JP5183905B2 - 担体、担体の製造方法、およびその利用 - Google Patents
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Description
本発明にかかる担体は、固形質と、該固形質を被覆するケイ素酸化物層とを含む担体である。また、上記担体は、カチオン性官能基を有し、表面電位が負電荷である。本発明にかかる担体は、このような構成を有していればよく、その他の具体的な構成は特に限定されるものではない。
上述したように、本発明にかかる担体には、あらゆる物質を吸着させることができる。特に、負の電荷を有する物質を好適に吸着させることができる。つまり、本発明にかかる担体は、物質を分離、単離、精製、または回収するための担体として用いることができる。したがって、本発明には、本発明にかかる担体を用いて物質を分離、単離、精製、または回収する方法(以下、これらを総称して「物質の分離方法」ともいう)も含まれる。
上記試料調製工程では、核酸を含有する試料(以下、「核酸含有試料」ともいう)を調製する。本明細書において、「核酸」とは、任意の可能な構造、即ち二本鎖(ds)核酸、一本鎖(ss)核酸、またはその組み合わせ(部分的dsまたはss)としてのデオキシリボ核酸(DNA)およびリボ核酸(RNA)を包含する意味である。上記DNAには、ゲノムDNA、プラスミドDNA、コスミドDNA、cDNA、合成DNA、およびPCR法等による増幅反応産物などが包含される。また、上記RNAには、mRNA、tRNA、rRNA、全RNA、およびhnRNAなどが包含される。
上記吸着工程では、まず、本発明にかかる担体と、核酸含有試料とを混合する。上記核酸含有試料は、上記試料調製工程において調製した試料であってもよいし、別途調製した試料や、購入した試料等であってもよい。
上記洗浄工程では、上記吸着工程後の担体を洗浄する。これにより、上記吸着工程で上記担体に非特異的に吸着した目的物質、すなわち分離対象である核酸以外の物質を除去することができる。したがって、核酸をより高純度に分離することができる。
上記溶離工程では、上記吸着工程または洗浄工程後、上記核酸が吸着した上記担体を、溶離液に接触させることにより、該溶離液中に上記核酸を溶離させる。上記溶離液は、上記担体に吸着した核酸を溶離させることが可能なものであればよく、特に限定されるものではない。例えば、水、またはTEバッファー(10mMトリス塩酸緩衝液、1mM EDTA、pH8.0)を好適に用いることができる。このような溶離液を用いれば、回収した核酸を、透析やエタノール沈殿法などの脱塩処理、または濃縮処理を行うことなく、制限酵素やDNAポリメラーゼ等を使用した酵素反応に直接使用することができる。
本発明にかかる生体物質分離用キットは、本発明にかかる担体を含有するものであればよく、その他の構成は特に限定されるものでない。具体的には、該キットの用途、例えば、分離する生体物質の種類や、分離後の生体物質の処理などに応じて、それらに適した物質や装置、器具等を含有させることができる。
粒子径については、(1)電子顕微鏡による方法、および(2)動的光散乱(DLS)による方法を用いて測定した。なお、後に示す表1では、上記(1)の方法により測定した粒子径を「粒径(SEM)」欄に記載し、上記(2)の方法により測定した粒子径を「粒径(DLS)」欄に記載した。
以下の実施例1、および比較例1〜3で得られた粒子を走査型電子顕微鏡(SEM)および透過型電子顕微鏡(TEM)にて観測し、空気中における平均粒子サイズを、ケイ素酸化物層と遷移元素層との分布をコントラストの違いにより測定した。
以下の実施例1、および比較例1〜3で得られた粒子15mgを3mlの水に懸濁し、動的光散乱(DLS)によりメジアン径を測定した。
110℃で、30分間の乾燥処理後、窒素BET法により、比表面積を測定した。
以下の実施例1、および比較例1〜3で得られた粒子を水に懸濁し、ゼータ電位を測定した。
培養したOD600=5の大腸菌(DH5α/pET−28(a)/α−syn)1mlを遠心分離にて集菌し、20μg/ml RNase Aを含むTEバッファー(50mM Tris−HCl、5mM EDTA、pH8.0)に懸濁した。その後、0.2M NaOH、1% SDSを加え、撹拌した。さらに、3M酢酸カリウム(pH5.5)を加えた後、遠心分離を行い、上清を回収した。
マグネタイト(三井金属鉱業製マグネタイトF)12.5gをエタノール240mlに分散させた。そこに、28%アンモニア水18mlと水12mlとを加え、撹拌した。さらに、テトラエトキシシラン11.3gおよび3−アミノプロピルトリエトキシシラン1gを添加し、撹拌した。その後、遠心分離を行い、上清を除去し、得られた沈殿物をメタノールと水とで洗浄した。そして、洗浄後の沈殿物を減圧乾燥することにより、粒子を得た。
3−アミノプロピルトリエトキシシランを添加しなかったことを除いて、実施例1に記載した方法で粒子を製造した。
3−アミノプロピルトリエトキシシランの添加量を、2.9gとしたことを除いて、実施例1に記載した方法で粒子を製造した。
3−アミノプロピルトリエトキシシランの添加量を、5.8gとしたことを除いて、実施例1に記載した方法で粒子を製造した。
Claims (16)
- 固形質と、該固形質を被覆するケイ素酸化物層とを含む担体であって、
上記ケイ素酸化物層がカチオン性官能基を有し、表面電位が負電荷であることを特徴とし、
上記固形質は、鉄、フェライト、または酸化鉄を主成分とする磁性体である、担体。 - 物質を分離、単離、精製、または回収するための担体である、請求項1に記載の担体。
- 上記物質は、負電荷を有する物質である、請求項2に記載の担体。
- 上記物質は、生体物質である、請求項2に記載の担体。
- 上記ケイ素酸化物層は、上記固形質の10重量%以上であることを特徴とする請求項1に記載の担体。
- 形状が球状の粒子であることを特徴とする請求項1に記載の担体。
- 上記粒子の比表面積が、1〜100m2/gであることを特徴とする請求項6に記載の担体。
- 上記粒子の粒子径が、0.01〜2μmであることを特徴とする請求項6に記載の担体。
- 水系溶媒に対して親和性を有することを特徴とする請求項6に記載の担体。
- 上記粒子を上記水系溶媒に懸濁したときの凝集粒子径が、0.01μm〜2μmであることを特徴とする請求項9に記載の担体。
- 上記固形質上へのケイ素酸化物層の形成時に同時に、上記カチオン性官能基を該ケイ素酸化物層に導入して得られることを特徴とする請求項1に記載の担体。
- 上記固形質に対して、ケイ素含有化合物とカチオン性剤との混合物を、触媒存在下で反応させることにより得られることを特徴とする請求項1に記載の担体。
- 上記ケイ素含有化合物は、ケイ素エトキシド類であることを特徴とする請求項12に記載の担体。
- 上記カチオン性剤は、カチオン性シラン剤であることを特徴とする請求項12に記載の担体。
- 上記生体物質は核酸である、請求項4に記載の担体。
- 鉄、フェライト、または酸化鉄を主成分とする磁性体である固形質と、該固形質を被覆するケイ素酸化物層とを含む、請求項1〜15のいずれか1項に記載の担体の製造方法であって、
上記固形質上へのケイ素酸化物層の形成時に同時に、上記カチオン性官能基を該ケイ素酸化物層に導入することを特徴とする担体の製造方法。
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