JP4193515B2 - 微小物体の光固定化方法、微小物体の光固定化担体及び光固定化材料 - Google Patents
微小物体の光固定化方法、微小物体の光固定化担体及び光固定化材料 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、微小物体の光固定化方法、微小物体の光固定化担体及び光固定化材料に関し、更に詳しくは、各種の極めて微小な物体を光学的手段を利用して担体上に物理的に固定すると言う新規な微小物体固定化技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、材料系、機械系等の多くの技術分野において、極めて微小なスケールで対象物を解析し又は構成するナノテクノロジーが注目されている。又、バイオテクノロジー分野においては、上述の分野のナノテクノロジーと分子生物学を融合した研究成果が注目されている。
【0003】
例えば、任意の担体もしくは基板に対して、一定の機能を有するナノメータースケールの微小な金属粒子、金属酸化物粒子、半導体粒子、セラミック粒子、プラスチック粒子又はこれらの複合粒子等を固定化し、更には多数のこれらの粒子を所定のパターンで配列させて固定化する技術が望まれている。
【0004】
又、例えば、分子生物学の著しい発展に伴い、とりわけ各種のゲノム解析プロジェクトの進展もしくは完了に伴い、遺伝子、遺伝子によって発現する酵素、免疫分析において重要である抗原−抗体、生体のシグナル伝達に関与する細胞膜レセプタータンパク質等の生体機能分子の機能解析等が注目されている。これらの関係では、細胞や微生物を利用した in vitro 解析も非常に重要である。
【0005】
更に、ゲノム解析プロジェクト以後の医学分野における中心的な課題の一つとして、遺伝子診断又はDNA診断が挙げられる。即ち、制限酵素断片長多型(RFLP)又はマイクロサテライト部を含むDNA断片の解析や、多様な一塩基多型(SNP)の解析によって、新規かつ有用な医薬を創製(いわゆるゲノム創薬)したり、個人の遺伝情報を把握してテーラーメイド医療や法医学的鑑定に活用することが考えられている。
【0006】
以上のような状況において、任意の担体もしくは基板に対して微小な金属粒子、金属酸化物粒子、半導体粒子、セラミック粒子、プラスチック粒子等を簡易かつ確実に固定化できる簡易な技術が望まれている。例えば、金属粒子、金属酸化物粒子、半導体粒子等の無機機能性粒子を固体表面に薄膜化もしくは固定化する有効な技術が提供されると、これらの粒子を抗菌、光分解等の目的の触媒として利用したり、電子デバイスの超集積化等に利用する際に非常に有用である。
【0007】
又、光学特性の異なる微粒子を一定の周期構造で配列させることによりフォトニックバンドを生起させ、光波の屈折、分離等の制御を行うデバイスにも利用できる。更に、シリカ粒子等の誘電体粒子には光を閉じ込める機能があり、これらの誘電体粒子を光導波路に固定化することによりレーザー発振を行うことが可能であるが、そのようなレーザー発振用デバイスの実用に有用である。
【0008】
【特許文献1】
特表平11−514755号公報
上記の特許文献1では、硬化性組成物を用いて基材上に微小粒子を固定化する方法を開示している。即ち、粒子径1μm程度の粒子を含む硬化性組成物を基材上に適用し、一定条件下で硬化性組成物を重合させることにより、前記粒子径の半分以下の厚さの硬化膜を形成させ、更に未硬化の硬化性組成物を除去して、基材上に前記粒子の単一層を形成する方法である。しかし、この方法では、未硬化の硬化性組成物を除去するステップが必要であって製造工程が複雑化するし、硬化性組成物の粘性や成膜に表面平坦性等の制御が難しい等と言う問題がある。
【0009】
【特許文献2】
特開平11−90213号公報
上記の特許文献2では、ハイドロゲルの表面に無機微粒子のコロイド分散液を塗布することにより無機微粒子の超薄膜を形成し、次いでこの超薄膜を固体表面に接触させて転写することにより、多様な固体表面上に無機の微粒子からなる超薄膜を形成する方法を開示している。しかし薄膜の固体表面への固定化方法については特に述べていない。
【0010】
一方、生体機能分子たる各種ポリペプチドを担体に固定化したプロテインチップや、遺伝子又は各種DNA断片等を担体に固定化したDNAチップ又はDNAマイクロアレイ等が極めて重要な研究開発ツールとなりつつある。しかしながら、固定化対象であるこれらの微小物体は非常にデリケートである。ポリペプチドについては、固定化の際の立体構造の変化による酵素機能、抗原/抗体機能、膜タンパク質のリガンドとの結合能力等の喪失が懸念される。DNA等のポリヌクレオチドについては、固定力の強さやハイブリダイゼーション能力を維持した固定態様等が問題となる。
【0011】
例えば、酵素を担体上に固定化させる技術として、酵素をゲルに封じ込める包括固定化法、酵素を半透明のポリマー被膜により被覆するマイクロカプセル法、酵素タンパク質の表面をポリエチレングリコールや糖脂質で修飾して安定化する表面修飾法等が知られている。しかし、いずれの場合においても、酵素を固定化するための構造的なユニットが、酵素分子を安定的に着座させ得る形状を備えていなかったり(例えば、単なる平坦面)、このような形状を備える構造的なユニットであっても構造安定性が欠けていたりするため、固定化酵素の立体構造を安定的に維持することができなかった。
【0012】
【非特許文献1】
DNAマイクロアレイと最新PCR法:秀潤社
又、例えば、DNAマイクロアレイ用の担体として一般に使用されているのはポリL-リシンコーティングされたスライドガラスであるが、上記の非特許文献1では、これに付着するDNAの量が一定にならず、再現性が悪いと言う問題点が指摘されている。
【0013】
【特許文献3】
特開平11−21293号公報
上記の特許文献3に係るDNAチップの作製方法の発明では、担体に対して多数のDNAを配列集積化して固定化する方法を開示している。しかしながらこの方法は光リソグラフィー法を基本にしているために、基盤の多層化やエッチング、回路構造を刻んだ後の化学反応等の複雑な手順が必要となり、生産効率が低くなると共に製品コストが非常に高い。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
以上の点に鑑み、本願発明者は、特願2002−056752号(未公開)及びこれを基礎出願とする国内優先権主張出願である特願2003−38039号(未公開)の明細書において、新規で有用な微小物体の光固定化技術を提案している。この技術は、表面に配置された微小物体に対して光照射時に光変形により固定化能力を示す材料(光固定化材料)を担体又は担体表層材として用い、その表面に極めて微小な各種物体を配置して、照射光によって微小物体を担体表面に固定化するものである。
【0015】
但し、この技術においては、微小物体を固定化のために担体表面に配置する際に、その安定的な配置状態を確保する、と言う点において改善の余地があった。そこで本発明は、上記微小物体の光固定化技術において、光固定化材料の表面に微小物体を安定的に配置できるようにすることを、解決すべき課題とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
(第1発明の構成)
上記課題を解決するための本願第1発明の構成は、下記(A)の光固定化材料の表面に下記(B)の微小物体を安定的に配置した状態で光照射を行うことにより、前記微小物体を前記光固定化材料の表面に固定化する、微小物体の光固定化方法である。
(A)光照射によって変形を誘起できる光変形性成分と、特定材質に対して親和性を示す親和性成分とを含み、表面に配置された微小物体に対して光照射時に光変形に基づく固定化能力を示す光固定化材料。
(B)前記(A)の親和性成分と親和性を示す特定材質からなり、1nm以上で50μm以下の大きさである微小物体。
【0017】
(第1発明の作用・効果)
本願発明者は、光変形を起こし得る材料の表面に微小物体を配置させて光照射を行うと、材料の表面に微小物体が強く固定される、と言う非常に興味深い新規な知見を得た。今のところ、その理由は必ずしも明確ではないが、微小物体を配置した材料表面の可塑化、微小物体の形状に依存した(多くの場合には、微小物体の形状に対応した)材料表面の光変形等が関係している可能性がある。
【0018】
第1発明の(B)の微小物体が50μmより大きいと、十分に光固定化することが困難になる恐れがある。なお、微小物体のサイズの下限は限定されないが、1nm未満のものや、タンパク質分子もしくは核酸分子より小さなサイズの微小物体は、光固定化材料における光変形量が不十分となる(微小物体に対する固定化作用が不十分となる)恐れがある。
【0019】
第1発明においては、特定材質に対して親和性を示す親和性成分を含む光固定化材料の表面に、当該特定材質からなる微小物体を配置する。従って、両者の親和性に基づいて微小物体を安定的に配置することができる。即ち、上記した各種の微小物体の配置の態様を、予定通りに確実に行うことができるため、非常に有利である。特に、微小物体が運動能力を有する微生物等である場合には、その運動を拘束して安定的に配置できるため、好ましい。又、微小物体の配置・固定化を液体中で行う場合には、その液体をより均一にはじきの少ない状態で展開できるため、好ましい。更に、微小物体の固定化を行った後で電極を配置してバイオセンサーあるいはバイオリアクターとして利用する場合、電極の密着性を向上できるため、好ましい。更に、金微粒子等の金属微粒子を固定化する際に、その固定力を増強できるため、あるいは光固定化した後に更に反応を行い固定を強固にできるため、好ましい。
【0020】
なお、固定化担体が、一定の材料からなる基板上に光固定化材料を表層材として備えた構成を有する場合において、その基板の材質が微小物体と同質の材料であるとき、又は少なくとも親和性成分に対して親和性を示す材料であるときには、基板と表層材である光固定化材料との接合性も優れる、と言う副次的な効果も得られる。例えば、無機材料からなる基板の表層に高分子材料からなる光固定化材料層を設けた固定化担体に、親水性の微小物体を光固定化しようとするとき、親和性成分として高分子材料に親水性基(水酸基等)を含ませておくと、光固定化の際に微小物体が安定的に配置されるだけでなく、固定化担体の形成時に基板と光固定化材料層とを密着性良く接合させることができる。
【0021】
そして、光固定化材料の表面に微小物体を配置したもとで光照射を行うと、光照射により微小物体の周囲に発生する電場に依存して、光固定化材料が微小物体の形状に依存した変形、例えば微小物体の形状に対応した変形(微小物体に対して成形物と成形型の関係にあるような変形)や、その他の微小物体の形状に依存した何らかの変形を起こすことにより、変形した光固定化材料表面による微小物体に対する支持効果、表面と微小物体との接触面積の増大によるファンデルワールス力等の付着力の増加効果、等が得られ、微小物体に対する有効な固定力が得られる。
【0022】
第1発明の微小物体の光固定化方法は、光照射と言う簡易な手段により、かつ簡単なプロセスで実行できる。又、各種微小物体に対する応用範囲が広い。更に、担体と微小物体との接触を緩衝液中で行って細胞や微生物を生活状態で固定化したり、光の照射パターンを変更して固定化される微小物体の分布パターンを変更できる等、多様な態様で実施できる。又、固定化手段が光照射であり、固定化のメカニズムが物理的吸着により概ねは支配されているため、化学的結合による固定化や、バインダー等による固定化、あるいは固定用構造体の形成による固定化に比較して、酵素や細胞等の微小物体の機能に対する悪影響が少ない。
【0023】
(第2発明の構成)
上記課題を解決するための本願第2発明の構成は、前記第1発明に係る微小物体が下記(1)〜(5)のいずれかの群から選ばれる1種又は2種以上である、微小物体の光固定化方法である。
(1)無機材料粒子群。この群は、少なくとも金属粒子、金属酸化物粒子、半導体粒子及びセラミック粒子を包含する。
(2)有機材料粒子群。この群は、少なくともプラスチック粒子を包含する。
(3)高分子量の有機分子群。この群は、少なくとも、鎖状ポリペプチド分子、活性型又は不活性型の立体構造を持つタンパク質分子、複数のタンパク質分子の集合体、1本鎖あるいは2本鎖以上の核酸分子又は多糖類分子を包含する。
(4)無機材料又は有機材料からなる微粒子であって、予め高分子量の有機分子を結合させたもの。
(5)細胞、オルガネラ、細菌、ウイルス、生物組織又は生物体。この群において、少なくとも細胞、細菌又は生物体は、生活状態にあるものを含む。
【0024】
(第2発明の作用・効果)
微小物体の種類は限定されないが、第2発明の(1)〜(5)のいずれかの群から選ばれる1種又は2種以上の微小物体に対して光固定化を行うことが、特に好ましい。これらの場合において、光固定化材料は上記各種の微小物体の材質に対して親和性を示す親和性成分を含む。
【0025】
(第3発明の構成)
上記課題を解決するための本願第3発明の構成は、第1発明又は第2発明に係る微小物体の光固定化方法により、担体の構成材料又は担体表層の構成材料である前記光固定化材料の表面に前記微小物体を固定化した、微小物体の光固定化担体である。
【0026】
(第3発明の作用・効果)
第1発明又は第2発明に係る微小物体の光固定化方法により得られた微小物体の光固定化担体は、簡易かつ低コストに提供されること、従来固定化が困難であった微小物体及びその固定化パターンも含め、多様な微小物体を多様な分布パターンで固定化した担体が提供されること、固定化の前提となる微小物体の配置が安定していること、固定化された微小物体の特定の機能や生活状態等が維持されていること、等のメリットがある。
【0027】
(第4発明の構成)
上記課題を解決するための本願第4発明の構成は、光照射によって変形を誘起できる光変形性成分と、特定材質に対して親和性を示す親和性成分とを含み、前記特定材質からなる微小物体をその表面に安定的に配置できる能力と、表面に配置された微小物体に対して光照射時に光変形に基づく固定化能力とを示す、光固定化材料である。
【0028】
(第4発明の作用・効果)
第4発明の光固定化材料により、第1発明又は第2発明に係る微小物体の光固定化方法を実施可能となり、ひいては第3発明の微小物体の光固定化担体を提供することが可能となる。
【0029】
(第5発明の構成)
上記課題を解決するための本願第5発明の構成は、前記第4発明に係る光変形性成分がアゾ基を有する色素構造であり、親和性成分が以下の(6)〜(9)のいずれかである、光固定化材料である。
(6)前記特定材質が親水性を示す材質である場合における、少なくとも水酸基、カルボキシル基、アミノ基及びスルホン酸基を包含する群から選ばれる親水性基。
(7)前記特定材質がアミノ酸残基を含む材質である場合における、少なくともカルボキシル基及びアミノ基を包含する群から選ばれる共有結合形成基。ここに「アミノ酸残基を含む材質」とは、アミノ酸残基を含む化合物からなり、あるいはこのような化合物を含む(とりわけ、主成分として含む)材質を言う。
(8)前記特定材質が金属である場合における、少なくともチオール基及びジスルフィド基を包含する群から選ばれる金属結合形成基。
(9)前記特定材質が下記微小物体包接性化合物成分の内部に包接され得る大きさの疎水性部分を有する材質である場合における、少なくともクラウンエーテル、シクロデキストリン、カリックスアレンを包含する群から選ばれる微小物体包接性化合物成分。ここに「微小物体包接性化合物成分の内部に包接され得る大きさの疎水性部分を有する材質」とは、微小物体が少なくとも疎水性部分を有し、かつ、その疎水性部分のサイズが上記のクラウンエーテル、シクロデキストリン、カリックスアレン等の内部に包接され得る大きさであることを言う。
【0030】
(第5発明の作用・効果)
前記の第4発明における光変形性成分や親和性成分の種類は限定されないが、光変形性成分としてはアゾ基を有する色素構造が特に好ましく、親和性成分としては、微小物体の材質との関係において、第5発明の(6)〜(9)のいずれかが特に好ましい。
【0031】
【発明の実施の形態】
次に、第1発明〜第5発明の実施形態を説明する。単に「本発明」と言うときは、第1発明〜第5発明を一括して指している。
【0032】
〔微小物体の光固定化方法〕
微小物体の光固定化方法は、光固定化材料の表面に微小物体を安定的に配置した状態で光照射を行うことにより、微小物体を光固定化材料の表面に固定化することを内容とする。
【0033】
(微小物体)
本発明で用いる微小物体は、ミリメートルサイズに近いものから核酸分子あるいはタンパク質分子のようなオングストロームサイズのものまで、特に好ましくは50μm以下、とりわけ好ましくは10μm以下のサイズのものを対象とすることができる。微小物体は、より好ましくは1nm以上の大きさである。
【0034】
又、流体でない限り(何らかの形状を持つ限り)、本発明の微小物体として扱うことが可能である。微小物体の形状は、必ずしも固定的である必要はなく、フレキシブルに変形し得るものでも良い。下記(1)〜(5)の微小物体群から選ばれる1種又は2種以上の微小物体が特に好ましく例示される。
【0035】
(1)無機材料粒子群。この群は少なくとも金属粒子、金属酸化物粒子、半導体粒子及びセラミック粒子を包含する。(2)有機材料粒子群。この群は少なくともプラスチック粒子を包含する。これらの粒子を、例えばゲル状物質等のバインダー等を用いることなく、簡易に固定化することができる。
【0036】
(3)高分子量の有機分子群。この群は少なくとも、鎖状ポリペプチド分子、活性型又は不活性型の立体構造を持つタンパク質分子、複数のタンパク質分子の集合体、1本鎖あるいは2本鎖以上の核酸分子又は多糖類分子を包含する。タンパク質分子として、生物体で発現する任意のタンパク質、酵素、抗原、抗体又は細胞膜レセプターが好ましく例示される。これらのタンパク質分子を、光固定化によって活性型又は不活性型の立体構造を損なうことなく固定化できる。核酸分子として、mRNAあるいはその断片、cDNAあるいはその断片、ゲノムDNA断片、一塩基多型部を含むDNA断片、制限酵素断片又はマイクロサテライト部を含むDNA断片を好ましく例示することができる。
【0037】
(4)ポリヌクレオチドの端部に予め無機材料又は有機材料からなる微粒子を結合させ、該微粒子を担体に固定化させるもの。ポリヌクレオチドの固定化が、相同又は相補的なポリヌクレオチドとのハイブリダイゼーションの目的を含む場合に、この固定化形態が特に好ましい。
【0038】
(5)細胞、オルガネラ、細菌、ウイルス、生物組織又は生物体群。この群において、少なくとも細胞、細菌又は生物体は、生活状態にあるものを含む。特に、細胞又は微生物を in vitro 解析に利用する場合には、生活状態のままで固定化することが要求される。このような要求は、固定化を水中、緩衝水溶液中等で行うことにより容易に満たされる。
【0039】
(微小物体の配置・固定化)
更に、微小物体は、その個体ごとにバラバラに配置・固定化される態様、多数の微小物体が特定の分布パターンに従って配置・固定化される態様、自己組織化する性質を持つ微小物体においては、多数の微小物体を自己組織化した状態において光固定化材料の表面に配置させ、固定化する態様等がある。
【0040】
微小物体の光固定化材料表面に対する配置及び固定化は任意の形態で行うことができるが、微小物体を溶解又は懸濁させた液状媒体中で行うことが特に好ましい。なぜなら、この液状媒体中に浸漬した光固定化材料の表面に対して微小物体を容易に展開させることができ、微小物体たるタンパク質、細胞、微生物の機能維持や生存に最適の液状媒体中で固定化を行うことができるからである。液状媒体として、水又は水を主媒体とする組成液が特に好ましい。水を主媒体とする組成液としては、緩衝液、pHを調整した緩衝液、細胞や微生物の栄養分を溶解させた液、等が好ましく例示される。
【0041】
又、液状媒体の選択は、前記第5発明における微小物体の特定材質と光固定化材料の親和性成分との関係において重要な意味を持つ場合がある。例えば、微小物体の特定材質が親水性であり、光固定化材料の親和性成分が少なくとも水酸基、カルボキシル基、アミノ基及びスルホン酸基を包含する群から選ばれる親水性基である場合には、液状媒体として水等を用いることが特に好ましい。
【0042】
光固定化材料の表面に対する微小物体の配置には、レーザートラッピングを利用することもできる。即ち、光固定化材料の表面に光固定化材料が反応する波長の光を集光して照射すると、集光された部分に微小物体が捉えられ、その位置で光固定化材料の表面に固定化される。光固定化材料が反応しない波長の光で微小物体をレーザートラッピングすると共に、光固定化材料が反応する波長の光で微小物体を固定化することも可能である。
【0043】
光固定化材料に対する照射光の照射領域あるいは照射強度に一定の分布を与えることにより、1種又は2種以上の多数の微小物体をそれぞれ異なる特定の分布パターンに従って固定化することもできる。照射光の照射領域あるいは照射強度に一定の分布を与える手段として、フォトマスクの利用及び/又は干渉光の使用が挙げられる。この方法により、微小物体の固定化領域が特定の回路等を形成するように固定化を行うことができる。本願発明においては、このような微小物体の特定の分布パターンを安定的に維持してそのまま固定化し易い。
【0044】
(照射光)
微小物体の光固定化に用いる照射光の種類は限定されず、各種の伝搬光、近接場光又はエバネッセント光を任意に利用できる。但し、光変形を起こし得る材料の種類に対応して照射光の波長や強度等が制約される場合や、微小物体のサイズの関係で伝搬光の利用を制約される場合等がある。
【0045】
近接場光は、光の波長限界以下のナノメートルオーダーの微小領域で微小物体を固定化できる利点がある。エバネッセント光とは、光が全反射する際に反射光とは逆の方向に、光の波長程度の距離に染みだす電磁場である。
【0046】
〔微小物体の光固定化担体〕
(光固定化担体)
本発明に係る光固定化担体は、上記微小物体の光固定化方法により得られた光固定化担体である。そしてこれらの光固定化担体は、簡易かつ低コストに提供されること、従来固定化が困難であった微小物体及びその固定化パターンも含め、多様な微小物体を多様な分布パターンで固定化した担体が提供されること、固定化された微小物体の特定の機能や生活状態等が維持されていること、等のメリットがある。
【0047】
光固定化担体の種類は多様であり、▲1▼担体たる集積回路基板に対して金属粒子、半導体粒子、プラスチック粒子等を一定の分布パターンに従って固定化した集積回路チップ、▲2▼担体たる反応床又は基板に対して微小物体たる単一種又は多数種の酵素を固定化したバイオリアクター、バイオセンサー又は集積化酵素トランジスタ、▲3▼微小物体たる抗原、抗体、細胞膜レセプター、又は生物体において組織特異的、病態特異的あるいは発生/分化段階特異的に発現する機能性タンパク質を固定化したバイオアッセイ用試験片、▲4▼生物細胞において発現する各種タンパク質を固定化したプロテオーム解析用のプロテインチップ、▲5▼遺伝的マーカーとして利用できるDNA断片を固定化したDNAチップ又はDNAマイクロアレイ、▲6▼一塩基多型(SNP)部を含むDNA断片、制限酵素断片又はマイクロサテライト部を含むDNA断片を固定化したDNAチップ又はDNAマイクロアレイ、▲7▼mRNAやその断片、cDNAやその断片、又はゲノムDNA断片を固定化したDNAチップ又はDNAマイクロアレイ、等を例示できる。
【0048】
〔光固定化材料〕
(光固定化材料の構成)
光固定化材料とは、光照射によって変形を誘起できる光変形性成分と、特定材質に対して親和性を示す親和性成分とを含み、親和性成分の作用により前記特定材質からなる微小物体をその表面に安定的に配置できる能力と、表面に配置された微小物体に対して光照射時に光変形に基づく固定化能力とを示す材料である。光変形性成分と親和性成分とは、光固定化材料のマトリクス中において単に分散していても良く、マトリクスの構成分子と化学結合等をしていても良い。
【0049】
光固定化材料の種類は限定されない。その例示として、光照射によりアブレーション,フォトクロミズム,分子の光誘起配向等を起こす成分(光反応性成分)をマトリクス中に含み、結果的に材料の体積,密度,自由体積等が変化して光変形が生成される有機又は無機の材料を例示することができる。他に、イオウ,セレン及びテルルのいずれかと、ゲルマニウム,ヒ素及びアンチモンのいずれかとが結合した構造を含みカルコゲナイトガラスと総称されるもの、等の無機材料も例示できる。
【0050】
マトリクス材料としては、通常の高分子材料等の有機材料や、ガラス等の無機材料を用いることができる。マトリクスに対する光反応性成分や親和性成分の均一分散性あるいは結合性を考慮するなら、有機材料、とりわけ高分子材料が好ましい。
【0051】
上記高分子材料の種類は限定されないが、高分子の構成単位の中にウレタン基,ウレア基,又はアミド基を含んだものが、更には高分子の主鎖中にフェニレン基のような環構造を備えたものが、耐熱性の点では好ましい。高分子材料は必要な形状に成形可能である限りにおいて分子量や重合度を問わず、重合形態も直鎖状,分岐状,はしご状,星形等の任意の形態で良い。
【0052】
又、これらの高分子材料は、ホモポリマーであっても、共重合体であっても良い。ホモポリマーにおいては、そのモノマーが光変形性成分と親和性成分とを併せ備えている。共重合体においては、特定種類のモノマーが光変形性成分と親和性成分とを併せ備えていても良いし、光変形性成分と親和性成分とがそれぞれ別種のモノマーに含まれていても良い。
【0053】
光変形の経時的な安定性(微小物体に対する経時的な固定力の維持)のためには、高分子材料のガラス転移温度が、例えば100°C以上と言った高いものの方が好ましいが、ガラス転移温度が、室温程度やそれ以下のものでも使用可能である。
【0054】
以上の点から、光反応性成分及び親和性成分を含む高分子材料として、実施例で述べるものの他、次の「化1」〜「化3」に示すものが好ましく例示される。
【0055】
【化1】
【0056】
【化2】
【0057】
【化3】
(光変形性成分)
光変形性成分の種類は限定されないが、例えば材料の形状変化を伴う異方的光反応を起こし得る成分である光異性化成分や光重合性成分を、好ましく例示することができる。固定化する微小物体が、光固定化材料との化学反応により活性が損なわれるような生体物質である場合には、光反応性成分として光異性化成分が好ましい。そして光異性化成分としては、例えばトランス−シス光異性化を生じる成分、特に代表的にはアゾ基(−N=N−)を有する色素構造、とりわけ、アゾベンゼンやその誘導体の化学構造を持つ成分を好ましく例示できる。
【0058】
トランス−シス光異性化を生じる成分、例えばアゾ基含有のアゾベンゼン構造等を持つ成分は、特定方向の偏光を吸収して光異性化を繰返すことにより、偏光方向に対して一定の方向に配向する特性がある。従って、アゾ基を有する色素構造を含む材料に対して伝搬光や近接場光等を照射すると、アゾベンゼン構造等のアゾ基を有する構造部分が配向し、材料内でアゾベンゼン構造等の配向度及び配向方向の異なる部分を生じて、材料の形状変化を誘起する。
【0059】
(親和性成分)
親和性成分の種類は限定されず、かつ微小物体の材質との関係において相対的に決まるものであるが、例えば、微小物体の材質が親水性を示す材質である場合には、少なくとも水酸基、カルボキシル基、アミノ基及びスルホン酸基を包含する群から選ばれる親水性基が好ましい。微小物体の材質がアミノ酸残基を含む材質である場合には、少なくともカルボキシル基及びアミノ基を包含する群から選ばれる共有結合形成基が好ましい。微小物体の材質が金属である場合には、少なくともチオール基及びジスルフィド基を包含する群から選ばれる金属結合形成基が好ましい。微小物体の材質が、下記の微小物体包接性化合物成分の内部に包接され得る大きさの疎水性部分を有する材質である場合には、少なくともクラウンエーテル、シクロデキストリン、カリックスアレンを包含する群から選ばれる微小物体包摂性化合物成分が好ましい。
【0060】
(光変形)
光固定化材料の「光変形」とは、通常のマクロな意味での形状変化の他、分子レベルでの運動による微小物体と担体表面(例えば膜表面)との絡み合い等による変形等も含む。このような光変形には、光学顕微鏡や電子顕微鏡等により明瞭に観察できるものもあるし、変形量や変形形態の問題から通常の観察手段によっては明瞭に観察することが困難なものもある。
【0061】
【実施例】
(光固定化材料の合成)
常法に従い光固定化材料の合成を行った。即ち、まず、公知のジアゾカップリング法を用いて下記の「化4」に示す化合物を合成した。次に、公知の酸クロリド反応により、下記の「化5」に示す化合物を合成した。これらの「化4」及び「化5」に示す化合物において、アゾベンゼン構造部分が光反応性成分を構成している。
【0062】
【化4】
【0063】
【化5】
市販のメタクリル酸メチル(MMA:和光純薬製)とメタクリル酸2−ヒドロキシエチル(HEMA:和光純薬製)を入手し、それぞれ減圧蒸留により重合禁止剤を取り除いておいた。そして、上記の「化5」に示す化合物と、MMAと、HEMAとを、それぞれ表1の実施例1〜実施例4の欄に示す割合で(グラム単位の表示と、モル単位の表示とを併記する)共重合させた高分子光固定化材料を合成した。なお、HEMAは高分子材料に対して水酸基を導入すると言う意味合いを持ち、この水酸基は本発明の親和性成分に相当するもので、光固定化材料に親水性(例えば核酸分子に対する親和性)をもたらす。
【0064】
【表1】
即ち、それぞれ100mL容のなすフラスコにこれらのモノマーを実施例1〜実施例4に従う所定の割合で投入・混合した後、ジメチルホルムアミド50mLと2,2−アゾイソブチロニトリル82mgを加えた。なすフラスコにゴム栓をした後、窒素を1時間バブリングして系内の酸素を取り除いた。次に窒素をバブリングしたままで、なすフラスコを60°Cで2時間加熱した。その後、それぞれのなすフラスコから反応溶液を取り出し、メタノールを用いて再沈殿させた。このような再沈殿を3回繰り返した後に減圧乾燥させ、実施例1〜実施例4に係る2元または3元共重合の高分子光固定化材料を得た。
【0065】
(固定化担体の作製)
実施例1〜実施例4に係る高分子光固定化材料の各50mgを、それぞれピリジン2mLに溶解し、これらの溶液をそれぞれスライドガラス基板上に1mLほど滴下した。そしてスライドガラス基板を2000r.p.m.で回転させて溶媒を除去し、各スライドガラス基板の表層に実施例1〜実施例4に係る均一な厚さの高分子フィルムを作製してなる固定化担体を作製した。
【0066】
これらの高分子フィルムはいずれも膜厚が約110nmであった。又、これらの高分子フィルムの吸収スペクトルを測定したところ、いずれも、吸収バンドは波長447nmにピークがあり、ほぼ重なっていた。ピークの吸光度はいずれも0.19であった。
【0067】
(水の接触角の測定)
実施例1〜実施例4に係る高分子フィルム上にそれぞれ水を2μL静かに滴下し、角度計を備えた顕微鏡を用いて水の接触角を測定したところ、図1に示す通りの結果が得られた。この結果は、親和性成分たる水酸基の導入により、光固定化材料の表面の親水性を制御できることを示している。
【0068】
(微小物体たるDNAの固定化実験)
実施例1に係る固定化担体と、実施例4に係る固定化担体とに対して、それぞれ蛍光物質(Molecular Probe 社の PO-PRO-3 )で染色したλ−DNA(ニッポンジーン製)をDNAアレイヤー(Affimetrix製)でスポットした。続いて、 He-Cdレーザーを用いて波長442nmのレーザー光を60分間照射した。
【0069】
照射後、蛍光観察スキャナーを用いて高分子フィルム表面の蛍光像を観測した。その結果、実施例1の高分子フィルムにおいては円形状のスポットが形成されていたが、スポットの円周部にやや乱れが生じていた。一方、実施例4の高分子フィルムにおいては円形状のスポットが形成され、かつ、スポットの円周部の乱れは見られなかった。
【0070】
これらの蛍光像の観測後に高分子フィルムを沸騰水処理し、更に洗浄を繰り返し、続いて蛍光観測用スキャナーを用いて高分子フィルム表面の蛍光像を観測した。その結果、1回目の蛍光観測像と同様の形状のスポットが観測された。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例に係る水の接触角の測定結果を示すグラフである。
Claims (3)
- 下記(A)の光固定化材料の表面に下記(B)の微小物体を安定的に配置した状態で光照射を行うことにより、前記微小物体を前記光固定化材料の表面に固定化することを特徴とする微小物体の光固定化方法。
(A)光照射によって変形を誘起できる光変形性成分と、特定材質に対して親和性を示す親和性成分とを、有機又は無機の材料からなるマトリクス材料中に分散状態又はマトリクス材料の構成分子と化学結合した状態で含み、表面に配置された微小物体に対して光照射時における微小物体の形状に対応した光変形に基づく固定化能力を示す光固定化材料。
(B)前記(A)の親和性成分と親和性を示す特定材質からなり、1nm以上で50μm以下の大きさである微小物体。 - 前記微小物体が下記(1)〜(5)のいずれかの群から選ばれる1種又は2種以上であることを特徴とする請求項1に記載の微小物体の光固定化方法。
(1)無機材料粒子群。この群は、少なくとも金属粒子、金属酸化物粒子、半導体粒子及びセラミック粒子を包含する。
(2)有機材料粒子群。この群は、少なくともプラスチック粒子を包含する。
(3)高分子量の有機分子群。この群は、少なくとも、鎖状ポリペプチド分子、活性型又は不活性型の立体構造を持つタンパク質分子、複数のタンパク質分子の集合体、1本鎖あるいは2本鎖以上の核酸分子又は多糖類分子を包含する。
(4)無機材料又は有機材料からなる微粒子であって、予め高分子量の有機分子を結合させたもの。
(5)細胞、オルガネラ、細菌、ウイルス、生物組織又は生物体。この群において、少なくとも細胞、細菌又は生物体は、生活状態にあるものを含む。 - 請求項1又は請求項2に記載の微小物体の光固定化方法により、担体の構成材料又は担体表層の構成材料である前記光固定化材料の表面に前記微小物体を固定化したことを特徴とする微小物体の光固定化担体。
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