JP5197579B2 - 既知の配列に隣接した未知のdna配列を増幅する方法 - Google Patents

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Description

本発明は、既知のヌクレオチド配列に隣接した未知のヌクレオチド配列を増幅する方法に関し、さらに詳細には、特異的にデザインされたプライマーを利用して、未知のヌクレオチド配列を増幅する方法及びその応用に関する。
重合酵素連鎖反応(PCR)は、特定DNA断片を選別的に増幅する最も効果的な方法である。PCR過程において、ターゲット核酸に隣接している5’及び3’配列に相補的なオリゴヌクレオチドが‘プライマー’として利用されて、これは重要な役割をする。
特定DNA部位を分離して分析するためにPCRを適用する場合、目的の部位に隣接したDNA配列に対する情報が要求される。このような要求は、既知のDNA配列の部位に対する増幅反応のみを可能にする。必須的な配列情報がない場合、複合的なDNAポピュレーションにあるターゲットDNA断片に対するPCR増幅は、非−ターゲットDNAを増幅する結果を招来する可能性がある。
既知の配列に隣接した未知のDNA配列を分離するために、PCRに基づく数々の方法が開発された。これらの方法は、インバースPCR(Triglia et al., 1988)、パンハンドルPCR(Shyamala et al., 1989; Jones及びWinistorfer, 1997)、Vectorette PCR(Arnold et al., 1991)、anchored PCR(Roux et al., 1990)、AP−PCR(Dominguez et al.,1994; Trueba and Johnson, 1996)、capture PCR(Lagerstrom et al., 1991)、及びアダプター−またはカセット−連結PCR(Iwahana et al., 1994; Riley et al., 1990; Siebert et al., 1995; Willems, 1998; Kilstrup and Kristiansen, 2000)を含む。
しかしながら上記の方法は、制限酵素でDNAを切断し、切断されたDNAをリンカーまたは二本鎖、部分二本鎖または一本鎖オリゴヌクレオチドカセットとライゲーションした後、シーケンシング前に生成物を精製及び/またはサブクローニングする必要性があるなどの制限点を有している。このような過程の必要性により、上記の方法の便宜性及び効率性が低下する。また、前記の方法において、ベクター、アダプター、カセットまたはテールプライマーの非−特異的結合により招来される高いバックグラウンド及び非−特異的産物の形成のような共通の問題点が発見される。
したがって、ネステッド(nested)PCRを実施する前に、バイオチン化目的の断片をキャプチャリングするバイオチン/ストレプトアビジンシステムが新規な方法論として提示された(Rosenthal and Jones, 1990; Mishra et al. 2002)。この方法は、ノイズを減少させて、既知の配列に隣接した部位を増幅できるようにする点では改善を示すが、複雑な固定化過程を要求して、高い費用が所要される問題がある。
本明細書全体にかけて多数の特許文献及び論文が参照されて、その引用が表示されている。引用された特許文献及び論文の開示内容は、その全体が本明細書に参照として取り込まれ、本発明の属する技術分野の水準及び本発明の内容がより明確に説明される。
上述の従来の技術の短所を克服するために、本発明者は、未知の配列を増幅するにおいて、高いバックグラウンド問題点を基本的に完璧に除去できる方法を開発しようと鋭意研究した結果、高い信頼性で、より便利な方式により未知の配列を増幅できる、既知の配列に隣接した未知の配列の新規な増幅方法を開発した。
したがって、本発明の目的は、既知のヌクレオチド配列に隣接した未知のヌクレオチド配列を増幅する方法を提供することにある。
本発明の他の目的は、未知のヌクレオチド配列を増幅するためのターゲット特異的プライマーを提供することにある。
本発明のまた他の目的は、未知のヌクレオチド配列を増幅するためのキットを提供することにある。
本発明の他の目的及び利点は、発明の詳細な説明、請求の範囲及び図面により、さらに明確にされる。
本発明の一様態によると、本発明は、DNAウォーキングアニーリング調節プライマー(DW-ACP)及び既知(known)のヌクレオチド配列の一位置に混成化できる第1ターゲット−特異的プライマー(TSP)を利用して、未知のヌクレオチド配列を第1増幅(primary amplification)するステップ(a)を含み、 前記ステップ(a)は、以下の過程を含むことを特徴とする、既知のヌクレオチド配列に隣接した未知のヌクレオチド配列を増幅する方法を提供する:
(a-1)第1アニーリング温度で第1縮退性(degenerate)DW−ACPを利用する前記未知のヌクレオチド配列の第1段階の増幅(first-stage amplification)を行うステップであって、前記ステップは、プライマーアニーリング、プライマー延長及び変性(denaturing)の少なくとも一サイクルを含み、前記第1縮退性DW−ACPは、(i)前記未知のヌクレオチド配列に混成化される縮退性ランダムヌクレオチド配列及び(ii)前記未知のヌクレオチド配列の一位置に実質的に相補的な混成化ヌクレオチド配列を含み、前記第1アニーリング温度は、前記第1縮退性DW−ACPがプライマーとして作用するようにし、これにより第1縮退性 DW−ACP延長産物が生成されて;そして、
(a-2)前記第1アニーリング温度より高い第2アニーリング温度で、ステップ(a-1)で生成された増幅産物の第2段階の増幅(second-stage amplification)を行うステップであって、前記ステップ(a-1)で使用された第1縮退性DW−ACP及び前記第1TSPを利用したプライマーアニーリング、プライマー延長及び変性の少なくとも一サイクルを含み、前記第2段階の増幅は、前記それぞれのプライマーがターゲットヌクレオチド配列とアニーリングされる条件下で行われて、これにより、第1増幅産物(primary amplification product)が生成される。
本発明は、DNAウォーキングアニーリング調節プライマー(以下、‘DW-ACP’という)及び新規なターゲット特異的プライマーを利用して、DNAまたは核酸混合物から、既知の配列の一部分に隣接した未知のDNA配列を選別的に増幅する独特の方法に関する。
複雑で多い段階及びPCRに基づく方法の内在的なバックグラウンドの問題点を克服するために、本発明者により開発されたWO 03/050305に開示されているアニーリング調節プライマー(Annealing Control Primer: ACP)システムを変形して、既知配列の一部分に隣接した未知配列の選別的増幅に適用した。ACPシステムは、増幅反応の特異性(specificity)を大きく改善できるため、ACPを利用することは、増幅過程において、プライマーの非−特異的プライミングを根本的に抑制することができるだけではなく、本発明において、増幅過程を単純化させることができる。
本発明の好ましい具現例によると、前記第1縮退性DW−ACPは、次の一般式Iで表される。
5’−Xp−Yq−Zr−Qs−3’ (I)
式中、前記Xpは、前−選択ヌクレオチド配列を有する5’−末端部位を示し、前記Yqは、少なくとも二つのユニバーサル塩基または非区別性塩基類似体を含む調節子部位を示し、前記Zrは、縮退性ランダム配列ヌクレオチド配列を有する縮退性ランダム配列部位を示して、前記Qsは、前記未知ヌクレオチド配列の一位置に実質的に相補的な混成化ヌクレオチド配列を有する3’−末端部位を示し、前記p、q、r及びsは、ヌクレオチドの数であり、前記X、Y、Z及びQは、デオキシリボヌクレオチド(deoxyribonucleotide)またはリボヌクレオチド(ribonucleotide)である。
本発明の第1縮退性DW−ACPは、既知のヌクレオチド配列に隣接した未知のヌクレオチド配列を増幅するために開発されたもので、本発明者により開発されたWO 03/050305に開示されているアニーリング調節プライマーの原理を利用且つ変形して、前記特許文献の教示事項は、本明細書に参照として取り込まれる。
第1縮退性DW−ACPの原理は、少なくとも二つのユニバーサル塩基または非区別性塩基類似体残基を含む調節子部位により分離された、明確な3’−及び5’−末端部位を有するオリゴヌクレオチドプライマーの組成、そしてオリゴヌクレオチドプライマーにおいて、3’−及び5’−末端部位に対する調節子部位の影響に基づく。第1縮退性DW−ACPの3’−及び5’−末端部位の間にある調節子部位の存在は、プライマーアニーリング特異性の改善を招来する主要素として作用する。
用語‘核酸’または‘ヌクレオチド’は、一本鎖または二本鎖形態のデオキシリボヌクレオチドまたはリボヌクレオチド重合体であり、特に言及しない限り、天然ヌクレオチドの公知類似体を含む。したがって、本発明の第1縮退性DW−ACPは、一本鎖または二本鎖gDNA、cDNAまたはmRNA鋳型を利用した核酸増幅に利用できる。本発明のプライマーと関連して使用される用語‘部位(portion)’は、調節子部位のような介入部位により分離されたヌクレオチド配列を意味する。用語‘3− 末端部位 ’または‘5−末端部位’は、調節子部位により分離された、本発明のプライマーの3’−末端または5’−末端にあるヌクレオチド配列を意味する。
本明細書で使用される用語‘プライマー’は、合成または天然のオリゴヌクレオチドを意味する。プライマーは、核酸鎖(鋳型)に相補的なプライマー延長産物の合成が誘導される条件、即ち、ヌクレオチドとDNA重合酵素のような重合剤の存在、そして適合した温度とpHの条件で、合成の開始点として作用する。増幅の最大効率のために、好ましくは、プライマーは一本鎖である。好ましくは、プライマーは、オリゴデオキシリボヌクレオチドである。本発明のプライマーは、天然(naturally occurring)dNMP(即ち、dAMP, dGMP, dCMP及びdTMP)、変形ヌクレオチドまたは非天然ヌクレオチドを含む。
プライマーと関わって使用される用語‘実質的に相補的な(substantially complementary)’は、所定のアニーリング条件下で、プライマーが鋳型核酸配列に選択的に混成化できる程度に十分相補的であることを意味し、アニーリングされたプライマーは、重合酵素により延長され、ヌクレオチド配列の相補体を生成する。したがって、前記用語は、‘完全に相補的な(perfectly complementary)’及びこれに関わる用語とは異なる意味を有する。
縮退性プライマーにおいて不確実な位置のヌクレオチドがユニバーサル塩基または非区別性塩基類似体により置換されることは公知の事実であって、前記ユニバーサル塩基は、デオキシイノシン(Ohtsuka et al, 1985; Sakanari et al.,1989)、1−(2’−デオキシ−β−D−リボフラノシル)−3−ニトロピロール(Nichols et al., 1994)及び5−ニトロインドール(Loakes and Brown, 1994)を含み、前記塩基は4種の従来塩基と非特異的に塩基対をなすため、縮退性プライマーのデザインに関わる問題点の解決に利用される。しかしながら、デオキシイノシン、1−(2’−デオキシ−β−D−リボフラノシル)−3−ニトロピロール及び5−ニトロインドールのようなユニバーサル塩基または非区別性塩基類似体が、未知のヌクレオチド配列を増幅するためのプライマー、即ちDNAウォーキングプライマーにおいて、アニーリング温度によってプライマー内のそれぞれの機能的部位を区別するような調節子役割をすることができるということについては、いかなる報告もされていない。
用語‘ユニバーサル塩基(universal base)または非区別性塩基類似体(non-discriminatory base analog)’は、天然のDNA/RNA塩基に対して、区別なく天然のDNA/RNA塩基のそれぞれと塩基対を形成することができる塩基を意味する。
本発明の好ましい具現例によると、前記ユニバーサル塩基または非区別性塩基類似体は、デオキシイノシン、イノシン、7−デアザ−2’−デオキシイノシン、2−アザ−2’−デオキシイノシン、2’−OMeイノシン、2’−Fイノシン、デオキシ3−ニトロピロール、3−ニトロピロール、2’−OMe3−ニトロピロール、2’−F3−ニトロピロール、1−(2’−デオキシ−β−D−リボフラノシル)−3−ニトロピロール、デオキシ5−ニトロピロール、5−ニトロインドール、2’−OMe5−ニトロインドール、2’−F5−ニトロインドール、デオキシ4−ニトロベンズイミダゾール、4−ニトロベンズイミダゾール、デオキシ4−アミノベンズイミダゾール、4−アミノベンズイミダゾール、デオキシネブラリン、2’−Fネブラリン、2’−F4−ニトロベンズイミダゾール、PNA−5−イントロインドール、PNA−ネブラリン、PNA−イノシン、PNA−4−ニトロベンズイミダゾール、PNA−3−ニトロピロール、モルフォリノ−5−ニトロインドール、モルフォリノ−ネブラリン、モルフォリノ−イノシン、モルフォリノ−4−ニトロベンズイミダゾール、モルフォリノ−3−ニトロピロール、ホスホルアミデート−5−ニトロインドール、ホスホルアミデート−ネブラリン、ホスホルアミデート−イノシン、ホスホルアミデート−4−ニトロベンズイミダゾール、ホスホルアミデート−3−ニトロピロール、2’−O−メトキシエチルイノシン、2’−O−メトキシエチルネブラリン、2’−O−メトキシエチル5−ニトロインドール、2’−O−メトキシエチル4−ニトロ−ベンズイミダゾール、2’−O−メトキシエチル3−ニトロピロール、及び前記塩基の組み合せを含むが、これらに限定されるものではない。より好ましくは、ユニバーサル塩基または非区別性塩基類似体残基は、デオキシイノシン、イノシン、1−(2’−デオキシ−β−D−リボフラノシル)−3−ニトロピロールまたは5−ニトロインドールであり、最も好ましくは、デオキシイノシンである。
プライマー内に前記デオキシイノシンのような前記ユニバーサル塩基を有するポリデオキシヌクレオチドの存在は、塩基対における弱い水素結合の相互作用のため、低いアニーリング温度を招来する。このような理論を拡張し、本発明者は、プライマーの縮退性配列部位と3’−末端部位及び5’−末端部位間にユニバーサル塩基を有するポリデオキシヌクレオチドが存在すると、低い融解温度を有する部分を形成させて、この部分は、縮退性配列部位と3’−末端部位及び5’−末端部位のそれぞれに境界を形成させ、これは、特定温度において縮退性配列部位と3’−末端部位がターゲット配列にアニーリングすることを促進させるということを推論した。このような理論は、本発明の第1縮退性DW−ACPの基礎を提供する。
第1縮退性DW−ACPにおいて調節子部位は、アニーリング温度によってプライマーのアニーリング部位(即ち、縮退性ランダム配列及び3’−末端部位)を調節することができる。前記調節子部位は、5’−末端部位配列が鋳型にアニーリングすることを抑制するだけではなく、第1アニーリング温度においてプライマーのアニーリング部位を縮退性配列部位と3’−末端部位に限定する作用をする。したがって、前記調節子部位は、第1縮退性DW−ACPの縮退性配列部位と3’−末端部位の鋳型に対するアニーリングを大きく改善する。
本発明の好ましい具現例において、前記第1DW−ACPの調節子部位は、 5’−末端部位と縮退性配列部位との間に少なくとも三つのユニバーサル塩基または非区別性塩基類似体を含み、より好ましくは、少なくとも四つのユニバーサル塩基または非区別性塩基類似体を含む。有利には、前記第1DW−ACPの5’−末端部位と縮退性配列部位との間にあるユニバーサル塩基残基の長さは、最大10残基である。本発明の一具現例によると、前記第1DW−ACPの調節子部位は、2〜10個のユニバーサル塩基または非区別性塩基類似体を含む。最も好ましくは、前記第1縮退性DW−ACPの5’−末端部位と縮退性配列部位との間にあるユニバーサル塩基は、約3〜5残基の長さを有する。前記ユニバーサル塩基または非区別性塩基類似体は、連続的または断続的(intermittent)、好ましくは、連続的に存在する。
前記第1縮退性DW−ACPの5’−末端部位は、アニーリング特異性に部分的に寄与する。重要なことであるが、5’−末端部位は、増幅反応の最初のラウンド以後の後続の増幅反応において、単独または他の部位と共にプライミング位置として作用する。
本発明の好ましい具現例によると、前記5’−末端部位の前−選択(pre-selected)ヌクレオチド配列は、鋳型核酸上のいかなる位置に対しても実質的に相補的ではない。
一般に、前記第1縮退性DW−ACPの5’−末端部位は、少なくとも10個のヌクレオチドを含む。好ましくは、5’−末端部位配列の長さは、最大60ヌクレオチドである。より好ましくは、5’−末端部位の長さは、6〜50ヌクレオチド、最も好ましくは、18〜25ヌクレオチドである。5’−末端部位においてより長い配列が利用されると、第1縮退性DW−ACPの効率が減少し、より短い配列が利用されると、高厳格条件下でアニーリング効率が減少する。
本発明の具現例において、前記5’−末端部位の前−選択ヌクレオチド配列は、T3プロモーター配列、T7プロモーター配列、SP6プロモーター配列及びM13前方向または逆方向ユニバーサル配列のようなユニバーサルプライマー配列を含むことができる。
本発明の一具現例によると、前記DW−ACPの利点、即ち、アニーリング特異性の改善が損傷されない範囲内で、第1縮退性DW−ACPの5’−末端部位を変形することができる。例えば、5’−末端部位は、制限酵素の認識配列を含むことができ、前記配列は、増幅産物が適合なベクター内にクローニングすることを容易にする。また、5’−末端部位は、増幅産物の検出または分離用標識を有する少なくとも一つのヌクレオチドを含むことができる。適合した標識は、蛍光団、発色団、化学発光団、磁気粒子、放射性同位元素、マス標識、電子密集粒子、酵素、助因子、酵素に対する基質、そして抗体、ストレプトアビジン、バイオチン、ジゴキシゲニン、キレート基のような特定結合パートナーを有するヘプテンを含むが、これらに限定されるものではない。また、5’−末端部位は、バクテリオファージRNA重合酵素プロモーター部分を含むことができる。
第1縮退性DW−ACPの縮退性ランダム配列部位は、調節子と5’−末端部位との間に位置する。用語‘縮退性ランダム配列’部位は、4種のデオキシリボヌクレオチド、即ち、dATP、dTTP、dCTP及びdGTPのいずれか一つによりそれぞれのヌクレオチドが占めるヌクレオチド配列を意味する。したがって、前記縮退性ランダム配列部位は、多様なヌクレオチド配列を有するプライマーの一プールを提供して、この中、少なくとも一つは、鋳型の未知のターゲット配列上にある一位置にアニーリングされると期待される。例えば、前記縮退性ランダム配列部位に3種の縮退性ヌクレオチドを含む前記第1縮退性DW−ACPが合成される場合、64種のオリゴヌクレオチドが生成され得る。したがって、前記縮退性ランダム配列部位の利用は、前記第1縮退性DW−ACPが、特定されていないターゲット核酸に混成化される可能性をさらに増加させる。前記縮退性配列及び3’−末端部位配列を含む第1縮退性DW−ACPのターゲットコアー配列が鋳型の一位置に混成化される場合、第1縮退性DW−ACPの縮退性部位及び3’−末端部位配列の相補的結合位置が鋳型の未知のターゲット配列に幾つか存在するようになる。本発明者は、既知配列のターゲット−特異的プライマー配列から最も近接した距離にある一つのターゲット−結合位置に第1縮退性DW−ACPが結合し、一般に一つの主ターゲット産物が生成されることを観察した。ターゲット−特異的プライマー配列からより離隔された位置に存在する他の結合位置に混成化されるプライマーは、あまり産物を生成しないが、その理由は、ターゲット−特異的プライマー配列から最も近接した結合位置に混成化されたプライマーが延長されると、これは、他の結合位置に混成化されたプライマーの延長を妨害する可能性があるからである。
前記3’−末端部位の長さ、増幅反応収率及び増幅されるヌクレオチドの長さのような多様な考慮事項によって、前記第1縮退性DW−ACPの縮退性ランダム配列部位の長さが定められる。例えば、前記縮退性配列部位の長さが増加すると、本発明で増幅収率が減少する。一般に、前記縮退性配列部位の長さは、1〜5、好ましくは2〜5、より好ましくは2〜4、最も好ましくは3である。
前記第1縮退性DW−ACPの3’−末端部位は、未知のヌクレオチド配列上の一位置に実質的に相補的なヌクレオチド配列を有する。前記第1縮退性DW−ACPの3’−末端部位は、第1縮退性DW−ACPがプライマーとしての作用をすることができる範囲内において、未知のヌクレオチド配列の一位置に対する一つまたはそれ以上のミスマッチを有し得ることは当然のことである。最も好ましくは、前記第1縮退性DW−ACPの3’−末端部位は、未知のヌクレオチド配列の一位置に完全に相補的な、即ちミスマッチされる配列のないヌクレオチド配列を有する。
前記第1縮退性DW−ACPの3’−末端部位は、未知の配列の一位置に混成化されるヌクレオチド配列、即ち、‘アービトラリー(arbitrary)’ヌクレオチド配列を有する。用語‘アービトラリーヌクレオチド配列’は、増幅される未知の核酸配列に対する情報無しに選択されるヌクレオチド配列を意味する。
一般に、前記第1縮退性DW−ACPの3’−末端部位の長さは、少なくとも3ヌクレオチドである。前記第1縮退性DW−ACPのアニーリング部位(即ち、縮退性配列及び3’−末端部位)の長さが少なくとも6ヌクレオチドであることは重要な事項であって、この長さは、プライマーが特異性を有してアニーリングするに要求される最小長さ要件と判断される。実際的に、前記特異性を有するプライマーアニーリングは、アニーリング部位が少なくとも8ヌクレオチドである場合、保障できる。好ましくは、前記3’−末端部位の長さは、3〜20ヌクレオチド、より好ましくは、3〜10ヌクレオチド、最も好ましくは、4〜6ヌクレオチドである。
前記第1縮退性DW−ACPの3’−末端部位は、特定アービトラリーヌクレオチド配列を有するように準備される。前記特定アービトラリーヌクレオチド配列は、5’−ANNATGN−3’のような解読開始コドンATGを含むmRNAのコザック配列を含むことができ、前記Nは、4種のデオキシヌクレオチドのいずれか一つである(McBratney and Sarnow, 1996)。また、前記特定アービトラリーヌクレオチド配列は、標準のポリアデニル化シグナル配列‘AATAAAを含むことができる(Juretic and Theus, 1991)。選択的に、前記第1縮退性DW−ACPの3’−末端部位の5’−末端にあるヌクレオチドは、4種のデオキシヌクレオチドのいずれか一つを有するように多様化することができ、これにより3’−末端部位のヌクレオチド配列の側面で、4種類の第1縮退性DW−ACPが得られる。
本発明の好ましい具現例によると、前記DW−ACPの3’−末端部位の配列は、次の要素を考慮して選択される:(1)少なくとも2kb毎に存在する配列及び(2)高GC比率(好ましくは75%以上)。本発明の好ましい具現例によると、前記第1DW−ACPの3’−末端部位の配列は、GGTCまたはCACGである。
前記第1縮退性DW−ACPの3’−末端部位の長さは、増幅されるヌクレオチドの長さ、縮退性配列部位の長さ及び増幅収率のような多様な考慮事項に基づいて定められる。例えば、前記3’−末端部位が4個のアービトラリーヌクレオチドを有する場合、理論的に4−塩基配列の組み合わせは、鋳型において256bp毎に一度存在することができる。したがって、増幅されるヌクレオチドの長さは、256bp以上となる。
前記第1縮退性DW−ACPの全長は、好ましくは20〜80ヌクレオチドであり、より好ましくは、28〜50ヌクレオチドであって、最も好ましくは、30〜40ヌクレオチドである。
本発明の方法において、鋳型の既知のヌクレオチド配列上にある一位置に対する実質的に相補的な第1ターゲット−特異的プライマーが利用される。第1ターゲット−特異的プライマーを言及しながら使用される用語‘実質的に相補的’は、第1縮退性DW−ACPに対して使用される用語と同一な意味を有する。
本発明の好ましい具現例によると、前記ターゲット特異的プライマー(TSPs)は、次の一般式IIIを有する。
5’−X”p−Y”q−Z”r−3’ (III)
式中、前記X”は、混成化する既知のヌクレオチドの一位置と実質的に相補的な混成化ヌクレオチド配列を有する5’−高Tm特異性部位を示して、前記Y”は、少なくとも2つ以上のユニバーサル塩基を含む分割区域を示し、前記Z”は、混成化するターゲット配列と実質的に相補的な混成化配列を有する3’−低Tm特異性部位を示して、前記p、q、及びrは、ヌクレオチドの個数であり、前記X、Y、及びZは、デオキシリボヌクレオチドまたはリボヌクレオチドであって、前記5’−高Tm特異性部位のTmは、前記3’−低Tm特異性部位のTmより高く、前記分割部位は、前記3つの区域のうち、最も低いTmを有して、前記分割部位は、前記5’−高Tm特異性部位と前記3’−低Tm特異性部位が鋳型核酸と混成化される場合、非塩基対バブル構造を形成して、前記分割部位は、鋳型核酸に対するアニーリング特異性側面で、前記5’−高Tm特異性部位が3’−低Tm特異性部位から分割されるようにして、前記プライマーのアニーリング特異性は、前記5’−高Tm特異性部位と前記3’−低Tm特異性部位により二重的に決定され、その結果、前記プライマーの全体アニーリング特異性が増加される。
前記一般式IIIを有するターゲット特異的プライマーは、増幅反応において、アニーリング特異性を大きく増加させるために、本発明者により新しく開発されたもので、PCT/KR2006/000746として国際特許出願をした。前記一般式IIIを有するオリゴヌクレオチドは、二重特異性オリゴヌクレオチド(dual specificity oligonucleotide)と命名する。
本明細書で使用された前記二重特異性オリゴヌクレオチド(以下、“DS oligo”という)を言及しながら使用される用語‘二重特異性(dual specificity)’は、ターゲット配列に対するアニーリング特異性が、二つの部位(5’−高Tm特異性部位及び3’−低Tm特異性部位)を分割して二重に決定される独特な特徴を記述するために使用されたものである。一般に、プライマーまたはプローブのアニーリング特異性は、連続された塩基配列により決定される。その反面、前記DS oligoの混成化特異性は、分割部位により分離された二つの部位(5’−高Tm特異性部位及び3’−低Tm特異性部位)により二重に決定されて、前記三つの部位は、一つのオリゴヌクレオチド配列内に位置する。前記二重特異性は、プライマー及びプローブとしてDS oligoが非常に高い特異性を示すようにするだけではなく、従来技術では見られない新しい技術である。
一方、本発明者により開発されたWO 03/050303に開示されているアニーリング調節プライマー(ACP)の原理を利用且つ変形して、前記特許文献の教示内容は、本明細書に参照として取り込まれる。本発明のDS oligoは、以下のような側面において、前記ACPと明らかに区別される:(i)前記DS oligoは、ターゲット配列と混成化できる二つの特異性部位を有するが、前記ACPは、一つの特異性部位を有して、(ii)前記DS oligoにおける三つの部位は、Tm側面で明確に区別される反面、前記ACPは区別がなく、(iii)前記DSプライマーは、5’−高Tm特異性部位と3’−低Tm特異性部位部位によりアニーリングされる場合にのみ、鋳型に相補的な核酸分子を合成して延長される反面、前記ACPは、3’−末端部位によりアニーリングする場合にのみ延長されて、(iv)その結果、前記DS oligoのアニーリングまたは混成化特異性は、二つの部位(5’−高Tm特異性部位及び3’−低Tm特異性部位)により二重に決定されるが、前記ACPの特異性は、専ら3’−末端部位のみにより決定される。したがって、前記DS oligoのアニーリングまたは混成化特異性は、前記APCの特異性より非常に高いことが分かり、前記DS oligoは、前記ACPでは見られない新しい特異性を有している。
前記DS oligoの格別な特徴は、一つのオリゴヌクレオチド分子内に、区分される特性を有する三つの異なる部位(5’−高Tm特異性部位、3’−低Tm特異性部位、及び分割部位)を有することである。
前記DS oligoは、鋳型依存的延長反応を含む多様な方法と分析に有用である。本明細書に使用された用語“鋳型依存的延長反応(template-dependent extension reaction)”は、ターゲット配列に混成化されたオリゴヌクレオチド分子の末端部位(moiety)に連続的なヌクレオチドを結合させて延長する反応を意味し、延長された配列は、相補的な鋳型配列により決定される。
前記DS oligoの5’−高Tm特異性部位のみが鋳型にアニーリングされる場合、鋳型依存的延長においてプライミング位置として作用できず、延長反応も発生しない。
前記DS oligoの5’−高Tm特異性部位が非ターゲット配列にアニーリングされる場合、短い配列を有する3’−低Tm特異性部位は、非ターゲット配列にアニーリングされない。その理由は、分割部位が、5’−高Tm特異性部位と3’−低Tm特異性部位を、アニーリング発生の観点で分離させるからである。即ち、3’−低Tm特異性部位は、5’−高Tm特異性部位から相対的に独立的な方式でアニーリングが起こって、5’−高Tm特異性部位のアニーリングは、3’−低Tm特異性部位のアニーリングにおいて、ほとんど影響を与えない。このような理由で、非ターゲット配列に対する前記3’−低Tm特異性部位のアニーリング傾向は、非常に低くなる。
前記3’−低Tm特異性部位のみが非ターゲット位置に相補的な配列を有する場合は、特定の高い厳格条件(例えば、5’−高Tm特異性部位のアニーリングのための厳格条件)ではアニーリングが起こらない。本発明の好ましい具現例によると、本発明は、前記3’−低Tm特異性部位のTmより高いアニーリング温度を有する厳格条件下で、前記DS oligoを使用する鋳型依存的延長反応を実施することが有利である。
前記5’−高Tm特異性部位及び前記3’−低Tm特異性部位が両方とも鋳型と実質的に相補的な配列を有する場合、前記DS oligoは前記鋳型にアニーリングされることができて、これにより、成功的な延長反応が可能である。
理論に拘束されずに判断すると、前記分割部位が3’−低Tm特異性部位を、アニーリング条件(例えば、温度及び配列相補性)にさらに敏感になるようにすると判断される。したがって、前記3’−低Tm特異性部位と非ターゲット配列との間に非特異的混成化が生じる可能性は、特定アニーリング(または厳格)条件下でさらに低くなる。前記3’−低Tm特異性部位だけではなく、前記5’−高Tm特異性部位がそれぞれのターゲット配列にアニーリングされる場合、前記3’−低Tm特異性部位の3’−末端がDNAポリメラーゼ(polymerase)により延長できる部位をより多く発生させる。
本明細書で使用する用語“オリゴヌクレオチド(oligonucleotide)”は、ターゲットヌクレオチド配列と特異的に混成化できる天然線形オリゴマー、変形されたモノマー、または自然的に発生するか合成的に生産されるデオキシリボヌクレオチド、リボヌクレオチド及び類似体を含む連結体を含む。増幅の最大効率のために、好ましいプライマーは一本鎖である。好ましくは、プライマーは、デオキシリボヌクレオチドである。本発明のオリゴヌクレオチドは、天然(naturally occurring)dNMP(即ち、dAMP, dGMP, dCMP及びdTMP)、変形ヌクレオチドまたは非天然ヌクレオチドを含むことができる。また、オリゴヌクレオチドは、リボヌクレオチドも含むことができる。例えば、本発明のオリゴヌクレオチドは、骨格変形されたヌクレオチド、例えば、ペプチド核酸(PNA)(M. Egholm et al., Nature, 365:566-568(1993))、ホスホロチオエートDNA、ホスホロジチオエートDNA、ホスホルアミデードDNA(phosphoramidate DNA)、アミド-連結されたDNA、MMI-連結されたDNA、2’−O−メチルRNA、アルファ-DNA及びメチルホスホン酸DNA、糖変形されたヌクレオチド例えば、2’−O−メチルRNA、2’−フルオロRNA、2’−アミノRNA、2’−O−アルキルDNA、2’−O−アリルDNA、2’−O−アルキニルDNA、ヘキソースDNA、ピラノシルRNA及びアンヒドロヘキシトールDNA(anhydrohexitol DNA)、及び塩基変形を有するヌクレオチド例えば、C−5置換されたピリミジン(置換基は、フルオロ−、ブロモ−、クロロ−、ヨード−、メチル−、エチル−、ビニル−、ホルミル−、エチニル−、プロピニル−、アルキニル−、チアゾリル−、イミダゾリル−、ピリジル−含み)、C−7置換基を有する7−デアザプリン(置換基は、フルオロ−、ブロモ−、クロロ−、ヨード−、メチル−、エチル−、ビニル−、ホルミル−、アルキニル−、アルケニル−、チアゾリル−、イミダゾリル−、ピリジル−)、イノシン及びジアミノプリンを含むことができる。
本発明において、本発明のDS oligoを言及しながら使用する用語‘部位(portion)’は、分割部位により分離されるヌクレオチド配列を意味する。用語‘5’−高Tm特異性部位(5'-high Tm specificity portion)’または用語‘3’−低Tm特異性部位(3'-low Tm specificity portion)’は、それぞれ本発明のDS oligoの5’−末端と3’−末端におけるヌクレオチド配列を意味し、これは、分割部位により分離される。DS oligoを言及しながら使用する用語‘5’−高Tm特異性部位’は、3つの部位のうち、最も高いTmを有して、鋳型核酸と実質的に相補的なヌクレオチド配列を有する。前記DS oligoと関連し、‘3’−低Tm特異性部位’は、5’−高Tm特異性部位よりは低いTmを有するが、分割部位よりは高いTmを有して、鋳型核酸と実質的に相補的なヌクレオチド配列を有する。
本発明で使用する用語“Tm”は、核酸二本鎖分子の半分が一本鎖となる溶融温度(melting temperature)を意味する。DS oligoの部位を言及しながら使用される用語“高Tm”及び“低Tm”は、絶対的なTm値ではなく、相対的なTm値を意味する。即ち、5’−高Tm特異性部位のTmは、3’−低Tm特異性部位のTmより相対的に高いことを意味する。
前記5’−高Tm特異性部位と前記3’−低Tm特異性部位は、鋳型核酸と混成化するために、前記鋳型核酸の部位と実質的に相補的な混成化ヌクレオチド配列を有するようにデザインされる。前記DS oligoと関連して使用される用語“実質的に相補的な (substantially complementary)”は、オリゴヌクレオチド分子が指定されたアニーリング条件または厳格条件下で、鋳型核酸配列と選択的に混成化するために十分相補的であることを意味し、その結果、アニーリングされたオリゴヌクレオチドはポリメラーゼにより鋳型の相補的なコピーを形成して延長することができる。したがって、前記用語は、“完全に相補的な”またはこれに係わる用語とは異なる意味を有する。前記DS oligoの5’−高Tm特異性部位及び3’−低Tm特異性部位は、前記DS oligoがプライマーまたはプローブとして作用できる範囲内で、鋳型に対し一つまたは二つ以上のミスマッチを有することができる。最も好ましくは、DS oligoの5’−高Tm特異性部位及び/または3’−低Tm特異性部位は、鋳型の一部位と完全に相補的な(ミスマッチのない)ヌクレオチド配列を有する。
前記DS oligoの成功的な実施のために、5’−高Tm特異性部位のTmが3’−低Tm特異性部位のTmより高くなければならない。好ましくは、5’−高Tm特異性部位のTmは、40〜80℃、より好ましくは、40〜75℃、さらに好ましくは、50〜68℃、最も好ましくは、50〜65℃である。また、3’−低Tm特異性部位のTmは、10〜40℃が好ましく、より好ましくは、15〜40℃、最も好ましくは、20〜35℃である。好ましくは、5’−高Tm特異性部位のTmは、3’−低Tm特異性部位のTmより少なくとも5℃高く、より好ましくは、少なくとも10℃、さらに好ましくは、少なくとも15℃、最も好ましくは、少なくとも20℃以上高い。 有利には、5’−高Tm特異性部位のTmは、3’−低Tm特異性部位のTmより5〜70℃高く、好ましくは、10〜70℃、より好ましくは、10〜60℃、さらに好ましくは、10〜50℃、よりさらに好ましくは、10〜40℃、最も好ましくは、20〜40℃高い。
本発明の好ましい具現例によると、5’−高Tm特異性部位は、3’−低Tm特異性部位より長い。5’−高Tm特異性部位の長さは、好ましくは、15〜40ヌクレオチドであり、より好ましくは、15〜30ヌクレオチド、最も好ましくは、20〜25ヌクレオチドである。3’−低Tm特異性部位の長さは、好ましくは、3〜15ヌクレオチドであり、より好ましくは、5〜15ヌクレオチド、最も好ましくは、6〜12ヌクレオチドである。
少なくとも2つのユニバーサル塩基を含む分割部位は、DS oligoの利点と特徴を決定する一つの要素である。本明細書で使用される用語、“ユニバーサル塩基(universal base)”は、それぞれの天然DNA/RNA塩基と塩基対を形成することができ、前記天然塩基と区別される塩基である。
前記縮退性プライマーにおいて不確実な位置のヌクレオチドがユニバーサル塩基により置換されることは、公知のことであり、前記ユニバーサル塩基は、4種の従来の塩基と非特異的に塩基対を成すため、縮退性プライマーのデザインに係わる問題点を解決するに利用される。しかしながら、オリゴヌクレオチドの一部分を形成する前記ユニバーサル塩基が、アニーリング(混成化)または増幅の間にバブル構造を形成し、その時、二つの隣接した配列を分離して、二つの分割特異性(アニーリング)部分を通じて、二重特異性により、ターゲット配列にプライマーまたはプローブのアニーリング特異性を増加させるという報告は、未だにない。
前記ユニバーサル塩基は、他のヌクレオチドのdNMPsと共に連続的な方式または非連続的方式により分割部位に含まれる。好ましくは、分割部位は、ユニバーサル塩基、最も好ましくは、デオキシイノシンを有する連続的なヌクレオチドを含む。
前記DS oligoにおいて、分割部位は、5’−高Tm特異性部位と3’−低Tm特異性部位が鋳型核酸とアニーリングされる条件下で、前記分割部位が非塩基対を形成するために、前記三つの部分の中、最も低いTmを有することが非常に重要であり、鋳型核酸に対するアニーリング特異性側面で、前記5’−高Tm特異性部位は3’−低Tm特異性部位から分離され、結局前記オリゴヌクレオチドのアニーリング特異性は、5’−高Tm特異性部位及び3’−低Tm特異性部位により二重に決定され、オリゴヌクレオチドの全体アニーリング特異性が非常に改善される。好ましくは、分割部位のTmは、3〜15℃であり、より好ましくは、4〜15℃であって、最も好ましくは、5〜10℃である。
本発明の好ましい具現例によると、前記5’−高Tm特異性部位と前記3’−低Tm特異性部位との間の前記分割部位は、少なくとも3個以上のユニバーサル塩基を含み、より好ましくは、少なくとも4個以上のユニバーサル塩基を、そして最も好ましくは、少なくとも5個以上のユニバーサル塩基を含む。好ましい具現例によると、前記分割部位は、2〜10個のユニバーサル塩基を含み、より好ましくは、3〜10個のユニバーサル塩基を、さらに好ましくは、4〜8個のユニバーサル塩基を、最も好ましくは、5〜7個のユニバーサル塩基を含む。
より長い配列を有するプライマーまたはプローブが必要な場合、本発明のDS oligoの利点が最も大きい能力を発揮する。例えば、従来技術によると、混成化配列として35bp以上のヌクレオチド配列を有するプライマーは、非特異的増幅産物(amplicon)を生成しやすい。その反面、前記DS oligoは、鋳型との相互作用(例えば、アニーリング)側面で、互いに分離された二つの混成化配列(即ち、5’−高Tm特異性部位及び3’−低Tm特異性部位)を有しているため、長い配列の特異的な増幅産物を生産することができる。例えば、前記DS oligoは、ターゲット配列に相補的な35〜45bpの混成化配列を含む。このような観点から、本発明は、従来プライマーデザイン戦略では非実用的であるとみなされる、非常に長い配列を有するプライマーをデザインできるようにする。
本発明の好ましい具現例によると、前記5’−高Tm特異性部位は、15〜25ヌクレオチドの長さであり、前記分割部位は、3〜15ヌクレオチドの長さ、そして前記3’−低Tm特異性部位は、3〜15ヌクレオチドの長さを有する
より好ましくは、前記5’−高Tm特異性部位は、15〜25ヌクレオチドの長さ、前記分割部位は、3〜10ヌクレオチドの長さ、前記3’−低Tm特異性部位は、3〜15ヌクレオチドの長さを有する。最も好ましくは、前記5’−高Tm特異性部位は、15〜25ヌクレオチドの長さ、前記分割部位は、3〜7ヌクレオチドの長さ、そして前記3’−低Tm特異性部位は、6〜10ヌクレオチドの長さを有する。本発明の実施例に説明された典型的且つ例示的なDS oligoによると、 5’−高Tm特異性部位は、約20ヌクレオチドの長さであり、分割部位は、約5ヌクレオチドの長さであって、3’−低Tm特異性部位は、約8〜10ヌクレオチドの長さである。
最も好ましい具現例において、前記DS oligoは、次の一般式で示される:5’−X”p−(dI)q−Z”r−3’(X”及びZ”の定義及び特徴は、上述と同様であり、dIは、デオキシイノシンを、(dI)qは、ユニバーサル塩基配列を有する連続的なヌクレオチドを含む分割部位を示し、qは、5〜7の整数である)。
本発明の第1増幅は、DW−ACPシステムとDS oligoを利用して、異なるアニーリング温度条件で2段階増幅により行われる。
本発明の方法は、ある所望の核酸分子を増幅するに使用される。前記分子は、DNAまたはRNAである。前記分子は、二本鎖または一本鎖であり、好ましくは二本鎖である。出発物質としての核酸が二本鎖である場合、二本鎖を、一本鎖にまたは部分的な一本鎖形態にすることが好ましい。鎖を分離する方法は、熱、アルカリ、ホルムアミド、ウレア及びグリコキサル(glycoxal)処理、酵素的方法(例えば、ヘリカーゼ作用)及び結合タンパク質などを含むが、これらに限定されるものではない。例えば、鎖分離は、80〜105℃の温度で熱処理して達成できる。上述の処理を施すための一般的な方法は、Joseph Sambrookら, Molecular Cloning, A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, N.Y.(2001)に開示されている。
増幅をするために、mRNAが出発物質として利用される場合、アニーリング段階を実施する前に逆転写段階が必要であり、逆転写段階の詳細な内容は、Joseph Sambrookら, Molecular Cloning, A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, N.Y.(2001);及びNoonan, K. F. et al., Nucleic Acids Res. 16:10366 (1988))に開示されている。逆転写のために、mRNAのポリAテールに混成化できるオリゴヌクレオチドdTプライマーが利用される。逆転写段階は、逆転写酵素をもって行える。
本発明の方法は、増幅される分子が特定配列または長さを有するように要求しない。特に、増幅される分子は、自然の原核細胞核酸、真核細胞(例えば、原生動物と寄生動物、菌類、酵母、高等植物、下等動物、及び哺乳動物と人間を含む高等動物)核酸、ウイルス(例えば、ヘルペスウイルス、HIV、インフルエンザウイルス、 Epstein-Barrウイルス、肝炎ウイルス、ポリオウイルスなど)核酸、またはウイロイド核酸を含む。また、前記ヌクレオチド配列は、化学的に合成されたまたは合成できる核酸分子を含む。したがって、前記ヌクレオチド配列は、自然から発見されるかまたは発見されないものである。
本発明のために使用される第1縮退性DW−ACPは、未知のヌクレオチド配列上の一位置に混成化またはアニーリングされて、二本鎖構造を形成する。このような二本鎖構造を形成するに好適な核酸混成化条件は、Joseph Sambrookら, Molecular Cloning, A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, N.Y.(2001)及びHaymes, B. D.ら, Nucleic Acid Hybridization, A Practical Approach, IRL Press, Washington, D.C. (1985)に開示されている。
第1縮退性DW−ACPのアニーリング部位(即ち、縮退性配列及び3’−末端部位)の配列は、完全な相補性を有する必要はなく、ただ安定した二本鎖構造を形成できる程度の実質的に相補的な配列を有すればよい。したがって、二本鎖構造の形成のための混成化を完全に排除しない限度内で、完全な相補性からの離脱が許容される。未知配列上の一位置に第1縮退性DW−ACPが混成化されることは、重合酵素による鋳型依存的重合反応のための前提条件である。相補的な核酸に第1縮退性DW−ACPが塩基対を形成するに影響を及ぼす因子(Joseph Sambrookら, Molecular Cloning, A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, N.Y.(2001)、及びHaymes, B. D.ら, Nucleic Acid Hybridization, A Practical Approach, IRL Press, Washington, D.C. (1985))は、実質的にプライミング効率に影響を与える。第1縮退性DW−ACPのヌクレオチド組成は、最適アニーリング温度に影響を与え、結局プライミング効率にも影響を及ぼすことになる。
多様なDNA重合酵素が本発明の増幅段階に使用でき、これは、E. coli DNA重合酵素Iの‘クレノウ(Klenow)’断片、熱安定性DNA重合酵素、及びバクテリオファージT7 DNA重合酵素を含む。好ましくは、重合酵素は、多様なバクテリア種から得られる熱安定性DNA重合酵素であり、これは、Thermus aquaticus(Taq), Thermus thermophilus(Tth), Thermus filiformis, Thermis flavus, Thermococcus literalis及びPyrococcus furiosus(Pfu)を含む。重合反応を行う時、反応容器に、反応に必要な成分を過量に提供することが好ましい。増幅反応に必要な成分の過量は、増幅反応が成分の濃度に実質的に制限されない程度の量を意味する。Mg2+のような助因子、dATP、dCTP、dGTP及びdTTPを、所望の増幅程度が達成できる程度に反応混合物に提供することが望まれる。
増幅反応に利用される全ての酵素は、同一な反応条件で活性状態である。緩衝液は、全ての酵素が最適の反応条件に近接するようにする。
本発明の二つの増幅段階は、ただ時間的にのみ分離される。第2段階の増幅は、第1段階の増幅の後に実施する。したがって、前記二段階の増幅は、あらゆる種類のプライマー、第1DW−ACP、第2DW−ACP及び第1ターゲット−特異的プライマーを含む一つの反応システムで実施できる。
前記二段階の増幅におけるアニーリングまたは混成化は、ヌクレオチド配列とプライマーとの間に特異的結合を可能にする厳格条件下で行われる。アニーリングのための厳格条件は、配列依存的であり、周囲環境的変数によって多様である。本発明において、二つの増幅段階は、異なる条件、特に異なるアニーリング温度でそれぞれ行われる。好ましくは、第1段階の増幅は、低厳格条件、特に低いアニーリング温度で行われる。より好ましくは、第1アニーリング温度は、約35〜50℃であり、最も好ましくは40〜48℃である。第1アニーリング温度において、第1DW−ACPのアニーリング部位は、縮退性配列と3’−末端部位に限定されて、これはアニーリング特異性を向上させる。
本発明によると、低厳格条件下における第1段階の増幅過程は、第1段階の増幅におけるプライマーアニーリングの特異性を改善するために、アニーリング、延長及び変性の少なくとも1サイクルを行って、その後、第2段階の増幅過程が高厳格条件下でより効果的に進行される。最も好ましくは、第1段階の増幅過程は、1サイクルが行われる。第1段階の増幅過程の1サイクルの実施は重要な事項であって、これは、第1縮退性DW−ACP単独で非特異的増幅産物を形成することを抑制するからである。前記第1増幅の1サイクル(第1段階の増幅)の間に、前記第1縮退性DW−ACPの3’−末端部位は、前記低厳格条件下で鋳型の未知ターゲット部位に結合する。しかしながら、第1増幅の他のサイクル(第2段階の増幅)において、第1縮退性DW−ACPの3’−末端部位は、第1DW−ACPに相補的なヌクレオチド配列を除いて、高厳格条件(例えば、高いアニーリング温度)下で鋳型に結合するまたは延長されたプライマー配列に結合するプライマーとして作動しない。その代わり、第1DW−ACPだけではなく、前記第1TSPの全ての部位は、第1増幅産物を生成するために、第2段階の増幅に含まれる。
好ましくは、第2段階の増幅過程は、高厳格条件、特に高いアニーリング温度で行う。好ましくは、第2アニーリング温度は、約50〜72℃、より好ましくは、50〜65℃、最も好ましくは52〜65℃である。第2アニーリング温度のような高いアニーリング温度において、第1縮退性DW−ACPの3’−末端部位は、それ以上プライマーとして作用せず、その代わり、前記第1DW−ACP及び第1ターゲット−特異的プライマーは、高い特異性でプライマーとして作用する。
高厳格条件下における前記第2段階の増幅過程は、少なくとも1サイクル、好ましくは、第1縮退性DW−ACP由来の縮退性ランダムヌクレオチド配列のない第1増幅産物を生産するために、少なくとも5サイクル間行われる。より好ましくは、第2段階の増幅は、10〜40サイクル、さらに好ましくは、10〜30サイクル、最も好ましくは、10〜20サイクル間行われる。
高厳格及び低厳格条件は、当業界に公知された標準から容易に決定できる。用語‘サイクル’は、ターゲット核酸の1コピーを生成する過程を示す。サイクルは、変性、アニーリング及び延長過程を含む。
本発明の最も好ましい具現例において、増幅過程は、米国特許第4,683,195号、第4,683,202号、及び第4,800,159号に開示されたPCRによって行われる。
前記第1増幅反応の第2段階の増幅において、前記第1TSPは、ターゲット特異的プライマー延長産物を生産するために、既知のヌクレオチド配列上にある相補的な配列とアニーリングされる。好ましくは、第1縮退性DW−ACPの調節子部位がユニバーサル塩基または非特異的な塩基類似体を含む場合、ターゲット−特異的プライマー延長産物に対する反対鎖(strand)は、前記記載のDNAポリメラーゼにより認識されたヌクレオチドを含む。例えば、前記第1縮退性DW−ACPの調節子部位が少なくとも2以上のデオキシイノシンまたはイノシン残基を含む場合、少なくとも2以上のデオキシシチジン(deoxycytidine)ヌクレオチドは、ターゲット−特異的プライマー延長産物における反対鎖に含まれる。
一方、本発明者は、本発明と類似した過程を既に開発し、PCT国際出願(WO 2005/045073)した。既に開発された方法は、第1増幅の第2段階の増幅において、第1DW−ACPより第2DW−ACPを利用する。したがって、第2段階の増幅は、二つのタイプのDW−ACPを使用して、増幅条件の適用を複雑にする。しかも、WO 2005/045073には、アニーリング特異性を非常に向上させる二重特異性オリゴヌクレオチド構造を有するターゲット−特異的プライマーを開示していない。
本発明の好ましい具現例によると、本発明は、プライマーアニーリング、プライマー延長及び変性の少なくとも1サイクルを含み、第3アニーリング温度で第2増幅を行うステップ(b)をさらに含んで、前記ステップ(b)は、(i)前記第1増幅産物の3’−末端にある前記第1縮退性DW−ACP配列に対する反対−センス(opposite-sense)ヌクレオチド配列と混成化するヌクレオチド配列を有する第2DW−ACPまたは第1縮退性DW−ACPの5’−末端部位に該当するヌクレオチド配列を有するプライマー及び(ii)前記第1増幅産物の内部部位を増幅するためにデザインされた第2ネステッド(nested)TSPを利用する。
本発明の好ましい具現例によると、前記第2増幅反応に使用された第2DW−ACPは、次の一般式IIで表される。
5’−X’p−Su−Y’v−Z’w−3’ (II)
式中、前記X’pは、前記第1縮退性DW−ACPの5’−末端部位に該当するヌクレオチド配列を有する5’−末端部位を示し、前記Suは、ステップ(a-2)の第1増幅産物において、第1縮退性DW−ACPの調節子部位の反対部位と混成化するヌクレオチド配列を含む補助アニーリング部位を示し、Y’vは、少なくとも二つのユニバーサル塩基または非区別性塩基類似体残基を含む調節子部位を示し、前記第1縮退性DW−ACPに相補的なヌクレオチド配列を除いた非−ターゲット序列に前記X’p及びSu部位がアニーリングされることを妨害して、前記Z’wは、前記第1縮退性DW−ACPの3’−末端部位に該当するヌクレオチド配列を有する3’−末端部位を示し、前記p、u、v及びwは、ヌクレオチドの数であり、前記X’、S、Y’及びZ’は、デオキシリボヌクレオチドまたはリボヌクレオチドである。
二つの連関されたヌクレオチド配列に関して使用される用語‘該当する(corresponding to)’は、一つのヌクレオチド配列が、他の比較対象のヌクレオチド配列と混成化できるヌクレオチド配列と混成化される程度に、互いに完全に同一あるいは部分的に同一な配列であることを表現するために使用される用語である。
一般式IIIの前記第2DW−ACPは、第1縮退性DW−ACPの配列に該当するヌクレオチド配列を有する。一般式IIIのプライマーは、より高いアニーリング特異性を示す。
前記第2DW−ACPの5’−末端部位は、前記第1DW−ACPの5’−末端部位に該当するヌクレオチド配列を有している。即ち、前記第2DW−ACPの5’−末端部位のヌクレオチド配列は、前記第1DW−ACPの5’−末端部位の配列と完全に同一であるか、あるいは一部同一である。前記第2DW−ACPの5’−末端部位と前記第1DW−ACPの5’−末端部位に対して反対センス(opposite-sense)を有するヌクレオチド配列間に二本鎖構造が形成されるようにする混成化を完全に排除しない範囲で、完全同一性からの離脱が許容される。
一般式IIIの前記第2DW−ACPにおいて補助アニーリング部位(Su)は、非常に独特なもので、これは、非特異的位置に対するプライマーの非特異的結合から招来される高いバックグラウンド問題を完璧に除去するにある程度寄与をする部位である。前記補助アニーリング部位は、第1縮退性DW−ACPの調節子部位に対して反対側(opposite)部位に混成化されるヌクレオチド配列を含む。補助アニーリング部位をこのようにデザインした戦略は、DNA重合酵素(例えば、Taq重合酵素)がユニバーサル塩基を認識して、天然NMPsの挿入を指示する方式を利用したものである。DNA重合酵素がユニバーサル塩基を認識する方式は、Geoffrey C. Hoopsら(Nucleic Acids Research, 25(24):4866-4871(1997))が発表をしたが、この文献は、本明細書に参照として取り込まれる。例えば、8−ヒドロキシグアニン、2−ヒドロキシアデニン、6−O−メチルグアニン及びキサンチンは、それぞれ(C及びA)、(T及びA)、(T及びC)、及び(T及びC)の挿入を指示する。また、Geoffrey C. Hoopsらは、ニトロピロール及びイノシンを含む塩基は、最も好ましくはそれぞれdAMP及びdCMPの挿入を指示すると発表した。
したがって、前記第1縮退性DW−ACPの調節子部位が少なくとも二つのデオキシイノシンまたはイノシン残基を含む場合、デオキシシチジンヌクレオチドが、調節子部位の反対側部位を最も選好してTaq重合酵素により挿入されるため、前記補助アニーリング部位は、少なくとも二つのデオキシグアノシン(deoxyguanosine)ヌクレオチドを含まなければならない。
前記第2DW−ACPにおいて、Y’v、調節部位は、第1縮退性DW−ACPに相補的なヌクレオチド配列を除いた非−ターゲット配列に、X’p及びSu部位がアニーリングされることを抑制する。また、前記調節子部位は、ユニバーサル塩基または非−区別性塩基類似体の非区別性結合を通じて追加的なアニーリング部位を提供し、これは、第2DW−ACPが、結果産物に存在する第1縮退性DW−ACP配列に相補的な配列に選別的にアニーリングされるようにする。
一般式IIIの前記調節子部位は、第1縮退性DW−ACPの縮退性配列部位の反対側に位置する部位に混成化される。調節子部位に適合したユニバーサル塩基または非−区別性塩基類似体は、当業界でよく知られた、DNA複製に参与時に区別性を喪失するようないかなる塩基でも可能である。
一般式IIIの前記調節子部位の長さは、第1縮退性DW−ACPの縮退性配列部位の長さにより主に決定される。また、第1縮退性DW−ACPの3’−末端部位の5’−末端にあるヌクレオチドが、4種のデオキシリボヌクレオチドにおいて特定のヌクレオチドを有するようにデザインされた場合、調節子部位は、一つのヌクレオチドの長さだけ長くなる。一般式IIIの調節子部位にあるユニバーサル塩基は、好ましくは、連続的な配列で存在する。
前記第2DW−ACPの3’−末端部位は、第1縮退性DW−ACPの3’−末端部位に該当するヌクレオチド配列を有している。前記第2DW−ACPの3’−末端部位のヌクレオチド配列は、第1縮退性DW−ACPの3’−末端部位の配列と完全に同一であるか、あるいは部分的に同一である。第2DW−ACPの3’−末端部位と第1縮退性DW−ACPの3’−末端部位に対して反対センス(opposite-sense)を有するヌクレオチド配列間に二本鎖構造が形成されるようにする混成化を完全に排除しない範囲で、完全同一性からの離脱が許容される。最も好ましくは、前記第2DW−ACPの3’−末端部位のヌクレオチド配列は、第1縮退性DW−ACPの3’−末端部位と完全に一致するものであって、これは、鋳型にプライマーの3’−末端部位が完全に一致することが、成功的な増幅のために要求されるからである。
前記第1縮退性DW−ACPの5’−末端部位に該当するヌクレオチド配列を有するプライマーは、第2増幅において、第2DW−ACPの代わりに使用される。
前記第2増幅は、第1増幅産物から未知のターゲット産物を選択的に増幅するために、当業界に公知されたネステッド増幅過程を利用する。第2ネステッドTSPは、第1増幅産物の内部部位を増幅するためにデザインされる。本発明の好ましい具現例によると、第2ネステッドTSPは、一般式IIIで表されたDS oligo構造を有する。好ましくは、前記第2増幅反応は、高厳格条件、特に高いアニーリング温度で行われる。好ましくは、前記高いアニーリング温度は、約50〜72℃、より好ましくは、50〜70℃、最も好ましくは55〜68℃である。高いアニーリング温度で、前記第2DW−ACPの一部部位ではなく全部位がアニーリングに参与する。したがって、前記第2DW−ACPは、第2DW−ACPに相補的なヌクレオチド配列にのみ排他的にアニーリングされ得る。前記高厳格条件下における前記第2増幅反応は、少なくとも1サイクル、好ましくは、少なくとも5サイクル間行われて、これにより第1増幅産物が増幅される。より好ましい具現例において、第2増幅反応は、10〜40サイクル間行われる。
本発明の最も好ましい具現例によると、前記第2増幅反応は、米国特許第4,683,195号、第4,683,202号、及び第4,800,159号に開示されたPCRによって行われる。
前記第2増幅反応は、第1DW−ACP由来の縮退性ランダム配列を有しない増幅された産物を増加させる。第3増幅反応が第2増幅反応に従う場合、第2増幅反応における縮退性ランダム配列の除去は、第3増幅反応にさらなる特異性及び信頼度を付与する。非−特異的増幅反応を完全に克服した所望の結果が達成できない、あるいは疑わしい場合、またはステップ(b)の増幅産物がアガロースゲルで見えない場合、第2増幅産物の内側部位を増幅するようにデザインされたまた他のターゲット−特異的プライマーを利用して、追加的なネステッド増幅反応を少なくとも1サイクル間行うことができる。
本発明の好ましい具現例によると、本発明の方法は、(i)前記第2DW−ACPまたは前記第1縮退性DW−ACPの5’−末端部位に該当するヌクレオチド配列を有するプライマー及び(ii)前記第2増幅産物の内部部位を増幅するためにデザインされた第3ネステッド(nested)TSPを利用するプライマーアニーリング、プライマー延長及び変性(denaturing)の少なくとも1サイクルを含み、第4アニーリング温度で前記第3増幅反応(third amplification)を行うステップ(c)をさらに含む。
本発明の好ましい具現例によると、本発明の方法は、ステップ(b)を行う前に、第1縮退性DW−ACP、第2DW−ACP及び第1ターゲット−特異的プライマーを除去するステップ(a)の反応結果物を増幅するステップ(a’)をさらに含む。例えば、増幅された産物の精製は、ゲル電気泳動、カラムクロマトグラフィー、親和性クロマトグラフィーまたは混成化により実施できる。最も好ましくは、前記精製は、シリカ−ゲル膜(silica-gel membrane)を利用するスピンカラム(spin column)を利用して実施できる。このような方法は、カラムを通過するプライマーのような汚染源を除去して、増幅された産物が高塩において吸収できるように、シリカ−ゲル膜の選択結合特性を利用する。したがって、増幅された産物は、増幅反応から速やかに精製して得ることができる。
本発明の他の一様態によると、既知のヌクレオチド配列に隣接した未知のヌクレオチド配列を増幅する方法に利用されるターゲット特異的プライマーを提供する。前記プライマーは、次のような一般式IIIで表される:
5’−X”p−Y”q−Z”r−3’ (III)
式中、前記X”は、混成化する既知のヌクレオチドの一位置と実質的に相補的な混成化ヌクレオチド配列を有する5’−高Tm特異性部位を示して、前記Y”は、少なくとも2つ以上のユニバーサル塩基を含む分割区域を示し、前記Z”は、混成化するターゲット配列と実質的に相補的な混成化配列を有する3’−低Tm特異性部位を示して、前記p、q、及びrは、ヌクレオチドの個数であり、前記X、Y、及びZは、デオキシリボヌクレオチドまたはリボヌクレオチドであって、前記5’−高Tm特異性部位のTmは、前記3’−低Tm特異性部位のTmより高く、前記分割部位は、前記3つの区域のうち、最も低いTmを有して、前記分割部位は、前記5’−高Tm特異性部位と前記3’−低Tm特異性部位が鋳型核酸と混成化される場合、非塩基対バブル構造を形成して、前記分割部位は、鋳型核酸に対するアニーリング特異性側面で、前記5’−高Tm特異性部位が3’−低Tm特異性部位から分割されるようにして、前記プライマーのアニーリング特異性は、前記5’−高Tm特異性部位と前記3’−低Tm特異性部位により二重的に決定され、その結果、前記プライマーの全体アニーリング特異性が増加される。
本発明のターゲット特異的プライマー(TSP)は、上述の本発明の増幅過程に利用されるものであるため、不要な重複記載による過度なる複雑性を避けるために、共通事項は、その記載を省く。
本発明のまた他の一様態によると、既知のヌクレオチド配列に隣接した未知のヌクレオチド配列を増幅する方法に利用されるターゲット特異的プライマーを利用するキットを提供して、前記記載の一般式IIIを有する前記ターゲット特異的プライマーを含む。
本発明の好ましい具現例によると、本発明のキットは、第1縮退性DW−ACP及び/または第2DW−ACPをさらに含むことができる。選択的に、本発明のキットは、PCR反応に必要な試薬、例えば、緩衝液、DNA重合酵素、DNA重合酵素助因子及びデオキシリボヌクレオチド−5’−トリホスフェートを含むことができる。選択的に、本発明のキットは、多様なポリヌクレオチド分子、逆転写酵素、多様な緩衝液及び試薬、DNA重合酵素の活性を抑制する抗体を含むことができる。特定反応で利用される試薬の最適の量は、本明細書の内容を把握した当業者により容易に決定され得る。典型的に、本発明のキットは、分離されたパッケージまたは区画に上述の成分を含む。
本発明の核酸増幅反応、好ましくはPCRを実施して、核酸または核酸(DNAまたはmRNA)混合物から未知のヌクレオチド配列を選別的に増幅する、改善された方法を提供することができる。
本発明は、多様な核酸増幅基盤の技術に適用できる。代表的な例は、以下のようである:
(i)既知のヌクレオチド配列のクロモソーム部位のある一側にある未知の連続DNA部位を収得するゲノムウォーキング。例えば、ゲノムシーケンシングプロジェクト、プロモーター部位のクローニング、エキソン/イントロン連結部位のような遺伝子構造の同定(identification)、ギャップフィリング、及びトランス遺伝子の位置または方向性を含む。
(ii)全長cDNAのクローニングまたはシーケンシング、またはスプライシング分析のためのcDNAの5’−及び3’−末端の迅速な増幅(RACE)、
(iii)欠失、挿入及び座位を含む部位のマッピング、
(iv)全体ゲノムシーケンシングのために、ショットガンクローニング無しにBAC末端の迅速な増幅。
以下、実施例を通じて本発明をさらに詳細に説明する。これら実施例は、本発明をより具体的に説明するためのものであって、本発明の範囲がこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例1:トランス遺伝子(transgene)位置の決定
本発明のDNAウォーキング(walking)ACP−DSO PCR方法の適用を記載するために、末梢血液幹細胞(PBSCs)をレトロウイルスMFG−GFPで感染させて、導入遺伝子の位置を決定した。
A.プライマーデザイン
A−1:DNAウォーキングアニーリング調節プライマー(DW-ACPs)
トランス遺伝子に隣接した未知配列を増幅するために、DNAウォーキングアニーリング調節プライマー(DW-ACPs)をデザインした。DW−ACPは、3’−末端ターゲット結合配列と5’−末端非−ターゲットテールとの間にポリデオキシイノシン[ポリ(dI)]リンカーを有する三分割構造を有するようにして、前記3’−末端ターゲット結合配列は、3’−末端に前決定アービトラリー配列及び5’−末端に縮退性ランダム配列を含み、3’−末端ターゲット結合配列の3’−末端と5’−末端との間には、A、C、T及びGヌクレオチドのいずれか一つが含まれるようにした。したがって、DW−ACPの3’−末端部位の3’−末端にあるアービトラリー配列によって、少なくとも4種のDW−ACPプライマーが生成される。
4種の縮退性DNAウォーキングアニーリング調節プライマー(DW-ACPs)は、次のようにデザインされて、アニーリング調節プライマー(ACP)は、本発明者により開発され、WO 03/050305に開示されている。
DW-ACP1-A: 5'-TCACAGAAGTATGCCAAGCGAIIIINNNACACG-3' (SEQ ID NO:1);
DW-ACPl-C: 5'-TCACAGAAGTATGCCAAGCGAIIIINNNCCACG-3' (SEQ ID NO:2);
DW-ACPl-T: 5'-TCACAGAAGTATGCCAAGCGAIIIINNNTCACG-3' (SEQ ID NO:3);及び
DW-ACPl-G: 5'-TCACAGAAGTATGCCAAGCGAIIIINMNGCACG-3' (SEQ IDNO:4)
縮退性DW−ACPsにおいて、CACG(第1縮退性DW−ACPの3’−末端部位に該当する)は、前決定(predetermined)アービトラリー配列として選定された。第1縮退性DW−ACPの3’−末端にある前決定アービトラリー配列は、次のような因子を考慮して選定された:(1)配列が2Kb当り少なくとも1以上存在し、(2)好ましくは、配列のGC比率が75%以上である。また、配列、CACGは、A−2に記載されたTSPsの結合部位のupstreamに含まれないセンス(senses)から選定された。
第2DNAウォーキングアニーリング調節プライマー(second DW-ACPs)またはユニバーサルプライマーは、第2増幅反応に利用した。
第2DNAウォーキングアニーリング調節プライマーは、次のようにデザインされた:
DW-ACP2-N: 5'-TCACAGAAGTATGCCAAGCGAGGGGIIIICACG-3' (SEQ ID NO:5);
第2DW−ACPの配列は、第1縮退性DW−ACPsの全てのプール(pool)に完璧に相補的な配列に排他的にアニーリングして、ACP構造の特性により、鋳型のある非−ターゲット部位と排他的にアニーリングできないようにデザインされた。
DW−ACPsの5’−末端部位配列に該当するユニバーサルプライマーは、次のようである:
Universal primer: 5'-TCACAGAAGTATGCCAAGCGA-3' (SEQ ID NO:6)
A−2:ターゲット特異的プライマー(TSP)デザイン
ターゲット特異的プライマーは、レトロウイルス部位(transgene)を考慮して製作された。
MFG-TSPl: 5'-CGAAGTCCCTGGGACGTCTCCCAGGGTTGC-3' (SEQ ID NO:7);
MFG-TSP2: 5'-GTCAGTTCCACCACGGGTCCGCCAGATACAGAGCTA-3' (SEQ ID NO:8);及び
MFG-TSP3: 5'-ATAAGGCACAGGGTCATTTCAG-3 ' (SEQ ID NO:9)
MFG−TSP1及びMFG−TSP2は、gag遺伝子部位から選定されて、MFG−TSP3は、ターゲットレトロウイルスの5’−LTR部位から選定された。
本発明者により開発された二重特異性オリゴヌクレオチド(DSO)の構造は、TSPsをデザインするに適用して、アニーリング特異性を非常に向上させた。
次のような二重特異性オリゴヌクレオチドプライマーは、5’−末端部位及び3’−末端部位間にポリデオキシイノシン[poly(dI)]リンカーを有する分割部位を含む。また、DSプライマーは、5’−高Tm特異性部位のTmは、3’−低Tm特異性部位のTmより高く、分割部位は、三つの部位の中、最も低いTmを有する方式で、5’−高Tm特異性部位及び前記3’−低Tm特異性部位を含むように製作された。
ターゲット特異的二重特異性プライマー(DSO-TSPs)は、次のように製作された:
MFG-DSO-TSPl: 5'-CGAAGTCCCTGGGACGIIIIICAGGGTTGC-3' (SEQ ID NO: 10);及び
MFG-DSO-TSP2: 5'-GTCAGTTCCACCACGGGTCCIIIIIATACAGAGCTA-3' (SEQ ID NO: 11)
B.ゲノムDNAの準備
レトロウイルスMFG−GFPで感染させた正常ヒトCD34+末梢血液幹細胞(PBSCs)は、Choi Eui-Mook博士(National Institutes of Health: NIH)から入手し、ゲノムDNAは、精製してPCR鋳型として利用した。
C.第1PCR
第1PCRは、縮退性(degenerate)DW−ACPs及び第1ターゲット特異的プライマー(DSO-TSP1)の一つが含まれた四つのそれぞれのチューブで2段階PCRを行った。
前記2段階PCR増幅反応は、PBSCゲノムDNA 50ng、2×SeeAmpTMACPTM Master mix II(E10212)25μlとDW−ACPs(2.5μM)4μl及びターゲット特異性プライマー(MFG-DSO-TSP1、(10μM))1μlの一つを含む反応液50μlを、二つの異なるアニーリング温度で実施した。反応液の含まれた前記チューブは、前処理された(94℃)温度循環器(thermal cycler)に置いた。94℃で5分間、40〜45℃で1分間及び72℃で2分間として、第1段階のPCR増幅反応を1サイクル行って、94℃で30秒間、55〜60℃で30秒間及び72℃で100秒間として、第2段階のPCR増幅反応を10〜30サイクル行って、72℃で5分間最終延長反応を実施した。
D.第1PCR産物の精製
第1PCRで利用された縮退性DW−ACPs及び第1DSO−TSPのようなプライマーを除去するために、第1増幅反応産物を、スピンカラム(PCR purification Kit, QIAGEN)を利用して精製した。
E.第2PCR
第1PCRで利用されたプライマーの非−特異的プライミング(priming)により非−特異的産物が含まれた第1PCR産物から未知のターゲット−特異的産物のみを増幅するために、第2DW−ACP2−Nまたはユニバーサルプライマー及び第1PCR産物の内部部位を増幅するためにデザインされたネステッドターゲット−特異的プライマーを使用して、第2PCRを行った。前記第2PCR増幅反応は、第1PCR産物1〜5μl、2×SeeAmpTMACPTM Master mix II(E10212)10μl、第2DW−ACP−N(2.5μM)1μl及びネステッドターゲット特異性プライマー(MFG-TS-DSP2、(10μM))1μlが含まれた反応液20μlで実施した。反応液を含む前記チューブは、前処理された(94℃)温度循環器(thermal cycler)に置いた。94℃で5分間変性(denaturing)させて、94℃で30秒間、55〜60℃で30秒間及び72℃で100秒間として、20〜35サイクルでPCRを行った。その後、72℃で5分間最終延長反応を行った。
第2増幅産物がアガロースゲル上で見えない場合は、他のネステッドターゲット−特異的プライマー、ユニバーサルプライマーと共に、第2増幅産物の内部部位を増幅するためにデザインされたMFG−TSP3を利用して、第3増幅反応をさらに行う。第3PCR増幅反応は、第1PCR産物1〜5μl、2×SeeAmpTMACPTM Master mix II(E10212)10μl、ユニバーサルプライマー(2.5μM)1μl及びネステッドターゲット特異性プライマー(MFG-TSP3、(10μM))1μlが含まれた反応液20μlで実施した。反応液の含まれた前記チューブは、前処理された(94℃)温度循環器(thermal cycler)に置いた。94℃で5分間変性(denaturing)させて、94℃で30秒間、55〜60℃で30秒間及び72℃で100秒間として、20〜35サイクルでPCRを行った。その後、72℃で5分間最終延長反応を行った。
F.ゲル抽出
増幅産物を2%アガロースゲルで電気泳動した後、EtBr(ethidium bromide)で染色して検出した。また、PCR産物は、変性ポリアクリルアミドゲルでオートラジオグラフィー、または非放射能検出方法により検出できる。EtBrで染色されたアガロースゲルで電気泳動した後、それぞれのPCR産物を、GENECLEAN IIキット((Q-BIOgene、米国)を利用して抽出した。
G.クローニングまたはシーケンシング
抽出された断片をpCR2.1−TOPOベクター(Invitrogen、米国)に、製造社のプロトコールにしたがってクローニングした。プラスミドをTOP−10コンピテント(competent)細胞に形質転換した。形質転換された細胞をLB/アンピシリンアガープレートに用意した。単独の白色のコロニーからプラスミドを分離した。挿入配列をEcoRI制限酵素処理により確認した。挿入配列を有するプラスミドをABI PRISM 310 Genetic Analyzer(Applied Biosystems、米国)を使用してシーケンシングした。選択的に、抽出断片を直接シーケンシングの鋳型として利用し、BigDye Terminator cycleシーケンシングキット(Perkin Elmer)を利用するABI PRISM 310 Genetic Analyzer(Perkin Elmer)でシーケンシングした。コンピューター−補助配列分析をGeneRunnerプログラム(Hastings, Inc.)を利用して行った。
図2は、トランス遺伝子(transgene)に隣接したDNA配列の増幅のために、DNAウォーキングACP−DSO PCRにより生成された増幅産物を示す。互いに異なる第1DW−ACPs、DW−ACP−A(1レーン)、DW−ACP−T(2レーン)、DW−ACP−G(3レーン)、及びDW−ACP−C(4レーン)は、異なる大きさ(size)の幾つかの主要な産物を生産した。
図2で示すそれぞれのバンドをクローニング及びシーケンシングした。シーケンシング結果は、5’−LTR配列が全てのクローンに含まれたことを示す。また、前記クローニングされたPCR産物は、ホストゲノムDNA配列を含むと明かされた。
レトロウイルスMFG−GFPの挿入部位は、クローニングされたPCR産物のシーケンシング結果とUCSCゲノムブラウザー(http://genome.ucsc.edu/)ーを利用して決定した。
図3は、MFG挿入部位の同定の結果を要約したものである。クローニングされたPCR産物は、図2に表示されたバンド番号に該当するDW#と命名した。DSO−TSP1を第1PCRに利用する場合、第2PCRを実施するにおいて、満足する水準の増幅反応結果が得られた。第3PCR結果は、第2PCR結果とほぼ等しい水準であった。したがって、DSO−TSPが第2PCRにおいて、満足する水準の増幅結果が得られるように作用するということが分かった。
以上、本発明の望ましい具現例を詳細に記述したが、当業界の通常の知識を有する者にとって、このような具体的な記述はただ望ましい具現例に過ぎなく、これに本発明の範囲が限定されないことは明らかである。従って、本発明の実質的な範囲は、添付の請求項とその等価物により定義されると言える。
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第1縮退性DNAウォーキングアニーリング調節プライマー(DW-ACP)及び二重(dual)特異性オリゴヌクレオチド構造を有する第1ターゲット−特異的プライマー(DSO-TSP1)を利用する第1増幅過程の具体的な一具現例を示す図である。 第2DW−ACP及び二重特異性オリゴヌクレオチド構造を有する第2ターゲット−特異的プライマー(DSO-TSP2)を利用する第2増幅過程の具体的な一具現例を示す図である。 トランス遺伝子(レトロウイルスMFG由来)に隣接したヒトゲノムDNA配列の増幅のために、DNAウォーキングACP−DSO PCRにより生成された増幅産物を示す。Mレーンは、100 bp DNAラダー(ladder)を意味する。A、T、G、及びCレーンは、それぞれDW−ACP1−A、DW−ACP1−T、DW−ACP1−G、及びDW−ACP1−Cを利用して増幅された結果である。 ヒトゲノム配列内のMFG挿入部位に対する同定結果を示す。クローンされたPCR産物は、DW#と表記する。

Claims (28)

  1. DNAウォーキングアニーリング調節プライマー(DW-ACP)及び既知(known)のヌクレオチド配列の一位置に混成化できる第1ターゲット−特異的プライマー(TSP)を利用して、未知のヌクレオチド配列を第1増幅(primary amplification)するステップ(a)を含み、 前記ステップ(a)は、以下の過程を含み、
    (a-1)第1アニーリング温度で第1縮退性(degenerate)DW−ACPを利用する前記未知のヌクレオチド配列の第1段階の増幅(first-stage amplification)を行うステップであって、前記ステップは、プライマーアニーリング、プライマー延長及び変性(denaturing)の少なくとも一サイクルを含み、前記第1縮退性DW−ACPは、(i)前記未知のヌクレオチド配列に混成化される縮退性ランダムヌクレオチド配列及び(ii)前記縮退性ランダムヌクレオチド配列に隣接して位置し、前記未知のヌクレオチド配列の一位置に実質的に相補的な混成化ヌクレオチド配列を含み、前記第1アニーリング温度は、前記第1縮退性DW−ACPがプライマーとして作用するようにし、これにより第1縮退性 DW−ACP延長産物が生成されて、
    (a-2)前記第1アニーリング温度より高い第2アニーリング温度で、ステップ(a-1)で生成された増幅産物の第2段階の増幅(second-stage amplification)を行うステップであって、前記ステップ(a-1)で使用された第1縮退性DW−ACP及び前記第1TSPを利用したプライマーアニーリング、プライマー延長及び変性の少なくとも一サイクルを含み、前記第2段階の増幅は、前記それぞれのプライマーがターゲットヌクレオチド配列とアニーリングされる条件下で行われて、これにより、第1増幅産物(primary amplification product)が生成されて、そして、
    プライマーアニーリング、プライマー延長及び変性の少なくとも1サイクルを含み、第3アニーリング温度で第2増幅を行うステップ(b)をさらに含んで、前記ステップ(b)は、(i)前記第1増幅産物の3’−末端にある前記第1縮退性DW−ACP配列に対する反対−センス(opposite-sense)ヌクレオチド配列と混成化するヌクレオチド配列を有する第2DW−ACP及び(ii)前記第1増幅産物の内部部位を増幅するためにデザインされた第2ネステッド(nested)TSPを利用することを特徴とする、
    既知のヌクレオチド配列に隣接した未知のヌクレオチド配列を増幅する方法。
  2. 前記第1段階の増幅は、一サイクル行われることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  3. 前記第2段階の増幅は、少なくとも5サイクル行われることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  4. 前記第1アニーリング温度は、35℃〜50℃であることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  5. 前記第2アニーリング温度は、50℃〜72℃であることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  6. 前記第1縮退性DW−ACPは、次の一般式Iで表されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
    5’−Xp−Yq−Zr−Qs−3’ (I)
    式中、前記Xpは、前−選択ヌクレオチド配列を有する5’−末端部位を示し、前記Yqは、少なくとも二つのユニバーサル塩基または非区別性塩基類似体を含む調節子部位を示し、前記Zrは、縮退性ランダム配列ヌクレオチド配列を有する縮退性ランダム配列部位を示して、前記Qsは、前記未知ヌクレオチド配列の一位置に実質的に相補的な混成化ヌクレオチド配列を有する3’−末端部位を示し、前記p、q、r及びsは、ヌクレオチドの数であり、前記X、Y、Z及びQは、デオキシリボヌクレオチド(deoxyribonucleotide)またはリボヌクレオチド(ribonucleotide)である。
  7. 前記第2DW−ACPは、次の一般式IIで表されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
    5’−X’p−Su−Y’v−Z’w−3’ (II)
    式中、前記X’pは、前記第1縮退性DW−ACPの5’−末端部位に該当するヌクレオチド配列を有する5’−末端部位を示し、前記Suは、ステップ(a-2)の第1増幅産物にある、第1縮退性DW−ACPの調節子部位の反対部位と混成化するヌクレオチド配列を含む補助アニーリング部位を示し、Y’vは、少なくとも二つのユニバーサル塩基または非区別性塩基類似体残基を含む調節子部位を示し、前記第1縮退性DW−ACPに相補的なヌクレオチド配列を除いた非−ターゲット序列に前記X’p及びSu部位がアニーリングされることを妨害して、前記Z’wは、前記第1縮退性DW−ACPの3’−末端部位に該当するヌクレオチド配列を有する3’−末端部位を示し、前記p、u、v及びwは、ヌクレオチドの数であり、前記X’、S、Y’及びZ’は、デオキシリボヌクレオチドまたはリボヌクレオチドである。
  8. 前記方法は、前記ステップ(b)を行う前に、前記第1縮退性DW−ACP、及び前記第1ターゲット−特異的プライマーを除去するために、前記ステップ(a)の反応結果物を精製するステップ(a’)をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  9. (i)前記第2DW−ACPまたは前記第1縮退性DW−ACPの5’−末端部位に該当するヌクレオチド配列を有するプライマー及び(ii)前記第2増幅産物の内部部位を増幅するためにデザインされた第3ネステッド(nested)TSPを利用するプライマーアニーリング、プライマー延長及び変性の少なくとも1サイクルを含む、第4アニーリング温度で第3増幅反応(third amplification)を行うステップ(c)をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  10. 前記第1及び/または第2ターゲット特異的プライマー(TSPs)は、次の一般式IIIを有することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
    5’−X”p−Y”q−Z”r−3’ (III)
    式中、前記X”は、混成化する既知のヌクレオチドの一位置と実質的に相補的な混成化ヌクレオチド配列を有する5’−高Tm特異性部位を示して、前記Y”は、少なくとも2つ以上のユニバーサル塩基を含む分割区域を示し、前記Z”は、混成化するターゲット配列と実質的に相補的な混成化配列を有する3’−低Tm特異性部位を示して、前記p、q、及びrは、ヌクレオチドの個数であり、前記X”Y”、及びZ”は、デオキシリボヌクレオチドまたはリボヌクレオチドであって、前記5’−高Tm特異性部位のTmは、前記3’−低Tm特異性部位のTmより高く、前記分割部位は、前記3つの区域のうち、最も低いTmを有して、前記分割部位は、前記5’−高Tm特異性部位と前記3’−低Tm特異性部位が鋳型核酸と混成化される場合、非塩基対バブル構造を形成して、前記分割部位は、鋳型核酸に対するアニーリング特異性側面で、前記5’−高Tm特異性部位が3’−低Tm特異性部位から分割されるようにして、前記プライマーのアニーリング特異性は、前記5’−高Tm特異性部位と前記3’−低Tm特異性部位により二重的に決定され、その結果、前記プライマーの全体アニーリング特異性が増加される。
  11. 前記ユニバーサル塩基または非区別性塩基類似体残基は、デオキシイノシン、イノシン、7−デアザ−2’−デオキシイノシン、2−アザ−2’−デオキシイノシン、2’−OMeイノシン、2’−Fイノシン、デオキシ3−ニトロピロール、3−ニトロピロール、2’−OMe3−ニトロピロール、2’−F3−ニトロピロール、1−(2’−デオキシ−β−D−リボフラノシル)−3−ニトロピロール、デオキシ5−ニトロピロール、5−ニトロインドール、2’−OMe5−ニトロインドール、2’−F5−ニトロインドール、デオキシ4−ニトロベンズイミダゾール、4−ニトロベンズイミダゾール、デオキシ4−アミノベンズイミダゾール、4−アミノベンズイミダゾール、デオキシネブラリン、2’−Fネブラリン、2’−F4−ニトロベンズイミダゾール、PNA−5−イントロインドール、PNA−ネブラリン、PNA−イノシン、PNA−4−ニトロベンズイミダゾール、PNA−3−ニトロピロール、モルフォリノ−5−ニトロインドール、モルフォリノ−ネブラリン、モルフォリノ−イノシン、モルフォリノ−4−ニトロベンズイミダゾール、モルフォリノ−3−ニトロピロール、ホスホルアミデート−5−ニトロインドール、ホスホルアミデート−ネブラリン、ホスホルアミデート−イノシン、ホスホルアミデート−4−ニトロベンズイミダゾール、ホスホルアミデート−3−ニトロピロール、2’−O−メトキシエチルイノシン、2’−O−メトキシエチルネブラリン、2’−O−メトキシエチル5−ニトロインドール、2’−O−メトキシエチル4−ニトロ−ベンズイミダゾール、2’−O−メトキシエチル3−ニトロピロール、及び前記塩基の組み合せからなる群から選択されることを特徴とする、請求項6に記載の方法。
  12. 前記ユニバーサル塩基または非区別性塩基類似体残基は、デオキシイノシン、イノシン、1−(2’−デオキシ−β−D−リボフラノシル)−3−ニトロピロールまたは5−ニトロインドールであることを特徴とする、請求項11に記載の方法。
  13. 前記調節子部位は、ユニバーサル塩基または非区別性塩基類似体残基を有するヌクレオチドの連続配列を含むことを特徴とする、請求項6に記載の方法。
  14. 前記pは、10乃至60の整数であることを特徴とする、請求項6に記載の方法。
  15. 前記qは、少なくとも3の整数であることを特徴とする、請求項6に記載の方法。
  16. 前記qは、3〜10の整数であることを特徴とする、請求項6に記載の方法。
  17. 前記rは、2〜5の整数であることを特徴とする、請求項6に記載の方法。
  18. 前記sは、3〜10の整数であることを特徴とする、請求項6に記載の方法。
  19. 前記Sは、少なくとも二つの連続されたデオキシグアノシン(deoxyguanosine)ヌクレオチドを含むことを特徴とする、請求項7に記載の方法。
  20. 前記5’−高Tm特異性部位の長さは、3’−低Tm特異性部位より長いことを特徴とする、請求項10に記載の方法。
  21. 前記3’−低Tm特異性部位は、既知の配列部位に完全に相補的な混成化ヌクレオチド配列を有することを特徴とする、請求項10に記載の方法。
  22. 前記5’−高Tm特異性部位は、15〜40ヌクレオチドの長さを有することを特徴とする、請求項10に記載の方法。
  23. 前記3’−低Tm特異性部位は、3〜15ヌクレオチドの長さを有することを特徴とする、請求項10に記載の方法。
  24. 前記5’−高Tm特異性部位は、15〜25ヌクレオチドの長さ、分割区域は、3〜10ヌクレオチドの長さ、及び3’−低Tm特異性部位は、3〜15ヌクレオチドの長さを有することを特徴とする、請求項10に記載の方法。
  25. 前記5’−高Tm特異性部位は、40〜80℃のTmを有することを特徴とする、請求項10に記載の方法。
  26. 前記3’−低Tm特異性部位は、10〜40℃のTmを有することを特徴とする、請求項10に記載の方法。
  27. 前記分割区域は、3〜15℃のTmを有することを特徴とする、請求項10に記載の方法。
  28. 前記調節子部位は、ユニバーサル塩基または非-区別性塩基類似体残基を有するヌクレオチドの連続配列を含み、前記pは、10乃至60の整数であり、前記uは、3乃至10の整数であり、前記vは、2乃至5の整数であって、前記wは、3乃至10の整数であることを特徴とする、請求項7に記載の方法。
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