JP5194215B2 - パチンコ機 - Google Patents
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Description
また、上記問題の解決にあたり、熱の影響を受けにくい、すなわち熱変形しにくい合成樹脂の採用も考えられるが、そのような合成樹脂は比較的高価である上、加工性に劣り遊技盤の作製には不向きである等といった問題がある。
また、上記目的を達成するために、本発明のうち請求項2に記載の発明は、前面に遊技球が流下する遊技領域を形成した合成樹脂製の板状部材からなる遊技盤を設置するとともに、前記遊技盤の後方に表示装置を設置したパチンコ機であって、前記遊技盤の前面及び後面で前記遊技領域の外側となる位置に凹溝又は切り欠き状の段部を形成して、前記遊技盤の前面及び後面において前記遊技領域を含む各連続した平面部の面積を、前記遊技盤の前面全体又は後面全体の面積よりも夫々小さくすることによって、温度変化に伴う前記遊技盤の熱変形量を抑制可能とするとともに、前記表示装置が生じた熱により前記遊技盤の前方と後方とで温度差が生じた際、前記遊技盤の前面側と後面側との熱変形量に差が出ないように、前記遊技盤の後面側の平面部を前記遊技盤の前面側の平面部よりも小形としたことを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の発明において、前記平面部が正面視で略円形となるように、前記凹溝又は前記切り欠き状の段部を形成したことを特徴とする。
尚、請求項1及び2における熱変形量とは、合成樹脂が有する固有の熱膨張係数を用いて算出可能な2点間の距離の増減量のことを言い、温度が高くなる際の変形量は膨張量となり、温度が低くなる際の変形量は収縮量となる。
また、請求項2に記載の発明によれば、遊技盤の後面側の平面部を遊技盤の前面側の平面部よりも小形としている。したがって、表示装置が生じた熱により遊技盤の前方と後方とで温度差が生じた際、すなわち遊技盤の後方側が前方側よりも高温になった際、遊技盤の前面側と後面側との熱変形量に差が出ず、遊技盤に生じる反りを抑制することができる。
さらに、請求項3に記載の発明によれば、平面部が正面視で略円形となるように、凹溝又は切り欠き状の段部を形成しているため、各平面部の周縁において膨張又は収縮による歪みを無理なく逃がすことができ、遊技盤が撓む事態を抑制することができる。
まず、本発明の第1実施例となるパチンコ機1について説明する。
図1は、第1実施例となるパチンコ機1を正面から示した説明図である。また、図2は、パチンコ機1の遊技盤2を正面から示した説明図であり、図3は、遊技盤2のみを正面から示した説明図である。
パチンコ機1は、遊技盤2の前面に形成された遊技領域2a内へ遊技球を打ち込み、遊技領域2a内を流下させて遊技するものであって、遊技盤2は、支持体として機能する機枠3の前面上部に、金属製のフレーム部材であるミドル枠(図示せず)を介して設置されている。また、遊技盤2の前方には、ガラス扉を嵌め込み設置してなる前扉4が、左端縁を軸として片開き可能に機枠3に蝶着されており、該前扉4によって閉塞される遊技盤2の前方空間(遊技盤2の前面)に遊技領域2aは形成されている。さらに、遊技領域2aは、円弧状に配設された外レース5及び内レール6等によって囲まれており、両レール5、6間が遊技球を遊技領域2a内へ打ち込むための発射通路とされている。
加えて、遊技盤2の後面には、「図柄」を図柄表示領域11に表示させるとともに遊技領域全体を映像表示画面として種々の映像を表示する大型の液晶表示装置、遊技に係る制御(たとえば、所謂「大当たり抽選」や液晶表示装置における表示制御等)を行う制御装置等が設置されている。
遊技盤2は、合成樹脂(たとえば、アクリル樹脂)からなる正面視略方形の板状体である。当該遊技盤2の前面には、幅4mm、深さ4mmの第1凹溝21が、遊技盤2の略中央を中心とした半径R1の円周に沿って刻設されており、第1凹溝21内側を第1平面部(連続した平面部)2bとしている。そして、第1平面部2b内に、外レール5や内レール6が取り付けられて遊技領域2aが形成されるとともに、遊技領域2a内にステージ部材12や遊技釘14等の各種遊技部材が取り付けられる。一方、遊技盤2の後面には、幅4mm、深さ4mmとされた第2凹溝22が、第1凹溝21と同心円で且つ小径となる半径R2の円周に沿って刻設されており、該第2凹溝22内側を第2平面部(連続した平面部)2cとしている。そして、第2平面部2c後方位置に、液晶表示装置等が設置される。尚、23は、ミドル枠への取付部であって、第1平面部2b外に設けられている。また、第2凹溝22は第1凹溝21よりも小径な円周に沿って形成されているものの、第1凹溝21同様、遊技領域2a外に位置するよう設けられている。
次に、本発明の第2実施例となるパチンコ機について説明する。
該第2実施例となるパチンコ機の全体的な構成は、上記第1実施例のパチンコ機1と略同様であり、ここでは構成の異なる遊技盤40について詳述する。図4は、第2実施例となる遊技盤40を正面から示した説明図であり、図5は、遊技盤40の板状部材41を正面から示した説明図である。尚、図4及び図5では、上記第1実施例と同じ構成要素については同じ符号を付している。
土台部材41は、左上部材41a、左下部材41b、右下部材41c、及び右上部材41dを連結してなる環状部材であって、各部材の内周縁側には、板状部材42を嵌め込むための嵌め込み段部が凹設されている。また、土台部材41を構成する各部材の嵌め込み段部内には、板状部材42を位置決めするためのボス部43、43・・が突設されている。さらに、左上部材41a及び右上部材41dには、嵌め込み状態にある板状部材42の脱落を防止するための係止片44が夫々突設されている。
さらに、遊技盤40では、略正円状のボス受け部47bから鉛直上方で、遊技領域を挟んだ位置に上下方向へ長い長円状のボス受け部47aを設けている。したがって、ボス受け部47bを中心として放射状に拡がる膨張又は収縮による歪みを、ボス受け部47aにおいて無理なく逃がすことができ、遊技盤40に生じる撓みを抑制することができる。
また、第2実施例の遊技盤40の後面に、第1実施例の遊技盤2と同様、第3凹溝45よりも内側位置に第4凹溝を設けてもよい。当該第4凹溝を設けることによって、遊技盤40の前面と後面とでの温度差に起因する反りの抑制が可能となる。
加えて、凹溝や切り欠き状の段部を設けるにあたっては、その幅や深さ等を適宜変更してよいことは言うまでもなく、遊技盤の後面側にのみ凹溝等を設けるようにしてもよいし、遊技盤を成形する合成樹脂も上記実施形態に記載の合成樹脂に何ら限定されることはない。
Claims (3)
- 前面に遊技球が流下する遊技領域を形成した合成樹脂製の板状部材からなる遊技盤を設置したパチンコ機であって、
前記遊技盤の前面又は後面で前記遊技領域の外側となる位置に凹溝又は切り欠き状の段部を形成して、前記遊技盤において前記遊技領域を含む連続した平面部の面積を、前記遊技盤の前面又は後面全体の面積よりも小さくすることによって、温度変化に伴う前記遊技盤の熱変形量を抑制可能としたことを特徴とするパチンコ機。 - 前面に遊技球が流下する遊技領域を形成した合成樹脂製の板状部材からなる遊技盤を設置するとともに、前記遊技盤の後方に表示装置を設置したパチンコ機であって、
前記遊技盤の前面及び後面で前記遊技領域の外側となる位置に凹溝又は切り欠き状の段部を形成して、前記遊技盤の前面及び後面において前記遊技領域を含む各連続した平面部の面積を、前記遊技盤の前面全体又は後面全体の面積よりも夫々小さくすることによって、温度変化に伴う前記遊技盤の熱変形量を抑制可能とするとともに、
前記表示装置が生じた熱により前記遊技盤の前方と後方とで温度差が生じた際、前記遊技盤の前面側と後面側との熱変形量に差が出ないように、前記遊技盤の後面側の平面部を前記遊技盤の前面側の平面部よりも小形としたことを特徴とするパチンコ機。 - 前記平面部が正面視で略円形となるように、前記凹溝又は前記切り欠き状の段部を形成したことを特徴とする請求項1又は2に記載のパチンコ機。
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