JP5198877B2 - ベンゾアゼピノン類の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、医薬・農薬等の中間体として有用な新規2−イミノカルボン酸誘導体及びそれを用いて次の中間体ベンゾアゼピノン類に導く工業的製造方法に関する。本発明によって製造されるベンゾアゼピノン類は、光学活性1−アミノベンゾ[d]アゼピン−2−オン類等を経由して、アルツハイマー病治療薬として有用な薬剤等に誘導可能である。
本発明の手法によって製造されるベンゾアゼピノン類は、ベンゼン環に7員環ラクタムが縮環した化合物である。ベンゼン環に縮環した5ないし6員環の構築は報告例も多く比較的容易であるのと対照的に、ベンゾアゼピノン類に見られるような7員環の構築は非常に困難であり、芳香環上での炭素−炭素結合生成反応を用いた手法では、特殊な基質か、過激な反応条件が必要とされていた。
例えば、ベンゾアゼピノン類の合成法としては、ビス(メトキシカルボニルアミノ)酢酸アミド誘導体の分子内環化反応にて1−アミノアゼピン−2−オン誘導体を合成する方法(例えば、非特許文献1参照。)が知られているが、特殊かつ高価なビス(アルコキシカルボニルアミノ)酢酸を必要とするため、工業的に適当な方法ではなかった。また、ジメチルアセタールを持つフェニルアセチルアミド誘導体と硫酸を高温下処理し、分子内環化反応によりアゼピノン環を構築した後、1位を酸化する方法、又は2−クロロ−N−フェネチル−N−メチルアセトアミドと塩化アルミを高温下処理し、分子内フリーデルクラフツ反応によってアゼピノン環を構築した後、1位を酸化する方法(例えば、特許文献1参照。)も知られているが、いずれも反応性の高い試薬と過度の高温を必要とする過激な条件であるため、工業的に制御が困難であると考えられ、また、環化した後に1位の酸化が必要であり、効率の良い方法とはいえなかった。
また、比較的温和な条件でベンゾアゼピノン類を合成する手法として、スルホキシドを用いたプメラー転位型環化反応を用いる方法が報告されているが(例えば、非特許文献2参照。)、スルホキシドの導入と除去に多段階を要し、また、高価な過ヨウ素酸塩を用いるため、工業的に適当な方法とはいえなかった。
一方、アミド結合生成によりアゼピノン環を構築する方法も報告されているが、鈴木カップリングにてビアリール化合物とした後アゼピノン環を構築する方法(例えば、非特許文献3参照。)では、高価な試薬が必要である。また、二酸化炭素で増炭した後、アゼピノン環を構築する方法(例えば、特許文献2参照。)も知られているが、増炭の際に強塩基を用いた極低温反応が必要であり、安価な工業的製造法とはなり得ない。また、いずれもジベンゾ[b,d]アゼピン−2−オン骨格に限られ、また、1位を酸化する必要があるため、非汎用的かつ非効率な手法であった。
国際公開公報第2002−47671号 国際公開公報第1999−66934号 Tetrahedron,1987,43,439. Chem.Pharm.Bull.,1989,37,939. J.Org.Chem.,2002,67,1199.
本発明は、2−イミノカルボン酸誘導体並びにベンゾアゼピノン類を、短工程かつ温和な条件で製造する実用上適した工業的方法を提供することを目的とする。
本発明者が上記課題を解決するために鋭意検討した結果、ベンゼン環に6員環の縮環した、合成の容易なイソキノリン誘導体をアミン又はその塩と処理することで2−イミノカルボン酸誘導体を合成でき、更にラクタム化することで、ベンゼン環に7員環の縮環した化合物であるベンゾアゼピノン類を温和な条件、短工程で効率的に合成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明によれば、以下の発明が提供される。
(1) 下記一般式(1)
Figure 0005198877
(式中、R1はアルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、又はアミノ基、R2〜R5はそれぞれ独立して、水素原子、アルコキシ基、アミノ基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、又は炭素数1〜10のアルキル基又はアリール基を示し、Xはエチレン基、エテニレン基又はアリーレン基を示す。また、Qは3級又は4級の窒素原子であり、4級の場合、炭素数1〜10のアルキル基又はアリール基のいずれかで置換され、対イオンY-を持つ。ここで、Y-はハロゲン化物イオン、鉱酸イオンアルキル硫酸イオン、メシル酸イオン、トシル酸イオン、アルキルスルホン酸イオン、有機酸イオン、水酸化物イオンであり、複数の対イオンを混合して有していてもよい。)で表されるイソキノリン誘導体を開環させた後、生じたアミンによるラクタム化反応によりベンゾアゼピノン類へと変換することを特徴とする、下記一般式(2)
Figure 0005198877
(式中、R2〜R5及びXは前述と同義であり、R6は水素原子、水酸基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミノ基又は炭素数1〜10のアルキル基又はアリール基、R7は水素原子、又は炭素数1〜10のアルキル基又はアリール基を示す。)で表されるベンゾアゼピノン類及びその塩の製造方法。
(2) (1)に記載の方法により下記一般式(2)
Figure 0005198877
(式中、R2〜R5はそれぞれ独立して、水素原子、アルコキシ基、アミノ基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、又は炭素数1〜10のアルキル基又はアリール基を示し、R6は水素原子、水酸基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミノ基又は炭素数1〜10のアルキル基又はアリール基、R7は水素原子、又は炭素数1〜10のアルキル基又はアリール基を示す。Xはエチレン基、エテニレン基又はアリーレン基を示す。)で表されるベンゾアゼピノン類又はその塩を製造する工程;及び上記で製造された一般式(2)で表されるベンゾアゼピノン類又はその塩を還元することにより、下記一般式(4)
Figure 0005198877
(式中、R2〜R5、R7、及びXは前述と同義である)で表されるアミノベンゾアゼピノン類へと変換する工程を含む、アミノベンゾアゼピノン類およびその塩の製造方法。
(3) アミノベンゾアゼピノン類を光学活性なアミノベンゾアゼピノン類に分割することをさらに含む、(2)に記載の方法。
(4) 下記一般式(1)
Figure 0005198877
(式中、R1はアルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、又はアミノ基、R2〜R5はそれぞれ独立して、水素原子、アルコキシ基、アミノ基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、又は炭素数1〜10のアルキル基又はアリール基を示し、Xはエチレン基、エテニレン基又はアリーレン基を示す。また、Qは3級又は4級の窒素原子であり、4級の場合、炭素数1〜10のアルキル基又はアリール基のいずれかで置換され、対イオンY-を持つ。ここで、Y-はハロゲン化物イオン、鉱酸イオンアルキル硫酸イオン、メシル酸イオン、トシル酸イオン、アルキルスルホン酸イオン、有機酸イオン、水酸化物イオンであり、複数の対イオンを混合して有していてもよい。)で表されるイソキノリン誘導体をアミン又はその塩と反応させることを特徴とする、下記一般式(3)
Figure 0005198877
(式中、R1〜R5及びXは前述と同義であり、R6は水素原子、水酸基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミノ基又は炭素数1〜10のアルキル基又はアリール基、R7は水素原子、又は炭素数1〜10のアルキル基又はアリール基を示す。)で表される2−イミノカルボン酸誘導体及びその塩の製造方法。
(5) 下記一般式(3)
Figure 0005198877
(式中、R1はアルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、又はアミノ基、R2〜R5はそれぞれ独立して、水素原子、アルコキシ基、アミノ基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、又は炭素数1〜10のアルキル基又はアリール基を示す。R6は水素原子、水酸基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミノ基又は炭素数1〜10のアルキル基又はアリール基、R7は水素原子、又は炭素数1〜10のアルキル基又はアリール基を示す。Xはエチレン基、エテニレン基又はアリーレン基を示す。)で表される2−イミノカルボン酸誘導体又はその塩をラクタム化することを特徴とする、下記一般式(2)
Figure 0005198877
(式中、R2〜R7及びXは前述と同義。)で表されるベンゾアゼピノン類及びその塩の製造方法。
(6) 下記一般式(3)
Figure 0005198877
(式中、R1はアルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、又はアミノ基、R2〜R5はそれぞれ独立して、水素原子、アルコキシ基、アミノ基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、又は炭素数1〜10のアルキル基又はアリール基を示す。R6は水素原子、水酸基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミノ基又は炭素数1〜10のアルキル基又はアリール基、R7は水素原子、又は炭素数1〜10のアルキル基又はアリール基を示す。Xはエチレン基、エテニレン基又はアリーレン基を示す。)で表される2−イミノカルボン酸誘導体及びその塩。
(7) 下記一般式(1a)
Figure 0005198877
(式中、R1はアルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、又はアミノ基を示し、R7は水素原子、又は炭素数1〜10のアルキル基又はアリール基を示す。Y-はハロゲン化物イオン、鉱酸イオンアルキル硫酸イオン、メシル酸イオン、トシル酸イオン、アルキルスルホン酸イオン、有機酸イオン、水酸化物イオンであり、複数の対イオンを混合して有していてもよい。)で表される3,4−ジヒドロイソキノリニウム塩類。
以下、本発明を詳細に説明する。
<ベンゾアゼピノン類の製造方法>
本発明は、下記一般式(1)
Figure 0005198877
(式中、R1〜R5、Q、X及びY-は前述と同義。)で表されるイソキノリン誘導体を炭素−窒素2重結合切断により開環した後、生じたアミンによるラクタム化反応によりベンゾアゼピノン類へと変換することを特徴とする、下記一般式(2)
Figure 0005198877
(式中、R2〜R7及びXは前述と同義。)で表されるベンゾアゼピノン類及びその塩の製造方法に係るものである。
上記一般式(1)で表されるイソキノリン誘導体は、1位にカルボニル基が置換した化合物であり、2位に3級の窒素原子を有するイソキノリン類、3,4−ジヒドロイソキノリン類及びフェナンスリジン類、並びに2位にアルキル基又はアリール基が置換した4級の窒素原子を有する、イソキノリニウム塩類、3,4−ジヒドロイソキノリニウム塩類及びフェナンスリジニウム塩類を含む。2位に4級の窒素原子を有する場合、上記一般式(1)で表されるイソキノリン誘導体はイオン性化合物であり、対イオンY-を持つ。
上記一般式(1)において、R1はアルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、又はアミノ基を示し、置換基を有していてもよい。
アルコキシ基の具体例は以下に挙げられ、これらに限定されるものではないが、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等の直鎖状アルコキシ基;シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基等の環状アルコキシ基;イソプロポキシ基、1−メチルプロピルオキシ基、t−ブトキシ基等の分岐状アルコキシ基;ベンジルオキシ基、2−クロロエトキシ基等の置換アルコキシ基が挙げられる。
アリールオキシ基の具体例は以下に挙げられ、これらに限定されるものではないが、フェノキシ基;4−クロロフェノキシ基、ペンタフルオロフェノキシ基、2−ニトロフェノキシ基等の置換アリールオキシ基が挙げられる。
アルキルチオ基の具体例は以下に挙げられ、これらに限定されるものではないが、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、ブチルチオ基等の直鎖状アルキルチオ基;シクロペンチルチオ基、シクロヘキシルチオ基等の環状アルキルチオ基;イソプロピルチオ基、1−メチルプロピルチオ基、t−ブチルチオ基等の分岐状アルキルチオ基;ベンジルチオ基、2−クロロエチルチオ基等の置換アルキルチオ基が挙げられる。
アリールチオ基の具体例は以下に挙げられ、これらに限定されるものではないが、フェニルチオ基;4−クロロフェニルチオ基、ペンタフルオロフェニルチオ基、2−ニトロフェニルチオ基等の置換アリールチオ基が挙げられる。
アミノ基の具体例は以下に挙げられ、これらに限定されるものではないが、無置換アミノ基;メチルアミノ基、エチルアミノ基、イソプロピルアミノ基、シクロヘキシルアミノ基、アニリノ基等の1級アミノ基;ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基、メチルプロピルアミノ基、ジシクロヘキシルアミノ基等の2級アミノ基;ベンジルアミノ基、2−シアノエチルアミノ基等の置換アルキルアミノ基;4−メトキシフェニルアミノ基、4−クロロフェニルアミノ基等の置換アリールアミノ基;ピペリジノ基、モルホリノ基等の環状アミノ基;ヒドロキシアミノ基;メトキシアミノ基、ベンジルオキシアミノ基等のアルコキシアミノ基;ヒドラジノ基が挙げられる。
これらの中で好ましくは、安価なシュウ酸ジエステルより合成可能であり、続く環化反応も容易に進行するアルコキシ基であり、更に好ましくはメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等の直鎖状アルコキシ基であり、特に好ましくはメトキシ基、又はエトキシ基である。
2〜R5はそれぞれ独立して、水素原子、アルコキシ基、アミノ基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、又は炭素数1〜10のアルキル基又はアリール基を示す。また、隣接する複数のR2〜R5が一体となって環構造を形成してもよい。
アルコキシ基は置換基を有していてもよく、具体例は以下に挙げられ、これらに限定されるものではないが、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等の直鎖状アルコキシ基;シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基等の環状アルコキシ基;イソプロポキシ基、1−メチルプロピルオキシ基、t−ブトキシ基等の分岐状アルコキシ基;ベンジルオキシ基、2−クロロエトキシ基等の置換アルコキシ基が挙げられる。
アミノ基は置換基を有していてもよく、具体例は以下に挙げられ、これらに限定されるものではないが、無置換アミノ基;メチルアミノ基、エチルアミノ基、イソプロピルアミノ基、シクロヘキシルアミノ基、アニリノ基等の1級アミノ基;ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基、メチルプロピルアミノ基、ジシクロヘキシルアミノ基等の2級アミノ基;ベンジルアミノ基、2−シアノエチルアミノ基等の置換アルキルアミノ基;4−メトキシフェニルアミノ基、4−クロロフェニルアミノ基等の置換アリールアミノ基;ピペリジノ基、モルホリノ基等の環状アミノ基;ヒドロキシアミノ基;メトキシアミノ基、ベンジルオキシアミノ基等のアルコキシアミノ基が挙げられる。
ハロゲン原子の具体例はフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
炭素数1〜10のアルキル基又はアリール基は置換していてもよく、アルキル基は直鎖状、環状又は分岐状のいずれでもよい。アルキル基又はアリール基の具体例は以下に挙げられ、これらに限定されるものではないが、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等の直鎖状アルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基等の環状アルキル基;イソプロピル基、1−メチルプロピル基、t−ブチル基等の分岐状アルキル基;フェニル基、ピペロニル基等のアリール基;ピリジル基、チエニル基等のヘテロアリール基が挙げられる。これらは本発明の反応に影響を与えない範囲において任意に置換されていてもよい。
アルキル基又はアリール基の置換基の種類は特に限定されないが、その具体例としては、フッ素、塩素、臭素等のハロゲン原子;メチル基、エチル基、シクロヘキシル基、イソプロピル基等の直鎖状、環状又は分岐状のアルキル基;フェニル基、ピペロニル基等のアリール基;ピリジル基、チエニル基等のヘテロアリール基;メトキシ基、エトキシ基、フェノキシ基、イソプロポキシ基等のアルコキシ基;シアノ基;ニトロ基である。
隣接する複数のR2〜R5が一体となって環構造を形成する具体例は以下に挙げられ、これらに限定されるものではないが、メチレンジオキシ基、エチレンジオキシ基、カルボニルジオキシ基、ウレイレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ベンゼン環が縮環したもの、フラン環が縮環したもの、イミダゾール環が縮環したもの等が挙げられる。
これらの中で好ましくは、水素原子、アルコキシ基、ハロゲン原子であり、更に好ましくは水素原子、メトキシ基、エトキシ基、ベンジルオキシ基、フッ素原子、塩素原子であり、特に好ましくはアルツハイマー病治療薬の中間体として有用な光学活性1−アミノ−3−メチル−1,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[d]アゼピン−2−オンに誘導可能な水素原子である。
2〜R5の組合せについては、好ましくは3個以上が水素原子であり、更に好ましくは4個全てが水素原子である。
Qは3級又は4級の窒素原子であり、4級の場合、炭素数1〜10のアルキル基又はアリール基のいずれかで置換され、対イオンY-を持つ。ここで炭素数1〜10のアルキル基又はアリール基は置換していてもよく、アルキル基は直鎖状、環状又は分岐状のいずれでもよい。アルキル基又はアリール基の具体例は以下に挙げられ、これらに限定されるものではないが、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等の直鎖状アルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基等の環状アルキル基;イソプロピル基、1−メチルプロピル基、t−ブチル基等の分岐状アルキル基;フェニル基、ピペロニル基等のアリール基;ピリジル基、チエニル基等のヘテロアリール基が挙げられる。これらの中で好ましいQとしては、アルキル化剤を用いることで容易に合成可能な直鎖状アルキル基の置換した4級窒素であり、更に好ましくは工業的に安価な硫酸ジメチル及び硫酸ジエチルより誘導できるメチル基及びエチル基の置換した4級窒素であり、特に好ましくはアルツハイマー病治療薬の中間体として有用な光学活性1−アミノ−3−メチル−1,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[d]アゼピン−2−オンに誘導可能なメチル基の置換した4級窒素である。これら4級窒素の置換基は本発明の反応に影響を与えない範囲において任意に置換されていてもよい。
置換基の種類は特に限定されないが、その具体例としては、フッ素、塩素、臭素等のハロゲン原子;メチル基、エチル基、シクロプロピル基、シクロヘキシル基、イソプロピル基等の直鎖状、環状又は分岐状のアルキル基;フェニル基、ピペロニル基等のアリール基;ピリジル基、チエニル基等のヘテロアリール基;メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基等のアルコキシ基;シアノ基;ニトロ基である。置換基を有する4級窒素の置換基の好ましい具体例としては、トリフルオロメチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、シクロプロピルメチル基、ベンジル基、2−(4−メトキシフェニル)エチル基、3−クロロフェニル基が挙げられる。
対イオンY-の具体例は以下に挙げられ、これらに限定されるものではないが、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン等のハロゲン化物イオン;硫酸イオン、硫酸水素イオン、硝酸イオン等の鉱酸イオン;メチル硫酸イオン、エチル硫酸イオン等のアルキル硫酸イオン;メシル酸イオン、トシル酸イオン、トリフルオロメタンスルホン酸イオン等のアルキルスルホン酸イオン;酢酸イオン、シュウ酸イオン等の有機酸イオン;水酸化物イオン等が挙げられ、複数の対イオンを混合して有していてもよい。これらの中で好ましくはアルキル化剤から生じる対イオンであるハロゲン化物イオン、アルキル硫酸イオン、アルキルスルホン酸イオンであり、更に好ましくは安価なアルキル化剤であるジアルキル硫酸より生じるアルキル硫酸イオンであり、特に好ましくはアルツハイマー病治療薬の中間体として有用な光学活性1−アミノ−3−メチル−1,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[d]アゼピン−2−オン中間体を合成する際に使用するジメチル硫酸より生成するメチル硫酸イオンである。
Xはエチレン基、エテニレン基又はアリーレン基を示し、複数の置換基を有していてもよい。本発明の第一の態様によれば、Xはエチレン基、又はエテニレン基を示す。本発明の第二の態様によれば、Xはアリーレン基を示す。なお、Xがエチレン基に関する実施例は、本明細書の参考例A1〜A4及び実施例A1〜A7に記載されており、Xがアリーレン基に関する実施例は、本明細書の参考例B1〜B3及び実施例B1及びB2に記載されている。上記の置換基の種類は特に限定されないが、その具体例としては、フッ素、塩素、臭素等のハロゲン原子;メチル基、エチル基、シクロヘキシル基、イソプロピル基等の直鎖状、環状又は分岐状のアルキル基;フェニル基、ピペロニル基等のアリール基;ピリジル基、チエニル基等のヘテロアリール基;メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基等のアルコキシ基;フェノキシ基、ナフチルオキシ基等のアリールオキシ基;アセチル基、エトキシカルボニル基、カルバモイル基等のカルボニル基;シアノ基;ニトロ基である。また、置換基が一体となって環構造を形成しても良い。環構造を形成する置換基の具体例としては、メチレンジオキシ基、エチレンジオキシ基、カルボニルジオキシ基、ウレイレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ベンゼン環が縮環したもの、フラン環が縮環したもの、イミダゾール環が縮環したもの等が挙げられる。
Xの好ましい具体例としては、Xがエチレン基、又はエテニレン基を示す場合については、エチレン基、1,1−ジメチトキシエチレン基、エトキシカルボニルエチレン基、カルバモイルエチレン基、1,2−シクロヘキシレン基、エテニレン基、1,2−ジメチルエテニレン基、エトキシカルボニルエテニレン基が挙げられ、Xがアリーレン基を示す場合については、イミダゾール−4,5−ジイル基、o−フェニレン基、4−フルオロ−o−フェニレン基が挙げられる。更に好ましくは置換基を有さないエチレン基、エテニレン基、o−フェニレン基であり、特に好ましくは、アルツハイマー病治療薬の中間体として有用な光学活性1−アミノ−3−メチル−1,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[d]アゼピン−2−オンに誘導可能なエチレン基である。
上記一般式(1)で表されるイソキノリン誘導体の具体例としては、3,4−ジヒドロイソキノリン−1−カルボン酸エチル、3,4−ジヒドロイソキノリン−1−カルボン酸メチル、3,4−ジヒドロ−6−フルオロイソキノリン−1−カルボン酸エチル、イソキノリン−1−カルボン酸エチル、フェナンスリジン−6−カルボン酸エチル、モノメチル硫酸1−エトキシカルボニル−2−メチル−3,4−ジヒドロイソキノリニウム、ヨウ化1−エトキシカルボニル−2−メチル−3,4−ジヒドロイソキノリニウム、モノエチル硫酸1−エトキシカルボニル−2−エチル−3,4−ジヒドロイソキノリニウム、ヨウ化1−エトキシカルボニル−2−エチル−3,4−ジヒドロイソキノリニウム、ヨウ化1−エトキシカルボニル−2−フェニル−3,4−ジヒドロイソキノリニウム、臭化1−エトキシカルボニル−2−ベンジル−3,4−ジヒドロイソキノリニウム、モノメチル硫酸1−メトキシカルボニル−2−メチル−3,4−ジヒドロイソキノリニウム、モノメチル硫酸1−フェノキシカルボニル−2−メチル−3,4−ジヒドロイソキノリニウム、モノメチル硫酸1−エチルチオカルボニル−2−メチル−3,4−ジヒドロイソキノリニウム、モノメチル硫酸1−フェニルチオカルボニル−2−メチル−3,4−ジヒドロイソキノリニウム、モノメチル硫酸1−カルバモイル−2−メチル−3,4−ジヒドロイソキノリニウム、モノメチル硫酸1−エトキシカルボニル−6−フルオロ−2−メチル−3,4−ジヒドロイソキノリニウム、モノメチル硫酸1−エトキシカルボニル−2−メチルイソキノリニウム、モノメチル硫酸6−エトキシカルボニル−5−メチルフェナンスリジニウム、ヨウ化6−エトキシカルボニル−5−メチルフェナンスリジニウム、ヨウ化6−エトキシカルボニル−5−(シクロプロピルメチル)フェナンスリジニウム、ヨウ化6−エトキシカルボニル−5−(2,2,2−トリフルオロエチル)フェナンスリジニウムが挙げられる。
上記一般式(1)で表されるイソキノリン誘導体のうち、下記一般式(1a)
Figure 0005198877
(式中、R1、R7及びY-は前述と同義。)で表される3,4−ジヒドロイソキノリニウム塩類は新規物質であり、医農薬中間体として有用なベンゾアゼピノン類及びアルツハイマー病治療薬の中間体として有用な光学活性1−アミノ−3−メチル−1,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[d]アゼピン−2−オンの製造において有用な中間体である。
上記一般式(1a)で表される3,4−ジヒドロイソキノリニウム塩類は、1位にカルボニル基が置換した化合物であり、2位に4級の窒素原子を有し、対イオンY-を持つ。
上記一般式(1a)において、R1及びY-は前述と同義であり、R7は水素原子又は炭素数1〜10のアルキル基又はアリール基を示し、置換していてもよく、アルキル基は直鎖状、環状又は分岐状のいずれでもよい。アルキル基又はアリール基の具体例は以下に挙げられ、これらに限定されるものではないが、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等の直鎖状アルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基等の環状アルキル基;イソプロピル基、1−メチルプロピル基、t−ブチル基等の分岐状アルキル基;フェニル基、ピペロニル基等のアリール基;ピリジル基、チエニル基等のヘテロアリール基が挙げられる。これらの中で好ましくは、アルキル化剤を用いることで容易に合成可能な直鎖状アルキル基であり、更に好ましくは工業的に安価な硫酸ジメチル及び硫酸ジエチルより誘導できるメチル基及びエチル基であり、特に好ましくはアルツハイマー病治療薬の中間体として有用な光学活性1−アミノ−3−メチル−1,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[d]アゼピン−2−オンに誘導可能なメチル基である。これらは本発明の反応に影響を与えない範囲において任意に置換されていてもよい。
置換基の種類は特に限定されないが、その具体例としては、フッ素、塩素、臭素等のハロゲン原子;メチル基、エチル基、シクロプロピル基、シクロヘキシル基、イソプロピル基等の直鎖状、環状又は分岐状のアルキル基;フェニル基、ピペロニル基等のアリール基;ピリジル基、チエニル基等のヘテロアリール基;メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基等のアルコキシ基;シアノ基;ニトロ基である。置換基を有する4級窒素の置換基の好ましい具体例としては、トリフルオロメチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、シクロプロピルメチル基、ベンジル基、2−(4−メトキシフェニル)エチル基、3−クロロフェニル基が挙げられる。
上記一般式(1a)で表される2−メチル−3,4−ジヒドロイソキノリニウム塩類の具体例としては、モノメチル硫酸1−エトキシカルボニル−2−メチル−3,4−ジヒドロイソキノリニウム、ヨウ化1−エトキシカルボニル−2−メチル−3,4−ジヒドロイソキノリニウム、モノエチル硫酸1−エトキシカルボニル−2−エチル−3,4−ジヒドロイソキノリニウム、ヨウ化1−エトキシカルボニル−2−エチル−3,4−ジヒドロイソキノリニウム、ヨウ化1−エトキシカルボニル−2−フェニル−3,4−ジヒドロイソキノリニウム、臭化1−エトキシカルボニル−2−ベンジル−3,4−ジヒドロイソキノリニウム、モノメチル硫酸1−メトキシカルボニル−2−メチル−3,4−ジヒドロイソキノリニウム、モノメチル硫酸1−フェノキシカルボニル−2−メチル−3,4−ジヒドロイソキノリニウム、モノメチル硫酸1−エチルチオカルボニル−2−メチル−3,4−ジヒドロイソキノリニウム、モノメチル硫酸1−フェニルチオカルボニル−2−メチル−3,4−ジヒドロイソキノリニウム、モノメチル硫酸1−カルバモイル−2−メチル−3,4−ジヒドロイソキノリニウムが挙げられる。
上記一般式(2)で表されるベンゾアゼピノン類は、1位にイミノ基が置換したベンゾ[d]アゼピン−2−オン類であり、アゼピノン環に芳香環が置換した7−イミノジベンゾ[b,d]アゼピン−6−オン類を含む。上記一般式(2)で表されるベンゾアゼピノン類は、イミノ基が塩酸塩、硫酸塩、酢酸塩、シュウ酸塩等の塩を形成してもよく、また、イミノ基がヒドロキシイミノ基である場合、ヒドロキシイミノ基の水素原子がナトリウム、カリウム、リチウム、マグネシウム等と置換した塩を形成してもよい。
上記一般式(2)において、R2〜R5、R7及びXは前述と同義であり、R6は水素原子、水酸基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミノ基又は炭素数1〜10のアルキル基又はアリール基を示し、置換基を有していてもよい。
アルコキシ基の具体例は以下に挙げられ、これらに限定されるものではないが、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等の直鎖状アルコキシ基;シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基等の環状アルコキシ基;イソプロポキシ基、1−メチルプロピルオキシ基、t−ブトキシ基等の分岐状アルコキシ基;ベンジルオキシ基、2−クロロエトキシ基等の置換アルコキシ基が挙げられる。
アリールオキシ基の具体例は以下に挙げられ、これらに限定されるものではないが、フェノキシ基;4−メトキシフェノキシ基、ペンタフルオロフェノキシ基、2−ニトロフェノキシ基等の置換アリールオキシ基が挙げられる。
アミノ基の具体例は以下に挙げられ、これらに限定されるものではないが、無置換アミノ基;メチルアミノ基、エチルアミノ基、イソプロピルアミノ基、シクロヘキシルアミノ基、アニリノ基等の1級アミノ基;ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基、メチルプロピルアミノ基、ジシクロヘキシルアミノ基等の2級アミノ基;ベンジルアミノ基、2−シアノエチルアミノ基等の置換アルキルアミノ基;4−メトキシフェニルアミノ基、4−クロロフェニルアミノ基等の置換アリールアミノ基;ピペリジノ基、モルホリノ基等の環状アミノ基が挙げられる。
アルキル基又はアリール基の具体例は以下に挙げられ、これらに限定されるものではないが、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等の直鎖状アルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基等の環状アルキル基;イソプロピル基、1−メチルプロピル基、t−ブチル基等の分岐状アルキル基;フェニル基、ピペロニル基等のアリール基;ピリジル基、チエニル基等のヘテロアリール基が挙げられる。これらは本発明の反応に影響を与えない範囲において任意に置換されていてもよい。置換基の種類は特に限定されないが、その具体例としては、フッ素、塩素、臭素等のハロゲン原子;メチル基、エチル基、シクロヘキシル基、イソプロピル基等の直鎖状、環状又は分岐状のアルキル基;フェニル基、ピペロニル基等のアリール基;ピリジル基、チエニル基等のヘテロアリール基;メトキシ基、エトキシ基、フェノキシ基、イソプロポキシ基等のアルコキシ基;シアノ基;ニトロ基である。
これらの中で好ましくは、酸性条件下で製造可能なアルコキシアミンより調製される水酸基;メトキシ基、エトキシ基、ベンジルオキシ基等のアルコキシ基;フェノキシ基、4−メトキシフェノキシ基等のアリールオキシ基であり、更に好ましくは安価なヒドロキシルアミンより合成可能な水酸基である。
上記一般式(2)で表されるベンゾアゼピノン類の具体例としては、1−(ヒドロキシイミノ)−3−メチル−1,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[d]アゼピン−2−オン、1−(メトキシイミノ)−3−メチル−1,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[d]アゼピン−2−オン、3−メチル−1−(メチルヒドラゾノ)−1,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[d]アゼピン−2−オン、3−メチル−1−イミノ−1,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[d]アゼピン−2−オン、3−メチル−1−(メチルイミノ)−1,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[d]アゼピン−2−オン、3−メチル−1−(ベンジルイミノ)−1,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[d]アゼピン−2−オン、1−(ヒドロキシイミノ)−3−メチル−1,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[d]アゼピン−2−オンナトリウム塩、7−フルオロ−1−(ヒドロキシイミノ)−3−メチル−1,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[d]アゼピン−2−オン、1−(ヒドロキシイミノ)−3−メチル−1,3−ジヒドロベンゾ[d]アゼピン−2−オン、1−(ヒドロキシイミノ)−1,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[d]アゼピン−2−オン、3−エチル−1−(ヒドロキシイミノ)−1,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[d]アゼピン−2−オン、1−(ヒドロキシイミノ)−3−フェニル−1,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[d]アゼピン−2−オン、3−ベンジル−1−(ヒドロキシイミノ)−1,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[d]アゼピン−2−オン、7−(ヒドロキシイミノ)−5−メチル−5,7−ジヒドロジベンゾ[b,d]アゼピン−6−オン、7−(メトキシイミノ)−5−メチル−5,7−ジヒドロジベンゾ[b,d]アゼピン−6−オン、7−(ヒドロキシイミノ)−5−メチル−5,7−ジヒドロジベンゾ[b,d]アゼピン−6−オンナトリウム塩、7−(ヒドロキシイミノ)−5,7−ジヒドロジベンゾ[b,d]アゼピン−6−オン、5−(シクロプロピルメチル)−7−(ヒドロキシイミノ)−5,7−ジヒドロジベンゾ[b,d]アゼピン−6−オン、7−(ヒドロキシイミノ)−5−(2,2,2−トリフルオロエチル)−5,7−ジヒドロジベンゾ[b,d]アゼピン−6−オンが挙げられる。
上記一般式(1)で表されるイソキノリン誘導体は、公知の方法(例えば、Mendeleev Commun.,1996,293.)で任意に製造できる。特に2位窒素原子に置換基を持つイソキノリニウム塩類、3,4−ジヒドロイソキノリニウム塩類及びフェナンスリジニウム塩類の場合、2位窒素原子に置換基を持たないイソキノリン類、3,4−ジヒドロイソキノリン類及びフェナンスリジン類を、ハロゲン化アルキル、硫酸ジアルキル等のアルキル化剤と反応させることで製造できる。この際、イソキノリニウム塩類、3,4−ジヒドロイソキノリニウム塩類及びフェナンスリジニウム塩類を塩として単離してもよいが、工程の単純化の観点から精製せずに反応に用いることが好ましい。
上記発明は、ベンゼン環に縮環した6員環内の炭素−窒素2重結合を切断することにより開環する反応と、生じたアミンによる7員環ラクタム形成により閉環し、ベンゾアゼピノン類へと変換する反応の2つの反応を含む。開環と閉環の2反応の間に別の単独あるいは複数の変換反応が含まれてもよいが、連続して行うことが工程数を削減し簡略化できるため好ましい。また、同一条件下で開環と閉環の2反応を一挙に行ってもよく、閉環反応の後に1位をイミノ基へと変換してもよい。
上記の開環反応は、イミン及びイミニウム塩を分解する公知の方法で任意に実施できる。具体例は以下に挙げられ、これらに限定されるものではないが、酸性条件、塩基性条件又は触媒存在下でメチルアミン、ヒドロキシルアミン、ベンジルオキシアミン等のアミン又はその塩と処理し、開環したイミンとする方法;酸性条件又は触媒存在下で水と処理しケトンとする方法;酸性条件又は触媒存在下でエタノール等のアルコール、エチレングリコール等のジオール、エタンチオール等のチオール、1,3−プロパンジチオール等のジチオールと処理し、鎖状又は環状のアセタール又はジチオアセタールとする方法等が挙げられる。これらの中で好ましくは、開環と閉環の2反応のみで上記一般式(2)で表されるベンゾアゼピノン類へと変換可能な、酸性条件、塩基性条件又は触媒存在下でアミン又はその塩と処理し、開環したイミンとする方法である。
上記の閉環反応は、アミンとカルボン酸誘導体の7員環ラクタム形成反応であり、溶媒中加熱する等の公知の方法で任意に実施できる。また、必要に応じて酸、塩基等の触媒存在下に実施してもよい。また、開環反応によってケトン、アセタール又はジチオアセタールを生成した基質で閉環反応を行った場合、ベンゾアゼピノン類の1位をイミノ基へ変換する必要があり、公知の方法で任意に実施できる。具体例は以下に挙げられ、これに限定されるものではないが、アセタール又はジチオアセタールを酸性条件又は触媒存在下で水と処理しケトンとした後、酸性条件、塩基性条件又は触媒存在下でメチルアミン、ヒドロキシルアミン、ベンジルオキシアミン等のアミン又はその塩と処理し、イミノ基へと変換する方法が挙げられる。
上記反応で経由する中間体の具体例は以下に挙げられ、これらに限定されるものではないが、ヒドロキシイミノ−[2−(2−メチルアミノエチル)フェニル]酢酸エチル、ベンジルイミノ−[2−(2−メチルアミノエチル)フェニル]酢酸エチル、ヒドロキシイミノ−(2’−メチルアミノビフェニル−2−イル)酢酸エチル等の2位にイミノ基を有するカルボン酸誘導体;[2−(2−メチルアミノエチル)フェニル]−オキソ酢酸エチル、(2’−メチルアミノビフェニル−2−イル)−オキソ酢酸エチル等の2位にケトン基を有するカルボン酸誘導体;ジエトキシ−[2−(2−メチルアミノエチル)フェニル]酢酸エチル、2−[2−(2−メチルアミノエチル)フェニル]−1,3−ジオキソラン−2−カルボン酸エチル、2−(2’−メチルアミノビフェニル−2−イル)−1,3−ジオキソラン−2−カルボン酸エチル等の2位にアセタール基を有するカルボン酸誘導体;ジエチルチオ−[2−(2−メチルアミノエチル)フェニル]酢酸エチル、2−[2−(2−メチルアミノエチル)フェニル]−1,3−ジチアン−2−カルボン酸エチル、ジエチルチオ−(2’−メチルアミノビフェニル−2−イル)酢酸エチル等の2位にジチオアセタールを有するカルボン酸誘導体等が挙げられる。これらの中で好ましくは、閉環反応により直ちに上記一般式(2)で表されるベンゾアゼピノン類へと変換可能な、下記一般式(3)
Figure 0005198877
(式中、R1〜R7及びXは前述と同義。)で表される2位にイミノ基を有するカルボン酸誘導体である。
上記一般式(3)で表される2−イミノカルボン酸誘導体は、2位にイミノ基と芳香環が置換した酢酸誘導体であり、芳香環のオルト位に2炭素長のリンカーとアミノ基を持つ化合物である。また、上記一般式(3)において、R1、R2〜R7及びXは前述と同義である。上記一般式(3)で表される2−イミノカルボン酸誘導体は、アミノ基及び/又はイミノ基が塩酸塩、硫酸塩、酢酸塩、シュウ酸塩等の塩を形成してもよく、また、イミノ基がヒドロキシイミノ基である場合、ヒドロキシイミノ基の水素原子がナトリウム、カリウム、リチウム、マグネシウム等と置換した塩を形成してもよい。
上記一般式(3)で表される2−イミノカルボン酸誘導体は新規化合物であり、上記一般式(2)で表されるベンゾアゼピノン類及びアルツハイマー病治療薬の中間体として有用な光学活性1−アミノ−3−メチル−1,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[d]アゼピン−2−オンの製造において有用な中間体である。
上記一般式(3)で表される2−イミノカルボン酸誘導体の具体例としては、ヒドロキシイミノ−[2−(2−メチルアミノエチル)フェニル]酢酸エチル、メトキシイミノ−[2−(2−メチルアミノエチル)フェニル]酢酸エチル、[2−(2−メチルアミノエチル)フェニル]−メチルヒドラゾノ酢酸エチル、イミノ−[2−(2−メチルアミノエチル)フェニル]酢酸エチル、[2−(2−メチルアミノエチル)フェニル]−メチルイミノ酢酸エチル、ベンジルイミノ−[2−(2−メチルアミノエチル)フェニル]酢酸エチル、ヒドロキシイミノ−[2−(2−メチルアミノエチル)フェニル]酢酸エチル塩酸塩、ヒドロキシイミノ−[2−(2−メチルアミノエチル)フェニル]酢酸エチル硫酸塩、ヒドロキシイミノ−[2−(2−メチルアミノエチル)フェニル]酢酸エチルナトリウム塩、ヒドロキシイミノ−[4−フルオロ−2−(2−メチルアミノエチル)フェニル]酢酸エチル、ヒドロキシイミノ−[2−(2−メチルアミノビニル)フェニル]酢酸エチル、(2−アミノエチルフェニル)−ヒドロキシイミノ酢酸エチル、[2−(2−エチルアミノエチル)フェニル]−ヒドロキシイミノ酢酸エチル、ヒドロキシイミノ−[2−(2−フェニルアミノエチル)フェニル]酢酸エチル、[2−(2−ベンジルアミノエチル)フェニル]−ヒドロキシイミノ酢酸エチル、ヒドロキシイミノ−(2’−メチルアミノビフェニル−2−イル)酢酸エチル、メトキシイミノ−(2’−メチルアミノビフェニル−2−イル)酢酸エチル、ヒドロキシイミノ−(2’−メチルアミノビフェニル−2−イル)酢酸エチル塩酸塩、ヒドロキシイミノ−(2’−メチルアミノビフェニル−2−イル)酢酸エチル硫酸塩、ヒドロキシイミノ−(2’−メチルアミノビフェニル−2−イル)酢酸エチルナトリウム塩、(2’−アミノビフェニル−2−イル)−ヒドロキシイミノ酢酸エチル、[2’−(シクロプロピルメチル)アミノビフェニル−2−イル]−ヒドロキシイミノ酢酸エチル、ヒドロキシイミノ−[2’−(2,2,2−トリフルオロエチル)アミノビフェニル−2−イル]酢酸エチルが挙げられる。
上記一般式(3)で表される2−イミノカルボン酸誘導体は、本発明の方法により、上記一般式(1)で表されるイソキノリン誘導体をアミン又はその塩と反応させることにより製造できる。
上記一般式(1)で表されるイソキノリン誘導体は、公知の方法で任意に製造できる。また、2位窒素原子に置換基を持つイソキノリニウム塩類、3,4−ジヒドロイソキノリニウム塩類及びフェナンスリジニウム塩類の場合、2位窒素原子に置換基を持たないイソキノリン類、3,4−ジヒドロイソキノリン類及びフェナンスリジン類を、ハロゲン化アルキル、硫酸ジアルキル等のアルキル化剤と反応させることで製造できる。この際、イソキノリニウム塩類、3,4−ジヒドロイソキノリニウム塩類及びフェナンスリジニウム塩類を塩として単離してもよいが、操作の単純化の観点から精製せずにアミン又はその塩との反応に用いることが好ましい。精製せずにアミン又はその塩との反応に用いる場合、濃縮して溶媒を置換することもできるが、操作の単純化及び安全上の観点から、濃縮せずに同一溶媒又は溶媒を追添加して反応を行うことが好ましい。
上記反応に用いられるアミン又はその塩としては、アンモニア;メチルアミン、エチルアミン、ベンジルアミン、1−フェニルエチルアミン、アニリン等の1級アミン;ヒドロキシルアミン;メトキシアミン、エトキシアミン、ベンジルオキシアミン等のアルコキシアミン;フェノキシアミン、4−メトキシフェノキシアミン等のアリールオキシアミン;ヒドラジン、メチルヒドラジン、1,1−ジメチルヒドラジン、ベンジルヒドラジン等のヒドラジン;メチルスルフォンヒドラジド、p−トルエンスルフォンヒドラジド等のヒドラジド等が挙げられ、これらの塩でもよい。これらの中で好ましくは、酸性条件下で非可逆的に反応可能なヒドロキシルアミン;メトキシアミン、エトキシアミン、ベンジルオキシアミン等のアルコキシアミン;フェノキシアミン、4−メトキシフェノキシアミン等のアリールオキシアミン及びその塩であり、更に好ましくは安価なヒドロキシルアミン及びその塩であり、特に好ましくは酸性の塩であるため酸触媒としても作用し、取り扱いも容易でかつ安価なヒドロキシルアミン塩酸塩、ヒドロキシルアミン硫酸塩である。また、アミン又はその塩の使用量は上記一般式(1)で表されるイソキノリン誘導体に対して1〜10当量、好ましくは1〜3当量、更に好ましくは1.0〜1.5当量である。
上記反応において、添加剤を加えず行うことがコスト削減の観点から好ましいが、必要に応じて反応を加速する添加剤を加えてもよい。添加剤としては特に限定はなく、公知のものを使用できるが、塩酸、硫酸、過塩素酸等の鉱酸;酢酸、トリフルオロ酢酸、トシル酸等の有機酸;水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、炭酸ナトリウム等の無機塩基;ピリジン、トリエチルアミン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデク−7−エン等の有機塩基等が挙げられ、これらから選ばれる複数の添加剤を任意の割合に混合して用いてもよい。また、添加剤の使用量は上記一般式(1)で表されるイソキノリン誘導体に対して0.001〜10当量、好ましくは0.01〜1当量、更に好ましくは0.1〜0.5当量である。
上記反応では、溶媒を用いずに反応を行うこともできるが、操作の安全上の観点から溶媒を用いることが好ましい。用いられる溶媒としては、反応に悪影響を与えない限り特に限定されないが、具体的にはヘキサン、ヘプタン、ベンゼン、トルエン等の炭化水素系溶媒;エチルエーテル、プロピルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、t−ブチルメチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒;ジクロロメタン、クロロホルム、ジクロロエタン、クロロベンゼン等のハロゲン系溶媒;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶媒;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系溶媒;ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン等のアミド系溶媒;炭酸ジメチル、炭酸ジエチル等の炭酸エステル系溶媒;アセトニトリル等のニトリル系溶媒;メタノール、エタノール、2−プロパノール等のアルコール系溶媒;水等が挙げられ、アミン又はその塩を溶媒として用いてもよい。これらから選ばれる複数の溶媒を任意の割合に混合して用いてもよい。一般に好ましい溶媒としてはエーテル系溶媒、ニトリル系溶媒、アルコール系溶媒が挙げられ、更に好ましくはテトラヒドロフラン、アセトニトリル、メタノール、エタノールが挙げられる。また、好ましい溶媒は用いるアミン等の条件によって変わり、特に好ましいアミンであるヒドロキシルアミン塩酸塩又はヒドロキシルアミン硫酸塩を用いた場合、その塩を溶解するため極性の高いアルコール系溶媒、水、及びそれら溶媒と任意の溶媒との混合溶媒系であり、更に好ましくは水及び水と任意の溶媒との混合溶媒系である。また、溶媒の使用量としては、任意の量の溶媒を用いることができるが、通常は上記一般式(1)で表されるイソキノリン誘導体に対して0.5〜50倍体積量、好ましくは1〜10倍体積量、更に好ましくは1〜3倍体積量である。
反応温度は、反応に悪影響を与えない範囲であれば特に限定はないが、通常、−20〜120℃であり、好ましくは0〜70℃、更に好ましくは20〜50℃である。
上記反応の反応時間は、反応に悪影響を与えない範囲であれば特に限定はないが、10分〜24時間の範囲で行うことが製造コストを抑える観点からも好ましく、更に好ましくは1〜10時間である。
上記反応で得られる上記一般式(3)で表される2−イミノカルボン酸誘導体は、精製することなく次工程に使用することもできるが、抽出及び/又は晶析等の方法で精製することが好ましい。
抽出及び/又は晶析に用いる溶媒は特に限定されないが、ヘキサン、ヘプタン、ベンゼン、トルエン等の炭化水素系溶媒;エチルエーテル、プロピルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、t−ブチルメチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒;ジクロロメタン、クロロホルム、ジクロロエタン、クロロベンゼン等のハロゲン系溶媒;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶媒;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系溶媒;炭酸ジメチル、炭酸ジエチル等の炭酸エステル系溶媒;アセトニトリル等のニトリル系溶媒;メタノール、エタノール、2−プロパノール等のアルコール系溶媒;水等が挙げられる。これらから選ばれる複数の溶媒を任意の割合に混合して用いてもよい。反応溶媒をそのまま、又は別の溶媒を追加して晶析を行うことが、操作短縮と溶媒使用量削減の観点から好ましい。更に好ましい晶析溶媒としては、ヘキサン、ヘプタン、トルエン、酢酸エチル、アセトン、アセトニトリル、メタノール、エタノール、水又はこれらの混合溶媒が挙げられ、特に好ましくは不純物の有機物を溶解する有機溶媒と、塩を溶解する水の混合溶媒が挙げられる。
また、晶析の際に酸または塩基を添加して、一般式(3)で表される2−イミノカルボン酸誘導体の溶解度を低くすることも好ましい。特に好ましいアミン又はその塩であるヒドロキシルアミン塩酸塩又はヒドロキシルアミン硫酸塩を用いた場合、反応系内は酸性となるので、塩基を入れてアミンを中和することが、溶解度を下げて晶析を効率化するため、更に好ましい。
ここで晶析とは、溶液中に貧溶媒、酸、塩基等を加えて溶解度を下げることで目的物を結晶として取り出す通常の晶析に加え、一旦得られた粗結晶等を適当な溶媒に溶解させた後再度結晶化させる再結晶も含む。
上記一般式(3)で表される2−イミノカルボン酸誘導体は、本発明の方法によりラクタム化することで、上記一般式(2)で表されるベンゾアゼピノン類へと変換できる。
上記反応において、添加剤を加えなくても反応は進行するが、反応を加速する添加剤を加えることが好ましい。添加剤としては特に限定はないが、具体的には水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、炭酸ナトリウム等の無機塩基;ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムエトキシド等の金属アルコキシド;ピリジン、トリエチルアミン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデク−7−エン等の有機塩基等が挙げられ、これらから選ばれる複数の添加剤を任意の割合に混合して用いてもよい。これらの中で好ましくは、上記一般式(3)で表される2−イミノカルボン酸誘導体の加水分解を引き起こす水を副生しない金属アルコキシド又は有機塩基であり、更に好ましくは精製時に除去容易なアルコールを副生し、かつ安価な金属アルコキシドである。また、添加剤の使用量は上記一般式(3)で表される2−イミノカルボン酸誘導体に対して0.1〜10当量、好ましくは0.1〜2当量、更に好ましくは0.5〜1当量である。
上記反応では、溶媒を用いることが好ましい。用いられる溶媒としては、反応に悪影響を与えない限り特に限定されないが、具体的にはヘキサン、ヘプタン、ベンゼン、トルエン等の炭化水素系溶媒;エチルエーテル、プロピルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、t−ブチルメチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒;ジクロロメタン、クロロホルム、ジクロロエタン、クロロベンゼン等のハロゲン系溶媒;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系溶媒;ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン等のアミド系溶媒;アセトニトリル等のニトリル系溶媒;メタノール、エタノール、2−プロパノール等のアルコール系溶媒;水等が挙げられ、添加剤を溶媒として用いてもよい。これらから選ばれる複数の溶媒を任意の割合に混合して用いてもよい。好ましい溶媒は極性の高いアルコール系溶媒、及びそれら溶媒と任意の溶媒との混合溶媒系であり、更に好ましくはアルコール系溶媒の単独使用であり、特に好ましくは安価なメタノール及びエタノールである。また、溶媒の使用量としては、任意の量の溶媒を用いることができるが、通常は上記一般式(3)で表される2−イミノカルボン酸誘導体に対して1〜50倍体積量、好ましくは2〜10倍体積量である。
反応温度は、反応に悪影響を与えない範囲であれば特に限定はないが、通常、−20〜120℃であり、好ましくは20〜100℃、更に好ましくは40〜70℃である。
上記反応の反応時間は、反応に悪影響を与えない範囲であれば特に限定はないが、10分〜24時間の範囲で行うことが製造コストを抑える観点からも好ましく、更に好ましくは1〜10時間である。
上記反応で得られる上記一般式(2)で表されるベンゾアゼピノン類は、抽出及び/又は晶析等の方法で精製することもできるが、精製することなく次工程に使用することが操作の単純化のため好ましい。精製することなく次工程に使用する場合、濃縮して溶媒を置換することもできるが、操作の単純化及び安全上の観点から、濃縮せずに同一溶媒又は溶媒を追添加して反応を行うことが好ましい。
<光学活性アミノベンゾアゼピノン類の製造方法>
本発明によって製造される上記一般式(2)で表されるベンゾアゼピノン類は、種々の医薬品や農薬の中間体として有用である。特に、下記一般式(5)
Figure 0005198877
(式中、R2〜R5、R7及びXは前述と同義。)で表される光学活性アミノベンゾアゼピノン類は、アルツハイマー病治療薬(例えば、国際公開第2002/47671号)の中間体として工業的に有用である。この上記一般式で表される光学活性アミノベンゾアゼピノン類への変換は、上記一般式(2)で表されるベンゾアゼピノン類を還元することにより、下記一般式(4)
Figure 0005198877
(式中、R2〜R5、R7及びXは前述と同義。)で表されるアミノベンゾアゼピノン類とした後、分割等の手法を用いることにより達成できる。
上記一般式(5)で表されるアミノベンゾアゼピノン類の具体例としては、Xがエチレン基、又はエテニレン基を示す場合については、(S)−1−アミノ−3−メチル−1,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[d]アゼピン−2−オン、(R)−1−アミノ−3−メチル−1,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[d]アゼピン−2−オン、(S)−1−アミノ−7−フルオロ−3−メチル−1,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[d]アゼピン−2−オン、(R)−1−アミノ−7−フルオロ−3−メチル−1,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[d]アゼピン−2−オン、(S)−1−アミノ−3−エチル−1,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[d]アゼピン−2−オン、(R)−1−アミノ−3−エチル−1,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[d]アゼピン−2−オン、(S)−1−アミノ−3−フェニル−1,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[d]アゼピン−2−オン、(R)−1−アミノ−3−フェニル−1,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[d]アゼピン−2−オン、(S)−1−アミノ−3−ベンジル−1,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[d]アゼピン−2−オン、(R)−1−アミノ−3−ベンジル−1,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[d]アゼピン−2−オン、(S)−1−アミノ−3−メチル−1,3−ジヒドロベンゾ[d]アゼピン−2−オン、(R)−1−アミノ−3−メチル−1,3−ジヒドロベンゾ[d]アゼピン−2−オン、(S)−1−アミノ−1,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[d]アゼピン−2−オン、(R)−1−アミノ−1,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[d]アゼピン−2−オンが挙げられ、Xがアリーレン基を示す場合については、(S)−7−アミノ−5−メチル−5,7−ジヒドロジベンゾ[b,d]アゼピン−6−オン、(R)−7−アミノ−5−メチル−5,7−ジヒドロジベンゾ[b,d]アゼピン−6−オン、(S)−7−アミノ−5,7−ジヒドロジベンゾ[b,d]アゼピン−6−オン、(R)−7−アミノ−5,7−ジヒドロジベンゾ[b,d]アゼピン−6−オン、(S)−7−アミノ−5−シクロプロピルメチル−5,7−ジヒドロジベンゾ[b,d]アゼピン−6−オン、(R)−7−アミノ−5−シクロプロピルメチル−5,7−ジヒドロジベンゾ[b,d]アゼピン−6−オン、(S)−7−アミノ−5−(2,2,2−トリフルオロエチル)−5,7−ジヒドロジベンゾ[b,d]アゼピン−6−オン、(R)−7−アミノ−5−(2,2,2−トリフルオロエチル)−5,7−ジヒドロジベンゾ[b,d]アゼピン−6−オンが挙げられる。
上記一般式(4)で表されるアミノベンゾアゼピノン類の具体例としては、Xがエチレン基、又はエテニレン基を示す場合については、1−アミノ−3−メチル−1,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[d]アゼピン−2−オン、1−アミノ−7−フルオロ−3−メチル−1,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[d]アゼピン−2−オン、1−アミノ−3−エチル−1,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[d]アゼピン−2−オン、1−アミノ−3−フェニル−1,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[d]アゼピン−2−オン、1−アミノ−3−ベンジル−1,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[d]アゼピン−2−オン、1−アミノ−3−メチル−1,3−ジヒドロベンゾ[d]アゼピン−2−オン、1−アミノ−1,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[d]アゼピン−2−オンが挙げられ、Xがアリーレン基を示す場合については、7−アミノ−5−メチル−5,7−ジヒドロジベンゾ[b,d]アゼピン−6−オン、7−アミノ−5,7−ジヒドロジベンゾ[b,d]アゼピン−6−オン、7−アミノ−5−シクロプロピルメチル−5,7−ジヒドロジベンゾ[b,d]アゼピン−6−オン、7−アミノ−5−(2,2,2−トリフルオロエチル)−5,7−ジヒドロジベンゾ[b,d]アゼピン−6−オンが挙げられる。
なお、上記一般式(5)及び一般式(4)で表されるアミノベンゾアゼピノン類は、対応する塩として存在することができる。
上記反応のうち還元反応は、公知の方法で任意に実施することができる。例えば、パラジウムカーボン、ラネーニッケル等の重金属触媒を用いた水素添加反応;水素化ホウ素ナトリウム等のヒドリド還元剤を用いた反応;水素化ホウ素ナトリウムと塩化ニッケル、水素化ホウ素ナトリウムと四塩化チタン等のヒドリド還元剤と重金属を組み合わせた還元反応;亜鉛、ナトリウム等の金属単体を用いた還元反応等が挙げられる。
また、上記反応のうち分割は、公知の方法(例えば、国際公開第2002/40451号、及びTetrahedron Asymmetry,2005,16,3814.)に準じて光学活性な酸を分割剤として用いる等の方法で実施できる。ここで分割とは、ラセミ体をR体とS体に分割する通常の光学分割の他、反応系中でラセミ化を起こしながら一方の異性体のみを選択的に得る動的速度論的分割、及び複数の不斉点を持つ化合物でのジアステレオマー分割も含む。また、光学活性カルボン酸を用いた光学活性塩による分割の他、不斉アシル化反応等の微生物の菌体及び/又は該菌体処理物を作用させる方法でもよい。
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
[参考例A1]
N−(2−フェニルエチル)オキサミド酸エチルの製造
フラスコにシュウ酸ジエチル181g(1.24mol)とトルエン500mlを仕込み、2−フェネチルアミン100g(825mmol)を室温で45分かけて滴下した。反応液を60℃に加熱し2時間、更に75℃で2時間反応させた後、室温にてトルエン残量が50ml程度になるまで濃縮した。生じた沈殿をろ別、トルエン約50mlで沈殿を洗浄した。ろ液に50℃でヘキサン400mlを加え結晶を析出させ、更に5℃に冷却、30分撹拌後、結晶をろ過した。結晶をヘキサンで洗浄後乾燥し、白色結晶としてN−(2−フェニルエチル)オキサミド酸エチル158g(710mmol、収率86%)を得た。
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δ1.37(3H,t,J=7.2Hz),2.88(2H,t,J=7.1Hz),3.61(2H,q,J=7.0Hz),4.33(2H,q,J=7.2Hz),7.12(1H,brs),7.17−7.28(3H,m),7.30−7.35(2H,m).
[参考例A2]
3,4−ジヒドロイソキノリン−1−カルボン酸エチルの製造
フラスコに参考例A1の方法で得たN−(2−フェニルエチル)オキサミド酸エチル50g(226mmol)、オキシ塩化リン31.5ml(339mmol)、塩化亜鉛15.4g(113mmol)を仕込み90℃に加熱した。2時間反応後、60℃でトルエン50mlを添加し、更に室温に冷却後、エタノール25mlを添加した。更に水100mlと25%水酸化ナトリウム水溶液200ml、酢酸エチル100mlを加え、混合液をセライトでろ過、酢酸エチル150mlで洗浄した。有機層を分離後、水層を酢酸エチル200mlで再抽出し、有機層を合わせて硫酸マグネシウムで乾燥、濃縮し、粗3,4−ジヒドロイソキノリン−1−カルボン酸エチル44gを得、精製することなく次工程に使用した。
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δ1.43(3H,t,J=7.2Hz),2.74−2.81(2H,m),3.87−3.93(2H,m),4.44(2H,q,J=7.2Hz),7.19−7.23(1H,m),7.29−7.35(1H,m),7.38−7.43(1H,m),7.67−7.72(1H,m).
[参考例A3]
ヨウ化1−エトキシカルボニル−2−メチル−3,4−ジヒドロイソキノリニウムの製造
フラスコに参考例A2の方法で得た粗3,4−ジヒドロイソキノリン−1−カルボン酸エチル1.89gとテトラヒドロフラン9.5mlを仕込み、ヨウ化メチル1.2ml(19mmol)を室温で30分かけて滴下した。3日間反応させた後ろ過、結晶をテトラヒドロフランで洗浄した。乾燥後、黄色結晶としてヨウ化1−エトキシカルボニル−3,4−ジヒドロ−2−メチルイソキノリニウム2.25g(6.52mmol、収率70%)を得た。
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δ1.52(3H,t,J=7.2Hz),3.61(2H,t,J=8.1Hz),4.13(3H,s),4.70(2H,q,J=7.1Hz),4.70(2H,t,J=8.1Hz),7.44−7.55(3H,m),7.77−7.85(1H,m).
[実施例A1]
ヒドロキシイミノ−[2−(2−メチルアミノエチル)フェニル]酢酸エチルの製造
フラスコに参考例A3の方法で得たヨウ化1−エトキシカルボニル−3,4−ジヒドロ−2−メチルイソキノリニウム1.00g(2.90mmol)、ヒドロキシルアミン塩酸塩211mg(3.04mmol)、エタノール2ml、水0.2mlを仕込み、室温で一晩反応させた。ヒドロキシルアミン塩酸塩30mg(0.43mmol)を追添加し8時間反応させた後、25%水酸化ナトリウム水溶液約1gと水6mlを加えpHを9〜10に調整して沈殿を析出させろ過した。沈殿を水で洗浄後乾燥し、白色結晶としてヒドロキシイミノ−[2−(2−メチルアミノエチル)フェニル]酢酸エチル0.51g(2.04mmol、収率70%)を得た。
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δ1.29(3H,t,J=7.2Hz),2.44(3H,s),2.76−2.83(2H,m),2.86−2.92(2H,m),4.29(2H,q,J=7.1Hz),7.08−7.12(1H,m),7.24−7.31(2H,m),7.32−7.37(1H,m).
[参考例A4]
モノメチル硫酸1−エトキシカルボニル−2−メチル−3,4−ジヒドロイソキノリニウムの製造
フラスコに参考例A2の方法で得た粗3,4−ジヒドロイソキノリン−1−カルボン酸エチル60gとエタノール60mlを仕込み、硫酸ジメチル27.8ml(293mmol)を室温で30分かけて滴下した。反応液を一晩放置し、モノメチル硫酸1−エトキシカルボニル−3,4−ジヒドロ−2−メチルイソキノリニウムの溶液を得、このまま次工程に使用した。
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δ1.52(3H,t,J=7.1Hz),3.51(2H,t,J=7.8Hz),3.71(3H,s),4.02(3H,s),4.53(2H,t,J=7.9Hz),4.68(2H,q,J=7.1Hz),7.45−7.53(3H,m),7.75−7.83(1H,m).
[実施例A2]
ヒドロキシイミノ−[2−(2−メチルアミノエチル)フェニル]酢酸エチルの製造
フラスコに参考例A4で得たモノメチル硫酸1−エトキシカルボニル−3,4−ジヒドロ−2−メチルイソキノリニウム溶液に水60ml、ヒドロキシルアミン塩酸塩22.4g(322mmol)を加え、室温で6時間撹拌した。反応液に120mlの酢酸エチルを加えた後、25%水酸化ナトリウム水溶液約103gでpHを9〜10に調整して沈殿を析出させ、溶液を5℃で30分撹拌した後、沈殿をろ過した。沈殿を酢酸エチルで洗浄後乾燥し、白色結晶としてヒドロキシイミノ−[2−(2−メチルアミノエチル)フェニル]酢酸エチル42.2g(169mmol、収率55%、3工程)を得た。
[実施例A3]
1−(ヒドロキシイミノ)−3−メチル−1,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[d]アゼピン−2−オンの製造
フラスコに実施例A2の方法で得られたヒドロキシイミノ−[2−(2−メチルアミノエチル)フェニル]酢酸エチル3.11g(12.5mmol)、ナトリウムエトキシド20%エタノール溶液4.25g(12.5mmol)、エタノール9.3mlを加え、50℃で7時間反応させた。室温に冷却後、酢酸0.72mlを加え濃縮し、生じた固体に酢酸エチル、水を加えて撹拌した。沈殿をろ過、洗浄し、淡褐色固体として1−(ヒドロキシイミノ)−3−メチル−1,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[d]アゼピン−2−オン1.87g(9.2mmol、収率72%)を得た。
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δ3.08(3H,s),3.10−3.16(2H,m),3.70−3.76(2H,m),7.20−7.29(2H,m),7.30−7.35(1H,m),7.74−7.78(1H,m),8.78(1H,brs).
[実施例A4]
1−アミノ−3−メチル−1,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[d]アゼピン−2−オンの製造
フラスコに実施例A2の方法で得られたヒドロキシイミノ−[2−(2−メチルアミノエチル)フェニル]酢酸エチル42.0g(168mmol)、ナトリウムエトキシド20%エタノール溶液57g(168mmol)、エタノール126mlを加え、50℃で5時間反応させ、1−(ヒドロキシイミノ)−3−メチル−1,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[d]アゼピン−2−オンの溶液を得た。この反応液を濃縮後、1N塩酸420ml、5%パラジウム炭素8.9gを加え、室温、水素雰囲気下で8.5時間処理した。反応液をセライトろ過後、ろ液をアルカリ性にてジクロロメタンで抽出した。抽出液を濃縮し、白色固体として1−アミノ−3−メチル−1,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[d]アゼピン−2−オン27.6g(145mmol、収率86%)を得た。
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δ3.02(3H,s),3.15(1H,ddd,J=16.8,10.3,5.8Hz),3.25(1H,dt,J=16.8,5.1Hz),3.36(1H,dt,J=14.6,5.8Hz),4.14(1H,ddd,J=14.6,10.1,4.6Hz),5.25(1H,s),7.09−7.13(1H,m),7.17−7.22(1H,m),7.23−7.28(1H,m),7.68−7.72(1H,m).
[実施例A5]
(S)−1−アミノ−3−メチル−1,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[d]アゼピン−2−オン塩酸塩の製造
フラスコにD−マンデル酸36.8g(242mmol)、2−プロパノール254mlを加え、45℃で溶解させた。この溶液に実施例A4の方法で得られた1−アミノ−3−メチル−1,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[d]アゼピン−2−オン47.0g(247mmol)の酢酸イソプロピル(169ml)溶液を45℃で滴下し、3時間攪拌した。反応液に5−ニトロサリチルアルデヒド2.06g(12.4mmol)を加え、更に13時間攪拌した。室温に冷却後、結晶をろ取した。結晶を酢酸エチル423mlに懸濁させ、50℃で濃塩酸34.3mlを加え、3時間攪拌した。室温に冷却後、結晶をろ取、洗浄、乾燥し、白色結晶として(S)−1−アミノ−3−メチル−1,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[d]アゼピン−2−オン塩酸塩43.6g(192mmol、収率78%、99%ee)を得た。
1H−NMR(400MHz,DMSO−d6)δ2.96(3H,s),3.24−3.34(1H,m),3.42−3.55(2H,m),4.30−4.39(1H,m),5.98(1H,s),7.39−7.50(4H,m),9.01(3H,s).
[実施例A6]
ヒドロキシイミノ−[2−(2−アミノエチル)フェニル]酢酸エチルの製造
フラスコに参考例A2の方法で得た3,4−ジヒドロイソキノリン−1−カルボン酸エチル10.4g(51.2mmol)、ヒドロキシルアミン塩酸塩3.92g(56.4mmol)、エタノール10ml、水10mlを仕込み、室温で7時間反応させた。反応液に25%水酸化ナトリウム水溶液9.0gと食塩2.5gを加えた後、酢酸エチルで繰り返し抽出した。有機層を乾燥後濃縮し、高粘性油状物質としてヒドロキシイミノ−[2−(2−アミノエチル)フェニル]酢酸エチル9.15gを得、このまま次工程に使用した。
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δ1.27(3H,t,J=7.1Hz),2.74(2H,t,J=6.8Hz),3.04(2H,t,J=6.8Hz),4.28(2H,q,J=7.1Hz),7.06−7.11(1H,m),7.16−7.40(3H, m).
[実施例A7]
1−(ヒドロキシイミノ)−1,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[d]アゼピン−2−オンの製造
フラスコに実施例A6の方法で得られたヒドロキシイミノ−[2−(2−アミノエチル)フェニル]酢酸エチル9.15g、ナトリウムエトキシド20%エタノール溶液13.2g(38.7mmol)、エタノール27mlを加え、50℃で3時間反応させた。室温に冷却後、1N塩酸33mlを加え、氷冷下生じた沈殿をろ過、洗浄し、白色固体として1−(ヒドロキシイミノ)−1,3,4,5−テトラヒドロベンゾ[d]アゼピン−2−オン3.30g(17.4mmol、収率34%、2工程)を得た。
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δ3.24(2H,t,J=5.5Hz),3.59−3.65(2H,m),7.46−7.53(2H,m),7.55−7.60(1H,m),7.74−7.78(1H,m),8.36(1H,t,J=5.6Hz),11.84(1H,s).
[参考例B1]
N−ビフェニル−2−イルオキサミド酸エチルの製造
フラスコに2−アミノビフェニル5.08g(30mmol)と酢酸エチル50ml、トリエチルアミン3.1g(30mmol)を仕込み、氷冷下クロログリオキシル酸エチル4.1g(30mmol)を滴下した。反応液を室温で3時間攪拌させた後、酢酸エチル50mlを加え、有機層を1N塩酸30ml、飽和食塩水30mlで順次洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去し、無色結晶としてN−ビフェニル−2−イルオキサミド酸エチル6.8g(24mmol、収率85%)を得た。
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δ1.35(3H,t,J=8.0Hz),4.31(2H,q,J=8.0Hz),7.23−7.55(8H,m),8.48(1H,d,J=8.0Hz),9.10(1H,s).
[参考例B2]
フェナンスリジン−6−カルボン酸エチルの製造
フラスコに参考例B1の方法で得られたN−ビフェニル−2−イルオキサミド酸エチル8.00g(29.7mmol)、オキシ塩化リン13.7g(89mmol)、塩化亜鉛2.03g(14.9mmol)を仕込み120℃に加熱した。7時間反応後、室温で酢酸エチル150mlを加え、氷水100mlに注いだ。25%水酸化ナトリウム50mlを添加、攪拌し、混合液をセライトでろ過、酢酸エチル50mlで洗浄した。有機層を分離、水層を酢酸エチル100mlで再抽出し、有機層を合わせて無水硫酸ナトリウムで乾燥、濃縮し、粗フェナンスリジン−6−カルボン酸エチル4.9g(19.5mmol,収率65%)を得た。
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δ1.54(3H,t,J=8.0Hz),4.64(2H,q,J=8.0Hz),7.72−7.92(4H,m),8.30−8.80(4H,m).
[参考例B3]
モノメチル硫酸6−エトキシカルボニル−5−メチルフェナンスリジニウムの製造
フラスコに参考例B2の方法で得られた粗フェナンスリジン−6−カルボン酸エチル5.0g(20mmol)、硫酸ジメチル2.5g(20mmol)、ニトロメタン30mlを仕込み、加熱還流下2時間反応させた後、冷却した。溶媒を減圧濃縮し、粗モノメチル硫酸6−エトキシカルボニル−5−メチルフェナンスリジニウムを得、このまま次工程に使用した。
[実施例B1]
ヒドロキシイミノ−(2’−メチルアミノビフェニル−2−イル)酢酸エチルの製造
フラスコに参考例B3で得た粗モノメチル硫酸6−エトキシカルボニル−5−メチルフェナンスリジニウム、ヒドロキシルアミン塩酸塩1.54g(22mmol)、酢酸ナトリウム1.8g(22mmol)、水6ml、エタノール6mlを加え、反応液を室温で一晩放置した。反応液に酢酸エチル15ml、水15mlを加えた後、飽和重曹水でpH8〜9に調整して有機層を分離し、水層を酢酸エチル30mlで2度再抽出した。有機層を合わせて、無水硫酸ナトリウムで乾燥した後 溶媒を留去し、黄色油状物として粗ヒドロキシイミノ−(2’−メチルアミノビフェニル−2−イル)酢酸エチル約5gを得、精製することなく次工程に使用した。
[実施例B2]
7−(ヒドロキシイミノ)−5−メチル−5,7−ジヒドロジベンゾ[b,d]アゼピン−6−オンの製造
フラスコに実施例B1で得た粗ヒドロキシイミノ−(2’−メチルアミノビフェニル−2−イル)酢酸エチル約5g、ナトリウムエトキシド20%エタノール溶液6.8g(20mmol)、エタノール15mlを加え、加熱還流下2時間反応させた。室温に冷却後、酢酸1.1mlを加え濃縮し酢酸エチル50mlに溶かし食塩水10mlで洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濃縮、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、淡黄色油状物質として7−(ヒドロキシイミノ)−5−メチル−5,7−ジヒドロジベンゾ[b,d]アゼピン−6−オン1.1g(異性体混合物、約85:15、4.4mmol、収率21%、3工程)を得た。
major isomer:1H−NMR(400MHz,CDCl3)δ3.45(3H,s),7.26−7.65(8H,m),8.25(1H,brs).
本発明は、ベンゼン環に6員環の縮環した合成の容易なイソキノリン誘導体から、開環反応と閉環反応を組み合わせることで、ベンゼン環に7員環の縮環した化合物である通常合成の困難なベンゾアゼピノン類へと変換する画期的製造方法であり、これまで安価かつ実用的な合成法のなかったベンゾアゼピノン類を製造する汎用的な手法である。また、本発明により、新規な2−イミノカルボン酸誘導体とその工業的に好ましい効率的製造法を見出し、更にベンゾアゼピノン類への変換法を確立した。これにより、医農薬中間体として有用な化合物であるベンゾアゼピノン類並びに光学活性アミノベンゾアゼピノン類を安価かつ実用的な条件で製造することが可能となった。本発明の手法によって製造されるベンゾアゼピノン類は、光学活性1−アミノベンゾ[d]アゼピン−2−オン類等を経由して、アルツハイマー病治療薬として有用なことが知られている薬剤等に誘導可能であることから、医農薬中間体として有用な化合物であり、実用上適した工業的製造方法を提供する本発明は、産業上高い利用価値を有する。

Claims (8)

  1. 下記一般式(1)
    Figure 0005198877
    (式中、Rはアルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、又はアミノ基、R〜Rはそれぞれ独立して、水素原子、アルコキシ基、アミノ基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、又は炭素数1〜10のアルキル基又はアリール基を示し、Xはエチレン基、エテニレン基又はアリーレン基を示す。また、Qは3級又は4級の窒素原子であり、4級の場合、炭素数1〜10のアルキル基又はアリール基のいずれかで置換され、対イオンYを持つ。ここで、Yはハロゲン化物イオン、鉱酸イオンアルキル硫酸イオン、メシル酸イオン、トシル酸イオン、アルキルスルホン酸イオン、有機酸イオン、水酸化物イオンであり、複数の対イオンを混合して有していてもよい。)で表されるイソキノリン誘導体をアミン又はその塩と反応させることにより開環させた後、生じたアミンによるラクタム化反応によりベンゾアゼピノン類へと変換することを特徴とする、下記一般式(2)
    Figure 0005198877
    (式中、R〜R及びXは前述と同義であり、Rは水素原子、水酸基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミノ基又は炭素数1〜10のアルキル基又はアリール基、Rは水素原子、又は炭素数1〜10のアルキル基又はアリール基を示す。)で表されるベンゾアゼピノン類及びその塩の製造方法。
  2. 請求項1に記載の方法により下記一般式(2)
    Figure 0005198877
    (式中、R〜Rはそれぞれ独立して、水素原子、アルコキシ基、アミノ基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、又は炭素数1〜10のアルキル基又はアリール基を示し、Rは水素原子、水酸基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミノ基又は炭素数1〜10のアルキル基又はアリール基、Rは水素原子、又は炭素数1〜10のアルキル基又はアリール基を示す。Xはエチレン基、エテニレン基又はアリーレン基を示す。)で表されるベンゾアゼピノン類又はその塩を製造する工程;及び上記で製造された一般式(2)で表されるベンゾアゼピノン類又はその塩を還元することにより、下記一般式(4)
    Figure 0005198877
    (式中、R〜R、R、及びXは前述と同義である)で表されるアミノベンゾアゼピノン類へと変換する工程を含む、アミノベンゾアゼピノン類およびその塩の製造方法。
  3. アミノベンゾアゼピノン類を光学活性なアミノベンゾアゼピノン類に分割することをさらに含む、請求項2に記載の方法。
  4. 下記一般式(1)
    Figure 0005198877
    (式中、Rはアルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、又はアミノ基、R〜Rはそれぞれ独立して、水素原子、アルコキシ基、アミノ基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、又は炭素数1〜10のアルキル基又はアリール基を示し、Xはエチレン基、エテニレン基又はアリーレン基を示す。また、Qは3級又は4級の窒素原子であり、4級の場合、炭素数1〜10のアルキル基又はアリール基のいずれかで置換され、対イオンYを持つ。ここで、Yはハロゲン化物イオン、鉱酸イオンアルキル硫酸イオン、メシル酸イオン、トシル酸イオン、アルキルスルホン酸イオン、有機酸イオン、水酸化物イオンであり、複数の対イオンを混合して有していてもよい。)で表されるイソキノリン誘導体をアミン又はその塩と反応させることを特徴とする、下記一般式(3)
    Figure 0005198877
    (式中、R〜R及びXは前述と同義であり、Rは水素原子、水酸基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミノ基又は炭素数1〜10のアルキル基又はアリール基、Rは水素原子、又は炭素数1〜10のアルキル基又はアリール基を示す。)で表される2−イミノカルボン酸誘導体及びその塩の製造方法。
  5. 下記一般式(3)
    Figure 0005198877
    (式中、Rはアルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、又はアミノ基、R〜Rはそれぞれ独立して、水素原子、アルコキシ基、アミノ基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、又は炭素数1〜10のアルキル基又はアリール基を示す。Rは水素原子、水酸基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミノ基又は炭素数1〜10のアルキル基又はアリール基、Rは水素原子、又は炭素数1〜10のアルキル基又はアリール基を示す。Xはエチレン基、エテニレン基又はアリーレン基を示す。)で表される2−イミノカルボン酸誘導体又はその塩をラクタム化することを特徴とする、下記一般式(2)
    Figure 0005198877
    (式中、R〜R及びXは前述と同義。)で表されるベンゾアゼピノン類及びその塩の製造方法。
  6. 下記一般式(3)
    Figure 0005198877
    (式中、Rはアルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、又はアミノ基、R〜Rはそれぞれ独立して、水素原子、アルコキシ基、アミノ基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、又は炭素数1〜10のアルキル基又はアリール基を示す。Rは水素原子、水酸基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アミノ基又は炭素数1〜10のアルキル基又はアリール基、Rは水素原子、又は炭素数1〜10のアルキル基又はアリール基を示す。Xはエチレン基、エテニレン基又はアリーレン基を示す。)で表される2−イミノカルボン酸誘導体及びその塩。
  7. 下記一般式(1a)
    Figure 0005198877
    (式中、Rはアルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、又はアミノ基を示し、Rは、炭素数1〜10のアルキル基又はアリール基を示す。Yはハロゲン化物イオン、鉱酸イオンアルキル硫酸イオン、メシル酸イオン、トシル酸イオン、アルキルスルホン酸イオン、有機酸イオン、水酸化物イオンであり、複数の対イオンを混合して有していてもよい。)で表される3,4−ジヒドロイソキノリニウム塩類。
  8. 1 がアルコキシ基を示す、請求項7に記載の3,4−ジヒドロイソキノリニウム塩類。
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