図1は、本発明の第1の実施形態に係る液晶シャッタX1の概略構成を表す平面図である。図2は、図1に示す液晶シャッタX1を表す断面図であり、(a)は図1のIIa−IIa線に沿った断面図であり、(b)は図1のIIb−IIb線に沿った断面図であり、(c)は図1のIIc−IIc線に沿った断面図である。
液晶シャッタX1は、液晶LC、第1基板10と、第2基板20と、封止部材30と、シャッタ用電極40と、加熱用電極50と、接地配線60と、配向膜70,71と、偏光素子80,81と、を備えている。なお、図3は、図1に示す液晶シャッタX1の第1基板10側の構成を表す平面図であり、図4は、図1に示す液晶シャッタX1の第2基板20側の構成を表す平面図である。
液晶LCは、電気的、光学的、力学的、あるいは磁気的な異方性を示し、固体の規則性と液体の流動性を併せ持つ部材である。液晶LCとしては、ネマティック液晶、コレステリック液晶、およびスメクティック液晶などが挙げられるが、中でも応答速度の観点からスメクティック液晶に強誘電性機能を持たせた強誘電性液晶が好ましい。液晶LCの駆動方式としては、TN(Twisted Nematic)方式、VA(Virtical Alignment)方式、IPS(In-Place-Switching)方式、およびOCB(Optically Compensated Bend)方式などが挙げられるが、中でも応答速度の観点からOCB方式が特に好ましい。
第1基板10は、シャッタ用電極40の一部、加熱用電極50、接地配線60、配向膜70、および偏光素子80を支持するとともに、液晶LCを封止するのに寄与する部材である。第1基板10は、その少なくとも一部が透光性を有する構造とされている。第1基板10の構成材料としては、例えば透光性ガラスおよび透光性プラスチックが挙げられる。
第2基板20は、シャッタ用電極40の一部、配向膜71、および偏光素子81を支持するとともに、液晶LCを封止するのに寄与する部材である。第2基板20は、その少なくとも一部が透光性を有する構造とされている。第2基板20の構成材料としては、例えば透光性ガラスおよび透光性プラスチックが挙げられる。
封止部材30は、第1基板10と第2基板20との間に液晶LCを封止するのに寄与するとともに、第1基板10と第2基板20とを所定間隔で離間した状態で接合する役割も担うものである。封止部材30の構成材料としては、例えば絶縁性樹脂などの絶縁材料および導電性粒子を含有してなるシール樹脂などの導電性樹脂材料が挙げられる。本実施形態において封止部材30は、主体部31および蓋部32を有している。主体部31は、第1基板10と第2基板20との間における液晶LCの封止、および、第1基板10と第2基板20との接合を行ううえで主体となる部位であり、第1基板10と第2基板20との間に液晶LCを注入するための注入口31aを有している。蓋部32は、注入口31aを塞ぐ役割を担うものである。
シャッタ用電極40は、液晶LCに所定の電圧を印加する役割を担う部材であり、透光性を有する構造とされている。シャッタ用電極40の構成材料としては、例えばITO(Indium Tin Oxide)および酸化錫などの透光性導電部材が挙げられる。
本実施形態においてシャッタ用電極40は、第1電極部41と、第2電極部42と、第1配線導体43と、第2配線導体44とを有している。本実施形態において第1電極部41は、第1基板10の上面10a側に位置しており、液晶シャッタとして有効に機能する範囲(以下、「シャッタ有効範囲」という)の略全体にわたって形成されている。本実施形態において第1電極部41の平面視形状は、デットスペースを低減する観点から略矩形状とされているが、これには限られず、略円形状などでもよい。本実施形態において第2電極部42は、第1電極部41に対向するように第2基板20の下面20a側に位置しており、シャッタ有効範囲の略全体にわたって形成されている。本実施形態において第2電極部42の平面視形状は、デットスペースを低減する観点から略矩形状とされているが、これには限られず、略円形状などでもよい。本実施形態において第1配線導体43は、AB方向に沿って延びるように第1基板10の上面10a側に形成されており、一端部が封止部材30により取り囲まれた領域外に位置し、他端部が第1電極部41と連結されている。本実施形態において第2配線導体44は、AB方向に沿って延びるように第2基板20の下面20a側に形成されており、一端部が封止部材30により取り囲まれた領域外に位置し、他端部が第2電極部42と連結されている。なお、図3および図4では、第1電極部41と第1配線導体43との境界、および、第2電極部42と第2配線導体44との境界を点線で示している。
加熱用電極50は、液晶LCに熱を供給する役割を担う部材である。本実施形態において加熱用電極50は、平面視コ字状の角部を有する構成とされているが、このような構成には限られず、例えば平面視U字状のように実質的に角部の存在しない構成としてもよい。加熱用電極50の構成材料としては、例えばITO、クロム(Cr)、アルミニウム(Al)、ニッケル(Ni)、タンタル(Ta)などが挙げられる。本実施形態において加熱用電極50は、ITOとCrとAlとの積層構造とされているが、このような構成には限られず、単層構造としてもよい。
本実施形態において加熱用電極50は、第1領域51と、第2領域52と、第3領域53と、第4領域54と、第5領域55とを有している。また、本実施形態において加熱用電極50は、第1基板10の上面10a側に位置しており、シャッタ用電極40の第1電極部41(シャッタ有効範囲)を取り囲むように形成されている。本実施形態において第1領域51は、AB方向に沿って延びるように形成されており、一端部が封止部材30により取り囲まれた領域外に位置し、他端部が第2領域52と連結されている。この第1領域51における一端部は、加熱用電極50に対して電力を供給する際に端子として機能する。本実施形態において第2領域52は、加熱用電極50の角部に位置しており、一端部が第1領域51と連結されており、他端部が第3領域53と連結されている。本実施形態において第3領域53は、CD方向に沿って延びるように形成されており、一端部が第2領域52と連結されており、他端部が第4領域54と連結されている。本実施形態において第4領域54は、加熱用電極50の角部に位置しており、一端部が第3領域53と連結されており、他端部が第5領域55と連結されている。本実施形態において第5領域55は、AB方向に沿って延びるように形成されており、一端部が第4領域54と連結されており、他端部が封止部材30により取り囲まれた領域外に位置している。この第5領域55における他端部は、加熱用電極50に対して電力を供給する際に端子として機能する。なお、図3では、各領域51,52,53,54,55の境界を点線で示している。
接地配線60は、シャッタ用電極40と加熱用電極50との電気的干渉を低減する役割を担うものであり、シャッタ用電極40の第1電極部41と加熱用電極50との間に位置している。本実施形態において接地配線60は、平面視コ字状の角部を有する構成とされているが、このような構成には限られず、例えば平面視U字状のように実質的に角部の存在しない構成としてもよい。接地配線60の構成材料としては、例えばITO、クロム(Cr)、アルミニウム(Al)、ニッケル(Ni)、タンタル(Ta)などが挙げられる。本実施形態において接地配線60は、ITOとCrとAlとの積層構造とされているが、このような構成には限られず、単層構造としてもよい。
本実施形態において接地配線60は、第1領域61と、第2領域62と、第3領域63と、第4領域64と、第5領域65とを有している。また、本実施形態において接地配線60は、第1基板10の上面10a側に位置しており、シャッタ用電極40の第1電極部41(シャッタ有効範囲)を取り囲むように形成されている。本実施形態において第1領域61は、AB方向に沿って延びるように形成されており、一端部が封止部材30により取り囲まれた領域外に位置し、他端部が第2領域62と連結されている。この第1領域61における一端部は、基準電位と連結する際に端子として機能する。また、本実施形態において第1領域61は、封止部材30と交差する部分を含み且つ主として第1配線導体43に沿って延びる部分での配線幅が、シャッタ用電極40の第1電極部41に沿って延びる部分での配線幅に比べて大きくなるように設定されている。本実施形態において第2領域62は、接地配線60の角部に位置しており、一端部が第1領域61と連結されており、他端部が第3領域63と連結されている。本実施形態において第3領域63は、CD方向に沿って延びるように形成されており、一端部が第2領域62と連結されており、他端部が第4領域64と連結されている。本実施形態において第4領域64は、接地配線60の角部に位置しており、一端部が第3領域63と連結されており、他端部が第5領域65と連結されている。本実施形態において第5領域65は、AB方向に沿って延びるように形成されており、一端部が第4領域64と連結されており、他端部が封止部材30により取り囲まれた領域外に位置している。この第5領域65における他端部は、基準電位と連結する際に端子として機能する。また、本実施形態において第5領域65は、封止部材30と交差する部分を含み且つ主として第1配線導体43に沿って延びる部分での配線幅が、シャッタ用電極40の第1電極部41に沿って延びる部分での配線幅に比べて大きくなるように設定されている。なお、図4では、各領域61,62,63,64,65の境界を点線で示している。
配向膜70,71は、マクロ的にランダムな方向を向く(規則性が小さい)液晶LCの液晶分子を所定方向に配向させるためのものである。本実施形態において配向膜70は、シャッタ用電極40の第1電極部41などが形成された第1基板10の上面10a側に形成されている。本実施形態において配向膜71は、シャッタ用電極40の第2電極部42などが形成された第2基板20の下面20a側に形成されている。配向膜70,71の構成材料としては、ポリイミド樹脂などが挙げられる。また、配向膜70,71の厚さは、必要に応じて適宜設定すればよいが、例えば0.02μm以上0.1μm以下に設定される。なお、本実施形態において配向膜70,71は、液晶LCが存在する範囲全体に形成されているが、このような構成には限られず、少なくとも第1電極部41および第2電極部42の全体が被覆されるように形成されていればよい。
偏光素子80,81は、所定の振動方向の光を選択的に透過させる役割を担うものである。偏光素子80,81の構成材料としては、ヨウ素系材料などが挙げられる。本実施形態において偏光素子80は、第1基板10の下面10b側に形成されている。本実施形態において偏光素子81は、第2基板20の上面20b側に形成されている。また、本実施形態において偏光素子80は、偏光素子81の軸方向(この軸方向と平行な振動方向の光を選択的に透過させる)に対して実質的に直交するように配置されている。このような構成によると、偏光素子80,81を透過する光のシャッタ機能を発揮するうえで好適である。なお、偏光素子80と第1基板10との間や偏光素子81と第2基板20との間には、必要に応じて位相差フィルムなどを配置してもよい。
本実施形態に係る液晶シャッタX1は、液晶LCに熱を供給するための加熱用電極50を有しているため、低温環境化においても液晶LCを所定温度まで加熱することができ、ひいては低温環境下における液晶LCの応答速度の低下を緩和することができる。また、液晶シャッタX1は、加熱用電極50と、液晶LCに電圧を印加するためのシャッタ用電極40の第1電極部41との間に接地配線60を有している。通常、シャッタ用電極40には、所定周波数(例えば100Hz)の電圧が印加されるのに対して、加熱用電極50には、直流電圧が印加される。そのため、シャッタ用電極40と加熱用電極50との近傍に位置する液晶LCには横電界が作用し易いが、液晶シャッタX1では、接地配線60によりシャッタ用電極40と加熱用電極50との間における電気的干渉を充分に低減することができる。さらに、従来であれば電気的干渉を充分に低減するためには、シャッタ用電極40と加熱用電極50との離間距離を例えば1000μm以上確保する必要があったが、液晶シャッタX1では、例えば100μm以下にすることも可能となる。したがって、液晶シャッタX1では、加熱用電極50によるシャッタ用電極40の加熱をより効率的に行うことができるのに加え、小型化も図ることが可能となる。
液晶シャッタX1において加熱用電極50は、平面視において角部となる各領域52,54を有している。また、液晶シャッタX1において加熱用電極50の角部となる各領域52,54とシャッタ用電極40との離間距離D1は、加熱用電極50の各領域51,53,55における該角部に隣接する部位とシャッタ用電極40との離間距離D2に比べて大きい。このような構成によると、加熱用電極50に電圧を印加して該加熱用電極50を発熱させる場合に、相対的に高温になり易い角部(特に第2領域52および第4領域54におけるシャッタ用電極40の第1電極部41に近い側の部位)と、該角部に比べて低温になり易い各領域51,53,55との温度差に起因して生じる第1電極部41の加熱ムラを低減することができる。
液晶シャッタX1において第1配線導体43の少なくとも一部は、平面視において、加熱用電極50における第1領域51と第5領域55との間に位置している。このような構成によると、第1配線導体43をより効果的に加熱することができるため、第1電極部41と第1配線導体43との間の温度差を低減することができる。したがって、液晶シャッタX1では、第1電極部41から第1配線導体43側への熱移動を抑制することができ、第1電極部41の第1配線導体43との連結部近傍における温度ムラを低減することができる。
液晶シャッタX1において第2配線導体44の少なくとも一部は、加熱用電極50に対向配置されている。このような構成によると、第2配線導体44をより効果的に加熱することができるため、第2配線導体44を介しての放熱を抑制することができる。
図5は、本発明の第2の実施形態に係る液晶シャッタX2の概略構成を表す平面図である。図6は、図5に示す液晶シャッタX2を表す断面図であり、(a)は図5のVIa−VIa線に沿った断面図であり、(b)は図5のVIb−VIb線に沿った断面図であり、(c)は図5のVIc−VIc線に沿った断面図である。図7は、図5に示す液晶シャッタX2の第1基板10側の構成を表す平面図であり、図8は、図5に示す液晶シャッタX2の第2基板20側の構成を表す平面図である。液晶シャッタX2は、接地配線60に代えて接地配線60Aを採用する点において液晶シャッタX1と異なる。液晶シャッタX2の他の構成については、液晶シャッタX1に関して上述したのと同様である。
接地配線60Aは、シャッタ用電極40と加熱用電極50との電気的干渉を低減する役割を担うものであり、シャッタ用電極40の第1電極部41と加熱用電極50との間に位置している。本実施形態において接地配線60Aは、平面視コ字状の角部を有する構成とされている。接地配線60Aの構成材料としては、液晶シャッタX1の接地配線60の構成材料と同様のものが挙げられる。本実施形態において接地配線60Aは、ITOとCrとAlとの積層構造とされているが、このような構成には限られず、単層構造としてもよい。
本実施形態において接地配線60Aは、第1領域61Aと、第2領域62Aと、第3領域63Aと、第4領域64Aと、第5領域65Aとを有している。また、本実施形態において接地配線60Aは、第1基板10の上面10a側に位置しており、シャッタ用電極40の第1電極部41(シャッタ有効範囲)を取り囲むように形成されている。本実施形態において第1領域61Aは、AB方向に沿って延びるように形成されており、一端部が封止部材30により取り囲まれた領域外に位置し、他端部が第2領域62Aと連結されている。この第1領域61Aにおける一端部は、基準電位と連結する際に端子として機能する。また、本実施形態において第1領域61Aは、封止部材30と交差する部分を含み且つ主として第1配線導体43に沿って延びる部分での配線幅が、シャッタ用電極40の第1電極部41に沿って延びる部分での配線幅に比べて大きくなるように設定されている。本実施形態において第2領域62Aは、接地配線60Aの角部に位置しており、一端部が第1領域61と連結されており、他端部が第3領域63と連結されている。本実施形態において第3領域63Aは、CD方向に沿って延びるように形成されており、一端部が第2領域62Aと連結されており、他端部が第4領域64Aと連結されている。本実施形態において第4領域64Aは、接地配線60Aの角部に位置しており、一端部が第3領域63Aと連結されており、他端部が第5領域65Aと連結されている。本実施形態において第5領域65Aは、AB方向に沿って延びるように形成されており、一端部が第4領域64Aと連結されており、他端部が封止部材30により取り囲まれた領域外に位置している。この第5領域65Aにおける他端部は、基準電位と連結する際に端子として機能する。また、本実施形態において第5領域65Aは、封止部材30と交差する部分を含み且つ主として第1配線導体43に沿って延びる部分での配線幅が、シャッタ用電極40の第1電極部41に沿って延びる部分での配線幅に比べて大きくなるように設定されている。なお、図8では、各領域61A,62A,63A,64A,65Aの境界を点線で示している。
本実施形態において第2領域62Aおよび第4領域64Aは、その他の領域に比べて、接地配線60Aの単位長さあたりの体積(配線厚さが実質的に均一であれば配線幅)が大きくなるように設定されている。また、本実施形態において、第1領域61Aの他端部および第3領域63Aの一端部における単位長さ当たりの体積(配線厚さが実質的に均一であれば配線幅)は、第2領域62Aに向けて漸次大きくなるように設定され、第3領域63Aの他端部および第5領域65Aの一端部における単位長さ当たりの体積(配線厚さが実質的に均一であれば配線幅)は、第4領域64Aに向けて漸次大きくなるように設定されている。
本実施形態に係る液晶シャッタX2では、接地配線60Aにおける第2領域62Aおよび第4領域64Aの配線幅が、その他の領域に比べて大きくなるように設定されている。上述の液晶シャッタX1においても、接地配線60を設けたことにより、相対的に高温になり易い角部(特に第2領域52および第4領域54におけるシャッタ用電極40の第1電極部41に近い側の部位)と、該角部に比べて低温になり易い各領域51,53,55との温度差に起因して生じる第1電極部41の加熱ムラを低減することができるが、液晶シャッタX2では、その効果をより高めることが可能となる。
図9は、本発明の第3の実施形態に係る液晶シャッタX3の概略構成を表す平面図である。図10は、図9に示す液晶シャッタX3を表す断面図であり、(a)は図9のXa−Xa線に沿った断面図であり、(b)は図9のXb−Xb線に沿った断面図であり、(c)は図9のXc−Xc線に沿った断面図である。図11は、図9に示す液晶シャッタX3の第1基板10側の構成を表す平面図であり、図12は、図9に示す液晶シャッタX3の第2基板20側の構成を表す平面図である。液晶シャッタX3は、加熱用電極50および接地用配線60に代えて加熱用電極50Aおよび接地配線60Bを採用する点において液晶シャッタX1と異なる。液晶シャッタX3の他の構成については、液晶シャッタX1に関して上述したのと同様である。
加熱用電極50Aは、液晶LCに熱を供給する役割を担う部材である。本実施形態において加熱用電極50Aは、平面視コ字状の角部を有する構成とされているが、このような構成には限られず、例えば平面視U字状のように実質的に角部の存在しない構成としてもよい。加熱用電極50Aの構成材料としては、液晶シャッタX1の加熱用電極50の構成材料と同様のものが挙げられる。本実施形態において加熱用電極50Aは、ITOとCrとAlとの積層構造とされているが、このような構成には限られず、単層構造としてもよい。
本実施形態において加熱用電極50Aは、第1領域51Aと、第2領域52Aと、第3領域53Aと、第4領域54Aと、第5領域55Aとを有している。また、本実施形態において加熱用電極50Aは、第1基板10の上面10a側に位置しており、シャッタ用電極40の第1電極部41(シャッタ有効範囲)を取り囲むように形成されている。本実施形態において第1領域51Aは、AB方向に沿って延びるように形成されており、一端部が封止部材30により取り囲まれた領域外に位置し、他端部が第2領域52Aと連結されている。この第1領域51Aにおける一端部は、加熱用電極50Aに対して電力を供給する際に端子として機能する。本実施形態において第2領域52Aは、加熱用電極50Aの角部に位置しており、一端部が第1領域51Aと連結されており、他端部が第3領域53Aと連結されている。本実施形態において第3領域53Aは、CD方向に沿って延びるように形成されており、一端部が第2領域52Aと連結されており、他端部が第4領域54Aと連結されている。本実施形態において第4領域54Aは、加熱用電極50Aの角部に位置しており、一端部が第3領域53Aと連結されており、他端部が第5領域55Aと連結されている。本実施形態において第5領域55Aは、AB方向に沿って延びるように形成されており、一端部が第4領域54Aと連結されており、他端部が封止部材30により取り囲まれた領域外に位置している。この第5領域55Aにおける他端部は、加熱用電極50Aに対して電力を供給する際に端子として機能する。なお、図11では、各領域51A,52A,53A,54A,55Aの境界を点線で示している。
本実施形態において、シャッタ用電極40の第1電極部41と加熱用電極50の第1領域51A(あるいは第3領域53A、第5領域55A)との間の離間距離D3は、該第1領域51A(あるいは第3領域53A、第5領域55A)と第1配線導体43との離間距離D4と実質的に等しくなるように設定されている。
接地配線60Bは、シャッタ用電極40と加熱用電極50Aとの電気的干渉を低減する役割を担うものであり、シャッタ用電極40の第1電極部41と加熱用電極50Aとの間に位置している。本実施形態において接地配線60Bは、平面視コ字状の角部を有する構成とされているが、このような構成には限られず、例えば平面視U字状のように実質的に角部の存在しない構成としてもよい。また、本実施形態において接地配線60Bの配線幅は、全体にわたって実質的に等しくなるように設定されている。接地配線60Bの構成材料としては、液晶シャッタX1の接地配線60の構成材料と同様のものが挙げられる。本実施形態において接地配線60Bは、ITOとCrとAlとの積層構造とされているが、このような構成には限られず、単層構造としてもよい。
本実施形態において接地配線60Bは、第1領域61Bと、第2領域62Bと、第3領域63Bと、第4領域64Bと、第5領域65Bとを有している。また、本実施形態において接地配線60Bは、第1基板10の上面10a側に位置しており、シャッタ用電極40の第1電極部41(シャッタ有効範囲)を取り囲むように形成されている。本実施形態において第1領域61Bは、AB方向に沿って延びるように形成されており、一端部が封止部材30により取り囲まれた領域外に位置し、他端部が第2領域62Bと連結されている。この第1領域61Bにおける一端部は、基準電位と連結する際に端子として機能する。本実施形態において第2領域62Bは、接地配線60Bの角部に位置しており、一端部が第1領域61Bと連結されており、他端部が第3領域63Bと連結されている。本実施形態において第3領域63Bは、CD方向に沿って延びるように形成されており、一端部が第2領域62Bと連結されており、他端部が第4領域64Bと連結されている。本実施形態において第4領域64Bは、接地配線60Bの角部に位置しており、一端部が第3領域63Bと連結されており、他端部が第5領域65Bと連結されている。本実施形態において第5領域65Bは、AB方向に沿って延びるように形成されており、一端部が第4領域64Bと連結されており、他端部が封止部材30により取り囲まれた領域外に位置している。この第5領域65Bにおける他端部は、基準電位と連結する際に端子として機能する。
本実施形態に係る液晶シャッタX3は、離間距離D3と離間距離D4とが実質的に等しくなるように設定されている。このような構成によると、第1電極部41と第1配線導体43との間の温度差を低減することができるため、第1電極部41と第1配線導体43との間における熱移動を抑制することができる。したがって、液晶シャッタX3では、第1電極部41の第1配線導体43との連結部近傍における温度ムラを低減することができる。なお、図12では、各領域61B,62B,63B,64B,65Bの境界を点線で示している。
図13は、本発明の第4の実施形態に係る液晶シャッタX4の概略構成を表す平面図である。図14は、図13に示す液晶シャッタX4を表す断面図であり、(a)は図13のXIVa−XIVa線に沿った断面図であり、(b)は図13のXIVb−XIVb線に沿った断面図であり、(c)は図13のXIVc−XIVc線に沿った断面図である。図15は、図13に示す液晶シャッタX4の第1基板10側の構成を表す平面図であり、図16は、図13に示す液晶シャッタX4の第2基板20側の構成を表す平面図である。液晶シャッタX4は、シャッタ用電極40に代えてシャッタ用電極40Aを採用する点において液晶シャッタX1と異なる。液晶シャッタX4の他の構成については、液晶シャッタX1に関して上述したのと同様である。
シャッタ用電極40Aは、液晶LCに所定の電圧を印加する役割を担う部材であり、透光性を有する構造とされている。シャッタ用電極40Aの構成材料としては、上述の液晶シャッタX1のシャッタ用電極40の構成材料と同様のものが挙げられる。
本実施形態においてシャッタ用電極40Aは、第1電極部41と、第2電極部42と、第1配線導体43と、第2配線導体44Aとを有している。本実施形態において第2配線導体44Aは、図13〜図16に示すように、第1配線導体43と同じ方向側に重ならないように引き出されている。また、本実施形態において第2配線導体44Aは、封止部材30として導電性粒子を含有するものを採用することにより、第2基板20側から第1基板10側に引き回されている。
本実施形態に係る液晶シャッタX4では、更なる小型化を図ることが可能となる。
図17は、本発明の第5の実施形態に係る液晶シャッタX5の概略構成を表す平面図である。図18は、図17に示す液晶シャッタX5を表す断面図であり、(a)は図17のXVIIIa−XVIIIa線に沿った断面図であり、(b)は図17のXVIIIb−XVIIIb線に沿った断面図であり、(c)は図17のXVIIIc−XVIIIc線に沿った断面図である。図19は、図17に示す液晶シャッタX5の第1基板10側の構成を表す平面図であり、図20は、図17に示す液晶シャッタX5の第2基板20側の構成を表す平面図である。液晶シャッタX5は、シャッタ用電極40および接地配線60に代えてシャッタ用電極40Bおよび接地配線60Cを採用する点において液晶シャッタX1と異なる。液晶シャッタX5の他の構成については、液晶シャッタX1に関して上述したのと同様である。
シャッタ用電極40Bは、液晶LCに所定の電圧を印加する役割を担う部材であり、透光性を有する構造とされている。シャッタ用電極40Bの構成材料としては、上述の液晶シャッタX1のシャッタ用電極40の構成材料と同様のものが挙げられる。
本実施形態においてシャッタ用電極40Bは、第1電極部41Bと、第2電極部42Bと、第1配線導体43Bと、第2配線導体44Bとを有している。本実施形態において第1電極部41Bは、第1基板10の上面10a側に位置しており、シャッタ有効範囲内で櫛歯状に形成されている。本実施形態において第2電極部42は、第1基板10の上面10a側に位置しており、シャッタ有効範囲内で櫛歯状に形成されている。本実施形態において第1配線導体43Bは、AB方向に沿って延びるように第1基板10の上面10a側に形成されており、一端部が封止部材30により取り囲まれた領域外に位置し、他端部が第1電極部41Bと連結されている。本実施形態において第2配線導体44Bは、AB方向に沿って延びるように第1基板20の上面10a側に形成されており、一端部が封止部材30により取り囲まれた領域外に位置し、他端部が第2電極部42Bと連結されている。なお、図19および図20では、第1電極部41Bと第1配線導体43Bとの境界、および、第2電極部42Bと第2配線導体44Bとの境界を点線で示している。
接地配線60Cは、シャッタ用電極40Bと加熱用電極50との電気的干渉を低減する役割を担うものであり、シャッタ用電極40Bの第1電極部41Bと加熱用電極50との間に位置している。本実施形態において接地配線60Cは、平面視コ字状の角部を有する構成とされているが、このような構成には限られず、例えば平面視U字状のように実質的に角部の存在しない構成としてもよい。接地配線60Cの構成材料としては、液晶シャッタX1の接地配線60の構成材料と同様のものが挙げられる。本実施形態において接地配線60Cは、ITOとCrとAlとの積層構造とされているが、このような構成には限られず、単層構造としてもよい。
本実施形態において接地配線60Cは、第1領域61Cと、第2領域62Cと、第3領域63Cと、第4領域64Cと、第5領域65Cとを有している。また、本実施形態において接地配線60Cは、第1基板10の上面10a側に位置しており、シャッタ用電極40Bの第1電極部41B(シャッタ有効範囲)を取り囲むように形成されている。本実施形態において第1領域61Cは、AB方向に沿って延びるように形成されており、一端部が封止部材30により取り囲まれた領域外に位置し、他端部が第2領域62Cと連結されている。この第1領域61Cにおける一端部は、基準電位と連結する際に端子として機能する。本実施形態において第2領域62Cは、接地配線60Cの角部に位置しており、一端部が第1領域61Cと連結されており、他端部が第3領域63Cと連結されている。本実施形態において第3領域63Cは、CD方向に沿って延びるように形成されており、一端部が第2領域62Cと連結されており、他端部が第4領域64Cと連結されている。本実施形態において第4領域64Cは、接地配線60Cの角部に位置しており、一端部が第3領域63Cと連結されており、他端部が第5領域65Cと連結されている。本実施形態において第5領域65Cは、AB方向に沿って延びるように形成されており、一端部が第4領域64Cと連結されており、他端部が封止部材30により取り囲まれた領域外に位置している。この第5領域65Cにおける他端部は、基準電位と連結する際に端子として機能する。なお、図20では、各領域61C,62C,63C,64C,65Cの境界を点線で示している。
図21は、液晶シャッタX1を備えるカメラモジュールYの概略構成を表す断面図である。カメラモジュールYは、液晶シャッタX1と、光学レンズ系90と、受光素子91と、筐体92とを備えている。なお、本実施形態に係るカメラモジュールYでは、液晶シャッタX1を用いて説明するが、液晶シャッタX1に代えて液晶シャッタX2,X3,X4,X5を採用してもよい。
光学レンズ系90は、被写体からの光を受光素子91に集光する役割を担うものである。本実施形態において光学レンズ系90は、1つのレンズにより構成されているが、透過する光の収差を補正する目的などにより更に他のレンズを追加して複数のレンズによる構成としてもよい。光学レンズ系90を構成するレンズの構成材料としては、例えば、ガラスと、アクリル樹脂およびポリカーボネート樹脂などの透明樹脂とが挙げられる。
受光素子91は、光学レンズ系90により集光された光を電気信号などに変換する役割を担うものである。受光素子91としては、例えばCCDイメージセンサおよびCMOSイメージセンサなどの光電変換素子が挙げられる。
筐体92は、液晶シャッタX1、光学レンズ系90、および受光素子91を収容する役割を担うものである。筐体92の構成材料としては、例えばポリカーボネート樹脂などの樹脂と、Alなどの金属と、ステンレス(SUS)などの合金とが挙げられる。
本発明に係るカメラモジュールYは、液晶シャッタX1を備えていることから、上述した液晶シャッタX1と同様の効果を享受することができる。
以上、本発明の具体的な実施形態を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、発明の思想から逸脱しない範囲内で種々の変更が可能である。