最大値に到達するに過ぎない。ゲル点到達後、医療用膠剤はすでに一部可塑的に変形可能であり、そして適用領域の構造に適合可能であり得る。多くの場合、例えば血管を接合することにより手術中に出血が停止されなければならない場合は、極く迅速なゲル形成が望ましい。しかしながらゲル形成が余りにも急速に起こる場合、医療用膠剤がその流動可能性を失うのが早すぎて、処置医は適用のための十分な時間を持てない、という危険がある。
架橋ゼラチンゲルの機械的特性に関しては、これが、4 mmの浸透深度で12.7 mmの直径を有するプランジャで測定された100 gまたはそれより大きいゲル強度を有する場合が好ましい。これらの詳細は、12.7 mmの直径を有する円形プランジャを、その表面に直角にゼラチンゲルに押し付けることに関するが、この場合、プランジャはポリメチルメタクリレート製であり、そして研磨表面を有する(”Standardised Methods for the Testing of Edible Gelatine”, Gelatine Monograph, June 2005, GME参照)。
ゲル強度は力としても表され得る:100 gのゲル強度の場合、4 mmの深さにゼラチンゲルにプランジャを押し付けるためには0.981 Nが必要である。この場合、ゲル強度はプランジャ面積に比して774 mN/cm2になる。
記載されるゲル強度は、架橋ゼラチンゲルの場合に到達される最大値に関する。しかしながら、ゼラチン濃度の選択、架橋剤の量等によっても影響を及ぼされ得る単位時間当たりのゲル強度の増大もまた、この情況における重要な一パラメーターである。ゲル点に到達後最初の10分での架橋ゼラチンゲルのゲル強度の増大は、好ましくは5〜200 mN/cm2・分、特に30〜150 mN/cm2・分の範囲である。
例えば研磨ポリメチルメタクリレート製の平滑プラスチック表面への接着力は、架橋ゼラチンゲルの粘着性に関する大きさとして適用され、これは、好ましくは200 mN/cm2またはそれより大きい。
用いられるゼラチンの粘度が他の因子のほかにゲル形成にも影響を及ぼす、ということはすでに言及されているが、この場合、一般的に粘度が高いほどゲル形成は速い。この情況では、ゼラチンの粘度は、60℃で水中のゼラチンの6.7重量%標準溶液の粘度である、と理解される。これは好ましくは、本発明の枠組み内で用いられるゼラチンに関して7 mPa・sまたはそれより大きい。
ゼラチンの粘度は、その起源に、ならびにそれぞれの製造方法によっており、そして特定の手段によりさらに影響を及ぼされ得る。
本発明の好ましい一実施形態では、減圧での熱前処理を予め受けたゼラチンが用いられる。このような前処理の結果として、ゼラチンの粘度は増大され得るが、この場合、この作用は主にゼラチン分子内の水の熱排除に起因する。
熱前処理は、80℃より低いと、観察される作用は相対的にほとんど顕著でなく、そして160℃より高いと、ゼラチンの望ましくない着色が起こり得るため、好ましくは80〜160℃の温度で実行される。90〜120℃の範囲の値が最も好ましい。
ゲル形成は、付加的に、ゼラチンの分子量によっている。この場合、不溶性ゼラチンゲルは、より低い分子量を有するゼラチンの場合よりも少数の架橋点で早くも得られるため、高平均分子量、特に140kDaまたはそれより大きい分子量を有するゼラチンの使用が好ましい。
用いられるゼラチンの目的のある選択または改質に対して代替的にまたは付加的には、本発明による医療用膠剤の特性は、異なる粘度および/またはブルーム値を有する2またはそれより多くのゼラチンを一緒に混合することによっても影響を及ぼされ得る。例えばゲル形成の速度は、高粘度骨ゼラチンと低粘度魚ゼラチンとの異なる混合比の結果として、広範囲に亘って変更され得る。
ある種の用途では、架橋反応の開始前に、ゼラチンを含有する医療用膠剤または溶液が既に相対的に高い粘性を有する、ということが必要とされ得る。これは、例えば、非常に低い粘度を有する溶液が再び適用領域から直ちに搾り出されるよう、適用領域において医療用膠剤上に圧力が加えられる場合である。
粘度の増大は、医療用膠剤が粘性増大ポリマーを含む場合、有益に達成され得る。好ましい粘性増大ポリマーは、例えばカルボキシメチルセルロースである。これを付加することにより、ゼラチン溶液の粘度は20倍およびそれ以上増大され得る。
本発明のさらに好ましい一実施形態では、部分架橋ゼラチンが医療用膠剤の製造のために用いられ、即ち、ゼラチンは、本発明による投与の前に、一次(部分)架橋ステップをすでに経ている。上記のように、部分架橋ゼラチンは、架橋剤との混合物で、あるいはこれと同時にまたは連続的に投与され得るが、この場合、適用領域における架橋ゼラチンゲルの形成は次に、二次架橋ステップを引き起こす。
部分架橋ゼラチンを用いることにより、投与されるべきゼラチン溶液の粘度は有意に増大され得るが、これは上記の利点に関連する。さらに実質的により迅速なゲル形成もこの手段により達成され得るが、この場合、ゲル点は有意に5分未満で、特に2〜3秒の範囲で達成され得る。医療用膠剤の適用のほぼ直後に起こる非常に急速なゲル形成は、適用領域からの膠剤の任意の望ましくない排出が防止されるべきである場合、ある種の用途においては有益であり得る。しかしながら部分架橋ゼラチンを用いる場合、適用領域における制御架橋の利点は保持され、即ち、ゲル形成が非常に急速に起こる場合でさえ、ゲル強度はその後連続的に増大し、そして結局はゲル点後のある期間その最大値に到達する。
部分架橋ゼラチンの溶液が高粘性ではあるがしかし適用条件で流動性を存続することを保証するために、部分架橋の程度は高すぎるべきでない。これは、部分架橋ゼラチンが産生される条件により、特にゼラチン濃度、架橋剤の量ならびに部分架橋反応の持続期間により制御され得る。用いられるゼラチンは、好ましくは、トランスグルタミナーゼを用いることにより部分架橋される。すでに言及された利点のほかに、トランスグルタミナーゼの使用は、特に熱変性または酸化剤、例えば過酸化水素により、限定反応時間後に酵素を非活性化することにより、部分架橋反応の可能性を提供する。
ゼラチンの部分架橋がトランスグルタミナーゼにより達成される場合には、架橋医療用膠剤の投与を伴う場合より、ゼラチンに関して有意に低い量のトランスグルタミナーゼがこのために用いられ得る。ゼラチンは、好ましくは、10単位未満のトランスグルタミナーゼ/1 gのゼラチン、特に1〜3単位のトランスグルタミナーゼ/1 gのゼラチンを用いて部分架橋される。
いくつかの用途では、医療用膠剤が1つまたは複数の治療用活性物質、例えば抗炎症剤および/または鎮痛剤、抗生物質を、ならびに創傷治癒および/または血管新生を促進する因子をも含む場合、有益である。
遅延および/または連続放出を可能にするためには、単数または複数の活性物質が医療用膠剤中に封入形態で存在する場合が好ましい。特に、活性物質はゼラチンペレット中に封入され得る。
医療用膠剤のさらに有益な一実施形態では、これは染料を含む。その結果、適用中、膠剤が適用領域内に配置される位置を、そしてどれだけ多くの膠剤がすでに適用されているかを、処医者は正確に認識し得る。生体適合性であり、組織と明白に対照をなすメチレンブルーは、例えば染料として用いられ得る。
本発明による医療用膠剤のいくつかの好ましい適用領域は、以下に略述される。
本発明の好ましい一実施形態は、出血を止めるための架橋医療用膠剤を製造するためのゼラチンおよび架橋剤の使用に関するが、この場合、架橋ゼラチンゲルの形成により出血が停止されるよう、医療用膠剤は出血により影響される適用領域に適用される。
上記の変法の一つによれば、適用領域への適用は、ゼラチンおよび架橋剤を含有する水溶液が好ましくはその上に注がれるかまたは噴霧されるという点で生じ得る。溶液は均一に分布され、そして影響を受けた領域を完全に被覆し得る。架橋ゼラチンゲル形成は、外側に保護層を形成する。この場合、適用領域に見出される血管の損害または切断は、ゼラチンゲルにより閉鎖されるかまたは膠接合される。
特に本発明は、手術中のこのような適用に関する。本発明による医療用膠剤の使用は、外科的介入が特に多量の血液供給を伴う組織または器官、例えば肝臓または骨に関して実行されるべきである場合、特定の利点を提供する。この場合に、慣用的方法を適用する場合、複数の血管は手で締められなければならず、これは非常に複雑で、時間を消費し、そしてしばしば、大きな領域に亘る広汎性出血の場合には不可能でもある。これに反して、架橋ゼラチンゲルで組織または器官上の切断表面を被覆し、したがって膠接合することにより本発明による医療用膠剤を適用する場合、出血は非常に急速に且つ容易に止められ得る。
この情況において、本発明は、特に手術中にヒトおよび動物における出血を停止するための方法であって、別々に、あるいは適用領域に到達する前にすでに混合されてゼラチンおよび架橋剤が投与されることを包含する方法にも関する。
本発明は付加的には、ヒトまたは動物皮膚の損傷および/または熱傷の治療のための架橋医療用膠剤を製造するためのゼラチンおよび架橋剤の使用に関する。このような外部適用の場合、医療用膠剤の抗出血的なおよび純粋に保護的な機能は最も重要である。罹患皮膚領域は、良好な接着特性の結果として確実に被覆され得る。
本発明のさらなる適用領域は、ヒトまたは動物身体の適用領域において自系組織(例えば軟骨または骨断片)または同種異系組織(例えば同種骨の海綿質移植片)を適所に再固定または固定するための医療用膠剤の使用に関する。したがって、架橋ゼラチンゲルの良好な接着特性のため、特定期間の間、即ち膠剤の再吸収まで、異なる型の移植片が固定され得る。
さらに、再吸収性材料は、適所に固定されるべき移植片の場合に関与し得る。生きている細胞によりin vitroで予めコロニー形成されたか、あるいは移植された後にin vivoで細胞により集団形成される材料が、特にここで言及されるべきである。これらの場合、生体材料または支持材料ならびに膠剤はともに、生物学的分解を受ける。
少なくとも一部はプラスチックおよび/または金属からなる合成移植片も、本発明による膠剤を用いて適用領域に固定され得る。周囲組織が移植片に関する適切な保護機能を実施し得るまで、このようなやり方で適所に移植片を膠接合することが必要であり得る。
本発明による膠剤は、適所に固定し、および/または神経ガイドを閉鎖するためにも用いられ得る。これらは、切断神経経路を再連結させるためのガイド構造として役立つ管状移植片である。個々の神経細胞(軸索)はそれぞれ、神経ガイドの内部空間で成長するが、この場合、それらの末端は管中に手で挿入され、そこで適所に固定されなければならない。これは、本発明による医療用膠剤を用いて神経ガイド中の軸索を膠接合することにより有益に達成され得る。この適用では、例えば依然として非架橋状態で軸索も管のままであることを保証するために、カルボキシメチルセルロースを付加することにより膠剤の粘度を増大することが特に有益である。
本発明による膠剤のさらなる適用によれば、これは、外科的縫合を密閉するために用いられる。架橋ゼラチンゲルの良好な接着特性の結果、異なる組織または器官間の望ましくない開口を防止するために、縫合は有効に密閉され得る。さらに、縫合は外部ストレスから保護される。
本発明による膠剤は、例えば十字靭帯置換の場合、骨中の穿孔溝を密閉するためにも適用され得る。その結果、出血は停止され、さらにまた移植片および骨壁間の滑液の浸透は封止材により防止される。最新の知見によれば、穿孔溝中への滑液の浸透は、骨中への移植片の不十分な内植を生じ、これが後段階での移植不全を引き起こし得る。
本発明はさらに、器官または組織のための分離層としての医療用膠剤の使用に関する。膠剤のこのような分離作用は、例えば外科的介入中または介入後の異なる器官および/または組織間の望ましくない直接接触を防止するために望ましいし、あるいは必要であり得る。この場合、本発明による膠剤の高接着能力のため、関連組織は同時に適所に固定され、したがってそれはここでは二重機能を実施し得る。
本発明による医療用膠剤の多数の用途において、付加的な有益作用は、ゼラチンの血管新生促進作用により提供される。ゼラチンの存在下で、特にさらにまた架橋形態で、欠陥の新規形成が組織中で刺激される、ということが見出された。このような作用は、それが罹患組織の治癒および/または再生に関与するため、例えば創傷または骨欠損の治療のための膠剤の適用において、そしてさらにまた多数の他の場合に非常に有益である。
本発明のこれらのならびにさらなる利点を、図面を参照しながら以下の実施例に基づいてさらに詳細に説明する。
本発明による架橋ゼラチンゲルのゲル強度および粘着性が反応時間によって異なる粘度を有するゼラチンに関してプロットされるグラフである。 本発明による架橋ゼラチンゲルのゲル強度および粘着性が反応時間によって異なる粘度を有するゼラチンに関してプロットされるグラフである。 本発明による架橋ゼラチンゲルのゲル強度および粘着性が反応時間によって異なる粘度を有するゼラチンに関してプロットされるグラフである。 本発明による架橋ゼラチンゲルのゲル強度および粘着性が反応時間によって異なる粘度を有するゼラチンに関してプロットされるグラフである。 本発明による架橋ゼラチンゲルのゲル強度および粘着性が反応時間によって異なる粘度を有するゼラチンに関してプロットされるグラフである。 図2は、トロンビンおよびフィブリノーゲンを基礎にした慣用的組成物のゲル強度および粘着性が反応時間によってプロットされるグラフである。
実施例1:トランスグルタミナーゼによるゼラチンの架橋:ゼラチンの粘度の作用
本発明による膠剤の医学的適用のためのモデル系として、酵素架橋剤トランスグルタミナーゼによるゼラチンの架橋をin vitroで実行し、架橋ゼラチンゲルの形成の動態を確定する。
トランスグルタミナーゼストック溶液の生成
ヒトケラチノサイトからの組換えトランスグルタミナーゼをこの実施例、ならびに下記の実施例のために用いた。
室温で蒸留水中に対応する量の酵素を溶解することにより、30単位/mlの濃度を有するトランスグルタミナーゼのストック溶液を生成した。溶液を濾過により滅菌し、液体窒素を用いて各々1.5 mlで一部ずつ凍結して、約-18℃で貯蔵した。
減圧でのゼラチンの熱前処理
トランスグルタミナーゼによる架橋のために、異なる粘度を有するブタ皮膚ゼラチンを、以下の表1に従って用いた。この場合の粘度の明細は、60℃でのゼラチンの6.7重量%水溶液の粘度に関する。
Figure 0005204103
高粘度ゼラチンCおよびDを、低粘度のゼラチンの熱前処理によりそれぞれ生成した。この場合、ゼラチンCはゼラチンBの熱前処理により得て、そしてゼラチンDは6.41 mPa・sの粘度を有するさらなるブタ皮膚ゼラチンの熱前処理により得た。
粉砕形態の約700 gのゼラチンがそれぞれ、回転蒸発器により105℃で4時間、約14 mbarの真空下で保持されるよう、減圧でのゼラチンの熱前処理を実行した。次にゼラチンを閉鎖容器中で一晩冷却させた。
架橋反応の遂行
4つのゼラチンA、B、CおよびDの各々に関して、30容量%のPBS緩衝液(pH7.2)および70容量%の蒸留水を含む混合物中にゼラチンの10重量%溶液を生成した。このために、ゼラチンを60℃で溶解し、その結果生じた均質溶液の温度を37℃に調節した。
医学的適用に広く用いられる条件にできるだけ近づくために、37℃の一定温度で架橋反応のすべてを実行した。各バッチに関して、10重量%ゼラチン溶液5 mlを、直径3 cmの円筒形容器中に入れ、その温度を、アルミニウムブロックにより37℃に調節した。0.3 mlのトランスグルタミナーゼストック溶液(30単位/ml)および0.9 mlの蒸留水(各々37℃に予熱)を付加し、その結果生じた反応混合物を直ちに十分に混合することにより、架橋反応を開始させた。これは、ゼラチンに比して18単位/gの酵素量に対応する。
反応時間の一関数としてのゲル強度の確定
架橋反応の経過中、反応混合物のゲル強度および粘着性を、タイプZwick BZ 2.5/TN1S(メーカー:Zwick GmbH & Co. KG, Ulm)の力/距離測定装置により、50秒の間隔で確定した。
各測定サイクルで、即ち50秒の間隔毎に、12.7 mmの直径を有する円形プランジャを、それに直角に反応混合物の表面中に4 mmの深さで押し込むかまたは押し付けて、これに必要な力を測定する。次に研磨ポリメチルメタクリレート表面を有するプランジャを再び上方に引く。架橋ゼラチンゲルがすでに存在する場合、これはその除去中にプランジャに接着する。ゼラチンゲルが分離する程度に上方にプランジャを引張るために必要な力も測定する。
ゼラチンA、B、CおよびDを有する4つのバッチに関して反応時間(0時間で架橋反応の開始)の一関数として測定される力を、図1A〜1Dにプロットする。正の力値は、プランジャを押すのに必要な力、すなわちゲル強度を示す(981 mNは100 gのゲル強度に対応する)。負の力値は、ゼラチンゲルの粘着性(接着力)、即ちゼラチンゲルが分離するまでプランジャを除去するのに必要とされる力を示す。
反応の初期段階中、ゲル強度および粘着性はともに実質的にゼロであり、即ち流動可能溶液が存在する。医学的適用において、これは、混合物が身体の適用領域に投与され得る期間に対応する。ゼロと顕著に異なるゲル強度が測定され得る最も早い時点が、ゲル点である。この時点で、貯蔵係数G’および損失係数G”は同じ大きさである。
バッチA〜Dの異なるゲル点を、以下の表2に列挙するが、この場合、値はそれぞれ3つの実験から平均する。ゲル点の10分後に測定した表面積に対するゼラチンゲルのゲル強度および接着力を、それぞれ明記する(プランジャ面積は1.267 cm2である)。これらの明細は主に、異なるバッチを互いに比較するのに役立ち、架橋反応のさらなる経過で、特にゲル強度の場合に、有意に高い値が得られるということが、図1A〜1Dから明らかである。
Figure 0005204103
ゲル点は、用いられるゼラチンの粘度と、即ち同量の架橋剤と相関し、そしてゲル形成は、低粘度のものより、高粘度のゼラチンにおいて実質的により急速に起こる、ということは明白である。
ゲル点に到達後、ゲル強度は、4つのバッチすべてにおいて、連続的に且つ実質的に線状に増大する。増大の速度は、表2に明記された10分後のゲル強度から明白であり、即ちそれは、ゼラチンAに関しては28.1 mN/cm・分になる。最大ゲル強度は漸進的に到達されだけである、という事実は、医療用膠剤の適用のために有意に有益である。架橋の制御進行の結果、膠剤はさらにまた、投与後に分布され、可塑的に変形され、そしてそれぞれの組織構造に適合され得る。
バッチA、BおよびCの場合、10分後に測定されたゲル強度および接着力は、ゲル点に関する場合と同様に、用いられるゼラチンの粘度と相関する。ゼラチンCの場合よりその粘度が有意に高いゼラチンDの場合、ゲル点は非常に急速に到達されるが、しかし10分後のゲル強度および接着力はより低い。
実施例2:トランスグルタミナーゼによるゼラチンの架橋:ゼラチン濃度の作用
この実施例では、実施例1からの熱前処理ゼラチンCを、異なるゼラチン濃度で、トランスグルタミナーゼで架橋した。反応混合物の調製およびゲル強度の測定を、実施例1に記載したように実行した。
用いられるゼラチン溶液の濃度、反応混合物の組成およびゲル強度測定から生じるゲル点を、以下の表3に示す。ゲル点の10分後の領域に関連したゲル強度および接着力を、付加的に明示する。
Figure 0005204103
結果は、ゲル形成がゼラチン濃度の増大により促進され得る、ということを示す。ゲル点は、より早期に到達され、そして特定期間後に達成されるゲル強度および接着力はより高い。この傾向は実行される試験において疑いなく明白であるが、しかしより高いゼラチン濃度の場合、架橋剤の量はゼラチンに関して部分的により低かった。
したがってゼラチン濃度の選択は、使用の異なる領域の特定要件に対して本発明による医療用膠剤を調整する可能性を提供する。したがって、例えば出血が手術経過中に停止されなければならない場合、総体的に急速なゲル形成が望ましいが、一方、適所に移植片を固定する場合にはより遅いゲル形成が有益であるが、それは、次にこれが、膠剤の適用後に移植片の正確な位置を調整するために医者に、彼/彼女の時間を取らせるためである。
実施例3:トランスグルタミナーゼによるゼラチンの架橋:架橋剤の量の作用
この実施例では、実施例1からの熱前処理ゼラチンを異なる量のトランスグルタミナーゼで架橋した。
ゼラチンCの8重量%溶液を、実施例1に記載したように生成した。各バッチに関して、この溶液5.9 mlを37℃に予熱し、架橋反応を開始するために、以下の表4に明記した量のトランスグルタミナーゼストック溶液(30単位/ml、37℃に加熱)と混合した。ゲル強度測定によるゲル点の確定は、実施例に記載したように生じた。
Figure 0005204103
表4に明記した値から分かるように、架橋ゼラチンゲルの生成速度は、架橋剤(この場合、トランスグルタミナーゼ)の濃度によっても影響を及ぼされ得る。予測どおり、架橋剤の量が多いほど、ゲル形成は速い。
実施例4:トランスグルタミナーゼによるゼラチンの架橋:異なる原料供給源からのゼラチンの使用
この実施例では、標準ブルーム検定の条件下でゲル化しない畜牛骨(ウシ石灰化骨)からのゼラチンを、さらにまた魚ゼラチンも、異なるゼラチン濃度でトランスグルタミナーゼにより架橋した。反応混合物の調製およびゲル強度の測定を、実施例1に記載したように実行した。
ゼラチン型、用いられるゼラチン溶液の濃度、反応混合物の組成ならびにゲル強度測定に起因するゲル点を、以下の表5に示す。ゲル点の10分後の領域に対するゲル強度および接着力を、付加的に明示する。
Figure 0005204103
結果は、低粘度魚ゼラチンを用いることにより、畜牛骨ゼラチンと比較して有意に遅いゲル点が得られ、そしてこれはほぼ2倍のゼラチン濃度で起こる、ということを示す。しかしながら、魚ゼラチンの場合におけるより遅いゲル形成にもかかわらず、匹敵するゼラチン強度が達成され、そして接着力(粘着性)は有意に高くさえある(各場合、ゲル点後10分)。予測されたとおり、両ゼラチンにおける架橋剤濃度の増大は、より早いゲル点を、そしてより高いゲル強度をもたらす(バッチ4-1および4-3と比較した場合のバッチ4-2および4-4)。
非ゲル化魚ゼラチンを用いる場合の特有の利点は、ゼラチン溶液が室温で液体のままであり、そして結果として医療用膠剤の供給および取扱いが簡単にされる、という点である。
異なるゼラチン型の、例えば魚ゼラチンと畜牛骨ゼラチンまたはブタ皮膚ゼラチンとの混合物の使用は、ゲル点、ゲル強度および医療用膠剤の接着力に影響を及ぼすさらなる可能性(ゼラチンおよび架橋剤濃度の変動のほかに)を提供する。
実施例5:トランスグルタミナーゼによるゼラチンの架橋:ゼラチン/カルボキシメチルセルロース配合物の使用
この実施例でも、トランスグルタミナーゼによるゼラチンの架橋を実行したが、この場合、ゼラチン配合物を先ず生成して、非架橋ゼラチン溶液の初期濃度を有意に増大した。この配合物は、92重量%のブタ皮膚ゼラチン(261 gブルーム)および8重量%のカルボキシメチルセルロース(CMC、平均置換率0.7;25℃で1重量%溶液中の粘度約8000 mPa・s)を含有した。ゼラチン/CMC配合物は260 gのブルーム値および162 mPa・sの粘度を有した(60℃で6.7重量%)。
反応混合物の調製およびゲル強度の測定を、実施例1に記載されたように実行したが、この場合、配合物の8重量%溶液5.0 mlを先ず生成し、そして0.3 mlのトランスグルタミナーゼストック溶液および0.9 mlの蒸留水と混合した(これは、22.5単位のトランスグルタミナーゼ/ゼラチン1 g/CMC配合物に対応する)。
この試験におけるゲル点は、4.0分であった。ゲル点後10分に、ゲル強度350 mN/cm2および接着力70 mN/cm2を測定した。
バッチ2-2および3-2との比較は、CMCの付加によるゼラチン溶液の初期粘度の明白な増大にもかかわらず、架橋反応の動態はこれにより有意に影響されない、ということを示す。これは、それぞれの要件に対して医療用膠剤を適合するという付加的可能性を提供する:ゼラチン/CMC配合物により、架橋前にすでに高度に粘性であるが、しかし依然として流動性である溶液が提供され、これは神経ガイドの閉鎖において大きな利点である。
実施例6:トランスグルタミナーゼによるゼラチンの架橋:部分架橋ゼラチンの使用
この実施例では、ゼラチンを先ず部分(一次)架橋ステップに付して、ゲル溶液の初期粘度を増大し、実(この場合は二次)架橋ステップにおける有意に速いゲル形成を得た。
ブルーム値250 gおよび粘度6.6 mPa・s(60℃で6.7重量%)を有するブタ骨から作製されるゼラチンを、部分架橋ゼラチンの製造のための出発材料として役立てた。先ず室温で45分間ゼラチンを膨潤させて、次にそれを60℃で1時間溶解することにより、蒸留水中のこのゼラチンの10重量%溶液を調製した。次に溶液の温度を50℃Cに調節して、1.5単位のトランスグルタミナーゼ/ゼラチン1 gの量が存在するよう、対応量のトランスグルタミナーゼストック溶液(30単位/ml)を付加した。部分架橋を実行するために、溶液を撹拌しながら50℃に2時間保持した。
架橋反応を停止するために、溶液を80℃に加熱することによりトランスグルタミナーゼを熱不活性化し、次に溶液を氷浴中で直ちに冷却し、皿に注ぎ入れて、ゲル化させた。得られたゼラチンゲルを切り刻んで、20℃で10%の相対空気湿度で乾燥し、次に粉砕した。このようにして得られた部分架橋ゼラチンを、P2として以下で言及する。
わずかに高度の架橋を有するさらなる部分架橋ゼラチンを上記と同様に製造したが、但し、部分架橋反応を3時間実行した。このゼラチンを、以下ではP3として言及する。
初期ゼラチンP0ならびに部分架橋ゼラチンP2およびP3の60℃および37℃でのブルーム値および粘度を、以下の表6に示す。
Figure 0005204103
部分架橋の結果、60℃でのゼラチンの粘度は、非架橋ゼラチン(P0)と比較して、約1.5倍(P2)または約2.5倍(P3)増大され得た。粘度における増大の作用は、37℃で、即ち医療用膠剤の好ましい適用温度で、より有意である。この際、粘度は、約2.5倍または約7倍増大した。
トランスグルタミナーゼによる架橋反応をゼラチンP0、P2およびP3を用いて実行し、そして実施例1に記載したように、反応時間の一関数としてゲル強度および粘着性を確定した。各場合、出発点は10重量%ゼラチン溶液5 mlで、これに1.2 mlのトランスグルタミナーゼストック溶液(30単位/ml)を付加した。これは、72単位/ゼラチン1 gの酵素量に対応する。
測定結果を、以下の表7に列挙する。
Figure 0005204103
架橋ゼラチンゲルのゲル点がゼラチンの部分架橋の結果として実質的により速く到達され得る、ということは明らかである。特に注目すべきは、ゼラチンP3を用いて達成された結果、即ちゼラチンとトランスグルタミナーゼを混合後5秒未満以内のほぼ直ちのゲル形成である。
図1Eでは、ゼラチンP3を有するバッチに関する反応時間の一関数として、測定力を表す(実施例1に記載したように実行して測定)。混合のほぼ直後に生じるゲル化にかかわらず、ゲル強度および接着力は連続的に増大し、そしてゲル点後のしばらくの間のみそれらの最大に到達する、ということが図から明らかである。この作用は、本発明の適用のために非常に有益であり、そして結果的に、医療用膠剤は適用後一定期間の間依然として可塑的に変形され得るし、適用領域の構造に適合され得る。
実施例7:組織をin vivoで膠接合する場合の医療用膠剤の接着力の分析
この実施例では、臨床条件下で生きている組織に関して、本発明による医療用膠剤の接着作用を試験した。この場合は、実施例1に記載したゼラチンCおよび架橋剤としてのトランスグルタミナーゼを用いた。
PBS緩衝液中の12重量%ゼラチン溶液を実施例1に記載したように生成して、二重室注射器の第一小室中に供給した。30単位のトランスグルタミナーゼ/ゼラチン1 gの量が存在するよう、実施例1で記載した対応量のトランスグルタミナーゼストック溶液を注射器の第二小室中に供給した。
実際の試験のために、麻酔マウス(Blab/cマウス)の腹側皮下組織を筋膜から持ち上げて、次に各々約1 cm2の面積を有する皮膚組織の複数の切片を調製した。二重室注射器中で37℃に予め加熱されていた医療用膠剤の2つの構成成分を次に一緒に混合し、約0.2 ml/cm2の量で筋膜に同時に適用した。軽度の圧力を適用することにより、調製皮下組織を挿入して正確にぴったり入れた。次に、結合を、機械的引っ張り負荷試験に付した。膠剤の適用後約4分の接着時間後、皮下組織および筋膜間の安定結合が、個々の組織切片において観察された。
試験を複数回反復して、同一結果を得たが、この場合、他の合併症は生じなかった。
実施例8:創傷閉鎖物としてのin vivoでの医療用膠剤の使用
本発明による医療用膠剤が臨床条件下での広汎性出血を停止するのに適しているか否かを試験するために、左肝葉上の非定型楔状切除を麻酔マウス(Blab/cマウス)で実行した。実施例6に記載した約0.1 mlの医療用膠剤を、二重室注射器を用いて、約0.6 cmの長さを有する出血切断面に適用した。膠剤の使用後5分以内に、出血の完全停止を達成した。
試験を複数回反復して、同一結果を得たが、この場合、他の合併症は生じなかった。
実施例9:ゼラチンおよびトランスグルタミナーゼの凍結乾燥固体混合物の製造および溶解行動
本実施例は、6単位のトランスグルタミナーゼ/ゼラチン1 gを含有する固体混合物の製造を記載する。
実施例1からのゼラチンA(290 gブルーム値を有するブタ皮膚ゼラチン)75 gを、425 gの蒸留水中で膨潤させて、60℃で溶解した。溶液を45℃に冷却させて、15 mlのトランスグルタミナーゼストック溶液(30 U/ml、実施例1参照)と混合し、十分に混ぜ合わせた。2つの凍結乾燥トレーを液体窒素で冷却し、ゼラチンおよびトランスグルタミナーゼを含有する溶液をそこに撒き散らして、液体窒素を用いて凍結させた。凍結溶液を、Lyovac GT2凍結乾燥設備(メーカー:AMSCO Finn-Aqua GmbH, Hurth)中で2日間凍結乾燥した。
得られた凍結乾燥固体混合物を、液体窒素で絶えず冷却しながら乳鉢中で微粉末に粉砕し、次に真空乾燥した。粉末は高吸湿性であるため、それを、約4℃で密閉貯蔵した。
同一比率で上記の手順を反復することにより、しかしゼラチンAの代わりに冷水溶性インスタントゼラチンを用いることにより、さらなる固体混合物を製造した。このインスタントゼラチンは、その溶解性を改良するために、約15重量%の低分子ゼラチン加水分解物を含有する。
このようにして生成された固体混合物の溶解行動を、以下のように検査した:各場合に50 mgの固体混合物を閉鎖可能管中で計量し、37℃に予熱されたPBS緩衝液(pH7.2)950 μlと混合した。管を試験管撹拌器を用いて振盪し、固体混合物の可視的溶解までの時間を確定した。
ゼラチンAから生成された混合物は2.7分後に溶解され、インスタントゼラチンから生成される混合物が溶解したのはたった2分後であった。
本実施例は、凍結乾燥ゼラチンが水溶液中で37℃またはそれ未満で溶解され得る、ということを示す。これは、凍結乾燥工程の結果としてゼラチンがおおむね非晶質形態で存在する、という事実に起因する。溶解速度は、インスタントゼラチンを用いることにより、さらに改良され得る。
ゼラチンおよび架橋剤のこのような凍結乾燥固体混合物は、本発明の枠組み内で有益に用いられ得る。混合物は、室温で提供されるかまたは冷却され、次に、処置医により37℃またはそれ未満で水溶液中で溶解され得る。
比較例:
トロンビンおよびフィブリノーゲンを基礎にした組成物におけるゲル形成の比較
本発明との比較のために、トロンビンおよびフィブリノーゲンを基礎にした市販の医療用膠剤でゲル形成の動態を検査した。このフィブリン膠剤は自然の血液凝固の原理に基づいており、以下の組成物を有する混合されるべき2つの構成成分を含む:
第一構成成分:以下のものを含有する接着タンパク質溶液:
- フィブリノーゲンを有するヒト血漿タンパク質分画
- 血液凝固因子XIII
- 血漿フィブロネクチン
- アプロチニン(ウシ)
第二構成成分:以下のものを含有するトロンビン溶液:
- トロンビン(ヒト)
- 塩化カルシウム。
フィブリン膠剤のゲル形成動態を確定するために、両構成成分を20分間37℃に予熱して、次に円筒形容器(直径3 cm)中で混合し、その温度をアルミニウムブロックにより37℃に調節した。構成成分の混合は、出発時間(0分)を限定する。反応時間の一関数としての組成物のゲル強度および粘着性(接着力)の測定を、上記のようにタイプZwick BZ 2.5/TN1Sの力/距離測定装置により実行した。
測定結果を、図2にグラフで示す。図1A〜1Dとの比較に際して、フィブリン膠剤の場合のゲル形成は本発明による医療用膠剤とは完全に異なる経過を有する、ということが直ちに明らかになる:組成物は、多少突然に固体になる、即ち、2〜3秒以内にゲル強度はその最大値に到達する。次にゲル強度は再び低減する(35分以内に初期値の半分未満に)。ゲルは、有意のシネレシスを示す。
本発明による膠剤のさらなる利点は、高品質且つ再現可能品質で入手可能である2つの構成成分ゼラチンおよび架橋剤に基づいている。その結果、ゲル形成の動態も、所定の定量的組成物に関して高度に再現可能である。それに反して、質の自然変動を受けるいくつかの構成成分(とりわけヒト起源の)を基礎にし得るそれぞれのバッチによって、検査されたフィブリン膠剤において、いくつかの場合にゲル形成の有意の偏差が観察された。
粘着性においても、有意差が明白であった。用いられるプランジャのプラスチック表面上のフィブリン膠剤の接着力は35分の測定期間中に図2において実質的に一定であり、一方、実施例1からの本発明による膠剤では、ゲル強度の増大に起因する接着力の増大が観察され得る。
しかしながらバッチAを除いて、フィブリン膠剤より顕著に高い接着力が得られたが、これは、本発明のさらなる利点を明白に示す。非常に良好な接着力は、この試験で用いられるような平滑プラスチック表面に関しても達成され、例えばバッチCの場合は200 mN/cm2を上回る。したがって、本発明による医療用膠剤は、組織を膠接合するのに適しているだけでなく、例えば平滑表面を有する移植片にも適している。

Claims (23)

  1. ヒトまたは動物身体の適用領域における架橋ゼラチンゲルを形成する架橋医療用膠剤を製造するためのゼラチンおよびトランスグルタミナーゼの使用であって、
    i. ゼラチンおよび該トランスグルタミナーゼが互いに混合されて架橋医療用膠剤を形成し、これが次に適用領域に投与されるか;あるいは
    ii. ゼラチンおよび該トランスグルタミナーゼが別個の形態で提供され、そして適用領域に同時にまたは連続的に投与されて、架橋医療用膠剤の形成を伴い、
    ここで、該ゼラチンは、60℃で6.7重量%水溶液中で測定されるとき7 mPa・sまたはそれより大きい粘度を有することを特徴とする前記使用。
  2. 前記ゼラチンが魚ゼラチンである請求項1に記載の使用。
  3. 前記(i)にる医療用膠剤が前記トランスグルタミナーゼおよび前記ゼラチンを溶液中に含有する水溶液である、請求項1又は2に記載の使用。
  4. 前記水溶液は、前記ゼラチンおよび前記トランスグルタミナーゼを凍結乾燥形態で含む固体混合物を溶解することにより製造される、請求項に記載の使用。
  5. 前記ゼラチンが少なくとも主として非晶質形態で存在する請求項に記載の使用。
  6. 前記トランスグルタミナーゼが0.6〜80単位/ゼラチン1 gの量で前記固体混合物中に含される請求項又はに記載の使用。
  7. 前記トランスグルタミナーゼが10〜40単位/ゼラチン1 gの量で前記固体混合物中に含される請求項に記載の使用。
  8. 前記(ii)にる変法が水性ゼラチン溶液および別個の水性トランスグルタミナーゼ溶液の形態で提供される請求項1又は2に記載の使用。
  9. 前記ゼラチン溶液および前記トランスグルタミナーゼ溶液の同時投与が多室アプリケーターにより実行される請求項に記載の使用。
  10. 前記(ii)にる変法が水性ゼラチン溶液および固体形態の前記トランスグルタミナーゼの形態で提供される請求項1又は2に記載の使用。
  11. 前記医療用膠剤中のゼラチン濃度が5〜20重量%である、請求項1〜10のいずれか1項に記載の使用。
  12. 前記架橋ゼラチンゲルが4 mmの浸透深度で12.7 mmの直径を有するプランジャで測定されるとき100 gまたはそれより大きいゲル強度を有する請求項1〜11のいずれか1項に記載の使用。
  13. 平滑プラスチック表面上の架橋ゼラチンゲルの接着力が200 mN/cm2またはそれより大きい、請求項1〜12のいずれか1項に記載の使用。
  14. 前記医療用膠剤が膠剤の固体含量に基づいて1〜10重量%の割合で粘性増大ポリマーを含む請求項1〜13のいずれか1項に記載の使用。
  15. 前記粘性増大ポリマーがカルボキシメチルセルロースである請求項14に記載の使用。
  16. 前記ゼラチンが、投与前に部分架橋される請求項1〜15のいずれか1項に記載の使用。
  17. 前記医療用膠剤が1つまたは複数の治療用活性物質を含む請求項1〜16のいずれか1項に記載の使用。
  18. 前記医療用膠剤が出血による影響を受ける適用領域に適用され、出血が架橋ゼラチンゲルの形成により停止される、出血を停止するための架橋医療用膠剤を製造するための請求項1〜17のいずれか1項に記載の使用。
  19. ヒトまたは動物皮膚の損傷および/または熱傷の治療のための架橋医療用膠剤を製造するための請求項1〜17のいずれか1項に記載の使用。
  20. ヒトまたは動物身体の適用領域において自系または同種異系組織を固定するための架橋医療用膠剤を製造するための請求項1〜17のいずれか1項に記載の使用。
  21. ヒトまたは動物身体の適用領域において移植片を固定するための架橋医療用膠剤を製造するための請求項1〜17のいずれか1項に記載の使用。
  22. 凍結乾燥形態でゼラチンおよびトランスグルタミナーゼを含む固体混合物であって、該ゼラチンは、60℃で6.7重量%水溶液中で測定されるとき7 mPa・sまたはそれより大きい粘度を有することを特徴とする前記固体混合物
  23. 別個の小室中に水性ゼラチン溶液および水性トランスグルタミナーゼ溶液を含有する多室アプリケーターであって、該ゼラチンは、60℃で6.7重量%水溶液中で測定されるとき7 mPa・sまたはそれより大きい粘度を有することを特徴とする前記固体混合物
JP2009518780A 2006-07-10 2007-07-10 架橋医療用膠剤を製造するためのゼラチンおよび架橋剤の使用 Active JP5204103B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
DE102006033167A DE102006033167A1 (de) 2006-07-10 2006-07-10 Verwendung von Gelatine und einem Vernetzungsmittel zur Herstellung eines vernetzenden medizinischen Klebers
DE102006033167.2 2006-07-10
PCT/EP2007/006105 WO2008006545A2 (de) 2006-07-10 2007-07-10 Verwendung von gelatine und einem vernetzungsmittel zur herstellung eines vernetzenden medizinischen klebers

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2009542384A JP2009542384A (ja) 2009-12-03
JP2009542384A5 JP2009542384A5 (ja) 2010-07-29
JP5204103B2 true JP5204103B2 (ja) 2013-06-05

Family

ID=38596783

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009518780A Active JP5204103B2 (ja) 2006-07-10 2007-07-10 架橋医療用膠剤を製造するためのゼラチンおよび架橋剤の使用

Country Status (7)

Country Link
US (1) US9295751B2 (ja)
EP (1) EP2037972B1 (ja)
JP (1) JP5204103B2 (ja)
AT (1) ATE525098T1 (ja)
DE (1) DE102006033167A1 (ja)
ES (1) ES2370095T3 (ja)
WO (1) WO2008006545A2 (ja)

Families Citing this family (26)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE102006033168A1 (de) * 2006-07-10 2008-01-17 Gelita Ag Verwendung von Gelatine und einem Vernetzungsmittel zur Herstellung einer vernetzenden therapeutischen Zusammensetzung
US8133484B2 (en) 2006-12-15 2012-03-13 Lifebond Ltd Hemostatic materials and dressing
EP2111239B1 (en) * 2006-12-15 2013-03-06 Lifebond Ltd. Gelatin-transglutaminase hemostatic dressings and sealants
CN102124058B (zh) 2008-06-18 2014-05-28 生命连结有限公司 改进的交联组合物
US20110112573A1 (en) * 2008-06-18 2011-05-12 Orahn Preiss Bloom Methods and devices for use with sealants
US20110104280A1 (en) * 2009-05-20 2011-05-05 Olexander Hnojewyj Wound treatment systems, devices, and methods using biocompatible synthetic hydrogel compositions
EP2710892B1 (en) 2009-07-21 2016-12-14 Marrone Bio Innovations, Inc. Use of sarmentine and its analogs for controlling weeds
EP2515957B1 (en) 2009-12-22 2015-07-29 Lifebond Ltd Modification of enzymatic crosslinkers for controlling properties of crosslinked matrices
CN103118713B (zh) 2010-08-05 2016-06-01 生命连结有限公司 干组合物伤口敷料及粘合剂
JP2012095769A (ja) * 2010-10-29 2012-05-24 Gunze Ltd 医療用接着剤及び医療用材料
US20130224712A1 (en) 2012-02-24 2013-08-29 Bradford L. Day Medical training kits and methods to simulate treatment of uncontrolled hemorrhage
JPWO2014112208A1 (ja) * 2013-01-18 2017-01-19 国立研究開発法人物質・材料研究機構 組織接着剤及びその製造方法
GB2515749B (en) * 2013-07-01 2016-08-31 Biodynamic Armor Ltd Pressure impulse mitigation
EP3177330A4 (en) * 2014-08-08 2018-01-17 The Brigham and Women's Hospital, Inc. Elastic biopolymer and use as a tissue adhesive
WO2016149615A1 (en) 2015-03-19 2016-09-22 The Brigham And Women's Hospital, Inc. Polypeptide compositions and methods of using the same
EP3413940A4 (en) 2016-02-08 2020-07-15 The Brigham and Women's Hospital, Inc. BIOADHESIVE FOR CORNEAL REPAIR
US11679177B2 (en) 2017-08-08 2023-06-20 Baxter International Inc. Polymeric compositions, delivery devices, and methods
EP3668920A1 (en) * 2017-08-15 2020-06-24 Sanford, L.P. Glue slime activator and associated methods and kits
US10738175B2 (en) * 2017-08-15 2020-08-11 Sanford, L.P. Glue slime activator and associated methods and kits
CN111432830A (zh) * 2017-09-29 2020-07-17 巴德香农有限公司 用于从组织的受控药物释放的组合物和方法
US11998654B2 (en) 2018-07-12 2024-06-04 Bard Shannon Limited Securing implants and medical devices
CN110917389B (zh) * 2018-09-20 2022-03-22 广州迈普再生医学科技股份有限公司 一种组织封闭组合物、组织封堵胶及其制备方法
CN112245411B (zh) * 2020-10-16 2023-06-16 中山大学附属口腔医院 一种普适性口腔绷带及其制备方法
CN112646205A (zh) * 2020-12-10 2021-04-13 南昌大学 一种增强鱼皮明胶凝胶强度的方法
CN115068666B (zh) * 2021-03-10 2023-12-26 广东粤港澳大湾区国家纳米科技创新研究院 一种防粘连的止血水凝胶及其制备方法和应用
WO2024154679A1 (ja) * 2023-01-16 2024-07-25 株式会社大塚製薬工場 癒着防止材

Family Cites Families (47)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4581020A (en) * 1983-07-18 1986-04-08 Trimedyne, Inc. Medication delivery device and system for percutaneous administration of medication
JPS61152247A (ja) 1984-12-26 1986-07-10 Ajinomoto Co Inc 蛋白質膜の製造法
US5936035A (en) * 1988-11-21 1999-08-10 Cohesion Technologies, Inc. Biocompatible adhesive compositions
US5385606A (en) 1992-07-06 1995-01-31 Kowanko; Nicholas Adhesive composition and method
US5549904A (en) * 1993-06-03 1996-08-27 Orthogene, Inc. Biological adhesive composition and method of promoting adhesion between tissue surfaces
US5428014A (en) 1993-08-13 1995-06-27 Zymogenetics, Inc. Transglutaminase cross-linkable polypeptides and methods relating thereto
US5939385A (en) 1993-08-13 1999-08-17 Zymogenetics, Inc. Transglutaminase cross-linkable polypeptides and methods relating thereto
ATE198418T1 (de) 1993-10-04 2001-01-15 Maurizio Dr Tonetti Pharmazeutische zusammensetzung zur förderung der gewebeheilung und -regenerierung und darreichungssatz
FR2715309B1 (fr) 1994-01-24 1996-08-02 Imedex Composition adhésive, à usage chirurgical, à base de collagène modifié par coupure oxydative et non réticulé.
AU1287895A (en) 1994-10-03 1996-04-26 Otogen Corporation Differentially biodegradable biomedical implants
FR2726571B1 (fr) * 1994-11-03 1997-08-08 Izoret Georges Colle biologique, procede de preparation et dispositif d'application pour colle biologique, et durcisseurs pour colle biologique
DE19508192A1 (de) * 1995-03-09 1996-09-12 Behringwerke Ag Stabile Transglutaminasepräparate und Verfahren zu ihrer Herstellung
US6565842B1 (en) 1995-06-07 2003-05-20 American Bioscience, Inc. Crosslinkable polypeptide compositions
US6129761A (en) 1995-06-07 2000-10-10 Reprogenesis, Inc. Injectable hydrogel compositions
US5589322A (en) * 1995-12-12 1996-12-31 Eastman Kodak Company Process for making a direct dispersion of a photographically useful material
WO1997029715A1 (en) * 1996-02-20 1997-08-21 Fusion Medical Technologies, Inc. Compositions and methods for sealing tissue and preventing post-surgical adhesions
EP2311471A3 (en) 1996-04-19 2013-05-15 Osiris Therapeutics, Inc. Regeneration and augmentation of bone using mesenchymal stem cells
US5834232A (en) 1996-05-01 1998-11-10 Zymogenetics, Inc. Cross-linked gelatin gels and methods of making them
US6039901A (en) * 1997-01-31 2000-03-21 Givaudan Roure Flavors Corporation Enzymatically protein encapsulating oil particles by complex coacervation
US20020098222A1 (en) 1997-03-13 2002-07-25 John F. Wironen Bone paste
DE19732917C1 (de) 1997-07-30 1998-10-15 Fuchsbauer Hans Lothar Verfahren zum Transglutaminase-katalysierten Koppeln von Protein oder Peptid an einen Träger
US20020076429A1 (en) 1998-01-28 2002-06-20 John F. Wironen Bone paste subjected to irradiative and thermal treatment
US20040036054A1 (en) * 1998-06-29 2004-02-26 Haslim Leonard Arthur Environmentally friendly compositions having antiicing, deicing or graffiti prevention properties
US20020015724A1 (en) * 1998-08-10 2002-02-07 Chunlin Yang Collagen type i and type iii hemostatic compositions for use as a vascular sealant and wound dressing
DE69931170T2 (de) 1998-08-26 2007-02-15 Neomend, Inc., Irvine Kit zur in-situ-erzeugung chemisch verbundener mechanischer barrieren oder abdeckstrukturen für eine punktionsstelle in einem blutgefäss
ES2242631T3 (es) 1999-07-21 2005-11-16 Imedex Biomateriaux Espuma de una proteina adhesiva para usos quirurgicos y/o terapeuticos.
US20030095993A1 (en) * 2000-01-28 2003-05-22 Hanne Bentz Gel-infused sponges for tissue repair and augmentation
DE60125973D1 (de) 2000-11-15 2007-02-22 Biosyntech Canada Inc Verfahren zur wiederherstellung einer geschädigten bandscheibe
MXPA03004637A (es) * 2000-11-28 2003-09-05 Wyeth Corp Analisis de expresion de acidos nucleicos y polipeptidos kiaa utiles en diagnostico y tratamiento de cancer de prostata.
US6685626B2 (en) * 2001-02-02 2004-02-03 Regeneration Technologies, Inc. Compositions, devices, methods, and kits for induction of adhesions
US8182527B2 (en) * 2001-05-07 2012-05-22 Cordis Corporation Heparin barrier coating for controlled drug release
DE10152407A1 (de) 2001-10-24 2003-05-08 Aesculap Ag & Co Kg Zusammensetzung aus mindestens zwei biokompatiblen chemisch vernetzbaren Komponenten
SE0200010D0 (sv) * 2002-01-02 2002-01-02 Amersham Biosciences Ab A method of producing hierarchical porous beads
AU2003215330B2 (en) 2002-02-21 2008-03-13 Encelle, Inc. Immobilized bioactive hydrogel matrices as surface coatings
US7138373B2 (en) * 2002-09-26 2006-11-21 University Of Maryland, Baltimore County Polysaccharide-based polymers and methods of making the same
JP2004283371A (ja) * 2003-03-20 2004-10-14 Nagoya Industrial Science Research Inst 医用材料
ATE416223T1 (de) 2003-08-29 2008-12-15 Mayo Foundation Hydrogel-porenbildner zur herstellung von biologisch abbaubaren gerüsten
US7968122B2 (en) * 2003-12-10 2011-06-28 Adventrx Pharmaceuticals, Inc. Anti-viral pharmaceutical compositions
US9241902B2 (en) * 2003-12-17 2016-01-26 R.P. Scherer Technologies, Llc Chewable soft capsules containing ungelatinized starch
DE102004024635A1 (de) 2004-05-12 2005-12-08 Deutsche Gelatine-Fabriken Stoess Ag Verfahren zur Herstellung von Formkörpern auf Basis von vernetzter Gelatine
EP1748803A2 (en) 2004-05-27 2007-02-07 Humanitas Mirasole S.p.A. Use of fibrin for separating body organs
WO2006059984A1 (en) 2004-11-30 2006-06-08 The Regents Of The University Of Michigan Modified porous materials and method of forming the same
US7837986B2 (en) * 2004-12-01 2010-11-23 E. I. Du Pont De Nemours And Company Protein-based polymer tissue adhesives for medical use
DE102005054938A1 (de) 2005-11-17 2007-05-24 Gelita Ag Formkörper auf Basis eines vernetzten, Gelatine enthaltenden Materials, Verfahren zu deren Herstellung sowie deren Verwendung
EP1962610A2 (en) * 2005-12-21 2008-09-03 Wm. Wrigley Jr. Company Coated chewy confectionery product and method
DE102006033168A1 (de) * 2006-07-10 2008-01-17 Gelita Ag Verwendung von Gelatine und einem Vernetzungsmittel zur Herstellung einer vernetzenden therapeutischen Zusammensetzung
AU2008354530B2 (en) * 2008-04-07 2014-02-27 Indian Institute Of Science Compositions useful for the treatment of diabetes and other chronic disorder

Also Published As

Publication number Publication date
ATE525098T1 (de) 2011-10-15
WO2008006545A3 (de) 2008-12-04
EP2037972B1 (de) 2011-09-21
US9295751B2 (en) 2016-03-29
US20090175946A1 (en) 2009-07-09
JP2009542384A (ja) 2009-12-03
WO2008006545A8 (de) 2009-01-29
WO2008006545A2 (de) 2008-01-17
ES2370095T3 (es) 2011-12-12
EP2037972A2 (de) 2009-03-25
DE102006033167A1 (de) 2008-01-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5204103B2 (ja) 架橋医療用膠剤を製造するためのゼラチンおよび架橋剤の使用
US10265274B2 (en) Formulations and kits for forming bioadhesive matrices
US9623146B2 (en) Bone implant materials comprising cross-linked bioactive hydrogel matrices
JP5133482B2 (ja) 外科的及び/又は治療的使用のための接着性タンパク質フォーム、並びにその生産のための方法及びキット
US6335007B1 (en) Collagen gel
JP5319524B2 (ja) 架橋治療用組成物を製造するためのゼラチンおよび架橋剤の使用
US10383981B2 (en) Structural lattice and method of making same
CN109200331B (zh) 一种肺部封合医用凝胶及其制备方法与应用
TW200824726A (en) Rapidly acting dry sealant and methods for use and manufacture
CA2851338A1 (en) Hemostatic compositions
JP2011510971A (ja) 中性pHで可溶性の終末的に滅菌されたコラーゲンの製造
KR101536134B1 (ko) 연부조직 수복용 매트릭스의 제조방법
CN108498850B (zh) 一种流体止血胶及其制备方法和应用
EP3074055B1 (en) Dry pad comprising thrombin and pectin
JP6877360B2 (ja) 止血組成物
WO2016055532A1 (fr) Colle biologique et son utilisation comme médicament

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100614

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100614

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20120905

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120918

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20120905

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20121207

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130115

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130214

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5204103

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20160222

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250