JP5192108B2 - 反芻動物用のメタン生成抑制用組成物及び飼料用組成物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、反芻動物用のメタン生成抑制用組成物に関し、更に詳細には、乳酸菌、酵母及びオリゴ糖から選ばれる1種又は2種以上とシステイン類を有効成分として含有する、反芻動物のルーメンにおけるメタン生成抑制用組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
牛、羊等の反芻動物において、構造性炭水化物の発酵・消化過程で生じる水素は、主に第一胃(ルーメン)に共生するメタン生成菌に利用され、メタンが大量生成される要因となる。メタンの生成は飼料エネルギーの損失になるばかりでなく、地球の温暖化に少なからず影響を及ぼすこととなる。
【0003】
地球温暖化物質としては二酸化炭素を筆頭に、メタン、クロロフルオロカーボン、亜酸化窒素等が挙げられる。メタンはこれら地球温暖化物質全体の0.4%を構成するに過ぎないが、二酸化炭素の約20倍の熱吸収率を有し、効果としては総温暖化の約20%と、二酸化炭素に次ぐ寄与率を担う上、その量も年々1〜1.3%と、二酸化炭素を上回る割合で増加しており、大気中のメタン量の低減は世界的な課題とされている。
【0004】
特に家畜や野生動物の消化管発酵により生成される量は、地球上で放出されている全メタン発生量の16%に相当するとされており、メタンの発生源として注目されている。
また、反芻動物においては、メタンの生成には飼料から獲得される総カロリー量の5〜10%に相当する量を消費するとされている。通常、飼料である植物体は、ルーメン内で主要な繊維分解菌により水素と二酸化炭素にまで分解されるが、このうち水素はメタン生成菌によってメタンに変換され、ゲップとともに体外に排出される。この体外に排出される損失エネルギーを、反芻動物が栄養物として使用する酢酸、酪酸、プロピオン酸といった低級脂肪酸又は揮発性脂肪酸に転換することは、飼料の肉への転換効率を向上させることにつながり有用である。特に、酢酸は反芻動物の全エネルギーの約70%をまかなっているとされており、一方でプロピオン酸はミルクや肉等の組織製造の重要な炭素源と考えられている。従って、これら有機酸量を増大させることができれば、飼料効率が高まり、経済的に好ましい。
【0005】
従来、反芻動物におけるメタンの生成抑制法としては、穀類などの濃厚飼料を増大させる方法や、硝酸塩又はハロゲン化合物、脂肪酸を投与する方法が取られていた。しかしながら、濃厚飼料の増大は、ルーメンに生息する原生動物(プロトゾア)に影響が生じ、プロトゾア表面に寄生するメタン生成菌量の減少を引き起こす。メタン生成菌量の減少はメタンの生成率を低減させるものの、水素が残留してしまい、繊維分解菌の活性が低減するだけでなく、乳酸アシドーシス等の代謝性疾患が多発する要因になっていると考えられている。更に、酸濃度の上昇等が生じ、ルーメン・パラケラトーシス(第一胃不全角化症)が発症すると考えられている。
【0006】
又、硝酸塩は水素との親和性が高く、メタン生成菌と競合して水素を取り込むことで、メタン生成に使用される水素量を減らし、メタン生成を抑制すると考えられている。しかしながら、摂取量が多いと重篤な亜硝酸塩中毒が生じることが問題視されている。ハロゲン化合物、脂肪酸の投与も同様にメタンの生成を抑制するが、摂取量や摂取期間によっては、慢性中毒や線維消化率の低減といった問題が引き起こされる。
一方、抗生物質であるサリノマイシンやモネイシン等のイオノフォア類の使用により、メタン生成量が抑制されることも報告されているが、耐性菌の出現や畜体への残留が懸念される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明は、反芻動物の消化系に共生する多様な微生物集団の自然平衡を破壊することなく、且つ宿主動物に残留してその商品価値を低減させることのない、安全な反芻動物のルーメンにおけるメタン生成抑制用組成物を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は上記課題を解決するため鋭意研究を行った結果、自然発酵羊乳(ラバン)由来の乳酸菌及び酵母、並びにオリゴ糖から選ばれる1種又は2種以上を経口投与することによって、ルーメン内環境を悪化させることなく、メタンの生成を抑制できることを見出した。また、更に硝酸塩を配合することにより、メタン生成抑制効果が増強されることを見出した。
【0009】
特に、硝酸塩との併用により、硝酸塩の有するメタン生成抑制効果が増強されるだけでなく、硝酸塩の還元を抑制し、亜硝酸中毒症の発生を抑制できることを見出した。又、反芻動物のルーメンにおけるメタン生成を抑制することによる飼料効率の増強効果が期待できるものである。
【0010】
即ち、本発明の請求項1に係る反芻動物用のメタン生成抑制用組成物は、乳酸菌、酵母及びオリゴ糖から選ばれる1種又は2種以上を含有することを特徴とする。
請求項2に係る反芻動物用のメタン生成抑制用組成物は、上記手段において、乳酸菌及び酵母がトリコスポロン属、キャンディダ属、ロイコノストック属、ラクトコッカス属に属する微生物1種又は2種以上であることを特徴とする。
【0011】
請求項3に係る反芻動物用のメタン生成抑制用組成物は、上記請求項1又は2記載の手段において、オリゴ糖がガラクトオリゴ糖であることを特徴とする。
請求項4に係る反芻動物用のメタン生成抑制用組成物は、上記請求項1〜3記載のいずれか1つの手段において、硝酸塩及び/又はシステイン、その誘導体及びその塩(システイン類)より選ばれる1種又は2種以上を含有することを特徴とする。
更に、請求項5に係る反芻動物用の飼料用組成物は、請求項1〜4記載のいずれかのメタン生成抑制用組成物が添加されていることを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明に用いる乳酸菌、酵母としては、病原性を有さない菌であれば特に規定しないが、特にトリコスポロン属、キャンディダ属、ロイコノストック属、ラクトコッカス属に属する微生物が好ましい。
【0013】
これらの乳酸菌としては、ロイコノストック・メセンテロイデス・サブスピーシーズ・メセンテロイデスL5株、ロイコノストック・ラクティスL12株、ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・ラクティスL42株等が挙げられる。
また、酵母としては、キャンディダ・ケフィアY8A株、トリコスポリン・セリシウムY7A株等が挙げられ、いずれの乳酸菌及び酵母ともイエメン産の自然発酵羊乳(ラバン)から得ることが出来る。これらのL5株、L12株、L42株、Y8A株およびY7A株は、帯広蓄産大学 畜産学部生物資源化学科 酪農化学研究室にて分譲可能な状態に保存されており,特許法第27条の3の規定に準じ、必要に応じて第三者に分譲されるものである。
【0014】
これらの微生物の投与量は、使用菌株や投与動物によって適宜調製すれば良いが、例えば0.02〜1.0g/kg体重、好ましくは0.5〜1.0g/kg体重、投与すれば良い。これらの微生物は単独で用いても良いが、2種以上を組み合わせて使用することも出来る。
本発明に用いるオリゴ糖としては、例えばガラクトオリゴ糖、ラフィノース、イソラフィノース、ラクチュロース、マルチュロース、トレハロース、パラチノース、マルトオリゴ糖、イソマルトオリゴ糖、大豆オリゴ糖、フラクトオリゴ糖、ペクチンオリゴ糖等が好適に使用できる。
【0015】
オリゴ糖の投与量としては、使用するオリゴ糖によって適宜調製すれば良いが、例えばガラクトオリゴ糖であれば80%の純度で0.5〜2.0g/kg体重、好ましくは1.0〜2.0g/kg体重投与すれば良い。オリゴ糖は単独で用いても良いが、2種以上を組み合わせて使用することもできる。
【0016】
また、オリゴ糖と微生物を併用する場合には、微生物1gに対し0.05〜1.0g、好ましくは0.5〜1.0g投与すれば良い。本発明に用いる硝酸塩としては、硝酸カリウム、硝酸ナトリウム等が使用できる。
これらの硝酸塩は、化学的に合成されたものでも、天然物より抽出したものでもよく、例えば硝酸塩を含有する植物体をそのまま用いることもできる。
【0017】
硝酸塩の投与量としては、例えば硝酸ナトリウムであれば、0.05〜1.0g/kg0.75(代謝体重)、好ましくは0.5〜1.0g/kg0.75(代謝体重)投与すれば良い。
【0018】
本発明に用いるシステイン類、若しくはチオール類としては、単量体や2量体、それらの誘導体や塩、或いは別種のチオール類が複数結合したもの等、何れであっても好適に使用できるが、特に安全性の点からシステインが好ましい。
システイン類、又は、チオール類の投与量としては、用いるシステイン類、又は、チオール類にあわせて適宜調製すれば良く、S当量で0.005〜0.21g/kg0.75(代謝体重)、好ましくは0.05〜0.21g/kg0.75(代謝体重)、投与すれば良い。
【0019】
これらの有効成分の投与時期は、特に規定するものではなく、飼料がルーメン内に滞留している間であれば何れの時期に投与しても良いが、メタン生成される前にルーメン内に有効成分が存在することが好ましいことから、飼料投与直前、或いは同時に有効成分を投与することが好ましい。特に飼料に配合することで効率よく投与することができる。
【0020】
これらの有効成分は、個々に投与しても良いが混合物の形で投与することも出来る。本発明の素材であるオリゴ糖や乳酸菌、ビフィズス菌は、従来より食品等に使用されており、安全性が高く、従って剤形は任意に選定でき、飼料、医薬品などに添加、配合して用いることができる。
【0021】
本発明の素材は、そのまま、あるいは液状または固体状の担体と配合し、かつ必要に応じて溶剤、分散剤、乳化剤、安定剤、賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤等を配合し、例えば錠剤、顆粒剤、散剤、粉末剤、カプセル剤等の所望の剤型にすることができる。
また、本発明の効果を妨げない範囲で、公知のフスマ等の飼料添加物を加えてもよく、乾草等の家畜用飼料と混合して用いることもできる。
【0022】
以下、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0023】
【実施例1】
[乳酸菌、酵母及びオリゴ糖によるメタン産生抑制効果]
(1)菌体の調製
乳酸菌、酵母の何れも、イエメン産自然発酵羊乳(ラバン)由来の菌株を用いた。即ち、
乳酸菌としては、ロイコノストック・メセンテロイデス・サブスピーシーズ・メセンテロイデスL5(以後L5と記載する)、ロイコノストック・ラクティスL12(以後L12と記載する)、ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・ラクティスL23(以後L23と記載する)、ラクトコッカス・ラクティス・サブスピーシーズ・ラクティスL42(以後L42と記載する)を用いた。酵母としては、キャンディダ・ケフィアY8A(以後Y8Aと記載する)、キャンディダ・ケフィアY4D(以後Y4Dと記載する)、サッカロミセス・パストリアヌスY3A(以後Y3Aと記載する)、トリコスポリン・セリシウムY7A(以後Y7Aと記載する)を用いた。
【0024】
各々の菌体は30℃で1晩培養を2回繰り返し、100ccの培地で2晩培養後遠沈し、上清をとり除き、25ccに調製し、試料菌体とした。
【0025】
(2)in vitro連続メタン生成システムの調整
in vitro連続メタン生成システムは、高橋ら(第97回日本畜産学会)の方法に従い、イノキュラム(接種菌液)として、ルーメンフィステル装着泌乳牛から採取したルーメン液のナイロン布濾液750mlとMcDougall人口唾液750mlの混合物を培地として調製した。
【0026】
基質としては、オーチャードグラスサイレージ風乾評品5gを用いた。試験は無添加区を対照区とし、オリゴ糖区、乳酸菌区、酵母区、乳酸菌+オリゴ糖区、酵母+オリゴ糖区の17試験区について実施した。尚、オリゴ糖としてはGOS(β−1,4ガラクトオリゴ糖:株式会社ヤクルト本社製)を用い、300mg/1500mlの割合で添加した。
基質及び試料の添加後、一定時間毎に気相を回収し、赤外線分析機(島津VIA−300、株式会社島津製作所製)を用い、常法に従ってメタン生成量を測定した。得られた結果を表1及び表2に示す。
【0027】
【表1】
Figure 0005192108
【0028】
【表2】
Figure 0005192108
【0029】
表1,2で示したように、総メタン積算量を比較した結果、微生物の単独添加区ではY7Aが最も効果が高く、次いでL5、Y8A、L42、L12の順に高い抑制効果を示した。一方、Y4D、Y3A及びL23添加区では、コントロールよりも高いメタン産生量を示した。
【0030】
【実施例2】
[乳酸菌、酵母及びオリゴ糖による、有機酸産生促進効果]
菌株としては、L5、L12、L23、L42、Y8A、Y4D、Y3A、Y7Aを用い、オリゴ糖としてはGOSを用いた。実施例1と同様に試料菌体を調製し、in vitro連続メタン生成システムを用いて実施例1と同じ17試験区について実施した。
基質及び試料添加後、一定時間毎に液相を回収し、ガスクロマトグラフィーによって有機酸濃度を測定した。即ち、採取液にメタリン酸を混合し、抽出・分離液について2−エチルブチル酪酸を内部標準液として定量した。得られた結果を表3及び表4に示す。
【0031】
【表3】
Figure 0005192108
【0032】
【表4】
Figure 0005192108
【0033】
表3に示したように、Y4Dの添加により総有機酸量は増大した。一方、オリゴ糖の分解が比較的早かったL23、L42、並びに酵母添加区では、オリゴ糖の併用により総有機酸量は増大した。
また、表4に示したように、オリゴ糖単独では総有機酸中の酢酸の割合は低減したが、乳酸菌及び酵母Y8と併用することで酢酸の割合が増大した。一方、オリゴ糖、L5、L23、L49及び酵母並びにこれらの菌株とオリゴ糖の併用により、プロピオン酸の割合が増大した。
【0034】
【実施例3】
[硝酸塩存在下における、乳酸菌、酵母及びオリゴ糖によるメタン産生抑制効果]
菌株としては、L5、L42、Y8Aを用い、オリゴ糖としてはGOSを用いた。また、硝酸塩としては硝酸ナトリウムを用いた。試料菌体の調製は実施例1と同様に行い、対照区(無添加区)、硝酸塩区、オリゴ糖区、L−システイン区、硝酸塩+オリゴ糖区、硝酸塩+L−システイン区、硝酸塩+乳酸菌区、硝酸塩+酵母区の10試験区について、in vitro連続メタン生成システムを用いて試験を実施した。
各試験区において、経時的に気相を回収し、実施例1と同様に赤外線分析機を用いてメタン生成量を測定した。結果を表5に示す。
【0035】
【表5】
Figure 0005192108
【0036】
表5で示したとおり、何れの試験区においてもメタン生成が抑制された。抑制効果は硝酸塩とオリゴ糖の併用が最も高く、次いで硝酸塩とL42の併用、硝酸塩、硝酸塩とY8Aの併用、硝酸塩とL5の併用、L−システイン、硝酸塩とL−システインの併用、硝酸塩とY7Aの併用、オリゴ糖の順に高い抑制効果を示した。
【0037】
【実施例4】
[L-システイン、乳酸菌、酵母及びオリゴ糖による、亜硝酸塩生成抑制効果]
試験は実施例3と同様に行った。in vitro連続メタン生成システムを用い、経時的に回収した液相から、ジアゾカップリング法(Takahashi, J.et.al, British Journal of Nutrition, 61: 741-748. 1989.)に従い各試験区の亜硝酸塩量を測定した。結果を表6に示す。
【0038】
【表6】
Figure 0005192108
【0039】
表6で示したとおり、オリゴ糖、L−システイン、Y8A、L42を併用することで、亜硝酸塩の産生が抑制され、その効果はL−システインが最も高く、次いでY8A、オリゴ糖、L42の順で高い効果を示した。また、L5は亜硝酸塩の産生には影響を及ぼさなかった。
【0040】
【実施例5】
[硝酸塩存在下における、L-システイン、乳酸菌、酵母及びオリゴ糖の有機酸産生に及ぼす影響]
試験は実施例3と同様に行った。in vitro連続メタン生成システムを用い、経時的に回収した液相から、実施例2と同様の方法で有機酸量を測定した。得られた結果を表7及び表8に示す。
【0041】
【表7】
Figure 0005192108
【0042】
【表8】
Figure 0005192108
【0043】
表7で示したとおり、硝酸塩、オリゴ糖、並びに硝酸塩とオリゴ糖、L−システイン、Y8A、L5、L42各々との併用により、総有機酸量が増加した。特に硝酸塩単独の効果が高く、次いでオリゴ糖、硝酸塩とL−システインの併用、硝酸塩とY8Aの併用、硝酸塩とL5の併用、硝酸塩とオリゴ糖の併用、硝酸塩とL−42の併用の順で高い効果を示した。
また、表8で示したとおり、硝酸塩、並びに硝酸塩とオリゴ糖、L−システイン、乳酸菌及び酵母の併用により、総有機酸中の酢酸の割合が増大した。一方、オリゴ糖単独、硝酸塩とY7A、硝酸塩とL42の併用により、プロピオン酸の割合が増大した。
【0044】
【実施例6】
[飼料の作成]
以下の処方の飼料を作成し、GOS、L5、及びY8A、並びに硝酸塩とGOS、L5、及びY8Aとの併用物を全飼料重量の2%になるように添加した。
大麦 40 (重量%)
小麦 30
小麦飼料 7.7
落花生 6
糖蜜 6.7
塩 0.8
石灰石 0.4
リン酸2カリウム 1.4
大麦ビタミン 5
得られた飼料は家畜の採食性が高く、健康状態及び採食量いずれも好適であった。
【0045】
【発明の効果】
本発明により、反芻動物のルーメンにおけるメタンの生成を抑制し、酢酸やプロピオン酸等の有用な有機酸の生成を増進させることができる。また、硝酸塩とこれらの素材を併用することにより、硝酸塩の悪影響を軽減しつつ、メタン生成を効果的に抑制できる。

Claims (5)

  1. ガラクトオリゴ糖及び硝酸塩を反芻動物に経口投与することを特徴とする反芻動物のメタン生成抑制方法。
  2. ガラクトオリゴ糖を純度80%のガラクトオリゴ糖として0.5〜2.0g/kg体重で経口投与することを特徴とする請求項1記載の反芻動物のメタン生成抑制方法。
  3. 更に、システイン、その誘導体及びその塩(システイン類)より選ばれる1種又は2種以上を経口投与することを特徴とする請求項1または2記載の反芻動物のメタン生成抑制方法。
  4. 請求項1記載の反芻動物のメタン生成抑制方法に用い、ガラクトオリゴ糖及び硝酸塩を含有することを特徴とする反芻動物用のメタン生成抑制剤。
  5. 更に、システイン、その誘導体及びその塩(システイン類)より選ばれる1種又は2種以上を含有する請求項4記載の反芻動物用のメタン生成抑制剤。
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