JP5188377B2 - 球体の真球度の測定方法および球体の曲率半径の測定方法 - Google Patents
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また、光学的に透明な球体を被測定物とした場合、その透明な球体に光源からの光が照射されると、球体上面側の凸面で反射される反射光と、凸面を透過して球体下面側の凹面で反射される反射光とが生じるので、参照光を合わせると3つの反射光が混在することとなる。
光学的に透明な球体の中心に焦点を合わせるように、その球体に向けて所定の光源から光を照射し、
前記球体の前記光源側の上面を参照面とし、前記球体の前記光源と反対側の下面を被検面とするように、前記上面で反射された第一反射光と、前記上面を透過して前記下面で反射された第二反射光とを干渉させ、
前記第一反射光と前記第二反射光とが干渉することで生成した干渉縞を測定することにより得られる前記第一反射光と前記第二反射光との光路差の分布に基づき、前記球体の真球度を算出することを特徴とする。
光学的に透明な球体の中心に焦点を合わせるように、その球体に向けて所定の光源から光を照射し、
前記球体の前記光源側の上面を参照面とし、前記球体の前記光源と反対側の下面を被検面とするように、前記上面で反射された第一反射光と、前記上面を透過して前記下面で反射された第二反射光とが干渉して干渉縞が生成される際に、前記球体が位置する第一配置を測定し、
次いで、前記球体を前記光源から光軸に沿って離間させて前記球体の前記参照面に焦点が合った際に、前記球体が位置する第二配置を測定し、
前記第一配置から前記第二配置までの移動量に基づき、前記球体の曲率半径を算出することを特徴とする。
また、球体の曲率半径の測定方法において、光学的に透明な球体の上面を参照面とし、球体の下面を被検面とすることで、例えば、フィゾー型干渉計を応用した干渉計を用いて、光源から照射された光の焦点が球体の中心となって第一反射光と第二反射光とにより干渉縞が生成される球体の第一配置と、光源から照射された光の焦点が球体の上面(参照面)となる球体の第二配置を容易に検出することができ、その第一配置から第二配置までの移動量に基づいて、球体の曲率半径を好適に測定することができる。
本発明において、光学的に透明な球体に対する測定を実施するにあたり、フィゾー型の干渉計を応用した干渉計100を用いる。
また、ビームスプリッタ3は、後面側から入射された光の光路を90°曲げて、光出射側面から出射させる。
また、対物レンズ4は、被測定物(球体10)で反射された反射光を、ビームスプリッタ3の後面に向けて入射させる。
なお、結像レンズ5と撮像素子6の間に、絞り板8が配されている。
また、撮像素子6は、撮像した干渉縞に関するデータ(例えば、干渉縞の画像データ)を、制御部7に出力する。
例えば、制御部7は、干渉縞に関するデータに基づいて、第一反射光と第二反射光との光路差の分布を算出する。また、制御部7は、算出した光路差の分布に基づき、例えば、球体の真球度を算出する。
また、制御部7は、反射光の測定を行った被測定物としての球体の配置に基づき、球体の曲率半径を算出する。
ここで、光源1から照射された光の焦点が球体10の中心Oに合った場合、球体10の光源1側の上面を参照面11とし、球体10の光源1と反対側の下面を被検面12とすると、図2に示すように、入射光が参照面11で反射された第一反射光R1と、入射光が参照面11を透過し被検面12で反射された第二反射光R2とが生じる。
そして、第一反射光R1と第二反射光R2は、それぞれ入射光の経路をたどるように戻り、対物レンズ4、ビームスプリッタ3、結像レンズ5を通じて、撮像素子6へと導かれる。ただし、第二反射光R2は第一反射光R1より、球体10の中心Oを通過する一往復分(参照面11と被検面12の間の一往復分)、長い光路を有している。
つまり、球体10の中心Oに焦点を合わせることで、撮像素子6に反射光が到達することとなるので、撮像素子6への反射光の到達を指標とすることによって、球体10の中心Oに焦点を合わせる作業(球体10の位置調節作業)を比較的容易に行うことが可能になっている。
例えば、制御部7は、干渉縞の画像データに対してフーリエ変換法による処理を施すことで、光の位相(例えば、被検面12の位相)を求めて、各点での光路差の分布を算出する。つまり、撮像素子6で測定された干渉縞は、球体10の光学的な直径(球体10の中心Oを通る参照面11と被検面12の距離)のばらつきを含んでいるので、この干渉縞から、測定された範囲中の各点における参照面11と被検面12との間の光路差の分布を算出することができる。
また、制御部7は、算出した光路差の分布に基づき、球体10の真球度を算出する(後述する式(2)参照)。
S0=max(m(θ,φ))−min(m(θ,φ)) … 式(2)
DA(θ,φ)=m(θ,φ)/n … 式(3)
また、球体10の(実長さでの)真球度Sは、以下の式(4)により算出できる。
S=max(DA(θ,φ))−min(DA(θ,φ)) …式(4)
特に、干渉計100における撮像素子6への反射光の到達を指標とすることによって、球体10に向けて照射する光の焦点を球体10の中心Oに合わせる作業を比較的容易に行うことができるので、撮像素子6による干渉縞の測定を容易に行うことが可能となり、好適に球体10の真球度の測定を行うことができる。
次いで、その球体10に向けて光源1から光を照射し、載置台9の位置を調整することで、球体10の中心Oに焦点を合わせる(図中、左側の状態)。この球体10の中心Oに光の焦点があった状態で、第一反射光R1と第二反射光R2とにより干渉縞が生成されるので、撮像素子6において干渉縞が検出される。なお、前述したように、球体10に向けて照射する光の焦点を球体10の中心Oに合わせる作業は、撮像素子6への反射光の到達(具体的には、反射光の到達光量)を指標とすることによって容易に行うことができる。
そして、この球体10の中心Oに焦点が合って、干渉縞が生成した際の球体10の位置(例えば、球体10が載置された載置台9の位置であって、光軸方向に沿う位置)を測定し、その位置を第一配置とする。
そして、球体10の上面である参照面11に光の焦点が合うまで移動させる(図中、右側の状態)。なお、この球体10表面の参照面11に光の焦点が合うと、その反射光が撮像素子6に届くようになり、その反射光を検出可能になる。つまり、撮像素子6への反射光の到達を指標とすることによって、球体10の参照面11に焦点を合わせる作業を比較的容易に行うことができる。
この球体10の参照面11に焦点が合って、撮像素子6が反射光を検出した際の球体10の位置(例えば、球体10が載置された載置台9の位置)を測定し、その位置を第二配置とする。
なお、本実施形態の場合、光源1から照射された光の焦点が、球体10の中心Oから球体10の表面(参照面11)まで移動するように、球体10(載置台9)が移動されているので、その移動量は球体10の半径に相当しており、この第一配置から第二配置までの移動量Crが、曲率半径「Cr」として測定される。
特に、干渉計100における撮像素子6への反射光の到達を指標とすることによって、第一配置と第二配置とを容易に検出することができるので、球体10の半径に相当する第一配置から第二配置までの移動量の測定を容易に行うことが可能となり、好適に球体10の曲率半径の測定を行うことができる。
2 コリメータレンズ
3 ビームスプリッタ
4 対物レンズ
5 結像レンズ
6 撮像素子
7 制御部
8 絞り板
9 載置台
10 球体
11 参照面(上面)
12 被検面(下面)
100 干渉計
O 中心(球体の中心)
R1 第一反射光
R2 第二反射光
Cr 曲率半径(移動量)
Claims (2)
- 光学的に透明な球体の中心に焦点を合わせるように、その球体に向けて所定の光源から光を照射し、
前記球体の前記光源側の上面で反射された第一反射光と、前記上面を透過し前記球体の前記光源と反対側の下面で反射された第二反射光とを干渉させ、
前記第一反射光と前記第二反射光とが干渉することで生成した干渉縞を測定することにより得られる前記第一反射光と前記第二反射光との光路差に基づき、前記球体の真球度を算出することを特徴とする球体の真球度の測定方法。 - 光学的に透明な球体の中心に焦点を合わせるように、その球体に向けて所定の光源から光を照射し、
前記球体の前記光源側の上面で反射された第一反射光と、前記上面を透過し前記球体の前記光源と反対側の下面で反射された第二反射光とが干渉して干渉縞が生成される際に、前記球体が位置する第一配置を測定し、
次いで、前記球体を前記光源から光軸に沿って離間させて前記球体の前記上面に焦点が合った際に、前記球体が位置する第二配置を測定し、
前記第一配置から前記第二配置までの移動量に基づき、前記球体の曲率半径を算出することを特徴とする球体の曲率半径の測定方法。
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