(実施の形態1)
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる遊技機の好適な実施の形態1を詳細に説明する。
(遊技機の基本構成)
図1は、本発明の遊技機の一例を示す正面図である。本発明の遊技機は、遊技盤101を備えている。遊技盤101の盤面には、ガラス枠ランプ(図2における符号262を参照)が設けられている。遊技機は、ランプ制御部(図2における符号230を参照)によってガラス枠ランプを駆動制御して、ガラス枠ランプを点灯あるいは点滅させる。これによって、遊技の演出効果を高めることができる。
遊技盤101の下部位置には、発射部(図示を省略する)が配置されている。発射部は、遊技領域103内に遊技球を発射する。発射部によって発射された遊技球は、レール102a,102b間を上昇して遊技盤101の上部位置に達した後、遊技領域103内を落下する。
遊技領域103には、複数の釘(図示を省略する)が設けられている。また、遊技領域103には、風車(図示を省略する)などが配設されている。複数の釘や風車などは、遊技領域103内を落下する遊技球の落下方向を変化させる。遊技領域103の中央部分には、図柄表示部104が配置されている。
図柄表示部104は、たとえば液晶表示器(LCD)によって実現することができる。図柄表示部104の下方には、始動入賞口105が配設されている。遊技機は、始動入賞口105に遊技球が入賞した場合に、大当たり判定用の数値としての大当たり判定用乱数を取得する。この実施の形態1においては、0〜306までの整数の中から選択される任意の1つの数値を大当たり判定用乱数として取得する。大当たり判定用乱数については詳細を後述する(図6を参照)。
図柄表示部104の側方には、入賞ゲート106が配設されている。遊技機は、遊技球が入賞ゲート106を通過したことを検出した場合に、始動入賞口105を一定時間だけ開放させる。また、遊技機は、遊技球が始動入賞口105に入賞(始動入賞)すると、図柄表示部104において複数の図柄を変動表示し、所定時間後に変動表示を停止して任意の図柄を表示する。
このとき、遊技機は、取得した大当たり判定用乱数と、あらかじめ定められた数値(大当たり値)と、が一致するか否かに応じて、表示する図柄の内容を変化させる。この実施の形態1における大当たり値は、0〜306までの整数を含む数値群の中の任意の1つの数値である。大当たり値は、たとえば遊技機ごとに遊技機の製造時などにあらかじめ定められ、所定の記憶領域(図2における符号212を参照)に記憶されている。
遊技機は、取得した大当たり判定用乱数と大当たり値とが一致する場合を大当たり状態とし、大当たり演出用の画像を図柄表示部104に表示する。遊技機は、たとえば大当たり状態において変動表示を停止したときに特定図柄(たとえば「777」)が揃うような画像を表示する。
図柄表示部104の側方や下方には、複数の普通入賞口107が配設されている。遊技機は、複数の普通入賞口107の中のいずれか1つの普通入賞口107に遊技球が入賞すると、普通入賞時の賞球数(たとえば10個)の遊技球を払い出す。遊技領域103の下方には、大入賞口109が設けられている。遊技機は、大当たり状態になると、大入賞口109を一定の期間開放する。そして、遊技機は、大入賞口109の開放を所定ラウンド(たとえば15ラウンド)繰り返し、入賞した遊技球に対応した数の賞球を払い出す。
大入賞口109は、大当たり状態以外の状態では、大入賞扉109aによって閉塞されている。大入賞口109および大入賞扉109aは、大入賞口109の開閉を検出する大入賞口開閉スイッチや、大入賞口109に入賞した遊技球を検出する左カウントスイッチや右カウントスイッチ(いずれも図示を省略する)などとともにアタッカーを構成する。遊技領域103の最下部には、回収口108が設けられている。回収口108は、上述したいずれの入賞口にも入賞しなかった遊技球を回収する。
遊技盤101の遊技領域103の外周部分には、枠部材110が設けられている。枠部材110は、遊技盤101の上下左右の4辺において遊技領域103の周囲を囲む形状を有している。また、枠部材110は、遊技盤101の盤面から遊技者側に突出する形状を有している。これにより、この実施の形態1の遊技機を、枠部材110を備えていない他機種の遊技機よりも目立たせることができる。遊技機を目立たせることにより、遊技機の稼働率の向上を図るとともに、遊技機に対する不正行為に対する抑止力の強化を図ることができる。
枠部材110において、遊技領域103の上側および下側となる2辺には、演出ライト部111が設けられている。演出ライト部111は、それぞれ、複数のライト112を備えている。各ライト112は、装飾LED(図2における符号261を参照)を含み、光の照射方向を上下方向に変更することができる。また、演出ライト部111は、光の照射方向を回転させることができる。遊技機は、各ライト112が照射する光の照射方向を変更するモータ(図示を省略する)などを備えている。
遊技機は、たとえば大当たり状態となった場合に、演出ライト部111による光の照射方向を変更する。これにより、遊技機が大当たり状態となっていることを周囲に知らしめることができ、大当たり状態となった遊技者の注目度を高めることができる。これによって、遊技者に対して、注目されていることによる高揚感を与え、この実施の形態1の遊技機を継続あるいは繰り返して利用させ、遊技機の稼働率の向上を図ることができる。
また、光の照射方向は、たとえば通常の遊技時とは異なる異常事態が発生した場合に変更するようにしてもよい。ここでいう異常事態は、たとえば遊技機に対する何らかの不正行為がおこなわれた場合などである。これにより、不正行為を迅速に発見するとともに、遊技機に対する次回以降の不正行為に対する抑止力の強化を図ることができる。
枠部材110の下部位置には、操作ハンドル113が配置されている。操作ハンドル113は、上記の発射部の駆動によって遊技球を発射させる際に、遊技者によって操作される。操作ハンドル113は、上記の枠部材110と同様に、遊技盤101の盤面から遊技者側に突出する形状を有している。
操作ハンドル113は、上記の発射部を駆動させて遊技球を発射させる発射指示部材114を備えている。発射指示部材114は、操作ハンドル113の外周部において、遊技者から見て右回りに回転可能に設けられている。発射部は、発射指示部材114が遊技者によって直接操作されている場合に、遊技球を発射させる。操作ハンドル113は、遊技者が発射指示部材114を直接操作していることを検出するセンサなどを備えている。
遊技盤101には、図柄表示部104の表示領域以外の位置に、演出用の役物(以下、「演出役物」という)が設けられていてもよい。演出役物は、たとえば上述した装飾LEDなどを備えている。この場合、遊技機は、演出役物が備えるLEDの発光タイミングを制御することによって演出効果を高めることができる。
また、演出役物は、たとえばモータやソレノイド(いずれも図示を省略する)などの駆動力を受けて動作する可動式の演出役物であってもよい。可動式の演出役物は、図柄表示部104における画像の表示動作に連動して動作してもよい。遊技機は、このように演出役物の動作と図柄表示部104における画像の表示動作とを連動することによって演出効果を高めることができる。
枠部材110において、遊技領域103の下側となる辺には、遊技者による操作を受け付けるチャンスボタン117が設けられている。この実施の形態1において、チャンスボタン117は、凸状ボタン形状を有している。チャンスボタン117は、凸状ボタンの他、タッチパネル方式を採用した入力パッドなどであってもよい。チャンスボタン117の操作は、たとえば遊技中における特定のリーチ演出に際し、チャンスボタン117の操作を促すガイダンスが表示されている間有効となる。
枠部材110において、チャンスボタン117の隣には、十字キー118が設けられている。十字キー118は、図柄表示部104に表示される文字や図形などを指し示す位置を変更するカーソルキーと、カーソルキーの操作によって選択された文字や図形などを確定する「ENTER」キー(図示を省略する)と、を備えている。
また、枠部材110には、音声を出力する下部バスSP(図2における符号271を参照)や上部ステレオスピーカ(図2における符号272を参照)が組み込まれている。遊技機は、上部ステレオスピーカや下部バスSPから、たとえば図柄表示部104の表示内容に応じた音声を出力する。これによって演出効果を高めることができる。
(遊技機の制御部の内部構成)
図2は、遊技機の制御部の内部構成を示すブロック図である。遊技機の制御部は、複数の制御部により構成されている。図2において、制御部は、主制御部210と、図柄制御部220と、ランプ制御部230と、音声制御部240と、を有する。主制御部210、図柄制御部220、ランプ制御部230および音声制御部240は、それぞれ別々の基板に設けられている。
主制御部210は、遊技機の遊技にかかる基本動作を制御する。主制御部210は、たとえばメイン基板(本発明の主制御基板に相当)によってその機能を実現することができる。主制御部210は、CPU211と、ROM212と、RAM213と、I/O214〜216と、ラムクリアスイッチ217(入力ボタンに相当)と、を備えて構成される。CPU211は、ROM212に記憶されたプログラムに基づき、遊技内容の進行に伴う基本処理を実行する。
RAM213は、CPU211の演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能する。CPU211は、1ループが0〜306までの数値で+1ずつカウントアップする。また、CPU211は、このカウントアップを、主制御部210への電源供給時から開始する。さらに、CPU211は、1ループ分のカウント後は、つぎの1ループ分のカウントをおこなう、というようにループ状のカウントをおこなう。そして、CPU211は、始動入賞した時点のカウント値を大当たり判定用乱数として取得する。RAM213は、たとえばこのような大当たり判定用乱数の取得に際してのカウンタとして機能する。
この実施の形態1においては、0〜306までの整数を含む数値群の中の任意の1つの数値を、大当たり判定用乱数として取得する。このため、CPU211は、カウンタにおいて0〜306までの数値を+1ずつカウントし、0〜306までの整数を含む数値群の中の数値を大当たり判定用乱数として取得する。
大当たり判定用乱数は、始動入賞したタイミングによって異なる。始動入賞の判断については後述する。この実施の形態1においては、上述したように0〜306までの整数を含む数値群の中の任意の1つの数値が大当たり値であるため、このようなカウント設定がなされた遊技機において大当たりが発生する確率は1/307である。
CPU211は、大当たり判定用乱数を取得するごとに、取得した大当たり判定用乱数とROM212に記憶されている大当たり値とを比較して、大当たり判定をおこなう。CPU211は、具体的には、たとえば大当たり判定用乱数と大当たり値とが一致するか否かを判定し、一致する場合を大当たりと判定する。
また、RAM213は、初期値乱数および初期値データを記憶するRWM領域を備えている。初期値乱数は、大当たり判定用の数値のカウンタとは別に、+1ずつカウントされる0〜306までの数値の中から選択される任意の数値である。初期値乱数は、大当たり判定用の数値のカウンタが1ループした後に、つぎの1ループ分のカウントを開始するための開始位置を指定する数値である。
CPU211は、具体的には、たとえば0〜306までのカウントが終了した場合の初期値乱数が77であれば、つぎの1ループは77〜306→0〜76の順序でカウントする。また、CPU211は、76までのカウントが終了した場合の初期値乱数が115であれば、つぎの1ループは115〜306→0〜114の順序でカウントする。
CPU211は、初期値乱数のカウント値を、大当たり判定用の数値のカウント値とは異なる時期に+1する。CPU211は、具体的には、たとえば初期値乱数のカウント値を更新するタイミングと大当たり判定用の数値のカウント値を更新するタイミングとを異ならせることで+1する時期を異ならせる。また、CPU211は、具体的には、たとえば初期値乱数の更新間隔と大当たり判定用乱数の取得にかかるカウント値の更新間隔とを同じ間隔(たとえば4msec)でおこなう。
初期値データは、大当たり判定用乱数を取得するためにカウント中のループの初期値乱数である。このため、初期値データは、0〜306までの数値の中から選択される任意の数値である。初期値データは、1ループ分のカウントを開始した時点で決定される(図6を参照)。すなわち、初期値データは、現在カウント中の1ループのカウントを開始した数値である。そして、初期値乱数は、つぎにカウントする1ループ分のカウントを開始する数値である。
I/O214は、始動スイッチ(始動SW)251が出力した信号と、ゲートスイッチ(ゲートSW)252が出力した信号と、をCPU211に入力する。始動SW251およびゲートSW252は、たとえば近接センサなどによって実現することが可能である。この場合、始動SW251およびゲートSW252は、遊技球が各スイッチ251、252に接近したタイミングでオン状態を示す信号を出力する。
CPU211は、一定時間(たとえば4msec)ごとに始動SW251およびゲートSW252の出力を監視している。遊技機は、たとえば遊技球が始動入賞口105を通過した場合、始動SW251からの出力は2回以上連続してオン状態となる。CPU211は、始動SW251からの出力が2回以上連続してオン状態となった場合を、遊技球が始動入賞口105を通過したものとして判断する(図11を参照)。
また、I/O214は、大入賞口スイッチ(大入賞口SW)253からの出力信号をCPU211に入力する。大入賞口SW253は、たとえば近接センサなどによって実現することが可能である。CPU211は、大入賞口SW253からの出力信号に基づいて、遊技球が大入賞口109に入賞したことを検出する。また、CPU211は、遊技球が大入賞口109に入賞したことを受信すると、賞球制御部(図示を省略する)に対して、賞球制御信号を出力する。
賞球制御部は、賞球制御の処理を実行するCPUと、CPUの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能するRAMと、主制御部210や払出部(図示を省略する)に対するデータの出力をおこなうI/Oなどを備えて構成される。賞球制御部は、主制御部210からの賞球制御信号を受信すると、賞球制御部に接続される払出部に対して、各入賞口(始動入賞口105、普通入賞口107、大入賞口109)に入賞した遊技球に対応した賞球数を払い出す制御をおこなう。払出部は、遊技球の貯留部(図示を省略する)から所定数を払い出すためのモータ等からなる。
CPU211は、大当たりが発生した場合に、I/O214を介して、大入賞口ソレノイド254に対して大入賞口ソレノイド254の開閉信号を出力する。また、CPU211は、大当たりが発生した場合に、大入賞口109を一定期間開放するように大入賞口ソレノイド254の開閉を制御する。さらに、CPU211は、大当たりが発生した場合に、大入賞口109の開放を所定ラウンド(たとえば15ラウンド)繰り返すように大入賞口ソレノイド254の開閉を制御する。
また、I/O214は、普通入賞口スイッチ(普通入賞口SW)255、256からの出力信号を、CPU211に入力する。普通入賞口SW255、256は、たとえば近接センサなどによって実現することが可能である。CPU211は、普通入賞口SW255、256からの出力信号に基づいて、遊技球が普通入賞口107に入賞したことを検出する。また、CPU211は、遊技球が普通入賞口107に入賞したことを受信すると、上述した賞球制御部に対して賞球制御信号を出力する。
I/O215は、ラムクリアスイッチ217からの出力信号を、CPU211に入力する。ラムクリアスイッチ217は、押圧操作されている状態でオン状態を示す信号を出力する。そして、ラムクリアスイッチ217は、押圧操作が解除された場合に、オフ状態を示す信号を出力(あるいは、信号の出力を停止)する。
ラムクリアスイッチ217は、メイン基板に設けられており、加えられた外力に応じて凹凸する構造を有している。ラムクリアスイッチ217は、ラムクリアスイッチ217が直接操作されて凹状態となっている場合に、主制御部210にオン状態を示す信号を出力する。また、ラムクリアスイッチ217は、ラムクリアスイッチ217への操作が解除されて凸状態となった(凸状態に復帰した)場合に、オフ状態を示す信号を出力(あるいは、信号の出力を停止)する。
メイン基板は、詳細については後述するが、透明な基板ケース(ケース部材に相当)に収納されている。この基板ケースには、ラムクリアスイッチ217をカバーするカバー部材を設けてもよい。カバー部材は、ラムクリアスイッチ217の操作を制限するために設けられる。カバー部材は、たとえばラムクリアスイッチ217の操作の前にはかならず開放するような操作がなされない限り、ラムクリアスイッチ217の操作ができないようにラムクリアスイッチ217をカバーする形状および構造を有している。なお、ここでは、カバー部材の形状および構造については説明を省略する。
CPU211は、たとえば電源スイッチ(図示を省略する)が操作されるなどして電源の供給があった場合、ラムクリアスイッチ217からオン状態を示す信号が出力されていると、遊技の遊技情報を初期化(ラムクリア)する。CPU211は、ラムクリアに際して、たとえばRWM領域に記憶された初期値乱数や初期値データなどを0(ゼロ)にする。
CPU211は、始動SW251、ゲートSW252、大入賞口SW253、普通入賞口SW255、256から受信した各種の出力信号に応じた制御信号を生成し、生成した制御信号をI/O216を介して図柄制御部220に出力する。また、CPU211は、電源の供給状態とラムクリアスイッチ217からの出力信号に応じた制御信号を生成し、生成した制御信号をI/O216を介して図柄制御部220に出力する。
図柄制御部220は、主制御部210が出力した制御信号に基づいて、遊技機の演出制御をおこなう。この実施の形態1では、図柄制御部220が、演出制御基板として機能する。図柄制御部220は、CPU221と、ROM222と、RAM223と、I/O224〜226と、を備えて構成される。
CPU221は、I/O224を介して主制御部210からの制御信号およびROM212に記憶されたプログラムに基づいて、遊技内容を演出する演出処理を実行する。ROM222は、演出処理の実行にかかる各種プログラムや、図柄表示部104に表示する各種画像データを記憶する。各種画像データは、背景画像、図柄画像、キャラクタ画像などである。RAM223は、CPU221の演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能する。
CPU221は、たとえばROM222に記憶されたプログラムを読み込んで、背景画像表示処理、図柄画像表示/変動処理、キャラクタ画像表示処理など各種画像処理を実行する。また、CPU221は、各種画像処理の実行に際し、適宜必要な画像データをROM222から読み出し、読み出した画像データを、I/O225を介して図柄表示部104に出力する。ここで、CPU221は、具体的には、たとえば入賞するまでの間遊技内容を演出する図柄や、リーチ(3つの図柄のうち2つが揃った状態)図柄、大当たり時の遊技内容を演出する図柄などをあらわす画像データを出力する。
図柄表示部104は、図柄制御部220から受信した画像データをVRAMなどに書き込む。図柄表示部104は、図柄画像やキャラクタ画像は背景画像よりも手前に見えるように表示する。具体的には、たとえば図柄表示部104が表示する背景画像と図柄画像の表示位置が表示画面内の同一位置に重なる場合、Zバッファ法など周知の陰面消去法により各画像データのZバッファのZ値を参照することで、図示を省略するVRAMなどに図柄画像を優先して記憶させる。
I/O225は、上述したチャンスボタン117からのチャンスボタン操作信号を、CPU221に入力する。また、I/O225は、チャンスボタン117以外の別のボタンからの操作信号を、CPU221に入力してもよい。別のボタンとしては、たとえば、上述した十字キー118によって選択された文字や図形などを特定するとともに、特定された文字や図形を確定する「ENTER」ボタンなどを設けてもよい。
CPU221は、I/O226を介して、演出処理をおこなうための各種の信号のうち、装飾LED261、ガラス枠ランプ262およびサイドランプ263などの遊技機が備える各種の光源の発光動作の制御に関する制御信号をランプ制御部230に出力する。また、CPU221は、演出処理をおこなうための各種の信号のうち、下部バスSP271や上部ステレオスピーカ272からの音声出力制御に関する制御信号を音声制御部240に出力する。
ランプ制御部230は、図柄制御部220がおこなう演出処理のうち、装飾LED261、ガラス枠ランプ262、サイドランプ263などの発光体の発光制御をおこなう。ランプ制御部230は、CPU231と、ROM232と、RAM233と、I/O234、235と、を備えて構成される。
CPU231は、I/O234によって入力された図柄制御部220からの制御信号に基づいて、ROMに記憶されたプログラムを読み込む。そして、CPU231は、読み込んだプログラムを実行することにより、装飾LED261、ガラス枠ランプ262、サイドランプ263などの発光体の発光/消灯を制御する。RAM233は、CPU231の演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能し、CPU231による発光体の発光/消灯に際して適宜必要なデータが書き込まれる。
音声制御部240は、図柄制御部220がおこなう演出処理のうち、音声出力に関する音声出力処理をおこなう。音声制御部240は、CPU241と、ROM242と、RAM243と、I/O244、245と、を備えて構成される。CPU241は、I/O244によって入力した図柄制御部220からの制御信号に基づいて、ROM242に記憶されたプログラムを読み込んで音声出力処理をおこない、下部バスSP271や上部ステレオスピーカ272から音声を出力する。RAM243は、CPU241の演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能し、CPU241による音声出力処理に際して適宜必要なデータが書き込まれる。
図2に示したように、この実施の形態1においては、上記構成の主制御部210と、図柄制御部220、ランプ制御部230および音声制御部240は、それぞれ異なるプリント基板(メイン基板、サブ基板、ランプ制御基板および音声制御基板)に設けられる。主制御部210、図柄制御部220、ランプ制御部230、音声制御部240は、各々が異なる基板に設けられている形態に限らない。たとえば、図柄制御部220とランプ制御部230と音声制御部240とを同一のプリント基板上に設けるなど、一部あるいはすべての制御部を同一のプリント基板上に設けることも可能である。
(主制御部の機能的構成)
つぎに、主制御部(メイン基板)210の機能的構成について説明する。図3−1は、主制御部210およびその周辺の機能的構成を示すブロック図である。図3−1において、主制御部210は、電源検出部301と、検出部302と、選択部303と、記憶部304と、バックアップ部305と、判断部306と、制御部307と、出力部308と、を備えている。
電源検出部301は、主制御部210に対する電源の供給の有無を検出する。遊技機の電源は、たとえば電源スイッチをオフにする操作がなされた場合に遮断され、電源スイッチをオンにする操作がなされた場合に供給される。また、遊技機の電源は、たとえば停電などにより電源自体の機能が停止した場合に遮断され、停電が解除されて電源自体の機能が復旧した場合に自動的に、あるいは電源投入操作がなされた場合に供給される。
電源が遮断された場合、電圧の大きい基板の電圧値から徐々に低下する。電源検出部301は、たとえば主制御部210に対して供給される電源の電圧値に基づいて、当該電圧値が所定値を下回った場合に、主制御部210に対する電源の供給が遮断されたと判断する。なお、停電などによって電源が遮断された場合は、電圧値が所定値を下回る前に電源が所定値以上に復旧することもある。電源検出部301は、たとえばCPU211によってその機能を実現することができる。
検出部302は、主制御部210に対する電源の供給があった場合に、当該電源供給の操作にともなって所定の操作がおこなわれたことを示す操作信号を検出する。実施の形態1において、検出部302は、たとえば主制御部210に対する電源の供給があった場合に、ラムクリアスイッチ217が出力したオン状態を示す信号を検出する。ラムクリア信号は、ラムクリアスイッチ217が押圧操作されている間中、出力される。
すなわち、検出部302は、電源スイッチが操作された時点で、電源スイッチとともにラムクリアスイッチ217が押圧操作されていることを検出する。実施の形態1において、検出部302は、電源スイッチが操作された時点から継続して、ラムクリアスイッチ217が押圧操作されていることを検出する。このように、実施の形態1において、検出部302は、操作検出機能を実現する。
また、検出部302は、主制御部210に対する電源の供給があった場合に、当該電源供給後に所定の操作がおこなわれたことを示す操作信号を検出してもよい。検出部302は、具体的には、たとえば電源供給後に出力されたラムクリア信号を検出する。この場合、検出部302は、電源供給後に、電源スイッチおよびラムクリアスイッチ217が同時に操作されたことを検出する。
また、検出部302は、電源供給後にラムクリアスイッチ217のみが押圧操作されたことを検出してもよい。この場合、検出部302は、電源供給後に、ラムクリアスイッチ217からオン信号を示す信号が出力されたことを検出する。これによっても、検出部302は、操作検出機能を実現することができる。
また、検出部302は、操作信号を検出した場合、当該操作信号の検出後に、上記の所定の操作が解除されたことを検出する。ラムクリア信号は、ラムクリアスイッチ217の押圧操作が解除された場合にオフ状態を示す信号を出力(あるいは、信号の出力を停止)する。検出部302は、たとえば検出したラムクリア信号がオン状態からオフ状態になったことを検出する。
すなわち、検出部302は、ラムクリアスイッチ217の押圧操作が解除されたことを検出する。ここで、検出部302は、電源スイッチおよびラムクリアスイッチ217の同時操作を所定の操作として検出した場合、電源スイッチおよびラムクリアスイッチ217双方への操作が解除されたことを検出する。また、検出部302は、たとえば操作された場合に信号を出力する構造を有する電源スイッチである場合には、電源スイッチまたはラムクリアスイッチ217のいずれか一方への操作が解除されたことを検出してもよい。このように、検出部302は、解除検出機能を実現する。検出部は、たとえばCPU211、I/O214、電源スイッチ、ラムクリアスイッチ217などによってその機能を実現することができる。
選択部303は、大当たり判定用乱数の取得に用いる数値(0〜306の整数)の範囲内で、任意の数値を選択する。選択部303は、具体的には、たとえば検出部302によって電源供給後に所定の操作がおこなわれたことを示す操作信号が検出された場合に、大当たり判定用乱数の取得に用いる数値(0〜306の整数)の範囲内の1つの数値を、初期値乱数として選択する。
選択部303は、より具体的には、たとえば電源供給後に、ラムクリアスイッチ217が押圧操作されたことを検出した場合に、0、1、2、・・・、305、306、0、1・・・の順序でループする数値群の中から初期値乱数を選択する。選択部303は、たとえばCPU211、ROM212およびRAM213によってその機能を実現することができる。
記憶部304は、選択部303が選択した初期値乱数を記憶する。記憶部304は、たとえば電源供給後に、電源スイッチとともにラムクリアスイッチ217が押圧操作されたことを検出した場合に、選択部303が選択した初期値乱数を記憶する。記憶部304は、たとえばRAM213によってその機能を実現することができる。
バックアップ部305は、主制御部210に対する電源の供給量が所定値を下回る場合、遊技中の遊技情報のバックアップデータを生成する。バックアップ部305は、たとえば遊技中の遊技情報をすべて含むバックアップデータを生成する。バックアップデータの生成については後述する(図7を参照)。
遊技中の遊技情報は、たとえば、払い出し予定の賞球個数、大当たり中であればラウンド数などである。また、遊技中の遊技情報は、たとえば大当たり判定用乱数、大当たり判定用乱数の取得にかかるカウント値、初期値乱数、初期値乱数の取得にかかるカウント値、初期値データである。上述した記憶部304は、さらに、バックアップ部305が生成したバックアップデータを記憶する。
また、バックアップ部305は、バックアップデータの生成が正常に完了した場合、生成したバックアップデータに関連付けて当該バックアップデータが有効であることを示すフラグを立てる。記憶部304は、バックアップデータが有効であることを示すフラグを生成したバックアップデータに関連付けて記憶する。バックアップ部305は、たとえばCPU211、ROM212およびRAM213によってその機能を実現することができる。
判断部306は、主制御部210に対する電源の供給があった場合、バックアップ部305により生成されたバックアップデータの有効性を判断する。判断部306は、たとえばバックアップデータに関連付けられたフラグが立てられている場合、当該バックアップデータが有効であると判断する。この場合、判断部306は、バックアップデータに関連付けられたフラグがない場合、当該バックアップデータが無効であると判断する。判断部306は、たとえばCPU211、ROM212およびRAM213によってその機能を実現することができる。
制御部307は、検出部302によってラムクリアスイッチ217の押圧操作が解除されたことが検出された場合に、遊技機における遊技を開始する。制御部307は、たとえば検出部302によってラムクリアスイッチ217の押圧操作が解除されたことが検出された場合に、選択部303によって選択された初期値乱数(すなわち記憶部304に記憶された初期値乱数)を、大当たり判定用乱数の取得にかかるカウンタ値の初期値(初期値乱数)として設定し、遊技を開始する。
また、制御部307は、初期値乱数が設定された場合に、大当たり判定用乱数の取得にかかるカウンタ値のカウントをおこなう。制御部307は、具体的には、たとえば設定された初期値乱数からカウントを開始し、1ループ分のカウントをおこなう。制御部307は、たとえば検出部302によって操作の解除が検出された場合に、設定された初期値乱数から1ループ分のカウントを開始し、カウントが1ループした場合には、1ループした時点における初期値乱数から、つぎの1ループ分のカウントを開始する。
制御部307は、より具体的には、たとえば1ループ分のカウントを、20から開始した場合には、20、21、22、・・・、306、0、1、・・・、19というカウントをおこなう。そして、つぎの1ループ分のカウントを145から開始した場合には、145、146、147、・・・、306、0、1、・・・、144というカウントをおこなう。
また、制御部307は、具体的には、たとえば始動入賞を待機し、始動入賞があった場合は、始動入賞時における大当たり判定用乱数の取得にかかるカウンタ値を、大当たり判定用乱数として取得する。そして、制御部307は、取得した大当たり判定用乱数と大当たり値とを比較し、取得した大当たり乱数が大当たり値と一致するか否かを判定する。そして、取得した大当たり乱数が大当たり値と一致する場合は、大当たりであると判定して、大当たり遊技をおこなう(図12を参照)。
また、制御部307は、具体的には、たとえば発射部による遊技球の発射を可能とする。これによって、始動入賞が発生し、上記の大当たり遊技をおこなうことが可能になる。さらに、制御部307は、具体的には、たとえば図柄制御部220に対して演出処理をおこなわせる制御信号を出力する。
また、制御部307は、判断部306による判断結果に基づいて、バックアップデータが無効である場合に、遊技中の遊技情報を初期化する。制御部307は、バックアップデータが無効である場合は、たとえば大当たり判定用乱数、大当たり判定用乱数の取得にかかるカウント値、初期値乱数、初期値乱数の取得にかかるカウント値、初期値データなどをすべて0(ゼロ)にする。制御部307は、たとえばCPU211、ROM212、RAM213およびI/O216によってその機能を実現することができる。
出力部308は、主制御部210に対する電源の供給があった場合、検出部302によってラムクリア信号が検出されるまでの間、図柄制御部220に対して異常演出の開始信号を出力する。異常演出は、たとえば遊技機に異常が発生したことを告知する異常告知画像を図柄表示部104に表示することによっておこなう。出力部308は、たとえばCPU211、ROM212、RAM213およびI/O216によってその機能を実現することができる。
また、異常演出は、たとえば下部バスSP271や上部ステレオスピーカ272から、サイレンなどの警報音声を出力することによっておこなう。さらに、異常検出は、たとえば装飾LED261、ガラス枠ランプ262およびサイドランプ263などを所定のパターンで点滅(点灯でも可)させることによっておこなってもよい。
遊技機は、異常演出として、異常告知画像の表示、警報音声の出力、各種ランプの点滅のすべてをおこなう。また、遊技機は、異常演出として、異常告知画像の表示、警報音声の出力、各種ランプの点滅のいずれか1つあるいは2つをおこなってもよい。遊技機は、異常演出として、たとえば異常告知画像の表示および警報音声の出力をおこなってもよいし、警報音声の出力および各種ランプの点滅をおこなってもよいし、異常告知画像の表示および各種ランプの点滅をおこなってもよい。
(遊技機の背面構成)
つぎに、図3−2を用いて、遊技機の背面構成について説明する。図3−2は、遊技機の背面構成を示す説明図である。図3−2は、図1に示した遊技盤101を裏面から見た状態を示している。
図3−2において、遊技機は、機枠310に嵌め込まれており、サンド装置320と接続されている。サンド装置320は、遊技機での遊技に使用する遊技球や遊技メダルなどの遊技媒体を貸し出すコンピュータ装置である。また、遊技機は、図2に示した主制御部210を実現するメイン基板340(本発明の主制御基板に相当)と、図柄制御部220を実現する基板341と、ランプ制御部を実現する基板342と、基板342を覆う背面カバー330を備えている。また、各基板340〜342は、ケース部材に相当する透明の基板ケース340a〜342aに収容されている。
背面カバー330は、透明ケースによって構成されており、基板342の外側に配設されている接続ケーブルを保護する。具体的には、背面カバー330は、各種制御基板や、その他の遊技機の部品に接続される接続ケーブルを保護する。また、背面カバー330は、開閉自在になっており、一部がメイン基板340の基板ケース340aを覆う構成となっている。そして、背面カバー330の閉状態において、メイン基板340の取り外しが不可能になっており、一方、背面カバー330の開状態において、メイン基板340を、図中、左方向にスライドさせることにより、取り外しが可能になっている。なお、遊技中においては、背面カバー330は閉状態になっている。
(メイン基板の基板ケースの構成)
つぎに、図3−3および図3−4を用いて、メイン基板340の基板ケース340aの構成について説明する。図3−3は、図3−2に示したメイン基板340の基板ケース340aの拡大図である。図3−4は、メイン基板340の基板ケース340aの斜視図である。
図3−3および図3−4において、メイン基板340の基板ケース340aは、背面カバー330の一部が覆われた状態にある。基板ケース340aは、外部から他の基板などを接続または交換などによる、不正改造や不正行為ができないように、メイン基板340を収容する。さらに、基板ケース340aは、透明ケースによって形成されており、メイン基板340の不正改造や、不正基板への交換などの不正行為に対して目視による確認ができるようになっている。なお、図3−2に示した、図柄制御部220を実現する基板341や、ランプ制御部を実現する基板342についても、同様に透明な基板ケース341aまたは342aに収納されている。
基板ケース340aには、開口部350が設けられている。この開口部350には、スティック状の操作部材360が挿嵌され、ラムクリアスイッチ217を押圧操作(押下)することが可能な操作部が形成されている。また、開口部350の近傍には、当該開口部350を開閉自在に覆う開閉部380が設けられている。
開閉部380は、基板ケース340aの一般面(表面)387上に設けられている。この開閉部380は、蓋部材381と、回動軸382と、基板ケース340a上に設けられた係止部383とを有し、回動軸382を中心に蓋部材381が回動自在になっている。なお、図3−3および図3−4では、蓋部材381が開状態となっている。蓋部材381が閉状態になると、詳細については図3−9を用いて後述するが、蓋部材381の係止爪381aが係止部383に係止するようになっている。また、基板ケース340a上の開口部350の近傍には、外部からの不正な操作を防止するための障壁390が設けられている。なお、符号391は、蓋部材381開方向に回動させた際に、一定以上の回動を規制するための規制部である。
(操作部の詳細な構成)
つぎに、図3−5を用いて、操作部の詳細な構成について説明する。図3−5は、図3−4のA−A断面を示した操作部材360の詳細図である。
図3−5において、基板ケース340aの開口部350には、操作部材360が挿嵌されており、ラムクリアスイッチ217を押圧操作(押下)することが可能になっている。開口部350は、操作部材360の頭部361を収容する収容部351と、筒部352とからなる。
操作部材360は、たとえば、樹脂や金属などによって形成され、利用者から力が加えられる頭部361と、筒部352に収容される挿嵌部362と、筒部352の一端に係止する鍔部363と、ラムクリアスイッチ217に力を作用させる押圧部364とからなる。頭部361は、突出形状の突出部361aと、筒部352に係止する係止部361bと、外部からの応力により頭部361の径を小さくさせるための間隙部361cと、からなる。
ここで、操作部材360の構成要素を用いて、操作部材360の基板ケース340aへの取り付け方について説明すると、操作部材360を、筒部352の、図中の下方から挿嵌させることにより、取り付けることができる。具体的には、操作部材360の頭部361を、間隙部361cが狭まるようにつまむと、頭部361の径が小さくなる。
この状態で、操作部材360を、筒部352の図中の下方から差し込むと、突出部361aの傾斜により突出部361aが筒部352を滑らかに挿通する。すなわち、操作部材360の頭部361は、間隙部361cが狭まった状態(頭部の径が小さくなった状態)で筒部352を通過すると、筒部352による外力から解放され、頭部361が収容部351に収まった状態となる。頭部361が収容部351に収まった状態では、係止部361bまたは鍔部363のいずれかが筒部352の一端に係止するため、操作部材360が筒部352から抜けてしまうようなことがない。このように、操作部材360を基板ケース340aに簡単に取り付けることができる構成になっている。
また、ラムクリアスイッチ217は、台座370に設けられるとともに、加えられた外力に応じて凹凸する構造を有しており、図示外の付勢部材により、操作部材360側に付勢されている。ラムクリアスイッチ217は、操作部材360に対する押圧操作がある場合に、押下された状態(凹状態)となり、オン状態を示す信号を出力する。また、ラムクリアスイッチ217は、操作部材360に対する押圧操作が解除された場合に、凸状態となり(凸状態に復帰した)場合に、オフ状態を示す信号を出力(あるいは、信号の出力を停止)する。なお、図3−5においては、ラムクリアスイッチ217に対する押圧操作が解除されている状態、つまり、ラムクリアスイッチ217の凸状態を示している。
(開閉部380の詳細な構成)
つぎに、開閉部380の蓋部材381の詳細な構成について説明する。図3−6は、蓋部材381の上面図である。図3−7は、図3−6に示した蓋部材381のB−B断面を示す断面図である。
蓋部材381は、透明な樹脂などにより形成されており、係止爪381aと、傾斜部381bと、ロック孔381cとを有する。係止爪381aは、鉤上に形成されており、図3−3に示した係止部383に係止することが可能になっている。傾斜部381bは、蓋部材381の両端に設けられ、中央付近から端部にいくにつれて高くなるように傾斜が形成されており、人の指によって蓋部材381を開閉させる際の作用点となる。ロック孔381cは、蓋部材381の裏面側(基板ケース340a側)に設けられた孔であり、蓋部材381の開状態において、後述する基板ケース340aに設けられる突起部に係止することにより、開状態を保つ。
つぎに、回動軸382の詳細な構成について説明する。図3−8は、図3−3のC方向から見た回動軸382の断面図である。回動軸382は、一端が蓋部材381に固設されており、他端が頭部382aを有した突出形状となっている。回動軸382は、頭部382aを有する側が、基板ケース340aに設けられる挿嵌孔382cに挿嵌している。回動軸382の基板ケース340aへの取り付け方について説明すると、回動軸382を基板ケース340aの図中上方から挿嵌させることにより、取り付けることができる。具体的には、頭部382aを間隙部382bが狭まるようにつまむと、頭部382aの径が小さくなる。
この状態で、頭部382aを、図中上方から差し込むと、頭部382aの先端の傾斜により頭部382aが挿嵌孔382cを滑らかに通過する。すなわち、回動軸382は、間隙部382bが狭まった状態(頭部の径が小さくなった状態)で挿嵌孔382cを通過し、頭部382aが挿嵌孔382cを通過すると、挿嵌孔382cによる外力から解放されるとともに、頭部382aが挿嵌孔382cから貫通した状態となる。頭部382aが挿嵌孔382cを貫通した状態では、頭部382aまたは蓋部材381のいずれかが基板ケース340aの一端に係止するため、回動軸382が挿嵌孔382c(基板ケース340a)から抜けてしまうようなことがない。
さらに、この状態において、ピン382dを間隙部382bに嵌め込むことにより、間隙部382bが狭まることを抑止し、つまり、頭部382aの径が小さくなることを抑止し、回動軸382の基板ケース340aからの抜け防止を強固にすることができる。このように、開閉部380を基板ケース340aに簡単に取り付けることができる構成になっている。
つぎに、図3−9を用いて、蓋部材381の閉状態について説明する。図3−9は、蓋部材381の閉状態を示した説明図である。図3−9において、蓋部材381は、係止部383に係止しており、閉状態が保持された状態にある。この状態では、蓋部材381の開く方向に所定の圧力を加えない限り、たとえば、人手による回動方向の力を作用させない限り、蓋部材381は回動しないようになっている。蓋部材381の閉状態においては、蓋部材381が回動する閉方向側から、蓋部材381に障壁390が近接している。具体的には、蓋部材381と障壁390とが密着した状態になっている。
したがって、たとえば、遊技機が閉まっている状態で遊技機の隙間から治具や針金等を用いて、蓋部材381を押し込むことにより蓋部材381を開方向に回動させようとしても、障壁390に押し込まれる力がかかることにより蓋部材381を押し込むことができないようになっている。また、蓋部材381に治具や針金等を引っ掛けようとしても、蓋部材381と障壁390とが密着しているため、蓋部材381に治具等を引っ掛けることができないようになっている。つまり、治具や針金等を用いて外部から手探りの状態で、蓋部材381を開状態にさせることができないので、ラムクリアスイッチ217を押下することは勿論できないようになっている。
また、蓋部材381は、透明な樹脂などにより形成されているため、開口部350および操作部材360に対する日常の検査において、蓋部材381が閉状態であっても、上面から目視による確認ができるようになっている。蓋部材381の閉状態において、人手により蓋部材381を開方向に押圧させると、具体的には、指を傾斜部381bの開方向側に押圧させると、係止部383による係止が解除され、蓋部材381が回動軸382を中心に一般面387上を開方向に回動することにより、図3−10に示す開状態となる。
図3−10は、蓋部材381の開状態を示した説明図である。図3−10において、蓋部材381は、ロック孔381cが基板ケース340aに設けられる突起部385に係止することにより、開状態が保持されている。このように開状態が保持されることにより、店員は、蓋部材381を開けた後に蓋部材381を支持することなく、片手で容易に操作部材360を押下(ラムクリアスイッチ217を押圧)したり、両手を要するメンテナンスにおいても一方の手で蓋部材381を指示することなくメンテナンスをおこなったりすることができる。
また、開閉部380の構成は、このような構成に限らず、たとえば、図3−11および図3−12に示す構成とすることも可能である。図3−11および図3−12は、開閉部380の変形例を示した説明図である。図3−11は、蓋部材381の閉状態を示し、図3−12は、蓋部材381の開状態を示している。
図3−11および図3−12において、開閉部380は、基板ケース340aの一般面387より窪んだ面(窪み面386)上に設けられている。開閉部380は、表面が一般面と同等の高さ、または一般面よりも低い高さになっている。また、操作部材360についても、窪み面386から突出することのない長さのものが用いられている。すなわち、操作部材360は、上述した図3−5に示したものより、窪み面386の窪んでいる分、短いものが用いられている。
また、障壁390は、窪み面386と一般面387とを接続する側壁392からなる。すなわち、側壁392は、蓋部材381が回動する閉方向側から近接し、具体的には、蓋部材381の閉状態において蓋部材381と密着する構成となっており、上述した障壁390の役割を担う。したがって、たとえば、遊技機が閉まっている状態で遊技機の隙間から治具や針金等を用いて、蓋部材381を押し込むことにより蓋部材381を開方向に回動させようとしても、蓋部材381が一般面387と同等以下の高さになっているため、蓋部材381を押し込むことができないようになっている。
また、蓋部材381に治具や針金等を引っ掛けようとしても、蓋部材381と側壁392とが密着しているため、蓋部材381に治具等を引っ掛けることができないようになっている。つまり、治具や針金等を用いて外部から手探りの状態で、蓋部材381を開状態にさせることができないので、ラムクリアスイッチ217を押下することは勿論できないようになっている。
蓋部材381の閉状態において、人手により蓋部材381を開方向に押圧させると、係止部383による係止が解除され、蓋部材381が回動軸382を中心に窪み面386上を開方向に回動することにより、図3−12に示す開状態となる。蓋部材381の開状態においては、ロック孔381cが窪み面386に設けられる突起部385に係止することにより、開状態が保持される。したがって、店員は、蓋部材381を開けた後に蓋部材381を支持することなく、片手で容易に操作部材360を押下(ラムクリアスイッチ217を押圧)したり、両手を要するメンテナンス等をおこなったりすることができる。また、側壁392は、上述した規制部391の役割も担い、すなわち、蓋部材381開方向に回動させた際に、当該蓋部材381の一定以上の回動を規制するようになっている。
なお、上述した説明では、開閉部380は、蓋部材381と、回動軸382と、係止部383の要素を有する構成としているが、少なくとも基板ケース340aの面(一般面387または窪み面386)に沿って移動し、開口部350を開閉自在にするものであれば、このような要素を設けないものとすることも可能である。具体的には、たとえば開閉部380には、開口部350に対してスライドするシャッター状のものなどを用いることも可能である。
また、上述した説明では、操作部材360を設ける構成としたが、操作部材360を設けない構成とすることも可能である。つまり、基板ケース340aに開口部350と開閉部380を設けておき、たとえば、ホール内の店員がラムクリアスイッチ217を押圧操作することができる他の操作部材として、治具や棒状部材などを携行しておき、ラムクリアスイッチ217に対する押圧操作をおこなう際には、蓋部材381を開状態にし、当該治具などを用いるようにすることも可能である。このような構成であっても、開閉部380を設けているので、たとえば、針金等が侵入するスペースがなく、ラムクリアスイッチ217が機械的な操作力により押下されることを防止できる。
(主制御部の処理手順)
つぎに、主制御部210の処理手順について説明する。主制御部210は、メイン基板処理、メイン基板処理(INT割り込み)、バックアップ制御処理などの各処理をおこなう。ここで、メイン基板処理について説明する。図4は、メイン基板処理の手順を示すフローチャートである。図4のフローチャートにおいて、まず、電源投入制御処理をおこなう(ステップS401)。電源投入制御処理については詳細を後述する(図8を参照)。
そして、電源投入制御処理のつぎに、各種出力処理をおこなう(ステップS402)。ステップS402においては、各種出力処理として、たとえば図柄表示部104において起動用の画像を表示させたり、下部バスSP271や上部ステレオスピーカ272から警報音を出力したり、装飾LED261、ガラス枠ランプ262、サイドランプ263などの発光体を発光させたりする。
つぎに、各種割り込み外制御処理をおこなう(ステップS403)。ステップS403においては、割り込み外制御処理として、主制御部210がおこなう処理のうち、INT割り込みするメイン基板処理(図5を参照)に含まれる処理以外の処理をおこなう。ステップS403においては、具体的には、たとえば、時間制御処理、乱数制御処理、特図特電制御処理、普図普電制御処理、払出制御処理、データ作成処理、出力制御処理以外の処理を実行する。
つぎに、主制御部210の処理状態を割り込み禁止とし(ステップS404)、割り込み禁止にした状態で初期値乱数に+1して、初期値乱数を更新する(ステップS405)。そして、+1することで更新した初期値乱数の値が、307以上であるか否かを判断する(ステップS406)。
この実施の形態1においては、上述したように0〜306までの数値群の中から初期値乱数を選択する。このため、ステップS406においては、初期値乱数の取り得る最大値よりも大きい307以上であるか否かを判断する。すなわち、ステップS406においては、乱数として用いる数値範囲によって、比較に用いる数値が異なる。
ステップS406において、更新した初期値乱数の値が307未満である場合(ステップS406:No)は、ステップS408に移行する。一方、ステップS406において、更新した初期値乱数の値が307以上である場合(ステップS406:Yes)は、更新した初期値乱数の値が初期値乱数の取り得る最大値を超えていると判断できるので、初期値乱数の値を、初期値乱数の取り得る最小値である0にセットする(ステップS407)。その後、ステップS404において禁止した割り込みを許可する状態にして(ステップS408)、ステップS403へ戻る。以降、ステップS403〜ステップS408の処理を繰り返す。
つぎに、INT割り込みするメイン基板処理について説明する。図5は、INT割り込みするメイン基板処理の手順を示すフローチャートである。図5に示したINT割り込みするメイン基板処理は、図4に示した電源投入制御処理の実行中に、電源投入制御処理に割り込ませて実行される。また、INT割り込みするメイン基板処理は、電源投入制御処理とは別に開始される。さらに、INT割り込みするメイン基板処理は、所定時間(たとえば4msec)ごとに開始される。
図5のフローチャートに示したように、まず、時間制御処理を実行し(ステップS501)、つぎに乱数制御処理を実行する(ステップS502)。ステップS501において実行する時間制御処理、ステップS502で実行する乱数制御処理については詳細を後述する。
その後、特図特電制御処理、普図普電制御処理、払出制御処理、データ作成処理、出力制御処理を順番におこなう(ステップS503〜ステップS507)。その後、前回のINT割り込みするメイン基板処理を開始してから4msecが経過した場合に、再度ステップS501に戻り、一連の処理を実行する。なお、ステップS503〜ステップS507において実行する特図特電制御処理、普図普電制御処理、払出制御処理、データ作成処理および出力制御処理については、ここでは説明を省略する。
つぎに、INT割り込みするメイン基板処理のうち、乱数制御処理について説明する。乱数制御処理は、図4に示したメイン基板処理の実行中に開始される、INT割り込みするメイン基板処理の中で実行される。図6は、乱数制御処理の処理手順を示すフローチャートである。図6において、まず、RAM213における大当たり判定用乱数の取得にかかるカウント値に+1して、大当たり判定用乱数の取得にかかるカウント値(図6において「カウント値(大当たり判定用乱数)」と記載)を更新する(ステップS601)。
そして、ステップS601において+1することで更新した大当たり判定用乱数の取得にかかるカウント値が、307以上であるか否かを判断する(ステップS602)。この実施の形態1においては、上述したように0〜306までの数値群の中から大当たり判定用乱数を取得する。このため、ステップS602においては、大当たり判定用乱数の取得にかかるカウント値の取り得る最大値よりも大きい307以上であるか否かを判断する。すなわち、ステップS602においては、乱数として用いる数値範囲によって、比較に用いる数値が異なる。
ステップS602において、更新した大当たり判定用乱数の取得にかかるカウント値が307未満である場合(ステップS602:No)は、ステップS604に移行する。この場合、RAM213には、+1することで更新した数値が大当たり判定用乱数の取得にかかるカウント値として記憶される。
一方、ステップS602において、更新した大当たり判定用乱数の取得にかかるカウント値が307以上である場合(ステップS602:Yes)は、更新した大当たり判定用乱数の取得にかかるカウント値が大当たり判定用乱数の取り得る最大値を超えていると判断できるので、大当たり判定用乱数の取得にかかるカウント値を、大当たり判定用乱数の取り得る最小値である0にセットする(ステップS603)。この場合、RAM213には、0(ゼロ)が大当たり判定用乱数として記憶される。
つぎに、RAM213における大当たり判定用乱数の取得にかかるカウント値が、初期値データと一致するか否かを判断する(ステップS604)。ステップS604において、RAM213における大当たり判定用乱数の取得にかかるカウント値が、初期値データと一致しない場合(ステップS604:No)は、一連の乱数制御処理を終了する。この実施の形態1では、図5に示したように、乱数制御処理を終了した後に、特図特電制御処理を開始する。
一方、ステップS604において、RAM213における大当たり判定用乱数の取得にかかるカウント値が、初期値データと一致する場合(ステップS604:Yes)は、RAM213に記憶されている初期値乱数を、大当たり判定用乱数の取得にかかるカウント値としてセットして、大当たり判定用乱数の取得にかかるカウント値を更新する(ステップS605)。これにより、RAM213に記憶されている大当たり判定用乱数の取得にかかるカウント値と初期値乱数とが同じ数値となる。
RAM213に記憶されている初期値乱数は、上述したように、大当たり判定用乱数の取得にかかるカウント値とは異なる時期に随時更新されている。ステップS605においては、大当たり判定用乱数の取得にかかるカウント値を、RAM213における大当たり判定用乱数の取得にかかるカウント値が初期値データと一致すると判定した時点においてRAM213に記憶されている初期値乱数に更新する。
つぎに、初期値データを初期値乱数に更新して(ステップS606)、一連の乱数制御処理を終了する。上述したように、RAM213に記憶されている初期値乱数は、上述した図4の処理によって随時更新されているため、ステップS606においては、RAM213に記憶されている大当たり判定用乱数が初期値データと一致すると判定した時点においてRAM213に記憶されている初期値乱数を、初期値データとしてセットすることで初期値データを更新する。この実施の形態1では、乱数制御処理を終了した後に、特図特電制御処理を開始する。
図6におけるステップS605の処理とステップS606の処理とは、いずれのステップを先におこなってもよい。すなわち、この実施の形態1においてはステップS605の処理の後にステップS606の処理をおこなう説明をしたが、ステップS606の処理の後にステップS605の処理をおこなうことも可能である。
つぎに、バックアップ制御処理について説明する。図7は、バックアップ制御処理の手順を示すフローチャートである。バックアップ制御処理は、主制御部210に供給される電源の電圧値が、所定の電圧値以下に降下したことを示す電圧降下信号があった場合に、たとえば図4に示したメイン基板処理の実行中に割り込ませておこなう割り込み処理である。バックアップ制御処理は、主制御部210がおこなうすべての処理に優先しておこなわれる。バックアップ制御処理は、電圧降下信号があった任意のタイミングで開始する。
図7のフローチャートにおいて、まず、電圧降下信号があった場合はバックアップ有効フラグをオフにする(ステップS701)。これにより、バックアップ用として設定されていた電源オフ時RWM領域チェックサムが無効になる。そして、電源遮断時処理をおこなう(ステップS702)。電源遮断時処理については説明を省略する。
つぎに、電源をオフする時点における遊技機の遊技状態に基づいて、電源オフ時RWM領域チェックサムを作成する(ステップS703)。ステップS703の処理によって、電源をオフする時点における遊技に関する各種のデータがRWM領域に記憶される。その後、バックアップ有効フラグをオンにして(ステップS704)、一連のバックアップ制御処理を終了する。これにより、電源をオフする時点における遊技に関する各種のデータが、利用可能な状態で記憶される。
つぎに、電源投入制御処理について説明する。図8は、実施の形態1の電源投入制御処理の手順を示すフローチャートである。図8に示した電源投入制御処理は、図4に示したメイン基板処理におけるステップS401においておこなう。電源投入制御処理は、主制御部210に対する電源の供給があった場合に実行する。
図8のフローチャートにおいて、まず、主制御部210に対する電源の供給があった場合に、主制御部210の処理状態を割り込み禁止にする(ステップS801)。そして、ラムクリアスイッチ217のレベルがオンであるか否かを判断する(ステップS802)。上述したように、ラムクリアスイッチ217のレベルは、押圧操作されている状態でオンとなる。ラムクリアスイッチ217のレベルがオンである、すなわちラムクリアスイッチ217が押圧操作されている場合(ステップS802:Yes)は、ステップS806へ移行する。
ステップS802において、ラムクリアスイッチ217のレベルがオンではない、すなわちラムクリアスイッチ217が押圧操作されていない場合(ステップS802:No)は、RAM213に記憶されたバックアップデータが有効であるか否かを判断する(ステップS803)。ステップS803においては、バックアップデータに関連付けられたフラグが立てられているか否かを判断する。バックアップデータが無効である場合、すなわちバックアップデータに関連付けられたフラグが立てられていない場合(ステップS803:No)は、ステップS806へ移行する。
ステップS803において、バックアップデータが有効である場合(ステップS803:Yes)は、RAM213に設けられた電源投入時RWM領域にチェックサムを作成する(ステップS804)。そして、ステップS804において作成したチェックサムが、バックアップデータと同値であるか否かを判断する(ステップS805)。
ステップS805において、チェックサムとバックアップデータとが同値ではない場合(ステップS805:No)は、バックアップデータが無効であると判断して、RWM領域を初期化する(ステップS806)。そして、図柄制御部(サブ基板)220へ電源投入中コマンドを送信する(ステップS807)。この実施の形態1において、電源投入中コマンドは、ラムクリアスイッチ217の再操作を促すメッセージを図柄表示部104に表示させるための制御信号である。
図柄制御部220は、電源投入中コマンドが入力されると、図柄表示部104に電源投入中を案内する画像データを出力する。図柄制御部220は、たとえば「起動中」などのメッセージを表示するための画像データを出力する。また、図柄制御部220は、「遊技スタートキーを操作してください」などのメッセージを表示するための画像データを出力する。これにより、図柄表示部104は、図9に示したようなメッセージ901、902を表示する。
その後、ラムクリアスイッチ217が出力する信号がオン状態を示す信号からオフ状態を示す信号に切り替わったか、すなわち、ラムクリアスイッチ217が出力する信号のエッジがオン状態からオフ状態となったか否かを判断する(ステップS808)。エッジがオフ状態となっていない場合(ステップS808:No)は、ステップS807に戻り、図柄制御部220へ電源投入中コマンドを送信する。オフ状態となった場合(ステップS808:Yes)は、ステップS801において禁止した割り込みを許可する状態にして(ステップS809)、一連の電源投入制御処理を終了する。
また、ステップS805において、チェックサムとバックアップデータとが同値である場合(ステップS805:Yes)は、バックアップデータが有効であると判断して、電源復旧時処理をおこなう(ステップS810)。電源復旧時処理については、ここでは説明を省略する。これにより、バックアップデータに基づいて、電源の供給が遮断された状態で遊技機を起動することができる。
この実施の形態1によれば、バックアップデータが有効である場合には、たとえばパチンコホールの従業員など、遊技機の起動操作者による格別の操作を介することなく、電源復旧時処理以降も電源の供給が遮断された時点の遊技状態を継続して遊技を再開することができる。その後、ステップS809へ移行して、一連の電源投入制御処理を終了する。
なお、ステップS808において、ラムクリアスイッチ217が出力する信号のエッジがオン状態からオフ状態となったか否かを判断するようにしたが、これに限らず、たとえば、ラムクリアスイッチ217が押圧操作されたか否かを判断するようにしてもよい。具体的には、エッジがオン状態になったか否かを判断するようにし、つまり、ラムクリアスイッチ217から出力される信号がオフからオン状態になったことをもって、エッジがオン状態となったか否かを判断するようにしてもよい。
この場合の構成について、補足しておく。上述した図3に示した検出部302は、主制御部210に対する電源の供給があった場合に、当該電源供給後にラムクリアスイッチ217が押下されたことを示す操作信号を検出するようにした構成とすればよい。検出部302は、具体的には、電源供給後に出力されたラムクリア信号を検出する。たとえば、検出部302は、電源スイッチとともにラムクリアスイッチ217が1回押圧操作されたことを検出する。
また、検出部302は、電源供給後に、所定回数出力されたラムクリア信号を検出してもよい。すなわち、検出部302は、電源スイッチとともにラムクリアスイッチ217が所定回数押圧操作されたことを検出してもよい。ここで、所定回数は、2回あるいは3回以上の任意の回数に設定することが可能である。
また、この場合、制御部307は、検出部302によってラムクリア信号が検出された場合に、遊技を開始すればよい。具体的には、制御部307は、たとえば、ラムクリアスイッチ217が1回押圧操作されたことが検出された場合に、選択部303によって選択された初期値乱数(すなわち記憶部304に記憶された初期値乱数)を、大当たり判定用乱数の取得にかかるカウンタ値の初期値(初期値乱数)として設定し、遊技を開始すればよい。
つぎに、始動SW処理について説明する。始動SW処理は、図8に示した電源投入制御処理を終了し、大当たり判定用乱数の取得にかかるカウント値のカウントを開始した後に実行可能となる。図10は、始動SW処理の手順を示すフローチャートである。図10に示した始動SW処理は、所定時間(たとえば4msec)ごとに実行する。図10のフローチャートにおいて、まず、始動SW251がオン状態となったか否かを判断する(ステップS1001)。
ステップS1001において、始動SW251がオン状態となった場合(ステップS1001:Yes)は、エッジカウンタを+1し(ステップS1002)、+1したエッジカウンタの値が2であるか否かを判断する(ステップS1003)。+1したエッジカウンタの値が2である場合(ステップS1003:Yes)は、始動入賞信号をオン状態とする(ステップS1004)。これにより、始動入賞があったことが検出される。その後、始動SW処理を抜け、4msec後に再びステップS1001から処理を開始する。
一方、ステップS1001において始動SW251がオン状態となっていない場合(ステップS1001:No)は、RAM213に設けられたエッジカウンタの値を0(ゼロ)に設定する(ステップS1005)。また、ステップS1002において+1したエッジカウンタの値が2ではない場合(ステップS1003:No)は、そのまま始動SW処理を抜ける。そして、前回始動SW処理を開始してから4msecが経過した場合に、再びステップS1001から処理を開始する。
図11は、始動SW251の出力変化を示す説明図である。図11において、縦軸は電圧信号の変化、横軸は時間経過を示している。また、図11において、複数の点線は4msecの時間が経過したことを示している。図11に示したように、遊技球が始動入賞口105を通過した場合、始動SW251の出力は3回連続してオン状態となる。オン状態が連続する回数は、遊技球の大きさによって所定範囲内に定められる。このため、始動SW251の出力が4回連続してオン状態となった場合は、始動入賞口105に遊技球が詰まっているなど、遊技機に異常が発生していることを検出することも可能である。
つぎに、大当たり判定処理について説明する。大当たり判定処理は、図8に示した電源投入制御処理を終了し、大当たり判定用乱数の取得にかかるカウント値のカウントを開始した後に実行可能となる。また、大当たり判定処理は、図10に示した始動SW処理を終了し、始動入賞があったことが検出された後に実行可能となる。
図12は、大当たり判定処理の手順を示すフローチャートである。図12のフローチャートにおいて、まず、始動入賞があったか否かを判断する(ステップS1201)。ステップS1201においては、図10に示した始動SW処理の結果に基づいて、始動入賞があったか否かを判断する。始動入賞がない場合(ステップS1201:No)は、ステップS1205へ移行する。
ステップS1201において、始動入賞があった場合(ステップS1201:Yes)は、始動入賞した遊技球の保留個数が4個未満であるか否かを判断する(ステップS1202)。ここで、保留個数は、始動入賞した遊技球の個数である。言い換えれば、保留個数は、遊技球が始動入賞口105に入賞した回数(始動入賞数)を示している。遊技機は、具体的には、遊技球が始動入賞した時点で取得した大当たり判定用乱数の値を記憶している。遊技機は、保留個数をRAM213に設けられた記憶領域に記憶しておく。保留個数は、最大数で4個である。すなわち、遊技機は、最大で4回分の大当たり判定をおこなうだけの大当たり判定用乱数を記憶する。
ステップS1202において、保留個数が4個以上である場合(ステップS1202:No)は、ステップS1205へ移行する。一方、保留個数が4個未満である場合(ステップS1202:Yes)は、上述したように大当たり判定用乱数を取得する(ステップS1203)。そして、保留個数を+1するとともに、ステップS1203において取得した大当たり判定用乱数をRAM213に設けられた記憶領域に記憶する(ステップS1204)。
つぎに、ステップS1204において記憶された保留個数が1以上であるか否かを判断する(ステップS1205)。保留個数が1以上ではない場合(ステップS1205:No)は、ステップS1201に戻る。1以上である場合(ステップS1205:Yes)は、保留個数−1の数値を保留個数とするとともに、ステップS1204において記憶した大当たり判定用乱数を大当たり値と比較する(ステップS1206)。そして、比較した結果に基づいて、大当たり判定用乱数が大当たり値であるか否かを判断する(ステップS1207)。
ステップS1207において、大当たり判定用乱数が大当たり値である場合(ステップS1207:Yes)は、大当たり遊技をおこなう。この実施の形態1においては、大当たり変動処理をおこなって(ステップS1208)、その後に図柄を停止させる(ステップS1209)。その後、大当たり動作処理をおこなって(ステップS1210)から、ステップS1201に戻り、始動入賞があったか否かを判断する。
ステップS1208、S1209の処理は、具体的には、たとえば大当たり遊技をおこなうための制御信号を、図柄制御部220に対して出力することによって実現される。ステップS1208、S1209の処理によって、図柄表示部104は、所定の図柄が変動し、リーチとなる図柄を表示した後、大当たりの図柄が揃った状態の図柄(たとえば「777」)を表示する。大当たり変動処理、大当たり動作処理などの大当たり遊技に際しておこなう処理については、ここでは説明を省略する。
一方、ステップS1207において、大当たり判定用乱数が大当たり値ではない場合(ステップS1207:No)は、はずれ変動処理をおこなって(ステップS1211)、その後に図柄を停止させる(ステップS1212)。ステップS1212の処理によって、図柄表示部104は、3つの図柄が揃っていない状態の図柄を表示する。なお、はずれ変動処理については、ここでは説明を省略する。その後、ステップS1201に戻り、始動入賞があったか否かを判断する。
上述したように、この実施の形態1によれば、電源の供給があった場合は、電源を供給するための操作とは別に電源スイッチおよびラムクリアスイッチ217の押圧操作をおこない、ラムクリアスイッチ217の押圧操作を解除するまで遊技を開始できない。このため、たとえばぶら下げ基板と称される不正な基板を主制御部210に接続し、この不正な基板が出力した信号によって電源の遮断および供給をおこなっても、電源の供給を開始した後に電源スイッチおよびラムクリアスイッチ217を押圧操作することができず、ラムクリアスイッチ217の押圧操作を解除することも不可能であるため、以降の遊技を中止することができる。なお、電源の供給があった場合は、電源を供給するための操作とは別に、電源スイッチおよびラムクリアスイッチ217の押圧操作をおこない、ラムクリアスイッチ217の押圧操作を解除するまで遊技を開始できない。
また、ラムクリアスイッチ217がメイン基板340に設けられているので、当該ラムクリアスイッチ217からの操作信号を主基板に送出するための配線が露出することがなく、メイン基板340に不正な基板を接続することを防止することができる。
特に、図3−3に示したように、基板ケース340aには、開口部350を覆う開閉部380を設けたので、操作部材360を押下するためには、蓋部材381を開状態にするといった手順を踏む必要がある。したがって、治具や針金等を用いて操作部材360を機械的に押下する不正を容易におこなうことはできない。また、開閉部380が基板ケース340aの面に沿って移動するため、基板ケース340aに対して極端に突出した構成とならず、基板ケース340a周辺に開閉部380の開閉動作に伴う余計なスペースを設ける必要がなく、極めて簡単な構成で不正を抑止することができる。これにより、大当たり遊技を高頻度でおこなわせる不正行為を防止することができる。
また、開閉部380が、蓋部材381と、回動軸382と、係止部383とを備えた構成としたので、開閉部を簡単且つ小型に構成することができるとともに、ラムクリアスイッチ217の位置に応じて開閉部380を設けることができる。したがって、遊技機の機種や、主制御基板の形状や配置位置等によって開閉部を設けることができないといったことがなく、汎用性のある主制御基板を提供することができる。
また、基板ケース340aが、蓋部材381の係止位置にて、蓋部材381が回動する閉方向側から蓋部材381に近接する障壁390を設けたので、蓋部材381が閉状態にある場合に、障壁390により蓋部材381と開口部350との隙間をなくすことができる。したがって、治具や針金等を用いて外部から手探りの状態で、蓋部材381を開状態にさせることができないので、ラムクリアスイッチ217を押下するといった不正を有効に防止することができる。
また、障壁390を基板ケース340aの一般面387よりも突出して設けたことにより、簡単に障壁390を設けることが可能になるだけでなく、外部から不正に蓋部材381を押し込むことにより蓋部材381を開方向に回動させようとしても、障壁390に押し込まれる力がかかることにより蓋部材381を押し込むことができず、蓋部材381の回動を防止することができる。
また、図3−11および図3−12に示したように、開閉部380を、基板ケース340aの窪み面386に設け、障壁390を、窪み面386と一般面387とを接続する側壁392によって構成するようにすれば、開閉部380を設けたことによるケース部材の大型化を抑止することができる。さらに、遊技機が閉まっている状態で遊技機の隙間から治具や針金等を用いて、外部から不正に蓋部材381を押し込むことにより蓋部材381を開方向に回動させようとしても、蓋部材381が一般面387と同等以下の高さになっているため、蓋部材381を押し込むことができず、蓋部材381の回動を防止することができる。
また、この実施の形態1によれば、メイン基板340は、周囲を覆う基板ケース340aに収納されているので、たとえば、基板上の配線を切断しスイッチ部分のみを導出する不正行為を試みたとしても、作業に手間や時間がかかるため、当該不正行為を有効に防止することができる。このように、外部から他の基板などを接続または交換などによる、不正改造や不正行為を防止することができる。さらに、基板ケース340aは、透明ケースによって形成されているので、仮に、メイン基板340の不正改造や、不正基板への交換などの不正行為がおこなわれたとしても目視による確認ができ、早急に当該不正を取り除くことが可能になる。
また、この実施の形態1によれば、基板ケース340aに開口部350を設けるとともに、この開口部350にスティック状の操作部材360を挿嵌し、ラムクリアスイッチ217を押圧操作(押下)することが可能な操作部を設けるようにしたので、基板ケース340a内に配置されるラムクリアスイッチ217の操作を容易におこなうことができる。
また、この実施の形態1において、操作部材360を設けない構成とすることも可能である。つまり、基板ケース340aに開口部350と、開口部350を覆う開閉部380を設けておき、たとえば、ホール内の店員がラムクリアスイッチ217を押圧操作することができる他の操作部材として、治具や棒状部材などを携行しておき、ラムクリアスイッチ217に対する押圧操作をおこなう際には、開閉部380を開状態にし、当該治具などを用いるようにすることも可能である。このような構成であっても、ラムクリアスイッチ217を押圧操作することができるとともに、たとえば、針金等を用いてラムクリアスイッチ217が不正に押下されることを防止できる。
また、この実施の形態1によれば、電源の供給があった場合に、電源スイッチおよびラムクリアスイッチ217の押圧操作をおこなった場合に電源の供給を開始し、その後ラムクリアスイッチ217の押圧操作が解除された場合に遊技を開始するので、電源の供給を開始したタイミングと遊技を開始するタイミングとを確実に異ならせることができる。
このため、たとえば主制御部(メイン基板)210に接続した不正な基板を介して大当たり判定用乱数のカウント値および初期値乱数をともに0(ゼロ)にした状態を不正に作り出すとともに、電源の供給を開始したタイミングを取得しても、電源の供給を開始したタイミングと大当たり判定用乱数の取得にかかるカウント値のカウントを開始するタイミングとが異なっているため、遊技機の外部から特定の数値の出現タイミングを予測することができない。
これによって、遊技機の外部から特定の数値の出現タイミングを予測して、特定の数値を大当たり判定用乱数として取得して大当たり遊技を高頻度でおこなわせる不正行為を防止することができる。
また、この実施の形態1によれば、たとえば停電時など主制御部210に対する電源の供給量が所定値を下回る状況が発生した場合は、遊技中の遊技情報のバックアップデータを生成する。そして、主制御部210に対する電源の供給があった場合のバックアップデータが無効であれば、たとえば初期値乱数や初期値データなど、大当たり判定用乱数の取得に用いる情報を初期化する。
この場合も、電源スイッチおよびラムクリアスイッチ217の押圧操作をおこなわなくては遊技を開始できない。すなわち、主制御部に接続した不正な基板が出力した信号によって電源の遮断および供給をおこなった場合には、電源の供給を開始した後に電源スイッチおよびラムクリアスイッチ217を押圧操作することができないため、以降の遊技を中止することができる。
これによって、遊技機の外部から特定の数値の出現タイミングを予測して、特定の数値を大当たり判定用乱数として取得して大当たり遊技を高頻度でおこなわせる不正行為を防止することができる。
また、この実施の形態1によれば、たとえば停電時など、主制御部210に対する電源の供給量が所定値を下回る状況が発生した後に主制御部210に対する電源の供給があった場合のバックアップデータが有効であれば、パチンコホールの従業員など、遊技機の起動操作者による格別の操作を介することなく、遊技を再開することができる。そして、この場合、電源復旧時処理以降も電源の供給が遮断された時点の遊技状態を継続して遊技を再開することができる。
これによって、大当たり判定用乱数のカウント値および初期値乱数が0(ゼロ)なることなく遊技を再開することができるので、遊技機の外部から特定の数値の出現タイミングを予測することを困難にすることができる。これによっても、遊技機の外部から特定の数値の出現タイミングを予測して、特定の数値を大当たり判定用乱数として取得して大当たり遊技を高頻度でおこなわせる不正行為を防止することができる。
また、この実施の形態1によれば、電源スイッチおよびラムクリアスイッチ217を押圧操作し、その後解除するという、通常ラムクリアをおこなう際の操作と同じ操作をおこなって出力される信号を検出している。そして、ラムクリアスイッチ217の押圧操作が解除された場合に遊技を開始する。
これにより、たとえば従業員などに対してあらたな作業を負担させることなく、上記の処理をおこなうことができる。これによって、遊技機の外部から特定の数値の出現タイミングを予測して、特定の数値を大当たり判定用乱数とすることで大当たり遊技を高頻度でおこなわせる不正行為を防止することができる。
また、初期値乱数を選択し、大当たり判定用乱数の取得にかかるカウンタ値のカウントを開始するための操作は、電源スイッチおよびラムクリアスイッチ217を押圧操作に限るものではなく、別の操作であってもよい。この場合、別の操作は、たとえば従業員などの負担を過度に増加させるものではなく、通常の電源投入と大差ない程度とすることが好ましい。これによっても、遊技機の外部から特定の数値の出現タイミングを予測して、特定の数値を大当たり判定用乱数とすることで大当たり遊技を高頻度でおこなわせる不正行為を防止することができる。
(実施の形態2)
つぎに、この発明にかかる遊技機の好適な実施の形態2を詳細に説明する。この実施の形態2においては、上述した実施の形態1と同一部分は同一符号で示し、説明を省略する。
この実施の形態2の遊技機は、電源投入制御処理が上述した実施の形態1の図8において示した電源投入制御処理とは異なる。図13は、実施の形態2の電源投入制御処理の手順を示すフローチャートである。図13に示した電源投入制御処理は、実施の形態1の図4において示したメイン基板処理におけるステップS401においておこなう。電源投入制御処理は、主制御部210に対する電源の供給があった場合に実行する。
図13のフローチャートにおいて、まず、主制御部210に対する電源の供給があった場合に、主制御部210の処理状態を割り込み禁止にする(ステップS1301)。そして、ラムクリアスイッチ217のレベルがオンであるか否かを判断する(ステップS1302)。上述したように、ラムクリアスイッチ217のレベルは、押圧操作されている状態でオンとなる。ラムクリアスイッチ217のレベルがオンである、すなわちラムクリアスイッチ217が押圧操作されている場合(ステップS1302:Yes)は、ステップS1306へ移行する。
ステップS1302において、ラムクリアスイッチ217のレベルがオンではない、すなわちラムクリアスイッチ217が押圧操作されていない場合(ステップS1302:No)は、RAM213に記憶されたバックアップデータが有効であるか否かを判断する(ステップS1303)。
ステップS1303においては、バックアップデータに関連付けられたフラグが立てられている(バックアップ有効フラグがオンである)か否かを判断する。そして、バックアップデータが無効である場合、すなわちバックアップデータに関連付けられたフラグが立てられていない(バックアップ有効フラグがオンではない)場合(ステップS1303:No)は、ステップS1306へ移行する。
ステップS1303において、バックアップデータが有効である場合(ステップS1303:Yes)は、RAM213に設けられた電源投入時RWM領域にチェックサムを作成する(ステップS1304)。そして、ステップS1304において作成したチェックサムが、バックアップデータと同値であるか否かを判断する(ステップS1305)。
ステップS1305において、チェックサムとバックアップデータとが同値ではない場合(ステップS1305:No)は、RWM領域を初期化する(ステップS1306)。そして、図柄制御部(サブ基板)220へ電源投入中コマンドを送信する(ステップS1307)。
つぎに、RAM213に記憶されている初期値乱数に+1して、初期値乱数を更新する(ステップS1308)。そして、+1することで更新した初期値乱数の値が、307以上であるか否かを判断する(ステップS1309)。この実施の形態2においては、上述したように0〜306までの数値群の中から初期値乱数を選択する。このため、ステップS1309においては、初期値乱数の取り得る最大値よりも大きい307以上であるか否かを判断する。すなわち、ステップS1309においては、乱数として用いる数値範囲によって、比較に用いる数値が異なる。
ステップS1309において、更新した初期値乱数の値が307未満である場合(ステップS1309:No)は、ステップS1311に移行する。一方、ステップS1309において、更新した初期値乱数の値が307以上である場合(ステップS1309:Yes)は、更新した初期値乱数の値が初期値乱数の取り得る最大値を超えていると判断できるので、初期値乱数の値を、初期値乱数の取り得る最小値である0にセットする(ステップS1310)。
そして、ラムクリアスイッチ217が出力する信号がオン状態を示す信号からオフ状態を示す信号に切り替わったか、すなわち、ラムクリアスイッチ217が出力する信号のエッジがオフ状態となったか否かを判断する(ステップS1311)。オフ状態となっていない場合(ステップS1311:No)は、ステップS1307に戻り、図柄制御部220へ電源投入中コマンドを送信する。
ステップS1311において、ラムクリアスイッチ217が出力する信号のエッジがオン状態からオフ状態となった場合(ステップS1311:Yes)は、RAM213に記憶されている初期値乱数を、大当たり判定用乱数としてセットして、大当たり判定用乱数を更新する(ステップS1312)。これにより、RAM213に記憶されている大当たり判定用乱数と初期値乱数とが同じ数値となる。
RAM213に記憶されている初期値乱数は、上述したように、大当たり判定用乱数とは異なる時期に随時更新されている。ステップS1312においては、大当たり判定用乱数を、RAM213における大当たり判定用乱数の取得にかかるカウンタ値が初期値データと一致すると判定した時点においてRAM213に記憶されている初期値乱数に更新する。
これによって、電源投入時のラムクリアスイッチ217の操作の後に、再度ラムクリアスイッチ217が操作された時点における初期値乱数が、大当たり判定用乱数の取得にかかるカウンタ値の初期値として設定される。すなわち、遊技機は、大当たり判定用乱数の取得にかかるカウンタ値のカウントを、再度ラムクリアスイッチ217が操作された時点における初期値乱数から開始する。
具体的には、たとえば再度ラムクリアスイッチ217が操作された時点における初期値乱数が41であれば、41、42、・・・、306、0、1、・・・、305というカウントをおこなう。また、具体的には、たとえば再度ラムクリアスイッチ217が操作された時点における初期値乱数が304であれば、304、305、306、0、1、・・・、303というカウントをおこなう。
つぎに、初期値データを初期値乱数に更新する(ステップS1313)。上述したように、RAM213に記憶されている初期値乱数は、4msecごとに更新されているため、ステップS1313においては、RAM213に記憶されている大当たり判定用乱数が初期値データと一致すると判定した時点においてRAM213に記憶されている初期値乱数を、初期値データとしてセットすることで初期値データを更新する。その後、ステップS1301において禁止した割り込みを許可する状態にして(ステップS1314)、一連の電源投入制御処理を終了する。
また、ステップS1305において、チェックサムとバックアップデータとが同値である場合(ステップS1305:Yes)は、電源復旧時処理をおこない(ステップS1315)、一連の電源投入制御処理を終了する。電源復旧時処理については、ここでは説明を省略する。
上述したように、この実施の形態2によれば、電源の供給があった場合は、ラムクリアスイッチ217の押圧操作が解除されるまで、初期値乱数が更新されつづける。すなわち、初期値乱数は、電源の供給があった時点からラムクリアスイッチ217の押圧操作が解除された時点までの間、更新されつづける。そして、電源の供給があった時点からラムクリアスイッチ217の押圧操作が解除された時点までの間隔は、人為的に一定にすることは極めて難しく、たとえばラムクリアスイッチ217を操作する店員などの感覚によって、操作ごとに異なる。
これによって、電源の供給を開始したタイミングと初期値乱数を取得するタイミングとを異ならせることができる。そして、これによってこの実施の形態2によれば、遊技機の外部から特定の数値の出現タイミングを予測し、特定の数値を大当たり判定用の数値として取得して大当たり遊技を高頻度でおこなわせる不正行為を防止することができる。
また、この実施の形態2によれば、大当たり判定用乱数および初期値乱数を所定数の数値を用いることで取得することができる。すなわち、大当たり判定用乱数および初期値乱数を取得するために用いるデータが過剰に多量になることを抑制しつつ、遊技機の外部から特定の数値の出現タイミングを予測し、特定の数値を大当たり判定用の数値として取得して大当たり遊技を高頻度でおこなわせる不正行為を防止することができる。
また、電源を供給するための操作とは別に、ラムクリアスイッチ217の押圧操作を規定の回数おこなわせ、規定回数後の操作の解除を検出した場合に初期値乱数を選択し、大当たり判定用乱数の取得にかかるカウンタ値のカウントを開始するようにしてもよい。この場合、押圧操作の回数は、たとえば従業員などに追加する操作負担が、通常の電源投入と大差ない軽微なものとなる範囲の回数であることが好ましい。
これにより、たとえば従業員などは、電源投入時のラムクリア操作に加えて、同じ操作を繰り返す程度の軽微な負担の追加だけで、上記の処理をおこなわせることができる。これによって、遊技機の外部から特定の数値の出現タイミングを予測して特定の数値を大当たり判定用乱数とすることで大当たり遊技を高頻度でおこなわせる不正行為を防止することができる。
また、この場合、ラムクリアスイッチ217の押圧操作を規定の回数おこなわせることにより、電源の供給を開始したタイミングと遊技を開始するタイミングとを確実に異ならせることができる。すなわち、たとえば主制御部(メイン基板)210に接続した不正な基板を介して大当たり判定用乱数のカウント値および初期値乱数をともに0(ゼロ)にした状態を不正に作り出すとともに、電源の供給を開始したタイミングを取得しても、電源の供給を開始したタイミングと大当たり判定用乱数の取得にかかるカウンタ値のカウントを開始するタイミングとが異なっているため、遊技機の外部から特定の数値の出現タイミングを予測することができない。
これによって、遊技機の外部から特定の数値の出現タイミングを予測して、特定の数値を大当たり判定用乱数として取得して大当たり遊技を高頻度でおこなわせる不正行為を防止することができる。
また、この実施の形態2によれば、たとえば停電時など主制御部210に対する電源の供給量が所定値を下回る状況が発生した場合は、遊技中の遊技情報のバックアップデータを生成する。そして、主制御部210に対する電源の供給があった場合のバックアップデータが無効であれば、たとえば初期値乱数や初期値データなど、大当たり判定用乱数の取得に用いる情報を初期化する。
この場合も、電源スイッチおよびラムクリアスイッチ217の押圧操作および解除をおこなわなくては遊技を開始できない。すなわち、主制御部210に接続した不正な基板が出力した信号によって電源の遮断および供給をおこなった場合には、電源の供給を開始した後に電源スイッチおよびラムクリアスイッチ217を押圧操作することができず、ラムクリアスイッチ217の押圧操作を解除することも不可能であるため、以降の遊技を中止することができる。
これによって、遊技機の外部から特定の数値の出現タイミングを予測して、特定の数値を大当たり判定用乱数として取得して大当たり遊技を高頻度でおこなわせる不正行為を防止することができる。
そして、上述した実施の形態によれば、開口部を覆う蓋部材をケース部材の面に沿って移動する構成としたので、開閉動作に伴う余計なスペースをとることがなく、蓋部材を設けることができる。また、入力ボタンを押下する際には、蓋部材を開状態にするという手順を踏まなければならないので、入力ボタンを機械的な操作力によって押下する不正を抑止することができる。
また、電源の供給があった場合に、電源を供給するための操作とは別に所定の操作がおこなわれないと遊技を開始することができないので、電源の供給を開始したタイミングと、大当たり判定用の数値の取得を開始するタイミングとを異ならせることができる。また、入力ボタンが基板本体上に設けられているので、不正なハーネスや基板などを、主基板に接続することを防止することができ、つまり、所定の操作信号を外部から入力できないようにすることができる。また、ケース部材には、開口部を備えることにより、当該開口部から入力ボタンに対する所定の操作をおこなうことができる。
これにより、本発明にかかる遊技機は、大当たり遊技を高頻度でおこなわせる不正行為を防止することができるようになる。