JP5197312B2 - 加熱調理器 - Google Patents

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Description

本発明は、食品を熱風により加熱する所謂オーブン調理を行なう加熱調理器に関する。
従来、加熱庫内に収容した食品を熱風により加熱しオーブン調理を可能とした加熱調理器は、他の加熱手段である例えば、マグネトロンを加熱源とするマイクロ波(高周波)による加熱調理手段、更には電気ヒータを加熱源とする輻射熱によるグリル調理手段などと共に採用され、一般家庭に広く普及している。
しかるに、上記オーブン調理の加熱源としては、熱風を生成しこれを庫内に循環供給する熱風循環ユニットを備えている。この熱風循環ユニットは、周知のように加熱庫を形成する周壁部のうち、例えば最奥部の奥壁側に設置された熱風ケーシング内に、熱風ヒータ及び熱風ファンを具備した構成としている。この場合、熱風ヒータと熱風ファンとにより生成した熱風を、庫内に均一に供給することが良好なオーブン調理を実行する上で重要課題であり、そこで従来では熱風ファンの外周部に環状の熱風ヒータを配置して、均等に加熱した熱風を得るようにしている(例えば、特許文献1参照)。
ところが、熱風ファンにより生成された熱風流は、該ファンの回転方向に沿って円周方向へ流れ、所謂周回方向への方向性が付与される。このため、熱風ケーシング内で周囲に略均等に生成された熱風であっても、熱風ケーシングから庫内に周回方向である斜め方向に吹き出されることになる。しかも、庫内は通常矩形箱状の方形をなすため、異なる角度で各壁面に吹き当てられた熱風流は、偏重した状態となったり、或は直線的で一方向の指向性を有する熱風流の背後側に風が流れ難い死角部分が生じたりし、結果として加熱ムラが生じ食品の均一加熱が得られなくなる。
そこで、庫内に吹き出す熱風の方向変換を行なうルーバを設けたり、或は吹き出し口に対し斜めに対向する風向可変部を設けて、必要な方向に熱風を隈なく吹き出し可能としたとする提案がなされている(例えば、特許文献2参照)。
特開2007−232281号公報 特開2005−300109号公報
しかしながら、上記のような風向可変部を設けた構成によれば、該可変部の傾斜角度に応じた方向変換は可能であり、同方向へ十分な熱風を送ることが可能のように思われる。しかしながら、この場合でも加熱ムラの根本的な要因である熱風ファンによる周回方向の方向性を解消するものではなく、従って風向可変部に吹き当てられた熱風は新たな直線的な方向性を有する熱風流となり、たとえ所定方向へ送るのに有用であっても庫内均等な熱風を供給して加熱ムラをなくす熱風流を得ることは依然として困難である。
本発明は上記課題を解消するため、庫内に均等に熱風を供給でき、加熱分布を均一にして食品の加熱ムラを改善した加熱調理器を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明の加熱調理器は、収容した食品を加熱調理する加熱庫に対し、前記加熱庫を形成する周壁面の一つに前記加熱庫内に熱風を循環供給する熱風循環ユニットを備えたものにおいて、前記熱風循環ユニットは、前記加熱庫内に吹き出し可能な第1の通風部を有する第1の熱風ケーシングと、前記第1の熱風ケーシング内にファンモータにより駆動される熱風ファン、及び前記熱風ファンの周辺に配置された熱風ヒータを有する構成とし、前記第1の通風部の一部を覆うとともに、この覆った第1の通風部より吹き出された熱風を前記加熱庫内に吹き出し可能な第2の通風部を有する第2の熱風ケーシングを設け、且つ第1,第2の通風部は夫々複数の透孔から形成し、前記第2の通風部の開口面積の総和を、前記第1の通風部の全開口面積よりも小さくしたことを特徴とする加熱調理器(請求項1の発明)。
上記手段によれば、第1の熱風ケーシングから第2の熱風ケーシング内に吹き出された熱風は、この第2の熱風ケーシング内に至り勢いが緩和され滞留する如き態様となし、方向性が消失する。しかして、主に静圧により第2の通風部から吹き出される熱風は、整流状態にて庫内に均等に供給され、加熱分布を均一にして食品の加熱ムラを効果的に解消できる実用的な加熱調理器を提供できる。
(第1の実施の形態)
以下、本発明の第1実施例を示す図1ないし図4を参照して説明する。
そのうちの図1は、前面のドアを取り除いた状態の加熱調理器の正面図、図2は全体構成を概略的に示す縦断側面図、図3は庫内要部の斜視図、及び図4は、図3中のA−A線に沿って切断し拡大して示す横断平面図で、まずこれら図面に基づき加熱調理器の全体構成につき述べる。
特には、図1,2に示すように外郭を形成する矩形箱状をなす筐体1の内部には、正面である前面を開放した矩形箱状をなす加熱庫2が設けられ、その前面開口部を開閉するドア3が回動可能に設けられている。なお、加熱庫2を形成する周壁としては、天井壁2a、底壁2b、左側壁2c、右側壁2d、及び奥壁2eとからなり、いずれの内壁面も平坦面形状にあって、矩形箱状(方形状ともいう)の庫内を形成している。
そして、本実施例では加熱庫2の奥部に熱風循環ユニット4を備えている。この熱風循環ユニット4は、特に図2,図4に明示するように、奥壁2eを共用とした第1の熱風ケーシング5、該ケーシング5内に配置されファンモータ6にて駆動される熱風ファン7、及び熱風ファン7の外周囲に配置された枠状の熱風ヒータ8を具備した構成からなる。
そのうち、第1の熱風ケーシング5は、庫内側に貫通開口する第1の通風部9を奥壁2eに形成しており、且つ該通風部9は複数の透孔群にて形成され、その透孔群も図2に示すように上下左右及び中央などに分散した複数個所に設けており(詳細は後述する)、これは後述する図12に示す従来構成と同様の構成である。
従って、第1のケーシング5は、第1の通風部9を除き熱風ファン7等を内蔵した閉鎖状態の空間を形成するとともに、熱風ファン7の回転駆動により、第1の通風部9の中央部位から第1の熱風ケーシング5内に空気を吸引し、これを遠心方向に吹き出して熱風ヒータ8で加熱して熱風を生成し、第1の通風部9の上下左右等の周辺部から熱風を加熱庫2内に吹き出すようにしており、この熱風の吹き出しと吸入を連続して行ない、つまり図1,2中に示す実線矢印a示す熱風循環を可能としている。
そして、図1,2において上記のような熱風による食品(図示せず)の加熱調理、つまりオーブン調理に際しては、加熱する食品を載置する浅皿状の棚板10a,10bを上下2段に配置可能としており、加熱庫2の左右側壁2c,2dには左右一対の棚板支え部11a,11bを上下2段位置に突設している。従って、棚板10a,10bを上下2段に配置されることで、庫内が上下3段階に区分された空間ゾーンが形成され、前記した第1の通風部9を構成する分散した各透孔群はこれらの各空間ゾーンに所定の熱風を流通可能に配置された構成としている。
そこで、本実施例では棚板10a,10bにより3段階に仕切られた各空間ゾーンに対応して、第1の通風部9を構成する透孔群を、例えば具体的に述べる場合などには上下方向に振り分けて、上部から上段通風部9a、中段通風部9b、下段通風部9cと称して述べることとする。なお、中段通風部9bには中央部に吸入部位を有するが、ここでは通常その左右に配置された庫内への熱風吹き出し部として説明する。
そのうち、本実施例では最下段の空間ゾーンに対応する下段通風部9cに、該通風部9cを庫内側から覆うように第2の熱風ケーシング12を設けた構成としている。この第2の熱風ケーシング12は、特に図3,図4に示すように第1の熱風ケーシング5と同様に庫内側に面して複数の透孔群からなる第2の通風部13を有している。但し、その内部の閉鎖された空間には何も設けていない。
また、第2の通風部13は、これに対応する第1の通風部9のうちの下段通風部9cとする領域より大きい形状であるが、特に図3,図4に示すように庫内の略全幅に亘る大きさとしている。具体的には、図4に示すように例えば第1の通風部9の下段通風部9cとして有効な配置領域を、熱風が吹き出す範囲である透孔の設置範囲S1として設定し、第2の熱風ケーシング12の第2の通風部13として有効な配置領域を、同様に熱風が有効に吹き出す範囲である透孔の設置範囲S2として設定した場合、第2の熱風ケーシング12(第2の通風部13)が第1の熱風ケーシング5(下段通風部9c)より特に左右の外側に大きくなる構成(S1<S2)としている。
但し、上記大きさとは逆に第2の通風部13の全開口面積は、これに対応する上記下段通風部9cの全開口面積より小さくなるように、例えば同径の透孔数を少なくした透孔群としている。因みに、図3に示す第2の通風部13を示す透孔群は、中央部の一部分を横1列の透孔とし、他は横2列の透孔を設けた配置構成としている。
上記構成の透孔群からなる第2の通風部13に対し、前記した第1の通風部9の下段通風部9cは、例えば従来構成に相当する図12に示すように全体に横3列の透孔群からなり、これにより図4に示したように全体の横幅寸法(上記S1に対応)が小さいながら、第2の通風部13の透孔数(上記S2に対応)より多数の透孔数からなる構成としている。
しかも、第1の通風部9を形成した配置領域、この場合、下段通風部9cの有効な設置範囲S1に相当する領域における第2の通風部13の開口面積の総和を、下段通風部9cの全開口面積よりも小さくした構成ともしている。
なお、従来構成を示す図12は、本実施例と同一部分には同一符号を付して説明しているように、第2の熱風ケーシング12を有しない点を除き、略共通の熱風循環ユニット4を有するなど、本実施例と基本的構成を同じとする加熱調理器を示しており、よって詳細な説明は省略する。
次に、上記構成の加熱調理器の作用について、オーブン調理する場合につき説明する。
例えば、図1,2に示すように、棚板10a,10bを棚板支え部11a,11bを介して上下2段に配置固定し、各棚板10a,10b上に図示しない加熱調理前の食品を載置収容するなど準備する。次いで、図示しない操作パネルによる調理開始の操作に基づき、熱風循環ユニット4が通電駆動される。すなわち、熱風ヒータ8による通電加熱及びファンモータ6の駆動による熱風ファン7の回転(図1中、矢印R方向)により第1の熱風ケーシング5内に熱風が生成され、第1の通風部9から加熱庫2内に吹き出される。
この場合、第1の通風部9から直ちに庫内に熱風が吹き出されるのは、棚板10a,10bにより3段階に仕切られたうちの最上段の空間ゾーンに対応する上段通風部9a、及び同じく中段の空間ゾーンに対応する中段通風部9bから、直接熱風が庫内に矢印a方向に吹き出される。しかるに、残る最下段の空間ゾーンに対応する下段通風部9cから吹き出された熱風は、特に図2に示すように第2の熱風ケーシング12内に吹き出される。
従って、下段通風部9cたる複数の透孔から第2のケーシング12たる広い空間内に流入した熱風は、拡散してその勢いが緩和され、且つ第2の通風部13たる透孔群を除き閉鎖された空間にあって、該空間に吹き込まれた熱風は第2の通風部13である径小な透孔から直ちに吹き出し難い構成にある。
加えて、第1の通風部9の下段通風部9cを形成した配置領域(図4中の設置範囲S1に相当)に相当する領域における第2の通風部13の開口面積の総和を、下段通風部9cの全開口面積よりも小さくした構成としている。更には、第2の通風部13の全開口面積は、下段通風部9cの全開口面積より小さくなるように設定したことも相俟って、第1の通風部9から勢い良く第2の熱風ケーシング12内に吹き込まれた熱風は、一時的に滞留する如く淀んだ状態となる。すなわち、第1の通風部9から閉鎖空間の第2の熱風ケーシング12内に吹き込まれた熱風は、その勢いが緩和されて滞留した態様をなし、これにより熱風ファン7による周回方向への方向性も消失されることとなる。
そして、この第2の熱風ケーシング12内の熱風は、主として該ケーシング12内の高まる静圧に基づき第2の通風部13から庫内に吹き出され、これを図1,2中に白抜き矢印cで示している。このようにして庫内に吹き出される熱風流は、熱風ファン7の回転による方向性がなく第2の通風部13から略真っ直ぐに整流された状態で庫内に吹き出される。ところで、本実施例では図3に示すように、第2の熱風ケーシング12の第2の通風部13の有効な横幅寸法たる透孔の設置範囲S2が、第1の熱風ケーシング5における下段通風部9cの有効な横幅寸法たる透孔の設置範囲S1より大きく設定している(S1<S2)。
その背景的事情としては、第1の熱風ケーシング5の大きさは何かと制約を受けてコンパクトな構成とせざるを得ない事情がある。例えば、熱風量とか熱風流に関連して所望の熱風温度を効率よく立ち上げるための熱風循環ユニット4の性能及び構成上、或は加熱庫2の背面側における筐体1との間に設けられる、図示しない電装品などの部品構成との関係などの理由から、第1の熱風ケーシング5の大きさに制限を受ける場合などがある。
このため、第2の熱風ケーシング12の第2の通風部13たる透孔の設置範囲S2を、第1の熱風ケーシング5の透孔の設置範囲S1より大きくし、更にはできるだけ庫内奥壁2eの略横幅寸法に近い値まで大きくした構成としたものである。この結果、第2の熱風ケーシング12から吹き出された熱風は、庫内の略全幅に亘る広さを埋めるように、しかも前記した如く周回方向の方向性を解消した整流された熱風として、庫内の奥部から前方に向かって均一に流れる(矢印c方向)。
また、上記の如く第1の熱風ケーシング5よりも、特に左右外側に大きい第2の熱風ケーシング12の透孔は、図3に示す如く中央側の1列配置に対し外側方では2列配置の透孔数を設け、単に透孔数を少なくするだけでなく熱風流の促進をも考慮しており、全体に均等な熱風流の吹き出しを可能としている。
このような第2の熱風ケーシング12を有する本実施例に対し、図12に示す従来構成では、熱風は下段通風部9cから直接庫内に強く吹き出される。このため、熱風ファン7による周回方向の方向性が付与された熱風流が、そのまま庫内に吹き出されることとなる。従って、この直線的で一方向性の熱風流の背面側には、熱風が流れ難い風の死角部分(例えば、図中符号zで示す領域)が発生し、熱風ムラが発生し易い。しかるに、本実施例では庫内の略全幅に亘って一様な広がりをもって第2の熱風ケーシング12から熱風が吹き出されるので、上記のような風の死角部分が発生することなく、ムラのない熱風流を庫内に供給できる。
以上説明したように、上記第1実施例によれば次のような効果を有する。
第1実施例では、加熱庫2内に対し熱風を循環供給する熱風循環ユニット4を備えた加熱調理器において、前記熱風循環ユニット4を構成する第1の熱風ケーシング5が有する第1の通風部9に対し、該通風部9を覆う第2の通風部を有する第2の熱風ケーシング12を設けた構成とし、且つ第1,第2の通風部9,13は夫々複数の透孔から形成したことを特徴とする加熱調理器にある。
斯かる構成によれば、第1の熱風ケーシング5から第2の熱風ケーシング12内に吹き出された熱風は、この第2の熱風ケーシング12内の空間に至り拡散して勢いが緩和されるとともに、該第2の熱風ケーシング12から直ちに庫内に吹き出されず滞留する如き態様となす。このため、第1の熱風ケーシング5から第2の熱風ケーシング12内に吹き出されて滞留状態にある熱風にあっては、熱風ファン7により発生した周回方向への方向性が殆んど消失した状態となる。
しかも、本実施例では第1の通風部9を形成した配置領域(設置範囲S1に対応)に相当する領域における第2の通風部13の開口面積の総和を、第1の通風部9の全開口面積よりも小さくしたこと、及び熱風の流入側である第1の熱風ケーシング5が有する第1の通風部9の全開口面積よりも、流出側である第2の熱風ケーシング12が有する第2の通風部13の全開口面積を小さくなるように透孔数を設定したので、第2の熱風ケーシング12内の熱風を滞留する傾向を一層高めるのに有効で、これは熱風の方向性を速やかに確実に解消するに有利である。
そして、このような第2のケーシング12内には、新たな熱風が第1の熱風ケーシング5から連続して供給されるため、第2のケーシング12内の熱風の圧力は高まり第2の通風部13から庫内に吹き出される。つまり、第2のケーシング12内の熱風は、該ケーシング12内の静圧を主体に庫内に吹き出されることにより、第2の通風部13の開口方向に向かって直線的な熱風流が得られる。
因みに、本実施例では第2の通風部13は、図示するように庫内奥部から前方に向かって開口する透孔群を主体に構成しており、且つ特に図4に示すように第2の熱風ケーシング12の横幅が第1の熱風ケーシング5より外側に大きくなる構成としているので、庫内の略全幅に亘り均一な熱風を前方に向かって流すことができる。
よって、第2の通風部13から吹き出される熱風は、曲がった方向性などが解消された整流された状態で庫内に供給され、収容された食品を均等に加熱し加熱ムラを抑えたオーブン調理が可能となる。しかるに、庫内に熱風を吹き出す第2の熱風ケーシング12は、第1の熱風ケーシング5の形状が何らかの制約を受けてコンパクト化せざるを得ない場合でも、庫内の横幅方向に大きく延ばした所望の形状が容易に得られる点でも有利である。
なお、上記実施例では第1,第2の通風部9,13の全開口面積を同径の透孔数にて設定したが、これに限らず、例えば適宜径寸法を調節した構成としてもよい。また、第2の熱風ケーシング12は、第1の通風部9のうちの最下段の通風部9cに対応して設けたが、上段通風部9a及び中段通風部9b(図1参照)に対しても転用可能で、この場合、同様の周回方向の方向性を解消した熱風が全体に得られ、一層庫内全体の加熱分布を均一にすることが期待できる。
上記実施例に対し、図5ないし図11は、本発明の第2ないし第5実施例と、一部変形例を含む実施例を示すもので、上記第1実施例と実質的に同一部分には同一符号を付して説明を省略し、異なる部分につき説明する。
(第2の実施の形態)
図5は、本発明の第2実施例を示す図4相当図で、上記実施例と基本的な構成は共通で、ただ具体構成において、第1,第2の熱風ケーシングから熱風を吹き出す通風部の配置構成において異なる。すなわち、熱風循環ユニット4を構成する第1の熱風ケーシング14は、分散した透孔群からなる第1の通風部15を備えた構成としている。この第1の通風部15も第1実施例と同様に、図示しない上段通風部(15a)及び中段通風部(15b)と、図示する下段通風部15cを有する配置構成としている。
この下段通風部15cにつき更に具体的に述べると、下段通風部15cは図示するように熱風ファン7の外周端部と対応する位置の透孔群16,17と、中央寄りに位置する透孔群18とからなる分散配置の構成としている。
これに対し、第2の熱風ケーシング12が有する第2の通風部19も分散配置の透孔群から構成されていて、該第2の通風部19の配置領域である透孔の設置範囲S2において、左右の外側に位置する透孔群20,21と、その内側に2箇所の透孔群22,23とを分散配置した構成としている。従って、これら透孔群20,21,22,23が隣接する間には、透孔を有しない所謂無孔部位(イ),(ロ),(ハ)が形成される。そして、この無孔部位(イ),(ロ),(ハ)に対し、前記第1の通風部15側の各透孔群16,17,18が、夫々略対向する配置構成としている。
このことは、第1の通風部15側の透孔群16,17,18と、第2の通風部19側の透孔群20,21,22,23とが直接対向しない配置構成を基本としているが、熱風量や熱風流の分布を考慮して一部に限り対向する配置関係にあってもよい。
すなわち、このような非対向とする配置構成や開口面積比とすることは、第1の熱風ケーシング14から吹き出された熱風が、第2の熱風ケーシング12内に流入して直ちに庫内に流出することなく、該ケーシング12内に滞留することを促進するに有効とするためである。但し、第1の熱風ケーシング14から吹き出される熱風は、熱風ファン7による周回方向の方向性を帯びているため、図中矢印aで示す斜め方向の熱風流となる。そこで、各無孔部位(イ),(ロ),(ハ)は、熱風流の方向性を考慮して若干位置ずれした対向配置を適正な配置としている。
上記構成の第2実施例によれば、第1の通風部15(下段通風部15c)から吹き出された熱風流は、主に第2の熱風ケーシング12の無孔部位(イ),(ロ),(ハ)に主に吹き当たるため、該ケーシング12から直ちに庫内に吹き出されることがなく且つ流入したときの勢いは緩和される。これにより、熱風は第2の熱風ケーシング12内に流入したときに、熱風が有する方向性が大幅に消失するとともに、滞留状態にある熱風は該ケーシング12内の高まる静圧に基づき庫内に吹き出されるので、その流出時には全体に一様な熱風流となり、更に方向性が消失した整流された熱風となる。よって、熱風は整流状態にて庫内に均等に供給され、加熱分布を均一にして食品の加熱ムラを効果的に解消できる加熱調理器を提供できる。
なお、本実施例では無孔部位(イ),(ロ),(ハ)を形成したので、第2の熱風ケーシング12が有する第2の通風部13(設置範囲S2相当の領域)に対し、第1の熱風ケーシング14の第1の通風部15(下段通風部15c)から吹き出された熱風が直接吹き当たる位置の透孔数は少数となることから、その開口面積の総和は、熱風が直接吹き当たらない位置の透孔による開口面積の総和よりも小さく設定することが容易にできる。
このような構成においても、上記同様に方向性を解消した均一な加熱分布が期待できるとともに、この場合、当然無孔部位(イ),(ロ),(ハ)以外に、各透孔間の無孔部位も存在するので、上記のように集中した無孔部位(イ),(ロ),(ハ)を要しない異なる第2の通風部の構成にあっても、上記した開口面積比とすることは可能で、且つ上記同様の作用効果が期待できる。
(第3の実施の形態)
次いで図6,図7は、本発明の第3実施例を示すもので、図6は図1相当図、図7は図6中のB−B線に沿って切断して示す横断平面図である。
このものは、第2の熱風ケーシングの更なる機能の拡大を図るべく、外側に延長して他の壁面にも展開して設けたものである。
本実施例は、特には上記第2実施例と類似していて、例えば本実施例の図7と、前記第2実施例の図5とを対比すると容易に理解できるように、具体構成において本実施例の第2の熱風ケーシング24を除き共通の構成にあって、その第2の熱風ケーシング24は左右の外側に延びて、奥壁2eと異なる周壁である左右の側壁2c,2dまで展開した構成である点で相違するものである。
すなわち、熱風循環ユニット4は庫内周壁の奥壁2eに設けられているので、第1の熱風ケーシング14の第1の通風部15を覆うように設けられた第2の熱風ケーシング24は、その左右端部を異なる壁面の側壁2c,2dに沿って延長して設けたもので、全体形状がコ字状をなしている。勿論、庫内側に面して複数の透孔からなる第2の通風部25を有するとともに、該通風部25を除き閉鎖されたコ字状の空間を連続して形成された構成にある。
なお、第2の通風部25のうち、特に奥壁2eに対応した透孔群の構成は、例えば上記第2実施例で述べた如く無孔部位(イ),(ロ),(ハ)に主に熱風を吹き当てる構成と共通としている。但し、これに限らず、第1実施例で述べた如く開口面積を第1の通風部15より小さくする構成など、適宜採用可能である。また、第1の通風部15も上記実施例で述べたように、上段通風部15a、中段通風部15b、下段通風部15cの3段階に区分される。
上記構成の第3実施例によれば、第1の熱風ケーシング14から吹き出された熱風は、上記各実施例と同様に第2の熱風ケーシング24に流入して直ちに庫内に吹き出されることなく、特にコ字状をなす閉鎖空間が広い該ケーシング24内で拡散して勢いが緩和され、且つ滞留状態に維持される。これにより、熱風は第2の熱風ケーシング24内に至り周回方向への方向性が殆んど消失し、更に異なる壁面にも展開した第2の通風部25から庫内への流出時には方向性が解消された整流状態の熱風流とすることができる。
上記した熱風の整流機能は、第2の熱風ケーシング24のうち奥壁2e側に位置する部位にて顕著であるが、左右の側壁2c,2d側の部位にも波及して同様の熱風流を得ることができる。斯くして、図中白抜き矢印cで示すように本実施例によれば、庫内の前面側を除く三方から整流された熱風が供給されることにより、庫内を逸早く均一な加熱分布とすることができ、加熱ムラを一層確実に抑えたオーブン調理が期待できる。
(第4の実施の形態)
図8は、本発明の第4実施例を示す図1相当図である。
このものは、上記第3実施例で述べた如く第2の熱風ケーシングを左右の外側に延長した構成に加えて、本実施例はこの延長部分を棚板の支え部として兼用できるようにしたものである。
すなわち、図8に示すように、棚板10a,10bを上下2段配置とする構成など、本実施例にいう第2の熱風ケーシング26を除き第1実施例(或は、第2、第3実施例でもよい)と略同様の構成としている。しかるに、本実施例に示す第2の熱風ケーシング26は、奥壁2eに対応したケーシング主体部26aと、両側壁2c,2d側に夫々対応して延長された部分のケーシング延長部26bとから構成され、この両延長部26bは、ケーシング主体部26aから単に延長しただけでなく、上方に折り曲げられて後、両側壁2c,2dに沿って前方に水平方向に延びる形状としている。
更に、ケーシング延長部26bにつき具体的に述べると、両側壁2c,2d側における高さ位置は第1実施例でいう下段側の棚板支え部11bが設けられた位置に相当し、庫内側に山形状(三角形状)に突出した形態にて内部に閉鎖された空間を形成しており、その突出部分の一辺である上辺は水平面をなし、これと連続する他の一辺は庫内側に斜め下方に面した傾斜面形状とし、少なくとも上記二面を有する構成としている。
このようなケーシング延長部26bの突出形状は、本実施例では上段側に位置する本来の棚板支え部10aと実質的に同様の断面形状としたものであるが、特にこれに限定されることはない。しかるに、ケーシング延長部26bに形成される第2の通風部27は、上記斜め下方に指向した傾斜面に複数の透孔を配置形成してなり、一方ケーシング主体部26aには前方を指向して開口した透孔群が形成されている。
上記構成の第4実施例によれば、第2の熱風ケーシング26を、奥壁2e及び他の異なる壁面である側壁2c,2dに展開した構成は、上記第3実施例と基本的に同様の構成にて同様の作用効果が期待できる。その上、特に本実施例では側壁2c,2dに延設した各ケーシング延長部26bが棚板11bの棚板支え部として兼用できるようにしたので、この分、下段側の専用の棚板支え部を側壁2c,2dに突出成形する必要がない。この場合、ケーシング延長部26bが有する連続した空間が庫内側に突出した形態となるため、該延長部26bの上面を水平面にして棚板支え部として機能させることに何ら無理がなく、容易に提供できる。
しかも、ケーシング延長部26bに形成した第2の通風部27は、該延長部26bの一辺である庫内側に斜め下方に面する傾斜面に透孔を形成したので、整流された熱風も図中白抜き矢印c方向である斜め下方に向かって吹き出される。これにより、熱風はケーシング主体部26a側からは真っ直ぐ前方に吹き出され、ケーシング延長部26b側からは下方に吹き出され、よって直接棚板11bの裏面を加熱する無駄な加熱作用を防止し、図示しない食品を加熱するに有効な熱風流を庫内方に向けて供給でき、加熱効率に優れたオーブン調理が行なえる。
<第1の変形例>
図9は、特に第4実施例に対する第1変形例を示す図8相当図で、第4実施例では、第1の通風部9の下段通風部9cに対応して設けた第2の熱風ケーシング26を対象とした構成であったのに対し、このものは中段通風部9bに対応して設けた第2の熱風ケーシング28を対象とした点で異なり、他は共通の構成とするものである。
すなわち中段通風部9bは、奥壁2eの中央部に形成された吸入部位を挟んで左右に分散形成され、若干両者は上下方向に位置ずれした配置構成としている(例えば、図8、或は図12参照)。この分離した各中段通風部9bを夫々覆うように、前記第2の熱風ケーシング28を左右の略対称位置に独立して設けた構成としている。これら第2の熱風ケーシング28は、その外側に延びた端部が庫内の左右の側壁2c,2dの夫々当接する部位で上方に折曲され、更に所定高さ位置で折曲されて前方に向かって水平方向に延出されている。
上記所定高さは、従来上段の棚板10aを支持する高さ位置と同等位置に設定されていて、各側壁2c,2dに沿うケーシング延長部28bは、上記第4実施例のケーシング延長部26bと同様の形状にあって、つまり庫内側に断面三角形状に突出し、その上面を平坦面として棚板10aを載置支持し、また斜め下方の傾斜面には同斜め下方に指向した透孔からなる第2の通風部29を形成し、勿論左右夫々のケーシング主体部28aにも前方に向けた透孔からなる第2の通風部29を形成している。従って、第2の通風部29の全体の構成としては、上記実施例と同様に庫内の奥壁2eと、異なる壁面である左右の側壁2c,2dには個々に独立して形成された構成にある。
上記構成の変形例によれば、側壁2c,2dに延設した各ケーシング延長部28bが上段側の棚板11aの棚板支え部として兼用でき、その利便性については上下の高さ位置が異なるだけで上記第4実施例と実質的に同様の効果が期待できる。
そして、奥壁2eの左右に配置された第2の熱風ケーシング28のケーシング主体部28aからは、前方に指向して整流された熱風が吹き出され、異なる壁面である側壁2c,2dに展開した各ケーシング延長部28bからは斜め下方に指向した熱風が吹き出され、この場合、近接する上段側の棚板10aの背面側を無駄に加熱することなく、食品に対し効率よく加熱することができる。また、この実施例では特に当該中段の空間ゾーンに対して加熱分布が均一でムラのない熱風流を得ることができるとしていが、通常各棚板10a,10bの側方側にも隙間が形成してあって熱風流の一部は上下方向にも流通可能とした構成であったり、棚板は上下段のいずれか1枚の使用形態であることも想定されることから、延いては庫内全体にムラのない熱風流を得るのが期待でき、加熱ムラを抑えたオーブン調理が期待できる。
<第2の変形例>
図10は、第2変形例を示す図9相当図で、このものは上記第1変形例で述べた中段の空間ゾーンに第2の熱風ケーシング28を配設した構成に加えて、前記第3実施例(図6参照)で述べた下段の空間ゾーンに第2の熱風ケーシング24を配設した構成を併合した構成に相当するもので、これら実施例と同一部分には同一符号を付して示すように、個々に夫々共通の構成としている。
つまり本構成は、一つの第1の熱風ケーシング5に対して、第2の熱風ケーシング24,28を複数箇所に独立して設けた構成といえるもので、庫内の下段の空間ゾーンでは、既述の如く庫内の3壁面に展開した第2の熱風ケーシング24が配置され、その第2の通風部25から加熱庫2の内方に向かって略水平方向に整流された熱風が吹き出される。一方、中段の空間ゾーンでは左右に分離独立した第2の熱風ケーシング28が配置され、それらの第2の通風部29から庫内側に整流された熱風が吹き出されるが、そのうち左右のケーシング延長部28bからは、やや下方に指向した熱風流が庫内に供給される。
従って、庫内の半分以上を占める中段、及び下段の空間ゾーンでは、方向性が解消され整流された熱風が行きわたり、一層庫内への均一な加熱分布が促進され加熱ムラのないオーブン調理が期待できる。また、ケーシング延長部28bからの斜め下方に吹き出された熱風は、近接する上段側の棚板10aの背面側を無駄に加熱することがなくて、それだけ食品に対し効率よく加熱することができる。
なお、上記構成に限定されず、例えば残っている上段の空間ゾーンにも第2の熱風ケーシングを独立して設けてもよいことはいうまでもない。
(第5の実施の形態)
図11は、本発明の第5実施例を示すもので、この図11はドア及び棚板を除いた加熱調理器の正面図を示しており、このものは庫内天井側の上段の空間ゾーンと、底部側の下段の空間ゾーンとにおいて、熱風流を改善し均一な加熱分布を得るべき熱風調整手段を施したものである。
この実施例は、まず下段の空間ゾーンにおいては第3実施例(図6,7参照)として述べたように異なる壁面まで延長展開された全体にコ字状をなす第2の熱風ケーシング24を備えた構成を採用しており、そのほか第3実施例と同一部分には同一符号を付して示すように共通の構成としているもので、詳細な説明は省略する。
これに対し、上段の空間ゾーンには上記のような第2の熱風ケーシングなどを設けない別の熱風調整手段を備えたもので、天井壁2aを正面から見て「かまぼこ型」に曲成した、所謂庫内側が凹とする曲面状部30を形成している。この「かまぼこ型」の曲面状部30を有する周壁面の断面形状は、熱風ファン6の回転方向Rに沿う円周方向に対し曲率をもって形成されている。
このような構成にあって、図中に示す各種矢印は庫内における主な熱風流を示したもので、まず実線矢印aは前記同様に第1の熱風ケーシング5から庫内に直接吹き出された熱風の流れ方向を示し、既述の如く熱風ファン7の回転方向Rに沿う周回方向の方向性を帯びた熱風流で、この場合、例えば天井壁2aに対し図示する如く斜め方向に吹き出され且つ略直線的な熱風流を示している。
一方、二点鎖線で示す矢印xは、上記実線矢印aで示すように庫内に吹き出されたばかりの未だ方向性を有する熱風流が、天井壁2aの曲面状部30に当接した後の動きを概略的にイメージして示したもので、詳細は後の作用説明で述べるが天井壁面に当たった後に環状(又は渦状)の流れに変化しつつ、全体では庫内前方に向かって流れる。なお、この矢印x方向の熱風流は、図示するように庫内に棚板が設置されていない場合の庫内全体に及ぶ大きな熱風流の傾向を明確に示している。
これに対し、下段の空間ゾーンに示す白抜き矢印cは、第2の熱風ケーシング24から庫内方に向けて吹き出された熱風の流れ方向を示しており、既述の第3実施例と同様に水平方向に吹き出され整流された熱風流を示している。なお、実際にオーブン調理するに際して、例えば図示する状態のままフラットな底壁2bに食品を載置して行うことも可能であり、勿論1枚或は2枚の棚板(図示せず)を利用した形態での使用も可能であり、この棚板を使用した場合には、例えば二点鎖線矢印x方向の熱風流は、その連続した流れが当該棚板により一部妨げられ変化するものの、特に上方部位にあっては略同じ傾向の流れを維持する。
斯かる構成において、オーブン調理するに際し、図11に基づき基本的な熱風の流れにつき述べる。既述の如く、第1の熱風ケーシング5の第1の通風部15から吹き出された熱風は、熱風ファン7による周回方向への方向性を有している(矢印a参照)。しかるに、天井壁2a側に吹き出された熱風は、「かまぼこ型」の曲面状部30に対し所定角度の法線方向にて当接し、該曲面に沿って種々の環状(渦流)の流れがねじれ作用を生じながら前方へ移動する。
この結果、熱風の撹拌効果を高めるとともに、庫内コーナーの隅々まで充満したムラのない熱風流が得られ、これが庫内全体に波及して加熱分布の均一化を促進できる。
なお、例えば天井壁2aが水平な平坦面形状であった従来構成では(図12参照)、該壁面に当たった後、種々の反射角度をなす熱風流が得られるが、熱風自体はいずれも直線的な流れであるため、死角が生じたり均等に広がった熱風流を得るのが難しく、加熱ムラを生じるおそれがあったが、本実施例の如く「かまぼこ型」の曲面状部30を形成することで、上記課題を効果的に解消できる。
しかるに、図示しないが天井方向以外に吹き出された一部の熱風は、平坦面形状の左右の側壁2c,2dに当たって反射し、或は該平坦な壁面に沿って流れ、いずれも主に直線的な熱風流にあるが、庫内を前方に移動するうちに上記ねじれ作用をなす大きな熱風流(矢印x)との混合撹拌が促進され食品の加熱調理に寄与する。
これに対し、下段の空間ゾーンに配置された第2の熱風ケーシング24の第2の通風部25からは、庫内に向けて熱風が直線的に吹き出される。しかるに、この場合、既述の如く第2の熱風ケーシング24内にて滞留し方向性が解消された熱風が吹き出され、つまり整流された状態の熱風が白抜き矢印c方向である庫内方に向けて吹き出されるので、死角部分などがないムラのない熱風流が得られ、しかも左右の側壁2c、2d側に延長した延長部分からの熱風の吹き出しにより一層均一な加熱分布が促進される。
斯くして、上記の如き庫内に供給された熱風により、効率よく加熱ムラなく食品を加熱した後は、奥壁2eを兼ねた第1の熱風ケーシング5が有する中央の吸入部位から吸い込まれ、熱風ヒータ8及び熱風ファン7により加熱され、再生された熱風が庫内に吹き出され、この循環熱風によりオーブン調理が実行される。
以上説明したように、上記第5実施例によれば次のような効果を有する。
庫内の加熱分布を均一にするに有効な熱風を、庫内上部の天井側からと、下部の底部側からとの上下2方向から庫内に供給するようにしたので、庫内全体の加熱分布を逸早く均一状態にでき、結果として食品に対し加熱ムラがない熱風循環によるオーブン調理が実行できる。
また、天井壁2aに内側が凹となる曲面状部30を形成したが、これは外側に凸となる形状で、庫内側の空間が広くなる傾向にあって、特に複数の棚板を使用した場合などの最上段の空間ゾーンが狭くなり易いのを広く対処でき好都合である。加えて、庫内の底部を構成する底壁2bは、各種の加熱調理するとて食品を直接収容配置できるようにフラットな形状が求められるため、この下段側の空間ゾーンには第2の熱風ケーシング24を設けることで、底壁2bのフラットな形状を確保し、一方上段の空間ゾーンには支障なく加工容易な天井壁2aに曲面状部30を形成でき、無理なく容易に対処できる利点がある。
なお、本実施例では曲面状部30の具体的な一例として、天井壁2aを内側が凹となる「かまぼこ型」の曲面形状としたが、これに限らず、例えばドーム型の形状としたり或は二次曲面や懸垂曲面の一部を採用することも可能である。
また本発明は、上記し且つ図面に示した各実施例に限定されず、例えば、熱風循環ユニットは庫内の奥壁側に限らず側壁側に配置してもよいし、複数配置してもよい。また、第2の通風部は第1の通風部の少なくとも一部を覆う構成であればよい。その他、各実施例を適宜組み合わせて実施してもよいなど、実施に際して本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施可能である。
本発明の第1実施例を示す加熱調理器のドアを取り除いた状態の正面図 全体構成を概略的に示す縦断側面図 庫内要部の斜視図 図3中のA−A線に沿って切断し拡大して示す横断平面図 本発明の第2実施例を示す図4相当図 本発明の第3実施例を示す図1相当図 図6中のB−B線に沿って切断して示す横断平面図 本発明の第4実施例を示す図1相当図 第1変形例を示す図8相当図 第2変形例を示す図9相当図 本発明の第5実施例を示すドア及び棚板を除いた加熱調理器の正面図 従来構成を示す図1相当図
符号の説明
図面中、1は筐体、2は加熱庫、2aは天井壁、2bは底壁、2c,2dは左右の各側壁、2eは奥壁、4は熱風循環ユニット、5,14は第1の熱風ケーシング、7は熱風ファン、8は熱風ヒータ、9,15は第1の通風部、10a,10bは棚板、11a,11bは棚板支え部、12,24,26,27,28は第2の熱風ケーシング、13,19,25,29は第2の通風部、及び30は曲面状部を示す。

Claims (9)

  1. 収容した食品を加熱調理する加熱庫に対し、前記加熱庫を形成する周壁面の一つに前記加熱庫内に熱風を循環供給する熱風循環ユニットを備えたものにおいて、
    前記熱風循環ユニットは、前記加熱庫内に吹き出し可能な第1の通風部を有する第1の熱風ケーシングと、前記第1の熱風ケーシング内にファンモータにより駆動される熱風ファン、及び前記熱風ファンの周辺に配置された熱風ヒータを有する構成とし、
    前記第1の通風部の一部を覆うとともに、この覆った第1の通風部より吹き出された熱風を前記加熱庫内に吹き出し可能な第2の通風部を有する第2の熱風ケーシングを設け、且つ第1,第2の通風部は夫々複数の透孔から形成し、
    前記第2の通風部の開口面積の総和を、前記第1の通風部の全開口面積よりも小さくしたことを特徴とする加熱調理器。
  2. 第1の通風部を形成する透孔は、第2の通風部を有する第2の熱風ケーシングの無孔部位と対向する位置に形成したことを特徴とする請求項1記載の加熱調理器。
  3. 収容した食品を加熱調理する加熱庫に対し、前記加熱庫を形成する周壁面の一つに前記加熱庫内に熱風を循環供給する熱風循環ユニットを備えたものにおいて、
    前記熱風循環ユニットは、前記加熱庫内に吹き出し可能な第1の通風部を有する第1の熱風ケーシングと、前記第1の熱風ケーシング内にファンモータにより駆動される熱風ファン、及び前記熱風ファンの周辺に配置された熱風ヒータを有する構成とし、
    前記第1の通風部を覆うとともに、この覆った第1の通風部より吹き出された熱風を前記加熱庫内に吹き出し可能な第2の通風部を有する第2の熱風ケーシングを設け、且つ第1,第2の通風部は夫々複数の透孔から形成し、
    前記第2の通風部の開口面積の総和を、前記第1の通風部の全開口面積よりも小さくし、
    前記第2の熱風ケーシングは、前記第1の熱風ケーシングより外側に大きく形成し、前記第2の通風部の配置領域を前記第1の通風部より外側に設定したことを特徴とする加熱調理器。
  4. 第2の熱風ケーシングが有する第2の通風部において、第1の熱風ケーシングの第1の通風部から吹き出された熱風が直接吹き当たる位置の開口面積の総和が、熱風が直接吹き当たらない位置の開口面積の総和よりも小さく設定したことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の加熱調理器。
  5. 収容した食品を加熱調理する加熱庫に対し、前記加熱庫を形成する周壁面の一つに前記加熱庫内に熱風を循環供給する熱風循環ユニットを備えたものにおいて、
    前記熱風循環ユニットは、前記加熱庫内に吹き出し可能な第1の通風部を有する第1の熱風ケーシングと、前記第1の熱風ケーシング内にファンモータにより駆動される熱風ファン、及び前記熱風ファンの周辺に配置された熱風ヒータを有する構成とし、
    前記第1の通風部を覆うとともに、この覆った第1の通風部より吹き出された熱風を前記加熱庫内に吹き出し可能な第2の通風部を有する第2の熱風ケーシングを設け、且つ第1,第2の通風部は夫々複数の透孔から形成し、
    前記第2の通風部の開口面積の総和を、前記第1の通風部の全開口面積よりも小さくし、
    前記第2の熱風ケーシングの前記第2の通風部を、前記第1の熱風ケーシングの前記第1の通風部が配置された壁面とは異なる壁面にも設けたことを特徴とする加熱調理器。
  6. 第1の熱風ケーシングに対し、第2の熱風ケーシングは、複数箇所に独立して設けたことを特徴とする請求項記載の加熱調理器。
  7. 収容した食品を加熱調理する加熱庫に対し、前記加熱庫を形成する周壁面の一つに前記加熱庫内に熱風を循環供給する熱風循環ユニットを備えたものにおいて
    前記熱風循環ユニットは、前記加熱庫内に吹き出し可能な第1の通風部を有する第1の熱風ケーシングと、前記第1の熱風ケーシング内にファンモータにより駆動される熱風ファン、及び前記熱風ファンの周辺に配置された熱風ヒータを有する構成とし、
    前記第1の通風部を覆うとともに、この覆った第1の通風部より吹き出された熱風を前記加熱庫内に吹き出し可能な第2の通風部を有する第2の熱風ケーシングを設け、且つ第1,第2の通風部は夫々複数の透孔から形成し、
    前記第2の通風部の開口面積の総和を、前記第1の通風部の全開口面積よりも小さくし、
    食品を載置する棚板を、前記加熱庫内の壁面に形成した棚板支え部に支持する構成において、前記棚板支え部を前記第2の通風部を有する前記第2の熱風ケーシングが兼用する構成としたことを特徴とする加熱調理器。
  8. 棚板支え部を兼用した第2の熱風ケーシングが有する第2の通風部は、加熱庫内斜め下方に向けて熱風を吹き出す構成としたことを特徴とする請求項記載の加熱調理器。
  9. 収容した食品を加熱調理する加熱庫に対し、前記加熱庫を形成する周壁面の一つに前記加熱庫内に熱風を循環供給する熱風循環ユニットを備えたものにおいて、
    前記熱風循環ユニットは、前記加熱庫内に吹き出し可能な第1の通風部を有する第1の熱風ケーシングと、前記第1の熱風ケーシング内にファンモータにより駆動される熱風ファン、及び前記熱風ファンの周辺に配置された熱風ヒータを有する構成とし、
    前記第1の通風部を覆うとともに、この覆った第1の通風部より吹き出された熱風を前記加熱庫内に吹き出し可能な第2の通風部を有する第2の熱風ケーシングを設け、且つ第1,第2の通風部は夫々複数の透孔から形成し、
    前記第2の通風部の開口面積の総和を、前記第1の通風部の全開口面積よりも小さくし、
    前記加熱庫の下部に前記第2の熱風ケーシングを設け、上部では第1の熱風ケーシングから吹き出される熱風が当たる天井壁を曲面状に形成したことを特徴とする加熱調理器。
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