JP5188379B2 - 回転角センサ - Google Patents
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Description
また、ステータが複雑な形状を有するために、当該ステータに巻き線を正確に巻き回すことが困難であるという問題もあった。
そこで、本発明は、漏れ磁束による精度劣化が生じることのない、比較的簡易な構造の回転角センサを提供することを課題とする。
また、各部の形状として複雑な形状をとる必要がないので、簡単な構造で回転角センサを構成することができるようになる。
ここで、このような回転角センサは、前記駆動コイルを交流信号で駆動する駆動回路を設け、前記測定回路において、前記交流信号と、前記検出コイルに誘起された電圧信号の位相差を計測するように構成してもよい。
または、このような回転角センサは、前記回転スリット群と固定スリット群との一方を、前記ロータの回転面の回転方向に等角度間隔で配置された複数のスリットである第1スリット群と、前記ロータの回転面の回転方向に等角度間隔で配置された複数のスリットである第2スリット群とより構成すると共に、前記第1スリット群と前記第2スリット群の、前記ロータの回転面の回転方向と垂直な当該回転面に沿った方向の配置は相互に重ならないように異なせると共に、前記第1スリット群と前記第2スリット群の配置は前記ロータの前記回転面の回転方向の位相を異ならせ、前記検出コイルを、前記第1スリット群を前記駆動コイルとの間に挟む位置に配置された第1検出コイルと、前記第2スリット群を前記駆動コイルとの間に挟む位置に配置された第2検出コイルとより構成し、前記測定回路において、前記第1検出コイルに誘起された電圧信号と前記第2検出コイルに誘起された電圧信号の位相差を計測するように構成することも好ましい。
まず、第1実施形態について説明する。
図1に、本実施形態に係る回転角センサの構成を示す。
ここで、図1aは回転角センサの正面を、図1bは回転角センサの側面を、図1cは回転角センサの断面を、それぞれ模式的に表している。
図示するように、本回転角センサは、回転角の測定対象とする回転軸10に固定され回転軸10と共に回転するロータ20と、固定設置されるステータ30と、駆動コイル40と、検出コイル50と、測定回路60とを有している。
ここで、ロータ20は、非磁性導電体を用いて形成された中空円筒形状の部分と中空円筒形状の片側を回転軸10に連結する部分とより構成された部材であり、ステータ30は、非磁性導電体を用いて形成された中空円筒形状の部材である。そして、ロータ20の中空円筒形状の部分とステータ30とは、回転軸10の回転中心軸を中心軸として同軸入れ子状に配置される。
そして、駆動コイル40と検出コイル50とは、回転軸10の回転中心軸と同軸状に巻き回した形態で、駆動コイル40はステータ30の外周側に、検出コイル50はロータ20の内周側に、ステータ30とロータ20とを間に挟んで対面するように配置されている。
すなわち、図2aに示すように、ステータ30には、複数の周方向に等角度間隔で並んだスリットであるステータ側スリット31が設けられ、図2bに示すように、ロータ20には複数の周方向に等角度間隔で並んだスリットであるロータ側スリット21が設けられている。
さて、このような構成において、駆動コイル40を発生源とする磁束のうち、ステータ30の側壁(ステータ側スリット31が設けられていない部分)やロータ20の側壁(ロータ側スリット21が設けられていない部分)を透過して検出コイル50に達する磁束は、ステータ30の側壁やロータ20の側壁の透過の際に、側壁で生じるうず電流による位相変化が生じることになる。
ここで、このような測定を行うのが測定回路60である。
図3aに示すように、測定回路60は、発振回路61と、差分増幅器62と、位相差検出回路63とを有している。そして、発振回路61は、駆動コイル40を交流の駆動信号で駆動して磁束を発生し、位相差検出回路は、検出コイル50に誘起起電力によって生じる電圧信号を差分増幅器62で増幅した信号の位相と、発振回路61の駆動信号との位相差を検出して、当該位相差を電圧値で表す検出信号を出力する。
よって、図4bに示すように、検出信号は、ステータ側スリット31とロータ側スリット21との配置角度間隔に一致する回転軸10の回転角毎に1周期を持つ信号となるので、この検出信号より、回転軸10の回転角度を算出することができるようになる。
ところで、以上の第1実施形態では、ロータ20とステータ30とを、回転軸10に対して同軸入れ子状に配置した中空円筒形状の部材としたが、図5aに回転角センサの正面を、図5bに回転角センサの左側面を、図5cに回転角センサの右側面を、図5dに回転角センサの断面を、それぞれ模式的に表すように、ロータ20を回転軸10に固定した円盤状の部材とすると共に、ステータ30をロータ20と近接して正対するように固定設置した円盤状の部材としてもよい。
以下、本発明の第2実施形態について説明する。
図7aに第2実施形態に係る回転角センサの正面を、図7bに第2実施形態に係る回転角センサの断面を、それぞれ模式的に示す。
図示するように、本第2実施形態に係る回転角センサは、図1に示した回転角センサにおける検出コイル50を、回転軸10方向に並べた第1検出コイル51と第2検出コイル52とに置き換えたものである。
また、ロータ20とステータ30の、駆動コイル40と検出コイル50とに挟まれた箇所に、各々周方向に等角度間隔で複数配置したスリットとして、ステータ30には、図7cに示すように、複数の周方向に等角度間隔で並んだスリットであるステータ側スリット31を設けると共に、ロータ20には、図7dに示すように、駆動コイル40と第1検出コイル51とに挟まれる箇所に、周方向に等角度間隔で並べて配置した複数のスリットである第1ロータ側スリット211と、駆動コイル40と第2検出コイル52とに挟まれる箇所に、周方向に等角度間隔で並べて配置した複数のスリットである第2ロータ側スリット212とを、回転軸10方向の位置を異ならせて設けたものである。
そこで、本第2実施形態では、測定回路60を図3bのように構成し、この位相差を検出する。
図3bに示すように、本第2実施形態に係る測定回路60は、発振回路61と、第1差分増幅器64と、第2差分増幅器65と、位相差検出回路63とを有している。そして、発振回路61は、駆動コイル40を交流の駆動信号で駆動して磁束を発生し、位相差検出回路は、第1検出コイル51に誘起起電力によって生じる電圧信号を第1差分増幅器64で増幅した信号と、第2検出コイル52に誘起起電力によって生じる電圧信号を第2差分増幅器65で増幅した信号との位相差を検出して、当該位相差を電圧値で表す検出信号を出力する。
よって、図4bに示すように、検出信号は、ステータ側スリット31とロータ側スリット21との配置角度間隔に一致する回転軸10の回転角毎に1周期を持つ信号となるので、この検出信号より、回転軸10の回転角度を算出することができるようになる。
なお、本第2実施形態に係る回転角センサも、前記第1実施形態と同様にロータ20とステータ30として、図8aに回転角センサの正面を、図8bに回転角センサの断面を、それぞれ模式的に表すように、ロータ20として回転軸10に固定した円盤状の部材を用いると共に、ステータ30としてロータ20と近接して正対するように固定設置した円盤状の部材を用いることもできる。
また、スリットとして、ステータ30には、図8cに示すように、複数の周方向に等角度間隔で並んだスリットであるステータ側スリット31を設けると共に、ロータ20には、図8dに示すように、駆動コイル40と第1検出コイル51とに挟まれる箇所に複数の周方向に等角度間隔で並べて配置したスリットである第1ロータ側スリット211と、駆動コイル40と第2検出コイル52とに挟まれる複数の周方向に等角度間隔で並べて配置したスリットである第2ロータ側スリット212とを、径方向の位置を異ならせて設ける。
なお、図7、8に示した回転角センサにおいて、ステータ側スリット31も、ロータ側スリット21と同様に第1ロータ側スリット211に対応する部分と第2ロータ側スリット212に対応する部分とに二つに分割して設けるようにしてもよい。また、さらに、分割した二つのステータ側スリット31をロータ側スリット21と同様に周方向にずらして配置するようにしてもよい。ただし、第1ロータ側スリット211の周方向中心が、ステータ側スリット31を二つに分割した部分のうちの当該第1ロータ側スリット211に対応する部分との周方向中心と重なる回転位相と、第2ロータ側スリット212の周方向中心が、ステータ側スリット31を二つに分割した部分のうちの当該第2ロータ側スリット212に対応する部分との周方向中心と重なる回転位相とは異なるようにする。
ところで、以上の各実施形態において、駆動コイル40、検出コイル50(または、第1検出コイル51及び第2検出コイル52)は、回転角センサの全体すなわち静止系に対して固定的に設けてもよいし、回転軸10共に回転するように設けるようにもよい。また、駆動コイル40と検出コイル50(または、第1検出コイル51及び第2検出コイル52)の配置は、これを交換してもよい。また、ステータ側スリット31と、ロータ側スリット21(または、第1ロータ側スリット211及び第2ロータ側スリット212)の形状配置は、これを交換してもよい。また、ロータ20とステータ30の配置も、これを交換するようにしてもよい。
また、回転角度センサにおいて、回転軸10の回転位相の基準となる基準位相を検出できるように、基準位相検出用のスリットをロータ20やステータ20に一つずつ設けると共に、基準位相検出用の検出コイルを設けるようにしてもよい。または、スリット側スリット31のうちの一つのスリットとロータ側スリット32(または、第1ロータ側スリット211及び第2ロータ側スリット212)の一つを異形化して、検出信号に1回転あたり一度、異形の波形が生じるようにしてもよい。
Claims (3)
- 非磁性導電体で形成したロータと、
非磁性導電体で形成したステータと、
磁束を発生する駆動コイルと、
検出コイルと、
測定回路とを有し、
前記ロータは、当該ロータの回転に伴って回転する回転面を有すると共に、当該回転面には、当該回転面の回転方向に等角度間隔で配置された複数のスリットである回転スリット群を有し、
前記ステータは、前記回転面と対面する固定面を有すると共に、当該固定面には、前記ロータの回転面の回転方向に等角度間隔で配置された複数のスリットである固定スリット群を有し、
前記駆動コイルと前記検出コイルとは、前記ロータの前記回転面の回転スリット群と前記ステータの前記固定面の固定スリット群とを間に挟んだ形態で配置されており、
前記測定回路は、前記検出コイルに誘起された電圧信号の位相変化量を計測することを特徴とする回転角センサ。
- 請求項1記載の回転角センサであって、
前記駆動コイルを交流信号で駆動する駆動回路を有し、
前記測定回路は、前記交流信号と、前記検出コイルに誘起された電圧信号の位相差を計測することを特徴とする回転角センサ。
- 請求項1記載の回転角センサであって、
前記回転スリット群と固定スリット群との一方は、前記ロータの回転面の回転方向に等角度間隔で配置された複数のスリットである第1スリット群と、前記ロータの回転面の回転方向に等角度間隔で配置された複数のスリットである第2スリット群と有すると共に、前記第1スリット群と前記第2スリット群の、前記ロータの回転面の回転方向と垂直な当該回転面に沿った方向の配置は相互に重ならないように異なっていると共に、前記第1スリット群と前記第2スリット群の配置は前記ロータの前記回転面の回転方向の位相が異なっており、
前記検出コイルは、前記第1スリット群を前記駆動コイルとの間に挟む位置に配置された第1検出コイルと、前記第2スリット群を前記駆動コイルとの間に挟む位置に配置された第2検出コイルとより構成され、
前記測定回路は、前記第1検出コイルに誘起された電圧信号と前記第2検出コイルに誘起された電圧信号の位相差を計測することを特徴とする回転角センサ。
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