JP2015114352A - 液晶表示装置 - Google Patents

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高志 三本
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Abstract

【課題】表示品位を向上することが可能な液晶表示装置を提供する。
【解決手段】互いに対向して配置された第1ガラス基板と第2ガラス基板との間に液晶層を保持した液晶表示パネルと、前記第1ガラス基板の外面側に配置された第1支持層、前記第1支持層に積層された第1偏光子層、及び、前記第1支持層を前記第1ガラス基板の外面側に接着する第1接着層を含む第1光学素子と、前記第2ガラス基板の外面側に配置された第2支持層、前記第2支持層に積層された第2偏光子層、及び、前記第2支持層を前記第2ガラス基板の外面側に接着する第2接着層を含む第2光学素子と、を備え、前記第1支持層及び前記第1接着層は、酸化還元作用を有する材料を含まない、液晶表示装置。
【選択図】図4

Description

本発明の実施形態は、液晶表示装置に関する。
液晶表示装置は、表示装置として各種分野で利用されている。近年では、液晶表示装置に対して、高温高湿な環境に置かれた場合でも画像の表示品位を維持する要望が高まっている。
一方で、光学積層体(光学素子)において、保護層をシクロオレフィン系ポリマなどによって形成された光透過性基材(支持層)に設けることで、画像の表示品位を維持する技術が知られている。
特開2010−122315号公報
本実施形態の目的は、表示品位を向上することが可能な液晶表示装置を提供することにある。
本実施形態によれば、互いに対向して配置された第1ガラス基板と第2ガラス基板との間に液晶層を保持した液晶表示パネルと、前記第1ガラス基板の外面側に配置された第1支持層、前記第1支持層に積層された第1偏光子層、及び、前記第1支持層を前記第1ガラス基板の外面側に接着する第1接着層を含む第1光学素子と、前記第2ガラス基板の外面側に配置された第2支持層、前記第2支持層に積層された第2偏光子層、及び、前記第2支持層を前記第2ガラス基板の外面側に接着する第2接着層を含む第2光学素子と、を備え、前記第1支持層及び前記第1接着層は、酸化還元作用を有する材料を含まない、液晶表示装置が提供される。
図1は、本実施形態の液晶表示装置を構成する表示パネルPNLの構成及び等価回路を概略的に示す図である。 図2は、図1に示したアレイ基板ARにおける画素構造を対向基板CTの側から見た概略平面図である。 図3は、本実施形態の液晶表示装置を構成する表示パネルPNLの構成を概略的に示す断面図である。 図4は、本実施形態に係る第1光学素子OD1及び第2光学素子OD2の構成を概略的に示す断面図である。 図5は、輝点の形成過程の一例を概略的に示す図である。 図6は、比較例及び実施形態に係る実験結果を説明するための図である。 図7は、本実施形態の変形例における光学素子の構成を概略的に示す断面図である。
以下、本実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、開示はあくまで一例に過ぎず、当業者において、発明の主旨を保っての適宜変更について容易に想到し得るものについては、当然に本発明の範囲に含有されるものである。また、図面は、説明をより明確にするため、実際の態様に比べて、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したもの同一又は類似した機能を発揮する構成要素には同一の参照符号を付し、重複する詳細な説明を適宜省略することがある。
図1は、本実施形態の液晶表示装置を構成する表示パネルPNLの構成及び等価回路を概略的に示す図である。
すなわち、表示パネルPNLは、アクティブマトリクスタイプの透過型の液晶表示パネルであり、アレイ基板ARと、アレイ基板ARに対向配置された対向基板CTと、アレイ基板ARと対向基板CTとの間に保持された液晶層LQと、を備えている。アレイ基板ARと対向基板CTとは、これらの間に所定のセルギャップを形成した状態でシール材SEによって貼り合わせられている。図示した例では、シール材SEは矩形枠状の閉ループ形状をなすように形成されている。セルギャップは、アレイ基板ARまたは対向基板CTに形成された図示しない柱状のスペーサによって形成されている。液晶層LQは、アレイ基板ARと対向基板CTとの間のセルギャップにおいてシール材SEによって囲まれた内側に保持されている。表示パネルPNLは、シール材SEによって囲まれた内側に、画像を表示するアクティブエリアACTを備えている。アクティブエリアACTは、例えば、略長方形状であり、マトリクス状に配置された複数の画素PXによって構成されている。
アレイ基板ARは、アクティブエリアACTにおいて、第1方向Xに沿って延出したゲート配線G、第1方向Xに交差する第2方向Yに沿って延出したソース配線S、各画素PXにおいてゲート配線G及びソース配線Sと電気的に接続されたスイッチング素子SW、各画素PXにおいてスイッチング素子SWに接続された画素電極PEなどを備えている。コモン電位の共通電極CEは、アレイ基板ARまたは対向基板CTに備えられ、液晶層LQを介して複数の画素電極PEと対向する。
なお、表示パネルPNLの詳細な構成については説明を省略するが、TN(Twisted Nematic)モード、OCB(Optically Compensated Bend)モード、VA(Vertical Aligned)モードなどの主として縦電界を利用するモードでは、画素電極PEがアレイ基板ARに備えられる一方で、共通電極CEが対向基板CTに備えられている。また、IPS(In−Plane Switching)モード、FFS(Fringe Field Switching)モードなどの主として横電界を利用するモードでは、画素電極PE及び共通電極CEの双方がアレイ基板ARに備えられている。
駆動ICチップ2及びフレキシブル・プリンテッド・サーキット(FPC)基板3などの表示パネルPNLの駆動に必要な信号供給源は、アクティブエリアACTよりも外側の周辺エリアPRPに位置している。図示した例では、駆動ICチップ2及びFPC基板3は、対向基板CTの基板端部CTEよりも外側に延出したアレイ基板ARの実装部MTに実装されている。周辺エリアPRPは、アクティブエリアACTを囲むエリアであり、シール材SEが配置されるエリアを含み、矩形枠状に形成されている。
図2は、図1に示したアレイ基板ARにおける画素構造を対向基板CTの側から見た概略平面図である。なお、ここでは、横電界を利用するモードであるFFSモードを適用した画素構造を例に説明するが、図中には説明に必要な主要部のみを図示している。例えば、第1方向Xに並んだ画素PX1及び画素PX2は互いに異なる色の色画素である。
ゲート配線G1及びゲート配線G2は、第1方向Xに沿ってそれぞれ延出している。ソース配線S1及びソース配線S2は、第2方向Yに沿ってそれぞれ延出し、ゲート配線G1及びゲート配線G2と交差している。共通電極CEは、第1方向Xに沿って延在し、画素PX1及びPX2にそれぞれ配置されるとともにソース配線S1及びS2の上方を跨いで、第1方向Xに隣接する複数の画素PXに亘って共通に形成されている。また、図示しないが、共通電極CEは、第2方向Yに隣接する複数の画素にわたって共通に形成されていても良い。
画素PX1には、スイッチング素子SW1と、スイッチング素子SW1に接続された画素電極PE1が配置されている。スイッチング素子SW1は、ゲート配線G2及びソース配線S1に電気的に接続されている。画素PX2には、スイッチング素子SW2と、スイッチング素子SW2に接続された画素電極PE2が配置されている。スイッチング素子SW2は、ゲート配線G2及びソース配線S2に電気的に接続されている。スイッチング素子SW1及びスイッチング素子SW2は、例えば薄膜トランジスタ(TFT)である。
画素電極PE1及び画素電極PE2は、それぞれ共通電極CEの上方に位置している。画素電極PE1及び画素電極PE2は、それぞれ長方形状の画素形状に対応した島状に形成されている。このような画素電極PE1及び画素電極PE2には、共通電極CEと向かい合う複数のスリットPSLが形成されている。
図3は、本実施形態の液晶表示装置を構成する表示パネルPNLの構成を概略的に示す断面図である。
アレイ基板ARは、ガラス基板などの透明な第1ガラス基板10を用いて形成されている。アレイ基板ARは、第1ガラス基板10の対向基板CTに対向する側に、図示しないスイッチング素子、共通電極CE、画素電極PEなどを備えている。
共通電極CEは、第1絶縁膜11の上に形成されている。共通電極CEは、透明な導電材料、例えば、インジウム・ティン・オキサイド(ITO)やインジウム・ジンク・オキサイド(IZO)などによって形成されている。共通電極CEは、第2絶縁膜12によって覆われている。
画素電極PEは、第2絶縁膜12の上に形成され、共通電極CEと向かい合っている。画素電極PEには、上記の通りスリットが形成されているが、詳細な図示を省略している。画素電極PEは、透明な導電材料、例えば、ITOやIZOなどによって形成されている。画素電極PEは、第1配向膜AL1によって覆われている。第1配向膜AL1は、第2絶縁膜12も覆っている。第1配向膜AL1は、水平配向性を示す材料によって形成され、アレイ基板ARの液晶層LQに接する面に配置されている。
一方、対向基板CTは、ガラス基板などの透明な第2ガラス基板20を用いて形成されている。対向基板CTは、第2ガラス基板20のアレイ基板ARに対向する側に、遮光層BM、第1カラーフィルタCFA、第2カラーフィルタCFB、第3カラーフィルタCFC、第4カラーフィルタCFD、第5カラーフィルタCFE、オーバーコート層OCなどを備えている。
遮光層BMは、第2ガラス基板20の内面に形成されている。第1乃至第5カラーフィルタのそれぞれは、第2ガラス基板20の内面に形成されている。
オーバーコート層OCは、第1乃至第5カラーフィルタを覆っている。オーバーコート層OCは、第1乃至第5カラーフィルタの表面の凹凸を平坦化する。オーバーコート層OCは、透明な樹脂材料によって形成されている。オーバーコート層OCは、第2配向膜AL2によって覆われている。第2配向膜AL2は、水平配向性を示す材料によって形成され、対向基板CTの液晶層LQに接する面に配置されている。
上述したようなアレイ基板ARと対向基板CTとは、第1配向膜AL1及び第2配向膜AL2が向かい合うように配置されている。このとき、アレイ基板ARと対向基板CTの間には、図示しないスペーサにより、所定のセルギャップが形成される。アレイ基板ARと対向基板CTとは、セルギャップが形成された状態でシール材によって貼り合わせられている。液晶層LQは、これらのアレイ基板ARの第1配向膜AL1と対向基板CTの第2配向膜AL2との間に形成されたセルギャップに封入された液晶分子LMを含む液晶組成物によって構成されている。
このような構成の表示パネルPNLに対して、その背面側には、バックライトBLが配置されている。バックライトBLとしては、種々の形態が適用可能であるが、詳細な構造については説明を省略する。
アレイ基板ARの外面すなわち第1ガラス基板10の外面側10Aには、第1偏光子層PL1を含む第1光学素子OD1が配置されている。対向基板CTの外面すなわち第2ガラス基板20の外面側20Aには、第2偏光子層PL2を含む第2光学素子OD2が配置されている。
尚、図示した例に限らず、第1光学素子OD1及び第2光学素子OD2を逆に配置することも可能である。例えば、第1光学素子OD1を、第2ガラス基板20の外面側20Aに配置し、第2光学素子OD2を、第1ガラス基板10の外面側10Aに配置しても良い。即ち、第1光学素子OD1及び第2光学素子OD2は、第1ガラス基板10及び第2ガラス基板10のいずれかの上に接着されていれば良い。
図4は、本実施形態に係る第1光学素子OD1及び第2光学素子OD2の構成を概略的に示す断面図である。
図示した例では、第1光学素子OD1は、第1ガラス基板10の外面側10Aに配置された第1支持層R11、第1支持層R11に積層された第1偏光子層PL1、及び、第1支持層R11を第1ガラス基板10の外面側10Aに接着する第1接着層AD11を含む。第2光学素子OD2は、第2ガラス基板20の外面側20Aに配置された第2支持層R21、第2支持層R21に積層された第2偏光子層PL2、及び、第2支持層R21を第2ガラス基板20の外面側20Aに接着する第2接着層AD21を含む。図示した例では、第1光学素子OD1は、さらに、第1偏光子層PL1に積層された第3支持層R12を含んでいる。つまり、第1偏光子層PL1は、第1支持層R11と第3支持層R12との間に挟持されている。また、第2光学素子OD2は、さらに、第2偏光子層PL2に積層された第4支持層R22を含んでいる。つまり、第2偏光子層PL2は、第2支持層R21と第4支持層R22との間に挟持されている。
第1偏光子層PL1及び第2偏光子層PL2は、例えばポリビニルアルコール(PVA)によって形成されている。第1支持層R11、第2支持層R12、第3支持層R21、及び、第4支持層R22は、トリアセチルセルロース(TAC)、シクロオレフィン系ポリマ(COP)、アクリル系材料等によって形成されている。
第1支持層R11の第1接着層AD11と接触する表面は、密着性を改善する、あるいは、帯電を防止するための表面処理が施されていても良い。この表面処理は、第1支持層R11の表面を改質することや、第1支持層R11の表面に他の薄膜を成膜することなどを含む。同様に、第2支持層R21の第2接着層AD21と接触する表面は、上記の表面処理が施されていても良い。
第1光学素子OD1において、第1ガラス基板10の近傍に位置する層、つまり、第1接着層AD11及び第1支持層R11は、酸化還元作用を有する材料を含まないことが望ましい。このような酸化還元作用を有する材料とは、例えば第1ガラス基板10から陽イオンの溶出あるいはイオン化促進作用のある酸化剤や、第1接着層AD11から陰イオンの溶出あるいはイオン化促進作用のある還元剤などである。同様に、第2光学素子OD2において、第2ガラス基板20の近傍に位置する層、つまり、第2接着層AD21及び第2支持層R21は、酸化還元作用を有する材料を含まないことが望ましい。
第1光学素子OD1において、第1ガラス基板10に接触する層、つまり、第1接着層AD11は、第1ガラス基板10から溶出されるイオンを捕捉する酸を含有することが望ましい。陽イオンが第1ガラス基板10から溶出される場合、その陽イオンを捕捉する酸としては、例えばアクリル酸などが挙げられる。同様に、第2光学素子OD2において、第2ガラス基板20に接触する層、つまり、第2接着層AD21は、第2ガラス基板20から溶出されるイオンを捕捉する酸を含有することが望ましい。
第1光学素子OD1において、第1ガラス基板10の近傍に位置する層、特に第1支持層R11は、アクリル系材料よりもシュウ酸の含有量が少ないシクロオレフィン系ポリマによって形成されることが望ましい。同様に、第2光学素子OD2において、第2ガラス基板20の近傍に位置する層、特に第2支持層R21は、シクロオレフィン系ポリマによって形成されることが望ましい。第1支持層R11あるいは第2支持層R21は、シクロオレフィン系ポリマによって形成される場合、偏光子層の支持体として機能するのに加えて、位相差層として機能させることも可能である。
図5は、輝点の形成過程の一例を概略的に示す図である。
図示した例は、第1ガラス基板10、第1接着層AD11、及び、第1支持層R11において発生しうる輝点形成過程を示している。なお、輝点とは、バックライトからの光が第1光学素子及び液晶表示パネルを透過して第2光学素子で吸収されて黒表示状態を形成する一方で、一部の光が第2光学素子を透過して輝く点のように視認される現象である。
第1接着層AD11が酸化還元作用を有する材料を含んでいる場合、第1接着層AD11が水分(HO)を吸収した際に、第1接着層AD11と第1ガラス基板10が接触する面(第1接着面)S1、及び、第1接着層AD11と第1支持層R11が接触する面(第2接着面)S2からは、それぞれに含まれる材料がイオン化されて第1接着層AD11内に溶出する。例えば、第1ガラス基板10にマグネシウムMgが含まれる場合、第1ガラス基板10のマグネシウムイオンMg2+が第1接着面S1から第1接着層AD11内に溶出する。第1支持層R11にシュウ酸(COOH)が含まれる場合、第1支持層R11のシュウ酸イオン(COO-)が第2接着面S2から第1接着層AD11内に溶出する。ここで、第1接着面S1及び第2接着面S2から材料がイオン化する反応を酸化還元反応とする。酸化還元反応によって第1接着層AD11内に溶出したマグネシウムイオンMg2+及びシュウ酸イオン(COO-)は、互いに結合してシュウ酸マグネシウムMg(COO)を形成する。第1接着層AD11の内部で生成されたシュウ酸マグネシウムMg(COO)は、例えば第2接着面S2の近傍にて凝集し、第1接着層AD11を透過する光の偏光を乱す不純物となりうる。つまり、シュウ酸マグネシウムMg(COO)が凝集した領域を透過した直線偏光と、シュウ酸マグネシウムMg(COO)が凝集した領域を透過していない領域を透過した直線偏光とでは、偏光状態が相違する。このため、第1偏光子層PL1を透過した直線偏光のうち、シュウ酸マグネシウムMg(COO)が凝集していない領域を透過した直線偏光は、第2偏光子層PL2にて吸収される(黒表示となる)のに対して、シュウ酸マグネシウムMg(COO)が凝集した領域を透過した直線偏光は、第2偏光子層PL2に吸収されず、第2光学素子OD2を透過する。このような過程を経て輝点が発生する。
なお、ここでは、第1ガラス基板10、第1接着層AD11、及び、第1支持層R11において発生しうる輝点形成過程について説明したが、同様の輝点形成は、第2ガラス基板20、第2接着層AD21、及び、第2支持層R21において発生しうるものであるが、その説明は省略する。
本実施形態によれば、第1接着層AD11及び第1支持層R11が酸化還元作用を有する材料を含まないため、第1接着面S1及び第2接着面S2に酸化還元作用を有する材料が存在しない。このため、第1接着層AD11を介した第1ガラス基板10及び第1支持層R11での酸化還元反応を抑制することが可能となる。したがって、第1接着層AD11の内部での不純物の生成を抑制することが可能となり、この不純物の凝集に起因した輝点の発生を抑制することが可能となる。これにより、表示品位を向上することが可能となる。
また、第1接着層AD11が第1ガラス基板10から溶出したイオンを捕捉するための酸を含むことにより、たとえ第1ガラス基板10からイオンが溶出したとしても、当該イオンが捕捉され、不純物の生成を抑制することが可能となる。
また、第1支持体R11にシュウ酸の含有量が少ない材料(例えば、シクロオレフィン系ポリマ(COP))を用いることにより、第1支持体R11そのものからのシュウ酸の溶出が抑制され、不純物の生成を抑制することが可能となる。
次に、高温高湿環境下(例えば、温度65℃、湿度90%)に500時間程置いた際に、表示パネルの表示品位を測定する実験を行った。
図6は、比較例及び実施形態に係る実験結果を説明するための図である。図中の表示品位は、不良品と判定される数の輝点が発生した場合を「NG」とし、正常品と判定される場合を「OK」として示されている。
実験では、実施形態(A)乃至(D)に係る表示パネルと、比較例に係る表示パネルとを用意し、それぞれの表示品位を測定した。比較例は、実施形態(A)乃至(D)と比較して、輝点を低減する要素が全く含まれていない点で相違している。
具体的には、比較例は、第1支持層R11がアクリル系材料で形成され、第1支持層R11及び第1接着層AD11が酸化還元作用を有する材料を含み、第1接着層AD11がイオンを捕捉する酸を含まない構成である。実験の結果、比較例の表示品位は、多くの輝点が発生し、表示品位としては「NG」と評価した。
実施形態(A)は、第1支持層R11がアクリル系材料で形成され、第1支持層R11及び第1接着層AD11が酸化還元作用を有する材料を含まず、第1接着層AD11がイオンを捕捉する酸を含まない構成である。実験の結果、実施形態(A)の表示品位は、ほとんど輝点が発生せず、表示品位としては「OK」と評価した。
実施形態(B)は、第1支持層R11がアクリル系材料で形成され、第1支持層R11及び第1接着層AD11が酸化還元作用を有する材料を含まず、第1接着層AD11がイオンを捕捉する酸を含む構成である。実験の結果、実施形態(B)の表示品位は、実施形態(A)よりもさらに輝点が少なく、表示品位としては「OK」と評価した。
実施形態(C)は、第1支持層R11がシクロオレフィン系ポリマ(COP)で形成され、第1支持層R11及び第1接着層AD11が酸化還元作用を有する材料を含まず、第1接着層AD11がイオンを捕捉する酸を含まない構成である。実験の結果、実施形態(C)の表示品位は、実施形態(A)よりもさらに輝点が少なく、表示品位としては「OK」と評価した。
実施形態(D)は、第1支持層R11がシクロオレフィン系ポリマ(COP)で形成され、第1支持層R11及び第1接着層AD11が酸化還元作用を有する材料を含まず、第1接着層AD11がイオンを捕捉する酸を含む構成である。実験の結果、実施形態(D)の表示品位は、実施形態(A)乃至(C)よりもさらに輝点が少なく、表示品位としては「OK」と評価した。
このような実験により、本実施形態によれば、高温高湿な環境下であっても、輝点を抑制することが可能となることが確認された。
次に、他のレイアウトの例(変形例)について説明する。
図7は、本実施形態の変形例における光学素子の構成を概略的に示す断面図である。
図7に示した例は、図4に示した例と比較して、第2支持層R21と第2接着層AD21との間に位相差層RFが挟持されている点で相違している。位相差層RFは、接着層ADFによって第2支持層R21に接着されている。
位相差層RF及び第2接着層AD21は、第2ガラス基板20の近傍に位置する層であるため、前述したように酸化還元作用を有する材料を含まないことが望ましい。
このような変形例でも、上述の実施形態と同様の効果が得られる。
以上説明したように、本実施形態によれば、表示品位を向上することが可能な液晶表示装置を提供することができる。
なお、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
LPN…液晶表示パネル AR…アレイ基板 CT…対向基板 LQ…液晶層
SW…スイッチング素子 PE…画素電極 CE…共通電極
CFA…第1カラーフィルタ CFB…第2カラーフィルタ CFC…第3カラーフィルタ CFD…第4カラーフィルタ CFE…第5カラーフィルタ
OD1…第1光学素子 OD2…第2光学素子 AD11…第1接着層 AD21…第2接着層 R11…第1支持層 R21…第2支持層

Claims (5)

  1. 互いに対向して配置された第1ガラス基板と第2ガラス基板との間に液晶層を保持した液晶表示パネルと、
    前記第1ガラス基板の外面側に配置された第1支持層、前記第1支持層に積層された第1偏光子層、及び、前記第1支持層を前記第1ガラス基板の外面側に接着する第1接着層を含む第1光学素子と、
    前記第2ガラス基板の外面側に配置された第2支持層、前記第2支持層に積層された第2偏光子層、及び、前記第2支持層を前記第2ガラス基板の外面側に接着する第2接着層を含む第2光学素子と、を備え、
    前記第1支持層及び前記第1接着層は、酸化還元作用を有する材料を含まない、液晶表示装置。
  2. 前記第1接着層は、前記第1ガラス基板から溶出されるイオンを捕捉する酸を含有する、請求項1に記載の液晶表示装置。
  3. 前記第1支持層は、シクロオレフィン系ポリマによって形成される、請求項1または2に記載の液晶表示装置。
  4. 前記第1支持層は、位相差層である、請求項3に記載の液晶表示装置。
  5. 前記第2支持層及び前記第2接着層は、酸化還元作用を有する材料を含まない、請求項1記載の液晶表示装置。
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