JP5194318B2 - 打楽器用ピックアップ、電気打楽器及びその調整方法 - Google Patents

打楽器用ピックアップ、電気打楽器及びその調整方法 Download PDF

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Description

本発明は、打楽器に好適な打楽器用ピックアップ、この打楽器用ピックアップを備える電子打楽器及びその調整方法に関する。
本出願人は、シンバルを構成する金属板に多数の小孔を形成し、この小孔によって打撃エネルギを吸収し、消音効果を得る構造とした消音シンバルと、この消音シンバルに振動ピックアップを装着し、振動ピックアップから電気信号を得てシンバル音を再生する電気シンバルを提案した(例えば、特許文献1参照)。
この電気シンバルでは、振動ピックアップをシンバルのほぼ中心部に位置するカップの内壁面に直接装着し、カップの振動を電気信号に変換する構造としている。このため、当該電気シンバルで再生される音はカップ部分の振動音成分を多く含み、当該電気シンバルの振動ピックアップは、シンバル全体の音を検出していないという欠点がある。つまり、シンバルは、その直径の大小により高い周波数成分を多く含む音を発生したり、低い周波数成分を多く含む音を発生したりするものである。しかしながら、カップの振動を振動ピックアップで直接検出する構造とした場合、その検出信号から再生される音はシンバルの直径の大小に係わりなく、カップ部分の形状等に依存した偏りのある音となってしまう。
これに対し、本出願人は、図16(A)(B)に例示する、被装着打楽器の打撃面の面積より小さい面積を持ち、少なくとも銅を含む金属板で形成される共振板1011と、この共振板1011の周縁の一部に装着した錘1012と、この錘1012の装着位置から所定距離離れた位置に設けられた取り付け部1013と、この取り付け部1013と錘1012との間の共振板1011の板面に装着された複数の振動ピックアップ1014と、を備えた打楽器用ピックアップ1000を提案した(例えば、特許文献2参照)。
打楽器用ピックアップ1000は、例えば、その取り付け部1013がシンバルのカップの内壁面に固定され、当該シンバルに装着される。このシンバルが叩かれると、その打撃振動が取り付け部1013を通じて共振板1011に伝えられ、共振板1011は、共振板1011の長さ、厚み、錘1012の重量等によって定まる複数の共振モードの各共振周波数で振動する。これらの振動は振動ピックアップ1014で検出され、電気信号に変換される。この電気信号は、共振板1011の共振周波数によって変化し、共振板1011の共振周波数を適度に設定することでアコースティックな打撃音が再現できる。
特開平11−184459号公報 特開2007−171233号公報
しかし、特許文献2の打楽器用ピックアップでは、打楽器の打撃音の周波数スペクトラム(周波数スペクトル)が広帯域に分布する場合に、アコースティックな音を再現することが困難となるという問題点がある。
すなわち、特許文献2のように1枚の共振板1011に錘1012が装着されたシンプルな構成の場合、共振板1011での共振モード数が制約され、さらに、各共振モードでのQ値が高くなる(各共振周波数での強度のピークが鋭くなる)傾向が強い。このように共振板1011の共振特性が特定の周波数に偏ったものであった場合、各振動ピックアップ1014で検出される振動も特定の周波数に偏ったものとなる。そのため、各振動ピックアップ1014から出力される電気信号によって再生される音も打楽器の原音からかけ離れたものとなる。このような問題は、打楽器の打撃音の周波数スペクトラムが広帯域に分布する場合に特に顕著となる。
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、打楽器の打撃音の周波数スペクトラムが広帯域に分布する場合であっても、それからアコースティックな打撃音を再現することが可能な技術を提供することを目的とする。
本発明では上記課題を解決するために、銅成分を含む金属板である第1プレートと、第1プレートに設けられた取り付け用アームと、銅成分を含む金属板であり、その一方の板面を第1プレートの一方の板面に対向させた第2プレートと、 第1及び第2プレートと異なる材料からなり、互いに対向する第1プレートの板面の一部と第2プレートの板面の一部との間に挟み込まれ、当該両板面に固定された介在部材と、第1プレートの板面及び/又は第2プレートの板面に固定された1以上の振動ピックアップと、を含む打楽器用ピックアップが提供される。なお、取り付け用アームは、第1プレートと一体であってもよいし、第1プレートと別体であってもよい。
このように第1プレートと第2プレートとの間にこれらと異なる材料の介在部材を挟み込んで固定した構成とすることで、第1プレート及び第2プレートの共振モード数を増加させ、さらに、各共振モードでのQ値を低くする(各共振周波数での強度のピークを穏やかにする)ことができる。これによって第1プレート及び第2プレートの共振特性をそれぞれ平坦にでき、原打撃音に基づく振動を特定の周波数に大きく偏らせることなく、各振動ピックアップに検出させることが可能となる。その結果、打楽器の打撃音の周波数スペクトラムが広帯域に分布する場合であっても、それからアコースティックな打撃音を再現できる。
また、本発明の打楽器用ピックアップは、好ましくは、第1プレートの板面に固定された振動ピックアップと、第2プレートの板面に固定された振動ピックアップと、の両方を含む。
第1プレートの振動の周波数スペクトラムは中低域に分布し、第2プレートの振動の周波数スペクトラムは中高域に分布する傾向がある。そのため、第1プレートの板面に固定された振動ピックアップで得られた電気信号と、第2プレートの板面に固定された振動ピックアップで得られた電気信号との両方を混合して利用することで、より広い周波数帯域においてアコースティックな打撃音を再現することができる。
本発明では、打楽器の打撃音の周波数スペクトラムが広帯域に分布する場合であっても、それからアコースティックな打撃音を再現することができる。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
〔第1実施形態〕
図1は、第1実施形態の打楽器用ピックアップ10の斜視図である。図2は、第1実施形態の打楽器用ピックアップ10の分解図である。図3(A)は、第1実施形態の打楽器用ピックアップ10の平面図であり、図3(B)はその正面図であり、図3(C)はその右側面図である。また、図4(A)は第1実施形態の打楽器用ピックアップ10の背面図であり、図4(B)はその底面図であり、図4(C)は図3(A)のIV−IV断面図である。図5(A)は、プレート11の板面11dに固定された振動ピックアップ17a〜17eを説明するための図であり、図5(B)は、プレート13の板面13dに固定された振動ピックアップ18a〜18dを説明するための図である。
図1から図4に示すように、本形態の打楽器用ピックアップ10は、銅成分を含む金属板であるプレート11(「第1プレート」に相当)と、プレート11に設けられた取り付け用アーム12と、銅成分を含む金属板であり、その一方の板面13dをプレート11の一方の板面11dに対向させたプレート13(「第2プレート」に相当)と、 プレート11及びプレート13と異なる材料からなり、互いに対向するプレート11の板面11dの一部とプレート13の板面13dの一部との間に挟み込まれ、当該両板面11d,13dに固定された介在部材14と、取り付け用アーム12、プレート11の板面11d又はプレート13の板面13dに固定された1以上の振動ピックアップ17a〜17e,18a〜18dと、配線用プリント基板19と、出力ジャック15a及びシールド線15bと、ネジ16a〜16cとを有する。
[プレート11、取り付け用アーム12]
図1から図3に示すように、本形態のプレート11と取り付け用アーム12とは一体に構成されている。
本形態のプレート11は、四隅が面取りされた略長方形の板面11g,11dを表裏に持つ金属板からなる領域である。このプレート11には、板面11d,11g間を略垂直に貫通し、内部にネジ溝が形成された3つの貫通孔11a,11b,11cが設けられている。各貫通孔11a,11b,11cの位置は介在部材14の形状や固定位置に応じて定められるが、本形態では、板面11d,11gの中心付近を長手方向に横切る直線に沿ってこれらが設けられている。
本形態の取り付け用アーム12は、プレート11の長手方向の側面11fに対向する側面側中央付近から外部方向に向かって突設された、板面が略長方形の金属板が折り曲げられて構成された領域である。この例の取り付け用アーム12は、その付け根部12cでプレート11の板面11g側の方向に折り曲げられ、さらに、その端部近傍の折り曲げ部12bでそれとは反対方向に折り曲げられる。そして、この折り曲げ部12bよりも先端側の領域が固定部12aとなり、折り曲げ部12bと付け根部12cとの間の領域がアーム部12dとなっている。なお、アーム部12dの板面12daとプレート11の板面11gとが板面12da,11g側でなす角度は、90度近傍、180度近傍及び270度近傍を避けた角度であることが好ましく、90度よりも大きく180度よりも小さい角度、又は180度よりも大きく270度よりも小さい角度であることが望ましい。90度近傍や270度近傍では、取り付け用アーム12からプレート11に伝達される振動のレベルが小さくなり、180度近傍ではプレート11で強度のピークが鋭い共振が起こり易くなるからである。なお、本形態のアーム部12dの板面12daとプレート11の板面11gとが板面12da,11g側でなす角度は、90度よりも大きく180度よりも小さい角度である。また、振動の伝達効率の面から、折り曲げ部12bでの折り曲げ角度は、固定部12aの板面12abがプレート11の板面11gと略平行となる角度であることが好ましい。なお、折り曲げ部12b及び付け根部12cでの曲げ角度は再現される打撃音の音質に影響するため、これらの各曲げ加工は曲げ部全体にわたって均一な圧力で精度よく行われる必要がある。また、固定部12aには、その板面12ab,12ac間を略垂直に貫通する貫通孔12aaが設けられている。
なお、プレート11及び取り付け用アーム12の材質の一例は、真鍮(六四黄銅,七三黄銅,丹銅など)、青銅、銅などである。このように銅成分を含む金属でプレート11及び取り付け用アーム12を構成することにより、アコースティックな打撃音を再現することができる。特に、シンバルに使用される打楽器用ピックアップ10には、音質上、真鍮が好ましく、六四黄銅(亜鉛40%、銅60%)が最適である。
[プレート13]
本形態のプレート13は、四隅が面取りされた略長方形の板面13d,13gを表裏に持つ金属板であり、板面11d,11g間を略垂直に貫通する3つの貫通孔11a,11b,11cが設けられている。本形態のプレート13は、その板面13dをプレート11の板面11dに対向させて配置した際に、プレート11,13の外縁部が相互にほぼ一致し、さらにプレート11に設けられた貫通孔11a,11b,11cとプレート13に設けられた貫通孔13a,13b,13cとの孔位置がそれぞれ整合するように構成されている。なお、プレート13の材質の一例は、真鍮、青銅、銅などであり、音質上好ましくは、プレート11と同一の材質で構成される。このように銅成分を含む金属でプレート13を構成することにより、アコースティックな打撃音を再現することができる。特に、シンバルに使用される打楽器用ピックアップ10には、音質上、真鍮が好ましく、六四黄銅が最適である。
[介在部材14]
本形態の介在部材14は、プレート11やプレート13の板面11f,13dよりも板面14d,14eの面積が小さな金属板であり、板面14d,14e間を略垂直に貫通する3つの貫通孔14a,14b,14cが設けられている。介在部材14は、プレート11やプレート13と異なる材質で構成される。介在部材14は、プレート11やプレート13よりも硬い材質であることが望ましい。これにより、プレート11やプレート13のQ値を下げることができ、さらに高域の音響特性が向上するからである。介在部材14の材質の一例は、鉄、鋼などの鉄成分を含む金属であり、表面にニッケル鍍金や亜鉛鍍金等が施されたものであってもよい。このように鉄成分を含む金属で介在部材14を構成することにより、プレート11,13の共振振動をより抑制してQ値を下げ、アコースティックな打撃音を再現することができる。
[振動ピックアップ17a〜17e,18a〜18d等]
取り付け用アーム12のアーム部12dのプレート13側に配置される板面12dbには振動ピックアップ17aが固定され、プレート11の板面11dには振動ピックアップ17b〜17eが固定されている。また、プレート13の板面13dには振動ピックアップ18a〜18dが固定されている。なお、介在部材14がプレート11,13に固定された際に振動ピックアップ17b〜17e,18a〜18dが介在部材14と接触しないように、振動ピックアップ17b〜17e,18a〜18dは、それぞれ介在部材14が配置されるプレート11,13の中心付近から離れた位置に固定されている。また、振動ピックアップ17b〜17e,18a〜18dの固定位置は音響特性を考慮して適宜選択すればよいが、少なくとも、取り付け用アーム12のアーム部12dには振動ピックアップを固定しておくことが望ましい。取り付け用アーム12のアーム部12d以外の位置では、中域から低域の音を十分に検出することができないからである。また、振動ピックアップ17a〜17e,18a〜18dの一例は、ピエゾ素子等からなる振動センサーである。これらの固定には両面粘着テープや接着剤を用いることができるが、粘着層の厚さを一定に保ち、安定した音響特性を得るためには、両面粘着テープを用いることが望ましい。
また、プレート13の板面13dには配線用プリント基板19が固定されている。本形態では、プレート13にプレート11が対向配置された際に、取り付け用アーム12が配置される側の辺縁部に配線用プリント基板19が配置される。配線用プリント基板19は、入力された2系統のステレオ信号を外部に出力するための回路基板であり、これには、被覆線によって電気的に直列接続された振動ピックアップ17a〜17eと、被覆線によって電気的に直列接続された振動ピックアップ18a〜18dとが、それぞれ独立に接続されている。このように、振動ピックアップ17a〜17eや振動ピックアップ18a〜18dをそれぞれ直列接続した場合、振動ピックアップ系列の断線の検出が容易になるので好ましい。しかし、音響特性に応じ、振動ピックアップ17a〜17eや振動ピックアップ18a〜18dをそれぞれ並列又は直並列接続する構成であってもよい。
配線用プリント基板19には、さらにステレオ信号用のシールド線15bの一端が電気的に接続され、シールド線15bの他端には、ステレオ信号用の出力ジャック15aが電気的に接続されている。これにより、振動ピックアップ17a〜17eから出力された電気信号の系統と、振動ピックアップ18a〜18dから出力された電気信号の系統とからなるステレオ信号が出力ジャック15aから出力可能とされる。
[プレート11,13及び介在部材14の固定]
以上のように構成されたプレート11の板面11dとプレート13の板面13dとは対向配置され、それらの間には介在部材14が挟み込まれている。介在部材14の板面14dはプレート11の板面11dに対向し、板面14eはプレート13の板面13dに対向し、貫通孔11a,14a,13aの孔位置、貫通孔11b,14b,13bの孔位置、及び貫通孔11c,14c,13cの孔位置がそれぞれ整合している。そして、プレート13の板面13g側から、貫通孔11a,14a,13aにネジ16aが挿入され、貫通孔11b,14b,13bにネジ16bが挿入され、貫通孔11c,14c,13cにネジ16cが挿入されている。この状態で各ネジ16a,16b,16cがプレート11の貫通孔11a,11b,11cに螺合して締付けられ、介在部材14がプレート11とプレート13とに固定されている。これらのネジ16a,16b,16cの締め付けは、緩みが生じず、プレート11,13と介在部材14とからなる機構の機械特性が均一となるように、十分なトルク(例えば、50Ncm)で行われ、それらの締め付けトルクは均一なものとする。このような構成により、プレート11,13の共振特性をそれぞれ平坦にでき、原打撃音に基づく振動を特定の周波数に大きく偏らせることなく、各振動ピックアップ17a〜17e,18a〜18dに検出させることができる。その結果、打楽器の打撃音の周波数スペクトラムが広帯域に分布する場合であっても、それからアコースティックな打撃音を再現できる。
また、この固定の際、配線用プリント基板19側に配置されたシールド線15bの絶縁性外皮(Jacket)で覆われた先端被覆部15baが、配線用プリント基板19とプレート11の板面11dの一部との間に挟み込まれて圧着される構成が望ましい。これにより、シールド線15bが固定できるだけではなく、当該先端被覆部15baがプレート11の振動を抑制し、配線用プリント基板19がプレート13の振動を抑制することで、プレート11,13のQ値を下げることができる。その結果、プレート11,13の共振特性をそれぞれ平坦にでき、原打撃音に基づく振動を特定の周波数に大きく偏らせることなく、各振動ピックアップ17a〜17e,18a〜18dに検出させることができ、よりアコースティックな打撃音を再現することができる。
[寸法の一例]
好ましいアコースティックな打撃音を再現するための寸法の一例は、プレート11の短手方向の長さをAとし、長手方向の長さをBとし、折り曲げ部12bと付け根部12cとの間の長さをCとし、付け根部12cの長さをDとし(図1)、1以上の定数をconstとした場合に、以下の関係を満たすものである。
B=const・A …(1)
C=const・D …(2)
0<D<B …(3)
なお、Aの一例は40mmであり、Dの一例は18mmであり、定数constの一例は1.618である。また、プレート11,13の板厚の一例は2mmである。プレート13の板面13gと固定部12aの板面12abとを平行に構成した場合における、プレート13の板面13gを含む平面と固定部12aの板面12abを含む平面との距離E(図3(C))の一例は20mmである。
[シンバルへの取り付け例]
次に、本形態の打楽器用ピックアップ10をシンバルに装着した例を示す。
図6(A)は、シンバル50とそれに装着された打楽器用ピックアップ10とを含む電気打楽器100の平面図であり、図6(B)は、図6(A)のVI−VI断面図である。また、図7(A)は、シンバル50に打楽器用ピックアップ10が取り付けられた様子を説明するための断面図であり、図7(B)は、図7(A)のワッシャー63の斜視図であり、図7(C)はその平面図であり、図7(D)はそのVII−VII断面図である。
図6(A)に例示するように、シンバル50は、真鍮のような銅成分を含む円盤状の金属板によって構成される。シンバル50をなす円板の中心部分には、カップ形状(半球面状)の突き出し部であるカップ51が設けられる。カップ51の外周側にはボウ53が配置され、ボウ53の外周側にはエッジ54が配置される。なお、カップ51とボウ53との間の境界部分を節目52と呼ぶ。また、カップ51の中心部にはシンバル50を保持するための貫通孔55が設けられ、貫通孔55と節目52との間のカップ51の領域には、打楽器用ピックアップ10を装着するための貫通孔51aが設けられる。さらに、ボウ53などに多数の小孔を形成し、この小孔によって打撃エネルギを吸収し、消音効果を得る構造としてもよい。
打楽器用ピックアップ10は、プレート11の板面11gをシンバル50の内壁面50a側に向けた状態で当該内壁面50a側に配置され、取り付け用アーム12の固定部12aによってカップ51の内壁面51c側に固定される。当然、打楽器用ピックアップ10の各振動ピックアップ17a〜17e,18a〜18dはシンバル50に接触しない。
取り付け用アーム12のシンバル50への取り付け方法は音響的に非常に重要であり、取り付け用アーム12の固定部12aとカップ51の内壁面51cとの接触面積が一定であることが重要である。すなわち、この接触面積が変化すると各振動ピックアップ17a〜17e,18a〜18dで検出される振動も変化し、再現された打撃音も変化する。特に、この接触面積が大きくなり過ぎると、固定部12aがシンバル50の振動を抑制してしまい、シンバル50の真の振動が検出できなくなる。しかしながら、カップ51の内壁面51cは球面であり、取り付け用アーム12の固定部12aをそのままカップ51の内壁面51cに固定したのでは、その固定強度によって上記の接触面積が大きく変化してしまう。
そこで図7の例では、取り付け用アーム12の固定部12aとカップ51の内壁面51cとの間に、固定部12aの板面12abよりも板面面積が小さなワッシャーを介在させる。すなわち、選択された板面面積を持つワッシャー63が、その一方の板面をカップ51の内壁面51cに対向させ、他方の板面を取り付け用アーム12の固定部12aの板面12abに対向させ、カップ51の内壁面51cと取り付け用アーム12の固定部12aとの間に挟み込まれている。なお、ワッシャー63の中心部には貫通孔63aが設けられている(図7(B)〜(C))。ワッシャー63は、図7(B)〜(C)に示すような平ワッシャーでもよいし、スプリングワッシャーなどでもよい。また、取り付け用アーム12の固定部12aの板面12acには、選択された板面面積を持つワッシャー64の一方の板面が対向する。ワッシャー64の例は、平ワッシャー、スプリングワッシャーなどであり、その中心部には貫通孔63aが設けられている。そして、カップ51の外壁面51b側から、ネジ61が、カップ51の貫通孔51a(「第1孔」に相当)、ワッシャー63の貫通孔63a(「第2孔」に相当)、取り付け用アーム12の固定部12aの貫通孔12aa(「第3孔」に相当)、及びワッシャー64の貫通孔64aを貫通し、その先端部側からナット62(「固定部材」に相当)が当該ネジ61に螺合して締付けられている。
このような構成の場合、選択されたワッシャー63の板面面積によって、カップ51の内壁面51cへの接触面積と固定部12aへの接触面積とを制御できる。同様に、選択されたワッシャー64の板面面積によって、固定部12aへの接触面積とナット62への接触面積とを制御できる。その結果、選択されたワッシャー63,64の板面面積の違い(特にワッシャー63の板面面積の違い)によって、シンバル50を打撃した際に振動ピックアップ17a〜17e,18a〜18dから出力される電気信号を変化させ、電気打楽器100の音を調整することができる。これにより、シンバル50の形状や大きさに応じて打楽器用ピックアップ10の形状を変更することなく、ワッシャー63,64の板面面積を変更するだけで、同一形状の打楽器用ピックアップ10を様々な形状や大きさのシンバル50に装着し、アコースティックな打撃音を再現することができる。なお、シンバル50の形状や大きさに応じてワッシャー63,64を選択して行う調整は、ワッシャーを選択するステップと、選択したワッシャーを上記のように装着するステップと、上記のように取り付け用アームの固定部をカップに固定するステップと、シンバルを打撃して振動ピックアップから電気信号を出力させるステップと、を繰り返すことで実現できる。
図8(A)〜(C)は、図7(A)を用いて説明した取り付け方法の変形例を説明するための断面図である。
図8(A)の変形例では、選択された板面面積を持つワッシャー63が、その一方の板面をカップ51の内壁面51cに対向させ、他方の板面を取り付け用アーム12の固定部12aの板面12abに対向させ、カップ51の内壁面51cと取り付け用アーム12の固定部12aとの間に挟み込まれている。カップ51の外壁面51bには、選択された板面面積を持つワッシャー64の一方の板面が対向する。そして、固定部12aの板面12ac側から、ネジ61が、取り付け用アーム12の固定部12aの貫通孔12aa(「第3孔」に相当)、ワッシャー63の貫通孔63a(「第2孔」に相当)、カップ51の貫通孔51a(「第1孔」に相当)、及びワッシャー64の貫通孔64aを貫通し、その先端部側からナット62(「固定部材」に相当)が当該ネジ61に螺合して締付けられている。
図8(B)の変形例では、取り付け用アーム12の固定部12aの貫通孔12aa内部にネジ溝が形成されている。この例では、選択された板面面積を持つワッシャー63が、その一方の板面をカップ51の内壁面51cに対向させ、他方の板面を取り付け用アーム12の固定部12aの板面12abに対向させ、カップ51の内壁面51cと取り付け用アーム12の固定部12aとの間に挟み込まれている。そして、カップ51の外壁面51b側から、ネジ61が、カップ51の貫通孔51a(「第1孔」に相当)、及びワッシャー63の貫通孔63a(「第2孔」に相当)を貫通し、取り付け用アーム12の固定部12aの貫通孔12aa(「第3孔」に相当)に螺合して締付けられている。
図8(C)の変形例では、カップ51の貫通孔51aの内部にネジ溝が形成されている。この例では、選択された板面面積を持つワッシャー63が、その一方の板面をカップ51の内壁面51cに対向させ、他方の板面を取り付け用アーム12の固定部12aの板面12abに対向させ、カップ51の内壁面51cと取り付け用アーム12の固定部12aとの間に挟み込まれている。そして、固定部12aの板面12ac側から、ネジ61が、取り付け用アーム12の固定部12aの貫通孔12aa(「第3孔」に相当)、及びワッシャー63の貫通孔63a(「第2孔」に相当)を貫通し、カップ51の貫通孔51a(「第1孔」に相当)に螺合して締付けられている。
図9(A)は、図7(A)を用いて説明した取り付け方法の他の変形例を説明するための断面図であり、図9(B)は、図9(A)のナット262の斜視図であり、図9(C)は、図9(A)のカップ251に内壁面側を説明するための底面拡大図である。
図9(A)の変形例では、ワッシャーを用いる代わりに、カップの内壁面とワッシャーの一方の板面をワッシャー状に突起させ、その突起面の面積に応じて再現音の音質を調整する。すなわち、この例で用いるナット262の一端には、中空円の板面262baを持つワッシャー状突起部262bが一体に突設されている(図9(A)(B))。ワッシャー状突起部262bの板面262baの面積は、他端側の板面262cの面積よりも小さく、その大きさは音響特性に応じた適当なものとなっている。そして、このワッシャー状突起部262bの中空部分から板面262cに貫通した内部にネジ孔を有する貫通孔262aが設けられている。また、この例のカップ251の内壁面251cには、中空円の板面251baを持つワッシャー状突起部251bが一体に突設されている(図9(A)(C))。この板面251baの面積は、取り付け用アーム12の固定部12aにおける板面12abの面積よりも小さく、音響特性に応じた適当なものとなっている。この例では、カップ251の板面251baに取り付け用アーム12の固定部12aの板面12abが対向配置され、カップ251の外壁面251d側から、ネジ61が、カップ251の貫通孔251a、及び取り付け用アーム12の固定部12aの貫通孔12aaを貫通している。そして、その先端部側から、板面262baを固定部12aの板面12acに対向させたナット262が当該ネジ61に螺合して締付けられている。このような構成の場合、カップ251に設けられたワッシャー状突起部251bの板面251baの面積によって、取り付け用アーム12の固定部12aとカップ251の内壁面251cとの接触面積を制御し、ワッシャー状突起部262bの板面262baの面積によって、取り付け用アーム12の固定部12aとナット262との接触面積を制御できる。これにより、音質の調整が容易となる。
図9(D)は、図7(A)を用いて説明した取り付け方法の他の変形例を説明するための断面図であり、図9(E)は、図9(D)の固定部212aの平面図であり、図9(F)は、図9(E)のIX−IX断面図である。
図9(D)の変形例では、ワッシャーを用いる代わりに、取り付け用アームの固定部の表裏面をワッシャー状に突起させ、その突起面の面積に応じて再現音の音質を調整する。すなわち、この例に用いられる取り付け用アーム12の固定部12aは、図9(D)〜(F)に示す固定部212aに置換される。固定部212aの一方の板面212ab側には、中空円の板面212eaを持つワッシャー状突起部212eが一体に突設され、固定部212aの他方の板面212ac側には、中空円の板面212faを持つワッシャー状突起部212fが一体に突設されている。ワッシャー状突起部212e,212fの板面212ea,212faは、それぞれ、固定部212aの板面212ab,212ac側の領域の一部のみに形成され、音響特性に応じた適当なものとなっている。そして、ワッシャー状突起部212eの板面212eaとワッシャー状突起部212fの板面212faとを貫通する貫通孔212aaが設けられている。この例では、カップ51の内壁面51cに固定部212aのワッシャー状突起部212eの板面212eaが対向配置され、カップ51の外壁面51b側から、ネジ61が、カップ51の貫通孔51a、及び固定部212aの貫通孔212aaを貫通している。そして、その先端部側からナット62が当該ネジ61に螺合し、固定部212aの板面212faに接触した状態で締付けられている。このような構成でも、ワッシャー状突起部212e,212fの板面212ea,212faの面積に応じて音質を定めることができ、音質の調整が容易となる。
[出力信号の合成]
上記のように打楽器用ピックアップ10が装着されたシンバルを打撃すると、その振動がカップから打楽器用ピックアップ10の取り付け用アーム12に伝達し、プレート11,13が共振して振動する。取り付け用アーム12やプレート11,13の振動は振動ピックアップ17a〜17e,18a〜18dで検出される。そして、取り付け用アーム12やプレート11に装着された振動ピックアップ17a〜17eから出力された電気信号の系列と、プレート13に装着された振動ピックアップ18a〜18dから出力された電気信号の系列とからなるステレオ信号が、出力ジャック15aから出力される。ここで、取り付け用アーム12やプレート11の振動の周波数スペクトラムは中低域に分布し、プレート12の共振周波数の振動は中高域に分布する傾向がある。そのため、振動ピックアップ17a〜17eから出力された電気信号の系列と、振動ピックアップ18a〜18dから出力された電気信号の系列とを、外部のミキサーで混合することにより、より広く平坦な周波数スペクトラムを得ることができる。その結果、より広い周波数帯域においてアコースティックな打撃音を再現することができる。
図10(A)は、図16に示した従来の打楽器用ピックアップ1000を20インチライドシンバル(孔あき消音シンバル)に装着し、このシンバルをクラッシュで叩いた時に打楽器用ピックアップ1000から出力される電気信号の周波数スペクトラム特性を例示するグラフである。また、図10(B)は、本形態の打楽器用ピックアップ10を20インチのライドシンバル(この例では、孔あき消音シンバル)に装着し、このシンバルをクラッシュで叩いた時に打楽器用ピックアップ10から出力される2系統の電気信号を加算した混合信号の周波数スペクトラム特性を例示するグラフである。図11(A)は、この際に打楽器用ピックアップ10の振動ピックアップ17a〜17eの系統(中低域系統)から出力される電気信号の周波数スペクトラム特性を例示するグラフであり、図11(B)は、打楽器用ピックアップ10の振動ピックアップ18a〜18dの系統(中高域系統)から出力される電気信号の周波数スペクトラム特性を例示するグラフである。いずれのグラフも横軸は周波数[Hz]を示しており、縦軸は信号の強度[dB]を示している。また、これらの周波数スペクトラム特性は電気信号を5秒間観測して得られたものである。
図10(A)(B)を比較すれば分かるように、本形態の打楽器用ピックアップ10で得られた電気信号の周波数スペクトラムは、従来の打楽器用ピックアップ1000で得られるそれよりも広い周波数に分布する。具体的には、100Hz以下の低域では、打楽器用ピックアップ1000で得られる電気信号のレベルが大きく減少するのに対し、本形態の打楽器用ピックアップ10の中低域系統では十分に大きなレベルの電気信号が得られている(図11(A))。また、2.0KHz以上の高域では、打楽器用ピックアップ1000で得られる電気信号のレベルが大きく減少するのに対し、本形態の打楽器用ピックアップ10の中高域系統では十分に大きなレベルの電気信号が得られている(図11(B))。よって、打楽器用ピックアップ10の2系統の電気信号を加算した混合信号の周波数スペクトラムは、100Hz以下の低域や2.0KHz以上の高域でも十分大きなレベルを保ち、従来の打楽器用ピックアップ1000で得られるそれよりも広い周波数に分布する。これより、本形態の打楽器用ピックアップ10では、打楽器の打撃音の周波数スペクトラムが広帯域に分布する場合であっても、それからアコースティックな打撃音を再現できることが分かる。
〔第2実施形態〕
次に、本発明の第2実施形態を説明する。
本形態は第1実施形態の打楽器用ピックアップの変形例である。第1実施形態との相違点は、本形態の打楽器用ピックアップが、介在部材とは別に、互いに対向する第1プレートの板面と第2プレートの板面との間に挟み込まれた弾性部材をさらに含み、この弾性部材によって音響特性を調整する点、及び、取り付け用アームの取り付け部分の形状を変更することで音響特性が調整された点である。
図12(A)は、第2実施形態の打楽器用ピックアップ310の透過平面図であり、図12(B)は、図12(A)のXII−XII断面図である。
この打楽器用ピックアップ310では、プレート11とプレート12との間に、さらにゴムなどの弾性部材313が固定されている。図12の例では、プレート11とプレート12と弾性部材313とに設けられた各貫通孔に、プレート12側からネジ314が挿入され、それがプレート11の貫通孔に螺合して締付けられている。これにより、弾性部材313がプレート11とプレート12との振動を抑制し、高域の共振ピークをなまらせ、その共振ピークに起因する耳障りな音を抑制できる。
また、ネジ314の締め付け量を変化させることで、弾性部材313とプレート11,13との接触面積や、弾性部材313からプレート11,13に加えられる圧力を変化させ、音質を調整することも可能である。同様な効果は、弾性部材313の大きさを変化させて弾性部材313とプレート11,13との接触面積を変化させたり、弾性部材313の厚みを変化させて弾性部材313からプレート11,13に加えられる圧力を変化させたりしても得られる。なお、ネジ314によって弾性部材313をプレート11,13に固定するのではなく、接着剤や両面粘着テープなどによって弾性部材313をプレート11,13に固定してもよい。
また、弾性部材313の取り付け位置は、図12で例示するように、プレート11に設けられた取り付け用アーム312の付け根部分であることが望ましい。このように、取り付け用アーム312の付け根部分に位置するプレート11,13の領域で弾性部材313を挟み込むことで、取り付け用アーム312を通じてプレート11に伝達された振動を、プレート11に伝達された直後に抑制することができる。これにより、他の周波数で別の急峻な共振ピークを発生させたり、レベルを下げたりすることなく、高域の共振ピークに起因する耳障りな音のみを抑制することができる。なお、このような位置に弾性部材313を取り付けることに併せて、配線用プリント基板19の取り付け位置を第1実施形態で説明した位置から変更してもよい(例えば、図12(A))。
また、打楽器用ピックアップ310の取り付け用アーム312は、その板面の短手方向の幅(プレート11からの取り付け用アーム312の突出方向と略垂直方向の板面幅)が、当該取り付け用アーム312の或る位置312a,312bからプレート11に接近するに従って広くなる形状に構成される。すなわち、取り付け用アーム312の先端部から当該位置312a,312bまでは当該板面の短手方向の幅は一定であり、当該位置312a,312bよりもプレート11側では当該板面の短手方向の幅はプレート11に接近するに従って拡大する。なお、位置312a,312bを結ぶ直線はプレート11の長手方向の側面11fと略平行である。このような構成にすることにより、取り付け用アーム312に伝達された振動の低域成分が弱めて中域成分を強調し、それによって再現された打撃音の低域成分を弱めて中域成分を強調することができる。このような効果は当該短手方向の幅の拡大量が大きいほど大きい。すなわち、取り付け用アーム312の先端部から当該位置312a,312bまでにおける、当該取り付け用アーム312の対向する一組の側面をそのままプレート11まで延長した仮想線と、位置312a,312bよりもプレート11側の取り付け用アーム312の両側面とが成す角度θ(図12(A)参照)が大きいほど、上述の効果は大きくなる。
〔第3実施形態〕
次に、本発明の第3実施形態を説明する。
本形態は第1実施形態の打楽器用ピックアップの取り付け用アームやプレートや介在部材の形状の変形例である。以下では第1実施形態との相違点のみを説明する。
図13(A)は、プレートや介在部材を変形した打楽器用ピックアップの変形例を説明するための透過平面図であり、図13(B)は、図13(A)のXIII−XIII断面図である。
図13の打楽器用ピックアップ410は、打楽器用ピックアップ10のプレート11,13が略円盤のプレート411,413(「第1,2プレート」に相当)に置換され、介在部材14が円盤形状の介在部材414に置換されたものである。また、プレート411,413には、それぞれ3つずつの貫通孔411a〜411c,413a〜413cが設けられ、介在部材414にも3つの貫通孔が設けられる。これらの3つずつの貫通孔は、プレート411,413及び介在部材414で孔位置がそれぞれ整合可能なように構成されている。なお、貫通孔411a〜411cの内壁にはネジ溝が設けられている。また、第1実施形態と同様、プレート411,413は銅成分を含む材質で構成され、介在部材414はプレート411,413と異なる材質(鉄成分を含む材質など)によって構成されている。
プレート411,413はそれぞれの板面を対向させて配置され、互いに対向するプレート411の板面の一部とプレート413の板面の一部との間に介在部材414が挟み込まれている。そして、プレート413の側から3つのネジ416a〜416cが、貫通孔413a〜413cと介在部材414の3つの貫通孔とを貫通し、さらに貫通孔411a〜411cに螺合して締付けられることで、介在部材414がプレート411,413の互いに対向する板面の一部に固定されている。
図14(A)〜(C)は、プレートや介在部材を変形した打楽器用ピックアップの他の変形例を説明するための透過平面図である。
図14(A)の打楽器用ピックアップ510は、打楽器用ピックアップ10のプレート11,13が上述した略円盤のプレート411,413に置換されたものである。また、図14(B)の打楽器用ピックアップ610は、図13の打楽器用ピックアップ410のプレート411,413が楕円状の2枚のプレート611,613に置換されたものである。また、図14(C)の打楽器用ピックアップ710は、打楽器用ピックアップ10のプレート11,13が楕円状の2枚のプレート611,613に置換されたものである。このような変形も適宜可能である。
また、図15(A)は、打楽器用ピックアップの取り付け用アームを第1プレートと一体に構成するのではなく、第1プレートと別体に構成した取り付け用アームを第1プレートに設けた構成を説明するための平面図である。また、図15(B)は、図15(A)のXV−XV断面図である。なお、図15では、取り付け用アームと第1プレートとそれらを結合するネジのみを示すが、実際はこれらが打楽器用ピックアップ10のプレート11及び取り付け用アーム12に置換されて打楽器用ピックアップが構成される。
図15に示すように、この変形例では、プレート811(「第1プレート」に相当)と取り付け用アーム812とが別体に構成され、それらがネジ812a,812bによって固定されている。このように、取り付け用アームと第1プレートとが別体であってもよい。
〔その他の変形例〕
なお、本発明は上述の実施の形態に限定されるものではない。例えば、振動ピックアップの少なくとも一部が、第1プレートの板面と第2プレートの板面の両方に固定された構成や、介在部材に固定された構成なども可能である。また、介在部材が、第1プレートや第2プレートの中心付近ではなく、辺縁部に配置される変形も可能である。さらに、第1プレートと第2プレートとが完全に対向するのではなく、それらの一部の領域のみが対向する構成も可能である。また、銅成分を含む3枚以上のプレートを設け、それらの間にそれぞれこれらのプレートと材質が異なる介在部材を介在させた構成も可能である。また、本形態の打楽器用ピックアップは、シンバルだけではなくドラム等の他の打楽器にも利用可能である。また、上述の実施形態では、固定部材としてナットを用いる構成を例示したが、固定部材として取付金具や回転防止金具等を用いてもよい。
本発明は電子打楽器に利用できる。
第1実施形態の打楽器用ピックアップの斜視図。 第1実施形態の打楽器用ピックアップの分解図。 (A)は第1実施形態の打楽器用ピックアップの平面図であり、(B)はその正面図であり、図3(C)はその右側面図である。 (A)は第1実施形態の打楽器用ピックアップの背面図であり、(B)はその底面図であり、(C)は(A)のIV−IV断面図である。 (A)(B)は、プレートの板面に固定された振動ピックアップを説明するための図である。 (A)は、シンバルとそれに装着された打楽器用ピックアップとを含む電気打楽器の平面図であり、(B)は、(A)のVI−VI断面図である。 (A)は、シンバルに打楽器用ピックアップが取り付けられた様子を説明するための断面図であり、(B)は(A)のワッシャーの斜視図であり、(C)はその平面図であり、(D)はそのVII−VII断面図である。 図8(A)〜(C)は、図7(A)を用いて説明した取り付け方法の変形例を説明するための断面図である。 図9(A)は、図7(A)を用いて説明した取り付け方法の他の変形例を説明するための断面図であり、図9(B)は、図9(A)のナットの斜視図であり、図9(C)は、図9(A)のカップに内壁面側を説明するための底面拡大図である。図9(D)は、図7(A)を用いて説明した取り付け方法の他の変形例を説明するための断面図であり、図9(E)は、図9(D)の固定部の平面図であり、図9(F)は、図9(E)のIX−IX断面図である。 (A)は、従来の打楽器用ピックアップから出力される電気信号の周波数スペクトラム特性を例示するグラフである。また、(B)は、本形態の打楽器用ピックアップから出力される混合信号の周波数スペクトラム特性を例示するグラフである。 (A)は、打楽器用ピックアップ10の中低域系統から出力される電気信号の周波数スペクトラム特性を例示するグラフであり、(B)は、中高域系統から出力される電気信号の周波数スペクトラム特性を例示するグラフである。 (A)は、第2実施形態の打楽器用ピックアップの透過平面図であり、(B)は(A)のXII−XII断面図である。 (A)は、プレートや介在部材を変形した打楽器用ピックアップの変形例を説明するための透過平面図であり、(B)は、(A)のXIII−XIII断面図である。 (A)〜(C)は、プレートや介在部材を変形した打楽器用ピックアップの他の変形例を説明するための透過平面図である。 (A)は、第1プレートと別体に構成した取り付け用アームを第1プレートに設けた構成を説明するための平面図であり、また、(B)は(A)のXV−XV断面図である。 (A)は、従来の打楽器用ピックアップの平面図であり、(B)は、その正面図である。
符号の説明
10,310,410,510,610,810 打楽器用ピックアップ
100 電子打楽器

Claims (5)

  1. 銅成分を含む金属板である第1プレートと、
    前記第1プレートに設けられた取り付け用アームと、
    銅成分を含む金属板であって、その一方の板面を前記第1プレートの一方の板面に対向させた第2プレートと、
    前記第1及び第2プレートと異なる材料からなり、互いに対向する前記第1プレートの板面の一部と前記第2プレートの板面の一部との間に挟み込まれ、当該両板面に固定された介在部材と、
    前記第1プレートの板面及び/又は前記第2プレートの板面に固定された1以上の振動ピックアップと、
    を含む打楽器用ピックアップ。
  2. 請求項1の打楽器用ピックアップであって、
    前記第1プレートの板面に固定された振動ピックアップと、前記第2プレートの板面に固定された振動ピックアップと、の両方を含む、
    ことを特徴とする打楽器用ピックアップ。
  3. 円盤状の金属板によって構成され、中央にカップ形状の突き出し部であるカップを含むシンバルと、
    銅成分を含む金属板である第1プレートと、前記第1プレートに設けられた取り付け用アームと、銅成分を含む金属板であり、その一方の板面を前記第1プレートの一方の板面に対向させた第2プレートと、前記第1及び第2プレートと異なる材料からなり、互いに対向する前記第1プレートの板面の一部と前記第2プレートの板面の一部との間に挟み込まれ、当該両板面に固定された介在部材と、前記第1プレートの板面及び/又は前記第2プレートの板面に固定された1以上の振動ピックアップと、を含む打楽器用ピックアップと、を含み、
    前記振動ピックアップが前記シンバルに触れることなく、前記取り付け用アームの一部である固定部が前記カップに固定された、
    ことを特徴とする電気打楽器。
  4. 請求項3の電気打楽器であって、
    選択されたワッシャーが、その一方の板面を前記カップの内壁面に対向させ、他方の板面を前記取り付け用アームに対向させ、前記カップの内壁面と前記取り付け用アームとの間に挟み込まれ、
    前記カップには第1孔が設けられ、前記ワッシャーには第2孔が設けられ、前記取り付け用アームには第3孔が設けられ、
    前記第1、第2及び第3孔を貫通したネジの先端部側から固定部材が当該ネジに螺合して締付けられているか、又は、前記カップ側から前記第1及び第2孔を貫通したネジが前記第3孔に螺合して締付けられているか、又は、前記取り付け用アーム側から前記第3及び第2孔を貫通したネジが前記第1孔に螺合して締付けられていることで、前記取り付け用アームの固定部が前記カップに固定され、
    選択された前記ワッシャーの板面面積の違いによって、前記シンバルを打撃した際に前記振動ピックアップから出力される電気信号が変化する、
    ことを特徴とする電気打楽器。
  5. 請求項4の電気打楽器の調整方法であって、
    前記ワッシャーを選択するステップと、
    選択した前記ワッシャーを、その一方の板面を前記カップの内壁面に対向させ、他方の板面を前記取り付け用アームに対向させ、前記カップの内壁面と前記取り付け用アームとの間に挟みこむステップと、
    前記第1、第2及び第3孔を貫通したネジの先端部側から固定部材を当該ネジに螺合させて締付けるか、又は、前記カップ側から前記第1及び第2孔を貫通したネジを前記第3孔に螺合させて締付けるか、又は、前記取り付け用アーム側から前記第3及び第2孔を貫通したネジを前記第1孔に螺合させて締付けることで、前記取り付け用アームの固定部を前記カップに固定するステップと、
    前記シンバルを打撃して前記振動ピックアップから電気信号を出力させるステップと、を含み、
    選択した前記ワッシャーの板面面積の違いによって、前記シンバルを打撃した際に前記振動ピックアップから出力される電気信号を変化させる、
    ことを特徴とする調整方法。
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