JP5201432B1 - 圧延銅箔 - Google Patents

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Abstract

【課題】高い耐屈曲性とともに優れた耐折り曲げ性を具備させる。
【解決手段】主表面に平行な複数の結晶面には{022}面、{002}面、{113}面、{111}面、及び{133}面が含まれ、主表面に対する2θ/θ法を用いたX線回折測定から求められ、合計値が100となるように換算された各結晶面の回折ピーク強度比が、I{022}+I{002}≧80.0であり、I{111}≦5.0であり、X線Pole−Figure法を用いて測定した{111}面の回折ピークの平均強度をプロットしたグラフを作成したとき、あおり角度が47°と53°とでの{111}面の回折ピークの平均強度同士を結ぶ直線の縦軸切片が、あおり角度が15°以上90°以下の範囲内での{111}面の回折ピークの平均強度の最大値の4分の1以上である。
【選択図】図1

Description

本発明は、圧延銅箔に関し、特に、フレキシブルプリント配線板に用いられる圧延銅箔に関する。
フレキシブルプリント配線板(FPC:Flexible Printed Circuit)は、薄くて可撓性に優れることから、電子機器等への実装形態における自由度が高い。そのため、FPCは、折り畳み式携帯電話の折り曲げ部やデジタルカメラ、プリンタヘッド等の可動部、ハードディスクドライブ(HDD:Hard Disk Drive)等のほか、デジタルバーサタイルディ
スク(DVD:Digital Versatile Disk)やコンパクトディスク(CD:Compact Disk)等のディスク関連機器の可動部の配線等に用いられることが多い。したがって、FPCやその配線材として用いられる圧延銅箔には、高屈曲特性、つまり、繰り返しの曲げに耐える優れた耐屈曲性が要求されてきた。
FPC用の圧延銅箔は、熱間圧延、冷間圧延等の工程を経て製造される。圧延銅箔は、その後のFPCの製造工程において、接着剤を介し或いは直接的に、ポリイミド等の樹脂からなるFPCのベースフィルム(基材)と加熱等により貼り合わされる。基材上の圧延銅箔は、エッチング等の表面加工を施されて配線となる。圧延銅箔の耐屈曲性は、圧延されて硬化した冷間圧延後の硬質な状態よりも、再結晶により軟化した焼鈍後の状態の方が著しく向上する。そこで、例えば上述のFPCの製造工程においては、冷間圧延後の圧延銅箔を用いて伸びやしわ等の変形を避けつつ圧延銅箔を裁断し、基材上に重ね合わせる。その後、圧延銅箔の再結晶焼鈍も兼ねて加熱することにより、圧延銅箔と基材とを密着させ一体化する。
上述のFPCの製造工程を前提として、耐屈曲性に優れた圧延銅箔やその製造方法についてこれまでに種々の研究がなされ、圧延銅箔の表面に立方体方位である{002}面({200}面)が発達するほど耐屈曲性が向上することが数多く報告されている。
そこで、例えば、特許文献1では、最終冷間圧延の直前の焼鈍を、再結晶粒の平均粒径が5μm〜20μmになる条件下で行う。また、最終冷間圧延での圧延加工度を90%以上とする。これにより、再結晶組織となるよう調質された状態において、圧延面のX線回折で求めた{200}面の強度をIとし、微粉末銅のX線回折で求めた{200}面の強度をIとしたとき、I/I>20である立方体集合組織を得る。
また、例えば、特許文献2では、最終冷間圧延前の立方体集合組織の発達度を高め、最終冷間圧延での加工度を93%以上とする。更に再結晶焼鈍を施すことにより、{200}面の積分強度がI/I≧40の、立方体集合組織が著しく発達した圧延銅箔を得る。
また、例えば、特許文献3では、最終冷間圧延工程における総加工度を94%以上とし、かつ1パスあたりの加工度を15%〜50%に制御する。これにより、再結晶焼鈍後には、所定の結晶粒配向状態が得られる。つまり、X線回折極点図測定により得られる圧延面の{200}面に対する{111}面の面内配向度Δβが10°以下となる。また、圧延面における立方体集合組織である{200}面の規格化した回折ピーク強度[a]と{200}面の双晶関係にある結晶領域の規格化した回折ピーク強度[b]との比が、[a]/[b]≧3となる。
このように、従来技術では、最終冷間圧延工程の総加工度を高くすることで、再結晶焼
鈍工程後に圧延銅箔の立方体集合組織を発達させて耐屈曲性の向上を図っている。
特許第3009383号公報 特許第3856616号公報 特許第4285526号公報
一方、近年では、電子機器の小型化や薄型化に伴い、小スペースへFPCを折り曲げて組み込むことが多くなってきている。特に、スマートフォン等のパネル部分では、配線の形成されたFPCが180°に折り曲げられて組み込まれることもある。このため、圧延銅箔に対し、小さな曲げ半径を許容する耐折り曲げ性の要求が高まってきている。
このように、用途等の違いに応じて、繰り返しの曲げに耐える耐屈曲性と、小さな曲げ半径に耐える耐折り曲げ性と、の異なる要求が生じ得る。これらの異なる要求に応えるため、従来は、それぞれの用途ごとに、異なる特性の圧延銅箔を分けて製造していた。しかしながら、このような状況は生産性の面から効率的とはいえず、採算性が悪いという課題があった。
本発明の目的は、再結晶焼鈍工程後に、高い耐屈曲性とともに優れた耐折り曲げ性を具備させることが可能な圧延銅箔を提供することである。このように、両特性を兼ね備える圧延銅箔が実現可能となれば、耐屈曲性を重視する用途と耐折り曲げ性を重視する用途とのどちらへも適用可能となる。よって、生産効率を著しく向上させることができる。
本発明の第1の態様によれば、
主表面を備え、前記主表面に平行な複数の結晶面を有する最終冷間圧延工程後、再結晶焼鈍工程前の圧延銅箔であって、
前記圧延銅箔は、純銅又は希薄銅合金からなり、
前記複数の結晶面には{022}面、{002}面、{113}面、{111}面、及び{133}面が含まれ、
前記主表面に対する2θ/θ法を用いたX線回折測定から求められ、合計値が100となるように換算された前記各結晶面の回折ピーク強度比をそれぞれI[022]、I[002]、I[113]、I[111]、及びI[133]としたとき、
[022]+I[002]≧80.0であり、
[111]≦5.0であり、
X線Pole−Figure法を用い、15°以上90°以下の範囲内の複数のあおり角度のそれぞれについて、前記主表面の面内回転角度を0°以上360°以下の範囲内で変化させて測定した{111}面の回折ピークの平均強度を求め、
前記あおり角度を横軸とし、回折ピーク強度を縦軸として、前記{111}面の回折ピークの平均強度をプロットしたグラフを作成したとき、
前記あおり角度が47°での前記{111}面の回折ピークの平均強度と前記あおり角度が53°での前記{111}面の回折ピークの平均強度とを結ぶ直線の縦軸切片が、前記あおり角度が15°以上90°以下の範囲内での前記{111}面の回折ピークの平均強度の最大値の4分の1以上である圧延銅箔が提供される。

本発明の第2の態様によれば、
無酸素銅、又はタフピッチ銅を主成分とする
第1の態様に記載の圧延銅箔が提供される。
本発明の第3の態様によれば、
銀、硼素、チタン、錫の少なくともいずれかが添加されている
第1又は第2の態様に記載の圧延銅箔が提供される。
本発明の第4の態様によれば、
厚さが20μm以下となっている
第1〜第3の態様のいずれかに記載の圧延銅箔が提供される。
本発明の第5の態様によれば、
前記最終冷間圧延工程における総加工度が90%以上である
第1〜第4の態様のいずれかに記載の圧延銅箔が提供される。
本発明の第6の態様によれば、
フレキシブルプリント配線板用である
第1〜第5の態様のいずれかに記載の圧延銅箔が提供される。
本発明によれば、再結晶焼鈍工程後に、高い耐屈曲性とともに優れた耐折り曲げ性を具備させることが可能な圧延銅箔が提供される。
本発明の一実施形態に係る圧延銅箔の製造工程を示すフロー図である。 本発明の実施例及び比較例におけるX線回折の測定方法の概要を示す図である。 2θ/θ法を用いたX線回折の測定結果であって、(a)は本発明の実施例1に係る圧延銅箔のX線回折チャートであり、(b)は実施例2に係る圧延銅箔のX線回折チャートであり、(c)は比較例1に係る圧延銅箔のX線回折チャートである。 本発明の実施例1に係る{111}面の回折ピークの平均強度をプロットして作成したグラフである。 本発明の実施例2に係る{111}面の回折ピークの平均強度をプロットして作成したグラフである。 本発明の実施例3に係る{111}面の回折ピークの平均強度をプロットして作成したグラフである。 本発明の実施例4に係る{111}面の回折ピークの平均強度をプロットして作成したグラフである。 本発明の実施例5に係る{111}面の回折ピークの平均強度をプロットして作成したグラフである。 比較例1に係る{111}面の回折ピークの平均強度をプロットして作成したグラフである。 比較例2に係る{111}面の回折ピークの平均強度をプロットして作成したグラフである。 比較例3に係る{111}面の回折ピークの平均強度をプロットして作成したグラフである。 比較例4に係る{111}面の回折ピークの平均強度をプロットして作成したグラフである。 比較例5に係る{111}面の回折ピークの平均強度をプロットして作成したグラフである。 本発明の実施例に係る圧延銅箔の耐屈曲性を測定する摺動屈曲試験装置の模式図である。 本発明の実施例に係る圧延銅箔の耐折り曲げ性の試験方法の概要を示す図である。 本発明の実施例6に係る{111}面の回折ピークの平均強度をプロットして作成したグラフである。 比較例6に係る{111}面の回折ピークの平均強度をプロットして作成したグラフである。 比較例7に係る{111}面の回折ピークの平均強度をプロットして作成したグラフである。 純銅型金属の逆極点図であって、(a)は引張変形による結晶回転方向を示す逆極点図であり、(b)は圧縮変形による結晶回転方向を示す逆極点図である。 一般的な逆極点図に、{013}面、{023}面およびこれらの結晶面との方位差が比較的小さい結晶面の領域を描き加えた図である。
<本発明者等が得た知見>
上述のように、FPC用途で求められる優れた耐屈曲性の圧延銅箔を得るには、圧延面の立方体方位を発達させるほど良い。本発明者等も、立方体方位の占有率を増大させるべく種々の実験を行ってきた。そして、それまでの実験結果から、最終冷間圧延工程後に存在していた{022}面が、その後の再結晶焼鈍工程によって再結晶に調質されると、{002}面、すなわち立方体方位となることを確認した。つまり、最終冷間圧延工程後、再結晶焼鈍工程前においては、{022}面が主方位となっていることが好ましい。
一方、上述の特許文献1〜3に記載があるように、また、本発明者等が試みたように、立方体集合組織を多く発現させたとしても、多結晶構造をとる圧延銅箔において立方体集合組織である{002}面が100%を占めることはない。これは再結晶焼鈍工程前でも同じであり、再結晶焼鈍工程前の状態では主方位である{022}面や、再結晶前後に結晶方位の保たれる{002}面以外にも、{113}面、{111}面、{133}面、{013}面、{023}面等の副方位の結晶面が制御されることなく複数混在する。そして、これらの複数の結晶面を有する結晶粒は、圧延銅箔の諸特性に種々の影響を及ぼすと考えられる。そこで、本発明者等は、これまで不要とされてきた副方位の結晶面に着目し、主方位の占有率を減少させることなく高い耐屈曲性を維持しながら、これら副方位の結晶面によって圧延銅箔の耐折り曲げ性を高めることができないかを検討してきた。
係る検討において、本発明者等は、{113}面、{111}面、{133}面、{013}面、{023}面等の副方位を含む各結晶面の、圧延銅箔の主表面における回折ピークの解析を進めた。回折ピークは各副方位の存在を示し、その強度比から各副方位の占有率を知ることができる。このような鋭意研究の結果、本発明者等は、これら副方位の各結晶面のうち、圧延銅箔の耐折り曲げ性を低下させるものと向上させるものとがあることを見いだした。したがって、圧延銅箔の主表面における回折ピークから得られる情報を基にこれら副方位の占有率を制御することができれば、高い耐屈曲性とともに優れた耐折り曲げ性を再結晶焼鈍工程後の圧延銅箔に具備させることが可能となる。本発明者等は、係る回折ピークの状態を様々に規定し、これらを制御する手法をも見いだした。これにより、主方位の{022}面の制御によって高い耐屈曲性を得たうえで、さらに耐折り曲げ性を向上させることができる。
本発明は、発明者等が見いだしたこれらの知見に基づくものである。
<本発明の一実施形態>
(1)圧延銅箔の構成
まずは、本発明の一実施形態に係る圧延銅箔の結晶構造等の構成について説明する。
(圧延銅箔の概要)
本実施形態に係る圧延銅箔は、例えば主表面としての圧延面を備える板状に構成されている。この圧延銅箔は、例えば無酸素銅(OFC:Oxygen-Free Copper)やタフピッチ銅等の純銅を原材料とする鋳塊に、後述の熱間圧延工程や冷間圧延工程等を施し所定厚さとした、最終冷間圧延工程後、再結晶焼鈍工程前の圧延銅箔である。
本実施形態に係る圧延銅箔は、例えばFPCの可撓性の配線材用途に用いられるよう構成されている。すなわち、総加工度が90%以上、より好ましくは94%以上の最終冷間圧延工程により厚さが20μm以下に構成されている。係る圧延銅箔は、この後、上述のように、例えばFPCの基材との貼り合わせの工程を兼ねて再結晶焼鈍工程が施され、再結晶することにより優れた耐屈曲性を具備させることが企図されている。
原材料となる無酸素銅は、例えばJIS C1020,H3100等に規定の純度が99.96%以上の銅材である。酸素含有量は完全にゼロでなくともよく、例えば数ppm程度の酸素が含まれていてもよい。また、タフピッチ銅は、例えばJIS C1100,H3100等に規定の純度が99.9%以上の銅材である。タフピッチ銅の場合、酸素含有量は例えば100ppm〜600ppm程度である。これらの銅材に銀(Ag)等の所定の添加材を微量に加えて希薄銅合金とし、耐熱性等の諸特性が調整された圧延銅箔とする場合もある。本実施形態に係る圧延銅箔には純銅と希薄銅合金との両方を含むことができ、原材料の銅材質や添加材による本実施形態の効果への影響はほとんど生じない。
最終冷間圧延工程における総加工度は、最終冷間圧延工程前の加工対象物(銅の板材)の厚さをTとし、最終冷間圧延工程後の加工対象物の厚さをTとすると、総加工度(%)=[(T−T)/T]×100で表わされる。総加工度を90%以上、より好ましくは94%以上とすることで、耐屈曲性に優れる圧延銅箔が得られる。
(圧延面の結晶構造)
また、本実施形態に係る圧延銅箔は、圧延面に平行な複数の結晶面を有している。具体的には、最終冷間圧延工程後、再結晶焼鈍工程前の状態で、複数の結晶面には、{022}面、{002}面、{113}面、{111}面、及び{133}面が含まれる。{022}面は圧延面における主方位となっており、その他の各結晶面は副方位である。
上述のように、係る各結晶面の状態は、各結晶面について測定される回折ピーク強度等の状態を様々に規定した比例関係式によって制御される。各結晶面の回折ピーク強度は、圧延銅箔の圧延面に対する2θ/θ法を用いたX線回折測定から求めることができる。ここで、2θ/θ法を用いたX線回折測定について、後述する実施例及び比較例に係る図2を参照して説明する。なお、ここでの説明は概略に留め、詳細については後述する。
図2に示すように、圧延銅箔等の試料片50をθ軸、ψ軸、φ軸の3つの走査軸回りに回転可能に配置する。2θ/θ法を用いたX線回折測定では、試料片50をθ軸回りに回転させ、試料片50に対し角度θで入射X線を入射する。また、入射X線の入射方向に対して角度2θで回折された回折X線を検出する。これにより、試料片50の主表面に対して平行な各結晶面の回折ピークが、主表面における各結晶面の占有率に応じた強度で得られる。
このようなX線回折により測定した上述の5つの結晶面の回折ピーク強度を合計値が100となるような比に換算したものが、各結晶面の回折ピーク強度比である。係る回折ピーク強度比は、圧延面における各結晶面の占有率に略等しい。
各結晶面の回折ピーク強度から、代表として{022}面の回折ピーク強度比を求める換算式(A)を以下に示す。ここで、各結晶面の回折ピーク強度比をそれぞれI{022}、I{002}、I{113}、I{111}、及びI{133}とし、各結晶面の回折ピーク強度をそれぞれI’{022}、I’{002}、I’{113}、I’{111}、及びI’{133}とする。
Figure 0005201432
本実施形態に係る圧延銅箔において、{022}面および{002}面の回折ピーク強度比は、例えば以下の式(1)が成り立つ関係にある。
{022}+I{002}≧80.0・・・(1)
また、本実施形態に係る圧延銅箔において、{111}面の回折ピーク強度比については、例えば以下の式(2)が成り立つ。
{111}≦5.0・・・(2)
また、本実施形態に係る圧延銅箔は、上述の式(1),(2)に加え、X線Pole−Figure(極点図)法を用いて求められる数値をも満たすよう規定される。ここで、X線Pole−Figure法を用いた測定について、図2を参照して説明する。なお、ここでの説明は概略に留め、詳細については後述する。
図2に示すように、X線Pole−Figure法を用いた測定では、上述の試料片50を更にψ軸回りに回転させ、15°以上90°以下の範囲内の複数のあおり角度ψのそれぞれについて2θ/θ法と同様に回折X線を検出する。このとき、各あおり角度ψにおいては、その角度を維持しつつ、上述の試料片50をφ軸回りに回転させて面内回転角度φを0°以上360°以下の範囲内で変化させて測定を行い、得られた銅結晶の{111}面の回折ピークの平均強度をそれぞれ求める。
このような測定により求めた各平均強度を用い、本実施形態に係る圧延銅箔を規定する手法を以下に説明する。
あおり角度ψを横軸とし、回折ピーク強度を縦軸として、上述の{111}面の回折ピークの平均強度をプロットし、例えば後述の実施例1に係る図4のようなグラフを作成する。
例えば図4に示すように、あおり角度ψが47°での{111}面の回折ピークの平均強度と、あおり角度ψが53°での{111}面の回折ピークの平均強度とを直線で結ぶ。これにより、この直線の縦軸切片を得る。
本実施形態に係る圧延銅箔においては、係る直線の縦軸切片が、グラフの範囲内、つまり、あおり角度ψが15°以上90°以下の範囲内での{111}面の回折ピークの平均強度の最大値の4分の1以上である。
以上、式(1),(2)および回折ピークの平均強度のグラフにより規定される条件を
満たすことで、本実施形態に係る圧延銅箔は、以下に述べるように、再結晶焼鈍工程後には、繰り返しの曲げに耐える高い耐屈曲性とともに、小さな曲げ半径に耐える優れた耐折り曲げ性を具備するよう構成される。
(圧延銅箔に付与される特性)
以上のような結晶構造を備えることで、圧延銅箔に付与されることとなる特性について以下に説明する。
上述のように、再結晶焼鈍工程前の{022}面は再結晶焼鈍工程後に{002}面へと変化し、再結晶焼鈍工程前の{002}面は再結晶焼鈍工程後もそのまま残存することで、圧延銅箔の耐屈曲性を向上させる。また、再結晶焼鈍工程の際、{002}面は、自身の結晶方位は変化しないものの、種結晶となって、{022}面が{002}面へと変化し成長することを促進する。したがって、再結晶焼鈍工程前において上述の式(1)を満たすことで、このような効果を充分に得ることができる。
但し、ここで、{002}面は存在していなくともよい。すなわち、{002}面の回折ピーク強度比I{002}はゼロでもよい。上述の式(1)において、例えばI{022}+I{002}=80.0+0=80.0の場合と、I{022}+I{002}=60.0+20.0=80.0の場合とで、再結晶焼鈍工程後に得られる圧延銅箔は互いに略同様の{002}面の結晶組織を備えることがわかっている。また、上述の式(1)により規定される数値は高ければ高いほど良く、これまでのところ、上限値は認められていない。
一方で、これ以外の副方位の{113}面、{111}面、及び{133}面は、耐屈曲性には寄与しない不要な結晶面である。特に、本発明者等による鋭意研究の結果、{111}面は耐折り曲げ性を低下させる傾向を有することが判明した。したがって、上述の式(2)を満たすことで、{111}面による耐折り曲げ性への悪影響を極めて小さくすることができる。上述の式(2)により規定される数値は低ければ低いほど良く、これまでのところ、下限値は認められていない。
また、本発明者等は、上述の結晶面以外の副方位についても研究を重ね、耐折り曲げ性に有利となる副方位を特定するに至った。つまり、例えば{013}面や{023}面、或いはこれらの結晶面に近い結晶方位、具体的には、これらの結晶面と±10°程度以内にある結晶方位を有する結晶面は、耐折り曲げ性を向上させる作用を備える。また、これらの結晶面は、再結晶焼鈍工程において再結晶した後も結晶方位が変わらない。よって、これらの結晶面についても、最終冷間圧延工程後、再結晶焼鈍工程前の圧延銅箔における状態を制御できれば、圧延銅箔に優れた耐折り曲げ性を付与することができる。
ところで、{013}面や{023}面は、たとえ圧延銅箔の圧延面に存在していたとしても、2θ/θ法によるX線回折測定では検出されない。銅は面心立方構造の結晶なので、2θ/θ法によるX線回折測定では{hkl}面のh,k,lが全て奇数値または全て偶数値でなければ回折ピークとして現れない。{013}面や{023}面のように、h,k,lが奇数値と偶数値との混在となっていると、消滅則によって回折ピークが消失してしまうためである。
そこで、本実施形態では、X線Pole−Figure法を用いてこれらの結晶面を規定する。上述において、あおり角度ψが47°での{111}面の回折ピークは、圧延銅箔の圧延面に平行な{013}面の存在を意味する。また、係る回折ピークの平均強度等から{013}面の状態を知ることができる。また、あおり角度ψが53°での{111}面の回折ピークは、圧延銅箔の圧延面に平行な{023}面の存在を意味する。また、
係る回折ピークの平均強度等から{023}面の状態を知ることができる。
回折ピークの平均強度のグラフにおける直線が上述のような条件を満たすことで、これらの結晶面の占有率が充分に高い圧延銅箔となり、優れた耐折り曲げ性を付与することができる。係る直線がこのような条件を満たすか否かは、例えばあおり角度ψが47°での回折ピークの平均強度とあおり角度ψが53°での回折ピークの平均強度との大小関係や、これらの平均強度とグラフの最大値の平均強度との大小関係や、2つの平均強度を結ぶ直線の傾き等によって決まる。
また、回折ピークの平均強度のグラフを用いた上述の条件を満たすことで、圧延銅箔に耐折り曲げ性が付与される点について、本発明者等は次のように考察している。{013}面や{023}面、及びこれらの結晶面に近い結晶方位、つまりこれらの結晶面との結晶方位差が比較的小さい結晶面は、圧延銅箔中に所定量存在している場合には集合組織を形成していると考えられる。また、これらの結晶面が集合組織を形成することで、耐折り曲げ性の向上に寄与すると思われる。上述のグラフにより得られる直線の縦軸切片がグラフの最大値に対して4分の1というのは、これらの結晶面が集合組織を形成するかどうかの境界を表わしていると、本発明者等は考えている。
(2)圧延銅箔の製造方法
次に、本発明の一実施形態に係る圧延銅箔の製造方法について、図1を用いて説明する。図1は、本実施形態に係る圧延銅箔の製造工程を示すフロー図である。
(鋳塊の準備工程S10)
図1に示すように、まずは、無酸素銅(OFC:Oxygen-Free Copper)やタフピッチ銅等の純銅を原材料として鋳造を行って鋳塊(インゴット)を準備する。鋳塊は、例えば所定厚さ、所定幅を備える板状に形成する。原材料となる無酸素銅やタフピッチ銅等の純銅は、圧延銅箔の諸特性を調整するため、所定の添加材が添加された希薄銅合金となっていてもよい。
添加材で調整可能な諸特性には、例えば耐熱性がある。上述のように、FPC用の圧延銅箔では、高い耐屈特性を得るための再結晶焼鈍工程は、例えばFPCの基材との貼り合わせの工程を兼ねて行われる。貼り合わせの際の加熱温度は、例えばFPCの樹脂等からなる基材の硬化温度や、使用する接着剤の硬化温度等に併せて設定され、温度条件の範囲は広く多種多様である。このように設定された加熱温度に圧延銅箔の軟化温度を合わせるべく、圧延銅箔の耐熱性を調整可能な添加材が添加される場合がある。
本実施形態に使用される鋳塊として、添加材が無添加の鋳塊や、幾種類かの添加材を添加した鋳塊を以下の表1に例示する。
Figure 0005201432
また、表1に示す添加材やその他の添加材として、耐熱性を上昇又は降下させる添加材には、例えば10ppm〜500ppm程度の硼素(B)、ニオブ(Nb)、チタン(Ti)、ニッケル(Ni)、ジルコニウム(Zr)、バナジウム(V)、マンガン(Mn)、ハフニウム(Hf)、タンタル(Ta)、及びカルシウム(Ca)のいずれか1つ又は複数の元素を添加した例がある。或いは、第1の添加元素としてAgを添加し、第2の添加元素として代表例に挙げたこれらの元素のいずれか1つ又は複数の元素を添加した例がある。そのほか、クロム(Cr)、亜鉛(Zn)、ガリウム(Ga)、ゲルマニウム(Ge)、砒素(As)、Cd(カドミウム)、インジウム(In)、錫(Sn)、アンチモン(Sb)、金(Au)等を微量添加することも可能である。
なお、鋳塊の組成は、後述の最終冷間圧延工程S40を経た後の圧延銅箔においても略そのまま維持され、鋳塊中に添加材を加えた場合には、鋳塊と圧延銅箔とは略同じ添加材濃度となる。
また、後述の焼鈍工程S32における温度条件は、銅材質や添加材による耐熱性に応じて適宜変更する。但し、このような銅材質や添加材、これに応じた焼鈍工程S32の温度条件の変更等は、本実施形態の効果に対してほとんど影響を与えない。
(熱間圧延工程S20)
次に、準備した鋳塊に熱間圧延を施して、鋳造後の所定厚さよりも薄い板厚の板材とする。
(繰り返し工程S30)
続いて、冷間圧延工程S31と焼鈍工程S32とを所定回数繰り返し実施する繰り返し工程S30を行う。すなわち、冷間圧延を施して加工硬化させた板材に、焼鈍処理を施して板材を焼き鈍すことにより加工硬化を緩和する。これを所定回数繰り返すことで、「生地」と称される銅条が得られる。銅材に耐熱性を調整する添加材等が加えられている場合は、銅材の耐熱性に応じて焼鈍処理の温度条件を適宜変更する。
なお、繰り返し工程S30中、繰り返し途中の焼鈍工程S32を「中間焼鈍工程」と呼ぶ。また、繰り返しの最後、つまり、後述の最終冷間圧延工程S40の直前に行われる焼鈍工程S32を「最終焼鈍工程」又は「生地焼鈍工程」と呼ぶ。生地焼鈍工程では、銅条(生地)に生地焼鈍処理を施し、焼鈍生地を得る。生地焼鈍工程においても、銅材の耐熱性に応じて温度条件を適宜変更する。このとき、生地焼鈍工程は、上述の各工程に起因する加工歪みを充分に緩和することのできる温度条件、例えば完全焼鈍処理と略同等の温度条件で実施することが好ましい。
(最終冷間圧延工程S40)
次に、最終冷間圧延工程S40を実施する。最終冷間圧延は仕上げ冷間圧延とも呼ばれ、仕上げとなる冷間圧延を複数回に亘って焼鈍生地に施す。このとき、高い耐屈特性を有する圧延銅箔が得られるよう、総加工度を90%以上、より好ましくは94%以上とする。これにより、再結晶焼鈍工程後において、いっそう優れた耐屈曲特性が得られ易い圧延銅箔となる。
また、冷間圧延を複数回繰り返すごとに焼鈍生地が薄くなるのに応じて、1回(1パス)あたりの加工度を徐々に小さくしていくことが好ましい。ここで、1パスあたりの加工度は、上述の総加工度の例に倣い、nパス目の圧延前の加工対象物の厚さをTBnとし、圧延後の加工対象物の厚さをTAnとすると、1パスあたりの加工度(%)=[(TBn−TAn)/TBn]×100で表わされる。
このように、1パスあたりの加工度を変化させることで、圧延銅箔の各結晶面の回折ピーク強度比を制御することができる。
圧延加工時、焼鈍生地等の加工対象物は、例えば互いに対向する1対のロール間の間隙に引き込まれ、反対側に引き出されることで減厚される。加工対象物の速度は、ロールに引き込まれる前の入り口側ではロールの回転速度より遅く、ロールから引き出された後の出口側ではロールの回転速度より速い。したがって、加工対象物には、入り口側では圧縮応力が、出口側では引張応力が加わる。加工対象物を薄く加工するためには、圧縮応力>引張応力でなければならない。1パスあたりの加工度を調整することで、圧縮応力>引張応力であることを前提として、それぞれの応力成分(圧縮成分と引張成分)の比を調整することができる。
また、最終冷間圧延工程S40では、応力成分(圧縮成分と引張成分)の比の調整を、
以下に説明する中立点の位置移動の制御という観点から行うことも可能である。すなわち、上述のように、ロールの回転速度に対して入り口側と出口側とで大小関係が逆転する加工対象物の速度は、入り口側及び出口側の間のどこかの位置でロールの回転速度と等しくなる。この両者の速度が等しい位置を中立点といい、中立点では加工対象物に加わる圧力が最大となる。
中立点の位置は、前方張力、後方張力、圧延速度(ロールの回転速度)、ロール径、ロールの表面粗さ、加工度、圧延荷重等の組み合わせを調整することで制御することができる。つまり、中立点の位置を制御することによっても、圧縮応力及び引張応力の比を調整することができる。
各結晶面の回折ピーク強度のバランスは、主に最終冷間圧延工程時の圧縮応力と引張応力との応力バランスにより決まる。
具体的には、最終冷間圧延工程S40等の圧延加工時、銅材中の銅結晶は、圧延加工時の応力により回転現象を起こし、いくつかの経路で{022}面へと変化する。圧縮応力が大きくなるほど{013}面や{023}面を経由し易く、引張応力が大きくなるほど{111}面を経由し易い。そして、それぞれが{022}面へと変化する。{022}面まで到達しなかった結晶や、{022}面に到達したものの引張応力によって{111}面へと回転してしまった結晶が副方位となる。
このように、圧縮応力と引張応力との応力バランスを変えることで、副方位の結晶面の回折ピーク強度のバランスを調整することができる。係る結晶面の回折ピーク強度のバランスは、上述の通り、圧延銅箔の耐屈曲性や耐折り曲げ性に多大な影響を与える。
各パスにおける加工度の大きさ制御や中立点の位置制御等を行いつつ、最終冷間圧延工程S40を施すことで、上述の式(1),(2)を満たす圧延銅箔を得ることができる。また、上述の{111}面の回折ピークの平均強度のグラフの縦軸切片がグラフの最大値の4分の1以上となる。よって、再結晶焼鈍工程後には、繰り返しの曲げに耐える高い耐屈曲性とともに、小さな曲げ半径に耐える優れた耐折り曲げ性を具備する圧延銅箔が得られる。
(表面処理工程S50)
以上の工程を経た銅条に所定の表面処理を施す。以上により、本実施形態に係る圧延銅箔が製造される。
(3)フレキシブルプリント配線板の製造方法
次に、本発明の一実施形態に係る圧延銅箔を用いたフレキシブルプリント配線板(FPC)の製造方法について説明する。
(再結晶焼鈍工程(CCL工程))
まずは、本実施形態に係る圧延銅箔を所定のサイズに裁断し、例えばポリイミド等の樹脂からなるFPCの基材と貼り合わせてCCL(Copper Clad Laminate)を形成する。このとき、接着剤を介して貼り合わせを行う3層材CCLを形成する方法と、接着剤を介さず直接貼り合わせを行う2層材CCLを形成する方法のいずれを用いてもよい。接着剤を用いる場合には、加熱処理により接着剤を硬化させて圧延銅箔と基材とを密着させ一体化する。接着剤を用いない場合には、加熱・加圧により圧延銅箔と基材とを直接密着させる。加熱温度や時間は、接着剤や基材の硬化温度等に合わせて適宜選択することができ、例えば150℃以上300℃以下の温度で、1分以上120分以下とすることができる。
上述のように、圧延銅箔の耐熱性は、このときの加熱温度に合わせて調整されている。したがって、CCL工程での加熱により圧延銅箔が軟化し再結晶される。つまり、基材に圧延銅箔を貼り合わせるCCL工程が、圧延銅箔に対する再結晶焼鈍工程を兼ねている。圧延銅箔に対し再結晶焼鈍工程が施されることにより、再結晶組織を有する圧延銅箔が得られる。
つまり、再結晶焼鈍工程前において主方位であった{022}面と副方位であった{002}面の多くが、共に再結晶組織へと調質された{002}面となる。これにより、高い耐屈曲性が得られる。
また、その他の副方位は、再結晶後も最終冷間圧延工程後の状態を保ったまま、ほとんど変化することなく再結晶組織へと調質される。但し、再結晶状態となることで、これら副方位の結晶面から加工硬化の影響が取り除かれ、これら副方位の結晶面が持つ作用が最大限に近い形で発現する。
例えば、{111}面により耐折り曲げ性を低下させる作用が発揮される。但し、本実施形態に係る圧延銅箔は、上述の式(2)を満たし、{111}面の占有率が低い状態にあるので、その作用が抑制される。また、{013}面や{023}面の持つ耐折り曲げ性を向上させる作用が発揮される。このとき、{013}面および{023}面は、上述のグラフから得られる条件によって占有率が充分に高い状態にあるので、その作用が顕著に現れる。
また、副方位の各結晶面は再結晶焼鈍工程前後でほとんど変化しない。したがって、耐屈曲性及び耐折り曲げ性を得るには、最終冷間圧延工程後、再結晶焼鈍工程前の圧延銅箔について、上述の関係式や条件を満たすように副方位を制御しておけばよい。
また、このように、CCL工程が再結晶焼鈍工程を兼ねることで、圧延銅箔を基材に貼り合わせるまでの工程では、冷間圧延工程後の加工硬化した状態で圧延銅箔を取り扱うことができ、圧延銅箔を基材に貼り合わせる際の、伸び、しわ、折れ等の変形を起こり難くすることができる。
(表面加工工程)
次に、基材に貼り合わせた圧延銅箔に表面加工工程を施す。表面加工工程では、圧延銅箔に例えばエッチング等の手法を用いて銅配線等を形成する配線形成工程と、銅配線と他の電子部材との接続信頼性を向上させるためメッキ処理等の表面処理を施す表面処理工程と、銅配線等を保護するため銅配線上の一部を覆うようにソルダレジスト等の保護膜を形成する保護膜形成工程とを行う。
以上により、本実施形態に係る圧延銅箔を用いたFPCが製造される。
<本発明の他の実施形態>
以上、本発明の実施形態について具体的に説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
例えば、上述の実施形態においては、圧延銅箔の耐熱性を調整する添加材として主にAgを用いることとしたが、添加材は、Agや上述の代表例等に挙げたものに限られない。また、添加材により調整可能な諸特性は耐熱性に限られず、調整を必要とする諸特性に応じて添加材を適宜選択してもよい。
また、上述の実施形態においては、FPCの製造工程におけるCCL工程は圧延銅箔に
対する再結晶焼鈍工程を兼ねることとしたが、再結晶焼鈍工程は、CCL工程とは別工程として行ってもよい。
また、上述の実施形態においては、圧延銅箔はFPC用途に用いられることとしたが、圧延銅箔の用途はこれに限られず、耐屈曲性及び耐折り曲げ性を必要とする用途に用いることができる。圧延銅箔の厚さについても、FPC用途をはじめとする各種用途に応じて、10μm以下の超極薄、或いは、20μm超などとしてもよい。
また、上述の実施形態においては、最終冷間圧延工程S40での総加工度を90%以上などとし優れた耐屈曲性を得ることとしたが、副方位の結晶面の調整により耐折り曲げ性を得る手法は、これとは独立して用いることができる。つまり、耐折り曲げ性が特に重要であって、ある程度の耐屈曲性が得られていればよい場合等には、最終冷間圧延工程における総加工度を例えば85%、75%、65%等のように、90%未満としてもよい。
また、上述の実施形態においては、{013}面および{023}面を検出するにあたり、X線Pole−Figure法のうち、特に反射法による測定を行うこととしたが、透過法により測定することとしてもよい。また、X線Pole−Figure法以外にも、Inverse Pole−Figure(逆極点図)法や、その他の方法を用いてもよい。
なお、本発明の効果を奏するために、上述した工程のすべてが必須であるとは限らない。上述の実施形態や後述の実施例で挙げる種々の条件もあくまで例示であって、適宜変更可能である。
次に、本発明に係る実施例について比較例とともに説明する。
(1)無酸素銅を用いた圧延銅箔
まずは、無酸素銅を用いた実施例1〜5および比較例1〜5に係る圧延銅箔を以下のとおり製作し、それぞれについて各種評価を行った。
(圧延銅箔の製作)
目標濃度を200ppmとするAgを添加した無酸素銅を用い、上述の実施形態と同様の手順及び手法で、実施例1〜5および比較例1〜5に係る圧延銅箔を製作した。但し、比較例1〜5については構成を外れる処理等が含まれる。
具体的には、無酸素銅に所定量のAgを溶解して鋳造した厚さ150mm、幅500mmの鋳塊を準備した。以下の表2に、高周波誘導結合プラズマ(ICP:Inductively Coupled Plasma)発光分光分析法により分析した、鋳塊中のAg濃度の分析値を示す。
Figure 0005201432
表2に示すように、目標濃度の200ppmに対し、分析値は180ppm〜220ppmと、いずれも200ppm±20ppm(10%)程度内のバラツキに抑えられている。Agは元々、主原材料である無酸素銅に不可避不純物として数ppm〜十数ppm程度含有されている場合があるほか、鋳塊を鋳造する際のバラツキ等の種々の原因により、±20ppm程度内のバラツキは金属材料分野では一般的なものである。
次に、上述の実施形態と同様の手順及び手法で、熱間圧延工程にて厚さ8mmの板材を得た後、冷間圧延工程と、750℃〜850℃の温度で約2分間保持する中間焼鈍工程とを繰り返し実施し、厚さ0.6mmの銅条(生地)を製作した。続いて、約750℃の温度で約2分間保持する生地焼鈍工程にて焼鈍生地を得た。
ここで、各焼鈍工程の温度条件等は、Agを180ppm〜220ppm含有する無酸素銅材の耐熱性に合わせた。なお、組成が同じ銅材に対して各焼鈍工程で異なる温度条件を用いたのは、銅材の厚さに応じて耐熱性が変化するためであり、銅材が薄いときは温度を下げることができる。
最後に、上述の実施形態と同様の手順及び手法で最終冷間圧延工程を行った。最終冷間圧延工程での条件を以下の表3に示す。
Figure 0005201432
表3に示すように、各表の上段から下段へと順次板厚が薄くなるのに応じて、右欄のように条件を切り替えて、最終冷間圧延を行った。つまり、厚さが600μm以下における
冷間圧延加工の、1パスあたりの加工度と中立点の位置とを変化させた。右欄に示す中立点の位置(mm)は、ロールと加工対象物である焼鈍生地との接触面の出口側端部から中立点までの長さで示した。
また、優れた耐屈曲性を得るため、実施例1〜5および比較例1〜5の全てにおいて、最終冷間圧延工程での総加工度が94%以上となるように条件を設定した。具体的には、実施例1〜5および比較例1〜5ともに、総加工度を98%とした。以上により、厚さが12μmの実施例1〜5および比較例1〜5に係る圧延銅箔を製作した。
次に、以上のように製作した各圧延銅箔について次の評価を行った。
(2θ/θ法によるX線回折測定)
まずは、実施例1〜5および比較例1〜5に係る圧延銅箔に対し、2θ/θ法によるX線回折測定を行った。測定方法の詳細について、図2を用いて以下に説明する。図2は、本発明の実施例及び比較例におけるX線回折の測定方法の概要を示す図である。
図2に示すように、実施例1〜5および比較例1〜5に係る圧延銅箔の試料片50を、上述の通り、θ軸、ψ軸、φ軸の3つの走査軸回りに回転可能に配置する。これら3つの走査軸は、一般に、それぞれ試料軸、あおり軸、面内回転軸と呼ばれる。本実施形態におけるX線回折の測定には、銅(Cu)へのX線照射によりL殻軌道の電子がK殻軌道に遷移する際に発生するX線(Cu Kα線)を用いるものとする。
2θ/θ法を用いたX線回折測定では、入射X線に対して試料片50と図示しない検出器とをθ軸で走査(θ軸周りに回転)する。このとき、試料片50の走査角を角度θとし、検出器の走査角を角度2θとする。これにより、上述の通り、角度θで入射X線が入射され、角度2θで回折された回折X線が検出される。
本実施例および比較例では、株式会社リガク製のX線回折装置(型式:Ultima IV)を用い、以下の表4に示す条件で係る測定を行った。代表として、図3(a),(b)に実施例1,2のX線回折チャートを、図3(c)に比較例1のX線回折チャートをそれぞれ示す。
Figure 0005201432
次に、2θ/θ法により測定した銅結晶の{022}面、{002}面、{113}面、{111}面、及び{133}面の回折ピーク強度を合計値が100となるような比に換算し、各結晶面の回折ピーク強度比を求めた。また、上述の式(1)に係る値、つまり、(I{022}+I{002})の値を求めた。以下の表5に、実施例1〜5および比較例1〜5に係る圧延銅箔について、上述のように求めた各結晶面の回折ピーク強度比I{022}、I{002}、I{113}、I{111}(式(2))、I{133}の値、および、式(1)の値を示す。
Figure 0005201432
上述のように、本実施例及び比較例では、最終冷間圧延工程での1パスあたりの加工度や中立点の位置を変化させている。これにより、冷間圧延加工時に、加工対象物に加わる圧縮成分と引張成分との応力成分の比が変化する。その結果、各結晶面の比率が変わり、表5に示す各結晶面の回折ピーク強度比や、式(1)に係る値も変化している。
また、表5に示すように、実施例1〜5の各条件の組み合わせでは、式(1),(2)の各値はいずれも上述の所定範囲内にあった。
一方、比較例1〜5の各条件の組み合わせでは、いくつかの圧延銅箔において、式(1),(2)の各値のうち、1つ、または、両方の値が上述の所定範囲外となった。表5中、上述の所定範囲を外れた値を下線付きの太字で示した。
(X線Pole−Figure法による測定)
次に、実施例1〜5および比較例1〜5に係る圧延銅箔に対し、X線Pole−Figure法による測定を行った。係る測定の方法には、後述するあおり角度ψを15°〜90°の範囲とする反射法と、0°〜15°の範囲とする透過法とがある。本実施例では反射法を用いた。測定方法の詳細について、図2を用いて以下に説明する。
図2に示すように、X線Pole−Figure法を用いた測定では、上述の2θ/θ法を用いたX線回折測定と同様に、各圧延銅箔の試料片50を配置する。
また、X線Pole−Figure法では、以下のように規定されるあおり角度ψを利用して測定を行う。つまり、試料片50に垂直な方向(φ軸方向)のあおり角度ψを90°と定義する。また、着目する結晶面である{hkl}面に幾何学的に対応する結晶面である{h’k’l’}面が{hkl}面となす角度をψ’とする。このとき、あおり角度ψ=90−ψ’と規定される。
このような規定の元、試料片50をψ軸走査(ψ軸周りに回転)し、あおり角度ψを15°以上90°以下の範囲内で変化させる。つまり、上述の範囲内のあおり角度ψで試料
片50を傾けていく。このようにあおり角度ψを変化させながら、複数のあおり角度ψにおいて、2θ/θ法と同様に回折X線を検出する。つまり、あおり角度ψが90°のとき、原理的に2θ/θ法と同様の測定を行っていることとなる。
また、各あおり角度ψにおける測定にあたっては、検出器の走査角を角度2θに固定し、{h’k’l’}面の2θ値に対して試料片50をφ軸走査(φ軸周りに回転)し、面内回転角度φを0°以上360°以下の範囲内で変化させる。つまり、上述の範囲内の面内回転角度φで試料片50を自転させる。このようにして測定された{h’k’l’}面の回折ピークにつき、面内回転角度φが0°以上360°以下の範囲内の回折ピークの平均強度を、各あおり角度ψについて求める。
このとき、所定のあおり角度ψにおいて検出された{h’k’l’}面は、圧延銅箔の圧延面に平行な{hkl}面と幾何学的に対応する。本実施例において着目すべき{hkl}面は、{013}面および{023}面である。圧延銅箔の圧延面に平行な{013}面と幾何学的な対応関係にあるのは、あおり角度ψが47°において検出される{111}面である。また、圧延銅箔の圧延面に平行な{023}面と幾何学的な対応関係にあるのは、あおり角度ψが53°において検出される{111}面である。
よって、上述の通り、X線Pole−Figure法を用いて得られた{111}面の回折ピークの平均強度のグラフから、本実施例の圧延銅箔が所定の結晶構造を備えるか否かを判定することができる。
本実施例および比較例では、株式会社リガク製のX線回折装置(型式:Ultima IV)を用い、以下の表6に示す条件で上述のような測定を行った。図4〜8に、実施例1〜5に係る{111}面の回折ピークの平均強度をプロットして作成したグラフを示す。また、図9〜13に、比較例1〜5に係る{111}面の回折ピークの平均強度をプロットして作成したグラフを示す。
Figure 0005201432
図4〜13までのグラフの横軸はあおり角度ψ(°)であり、縦軸は回折ピーク強度(任意単位)である。グラフには、上述のX線Pole−Figure法を用いた測定によ
り求めた各平均強度がプロットされている。また、グラフには、グラフの範囲内での{111}面の回折ピークの平均強度の最大値とその4分の1の値を示す。また、グラフには、あおり角度ψがそれぞれ47°,53°での{111}面の回折ピークの平均強度を結ぶ直線と、その縦軸切片とを示す。
図4〜13に示すように、実施例1〜5の結果では、いずれも縦軸切片がグラフの最大値の4分の1以上となって上述の条件を満たしていた。一方で、比較例1〜5の結果では、いずれも縦軸切片がグラフの最大値の4分の1未満となって上述の条件を満たさなかった。
(屈曲疲労寿命試験)
次に、各圧延銅箔の耐屈曲性を調べるため、各圧延銅箔が破断するまでの繰返し曲げ回数(屈曲回数)を測定する屈曲疲労寿命試験を行った。係る試験は、信越エンジニアリング株式会社製のFPC高速屈曲試験機(型式:SEK−31B2S)を用い、IPC(米国プリント回路工業会)規格に準拠して行った。図14には、信越エンジニアリング株式会社製のFPC高速屈曲試験機等も含む、一般的な摺動屈曲試験装置10の模式図を示す。
まずは、実施例1〜5および比較例1〜5に係る圧延銅箔を幅12.5mm、長さ220mmに切り取った、厚さが12μmの試料片50に、上述の再結晶焼鈍工程に倣い、300℃、60分間の再結晶焼鈍を施した。係る条件は、フレキシブルプリント配線板のCCL工程で、基材との密着の際に圧延銅箔が実際に受ける熱量の一例を模している。
次に、図14に示すように、圧延銅箔の試料片50を、摺動屈曲試験装置10の試料固定板11にネジ12で固定した。続いて、試料片50を振動伝達部13に接触させて貼り付け、発振駆動体14により振動伝達部13を上下方向に振動させて試料片50に振動を伝達し、屈曲疲労寿命試験を実施した。屈曲疲労寿命の測定条件としては、曲げ半径10rを1.5mmとし、ストローク10sを10mmとし、振幅数を25Hzとした。係る条件下、各圧延銅箔から切り取った試料片50を5枚ずつ測定し、破断が発生するまでの屈曲回数の平均値を比較した。以下の表7に結果を示す。
Figure 0005201432
表7に示すように、実施例1〜5および比較例3,5においては、いずれも上述の式(1)を満たすので、屈曲回数が200万回以上の高い耐屈曲性が得られた。一方、上述の式(1)を満たさない比較例1,2,4においては、いずれも屈曲回数が200万回を下
回る結果となってしまった。
ここで、着目すべきは、比較例1,2,4であっても、もともと比較的高水準の耐屈曲性を備えている点である。これは、例えば上述の特許文献3等で実績が得られている総加工度が94%以上、具体的には、総加工度が98%の最終冷間圧延工程を経ているためである。実施例1〜5においては、更に、上述の式(1)を満たすこととすることにより、耐屈曲性の更なる向上が可能となった。
(耐折り曲げ性の評価)
続いて、各圧延銅箔の耐折り曲げ性を調査した。耐折り曲げ性についての一般的な試験の規格では、例えばFPC用途等で要求される180°の折り曲げについての標準化がなされていない。そこで、図15に示す手法により、各圧延銅箔に割れが生じるまでの折り曲げ回数を測定する折り曲げ試験を行った。
すなわち、まずは、実施例1〜5および比較例1〜5に係る圧延銅箔を圧延方向に対し、幅15mm、長さ100mmに切り取った試料片50に、300℃、60分間の再結晶焼鈍を施した。次に、図15に示すように、厚さが0.25mmのスペーサ20を挟み込むように試料片50を180°折り曲げ、この状態で折り曲げ部分を金属顕微鏡で観察して割れの有無を確認した。割れがなければ、圧延銅箔を折り曲げた状態から元の伸ばした状態に戻した。これを1サイクルとして、各圧延銅箔から切り取った試料片50の5枚ずつについて、1サイクル毎に折り曲げ部分の観察をしつつ、割れが発生するまでサイクルを繰り返し、折り曲げ回数を測定した。以下の表8に結果を示す。
Figure 0005201432
表8に示すように、上述の式(2)および上述のグラフから得られる条件を共に満たす実施例1〜5のいずれにおいても、折り曲げ回数は100回以上となり、優れた耐折り曲げ性が得られた。
一方、比較例4を除き、優れた耐屈曲性を示した比較例3,5を含むいずれの比較例においても式(2)および上述の条件をいずれも満たしておらず、折り曲げ回数は100回未満となって、充分な耐折り曲げ性は得られなかった。但し、式(2)のみを満たす比較
例4については、折り曲げ回数が61回と、他の比較例と比べて若干の改善が認められた。
(2)タフピッチ銅を用いた圧延銅箔
次に、目標濃度を200ppmとするAgを添加したタフピッチ銅を用い、上述の実施例と同様の手順及び手法で、厚さが12μmの実施例6および比較例6,7に係る圧延銅箔を製作した。但し、比較例6,7については構成を外れる処理等が含まれる。
実施例6および比較例6,7の鋳塊中におけるAg濃度は、IPC発光分光分析法により得た分析値で、それぞれ190ppm、204ppmおよび199ppmであった。全て±10%程度内のバラツキであって、金属材料の分野では一般的なものである。なお、係る濃度のAgを含有するタフピッチ銅材の耐熱性に合わせ、中間焼鈍工程および生地焼鈍工程では、上述の条件とは異なる条件を用いた。具体的には、中間焼鈍工程では650℃〜750℃の温度で約2分〜4分の間保持し、生地焼鈍工程では約700℃の温度で約2分間保持した。また、本実施例及び比較例についても、上述の表3の条件を最終冷間圧延工程に適用した。
以上のように製作した実施例6および比較例6,7に係る圧延銅箔について、上述の実施例と同様の手法及び手順で2θ/θ法によるX線回折測定およびX線Pole−Figure法を用いた測定を行い、上述の式(1),(2)を求め、また、上述と同様にグラフを作成した。図16〜18に、X線Pole−Figure法を用いて作成した実施例6および比較例6,7に係るグラフをそれぞれ示す。また、以下の表9に、2θ/θ法によるX線回折測定の結果を示す。
Figure 0005201432
表9、及び図16〜18に示すように、実施例6に係る圧延銅箔については、式(1),(2)を共に満たし、また、平均強度のグラフから規定される条件も満たしていた。一方、比較例6に係る圧延銅箔については、式(1)を満たすものの、式(2)の所定範囲を外れ、グラフから規定される条件からも外れてしまった。また、比較例7に係る圧延銅箔については、式(2)は所定範囲内であったが、式(1)及びグラフから規定される条件からは外れてしまった。表9中、上述の所定範囲を外れた値を下線付きの太字で示した。
また、実施例6および比較例6,7に係る圧延銅箔に対し、上述の実施例と同様の手法及び手順で屈曲疲労寿命試験を行った。その結果、上述の式(1)を満たす実施例6及び比較例6については、屈曲回数がそれぞれ、2,131,000回、2,098,000回と、いずれも200万回以上の高い耐屈曲性が得られた。一方、上述の式(1)を満たさない比較例7においては、屈曲回数が1,688,000回と、200万回を下回る結果となってしまった。
また、実施例6および比較例6,7に係る圧延銅箔に対し、上述の実施例と同様の手法及び手順で折り曲げ試験を行った。その結果、実施例6については折り曲げ回数が98回と良好であったのに対し、比較例6については39回、式(2)を満たす比較例7については若干の改善が認められるものの50回と、いずれも劣った結果であった。
以上の結果を、以下の表10に示す。表10中、上述の所定範囲を外れた値を下線付きの太字で示した。
Figure 0005201432
以上のことから、各結晶面が所定範囲内であれば、タフピッチ銅を主原材料とする圧延銅箔についても、良好な耐折り曲げ性を得て、更に耐屈曲性の向上を図ることができることがわかった。
(3)異なる添加材を用いた圧延銅箔
次に、目標濃度を120ppmとするAgおよび目標濃度を40ppmとするチタン(Ti)を添加材として加えた無酸素銅を用い、上述の実施例と同様の手順及び手法で、厚さが12μmの実施例7および比較例8,9に係る圧延銅箔を製作した。但し、比較例8,9については構成を外れる処理等が含まれる。
実施例7および比較例8,9の鋳塊中におけるAg濃度は、IPC発光分光分析法により得た分析値で、それぞれ117ppm、121ppmおよび120ppmであった。また、Ti濃度は、それぞれ39ppm、38ppmおよび39ppmであった。全て±10%程度内のバラツキであって、金属材料の分野では一般的なものである。
また、このような濃度のAgおよびTiを含有する無酸素銅材の耐熱性に合わせ、中間焼鈍工程および生地焼鈍工程には、上述の条件とは異なる条件を用いた。具体的には、中間焼鈍工程では温度650℃〜750℃で約1分〜3分の間保持し、生地焼鈍工程では約700℃の温度で約1分間保持した。また、本実施例及び比較例についても、上述の表3の条件を最終冷間圧延工程に適用した。
以上のように製作した実施例7および比較例8,9に係る圧延銅箔について、上述の実施例と同様の手法及び手順で2θ/θ法によるX線回折測定およびX線Pole−Figure法を用いた測定を行い、上述の式(1),(2)を求め、また、上述と同様にグラフを作成した。以下の表11に、2θ/θ法によるX線回折測定の結果を示す。
Figure 0005201432
表11に示すように、実施例7に係る圧延銅箔については、各結晶面の回折ピーク強度の関係が式(1),(2)を共に満たし、また、図示はしないものの、平均強度のグラフから規定される条件も満たしていた。一方、比較例8に係る圧延銅箔については、式(1),(2)いずれも所定範囲を外れ、図示はしないが、グラフから規定される条件からも外れてしまった。また、比較例9に係る圧延銅箔については、式(1),(2)は所定範囲内であったが、図示しないグラフから規定される条件からは外れてしまった。表11中、上述の所定範囲を外れた値を下線付きの太字で示した。
また、実施例7および比較例8,9に係る圧延銅箔に対し、上述の実施例と同様の手法及び手順で屈曲疲労寿命試験を行った。その結果、上述の式(1)を満たす実施例7及び比較例9については、屈曲回数がそれぞれ2,143,000回、2,122,000回と、200万回以上の高い耐屈曲性が得られた。一方、上述の式(1),(2)の両方を満たさない比較例8においては、屈曲回数が1,701,000回と、200万回を下回る結果となってしまった。
また、実施例7および比較例8,9に係る圧延銅箔に対し、上述の実施例と同様の手法及び手順で折り曲げ試験を行った。その結果、実施例7については折り曲げ回数が101回と良好であったのに対し、比較例8については36回、式(2)を満たす比較例9については若干の改善が認められるものの51回と、いずれも劣った結果であった。
以上の結果を、以下の表12に示す。表12中、上述の所定範囲を外れた値を下線付きの太字で示した。
Figure 0005201432
以上のことから、各結晶面が所定範囲内であれば、AgとTiとのような異なる添加材を添加した圧延銅箔についても、良好な耐屈曲性及び耐折り曲げ性が得られることがわかった。
<本発明者等による考察>
上述の圧延銅箔の製造工程における副方位の結晶面の制御の仕組みに対する本発明者等の考察について、以下に説明する。
(1)結晶回転について
上述のように、最終冷間圧延工程等の圧延加工時、銅材には、圧縮応力と、圧縮応力よりも弱い引張応力とが加わっている。圧延される銅材中の銅結晶は、圧延加工時の応力によって{022}面への回転現象を起こし、圧延加工の進展とともに、圧延面に平行な結晶面の方位が主に{022}面である圧延集合組織を形成する。このとき、上述のように、圧縮応力と引張応力との比により、{022}面へと向かって回転する経路が変わる。これについて、図19を用いて説明する。
図19は、下記の技術文献(イ)から引用した純銅型金属の逆極点図であって、(a)は引張変形による結晶回転方向を示す逆極点図であり、(b)は圧縮変形による結晶回転方向を示す逆極点図である。なお、逆極点図では、{002}面を{001}面と表記し、{022}面を{011}面と表記することになっている。つまり、{002}面は、{002}面に平行な面の最小数値である{001}面で表わし、{022}面は、{022}面に平行な面の最小数値である{011}面で表わす。
(イ)編著者 長嶋晋一、“集合組織”、丸善株式会社、昭和59年1月20日、p96の図2.52(a),(c)
図19に示すように、銅材中の銅結晶は、引張応力による変形のみでは{111}面へと向かって回転し、圧縮応力による変形のみでは{011}面へと向かって回転する。圧延加工では、圧縮成分と引張成分とが合わさった変形をするため、結晶回転方向はこれほど単純ではない。ただし、引張成分より圧縮成分が優勢となって変形し、圧延加工がされるので、総じて{011}面へと向かう結晶回転を起こしつつ、圧縮成分と引張成分との割合によって{111}面へも一部回転しようとする。このとき、圧縮成分の方が優勢であるので、{111}面へと回転しかけた結晶が{011}面へと戻される結晶回転も起きる。また、これとは逆に、{011}面へと向かって回転している結晶や{011}面に到達した結晶が、引張成分によって{133}面や{111}面へ向かって回転する場合もある。
このように、圧縮成分と引張成分とが、圧縮成分>引張成分の関係を保ちながら混在する中で結晶回転が起こると、最終的には主方位の結晶面は{011}面となり、また、圧縮成分と引張成分との混合による結晶回転の結果、副方位の結晶面は、{001}面、{113}面、{111}面、{133}面になると考えられる。
図20に示す逆極点図の結晶方位は一般的なものであるが、図中に{013}面、{023}面およびこれらの結晶面との方位差が比較的小さい結晶面の領域を描き加えた。図20に示すように、圧縮応力による結晶回転では、{013}面や{023}面等を経由して{011}面({022}面)へと回転していく。
圧延加工では、上述のように、圧延される銅材に圧縮応力と、圧縮応力よりも弱い引張応力との両方が加わらなければ、銅材の形状を保ちながら圧延することはできない。つまり、圧縮応力のみでは、単なるプレス加工と同様、放射状に伸び広がった形状となってしまう。圧縮応力>引張応力という前提のもと、{022}面まで回転が到達しなかった方位の残存や、引張応力の影響により、{111}面へ向けて回転した結晶が副方位となる。このように、耐折り曲げ性を低下させる{111}面は引張応力によって形成された副方位であり、耐折り曲げ性を向上させる{013}面や{023}面は、圧縮応力によって形成された副方位である。
よって、圧延銅箔の圧延面における{111}面の占有率をなるべく抑え、{013}面や{023}面の占有率をなるべく高めるには、圧縮応力と引張応力のバランスを適宜調整しながら圧延することが重要となる。
(2)最終冷間圧延工程における制御
圧縮成分と引張成分とは、上述の実施形態に係る最終冷間圧延工程S40でも行っている通り、例えば圧延加工時の1パスあたりの圧延条件を変化させることで制御することができる。つまり、上述の実施形態や実施例にて試みたように、例えば1パスあたりの加工度の変化に着目することができる。
また、上述の実施形態や実施例においては、最終冷間圧延工程における1パスあたりの加工度と併せ、中立点の位置制御も行っている。つまり、圧縮成分と引張成分との制御パラメータの調整にあたっては、例えば中立点の位置変化に着目することも可能である。
上述の加工度や中立点の位置等の制御因子は圧延機の構成に関わるところであり、圧延機の仕様に依存するところが大きい。具体的には、ロールの段数、ロールの総数、ロールの組み合わせ配置、各ロールの径や材質や表面状態(表面粗さ)等のロールの構成などの違いにより、銅材への圧縮応力の加わり方や摩擦係数等に違いが生じる。圧延機が異なれば、上述の実施例で挙げた条件に係る各制御因子もその絶対値が異なるため、圧延機ごとに適宜調整することができる。また、同じ圧延機においても、圧延ロールの表面状態や圧延ロールの材質が異なれば、各制御因子の絶対値が異なる。よって、同じ圧延機であっても、それぞれの状態に応じて適宜調整することができる。
上述の実施形態や実施例においては、加工度を可変の制御因子として中立点の位置を制御したが、加工度以外の制御因子を用いた制御も可能である。
例えば、1パスあたりの加工度を一定とし、圧延ロールの表面粗さを変えると、圧延される銅材が受ける摩擦係数が変わって、中立点の位置が変わり圧延荷重も変わる。その結果、圧延加工における圧縮応力と引張応力とのバランスが変わり、銅結晶の回転方向や回転経路が変わる。
(3)その他の制御因子
また、上述の実施形態や実施例においては、最終冷間圧延工程における圧延条件により銅結晶の回転方向や回転経路を制御したが、他の工程においても同様の制御は可能である。
例えば、最終冷間圧延工程の圧延条件を一定とし、最終冷間圧延工程直前までの製造工程の条件を変更することで、最終冷間圧延工程にも影響が及び、最終冷間圧延工程における回転方向や回転経路を間接的に変化させることが可能と考えられる。但し、上述の実施形態や実施例のように、最終冷間圧延工程における圧延条件を変化させれば、回転方向や回転経路を直接的に制御することができ、制御性をいっそう高めることができる。
このように、最終冷間圧延工程後における圧延銅箔の結晶方位の状態は、特定の製造方法により限定されるものではない。圧延銅箔の結晶方位の状態は、種々の手法により制御することができ、その方法は幾通りも存在するからである。
10 摺動屈曲試験装置
11 試料固定板
12 ネジ
13 振動伝達部
14 発振駆動体
20 スペーサ
50 試料片

Claims (6)

  1. 主表面を備え、前記主表面に平行な複数の結晶面を有する最終冷間圧延工程後、再結晶焼鈍工程前の圧延銅箔であって、
    前記圧延銅箔は、純銅又は希薄銅合金からなり、
    前記複数の結晶面には{022}面、{002}面、{113}面、{111}面、及び{133}面が含まれ、
    前記主表面に対する2θ/θ法を用いたX線回折測定から求められ、合計値が100となるように換算された前記各結晶面の回折ピーク強度比をそれぞれI[022]、I[002]、I[113]、I[111]、及びI[133]としたとき、
    [022]+I[002]≧80.0であり、
    [111]≦5.0であり、
    X線Pole−Figure法を用い、15°以上90°以下の範囲内の複数のあおり角度のそれぞれについて、前記主表面の面内回転角度を0°以上360°以下の範囲内で変化させて測定した{111}面の回折ピークの平均強度を求め、
    前記あおり角度を横軸とし、回折ピーク強度を縦軸として、前記{111}面の回折ピークの平均強度をプロットしたグラフを作成したとき、
    前記あおり角度が47°での前記{111}面の回折ピークの平均強度と前記あおり角度が53°での前記{111}面の回折ピークの平均強度とを結ぶ直線の縦軸切片が、前記あおり角度が15°以上90°以下の範囲内での前記{111}面の回折ピークの平均強度の最大値の4分の1以上である
    ことを特徴とする圧延銅箔。
  2. 無酸素銅、又はタフピッチ銅を主成分とする
    ことを特徴とする請求項1に記載の圧延銅箔。
  3. 銀、硼素、チタン、錫の少なくともいずれかが添加されている
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の圧延銅箔。
  4. 厚さが20μm以下である
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の圧延銅箔。
  5. 前記最終冷間圧延工程における総加工度が90%以上である
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の圧延銅箔。
  6. フレキシブルプリント配線板用である
    ことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の圧延銅箔。
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