JP5185736B2 - 着用物品 - Google Patents

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Description

この発明は、着用物品に関し、さらに詳しくは使い捨てのおむつ、排便トレーニングパンツ、失禁ブリーフ等に取り付け可能な着用物品に関する。
従来、紙おむつのおむつ本体を背側から股下を通って腹側へとあてがい、このおむつ本体を着用者の身体に紐で結んで固定させるいわゆる「越中ふんどし」のようなタイプのものとして、例えば、特開2007−283007号公報(特許文献1)が公知である。この特許文献1において、紐は、おむつ本体の両側に沿って切断して形成される。切断線は、一端から他端近傍まで形成され、他端では、完全に切断されることがない。したがって、紐は他端でおむつ本体に接続されたまま形成される。
特開2007−283007号公報
着用者が歩いたりして腰回りを動かしたときや、排尿等によって股下部分が重くなったときには、おむつ本体が股下側に向かって下がるようにずれてしまうことがある。おむつがずれると着用者の脚回りとの間、特におむつと着用者の鼠蹊部の間に隙間ができ、この隙間から尿等が漏れるという問題があった。
この発明では、着用者との間に隙間が生じることがなく、隙間からの尿等の漏れを抑制することができる着用物品を提供することを課題とする。
この発明は、縦方向および横方向と、身体側および着衣側と、前ウエスト域および後ウエスト域の一方である第1ウエスト域、ならびに前記前ウエスト域および後ウエスト域の他方である第2ウエスト域と、前記第1および第2ウエスト域間に位置するクロッチ域とを含むシャーシと、少なくとも前記クロッチ域に形成された吸液構造体と、前記第1ウエスト域に形成され前記第2ウエスト域を身体側に締め付け可能なウエスト紐とを含む着用物品の改良に関わる。
この発明は前記着用物品において、前記第2ウエスト域の前記着衣側には、前記ウエスト紐が前記縦方向に移動するのを規制するループからなる紐保持部が形成され、前記紐保持部によって、前記ウエスト紐が前記横方向に通過可能な通路が形成され、前記シャーシは、前記縦方向に延びる両側縁と、前記横方向に延びるとともに前記第1ウエスト域に位置する第1端縁および前記第2ウエスト域に位置する第2端縁とを含み、前記ウエスト紐は、前記両側縁の各々に位置する第1紐と、第2紐とを含み、前記紐保持部材は、前記第1紐を保持可能な第1紐保持部と、前記第2紐を保持可能な第2紐保持部とを含み、前記第1紐保持部と前記第2紐保持部とは、それぞれ前記横方向に複数形成されるとともに、前記横方向の長さ寸法を二等分する縦中心線を介して前記横方向に対向して形成されることを特徴とする。
好ましい実施態様のひとつとして、複数の前記第1および第2紐保持部は、前記縦方向にずらした位置に形成されるとともに、少なくとも一部が前記横方向において重なる位置に形成される。
好ましい他の実施態様のひとつとして、前記第1および第2紐保持部は、前記シャーシに形成し前記縦方向に延びる一対のスリットによってそれぞれ形成される。
また、この発明は前記着用物品において、前記第2ウエスト域の前記着衣側には、前記ウエスト紐が前記縦方向に移動するのを規制するループからなる紐保持部が形成され、前記紐保持部によって、前記ウエスト紐が前記横方向に通過可能な通路が形成され、前記紐保持部は、前記シャーシの前記第2ウエスト域を前記着衣側に折り返して、この折り返し部分において前記シャーシの一部を互いに接合することによって形成されることを特徴とする。
好ましい実施態様のひとつとして、前記シャーシは、前記縦方向に延びる両側縁と、前記横方向に延びるとともに前記第1ウエスト域に位置する第1端縁および前記第2ウエスト域に位置する第2端縁とを含み、前記ウエスト紐は、前記両側縁の各々に位置する第1紐と、第2紐とを含み、前記紐保持部材は、前記第1紐を保持可能な第1紐保持部と、前記第2紐を保持可能な第2紐保持部とを含み、前記第1紐保持部と前記第2紐保持部とは、それぞれ前記横方向に複数形成されるとともに、前記横方向の長さ寸法を二等分する縦中心線を介して前記横方向に対向して形成される。
好ましい他の実施態様のひとつとして、前記紐保持部は、前記吸液構造体に重なる位置関係を有する。
好ましい他の実施態様のひとつとして、前記吸液構造体は、前記縦方向に延びる一対の吸液側縁と、前記横方向に延びるとともに前記第1ウエスト域に位置する吸液後端縁および前記第2ウエスト域に位置する吸液前端縁とを含み、前記縦方向の長さ寸法を二等分する横中心線から前記吸液後端縁までの長さ寸法が、前記横中心線から前記吸液前端縁までの長さ寸法よりも短く形成される。
好ましい他の実施態様のひとつとして、前記ウエスト紐は、その長さ方向に伸縮可能に弾性化される。
好ましい他の実施態様のひとつとして、前記第1紐および第2紐は、前記両側縁に沿って前記縦方向に延びる切断線によって前記シャーシを切断して形成され、前記切断線は、前記第1端縁とは離間して前記第1ウエスト域と接合する基端縁を形成し、前記第2端縁とは接触して前記第2ウエスト域と離間可能な自由端縁を形成する。
好ましい他の実施態様のひとつとして、前記第1紐および第2紐は、前記基端縁および前記自由端縁において非弾性化される。
好ましい他の実施態様のひとつとして、前記第1紐および第2紐は、前記自由端縁に少なくともその一部が硬化された硬化部が形成される。
好ましい他の実施態様のひとつとして、前記シャーシは、前記両側縁において前記縦方向に伸縮可能に弾性化される。
着用物品の第1ウエスト域にウエスト紐が形成され、第2ウエスト域の着衣側には、ウエスト紐が縦方向に移動するのを規制する紐保持部が形成されることとしている。したがって、着用者が歩いたりして腰回りを動かしたときや、排尿等によって股下部分が重くなったときであっても、着用物品がクロッチ域側に向かって下がるようにずれるのを抑制することができる。したがって、着用物品と着用者の脚回りとの間に隙間ができるのが抑制され、尿等の漏れを防止することができる。
着用物品として使い捨ておむつを用い、この発明の一例を説明する。
<第1の実施形態>
図1はおむつ1の着用状態を示した斜視図、図2はおむつ1を展開した状態の平面図であって、身体側から見たときの図、図3は図2のIII−III線断面図である。図2および3では、説明のためおむつ1に皺が発生しない状態すなわち弾性部材を収縮させない状態を示している。おむつ1は、着用者の腹側から背側に向かう縦方向Yと、縦方向Yに直交する横方向Xとを含み、横方向Xの寸法を二等分する縦中心線P−Pと、縦方向Yの寸法を二等分する横中心線Q−Qとを含む。おむつ1はシャーシ20と、吸液構造体30と、ウエスト紐40とを含む。シャーシ20は、縦方向Yの前後に位置する前ウエスト域5、後ウエスト域6、これらウエスト域5,6の間に位置するクロッチ域7とを含み、後ウエスト域6を第1ウエスト域、前ウエスト域5を第2ウエスト域としている。
シャーシ20は、身体側に位置し透液性を有する内面シート21と、着衣側に位置し不透液性を有する外面シート22とを含み、これら内外面シート21,22は縦方向Yに延びる略矩形を有し、縦方向Yと横方向Xとに関して外面シート22よりも内面シート21が小さく、外面シート22の前後端縁および両側縁が内面シート21の縦方向Yおよび横方向X外側に延出している。このようなシャーシ20は、外面シート22によって縦方向Yに延びるシャーシ側縁23,24と、横方向Xに延びるシャーシ前後端縁25,26を形成している。この発明の第1端縁がシャーシ後端縁26に相当し、第2端縁がシャーシ前端縁25に相当する。
図2,3に示したように、内外面シート21,22の間には、吸液構造体30が形成されている。吸液構造体30は、フラッフパルプ等によって形成される吸液性芯材31と、吸液性芯材31を覆うティッシュペーパ等の液拡散シート32と、液拡散シート32と外面シート22との間に配置されシャーシ20への尿等の漏れを防止するための漏れ防止シート33とを含む。吸液構造体30は、少なくともクロッチ域7に位置し、クロッチ域7から前後ウエスト域5,6へと縦方向Yに延びている。吸液構造体30は、横中心線Q−Q近傍において、縦中心線P−Pに向かって湾曲し、この湾曲部分を着用者の鼠蹊部に位置させることによって、おむつ1が着用者の脚回りに密着可能としている。吸液構造体30は、縦方向Yに延びる一対の吸液側縁34,35と、横方向Xに延びる吸液前後端縁36,37とを含む。図2に示すおむつ1では、吸液前端縁36が前ウエスト域5に位置し、吸液後端縁37が後ろウエスト域6に位置しており、横中心線Q−Qから吸液後端縁37までの長さ寸法は、横中心線Q−Qから吸液前端縁36までの長さ寸法よりも短く形成されている。これら吸液側縁34,35および吸液前後端縁36,37から、内面シート21の両側縁および前後端縁が延出し、吸液構造体30が内面シート21で覆われる構成にしている。
ウエスト紐40は、横方向Xに離間する第1紐41と第2紐42とを含む。第1および第2紐41,42は、外面シート22の一部によって形成されている。すなわち、外面シート22は、一枚の繊維不織布から形成され、その横方向Xの両端部を、折返し線48に沿って身体側に向かって折り返し、折返し部49を形成している。これら折返し部49には、縦方向Yに延びる切断線43を形成し、外面シート22および折返し部49を切断することによって第1および第2紐41,42を形成している。切断線43は、シャーシ前端縁25には接触し、シャーシ後端縁26とは離間している。すなわち、第1および第2紐41,42は、後ウエスト域6でシャーシ20と接続して基端縁44を形成し、その反対側でシャーシ20とは切り離された自由端縁45を形成している。
第1および第2紐41,42には、これらを伸縮可能に弾性化する紐弾性部材46,47を縦方向Yに伸長状態で取り付けている。紐弾性部材46,47は、第1および第2紐41,42に対してそれぞれその両側に2本ずつ配置され、折返し部49と外面シート22との少なくともいずれか一方に接合される。第1および第2紐41,42は、基端縁44および自由端縁45では弾性化されないように、紐弾性部材46,47を基端縁44と自由端縁45との間に取り付けている。
切断線43よりも横方向Xの内側であって、吸液側縁34,35との間にレッグ弾性部材27,28を縦方向Yに伸長状態で取り付け、シャーシ20のシャーシ側縁23,24を伸縮可能に弾性化している。レッグ弾性部材27,28は、折返し部49と外面シート22との間に取り付けられ、それら少なくともいずれか一方に接合される。レッグ弾性部材27,28は、少なくともクロッチ域7に位置し、この実施形態では、クロッチ域7から前後ウエスト域5,6へと縦方向Yに延びている。レッグ弾性部材27,28を取り付けることによって、少なくともクロッチ域7に位置するシャーシ側縁23,24が着用者の脚回り、特に鼠蹊部に密着可能とすることができ、脚回りからの尿漏れ等を防止することができる。
前ウエスト域5の外面シート22には、第1および第2紐41,42を通すための第1および第2紐保持部51,52を形成している。具体的には、第1紐保持部51は、縦方向Yに延びる一対のスリット53によって形成され、第2紐保持部52は、縦方向Yに延びる一対のスリット54によって形成されている。スリット53,54は、外面シート22を厚さ方向に貫通し、その縦方向Yの長さ寸法は、第1および第2紐41,42の横方向Xの長さ寸法よりも大きくしている。スリット53,54を形成することによって、第1および第2紐41,42が横方向Xに通過可能な通路が形成される。第1および第2紐保持部51,52は、縦中心線P−Pを介して横方向Xに対向し、縦中心線P−Pからほぼ等しい距離に離間している。第1および第2紐保持部51,52は、吸液構造体30と重なる位置に形成されている。
上記のようなおむつ1を着用者に着用させるには、シャーシ20の後ウエスト域6を着用者の背中および臀に、クロッチ域7が股に、前ウエスト域5が腹に位置するように、このシャーシ20を着用者にあてがう。シャーシ20を着用者にあてがったら、第1および第2紐41,42を前ウエスト域5の着衣側へと回し、これら第1および第2紐41,42を結んで、シャーシ20を着用者に固定させる。このとき、第1および第2紐41,42は、第1および第2紐保持部51,52のスリット53,54に通し、これら第1および第2紐保持部51,52の間、すなわち縦中心線P−P近傍で、第1および第2紐41,42を結ぶ。
第1および第2紐41,42を第1および第2紐保持部51,52で保持することとしたので、排尿等によってシャーシ20のクロッチ域7が重たくなったような場合であっても、第1および第2紐41,42でシャーシ20が縦方向Yに下がるのを抑制することができる。したがって、おむつ1のクロッチ域7のシャーシ側縁23,24と着用者の鼠蹊部との間に隙間が生じ難く、脚回りからの尿漏れ等を抑制することができる。
しかも、クロッチ域7のシャーシ側縁23,24には、レッグ弾性部材27,28が取り付けられているので、クロッチ域7のシャーシ側縁23,24は着用者の鼠蹊部との隙間を解消することができる。
第1および第2紐41,42は、紐弾性部材46,47によって長手方向に弾性化されているので、第1および第2紐41,42を引っ張りながら結ぶことによって、第1および第2紐41,42の収縮によって前後ウエスト域5,6を着用者に密着させることができる。また、第1および第2紐41,42を弾性化することによって、着用者のウエストの変化に第1および第2紐41,42が追従することができる。すなわち、特に幼児の場合には、食事の前後でウエストの大きさが変化するが、これによっておむつが苦しくなったり、緩くなったりするのを抑制することができる。また、着用者のウエストの変化に追従することができるので、第1および第2紐41,42を結びなおしたりする手間を省くことができる。
第1および第2紐保持部51,52を前ウエスト域5の着衣側に位置する外面シート22に形成することとしたので、第1および第2紐41,42が直接肌に触れることがない。したがって、弾性化によって第1および第2紐41,42に皺が発生した場合であっても、この皺によって肌に刺激を与えるのを抑制することができる。また、第1および第2紐41,42を互いに結ぶことによって前ウエスト域5を着用者に密着させることができるとともに、後ウエスト域6をも着用者に密着させることができ、これら前後ウエスト域5,6からの尿等の漏れを抑制することができる。
第1および第2紐保持部51,52を吸液構造体30と重なる位置関係にし、第1紐および第2紐41,42を通したときに、これら第1および第2紐41,42の身体側に吸液構造体30が位置することとしたので、吸液構造体30の剛性によって、第1および第2紐41,42の身体に対する締め付けを緩和することができる。したがって、第1および第2紐41,42をきつめに結んだ場合であっても、肌に対する刺激を低減することができ、皺による刺激も低減することができる。
第1および第2紐41,42を弾性化することによって、第1および第2紐41,42に皺が生じた場合には、この皺によって第1および第2紐保持部51,52に第1および第2紐41,42が引っかかり、第1および第2紐41,42の抜けを防止することができる。第1および第2紐保持部51,52を縦中心線P−Pに対して離間対向するようにしているので、これら横方向Xの外側から内側へと第1および第2紐41,42を通した場合には、第1および第2紐41,42の結び目は、第1および第2紐保持部51,52の間、すなわち、縦中心線P−Pの近傍に位置することになる。このように縦中心線P−Pの近傍に結び目が来るようにすることによって、第1および第2紐41,42を均等に引っ張ることができ、いずれか一方の紐が強く引っ張られるのを防止することができる。いずれか一方のみが強く引っ張られたときには、弾性部材の伸長応力が大きくなり、一方の締め付け力が強くなってしまい、肌に対する刺激や違和感が大きくなる。
第1および第2紐41,42の自由端縁45には、紐弾性部材46,47の弾性力を作用させないようにしているので、自由端縁45に紐弾性部材46,47によって皺が発生することがない。自由端縁45に皺が発生しないので、この自由端縁45を指でつまみやすく、しかも、第1および第2紐保持部51,52に通しやすい。また、この自由端縁45に硬化部を形成することによって、より一層つまみやすく、しかも第1および第2紐保持部51,52を通しやすくすることができる。第1および第2紐41,42の自由端縁45をつまみやすくすることによって、お年寄りや子供などの細かい作業が苦手な着用者であっても、自分で容易におむつ1を着用することができる。
硬化部の形成としては、自由端縁45に接着剤を塗布して硬化させたり、熱溶融によって硬化させたり、他のシート等を貼り付けることによって硬化させたりすることが考えられる。
第1および第2紐41,42は、シャーシ20を形成する外面シート22を切断線43で切断するだけで形成することができるので、他の紐を別途シャーシ20に取り付けるのに比べて製造が容易である。しかも、シャーシ20の縦方向Yをシャーシ20の製造工程における機械方向としておむつ1を製造した場合には、機械方向と同方向で切断線43が形成され、かつ、機械方向と各弾性部材の伸長方向とが一致する。すなわち、これらすべての作業が同方向で行うことができるので、おむつ1の製造が容易かつ安価で行うことができる。
また、外面シート22を形成する繊維不織布は、その構成繊維の配向割合が横方向Xよりも縦方向Yにおいて高いものが好ましい。外面シート22として前記繊維不織布に替えて、プラスチックフィルムまたはこれと前記繊維不織布とのラミネートシートを用いることもできるが、この場合、プラスチックフィルムは、その分子の配向割合が横方向Xよりも縦方向Yにおいて高いものが好ましい。前記繊維および分子の配向が、切断線43に沿って外面シート22を切断する方向と一致することで、その切断操作が容易となるからである。
第1および第2紐41,42は、外面シート22を切断線43で切断して形成することとしているが、切断線43で完全に切断するものだけでなく、切断線43に沿ってミシン目を入れるようにしてもよい。ミシン目を入れて、完全に第1および第2紐41,42がシャーシ20から切り離されないようにすることによって、おむつ1の製造時に第1および第2紐41,42が製造装置に絡まったりするのを防止することができる。このように切断線43にミシン目を形成した場合には、おむつ1の着用時にミシン目を裂いて使用する。
<第2の実施形態>
図4は、この発明の第2の実施形態を示し、前ウエスト域5の着衣側を示したものである。この実施形態では、第1および第2紐保持部をそれぞれ複数形成する点に特徴を有する。他の構成要素は、第1の実施形態と同様であるので、同様の構成要素についての詳細な説明を省略する。図示したように、第1紐保持部51は、横方向Xの内側に位置する第1内側部55と外側に位置する第1外側部56とを含み、第2紐保持部52は、横方向Xの内側に位置する第2内側部57と外側に位置する第2外側部58とを含む。第1および第2内側部55,57は、第1および第2外側部56,58よりもシャーシ前端縁25側に位置させ、これら第1および第2内側部55,57と、第1および第2外側部56,58とが縦方向Yにずれるようにしている。第1内外側部55,56および第2内外側部57,58のいずれも、外面シート22に形成したスリットによって構成され、縦中心線P−Pに対称に形成されている。
第1および第2紐保持部51,52を、内側と外側とに二箇所形成することによって、横方向Xの広い範囲で第1および第2紐41,42によって保持されるので、シャーシ20がクロッチ域7側にずり下がるのを効果的に抑制することができる。
また、着用者の体型に合わせて第1および第2内側部55,57のみを使用したり、第1および第2外側部56,58のみを使用したりすることもできる。
この実施形態において、第1内外側部55,56および第2内外側部57,58を縦方向Yにずらして形成することとしているが、横方向Xの同一線上に並んで形成するようにしてもよい。また、第1および第2紐保持部51,52は、例えばそれぞれ3箇所あるいは4箇所形成してもよい。
上記第1および第2の実施形態では、第1および第2紐保持部51,52を外面シート22に形成したスリットによって構成することとしているが、これに限ったものではなく、外面シート22とは別のシートや紐等によってループを形成し、第1および第2紐41,42を保持可能とすることもできる。要するに、紐保持部としては、第1および第2紐41,42を横方向Xに通過させる通路が形成されるものであれば、これらに限定されるものではない。ただし、第1および第2紐保持部51,52のようにスリットを形成することによって、別途他の部材を必要とすることがないので、その分コストの低減を図ることができる。
紐保持部として、シャーシ20の前ウエスト域5を着衣側に折返し、折り返し部分において外面シート22を互いに一部接合することによって形成するようにしてもよい。このように紐保持部を形成した場合であっても、外面シート22の接合部と折返し線によって、第1および第2紐の縦方向Yの移動が規制されるから、おむつが縦方向Yのクロッチ域に向かって下がってしまうのを抑制することができる。
第1および第2紐保持部51,52としてスリットを形成した場合には、その縦方向Yの上下端にスリットと交差する溶融線を形成することもできる。このように溶融線を形成することによって、スリットが裂けて規定寸法よりも大きくなるのを抑制することができる。
第1および第2紐41,42を弾性化するために、ゴム紐等の弾性部材を用いているが、伸縮性のシート等、他の一般的な手法を用いることができる。同様に、シャーシ20の両側縁を弾性化するために伸縮性のシート等、他の一般的な手法を用いることができる。
第1ウエスト域に後ウエスト域6が対応し、第2ウエスト域に前ウエスト域5が対応するようにしているが、これが反対になってもよい。
おむつの着用状態の斜視図。 おむつの展開図。 図2のIII−III線断面図。 他の実施形態の一部拡大図。
符号の説明
1 おむつ(着用物品)
5 前ウエスト域(第2ウエスト域)
6 後ウエスト域(第1ウエスト域)
7 クロッチ域
20 シャーシ
23 シャーシ側縁
24 シャーシ側縁
25 シャーシ前端縁(第2端縁)
26 シャーシ後端縁(第1端縁)
27 レッグ弾性部材
28 レッグ弾性部材
30 吸液構造体
40 ウエスト紐
41 第1紐
42 第2紐
43 切断線
44 基端縁
45 自由端縁
46 紐弾性部材
47 紐弾性部材
51 第1紐保持部
52 第2紐保持部

Claims (12)

  1. 縦方向および横方向と、身体側および着衣側と、前ウエスト域および後ウエスト域の一方である第1ウエスト域、ならびに前記前ウエスト域および後ウエスト域の他方である第2ウエスト域と、前記第1および第2ウエスト域間に位置するクロッチ域とを含むシャーシと、少なくとも前記クロッチ域に形成された吸液構造体と、前記第1ウエスト域に形成され前記第2ウエスト域を身体側に締め付け可能なウエスト紐とを含む着用物品において、
    前記第2ウエスト域の前記着衣側には、前記ウエスト紐が前記縦方向に移動するのを規制するループからなる紐保持部が形成され、前記紐保持部によって、前記ウエスト紐が前記横方向に通過可能な通路が形成され
    前記シャーシは、前記縦方向に延びる両側縁と、前記横方向に延びるとともに前記第1ウエスト域に位置する第1端縁および前記第2ウエスト域に位置する第2端縁とを含み、
    前記ウエスト紐は、前記両側縁の各々に位置する第1紐と、第2紐とを含み、
    前記紐保持部材は、前記第1紐を保持可能な第1紐保持部と、前記第2紐を保持可能な第2紐保持部とを含み、前記第1紐保持部と前記第2紐保持部とは、それぞれ前記横方向に複数形成されるとともに、前記横方向の長さ寸法を二等分する縦中心線を介して前記横方向に対向して形成されることを特徴とする前記着用物品。
  2. 複数の前記第1および第2紐保持部は、前記縦方向にずらした位置に形成されるとともに、少なくとも一部が前記横方向において重なる位置に形成される請求項1記載の着用物品。
  3. 前記第1および第2紐保持部は、前記シャーシに形成し前記縦方向に延びる一対のスリットによってそれぞれ形成される請求項1または2に記載の着用物品。
  4. 縦方向および横方向と、身体側および着衣側と、前ウエスト域および後ウエスト域の一方である第1ウエスト域、ならびに前記前ウエスト域および後ウエスト域の他方である第2ウエスト域と、前記第1および第2ウエスト域間に位置するクロッチ域とを含むシャーシと、少なくとも前記クロッチ域に形成された吸液構造体と、前記第1ウエスト域に形成され前記第2ウエスト域を身体側に締め付け可能なウエスト紐とを含む着用物品において、
    前記第2ウエスト域の前記着衣側には、前記ウエスト紐が前記縦方向に移動するのを規制するループからなる紐保持部が形成され、前記紐保持部によって、前記ウエスト紐が前記横方向に通過可能な通路が形成され、
    前記紐保持部は、前記シャーシの前記第2ウエスト域を前記着衣側に折り返して、この折り返し部分において前記シャーシの一部を互いに接合することによって形成されることを特徴とする前記着用物品。
  5. 前記シャーシは、前記縦方向に延びる両側縁と、前記横方向に延びるとともに前記第1ウエスト域に位置する第1端縁および前記第2ウエスト域に位置する第2端縁とを含み、
    前記ウエスト紐は、前記両側縁の各々に位置する第1紐と、第2紐とを含み、
    前記紐保持部材は、前記第1紐を保持可能な第1紐保持部と、前記第2紐を保持可能な第2紐保持部とを含み、前記第1紐保持部と前記第2紐保持部とは、それぞれ前記横方向に複数形成されるとともに、前記横方向の長さ寸法を二等分する縦中心線を介して前記横方向に対向して形成される請求項4記載の着用物品。
  6. 前記紐保持部は、前記吸液構造体に重なる位置関係を有する請求項1〜5のいずれかに記載の着用物品。
  7. 前記吸液構造体は、前記縦方向に延びる一対の吸液側縁と、前記横方向に延びるとともに前記第1ウエスト域に位置する吸液後端縁および前記第2ウエスト域に位置する吸液前端縁とを含み、前記縦方向の長さ寸法を二等分する横中心線から前記吸液後端縁までの長さ寸法が、前記横中心線から前記吸液前端縁までの長さ寸法よりも短く形成される請求項1〜6のいずれかに記載の着用物品。
  8. 前記ウエスト紐は、その長さ方向に伸縮可能に弾性化される請求項1〜7のいずれかに記載の着用物品。
  9. 前記第1紐および第2紐は、前記両側縁に沿って前記縦方向に延びる切断線によって前記シャーシを切断して形成され、前記切断線は、前記第1端縁とは離間して前記第1ウエスト域と接合する基端縁を形成し、前記第2端縁とは接触して前記第2ウエスト域と離間可能な自由端縁を形成する請求項1または5に記載の着用物品。
  10. 前記第1紐および第2紐は、前記基端縁および前記自由端縁において非弾性化される請求項9に記載の着用物品。
  11. 前記第1紐および第2紐は、前記自由端縁に少なくともその一部が硬化された硬化部が形成される請求項9または10に記載の着用物品。
  12. 前記シャーシは、前記両側縁において前記縦方向に伸縮可能に弾性化される請求項1〜11のいずれかに記載の着用物品。
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