JP2010504752A - ヌクレオチド変異検出方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、ターゲットヌクレオチド配列の少なくとも2種類以上のヌクレオチド変異を同時に検出する方法に関する。
【解決手段】本発明の方法によると、従来の付加的な制限酵素処理や塩基配列分析の過程を経ることなく、簡単な増幅反応を通じて、2種以上のヌクレオチド変異を同時に、且つ誤りなく正確に検出することができる。
【選択図】図3b
【解決手段】本発明の方法によると、従来の付加的な制限酵素処理や塩基配列分析の過程を経ることなく、簡単な増幅反応を通じて、2種以上のヌクレオチド変異を同時に、且つ誤りなく正確に検出することができる。
【選択図】図3b
Description
本発明は、ヌクレオチド変異を検出する方法に関する
人類は、ペニシリンの発見(Alexander Fleming, 1928年)以後、数多い種類の抗生剤・抗真菌剤・抗ウイルス剤(以下、薬剤という)を開発してきた。これは、人間の死亡率の最も大きい部分を占めていた病原体感染による死と苦しみから人類を解放させてきた。これにより、今は、病原体感染による死亡率が極めて微弱な部分となった。しかし、病原体も生物体として薬剤に対する耐性を鍛え、人類に対抗し始めた。最近、病院内感染で社会的イシューとなっているmethicillin resistant Staphylococcus aureus(MRSA)やvancomycin-resistant enterococci(VRE)、あるいは鳥類インフルエンザの唯一の治療剤であるoseltamivir phosphate(Tamiflu)に耐性を有する突然変異AIウイルスの出現などが代表的な例である。
このような薬剤耐性は、薬剤の標的となる生体高分子化合物(主にタンパク質)の薬剤結合部位に突然変異を誘導して、薬剤の結合に問題を起こすものである。細菌や真菌の場合は、多剤薬剤耐性(Multi-Drug resistance)が誘発されたりもして、治療に難航を極めている。また、薬剤の標的となる生体高分子化合物が一つではなく多数である場合が多いため、その薬剤耐性を分析あるいは研究することが難しい場合も多い。その反面、ウイルスの場合は、その薬剤の標的が明らかであるため、薬剤耐性に対する分析が相対的に容易である。
このような薬剤耐性病原体に対する克服方法は、薬剤標的物質の変形された結合部位にピッタリと結合する薬剤誘導体を開発して、新しい薬剤として使用するか、新しい標的物質に対する新しい薬剤を開発することである。
このような薬剤開発に基づいた病原体の征服、病原体の突然変異による人間に対する抵抗、突然変異株を征服するための新しい薬剤の開発の歴史的展開が明らかでありながらも、人類にその重要度が大きいものの一つがB型肝炎ウイルス(Hepatitis B virus, HBV)とその抗ウイルス剤の開発過程である。
韓国及び全世界的にほぼ3億5千万人の人たちがB型肝炎ウイルスに感染されている。HBVの保菌者の中、ほぼ15〜40%が慢性B型肝炎、肝硬化、肝がんに進行する危険性が高い。したがって、慢性B型肝炎の治療目的は、HVB複製を抑制して、肝疾患への進行を防ぐことにあり、現在までB型肝炎治療剤として認められた薬には、インターフェロンとラミブジン(Lamivudine)、アデホビル(Adefovir)などがある。
ラミブジンは、ヌクレオチド類似体であって、肝細胞内でHBVのプレゲノムRNAから逆転写されるウイルスDNA塩基配列内に挿入される時、HBV DNA重合酵素の逆転写機能を抑制する薬剤である。HBV複製抑制効果に優れて、治療後、組織学的所見が向上されるという報告もあって、慢性B型肝炎の治療剤として広く使用されている。しかしながら、1年間ラミブジン治療を受けた患者の14〜32%からYMDDモチーフ変異型が発生すると知られている。YMDDモチーフは、HBV DNA重合酵素遺伝子のC領域に位置するもので、アミノ酸配列上、552番目MetがValine(M552V)やIle(M552I)に置換されて変異型が発生する部位である。変異型は、HBV野生型に比べ、ラミブジンに対する感受性が45倍以上低いと言われる。ラミブジンの治療期間が長いほどYMDDモチーフ変異型の発生率が高くなる。ラミブジン治療により、HBV DNA交雑反応で陰性を示したものの、再び非常に高い水準の陽性反応を示すHBV DNA再出現(breakthrough)現象が現れた時は、YMDD変異型出現を疑ってよい。
このようなラミブジン耐性HBV出現の場合、その代替薬剤としてアデホビルが開発され、現在益々その使用が増加している。過ぎた3年間のアデホビル臨床試験の中、投与患者の約3.9%から薬剤耐性を有したウイルスが検出された。分子生物学的にこれらのウイルスは、HBV DNA重合酵素D地域236番(AsnがAlaに)、B地域181番(AlaがThrに)で変異が生じたものである。しかし、これらのアデホビル耐性ウイルスは、ラミブジンによって増殖が抑制されると知られている。したがって、ラミブジンやアデホビルに対する薬剤耐性が生じた場合は、二つの薬剤を交互に使用して、ウイルスDNAの再出現を防ぐ方法が使用されている。
このような薬剤耐性変異は、ほとんどが単一あるいは二重塩基配列変異によるものであるため、その検出方法が容易ではない。現在は、薬剤耐性変異ウイルスの検出法としては、PCRの後に直接的に遺伝子塩基配列分析をするか、制限酵素処理後の電気泳動、制限酵素処理後の質量分析法(PCR-RFMP法)、LightCycler probe hybridization, primer-specific real-time PCR法などがある。現在、標準化された市販のキットは、逆交雑法(reverse hybridization)で検出するINNO-LiPA HBV DR(Innogenetics, Ghent, Belgium)と、直接塩基配列分析法で検出するTRUGENE HBV genotypingキット(Visible Genetics/Bayer, Toronto, Canada)がある。遺伝子型が互いに異なるウイルスが混ざっている場合、特定遺伝子を有したウイルスを塩基配列分析法で検出するためには、全体ウイルスの20%以上が特定遺伝子を有したウイルスでなければならなく、LiPA法で検出するためには、10%程度の特定遺伝子を有したウイルスでなければならない。
上記の方法は、時間及び労働力の過多所要や、正確性に問題がある。したがって、ゲノムDNAのような核酸上の単一塩基の差異を簡便且つ正確且つ敏感に検出できる方法が要求されている。
本明細書全体にかけて多数の引用文献及び特許文献が参照されて、その引用が表示されている。引用された文献及び特許の開示内容は、その全体が本明細書に参照として取り込まれ、本発明の属する技術分野の水準及び本発明の内容がより明確に説明される。
本発明の発明者は、上述の当業界の要求を解決するために鋭意研究した結果、独特の構造を有するプライマーを製作して、これを利用する場合、ヌクレオチド変異を、誤りなく正確に検出することができるだけではなく、2種類の変異を同時に且つ容易に検出することができることを確認して、本発明を完成した。
したがって、本発明の目的は、ヌクレオチドターゲットヌクレオチド配列の少なくとも2種類以上のヌクレオチド変異を同時に検出する方法を提供することにある。
本発明の他の目的及び利点は、下記の実施例及び請求の範囲により、さらに明確にされる。
本発明の様態によると、本発明は、以下のステップを含む、ヌクレオチド変異が現れるターゲットヌクレオチド配列を含む試料からターゲットヌクレオチド配列の少なくとも2種類以上のヌクレオチド変異を同時に検出する方法を提供する:
(a)下記(i)乃至(iv)のプライマーとターゲットヌクレオチド配列とを混成化条件下で接触させるステップ:
(i)第1ヌクレオチド変異に該当するヌクレオチドを有するターゲットヌクレオチド配列の変異発生部位に特異的に混成化されて、前記第1ヌクレオチド変異に該当するヌクレオチドに相補的なヌクレオチドを含む第1ヌクレオチド変異特異的プライマー(nucleotide variation specific primer 1: NVS-P1);
(ii)前記NVS−P1プライマーが混成化される前記変異発生部位のupstreamに位置するターゲットヌクレオチド配列の特定部位に混成化されるターゲット配列特異的プライマー1(target specific primer 1: TSP1);
(iii)前記第1ヌクレオチド変異が現れる同一位置、その隣接位置または離隔された位置において、第2ヌクレオチド変異に該当するヌクレオチドを有するターゲットヌクレオチド配列の変異発生部位に相補的な配列に特異的に混成化されて、前記第2ヌクレオチド変異に該当するヌクレオチドを含む第2ヌクレオチド変異特異的プライマー(nucleotide variation specific primer 2: NVS-P2);及び
(iv)前記NVS−P2プライマーが混成化される前記変異発生部位のdownstreamに位置するターゲットヌクレオチド配列の特定部位に混成化されるターゲット配列特異的プライマー2(target specific primer 2: TSP2)、
前記(i)及び(ii)のプライマーセットと前記(iii)及び(iv)プライマーセットは、互いに異なる大きさの増幅産物が生成されるように選択されてデザインされたものであり、前記NVS−P1及びNVS−P2プライマーは、下記の一般式Iで表される:
5’−Ap−Yq−Vr−3’ (I)
前記一般式において、Apは、混成化されるターゲット配列と実質的に相補的な混成化配列を有する変異隣接特異性区域(variation adjacent specificity portion)であり、Yqは、少なくとも三つ以上のユニバーサル塩基を含む分割区域(separation portion)であり、Vrは、ヌクレオチド変異に該当するまたは相補的なヌクレオチドを含み、ターゲット配列と実質的に相補的な混成化配列を有する変異特異性区域(variation specificity portion)であって、p、q及びrは、ヌクレオチドの数を示し、X、Y及びZは、デオキシリボヌクレオチドまたはリボヌクレオチドであり、変異隣接特異性区域のTmは、変異特異性区域のTmより高く、前記分割区域は、前記三つの区域の中で最も低いTmを有して、前記分割区域は、混成化特異性側面で変異隣接特異性区域が変異特異性区域から分割されるようにして、このような特異性分割は、オリゴヌクレオチド全体構造の混成化特異性が変異隣接特異性区域と変異特異性区域とにより二重的に決定されるようにして、これは、結局オリゴヌクレオチド全体構造の混成化特異性を向上させる;
(b)少なくとも2サイクルのプライマーアニーリング、プライマー延長及び変性の段階を行って、ターゲットヌクレオチド配列を増幅するステップ;及び
(c)ステップ(b)で生成された増幅産物の大きさを確認して、ヌクレオチド変異を検出するステップ。
(a)下記(i)乃至(iv)のプライマーとターゲットヌクレオチド配列とを混成化条件下で接触させるステップ:
(i)第1ヌクレオチド変異に該当するヌクレオチドを有するターゲットヌクレオチド配列の変異発生部位に特異的に混成化されて、前記第1ヌクレオチド変異に該当するヌクレオチドに相補的なヌクレオチドを含む第1ヌクレオチド変異特異的プライマー(nucleotide variation specific primer 1: NVS-P1);
(ii)前記NVS−P1プライマーが混成化される前記変異発生部位のupstreamに位置するターゲットヌクレオチド配列の特定部位に混成化されるターゲット配列特異的プライマー1(target specific primer 1: TSP1);
(iii)前記第1ヌクレオチド変異が現れる同一位置、その隣接位置または離隔された位置において、第2ヌクレオチド変異に該当するヌクレオチドを有するターゲットヌクレオチド配列の変異発生部位に相補的な配列に特異的に混成化されて、前記第2ヌクレオチド変異に該当するヌクレオチドを含む第2ヌクレオチド変異特異的プライマー(nucleotide variation specific primer 2: NVS-P2);及び
(iv)前記NVS−P2プライマーが混成化される前記変異発生部位のdownstreamに位置するターゲットヌクレオチド配列の特定部位に混成化されるターゲット配列特異的プライマー2(target specific primer 2: TSP2)、
前記(i)及び(ii)のプライマーセットと前記(iii)及び(iv)プライマーセットは、互いに異なる大きさの増幅産物が生成されるように選択されてデザインされたものであり、前記NVS−P1及びNVS−P2プライマーは、下記の一般式Iで表される:
5’−Ap−Yq−Vr−3’ (I)
前記一般式において、Apは、混成化されるターゲット配列と実質的に相補的な混成化配列を有する変異隣接特異性区域(variation adjacent specificity portion)であり、Yqは、少なくとも三つ以上のユニバーサル塩基を含む分割区域(separation portion)であり、Vrは、ヌクレオチド変異に該当するまたは相補的なヌクレオチドを含み、ターゲット配列と実質的に相補的な混成化配列を有する変異特異性区域(variation specificity portion)であって、p、q及びrは、ヌクレオチドの数を示し、X、Y及びZは、デオキシリボヌクレオチドまたはリボヌクレオチドであり、変異隣接特異性区域のTmは、変異特異性区域のTmより高く、前記分割区域は、前記三つの区域の中で最も低いTmを有して、前記分割区域は、混成化特異性側面で変異隣接特異性区域が変異特異性区域から分割されるようにして、このような特異性分割は、オリゴヌクレオチド全体構造の混成化特異性が変異隣接特異性区域と変異特異性区域とにより二重的に決定されるようにして、これは、結局オリゴヌクレオチド全体構造の混成化特異性を向上させる;
(b)少なくとも2サイクルのプライマーアニーリング、プライマー延長及び変性の段階を行って、ターゲットヌクレオチド配列を増幅するステップ;及び
(c)ステップ(b)で生成された増幅産物の大きさを確認して、ヌクレオチド変異を検出するステップ。
本発明は、ヌクレオチド配列内の多様なヌクレオチド変異またはSNP(single nucleotide polymorphism)を同時に検出する方法を提供する。特に、本発明は、ヌクレオチド配列内の同一な塩基または同一なコドンにおける変異を同時に検出することができる方法を提供する。
現在まで、簡単な増幅反応(例えば、PCR)のみで、2種以上のヌクレオチド変異、特に、同一な塩基または同一なコドンにおける2種以上の変異を同時に検出できる方法は、実際的に開発されていなかった。本発明は、このような同時変異検出を、簡単な増幅反応のみで確認できる実際的な方法を最初に提供する。
本明細書において、用語‘ヌクレオチド変異’は、野生型のヌクレオチドが変化されてなされた変異(例えば、SNP)を意味する。本発明における検出対象であるヌクレオチド配列は、gDNA、cDNA及びRNAを意味する。
本発明で利用されるプライマー、特に変異特異的プライマー(nucleotide variation specific prime: NVS)が有する基本的な構造は、本発明者により最初に提案されるもので、二重特異性(dual specificity)構造と命名することができ、このような構造を有するオリゴヌクレオチドは、二重特異性オリゴヌクレオチド(dual specificity oligonucleotide: DSO)と命名される。DSOは、本発明者により開発された新概念のオリゴヌクレオチドであって、分割区域により分離された5’−高Tm特異性区域(5'-high Tm specificity portion)と3’−低Tm特異性区域(3'-low Tm specificity portion)により二重的に混成化が決定されるため、大きく向上された混成化特異性を示す(参照:PCT/KR2005/001206)。
本発明におけるNVSプライマーは、前記DSOを変形したもので、前記一般式Iの構造を有する。NVSプライマーは、変異隣接特異性区域(variation adjacent specificity portion)、分割区域(separation portion)及び変異特異性区域(variation specificity portion)を含む。
前記分割区域は、変異隣接特異性区域及び変異特異性区域を物理的に且つ機能的に分割させる機能を有する。このような分割により、変異隣接特異性区域及び変異特異性区域は、混成化特異性側面で互いに分割される。このような特異性分割は、オリゴヌクレオチド全体構造の混成化(アニーリング)特異性が変異隣接特異性区域と変異特異性区域により二重的に決定されるようにして、これは、結局プライマー全体構造の混成化特異性を向上させる。
より詳細には、NVSプライマーが、ヌクレオチド変異を含むターゲット配列にアニーリングされる時、特異性は、従来のプライマーのようにプライマー全体の長さによって決定されるものではなく、互いに分割された変異隣接特異性区域及び変異特異性区域により二重的に決定される。したがって、NVSプライマーは、ターゲット配列にアニーリングされる時、従来のプライマーと異なる方式(performance)でアニーリングされて、これは、アニーリング特異性を大きく向上させる結果を招来する。
本発明の好ましい具現例によると、前記分割区域に位置するユニバーサル塩基は、デオキシイノシン、イノシン、7−デアザ−2’−デオキシイノシン、2−アザ−2’−デオキシイノシン、2’−OMeイノシン、2’−Fイノシン、デオキシ3−ニトロピロール、3−ニトロピロール、2’−OMe3−ニトロピロール、2’−F3−ニトロピロール、1−(2’−デオキシ−β−D−リボフラノシル)−3−ニトロピロール、デオキシ5−ニトロピロール、5−ニトロインドール、2’−OMe5−ニトロインドール、2’−F5−ニトロインドール、デオキシ4−ニトロベンズイミダゾール、4−ニトロベンズイミダゾール、デオキシ4−アミノベンズイミダゾール、4−アミノベンズイミダゾール、デオキシネブラリン、2’−Fネブラリン、2’−F4−ニトロベンズイミダゾール、PNA−5−イントロインドール、PNA−ネブラリン、PNA−イノシン、PNA−4−ニトロベンズイミダゾール、PNA−3−ニトロピロール、モルフォリノ−5−ニトロインドール、モルフォリノ−ネブラリン、モルフォリノ−イノシン、モルフォリノ−4−ニトロベンズイミダゾール、モルフォリノ−3−ニトロピロール、ホスホルアミデート−5−ニトロインドール、ホスホルアミデート−ネブラリン、ホスホルアミデート−イノシン、ホスホルアミデート−4−ニトロベンズイミダゾール、ホスホルアミデート−3−ニトロピロール、2’−O−メトキシエチルイノシン、2’−O−メトキシエチルネブラリン、2’−O−メトキシエチル5−ニトロインドール、2’−O−メトキシエチル4−ニトロ−ベンズイミダゾール、2’−O−メトキシエチル3−ニトロピロール、及び前記塩基の組み合せからなる群から選択されて、より好ましくは、デオキシイノシン、イノシン、1−(2’−デオキシ−β−D−リボフラノシル)−3−ニトロピロールまたは5−ニトロインドールであり、最も好ましくは、デオキシイノシンである。
本発明の好ましい具現例によると、前記分割区域は、連続したユニバーサル塩基を含む。
好ましくは、前記変異隣接特異性区域の長さは、変異特異性区域より長い。前記変異隣接特異性区域は、好ましくは15〜40ヌクレオチドの長さを有して、より好ましくは、15〜25ヌクレオチドの長さを有する。
前記変異特異性区域は、好ましくは3〜15ヌクレオチドの長さを有して、より好ましくは、5〜15ヌクレオチド、最も好ましくは6〜13ヌクレオチドの長さを有する。
前記分割区域は、好ましくは3〜10ヌクレオチド、より好ましくは、4〜8ヌクレオチド、最も好ましくは5〜7ヌクレオチドの長さを有することが好ましい。
本発明の好ましい具現例によると、前記変異隣接特異性区域は、40〜80℃のTmを有して、好ましくは、45〜65℃のTmを有する。好ましくは、前記変異特異性区域は、10〜40℃のTmを有する。前記分割区域は、好ましくは3〜15℃のTmを有する。
本発明のプライマーの変異特異性区域は、ヌクレオチド変異に該当する(corresponding)または相補的な(complementary)ヌクレオチドを含む。本発明のプライマーがターゲットヌクレオチド配列のセンス鎖と混成化される場合は、変異特異性区域は、ヌクレオチド変異に相補的なヌクレオチドを含み、アンチセンス鎖と混成化される場合は、ヌクレオチド変異に該当するヌクレオチドを含む。
本発明の好ましい具現例によると、前記ヌクレオチド変異に該当するまたは相補的なヌクレオチドは、変異特異性区域の3’−末端、あるいは3’−末端から1〜10塩基離隔された位置に存在して、より好ましくは、変異特異性区域の3’−末端から2〜7塩基、さらに好ましくは、3’−末端から3〜6塩基離隔された位置に存在する。最も好ましくは、ヌクレオチド変異に該当するまたは相補的なヌクレオチドは、変異特異性区域の中央(center)またはその近所(around the center)に位置する。例えば、変異特異性区域が8ヌクレオチドを含む場合、ヌクレオチド変異に該当するまたは相補的なヌクレオチドは、変異特異性区域の3’−末端から3〜6塩基離隔された位置、好ましくは4〜5塩基離隔された位置、より好ましくは4塩基離隔された位置に存在する。
前記NVSプライマーの変異特異的区域において、ヌクレオチド変異に該当するまたは相補的なヌクレオチドが、変異特異性区域の3’−末端から3〜6塩基離隔された位置に存在するか、あるいは中央に偏って位置すると、以下のような有利な効果が発生する。
例えば、一般的なプライマーを利用してSNPを検出する時は、変異発生部位を3’−末端に位置するようになるが、この場合、3’−末端の塩基がターゲット配列にアニーリングされる時とされない時(即ち、ミスマッチされる時)のTm値にあまり差がない。したがって、ミスマッチされた時もアニーリングされて増幅反応が起こり、擬陽性結果が出る傾向が大きい。一方、変異発生部位を中央に偏らせて位置させると、変異発生部位がターゲット配列にアニーリングされる時とされない時(即ち、ミスマッチされる時)のTm値にある程度大きい差があるが、大部分の熱安定性重合酵素は、ミスマッチされる部分でも重合反応を触媒し、擬陽性結果を招来する。
本発明に従う場合は、上述の従来技術の問題点を完璧に克服することができる。例えば、ヌクレオチド変異に該当するまたは相補的なヌクレオチドが変異特異性区域の中央に偏って位置する場合、仮にこの位置でミスマッチが発生すると、変異特異性区域のみからみると、構造の中央でミスマッチが発生したことになるため、変異特異性区域のTm値が、マッチされる時と比較して大きく減少するようになり、プライマー全体構造からみると、3’−末端におけるミスマッチであるため、熱安定性重合酵素は重合反応を触媒しない。したがって、ミスマッチされる場合、擬陽性結果が発生しない。
本発明の好ましい具現例によると、本発明で利用されるNVSプライマーは、下記の一般式IIで表される。
5’−Ap−(dI)q−Vr−3’ (II)
5’−Ap−(dI)q−Vr−3’ (II)
上記式において、Apは、混成化されるターゲット配列と実質的に相補的な混成化配列を有する変異隣接特異性区域(variation adjacent specificity portion)であり、(dI)qは、連続的なデオキシイノシン残基を含む分割区域(separation portion)であり、Vrは、ヌクレオチド変異に該当するまたは相補的なヌクレオチドを含み、ターゲット配列と実質的に相補的な混成化配列を有する変異特異性区域(variation specificity portion)であり、pは、15〜25、qは4〜8、rは6〜13であって、ヌクレオチド変異に該当するまたは相補的なヌクレオチドは、Vrの中央に位置している。
前記一般式IIのNVSプライマーにおいて、(dI)は、連続的なデオキシイノシン残基を含む分割区域であり、デオキシイノシン残基の数は、4〜8である。この場合、(dI)が分割区域の役割を果たせる範囲内で、他の塩基が挿入されてもよい。
また、前記一般式IIのNVSプライマーにおいて、ヌクレオチド変異に該当するまたは相補的なヌクレオチドは、Vrの中央に位置している。例えば、Vrが6、7、8、9、10、11、12及び13個のヌクレオチド残基からなっている場合、ヌクレオチド変異に該当するまたは相補的なヌクレオチドは、Vrの3’−末端からそれぞれ3〜4、3〜5、4〜5、4〜6、5〜6、5〜7、6〜7及び6〜8ヌクレオチドに位置していることが好ましい。
本明細書において、用語‘プライマー’は、合成または天然のオリゴヌクレオチドを意味する。プライマーは、鋳型に相補的なプライマー延長産物の合成が誘導される条件、即ち、ヌクレオチドとDNA重合酵素のような重合剤の存在、そして適合した温度とpHの条件で、合成の開始点として作用する。増幅の最大効率のために、好ましくは、プライマーは一本鎖である。好ましくは、プライマーは、デオキシリボヌクレオチドである。本発明のプライマーは、天然(naturally occurring)dNMP(即ち、dAMP, dGMP, dCMP及びdTMP)、変形ヌクレオチドまたは非天然ヌクレオチドを含む。また、プライマーは、リボヌクレオチドも含むことができる。例えば、本発明のオリゴヌクレオチドは、骨格変形されたヌクレオチド、例えば、ペプチド核酸(PNA)(M. Egholm et al., Nature, 365:566-568(1993))、ホスホロチオエートDNA、ホスホロジチオエートDNA、ホスホルアミデードDNA(phosphoramidate DNA)、アミド-連結されたDNA、MMI-連結されたDNA、2’−O−メチルRNA、アルファ-DNA及びメチルホスホン酸DNA、糖変形されたヌクレオチド例えば、2’−O−メチルRNA、2’−フルオロRNA、2’−アミノRNA、2’−O−アルキルDNA、2’−O−アリルDNA、2’−O−アルキニルDNA、ヘキソースDNA、ピラノシルRNA及びアンヒドロヘキシトールDNA(anhydrohexitol DNA)、及び塩基変形を有するヌクレオチド例えば、C−5置換されたピリミジン(置換基は、フルオロ−、ブロモ−、クロロ−、ヨード−、メチル−、エチル−、ビニル−、ホルミル−、エチニル−、プロピニル−、アルキニル−、チアゾリル−、イミダゾリル−、ピリジル−含み)、C−7置換基を有する7−デアザプリン(置換基は、フルオロ−、ブロモ−、クロロ−、ヨード−、メチル−、エチル−、ビニル−、ホルミル−、アルキニル−、アルケニル−、チアゾリル−、イミダゾリル−、ピリジル−)、イノシン及びジアミノプリンを含むことができる。
プライマーの配列は、鋳型の一部配列と完全に相補的な配列を有する必要はなく、鋳型と混成化されてプライマー固有の作用ができる範囲内における十分な相補性を有すればよい。
本明細書において、用語‘混成化’は、二つの一本鎖核酸が相補的な塩基配列のpairingにより二合体構造(duplex structure)を形成することを意味する。混成化は、一本鎖核酸配列間の相補性が完全な場合(perfect match)に起こるか、一部ミスマッチ(mismatch)塩基が存在しても発生可能である。混成化に必要な相補性の程度は、混成化反応条件によって異なってくるが、特に温度によって調節できる。一般に、混成化温度が高いと、完全なマッチである場合、混成化が起こる可能性が高く、混成化温度が低いと、一部ミスマッチが存在しても混成化が起こる可能性がある。混成化温度が低いほど、混成化が起こる可能性のあるミスマッチの程度は増加する。
プライマーアニーリング、プライマー延長及び変性の段階を行って、ターゲットヌクレオチド配列を増幅する方法は、当業界によく知られている。
本発明において、適した混成化条件は、最適化過程により一連の過程で決定される。これは、研究室での使用のためのプロトコールを立てるために、当業者により一連の過程で行われる。例えば、温度、成分の濃度、混成化及び洗浄時間、緩衝液成分及びこれらのpH、及びイオン強度などの条件は、オリゴヌクレオチドの長さ及びGC量、そしてターゲットヌクレオチド配列などの多様な因子に依存する。混成化のための詳細な条件は、Joseph Sambrook, et al., Molecular Cloning, A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, N.Y.(2001);及びM.L.M. Anderson, Nucleic Acid Hybridization, Springer-Verlag New York Inc. N.Y.(1999)から確認できる。
本発明の好ましい具現例によると、混成化(アニーリング)温度は、40〜70℃であり、より好ましくは、45〜68℃であり、さらに好ましくは、50〜65℃であって、最も好ましくは、60〜65℃である。
変異を含む核酸配列を増幅するための本発明の方法は、所望のいかなる変異も検出可能にする。このような核酸分子はDNAまたはRNAである。前記核酸分子は、二本鎖または一本鎖の形態であり、好ましくは二本鎖である。出発物質としての核酸が二本鎖である場合、二つの鎖を一本鎖に、または部分的な一本鎖形態にすることが好ましい。鎖を分離する方法は、熱、アルカリ、ホルムアミド、ウレア及びグリコキサル(glycoxal)処理、酵素的方法(例えば、ヘリカーゼ作用)及び結合蛋白質を含むが、これに限定されるものではない。例えば、鎖分離は、80〜105℃の温度で熱処理して達成できる。上述の処理の一般的な方法は、Joseph Sambrookら, Molecular Cloning, A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, N.Y.(2001)に開示されている。
mRNAが出発物質として利用される場合、逆転写段階が増幅の前に必要であり、逆転写段階の詳細な内容は、Joseph Sambrookら, Molecular Cloning, A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, N.Y.(2001);及びNoonan, K. F. et al., Nucleic Acids Res. 16:10366 (1988))に開示されている。逆転写段階において、mRNAのポリAテールに混成化されるオリゴヌクレオチドdTプライマーが利用される。オリゴヌクレオチドdTプライマーは、dTMPsからなっており、dTプライマーがプライマーとして作用できる限り、dTMPsの中の一つまたはそれ以上は、他のdNMPsに代替できる。逆転写段階は、RNase H活性を有する逆転写酵素をもって行える。RNase H活性を有する酵素を利用する場合、反応条件を注意して選択すれば、個別的なRNase H切断段階を省くことができる。
本発明に利用されるプライマーは、鋳型の一部位に混成化またはアニーリングされて、二重鎖構造を形成する。このような二重鎖構造を形成するに好適な核酸混成化の条件は、Joseph Sambrookら, Molecular Cloning, A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, N.Y.(2001)及びHaymes, B. D.ら, Nucleic Acid Hybridization, A Practical Approach, IRL Press, Washington, D.C. (1985)に開示されている。
多様なDNA重合酵素が本発明の増幅段階に使用でき、E. coli DNA重合酵素Iの‘クレノウ(Klenow)’断片、熱安定性DNA重合酵素、及びバクテリオファージT7 DNA重合酵素を含む。好ましくは、重合酵素は、多様なバクテリア種から得られる熱安定性DNA重合酵素であり、これは、Thermus aquaticus(Taq), Thermus thermophilus(Tth), Thermus filiformis, Thermis flavus, Thermococcus literalis及びPyrococcus furiosus(Pfu)を含む。前記重合酵素の大部分は、バクテリアそのものから分離することができ、または商業的に購入することができる。また、本発明に利用される重合酵素は、重合酵素を暗号化するクローニング遺伝子の高いレベルを発現する細胞から得られる。
重合反応を行う時、反応容器に、反応に必要な成分を過量に提供することが好ましい。増幅反応に必要な成分の過量は、増幅反応が成分の濃度に実質的に制限されない程度の量を意味する。Mg2+のような助因子、dATP、dCTP、dGTP及びdTTPを、所望の増幅程度が達成できる程度に反応混合物に提供することが好ましい。
増幅反応に利用される全ての酵素は、同一な反応条件で活性状態である。緩衝液は、全ての酵素が最適の反応条件に近接するようにする。したがって、本発明の増幅過程は、反応物の添加のような条件の変化無しに、単一反応物で行うことができる。
本発明において、アニーリングまたは混成化は、ターゲットヌクレオチド配列とプライマーとの間に特異的結合を可能にする厳格条件(即ち、分割区域がターゲット配列に水素結合できない条件)下で行われる。アニーリングのための厳格条件は、配列依存的であり、周囲環境的変数によって多様である。好ましくは、アニーリング温度は、40〜70℃であり、より好ましくは、45〜68℃、さらに好ましくは50〜65℃であって、最も好ましくは60〜65℃である。
本発明の最も好ましい具現例において、増幅過程は、米国特許第4,683,195号、第4,683,202号、及び第4,800,159号に開示されたPCRによって行われる。
増幅産物の形成有無を確認することは、電気泳動、例えば、アガロースゲル電気泳動を通じて容易に行うことができる。特に、本発明で利用されるプライマー対は、互いに増幅大きさが異なるようにデザインされたものであるため、電気泳動の結果を肉眼で観察して、ヌクレオチド変異の存在有無を容易に把握することができる。
本発明で利用されるターゲット配列特異的プライマー(TSP)は、分析目的の変異発生の外側部位(outer region)にアニーリングされるものであるため、従来のプライマー、即ち分割区域のない通常的なプライマー構造を有するプライマーが利用できる。好ましくは、TSPは、前記一般式Iで表される構造を有して、この場合、変異特異性区域は、ヌクレオチド変異に該当するまたは相補的なヌクレオチド無しに、ターゲット配列と実質的に相補的な配列を有する。
本発明の好ましい具現例によると、ステップ(a)は、前記NVS−P1プライマーとNVS−P2プライマーが混成化される変異以外の他の変異に混成化される一つ以上のヌクレオチド変異特異的プライマー(nucleotide variation specific primer)をさらに利用して行われる。例えば、B型肝炎ウイルス(HBV)のラミブジン耐性変異体を検出するために、本発明の方法を適用する場合、YIDDモチーフ、YVDDモチーフ及びL528Mの変異に混成化される3種以上のNVS−Pプライマーを利用して、三つの変異を同時に検出することができる。
本発明の好ましい具現例によると、ステップ(a)は、変異検出対象のターゲットヌクレオチド配列以外の他のヌクレオチド配列を増幅して、内部対照群(internal control)を生成するための一対のプライマーをさらに利用して行われる。このような内部対照群は、増幅反応自体が正しくなされたのかをチェックできるようにする。例えば、下記の実施例に例示のように、変異検出対象のHBVゲノム配列以外に増幅反応の内部対照群に使用するために、稲(Oryza sativa)の光合成関連遺伝子であるrbcL遺伝子が増幅反応に添加されて、このrbcL遺伝子を増幅するためのプライマーが使用される。内部対照群を生成するためのプライマーは、従来のプライマー構造を有してもよいが、好ましくは、前記一般式Iの構造を有する。この場合、一般式Iの変異特異性区域は、ヌクレオチド変異に該当するまたは相補的なヌクレオチド無しに、ターゲット配列と実質的に相補的な混成化配列を有する。
本発明の好ましい具現例によると、本発明の方法は、薬剤耐性病原体、より好ましくは薬剤耐性ウイルスを検出するための方法である。前記薬剤耐性ウイルスは、好ましくは、HIV(human immunodeficiency virus)−1、HIV−2、HBV(hepatitis B virus)、HCV(hepatitis C virus)またはヒトヘルペスウイルス(human herpesvirus)であり、最も好ましくは、HBVである。
本発明の好ましい具現例によると、ウイルスが耐性を示す薬剤は、ジドブジン(zidovudine)、ジダノシン(didanosine)、ザルシタビン(zalcitabine)、スタブジン(stavudine)、ラミブジン(lamivudine)、ネビラピン(nevirapine)、デラビルジン(delavirdine)、エファビレンズ(efavirenz)、アデホビル(adefovir)、アデホビルジピボキシル(adefovir dipivoxil)、FTC、D4FC、BCH−189、F−ddA、テトラヒドロイミダゾ[4,5,1−jk[]1,4]ベンゾジアゼピン−2(1H)−オン(tetrahydroimidazo[4,5,1-jk[]1,4]benzodiazepine-2(1H)-one)、テトラヒドロイミダゾ[4,5,1jk[]1,4]ベンゾジアゼピン−2(1H)−チオン(tetrahydroimidazo[4,5,1jk[]1,4]benzodiazepine -2(1H)-thione)、(S)−4−イソプロポキシカルボニル−6−メトキシ−3−(メチルチオメチル)−3,4−ジヒドロキノキサリン−2(1H)−チオン((S)-4-isopropoxycarbonyl-6-methoxy-3-(methylthiomethyl)-3,4,- dihydroquinoxaline-2(1H)-thione)、サキナビル(saquinavir)、リトナビル(ritonavir)、インジナビル(indinavir)、ネルフィナビル(nelfinavir)、アンプレナビル(amprenavir)、エンテカビル(entecavir)、ファムシクロビル(famciclovir)、ベンゾ−1,2,4−チアジアジン抗ウイルス剤(benzo-1,2,4-thiadiazine antiviral agent)、リバビリン(ribavirin)及びインターフェロンからなる群から選択される少なくとも1種の抗ウイルス薬剤であり、最も好ましくは、ラミブジンである。
本発明の方法によると、前記薬剤耐性を示す病原体の変異されたヌクレオチド配列を参照してNVS−Pプライマーを製作する。
HIV−1逆転写酵素に変異が発生して、抗ウイルス剤(ザルシタビン、ジドブジン、ジダノシン、ラミブジンなど)に対する耐性を示す変異の例は、次のようである:Met41Leu, Glu44Asp, Glu44Ala, Ile50Val, Ala62Val, Lys65Arg, Asp67Asn, Ser68Gly, Thr69Asp, Thr69Ser-Ser-Gly, Thr69Ser-Thr-Gly, Thr69Ser-Val-Gly, Lys70Arg, Lys70Glu, Leu74Ile, Leu74Val, Val75Ile, Val75Leu, Val75Thr, Phe77Leu, LeulOOIle, Lysl03Asn, VallO8Ala, VallO8Ile, Proll9Ser, Ilel35Thr, Ilel35Val, Glnl51Met, Thrl65Ile, Vall79Asp, Tyrl81Ile, Metl84Ala, Metl84Ile, Metl84Val, Tyrl88His, Tyrl88Leu, Glyl90Ala, Glyl90Cys, Glyl90Glu, Gryl90Gln, Glyl90Ser, Glyl90Thr, Leu210Trp, Leu214Phe, Thr215Tyr, Thr215Phe, Thr215Ser, Lys219Gln, Pro294Ser及びGly333Glu。
HIV−1プロテアーゼに変異が発生して、抗ウイルス剤(サキナビル、リトナビル、インジナビル、ネルフィナビル、アンプレナビルなど)に対する耐性を示す変異の例は、次のようである:Leu10Ile, LeulOVal, LeulOPhe, Val32Ile, Glu35Asp, Met36Ile, Met46Ile, Met45Leu, Ile47Val, Gly48Val, Ile50Val, Ile54Met, Ile54Ser, Ile54Val, Leu63Pro, Ala71Thr, Ala71Val, Val77Ile, Val82Ala, Val82Ile, Val82Phe, Val82Thr, Ile84Ala, Ile84Val, Asn88Asp, Asn88Ser, Leu89Met, Leu89Pro及びLeu90Met。
HCV RNA−依存性RNA重合酵素に変異が発生して、抗ウイルス剤(例えば、ベンゾ−1,2,4−チアジアジン抗ウイルス剤)に対する耐性を示す変異の例は、次のようである:Lys50Arg, Met71Val, Asn41 lSer, Met414Thr, Phe415Ty及びVal581Ala。
HCV NS5Aタンパク質に変異が発生して、抗ウイルス剤(例えば、インターフェロンなど)に対する耐性を示す変異の例は、次のようである:Leu2190Lys, Val2198Leu, Val2198Met, Val2198Glu, Thr2217Ala, Thr2217Val, Asn2218Asp, Asn2218Lys, Asn2218Ser, Asp2220Glu, Asp2223Glu, Glu2225Asp, Glu2228Gln, Glu2236Ala, Asn2248Asp, He2252Val, Ile2268Val, Arg2276Leu, Lys2277Arg, Ser2278Pro, Arg2280Lys, Arg2280Glu, Ala2282Thr, Pro2283Gln, Pro2283Arg, Val2287Ile, Leu2298Val, Leu2298Ile, Thr2300Pro, Thr2300Ala, Lys2302Asn, Lys2303Asn, Asp2305Gly及びPro2315Ala。
HBV重合酵素に変異が発生して、抗ウイルス剤に対する耐性を示す例は、次のようである:(i)ラミブジン:Leu426Ile, Leu426Val, Val173Leu, Met552Ile, Met552Val, Met552Ser, Val555Ile, Leu528Met; (ii)エンテカビル: Ile169Thr, Thr184Gly, Ser202Ile, Met250Val; (iii)ファムシクロビル: Val173Leu, Met552Ile, Val555Ile; 及び(iv)アデホビルジピボキシル: Asn236Thr。
本発明で使用されるヌクレオチド変異特異的NVS−Pプライマーは、上記の薬剤耐性病原体の変異されたヌクレオチド配列を参照してデザインされる。
本発明の好ましい具現例によると、本発明は、HBVの重合酵素における薬剤耐性ヌクレオチド変異、より好ましくは、HBVの重合酵素におけるラミブジン耐性ヌクレオチド変異、最も好ましくは、HBVの重合酵素における552番目コドンにおける変異を検出することに適用される。
本発明は、同一位置及び/または互いに異なる位置で発生する2種以上のヌクレオチド変異を同時に検出することに有用である。本明細書において、用語‘同時に’は、一つの増幅反応液で2種以上の変異の存在を確認できる反応結果物を得ることを意味する。したがって、本発明の方法によると、マルチプレックス増幅反応が必須的に伴われる。
本発明の方法が同一位置における変異を検出することに利用される場合は、2種のSNPを同時に検出する時に有用である。本発明の方法が互いに異なる位置、即ち隣接した位置または離隔された位置で発生される2種以上の変異を検出する時に利用される場合、大きく次のような適用性(applicability)がある。(i)同一位置ではないが、同一コドン内の隣接した位置における2種のヌクレオチド変異を同時に検出;及び(ii)同一コドン内に含まれていない隣接した位置または離隔された位置における2種以上のヌクレオチド変異を同時に検出。
同一位置または同一コドンに存在する2種以上の変異を検出する場合、本発明は、2種のヌクレオチドを同時に検出する時に有利である。この場合、使用されるNVS−P1プライマー及びNVS−P2プライマーは、重なる配列を有することが一般的であり、互いに混成化されて二合体(duplex)を形成することができる。このようなプライマー間の二合体形成は、増幅反応を非正常的にして、誤った増幅結果を招来する可能性がある。しかし、本発明のNVSプライマーは、プライマー間の二合体形成による問題点を克服して、この特徴及び長所は、2種の変異を同時に検出することを実際的に可能にする。
B型肝炎ウイルス(HBV)のラミブジン耐性変異体を検出するための本発明の具体的な一実施例によって本発明の過程を説明すると、以下のようである。
まず、ラミブジン耐性を誘発するヌクレオチド変異が発生されるターゲット配列としてのHBVのDNA重合酵素のコーディング配列を得る。前記配列は、当業界に公知されており、例えば、GenBank接近番号NC003977、AY167096、AY167095及びAY306136から確認できる。この配列においてラミブジン耐性を誘発する単一塩基変異は、図1に示されており、野性型ではメチオニンをコーディングする(YMDDモチーフ)。しかし、ラミブジン及びファムシクロビルのような抗ウイルス薬剤に耐性を有するHBVは、YMDDモチーフにおいてメチオニンがイソロイシン(YIDDモチーフ)、バリン(YVDDモチーフ)またはセリン(YSDDモチーフ)に置換された変異を有する。YIDDモチーフでは、gがtに変異されており、YVDDモチーフでは、aがgに、YSDDモチーフでは、tgがgtに変異されている。
変異型であるYVDDモチーフ及びYIDDモチーフを同時に検出するために、配列番号3のYVDD−Rプライマー及び配列番号4のYIDD−Fプライマーを利用する。YVDD−Rプライマーは、HLT−Fプライマー(配列番号1)と対をなして増幅産物を形成して、YIDD−Fプライマーは、HLT−Rプライマー(配列番号2)と対をなして増幅産物を形成する。HLT−FとHLT−Rは、変異が発生された外側(outer region)にアニーリングするプライマーであって、この二つのプライマーは、互いに対をなして増幅産物を形成したりもする(参照:図2)。前記プライマーは、これらによって生成される増幅産物が所定の大きさを有して、それぞれのプライマーセットにより生成される増幅産物の大きさは互いに異なるように選択されてデザインされたものである。したがって、増幅産物を、簡単な電気泳動を通じてその大きさのみを確認してみるだけで、試料内のターゲットヌクレオチド配列がどのような変異を有しているかを容易に検出することができる。NVS−Pプライマーに該当するYVDD−RとYIDD−Fは、互いに混成化できる配列を有しているにもかかわらず、増幅反応において互いに影響を与えず、正確な増幅結果を示す。YSDDモチーフを検出しようとする場合は、配列番号4のYSDD−Fプライマーを利用することができる。
本発明の方法は、互いに離隔された位置に存在する2種以上の変異を同時に検出する時に有用に利用できる。もし本発明の方法を、HBV DNA重合酵素遺伝子上の互いに離隔された位置に存在するYIDD−Fモチーフ及びL528M変異を同時に検出する時に適用する場合、配列番号4のYIDD−Fプライマー及び配列番号6のL528M−Rプライマーを利用する。L528M−Rは、HLT−Fプライマーと対をなして増幅産物を形成して、YIDD−Fプライマーは、HLT−Rプライマーと対をなして増幅産物を形成する。
本発明の方法によると、簡単な増幅反応を通じて、2種以上のヌクレオチド変異を、誤りなく同時に正確に検出することができる。
本発明の特徴及び利点(advantages)を要約すると、下記のようである:
(i)本発明の方法は、少なくとも2種以上のプライマーセットを利用するマルチプレックス増幅反応によって行われる。
(ii)本発明の方法によると、ターゲットヌクレオチド配列上の2種以上のヌクレオチド変異を非常に高い特異性で同時に検出することができる。
(iii)本発明の方法は、マルチプレックス反応において非常に優れた作動性(workability)を示し、一つの増幅反応セットで2種以上のヌクレオチド変異を同時に検出することができる。
(iv)本発明の方法で利用されるNVS−Pプライマーにおいて、ヌクレオチド変異に該当するかあるいは相補的なヌクレオチドが変異特異性区域の中央に偏って位置すると、増幅反応において単一塩基ミスマッチを完璧に区別することができる。
(v)本発明の方法によると、同一位置または同一コドン内のヌクレオチドだけではなく、離隔された位置にある2種以上のヌクレオチドも同時に検出することができる。
(vi)一般に重なる配列を有するプライマー対が利用される場合、プライマー同士が二合体を形成して、誤った増幅結果を招来する可能性があるが、本発明の方法によると、このような二合体形成の問題点を克服することができ、誤った増幅結果を防ぐことができる。
(i)本発明の方法は、少なくとも2種以上のプライマーセットを利用するマルチプレックス増幅反応によって行われる。
(ii)本発明の方法によると、ターゲットヌクレオチド配列上の2種以上のヌクレオチド変異を非常に高い特異性で同時に検出することができる。
(iii)本発明の方法は、マルチプレックス反応において非常に優れた作動性(workability)を示し、一つの増幅反応セットで2種以上のヌクレオチド変異を同時に検出することができる。
(iv)本発明の方法で利用されるNVS−Pプライマーにおいて、ヌクレオチド変異に該当するかあるいは相補的なヌクレオチドが変異特異性区域の中央に偏って位置すると、増幅反応において単一塩基ミスマッチを完璧に区別することができる。
(v)本発明の方法によると、同一位置または同一コドン内のヌクレオチドだけではなく、離隔された位置にある2種以上のヌクレオチドも同時に検出することができる。
(vi)一般に重なる配列を有するプライマー対が利用される場合、プライマー同士が二合体を形成して、誤った増幅結果を招来する可能性があるが、本発明の方法によると、このような二合体形成の問題点を克服することができ、誤った増幅結果を防ぐことができる。
本発明の方法によると、従来の付加的な制限酵素処理や塩基配列分析の過程を経ることなく、簡単な増幅反応を通じて、2種以上のヌクレオチド変異を同時に、且つ誤りなく正確に検出することができる。
以下、実施例を通じて本発明をさらに詳細に説明する。これら実施例は、本発明をより具体的に説明するためのものであって、本発明の範囲がこれらの実施例に限定されるものではない。
[実施例]
実施例I:プライマーデザイン及び製造
実施例I−1:B型肝炎ウイルス核酸増幅用プライマー
B型肝炎ウイルスのDNA重合酵素をコーディングしているヌクレオチド配列を基にし、TSP(target specific primer)役割を果たせる前方向(forward)及び逆方向(reverse)プライマーをデザインした。TSPは、可能な限り、従来のプライマーデザイン方法によってデザインされても、十分なPCR特異性が発揮できる配列を選択してデザインした。
HLT-F 5'- CTC GTG GTG GAC TTC TCT CA -3' (第1配列)
HLT-R 5'- GTG TAA AAG GGG CAG CAA AG -3' (第2配列)
前記二つのプライマーにより、781 bpのHBV DNA重合酵素−コーディング配列が増幅される。
実施例I:プライマーデザイン及び製造
実施例I−1:B型肝炎ウイルス核酸増幅用プライマー
B型肝炎ウイルスのDNA重合酵素をコーディングしているヌクレオチド配列を基にし、TSP(target specific primer)役割を果たせる前方向(forward)及び逆方向(reverse)プライマーをデザインした。TSPは、可能な限り、従来のプライマーデザイン方法によってデザインされても、十分なPCR特異性が発揮できる配列を選択してデザインした。
HLT-F 5'- CTC GTG GTG GAC TTC TCT CA -3' (第1配列)
HLT-R 5'- GTG TAA AAG GGG CAG CAA AG -3' (第2配列)
前記二つのプライマーにより、781 bpのHBV DNA重合酵素−コーディング配列が増幅される。
実施例I−2:YVDDタイプラミブジン耐性B型肝炎ウイルス核酸増幅用プライマー
YVDDタイプラミブジン耐性B型肝炎ウイルス核酸配列を基にして、YVDD変異発生部位に特異的にアニーリングされて、SNP検出をPCR方法によって成功的に行えるヌクレオチド変異特異的プライマー(nucleotide variation specific primer: NVS)をデザインした。
YVDD-R 5'- CTT GGC CCC CAA TAC CAI III ITC CAC ATA -3' (第3配列)
配列において、Iはデオキシイノシンを示す。配列において、下線を引いたCは、YMDD→YVDD変異を検出する部位である。
YVDDタイプラミブジン耐性B型肝炎ウイルス核酸配列を基にして、YVDD変異発生部位に特異的にアニーリングされて、SNP検出をPCR方法によって成功的に行えるヌクレオチド変異特異的プライマー(nucleotide variation specific primer: NVS)をデザインした。
YVDD-R 5'- CTT GGC CCC CAA TAC CAI III ITC CAC ATA -3' (第3配列)
配列において、Iはデオキシイノシンを示す。配列において、下線を引いたCは、YMDD→YVDD変異を検出する部位である。
本発明で利用されるヌクレオチド変異特異的プライマーは、基本的に一般式Iの構造を有するようにして、非常に高い特異性でターゲット配列と混成化されるようにした。このような、一般式Iの構造を有するプライマーにおいて二つの特異性区域は、分割区域により物理的に且つ機能的に分割されて、プライマー全体構造の混成化特異性は、変異隣接特異性区域と変異特異性区域により二重的に調節される。また、ヌクレオチド変異に該当するかあるいは変異に混成化される塩基は、変異特異性区域の中央部分に位置するようにして、ミスマッチによるTm値の差を大きくしながらも、ミスマッチ時、Taq重合酵素によるDNA合成が起こらないようにした。
実施例I−3:YIDDタイプラミブジン耐性B型肝炎ウイルス核酸増幅用プライマー
YIDDタイプラミブジン耐性B型肝炎ウイルス核酸配列を基にして、YIDD変異発生部位に特異的にアニーリングされて、SNP検出をPCR方法によって成功的に行えるヌクレオチド変異特異的プライマー(前方向プライマー)をデザインした。
YIDD-F 5'- CCC CAC TGT TTG GCT TTI III IAT ATT GAT -3' (第4配列)
配列において、Iはデオキシイノシンを示す。配列において、下線を引いたTは、YMDD→YIDD変異を検出する部位である。
YIDDタイプラミブジン耐性B型肝炎ウイルス核酸配列を基にして、YIDD変異発生部位に特異的にアニーリングされて、SNP検出をPCR方法によって成功的に行えるヌクレオチド変異特異的プライマー(前方向プライマー)をデザインした。
YIDD-F 5'- CCC CAC TGT TTG GCT TTI III IAT ATT GAT -3' (第4配列)
配列において、Iはデオキシイノシンを示す。配列において、下線を引いたTは、YMDD→YIDD変異を検出する部位である。
実施例I−4:YSDDタイプラミブジン耐性B型肝炎ウイルス核酸増幅用プライマー
YSDDタイプラミブジン耐性B型肝炎ウイルス核酸配列を基にして、YSDD変異発生部位に特異的にアニーリングされて、SNP検出をPCR方法によって成功的に行えるヌクレオチド変異特異的プライマー(前方向プライマー)をデザインした。
YSDD-F 5'- CCC CAC TGT TTG GCT TTI III IAT AGT GA -3' (第5配列)
配列において、Iはデオキシイノシンを示す。配列において、下線を引いたGTは、YMDD→YSDD変異を検出する部位である。
YSDDタイプラミブジン耐性B型肝炎ウイルス核酸配列を基にして、YSDD変異発生部位に特異的にアニーリングされて、SNP検出をPCR方法によって成功的に行えるヌクレオチド変異特異的プライマー(前方向プライマー)をデザインした。
YSDD-F 5'- CCC CAC TGT TTG GCT TTI III IAT AGT GA -3' (第5配列)
配列において、Iはデオキシイノシンを示す。配列において、下線を引いたGTは、YMDD→YSDD変異を検出する部位である。
実施例I−5:L528Mタイプラミブジン耐性B型肝炎ウイルス核酸増幅用プライマー
L528Mタイプラミブジン耐性B型肝炎ウイルス核酸配列を基にして、L528M変異発生部位に特異的にアニーリングされて、SNP検出をPCR方法によって成功的に行えるヌクレオチド変異特異的プライマー(逆方向プライマー)をデザインした。
L528M-R 5'- AAC AAA TGG CGC TAG TAA III IIG CCA TGA G -3' (第6配列)
配列において、Iはデオキシイノシンを示す。配列において、下線を引いたTは、L528M変異を検出する部位である。
L528Mタイプラミブジン耐性B型肝炎ウイルス核酸配列を基にして、L528M変異発生部位に特異的にアニーリングされて、SNP検出をPCR方法によって成功的に行えるヌクレオチド変異特異的プライマー(逆方向プライマー)をデザインした。
L528M-R 5'- AAC AAA TGG CGC TAG TAA III IIG CCA TGA G -3' (第6配列)
配列において、Iはデオキシイノシンを示す。配列において、下線を引いたTは、L528M変異を検出する部位である。
実施例II:B型肝炎ウイルスDNAの準備
B型肝炎ウイルスに感染されたヒトの血液を使用して、B型肝炎ウイルス核酸を、AccuPrepTM Genomic DNA Extractionキット(Bioneer, South Korea)を利用して抽出して、PCR増幅の鋳型として利用した。
B型肝炎ウイルスに感染されたヒトの血液を使用して、B型肝炎ウイルス核酸を、AccuPrepTM Genomic DNA Extractionキット(Bioneer, South Korea)を利用して抽出して、PCR増幅の鋳型として利用した。
実施例III:内部対照群(internal control)
PCR反応の内部対照群として使用するために、稲(Oryza sativa)の光合成関連遺伝子であるrbcL遺伝子配列から発掘された配列の中、前記一般式Iのプライマーをデザインするに適した配列を使用して、前方向及び逆方向プライマーをデザインした。配列において、Iはデオキシイノシンを示す。
IC-F 5'- TAA ATC ACA GGC CGA AAC CGI III IAT TAA GGG GC -3' (第7配列)
IC-R 5'- GTG AAT GTG AAG AAG TAG GCC GTT III IIG GCA ATA ATG -3'(第8配列)
PCR反応の内部対照群として使用するために、稲(Oryza sativa)の光合成関連遺伝子であるrbcL遺伝子配列から発掘された配列の中、前記一般式Iのプライマーをデザインするに適した配列を使用して、前方向及び逆方向プライマーをデザインした。配列において、Iはデオキシイノシンを示す。
IC-F 5'- TAA ATC ACA GGC CGA AAC CGI III IAT TAA GGG GC -3' (第7配列)
IC-R 5'- GTG AAT GTG AAG AAG TAG GCC GTT III IIG GCA ATA ATG -3'(第8配列)
人間や人間の病原体にはない、稲の光合成関連遺伝子rbcLを利用して、それぞれのPCRチューブ内におけるPCR成功を確認するための内部対照群増幅用に前記プライマーを製作した。
実施例IV:ラミブジン耐性B型肝炎ウイルスの核酸配列を検出するためのマルチプレックスPCR
実施例IIで得られたウイルスDNA試料を利用して、下記表1と表2のプライマー対をそれぞれ使用して、それぞれマルチプレックスPCRを行った。
実施例IIで得られたウイルスDNA試料を利用して、下記表1と表2のプライマー対をそれぞれ使用して、それぞれマルチプレックスPCRを行った。
15mM MgCl2を含有する2μlの10×PCR反応緩衝液(Roche)、1.25μMプライマー対4μl、2μlのdNTP(それぞれ2mM dATP, dCTP, dGTP及びdTTP)、鋳型DNA 1μl及び 0.5μlのTaq重合酵素(5units/μl, Roche)を含む、最終20μlの反応混合物を使用して、マルチプレックスPCRを行った。反応混合物を含むチューブを前加熱(94℃)された温度サイクラー(thermal cycler)に入れて、94℃で15分間変性反応した後、94℃で30秒間、60-65℃で1.5分間及び72℃で1.5分間の30〜45サイクル処理して、次いで72℃で10分間反応した。PCR産物をEtBrを含むアガロースゲルに電気泳動して、現れたバンドを確認した(図3a〜3b)。
図3bは、表1に記載の変異が発生された部位の外側部分(outer region)にアニーリングされるプライマー、YVDD変異型プライマー及びYIDD変異型特異プライマーの3種のプライマー対を利用して、マルチプレックスPCRを行った結果を示す。図3bから分かるように、ラミブジン耐性のないHBVに感染された患者の試料では、変異が発生された部位の外側部分(outer region)にアニーリングされるプライマーにより生成された増幅物(781bp)及び内部対照群増幅物(205bp)に該当するバンドのみが観察された(レーン1及び2)。レーン3は、YIDD変異型を有するHBV−感染患者の試料に関するもので、本実験でデザインしたYIDD変異型プライマーにより320bp増幅産物が正確に検出されて、擬陽性及び擬陰性結果は観察されなかった。レーン4は、YIDD変異型及びL528M変異型を有するHBV−感染患者の試料に関するもので、本実験でデザインしたYIDD変異型プライマーにより320bp増幅産物が正確に検出されて、擬陽性及び擬陰性結果は観察されなかった。レーン5及び6は、YVDD変異型とL528M変異型を有するHBV感染患者の試料に関するもので、本実験でデザインしたYVDD変異型プライマーにより511bp増幅産物が正確に検出されて、擬陽性及び擬陰性結果は観察されなかった。。レーン7及び8は、YIDD変異型、YVDD変異型及びL528M変異型を有するHBV感染患者の試料に関するもので、本実験でデザインしたYIDD変異型プライマー及びYVDD変異型プライマーにより、それぞれ320bp及び511bp増幅産物が正確に検出されて、擬陽性及び擬陰性結果は観察されなかった。
図3cは、表2に記載の変異が発生された部位の外側部分(outer region)にアニーリングされるプライマー、YSDD変異型プライマー及びL528M変異型特異プライマーの3種のプライマー対を利用して、マルチプレックスPCRを行った結果を示す。図3cから分かるように、ラミブジン耐性のないHBVに感染された患者の試料では、変異が発生された部位の外側部分(outer region)にアニーリングされるプライマーにより生成された増幅物(781bp)及び内部対照群増幅物(205bp)に該当するバンドのみが観察された(レーン1及び2)。レーン3は、YIDD変異型を有するHBV−感染患者の試料に関するもので、ここでも擬陽性及び擬陰性結果は観察されなかった。レーン4は、YIDD変異型及びL528M変異型を有するHBV−感染患者の試料に関するもので、本実験でデザインしたL528M変異型プライマーにより442bp増幅産物が正確に検出されて、擬陽性及び擬陰性結果は観察されなかった。レーン5及び6は、YVDD変異型及びL528M変異型を有するHBV感染患者の試料に関するもので、本実験でデザインしたL528M変異型プライマーにより442bp増幅産物が正確に検出されて、擬陽性及び擬陰性結果は観察されなかった。レーン7及び8は、YIDD変異型、YVDD変異型及びL528M変異型を有するHBV感染患者の試料に関するもので、本実験でデザインしたL528M変異型プライマーにより442bp増幅産物が正確に検出されて、擬陽性及び擬陰性結果は観察されなかった。
実験結果をまとめてみると、本発明の方法に従う場合は、マルチプレックスPCRの条件でも、擬陽性及び擬陰性の誤り無しに、B型肝炎ウイルスの薬剤耐性遺伝子型を正確に区分することができることが分かる。また、本発明の方法に従う場合は、遺伝子変異が同一塩基または同一コドンで発生したものだけではなく、隣接した遺伝子変異(例えば、YIDD変異型とL528M変異型)も同時に検出することができることが分かる。
実施例V:CYP2C19遺伝子におけるSNPを検出するためのオーバーラップPCR
ヒトの染色体10q24に位置した遺伝子であるシトクロムP450、サブファミリーIIC(mephenytoin 4-hydroxylase)、ポリペプチド19(CYP2C19)をコーディングしているヌクレオチド配列を基にして、TSP(target specific primer)役割を果たせる前方向(forward)及び逆方向(reverse)プライマーをデザインした。
CYP-TSP-F 5'-AGA GAA GAA TTG TTG TAA AAA GTA III IIA TTA ATA TAA-3'(第9配列)
CYP-TSP-R 5'-AAA CTA GTC AAT GAA TCA CAA ATI III IAG CAG TCA C-3' (第10配列)
ヒトの染色体10q24に位置した遺伝子であるシトクロムP450、サブファミリーIIC(mephenytoin 4-hydroxylase)、ポリペプチド19(CYP2C19)をコーディングしているヌクレオチド配列を基にして、TSP(target specific primer)役割を果たせる前方向(forward)及び逆方向(reverse)プライマーをデザインした。
CYP-TSP-F 5'-AGA GAA GAA TTG TTG TAA AAA GTA III IIA TTA ATA TAA-3'(第9配列)
CYP-TSP-R 5'-AAA CTA GTC AAT GAA TCA CAA ATI III IAG CAG TCA C-3' (第10配列)
CYP2C19の酵素活性に影響を及ぼすSNP遺伝型の中、allele 1(681G)とallele 2A(681A)に特異的にアニーリングされて、SNP検出をPCR方法によって成功的に行えるヌクレオチド変異特異的プライマー(nucleotide variation specific primer: NVS)をデザインした。
NVS-Allele2-F 5'-TAA TTT TCC CAC TAT CAT TGA III IIT CCC AGG A-3'(第11配列)
NVS-Allele1-R 5'-CAA GGT TTT TAA GTA ATT TGT TII III TTC CCG GG-3' (第12配列)
配列において、Iはデオキシイノシンを示す。配列において、下線を引いたCとAは、allele 1(681G)とallele 2(681A)変異を検出する部位である。
NVS-Allele2-F 5'-TAA TTT TCC CAC TAT CAT TGA III IIT CCC AGG A-3'(第11配列)
NVS-Allele1-R 5'-CAA GGT TTT TAA GTA ATT TGT TII III TTC CCG GG-3' (第12配列)
配列において、Iはデオキシイノシンを示す。配列において、下線を引いたCとAは、allele 1(681G)とallele 2(681A)変異を検出する部位である。
本発明で利用されるTSP前方向及び逆方向プライマー、そしてヌクレオチド変異特異的プライマーは、基本的に一般式Iの構造を有するようにして、非常に高い特異性でターゲット配列と混成化されるようにした。このような、一般式Iの構造を有するプライマーにおいて二つの特異性区域は、分割区域により物理的に且つ機能的に分割されて、プライマー全体構造の混成化特異性は、変異隣接特異性区域と変異特異性区域により二重的に調節される。また、ヌクレオチド変異に該当するかあるいは変異に混成化される塩基は、変異特異性区域の中央部分に位置するようにして、ミスマッチによるTm値の差を大きくしながらも、ミスマッチ時、Taq重合酵素によるDNA合成が起こらないようにした。
表3のように、上記の四種のプライマーを全て混ぜて、マルチプレックスPCRを行った。
15mM MgCl2を含有する2μlの10×PCR反応緩衝液(Roche)、1.25μMプライマー対4μl、2μlのdNTP(それぞれ2mM dATP, dCTP, dGTP及びdTTP)、鋳型DNA 1μl及び 0.5μlのTaq重合酵素(5units/μl, Roche)を含む、最終20μlの反応混合物を使用して、マルチプレックスPCRを行った。反応混合物を含むチューブを前加熱(94℃)された温度サイクラー(thermal cycler)に入れて、94℃で15分間変性反応した後、94℃で30秒間、60-65℃で1.5分間及び72℃で1.5分間の30〜45サイクル処理して、次いで72℃で10分間反応した。PCR産物をEtBrを含むアガロースゲルに電気泳動して、現れたバンドを確認した(図3a)。
図3aは、表3に記載の変異が発生された部位の外側部分(outer region)にアニーリングされるプライマー、allele 1野生型及びallele 2変異型特異プライマーの3種のプライマー対を利用して、マルチプレックスPCRを行った結果を示す。図3aから分かるように、allele 1/ allele 2 Heteroの場合は、外側部分(outer region)にアニーリングされるプライマーにより生成された増幅物(492bp)及びallele 1に特異的に生成された増幅物(321bp)、allele 2に特異的に生成された増幅物(232bp)の全てが観察された(レーン1、2、3)。allele 1 homo類型の場合は、外側部分(outer region)にアニーリングされるプライマーにより生成された増幅物(492bp)及びallele 1に特異的に生成された増幅物(321bp)のみが観察された(レーン4、5、6)。allele 2 homo類型の場合は、外側部分(outer region)にアニーリングされるプライマーにより生成された増幅物(492bp)及びallele 2に特異的に生成された増幅物(232bp)のみが観察された(レーン7、8、9)。本実験でデザインした単一塩基配列区分型allele 1プライマーとallele 2プライマーにより、それぞれ321bp、232bp増幅産物が正確に検出されて、擬陽性及び擬陰性結果は観察されなかった。しかし、従来の方法に従う場合(図3aの下側パネル)は、誤った増幅結果が出た。
実験結果をまとめてみると、本発明の方法に従う場合は、マルチプレックスPCRの条件でも、擬陽性及び擬陰性の誤り無しに、人間遺伝子の単一塩基配列多様性(Single Nucleotide Polymorphism)を正確に区分することができることが分かる。
以上、本発明の望ましい具現例を詳細に記述したが、当業界の通常の知識を有する者にとって、このような具体的な記述はただ望ましい具現例に過ぎなく、これに本発明の範囲が限定されないことは明らかである。従って、本発明の実質的な範囲は、添付の請求項とその等価物により定義されると言える。
Claims (23)
- (a)下記(i)乃至(iv)のプライマーとターゲットヌクレオチド配列とを混成化条件下で接触させるステップと、
(i)第1ヌクレオチド変異に該当するヌクレオチドを有するターゲットヌクレオチド配列の変異発生部位に特異的に混成化されて、前記第1ヌクレオチド変異に該当するヌクレオチドに相補的なヌクレオチドを含む第1ヌクレオチド変異特異的プライマー(nucleotide variation specific primer 1: NVS-P1)、
(ii)前記NVS−P1プライマーが混成化される前記変異発生部位のupstreamに位置するターゲットヌクレオチド配列の特定部位に混成化されるターゲット配列特異的プライマー1(target specific primer 1: TSP1)、
(iii)前記第1ヌクレオチド変異が現れる同一位置、その隣接位置または離隔された位置において、第2ヌクレオチド変異に該当するヌクレオチドを有するターゲットヌクレオチド配列の変異発生部位に相補的な配列に特異的に混成化されて、前記第2ヌクレオチド変異に該当するヌクレオチドを含む第2ヌクレオチド変異特異的プライマー(nucleotide variation specific primer 2: NVS-P2)、及び
(iv)前記NVS−P2プライマーが混成化される前記変異発生部位のdownstreamに位置するターゲットヌクレオチド配列の特定部位に混成化されるターゲット配列特異的プライマー2(target specific primer 2: TSP2)、
前記(i)及び(ii)のプライマーセットと前記(iii)及び(iv)プライマーセットは、互いに異なる大きさの増幅産物が生成されるように選択されてデザインされたものであり、前記NVS−P1及びNVS−P2プライマーは、下記の一般式Iで表される:
5’−Ap−Yq−Vr−3’ (I)
前記一般式において、Apは、混成化されるターゲット配列と実質的に相補的な混成化配列を有する変異隣接特異性区域(variation adjacent specificity portion)であり、Yqは、少なくとも三つ以上のユニバーサル塩基を含む分割区域(separation portion)であり、Vrは、ヌクレオチド変異に該当するまたは相補的なヌクレオチドを含み、ターゲット配列と実質的に相補的な混成化配列を有する変異特異性区域(variation specificity portion)であって、p、q及びrは、ヌクレオチドの数を示し、X、Y及びZは、デオキシリボヌクレオチドまたはリボヌクレオチドであり、変異隣接特異性区域のTmは、変異特異性区域のTmより高く、前記分割区域は、前記三つの区域の中で最も低いTmを有して、前記分割区域は、混成化特異性側面で変異隣接特異性区域が変異特異性区域から分割されるようにして、このような特異性分割は、オリゴヌクレオチド全体構造の混成化特異性が変異隣接特異性区域と変異特異性区域とにより二重的に決定されるようにして、これは、結局オリゴヌクレオチド全体構造の混成化特異性を向上させる。
(b)少なくとも2サイクルのプライマーアニーリング、プライマー延長及び変性の段階を行って、ターゲットヌクレオチド配列を増幅するステップと、
(c)ステップ(b)で生成された増幅産物の大きさを確認して、ヌクレオチド変異を検出するステップと、
を含む、ヌクレオチド変異が現れるターゲットヌクレオチド配列を含む試料からターゲットヌクレオチド配列の少なくとも2種類以上のヌクレオチド変異を同時に検出する方法。
- 前記ユニバーサル塩基は、デオキシイノシン、イノシン、7−デアザ−2’−デオキシイノシン、2−アザ−2’−デオキシイノシン、2’−OMeイノシン、2’−Fイノシン、デオキシ3−ニトロピロール、3−ニトロピロール、2’−OMe3−ニトロピロール、2’−F3−ニトロピロール、1−(2’−デオキシ−β−D−リボフラノシル)−3−ニトロピロール、デオキシ5−ニトロピロール、5−ニトロインドール、2’−OMe5−ニトロインドール、2’−F5−ニトロインドール、デオキシ4−ニトロベンズイミダゾール、4−ニトロベンズイミダゾール、デオキシ4−アミノベンズイミダゾール、4−アミノベンズイミダゾール、デオキシネブラリン、2’−Fネブラリン、2’−F4−ニトロベンズイミダゾール、PNA−5−イントロインドール、PNA−ネブラリン、PNA−イノシン、PNA−4−ニトロベンズイミダゾール、PNA−3−ニトロピロール、モルフォリノ−5−ニトロインドール、モルフォリノ−ネブラリン、モルフォリノ−イノシン、モルフォリノ−4−ニトロベンズイミダゾール、モルフォリノ−3−ニトロピロール、ホスホルアミデート−5−ニトロインドール、ホスホルアミデート−ネブラリン、ホスホルアミデート−イノシン、ホスホルアミデート−4−ニトロベンズイミダゾール、ホスホルアミデート−3−ニトロピロール、2’−O−メトキシエチルイノシン、2’−O−メトキシエチルネブラリン、2’−O−メトキシエチル5−ニトロインドール、2’−O−メトキシエチル4−ニトロ−ベンズイミダゾール、2’−O−メトキシエチル3−ニトロピロール、及び前記塩基の組み合せからなる群から選択されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
- 前記ユニバーサル塩基は、デオキシイノシン、イノシン、1−(2’−デオキシ−β−D−リボフラノシル)−3−ニトロピロールまたは5−ニトロインドールであることを特徴とする、請求項2に記載の方法。
- 前記変異隣接特異性区域は、15〜40ヌクレオチドの長さを有することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
- 前記変異特異性区域は、3〜15ヌクレオチドの長さを有することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
- 前記分割区域は、3〜10ヌクレオチドの長さを有することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
- 前記変異隣接特異性区域は、40〜80℃のTmを有することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
- 前記変異特異性区域は、10〜40℃のTmを有することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
- 前記分割区域は、3〜15℃のTmを有することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
- 前記ヌクレオチド変異に該当するまたは相補的なヌクレオチドは、変異特異性区域の3’−末端に位置しているか、あるいは3’−末端から1〜10塩基離隔された位置に存在することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
- 前記ヌクレオチド変異に該当するまたは相補的なヌクレオチドは、変異特異性区域の3’−末端から2〜7塩基離隔された位置に存在することを特徴とする、請求項10に記載の方法。
- 前記ヌクレオチド変異に該当するまたは相補的なヌクレオチドは、変異特異性区域の3’−末端から3〜6塩基離隔された位置に存在することを特徴とする、請求項11に記載の方法。
- 前記ヌクレオチド変異に該当するまたは相補的なヌクレオチドは、変異特異性区域の中央部分に位置することを特徴とする、請求項10に記載の方法。
- 前記ターゲット配列特異的プライマー(TSP)は、前記一般式Iで表される構造を有して、この場合、変異特異性区域は、ヌクレオチド変異に該当するまたは相補的なヌクレオチド無しに、ターゲット配列と実質的に相補的な混成化配列を有することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
- 前記NVS−P1プライマーとNVS−P2プライマーの変異特異性区域は、互いに部分的に重なる配列を含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
- 前記ステップ(a)は、前記NVS−P1プライマーとNVS−P2プライマーが混成化される変異以外の他の変異に混成化される一つ以上のヌクレオチド変異特異的プライマー(nucleotide variation specific primer)をさらに利用して行われることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
- 前記ステップ(a)は、前記ターゲットヌクレオチド配列以外の他のヌクレオチド配列を増幅して、内部対照群(internal control)を生成するための一対のプライマーをさらに利用して行われることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
- 前記方法は、薬剤耐性病原体を検出するための方法であることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
- 前記病原体は、HIV(human immunodeficiency virus)−1、HIV−2、HBV(hepatitis B virus)、HCV(hepatitis C virus)またはヒトヘルペスウイルス(human herpesvirus)であることを特徴とする、請求項18に記載の方法。
- 前記薬剤は、ジドブジン(zidovudine)、ジダノシン(didanosine)、ザルシタビン(zalcitabine)、スタブジン(stavudine)、ラミブジン(lamivudine)、ネビラピン(nevirapine)、デラビルジン(delavirdine)、エファビレンズ(efavirenz)、アデホビル(adefovir)、アデホビルジピボキシル(adefovir dipivoxil)、FTC、D4FC、BCH−189、F−ddA、テトラヒドロイミダゾ[4,5,1−jk[]1,4]ベンゾジアゼピン−2(1H)−オン(tetrahydroimidazo[4,5,1-jk[]1,4]benzodiazepine-2(1H)-one)、テトラヒドロイミダゾ[4,5,1jk[]1,4]ベンゾジアゼピン−2(1H)−チオン(tetrahydroimidazo[4,5,1jk[]1,4]benzodiazepine -2(1H)-thione)、(S)−4−イソプロポキシカルボニル−6−メトキシ−3−(メチルチオメチル)−3,4−ジヒドロキノキサリン−2(1H)−チオン((S)-4-isopropoxycarbonyl-6-methoxy-3-(methylthiomethyl)-3,4,- dihydroquinoxaline-2(1H)-thione)、サキナビル(saquinavir)、リトナビル(ritonavir)、インジナビル(indinavir)、ネルフィナビル(nelfinavir)、アンプレナビル(amprenavir)、エンテカビル(entecavir)、ファムシクロビル(famciclovir)、ベンゾ−1,2,4−チアジアジン抗ウイルス剤(benzo-1,2,4-thiadiazine antiviral agent)、リバビリン(ribavirin)及びインターフェロンからなる群から選択される少なくとも1種の抗ウイルス薬剤であることを特徴とする、請求項18に記載の方法。
- 前記方法は、HBVのラミブジン耐性を誘発する少なくとも2以上のヌクレオチド変異を同時に検出するためのものであることを特徴とする、請求項20に記載の方法。
- 前記ラミブジン耐性を誘発するヌクレオチド変異は、HBVの重合酵素遺伝子の552番目コドンにおける変異であることを特徴とする、請求項21に記載の方法。
- 前記NVS−P1プライマーまたはNVS−P2プライマーは、配列番号3〜6の配列から選択されることを特徴とする、請求項22に記載の方法。
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