JP5195643B2 - スイッチング装置 - Google Patents

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Description

本発明は、パワースイッチング素子のオン操作及びオフ操作を繰り返すスイッチング制御を行うスイッチング装置に関する。
この種のスイッチング装置としては、例えば下記特許文献1に見られるように、互いに相違する複数のスイッチング周波数からなるパルスパターンに従ってスイッチング制御を行うことで、スイッチング周波数を拡散させるものも提案されている。
特開2006−187173号公報
ただし、スイッチング周波数を拡散させたとしても、例えば拡散されたスイッチング周波数の高調波のスペクトルがラジオ周波数帯域における1の占有周波数帯幅内に集中する場合には、特定のラジオ放送局の周波数帯に顕著なノイズが重畳するおそれがある。
また、上記態様にてスイッチング周波数を拡散させる場合、拡散される各周波数に隣接する周波数領域における周波数スペクトルが大きくなり、この領域の周波数利用環境が悪化することが発明者らによって見出された。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、パワースイッチング素子のオン操作及びオフ操作を繰り返すスイッチング制御を行うに際し、スイッチング周波数をより適切に拡散させることのできるスイッチング装置を提供することにある。
以下、上記課題を解決するための手段、及びその作用効果について記載する。
請求項1記載の発明は、パワースイッチング素子のオン操作及びオフ操作を繰り返すスイッチング制御を行うスイッチング装置において、前記スイッチング制御を、スイッチング周波数を拡散させつつ行い、前記拡散された各スイッチング周波数について、これに時系列上隣接する少なくとも一方のスイッチング周波数との周波数間隔が、時系列的に隣接しない全スイッチング周波数との周波数間隔以下となるように設定し、前記スイッチング周波数の拡散処理は、所定の無線放送周波数領域内における前記拡散された各スイッチング周波数の高調波であって且つ互いの次数の相違が規定次数以下となるもの同士の周波数間隔が前記無線放送の1の占有周波数帯幅以上となるように設定することで行われることを特徴とする。
スペクトラム拡散を行う場合、スイッチングに伴って生じる信号は、スペクトラム拡散の中心周波数を搬送波の周波数としてFM変調された周波数信号によって模擬することができる。一方、FM変調された周波数信号には、側波帯が付随することが知られている。この側波帯は、搬送波の周波数に対し、信号波の周波数の整数倍ずれたものであり、特に信号波の周波数の1倍程度ずれたものが大きくなりやすい。このため、スペクトラム拡散処理によって、中心周波数に対してスペクトラム拡散によって定まる擬似的な信号波の周波数の整数倍程度ずれた周波数信号(擬似側波帯信号)がノイズとなり、特に擬似的な信号波の周波数の1倍程度ずれた周波数信号が大きなノイズとなりやすい。ここで、擬似的な信号波の周波数は、スイッチング周波数の一回の切替における変更幅が小さいほど小さくなる。すなわち、変更幅が小さいほど、上記最も大きくなりやすい擬似側波帯信号が上記中心周波数に近づく傾向がある。上記発明では、この点に鑑み、上記変更幅が小さくなるような拡散を行うことで、拡散されるスイッチング周波数領域に近接する周波数領域において、スイッチング制御に起因するノイズエネルギを極力抑制することができる。
さらに、上記発明では、特定の無線放送の1の占有周波数帯幅内において、スイッチング周波数の高調波が集中することを好適に抑制することができる。このため、スイッチング制御が特定の放送局の周波数帯に生じさせるノイズを好適に低減することができる。
なお、請求項1記載の発明において、前記スイッチング周波数の拡散処理を、同一のスイッチング周波数でのスイッチングを規定の複数回ずつ行いつつ次のスイッチング周波数へと変更するものとしてもよい。ちなみに、「拡散された各スイッチング周波数」とは、周波数が相違する複数のスイッチング周波数のそれぞれのことである。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記スイッチング周波数の拡散を、スイッチング周波数を等間隔ずつ周期的に変化させることで行うことを特徴とする。
上記発明では、拡散されるスイッチング周波数領域に近接する周波数領域におけるスイッチング制御に起因するノイズエネルギを極力抑制することができる。
上記発明では、特定の無線放送の1の占有周波数帯幅内において、スイッチング周波数の高調波が集中することを好適に抑制することができる。このため、スイッチング制御が特定の放送局の周波数帯に生じさせるノイズを好適に低減することができる。
なお、上記規定次数は、「5」以下であることが望ましく、「3」以下又は「2」以下であることがより望ましい。
請求項記載の発明は、請求項1又は2記載の発明において、前記所定の無線放送周波数領域は、AMラジオ放送の周波数領域を含むことを特徴とする。
請求項記載の発明は、請求項1〜3のいずれか1項に記載の発明において、前記所定の無線放送周波数領域が、互いに相違する複数の領域からなり、前記拡散された各スイッチング周波数の高調波であって且つ互いの次数の相違が規定次数以下となるもの同士の周波数間隔が前記各無線放送の1の占有周波数帯幅以上となるように設定することを特徴とする。
上記発明では、複数の無線放送領域のそれぞれの1の占有周波数帯幅内において、スイッチング周波数の高調波が集中することを好適に抑制することができる。このため、スイッチング制御が無線放送に生じさせるノイズを好適に低減することができる。
なお、上記規定次数は、「5」以下であることが望ましく、「3」以下又は「2」以下であることがより望ましい。
請求項記載の発明は、請求項1〜のいずれか1項に記載の発明において、前記スイッチング周波数の拡散を、同一の周波数によるスイッチングを規定の複数回行う毎にスイッチング周波数を変更することで行うことを特徴とする。
上記発明では、高調波成分の強度が大きくなり易いため、占有周波数帯幅に互いに相違する複数の高調波が入る場合には、特定の放送局の周波数帯のノイズが特に大きくなりやすい。このため、請求項の発明特定事項の利用価値が特に大きい。
また、スイッチング制御に起因してスイッチング周波数領域に近接する領域にノイズが生じる。そしてこの近接する領域は、上記規定の複数回によって変化する。このため、この規定の複数回の設定は、スイッチング周波数とは相違する領域として別の用途で利用されている領域における利用環境を悪化させる要因ともなり得る。
請求項記載の発明は、請求項1〜のいずれか1項に記載の発明において、前記パワースイッチング素子は、車載高圧バッテリの電圧を降圧する降圧コンバータを構成するものであることを特徴とする。
第1の実施形態にかかるシステム構成図。 同実施形態にかかるスイッチング周波数の設定手法を例示するタイムチャート。 スペクトラム拡散の問題点を示す図。 第1種ベッセル関数を示す図。 上記実施形態にかかるスイッチングパターンを示す図。 同実施形態にかかるスイッチング周波数の設定手法を示す図。 同実施形態の効果を示す図。 第2の実施形態にかかるスイッチング周波数の設定手法を示す図。
(第1の実施形態)
以下、本発明にかかるスイッチング装置を車載ハイブリッド車に適用した第1の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1に、本実施形態にかかるシステム構成を示す。
図示されるDCDCコンバータ10は、例えば組電池等によって構成されることで端子間電圧が高電圧(例えば「288V」)となる高圧バッテリ12の電圧を、所定圧(例えば「12V」)に降圧しつつその電力を低圧バッテリ14に供給するものである。DCDCコンバータ10は、第1トランスT1及び第2トランスT2を備える絶縁型コンバータである。ここで、第1トランスT1は、1次側コイルW1、W2と2次側コイルW3とを備えて構成されており、第2トランスT2は、1次側コイルW4,W5と2次側コイルW6とを備えて構成されている。図中、丸印は、コイルの巻き初めを示している。
上記第2トランスT2の1次側コイルW5の一方の端子側及び高圧バッテリ12の負極端子側間は、パワースイッチング素子Q1によって接続されている。また、パワースイッチング素子Q1には、ダイオードD1が、そのアノードが高圧バッテリ12の負極端子側となる態様にて並列接続されている。
上記第1トランスの1次側コイルW2の他方の端子及び第2トランスT2の1次側コイルW5の一方の端子間には、コンデンサC2及びパワースイッチング素子Q2が並列接続されている。また、パワースイッチング素子Q2には、ダイオードD2が、ダイオードD1のカソード側をアノード側とする態様にて並列接続されている。
上記第1トランスT1の2次側コイルW3の一方の端子及び第2トランスT2の2次側コイルW6の一方の端子間は、同期整流用のパワースイッチング素子Q3,Q4によって接続されている。また、第1トランスの2次側コイルW3の他方の端子及び第2トランスT2の2次側コイルW6の他方の端子は、短絡されている。そして、この短絡部と、パワースイッチング素子Q3、Q4の接続箇所との間の電圧は、DCDCコンバータ10の出力電圧となっている。詳しくは、これらの間には、コンデンサ16及び低圧バッテリ14が並列接続されている。更に、低圧バッテリ14の正極側には、DCDCコンバータ10の出力電流を検出する電流センサ18が接続され、また、コンデンサ16に、その電圧を検出する電圧センサ20が並列接続されている。
制御装置30は、DCDCコンバータ10を制御対象とし、上記パワースイッチング素子Q1、Q2、Q3,Q4を操作する。詳しくは、電流センサ18によって検出されるDCDCコンバータ10の出力電流と、電圧センサ20によって検出されるDCDCコンバータ10の出力電圧とに基づき、上記操作を行うことで出力電圧等を所望に制御する。
本実施形態にかかるシステムは、更に、ラジオ受信機32と、無線通信装置34とを備えている。ここで、無線通信装置34は、携帯ユニット36とともに無線通信システムを構成するものである。無線通信システムは、携帯ユニット36と無線通信装置34との間で無線信号Smの授受を行う。
なお、上記無線信号Smの周波数領域とパワースイッチング素子Q1、Q2、Q3,Q4の操作信号MQ1,MQ2,MQ3,MQ4の周波数(スイッチング周波数)とは、互いに近接している。詳しくは、本実施形態では、これら一対の領域間の間隔が「10kHz」以下であると想定している。
次に、上記パワースイッチング素子Q1、Q2、Q3,Q4の操作(スイッチング制御)について説明する。
本実施形態では、スイッチング制御によるノイズが特定の周波数に集中することを回避すべく、スペクトラム拡散制御を行う。ただし、一回のスイッチング毎にスイッチング周波数を変更することは制御装置30の動作周波数を高速にする要求が生じることに鑑み、図2に示す態様にてスイッチング周波数を変更することで、制御装置30に対する要求を低減する。図2では、同一のスイッチング周波数でのスイッチングを規定の複数回(ここでは、「4回」)行う毎に、スイッチング周波数を変更する例を示している。
ただし、上記スペクトラム拡散を行うことで、無線通信システムの利用する周波数帯域での周波数利用環境が悪化するおそれがあることが発明者らによって見出された。その要因は、スイッチング周波数が上記無線信号Smの周波数帯域に近接することによると考えられる。以下、これについて詳述する。
図3に、スペクトラム拡散を用いたスイッチング制御による周波数スペクトルを示す。ここでは、中心周波数を「160kHz」として、「150〜170kHz」の範囲でスイッチング周波数を拡散させた場合の周波数スペクトルを示している。詳しくは、「160、150、161、151、162、152、…170」というように周波数を変化させた場合の周波数スペクトルを示している。図示されるように、この場合、中心周波数付近においてノイズレベルが大きくなる領域A,Bが存在する。このため、上記無線信号Smの周波数領域が領域Aと重複することで、無線通信システムの周波数利用環境が悪化したと考えられる。
以下、領域A,Bにおけるノイズレベルの増大要因について考察する。
上記スペクトラム拡散がなされる場合、これらによって生成される周波数信号は、FM変調がなされた信号に近似する。詳しくは、スイッチング周波数f1>f2>…>f10によってスペクトラム拡散を行う場合、中心周波数fc≒f5、最大周波数遷移ΔF=(f1−f10)/2のFM変調がなされた信号に近似する。ここで、FM変調がなされた信号の周波数fFMは、以下の式(c1)にて表現される。
fFM=fc+ΔFcos(2πxt) …(c1)
ただし、信号の周波数xを用いた。
したがって、「2πfFM」によって表現される角速度ωFMの時間積分値によって、上記被変調信号の瞬時位相角θFMは、以下の式(c2)となる。
θFM=2πfct+(ΔF/x)sin(2πxt) …(c2)
ここで、周波数変調指数mf(=ΔF/x)を用いて上記の式(c2)を書き換えると、被変調信号vFMは、以下の式(c3)となる。
vFM
=εsin{ωt+mfsin(2πxt)} …(c3)
ω=2πfc
上記の式(c3)を、第1種ベッセル関数にて展開すると以下の式(c4)を得る。
vFM=J0(mf)εsinωt
+J1(mf)ε{sin(ω+2πx)t−sin(ω−2πx)t}
… …(c4)
ここで、J0,J1,…は、図4に示すベッセル関数値である。
上記の式(c4)からわかるように、被変調信号vFMは、角速度ωを有する周波数信号(中心周波数fcを有する信号)に加えて、これから上記周波数xの整数倍だけ上下にずれた周波数信号である側波帯を有する。そして、これら側波帯こそが先の図3に示した領域A,Bでのノイズを強めた要因であると考えられる。
すなわち、先の図3においては、「160、150、161、151、…」というようにスイッチング周波数を変更していたため、スイッチング周波数が「160kHz」となってから「150kHz」へ変更した後「161kHz」に戻る時点までの期間において、周波数が「10」変化した。このため、この期間の逆数である先の図2に示した周波数Fを用いてこの期間の周波数信号をFM変調された信号にて模擬する場合、信号の周波数xは、「10=ΔFcos2πx/F=10cos2πx/F」より、周波数Fとみなせる。このため、こうした態様にてスペクトラム拡散を行うと、拡散周波数領域の中心周波数fcから上記周波数Fの整数倍だけずれた側波帯が中心周波数の両側に生じると考えられる。特に、周波数Fが「十数kHx」であることに鑑みれば、これら側波帯のうち、上記周波数Fだけずれた信号こそが先の図3に示した領域A,Bでのノイズを強めた要因であると考えられる。換言すれば、中心周波数fcに対してスイッチング周波数の更新周波数の2倍程度ずれた側波帯が上記領域A,Bでのノイズを強めた要因であると考えられる。
ここで、上記の式(c4)において、ベッセル関数値J2、J3…は、概してベッセル関数値J1と比較して小さい。このため、スイッチング周波数の更新周波数の2倍程度の期間における周波数信号をFM変調された信号にて模擬した際の側波帯のうち中心周波数fcから信号の周波数xだけずれた周波数を無線信号Smの周波数領域と離間させることができるなら、無線信号Smの周波数領域における周波数利用環境の悪化を抑制することができると考えられる。これを実現すべく、側波帯の周波数と無線信号Smの周波数領域とを離間させるため、スイッチング周波数を低周波数化することが考えられるが、この場合、DCDCコンバータ10の磁気部品が大型化する。これに対し、無線信号Smの周波数領域とスイッチング周波数領域とを離間させるべく、スイッチング周波数を高周波数化することも考えられるが、この場合、スイッチング損失の増加に伴う発熱が問題となる。
また、中心周波数fcの上下に周波数xだけずれた側波帯を無線信号Smの周波数領域と離間させるべく、上記周波数Fを低下させることも考えられる。これにより、スペクトラム拡散の中心周波数と側波帯の周波数との周波数間隔を拡大することができるからである。ただし、これを実現すべく、各スイッチング周波数の変更周期を伸張させる場合には、スペクトラム拡散効果が低下する。
そこで本実施形態では、予め定められた複数のスイッチング周波数を用いてスペクトラム拡散を行うに際し、スイッチング周波数の1回の変化幅が最小となるようにして周波数を変更する。この場合、上記の信号の周波数xとスイッチング周波数の変化幅Δとの関係「Δ=10cos2πx/F」に鑑み、信号の周波数xを低周波化することができる。具体的には、本実施形態では、図5に示すスイッチングパターンのように、与えられたスイッチング周波数を低いものから高いものへ順に変化させた後高いものから低いものへと順に変化させる。こうしたスイッチングパターンによるスイッチング制御によって生成されるスイッチング周波数をFM変調された信号で近似するとすれば、それは、信号の周波数を十分に小さくしたものとなると考えられる。このため、ベッセル関数値J1に対応する側波帯の周波数をスイッチング周波数領域に近づけることができ、ひいては、無線信号Smの周波数領域にかかることを好適に回避することができる。
また本実施形態では、上記スイッチングパターンにおいて、1回のスイッチング周波数の変更幅を固定値としている。これは、スペクトラム拡散に用いるスイッチング周波数領域内において、各スイッチング周波数同士の間隔の最大値を最小化するためのものである。特に本実施形態では、1回のスイッチング周波数の変更幅を、「2kHz」とする。これは、ラジオ受信機32によって受信されるAM無線放送の受信に際してのノイズを低減するための設定である。次に、これについて図6に基づき詳述する。
上記スイッチング周波数は、DCDCコンバータ10の磁気部品を小型化する等の目的から、比較的高周波(百数十kHz)とされている。このため、比較的低次の高調波がAM無線放送周波数帯域に入ることとなる。この場合、拡散された各周波数の高調波がAM帯域内で重なる場合には、特定のAM放送に対する周波数利用環境が特に悪化するおそれがある。
そこで本実施形態では、図6に示すように、AM周波数帯域内における同一次数の高調波同士の周波数間隔Δfを、AM放送の占有周波数帯幅以上とする。これにより、特定の放送局の周波数帯域に同一次数の高調波が複数重畳される事態を回避することができる。ちなみに、図6では、3つの互いに相違するスイッチング周波数f1、f2、f3のN次の高調波がAM周波数帯域に入る例を示している。なお、上記占有周波数帯幅として、本実施形態では、「4.5kHz」を想定している。これは、AM放送として、USB及びLSBのいずれか一方のみが復調に用いられるものを想定しているためである。
上記設定を実現するためには、拡散周波数の最大周波数fMAX(先の図5のスイッチング周波数f10)を用いて、「fMAX×N≧AM周波数帯の最低周波数」となる最小の自然数Nに対し、「周波数変更幅×N≧占有周波数帯幅」となるように、周波数変更幅を設定すればよい。この関係を満たす周波数変更幅のうち極力小さい幅として、本実施形態では、「2kHz」を設定した。ここで、変更幅を極力小さくするのは、限られたスペクトラム拡散領域でのスイッチング周波数の数を最大化するためである。
図7に、本実施形態にかかるスイッチング制御による周波数スペクトルを示す。図示されるように、スペクトラム拡散における中心周波数の直近におけるノイズレベルは上昇しているものの、少しはなれた周波数領域におけるノイズレベルを十分に低下させることができた。これにより、無線通信システムの周波数利用環境の悪化を好適に抑制することができる。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の効果が得られるようになる。
(1)AM周波数領域内における拡散された各スイッチング周波数の同次数の高調波同士の周波数間隔がAM放送の1の占有周波数帯幅以上となるように設定した。これにより、スイッチング制御がラジオ受信機32によるAM放送の受信に与えるノイズを好適に低減することができる。
(2)スイッチング周波数の拡散を、スイッチング周波数を等間隔ずつ周期的に変化させることで行った。これにより、拡散されるスイッチング周波数領域に近接する周波数領域におけるスイッチング制御に起因するノイズエネルギを極力抑制することができる。
(3)同一の周波数によるスイッチングを規定の複数回行う毎にスイッチング周波数を変更した。これにより、高調波成分の強度が大きくなり易いため、占有周波数帯幅に互いに相違する複数の高調波が入る場合には、特定のAM放送周波数のノイズが特に大きくなりやすい。このため、上記態様でのスイッチング制御の利用価値が特に大きい。
(第2の実施形態)
以下、第2の実施形態について、先の第1の実施形態との相違点を中心に図面を参照しつつ説明する。
図8に、本実施形態にかかるスペクトラム拡散手法を示す。図示されるように、本実施形態では、AM帯のみならずSW帯においても、互いに相違するスイッチング周波数の同次数の高調波間の間隔が占有周波数帯幅以上となるようにする。これにより、ラジオ受信機32においてSW帯を受信する際のノイズをも抑制することができる。
以上説明した本実施形態によれば、先の第1の実施形態の上記(1)〜(3)の各効果に加えて、更に以下の効果が得られるようになる。
(4)拡散された各スイッチング周波数の同次数の高調波の周波数間隔がAM帯及びSW帯のそれぞれにおいて、1の占有周波数帯幅以上となるように設定した。これにより、AM帯のみならずSW帯のラジオ放送の受信に際してのノイズの影響をも好適に抑制することができる。
(その他の実施形態)
なお、上記各実施形態は、以下のように変更して実施してもよい。
・上記各実施形態では、同一のスイッチング周波数でのスイッチングを互いに同一回ずつ行うパターンを想定したがこれに限らない。例えば、先の図5において、スイッチング周波数f1のスイッチング回数を連続3回、スイッチング周波数f2のスイッチングを連続5回というように、各スイッチング周波数での連続スイッチング回数が互いに相違するようにしてもよい。
・上記各実施形態では、同一のスイッチング周波数でのスイッチングを複数回ずつ行うパターンを想定したがこれに限らない。例えば、時系列的に隣接するスイッチングが、互いに相違するスイッチング周波数によってなされるパターンであってもよい。
・上記各実施形態では、スイッチング周波数を等間隔ずつ変化させることでスイッチング周波数を拡散させたがこれに限らない。例えば拡散された各スイッチング周波数について、これに時系列上隣接する少なくとも一方のスイッチング周波数との周波数間隔が、時系列的に隣接しない全スイッチング周波数との周波数間隔以下となるものであってもよい。更に、拡散された各スイッチング周波数について、これに時系列上隣接しない全スイッチング周波数の中に、時系列的に隣接する一対のスイッチング周波数とは相違して且つ前記一対のスイッチング周波数よりも当該スイッチング周波数に近似するものを有しないようにしてもよい。更に、こうした場合において、スイッチング周波数を周期的に変化させて且つ、その1周期においてスイッチング周波数が増加する期間と減少する期間とがともに1回となるようにしてもよい。更に、例えば「150、152、150、152、154、152、154、156、…」というように、スペクトラム拡散を行ってもよい。この場合、上記1周期においてスイッチング周波数が増加する期間と減少する期間とがともに1回となる場合と比較して特定の周波数の出現密度が大きい期間が生じるものの、上記信号の周波数xを小さくすることができることなどから、スペクトラム拡散によってその中心周波数の付近に生じるノイズ領域を中心周波数に近づけることができる。
・上記各実施形態では、スイッチング周波数の「同一次数の」高調波同士の周波数間隔がAM放送の占有周波数帯幅以上となるようにするとの条件設定をしたがこれに限らない。例えばスイッチング周波数の高調波同士の周波数間隔がAM放送領域において占有周波数帯幅以上となるようにするとの条件設定をしてもよい。ただし、次数が大きくなるほど高調波のスペクトルが小さくなることに鑑みれば、次数の相違が所定次数以下(例えば5以下又は3以下)の高調波同士の周波数間隔がAM放送の占有周波数帯幅以上となるようにするとの条件設定をすることが望ましい。
・AM放送の占有周波数帯幅としては、「4.5kHz」に限らない。例えばAMステレオ放送であれば、「9kHz」とすることもできる。
・ノイズ対策の所望される所定の無線放送周波数領域としては、AM帯やSW帯に限らない。例えばFM帯や長波帯であってもよい。また、スイッチング周波数帯域としても、上記各実施形態で例示したものに限らない。更に、スイッチング周波数帯域に近接する周波数領域としては、無線通信システムによって利用される領域にも限らない。
・DCDCコンバータ10としては、図1に例示したものに限らない。また、パワースイッチング素子としては、DCDCコンバータを構成するものに限らず、例えば車載主機に接続されるインバータを構成するものであってもよい。
10…DCDCコンバータ、30…制御装置(スイッチング装置の一実施形態)、32…ラジオ受信機、34…無線通信装置。

Claims (6)

  1. パワースイッチング素子のオン操作及びオフ操作を繰り返すスイッチング制御を行うスイッチング装置において、
    前記スイッチング制御を、スイッチング周波数を拡散させつつ行い、
    前記拡散された各スイッチング周波数について、これに時系列上隣接する少なくとも一方のスイッチング周波数との周波数間隔が、時系列的に隣接しない全スイッチング周波数との周波数間隔以下となるように設定し、
    前記スイッチング周波数の拡散処理は、所定の無線放送周波数領域内における前記拡散された各スイッチング周波数の高調波であって且つ互いの次数の相違が規定次数以下となるもの同士の周波数間隔が前記無線放送の1の占有周波数帯幅以上となるように設定することで行われることを特徴とするスイッチング装置。
  2. 前記スイッチング周波数の拡散を、スイッチング周波数を等間隔ずつ周期的に変化させることで行うことを特徴とする請求項1記載のスイッチング装置。
  3. 前記所定の無線放送周波数領域は、AMラジオ放送の周波数領域を含むことを特徴とする請求項1又は2記載のスイッチング装置。
  4. 前記所定の無線放送周波数領域が、互いに相違する複数の領域からなり、
    前記拡散された各スイッチング周波数の高調波であって且つ互いの次数の相違が規定次数以下となるもの同士の周波数間隔が前記各無線放送の1の占有周波数帯幅以上となるように設定することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のスイッチング装置。
  5. 前記スイッチング周波数の拡散を、同一の周波数によるスイッチングを規定回数行う毎にスイッチング周波数を変更することで行うことを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載のスイッチング装置。
  6. 前記パワースイッチング素子は、車載高圧バッテリの電圧を降圧する降圧コンバータを構成するものであることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載のスイッチング装置。
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