JP5202736B2 - 生体計測装置 - Google Patents

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    • A61B5/4058Detecting, measuring or recording for evaluating the nervous system for evaluating the central nervous system
    • A61B5/4064Evaluating the brain

Description

参照による取り込み
本出願は,2009年6月24日に出願された日本特許出願第2009−149293号の優先権を主張し,その内容を参照することにより本出願に取り込む。
本発明は,無侵襲的に前頭洞等のヒト内部構造を計測するための生体計測方法に関する。
近赤外分光法を用いた脳機能計測装置は,医療用・研究用機器として,或いは,教育効果・リハビリ効果の確認,家庭における健康管理,商品モニタ等の市場調査に用いることができる。また,同様の手法により組織酸素飽和度計測や筋肉の酸素代謝計に用いることができる。更に,果実の糖度計測を始め,一般の吸収分光装置にも用いることができる。従来の近赤外分光法を用いた脳機能計測装置には,ヒトの脳の表層付近の局所的血液動態変化を無侵襲的に画像化する光トポグラフィ法がある。光トポグラフィ法は可視から赤外領域に属する波長の光を被検体に照射し,被検体内部を通過した複数信号の光を同一の光検出器で検出しヘモグロビン濃度変化量(または,ヘモグロビン濃度と光路長の積の変化量)を計測する方法である(例えば,特許文献1参照。)。MRI,PET等の脳機能計測技術に比較し被験者に対する拘束性も低いという特徴を持つ。臨床現場において,言語機能や視覚機能などの計測が行われている。
特開平9−019408号公報
A.Maki et al.,"Spatial and temporal analysis of human motor activity using noninvasive NIR topography,"Medical Physics 第22巻,1997-2005頁(1995年) 古賀英也,中橋孝博,"西日本古代人における前頭洞形態の時代変化,"比較社会文化 第6巻,29-36頁(2000年) A.K.Singh,M.Okamoto,H.Dan,V.Jurcak and I.Dan,"Spatial registration of multichannel multi-subject fNIRS data to MNI space without MRI,"Neuroimage 第27巻4号,842-851頁(2005年)
しかし,従来の光トポグラフィ法によるヒト前頭前野の光計測においては,副鼻腔の一つである前頭洞(frontal sinus)の存在は,得られる光信号を大きく変化させる。頭骨内における前頭洞の存在により,光検出器で検出された光子のうち大脳の灰白質内を伝播してきたものの割合が大きく変化するために,灰白質内の平均部分光路長が変化するためである。大脳の表面に広がる神経細胞の灰白質の層である大脳皮質は,光トポグラフィ法における主要な計測領域であり,脳神経活動に伴い血行動態が変化する領域である。
前頭洞には個人差が大きいことが知られている。出生後に発達するため,環境に適応して変化するものと考えられている。特に,寒冷地に住む人々の前頭洞は小さいことが知られている(例えば,非特許文献2参照。)。
さらに前頭洞が光トポグラフィ計測領域において不均一に存在している場合は,透過率に不均一性が生じ,大脳の灰白質における部分光路長が不均一となる。そのような場合は,各計測領域の皮質内で同じ程度の血流変化があっても,信号に現れるのは部分光路長に比例した成分となるので,同程度の信号変化としては検出されない場合がある。つまり,部分光路長を求めなければ真の脳血液変動量を推定することが困難である。前頭洞の分布には個人差があるため,前頭洞領域に光を照射して脳機能計測を行う場合には,前頭洞を計測した上で,その影響を補正するような解析が望まれる。通常,光トポグラフィ計測において前頭洞領域に光を照射することがあるのは,前頭前野計測時のみである。従来の光トポグラフィ法では,前頭前野計測時に前頭洞の存在を考慮することはあまりされておらず,今後は前頭洞を考慮して,光脳機能イメージングの精度を上げることが必要となる。
さらに,fMRIによる計測時,ヒト頭部の鼻腔・前頭洞等の空洞は透磁率の急激な変化をもたらし,偽像を生じさせるなどして,精度良く計測できない場合があった。つまり,fMRIでは,信号がT2スター(T2*)強調信号であり,鼻腔,副鼻腔,耳腔等,組織/空気あるいは組織/脂肪といった透磁率(あるいは磁化率)の境界において,透磁率の違いが局所磁場の歪みを生じ,スピンの位相の分散による信号低下や信号位置の誤り,すなわちアーチファクト(偽像)を生じる場合がある。前頭洞の分布を知ることにより,これらのアーチファクトを事前に予測することが重要となる。
本発明の目的は,上記課題を解決するための技術を提供することにある。
前記目的を達成するため,本発明の前頭洞計測装置は,無侵襲で前頭洞の分布を計測するため,被験体に光を照射するための1つまたは複数の光照射手段と,前記1つまたは複数の光照射手段から照射され,被験体内を透過,伝播または散乱してきた光を検出する1つまたは複数の光検出手段と,前記1つまたは複数の光照射手段・光検出手段を制御する制御部と,前記1つまたは複数の光検出手段で得られる信号をもとに,被験体の前頭洞および/または副鼻腔分布を少なくとも算出する解析部を備えることを特徴とする。
また,複数の光源−検出器間距離で計測した光の透過率分布を利用して得られた前頭洞分布情報を利用して,光脳機能計測における光源パワーや光検出器感度を調整し,光脳機能計測やfMRI等の生体計測データを補正する手段を提供する。さらに,fMRIにおいて,事前に前頭洞分布を使用することによるアーチファクトを低減した計測を実現する。
本発明によれば,無侵襲的に前頭洞分布を精度良く計測でき,それを用いて光脳機能計測あるいはMRIで得られた信号の精度を高めることが可能となる。さらに,灰白質における光の部分光路長を推定することが可能となる。
本発明の他の目的,特徴及び利点は添付図面に関する以下の本発明の実施例の記載から明らかになるであろう。
本発明の装置構成図 前頭洞の正中矢状断面図 前頭洞の正面図 送光器・受光器間距離が可変なプローブホルダとプローブ配置の例1 送光器・受光器間距離が可変なプローブホルダとプローブ配置の例1 送光器・受光器間距離が可変なプローブホルダとプローブ配置の例2 送光器・受光器間距離が可変なプローブホルダとプローブ配置の例2 前頭洞推定分布と送光器・受光器位置 前頭洞計測の全体的な流れを示すフローチャート 光学パラメータを算出するときのフローチャート SD距離別の,計測位置と透過率との関係の表示例 SD距離と光子透過率との関係 前頭洞−頭骨境界検出のフローチャート 複数のSD距離による透過率計測データを用いて前頭洞−頭骨境界を推定するときのフローチャート 前頭洞形状パターンの例 前頭洞計測結果から前頭洞の形状タイプを分類して表示を行うときのフローチャート 前頭洞形状パターン表示の例 前頭洞分布の表示例 前頭洞形状パターン表示の例1 前頭洞形状パターン表示の例2 可動プローブホルダ 送光器が非接触の場合の装置構成図 送光器が非接触で受光器が接触状態での計測時のフローチャート 安全のため照射停止を行うときのフローチャート 送光器・受光器が非接触の場合の装置構成図 送光器・受光器ともに被験体に対して非接触の場合の装置光学系略図 光伝播モンテカルロシミュレーションによる,灰白質の平均部分光路長計算結果 本発明の装置と,光脳機能計測装置を組み合わせたときの装置構成図 前頭洞計測結果を用いて光脳機能計測におけるヘモグロビン信号補正を行うときのフローチャート 前頭洞分布を用いて光脳機能計測における計測条件を設定するときのフローチャート 前頭洞分布と光脳機能イメージング結果の同時結果表示の例 全頭計測型の光脳機能計測装置の構成図 前頭洞分布を利用して光脳機能計測装置の各計測位置における補正量を決定するときのフローチャート 全頭計測型の光脳機能計測装置による計測結果を補正したときの表示例 数式1の内容
以下,図面を用いて本発明の実施例を説明する。
図1に,本実施例における装置構成の一例を示す。光を生体に入射し,生体内を散乱・吸収され伝播して出てきた光を検出できる生体光計測装置30において,1つまたは複数の光源101から照射される光40を,導波路50を介して,被験者10に入射させる。
被験者10内を伝播した光は,入射点とは離れた位置にある検出点から導波路50を介して,1つまたは複数の光検出器102で検出される。
ここで,1つまたは複数の光源101は半導体レーザや発光ダイオード等,1つまたは複数の光検出器はアバランシェフォトダイオードやフォトダイオード等であれば良い。また,導波路50は光ファイバ等であれば良い。
光源101は,光源駆動装置103により駆動され,1つまたは複数の光検出器102のゲインは制御・解析部104により制御される。制御・解析部104は,光源駆動装置103の制御も行い,入力部105からの条件等の入力を受ける。
光検出器102で光電変換した電気信号は,増幅器106で増幅され,アナログ−デジタル変換器107でアナログ−デジタル変換され,制御・解析部104へ送られる。
制御・解析部104では,光検出器102で検出された信号に基づき解析を実行する。具体的には,アナログ−デジタル変換器107で変換して得られたデジタル信号を受け当該デジタル信号をもとに検出光量あるいは透過率の空間分布を算出し,前頭洞分布あるいは透過率分布を解析し,当該解析結果を画像構成部108に送る。
画像構成部108において被験者10の前頭洞分布あるいは透過率分布を,1次元あるいは2次元あるいは3次元の画像として構成し,パターン識別部109で,前頭洞パターンを識別し,表示部110で結果が表示される。
上記構成により,検出光量あるいは透過率の空間分布から,生体内部の構造,特に副鼻腔の一種である前頭洞の構造を含む骨格構造を計測することが可能となる。
このように前頭洞の構造,形状を解析し,当該解析結果を光計測結果に反映させることで,より正確な生体光計測を実行できる。
次に,前頭洞の位置を示す図として,前頭洞の正中矢状断面図(図2),正面図(図3)に典型的な形状を示す。図2,図3には前頭洞20と前頭洞−頭骨境界21が示されている。
このように前頭洞は眉間の頭骨内に位置している。しかし上述したように当該前頭洞の形状と位置には個人差があることから,これに限られるものではない。
図4A,4B・図5A,5Bに,送光器60と受光器70の間の距離が可変なプローブホルダ121のプローブ配置の例を示す。ここでは,送光器・受光器で特に被験者10に接触するものをプローブと呼ぶこともある。送光器60,受光器70,それぞれ1つまたは複数の光源101と1つまたは複数の光検出器102と光学的に結合されている。送光器・受光器のペアは一つの計測点を構成するので,各々の送光器・検出器の組み合わせにより,様々な送光器・検出器間距離の計測点が構成される。
以下,送光器・検出器間距離をSD(Source-Detector)距離と呼ぶ。SD距離により検出光子の伝播してきた平均深さが異なる。本発明においては,複数SD距離を用いて1〜3次元的な透過率分布を求める。ここで,計測点は送光器60と受光器70の略中点となる。送光器・受光器の配置により,計測点と計測できる深さ(SD距離に依存)が異なるため,図4A・図5Bのような2次元配列以外にも,3列以上にする等,各種配置が考えられる。
さらに,図4A,4B,図5A,5BにあるようにSD距離を変化させる機構を有し,SD距離を変えて複数回計測することで,3次元的な透過率分布が得られる構成でも良い。このとき,複数SD距離での計測結果を比較するため,プローブホルダ121あるいは1つまたは複数の光源101と1つまたは複数の光検出器102の,被験者10に対する接触状態あるいは光結合状態が,同じあるいはほぼ同じである必要がある。よってSD距離を変化させる機構としては,例えば回転数と移動距離との関係が既知である調整ねじを用いた調整機構あるいはプローブ列間の位置関係をスライド式に変更するような機構を用いる方法がある。このように複数のプローブを同時に移動することで,効率的に複数の計測点における計測を行うことが可能となる。
1つまたは複数の光検出器102で受光する光は,SD距離により大きく変化する。例えば,典型的な脳モデルを用いた光伝播モンテカルロシミュレーション結果等によれば,SD距離10mmのときの検出光量は,SD距離30mmのときに比べ100倍以上となる。よって光源の出力パワー・検出器の増幅率(ゲイン)をSD距離に応じて変化させることが好ましい。したがって,複数の光源を1つずつ順次点灯させ,SD距離に応じて光源の出力パワーを変化させ,さらに必要に応じて,検出器のゲインを時間的に変化させる。
通常の脳機能計測においては,複数の光源を1つずつ順次点灯させた場合,光源数が増えると時間分解能が低下するが,本発明では時間的に変化しない生体内部の構造を計測するため,複数の光源を順次点灯させる方法が有効であり,検出器のダイナミックレンジを広く取ることができる。尚,各光源で異なる周波数で強度変調をかけた状態で全光源を同時に点灯させる方法でもよい。
図6に,前頭洞推定分布と送光器・受光器位置を示す。送光器60・受光器70は前額部全体に配置されている。ここに示した送光器・受光器と前頭洞分布との位置関係に限らず,前頭洞以外の副鼻腔を計測するために,眼窩下方に送光器・受光器を配置することも可能である。
さらに,図示していないが,送光器60・受光器70を格子配置に5mm程度の間隔で前額部全体に敷き詰める構成でもよい。このときの複数の計測点の中には,送光器−受光器の対により複数のSD距離のものが存在する。そこで,例えば50mm以上のSD距離の計測点では,検出光量が小さく,十分なSN比(信号対雑音比)が得られないため,計測を行わない等,閾値を定める必要がある。
また,5〜10mm程度の短いSD距離では,光検出器で検出される光量が大きくなりすぎて,光検出器の出力が飽和してしまうことを防ぐため,そのような計測点での計測を行う場合には,光源パワーを下げる必要がある。このように,光検出器感度とダイナミックレンジに応じて光源パワーを調整する必要があり,事前にテスト計測を行って設定するか,または経験的に得られている値を設定しておく。さらに,計測するべき各々の計測点で,最適な光源パワーがあるため,同一の送光器を用いて複数のSD距離の計測を行う場合には,光源の出力パワーを時分割形式で変化させ,出力パワーに応じて順次使用する光検出器を切り替えて計測する必要がある。このような計測は他の実施例と同様,1波長でも,2つ以上の波長でも実施可能である。
図7に,前頭洞計測の全体的な流れを示すフローチャートを示す。
(S701)均一ファントムを用いた光源・検出器のキャリブレーション計測。ここでは,特に,複数の光源・検出器を使用するときに,各光源の出力とあらかじめ定めた設定値(例えば,全て等しくする等)に設定し,さらに,各々の検出器の光電変換感度を計測しておく。
(S702)送光器・受光器を被験者に装着する。通常は,複数の送光用・受光用プローブを保持するためのプローブホルダを被験者の前額部に固定する。
(S703)SD距離を設定する。ここで,図4A,4B,図5A,5BのようなプローブホルダにおけるSD距離を手動で調整する。
(S704)必要に応じてテスト計測を行い,光源パワー・光検出器の増幅率の調整。ここでは,例えば,光検出器の出力が等しくなるように光源パワーを,各々のSD距離に応じて調整するという方法がある。
(S705)計測開始。
(S706)計測データ取得(AD変換)完了。
(S707)必要なSD距離について計測が完了したかどうかの判断。ここで,あらかじめ設定した必要なSD距離に関する計測を全て完了していれば,(S708)へ,そうでなければ(S703)へ。
(S708)光学パラメータ推定。複数SD距離の透過率データから,空間分解分光法,拡散方程式を利用した方法,モンテカルロ法を利用した方法等,各種一般的な推定手法を用いて,吸収係数・等価換算散乱係数等を推定する。
(S709)前頭洞分布推定。
(S710)結果の表示。
実際の計測を行うときは,信号の中にノイズとなるような脳活動が入らないように,被験者10に対しては刺激無しであることが望ましい。例えば,被験者10に固視点の画面を見せる,あるいは脳に負荷をかけないような景色を想像させる等して,脳活動を安定化させることが重要である。透過率分布を計測した後,3次元的な構造推定を行うための逆問題解法としては,例えば有限要素法を用いて拡散方程式を順問題として解き,結果に合致する吸収係数・散乱係数分布を探索する方法が考えられる。また,頭部の層構造と各層の散乱係数・吸収係数を仮定することにより,各構造の厚みを推定する方法も考えられる。これらの方法により,深さ方向の光学特性を算出することが可能となる。そのように算出した透過率分布あるいは吸収係数分布あるいは散乱係数分布は空間上で離散的なものであるが,各計測点間で3次スプライン補間等の補間を行うことにより連続データを作成する。図8に,光学パラメータを算出するときのフローチャートを示す。
(S801)モデル入力(光学パラメータ分布推定値・各層厚み推定値)。
(S802)有限要素法により順問題を解く。
(S803)順問題結果と計測データ(光学パラメータ分布)を比較し,距離を算出。
(S804)距離を最小化する光学パラメータ分布を探索。
尚,ここでは拡散方程式を利用する場合について説明したが,光伝播モンテカルロシミュレーション結果を用いる等,他の方法を利用しても良い。
次に前頭洞分布の推定方法について図を用いて説明する。前頭洞分布を推定するために,前頭洞(空気)と頭骨との境界線を検出する方法を用いる。本発明では,以下のように前頭洞と頭骨の境界を検出する。図9に,SD距離別の,計測位置と透過率との関係の表示例を示す。まず,1次元での前頭洞−頭骨境界算出方法として,図9のような横軸に位置[mm],縦軸に透過率をプロットした1次元透過率分布において,大きく透過率が変動する位置が前頭洞−頭骨境界である確率が高いので,変曲点を計算し,その点を前頭洞−頭骨境界と定める。図9においては,変曲点24が例として示されている。ここで,変曲点とは,ある軸を定め,その軸上での透過率tが軸上の位置座標xの関数f(x)で表されるとき,二次導関数f”(x)が0となる点のことである。発明者らの独自の光伝播モンテカルロシミュレーションによれば,図10のように,SD距離が30mmのとき,前頭洞があるときは,無いときに比べ透過率が20倍以上になる。図10では,横軸がSD距離[mm],縦軸が光子透過率であり,典型的な頭部モデルを仮定したときに前頭洞の厚みが0,1,2,4,6mmのときの,各SD距離のプローブ配置における光子透過率を求めた結果を示している。図10によれば,前頭洞の存在は光子透過率に大きく影響すると考えられる。また,変曲点を用いる方法以外にも,指定位置範囲内で光子透過率が閾値以上の変化量を有するときに前頭洞−頭骨境界と定めても良い。例えば,5mmの間で光子透過率が1桁以上変動した場合に,その5mm区間の中点を前頭洞−頭骨境界と定める等でも良い。2次元上での前頭洞−頭骨境界の算出方法は1次元の方法を複数の列により実施し,補間して作成することができる。また,2次元の空間上離散データを直接補間し,適当な直線を複数定めて各々の直線上での変曲点等の変化点を算出することにより,前頭洞−頭骨境界を算出することも可能である。図11に,変曲点を使用する場合の前頭洞−頭骨境界検出のフローチャートを示す。このとき,前頭洞は頭骨程度の深さにあり,光子の到達深さが浅すぎると検出できないため,SD距離を20mm程度以上取り,十分な深さまで到達した光子を受光する必要がある。
(S1101)ほぼ同じSD距離により計測された透過率分布を算出。
(S1102)変化点計算軸を設定。
(S1103)変化点(例えば,変曲点)を計算。
(S1104)全軸に対して変化点の計算を行ったかの判断。あらかじめ設定しておいた計算するべき全ての軸についての計算が終了していれば,(S1105)へ,そうでない場合は(S1102)へ戻り,次の軸に関する変化点を計算する。
(S1105)変化点間を補間。
複数のSD距離を用いて前頭洞−頭骨境界を推定する方法もある。前頭洞は頭骨内の空洞であるため,頭皮からある程度の深さに位置する。図10に示す光伝播モンテカルロシミュレーション結果によれば,SD距離10mmでは前頭洞の有無により透過率にほとんど影響が無いことがわかる。しかしSD距離30mmでは前頭洞の有無により透過率は大きく変動する。よってSD距離10mm,30mmのデータを組み合わせることで,各計測点付近において前頭洞の有無を推定することが可能であり,前頭洞−頭骨境界を推定することができる。例えば,SD距離10mmのデータには無いがSD距離20mm以上のデータで見られる急変動点を境界とするという方法が考えられる。図12に,複数のSD距離による透過率計測データを用いて前頭洞−頭骨境界を推定するときのフローチャートを示す。(S1201)複数のSD距離による透過率を算出(例えば,SD=10mm,SD=30mm)。
(S1202)SD距離別のマップを作成・表示する。
(S1203)SDには見られないが,SDに見られる,周囲に比べ透過率が高い領域を探索。ここで,SD,SD各々について,あらかじめ定めた閾値を用いて,透過率変化量が閾値以上かどうかを判断することにより,周囲に比べ透過率が高い領域を探索する。
(S1204)探索結果のSDのデータに見られる領域境界線を前頭洞−頭骨境界と定める。
(S1205)他のSD距離のデータを用いて同様の探索を行い,複数の前頭洞−頭骨境界を得る。
(S1206)各SD距離のデータによる境界線を統合し,前頭洞の三次元分布を推定する。
本発明の装置では,入力部105からこれらの前頭洞−頭骨境界推定アルゴリズムを事前に選択することで,計測する部位やプローブ配置に対して最適なアルゴリズムを選択し,より推定精度を向上させることも可能である。例えば,計測のスキャン方向で使用するアルゴリズムを変える,二次元分布なのか三次元分布なのかによってアルゴリズムを変える,使用目的(透過率のみの計測,光トポグラフィ信号補正,fMRI信号補正,脈波を用いたクロストーク振幅計測等)によりアルゴリズムを変える等の方法が考えられる。このように,目的に応じてより精度の高い検出方法を使用することができるという効果がある。
次に前頭洞のタイプ分類について説明する。前頭洞形状は個人差が大きいことが知られており,何種類かの形状パターンに分類できると考えられる。これらのタイプ分類を行うことで,少ないデータからでも,ある程度前頭洞の全体形状を推定することが可能となる。前頭洞の形状タイプはデータベースに保存しておき,各種パターン識別手法を用いてパターンを同定する。前頭洞の形状タイプは,例えば図13に示すようなものがある。図13の各パターンは,前頭洞−頭骨境界21の,被験者10の前額面に投影したときの典型的な形状パターンを示す。ここで,パターン識別手法としては,主成分分析(PCA),自己組織化マップ(SOM),サポートベクターマシン(SVM),決定木(DT),ニューラルネットワーク(NN)等を用いる。典型的な形状パターンに分類されることで,各典型的な形状パターンについてのシミュレーション結果を用いて,より精度が高く部分光路長を算出可能となる。ただし前頭洞形状は個人差が大きく,図13に示す典型的な形状とは全く異なる形状であることも考えられるので,最も似ている形状に補間したとしても精度が向上しない場合もある。よって精度を高めるため,データベースからのパターン間距離が大きい場合には,他の位置を追加で計測することにより,さらに精度を高めることが重要となる。また,形状パターンのデータベースを都度更新していく必要もある。図14に,前頭洞計測結果から前頭洞の形状タイプを分類して表示を行うときのフローチャートを示す。
(S1401)前頭洞計測実施,あるいはデータベースから前頭洞計測結果を呼び出す。
(S1402)パターンマッチング手法を選択。
(S1403)計測結果を正規化し,各パターンとの距離を計算。
(S1404)もっとも近いパターンで補間し,結果を表示。
(S1405)距離が閾値以下かどうかの判断。閾値はあらかじめ定めておく。距離が閾値以下となった場合に,(S1407)へ。距離が閾値以下にならない場合は,(S1406)へ。
(S1406)パターンを追加するかどうかの判断。パターンを新たに追加しない場合は,(S1401)に戻り,追加で計測を行う。データベースにパターンを新たに追加する場合には,(S1407)で新たなパターン分類結果を表示する。
(S1407)パターン分類結果を表示。
(S1408)データベースに保存。
前頭洞の形状パターンを分類した後,必要に応じて各パターンに設定されたパラメータを自動で算出して表示してもよい。ここでのパラメータとは,例えば直角三角形状の前頭洞であれば各辺の長さ等が該当する。これらのパラメータを算出後,図15のように表示する。図15では,前頭洞形状タイプ分類結果111,各パラメータ値112が示されている。また,脳波計測に用いられる国際10−20法におけるNzとの位置関係も示されている。さらに,前頭洞の平均厚み・正面から見たときの断面積・体積等を表示しても良い。これにより,被験者10の前頭洞の形状が典型的なパターンの場合には,前頭洞−頭骨境界計測において精度が向上し,計測点も少なくて済むので計測時間の短縮に役立つ。
より正確な前頭洞位置把握と表示のために,事前に3次元磁気デジタイザ等で送光器60と受光器70の,被験者10に対する位置を計測しておくことが望ましい。3次元磁気デジタイザとは,ここでは磁場を用いて各送光器60・受光器70の3D位置座標を計測する装置を指す。さらに各送光器60・受光器70の位置座標から非特許文献3等に示す方法で標準脳座標(例えば,MNI座標系)上に変換してもよい。また本発明の装置がプローブ位置座標を解析時に保持していることで,被験者10上の前頭洞あるいは吸収係数あるいは散乱係数分布の,標準脳上での座標を知ることができ,光脳機能計測時にこれらの分布から,より精度良くヘモグロビン濃度変化量を算出することができるようになる。座標を前頭洞計測時の座標を保持することで,光脳機能計測において異なる送光器60・受光器70を使うとき等に,計測位置を決めるときに役立つ。異なる位置に送光器60・受光器70を配置しても,各プローブ装着後に位置計測をしておけば,解析により同座標系でデータを扱うことが可能となる。
以上のように計測した前頭洞分布の表示例を図16に示す。図16では,前頭洞−頭骨境界21の推定線と透過率分布114(SD距離30mm)を同時に表示している。透過率[arb.unit]はグレースケールバー115に従い,濃淡で値の大小が表現される。ここでは例として,695nm,830nmの2波長で計測した場合を示した。2波長の計測結果は多少異なり,二つの結果を合わせた図も表示している。透過率分布は計測点間で補間されており,二次元マップとして示されている。前頭洞−頭骨境界,あるいは2次元的な分布の様子,3次元的な分布の様子,いずれの方法で表示するかを事前にまたは画面に表示するときに選択する。図16では,ラジオボタン113により,表示方法を2次元または3次元に選択することが可能である。さらに,これらの表示では,送光器60・受光器70の位置さらには推定の計測位置(例えば,送光器60・受光器70の中点)を同時に表示してもよい。これにより,光トポグラフィ等の脳機能計測前に前頭洞の位置の把握が可能であり,例えば前頭洞の位置を避けた脳機能計測等が可能となる。さらに,各SD距離別に推定された前頭洞分布を図17,図18のように表示することも可能である。図17では,SD距離が10mm,20mm,30mmのときの透過率分布から求められた前頭洞−頭骨境界21を上から順に別マップとして示している。図18では,図17の3つのマップを層状に配置し,必要に応じて画面内で回転できるように表示している。これにより,直感的に前頭洞の位置を把握できるようになる。尚,ここでは計測対象を前頭洞のみと仮定したが,他の副鼻腔の分布を計測する場合であっても同様の解析は可能である。
本実施例により,無侵襲的に,効率的な前頭洞計測・分布の推定が可能となり,より精度の高い各種脳機能計測の実施・解析を行うことが可能となる。
同一プローブペアを,被験体への接触状態をほぼ同一に保ったままで,制御機構によって位置のみ移動するような可動プローブホルダ131を図19に示す。可動部138上に,縦1列に送光器60と受光器70が配置され,複数のSD距離の計測が可能である。移動軌跡と計測座標は,プローブ位置認識部132により認識され,位置の座標は装置本体30へ渡される。可動プローブホルダ131は被験者10に対しての保持部133を介して被験者10に対して,可動域が前頭部となるように固定される。ここで,プローブ位置認識部132は,端子137のAB間の電気抵抗値を計測することで,送光器60・受光器70の位置を認識する。図19下方に示す通り,可動プローブホルダ131は,単位長さあたり一定の電気抵抗値を示す可変抵抗器136(ポテンショメータ)を構成し,プローブ位置により,端子137のAB間の抵抗値が変化するようになっている。例えば,可変抵抗器136の,単位長さの抵抗値がR[Ω/m]の場合,長さがL[m]のとき,電気抵抗値はLR[Ω]と求められる。逆に,電気抵抗値から,長さ(つまり,可動部138の位置)を算出することが可能である。また,手動による可動部138の移動時,計測の再現性を向上させるため,あるいは計測時の利便性の向上のため,可動プローブホルダ131は目盛り135を有している。尚,ここでは可動部の移動を手動で行うことに関する例を説明したが,自動で可動させるための機構を有しても良い。
この構成を用いることにより,同じ光源・光検出器を利用でき,光源の出力パワーと光検出器の感度,導波路での損失,アンプの増幅率等をほぼ等しくできるので,異なる計測位置での計測データの比較が容易にできる。また,プローブ移動式とすることにより任意の間隔で計測を行うことができ,より高分解能で透過率分布を計測することが可能となる。計測チャンネル間の相対的比較のみを行うのであれば,透過率絶対値によるキャリブレーションも不要となり,計測の手間が省けるという効果がある。
次に,送光器60が送光用ビームトラッキング装置210を有する場合の実施例を,図20を用いて説明する。実施例1,実施例2は,送光器60が被験者10に接触あるいは接触に近い状態である場合であるが,送光器60が送光用ビームトラッキング装置210を有し,さらに光照射点の座標を認識・保持していれば,送光器は非接触であっても良い。その場合,光照射点の座標を認識するために,本発明の装置は被験体認識用センサ201と画像解析部202を有する。
被験体認識用センサ201により得られた画像は画像解析部202で解析され,被験者10の座標(装置本体30に対する相対位置)および被験者10上レーザ照射点座標が算出される。被験者10が装置本体30に対して静止していれば,画像の座標と被験者10上の座標系が一対一に対応するため,被験者10上のレーザ照射点座標を容易に算出できる。被験者10が静止していない場合には,被験者10上に目印205あるいは慣性センサ206を設置することを必要とする。慣性センサ20を有する場合には,センサ出力を無線等の通信手段で装置本体30内の制御・解析部104等へ送信するための手段がさらに必要となる。あるいは慣性センサ20が記憶部を有している場合には,時刻とセンサデータを保持しておいて,計測終了後にオフラインで解析に加えることも可能である。被験者10上の目印205を用いて被験者10の動きを検出するためには,CCDイメージセンサ等から成る被験体認識用センサ201で撮像したときに,形状と大きさから被験体の相対座標を認識し得る目印である必要がある。形状としては,例えば左右非対称な多角形形状等で良い。
あるいは,被験体認識用センサ201を複数有し,被験者10上に設置された複数の目印205を,複数のイメージセンサを用いて撮像することにより,被験者10の相対座標を決定する手法でも良い。
さらに装置本体30に対する相対位置を計算し,必要に応じて光学系駆動部204を作動させ,ミラー・レンズ等のレンズ系203を駆動することでレーザ照射点を変化させる。ここで,光学系駆動部204とは,例えば電動モータ・MEMS等で構成される。図21に,送光器が非接触で受光器が接触状態での計測時のフローチャートを示す。
(S2101)被験体認識用センサにより画像を取得。
(S2102)被験体上の目印の形状と大きさから,装置に対する被験体座標の決定。
(S2103)装置に対する被験体の相対座標を算出。
(S2104)被験体座標上での光照射点の軌跡を,装置座標に変換。
(S2105)光照射点を制御するために光学系駆動部を作動させ,光学系を調整し,焦点を合わせる。
(S2106)光照射開始。
送光用ビームトラッキング装置210から照射される光が光学系駆動部により方向を変えられ,被験者10の表面上で照射点が移動する場合,それに応じて各検出器からの信号は検出時の照射点座標情報からSD距離を算出し,各々のSD距離における透過率データとしてデータベースに格納する。
また,眼の近くの額部分に光を照射する場合には,被験者10が動いてしまうことで誤って眼に光が照射されないようにする機構が必要となる。そのため,「照射停止」条件の判断を行い,計測不能あるいは眼に光が入る等の可能性がある場合には,光の照射を停止する。「照射停止」条件とは,閾値以上の位置ずれ,眼に当てない,閾値以上の加速度,等で定められる。図22に,安全のため照射停止を行うときのフローチャートを示す。
(S2201)計測位置に被験体を仮固定。
(S2202)被験体認識用センサによる撮影を開始。
(S2203)安全のためのずれの閾値を計算。
(S2204)計測実行。
(S2205)計測終了かどうかの判断。計測が終了していれば,「照射停止」条件に該当せずに正常終了する。計測が終了していない場合には,(S2206)へ。
(S2206)被験体のずれを検出したかどうかの判断。被験体のずれを検出しない場合は(S2204)に戻り正常の計測を継続する。被験体のずれを検出した場合には,(S2207)へ。
(S2207)被験体のずれが閾値以上かどうかの判断。被験体のずれが閾値以内の場合は「照射停止」条件に該当せずに(S2204)に戻り正常の計測を継続する。被験体のずれが閾値以上の場合は,「照射停止」条件に該当し,(S2208)へ。
(S2208)照射停止。
装置に対する被験体座標系の動きは常にリアルタイムで検出され,さらに同時に装置光源からの光入射状況から,最適な光照射方向を算出し,その光照射方向に照射されるようにする。この安全機構により,被験体が誤って動いてしまった場合等に照射光が眼に入るということが無くなり,より安全性が高くなる。さらに,偶発的に照射光が被験者の眼に入ることで被験者に不快感を与えることが無く,より快適な計測を実現できるという効果がある。
本実施例により,送光器が送光用ビームトラッキング装置を有して被験者に対して非接触となることで,光の照射点をより容易にかつ高速に変えることが可能になる。検出器の位置が固定の場合でも,光の照射点が移動することで,多くの計測点での計測が可能となる。
実施例3では受光器70が接触または接触に近い場合について説明したが,受光器70は被験者10に対して非接触とすることも可能である。送光器・受光器が非接触の場合の装置構成図を図23に示す。送光用ビームトラッキング装置210より照射された光は,被験者10内を伝播・散乱し,被験者10の表面上の入射点とは離れた位置において検出可能である。このとき,光が被験者10内で散乱しながら伝播し,入射点付近のあらゆる場所から検出可能となるため,受光器70が被験者10に対し非接触となり表面から離れていると,特定の場所から出た光を選択的に受光することは困難である。さらに,送光器60が非接触の場合には,表面反射光が強くそれを受光してしまう恐れもある。そのために通常は受光器70を接触あるいは接触に近い状態で被験者10に設置し,受光器70直下からの光を選択して受光する必要があった。本実施例では,このような空間フィルタリングによる選択的受光ではなく,被験者10の表面上に設置される発光体207を用いる。発光体207から離れた位置にある照射点に照射された光は,被験者10内部を伝播し,発光体207を励起して,励起光とは異なる波長を持つ蛍光を発生させる。検出側では,励起光を波長フィルタで除き,蛍光のみを受光することにより,被験者10内部を伝播・散乱した光でかつ設定されたSD距離(例えば,30mm)に相当する光を選択的に受光することができる。本実施例では,送光側は実施例3と同様である。受光側は,発光体207が発する光を受光するため,波長フィルタ208,レンズ系203,光学系駆動部204,光検出器102,増幅器106,アナログ−デジタル変換器107を含む受光用ビームトラッキング装置220を有する。本実施例において制御・解析部104は入力部105からの入力を受け,被験体認識用センサ201で取得され画像解析部202で解析された画像を処理し,アナログーデジタル変換器107から出力される検出光量を受信し,光源駆動装置103,光学系駆動部204,光検出器102を制御する。さらに制御・解析部104で解析されたデータを画像構成部108で画像構成し,パターン識別部109で識別された結果を表示部110で表示する。
発光体207としては,例えば図33に示された数式1の化合物であり,波長0.8μmで励起することにより波長1.0μm程度の蛍光を発する。励起光は生体内の透過性が比較的高い波長を有しているため,送光器60から照射した光40は被験者10の頭部に入射され,大脳皮質を通って戻ってきて発光体207を励起する。蛍光強度は励起光強度に比例するため,蛍光強度を受光器70で計測することにより,大脳皮質あるいは頭骨等における光の吸収変化が観測できる。ここでは簡便のため,光源101として1波長の場合を説明したが,通常用いられるように2波長以上の光源を用いることで波長毎の透過率や血液の量や酸素化状態を観測することができる。
ここで用いた発光体207は,波長0.8μm近傍の近赤外光で励起することができるため,生体内物質の光吸収変化を計測するために適している。その他の場合でも,被験体の光吸収情報を得るために使用する波長で励起し発光する材料であればよく,蛍光以外にも,リン光,ラマン散乱光などを用いても良い。
また,ここで用いた波長フィルタ208は,波長0.8μm近傍の励起光をカットし,波長1.0μm近傍の蛍光のみを通すものであれば良く,InP(インジウムリン)製のフィルタ等で良い。波長フィルタ208は発光体207の直上および受光系のレンズ系203あるいは光検出器102への入射直前の場所に設置する。それにより,被験者10内部を透過してきた光以外の迷光により発光体207が励起されるのを防ぎ,かつ,送光側での光の照射点からの直接の反射光を光検出器102が受光してしまうことを防ぐことができる。また,被験者10の位置や動きを検出するための目印205を省略し,発光体207を目印として用いてもよい。
発光体207の形状としては,被験者10の表面の特定の1点からの検出光を受光するために,例えば小型セル形状とすればよいが,1次元あるいは2次元的に分布させることにより,1次元あるいは2次元的な検出光量分布を計測可能となる。例えば発光体207はバンド形状でも,被験者10に対して粘着するための接着面を有する構造でも良い。このような構造とすることで,被験者10が快適に身に付けることが可能となる。図24に,送光器・受光器ともに被験体に対して非接触の場合の装置光学系略図を示す。この図では,装置本体30からの光40が被験者10に照射され,さらに約30mm離れた検出点に設置してある発光体207を励起し,発せられた蛍光80が発光体207の直上の波長フィルタ208と,装置本体30の検出部直前の波長フィルタ208を透過して装置本体30に検出される場合の装置光学系の略図を示している。照射点と検出点が同時にSD距離を一定に保ちながら移動した場合,等しいSD距離の透過率データが効率良く取得できる。あるいは,1つの照射点に対して検出点を発光体207上でスキャンすることにより,複数SD距離の計測を行うことが可能である。さらに照射点を少しずつ移動させることにより,広範囲で複数SD距離での透過率データを取得でき,深さ方向で分解能を高めたいときには有効である。このとき,照射点のスキャン方法により,発光体207周辺部のあらゆる組み合わせでの計測位置あるいはSD距離の計測が可能である。例えば,発光体207が直線上に1次元的に配置されていれば,照射点は一定のSD距離を保ったまま,発光体分布に対して平行にスキャンする,あるいは発光体分布に対して垂直方向にスキャンする等,各種スキャン方法およびスキャンの軌跡を設計できる。また,受光側は,十分な感度があれば,スキャンせずに撮像管,カメラ等で蛍光体全体を撮像してもよい。
このように,送光器60と受光器70をともに非接触とすることで,被験者10の運動や姿勢の制限が低減され,特に被験者10がヒトの場合には被験者10の快適性を増し,より自然な計測が実現できるという効果がある。さらに,心臓の拍動等に伴う皮膚血管の拡張・収縮により送光器あるいは受光器に伝導する振動等の影響を低減することが可能である。
次に,計測した前頭洞の分布を用いて,光脳機能計測の解析においてヘモグロビン信号データを補正する実施例について述べる。非特許文献1の光トポグラフィ法に代表される光脳機能イメージング手法においては,計測で得られるヘモグロビン濃度長変化はヘモグロビン濃度と光路長の積の変化量であり,脳皮質における部分光路長に比例する(部分光路長の時間的変動が無視できる場合)。また,脳皮質の灰白質における部分光路長については,頭部モデルとして頭皮・頭骨・脳脊髄液・灰白質・白質の各厚み・等価換算散乱係数・吸収係数が仮定された単純モデルにおいては光伝播モンテカルロシミュレーション等で定量化することができる。例えば,図25は光伝播モンテカルロシミュレーションによる,灰白質の平均部分光路長計算結果である。横軸はSD距離,左の縦軸は前頭洞の厚みが1,2,4,6mmのときの灰白質の部分光路長[mm],右の縦軸は前頭洞の厚みが0mmのときの灰白質の部分光路長を表す。このモデルでは,前頭洞が十分に大きな平板形状であると仮定されている。前頭洞の形状により結果は大きく異なってくるため,図13に示すような前頭洞形状パターンの各々についてシミュレーションを実施した結果を用いる必要がある。例えば,実施例1から5で計測された前頭洞の分布について,光伝播モンテカルロシミュレーション結果として,あるSD距離のときの灰白質部分光路長が,Lgrayと求まったとき,脳機能イメージング結果として計測されるヘモグロビン濃度長変化(ヘモグロビン濃度と部分光路長の積の変化量)を,Lgrayで割ること(あるいは,1/Lgrayをかけること)で,ヘモグロビン濃度変化を,部分光路長の違いを反映した形で求めることが可能になる。
以上のように光脳機能計測においてヘモグロビン信号データを補正するためには,本発明の装置構成(例えば,図1)において,光源101が2波長以上を有し,その波長が非特許文献1の光トポグラフィ法に一般に用いられる,例えば650〜900nmであり,さらに制御・解析部104においてヘモグロビン濃度長変化を算出するための演算を行うことが必要となる。よってハードウェア構成は本発明の装置構成図(例えば,図1)をそのまま利用することもできる。また,本発明の生体計測装置の構成に加えて,光脳機能計測装置90を有することで,本実施例を実施することもできる。
図26に,本発明の生体計測装置と,光脳機能計測装置90を組み合わせたときの装置構成図を示す。本発明の装置本体30から,光脳機能計測装置90に向けて,前頭洞分布情報300と,座標情報301が送信される。光脳機能計測装置90では,前頭洞と光脳機能計測データの結果を融合するときに,前頭洞の形状等の分布情報とともに,被験者10の基準座標(例えば,国際10−20法におけるNz)に対する前頭洞の相対位置座標が必要となる。
図27に,前頭洞計測結果を用いて光脳機能計測におけるヘモグロビン信号補正を行うときのフローチャートを示す。
(S2701)入力部にて,前頭洞計測実施(S2702へ)かデータベースから読み出し(S2704へ)かを選択。
(S2702)(1.前頭洞計測実施を選択した場合)前頭洞分布計測実施。
(S2703)計測結果をデータベースに保存。
(S2704)(2.データベースから読み出しを選択した場合)データベースから前頭洞分布を読み出し。
(S2705)光伝播モンテカルロシミュレーションデータと前頭洞分布結果から,灰白質部分光路長(Lgray)を算出。
(S2706)光脳機能計測を実施し,ヘモグロビン濃度長変化を計測。
(S2707)ヘモグロビン濃度長変化に(1/Lgray)をかけ,濃度に変換する。
(S2708)表示部において,結果を表示する。
さらに,前頭洞分布を用いて,光脳機能計測における計測条件を調整する方法を述べる。信号の信号対雑音比(Signal-to-noise ratio:SNR)は,検出光量に強く依存するとともに,灰白質の部分光路長にも依存する。よって,前頭洞分布を考慮し,光脳機能イメージング装置において光出力を調整することは,計測部位間のSNRの均一化に役立ち,光検出器の出力が飽和するのを防ぐ効果がある。また,検出光量の絶対値がほぼ均等になるように光源の光出力を調整する方法も考えられる。
図28に,前頭洞分布を用いて光脳機能計測における計測条件を設定するときのフローチャートを示す。
(S2801)前頭洞計測実施。
(S2802)前頭洞タイプ分類,パラメータ(位置,大きさ)決定。
(S2803)最適化条件(検出光量均一化,SN比均一化等)を選択。
(S2804)前頭洞計測結果より,光量を設定。
(S2805)光脳機能計測(または,MRI計測)。
尚,ここでは1波長のみを使う場合を想定したが,2つ以上の波長での計測データを用い,各波長での,頭部各層での等価換算散乱係数と吸収係数の違いを利用し,光伝播モンテカルロシミュレーションから各波長の各層での部分光路長を求めることで,よりモデルの精度を高められ,灰白質部分光路長をより精度良く推定することができる。
図29に,計測された前頭洞分布と,光脳機能イメージング計測結果を同時表示の例を示す。酸素化ヘモグロビン濃度長変化(oxy-Hb)マップ310には,酸素化ヘモグロビン濃度長変化の強度が白黒の濃淡で表され,濃淡の濃さと強度の関係はグレースケールバー311に示されている。マップは各計測点での値から,3次スプライン補間により補間され,作成されている。また,時間表示のスクロールバー312があり,任意の時刻のマップを表示することが可能である。酸素化ヘモグロビン濃度長変化(oxy-Hb)マップ310内には,国際10−20法のNz(鼻根),Fpzの位置も示されている。これにより,被験体上のどの位置で計測されたかが示されている。ここでの酸素化ヘモグロビン濃度長変化(oxy-Hb)マップ310は,前頭洞分布計測結果を用いた補正を行う前の状態を示しているが,チェックボックス313にチェックを入れることにより,補正後のマップが表示される。
前頭洞分布は灰白質における部分光路長に大きく影響するので,同時に表示することにより信号解釈の面で非常に有用である。例えば,光トポグラフィ信号変化のSN比がそれほど悪くないにも関わらず,他チャンネルに比べて,振幅が非常に小さいというときでも,前頭洞が直下にあるという情報をもとに前頭洞のために灰白質部分光路長が小さくなったためであると判断することが可能である。
本実施例により,光トポグラフィ法に代表される光脳機能イメージング計測の解析結果を,前頭洞分布等の生体内部構造の情報に基づいて補正することができ,また,計測時の光源パワーを各種最適化条件(検出光量均一化,SN比均一化等)に基づいて調整することができる。さらに,光トポグラフィ,MRI等の生体計測データの解釈時に一つの根拠となり得る情報を提供することができるという効果がある。
実施例1から5では,計測されるべき被験者10の内部構造として,前頭洞のみを仮定したが,同様の装置構成で,複数SD距離の透過率分布を利用して血管構造のイメージングにも応用できる。特に,ヒト頭部計測の場合には,皮膚血管のイメージングに有用であると考えられる。また,頭部に限定されず,ヒトの他の部位においても,複数SD距離の構成で,本発明に示したように効率よく生体の光学特性を取得することにより,骨格・筋肉・水やその他生体成分等を含む生体内部構造の計測に応用することが可能である。
つまり,複数SD距離における透過率分布は生体構造を反映するため,前頭洞に限らず副鼻腔,皮膚血管,骨格構造等の計測に,本発明の技術を応用することが可能である。
実施例1から5では,光脳機能計測におけるデータ補正および結果の同時表示について述べたが,fMRI等,前頭洞が計測に大きく影響する計測方法の場合は,前頭洞分布情報を重ねて表示することにより,データ解釈の精度を高めることになり,前頭洞分布を事前に計測することは有用である。また,fMRI等の各種生体計測方法において,計測位置と前頭洞との位置関係を知ることで,計測データ補正や計測位置の調整に役立てることが可能となる。また,fMRIにおいて,事前に前頭洞分布を使用することにより,前頭洞等の副鼻腔を極力避ける計測断面を選択することが可能となり,アーチファクトをより低減した計測が実現できる。fMRIでは信号がT2スター(T2*)強調信号であり,鼻腔,副鼻腔,耳腔等,組織/空気あるいは組織/脂肪といった透磁率(あるいは磁化率)の境界において,透磁率の違いが局所磁場の歪みを生じ,スピンの位相の分散による信号低下や信号位置の誤り,すなわちアーチファクトを生じる場合がある。本実施例において前頭洞の分布を知ることは,これらのアーチファクトの推定を補助するという効果がある。
さらに,前頭洞分布の計測結果を,MRIによる構造計測の解析の補助として使用することが可能となる。例えば,骨と空洞の領域をより容易に区別できるようになり,分離精度を向上させることが可能となる。
光脳機能計測装置90が全頭計測型の光脳機能計測装置あるいは,前額部を含む複数の脳部位を同時に計測するための光脳機能計測装置であった場合には,本発明による前頭洞分布計測結果を用いて,光脳機能計測装置90の計測結果の一部のみを補正することができ,さらに,各々の被験者10において補正する部位・補正係数等を変える必要がある。
従来手法による前頭前野の計測では,前頭洞分布の個人差の影響を考慮しておらず,個人間で信号強度に差が出る等,安定的に計測できない場合があった。前頭洞分布計測結果を光脳機能計測装置の計測結果の少なくとも一部に反映させることにより,万人に対して安定的に前頭前野を計測できることになる。
本実施例では,このように前頭洞計測結果を用いて各々の被験者10において補正する部位を変えて解析を行う構成について説明する。
図30に,全頭計測型の光脳機能計測装置90の構成を示す。局所脳血液量(酸素化ヘモグロビン・脱酸素化ヘモグロビン・総ヘモグロビン)は,光脳機能計測装置90において,可視から赤外領域に属する波長の光を被検体頭部に照射し,被検体内部を通過した複数信号の光を同一の光検出器で検出し計測することで得られる。計測期間中に,被験者10に対して,刺激・命令提示装置415により,適当な刺激・命令を与えることも可能である。刺激・命令提示装置415は,計算機412からの制御信号414により制御される。光計測において前頭洞の影響を受けやすい前頭前野は,ワーキングメモリ・社会性・注意を担う領域を含み,社会生活に深く関わる脳の領域であり,暗算課題や短期記憶課題等で働くことが知られている。また,思考や運動の統合機能を有する領域でもあることから,複数の提示課題を同時に処理することでも働くことが知られている。
そこで前頭前野を効果的に機能させるタスクとして,刺激・命令提示装置415は,暗算課題や短期記憶課題を被験者に提示する機能を有し,複数の提示課題を同時に実行させるように被験者に対してタスクを提示する機能を少なくとも有する。
具体的機能としては,計算機412ないし刺激・命令提示装置415の記憶部に予め複数のタスクを記憶しておき,予め設定される提示順序,提示時間間隔,時間幅等に基づき,刺激・命令提示装置415を介してタスクを提示する。ここで,タスクの提示順序,提示時間間隔等は適宜,装置の入力部を介して設定するようにすることも可能である。
ここで,上記のタスクは一例であり,当該光脳機能計測装置では前頭前野に限らず,あらゆる脳機能を計測できることは明らかであり,提示できるタスクについても上述のタスクに限定されるものではない。
波長の異なる複数の光源402a〜402d(2種の波長であれば,例えば光源402aと402cは695nm,光源402bと402dは830nm)と,複数の光源402a及び402b(402c及び402d)の光を,駆動信号ライン416a及び416b(416c及び416d)を通して,それぞれ互いに異なった周波数で強度変調するための変調器または発振器401a及び401b(401c及び401d)と,強度変調された光をそれぞれ光ファイバ403a及び403b(403c及び403d)を通して結合する結合器404a(404b)からの光を,送光用光ファイバ405a(405b)を介して被験者10の頭皮上に照射する複数の光照射手段と,複数の光照射手段の光照射位置の近くに光照射位置からあらかじめ設定した距離(ここでは30mmとする)の位置に先端が位置するように受光用光ファイバ407a,407bのそれぞれに設けられた受光器408a,408bからなる複数の受光手段とが設けられている。受光用光ファイバ407a,407bで,生体通過光を光ファイバに集光し,それぞれ受光器408a,408bで生体通過光が光電変換される。ここで,送光用光ファイバ405a,405bと受光用光ファイバ407a,407bの先端には,それぞれ光ファイバを保持し被験者10に適切に設置するための送光用プローブ501a,501b,受光用プローブ502a,502bがある。また,複数のプローブを保持するためにプローブホルダ503を被験者10に固定する。
受光手段は被験者10内部で反射された光を検出し電気信号に変換するもので,受光器408としては光電子増倍管やフォトダイオードに代表される光電変換素子を用いる。図30では2種の波長を用いるときを説明しているが,3種以上の波長を使用することも可能である。また,光照射手段,受光手段を各々複数配置して,同様の計測をすることも可能である。
受光器408a,408bで光電変換された生体通過光強度を表す電気信号は,それぞれロックインアンプ409a〜409dに入力される。ロックインアンプ409a〜409dには,発振器[変調器]401a及び401b(401c及び401d)からの参照信号417a〜417dも入力されている。例えば409a,409bでは光源402aと402cの,695nmの光が分離されて出力され,ロックイン処理により取り出し,409c,409dでは光源402bと402dの,830nmの光が分離されて出力される。このとき,計測点は送光用プローブ501aと受光用プローブ502a間,送光用プローブ501bと受光用プローブ502b間の2点を想定している。同様な構成により,送光用プローブ501aと受光用プローブ502b間,送光用プローブ501bと受光用プローブ502a間の2点を計測点とすることもできる。
ロックインアンプ409a〜409dの出力である分離された各波長の通過光強度信号をアナログ−デジタル変換器410でアナログ−デジタル変換(以下ではA/D変換と記す)した後に,計測制御用計算機411に送られる。計測制御用計算機411では通過光強度信号を使用して,各検出点の検出信号から非特許文献1等に説明されている手続によって酸素化ヘモグロビン濃度,脱酸素化ヘモグロビン濃度および総ヘモグロビン濃度の相対変化量(または,より正確には各ヘモグロビン濃度と光路長の積の変化量)を演算し,複数の計測点における経時情報として記憶装置に格納する。尚,ここではロックイン処理を行ってからA/D変換を行う例を記載したが,受光器からの信号を増幅・A/D変換した後に,ロックイン処理をデジタル的に行うことも可能である。また,複数の光を変調方式により分離する実施例を記載したが,これに限定されず,例えば,複数の光を照射するタイミングを時間的にずらすことで複数光を弁別する時分割方式を用いることも可能である。
計算機412は入力部,解析部,記憶部,抽出部からなり,計測制御用計算機411で演算された結果を解析部で解析する。入力部では,外部から解析条件等の設定を入力する。尚,計算機412が表示機能を有する場合,表示部413は無くても良い。解析部の解析結果は記憶部で記憶される。抽出部では解析部で解析された信号から被験者10の局所脳血行動態に関する情報を抽出する。抽出部で抽出された被験者10の局所脳血行動態に関する情報は表示部413で表示される。図30では計測制御用計算機411と計算機412は別個に描かれているが,一つの計算機としてもよい。
本発明による前頭洞分布計測結果を用いる場合,光源402の光量を前頭洞分布に応じて変化させる,あるいは,解析部で局所脳血行動態の変化を解析するときに前頭洞計測結果を用いて補正を行うことが可能となる。頭部構造には個人差があるため,各々の被験者10において光脳機能計測装置90のプローブの,標準脳座標系における位置は異なり,さらに前頭洞分布は異なる。よって,各々の計測位置に対して光量あるいは血行動態に対する補正量を割り当てる必要がある。そのために,同じ座標系で前頭洞分布と光脳機能計測の計測位置分布を演算することで,光脳機能計測の各計測位置での補正量を算出する。補正方法は,例えば実施例5に示した通りである。
前頭洞分布を利用して光脳機能計測装置の各計測位置における補正量を決定するときのフローチャートを図31に示す。
(S3101)前頭洞分布計測を実施する。
(S3102)光脳機能計測の位置情報を計測あるいは入力する。
(S3103)前頭洞分布に応じて光源の光量・あるいは計測される局所脳血行動態変動に対する補正係数を各計測位置に割り当てる。ここでは,前額部を中心に補正量が算出され,前頭洞の無い部分については補正をしない。
(S3104)光脳機能計測を実施する。
(S3105)各計測位置の補正係数を用いて局所脳血行動態の変化を算出する。
(S3106)結果を表示する。
ここでの各計測位置における補正量は各々の被験者10で異なるが,データベースに設定を保存することにより,再度計測する場合にデータベースから設定を読み込んで用いることができる。尚,ここでは計測値を補正する領域として,前頭洞が分布している領域付近の計測位置(チャンネル)を仮定したが,他にも補正するべき領域があれば,ここで同様に補正してもよい。例えば,頭骨の厚み分布,頭皮の厚み分布等の情報とそれらを用いて補正する手段を有する場合には,前頭洞による各種補正と同様に,光脳機能計測データに対する補正を行うことができる。
図32に,全頭計測型の光脳機能計測装置による計測結果を補正したときの表示例を示す。前頭部,左右側頭部,頭頂部,後頭部における酸素化ヘモグロビン濃度長変化マップ310と,前頭部のマップには前頭洞−頭骨境界21,前頭洞分布計測結果により補正する計測チャンネル314が示されている。酸素化ヘモグロビン濃度長変化の強度は白黒の濃淡で表され,濃淡の濃さと強度の関係はグレースケールバー311に示されている。マップは各計測点での値から,3次スプライン補間により補間され,作成されている。また,時間表示のスクロールバー312があり,任意の時刻のマップを表示することが可能である。酸素化ヘモグロビン濃度長変化マップ310は前頭洞計測結果を用いて補正した値となっており,補正された計測チャンネル314は白い丸で示されている。前頭洞領域内とその周辺の計測チャンネルが補正される。この表示により,どのチャンネルが補正されたかが明確になり,前頭洞位置と光脳機能計測装置における計測チャンネルとの位置関係が一目瞭然となる。図32において,前頭洞分布計測結果による補正,補正するチャンネル314の表示,前頭洞境界の表示については,チェックボックス313により選択可能であり,目的に応じた解析が可能である。
本実施例により,個人差のある前頭洞分布に基づいて,被験者毎に異なる補正の仕方で高精度かつ高効率な光脳機能計測データを補正,取得することができる。
上記記載は実施例についてなされたが,本発明はそれに限らず,本発明の精神と添付の請求の範囲の範囲内で種々の変更および修正をすることができることは当業者に明らかである。
10 被験者
20 前頭洞
21 前頭洞−頭骨境界
22 国際10−20法のNz点(鼻根)
23 国際10−20法のFpz点
24 変曲点
30 装置本体
40 光
50 導波路
60 送光器
70 受光器
80 蛍光
90 光脳機能計測装置
101 1つまたは複数の光源
102 1つまたは複数の光検出器
103 光源駆動装置
104 制御・解析部
105 入力部
106 増幅器
107 アナログ−デジタル変換器
108 画像構成部
109 パターン識別部
110 表示部
111 前頭洞形状タイプ分類結果
112 パラメータ値
113 ラジオボタン
114 透過率分布
115 グレースケールバー
121 プローブホルダ
122 SD距離
131 可動プローブホルダ
132 プローブ位置認識部
133 被験者に対しての保持部
134 光ファイバ
135 目盛り
136 可変抵抗器
137 端子
138 可動部
201 被験体認識用センサ
202 画像解析部
203 レンズ系
204 光学系駆動部
205 目印
206 慣性センサ
207 発光体
208 波長フィルタ
210 送光用ビームトラッキング装置
220 受光用ビームトラッキング装置
300 前頭洞分布情報
301 座標情報
310 酸素化ヘモグロビン濃度長変化(oxy-Hb)マップ
311 グレースケールバー
312 時間表示のスクロールバー
313 チェックボックス
314 補正する計測チャンネル
401 発振器[変調器]
402 光源
403 光ファイバ
404 結合器
405 送光用光ファイバ
407 受光用光ファイバ
408 受光器(増幅器含む)
409 ロックインアンプ
410 アナログ−デジタル(A/D)変換器
411 計測制御用計算機
412 計算機
413 表示部
414 制御信号
415 刺激・命令呈示装置
416 光源駆動信号
417 発振器[変調器]からの参照信号
501 送光用プローブ
502 受光用プローブ
503 プローブホルダ

Claims (18)

  1. 被験体に光を照射するための1つまたは複数の光照射手段と,
    前記1つまたは複数の光照射手段から照射され,被験体内を透過,伝播または散乱してきた光を検出する1つまたは複数の光検出手段と,
    前記1つまたは複数の光照射手段・光検出手段を制御する制御部と,
    前記1つまたは複数の光検出手段で得られる信号をもとに,被験体の前頭洞および/または副鼻腔分布を少なくとも算出する解析部を備えることを特徴とする生体計測装置。
  2. 前記解析部での解析結果を表示できる表示部を有することを特徴とする請求項1に記載の生体計測装置。
  3. 前記解析部は,前記光検出手段で得られる信号をもとに前記被検体の局所的脳血液量を解析し,
    当該解析結果を前記表示部に表示することを特徴とする請求項2に記載の生体計測装置。
  4. 前記1つまたは複数の光照射手段から照射される光の照射点の各々と,前記1つまたは複数の光検出手段により検出される光の検出点の各々が,1対1の対を成すことにより最大で,光照射手段の数と光検出手段の数の積の個数の計測点を形成し,
    各々の前記計測点において,対を構成する1つの光照射手段からの光を1つの光検出手段が検出することにより光学特性を計測することを特徴とする請求項1に記載の生体計測装置。
  5. 各々の前記計測点において対を成す前記照射点−検出点間距離が複数種類存在するように前記照射点と前記検出点が配置され,
    前記解析部は,複数の前記計測点における検出結果を前記照射点−検出点間距離毎に夫々解析し,
    少なくとも1つの前記照射点−検出点間距離における前記光学特性の前記被験体上の分布を解析して前記被験体の前頭洞の分布を計測することを特徴とする請求項4に記載の生体計測装置。
  6. 前記被験体の表面において,複数の前記照射点を1つまたは複数の列に配置し,
    その列から5〜60mm離れた位置に複数の前記検出点を1つまたは複数の列に配置し,
    各々の前記計測点の計測時には,前記照射点−検出点間距離に依存して,前記1つまたは複数の光照射手段の各々の出力強度が設定されることを特徴とする請求項4に記載の生体計測装置。
  7. 前記照射点の1つまたは複数の列と,前記検出点の1つまたは複数の列の,少なくとも1つの列を移動可能とするための機構を有することを特徴とする請求項6に記載の生体計測装置。
  8. 前記被験体の表面において,1つまたは複数の略直線を設定し,
    前記略直線上および/または,前記略直線からの距離があらかじめ設定された閾値以下の領域に位置する前記計測点における前記光学特性を,前記照射点−検出点間距離別に解析し,解析した結果を前記表示部で表示することを特徴とする請求項5に記載の生体計測装置。
  9. 前記解析部は,計測された前記光学特性の分布において,変化点をもとに前頭洞−頭骨境界を推定することを特徴とする請求項5に記載の生体計測装置。
  10. 前記変化点が,位置に対する透過率変化の二次微分値が0となる点である変曲点を含むことを特徴とする請求項9記載の生体計測装置。
  11. 前記被験体の表面において,前記照射点−検出点間距離をほぼ等しく保持しながら前記照射点と前記検出点を移動させるための機構を有することを特徴とする請求項1に記載の生体計測装置。
  12. 前記照射点および/または前記検出点の,前記被験体における移動量および/または位置を認識するための位置認識部を有することを特徴とする請求項11に記載の生体計測装置。
  13. 前記照射点−検出点間距離をほぼ等しく保持しながら前記照射点と前記検出点を移動させるための,前記被験体上で移動が可能な可動プローブホルダと,
    前記可動プローブホルダの位置を表示するための目盛および/または,前記可動プローブホルダの位置を検出するためのポテンショメータあるいは可変抵抗器を有することを特徴とする請求項10に記載の生体計測装置。
  14. 前記1つまたは複数の光照射手段からの光により励起され前記1つまたは複数の光照射手段とは異なる波長スペクトルの光を発する発光体と,
    前記1つまたは複数の光照射手段からの光をカットし,前記発光体の発する光を透過させるための光学フィルタと,
    さらに必要に応じて,前記被験体への接着面を有する前記発光体を入れるための容器を有し,
    前記1つまたは複数の光検出手段は前記発光体の発する光を検出することを特徴とする請求項1に記載の生体計測装置。
  15. 前記照射点および/または前記検出点を前記被験体に対して非接触的に移動させるため,照射側・検出側の各々にビームトラッキング装置を有し,
    前記ビームトラッキング装置は,ミラーおよびレンズ等から成る光学系と,
    前記光学系を調整するための光学系駆動部と,
    前記被験体および/または前記照射点および/または前記検出点および/または前記発光体の位置を認識するために,前記被験体表面上の計測部位の一部または全体を撮像するための被験体認識用センサと,
    前記被験体認識用センサで取得した画像を解析するための画像解析部と,
    さらに必要に応じて前記被験体の位置を認識するために前記被験体表面上に設置されるマーカを有することを特徴とする請求項1に記載の生体計測装置。
  16. 前頭洞の形状パターンをデータベースに保持し,
    前記被験体の前記前頭洞および/または副鼻腔分布を前記前頭洞形状パターンに分類し,
    各々のパターン形状に設定された長さ,厚み,体積等を含むパラメータを算出し,
    前記前頭洞形状パターンと前記パラメータを,前記表示部で表示することを特徴とする請求項1に記載の生体計測装置。
  17. 前記1つまたは複数の光照射手段が,複数の波長から成り,
    各々の波長により計測された前記光学特性の分布を,前記表示部で波長毎に表示することを特徴とする請求項1に記載の生体計測装置。
  18. 前記被検体の前記局所的脳血液量を計測するための脳血液量計測部を有し,
    前記解析部で得られた前記被験体の前頭洞および/または副鼻腔分布を含む内部構造をもとに,
    前記局所的脳血液量を計測する際の光照射手段強度および/光検出手段感度を調整する手段と,
    前記局所的脳血液量の値を補正する手段と,
    補正された前記局所的脳血液量を表示する手段を有することを特徴とする請求項1に記載の生体計測装置。
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