JP5195864B2 - 固体撮像装置とその製造方法、及び撮像装置 - Google Patents

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Description

本発明は、固体撮像装置とその製造方法、及び撮像装置に関する。詳しくは、光電変換素子を有する固体撮像装置とその製造方法、及び当該固体撮像装置を備えた撮像装置に関する。
近年、パーソナルコンピュータなどとともに使用される画像入力用カメラの開発が盛んになっている。これらのカメラに搭載されている固体撮像装置には、電荷結合素子(CCD:Charge Coupled Device)を用いたCCDイメージセンサや、CMOS製造プロセスと互換性のあるCMOSイメージセンサが用いられている。
CCDイメージセンサは、画素に対応する光電変換素子(フォトダイオード)を二次元的に配列させ、光電変換素子によって電荷となった各画素の信号を、垂直転送CCDと水平転送CCDとを用いて順次読み出していくタイプのイメージセンサである。CMOSイメージセンサは、画素に対応する光電変換素子を二次元的に配列させる点では、CCDイメージセンサと同様である。但し、CMOSイメージセンサでは、信号の読み出しに垂直及び水平転送のCCDを使用せず、メモリデバイスのようにアルミニウムや銅の配線などで構成される選択線によって、画素毎に蓄えられた信号を、選択された画素から読み出す仕組みになっている。このようにCCDイメージセンサとCMOSイメージセンサは、画素信号の読み出し方式などが異なるものの、光電変換素子となるフォトダイオードは共通の構造になっている。
フォトダイオードの構造としては、例えば、図16に示す構造が知られている(特許文献1参照)。図16においては、シリコン基板101の表層部に形成した素子分離部102の中間に、フォトダイオード103を形成した状態を示している。フォトダイオード103は、シリコン基板101の表面から深さ方向に、P+領域104、N+領域105、N-領域106、P-領域107の各不純物領域を順に形成した構造となっている。図中の「+」と「-」は、不純物濃度が他の領域と比較して「濃い場合」と「薄い場合」を表している。
このような構造により、フォトダイオード103のシリコン基板101表面から発生する暗電流を低減させることができる。そして、このフォトダイオード103の部分に光が入射することで電子−正孔対が発生し、信号電荷(電子)がP領域とN領域の接合部に蓄積される。PN接合部に蓄積可能な信号電荷量の最大値は飽和信号電荷量(以下、「Qs」とも記す)と呼ばれている。高いQsを有するイメージセンサは、ダイナミックレンジやSN(シグナル/ノイズ)比などの諸特性が優れたものとなる。したがって、イメージセンサの特性を向上させるうえでQsの増加は非常に重要な要素となる。
特開2002−170945号公報
飽和信号電荷量(Qs)を増加する方法としては、フォトダイオードのPN接合面積を増加させることや、フォトダイオードのPN接合容量を増加させることが考えられる。しかしながら、フォトダイオードのPN接合面積を増加させるべく、フォトダイオードの面積を平面的に拡大すると、同じ画角(例えば2/3インチなど)で比較した場合に、フォトダイオードの面積拡大に伴い、イメージセンサの総画素数が減少してしまう。また、フォトダイオードのPN接合容量を増加させるべく、P領域とN領域の不純物濃度を高くすると、暗電流が増加するなどの特性劣化を招く。このため、不純物濃度を高めてPN接合容量を増加させるにも限界がある。
本発明の目的は、光電変換素子の面積を平面的に拡大したり不純物濃度を高めたりしなくても、飽和信号電荷量を増加させることができる仕組みを提供することにある。
本発明に係る固体撮像装置は、半導体基板と、半導体基板に二次元的に配列された複数の画素とを備える。画素は、光電変換を行なう光電変換素子と、光電変換素子から信号電荷を読み出すための画素トランジスタを有する。画素トランジスタは、転送ゲートを有する電荷読み出しトランジスタを含む。光電変換素子は、第1導電型の不純物によって半導体基板内に形成された第1不純物領域と、第1導電型と異なる第2導電型の不純物によって半導体基板内に第1不純物領域と接する状態で形成された第2不純物領域とを有する。第1不純物領域は、不純物濃度が相対的に低い低濃度不純物領域と不純物濃度が相対的に高い高濃度不純物領域とを含み、第2不純物領域は、不純物濃度が相対的に低い低濃度不純物領域と不純物濃度が相対的に高い高濃度不純物領域とを含む。第1不純物領域の高濃度不純物領域、第2不純物領域の高濃度不純物領域とが接するPN接合部が、半導体基板の表面側に凸の、円錐状又は角錐状の凸形状に形成され、第2不純物領域の低濃度不純物領域上に第2不純物領域の高濃度不純物領域が形成される。第2不純物領域の高濃度不純物領域によって凸形状が形成され、第2不純物領域の高濃度不純物領域による凸形状を、第1不純物領域の高濃度不純物領域で覆うことにより、PN接合部が形成される。第2不純物領域からなる凸形状と、第1不純物領域の高濃度不純物領域とのPN接合部の周囲に、第1不純物領域の低濃度不純物領域が設けられる。第1不純物領域と第2不純物領域とが接するPN接合部は、半導体基板の表面側に凸の形状で形成される。転送ゲートはPN接合部の一部に重なるように形成され、凸形状をなすPN接合部のポテンシャルが転送ゲートに向かって傾斜している。
本発明に係る固体撮像装置の製造方法は、次の工程を有する。光電変換を行なう光電変換素子と、光電変換素子から信号電荷を読み出すための画素トランジスタを有する複数の画素を形成すべき、半導体基板の画素領域内に、半導体基板の内部に第1導電型の不純物を導入することにより低濃度の第1不純物領域を形成する第1工程。半導体基板の内部に第1導電型と異なる第2導電型の不純物を導入することにより第1不純物領域と接する状態で、低濃度の第2不純物領域と、前記低濃度の第2不純物領域上に、前記半導体基板の表面側に凸の、円錐状又は角錐状の凸形状の高濃度の第2不純物領域とを形成する第2工程。前記高濃度の第2不純物領域による凸形状を覆うように、高濃度の第1不純物領域を形成してPN接合を形成し、光電変換素子を形成する第3工程。画素トランジスタの電荷読み出しトランジスタを構成する転送ゲートとソース・ドレイン領域とを形成する第4工程
第1工程、第2工程及び第3工程では、高濃度の第1不純物領域と高濃度の第2不純物領域とが接するPN接合部が、半導体基板の表面側に凸の円錐状又は角錐状の形状をなし、かつこのPN接合部のポテンシャルが転送ゲートに向かって傾斜するように、第1不純物領域と前記第2不純物領域を形成する。第3工程では、転送ゲートをPN接合部の一部に重なるように形成する。
本発明に係る撮像装置は、上記構成の固体撮像装置と、被写体からの光を前記固体撮像装置に導く光学系とを備える。
本発明に係る固体撮像装置及び撮像装置では、第1不純物領域と第2不純物領域とが接するPN接合部を、半導体基板の表面側に凸の形状で形成することにより、PN接合部の面積が、基板面方向だけでなく、凸形状の三次元的な傾斜によって基板深さ方向にも広がる。転送ゲートが前記PN接合部の一部に重なるように形成され、凸形状をなすPN接合部のポテンシャルが転送ゲートに向かって傾斜しているので、PN接合部に蓄積された信号電荷の取り出しが容易になる。
本発明の固体撮像装置の製造方法では、上記構成の固体撮像装置を製造することができる。
本発明によれば、第1不純物領域と第2不純物領域とが接するPN接合部を、半導体基板の表面側に凸の形状で形成することにより、PN接合部の面積を、基板面方向だけでなく、凸形状の三次元的な傾斜によって基板深さ方向にも広げることができる。このため、光電変換素子の面積を平面的に拡大したり不純物濃度を高めたりしなくても、飽和信号電荷量を増加させることができる。PN接合部に蓄積された信号電荷の取り出しを容易にすることができる。
参考例に係るCCD固体撮像装置の構成例を示す概略図である。 本発明の第1の実施の形態に係る固体撮像装置の構成例を示す断面図である。 本発明の第1の実施の形態に係る固体撮像装置の製造方法を説明する図(その1)である。 本発明の第1の実施の形態に係る固体撮像装置の製造方法を説明する図(その2)である。 本発明の第1の実施の形態に係る固体撮像装置の製造方法を説明する図(その3)である。 本発明の第1の実施の形態に係る固体撮像装置の製造方法を説明する図(その4)である。 本発明の第1の実施の形態に係る固体撮像装置の製造方法の変形例を説明する図(その1)である。 本発明の第1の実施の形態に係る固体撮像装置の製造方法の変形例を説明する図(その2)である。 基板深さ方向のポテンシャル図である。 PN接合部の凸形状に沿う線上のポテンシャル図である。 本発明の第1の実施の形態に係る固体撮像装置の第1変形例を説明する図である。 本発明の第1の実施の形態に係る固体撮像装置の第2変形例を説明する図である。 本発明の第1の実施の形態に係る固体撮像装置の応用例を説明する図である。 本発明の第2の実施の形態に係る固体撮像装置の構成例を説明する図である。 本発明が適用される撮像装置の構成例を示すブロック図である。 フォトダイオードの構造例を示す断面図である。
以下、本発明の具体的な実施の形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、本発明の技術的範囲は以下に記述する実施の形態に限定されるものではなく、発明の構成要件やその組み合わせによって得られる特定の効果を導き出せる範囲において、種々の変更や改良を加えた形態も含む。
発明を実施するための最良の形態(以下、実施の形態)については、以下の順序で説明する。CCDイメージセンサからなる電荷転送型の固体撮像装置(以下、「CCD固体撮像装置」と記す)は参考例とする。本発明は、CMOSイメージセンサに代表されるX−Yアドレス型の固体撮像装置に適用する。
1.固体撮像装置の構成
2.第1の実施の形態
3.第2の実施の形態
4.適用例
<1.固体撮像装置の構成>
図1は参考例に係るCCD固体撮像装置の構成例を示す概略図である。図示のように、画素アレイ1には、複数(多数)の画素2が二次元的(行列状)に配列されている。これら複数の画素2は、後述する半導体基板の基板面内に二次元的に配列されるものである。各々の画素2は、光電変換を行う光電変換素子を有する。画素アレイ1に設けられた画素2は、それぞれに対応する色フィルタを通して入射した光を上記光電変換素子によって光電変換する。
画素アレイ1には、各々の画素2に対して、複数の垂直転送レジスタ3が垂直方向に沿って設けられている。垂直転送レジスタ3は、画素列ごとに、画素2に隣接して設けられている。この垂直転送レジスタ3は、各行の画素2から読み出された信号電荷を垂直方向に転送するもので、垂直CCDによって構成されている。
各々の垂直転送レジスタ3の終端部には、水平方向に沿って水平転送レジスタ4が設けられている。水平転送レジスタ4は、各々の垂直転送レジスタ3によって垂直方向に転送された信号電荷を水平方向に転送するもので、水平CCDによって構成されている。水平転送レジスタ4による信号電荷の転送先には出力アンプ5が設けられている。
出力アンプ5は、水平転送レジスタ4によって水平方向に転送された信号電荷を電圧に変換して出力するものである。出力アンプ5から出力された信号は信号処理回路6に入力される。信号処理回路6は、出力アンプ5から出力された信号を取り込んで、予め設定された信号処理を施すことにより、画像信号を生成するものである。駆動回路7は、信号電荷を転送するための転送パルスを発生するとともに、この転送パルスにしたがって垂直転送レジスタ3と水平転送レジスタ4を駆動するものである。その際、駆動回路7は、垂直転送レジスタ3に対しては垂直転送パルスを供給し、水平転送レジスタ4に対しては水平転送パルスを供給する。
本発明が適用されるCMOS固体撮像装置は、各画素が、光電変換を行なう光電変換素子と、当該光電変換素子から信号電荷を読み出すための画素トランジスタとを含むものである。さらに詳述すると、光電変換素子は、入射光を受光量に応じた信号電荷に変換して蓄積するものである。画素トランジスタは、複数のトランジスタによって構成されるものである。画素トランジスタは、転送ゲートを有する電荷読み出しトランジスタを含むものである。電荷読み出しトランジスタ以外のトランジスタとしては、例えば、リセットトランジスタ、アンプトランジスタ、セレクトトランジスタなどがある。
<2.第1の実施の形態>
[固体撮像装置の構成]
図2は本発明の第1の実施の形態に係る固体撮像装置の構成例、特に光電変換素子の部分を示す断面図である。図2においては、半導体基板21の内部に、光電変換素子となるフォトダイオード22が形成されている。フォトダイオード22は、例えば、R(赤),G(緑),B(青)の色フィルタを有する固体撮像装置であれば、フィルタの色成分ごとに、形状や深さ位置を変えて形成してもよい。半導体基板21は、STI(Shallow Trench Isolation)型の素子分離部23により複数の単位画素領域に区画され、そのうちの一つを図示している。半導体基板21の表面は、例えば、酸化シリコンからなる絶縁膜24で覆われている。絶縁膜24は、画素トランジスタのゲート絶縁膜としても機能するものである。
半導体基板21は、第1導電型の半導体基板、例えば、P型のシリコン基板を用いて構成されている。半導体基板21の内部には、不純物の拡散領域として、P-領域25と、P+領域26と、N-領域27と、N+領域28とが形成されている。これらの不純物領域25〜28は、それぞれ半導体基板21の表面から所要の深さに形成されている。
P-領域25及びP+領域26は、いずれも第1導電型となるP型の不純物を基板内に導入することにより形成されている。P-領域25は、P型の不純物濃度が相対的に低い低濃度不純物領域に相当し、P+領域26は、P型の不純物濃度が相対的に高い高濃度不純物領域に相当するものである。一方、N-領域27及びN+領域28は、いずれも第2導電型となるN型の不純物を基板内に導入することにより形成されている。N-領域27は、N型の不純物濃度が相対的に低い低濃度不純物領域に相当し、N+領域28は、N型の不純物濃度が相対的に高い高濃度不純物領域に相当するものである。一例として、P-領域25及びN-領域27の不純物濃度は、それぞれ1×1015(atoms/cm3)以上、1×1017(atoms/cm3)未満となっている。また、P+領域26及びN+領域28の不純物濃度は、それぞれ1×1017(atoms/cm3)以上、1×1018(atoms/cm3)未満となっている。
N-領域27及びN+領域28からなるN型不純物領域は、P-領域25及びP+領域26からなるP型不純物領域に囲まれた状態で半導体基板21の内部に形成されている。さらに詳述すると、N-領域27及びN+領域28からなるN型不純物領域の両側にはそれぞれP-領域25が存在している。また、N-領域27の下側にはP-領域25が存在し、N+領域28の上側にはP+領域26が存在している。
N-領域27とN+領域28とは、半導体基板21の深さ方向に不純物濃度の勾配をつけたかたちで形成されている。そして、基板表面から遠い方(深い方)をN-領域27とし、基板表面に近い方(浅い方)をN+領域28としている。このため、N+領域28の下側にはN-領域27が存在している。
また、P型不純物領域(25,26)とN型不純物領域(27,28)は、互いに接する状態で半導体基板21の内部に形成されている。P型不純物領域(25,26)とN型不純物領域(27,28)とが接する部分はPN接合部となり、このPN接合によってフォトダイオード22が形成されている。フォトダイオード22は、主として、P+領域26と、N-領域27と、N+領域28とによって構成されている。PN接合部の一部29は、半導体基板21の表面側に凸の形状で形成されている。半導体基板21の表面側とは、当該半導体基板21の両面(表面及び裏面)のうち、図示しない画素トランジスタが形成される側をいう。ここでは、フォトダイオード22に対して、光が入射する側に凸の形状でPN接合部29が形成されている。つまり、半導体基板21の表面側が光入射側に相当するものとなっている。凸形状のPN接合部29は、P型の高濃度不純物領域となるP+領域26とN型の高濃度不純物領域となるN+領域28によって形成されている。このため、PN接合部29は、高濃度度不純物領域(26,28)同士が接する部分となっている。PN接合部29は、断面半円状(全体として半球状)の凸形状に形成されている。
[固体撮像装置の製造方法]
図3〜図6は本発明の第1の実施の形態に係る固体撮像装置の製造方法を説明する図である。まず、図3(a)に示すように、シリコン基板からなる半導体基板21の画素領域内でかつ基板内部の所要の深さ位置に、N型不純物領域30をイオン注入法により形成する。次に、N型不純物領域30を囲むように半導体基板21の内部にP-領域25(25-1,25-2,25-3,25-4)をイオン注入法により形成する。その後、半導体基板21上にSTI型の素子分離部23を形成する。なお、イオン注入法による不純物領域の形成工程と素子分離部23の形成工程は、どちらを先に行なってもよい。
P-領域25を形成するにあたっては、イオン注入時の加速エネルギーを順に変えながら、複数回にわたってイオン注入を行なうことにより、それぞれ基板表面から所要の深さ位置に、複数の層(図例では4層)にわたってP-領域25を形成する。例えば、イオン種としてB(ボロン)を用いる場合は、以下の第1イオン注入工程、第2イオン注入工程、第3イオン注入工程及び第4イオン注入工程により、P-領域25を形成する。
第1イオン注入工程(P-領域25-1の形成工程);
注入エネルギー=1000〜1500keV、ドーズ量=1〜3E12
第2イオン注入工程(P-領域25-2の形成工程);
注入エネルギー=600〜1000keV、ドーズ量=1〜3E12
第3イオン注入工程(P-領域25-3の形成工程);
注入エネルギー=300〜600keV、ドーズ量=1〜5E12
第4イオン注入工程(P-領域25-4の形成工程);
注入エネルギー=100〜300keV、ドーズ量=1〜5E12
次に、図3(b)に示すように、半導体基板21上にCVD法又は熱酸化法により酸化膜31を形成する。酸化膜31は、例えば、酸化シリコンからなるものである。酸化膜31は、半導体基板21の表面(全面)を覆う状態で形成する。酸化膜31の膜厚は、例えば、50〜200nmとする。次に、酸化膜31の上にフォトレジスト膜32を形成する。フォトレジスト膜32の膜厚は、例えば、50〜500nmとする。
次に、図3(c)に示すように、フォトダイオード領域を形成する所望の領域だけにレジストを残すように、フォトレジスト膜32をフォトリソグラフィ法によりパターニングする。これにより、N型不純物領域30の直上にレジストパターン32pが存在し、当該レジストパターン32pによって酸化膜31が覆われた状態となる。
次に、図4(a)に示すように、レジストパターン32pをサーマルフローによって熱変形させる。これにより、断面半球状(全体として、略半球状)に変形させたレジストパターン32pが得られる。サーマルフローの具体的な手法や処理条件に関しては、レジストパターン32pの材料、厚み、形状などにより適宜選択することができる。例えば、サーマルフローの処理条件として、加熱時の温度範囲を130〜140℃程度とし、加熱時間を90秒程度とする。また、熱処理の方法としては、炉アニールによる熱処理、RTA(Rapid Thermal Annealing)による熱処理、電子ビームによる熱処理、ホットプレートを用いた熱処理などが挙げられる。これ以外にも、レジストパターン32pを断面半円状に変形させることができる方法であれば、サーマルフロー以外の方法(例えば、マイクロレンズの形成プロセス)を適用してもよい。
次に、図4(b)に示すように、上述のように変形させたレジストパターン32pをマスクとして、酸化膜31を異方性のドライエッチング法によりエッチングする。このとき、酸化膜31とレジストパターン32pを同時進行でエッチングする。これにより、レジストパターン32pがエッチングで完全に除去された段階では、当該レジストパターン32pの形状を転写したかたちで酸化膜31の一部が上側に凸の形状で残る。このとき、酸化膜31が突出する方向は、半導体基板21の表面から離れる方向となる。また、N型不純物領域30の直上には、断面半円状の酸化膜31が存在した状態となる。その後、半導体基板21の表面(全面)にCVD法又は熱酸化法により酸化膜33を形成する。酸化膜33は、例えば、10nm程度の膜厚で形成する。なお、CVD法で酸化膜33を形成した場合は、酸化膜31の凸面が酸化膜33で覆われることになる。
次に、図4(c)に示すように、半導体基板21の酸化膜33上に再びフォトレジスト膜34を形成した後、酸化膜31が存在している部分で、前述したN+領域28を形成すべき領域が開口されるようにフォトレジスト膜34をパターニングする。
次に、図5(a)に示すように、酸化膜31及びフォトレジスト膜34をマスクとして、例えば、P(リン)やAs(ヒ素)に代表されるN型の不純物原子をイオン注入法により半導体基板21のシリコン中に注入(導入)する。イオン注入は、例えば、イオン種としてP(リン)を用いる場合、注入エネルギー=700〜800keV、ドーズ量=1〜2E12にて行なう。これにより、半導体基板21の内部に、N-領域27とN+領域28とを含むN型不純物領域が形成される。このとき、酸化膜31の下方には、当該酸化膜31の形状を反映したかたちでN+領域28が形成される。その理由は、酸化膜31を介してイオン注入されるN型不純物原子の注入深さが、当該酸化膜31の凸形状に伴う厚みに依存するためである。したがって、N+領域28は、半導体基板21の表面側に凸の形状で形成される。
次に、図5(b)に示すように、酸化膜31及びフォトレジスト膜34をマスクとして、例えば、B(ボロン)やBF2に代表されるP型の不純物原子をイオン注入法により半導体基板21のシリコン中に注入(導入)する。イオン注入は、例えば、イオン種としてB(ボロン)を用いる場合、注入エネルギー=200keV、ドーズ量=1〜2E12にて行なう。これにより、半導体基板21の内部に、P+領域26が形成される。このとき、酸化膜31の下方には、上記同様の理由により、当該酸化膜31の形状を反映したかたちでP+領域26が形成される。したがって、P+領域26は、N+領域28と同様に、半導体基板21の表面側に凸の形状で形成される。また、P+領域26は、N+領域28の上層に、当該N+領域28に接する状態で層状に形成され、それらの接合部が凸形状のPN接合部29として形成される。
なお、N+領域28の形成とP+領域26の形成は、どちらを先に行なってもかまわない。また、N型不純物原子は、PやAsだけでなく、他の不純物原子でもかまわない。同様に、P型不純物原原子は、BやBF2だけでなく、他の不純物原子でもかまわない。但し、イオン注入時の加速エネルギーについては、P+領域26を上層とし、N+領域28を下層として、両者を接合する必要がある。このため、P型不純物原子の注入深さとN型不純物原子の注入深さの差が、例えば、0〜50nm程度の値になるようなエネルギーレベルに設定することが望ましい。
次に、図5(c)に示すように、酸化膜31とフォトレジスト膜34を例えばウェットエッチング法などにより除去する。このとき、半導体基板21の表面を覆っている酸化膜33も一緒に除去し、その後、熱酸化法によって半導体基板21の表面(全面)に絶縁膜24を形成する。
次に、図6(a),(b),(c)に示すように、電荷読み出しトランジスタ36を構成する転送ゲート37とソース・ドレイン領域38とを形成する。ソース・ドレイン領域38は、N型の不純物原子の導入により、N型不純物領域として形成される。この場合、電荷読み出しトランジスタ36を構成するもう一方のソース・ドレイン領域は、N型不純物領域(27,28)となる。また、電荷読み出しトランジスタ36と並行として、図示しない他のトランジスタ(リセットトランジスタ、アンプトランジスタ、セレクトトランジスタなど)を形成することにより、電荷転送可能な状態とする。なお、図6の(a)は画素の平面図、(b)は(a)のA−A′断面図、(c)は(a)のB−B′断面図をそれぞれ示している。
[固体撮像装置の製造方法の変形例]
本発明の第1の実施の形態に係る固体撮像装置の製造方法としては、次のような方法を採用することも可能である。まず、上記同様の手法で半導体基板21に素子分離部23、P-領域25、N型不純物領域30を形成した後、図7(a)に示すように、半導体基板21上に酸化膜41とフォトレジスト膜42を順に積層した状態で形成する。酸化膜41の膜厚は、例えば、10nm程度とする。
次に、図7(b)に示すように、N-領域27を形成したい領域端を挟む位置に、例えば、数10〜100nm程度の幅Wでスリット43を形成するように、フォトレジスト膜42をフォトリソグラフィ法によりパターニングする。これにより、スリット43の部分で分離された状態のレジストパターン42pが得られる。
次に、図7(c)に示すように、レジストパターン42pをサーマルフローによって熱変形させる。これにより、断面半球状に変形させたレジストパターン42pが得られる。サーマルフローの手法や処理条件に関しては、前述したとおりである。
次に、図8(a)に示すように、レジストパターン42pをマスクとして、例えば、P(リン)やAs(ヒ素)に代表されるN型の不純物原子をイオン注入法により半導体基板21のシリコン中に注入する。これにより、半導体基板21の内部に、N-領域27とN+領域28とを含むN型不純物領域が形成される。このとき、レジストパターン42pの下方には、当該レジストパターン42pの形状を反映したかたちでN+領域28が形成される。その理由は、レジストパターン42pを介してイオン注入されるN型不純物原子の注入深さが、当該レジストパターン42pの凸形状に伴う厚みに依存するためである。したがって、N+領域28は、半導体基板21の表面側に凸の形状で形成される。
次に、図8(b)に示すように、レジストパターン42pをマスクとして、例えば、B(ボロン)やBF2に代表されるP型の不純物原子をイオン注入法により半導体基板21のシリコン中に注入する。これにより、半導体基板21の内部に、P+領域26が形成される。このとき、レジストパターン42pの下方には、上記同様の理由により、当該レジストパターン42pの形状を反映したかたちでP+領域26が形成される。したがって、P+領域26は、N+領域28と同様に、半導体基板21の表面側に凸の形状で形成される。また、P+領域26は、N+領域28の上層に、当該N+領域28に接する状態で層状に形成され、それらの接合部が凸形状のPN接合部29として形成される。
なお、先にも述べたが、N+領域28の形成とP+領域26の形成は、どちらを先に行なってもかまわない。また、N型不純物原子は、PやAsだけでなく、他の不純物原子でもかまわない。同様に、P型不純物原原子は、BやBF2だけでなく、他の不純物原子でもかまわない。但し、イオン注入時の加速エネルギーについては、P+領域26を上層とし、N+領域28を下層として、両者を接合する必要がある。このため、P型不純物原子の注入深さとN型不純物原子の注入深さの差が、例えば、0〜50nm程度の値になるようなエネルギーレベルに設定することが望ましい。
次に、図8(c)に示すように、レジストパターン42pを例えばウェットエッチング法などにより除去する。このとき、半導体基板21の表面を覆っている酸化膜41も一緒に除去し、その後、熱酸化法によって半導体基板21の表面(全面)に絶縁膜24を形成する。以降は、先に述べた製造方法と同様であるため、説明を省略する。
本発明の第1の実施の形態に係る固体撮像装置においては、フォトダイオード22を構成するP型不純物領域(P+領域26)とN型不純物領域(N+領域28)とが接するPN接合部29を、半導体基板21の表面側に凸の形状で形成している。このため、PN接合部29の面積が、半導体基板21の基板面方向だけでなく、凸形状の三次元的な傾斜によって基板深さ方向にも広がる。したがって、凸なしの形状でPN接合部を形成した場合に比較して、フォトダイオード22の実効的なPN接合面積を拡大し、PN接合容量を増加させることができる。その結果、光電変換素子となるフォトダイオード22の面積を平面的に拡大したり不純物濃度を高めたりしなくても、飽和信号電荷量を増加させることが可能となる。
また、N型不純物領域の不純物濃度のピーク位置とP型不純物領域の不純物濃度のピーク位置が平行になるように形成できるため、三次元的に突き出したPN接合部29の全面が、深さ方向の不純物濃度勾配によってPN接合容量の増加に寄与するものとなる。このため、効果的にPN接合容量を増加させることができる
また、P-領域25及びP+領域26からなるP型不純物領域のうち、相対的に不純物濃度が高いP+領域26をN型不純物領域に接する状態で形成している。このため、より多くの信号電荷をPN接合部29に蓄積することができる。
また、N-領域27及びN+領域28からなるN型不純物領域のうち、相対的に不純物濃度が高いN+領域28をP型不純物領域に接する状態で形成している。このため、より多くの信号電荷をPN接合部29に蓄積することができる。さらに、高濃度不純物領域(26,28)同士を接合させてPN接合部29を形成することにより、さらなる電荷蓄積量の増加を実現することができる。また、光電変換によって生成した信号電荷をPN接合部29に集めることができるため、信号電荷の取り出しが容易になる。
また、図9及び図10のポテンシャル図に示すように、凸形状をなすPN接合部29のポテンシャルが転送ゲート37に向かって傾斜した構成を採用すれば、PN接合部29に蓄積された信号電荷の取り出しが容易になる。なお、図9は半導体基板21の深さ方向のポテンシャル図を示し、図10はPN接合部29の凸形状(円弧)に沿ったX−X′線上のポテンシャル図を示している。
[固体撮像装置の第1変形例]
図11は本発明の第1の実施の形態に係る固体撮像装置の第1変形例を説明する図であり、図中(a)は画素の平面図、(b)は(a)のA−A′断面図、(c)は(a)のB−B′断面図、(d)はフォトダイオードの斜視図である。この第1変形例では、半導体基板21の内部でフォトダイオード22の一部を構成するPN接合部29が円錐状の凸形状に形成されている。
[固体撮像装置の第2変形例]
図12は本発明の第1の実施の形態に係る固体撮像装置の第2変形例を説明する図であり、図中(a)は画素の平面図、(b)は(a)のA−A′断面図、(c)は(a)のB−B′断面図、(d)はフォトダイオードの斜視図である。この第2変形例では、半導体基板21の内部でフォトダイオード22の一部を構成するPN接合部29が四角錐状の凸形状に形成されている。なお、PN接合部29の凸形状は、四角錐状以外の角錐状であってもよい。また、角錐の稜線部に丸みがついていてもよい。
[固体撮像装置の応用例]
図13は本発明の第1の実施の形態に係る固体撮像装置の応用例を説明する図であり、図中(a)は平面図、(b)は(a)のB−B′断面図、(c)は(a)のA−A′断面図である。なお、(a)のC−C′断面図は、単位画素領域を区画する素子分離部23の間の距離が異なるものの、基本的にはA−A′断面図と同様になる。この応用例では、半導体基板21の内部でかつ単位画素領域内に、凸形状をなすPN接合部29が複数形成されている。これら複数のPN接合部29は、基板面方向で連続的(互いに隣接する位置関係)に形成されている。このように半導体基板21の画素領域内に凸形状のPN接合部29を複数形成することにより、当該画素領域内に1つのPN接合部29を凸形状に形成する場合に比較して、フォトダイオード22の実効的なPN接合面積を広く確保することができる。
<3.第2の実施の形態>
[固体撮像装置の構成]
図14は本発明の第2の実施の形態に係る固体撮像装置の構成例を説明する図であり、図中(a)は画素の平面図、(b)は(a)のA−A′断面図である。図14においては、素子分離部23により区画された単位画素領域内に、前述した凸形状のPN接合部29が形成されるとともに、当該PN接合部29の頂部(最も突出した領域)に対応した位置に転送ゲート37が形成されている。転送ゲート37は、半導体基板21の表面から深さ方向に延在した縦型構造に形成されている。また、PN接合部29は、半導体基板21の表面から所要の深さ位置に形成されている。PN接合部29を形成する深さ位置は、当該PN接合部29に蓄積された信号電荷が画素トランジスタの動作に影響を与えないように、例えば、半導体基板21の表面から0.3μm以上深い位置とすることが望ましい。
転送ゲート37は、例えば、半導体基板21の表面にPN接合部29に達する凹状の溝部を形成した後、溝部の凹面を含めて半導体基板21の表面を絶縁膜24で覆い、その後、溝部をポリシリコン等の電極材料で埋め込むことにより柱状に形成されるものである。転送ゲート37の上端部は、他のゲート45,46,47と同様に、半導体基板21の表面に突出した状態で形成されている。転送ゲート37の下端部は、PN接合部29の頂部に接続する状態で形成されている。
因みに、PN接合部29に蓄積された信号電荷を読み出すうえでは、転送ゲート37の下端部は、必ずしもPN接合部29に接続している必要はなく、例えば、PN接合部29の近傍に配置されていてもよい。但し、PN接合部29に蓄積された信号電荷を効率良く読み出すためには、転送ゲート37の下端部をPN接合部29に接続した構成を採用した方が好ましい。また、同様の理由で、基板面内においては、PN接合部29の頂部に対応した位置に転送ゲート37を形成することが望ましい。このため、本発明の第2の実施の形態においては、縦型構造をなす転送ゲート37の下端部を、PN接合部29の頂部に接続した構成を採用している。
ゲート45,46,47は、それぞれポリシリコン等の電極材料を用いて単位画素領域内(素子分離部23で区画された領域)に形成されている。これらのゲート45,46,47は、電荷読み出しトランジスタ36以外のトランジスタを構成するものである。即ち、ゲート45は、ソース・ドレイン領域38及びソース・ドレイン領域48とともに、画素トランジスタの一つとなるトランジスタ51を構成するものである。ゲート46は、ソース・ドレイン領域48及びソース・ドレイン領域49とともに、画素トランジスタの一つとなるトランジスタ52を構成するものである。ゲート47は、ソース・ドレイン領域49及びソース・ドレイン領域50とともに、画素トランジスタの一つとなるトランジスタ53を構成するものである。
ゲート45,46,47は、単位画素領域の中心部から外縁部に向かって、それぞれ所定の間隔(ソース・ドレイン領域を間に介在させた状態)で一列の並びに形成されている。これに対して、フォトダイオード22は、電荷蓄積領域となるPN接合部29を含めて、各々のトランジスタ36,51,52,53と平面的に重なり合うように、当該トランジスタ36,51,52,53の形成部位の下方に形成されている。また、フォトダイオード22の中心部は、素子分離部23によって区画された長方形の単位画素領域の中心部と同じ位置に存在している。そして、単位画素領域の長手方向では、当該単位画素領域の一端から他端にわたってフォトダイオード22が広く形成され、当該フォトダイオード22の形成領域内にトランジスタ36,51,52,53が形成されている。また、図示はしないが、単位画素領域の短手方向では、当該単位画素領域の一端近傍から他端近傍にわたってフォトダイオード22が広く形成され、当該フォトダイオード22の形成領域内にトランジスタ36,51,52,53が形成されている。
本発明の第2の実施の形態に係る固体撮像装置においては、上記第1の実施の形態と同様の効果に加えて、次のような効果が得られる。即ち、転送ゲート37を縦型構造とすることにより、半導体基板21の表面からより深い位置にPN接合部29を形成することができる。このため、フォトダイオード22の形成領域を、トランジスタ36,51,52,53の下方を含めて、単位画素領域全体に広げることができる。したがって、上記第1の実施の形態に比較して、フォトダイオード22の実効的なPN接合面積をさらに拡大し、PN接合容量を増加させることができる。その結果、同じ画角で比較した場合に、飽和信号電荷量を増加させることが可能となる。
また、素子分離部23で区画される単位画素領域内で、PN接合部29の頂部に対応した位置に転送ゲート37を形成することにより、PN接合部29に蓄積された信号電荷の読み出しが容易になる。特に、上記図11及び図12に示すように、PN接合部29を円錐状又は角錐状の凸形状に形成し、その頂部に対応した位置に転送ゲート37を形成すれば、信号電荷の読み出しが一層容易なものとなる。また、PN接合部29を円錐状の凸形状とし、その頂部に対応した位置に転送ゲート37を形成した場合は、基板面内で転送ゲート37の形成部位からPN接合部29の外縁部までの距離が均等になる。このため、PN接合部29から信号電荷を読み出す場合に、電荷残りが発生しにくくなる。
また、図示はしないが、凸形状をなすPN接合部29の形成領域に対応して単位画素領域内に複数の転送ゲート(縦型構造のゲート)37を形成すれば、単位画素領域全体に広げて形成したPN接合部29から満遍なく信号電荷を読み出すことができる。なお、単位画素領域内に複数の転送ゲート37を形成する場合は、そのうちの一つを上記図14に示すようにPN接合部29の頂部に対応した位置に形成することが望ましい。その理由は、凸形状をなすPN接合部29では、頂部からの信号電荷の取り出しが最も容易であるためである。
<4.適用例>
先述した各々の実施形態に係る固体撮像装置は、例えばデジタルスチルカメラやビデオカメラ等の撮像装置において、その撮像デバイス(画像入力デバイス)として用いて好適なものである。
ここに、撮像装置とは、撮像デバイスとしての固体撮像装置と、この固体撮像装置の撮像面(受光面)上に被写体の像光を結像させるレンズ群等の光学系を含むものである。具体的には、例えば、携帯電話等の電子機器に搭載されて用いられるカメラモジュールや、当該カメラモジュールを搭載したデジタルスチルカメラやビデオカメラ等のカメラシステムをいう。
図15は本発明が適用される撮像装置の構成例を示すブロック図である。本例に係る撮像装置10は、撮像デバイスとなる固体撮像装置11と、この固体撮像装置11に被写体からの光を導く光学系(レンズ群等)12と、固体撮像装置11から出力される画素信号を処理する信号処理部13とを含む。この撮像装置10において、固体撮像装置11は、ワンチップとして形成された形態であってもよいし、固体撮像装置11と、信号処理部13又は光学系12とがまとめてパッケージングされた、撮像機能を有するモジュール状の形態であってもよい。
1…画素アレイ、2…画素、10…撮像装置、11…固体撮像装置、12…光学系、21…半導体基板、22…フォトダイオード(光電変換素子)、25…P-領域、26…P+領域、27…N-領域、28…N+領域、29…PN接合部、36…電荷読み出しトランジスタ、37…転送ゲート

Claims (7)

  1. 半導体基板と、
    前記半導体基板に二次元的に配列された複数の画素とを備え、
    前記画素は、光電変換を行なう光電変換素子と、前記光電変換素子から信号電荷を読み出すための画素トランジスタを有し、
    前記画素トランジスタは、転送ゲートを有する電荷読み出しトランジスタを含み、
    前記光電変換素子は、
    第1導電型の不純物によって前記半導体基板内に形成された第1不純物領域と、
    前記第1導電型と異なる第2導電型の不純物によって前記半導体基板内に前記第1不純物領域と接する状態で形成された第2不純物領域とを有し、
    前記第1不純物領域は、不純物濃度が相対的に低い低濃度不純物領域と不純物濃度が相対的に高い高濃度不純物領域とを含み、
    前記第2不純物領域は、不純物濃度が相対的に低い低濃度不純物領域と不純物濃度が相対的に高い高濃度不純物領域とを含み、
    前記第1不純物領域の前記高濃度不純物領域、前記第2不純物領域の前記高濃度不純物領域とが接するPN接合部が、前記半導体基板の表面側に凸の、円錐状又は角錐状の凸形状に形成され、
    前記第2不純物領域の前記低濃度不純物領域上に前記第2不純物領域の前記高濃度不純物領域が形成され、
    前記第2不純物領域の前記高濃度不純物領域によって前記凸形状が形成され、
    前記第2不純物領域の前記高濃度不純物領域による凸形状を、前記第1不純物領域の前記高濃度不純物領域で覆うことにより、前記PN接合部が形成され、
    前記第2不純物領域からなる凸形状と、前記第1不純物領域の前記高濃度不純物領域との前記PN接合部の周囲に、前記第1不純物領域の前記低濃度不純物領域が設けられ、
    前記転送ゲートが前記PN接合部の一部に重なるように形成され、
    前記凸形状をなすPN接合部のポテンシャルが前記転送ゲートに向かって傾斜している
    固体撮像装置。
  2. 前記凸形状をなすPN接合部が単位画素内に複数形成されている請求項1に記載の固体撮像装置。
  3. 前記転送ゲートは、前記半導体基板の表面から深さ方向に延在した縦型構造に形成されている請求項1又は2に記載の固体撮像装置。
  4. 前記転送ゲートは、単位画素領域内で前記凸形状をなすPN接合部の頂部に対応した位置に形成されている請求項3に記載の固体撮像装置。
  5. 前記転送ゲートは、前記凸形状をなすPN接合部の形成領域に対応して単位画素領域内に複数形成されている請求項3に記載の固体撮像装置。
  6. 光電変換を行なう光電変換素子と、前記光電変換素子から信号電荷を読み出すための画素トランジスタを有する複数の画素を形成すべき、半導体基板の画素領域内に、
    前記半導体基板の内部に第1導電型の不純物を導入することにより低濃度の第1不純物領域を形成する第1工程と、
    前記半導体基板の内部に前記第1導電型と異なる第2導電型の不純物を導入することにより前記第1不純物領域と接する状態で、低濃度の第2不純物領域と、前記低濃度の第2不純物領域上に、前記半導体基板の表面側に凸の、円錐状又は角錐状の凸形状の高濃度の第2不純物領域とを形成する第2工程と、
    前記高濃度の第2不純物領域による凸形状を覆うように、高濃度の第1不純物領域を形成してPN接合を形成し、光電変換素子を形成する第3工程と、
    前記画素トランジスタの電荷読み出しトランジスタを構成する転送ゲートとソース・ドレイン領域とを形成する第4工程とを有し、
    前記第1工程、前記第2工程、及び前記第3工程では、前記高濃度の第1不純物領域と前記高濃度の第2不純物領域とが接するPN接合部が、前記半導体基板の表面側に凸の円錐状又は角錐状の凸形状をなし、かつ該凸形状をなす前記PN接合部のポテンシャルが前記転送ゲートに向かって傾斜するように、前記第1不純物領域と前記第2不純物領域を形成し、
    前記第3工程では、前記転送ゲートを前記PN接合部の一部に重なるように形成する
    固体撮像装置の製造方法。
  7. 固体撮像装置と、
    被写体からの光を前記固体撮像装置に導く光学系とを備え、
    前記固体撮像装置は、請求項1乃至のいずれかに記載の固体撮像装置で構成されている
    撮像装置。
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