JP5190338B2 - X線画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、X線CT装置などのX線画像形成装置に関する。
一般的なX線CT装置は、被検体を挟んで対向配置されたX線発生器およびX線検出器を備えており、これらX線発生器およびX線検出器を被検体に対して相対的に回転させながらX線の照射と検出を行うことによりCT撮影を実現する。そして、このCT撮影の過程でX線減衰度合い(被検体によるX線吸収度合い)を示す投影データが各回転角度ごとに収集され、複数の回転角度から得られた投影データに基づいて被検体の断層画像(CT画像)が形成される。
ここで、そのCT撮影の途中において、呼吸運動などの被検体の体動に伴って臓器などの撮影対象部位が動くと、最終的に得られるCT画像にアーチフェクトなどが発生する場合がある。そこで、従来から、被検体の呼吸運動を検出し、呼吸に起因する臓器の動きなどが存在しないとみなせる位相に合わせてCT撮影(スキャン)を行う呼吸同期スキャンなどが提案されている(特許文献1,2参照)。
特開2000−139892号公報 特開2006−311941号公報
このような状況において、本願の発明者は、呼吸運動などの周期的な体動を評価する技術について研究開発を重ねてきた。
本発明は、その研究開発の過程において成されたものであり、その目的は、特定の体動状態に対応した画像を構築する技術を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の好適な態様のX線画像形成装置は、被検体を周回するように被検体に対してX線を照射して検出することによりX線検出データを得るX線測定部と、被検体の周期的な体動に関する体動周期データを得る体動測定部と、体動周期データに基づいて、各周回ごとに得られるX線検出データ内の体動周期成分が複数の周回のうちにX線検出データ内において互いにずれるように、前記X線測定部によるX線の周回を制御する周回制御部と、複数の周回に亘って得られるX線検出データから、周期的な体動に含まれる特定の体動状態に対応したデータ部分を選択的に抽出して収集することにより、特定の体動状態に対応したX線検出データを形成する検出データ処理部と、特定の体動状態に対応したX線検出データに基づいて被検体の画像データを形成する画像形成部と、を有することを特徴とする。
上記態様において、X線の周回は、被検体とX線との間において相対的なものであればよい。例えば、周回の中心において上記態様の装置に対して被検体を固定してその中心を通るように照射されるX線を回転させてもよいし、周回の中心を通るように照射されるX線を上記態様の装置に対して固定してその中心において被検体を回転させてもよい。もちろん、被検体とX線の両者を回転させて相対的な周回を実現してもよい。また、各周回は、例えば被検体とX線との間における相対的な180度の回転により実現されるが、例えば被検体とX線との間における相対的な360度の回転により各周回を実現してもよい。上記態様によれば、特定の体動状態に対応したX線検出データに基づいて被検体の画像データを形成することができる。
望ましい態様において、前記X線測定部は、各周回ごとに周回内における周回の角度とX線の投影データとを対応付けたX線検出データを取得し、前記検出データ処理部は、複数の周回に亘って得られるX線検出データから、周回内の各角度ごとに特定の体動状態に対応した投影データを選択し、周回内の複数の角度に亘って投影データを収集することにより、特定の体動状態に対応したX線検出データを形成する、ことを特徴とする。
望ましい態様において、前記検出データ処理部は、複数の周回に亘って得られる同一角度に対応した複数の投影データの中から、特定の体動状態に対応した投影データを選択する、ことを特徴とする。
望ましい態様において、前記周期的な体動は、被検体の呼吸に伴う体動であり、前記検出データ処理部は、前記同一角度に対応した複数の投影データの中から、特定の体動状態に対応した投影データとして、呼気状態に対応した投影データと吸気状態に対応した投影データのうちの少なくとも一方を選択し、周回内の複数の角度に亘って投影データを収集することにより、呼気状態に対応したX線検出データと吸気状態に対応したX線検出データのうちの少なくとも一方を形成する、ことを特徴とする。
望ましい態様において、前記検出データ処理部は、被検体の横隔膜に対応した部分領域内から得られる横隔膜部のX線検出データに基づいて、周回内の各角度ごとに複数の周回の中から呼気状態に対応した周回と吸気状態に対応した周回とを特定することにより、呼気状態に対応した投影データと吸気状態に対応した投影データを選択する、ことを特徴とする。
望ましい態様において、前記検出データ処理部は、複数の周回に亘って得られる横隔膜部のX線検出データから、周回内の各角度ごとに、最低の減衰量に対応した最低投影データと最大の減衰量に対応した最大投影データを選択し、最低投影データに対応した周回を吸気状態の周回とし、最大投影データに対応した周回を呼気状態の周回とする、ことを特徴とする。
望ましい態様において、前記X線画像形成装置は、呼気状態に対応したX線検出データから得られる画像データと吸気状態に対応したX線検出データから得られる画像データとに基づいて、呼吸に伴う換気量を算出する換気量算出部をさらに有する、ことを特徴とする。
望ましい態様において、前記体動測定部は、各周回ごとに周回内における周回の角度とX線の投影データとを対応付けたX線検出データであるサイノグラムから体動周期データを得る、ことを特徴とする。
本発明により、特定の体動状態に対応した画像を構築することが可能になる。
図1は、本発明の好適な実施形態を説明するための図であり、図1には、本発明に係るX線画像形成装置の代表例であるX線CT装置の機能ブロック図が示されている。
X線CT装置は、被検体40に対してX線11を照射して得られる投影データに基づいて被検体40の画像(CT画像)を生成する。本実施形態のX線CT装置は、この画像の生成機能に加えて、さらに、被検体40の体動の特性、例えば、体動の周期等を検出する機能も備えている。そして、検出された体動特性を利用して、特定の体動状態に対応した画像、例えば、呼吸における呼気時の画像や吸気時の画像などの生成を可能としている。
本実施形態のX線CT装置は、例えば動物実験で利用されるマウス、ラット、モルモット、ハムスターなどの小動物を被検体40とする場合に好適な構成となっている。但し、例えば、X線発生器10やX線検出器12の構成を変更することにより、人などを被検体40とすることもできる。
X線発生器10は、被検体40に向けてX線11を発生し、X線検出器12は、そのX線11を検出する。X線発生器10とX線検出器12は、図示しない回転中心軸を間に挟んで対向するように設けられる。その回転中心軸の位置に被検体40が配置され、X線発生器10とX線検出器12が互いの相対的な位置関係を維持したまま被検体40の周囲を回転する。こうして、被検体40を周回するように被検体40に対してX線11を照射して検出する。X線発生器10とX線検出器12の回転運動は、例えば、制御部30により制御される。
図2は、本実施形態のX線発生器10とX線検出器12を示す図である。本実施形態においては、マルチスライス型のX線検出器12が利用される。X線検出器12は、二次元的に配列された複数の検出素子を備えている。つまり、図のX軸方向に沿って直線的にN個(Nチャンネル)の検出素子が配列されて1列の検出素子列が形成され、さらに、図のZ軸方向に沿ってM列に亘って検出素子列が並べられている。
各検出素子列を構成する検出素子の個数(チャンネル数)Nは、例えば500個程度から4000個程度であり、検出素子列の列数Mは、例えば200列程度から300列程度である。もちろん、チャンネル数Nや列数Mは、上述した数値に限定されない。
X線発生器10は、例えば、図2に示すように末広状の立体的なコーンビームのX線11を発生する。そして、被検体40を透過したX線11がX線検出器12によって二次元的に検出される。
CT撮影において、X線発生器10とX線検出器12は、互いの相対的な位置関係を維持しつつ、回転中心軸の位置に配置された被検体40の周囲を回転する。つまり、被検体40を通り図のZ軸に平行な直線を回転中心軸として、X線発生器10とX線検出器12が回転する。そして、その回転内の各角度(回転角度)ごとに、各検出素子によってX線11が検出される。
図1に戻り、サイノグラム形成部14は、X線検出器12においてCT撮影により得られたデータに基づいてサイノグラムを形成する。
図3は、CT撮影の基本原理を説明するための図である。図1および図2を利用して説明したように、X線発生器10とX線検出器12は被検体40を間に挟んで対向配置されている。図3には、X線発生器10と被検体40が図示されており、さらに、X線検出器12(図2)が備える検出素子列60が1列のみ図示されている。
X線発生器10から照射されたX線は、一部、被検体40で吸収された後、検出素子列60に到達する。検出素子列60を構成する検出素子61−1,61−2,・・・,61−Nは、このX線の強度Iを検出する。この検出されたX線強度IをX線減衰量Rに変換したデータが投影データである。なお、X線減衰量Rは、照射されるX線の強度I0と検出されたX線の強度Iとから、R=loge(I0/I)と算出される。
本実施形態では、1回のCT撮影で、X線発生器10と検出素子列60(X線検出器12)を被検体40に対して180度回転させる。そして、この回転の際、投影データは、規定回転角度ごとに出力される。そして、1回のCT撮影によりサイノグラムが形成される。
図4は、X線減衰量Rを輝度値として画像化したサイノグラムのイメージ図である。サイノグラムは、規定回転角度ごとに得られる投影データを、横軸を回転角度とし、縦軸を素子番号として並べたものである。
図1に戻り、本実施形態では、X線発生器10とX線検出器12を複数回に亘って回転させて被検体40をCT撮影する。サイノグラム形成部14は、各CT撮影ごとに、つまり各回転ごとに、サイノグラム(図4参照)を形成する。なお、X線検出器12は、複数列(M列)の検出素子列によって構成されているため、サイノグラム形成部14は、各検出素子列ごとにサイノグラムを形成する。したがって、各CT撮影ごとに、互いに異なる検出素子列に対応した複数(M列分)のサイノグラムが形成され、さらに、複数回転に亘ってCT撮影が実施される。
本実施形態では、その複数回転に亘るCT撮影において、被検体40の周期的な体動である呼吸の周期が考慮される。呼吸の周期は、被検体40に呼吸センサなどを装着して計測してもよいが、本実施形態においては、体動周期測定部16により、サイノグラムから呼吸の周期が計測される。
先に説明したように、1回のCT撮影では、図3に図示するような投影データ(X線減衰量)が、規定回転角度ごとに収集される。体動周期測定部16は、この規定回転角度ごとに収集される投影データから、呼吸運動に起因するデータ変動を抽出し、その抽出結果に基づいて呼吸運動の周期などを算出する。呼吸運動に起因するデータ変動は、例えば次の手順で抽出される。
図3に示すとおり、検出素子列60には、複数の検出素子61−1,61−2,・・・,61−Nが含まれており、各検出素子61−1,61−2,・・・,61−NごとにX線強度が検出される。投影データは、このX線強度を、X線減衰量に変換したデータである。したがって、1列の検出素子列60により1回のCT撮影により得られる投影データには、検出素子の個数であるN個のX線減衰量が含まれていることになる。呼吸運動に起因するデータ変動を抽出する場合、体動周期測定部16は、規定回転角度ごとに、このN個のX線減衰量の平均値Raveを算出する。
図5は、X線減衰量の平均値Raveの算出を説明するための図であり、図5(a)は算出されたX線減衰量の平均値Raveを示すグラフである。この図5(a)において、横軸は検出時間(回転角度)を、縦軸は、X線減衰量平均値Raveを示している。
図5(a)に図示するとおり、通常、X線減衰量の平均値Raveは、略正弦波状に変動しつつ、周期的に下向きのピークが発生する。この正弦波状の変動は、測定ユニット(図1のX線発生器10とX線検出器12)の回転に起因して生じる。また、周期的に発生している下向きのピークは、呼吸運動に起因して生じる。したがって、この下向きのピークを抽出すれば、呼吸運動に起因するデータ変動を抽出することができる。ただし、測定ユニットの回転に起因するデータ変動が混在している状態では、この呼吸運動に起因するデータ変動のみを抽出することは困難である。
そこで、体動周期測定部16(図1)は、X線減衰量の平均値Raveの近似値から、測定ユニットの回転に起因するデータ変動を除去または低減する。具体的には、体動周期測定部16は、減衰量平均値Raveの近似曲線を算出し、当該近似曲線と減衰量平均値Raveとの差分を算出する。なお、近似曲線の算出には、例えば、メディアン近似法や、移動平均法など、公知の従来技術を用いることができる。
図5(b)は、算出された近似曲線の一例を示す図である。また、図5(c)は、算出された差分値を示す図である。この図5(c)から明らかなとおり、減衰量平均値Raveと近似曲線との差分をとることで、測定ユニットに起因するデータ変動、すなわち、略正弦波状の変動が大幅に低減されたデータが得られる。
体動周期測定部16(図1)は、この差分データから、当該差分データを所定の閾値で二値化するなどして、X線減衰量の平均値Raveに発生する下向きピークの発生周期やピーク幅などを算出する。そして、得られたピークの発生周期を呼吸周期Tとし、ピーク幅を変動期間Uとして、例えばメモリ等に一時記憶する。
図1に戻り、本実施形態では、体動周期測定部16により計測された呼吸周期Tを利用し、呼吸に伴う体動の位相をずらしつつCT撮影を複数回実行する。例えば、1回目のCT撮影が実行されると、体動周期測定部16は、そのCT撮影で得られる投影データに基づいて、呼吸の周期Tを算出する(図5参照)。また、サイノグラム形成部14は、このとき得られる投影データを回転角度の順に並べて、第1サイノグラムを生成する。さらに、サイノグラム形成部14は、2回目のCT撮影により得られる第2サイノグラムと、3回目のCT撮影により得られる第3サイノグラムを形成する。
図6は、本実施形態において形成されるサイノグラムを説明するため図であり、図6には、第1サイノグラム70aと第2サイノグラム70bと第3サイノグラム70cのイメージ図が示されている。
1回目のCT撮影が完了すると、続いて、制御部30(図1)は、X線発生器10とX線検出器12(図1)を回転させる回転機構などを駆動して、2回目のCT撮影を実行させる。この2回目のCT撮影は、1回目のCT撮影結果から算出された体動特性に基づいて、その開始タイミングが制御される。具体的には、2回目のCT撮影は、1回目のCT撮影に比べて、回転に対する呼吸の位相がずれるようにタイミング制御される。すなわち、2回目のCT撮影で得られる投影データから生成される第2サイノグラム70bが、第1サイノグラム70aとの比較において、呼吸のタイミングが呼吸周期Tの1/3だけずれるようにタイミング制御して2回目のCT撮影を実行する。
さらに、2回目のCT撮影が完了すると、続いて、3回目のCT撮影が実行される。この3回目のCT撮影においても、2回目のCT撮影に比べて、回転に対する呼吸の位相がずれるようにタイミング制御される。すなわち、3回目のCT撮影で得られる投影データから生成される第3サイノグラム70cが、第2サイノグラム70bとの比較において、呼吸のタイミングが呼吸周期Tの1/3だけずれるようにタイミング制御して3回目のCT撮影を実行する。
このように、本実施形態においては、呼吸に伴う体動の位相をずらしつつCT撮影が複数回実行される。なお、1回のCT撮影のたびに、測定ユニット(図1のX線発生器10とX線検出器12)の回転方向を反転させてもよい。例えば、1回目のCT撮影では0度から180度まで時計周りに回転させ、2回目のCT撮影では180度から0度まで反時計周りに回転させ、3回目のCT撮影では0度から180度まで時計周りに回転させてもよい。回転方向を反転させる場合には、検出時間の経過に伴って回転角度が増加する場合と減少する場合がある。そのため、回転方向を反転させる場合には、経過時間と回転角度との関係を考慮して、サイノグラムが形成され、また、測定ユニットの回転のタイミングが制御される。
図1に戻り、呼吸に伴う体動の位相をずらしつつ3回のCT撮影が実行され、サイノグラム形成部14によりサイノグラムが形成されると、サイノグラム処理部18は、3回のCT撮影により得られたサイノグラムを利用して、呼気状態や吸気状態などの特定の体動状態に対応したサイノグラムを形成する。サイノグラム処理部18は、呼気状態や吸気状態を確認するにあたって、横隔膜付近の投影データを利用する。
図7は、測定部位の相違に伴う投影データ(X線減衰量)の相違を説明するための図である。図7には、肺中央(a)と横隔膜(b)と肝臓(c)の各々に対応したX線減衰量の時間変化(角度変化)のグラフが示されている。なお、各グラフの縦軸に示すX線減衰量は、複数の検出素子の平均値である。例えば、複数の検出素子列(図2参照)のうち、肺中央付近の検出素子列を介して肺中央(a)のグラフが得られ、横隔膜付近の検出素子列を介して横隔膜(b)のグラフが得られ、肝臓付近の検出素子列を介して肝臓(c)のグラフが得られる。
図7(a)〜(c)の各グラフにおいて、X線減衰量が低下している時間は吸気に対応した時間であり、X線減衰量が大きい時間は呼気に対応した時間である。吸気時のX線減衰量と呼気時のX線減衰量との差(Δd)は、横隔膜(b)で最大となる。これは、横隔膜付近において、呼吸に伴って横隔膜が比較的大きく移動するためである。
そこで、本実施形態では、呼気状態や吸気状態のタイミングを確認するにあたって、横隔膜付近の投影データを利用する。例えば、複数の検出素子列から得られる複数の部位についての投影データの中から、Δdが最大となる投影データを選択して横隔膜の投影データとしてもよいし、例えば、X線断層画像などを介してユーザが横隔膜の位置を確認し、その位置に対応した検出素子列を選択して横隔膜の投影データを特定してもよい。また、横隔膜に対応した領域内の複数の検出素子列(例えば20〜30列程度)の平均値を利用して、図7(b)のグラフを形成することが望ましい。
サイノグラム形成部14(図1)は、3回のCT撮影の各回ごとに、横隔膜付近の投影データ、つまり図7(b)のグラフを形成する。そして、3回のCT撮影に亘って得られた横隔膜付近の投影データに基づいて、呼気状態や吸気状態などの特定の体動状態に対応したサイノグラムを形成する。
図8は、呼気状態と吸気状態に対応したサイノグラムの形成処理を説明するための図である。図8の(周回1)〜(周回3)は、3回のCT撮影に亘って得られた横隔膜付近の投影データ(X線減衰量)の時間変化(角度変化)を示している。(周回1)は1回目のCT撮影により得られるX線減衰量であり、(周回2)は2回目のCT撮影により得られるX線減衰量であり、(周回3)は3回目のCT撮影により得られるX線減衰量である。
先に説明したように、呼吸に伴う体動の位相をずらしつつ3回のCT撮影が実行されるため、X線減衰量の低下する吸気のタイミング(角度)が(周回1)〜(周回3)において互いにずれている。
サイノグラム処理部18(図1)は、図8の(周回1)〜(周回3)の横軸に沿った各角度ごとに、(周回1)〜(周回3)のX線減衰量を比較し、最も小さなX線減衰量となる周回を吸気時に対応した周回として特定する。例えば、図8に示す角度θ1において、吸気時に対応する周回として(周回1)が特定される。こうして、全角度に亘って各角度ごとに次々に、吸気時に対応する周回が特定される。ちなみに、図8の(周回1)〜(周回3)のX線減衰量の中から、各角度ごとに吸気時に対応する周回のX線減衰量を選択して全角度に亘って収集すると、図8の(a)に示す吸気時のX線減衰量の時間変化(角度変化)となる。
各角度ごとに吸気時の周回が特定されると、サイノグラム処理部18(図1)は、各検出素子列ごとに、図8の(A)に示す吸気状態のサイノグラムを形成する。例えば、1つの検出素子列について、3回のCT撮影に亘って得られた3回転分のサイノグラム(図6参照)の中から、各角度ごとに吸気時の周回に対応するデータ(その検出素子列を構成する複数の検出素子のX線減衰量)を選択し、全角度に亘って吸気時の周回に対応するデータを収集することにより、図8の(A)に示す吸気状態のサイノグラムを形成する。こうして、M列の検出素子列(図2参照)の全てについて、各検出素子列ごとに吸気状態のサイノグラムが形成される。
また、サイノグラム処理部18(図1)は、図8の(周回1)〜(周回3)の横軸に沿った各角度ごとに、(周回1)〜(周回3)のX線減衰量を比較し、最も大きなX線減衰量となる周回を呼気時に対応した周回として特定する。例えば、図8に示す角度θ1において、呼気時に対応する周回として(周回2)と(周回3)が特定される。こうして、全角度に亘って各角度ごとに次々に、呼気時に対応する周回が特定される。ちなみに、図8の(周回1)〜(周回3)のX線減衰量の中から、各角度ごとに呼気時に対応する周回のX線減衰量を選択して全角度に亘って収集すると、図8の(b)に示す呼気時のX線減衰量の時間変化(角度変化)となる。
各角度ごとに呼気時の周回が特定されると、サイノグラム処理部18(図1)は、各検出素子列ごとに、図8の(B)に示す呼気状態のサイノグラムを形成する。例えば、1つの検出素子列について、3回のCT撮影に亘って得られた3回転分のサイノグラム(図6参照)の中から、各角度ごとに呼気時の周回に対応するデータ(その検出素子列を構成する複数の検出素子のX線減衰量)を選択し、全角度に亘って呼気時の周回に対応するデータを収集することにより、図8の(B)に示す呼気状態のサイノグラムを形成する。こうして、M列の検出素子列(図2参照)の全てについて、各検出素子列ごとに呼気状態のサイノグラムが形成される。
なお、図8においては、(周回1)〜(周回3)のX線減衰量を比較し、最も小さなX線減衰量となる周回を吸気時に対応した周回として特定し、最も大きなX線減衰量となる周回を呼気時に対応した周回として特定している。吸気時や呼気時に対応した周回の特定に換えて、あるいはこれらの周回の特定に加えて、(周回1)〜(周回3)のX線減衰量を比較して中間の大きさのX線減衰量となる周回を特定して、呼気状態と吸気状態の中間状態のサイノグラムを形成してもよい。
図1に戻り、サイノグラム処理部18により、M列の検出素子列の全てについて、各検出素子列ごとに、吸気状態のサイノグラムと呼気状態のサイノグラムが形成されると、画像形成部20は、これらのサイノグラムに基づいて被検体40の画像データを形成する。画像形成部20は、各検出素子列ごとに、吸気状態のサイノグラムに基づいて吸気状態の断層画像データを形成し、呼気状態のサイノグラムに基づいて呼気状態の断層画像データを形成する。サイノグラムに基づく断層画像データの生成については、公知の従来技術を用いることができるため、ここでの詳細な説明は省略する。
画像形成部20は、M列の検出素子列の全てについて、各検出素子列ごとに、吸気状態の断層画像データと呼気状態の断層画像データを形成する。そして、各断層画像データに対応した断層画像が表示部24に表示される。なお、複数の検出素子列から得られる複数の断層画像データを利用して、被検体40を立体的に表現した画像を形成してもよい。
画像形成部20において形成された画像データは、換気量算出部22においても利用される。換気量算出部22は、画像形成部20において形成された画像データに基づいて、被検体40の呼吸に伴う換気量を算出する。
図9は、換気量の算出処理を説明するための図であり、図9(A)は、呼気状態の断層画像例を示しており、図9(B)は、吸気状態の断層画像例を示している。換気量の算出にあたっては、被検体40の肺42を含んだ断層画像が利用される。図9(A)(B)に示す各断層画像内には、被検体40の断面と肺42の断面が含まれている。
換気量算出部22(図1)は、各断層画像内から肺42に対応する画素を抽出し、その画素数に基づいて肺42の面積や体積を算出する。肺42内は比較的低いCT値となるため、CT値の大きさに基づいて肺42に対応する画素が抽出される。例えば、CT値の大きさが−400〜−800HUの範囲内の画素が肺42の画素として抽出される。
換気量算出部22は、M列の検出素子列に対応したM枚の呼気状態の断層画像のうち、肺42を含む断層画像の各々において、肺42に対応する画素を抽出し、各断層画像ごとに肺42の断面積を算出する。さらに、肺42を含む全ての断層画像に関する断面積と断層画像間の距離等を考慮して、呼気状態における肺42の体積を算出する。
同様に、換気量算出部22は、吸気状態の断層画像についても肺42の断面積を算出し、さらに、肺42を含む全ての断層画像に関する断面積と断層画像間の距離等を考慮して吸気状態における肺42の体積を算出する。
そして、換気量算出部22は、吸気状態における肺42の体積から呼気状態における肺42の体積を差し引いて、その体積差を呼吸に伴う換気量とする。算出された換気量は、例えば、呼吸動作に関する肺疾患の診断や評価などに利用することができる。
以上、本発明の好適な実施形態を説明したが、上述した実施形態は、あらゆる点で単なる例示にすぎず、本発明の範囲を限定するものではない。本発明は、その本質を逸脱しない範囲で各種の変形形態を包含する。
X線画像形成装置の代表例であるX線CT装置の機能ブロック図である。 本実施形態のX線発生器とX線検出器を示す図である。 CT撮影の基本原理を説明するための図である。 サイノグラムのイメージ図である。 X線減衰量の平均値を示すグラフである。 本実施形態において形成されるサイノグラムを説明するため図である。 測定部位の相違に伴う投影データの相違を説明するための図である。 呼気状態と吸気状態に対応したサイノグラムの形成処理を説明するための図である。 換気量の算出処理を説明するための図である。
符号の説明
10 X線発生器、12 X線検出器、14 サイノグラム形成部、16 体動周期測定部、18 サイノグラム処理部、20 画像形成部、22 換気量算出部。

Claims (8)

  1. 被検体を周回するように被検体に対してX線を照射して検出することにより、周回内の各角度ごとにX線の投影データを得るX線測定部と、
    X線を周回させて得られた投影データに基づいて、被検体の周期的な体動に関する体動周期データを得る体動測定部と、
    前記体動周期データに基づいて、各周回ごとに得られる複数の投影データを角度順に並べたX線検出データ内の体動周期成分が、前記体動周期データを得た周回とその後の周回のうちにX線検出データ内において互いにずれるように、前記体動周期データを得た周回後における前記X線測定部によるX線の周回を制御する周回制御部と、
    前記体動周期データを得た周回とその後の周回で得られるX線検出データから、周期的な体動に含まれる特定の体動状態に対応したデータ部分を選択的に抽出して収集することにより、特定の体動状態に対応したX線検出データを形成する検出データ処理部と、
    特定の体動状態に対応したX線検出データに基づいて被検体の画像データを形成する画像形成部と、
    を有する、
    ことを特徴とするX線画像形成装置。
  2. 請求項1に記載のX線画像形成装置において、
    前記体動測定部は、各周回ごとに収集される複数の投影データを角度順に並べたX線検出データであるサイノグラムから体動周期データを得る、
    ことを特徴とするX線画像形成装置。
  3. 請求項1または2に記載のX線画像形成装置において、
    前記検出データ処理部は、被検体の横隔膜に対応した部分領域内から得られる横隔膜部のX線検出データに基づいて、周回内の各角度ごとに複数の周回の中から最低の減衰量に対応した最低投影データを選択し、周回内の複数の角度に亘って最低投影データを収集することにより、吸気状態に対応したX線検出データを形成する、
    ことを特徴とするX線画像形成装置。
  4. 請求項1から3のいずれか1項に記載のX線画像形成装置において、
    前記検出データ処理部は、被検体の横隔膜に対応した部分領域内から得られる横隔膜部のX線検出データに基づいて、周回内の各角度ごとに複数の周回の中から最大の減衰量に対応した最大投影データを選択し、周回内の複数の角度に亘って最大投影データを収集することにより、呼気状態に対応したX線検出データを形成する、
    ことを特徴とするX線画像形成装置。
  5. 請求項1に記載のX線画像形成装置において、
    前記検出データ処理部は、複数の周回に亘って得られる同一角度に対応した複数の投影データの中から、特定の体動状態に対応した投影データを選択し、周回内の複数の角度に亘って投影データを収集することにより、特定の体動状態に対応したX線検出データを形成する、
    ことを特徴とするX線画像形成装置。
  6. 請求項5に記載のX線画像形成装置において、
    前記周期的な体動は、被検体の呼吸に伴う体動であり、
    前記検出データ処理部は、前記同一角度に対応した複数の投影データの中から、特定の体動状態に対応した投影データとして、呼気状態に対応した投影データと吸気状態に対応した投影データのうちの少なくとも一方を選択し、周回内の複数の角度に亘って投影データを収集することにより、呼気状態に対応したX線検出データと吸気状態に対応したX線検出データのうちの少なくとも一方を形成する、
    ことを特徴とするX線画像形成装置。
  7. 請求項6に記載のX線画像形成装置において、
    前記検出データ処理部は、被検体の横隔膜に対応した部分領域内から得られる横隔膜部のX線検出データに基づいて、周回内の各角度ごとに複数の周回の中から呼気状態に対応した周回と吸気状態に対応した周回とを特定することにより、呼気状態に対応した投影データと吸気状態に対応した投影データを選択する、
    ことを特徴とするX線画像形成装置。
  8. 請求項7に記載のX線画像形成装置において、
    呼気状態に対応したX線検出データから得られる画像データと吸気状態に対応したX線検出データから得られる画像データとに基づいて、呼吸に伴う換気量を算出する換気量算出部をさらに有する、
    ことを特徴とするX線画像形成装置。
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