JP5189422B2 - 加熱プレス装置 - Google Patents

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Description

本発明は、被プレス材を挟んで加圧する加圧面を有するとともに、この加圧面を加熱する加熱部を内蔵した一対のプレス盤部を備える加熱プレス装置に関する。
従来、被プレス材を挟んで加圧する加圧面を有するとともに、前記加圧面を加熱する加熱部を内蔵した一対のプレス盤部を備える加熱プレス装置としては、特許文献1により開示される加熱プレス装置(ICカード製造装置)が知られている。
同文献1で開示されるICカード製造装置(加熱プレス装置)は、過大圧力の印加による電子部品の破損等を防止し、生産時における歩留まり率を高めるとともに、品質向上及び信頼性向上を目的としたものであり、熱可塑性樹脂シートを含むシート部材によりICチップ等の電子部品を挟んでなる積層基材を、加圧面を有する一対のプレス盤部により両面側から加圧して熱圧着又は冷却するプレス機構を備えるICカード製造装置であって、加圧面と積層基材間に、一定の厚さを有する加圧プレートを介在させるとともに、加圧面と加圧プレート間に、所定の厚さを有し、かつ多数の凸部を有するクッションシートを介在させた構成を備えている。
特開2002−166477号公報
しかし、上述した従来の加熱プレス装置(ICカード製造装置)は、次のような解決すべき課題が存在した。
第一に、プレス盤部に加熱部を内蔵させる場合、通常、特許文献1に示すように、複数の棒状ヒータを配列させることも多い。この際、加圧面の温度は、温度センサにより検出し、予め設定した目標温度になるようにフィードバック制御されるが、実際の温度分布は、必ずしも均一にならない場合も少なくない。例えば、図6に示すような四角形の加圧面を有し、かつ一定間隔おきに多数の加熱用棒ヒータを配した加熱部を備える場合、四隅付近と中央の位置における実際の温度は、図8に示すような温度分布特性となる。この場合、四本の実線で示す四隅付近の温度特性Tsr…はほぼ同じになるが、点線で示す中央の温度特性Tcrは、四隅付近の温度特性Tsr…よりも高くなる。なお、図6中、Ds…は温度測定点を示している。このような温度分布は、あまり不均一性が大きくなく、プレス後の製品が許容範囲に入っていれば無視されることも多いが、温度分布の不均一性は、被プレス材の反りや歪を招くことになり、特に、精密製品におけるより高度の品質化を実現するには限界があった。
第二に、加圧面における温度分布の不均一性を解決する手段としては、加圧面における温度制御エリアを細分化し、各温度制御エリアを独立した制御系による緻密な制御,フィードバック制御系におけるPID定数や目標温度の調整等による是正,温度が高い領域における加熱用棒ヒータに対する部分的(選択的)な電力抑制(電力制御),加熱用棒ヒータのレイアウト(配置パターン)設計や各加熱用棒ヒータ自体の仕様変更,などが考えられるが、これらの手段では、制御系や加圧面周りの構成の複雑化に基づく大幅なコストアップ或いは加熱効率の低下を招いてしまうとともに、実際には、各温度制御エリアと隣接する温度制御エリアが相互に影響し合うため、不均一性を是正するのは容易でなく、温度分布の良好な均一性を確保するには限界があった。
本発明は、このような背景技術に存在する課題を解決した加熱プレス装置の提供を目的とするものである。
本発明に係る加熱プレス装置1は、上述した課題を解決するため、被プレス材Mを挟んで加圧する加圧面2u,2dを有するとともに、加圧面2u,2dを加熱する加熱部3u,3dを内蔵した一対のプレス盤部Pu,Pdを備える加熱プレス装置であって、
少なくとも空気よりも熱伝導性が高い素材により形成したプレート部材R…に、所定の大きさ及び形状を有する一又は二以上の制熱孔11…を形成し、加熱部3u,3dと被プレス材M間に介在させることにより、加圧面2u,2dの温度分布における相対的に温度が高い(又は低い)領域Ap…に対応させて相対的に熱伝導性の低い(又は高い)領域An…を設けた温度分布調整プレート5u,5dを備えることを特徴とする。
この場合、発明の好適な態様により、温度分布調整プレート5u,5dは、プレス盤部Pu,Pdにおける加圧面2u,2dと加熱部3u,3d間に介在させることができるし、或いは被プレス材Mとして、ワークWを保持するワークトレー12を適用し、このワークトレー12における、加圧面2u,2dに対向する外面に付設することもできる。なお、ワークWには、熱可塑性樹脂シートを含むシート部材Ea,EbによりICチップ等の電子部品X
を挟んだ積層基材Wsを適用できる。
このような構成を有する本発明に係る加熱プレス装置1によれば、次のような顕著な効果を奏する。
(1) 加熱部3u,3dと被プレス材M間に介在し、加圧面2u,2dの温度分布における相対的に温度が高い(又は低い)領域Ap…に対応させて相対的に熱伝導性の低い(又は高い)領域An…を設けた温度分布調整プレート5u,5dを備えるため、加圧面2u,2dにおける温度分布の不均一性を是正し、良好な均一性を得ることができる。したがって、被プレス材Mの反りや歪の発生を回避し、プレス製品、特に、ICカード等の精密製品におけるより高度の品質化を実現できる。
(2) 加圧面2u,2dの温度分布における相対的に温度が高い(又は低い)領域Ap…に対応させて相対的に熱伝導性の低い(又は高い)領域An…を設けた温度分布調整プレート5u,5dを追加するのみで実施できるため、プレス盤部Pu,Pdの本体側を変更することなく極めて容易に実施できるとともに、大幅なコストアップを招くことなく低コストに実施できる。しかも、制御系における制御条件の変更が不要なため、領域An…の周辺に対する影響も回避することができる。
(3) 温度分布調整プレート5u,5dには、少なくとも空気よりも熱伝導性が高い素材により形成したプレート部材R…に、所定の大きさ及び形状を有する一又は二以上の制熱孔11…を形成して熱伝導性の低い領域An…を設けたため、実施の容易性及び低コスト性において最も大きなパフォーマンスを得ることができる。
(4) 好適な態様により、温度分布調整プレート5u,5dを、プレス盤部Pu,Pdにおける加圧面2u,2dと加熱部3u,3d間に介在させれば、プレス盤部Pu,Pdに一体化できるため、温度分布調整プレート5u,5dの位置ズレ等を回避し、常に、最適な温度分布を確保できる。
(5) 好適な態様により、被プレス材Mとして、ワークWを保持するワークトレー12を適用し、このワークトレー12における、加圧面2u,2dに対向する外面に温度分布調整プレート5u,5dを付設すれば、プレス盤部Pu,Pd側を変更することなく実施可能になるため、更なる実施容易性に寄与できる。
(6) 好適な態様により、ワークWとして、熱可塑性樹脂シートを含むシート部材Ea,EbによりICチップ等の電子部品Xを挟んだ積層基材Wsを適用すれば、高度の品質が要求されるICカードの製造にとって最適となる。
次に、本発明に係る最良の実施形態を挙げ、図面に基づき詳細に説明する。
まず、本実施形態に係る加熱プレス装置1の構成について、図1〜図6を参照して説明する。
加熱プレス装置1は、図3に示すように、装置本体1oと、この装置本体1oとは別体に構成したワークトレー1sを備える。なお、このワークトレー1sは被プレス材Mを構成する。ワークトレー1sは、図4に示す上挟持部21uと下挟持部21dを有し、上挟持部21uが下挟持部21dの上に重なることにより、内部が密封されるワークトレー1sとなる。このワークトレー1sの内部にはワークWを保持(挟持)することができる。図2にワークWの一例として積層基材Wsを示す。この積層基材Wsは、熱可塑性樹脂シートを含むシート部材Ea,EbによりICチップ等の電子部品Xを挟んだものであり、加熱プレス装置1を利用して熱圧着すればICカードWiを得ることができる。したがって、本実施形態に係る加熱プレス装置1は、高度の品質が要求されるICカードの製造にとって最適となる。
また、上挟持部21uは、上加圧プレート22uと、この上加圧プレート22uよりも大きい矩形枠状に構成した上フレーム23uを有し、上加圧プレート22uは、積層基材Wsの上面に重なる。上加圧プレート22uは、積層基材Wsの加圧時にシート部材Eaが軟化しない状態ではシート部材Eaの変形に応じて弾性変形し、かつシート部材Eaが軟化した状態では弾性復帰する一定の厚さを有する弾性プレート、望ましくは、厚さが1〔mm〕程度のステンレス板を用いる。そして、上加圧プレート22uと上フレーム23uは、上加圧プレート22uに一体形成した複数の矩形状の連結片24u…を介して連結する。これにより、熱による上加圧プレート22uの変形が吸収される。各連結片24u…は、図5に示すように、上加圧プレート22uにおける対向する一対の端辺部からそれぞれ突出し、当該端辺部に沿って一定間隔置きに設ける。この場合、各連結片24u…はクランク状に折曲形成する。そして、連結片24u…の全部又は一部の先端を固定ねじ25…を用いて上フレーム23uにねじ止めする。
下挟持部21dも基本的には上挟持部21uと同様に構成する。下挟持部21dにおいて、22dは下加圧プレート、23dは下フレーム、24d…は複数の連結片をそれぞれ示す。なお、下加圧プレート22dの上面には、周縁に沿ったシール材26を固着する。また、上加圧プレート22uには脱気口27を設け、この脱気口27は通気管28を介して脱気装置(真空ポンプ等)29に接続する。これにより、ワークトレー1sの内部を脱気できるとともに、切換により脱気口27からワークトレー1sの内部に空気を供給できる。
他方、装置本体1oは、図3及び図4に示すように、上側に配した固定プレス盤部Puと下側に配した可動プレス盤部Pdを備える。固定プレス盤部Puは、プレス盤本体部31を備え、このプレス盤本体部31は、後述する下側のプレス盤本体部41とは異なり、固定された不図示のプレス盤基部に直接取付けられる。プレス盤本体部31は、熱盤部32,断熱部33及び支持盤34を順次重ねて構成し、固定ボルト35…により一体化する。熱盤部32には、図4に示すように、加熱部3uを内蔵し、この加熱部3uは、盤面に沿って一定間隔おきに配した多数の加熱用棒ヒータ36…により構成する。また、熱盤部32の下面には、温度分布調整プレート5uを接着等により固定するとともに、さらに、この温度分布調整プレート5uの下面に、熱伝導性の高い素材により形成した加圧面プレート37uを接着等により固定する。これにより、加圧面プレート37uの下面が加圧面2uとなる。
温度分布調整プレート5uは、少なくとも空気よりも熱伝導性が高い素材、例えば、ステンレス素材等により形成したプレート部材Rを使用し、図1に示すように、全体の形状を熱盤部32の下面形状とほぼ同一に形成する。プレート部材Rの厚さは、使用環境などに応じて任意に選定できるが、ステンレス素材を用いた場合、通常、0.1〜0.5〔mm〕に選定することができる。そして、プレート部材Rには、加圧面2uの温度分布における少なくとも相対的に温度が高い領域Apに対応させて相対的に熱伝導性の低い領域Anを設ける。即ち、図6に示すように、一定間隔おきに多数の加熱用棒ヒータ36…を配した加熱部3uの場合、図8に示すような温度分布特性(ヒータ通電時間に対する加圧面の温度変化特性)となり、点線で示す中央の温度特性Tcrは、四隅付近の温度特性Tsr…よりも高くなる。したがって、例示の場合、加圧面2uの温度分布における少なくとも相対的に温度が高い領域Apは、加圧面2uの中央側となる。このため、プレート部材Rに加圧面2uの温度分布を均一化させるための複数の制熱孔11…を設ける。即ち、各制熱孔11…が空気層となり、制熱孔11…の内側空間が相対的に熱伝導性の低い領域Anとなるため、温度の高い領域に制熱孔11…を配置することにより全体の温度分布が均一化するように、複数の制熱孔11…の配置パターンを設定する。例示の場合、図6に示すように、小円孔を用いた二十九の制熱孔11…を形成し、中心側の配置密度を密にするとともに、外側の配置密度を粗にして分散させた。
他方、下側に位置する可動プレス盤部Pdは、加圧面2dを有するプレス盤本体部41を備える。プレス盤本体部41は、熱盤部42,断熱部43,支持盤44及び基盤部45を順次重ねて構成し、固定ボルト46…により一体化する。なお、熱盤部42には、上述した熱盤部32と同様に多数の加熱用棒ヒータ47…(図4)を内蔵する。また、熱盤部42の上面には、温度分布調整プレート5dを接着等により固定するとともに、さらに、温度分布調整プレート5dの上面に、加圧面プレート37dを接着等により固定する。この場合、温度分布調整プレート5d及び加圧面プレート37dは、上述した温度分布調整プレート5u及び加圧面プレート37uと同一のものを用いることができ、加圧面プレート37dの上面が加圧面2dとなる
このように、温度分布調整プレート5u,5dとして、少なくとも空気よりも熱伝導性が高い素材により形成したプレート部材Rに、所定の大きさ及び形状を有する一又は二以上の制熱孔11…を形成して熱伝導性の低い領域An…を設ければ、実施の容易性及び低コスト性において最も大きなパフォーマンスを得ることができる。また、温度分布調整プレート5u,5dを、プレス盤部Pu,Pdにおける加圧面2u,2dと加熱部3u,3d間に介在させれば、プレス盤部Pu,Pdに一体化できるため、温度分布調整プレート5u,5dの位置ズレ等を回避することができ、常に、最適な温度分布を確保できる利点がある。
また、52は機台部であり、この機台部52と可動プレス盤部Pd間に架設したトグルリンク機構53により当該可動プレス盤部Pdが支持される。54はトグルリンク機構53を駆動する駆動機構部であり、この駆動機構部54は、機台部52に取付けたサーボモータ55と、このサーボモータ55により駆動せしめられるボールねじ機構56を備える。これにより、ボールねじ機構56のボールねじ部57はサーボモータ55により回転駆動され、ボールねじ機構56のナット部58はトグルリンク機構53の入力部となる。
なお、以上説明した装置本体1oは、プレスシステム全体の一部を構成する。即ち、予熱プレス部(不図示),熱圧着プレス部及び冷却プレス部(不図示)の三台のプレス部によりプレスシステムを構成し、装置本体1oは、熱圧着プレス部を構成する。したがって、図3は、熱圧着プレス部を構成する装置本体1oのみを示す。
次に、図1〜図8を参照し、本実施形態に係る加熱プレス装置1の動作(機能)について、ICカードの製造を例にとって説明する。
まず、積層基材Wsをワークトレー1sに収容する。即ち、下挟持部21dの上面に積層基材Wsを載置し、上から上挟持部21uを重ねることにより、積層基材Wsを上挟持部21uと下挟持部21dにより挟む。この後、脱気装置29を作動させ、ワークトレー1sの内部を脱気する。これにより、積層基材Wsは上挟持部21uと下挟持部21dにより押圧されるとともに、積層基材Wsの内部に含む気泡が完全に除去される。
そして、積層基材Wsを収容したワークトレー1sは、最初に、不図示の予熱プレス部により予熱処理される。即ち、ワークトレー1sは一対のプレス盤により加圧され、熱圧着する際における正規の加熱温度よりも低い予熱温度、具体的には、シート部材Ea,Ebの塑性変形又は溶着が始まる直前の温度(例えば、70℃前後)に加熱される。これにより、積層基材Wsは加圧されつつ予熱温度により徐々に昇温せしめられるとともに、脱気が促進する。
次いで、予熱処理されたワークトレー1sは、本実施形態に係る加熱プレス装置1における装置本体1o(熱圧着プレス部)に供給される。この場合、可動プレス盤部Pdは、図4に示すように下降しているため、ワークトレー1sを可動プレス盤部Pdに載置した後、サーボモータ55を作動させれば、ナット部58が上昇し、トグルリンク機構53により可動プレス盤部Pdが上昇する。そして、ワークトレー1sが上側の加圧面2uに圧接し、ワークトレー1sに極低圧が付与された時点で一旦可動プレス盤部Pdの上昇を停止する。また、固定プレス盤部Puと可動プレス盤部Pdはそれぞれ加熱用棒ヒータ36…,47…により正規の加熱温度(例えば、150℃前後)に加熱される。なお、積層基材Wsは、その両面側が上挟持部21uと下挟持部21dにより挟まれ、かつ密封状態のワークトレー1sの内部に収容されるとともに、このワークトレー1sの内部は脱気装置29により脱気されているため、積層基材Wsが予熱プレス部から装置本体1oに移動しても、加熱状態及び加圧状態の連続性が確保、即ち、積層基材Wsに対する保温性と保圧性が確保される。
ところで、この場合、熱盤部32の下面は、前述した図8に示すような不均一な温度分布となり、加圧面2uの中心側の温度は相対的に高くなる。しかし、熱盤部32の下面と加圧面2u間には、温度分布調整プレート5uが介在するため、不均一な温度分布は、均一性の高い温度分布に是正される。即ち、温度分布調整プレート5uは、熱盤部32(加圧面2u)の温度分布における相対的に温度が高い領域Apに対応させて相対的に熱伝導性の低い領域Anを設けているため、熱盤部32の下面における中心側の熱は、制熱孔11…における空気層(断熱層)によりクッションシート37u側への伝熱が抑制され、クッションシート37uの下面(加圧面2u)の中心側の温度は相対的に低下する。なお、固定プレス盤部Pu側について説明したが、可動プレス盤部Pd側においても同様の作用を呈する。
このように、本実施形態に係る加熱プレス装置1によれば、加熱部3u,3dと被プレス材M間に介在し、加圧面2u,2dの温度分布における相対的に温度が高い(又は低い)領域Ap…に対応させて相対的に熱伝導性の低い(又は高い)領域An…を設けた温度分布調整プレート5u,5dを備えるため、加圧面2u,2dにおける温度分布の不均一性を是正し、良好な均一性を得ることができる。したがって、被プレス材Mの反りや歪の発生を回避し、プレス製品、特に、精密製品におけるより高度の品質化を実現できる。また、加圧面2u,2dの温度分布における相対的に温度が高い(又は低い)領域Ap…に対応させて相対的に熱伝導性の低い(又は高い)領域An…を設けた温度分布調整プレート5u,5dを追加するのみで実施できるため、プレス盤部Pu,Pdの本体側を変更することなく極めて容易に実施できるとともに、大幅なコストアップを招くことなく低コストに実施できる。しかも、制御系における制御条件の変更が不要なため、領域An…の周辺に対する影響も回避することができる。
図7は、このような温度分布調整プレート5u(5d)を備える加熱プレス装置1の加圧面2uの温度分布特性(ヒータ通電時間に対する加圧面の温度変化特性)を示す。この温度分布特性は、図6に示すように、四角形の加圧面2uを有し、かつ一定間隔おきに多数の加熱用棒ヒータ36…を配した加熱部32を備えるとともに、温度分布調整プレート5uを設けた場合の温度分布特性である。図7に示すように、四本の実線で示す四隅付近の温度特性Ts…はほぼ同じになるとともに、点線で示す中央の温度特性Tcも、四隅付近の温度特性Ts…とほぼ同じになる。少なくとも前述した図8の温度分布特性、即ち、温度分布調整プレート5uを使用しない温度分布特性に対して、大幅に是正することができる。なお、図6中、Ds点は温度測定点を示している。
他方、設定時間が経過して積層基材Wsが軟化したなら、再度、サーボモータ55を作動させることにより可動プレス盤部Pdを上昇させ、加圧面2dをICカードの厚さ位置で停止させる。これにより、ワークトレー1sは固定プレス盤部Puと可動プレス盤部Pdによって上下から加熱及び加圧され、積層基材Wsが熱圧着される。この際、ワークトレー1sにおける各加圧プレート22u及び22dは、熱(高温)により変形(拡大)するが、当該変形は複数の連結片24u…及び24d…により吸収されるため、積層基材Wsは、常に、平行度の高い一対の加圧プレート22u及び22dにより熱圧着され、製造時における歩留まり(生産性)を高めることができるとともに、ICカードの品質及び均質性の向上、さらには商品性を格段に高めることができる。
なお、積層基材Wsの熱圧着時には、加圧初期に積層基材Ws自身が十分加熱されない状態で加圧されるため、十分に軟化していないシート部材Ea,Ebを介して電子部品Xに圧力が付加されることになる。しかし、弾性プレートを用いた各加圧プレート22u,22dは、電子部品Xによるシート部材Ea,Ebの変形に応じて弾性変形するため、当該シート部材Ea,Ebの変形は各加圧プレート22u,22dにより吸収される。一方、ある程度時間が経過し、シート部材Ea,Ebが十分に軟化すれば、各加圧プレート22u,22dは本来の形状に弾性復帰し、積層基材Wsは、図2に示すように、各加圧プレート22u,22dの有する本来の平坦形状により熱圧着される。
この後、設定時間(例えば、20秒前後)が経過したなら、可動プレス盤部Pdを下降させ、熱圧着された積層基材Ws、即ち、製造されたICカードWiを冷却プレス部に移して冷却処理する。冷却処理では、ICカードWiが加圧されつつ冷却せしめられる。一方、冷却処理後、ワークトレー1sからICカードWiを取出すには、脱気口27からワークトレー1sの内部に空気を供給すればよい。これにより、ワークトレー1sの脱気状態が解除され、かつICカードWiはワークトレー1sから剥離する。よって、上挟持部21uを上昇させ、製造されたICカードWiを取出すことができる。
他方、図9(a)〜(d)には、温度分布調整プレート5uの変更例を示す。なお、図9(a)〜(d)において、図1〜図6と同一部分には同一符号を付してその構成を明確にした。また、温度分布調整プレート5uについて説明するが、他方の温度分布調整プレート5dに対しても同様に適用できる。
図9(a)は、プレート部材Rに形成する制熱孔11cを一つとし、その大きさ及び形状を異ならせたものである。このように、プレート部材Rに形成する制熱孔は、加圧面2uの温度分布における少なくとも相対的に温度が高い領域Apに対応した所定の大きさ及び形状を有する一又は二以上の制熱孔により任意に実施できる。図9(b)は、加熱部3u自体が非対称性を有する場合であり、この場合、制熱孔11d…は、いわば非対称性部位のマスクとして機能させることができる。図9(c)は、多層形式により構成したものである。例示は、二枚のプレート部材Ra,Rbを積層し、一方のプレート部材Raに径の大きい制熱孔11eaを形成するとともに、他方のプレート部材Rbに径の小さい制熱孔11ebを形成した場合を例示する。これにより、温度分布に対してより緻密な調整(是正)を行うことができる。図9(d)は、加圧面2uの温度分布における相対的に温度が低い領域に対応させて相対的に熱伝導性の高い領域Anを設けたものである。この場合、熱伝導性の低いプレート部材Reを使用し、このプレート部材Reの上面に凹部81を形成するとともに、この凹部81に熱伝導性の高い第二のプレート部材82を嵌め込んで構成することができる。なお、図9(a)〜(d)に示した各形態は、必要に応じて組合わせて利用できる。
さらに、図10には、加圧面2u,2bの変更例を示す。前記実施形態では加圧面プレート37uの下面を上側の加圧面2uとし、加圧面プレート37dの上面を下側の加圧面2bとして構成したが、図10は、更に、加圧面プレート37uの下面にクッションシート71uを貼着し、このクッションシート71uの下面を上側の加圧面2uとし、加圧面プレート37dの上面にクッションシート71dを貼着し、このクッションシート71dの上面を下側の加圧面2dとしたものである。クッションシート71uはシリコンゴム素材により形成する。なお、クッションシート71uは、熱伝導性に劣るため、できるだけ薄く形成する。例示の厚さは、0.3〔mm〕である。ところで、このように薄いクッションシート71uを使用しても、一辺は数十〔cm〕程度となるため、所望の弾性(クッション性)を得ることができない。このため、クッションシート71uの下面に、角度が90°のV溝を格子状に設けることにより多数の凸部71m…を形成した。例示の凸部71m…は、一辺が5〔mm〕程度となる正方形である。これにより、良好な熱伝導性が確保されると同時に、クッションシート71uにおける十分かつ最適なクッション性が確保される。しかも、このような多数の凸部71m…を形成することにより、クッションシート71uが加圧プレート22uに密着してくっ付いてしまう不具合も回避される。なお、クッションシート71dもクッションシート71uと同じである。
以上、最良の実施形態について詳細に説明したが、本発明は、このような実施形態に限定されるものではなく、細部の構成,形状,素材,数量,数値等において、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、任意に変更,追加,削除することができる。
例えば、温度分布調整プレート5u,5dは、プレス盤部Pu,Pdにおける加圧面2u,2dと加熱部3u,3d間に介在させた場合を例示したが、ワークトレー12における、加圧面2u,2dに対向する外面に付設してもよい。即ち、例示の場合、加圧プレート22u,22dの外面に接着等により付設することができる。これにより、プレス盤部Pu,Pd側を変更することなく実施可能となるため、更なる実施容易性に寄与できる。また、温度分布調整プレート5u,5d,加圧プレート22u,22d,クッションシート71u,71d等の素材は例示に限定されることなく他の素材により置換できる。一方、被プレス材Mとして、ワークWを保持するワークトレー12を適用した場合について説明したが、被プレス材MとしてワークW自体を適用してもよい。また、積層基材Ws(ICカード)の構成や素材も例示に限定されることなく任意のタイプに適用できるとともに、積層基材Ws以外の各種ワークWに適用できる。したがって、ワークWの種類や形態は問わない。さらに、加熱プレス装置1は、各種分野における加熱プレス装置に適用できるとともに、加熱プレス装置1は単体で利用されるものでもよいし、他の機械に組込まれた一部の機能部分として利用されるものでもよい。なお、温度分布調整プレート5u(5d)を設ける対象は、一対のプレス盤部Pu,Pdのいずれか一方のみであってもよい。
本発明の最良の実施形態に係る加熱プレス装置における要部の一部を示す分解斜視図、 同加熱プレス装置によりプレスしたワークを示す縦断面図、 同加熱プレス装置の全体を示す一部断面正面図、 同加熱プレス装置の要部を拡大して示す一部断面正面図、 同加熱プレス装置におけるワークトレーの平面図、 同加熱プレス装置における上側のプレス盤部(固定プレス盤部)の一部破断底面図、 同加熱プレス装置のヒータ通電時間に対する加圧面の温度変化特性図、 同加熱プレス装置から温度分布調整プレートを除いた場合のヒータ通電時間に対する加圧面の温度変化特性図、 同加熱プレス装置における温度分布調整プレートの変更例の説明図、 同加熱プレス装置における加圧面の変更例を示す要部の縦断面図、
符号の説明
1:加熱プレス装置,2u:加圧面,2d:加圧面,3u:加熱部,3d:加熱部,5u:温度分布調整プレート,5d:温度分布調整プレート,11…:制熱孔,12:ワークトレー,M:被プレス材,Pu:プレス盤部,Pd:プレス盤部,Ap…:加圧面の温度分布における相対的に温度が高い(又は低い)領域,An…:相対的に熱伝導性の低い(又は高い)領域,R…:プレート部材,W:ワーク,Ws:積層基材,Ea:シート部材,Eb:シート部材,X:電子部品

Claims (5)

  1. 被プレス材を挟んで加圧する加圧面を有するとともに、前記加圧面を加熱する加熱部を内蔵した一対のプレス盤部を備える加熱プレス装置において、少なくとも空気よりも熱伝導性が高い素材により形成したプレート部材に、所定の大きさ及び形状を有する一又は二以上の制熱孔を形成し、前記加熱部と前記被プレス材間に介在させることにより、前記加圧面の温度分布における相対的に温度が高い(又は低い)領域に対応させて相対的に熱伝導性の低い(又は高い)領域を設けた温度分布調整プレートを備えることを特徴とする加熱プレス装置。
  2. 前記温度分布調整プレートは、前記プレス盤部における前記加圧面と前記加熱部間に介在させることを特徴とする請求項1記載の加熱プレス装置。
  3. 前記被プレス材は、ワークを保持するワークトレーであることを特徴とする請求項1記載の加熱プレス装置。
  4. 前記温度分布調整プレートは、前記ワークトレーにおける、前記加圧面に対向する外面に付設することを特徴とする請求項3記載の加熱プレス装置。
  5. 前記ワークは、熱可塑性樹脂シートを含むシート部材によりICチップ等の電子部品を挟んだ積層基材であることを特徴とする請求項3記載の加熱プレス装置。
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