JP5194638B2 - 微小物体を固定化する固相材料、微小物体が固定化された固相体及びその製造方法 - Google Patents

微小物体を固定化する固相材料、微小物体が固定化された固相体及びその製造方法 Download PDF

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本発明は、微小物体を固定化するための固相材料、微小物体が固定化された固相体及びその製造方法に関する。
微小物体を固定化するための技術としては、光照射を利用した光固定化法が知られている(特許文献1)。光固定化法は、光応答性成分を含有する固相表面に微小物体を供給し、光照射によって固相に光変形を生じさせることで微小物体を固定化する方法である。光固定化法によってタンパク質やDNAなどの微小物体を固相上の特定領域に固定化し、固定化された微小物体やその微小物体と相互作用する物質の分析・機能解析等を固相上で行うプロテインチップやDNAチップなどとして利用することが検討されている。こうした固相材料表面における相互作用や反応において、検出精度や正確性を高めるためには、固相材料の作製の際に生じるものとして、光非照射領域における微小物体の吸着のほか、固相材料の使用の際に生じるものとして、固定化された微小物体に反応させる物質や反応により生成する物質の吸着を抑制することが重要である(特許文献2)。
他方、微小物体を基板などの固相材料表面に固定化する技術の一つとしては、タンパク質などの微小物体を共有結合で固相上に固定化するものが知られている。共有結合性の固定化法において非固定化領域における微小物体の吸着や、固定化された微小物体に反応させる物質等の吸着を抑制するための材料として、例えば、アルキレングリコール残基と、微小物体を固定化する官能基とを備える高分子材料を用い、微小物体を固定化する官能基と微小物体との共有結合により材料表面に微小物体を固定化するものが開示されている(例えば、特許文献3)。
また、ガラスなどの基板とタンパク質とがポリアルキレングリコールをリンカーとした形で結合したペプチドアレイも開示されている(例えば、特許文献4)。
特開2003−329682号公報 特開2007−132866号公報 特開2006−299045号公報 特開2007−24729号公報
しかしながら、本発明者らによれば、吸着しやすい微小物体について精度の高い相互作用を検出するのにあたっては、上記特許文献1に記載の光固定化用固相材料の有する吸着抑制能では必ずしも十分ではなく、良好なS/N比が得られないことがわかった。
また、微小物体を固定化した固相体を、酵素反応等を行わせるマイクロリアクタなどとして利用するには、固相材料に対し微小物体を非選択的に供給し、光照射時のパターニングを利用して微小物体を固定化するのが有利である。微小物体パターニングの精度向上や微細化のためには、光非照射面における微小物体の吸着を十分に低減させることにより、光照射面における光固定化量と光非照射面における吸着量との差を高める必要がある。すなわち、光照射部位と光非照射部位とにおける微小物体のコントラストを高める必要がある。
本発明者らによれば、上記特許文献1に開示される光固定化用固相材料は、光非照射面における微小物体の吸着は比較的少ないものの、微細パターニングには不十分であることがわかった。さらに、上記特許文献2に開示の方法では、微小物体をアレイ状に微小領域に固定化するために固定化領域以外の領域の固相材料表面を改変するものであり、微小物体を光照射の微細パターニングによって固定化することを意図したものではない。さらに、マイクロリアクタなどとして利用するためには、固定化したタンパク質の反応相手である基質や反応後の反応生成物の吸着を固相材料表面上の反応系全体にわたって防ぐ必要がある。
一方、上記特許文献3、4に開示される共有結合固定化材料にあっては、ポリエチレングリコールなどを固相に導入することで固相を親水化し、これにより、非固定化領域における微小物体等の吸着を低減させようとしている。しかしながら、光固定化法による固定状態は、共有結合のように外部から導入される強固な結合ではなく、固相材料の光変形を利用した微小物体と固相材料表面との接触面積の増加によるものと考えられている以上、微小物体と接触する固相材料表面を親水化することは極端な固定化能の低下を招くおそれがあった。また、ポリエチレングリコールは分子運動性の高い分子であるため、光照射による光変形を復帰させて固定化能を低下させるおそれもあった。
さらに、固相材料としては、固相材料作製時の残留応力の低減や耐久性を高める必要があるが、通常、光固定化材料に用いられるアゾ化合物は、剛直な成分であり、成形時等の応力が残留しやすいために膜質が不均一化しやすく耐久性にも問題があった。このような構造的・機械的特性は、微小物体の安定性を低下させるおそれがあった。
以上のことから、現状において、光固定化法に利用する固相材料に関しては、固相表面の全域において光非照射時の微小物体の吸着や固相材料の使用に際して生じる吸着を抑制しつつ微小物体の光固定化を同時に実現するものは得られていなかった。また、光固定化材料の機械的特性の改善手法も見出されていない。
そこで、本発明は、光非照射時における微小物体の吸着及び固相材料の使用に際して生じる吸着を抑制して光照射による選択的固定化能を高めた固相材料及びその製造方法を提供することを目的の一つとする。また、同時に、膜の耐久性及び均質性など構造的・機械的特性に優れた固相材料及びその製造方法を提供することを他の目的の一つとする。さらに、一旦固相上に保持した微小物体の安定性を維持することのできる固相材料及びその製造方法を提供することを他の目的の一つとする。
本発明によれば、微小物体を光照射により固定化する光固定化用固相材料であって、前記固相材料のマトリックスに光により分子構造の変化又は分子配列の変化を生じる光応答性成分と以下の式(1)で表されるアルキレングリコール残基含有成分とを含有する、固相材料が提供される。
ただし、R1は、水素原子、置換基又は前記マトリックスの構成成分に対して連結されている連結基を表し、R2は、水素原子又は炭素数1〜10のアルキル基を表す。Zは、炭素数1〜10のアルキレン基を表し、nは、1以上100以下の整数を表す。
また、本固相材料によれば、前記光固定化用固相材料が光照射によって変形することにより前記微小物体を前記固相材料に固定化する固相材料が提供される。
さらに、本固相材料によれば、光照射により固定化される光固定化量が光非照射時の吸着量に対して3倍以上の固相材料が提供される。また、前記アルキレングリコール残基含有成分を含有しない以外は同一の固相材料よりも外部応力に対する耐久性が向上された固相材料も提供される。
さらにまた、本固相材料によれば、前記アルキレングリコール残基含有成分を含有しない以外は同一の固相材料よりも前記固相材料に固定化された前記微小物体の安定性が高い固相材料が提供される。
本固相材料において、前記Zは、炭素数1〜4のアルキレン基を表していてもよい。また、前記nは、4以上25以下の整数であってもよい。
さらに、本固相材料によれば、前記マトリックスがポリマーであり、前記マトリックスの質量に対する前記アルキレングリコール残基含有成分中の−O−(Z−O)n−R2で表されるアルキレングリコール残基の含有量が50質量%以下である、前記固相材料も提供される。あるいは、前記アルキレングリコール残基の含有量は30質量%以下であってもよい。
本固相材料において、前記マトリックスは、光応答性成分含有モノマー及びアルキレングリコール残基含有モノマーを含有するモノマー組成物を重合して得られるものであってもよい。このとき、前記ポリアルキレングリコール残基含有モノマーは、以下の式(2)で表されるものとしてもよい。
ただし、Yは、水素原子又はメチル基を表す。
本固相材料によれば、前記Zは、炭素数1〜4のアルキレン基を表し、前記マトリックスがポリマーであり、前記マトリックスの質量に対する前記アルキレングリコール残基含有成分中の−O−(Z−O)n−R2で表されるアルキレングリコール残基の含有量が30質量%以下である、前記固相材料も提供される。
本固相材料において、前記微小物体は、生体分子であってもよい。また、微小物体は、タンパク質であってもよい。
本固相材料は、選択的な光照射による固定化用であってもよい。
本発明によれば、微小物体が固定化された固相体であって、前記微小物体は、上記いずれかに記載の固相材料の表面に保持されている、固相体が提供される。
また、本発明によれば、微小物体が固定化された固相体の製造方法であって、上記いずれかに記載の固相材料を準備する準備工程と、前記固相材料の表面又はその近傍に存在する前記微小物体に対して光照射することにより前記微小物体を前記固相に保持させる保持工程と、を備える、製造方法が提供される。
本製造方法において、前記保持工程は、前記微小物体を前記固相材料の表面に非選択的に供給し、前記固相材料の表面の所定領域に対して選択的に光照射する工程であってもよい。
本発明によれば、微小物体が固定化された固相体の使用方法であって、上記固相体に固定化された前記微小物体に被験試料を供給して前記微小物体と前記被験試料中の成分との相互作用を生じさせる工程と、前記相互作用を検出する工程と、を備える、使用方法が提供される。
本発明の固相材料によれば、固相材料のマトリックスに含有させるアルキレングリコール残基含有成分を上記式(1)としたことで、微小物体の光非照射領域における吸着及び固相材料の使用に際して生じる吸着を、微小物体の固定化能を維持したまま効果的に抑制することができる。通常、マトリックスにポリエチレングリコールを含有させると、ポリエチレングリコールの親水性や分子運動性によって固定化能が大きく低下するものと考えられたが、このように光照射による選択的固定化能を高めることができるのは意外なことであった。また、固相表面の全域にわたって光非照射時の吸着及び固相材料の使用に際して生じる吸着に対する抑制が実現されるため、固相表面の全域に微小物体を存在させた場合であっても、光照射した部分だけに微小物体を確実に固定化できる。その結果、光照射部位と光非照射部位とにおける微小物体のコントラストを高めることができる。したがって、本固相材料は、光照射時の微細パターニングを利用した微小物体の固定化を行うのに適している。
また、アルキレングリコール残基のような分子運動性の高い成分を含有することで、本固相材料を薄膜化した場合に、膜質の均一性及び耐久性等といった構造的・機械的特性を向上させることができる。
本発明の固相体は、本発明の固相材料に微小物体が固定化されたものである。上述したように、本固相材料は、微小物体の固定化能を維持したまま光非照射領域における吸着が抑制されていることから、微小物体に対する光照射による選択的固定化能が高い。すなわち、光照射部位と光非照射部位とにおける微小物体のコントラストが高い。したがって、本固相体は、微小物体との相互作用や反応等に対する検出精度に優れている。また、本固相材料に含まれるアルキレングリコール残基成分によって包含された水分子が微小物体の表面に存在することにより、微小物質、特に生体物質の劣化を防止することができるものと考えられる。その上、本固相材料は、構造的・機械的特性に優れている。したがって、本固相体は、一旦固相上に保持した微小物体を安定に維持することができる。また、本発明の固相体の製造方法によれば、微小物体との相互作用や反応等に対する検出感度が高いだけでなく、一旦固相上に保持した微小物体を安定に維持することができる固相体を得ることができる。
本発明は、以上のとおり、微小物体を固定化する光固定化用固相材料並びに微小物体が固定化された固相体、その製造方法及びその使用方法に関する。以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
(光固定化用固相材料)
本発明の光固定化用固相材料は、固相表面に微小物体を光照射により固定化するための材料である。本発明の光固定化用固相材料は、マトリックス(母相)に、光応答性成分と式(1)で表されるアルキレングリコール残基含有成分とを含有する。以下、本固相材料について順次説明する。なお、以下に示す形態は、本発明の好ましい形態であるが、これに限定するものではない。
(マトリックス)
固相材料のマトリックスは、光応答性成分とアルキレングリコール残基含有成分とを保持できる限り、その材料は特に限定しない。例えば、低分子材料又は高分子材料を含む各種の有機材料、ガラスなどの無機材料、有機−無機複合材料等を用いることができる。光応答性成分及びアルキレングリコール残基含有成分のマトリックス中における分散性や保持能力等を考慮すると、高分子材料又は高分子材料を含む複合材料であることが好ましい。
マトリックスを構成する高分子材料としては、特に限定しないで各種の熱可塑性又は熱硬化性ポリマーを用いることができる。例えば、(1)オレフィン系ポリマー、ビニル系ポリマー、アクリル系ポリマー、メタクリル系ポリマー、スチレン系ポリマー、ジエン系ポリマーなどの炭素多重結合系モノマーの重合体、(2)環状エーテル系ポリマーなどの環状モノマーの重合体、(3)エステル系ポリマー、ウレタン系ポリマー、ウレア系ポリマーなどの2官能性モノマーの重合体などが挙げられる。これらのうち、共重合の簡便性を考慮すると、オレフィン系ポリマー、アクリル系ポリマー、メタクリル系ポリマーなどといった二重結合を有するモノマー(以下、二重結合性モノマーともいう)の重合体や、ウレタン系ポリマーが好ましい。より好ましくは、二重結合性モノマーである。特に、アクリル系ポリマーやメタクリル系ポリマー、アクリル−メタクリルコポリマーは、抗体等のタンパク質を固定化する際の非特異吸着が少ないため、抗体チップやマイクロリアクタなどにおいてバックグラウンドシグナルを効果的に抑制することができ、好ましい。
マトリックスは、光応答性成分の分子構造変化等によって結果として形状変形(以下、光変形ともいう)を生じるように構成されていることが好ましい。本明細書において光変形とは、通常のマクロな意味での形状変化のほか、分子レベルでの運動による微小物体と固相材料表面との絡み合いなどによる変形も含む。このような変形の中には、変形量や変形形態の問題から通常の観察手段によっては明瞭に観察できないものもある。光変形は、光応答性成分がマトリックス材料中に存在することにより、光照射時に、例えば、マトリックス材料又は光応答性成分の体積、密度、自由体積などが変化することによって誘起されるものと考えられる。
マトリックスより構成される固相材料の三次元形態は特に限定しない。フィルム状体、シート状体、板状体のほか、球状体、不定形状体、針状体、棒状体、薄片状体などの各種の形状を採ることができる。また、マトリックスは、基板や粒子などの適当な支持体の一部又はその表面に保持されていてもよい。支持体としては、ガラス、シリコン、金などの無機材料であってもよいし、高分子材料などの有機材料であってもよい。支持体への薄膜化は、スピンコート、ディップコート、インクジェットなどの既知の方法により行うことができる。
なお、マトリックスを構成する材料には、ポリアルキレングリコール残基含有成分や光応答性成分以外の成分が添加又は結合されていてもよい。例えば、マトリックス材料が高分子材料の場合、マトリックス材料とアルキレングリコール残基含有成分との相溶化を高めるための相溶化成分を含有してもよい。相溶化成分をマトリックスに含ませるには、例えば、相溶化剤を添加する形態であってもよいし、アルキレングリコール残基含有成分に相溶化成分を導入する形態であってもよい。また、相溶化成分の種類としては特に限定せず、反応型であってもよいし、非反応型であってもよい。
(アルキレングリコール残基含有成分)
マトリックスは、上記式(1)で表されるアルキレングリコール残基含有成分を含有する。ここで、式(1)におけるR1は、水素原子、置換基又は前記マトリックスの構成成分に対して連結されている連結基を表し、R2は、水素原子又は炭素数1〜10のアルキル基を表す。また、Zは、炭素数1〜10のアルキレン基を表し、nは、1以上100以下の整数を表す。
式(1)中におけるR1は、水素原子、置換基又は前記マトリックスの構成成分に対して連結されている連結基である。置換基及び連結基は、光応答性成分由来の光固定化能やアルキレングリコール残基由来の非特異吸着能を阻害するものでない限り、特に限定しない。置換基は、例えば、アルキレングリコール残基含有成分をマトリックス中に添加剤のごとく分散させる場合、R2と同様に水素原子又は炭素数1〜20のアルキル基としてもよいし、マトリックスを構成する材料との相容性を考慮した成分や官能基としてもよい。また、連結基は、例えば、マトリックスの一部を構成する官能基としてもよいし、あるいは、マトリックスの構成成分に対して化学的な結合が可能な官能基としてもよい。連結基は、典型的には、マトリックスがポリマーのとき、ポリマーを構成するモノマーの重合性官能基が重合した結果得られる構造を有している。
式(1)中におけるR2は、水素原子又は炭素数1〜10のアルキル基である。炭素数が10を超えると、アルキレングリコール残基含有成分の親水性が低下することにより、光非照射時の吸着又は固相材料の使用に際して生じる吸着に対する所望の抑制効果が得られないからである。好ましくは、水素又は炭素数1〜6のアルキル基であり、より好ましくは、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基であり、さらに好ましくは、水素原子又は炭素数1もしくは2のアルキル基である。また、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基であれば、入手容易性の点からも好ましい。
式(1)中におけるZは、炭素数1〜10のアルキレン基である。炭素数が10を超えると、アルキレングリコール残基含有成分の親水性が低下しすぎる。アルキレングリコール残基含有成分に対して光非照射時における微小物体の吸着又は固相材料の使用に際して生じる吸着の抑制に適した親水性を付与するには、炭素数1〜6のアルキレン基が好ましく、炭素数2〜4のアルキレン基がより好ましく、炭素数2のアルキレン基がさらに好ましい。また、炭素数2〜4のアルキレン基であれば、入手容易性の点からも好ましい。
式(1)におけるnは、アルキレングリコール(Z−O)の繰り返し数を示すものであって、1以上100以下の整数である。100を超えると、マトリックスを構成する材料の特性に与えるアルキレングリコール残基の影響、すなわちアルキレングリコールの分子運動性が大きくなりすぎてしまい、マトリックスの耐久性に影響を与えるおそれがある。好ましくは、1以上50以下の整数であり、より好ましくは、2以上30以下の整数であり、さらに好ましくは4以上25以下の整数である。4以上25以下であれば、マトリックスに対し光非照射時における吸着又は固相材料の使用に際して生じる吸着の抑制能を確実に付与することができる。また、1以上50以下の整数であれば、入手容易性の点からも好ましい。
なお、繰り返し数nは、異なる繰り返し数で構成されるアルキレングリコール残基含有成分の混合物の平均繰り返し数を示すものであってもよい。また、繰り返し数nが2以上の場合、繰り返されるアルキレングリコール(Z−O)中のアルキレン基の炭素数は、同一であってもよいし異なっていてもよい。
なお、マトリックスに導入するアルキレングリコール残基含有成分は、上記の1種又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(含有量)
アルキレングリコール残基含有成分の含有量は特に限定せず、付与したい吸着抑制能の大きさや構造的・機械的物性等に応じた量を含有することができる。マトリックス材料がポリマーの場合には、式(1)のうち−O−(Z−O)n−R2で表されるアルキレングリコール残基の含有量が、マトリックスの質量に対して1質量%以上50質量%以下であることが好ましい。1質量%未満だと、非照射時の吸着に対する抑制効果が十分に得られないだけでなく、成形時等の応力が残留しやすいために膜質が不均一化しやすく耐久性も劣る。また、50質量%を超えると、マトリックス材料の特性に与えるアルキレングリコールの影響が大きいためにマトリックス材料の耐久性及び耐水性が低下してしまうおそれがある。より好ましくは、5質量%以上30質量%以下である。この範囲であると、耐久性及び耐水性を確保しつつアルキレングリコール残基含有成分の十分な配合効果を得ることができる。30質量%を超えて50質量%以下の範囲だと、光非照射領域における吸着の抑制効果は得られるものの、光固定化量に若干の影響を与えるおそれがあるからである。
(アルキレングリコール残基含有成分を含有させる形態)
アルキレングリコール残基含有成分をマトリックスに含有させる形態は特に限定しない。例えば、アルキレングリコール残基含有成分が、マトリックス中にマトリックス材料とは別個の成分として分散されていてもよい。あるいは、マトリックスを構成する1種又は2種以上のマトリックス材料に共有結合などの化学的な結合を介して連結されてその一部となっていてもよい。好ましくは、マトリックス材料が高分子材料であり、高分子材料中にアルキレングリコール残基含有成分が分散又は連結した態様である。より好ましくは、高分子材料の構成成分に連結した態様である。こうすることで、光固定化などの処理工程において液媒体を用いる場合などに、アルキレングリコール残基含有成分がマトリックスから流れ出てしまうことを抑制することができる。また、マトリックス材料中におけるアルキレングリコール残基含有成分の分散性が向上することから、マトリックスの表面に対し、光非照射時の吸着又は固相材料の使用に際して生じる吸着の抑制能を均一に付与できる。これにより、光非照射時における吸着や固相材料の使用に際して生じる吸着に対する抑制をマトリックスの表面全域にわたって実現させることができる。
高分子材料で構成されるマトリックスの全体に化学的な結合を介してアルキレングリコール残基含有成分を導入するには、例えば、アルキレングリコール残基含有成分と反応可能な官能基を有する高分子材料によってマトリックスを構成したのち、この官能基とアルキレングリコール残基含有成分とを反応させることにより行うことができる。あるいは、高分子材料としてのマトリックス材料を構成する構成ユニットとアルキレングリコール残基含有成分を有するユニットとの共重合等により行うこともできる。好ましくは、共重合により行う態様である。
このような共重合は、例えば、マトリックス材料を構成するモノマーと、このモノマーにアルキレングリコール残基含有成分を導入したアルキレングリコール残基含有モノマーとを用いることにより実現できる。アルキレングリコール残基含有成分のマトリックス材料への導入部位は、高分子材料の主鎖及び側鎖のいずれであってもよいが、高分子材料の側鎖に導入されることが好ましい。また、このときの共重合の形態は特に限定せず、ランダム共重合でもブロック共重合でもよい。マトリックスの表面特性の均質性を考慮すると、ランダム共重合が好ましい。
なお、アルキレングリコール残基含有成分は、別途、表面のみの親水性修飾を目的としてマトリックスの表面に対してリンカーを介した結合によって導入されていてもよい。
(アルキレングリコール残基含有モノマー)
共重合によりアルキレングリコール残基含有成分をマトリックス中に導入する場合、アルキレングリコール残基含有モノマーとしては、用いるマトリックス材料の種類に応じて種々の化合物を用いることができる。アルキレングリコール残基含有モノマーが有する重合性官能基の種類は、例えば、マトリックス材料が(メタ)アクリル系の高分子材料である場合、上記式(2)で表される化合物を用いることができる。ここで、式(2)中のYは、水素原子又はメチル基を表す。好ましくは、Yがメチル基である。
本固相材料は、式(1)で表されるアルキレングリコール残基含有成分を含有することにより、光非照射時の微小物体の吸着や、固定化された微小物体に反応させる物質等の吸着を抑制することができる。特に、固相表面上の光非照射時における微小物体の吸着の抑制に有用である。固相材料の吸着抑制能は、固相上又はその近傍に微小物体を供給したのち光照射した場合の光固定化量と、光固定化量の測定において光照射しない以外は同一条件で微小物体を供給した場合の固相表面における微小物体の吸着量(光非照射時の吸着量)とを比較したときに、光固定化量が光非照射時の吸着量に対して3倍以上であることが好ましい。3倍以上であれば、微小物体の固定化部位と非固定化部位とを明確に区別することができ、光照射による選択的固定化能としても十分である。その結果、固定化部位と非固定化部位とにおける微小物体のコントラストを高めることができる。より好ましくは、光固定化量が光非照射時の吸着量に対して4倍以上であり、さらに好ましくは5倍以上である。
微小物体に対する光非照射時の吸着抑制能は、マトリックス中のアルキレングリコール残基含有成分によるものである。本固定材料においては、アルキレングリコール残基含有成分がマトリックス全体に含まれていることから、光非照射時の吸着抑制能をマトリックスの表面全域にわたって発現させることができる。これにより、微小物体の光固定化にあたり、固定化領域以外の領域に非選択的に微小物体を供給することが可能になる。したがって、光照射時の微細パターニングを利用した微小物体の固定化を行うのに好適である。
固相材料は、光非照射時の吸着抑制能に優れているだけでなく、微小物体の固定化能も十分に備えている。すなわち、固相材料に親水性を付与するポリエチレングリコール残基を含有しているにもかかわらず、従来の光固定化用固相材料(例えば、本固相材料においてアルキレングリコール残基含有成分を含有しない以外は同一の材料)と少なくともほぼ同等の固定化能を有する。したがって、固相材料は、光非照射領域における微小物体の吸着の抑制と微小物体の十分な光固定化とを同時に実現することができる。
また、本固相材料は、外部応力に対する耐久性にも優れている。これは、アルキレングリコール残基含有成分由来の分子運動性によるものと考えられる。すなわち、本固相材料は、本固相材料においてアルキレングリコール残基含有成分を含有しない以外は同一の材料よりも残留応力が低減されて耐久性が高い上、膜質の均一性も高い。特に、薄膜化した場合に有効である。
さらに、本固相材料は、固相表面に固定化された微小物体、特に、生体物質の安定性を保持することができる。これは、アルキレングリコール残基含有成分によって包含された固相材料表面の水分子によって生体分子の劣化が防止されることによるものと考えられる。
微小物体の安定性を保持するための安定保持能は、特に限定しないが、本固相材料においてアルキレングリコール残基含有成分を含有しない以外は同一の材料に固定化された微小物体よりも高いことが好ましい。より好ましくは、本固相材料は、本固相材料においてアルキレングリコール残基含有成分を含有しない以外は同一の材料よりも1.1倍以上の安定保持能を有する。
固定化された微小物体の安定性の評価は、例えば、本固相材料及び本固相材料においてアルキレングリコール残基含有成分を含有しない以外は同一の材料に同一の微小物体を同一条件で光固定化し、光固定化直後の固相上の微小物体量又はその活性量と、光固定化したのち所定期間経過後(例えば、数日〜十数日後)の固相上の微小物体量又はその活性量とを比較することにより行うことができる。この場合、光固定化直後の微小物体量等と所定期間経過後の微小物体量等との値が近いほど微小物体の劣化が少ない、すなわち、微小物体の安定性が高いことを意味する。
なお、「微小物体の安定性が高い」とは、一旦固相材料上に固定化された微小物体の固定化状態が継続されることのほか、固定化された微小物体本来の高次構造や機能、物性などが維持されている又は変化が少ないことを含む。例えば、微小物体が酵素の場合、その酵素活性を検出することによって安定性を評価することができる。あるいは、微小物体が抗体の場合、その抗体活性として抗原との結合能力を検出することによって安定性を評価することができる。
(光応答性成分)
光応答性成分は、光により分子構造の変化又は分子配列の変化を生じる成分である。光により分子構造の変化が生じる現象は、フォトクロミズムと一般にいわれている。本発明で用いる光応答性成分としては、一般にフォトクロミック化合物といわれる化合物を用いることができるが、なかでも、光異性化を生じる化合物を用いることが好ましい。なお、光異性化等の分子構造変化を伴って又は光異性化等の分子構造変化を伴わないで光誘起配向、光会合等の分子配列の変化(特に異方的な変化)を生じる化合物も、固相材料表面での光固定化が可能である限り、本発明の光応答性成分として用いることができる。
光応答性成分としては、こうした光固定にこれまで用いられてきている各種成分を用いることができる。光応答性成分としては、例えば、アゾ化合物、スピロピラン化合物、スピロオキサジン化合物、ジアリールエテン化合物などの有機化合物、カルコゲナイトガラスと総称される無機材料などが挙げられる。
光応答性成分としては、アゾ基(−N=N−)を有する色素構造を有する化合物(アゾ化合物)であることが好ましい。アゾ化合物は、光照射等によりシス−トランス異性化を起こし、この異性化による分子レベルの運動がマトリックス材料を可塑化させて変形を容易にする。なかでも、アミノアゾベンゼンやその誘導体の構造を持つアミノ型アゾベンゼン化合物が好ましい。アミノ型アゾベンゼン化合物は、典型的には、以下の式(3)で表すことができる。
式(3)中、R及びR4は、それぞれ独立して水素原子又は置換基を表し、Xは、水素原子、電子吸引性置換基又は電子供与性置換基を表す。
3及びR4における置換基としては、アルキル基、ヒドロキシアルキル基、ハロゲン原子、ニトロ基、アミノ基、カルボキシル基、アリール基、アリル基、アルキルエステル基、アルキルエーテル基、アルキルアミノ基、アルキルアミド基、イソシアネート基、エポキシ基等を例示することができる。特に、R3及びR4における置換基の一方が、末端に重合性の二重結合等を有するアクリル酸や(メタ)アクリル酸等のアクリル系化合物及びその他の二重結合性成分であるときには、式(3)は、二重結合性モノマーを表すことができるほか、二重結合性成分に由来する重合基を備える光応答性ポリマーを表す。また、R3及びR4における置換基の一方が、イソシアネート基、アミノ基、カルボキシル基、水酸基等の重縮合又は重付加性の重合性成分であるときには、式(3)は、重合性モノマーを表すほか、重合性成分に由来する重合基を備える光応答性モノマーを表す。
また、Xにおける電子吸引性置換基としては、例えば、シアノ基、ニトロ基、スルホ基又はスルホン酸の誘導体基等が挙げられ、電子供与性置換基としては、例えば、アミノ基、ジメチルアミノ基、アルキル基等が挙げられる。これらのうち、電子吸引性置換基が結合したものは、光照射中にシス−トランスの異性化を繰り返すことによりマトリックス材料が大きな可塑化作用を有するものと考えられるため好ましい。なお、アゾ化合物である光応答性成分は、1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
このような光応答性成分は、マトリックス材料とは別個の成分としてマトリックス中に添加されていてもよいが、マトリックス材料の一部(主鎖又は側鎖)に化学的な結合を介して存在することが好ましい。また、光応答性成分は、マトリックスに均一に存在することが好ましい。こうすることで、固相材料の表面の所望の部位に微小物体を光固定化することができる。
(微小物体)
微小物体は、有形である限り、その種類は特に限定されない。例えば、(1)金属、金属酸化物、半導体、セラミックス、ガラスなどの無機材料、(2)いわゆるプラスチックなどの有機材料、(3)タンパク質、核酸、糖類、脂質などの生体分子材料、(4)上記した(1)〜(3)の各種材料から選択される2種以上の材料を複合化した複合材料などから選ばれる1種又は2種以上の材料を用いることができる。好ましくは、生体分子材料である。
(生体分子)
本発明の対象とする生体分子は、一分子のみを意味するものではなく、二分子以上からなる同種分子の集合体であってもよいし、異種分子との複合体であってもよい。さらに、多数の同種又は異種の分子から構成される、例えば自己組織体などの組織体であってもよい。
生体分子としては、特に限定しないで、動物、植物、微生物、ウイルス等生物体に存在する、生物体が生産する又は生物体が代謝する天然由来の分子、これらを人工的に改変した分子であってもよいし、天然分子に依存しないで人工的に設計した分子であってもよい。また、生物から採取した分子のみならず、人工的に本来的にその分子が存在する生物体以外の生物において生産させた分子であってもよいし、生物体外で人工的に化学合成又は酵素等によって合成した分子であってもよい。
生体分子としては、典型的には、タンパク質、核酸、糖類、糖鎖、脂質(リポソームなどの脂質構造体も含む)、骨形成材料などの生体材料、各種の生物細胞及びその一部(例えば、ミトコンドリア、チラコイド、亜ミトコンドリア粒子など)、組織及び生物体自体(例えば、アルコール発酵用や乳酸発酵用の酵母や大腸菌など)などの生物材料が挙げられる。また、生体分子は、固相に固定化されるのに際して、他の有機材料及び/又は無機材料等と複合化されていてもよい。これらのうち、本固相材料に固定化する生体分子はタンパク質であるのが好ましい。
本明細書において、タンパク質とは、任意のサイズ、構造又は機能の、タンパク質、ポリペプチド及びオリゴペプチドを含んでいる。タンパク質としては、例えば、酵素(例えば、セルラーゼ、リパーゼ、ATP合成酵素、アルコール発酵又は乳酸発酵に関与する酵素など)、抗原、抗体、膜タンパク質、プロテオグリカン、レクチン又は細胞膜レセプターが挙げられる。また、抗体は、天然の又は全体的若しくは部分的に合成的に産生された免疫グロブリンを意味する。特異的結合能を保持するその全ての誘導体も包含される。核酸は、1本鎖であっても、2本鎖であってもよい。人工及び天然を問わず、DNA、RNA、DNA/RNAハイブリッド、DNA−RNAキメラ及び塩基やその他の修飾体を含んでいてもよい。さらに、その鎖長も特に限定しない。また、これらのタンパク質などの生体分子を結合又は吸着した微粒子(例えば、ポリマー微粒子、磁性粒子、シリカ粒子など)も含んでいてもよい。
なお、本発明において使用可能な光応答性成分及び微小物体としては、特開2003−329682号公報、特開2004−93996号公報、特開2004−251801号公報及び特開2007−51998号広報に記載の担体や光固定化材料を用いることができる。また、本明細書には、特開2003−329682号公報、特開2004−93996号公報、特開2004−251801号公報、特開2006−233004号、特開2006−321719号及び特開2007−51998号広報に記載されるすべての事項が引用により取り込まれるものとする。
(用途)
本発明の固相材料は、目的とする微小物体の発現、相互作用、翻訳後修飾などといった微小物体の機能解析や、微小物体を利用した他の物質の分析や機能解析、反応、吸着等に用いることができる。すなわち、本発明の固相材料は、いわゆるプロテインチップやDNAチップ、抗体チップ等として診断や治療等に利用することができる。また、酵素反応等を行わせるバイオリアクタやマイクロバイオリアクタ、ATP合成バイオリアクタなどの各種リアクタや、反応触媒、脱臭剤などの所定物質の除去、VOC(揮発性有機化合物)の低減用触媒、観察対象(例えば、AFM(原子間力顕微鏡)用の試料)を固定化するための基板などとしても利用することができる。特に、本固相材料は、光照射時の微細パターニングを利用した微小物体の固定化が可能であることから、マイクロリアクタとしての利用に好適である。
(固相体)
本発明の固相体は、上述した光固定化用固相材料に上記微小物体が光固定化によって保持されたものである。本固相体における固相材料には、既に説明した上記各種形態の本発明の固相材料をそのまま適用することができる。したがって、本固相体によれば、微小物体を固相材料の表面に固定化した固相体を得ることができ、これにより、本発明の固相材料において上述した各種の利点を得ることができる。すなわち、本固相体は、微小物体との相互作用や反応等に対する検出精度に優れているだけでなく、構造的・機械的特性にも優れている。しかも、一旦固相材料上に固定化された微小物体の安定性を維持することができる。
このような本発明の固相体は、いわゆるプロテインチップやDNAチップ、マイクロリアクタ等として、固相材料表面に固定化した微小物体の機能等を利用した分析や解析、あるいは、診断や治療等を行うことができる。
(固相体の製造方法)
本発明の固相体の製造方法は、上述した本発明の固相材料を準備する準備工程と、固相材料の表面又はその近傍に存在する微小物体に対して光照射することにより微小物体を固相表面に保持させる保持工程と、を備える。なお、本製造方法における固相材料には、既に説明した本発明の固相材料における構成、成分、形状や用途などをそのまま適用することができる。したがって、本製造方法における準備工程には、上記各種形態の本発明の固相材料を製造するための種々の製造工程を含むことができる。
(保持工程)
本製造方法の保持工程においては、まず、準備された固相材料に対して微小物体を供給する。微小物体を固相材料の表面に供給する方法は特に限定しないが、微小物体を液状媒体に溶解又は懸濁させた状態で液状媒体を介して供給することが好ましい。また、微小物体の供給にあたっては、固相材料の表面に選択的に供給してもよいし、非選択的に供給してもよい。ここでいう選択的な供給とは、例えば、多数の微小物体が特定の分布パターンに従って配置される態様などが挙げられる。このようなパターニングの一例としては、微小物体のスポットをアレイ状に供給する態様などが挙げられる。一方、非選択的な供給とは、固相表面の不特定領域、例えば、微小物体の非固定化部位を含む領域(例えば、固相の表面全域)に供給することを含む。
固相表面に供給された微小物体は、光照射されることで固相表面に固定(光固定)することができる。ここで、光固定とは、光応答性成分を含有する固相材料の表面に供給された微小物体を、光照射によって光応答性成分に光異性化又は光変形を生じさせて固定化することをいう。
光固定では、エネルギの低い可視光の照射によっても固定化が可能であることから、微小物体としての生体分子などへの悪影響を抑制又は回避した固定化を実現することができる。したがって、共有結合性の固定化法とは異なり、生体分子の立体構造や良好な活性を維持したまま固定化することができる。
光固定化のための光照射の方法は特に限定しない。各種の伝播光、近接場光又はエバネッセント光などの任意の光が微小物体の存在する固相表面又はその近傍に到達するように照射すればよい。また、光照射は、固相の表面全域に対して行ってもよいが、固相表面の固定化すべき所定領域に対して選択的に行うこともできる。特に、本固相材料は、固相の表面全域にわたって光非照射時の微小物体の吸着が抑制されていることから、照射光の照射領域での固定化を確実に行う一方、光非照射領域での微小物体の吸着を十分に抑制することができる。
光照射を選択的に行うには、例えば、固相表面に対する照射光の照射領域に一定の分布を与えることにより、特定の分布パターンに従って固定化することができる。例えば、フォトマスクや干渉光、レーザ光による走査を利用する態様が挙げられる。このような方法により、微小物体の固定化領域が、例えば、マイクロリアクタにおける流路となるように固定化を行うことができる。
微小物体を固相表面に光固定した後は、固相表面の洗浄のための工程を実施してもよい。本固相体は、固相材料中にアルキレングリコール残基を含んでいるにもかかわらず微小物体が固相表面に確実に固定されていることから、一旦固定化された微小物体の洗浄工程による流出も少ない。
なお、光固定のための光照射としては、特開2003−329682号公報、特開2004−93996号公報、特開2004−251801号公報及び特開2007−51998号公報に記載の照射光や光照射方法を採用することができる。光固定化については、特開2003−329682号公報、特開2004−93996号公報、特開2004−251801号公報、特開2006−233004号公報、特開2006−321719号公報及び特開2007−51998号公報において既に本出願人が開示しており、これらの方法を本発明における光固定化についても適用することができる。
(固相体の使用方法)
本発明の固相体の使用方法は、上記固相体に固定化された微小物体に被験試料を供給した微小物体と被験試料中の成分との相互作用を生じさせる工程と、当該相互作用を検出する工程と、を備える。本使用方法における固相材料には、既に説明した本発明の固相材料及び固相体における構成、成分、形状や用途などをそのまま適用することができる。したがって、本使用方法によれば、微小物体の固定化領域以外の領域における微小物体の吸着が抑制された固相体を用いることから、微小物体との相互作用を高精度に検出することができる。
以下、本発明を、具体例を挙げて説明するが、本発明は以下に例示する具体例に限定されるものではない。
(1)光固定化用固相材料の合成
「化4」に示す化合物と、メタクリル酸メチル(和光純薬製)、メタクリル酸ポリエチレングリコールエステル(Aldrich製)を、各種割合でラジカル共重合し、「化5」に示す高分子材料を合成した。ここでは、ポリエチレングリコール側鎖の長さ(化5のkの値、ただし、kは平均値を示す)と共重合比(化5のn、m、lの値)の異なるものを合成した(試験例1〜3)。用いたメタクリル酸ポリエチレングリコールエステルは、長さの異なるものの混合物である。
共重合反応の詳細は以下のとおりである。表1に示す各試験例及び比較例1のモノマー混合物(合計10mmol)2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN、40mg、0.24mmol)をDMF(10ml)に溶解した。室温で30分間窒素バブリングを行った後、窒素気流下、60〜70℃で4時間撹拌して重合反応を行った。反応溶液を室温まで冷却した後に、反応溶液をメタノール(500ml)にゆっくりと滴下した。沈殿したポリマーをろ過により回収し、アセトン(10ml)に溶解した。アセトン溶液をメタノール(500ml)にゆっくりと滴下し、再度ポリマーを沈殿させた。ポリマーをろ過により回収し、40℃で一晩真空乾燥させることにより、光固定化用固相材料を得た。得られた固相材料の共重合比は、重クロロホルム溶媒で、日本電子製の超伝導フーリエ変換核磁気共鳴装置(JNM−LA500)を用いて1H−NMRを測定し、プロトンの積分値から算出した。また、分子量は、クロロホルム溶媒で、昭和電工(株)製のGPC(ShodexGPC−101、カラム:K−800RL+K−805L×2)を用いて測定し、ポリスチレン換算の分子量を算出した。
表1に、光固定化用固相材料の共重合比率と平均分子量とポリエチレングリコール残基の含有量(質量%)とを示す。なお、ポリエチレングリコール残基の含有量とは、化5のうち−O−(CH2−CH2−O)k−CH3で表されるアルキレングリコール残基の含有量をいう。比較例1は、ポリエチレングリコールの導入のない光固定化用固相材料である。
試験例1〜3及び比較例1の固相材料の各50mgを、それぞれピリジン4mlに溶解し、これらの溶液をそれぞれスライドガラス基板上に1mlほど滴下した。そして、スライドガラス基板を4000rpmで回転させて溶媒を除去し、高分子フィルムを作製した。これらの高分子フィルムは、いずれも膜厚が約40nmであった。
(2)抗体の固定と吸着の評価
本実施例では、以下のようにして抗体の吸着の程度を評価した。すなわち、Cy5標識抗体(Cy5−IgG:Anti−IgG(Fc)、Mouse、Goat−Poly、Cy5[CHEMICON:AP127S]を光固定化した場合と、光照射せずに暗所で放置(吸着)した場合との固相材料上の抗体量を比較した。
抗体の光固定は以下のようにして行った。各種濃度(0、10、20、50、100、200、300、400及び500ng/ml)のCy5−IgGのTPBS(0.01% Tween20 PBS、pH=7.4)溶液を、スライドガラス基板上に作製した高分子フィルム上に1μlずつスポットした。真空中でスポットを乾燥させた後、青色LED(20mW/cm2)を用いて30分間光照射した。その後、TPBSを用いてスライドガラスを5分間×3回洗浄した。
抗体の吸着は、上述の光固定と同様にしてCy5−IgGのTPBS溶液をスポットして乾燥させた後、光照射を行わずに30分間暗所で放置した。その後、TPBSを用いてスライドガラスを5分間×3回洗浄した。
洗浄後の各種のスライドガラスについて蛍光強度を測定した。測定は、共焦点レーザー顕微鏡(アフィメトリクス社:428 Array Scanner)を用いて行った。Cy5検出波長における蛍光強度は、励起波長が633nm、検出波長が660〜680nmで行った。
比較例1の吸着量(非照射時の抗体量)を100とした場合の各試験例の吸着量と、吸着量に対する光固定量(照射時の抗体量)の比とを表2に示す。吸着量については、表2に示すように、ポリエチレングリコールを導入した試験例1〜3のいずれにおいても比較例1の2分の1以下であった。特に、試験例1及び3では、比較例の5分の1以下の吸着量であった。これらのことから、ポリエチレングリコールを導入することにより、光非照射時の吸着量を低減できることがわかった。また、微小物体が固定化された固相体の使用時におけるバックグラウンドシグナルも低減できるものと考えられる。
また、光非照射時の吸着量に対する光固定化量の比を見ると、試験例1〜3では、いずれにおいても比較例1より大きく、それぞれ5、3、4であった。特に、試験例1では比較例1の2.5倍の値であり、試験例3では比較例1の2倍の値であった。これらのことから、ポリエチレングリコールを導入することにより、光照射による選択的固定化能力を高めることができることがわかった。その結果、光照射部位と光非照射部位とにおける微小物体のコントラストを高めることができる。したがって、ポリエチレングリコールが導入された固相材料は、選択的な光照射を利用した微小物体のパターニングに用いるのに適している。
(3)薄膜の耐久性(外部応力に対する耐久性)の評価
ポリエチレングリコールの導入による薄膜の耐久性を評価するために、試験例1及び比較例1の薄膜をTPBS(0.01% Tween20 PBS、pH=7.4)溶液に72時間浸漬した後に、薄膜表面にカバーガラスを載せ、カバーガラスを前後方向に数回ずらした。その後の膜の状態を暗視野光学顕微鏡で観察した。その結果を図1に示す。顕微鏡写真で白く見えるところは、光を散乱している部分であり、膜の割れなどの変質が起きているところである。処理前は、どちらの薄膜もほとんど白い点が観察されなかった。しかしながら、ポリエチレングリコールを導入していない比較例1では、処理後の薄膜の視野全体に白い点が観察された。一方、ポリエチレングリコールを導入した試験例1では白い点が少なかった。このことから、ポリエチレングリコールを導入することにより、膜の外部応力に対する耐久性が向上することがわかった。
(4)タンパク質の安定化の評価
ポリエチレングリコールを導入した薄膜上に固定した生体分子の安定性を評価するために、試験例1及び比較例1の薄膜上に抗体を固定し、4℃で15日間暗所で保存した後の抗体の活性を評価した。
安定性の評価は、抗ヤギ−ウサギ抗体(anti−goat−IgG:Anti−IgG(H+L)、Goat、Rabbit−Poly[Bethl Laboratories:A50−100A])を固定化し、その後、anti−goat−IgGに対しCy5標識抗体(Cy5−IgG:Anti−IgG(Fe)、Mouse、Goat−Poly、Cy5[CHEMICON:AP127S])を用いて抗原−抗体反応を行い、Cy5蛍光強度を測定した。このとき、試験例1及び比較例1について、anti−goat−IgGを固定化した直後にCy5−IgGとの反応を行った場合の蛍光強度(A)と、anti−goat−IgGを固定化し4℃で15日間暗所で保存した後にCy5−IgGとの反応を行った場合の蛍光強度(B)とを比較した。なお、AとBとの値が近いほど、4℃での保存による抗体の劣化が少ない、すなわち、抗体の安定性が高いことを示している。
抗体の光固定は以下のようにして行った。各種濃度(0、10、20、50、100、200、300、400及び500ng/ml)のanti−goat−IgGのTPBS(0.01% Tween20 PBS、pH=7.4)溶液を、スライドガラス基板上に作製した高分子フィルム上に1μlずつスポットした。真空中でスポットを乾燥させた後、青色LED(20mW/cm2)を用いて30分間光照射した。その後、TPBSを用いてスライドガラスを5分間×3回洗浄した。
抗原−抗体反応は以下のようにして行った。1μg/mlのCy5−IgGを含んだ1%ゼラチンTPBSをスライドガラスの中央に40μl滴下し、ギャップカバーガラスを被せて反応を行った。反応温度は25℃、反応時間は30分とした。反応後、スライドガラスをTPBSを用いて1分間×2回洗浄した。
蛍光強度の測定は、共焦点レーザー顕微鏡(アフィメトリクス社:428 Array Scanner)を用いて行った。Cy5検出波長における蛍光強度は、励起波長が633nm、検出波長が660〜680nmで行った。
試験例1及び比較例1のそれぞれにおいて、蛍光強度Aを100としたときの蛍光強度Bの値を測定した。その結果を表3に示す。表3に示すように、比較例1では、蛍光強度Bは70であったのに対し、試験例1では、蛍光強度Bは80であった。このことから、ポリエチレングリコールの導入により、抗体における抗原との結合能力がより一層高く維持され、固定化された抗体の安定性が向上することがわかった。
本固相材料の耐久性の評価結果を表す説明図。図1(a)は試験例1、図1(b)は比較例1を示す。

Claims (17)

  1. 微小物体を光照射により固定化するための固相材料であって、
    前記固相材料のマトリックスに光により分子構造の変化又は分子配列の変化を生じる光応答性成分と以下の式(1)で表されるアルキレングリコール残基含有成分とを含有し、
    前記マトリックスは、前記光応答性成分を残基として有する光応答性成分含有モノマー及び記アルキレングリコール残基含有成分中の−O−(Z−O)n−R2で表されるアルキレングリコール残基を含有するアルキレングリコール残基含有モノマーを含有するモノマー組成物を重合して得られるポリマーを含有し、
    前記固相材料上の前記微小物体に光照射して前記固相材料を変形させることにより前記微小物体を固定化する、固相材料。
    (ただし、R1、前記マトリックスの構成成分に対して連結されている連結基を表し、R2は、水素原子又は炭素数1〜10のアルキル基を表す。Zは、炭素数1〜10のアルキレン基を表し、nは、1以上100以下の整数を表す。)
  2. 光照射により固定化される光固定化量が光非照射時の吸着量に対して3倍以上である、請求項1に記載の固相材料。
  3. 前記アルキレングリコール残基含有成分を含有しない以外は同一の固相材料よりも外部応力に対する耐久性が向上されている、請求項1又は2に記載の固相材料。
  4. 前記アルキレングリコール残基含有成分を含有しない以外は同一の固相材料よりも前記固相材料に固定化された前記微小物体の安定性が高い、請求項1〜3のいずれかに記載の固相材料。
  5. 前記Zは、炭素数1〜4のアルキレン基を表す、請求項1〜4のいずれかに記載の固相材料。
  6. 前記nは、4以上25以下の整数である、請求項1〜5のいずれかに記載の固相材料。
  7. 前記マトリックスの質量に対する前記アルキレングリコール残基含有成分中の−O−(Z−O)n−R2で表されるアルキレングリコール残基の含有量が50質量%以下である、請求項1〜6のいずれかに記載の固相材料。
  8. 前記アルキレングリコール残基の含有量は30質量%以下である、請求項7に記載の固相材料。
  9. 前記アルキレングリコール残基含有モノマーは、以下の式(2)で表される、請求項1〜8のいずれかに記載の固相材料。
    (ただし、Yは、水素原子又はメチル基を表す。)
  10. 前記Zは、炭素数1〜4のアルキレン基を表し、
    前記マトリックスの質量に対する前記アルキレングリコール残基含有成分中の−O−(Z−O)n−R2で表されるアルキレングリコール残基の含有量が30質量%以下である、請求項1〜9のいずれかに記載の固相材料。
  11. 前記微小物体は、生体分子である、請求項1〜10のいずれかに記載の固相材料。
  12. 前記微小物体は、タンパク質である、請求項1〜11のいずれかに記載の固相材料。
  13. 選択的な光照射による固定化用である、請求項1〜12のいずれかに記載の固相材料。
  14. 微小物体が固定化された固相体であって、
    前記微小物体は、請求項1〜13のいずれかに記載の固相材料の表面に保持されている、固相体。
  15. 微小物体が固定化された固相体の製造方法であって、
    請求項1〜13のいずれかに記載の固相材料を準備する準備工程と、
    前記固相材料の表面又はその近傍に存在する前記微小物体に対して光照射することにより前記固相材料を変形させて前記微小物体を前記固相に保持させる保持工程と、
    を備える、製造方法。
  16. 前記保持工程は、前記微小物体を前記固相材料の表面に非選択的に供給し、前記固相材料の表面の所定領域に対して選択的に光照射する、請求項15に記載の製造方法。
  17. 微小物体が固定化された固相体の使用方法であって、
    請求項14に記載の固相体に固定化された前記微小物体に被験試料を供給して前記微小物体と前記被験試料中の成分との相互作用を生じさせる工程と、
    前記相互作用を検出する工程と、
    を備える、使用方法。
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