以下、適宜図面が参照されつつ、好ましい実施形態に基づいて本発明が詳細に説明される。なお、本願において「上端」、「上方」、「下端」、「下方」等のような上下を示す文言が使用される。本願において、「上」とは、シャフト軸線Z1方向における上側を意味し、換言すれば、シャフト後端側又はゴルフクラブのグリップ側を意味する。また「下」とは、シャフト軸線Z1方向における下側を意味し、換言すれば、ヘッドのソール側を意味する。また、特に説明が無い限り、本願において「軸方向」はシャフト軸線Z1方向を意味し、「周方向」は、この軸方向に対する周方向を意味するものとし、「半径方向」とは、上記軸方向に対して垂直な方向を意味するものとする。
図1は本発明の第一実施形態に係るゴルフクラブ2の一部を示す図であり、図2はゴルフクラブ2の分解図である。ゴルフクラブ2は、ヘッド4とシャフト6とを有する。シャフト6の一端部に、ヘッド4が取り付けられている。図示されないが、シャフト6の他端部にはグリップが取り付けられている。シャフト6は管状である。
図2が示すように、ゴルフクラブ2は、インナー部材8、ネジ部材10、ワッシャー12及びワッシャー14を有する。インナー部材8、ネジ部材10、ワッシャー12及びワッシャー14は、ヘッド4とシャフト6との接合に関与している。
ヘッド4は、ウッド型ゴルフクラブヘッドである。ヘッド4は、クラウン部16、サイド部18、フェース部20、ホーゼル部22及びソール部24を有する。ヘッド4は、中空である。フェース部20には、フェースライン25が設けられている。ヘッド4は、アイアン型ゴルフクラブヘッドでもよいし、他のあらゆるタイプのヘッドであってもよい。
図3は、ホーゼル部22近傍の断面図である。図3は、シャフト軸線Z1を含む平面に沿った断面図である。図4は、図3のIV−IV線に沿ったゴルフクラブ2の断面図である。図5は、図3のV−V線に沿ったゴルフクラブ2の断面図である。図6は、図3のVI−VI線に沿ったゴルフクラブ2の断面図である。なお、理解しやすい図面とする目的で、図4、図5及び図6においては、ネジ部の断面形状が考慮されていない。
シャフト6は中空部7を有する。ホーゼル部22は、その内面に形成されたネジ部26と、ホーゼル孔28とを有する。ネジ部26は、ホーゼル孔28の一部である。ホーゼル孔28は、ネジ部26と、非ネジ部27とを有する。非ネジ部27は、ネジ部26の下側に位置している。非ネジ部27の表面は、滑らかな円周面である。図3が示すように、ネジ部26は、雌ネジである。ネジ部26は、ホーゼル孔28の上部に形成されている。ネジ部26は、ホーゼル部22の端面29から、ホーゼル孔28の中途位置にまで設けられている。
ネジ部材10は、貫通孔30と、ネジ部32と、下向き面34、56(図2及び図3参照)とを有する。更にネジ部材10は、露出部36を有する。貫通孔30は、ネジ部32と露出部36とを貫通している。ネジ部材10の下部がネジ部32とされている。ネジ部32は、ネジ部材10の外面の一部を構成している。ネジ部32は、雄ネジである。ネジ部32の内面は、貫通孔30である。ネジ部材10の上部が露出部36とされている。ネジ部32は、外部から視認されない。ゴルフクラブ2において、露出部36は、外部に露出している。露出部36の内面は、貫通孔30である。
下向き面34は、ネジ部32と露出部36との境界に位置している。下向き面34は、段差面である。下向き面34は、平面である。下向き面34は、円環状である。下向き面34は、半径方向に延在している。下向き面34の外径は、ネジ部32の外径(最大径)よりも大きい。ネジ部材10において、下向き面34の外径は、この下向き面34よりも下側の部分における最大径よりも大きい。下向き面34は、ネジ部32よりも半径方向外側に延在している。なお、下向き面34は、半径方向に対して傾斜していてもよい。下向き面は、上向きの力を受けることができる面である。
露出部36の外面は、円錐面(円錐凸面)を形成している。露出部36の外径は、下側へいくほど大きい。露出部36の外径は、その下端において最大である。露出部36の最大径は、ホーゼル部22の端面29の外径と実質的に等しい。
外観上、露出部36は、いわゆるフェラルのように見える。通常、ゴルフクラブは、フェラルを有している。露出部36の外観は、フェラルと同様である。ゴルフクラブ2は、通常のゴルフクラブと同様の外観を有している。通常のゴルフクラブを見慣れた多くのゴルファーにとって、ゴルフクラブ2の外観は、違和感が無い。
貫通孔30は、ネジ部材10を貫通している。貫通孔30とネジ部材10とは、同軸である。ネジ部材10とシャフト6とは、同軸で配置されている。ネジ部材10とインナー部材8とは、同軸で配置されている。
ワッシャー14は、円環状である。ワッシャー14は、ホーゼル部22の端面29と下向き面34との間に介在している。ワッシャー14の外径は、ホーゼル部22の端面29の外径と実質的に等しい。ワッシャー14の外径は、下向き面34の外径と実質的に等しい。外観上、ワッシャー14は、ホーゼル部22又は露出部36と一体に見えやすい。通常のゴルフクラブを見慣れた多くのゴルファーにとって、ワッシャー14及びホーゼル部22の外観は、違和感が無い。好ましくは、ワッシャー14の外面の色は、ホーゼル部22の外面又は露出部36の外面と同色とされるのがよい。例えば、露出部36の外面及びワッシャー14が黒色とされてもよい。なお、ワッシャー14は無くても良い。ワッシャー14が無い場合、ゴルフクラブ2の外観が通常のゴルフクラブと実質的に同一となり、違和感が無い。
図3が示すように、ネジ部材10のネジ部32と、ホーゼル部22のネジ部26とがネジ結合している。即ち、雄ネジであるネジ部32と、雌ネジであるネジ部26とがネジ結合している。このネジ結合により、ネジ部材10がヘッド4に対して固定されている。
上記ネジ結合は、打球時にボールから受ける力により締め付けられるように構成されている。ヘッド4は右利き用である。右利き用のヘッド4の場合、打球時にボールから受ける力により、ヘッド4は、上方(グリップ側)から見て、シャフト軸線Z1を中心として右回りに回転しようとする。この回転により、ネジ部26(雌ネジ)とネジ部32(雄ネジ)とが締め付けられるように構成されている。上方(グリップ側)から見てネジ部材10が左回りに回転されると、ネジ部26とネジ部32とが締め付けられる。逆に、上方(グリップ側)から見てネジ部材10が右回りに回転されると、ネジ部26とネジ部32との締め付けが緩む。このように、ネジ部26及びネジ部32は、左ネジである。
このように、右利き用のゴルフクラブの場合、上記ネジ部26、32は左ネジとされるのが好ましい。左ネジとされることにより、打球時の衝撃によるネジ結合の緩みが抑制される。打球時の衝撃によるネジ結合の緩みを抑制する観点から、ゴルフクラブが左利き用である場合、上記ネジ部26、32は右ネジとされるのが好ましい。
図7は、インナー部材8の断面図である。図7は、シャフト軸線Z1を含む平面に沿った断面図である。図8は、インナー部材8の側面図である。図9は、インナー部材8を下方から見た平面図である。図10は、図2のIX−IX線に沿ったインナー部材8の断面図である。図11は、図3のXI−XI線に沿ったホーゼル部22の断面図である。
インナー部材8は、その一部がホーゼル孔28に挿入されている。図3が示すように、インナー部材8の下部がホーゼル孔28に挿入されている。インナー部材8のうち、ホーゼル孔28に挿入されていない部分は、ネジ部材10の露出部36の内側、及びワッシャー14の内側に位置している。
図7等が示すように、インナー部材8は、シャフト挿入孔40と、下面42と、上向き面44とを有する。シャフト挿入孔40は、インナー部材8の上端側に開口している。シャフト挿入孔40は、インナー部材8の上端面46において開口している。
インナー部材8は、シャフト6に固着されている。インナー部材8は、シャフト6に接着されている。インナー部材8は、接着剤によりシャフト6に接着されている。シャフト挿入孔40が、シャフト6の外面48に接着されている。本願の断面図では、接着剤層の記載が省略されている。なおインナー部材8とシャフト6とは、接着以外の方法で固着されていてもよい。この固着方向として、嵌合が挙げられる。生産性及び固着強度の観点から、接着剤による接着が好ましい。
上向き面44は、インナー部材8の長手方向中途位置に配置されている。インナー部材8の上部(小径部52)の外径は、インナー部材8の下部(大径部54)の外径よりも小さい。この外径の差に起因して、段差面50が設けられている。この段差面50が、上向き面44である。上向き面44は、円環状である。上向き面44は、半径方向に沿って延在している。上向き面44の内径は、小径部52の外径に等しい。上向き面44の外径は、大径部54の外径に等しい。なお上向き面44は、半径方向に対して傾斜していてもよい。また上向き面44の位置は限定されない。上向き面44は円環状でなくてもよい。例えば上向き面44は、凸部の上面であってもよい。上向き面は、下向きの力を受けることができる面である。
大径部54の外径は、ホーゼル孔28における非ネジ部27の直径に略等しい。小径部52の外径は、貫通孔30の直径に略等しい。インナー部材8とホーゼル孔28との間には、実質的に隙間が存在しない。
図3が示すように、上向き面44とネジ部材10との間にワッシャー12が介在している。ネジ部材10の下端面56と上向き面44との間にワッシャー12が介在している。下端面56は、下向き面である。ワッシャー12は、上向き面44及び下向き面56の摩滅を抑制しうる。なおワッシャー12は、無くてもよい。
下向き面56は、円環状である。下向き面56は、半径方向に延在している。下向き面56は、ネジ部32の下端面である。なお、下向き面56は、半径方向に対して傾斜していてもよい。下向き面は、上向きの力を受けることができる面である。
下面42は、全体として先細り形状である。インナー部材8の下面42は、凹凸面である。図8、図9及び図10が示すように、下面42は、複数の平面から構成されている。下面42は、12個の平面により構成されている。下面42は、平面p1、平面p2、平面p3、平面p4、平面p5、平面p6、平面p7、平面p8、平面p9、平面p10、平面p11及び平面p12により構成されている(図9及び図10を参照)。
平面p1から平面p12は、稜線rと、谷線tとにより区画されている。稜線rは、凸の頂点の集合である。谷線tは、凹の最深点の集合である。
図9の平面視において、下面42に関し、谷線tと稜線rとは、周方向において交互に配列している。更に、谷線tと稜線rとは、周方向に均等に配置されている。図9の平面視において、隣接する谷線tと稜線rとのなす角度は一定である。図9の平面視において、谷線t及び稜線rは、頂点t1から放射状に伸びている。インナー部材8の中心軸線Z2と稜線rとのなす角度は、全ての稜線rに関し一定である。全ての稜線rの長さは等しい。インナー部材8の中心軸線Z2と谷線tとのなす角度は、全ての谷線tに関し一定である。全ての谷線tの長さは等しい。インナー部材8の中心軸線Z2は、頂点t1を通る。谷線tの一端は頂点t1であり、谷線tの他端は大径部54の外面に位置する。稜線rの一端は頂点t1であり、稜線rの他端は大径部54の外面に位置する。なお、この中心軸線Z2とシャフト軸線Z1とは実質的に一致している。
図3及び図11が示すように、ヘッド4は、受け面60を有する。この受け面60は、ホーゼル孔28の底面である。この受け面60は、凹凸面である。この凹凸面の形状は、インナー部材8の下面42の形状と対応している。
図11が示すように、受け面60は、複数の平面から構成されている。受け面60は、12個の平面により構成されている。受け面60は、平面s1、平面s2、平面s3、平面s4、平面s5、平面s6、平面s7、平面s8、平面s9、平面s10、平面s11及び平面s12により構成されている(図11を参照)。
平面s1から平面s12は、稜線rと、谷線tとにより区画されている。図11が示すように、稜線rと谷線tとは周方向に交互配列されている。
図11の平面視において、受け面60に関し、谷線tと稜線rとは、周方向において交互に配列している。図11の平面視において、隣接する谷線tと稜線rとのなす角度は一定である。図11の平面視において、谷線t及び稜線rは、最低点r1から放射状に伸びている。谷線tの一端は最低点r1であり、谷線tの他端は非ネジ部27の表面に位置する。稜線rの一端は最低点r1であり、稜線rの他端は非ネジ部27の表面に位置する。ホーゼル孔28の中心軸線Z3と稜線rとのなす角度は、全ての稜線rに関し一定である。全ての稜線rの長さは等しい。中心軸線Z3と谷線tとのなす角度は、全ての谷線tに関し一定である。全ての谷線tの長さは等しい。中心軸線Z3は、最低点r1を通る。なお、この中心軸線Z3とシャフト軸線Z1とは実質的に一致している。
受け面60は、インナー部材8の下面42に対応した凹凸面である。下面42と受け面60とは、面接触している。下面42の稜線rと受け面60の谷線tとが線接触している。下面42の谷線tと受け面60の稜線rとが線接触している。平面p1と平面s1とが面接触している。平面p2と平面s2とが面接触している。平面p3と平面s3とが面接触している。平面p4と平面s4とが面接触している。平面p5と平面s5とが面接触している。平面p6と平面s6とが面接触している。平面p7と平面s7とが面接触している。平面p8と平面s8とが面接触している。平面p9と平面s9とが面接触している。平面p10と平面s10とが面接触している。平面p11と平面s11とが面接触している。平面p12と平面s12とが面接触している。下面42を構成する平面のそれぞれが、受け面60を構成する平面のいずれかと面接触している。
下面42において、凹凸面の少なくとも一部が、シャフト軸線Z1に対して傾斜した傾斜面である。本実施形態の下面42では、凹凸を構成する全ての面(平面p1から平面p12)が、シャフト軸線Z1に対して傾斜した傾斜面である。
受け面60において、凹凸面の少なくとも一部が、シャフト軸線Z1に対して傾斜した傾斜面である。本実施形態の受け面60では、凹凸を構成する全ての面(平面s1から平面s12)が、シャフト軸線Z1に対して傾斜した傾斜面である。
下面42において、平面p1と平面p2とで、凸が形成されている。一方、受け面60において、平面s1と平面s2とで、凹が形成されている。下面42の凸が、受け面60の凹に嵌っている。
下面42において、平面p2と平面p3とで、凹が形成されている。一方、受け面60において、平面s2と平面s3とで、凸が形成されている。受け面60の凸が、下面42の凹に嵌っている。
下面42において、凹と凸とが周方向に交互配列されている。受け面60において、凸と凹とが周方向に交互配列されている。下面42の凹と受け面60の凸とが嵌り合い、且つ、下面42の凸と受け面60の凹とが嵌り合っている。
このように、下面42は、少なくとも1つの凸を有している。具体的には、下面42は、6個の凸を有している。また下面42は、少なくとも一つの凹を有している。具体的には、下面42は、6個の凹を有している。下面42が有する凸の断面形状は、先細り形状である。この凸の断面形状は、稜線rを頂点とする三角形である。
また、受け面60は、少なくとも1つの凸を有している。具体的には、受け面60は、6個の凸を有している。また受け面60は、少なくとも一つの凹を有している。具体的には、受け面60は、6個の凹を有している。受け面60が有する凸の断面形状は、先細り形状である。具体的には、この凸の断面形状は、稜線rを頂点とする三角形である。
本実施形態では、下面42の凸の断面形状が先細り形状であるため、この下面42の凸が、受け面60の凹に嵌り込みやすい。また、受け面60の凸の断面形状が先細り形状であるため、この受け面60の凸が、下面42の凹に嵌り込みやすい。よって、インナー部材8のヘッド4への着脱は容易である。換言すれば、シャフト6のヘッド4への着脱は容易である。
上記のように、下面42の凹と受け面60の凸とが係合している。また、下面42の凸と受け面60の凹とが係合している。下面42と受け面60との係合により、インナー部材8がホーゼル孔28に対して回転することが規制されている。下面42及び受け面60は、ホーゼル孔28内におけるインナー部材8の回転(シャフト軸線Z1回りの回転)を規制するように係合している。なお、下面42と受け面60との間に他の部材が介在していてもよい。
また、前述したように、ネジ部材10の下向き面56とインナー部材8の上向き面44とは、係合している。上記実施形態では、この係合は、間接的である。即ちこの係合は、ワッシャー12を介した係合である。下向き面56と上向き面44とが直接的に係合していてもよい。この係合により、インナー部材8がホーゼル孔28に対して上方に移動することが規制されている。
インナー部材8がホーゼル孔28に対して上方に移動しない限り、下面42と受け面60との係合(当接)は維持される。下面42と受け面60との係合により、インナー部材8は、ホーゼル孔28に対して回転することができない。なお、受け面60により、インナー部材8がホーゼル孔28に対して下方に移動することも規制されている。
このように、インナー部材8は、ホーゼル孔28に対して上下に移動することができず、且つ、ホーゼル孔28に対して回転することもできない。インナー部材8は、ホーゼル孔28に対して固定されている。インナー部材8とホーゼル孔28とは接着されていない。しかし、インナー部材8は、ホーゼル孔28により保持されつつ、ホーゼル孔28に固定されている。
インナー部材8を有するシャフト6は、ヘッド4に対して、着脱可能である。シャフト6の装着は、ネジ部材10をヘッド4に対してネジ止めすることによりなされうる。シャフト6の取り外しは、ネジ部材10のヘッド4に対するネジ止めを解除することによりなされうる。ネジ機構を緩めることにより、ヘッド4とシャフト6との固定が容易に解除されうる。
ゴルフクラブ2の組立手順として、例えば次の手順が例示される。
[組立手順]以下の工程(1)から(5)である。
(1)ネジ部材10のネジ部32をワッシャー14に挿通するとともに、シャフト6をネジ部材10の貫通孔30に挿通する。
(2)インナー部材8の小径部52をワッシャー12に挿通する。
(3)インナー部材8のシャフト挿入孔40にシャフト6を差し込み、シャフト6とインナー部材8とを接着剤等により接合する。
(4)インナー部材8をホーゼル孔28に差し込む。
(5)ネジ部材10とホーゼル部22とをネジ止めする。
上記手順により組み立てられた後は、シャフト6の着脱は容易である。即ち、ネジ機構によりシャフト6がヘッド4に対して着脱されうる。組み立てられる前の部品としてシャフト6が販売される場合、上記組立手順において工程(3)まで終了してなる部材が販売されてもよい。
ワッシャー14及びワッシャー12は、設けられなくてもよい。ただし、ワッシャー12及びワッシャー14は、受け面60と下面42との係合を確実とする上で重要である。受け面60と下面42との当接(1)と、端面29と下向き面34との当接(2)と、ネジ部材10の下向き面56と上向き面44との当接(3)とが同時に達成されるためには、高い寸法精度が要求される。ワッシャー14又はワッシャー12が弾性変形可能な材質とされることにより、この寸法精度が緩和されうる。この観点から、下向き面34と端面29との間に介在する介在部材K1(ワッシャー14)の材質は、ネジ結合の軸力により弾性変形しうるのが好ましい。そして、ネジ結合の軸力による上記介在部材K1の弾性変形の範囲内において、受け面60と下面42との当接(係合)が達成されているのが好ましい。同様に、ネジ部材10の下向き面56と上向き面44との間に介在する介在部材K2(ワッシャー12)の材質は、ネジ結合の軸力により弾性変形しうるのが好ましい。そして、ネジ結合の軸力による上記介在部材K2の弾性変形の範囲内において、受け面60と下面42との当接が達成されているのが好ましい。ネジ結合の軸力により、下面42は、受け面60を押圧しているのが好ましい。この押圧により、相対回転規制効果が向上しうる。上記介在部材K1又は介在部材K2の存在により、下面42が受け面60を押圧する構成が達成されやすい。
介在部材が視認されないようにして美観を高める観点からは、介在部材K1(ワッシャー14)は設けられず、介在部材K2(ワッシャー12)が設けられるのが好ましい。この場合、ネジ結合の軸力による介在部材K2の弾性変形の範囲内において、下向き面34と端面29との当接が達成され且つ受け面60と下面42との当接(係合)が達成されるのが好ましい。
なお、受け面60と下面42とが当接した状態で、ホーゼル部22の端面29と下向き面34との間に隙間がある構成も可能である。この場合、受け面60と下面42との当接が確実とされる点において好ましい反面、下向き面34と端面29との隙間が視認されうる点で好ましくない。外観上の観点から、上記介在部材K1を存在させるのも好ましい。外観上の観点から、下向き面34と端面29との間に隙間が存在しないのが好ましい。
図12は、第二実施形態に係るヘッド68におけるホーゼル付近の断面図である。このヘッド68の構成は、緩衝部材70が設けられている他は、前記ヘッド4と同様である。インナー部材72の上側に緩衝部材70が設けられている。緩衝部材70を設置するスペースを確保するため、インナー部材72の長さは、前述したインナー部材8よりも短くされている。緩衝部材70の内径は、この緩衝部材70の内部におけるシャフト6の外径と実質的に等しい。緩衝部材70の外径は、ネジ部材10の内径(貫通孔30の直径)と実質的に等しい。緩衝部材70は、ネジ部材10の上端部に配置されている。
打球時には、ヘッド68に衝撃力が作用する。この衝撃力により、ヘッド68とシャフト6との間に応力が作用しうる。この応力は、ネジ部材10の上端面10aにおいて集中しやすい。緩衝部材70は、この応力集中を効果的に緩和しうる。応力集中を緩和する観点から、緩衝部材70の材質として、樹脂、ゴム等が例示される。樹脂としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂等が例示される。熱可塑性樹脂として、熱可塑性エラストマーが例示される。この熱可塑性エラストマーとして、ハードセグメントとソフトセグメントとを有する熱可塑性ウレタンエラストマーが例示される。樹脂として、酢酸セルロース、硝酸セルロース、ABS樹脂及びポリプロピレンが好ましく、酢酸セルロースがより好ましい。
図13は、第三実施形態に係るヘッド73におけるホーゼル付近の断面図である。このヘッド73の構成は、インナー部材75の上端部の形状を除き、前記ヘッド4と同様である。このインナー部材75の内面の上端部には、傾斜面77が設けられている。傾斜面77は、テーパー面である。傾斜面77は、円錐凹面である。この傾斜面77は、上側にくほどシャフト6から離れるように傾斜している。この傾斜面77は、上側にいくほどインナー部材75の内径が大きくなるように傾斜している。この傾斜面77により、インナー部材75とシャフト6との間に空間79が確保される。この傾斜面77により、ネジ部材10の上端面10aにおいて生じうるシャフト6への応力集中が緩和されうる。この第三実施形態では、緩衝部材を設けることなく応力集中の緩和が達成されうる。
図14は、第四実施形態に係るヘッド81におけるホーゼル付近の断面図である。このヘッド81の構成は、緩衝部材83の存在を除き、前記ヘッド73と同様である。このヘッド81では、上記空間79が、緩衝部材83で占められている。緩衝部材83の外面は傾斜している。緩衝部材83の外面は、円錐凸面である。緩衝部材83の外面は傾斜面77に当接している。緩衝部材83の内径は一定である。緩衝部材83の外径は、上側にいくほど大きくなっている。緩衝部材83の上端面は、ネジ部材10の上端面10aと実質的に面一である。この緩衝部材83により、ネジ部材10の上端面10aにおいて生じうるシャフト6への応力集中がより一層緩和されうる。
上記実施形態では、ホーゼル部のネジ部が雌ネジであり、ネジ部材10のネジ部が雄ネジであった。逆に、ホーゼル部のネジ部が雄ネジであり且つネジ部材のネジ部が雌ネジであってもよい。この場合、ホーゼル部の外面に雄ネジが形成され、ネジ部材の内面に雌ネジが形成され、ホーゼル部の雄ネジの外側にネジ部材の雌ネジが螺合した構成が例示される。この構成の一例が、図15に示す実施形態である。
図15は、本発明の第五実施形態のヘッド74の断面図である。このヘッド74は、ホーゼル部のネジ部が雄ネジであり且つネジ部材のネジ部が雌ネジである例である。この第五実施形態のヘッド74は、ネジ部材76、インナー部材78及びホーゼル部80を有している。ホーゼル部80は、ホーゼル孔82を有している。インナー部材78は、シャフト挿入孔84を有している。シャフト6は、シャフト挿入孔84に挿入されつつ接着されている。
インナー部材78は、円筒部86と、下面88とを有する。下面88の形態は、前述したインナー部材8の下面42と同様である。この下面88と当接する受け面90の形態は、前述した受け面60と同様である。
前述したインナー部材8は、その長手方向の中途位置に上向き面44を有していた。これに対して、本実施形態のインナー部材78は、その長手方向の中途位置に上向き面を有さない。受け面90を除き、インナー部材78の外径は一定である。即ち円筒部86の外径は一定である。インナー部材78は段差面を有さない。
インナー部材78の上向き面92は、インナー部材78の上端面である。この上向き面92が、ネジ部材76と係合している。
ネジ部材76は、貫通孔96と、内方延在部98とを有する。ネジ部材76は、ネジ部102を有する。このネジ部102は、雌ネジである。貫通孔96は、非ネジ部100と、ネジ部102とにより構成される。ネジ部102のの内径は、非ネジ部100の内径よりも大きい。
ホーゼル部80は、円筒部104と、上向き面106と、上端面108とを有する。円筒部104を貫通する貫通孔は、ホーゼル孔82の一部である。上向き面106は、円筒部104の下端に位置している。上端面108は、円筒部104の上端を構成している。
円筒部104の外面は、ネジ部110とされている。このネジ部110は、雄ネジである。雄ネジであるネジ部110と、雌ネジである前記ネジ部102とがネジ結合している。
インナー部材78の上端面である上向き面92には、内方延在部98の下面98aが直接的に係合している。この下面98aが、ネジ部材76の下向き面である。この係合は、ワッシャー等を介した間接的なものであってもよい。ネジ部材76において、内方延在部98は、貫通孔96の非ネジ部100よりも半径方向内側に突出している。この内方延在部98は、円環状である。この内方延在部98は、例えば凸部であってもよい。内方延在部98と上向き面92との係合により、インナー部材78がホーゼル孔82に対して上方に移動することが規制されている。
ネジ部材76の外面は、テーパー面112と円周面114とを有する。テーパー面112は、円周面114の上側に位置する。テーパー面112と円周面114とは、段差なく連続している。ネジ部材76の下端面116は、上向き面106と直接的に当接している。この当接は、ワッシャー等を介した間接的なものであってもよい。下端面116の外径と上向き面106の外径とは実質的に同一である。ネジ部材76の下端において、ネジ部材76の外面とホーゼル部80の外面とは実質的に段差なく連続している。これによりヘッドの美観が向上している。テーパー面112の外径は、上側ほと小さくなる。テーパー面112は、いわゆるフェラルと同様の形状を呈する。テーパー面112によりヘッドの美観が向上している。
内方延在面98とシャフト6との間には、緩衝部材118が設けられている。緩衝部材118は、円環状である。この緩衝部材118は、内方延在面98の上面における応力集中を緩和し、シャフト6の耐久性を向上させうる。この緩衝部材118の好ましい材質は、緩衝部材70と同じである。
インナー部材の下面及び受け面の形態は、上記実施形態に限定されない。インナー部材の下面と受け面との係合により、インナー部材のホーゼル孔に対する回転が規制されればよい。前述したインナー部材の下面において、隣接した2つの平面により形成される凹凸の断面形状は三角形状であったが、この断面形状は矩形状であってもよいし、台形状であってもよい。また、インナー部材の下面及び受け面を構成する面は、平面に限られず、曲面であってもよい。
好ましくは、上記インナー部材の下面が、少なくとも1つの凸又は少なくとも一つの凹を有し、上記受け面が、上記下面の凸又は凹と面接触しうる少なくとも1つの凹又は凸を有し、上記インナー部材の下面又は上記受け面に存在する上記凸は、その断面形状が先細り形状である。この点については前述した通りである。
インナー部材の下面又は受け面において、上記稜線rが、面で置換されてもよい。この面は、例えば、上記実施形態における稜線rを面取りすることにより形成されうる。この場合、インナー部材の下面又は受け面に形成された凸の断面形状は、台形となる。この台形は、先細り形状である。また、インナー部材の下面又は受け面において、上記谷線tが、面で置換されてもよい。
インナー部材の下面及び受け面に、シャフト軸線Z1に対して垂直な平面pvが存在していてもよい。ただし、インナー部材とホーゼル孔との相対回転の規制効果を高める観点から、インナー部材の下面及び受け面に平面pvは存在しないのが好ましい。インナー部材とホーゼル孔との相対回転の規制効果が、以下において単に「相対回転規制効果」とも称される。
インナー部材の下面は、インナー部材8の中心軸線Z2を回転対称軸とした回転対称性を有するのが好ましい。回転対称性とは、その回転対称軸回りに(360/N)度回転させたときに、回転前の形状と一致することを意味する。ただしNは2以上の整数である。そして、受け面も、中心軸線Z2(中心軸線Z3)を回転対称軸とした回転対称性を有するのが好ましい。回転対称軸回りに(360/N)度回転させたときに、回転前の形状と一致することが、「N回回転対称」とも称される。。この回転対称性により、インナー部材の下面と受け面とが嵌り合う自由度が高まり、インナー部材の下面を受け面に係合させやすくなる。
上記実施形態のインナー部材8において、下面42は、中心軸線Z2を回転対称軸とした回転対称性を有している。この下面42は、中心軸線Z2を回転対称軸とした6回回転対称である。上記受け面60も、6回回転対称である。なお下面42及び受け面60は、3回回転対称でもあり、2回回転対称でもあるが、Nの最大値は6である。好ましくは、下面42の上記Nと、受け面60の上記Nとは等しい。好ましくは、下面42の上記Nの最大値と、受け面60の上記Nの最大値とは等しい。
相対回転規制効果を高める観点、及び下面と受け面との嵌め込みの自由度を高める観点から、回転対称性における上記Nの最大値は、3以上が好ましく、4以上がより好ましく、6以上が更に好ましい。Nの最大値が大きい場合、凸が鋭利な形状となったり、凸の幅が狭くなったりするので、凸の耐久性が低下しやすい。この観点からNの最大値は、20以下が好ましく、12以下がより好ましく、8以下が更に好ましい。
なお、本発明では、インナー部材の下面及び受け面とが係合していなくてもよい。例えば、ホーゼル孔の内面とインナー部材の側面とが係合し、この係合により、インナー部材のホーゼル孔に対する回転が規制されていてもよい。また、本発明では、インナー部材とホーゼル孔との係合による回転の規制がなされなくてもよい。例えば、ネジ結合の軸力により、インナー部材の下面がホーゼル部の受け面に押圧され、この押圧に起因する摩擦力により、インナー部材のホーゼル孔に対する回転が規制されていてもよい。この場合、インナー部材の下面及び受け面は、共に、シャフト軸線Z1に対して垂直な平面であってもよい。
インナー部材とホーゼル部とを係合させる形態として、インナー部材には半径方向外側に突出する突起を設けるとともに、ホーゼル部にはその端面から下方に延在する切り欠きを設ける形態が考えられる。ホーゼル部の切り欠きにインナー部材の突起を嵌め込むことにより、インナー部材とホーゼル部との相対回転が規制されうる。ただしこの場合、ホーゼル部の切り欠きが外部から視認されうるため、従来のゴルフクラブとは異なる外観となる。よってこの形態は、美観の観点からは本発明と比較して好ましくない。
ヘッドの材質は、限定されない。ヘッドの材質として、チタン、チタン合金、CFRP(炭素繊維強化プラスチック)、ステンレス鋼、マルエージング鋼、マグネシウム合金、アルミニウム合金、鉄等が例示される。複数の材質を組み合わせたヘッドでもよい。鋳造により作製されたヘッド本体と、鍛造又はプレスにより作製されたフェース部とが接合されたヘッドであってもよい。
ヘッドの構造は、限定されない。ヘッドは、全体として一体成形されていてもよいし、複数の部材を接合してなるものであってもよい。ヘッドの製造方法は限定されない。ヘットの製造方法として、ロストワックス精密鋳造等の鋳造、鍛造等が例示される。
シャフトの材質は、限定されない。シャフトの材質として、CFRP(炭素繊維強化プラスチック)や金属が例示される。いわゆるカーボンシャフトやスチールシャフトが好適に用いられうる。また、シャフトの構造は、限定されない。
インナー部材の材質は、限定されない。クラブ重量の増加を抑制する観点から、インナー部材は軽量であるのが好ましい。この観点から、インナー部材の比重は、4.6以下であるのが好ましく、4.5以下であるのがより好ましい。打球の衝撃による破損を抑制する観点から、インナー部材は高強度であるのが好ましい。これらの観点から、好ましいインナー部材の材質は、アルミニウム、アルミニウム合金、チタン、チタン合金、マグネシウム、マグネシウム合金、CFRP(炭素繊維強化プラスチック)、樹脂等である。
ネジ部材の材質は、限定されない。クラブ重量の増加を抑制する観点から、ネジ部材は軽量であるのが好ましい。この観点から、ネジ部材の比重は、4.6以下であるのが好ましく、4.5以下であるのがより好ましい。打球の衝撃による破損を抑制する観点から、ネジ部材は高強度であるのが好ましい。これらの観点から、好ましいネジ部材の材質は、アルミニウム、アルミニウム合金、チタン、チタン合金、マグネシウム、マグネシウム合金、CFRP(炭素繊維強化プラスチック)、樹脂等である。
ワッシャー(介在部材)の材質は、限定されない。クラブ重量の増加を抑制する観点から、ワッシャーは軽量であるのが好ましい。この観点から、ワッシャーの比重は、4.6以下であるのが好ましく、4.5以下であるのがより好ましい。打球の衝撃による破損を抑制する観点から、ワッシャーは高強度であるのが好ましい。これらの観点から、好ましいワッシャーの材質は、アルミニウム、アルミニウム合金、チタン、チタン合金、マグネシウム、マグネシウム合金、CFRP(炭素繊維強化プラスチック)、ゴム、樹脂等である。また前述した通り、ワッシャーは弾性体であるのが好ましく、ゴム又は樹脂であるのがより好ましい。ワッシャー(介在部材)の好ましい材質は、前述した緩衝部材70と同じである。
図8において両矢印Aで示されるのは、シャフト挿入孔の直径である。シャフトの差し込みを容易とする観点から、シャフト挿入孔に挿入される部分のシャフト外径がD1mmとされたとき、直径Aは、(D1+0.02)mm以上が好ましく、(D1+0.03)mm以上がより好ましく、(D1+0.04)mm以上が更に好ましい。シャフトとの接着強度を高める観点から、Aは、(D1+0.20)mm以下が好ましく、(D1+0.15)mm以下がより好ましく、(D1+0.10)mm以下が更に好ましい。なおシャフト外径D1は、通常、8.5mm以上10.0mm以下である。
図8において両矢印Bで示されるのは、小径部の外径(mm)である。インナー部材の耐久性を高める観点から、小径部の厚み[(B−A)/2]は、0.25mm以上が好ましく、0.30mm以上がより好ましく、0.40mm以上が更に好ましい。インナー部材の質量を抑制し、ヘッド重心が過度にヒール寄りとなるのを防止する観点から、小径部の厚み[(B−A)/2]は、1.50mm以下が好ましく、1.20mm以下がより好ましく、0.8mm以下が更に好ましい。
図8において両矢印Cで示されるのは、大径部54の外径(mm)である。インナー部材の耐久性を高める観点から、上向き面の半径方向幅[(C−B)/2]は、0.25mm以上が好ましく、0.30mm以上がより好ましく、0.40mm以上が更に好ましい。インナー部材の質量を抑制し、ヘッド重心が過度にヒール寄りとなるのを防止する観点から、上向き面の半径方向幅[(C−B)/2]は、1.50mm以下が好ましく、1.20mm以下がより好ましく、0.8mm以下が更に好ましい。
図8において両矢印Dで示されるのは、小径部の軸方向長さである。この長さDは、インナー部材の中心軸線Z2に沿って測定される。ネジ部材のネジ部の軸方向長さを大きくしてネジ結合の締結力を高める観点から、長さDは、11mm以上が好ましく、15mm以上がより好ましく、20mm以上が更に好ましい。長さDが長すぎる場合、ネジ部材が過度に大型化してヘッド重量が過大となりやすい。この観点から、長さDは、35mm以下が好ましく、31mm以下がより好ましく、28mm以下が更に好ましい。
図8において両矢印Eで示されるのは、シャフト挿入孔40の深さである。この深さEは、中心軸線Z2に沿って測定される。シャフトとの接着強度を高める観点から、深さEは、25mm以上が好ましく、30mm以上がより好ましく、35mm以上が更に好ましい。過度な重量増加を抑制する観点から、深さEは、45mm以下が好ましく、43.5mm以下がより好ましく、42mm以下が更に好ましい。
図8において両矢印Fで示されるのは、インナー部材の下面の軸方向長さである。この長さFは、中心軸線Z2に沿って測定される。相対回転規制効果を高める観点から、長さFは、3mm以上が好ましく、4mm以上がより好ましく、5mm以上が更に好ましい。重量抑制の観点から、長さFは、10mm以下が好ましく、9mm以下がより好ましく、8mm以下が更に好ましい。
図3において両矢印Gで示されるのは、ネジ部材の上端面の厚みである。この厚みGは、半径方向に沿って測定される。ネジ部材の強度の観点から、厚みGは、0.5mm以上が好ましく、0.6mm以上がより好ましく、0.7mm以上が更に好ましい。過度な重量増加を抑制する観点から、厚みGは、2mm以下が好ましく、1.5mm以下がより好ましく、1mm以下が更に好ましい。なお、ネジ部材10のネジ部の厚み(半径方向厚み)の好ましい範囲は、上記厚みGと同じであり、その好ましい理由も上記厚みGと同じである。
図3において両矢印Hで示されるのは、ネジ部材の露出部に設けられたテーパー面の厚みである。この厚みHは、半径方向に沿って測定される。ネジ部材の強度を高める観点から、厚みHは、0.5mm以上が好ましく、0.7mm以上がより好ましく、0.9mm以上が更に好ましい。過度な重量増加を抑制する観点から、厚みHは、2mm以下が好ましく、1.7mm以下がより好ましく、1.3mm以下が更に好ましい。
図3において両矢印Mで示されるのは、ホーゼル孔28における非ネジ部27の孔径である。ホーゼル孔によるインナー部材の支持を確実とする観点から、大径部54の外径Cは、非ネジ部27の孔径Mと略同一であるのが好ましい。具体的には、外径C(mm)と孔径M(mm)とは、次の関係式を満たすのが好ましい。
[M−0.20]≦C≦M
上記の通り、上記実施形態では、下向き面56と上向き面44との係合、及び、受け面60と下面42との係合により、シャフト6とヘッド4とが固着されている。上記の通り、ゴルフクラブ2では、単純な構造で、ヘッドとシャフトとの着脱が自在なゴルフクラブが実現される。ヘッド側のネジ部は、通常のホーゼルを有するヘッドであれば容易に作製されうる。即ち、本発明は、一般的な構造のヘッドに適用可能であり、汎用性が高い。