JP5192212B2 - 鱗片状光輝性材料 - Google Patents

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Description

この発明は、可視光を効果的に反射させる光輝性材料に関する。
ファンデーションやマスカラ、アイシャドーや口紅といった化粧料には、肌を綺麗に輝いて見せることを目的として、可視光を反射、散乱させることができる光輝性のフィラーを含めたものがある。
このような光輝性フィラーには、雲母片、鱗片状ガラス、及びそれらを二酸化チタンや酸化鉄等の金属酸化物又は銀等で被覆した被覆物、グラファイト片粒子酸化物、アルミニウム粉末などの無機素材や、ナイロン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレートなどの合成高分子が用いられている。これらを単独で用いたフィルムや、これらを積層した積層フィルムを粉砕したものを、化粧料に含有させて用いられている。特に合成高分子は、無機素材を用いる場合よりも塗布時の感触が柔らかいという利点がある。
具体的には、例えば、特許文献1には、雲母、シリカ、二酸化チタン、ナイロン、ポリエチレン、メタクリレート、ポリスチレン等を顔料として含む化粧品組成物が記載されている。また、合成高分子を化粧料に含有させた例として、スチレン類、メタクリル酸エステル類、アクリル酸エステル類を用いた例が特許文献2に記載されている。
しかし、雲母片は外観色が透明よりは白色に近いために、化粧料顔料として用いると透明性が十分でなく、色素を含有する金属酸化物ゲルで被覆しても、鮮明な色調は得られなかった。また、鱗片状ガラスは断面が露出するために、含まれるアルカリ成分が拡散するという問題があり、その他の無機素材も透明性が不十分なものがほとんどであった。
一方、合成高分子のうち、従来から化粧料に多用されてきたナイロン等は透明であるが白色を呈しやすく、特に外観の透明性が高い化粧料中では化粧料が白濁して、外観、化粧膜共に不透明さを与えてしまうという欠点があった。さらに、合成高分子を用いたフィラーは、人肌に対する親和性が低いという問題点があり、疎水性の合成高分子でその問題は特に顕著である。
これに対して、フィラーの素材としてセルロース樹脂を用いると、セルロース樹脂は親水性であるために、人肌に対する親和性が合成高分子よりも高く、かつ、上記の無機素材よりも透明性を確保しやすいため、化粧料に好適である。
一方、セルロース樹脂を化粧料用の板状粉末として用いた例が特許文献3に記載されており(請求項1等)、具体的な方法としてセルロース樹脂をフィルム状とした後に染色し、その後裁断等で粉末化する旨が記載されている(特許文献3段落[0013])。
また、セルロース樹脂からなるセロファン樹脂を、光輝性フィラーとしてではなく、化粧品に顔料を付与するための担体として用いる旨が、特許文献4に記載されている(第3頁左欄11〜18行目)。
特表2004−502714号公報 特開2004−2274号公報 特開2004−346026号公報 特許3482204号公報
しかしながら、セルロース樹脂を化粧用顔料として用いると、肌への親和性と安全性は、従来用いられていた合成高分子や無機素材に比べて高くなるものの、単にそれだけでは肌に輝きを付与する光輝性材料としては不十分であり、明るく透明感のある外観を呈することが難しかった。
一方、特許文献3では、セルロース樹脂を化粧品に用いる旨が記載されているが、あくまで、特定の染色材料で染色させるための担体としての利用であり、セルロース自体を光輝性材料として用いることは検討されておらず、そのために適した大きさなども検討されていなかった。その形状も球状、不定形、フィルム状などが列挙されているのみであり(特許文献3段落[0015])、セルロース樹脂をセロファンに加工した上で用いることはまったく検討されていなかった。
一方、特許文献4ではセロファン樹脂を化粧品に使用する旨が記載されているが、これはあくまで顔料を化粧品に付与するための担体としての利用であり、セロファン自体の特性を利用してそれ単独で化粧品に光輝性効果を付与する材料として用いることはまったく想定されておらず、光輝性材料として用いるのに求められる大きさや形状の条件は一切検討されていなかった。
そこでこの発明は、セルロース樹脂を用いて親水性と安全性を高めただけでなく、可視光吸収を小さく、かつ可視光を効果的に散乱させて透明感のある外観を与えることができる光輝性鱗片状材料を提供することを目的とする。
この発明は、高分子材料としてセロファンを用い、これを平均粒子径40μm以上2mm以下、厚さが5μm以上50μm以下、及び平均アスペクト比が2以上200以下としたフィルム片からなる鱗片状光輝性材料により、上記の課題を解決したのである。
セルロース樹脂を加工して得られるセロファンは親水性であり、薄いフィルム状である。これを上記の粒径及びアスペクト比としたフィルム片は、形状及び物性の点からもごろつき感が少なく、肌への親和性を十分に確保することができる。なおかつ、セロファンフィルム自体が高い透明性を有し、また、これを上記の大きさ及び形状に粉砕すると、凝集が起こりにくく、効果的に可視光を散乱させることができるので、化粧料として肌に付与することで十分な光輝感を発揮させることができる光輝性材料として用いることができる。また、化粧料に限らず、人体以外に用いる塗料に含める事でも、同様に光輝感を発揮させることができる。ただし、特に化粧料以外の塗料に用いても、光輝性を付与する効果は発揮される。
また、このフィルム片を、別の顔料、染料、又は金属などによって着色すると、光輝性とともに別の色合いを出すことができ、化粧料としての外観を適宜調整することができる。
また、セロファンをフィルム片とする前に、別の顔料や染料を含有させたビスコースを塗工し、ビスコースからセルロースを再生させることで、着色されたセルロース層をフィルム上に形成させ、それから粉砕してフィルム片とすると、顔料や染料によって綺麗に着色されたフィルム片を得ることができ、このフィルム片によって光輝性とともに別の色合いを出して、外観を適宜調製することができる。
一方、このフィルム片にポリオール、尿素などの柔軟剤を添加すると、化粧料として用いる際の感触を柔らかくすることができる。ただし、目元に用いる化粧料としては、柔軟剤を含まないものが好ましい。この柔軟剤は、フィルム製造時に添加しても良いし、染色工程後に付与しても良い。
また、平均粒子径を50〜300μm、厚さを5〜50μm、平均アスペクト比を2〜60とすると、化粧料に適した感触と外観を得ることが出来る。さらに、平均粒子径を50〜200μm、厚さを10〜50μmとすると、特に顔に用いる化粧料に適した感触と外観を得ることができる。一方で、メジアン粒径を50〜500μmとし、厚さを10〜50μmとすると、顔以外の箇所に用いる化粧料に適した感触と外観を得ることができる。
上記のようなフィルム片は、セロファンのフィルムを適確な条件で粉砕することによって得ることができる。
この発明にかかる鱗片状光輝性材料を化粧料に含めて用いると、鱗片状光輝性材料は、肌への親和性が高く、肌に塗布しやすいものであり、かつ、塗布した肌において鱗片状光輝性材料が可視光を散乱させて、肌を綺麗に見せることができる。また、塗料や樹脂組成物に混合して用いることで、それらを用いた物品に、光輝感を与えることができる。
以下、この発明について詳細に説明する。この発明は、セロファンを所定の大きさ及び形状としたフィルム片からなる、化粧料に用いる鱗片状光輝性材料である。セロファンはフィルムであり、そのフィルムを粉砕、裁断等により所定の大きさ及び形状とすることにより、上記フィルム片を得ることができる。
上記セロファンとしては、一般的なセロファンフィルムを用いてよい。ただし、後述する着色を施すために、一般的なセロファンフィルムにビスコースを塗工した後、そのビスコースをセルロースに再生させることによって、フィルム上にさらにセルロース層を重ねたものでもよい。
上記粉砕物の好ましい大きさは、下記の平均粒子径、厚さ、平均アスペクト比による。なお、平均粒子径とは、JIS K 0069に準拠し、標準篩により分級し、その上下の目開き径の平均を粒径とした上で、それぞれの重量の積算が50%となる部分の粒径を、平均粒子径とした。また、厚みは粉砕したフィルムの厚さそのままである。さらに、平均アスペクト比は、平均粒子径を厚さで割った値である。
この発明にかかる鱗片状光輝性材料の上記平均粒子径は、40μm以上であると好ましく、50μm以上であるとより好ましい。40μm未満であると、鱗片状である上記粉砕物が凝集し易いために可視光の散乱が生じにくくなったり、鱗片状である材料の厚みに垂直な平面がランダムな方向を向いてしまう他、反射面が小さくなり、かつアスペクト比が下がって球体に近づくために、個々の粒子が放つ反射光が弱くなって、光輝感が損なわれる場合がある。一方、平均粒子径は2mm以下であるとよく、500μm以下であると好ましく、300μm以下であるとより好ましい。2mmを超えると、フィラーとして配合する際に鱗片状の粒子である上記粉砕物がさらに破砕されやすくなってしまう。また、化粧料に配合した場合には、300μmを超えるとごろつき感が生じるなどその使用感を劣化させてしまうためである。
次に、この発明にかかる鱗片状光輝性材料の上記の厚さは5μm以上であると好ましく、10μm以上であるとより好ましい。厚さが5μm未満のフィルムは製造が困難で、必要以上に破砕されやすいという問題を生じる。一方で、厚さは50μm以下であると好ましく、30μm以下であるとより好ましい。厚さが50μmを超えると、塗膜表面に凹凸が形成されて、その見栄えを悪化させてしまったり、化粧料に配合した場合にごろつき感を生じたりして使用感を劣化させてしまう場合がある。
セロファンにビスコースを塗工する場合は、再生されるセルロースの塗工厚は0.01μm以上10μm以下であり、3μm以下であると好ましい。薄すぎるとほとんど着色の効果が発揮されなくなってしまい、厚すぎると見栄えが悪くなる場合がある。なお、ビスコースを塗工する場合の、塗工後のフィルム全体の厚みは、上記の鱗片状光輝性材料の好ましい厚さと同じである。
さらに、この発明にかかる鱗片状光輝性材料の上記の平均アスペクト比は、2以上200以下であると好ましく、2以上60以下であるとより好ましい。平均アスペクト比が1に近づくと、球状粒子としての特徴が現れ始め、凝集を起こしやすくなってしまう。一方、平均アスペクト比が200を超えるとフィラーとして配合する際に破砕されやすくなってしまう。特に、化粧料として用いる場合は、60以下であることが好ましい。
上記セロファンを上記の大きさ、形状のフィルム片とするにあたっては、特に粉砕方法についての制限はないが、フィルム片の表面に傷が付かない、又は付きにくい方法であると好ましい。このような粉砕ができる粉砕機としては、カッティング方式の粉砕機が好ましく、例えば、ホーライ(株)製のメッシュミルHAシリーズや、FGシリーズ、(株)マツボー製ターボカッターシリーズ、三井鉱山(株)製CSカッタシリーズ、槙野産業(株)製RCシリーズ等が例示される。この中でも固定刃及び回転刃が鋭角になっているものが好ましく、特にヘリカルカッタータイプが好ましく、ホーライ(株)製のFGタイプが例示される。
この発明にかかる鱗片状光輝性材料は、輝いて見える光輝性材料としての効果を十分に発揮させるために、デジタル変角光沢計で入射角45°受光角45°での反射率が6%以上、好ましくは8%以上、更に10%以上であることがより好ましい。反射率が6%未満であると、上記化粧料用鱗片状光輝性材料によって反射する光が不十分となり、光輝性材料として輝いて見える効果が不十分なものとなってしまうためである。これらの条件は、用いるセロファンの物性と、フィルム片を得る際の工程を調整することで得ることができる。
この発明にかかる鱗片状光輝性材料は、用途に応じて上記フィルム片を着色したものでもよい。この着色は、セロファン自体の製造時に、着色成分を添加する方法や、製造後にフィルムを染色、被覆させる方法、粉砕して鱗片状にした後に染色、被覆させる方法などで行うことができる。ただし、セロファンを水性の直接染料や酸性染料等で染色すると、堅牢度が低いものとなってしまう。また、水不溶性の顔料分散液をコーティングしても、セルロースを綺麗に着色することは難しい。これに対し、着色料を添加したビスコースをセロファン上に塗工した後、そのビスコースからセルロースを再生させて、着色されたセルロース層を元のセロファン上に形成させることで着色し、その後粉砕してフィルム片とする方法であると、堅牢度が高く、均一に着色させることができる。
この方法の場合、ビスコースに含ませる着色料の含有率は、0.0001%以上であるとよく、0.01%以上であると好ましい。一方で、20%以下であるとよく、より好ましくは、10%以下である。少なすぎると着色が不十分となり、濃すぎると透明性が落ちてしまい光輝性が低下してしまうおそれがある。また、ビスコース中のセルロース濃度は、0.5質量%以上であるとよく、1質量%以上であると好ましい。一方で、13質量%以下であるとよく、8質量%以下であるとより好ましい。薄すぎると塗工量が不十分となり、濃すぎるとうまく塗工できなくなってしまうためである。さらに、ビスコースを塗工したことでセロファン上に再生されるセルロースの着量は、0.01g/m以上であるとよく、0.1g/m以上であると好ましい。一方で、15g/m以下であるとよく、5g/m以下であると好ましい。薄すぎると着色効果が得られず、厚すぎると感触が悪くなってしまうおそれがある。
上記の着色には、セロファンの基本構造であるセルロースに対して使用可能な染料、顔料等であれば特に制限はないが、化粧料に用いる場合の有機顔料としては、例えば、赤色2号、赤色3号、赤色102号、赤色104号(1)、赤色105号(1)、赤色106号、黄色4号、黄色5号、緑色3号、青色1号、青色2号、赤色201号、赤色213号、赤色214号、赤色215号、赤色227号、赤色230号(1)、赤色230号(2)、赤色231号、赤色232号、橙色205号、橙色207号、黄色203号、緑色201号、緑色204号、緑色205号、青色202号、青色203号、青色205号、褐色201号、赤色401号、赤色502号、赤色503号、赤色504号、赤色506号、橙色402号、黄色402号、黄色403号(1)、黄色406号、黄色407号、緑色401号、緑色402号、紫色401号、黒色401号、等の、水溶性のタール系色素、赤色202号、赤色218号、赤色223号、赤色226号、赤色228号、橙色201号、黄色201号、黄色205号、青色201号、青色204号、紫色201号、赤色404号、赤色405号、橙色401号、黄色401号、黄色404号、黄色405号、青色403号、青色404号などのタール系色素が挙げられる。また、染料としては、クチナシ色素、ベニバナ色素、ウコン色素、パプリカ色素、アナトー色素、コチニール色素等の天然色素、酸性、塩基性色素、及び分散染料等が挙げられる。また、これらの着色料は1種又は2種以上を併用して使用することが可能である。さらに、上記のビスコースに含ませる上記着色料としては、ビスコース中で安定な顔料を用いると好ましい。そのような着色料としては、青色404号、黄色226号、赤色404号、赤酸化鉄、黒酸化鉄、酸化クロム、酸化チタン等が例示される。また、ビスコースはセルロースを溶解した溶液であることから、塗工するとセロファン表面との界面が強固となり、その結果着色層の剥離強度に優れたものが得られる。
また、鱗片状光輝性材料を着色するために金属、金属酸化物を混合・被覆する方法は、特に限定されるものではなく、例えば、製膜時に添加したり、スパッタリング法、ゾルゲル法、CVD号、又はLPD法などの公知の方法を利用することができる。着色に用いる金属としては、金、銀、白金、アルミ、パラジウム、チタン、コバルト、ニッケルや、それらの合金が挙げられる。また、着色に用いる金属酸化物は、前記の金属又は合金の金属酸化物としたものや、酸化チタン、酸化鉄、酸化ジルコニウム、アルミナなどが挙げられ、それらを併用してもよい。
この発明にかかる鱗片状光輝性材料を含む化粧料には、この発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じて各種の成分を含んでいてよい。この各種の成分としては、例えば、油性成分、化粧用粉体、水性成分、界面活性剤、紫外線吸収剤、保湿剤、皮膜形成剤、褐色防止剤、酸化防止剤、消泡剤、美容成分、防腐剤、香料などの各種の効果を発揮する成分であり、必要とする効果に合わせて適宜配合して用いることができる。
この発明にかかる鱗片状光輝性材料を用いる化粧料の具体的な種類としては、フェイシャル化粧料、メーキャップ化粧料、ヘア化粧料等が挙げられる。これらの中でも、特に化粧下地、粉白粉などのファンデーション、アイシャドー、ブラッシャー、ネイルエナメル、アイライナー、マスカラ、口紅、ファンシーパウダーなどのメーキャップ化粧料に、特に好適に使用できる。化粧料の形態は特に限定されるものではなく、例えば、粉末状、ケーキ状、ペンシル状、スティック状、軟膏状、液状、乳液状、クリーム状などが挙げられる。
また、この発明にかかる鱗片状光輝性材料は、化粧料以外にも、塗料やインク、樹脂に混合することで、その他の物品に光輝性を与えることができる。塗料として用いる対象は例えば、自動車やオートバイ、自転車などの外装用、建材、瓦、家具、家庭用品、容器、事務用品、スポーツ用品などが挙げられ、これら種々の物品の塗装に用いることで、それらの物品の表面に光輝性を与えることができる。また、インクに混合して用いた場合には、包装パッケージ、包装紙、壁紙、クロス、化粧板、テキスタイル、各種フィルム、ラベルなどに光輝性を与えることができる。さらに、上記鱗片状光輝性材料を樹脂組成物に混合してから成形品とすることで、化粧料用容器、食品容器、壁装材、床材、家電製品、アクセサリ、文房具、玩具、浴槽、バス用品、スポーツ用品、トイレ用品などの成形品に、光輝性を与えることができる。
以下、この発明について実施例を挙げてさらに詳細に説明する。それぞれの鱗片状光輝性材料の評価としては、反射率を測定し、キラキラ感を判定した。このうち、キラキラ感とは、光を当てて見たときに光の反射により輝いて見えるものを○として評価した。また、反射率の測定は、JIS Z8741を参考にデジタル変角光度計(スガ試験機(株)製「UGV−5D」)を用いて測定した。透明エバーセルOPPテープ(No.820EV、積水化学(株)製)表面にセロファン片を固着させサンプルとし、試験面に対して45°の入射角で一定の光束を照射し、鏡面反射方向に反射する光束の強さを受光器で測定した。そして、予め測定した標準面における反射光の強さを基準にして反射率を求めた。
(実施例1)
セロファンフィルム(レンゴー(株)製:#300番、厚さ20μm)を用意し、ヘリカルカッター型粉砕機((株)ホーライ製:FG−2060、スクリーン径1.5mmφ)を用い粉砕した。得られた鱗片状光輝性材料の平均粒子径は256μmであり、平均アスペクト比は13であった。また、反射率とキラキラ感について、表1に示す。
Figure 0005192212
参考例1
実施例1において、元の材料をセロファンフィルム(レンゴー(株)製:#600番、厚さ40μm)に変更し、粉砕機の粉砕時のスクリーン径を2mmφに変更した以外は同様の手順で行い、平均粒子径が363μm、平均アスペクト比が9の鱗片状光輝性材料を得た。その評価結果を表1に示す。
参考例2、実施例2〜4・比較例1)
実施例1で得られた鱗片状光輝性材料を、JIS K 0069に準拠し、標準篩により分級して、表1に示す平均粒子径及び平均アスペクト比である鱗片状光輝性材料とした。その評価結果を表1に示す。
参考例3
セロファンフィルム(レンゴー(株)製:#300番、厚さ20μm)を、フードプロセッサー((株)山善製:ミルミキサー、MR−280)で1分間粉砕し、平均粒子径が463μm、平均アスペクト比23の鱗片状光輝性材料を得た。その評価を表1に示す。
参考例4
実施例1において、用いる粉砕機をカッターミル((株)ホーライ製:M−E型、スクリーン径1mmφ)にした以外は同様の手順により、平均粒子径400μm、平均アスペクト比20の鱗片状光輝性材料を得た。その評価を表1に示す。
(実施例
実施例1において、元の材料をセロファンフィルム(レンゴー(株)製:#300番(柔軟剤フリー)、厚さ20μm)にした以外は、同様に粉砕を行い、その後篩にて粒子径が75〜300μmのものを回収して、平均粒径が225μm、平均アスペクト比が11の鱗片状光輝性材料を得た。その評価を表1に示す。
(比較例2)
鱗片状ではない微結晶セルロース(Avicel、E.Merck Darmstadt社製)の反射率及びキラキラ感を実施例1と同様に評価した。その結果を表1に示す。
(比較例3)
鱗片状ではなく、繊維状のセルロース粉末(KCフロックW−50GK、日本製紙ケミカル(株)製、繊維長210μm、太さ10〜20μm)の反射率及びキラキラ感を実施例1と同様に評価した。その結果を表1に示す。
参考例5〜7
着色料としてそれぞれ表2に示す水性染料の1質量%水溶液を調製し、そこに上記のセロファンフィルム(#300番)を5分間浸して染色した。水溶液から引き上げたセロファンフィルムを1分間流水で洗い、70℃で1時間乾燥させた後、参考例3と同様に粉砕して、鱗片状光輝性材料とした。その評価結果を表2に示す。
Figure 0005192212
(実施例6,7
実施例1で得られた粉砕した鱗片状光輝性材料を、表2に示すそれぞれの着色料の1質量%染料溶液に10分間浸漬させて染色させた後、濾過、水洗を行い、40℃で1晩かけて乾燥させた。その評価結果を表2に示す。
(実施例8,9
実施例1で得られた粉砕した鱗片状光輝性材料を、表2に示すそれぞれの着色料の1質量%顔料スラリーに、攪拌しつつ10分間浸漬させた。その後ネットに入れて20分間水洗し、40℃で1晩かけて乾燥させた。その評価結果を表2に示す。
参考例8
着色料として青色404号(TL−500Blue−R,大日精化工業(株)製)を使用し、ビスコース(レンゴー(株)製、セルロース含有量2質量%)に、濃度0.1質量%となるように混合させた。この顔料混合ビスコースをセロファン(レンゴー(株)製:#300番、厚さ20μm)に、塗工量が2g/mとなるようにロール塗工した後、硫酸溶液中に浸してビスコースからセルロースを再生させ、着色セルロース層を有するセロファンフィルム(厚さ20μm)を得た。その着色セロファンを、参考例1と同様に粉砕して鱗片状光輝性材料を得た。その評価結果を表2に示す。
(実施例10
着色料として赤色226号(大東化成工業(株)製)を使用し、ビスコース(レンゴー(株)製、セルロース含有量3質量%)に、濃度0.5質量%となるように混合させた。この顔料混合ビスコースをセロファン(レンゴー(株)製:#300番、厚さ20μm)に、塗工量が5g/mとなるようにロール塗工した後、硫酸溶液中に浸してビスコースからセルロースを再生させ、着色セルロース層を有するセロファンフィルム(厚さ21μm)を得た。その着色セロファンを、ヘリカルカッター型粉砕機((株)ホーライ製:FG−2060、スクリーン径:1.5mmφ)を用いて粉砕して鱗片状光輝性材料を得た。その評価結果を表2に示す。
参考例9
実施例10で得られた着色セロファンを粉砕するにあたり、用いる粉砕機のスクリーン径を3mmφに変更する以外は実施例10と同様の手順により鱗片状光輝性材料を得た。その評価結果を表2に示す。
(実施例11
ビスコースに酸化チタンを混合し、製膜することにより、製造される乳白セロファン(レンゴー(株)製:PCW300)を実施例1と同様に粉砕した。平均粒子径256μm、厚さ20μm、平均アスペクト比13のパール色調光沢感のある粉砕物である鱗片状光輝性材料を得た。
<化粧料としての利用>
(実施例12
実施例で得られた鱗片状光輝性材料とともに、下記表3に記載の配合比で、全量を100として材料を用意した。配合量の単位はいずれも質量%である。まず、成分Bを60℃に加熱し、混合した。これに成分Cを加えて3本ローラーを用いて分散させた。ここに成分A,及び成分Dを加え、電子レンジにより加熱して溶解させた後、十分に混合させた。この混合物を金型に流し込み、冷却固化させた。これを口紅容器にセットして製品を得た。
Figure 0005192212
女性パネラー10名が試験品を使用し、使用感を、最も悪いを0点、最も良いを5点として評価した値の平均点数である。鱗片状光輝性材料を有する実施例12の口紅は、全ての項目において、鱗片状光輝性材料を含まない比較例4,5の口紅より優れた評価を得た。
(比較例4)
実施例12において、鱗片状光輝性材料の代わりに、微結晶セルロース(Avicel、E.Merck Darmstadt社製)を用いて、同様に口紅を製造した。この試験品について、実施例12と同様の評価を行った。その結果を表3に示す。いずれの値も実施例12には及ばず、特に透明性と光輝性が低下した。
(比較例5)
実施例12において、鱗片状光輝性材料の代わりに雲母チタンを用いて同様に口紅を製造した。この試験品について、実施例12と同様の評価を行った。その結果を表3に示す。いずれの値も実施例12には及ばず、光輝性以外は全ての評価値が大きく低下していた。
参考例10
参考例4の鱗片状光輝性材料とともに、下記表4の配合比で材料を用意した。配合量の単位はいずれも質量%である。まず、成分Aを60℃に加熱して混合した。これに成分Bを加えて分散させた後、リップグロス容器にセットしてリップグロスを得た。
Figure 0005192212
(比較例6)
参考例10において、鱗片状光輝性材料の代わりにポリエチレンテレフタレート・アルミニウム・エポキシ積層粉末を用いて同様の手順によりリップグロスを得た。同様の評価を行ったところ、鱗片状光輝性材料を有する参考例10のリップグロスと比べて、全ての項目において、低い評価となった。
(実施例13参考例11
実施例10参考例9の鱗片状光輝性材料とともに、表5の配合比となる材料を用意した。配合量の単位はいずれも質量%である。まず、成分Aを混合した後、成分Bを混合して、ボディーパウダー容器に充填して、ボディーパウダーを得た。その評価を表5に示す。
Figure 0005192212
(比較例7)
実施例13において、鱗片状光輝性材料の代わりに、ベンガラ被覆雲母チタンを用いて、同様の手順によりボディーパウダーを得た。その評価を表5に示す。
(結果)
実施例13参考例11の鱗片状光輝性材料を用いたボディーパウダーは、いずれの評価についても比較例7のボディーパウダーよりも良好であった。ただし、実施例13参考例11を比較した場合、平均粒子径が300μmを超える参考例11を用いた例は、面積が大きいために光輝性のみは実施例13より良好であったが、大きすぎるためそれ以外の評価では実施例13より低下してしまい、化粧料に用いるにはやや不利であることがわかった。

Claims (2)

  1. 平均粒子径が50μm以上300μm以下、厚さが5μm以上50μm以下、平均アスペクト比が2以上60以下であるセロファンのフィルム片からなる、化粧料に用いる鱗片状光輝性材料。
  2. 請求項1に記載の鱗片状光輝性材料を含む化粧料。
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