(第1の形態)
本発明の第1の形態に係るゲームシステムを説明する。本形態は、ゲーム機がベンダ装置として機能し、そのゲーム機に対するユーザの指示に基づいてサーバ装置が景品を抽選する形態の一例である。まず、図1を参照して、ゲームシステムの全体構成を説明する。ゲームシステム1は、複数のゲーム機2とセンターサーバ3とを含む。各ゲーム機2は、店舗4等の施設に設置され、プレイ料金の支払いと引き換えに、そのプレイ料金に対応した範囲でユーザにゲームをプレイさせる商業用(業務用)のゲーム機として構成されている。各店舗4には適宜数のゲーム機2が設置される。図1では、ゲーム機2を区別せずに描いているが、ゲーム機2で実行されるゲームの内容は適宜に選択されてよい。ゲーム機2間でゲームが相違していてもよい。ゲーム機2は、特定のゲームに適合する物理的構成(例えば操作部等)を備えた専用機として構成されてもよいし、ソフトウエアの書き換えにより種々のゲームをプレイさせることが可能な汎用機として構成されてもよい。センターサーバ3は、複数のサーバユニット3A、3B…が組み合わされることにより一台の論理的なサーバ装置として構成されている。ただし、単一のサーバユニットによりセンターサーバ3が構成されてもよい。あるいは、クラウドコンピューティングを利用して論理的にセンターサーバ3が構成されてもよい。
ゲーム機2及びセンターサーバ3は、ネットワーク5を介して相互に通信可能に接続されている。ネットワーク5は、WAN(ワイドエリアネットワーク)5Aと、店舗4毎に構築されてそれらのゲーム機2を収容するLAN(ローカルエリアネットワーク)5Bと、センターサーバ3のサーバユニット3A、3B…を収容してそれらのサーバユニット3A、3Bを相互に接続するLAN5Cとを含んでいる。WAN5Aには、一例として、TCP/IPプロトコルを利用してネットワーク通信を実現するインターネットが用いられる。LAN5B、5CもTCP/IPプロトコルを利用するイントラネットによって構築される。LAN5B、5Cはルータ6を介してWAN5Aに接続される。なお、ゲーム機2と店舗4のルータ6との間にローカルサーバが設置され、そのローカルサーバを介してゲーム機2がセンターサーバ3と通信可能に接続されてもよい。センターサーバ3のサーバユニット3A、3B…はLAN5Cに代えて、又は加えてWAN5Aにより相互に接続される場合もある。
店舗4のLAN5Bには、管理用PC(パーソナルコンピュータの略であり、以下同様とする。)7も接続される場合がある。管理用PC7は、店舗4の運営者(オペレータと呼ぶことがある。)がゲーム機2を管理し、あるいはセンターサーバ3にアクセスして各種の情報を送受信する目的で設けられる。また、ゲームシステム1においては、ユーザ端末8からセンターサーバ3へのネットワーク5を介したアクセスが可能とされる。ユーザ端末8は、例えばPC8a、あるいは携帯電話(スマートフォンを含む。)8bのように、ネットワーク接続が可能な個人用の通信端末装置として機能するコンピュータ装置であれば適宜にこれを利用してよい。なお、本明細書において、ユーザとは、ゲーム機2のプレイヤとなり得る者である。ユーザがゲーム機2を操作するときに、当該ユーザを特にプレイヤと称することがある。また、センターサーバ3を運営してゲーム機2、あるいはユーザ端末8に向けた各種のサービスを提供する事業者をサービス事業者と呼ぶことがある。オペレータは、店舗4にてゲーム機2を運営する事業者であって、サービス事業者と概念的には区分される。
ゲーム機2及びセンターサーバ3には、ネットワーク5上でそれらを識別するためのユニークなIPアドレスが付されている。ゲーム機2同士あるいはゲーム機2とセンターサーバ3との間の通信では、そのIPアドレスを利用して通信相手が特定される。WAN5Aがインターネットのように公開性のあるネットワークの場合には、各ルータ6にWAN5A上でユニークな固定アドレスが設定される。ゲーム機2には、その固定アドレスとの組み合わせによってネットワーク5上でゲーム機2を一意に識別するためのプライベートアドレスがIPアドレスとして設定される。この場合、ゲーム機2とセンターサーバ3との間、あるいはゲーム機2同士の間には仮想プライベートネットワーク(VPN)が構築され、そのVPN上で各ゲーム機2がプライベートアドレスを用いて一意に特定される。管理PC7に関しても同様である。ユーザ端末8にもネットワーク5上でユーザ端末8を一意に識別するためのユニークなIPアドレスが付与される。そのIPアドレスは、ネットワーク5への接続される毎に変化するいわゆる動的アドレスでもよいし、不変の固定アドレスであってもよい。以下では、ゲーム機2、センターサーバ3、管理PC7及びユーザ端末8をネットワーク5上で識別するための情報をアドレス情報と呼ぶ。ネットワーク5を介した通信では、特に断りのない限り、そのアドレス情報に基づいて通信すべき相手が特定されることを前提とする。ゲームシステム1では、上述したアドレス情報とは別に、店舗4のそれぞれに対して店舗4毎にユニークな店舗IDが設定され、ゲーム機2のそれぞれに対してゲーム機2毎にユニークな筐体IDが設定される。センターサーバ3は、通信相手のゲーム機2から店舗ID及び筐体IDを受け取ることにより、その通信相手のゲーム機2が所属する店舗4及びそのゲーム機2を一意に特定することができる。
センターサーバ3は、ゲーム機2、ユーザ(プレイヤ)及びオペレータに対し、ネットワーク5を介して各種のサービスを提供する。例えば、センターサーバ3は、ゲーム機2又はそのプレイヤに対して各種のゲームサービスを提供する。ゲームサービスとしては、例えば、ゲーム機2からプレイヤの識別情報を受け取ってそのプレイヤを認証し、そのプレイヤのプレイデータをゲーム機2から受け取って保存し、あるいはゲーム機2に提供するサービス、ネットワーク5を介してゲーム機2のプログラムあるいはデータを更新するサービス、ネットワーク5を介して複数のユーザが共通のゲームをプレイする際にユーザ同士をマッチングさせるサービス等がある。また、センターサーバ3は、ネットワーク5を介してアクセスするユーザ端末8に各種のWebサービスを提供する。Webサービスとしては、例えば、Webサイトを通じてゲームに関する各種の情報をユーザに提供するゲーム情報サービス、ユーザによる情報発信、交換、共有といった交流の場を提供するコミュニティサービスといったサービスがある。さらに、センターサーバ3は、ユーザに対して、ゲーム機2におけるゲームで使用することが可能な景品を抽選して販売するベンダサービス機能も提供する。
センターサーバ3には、ユーザに対して、有償サービスを提供する対価としての料金を課金してユーザからその料金を徴収する課金サービス機能も設けられている。課金サービスを実現するため、センターサーバ3上にはユーザ毎の仮想通貨の口座が設けられる。ユーザが現金やクレジットカード等の決済手段を利用してチャージ料金を支払うと、そのチャージ料金に相当する量の仮想通貨がそのユーザの口座にチャージされる。一方、ユーザが有償サービスを利用すると、そのユーザの口座から利用料金に相当する量の仮想通貨が消費される。
ゲームシステム1では、ユーザに対して各種のサービスを利用させるために必要な構成要素として、各種のハードウエア及びソフトウエアが用意されている。それらの構成要素の少なくとも一部は、サービス事業者からオペレータに譲渡又は貸与される。一例として、ゲーム機2は、サービス事業者からオペレータに対して有償で譲渡される。一方、ゲーム機2で実行されるべきゲーム用のプログラムあるいはデータといったいわゆるコンテンツは、サービス事業者からオペレータに貸与(提供)される。
オペレータは、ユーザがゲームをプレイする際に、その対価としてプレイ料金を徴収する。一方、サービス事業者は、コンテンツを貸与した対価として、ユーザが支払ったプレイ料金、言い換えれば、ユーザがゲームをプレイする際に消費した金銭的価値に応じた料金を、コンテンツの貸与の対価としてオペレータに課金する。つまり、ゲームシステム1では、ゲーム機2にてプレイヤが消費したプレイ料金を収益とし、その収益をゲーム機2が設置された店舗4のオペレータとサービス事業者との間で分配する仕組みが採用されている。そのような仕組みを実現するため、ゲーム機2には、コンテンツ毎のプレイ料金の消費実績を特定するために必要な情報をセンターサーバ3に適時に提供する機能が実装される。また、センターサーバ3には、ゲーム機2から提供された情報に基づいて、店舗4毎のプレイ料金の消費額を特定し、得られた消費額に対する所定率の料金をサービス事業者がオペレータに対して請求すべき利用料金として算出する機能が実装されている。そのような機能を設けることにより、プレイヤから徴収したプレイ料金をサービス事業者とオペレータとの間で分配することができる。
次に、図2を参照して、ゲームシステム1のゲーム機2及びセンターサーバ3に関する制御系の主要部の構成を説明する。ゲーム機2には、制御ユニット10が設けられている。制御ユニット10は、マイクロプロセッサと、そのマイクロプロセッサの動作に必要な内部記憶装置等の周辺装置とを組み合わせたコンピュータユニットとして構成されている。制御ユニット10には、入力装置11、出力装置12、カードリーダ13、コイン認証装置14及び記憶装置15が接続されている。入力装置11は、プレイヤ(ユーザ)の操作を受け付け、その操作内容に応じた信号を制御ユニット10に出力する。出力装置12は、制御ユニット10からの指示に従ってゲーム画面等を表示する表示装置、及び制御ユニット10からの指示に従って楽音や音声を出力する音声再生装置等を含む。
カードリーダ13は、プレイヤが所持するカード9の情報を読み取ってその情報に対応した信号を制御ユニット10に出力する。カード9には、ICチップ、磁気ストライプといった不揮発性記憶媒体(不図示)が設けられており、その媒体にはカード9毎にユニークなID(以下、カードIDと呼ぶことがある。)等が記録されている。カードIDは、センターサーバ3上に保存されたプレイデータ32を呼び出すために利用される。センターサーバ3は、ユーザ毎にユニークなユーザIDを利用してユーザ(プレイヤ)を識別し、プレイデータ32もそのユーザIDと1対1に対応付けて記録されている。カードIDはユーザIDに対して1対1又は多対1で対応付けられ、センターサーバ3はそのカードIDとユーザIDとの対応関係を判別するためのデータを参照して、プレイヤのユーザIDを特定することができる。つまり、本形態においては、カードID及びユーザIDのいずれもがユーザの識別情報として機能する。なお、カードIDは、カード9にバーコード等の形態で記録されていてもよい。あるいは、カード9に代えて、携帯電話等に実装されたICチップ等の記憶媒体にカードIDが記録されてもよい。
コイン認証装置14は、プレイヤがゲーム機2のコイン投入口から投入したコインの真偽を判別し、真正なコインであればそのコインの投入枚数に応じた信号を制御ユニット10に出力する。記憶装置15は、例えばハードディスク記憶装置等、記憶保持が可能な記憶装置である。記憶装置15は、制御ユニット10にて実行されるべきゲーム機用プログラム及びそのプログラムが参照すべき各種のデータを記憶する。記憶装置15に記録されるデータについては後述する。
制御ユニット10の内部には、ゲーム制御部16、ベンダ制御部17及び課金管理部18が設けられる。各部16〜18は、いずれも制御ユニット10のコンピュータハードウエアと所定のソフトウエアとの組み合わせによって実現される論理的装置である。ゲーム制御部16は、ゲーム機2におけるゲームの開始、進行、及び終了の管理といったゲームのプレイに必要な各種の処理を実行する。ベンダ制御部17は、センターサーバ3と協働してプレイヤに対してベンダサービスを提供するための処理を実行する。ベンダサービスとは、ユーザによる所定の抽選料金の支払い(消費)と引き換えに、ゲームで使用可能な景品の群からいずれかの景品を抽選し、当選した景品をユーザに払い出すサービスである。ベンダサービスの詳細は後述する。課金管理部18は、プレイヤに対する料金の課金に関連した各種の処理を実行する。その処理には、プレイヤによるプレイ料金等の消費実績を記録し、その記録された消費実績をセンターサーバ3に適時に送信する処理が含まれる。
なお、プレイヤにプレイ料金相当の金銭的価値を消費させる方法としては、コインを媒介とする方法と、上述したセンターサーバ3の課金サービス機能を利用する方法とが選択可能とされている。前者の方法においては、プレイヤに対して有償で貸与されるコインをプレイヤがゲーム機2に投入すると、その投入枚数に応じた値の「クレジット」がプレイヤの保持する金銭的価値として計上される。一例として、100円硬貨が1枚投入された場合に1クレジットが計上される。プレイヤが1クレジットの消費をゲーム機2に対して指示すると、ゲーム機2では100円相当の金銭的価値が消費されたものと判断され、その消費量に対応した範囲におけるゲームのプレイが許可される。つまり、コインを媒介としてプレイ料金が支払われる場合、金銭的価値の消費量は1クレジットを単位として計数される。一方、後者の方法、すなわち仮想通貨を消費させる場合には、プレイヤによる金銭的価値の消費量は「クレジット」よりも小さい単位で計数される。仮想通貨の量(又は額)を計数する単位を「ポイント」とすれば、一例として1ポイントが1円と等価に設定されている。その場合、100円のプレイ料金が必要な場合、100ポイントの仮想通貨が消費される。1ポイントは1円に必ずしも対応させる必要はないが、1ポイント(つまり仮想通貨の消費単位)は1クレジットよりも一桁以上小さい金銭的価値に相当するように設定される。
センターサーバ3には、制御ユニット20と、記憶装置21とが設けられている。制御ユニット20は、マイクロプロセッサと、そのマイクロプロセッサにて実行されるべきオペレーティングシステム等のプログラムが記録されたROM、及びマイクロプロセッサに対する作業領域を提供するRAM等の内部記憶装置(不図示)とを備えたコンピュータユニットである。制御ユニット20には、キーボード等の入力装置と、モニタ等の出力装置とが接続されるが、それらの図示は省略した。記憶装置21は、制御ユニット20にて実行されるべきサーバプログラム及びそのプログラムが参照すべき各種のデータを記憶する。記憶装置21に記録されるデータについては後述する。
制御ユニット20の内部には、ゲームサービス管理部22、Webサービス管理部23、ベンダサービス管理部24、及び口座管理部25が設けられる。各部22〜25は、いずれも制御ユニット20のコンピュータハードウエアと所定のソフトウエアとの組み合わせによって実現される論理的装置である。ゲームサービス管理部22は上述したゲームサービスに関連する処理を実行し、Webサービス管理部23は上述したWebサービスに関連する処理を実行し、ベンダサービス管理部24は上述したベンダサービスに関連する処理を実行する。口座管理部25は、ゲームサービス管理部22、Webサービス管理部23又はベンダサービス管理部24からの要求に従って、ユーザの口座からサービスの利用料金に相当する量の仮想通貨を消費させる処理を実行する。また、口座管理部25は、Webサービス管理部23からの要求に従って、ユーザの口座に仮想通貨をチャージする処理を実行する。なお、センターサーバ3には、上記の他にも、ゲーム機2から送られる消費実績に基づいてサービス事業者がオペレータに請求すべき利用料金を演算する機能等も実装されるが、その詳細は省略する。
次に、記憶装置15、21に記録されているデータの詳細を説明する。ゲーム機2の記憶装置15には、ゲームデータ31、及びプレイデータ32が記録されている。ゲームデータ31は、制御ユニット10のゲーム制御部16がゲーム用プログラムに従ってゲームを実行する際に適宜に参照するデータである。例えば、ゲーム画面の背景、キャラクタ、ステージ、アイテム等の画像を描画するための画像データ、ゲームのBGM、効果音等を再生するための音声データがゲームデータ31に含まれる。ゲームデータ31には、さらにゲームにて使用可能な複数のアイテム(ゲーム要素の一種である。)に関する使用の許可又は禁止を管理するためのデータも含まれる。一例として、ゲーム要素として複数のアイテムが予め用意され、それらのアイテムをゲームで使用するとプレイヤに有利な影響が生じるようにゲームが構成されている場合について説明する。なお、有利な影響としては、一例として、ゲームにおけるプレイヤのランクの昇格、プレイヤが使用するキャラクタの経験値、体力といったパラメータの向上、キャラクタが特別な技や武器を使用できるようになる、といった態様があり得る。この場合、各アイテムをプレイヤが獲得できる条件(つまり、プレイヤによるアイテムの使用が許可される条件)、アイテム獲得の効果等を記述したデータがゲームデータ31に含まれる。そのデータの一例として、図2ではアイテム管理データ33がゲームデータ31の一部に含まれている状態が示されている。
アイテム管理データ33の一例を図3に示す。図3のアイテム管理データ33では、ゲーム機2で実行されるゲームで使用可能なゲーム要素として、アイテムXa、Xb、Xc…が記述され、それらのアイテムに対応付けて獲得条件(使用許可の条件)が記述されている。獲得条件は、例えばゲームでプレイヤが獲得したスコア等の成績が所定のレベル以上であること、プレイヤが繰り返しゲームをプレイすることによって獲得する経験値等のパラメータが所定のレベル以上であること、といったように、プレイヤによるゲームのプレイ履歴と関連付けて設定される。しかし、一部のアイテムについては、例外として、ゲーム2機に対するプレイヤの指示に基づいた景品の抽選を経なければプレイヤが獲得できない、言い換えれば、ゲーム機2を利用した抽選でプレイヤが引き当てない限りそのプレイヤは使用できないように獲得条件が設定される場合がある。図3の例では、アイテムXbが、ゲーム機2を利用した抽選を経なければ獲得できないアイテムとしてその獲得条件が設定されている。この場合、アイテムXbが本発明の特定要素に相当する。
アイテムは、プレイヤ、又はプレイヤが操作するキャラクタがゲームにて使用する道具、装備、武器といったゲーム上で使用可能なゲーム要素である。アイテム以外にも、ゲームで用いられる各種のゲーム要素が景品として設定されてよい。例えば、プレイデータ32に含まれている経験値、ランクといった各種のパラメータを向上させるようなゲーム要素を設定して、それらが景品として設定されてよい。ゲームに登場するキャラクタ、音楽ゲームにおける楽曲、ステージ、モードといった様々なゲーム要素を景品として設定してもよい。さらに、ゲーム上の隠し要素の出現を解禁させるための権利の全部又は一部が景品として設定されてもよい。さらに、景品はゲームの仮想世界で通貨として使用可能なポイント等として設定されてもよい。
プレイデータ32は、プレイヤのプレイ履歴に関連した情報をそのプレイヤのユーザIDと対応付けて記録したデータであって、プレイヤに前回の続きからゲームをプレイさせること等を目的として保存されるデータである。プレイデータは、ゲームの種別(タイトル等と呼ばれることがある。)毎に生成される。ゲーム2機の記憶装置15には、そのゲーム機2にて提供されるゲームに関してプレイヤが保存したプレイデータ32がセンターサーバ3から呼び込まれて保存される。プレイデータ32の一例を図4に示す。図4のプレイデータ32には、プレイヤのプレイログ、ベンダログ、ステータス、複数のリプレイ情報等が含まれている。
プレイログは、プレイヤの過去のプレイ回数、対戦成績といったプレイヤの過去のプレイ内容を記録した情報である。ベンダログは、ベンダサービスの利用履歴を記録した情報である。例えば、ベンダサービスの利用回数、利用日時、獲得した景品等の情報がベンダログに記録される。ステータスは、プレイヤのゲーム上の状況を記録した情報である。例えば、プレイヤがゲームを繰り返しプレイすることよって獲得したスキルや強さの指標を示すランク、プレイヤが過去のプレイで獲得した経験値、プレイヤが所有するアイテム等を特定する情報がステータスとして記録される。アイテムの情報としては、例えばアイテム毎にユニークなアイテム番号、アイテムコード等が記録される。リプレイ情報は、例えばプレイヤの特定のプレイ内容を再現するために記録される情報である。例えば、ターン制のゲームにおけるプレイヤ及び対戦相手の手番毎の選択内容、あるいは特定のゲームにおける動画データ等がリプレイ情報として記録されてよい。
図2に戻って、センターサーバ3の記憶装置21には、プレイデータ32の群、ベンダデータ34の群、及び口座データ35の群が記録されている。プレイデータ32は、ユーザID毎に、かつゲームの種別毎に作成され、それらの集合がプレイデータ32の群である。いずれかのゲーム機2でプレイヤがゲームをプレイする際には、そのプレイヤがゲーム機2に認識させたカードIDがセンターサーバ3に提供され、そのカードIDに関連付けられたユーザIDに対応するプレイデータ32であって、かつ当該ゲーム機2のゲーム種別に対応するプレイデータ32がセンターサーバ3からゲーム機2に提供されて当該ゲーム機2の記憶装置15に記憶される。口座データ35は、上述したように、ユーザIDとそのユーザが保有する仮想通貨の量(残高)とを対応付けて記録したデータである。
ベンダデータ34は、ベンダサービス管理部24による景品の抽選を管理するためのデータである。ベンダデータ34はゲームの種別毎に作成され、それらの集合がベンダデータ34の群である。ベンダデータ34は、図5に例示した確率データ36及び図6に例示した景品データ37を含む。図5の確率データ36は、ゲームに対応付けて用意された景品と、その景品が抽選で引かれるべき確率とを対応付けて記録したデータテーブルである。図5の例では、景品A〜景品Nまで確率Pa〜Pnが設定されている。景品A〜景品Nが景品の群である。図6の景品データ37は、景品の群を特定するための情報(景品内容)を、プレイデータ32に含まれている情報と関連付けて記述したデータである。図6の例では景品Aの内容がプレイヤのランクRa〜Rxに応じて個別に設定されている。そのうち、ランクRbに対応する景品Aは、アイテムXbであり、そのアイテムXbは図3に示したように抽選の景品としてのみ獲得が可能な特定のアイテム(ゲーム要素)である。したがって、ランクRbのプレイヤが抽選にて景品Aを引き当てた場合にアイテムXbを獲得することができる。景品B〜景品Nについても、同様にプレイヤのランクに応じた景品の群が設定され、かつそれらの景品の群の少なくとも一部には特定要素としてのアイテムが設定されている。
以上のように、ゲームシステム1では、ゲーム機2に対するユーザの指示に基づいて実行される景品の抽選でしか獲得できないアイテムが設定されている。そのため、店舗4に出向いてゲームをプレイする動機付けをユーザに与えることができる。また、ユーザのプレイデータ32に記録されている情報、すなわち、ユーザのプレイ履歴に関連付けて景品の群が変化するので、個々のプレイヤの状況に応じて適切な景品を提供することができる。それにより、ユーザ指向の抽選管理が可能となり、ゲーム機2が設置された店舗4に対するユーザの誘引効果を高め、抽選料金による収益とゲーム機2の稼動率の向上との相乗効果により、オペレータ及びサービス事業者の収益向上を図ることができる。
上述した各データは、記憶装置15、21に記録されるデータの一例に過ぎない。記憶装置15、21には、図示のデータ以外にもゲームの実行やプレイ料金等の徴収、オペレータとサービス事業者との間における収益の分配といった処理に必要な各種のデータが記録されるが、それらの説明は省略する。
次に、図7を参照して、景品を抽選するためにゲーム機2の制御ユニット10及びセンターサーバ3の制御ユニット20がそれぞれ実行する処理を説明する。なお、ゲーム機2における処理は制御ユニット10のベンダ制御部17が主として担当し、センターサーバ3における処理は制御ユニット20のベンダサービス管理部24が主として担当するが、以下では各処理の実行主体を制御ユニット10、20として説明する。また、図7の処理は、カード9のカードIDをカードリーダ13が読み取ってプレイヤを認証し、そのプレイヤのユーザIDとゲーム機2のゲームに対応するプレイデータ32がセンターサーバ3からゲーム機2に呼び込まれて記憶装置15に保存された後に実行される処理である。
ゲーム機2にて、ベンダサービスによる抽選を開始するための抽選開始条件が成立すると、ゲーム2機の制御ユニット10は図7の景品抽選処理を開始する。抽選開始条件は、例えば、ゲーム開始前又は開始後の適当な時期にプレイヤがゲーム機2の入力装置11を介して抽選開始を指示した場合に成立するよう設定することができる。あるいは、抽選開始条件は、プレイデータに記録された情報が所定の条件を満たすときにプレイヤに抽選を希望するか否か確認を求め、プレイヤからの抽選開始の指示が確認できたときに成立するよう設定されてもよい。例えば、プレイヤのランクが昇格したときに抽選希望の有無を確認する機会が設けられてもよい。いずれにしても、抽選開始条件は、ゲーム機2のプレイヤが入力装置11を介して抽選開始を指示した場合に成立するよう設定される。
ゲーム2機の制御ユニット10は、景品抽選処理を開始すると、まずステップS11でセンターサーバ3に対して、抽選処理の開始を通知する、その通知には、プレイヤを特定するためのユーザID(又はカードIDでもよい。)、及び抽選対象に含まれるべき景品の群を特定するために必要な情報が含まれる。例えば、景品の群がゲームの種別に応じて異なる場合には、ゲームの種別を特定する情報が通知される。ただし、センターサーバ3が筐体IDを手掛かりとしてゲーム機2で実行されるべきゲームの種別を特定可能な場合には、ゲームの種別を特定する情報の通知が省略されてもよい。また、プレイデータ32に含まれている情報に応じて景品の群が変化する場合には、プレイデータ32の情報(図6の例ではプレイヤのランクの情報が該当する。)が、景品の群を特定するために必要な情報として通知される。ただし、ステップS11の実行時点で記憶装置15に記録されている最新のプレイデータ32の全体を、プレイデータに含まれる情報としてセンターサーバ3に送信し、ユーザIDと対応付けて記憶装置21に記録されているプレイデータ32をその最新のプレイデータ32で更新してもよい。
センターサーバ3の制御ユニット20は、ゲーム機2からの抽選開始通知を受け取ると図7の景品抽選処理を開始し、まずステップS21にてゲーム機2から送られた情報に基づいて抽選の内容を特定する。ここでは、ゲーム機2から送られた情報に基づいて、景品の群を決めるために必要なベンダデータ34を特定する。続くステップS22で、制御ユニット20は、口座管理部25を利用して、景品の抽選に必要な料金(抽選料金と呼ぶことがある。)に相当する量の仮想通貨を、ステップS21で取得したユーザIDに対応する口座データ35から消費させる処理を試みる。抽選料金は、コインを媒介としてプレイ料金を支払うときの消費単位である1クレジットに相当する額よりも小額に設定される。一例として、一回のゲームで100円相当の金銭的価値を消費させる場合、抽選料金は10円程度の金銭的価値に相当する値に設定される。したがって、コインを介して抽選料金を支払うことは不可能である。ステップS22の消費処理が成功しない限り、プレイヤは景品を獲得することができない。
なお、抽選料金は、ゲームの種類に関わりなく一定料金に設定されてもよいし、ゲーム毎に異なる料金が設定されてもよい。抽選料金を判別するためのデータは、ベンダデータ34に含めればよい。プレイヤのプレイデータ32に記述されたステータスやプレイ回数等に応じて抽選料金を変動させてもよい。プレイヤが少ない閑散時期又は時間帯には料金を相対的に低下させ、プレイヤが多い繁忙時期又は時間帯には料金が上昇するといったように、景品抽選の時期に応じて抽選料金を変動させてもよい。なお、仮想通貨の消費を試みる際、ゲーム機2からプレイヤに対して抽選料金の徴収に対する確認を求め、確認が得られた場合に消費を実行するものとしてもよい。
続くステップS23において、制御ユニット20は、抽選料金の消費処理の結果をゲーム機2に通知する。この通知は、消費の成功又は失敗を識別する情報を含む。次のステップS24において、センターサーバ3の制御ユニット20は抽選料金の消費に成功したか否か判別し、失敗していれば景品抽選を終える。ゲーム機2の制御ユニット10は、ステップS12でセンターサーバ3からの通知を受け取り、該通知内容に基づいて抽選料金の消費に成功したか否かを判別する。そして、消費に失敗していた場合、制御ユニット10も景品抽選を終える。
ステップS24にて抽選料金相当の仮想通貨の消費に成功していた場合、センターサーバ3の制御ユニット20はステップS25に進み、プレイデータ32に含まれている情報とベンダデータ34とに基づいて景品を抽選する処理を実施する。具体的には、ステップS21にて特定したベンダデータ34に含まれている確率データ36に基づいて、景品A〜Nのいずれかを抽選し、かつ当選した景品の内容をプレイデータ32に含まれるランクの情報と景品データ37とに基づいて決定する。抽選は、乱数その他のコンピュータを利用した抽選処理で用いられる各種の公知の抽選処理に従って実施することができる。なお、抽選処理は確率データ36に基づいて行われるが、所定の条件が満たされたときに、確率データ36に記述された確率を変動させる処理が行われてもよい。一例として、所定のボーナス条件が満たされたときに、価値の高い景品が引き当てられる確率を一時的に上昇させるといった処理が行われてもよい。
続くステップS26にて、センターサーバ3の制御ユニット20は、抽選結果をゲーム機2に通知する。この場合、プレイヤが獲得した景品を識別する情報(例えば、当選したアイテムを識別する情報、経験値の加算値を指定する情報等)がゲーム機2に提供される。その後、制御ユニット20はステップS27に進み、抽選結果を反映させるべくデータを更新する。例えば、記憶装置21のユーザIDに対応するプレイデータ32のベンダログに、今回の景品抽選の日時、獲得した景品等が記録される。また、プレイヤがアイテムを獲得した場合には、その獲得したアイテムを所有アイテムに加えるようにプレイデータ32が更新される。景品が、経験値やランクの向上を含むものであった場合には、それらが反映されるようにプレイデータ32が更新される。ステップS27のデータ更新が完了すると、制御ユニット20は図7の景品抽選を終える。以上の処理を実行することにより、制御ユニット20のベンダサービス管理部24は本発明の抽選手段として機能する。
一方、ゲーム機2の制御ユニット10は、ステップS12で消費成功と判断した場合、ステップS13に進んでセンターサーバ3からの抽選結果の通知を待ち、通知があるとこれを取得する。続くステップS14にて制御ユニット10は、抽選結果に応じた処理を実行する。例えば、抽選実施時に最新のプレイデータ32がセンターサーバ3に保存された場合には、ステップS27で更新されたプレイデータ32をセンターサーバ3から受け取り、そのプレイデータ32により、記憶装置15のプレイデータ32を置き換える。あるいは、記憶装置15に保持されたプレイデータ32に今回の抽選結果が反映されるように、ベンダログその他の情報が更新されてもよい。続いて、ゲーム機2の制御ユニット10はステップS15に進み、ゲーム機2の画面上に、景品が抽選される様子を表示する。一例として、ゲーム機2の画面上に抽選機構の画像を表示し、その抽選機構が動作して多数の景品の中から一つの景品が選択される様子を描いた動画を表示する。ステップS15における抽選の表示が終わると、制御ユニット10は図7の景品抽選を終える。なお、ステップS12で消費成功と判断された場合、制御ユニット10のベンダ制御部17は、その消費実績を課金管理部18に提供し、課金管理部18はその消費実績を記憶装置15に記録する。記録された消費実績は適宜のタイミングで集計されてセンターサーバ3に提供され、センターサーバ3の制御ユニット20はその消費実績の集計値に基づいて、ベンダサービスの利用に対するオペレータへの請求額を演算する。
(第2の形態)
次に、本発明の第2の形態に係るゲームシステムを説明する。なお、本形態は、ゲーム機がベンダ装置として機能し、そのゲーム機に対するユーザの指示に基づいてゲーム機が景品を抽選する形態の一例である。ゲームシステムの全体構成は図1のゲームシステム1と同様である。以下においては、第1の形態と共通する部分には同一の参照符号を使用し、第1の形態に対する相違点を中心に説明する。
図8は第2の形態に係るゲームシステム1のゲーム機2及びセンターサーバ3に関する制御系の主要部の構成を示している。図8に示すように、本形態では、ゲーム機2の記憶装置15に、ゲームデータ31、及びプレイデータ32に加えて、ゲーム機2で実行されるべきゲームの種別に対応するベンダデータ34が記録されている。そのベンダデータ34は、センターサーバ3から適宜のタイミングで配信され、その記憶装置21に記録されている同一ゲームに対応したベンダデータ34と同期されている。ゲーム機2の制御ユニット10に設けられたベンダ制御部17は、記憶装置15に記録されたベンダデータ34とプレイデータ32とに基づいて景品を抽選することにより、本発明の抽選手段として機能する。
図9は、第2の形態に係るゲームシステム1において、景品を抽選するためにゲーム機2の制御ユニット10及びセンターサーバ3の制御ユニット20がそれぞれ実行する処理を示している。なお、ゲーム機2における処理は制御ユニット10のベンダ制御部17が主として担当し、センターサーバ3における処理は制御ユニット20のベンダサービス管理部24が担当するが、以下では各処理の実行主体を制御ユニット10、20として説明する。また、図9の処理も、図7の処理と同様に、カード9のカードIDをカードリーダ13が読み取ってプレイヤを認証し、そのプレイヤのユーザIDとゲーム機2のゲームに対応するプレイデータ32がセンターサーバ3からゲーム機2に呼び込まれて記憶装置15に保存された後に実行される処理である。以下、図7と同様の処理に関しては図7と同一の参照符号を使用し、図7の処理に対する相違点を中心として説明する。
ゲーム機2の制御ユニット10は、所定の抽選開始条件(第1の形態と同じでよい。)が成立すると図9の景品抽選処理を開始してステップS11及びステップS12を順次実行する。また、センターサーバ3はステップS11によるゲーム機2からの通知に対応して図9の景品抽選処理を開始してステップS21〜S24の処理を順次実行する。ゲーム機2の制御ユニット10は、ステップS12で抽選料金に相当する量の仮想通貨の消費に成功したと判断された場合、ステップS13Aに進んで景品を抽選する処理を実施する。具体的には、記憶装置15に記録されているベンダデータ34の確率データ36に基づいて、景品A〜Nのいずれかをプレイヤに払い出すべき景品として抽選し、かつ当選した景品の内容を、記憶装置15のプレイデータ32に含まれるランクの情報と景品データ37とに基づいて決定する。抽選は、乱数その他のコンピュータを利用した抽選処理で用いられる各種の公知の抽選処理に従って実施することができる。この場合も、所定の条件が満たされたときに、確率データ36に記述された確率を変動させる処理が行われてもよい。
続くステップS13Bにおいて、制御ユニット10は抽選結果をセンターサーバ3に通知する。この場合、プレイヤが獲得した景品を識別する情報(例えば、当選したアイテムを識別する情報、経験値の加算値を指定する情報等)がセンターサーバ3に提供される。その後、制御ユニット10はステップS14及びS15の処理を順次実行して今回の景品抽選を終える。一方、センターサーバ3の制御ユニット20は、ステップS26Aにてゲーム機2からの抽選結果の通知を取得し、続くステップS27では、抽選結果を反映させるべくデータを更新する。データ更新が完了すると、制御ユニット20は今回の景品抽選を終える。
(第3の形態)
次に、本発明の第3の形態に係るゲームシステムを説明する。本形態は、サーバ装置が景品を抽選する点では第1の形態と同様であるが、ベンダ装置に関する店舗側の構成が第1の形態に対して相違する例である。ただし、ゲームシステムの全体構成は、図1のゲームシステム1に類似する。以下においては、第1の形態と共通する部分には同一の参照符号を使用し、第1の形態に対する相違点を中心に説明する。
図10に示すように、本形態のゲームシステム1では、店舗4内に、ゲーム機2とは物理的に異なるコンピュータ端末装置としてベンダ装置40が設置されている。ベンダ装置40は、ユーザからの指示に基づいて景品を抽選するために使用される専用端末として設置される。ベンダ装置40もゲーム機2と同様にLAN5Bに収容されている。ベンダ装置40にはゲーム機2と同様にネットワーク5上でユニークなアドレス情報が設定される。また、ベンダ装置40には、端末毎にユニークなベンダIDも設定される。センターサーバ3は、通信相手のベンダ装置40から店舗ID及びベンダIDを受け取ることにより、その通信相手のベンダ装置40が設置された店舗4及びそのベンダ装置40を一意に特定することができる。
図11は、本形態におけるゲームシステム1のベンダ装置40及びセンターサーバ3に関する制御系の主要部の構成を示している。ゲーム機2に関する図示は省略した。センターサーバ3に関しては図1と同様であり、説明を省略する。ベンダ装置40には制御ユニット41が設けられている。制御ユニット41は、マイクロプロセッサと、そのマイクロプロセッサの動作に必要な内部記憶装置等の周辺装置とを組み合わせたコンピュータユニットとして構成されている。制御ユニット41には、入力装置42、出力装置43、カードリーダ44、及び記憶装置45が接続されている。入力装置42は、操作ボタン、タッチパネル等の入力部を有し、それらの入力部に対するユーザの操作を受け付け、その操作内容に応じた信号を制御ユニット41に出力する。出力装置43は、制御ユニット41からの指示に従って抽選案内の画面等を表示する表示装置、及び制御ユニット41からの指示に従って案内音声を出力する音声再生装置等を含む。
カードリーダ44は、ゲーム機2のカードリーダ13と同様に、カード9に記録されたカードIDを読み取って制御ユニット41に通知する。記憶装置45は、例えばハードディスク記憶装置等、記憶保持が可能な記憶装置である。記憶装置45は、制御ユニット41が景品抽選処理を実行するために必要な端末用プログラム及びそのプログラムが参照すべき各種のデータを記憶する。記憶装置45に記録されたプログラムを制御ユニット41が読み取って実行することにより、制御ユニット41の内部には、ベンダ制御部46及び課金管理部47が設けられる。各部46、47は、いずれも制御ユニット41のコンピュータハードウエアと所定のソフトウエアとの組み合わせによって実現される論理的装置である。ベンダ制御部46は、第1の形態におけるゲーム機2のベンダ制御部17と同様の論理的装置であって、景品の抽選に必要な端末側の処理を実行する。課金管理部47は、ユーザに対する抽選料金の課金に関連した各種の処理を実行する。その処理には、ユーザによる抽選料金の消費実績を記録し、その記録された消費実績をセンターサーバ3に適時に送信する処理が含まれる。
図12は、第3の形態に係るゲームシステム1において、景品を抽選するためにベンダ装置40の制御ユニット41及びセンターサーバ3の制御ユニット20がそれぞれ実行する処理を示している。なお、ベンダ装置40における処理は制御ユニット41のベンダ制御部46が主として担当し、センターサーバ3における処理は制御ユニット20のベンダサービス管理部24が担当するが、以下では各処理の実行主体を制御ユニット41、20として説明する。また、図12の処理において、センターサーバ3側の景品抽選処理は、一部を除いて図7の処理と同様である。よって、図12において、図7と同様の処理に関しては図7と同一の参照符号を使用し、以下では図7の処理に対する相違点を中心として説明する。
ユーザがベンダ装置40に対して抽選開始を指示すると、ベンダ装置40の制御ユニット41は、図12の景品抽選処理を開始する。まず、制御ユニット41は、ステップS31でユーザにカード9をカードリーダ44にセットするように要求し、これに応じてセットされたカード9からカードIDを読み取ってセンターサーバ3にユーザ識別情報として通知する。その通知を受けて、センターサーバ3は図12の景品抽選処理を開始し、まずステップS41でベンダ装置40から通知されたカードIDに対応するプレイデータ32を特定し、そのプレイデータ32に含まれている情報のうち、景品の抽選に必要な情報をプレイヤ情報としてベンダ装置40に提供する。なお、プレイデータ32それ自体がベンダ装置40にプレイヤ情報として提供されてもよい。
ベンダ装置40の制御ユニット41は、センターサーバ3から提供されるプレイヤ情報をステップS32で取得し、続くステップS33で、プレイヤ情報とユーザからの指示とを参照して抽選内容を設定する。例えば、ゲームの種別によって異なる景品の群が設定されている場合には、ユーザのカードIDに対応付けて保存されているプレイデータ32がいずれのゲームの種別に対応するプレイデータ32かを、センターサーバ3からの情報に基づいて特定する。カードIDに対応して複数種類のゲームのプレイデータ32が存在している場合には、ユーザに抽選を希望するゲームの種別を選択させる。なお、ここまでの処理は、ベンダ装置40が複数種類のゲームに関連付けられた抽選に選択的に対応する必要があること、及び、景品抽選処理の開始時点ではベンダ装置40にプレイデータ32が存在せず、いずれのゲームに対応する抽選を実施すればよいか、を判別できないために必要となる処理である。ステップS33で抽選内容が設定されると、制御ユニット41はステップS34に進んで抽選開始をセンターサーバ3に通知する。その通知にはステップS33で設定された抽選内容を特定するために必要な情報が含まれる。センターサーバ3は、その通知を受け取るとステップS21以下の処理を開始する。以降の処理は、ステップS23及びS26における通知先がベンダ装置40となる点を除いて第1の形態と同様である。したがって、本形態では、センターサーバ3のベンダサービス管理部24が本発明の抽選手段として機能する。
ベンダ装置40の制御ユニット41は、ステップS34の通知後にステップS35に進み、センターサーバ3から通知される抽選料金の消費処理の結果に基づいて、抽選料金の消費に成功したか否かを判別し、消費に失敗していた場合には景品抽選を終える。成功していれば制御ユニット41はステップS36に進んでセンターサーバ3からの抽選結果の通知を待ち、通知があるとこれを取得する。続くステップS37にて制御ユニット41は、ベンダ装置40の画面上に景品が抽選される様子を表示する。その表示は図7のステップS15と同様に行えばよい。その後、制御ユニット41は図12の景品抽選を終える。なお、ベンダ装置40はゲームを実行する端末ではないため、仮にベンダ装置40がプレイデータ32を取得している場合でも、ベンダ装置40上におけるデータ更新は不要である。抽選結果はセンターサーバ3のプレイデータ32に記録されているので、その後にユーザがゲーム機2でゲームをプレイする際には、抽選結果が反映された状態でゲームを開始することができる。なお、ステップS35で消費成功と判断された場合、制御ユニット41のベンダ制御部46は、その消費実績を課金管理部47に提供し、課金管理部47はその消費実績を記憶装置45に記録する。記録された消費実績は適宜のタイミングで集計されてセンターサーバ3に提供され、センターサーバ3の制御ユニット20はその消費実績の集計値に基づいて、ベンダサービスに関するオペレータへの請求額を演算する。
なお、第3の形態に対する変形例について述べる。まず、ベンダ装置40は、店舗4内に専用端末として設置される例に限らない。店舗4内にパーソナルコンピュータを設置し、そのパーソナルコンピュータをベンダ装置として機能させてもよい。あるいは、店舗4内のLAN5Bに無線アクセスポイントを設置し、ユーザが店舗4に持ち込んだユーザ端末8が、無線アクセスポイントを介して店舗4のルータ6に接続している場合に限って、そのユーザ端末8をベンダ装置として機能させてもよい。ただし、その場合には、ユーザ端末8が店舗4のルータ6に接続されている間に、抽選料金相当の仮想通貨の消費実績がセンターサーバ3に通知される必要がある。第3の形態の変形例として、第2の形態と同様に、センターサーバ3からベンダ装置40にプレイデータ32及びベンダデータ34を提供してこれらを記憶装置45に記憶させ、それらのデータを参照して、ベンダ装置40のベンダ制御部46にて抽選を実施することにより、ベンダ制御部46を抽選手段として機能させてもよい。
上述した第1〜第3の形態においては、店舗4にてベンダ装置を利用して抽選を行うことにより、特別景品を獲得できることをセンターサーバ3からユーザ端末8に告知してもよい。それにより、店舗4へのユーザの誘引効果を高めることができる。また、景品の抽選は、ベンダ装置からの指示に基づいて実施される例に加えて、店舗4外からユーザ端末8を利用して実施可能としてもよい。ただし、店舗4外からユーザ端末8を利用して実施される抽選では、特別景品を景品の群から除外しておく必要がある。
本発明は上述した形態及びその変形例に限定されることなく、種々の形態にて実施することができる。例えば、景品はゲームで使用することが可能であれば足り、デジタルデータの形態でユーザに付与される例に限らない。例えば、物理的なコンテンツとしてユーザに付与されてもよい。その場合は、抽選結果に応じて景品を物理的に払い出す装置をベンダ装置に付加すればよい。画像データ、バーコードデータといったデジタルデータを、ゲーム機が読み取り可能な態様にてカードその他の物理的媒体に出力した景品をユーザに払い出し、その景品のデジタルデータをゲーム機で読み取ってゲームで使用可能としてもよい。抽選手段は物理的な抽選機構を動作させて抽選を実施する構成とすることも可能である。例えば、物理的コンテンツを景品として払い出す場合には、店舗等の施設に物理的な抽選機構を設置し、その抽選機構が抽選可能な景品の群の一部に、当該店舗のゲーム機で使用可能な景品を含めるようにしてもよい。サーバ装置側に抽選手段を設ける場合にも、その抽選手段の一部を物理的な抽選機構によって構成し、その抽選機構が抽選した景品をサーバ装置からベンダ装置に通知するように構成してもよい。
本発明は、ゲーム機とサーバ装置とがネットワークを介して接続されたゲームシステムとして構成される例に限らない。サーバ装置を利用せず、店舗等の施設にいわゆるスタンドアローン機として設定されたゲーム機と、そのゲーム機にて使用可能な景品の群からいずれかの景品を抽選するベンダ装置とを含んだゲームシステムとして構成することも可能である。その場合でも、ゲーム機をベンダ装置として機能させてもよいし、ゲーム機とは物理的に異なるベンダ装置が設けられてもよい。さらに、ゲーム機が設置された施設へのユーザへの誘引の観点から見て、景品の抽選は抽選料金の支払いを要せず、無償で行われるものとしてもよい。抽選料金の支払いを必要とする場合でも、その抽選料金は、ゲームのプレイ開始時にプレイ料金と一括して、言い換えれば外見的にはプレイ料金に含まれるようにして徴収されてもよいし、ゲームのプレイ中の適宜のタイミングで抽選料金が徴収されてもよい。抽選料金は仮想通貨にて支払われることを必ずしも要しない。現金、代替通貨、クレジットカードその他の各種の決済手段を利用して抽選料金を支払うことが可能とされてもよい。仮想通貨の消費によって抽選料金を徴収する場合でも、その消費処理はサーバ装置にて行われる形態に限らない。例えば、ユーザが所持するカードその他の媒体に予め仮想通貨をチャージし、その媒体上の残高からベンダ装置が抽選料金相当の仮想通貨を消費させることにより抽選料金が徴収されてもよい。また、上記の形態ではサーバ装置が管理する口座上に予め仮想通貨をチャージし、その口座から仮想通貨を消費させる、いわゆるプリペイド型のシステムを前提としているが、ポストペイ型のシステムにより仮想通貨が消費されてもよい。