(実施の形態)
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる主制御基板、遊技機およびプログラムの好適な実施の形態を詳細に説明する。
(遊技機の基本構成)
図1は、本発明の遊技機の一例を示す正面図である。本発明の遊技機は、遊技盤101を備えている。遊技盤101の盤面には、ガラス枠ランプ(図2における符号262を参照)が設けられている。遊技機は、ランプ制御部(図2における符号230を参照)によってガラス枠ランプを駆動制御して、ガラス枠ランプを点灯あるいは点滅させる。これによって、遊技の演出効果を高めることができる。
遊技盤101の下部位置には、発射部(図示を省略する)が配置されている。発射部は、遊技領域103内に遊技球を発射する。発射部によって発射された遊技球は、レール102a,102b間を上昇して遊技盤101の上部位置に達した後、遊技領域103内を落下する。
遊技領域103には、複数の釘(図示を省略する)が設けられている。また、遊技領域103には、風車(図示を省略する)などが配設されている。複数の釘や風車などは、遊技領域103内を落下する遊技球の落下方向を変化させる。遊技領域103の中央部分には、図柄表示部104が配置されている。
図柄表示部104は、たとえば液晶表示器(LCD)によって実現することができる。図柄表示部104の下方には、始動入賞口105が配設されている。遊技機は、始動入賞口105に遊技球が入賞した場合に、大当たり判定用の数値としての大当たり判定用乱数を取得する。この実施の形態においては、0〜306までの整数の中から選択される任意の1つの数値を大当たり判定用乱数として取得する。大当たり判定用乱数については詳細を後述する(図6を参照)。
図柄表示部104の側方には、入賞ゲート106が配設されている。遊技機は、遊技球が入賞ゲート106を通過したことを検出した場合に、始動入賞口105を一定時間だけ開放させる。また、遊技機は、遊技球が始動入賞口105に入賞(始動入賞)すると、図柄表示部104において複数の図柄を変動表示し、所定時間後に変動表示を停止して任意の図柄を表示する。
このとき、遊技機は、取得した大当たり判定用乱数と、あらかじめ定められた数値(大当たり値)と、が一致するか否かに応じて、表示する図柄の内容を変化させる。この実施の形態における大当たり値は、0〜306までの整数を含む数値群の中の任意の1つの数値である。大当たり値は、たとえば遊技機ごとに遊技機の製造時などにあらかじめ定められ、所定の記憶領域(図2における符号212を参照)に記憶されている。
遊技機は、取得した大当たり判定用乱数と大当たり値とが一致する場合を大当たり状態とし、大当たり演出用の画像を図柄表示部104に表示する。遊技機は、たとえば大当たり状態において変動表示を停止したときに特定図柄(たとえば「777」)が揃うような画像を表示する。
図柄表示部104の側方や下方には、複数の普通入賞口107が配設されている。遊技機は、複数の普通入賞口107の中のいずれか1つの普通入賞口107に遊技球が入賞すると、普通入賞時の賞球数(たとえば10個)の遊技球を払い出す。遊技領域103の下方には、大入賞口109が設けられている。遊技機は、大当たり状態になると、大入賞口109を一定の期間開放する。そして、遊技機は、大入賞口109の開放を所定ラウンド(たとえば15ラウンド)繰り返し、入賞した遊技球に対応した数の賞球を払い出す。
大入賞口109は、大当たり状態以外の状態では、大入賞扉109aによって閉塞されている。大入賞口109および大入賞扉109aは、大入賞口109の開閉を検出する大入賞口開閉スイッチや、大入賞口109に入賞した遊技球を検出する左カウントスイッチや右カウントスイッチ(いずれも図示を省略する)などとともにアタッカーを構成する。遊技領域103の最下部には、回収口108が設けられている。回収口108は、上述したいずれの入賞口にも入賞しなかった遊技球を回収する。
遊技盤101の遊技領域103の外周部分には、枠部材110が設けられている。枠部材110は、遊技盤101の上下左右の4辺において遊技領域103の周囲を囲む形状を有している。また、枠部材110は、遊技盤101の盤面から遊技者側に突出する形状を有している。これにより、この実施の形態の遊技機を、枠部材110を備えていない他機種の遊技機よりも目立たせることができる。遊技機を目立たせることにより、遊技機の稼働率の向上を図るとともに、遊技機に対する不正行為に対する抑止力の強化を図ることができる。
枠部材110において、遊技領域103の上側および下側となる2辺には、演出ライト部111が設けられている。演出ライト部111は、それぞれ、複数のライト112を備えている。各ライト112は、装飾LED(図2における符号261を参照)を含み、光の照射方向を上下方向に変更することができる。また、演出ライト部111は、光の照射方向を回転させることができる。遊技機は、各ライト112が照射する光の照射方向を変更するモータ(図示を省略する)などを備えている。
遊技機は、たとえば大当たり状態となった場合に、演出ライト部111による光の照射方向を変更する。これにより、遊技機が大当たり状態となっていることを周囲に知らしめることができ、大当たり状態となった遊技者の注目度を高めることができる。これによって、遊技者に対して、注目されていることによる高揚感を与え、この実施の形態の遊技機を継続あるいは繰り返して利用させ、遊技機の稼働率の向上を図ることができる。
また、光の照射方向は、たとえば通常の遊技時とは異なる異常事態が発生した場合に変更するようにしてもよい。ここでいう異常事態は、たとえば遊技機に対する何らかの不正行為がおこなわれた場合などである。これにより、不正行為を迅速に発見するとともに、遊技機に対する次回以降の不正行為に対する抑止力の強化を図ることができる。
枠部材110の下部位置には、操作ハンドル113が配置されている。操作ハンドル113は、上記の発射部の駆動によって遊技球を発射させる際に、遊技者によって操作される。操作ハンドル113は、上記の枠部材110と同様に、遊技盤101の盤面から遊技者側に突出する形状を有している。
操作ハンドル113は、上記の発射部を駆動させて遊技球を発射させる発射指示部材114を備えている。発射指示部材114は、操作ハンドル113の外周部において、遊技者から見て右回りに回転可能に設けられている。発射部は、発射指示部材114が遊技者によって直接操作されている場合に、遊技球を発射させる。操作ハンドル113は、遊技者が発射指示部材114を直接操作していることを検出するセンサなどを備えている。
遊技盤101には、図柄表示部104の表示領域以外の位置に、演出用の役物(以下、「演出役物」という)が設けられていてもよい。演出役物は、たとえば上述した装飾LEDなどを備えている。この場合、遊技機は、演出役物が備えるLEDの発光タイミングを制御することによって演出効果を高めることができる。
また、演出役物は、たとえばモータやソレノイド(いずれも図示を省略する)などの駆動力を受けて動作する可動式の演出役物であってもよい。可動式の演出役物は、図柄表示部104における画像の表示動作に連動して動作してもよい。遊技機は、このように演出役物の動作と図柄表示部104における画像の表示動作とを連動することによって演出効果を高めることができる。
枠部材110において、遊技領域103の下側となる辺には、遊技者による操作を受け付けるチャンスボタン117が設けられている。この実施の形態において、チャンスボタン117は、凸状ボタン形状を有している。チャンスボタン117は、凸状ボタンの他、タッチパネル方式を採用した入力パッドなどであってもよい。チャンスボタン117の操作は、たとえば遊技中における特定のリーチ演出に際し、チャンスボタン117の操作を促すガイダンスが表示されている間有効となる。
枠部材110において、チャンスボタン117の隣には、十字キー118が設けられている。十字キー118は、図柄表示部104に表示される文字や図形などを指し示す位置を変更するカーソルキー301〜304と、カーソルキー301〜304の操作によって選択された文字や図形などを確定する「ENTER」キー(図示を省略する)と、を備えている。
また、枠部材110には、音声を出力する下部バスSP(図2における符号271を参照)や上部ステレオスピーカ(図2における符号272を参照)が組み込まれている。遊技機は、上部ステレオスピーカや下部バスSPから、たとえば図柄表示部104の表示内容に応じた音声を出力する。これによって演出効果を高めることができる。
(遊技機の制御部の内部構成)
図2は、遊技機の制御部の内部構成を示すブロック図である。遊技機の制御部は、複数の制御部により構成されている。図2において、制御部は、主制御部210と、図柄制御部220と、ランプ制御部230と、音声制御部240と、を有する。主制御部210、図柄制御部220、ランプ制御部230および音声制御部240は、それぞれ別々の基板に設けられている。
主制御部210は、遊技機の遊技にかかる基本動作を制御する。主制御部210は、たとえばメイン基板によってその機能を実現することができる。主制御部210は、CPU211と、ROM212と、RAM213と、I/O214〜216と、ラムクリアスイッチ217と、を備えて構成される。CPU211は、ROM212に記憶されたプログラムに基づき、遊技内容の進行に伴う基本処理を実行する。
RAM213は、CPU211の演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能する。CPU211は、1ループが0〜306までの数値で+1ずつカウントアップする。また、CPU211は、このカウントアップを、主制御部210への電源供給時から開始する。さらに、CPU211は、1ループ分のカウント後は、つぎの1ループ分のカウントおこなう、というようにループ状のカウントをおこなう。そして、CPU211は、始動入賞した時点のカウント値を大当たり判定用乱数として取得する。RAM213は、たとえばこのような大当たり判定用乱数の取得に際してのカウンタとして機能する。
この実施の形態においては、0〜306までの整数を含む数値群の中の任意の1つの数値を、大当たり判定用乱数として取得する。このため、CPU211は、カウンタにおいて0〜306までの数値を+1ずつカウントし、0〜306までの整数を含む数値群の中の数値を大当たり判定用乱数として取得する。
大当たり判定用乱数は、始動入賞したタイミングによって異なる。始動入賞の判断については後述する。この実施の形態においては、上述したように0〜306までの整数を含む数値群の中の任意の1つの数値が大当たり値であるため、このようなカウント設定がなされた遊技機において大当たりが発生する確率は1/307である。
CPU211は、大当たり判定用乱数を取得するごとに、取得した大当たり判定用乱数とROM212に記憶されている大当たり値とを比較して、大当たり判定をおこなう。CPU211は、具体的には、たとえば大当たり判定用乱数と大当たり値とが一致するか否かを判定し、一致する場合を大当たりと判定する。
また、RAM213は、初期値乱数および初期値データを記憶するRWM領域を備えている。初期値乱数は、大当たり判定用の数値のカウンタとは別に、+1ずつカウントされる0〜306までの数値の中から選択される任意の数値である。初期値乱数は、大当たり判定用の数値のカウンタが1ループした後に、つぎの1ループ分のカウントを開始するための開始位置を指定する数値である。
CPU211は、具体的には、たとえば0〜306までのカウントが終了した場合の初期値乱数が77であれば、つぎの1ループは77〜306→0〜76の順序でカウントする。また、CPU211は、76までのカウントが終了した場合の初期値乱数が115であれば、つぎの1ループは115〜306→0〜114の順序でカウントする。
CPU211は、初期値乱数のカウント値を、大当たり判定用の数値のカウント値とは異なる時期に+1する。CPU211は、具体的には、たとえば初期値乱数のカウント値を更新するタイミングと大当たり判定用の数値のカウント値を更新するタイミングとを異ならせることで+1する時期を異ならせる。また、CPU211は、具体的には、たとえば初期値乱数の更新間隔と大当たり判定用乱数の取得にかかるカウント値の更新間隔とを同じ間隔(たとえば4msec)でおこなう。
初期値データは、大当たり判定用乱数を取得するためにカウント中のループの初期値乱数である。このため、初期値データは、0〜306までの数値の中から選択される任意の数値である。初期値データは、1ループ分のカウントを開始した時点で決定される(図6を参照)。すなわち、初期値データは、現在カウント中の1ループのカウントを開始した数値である。そして、初期値乱数は、つぎにカウントする1ループ分のカウントを開始する数値である。
I/O214は、始動スイッチ(始動SW)251が出力した信号と、ゲートスイッチ(ゲートSW)252が出力した信号と、をCPU211に入力する。始動SW251およびゲートSW252は、たとえば近接センサなどによって実現することが可能である。この場合、始動SW251およびゲートSW252は、遊技球が各スイッチ251、252に接近したタイミングでオン状態を示す信号を出力する。
CPU211は、一定時間(たとえば4msec)ごとに始動SW251およびゲートSW252の出力を監視している。遊技機は、たとえば遊技球が始動入賞口105を通過した場合、始動SW251からの出力は2回以上連続してオン状態となる。CPU211は、始動SW251からの出力が2回以上連続してオン状態となった場合を、遊技球が始動入賞口105を通過したものとして判断する(図11を参照)。
また、I/O214は、大入賞口スイッチ(大入賞口SW)253からの出力信号をCPU211に入力する。大入賞口SW253は、たとえば近接センサなどによって実現することが可能である。CPU211は、大入賞口SW253からの出力信号に基づいて、遊技球が大入賞口109に入賞したことを検出する。また、CPU211は、遊技球が大入賞口109に入賞したことを受信すると、賞球制御部(図示を省略する)に対して、賞球制御信号を出力する。
賞球制御部は、賞球制御の処理を実行するCPUと、CPUの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能するRAMと、主制御部210や払出部(図示を省略する)に対するデータの出力をおこなうI/Oなどを備えて構成される。賞球制御部は、主制御部210からの賞球制御信号を受信すると、賞球制御部に接続される払出部に対して、各入賞口(始動入賞口105、普通入賞口107、大入賞口109)に入賞した遊技球に対応した賞球数を払い出す制御をおこなう。払出部は、遊技球の貯留部(図示を省略する)から所定数を払い出すためのモータ等からなる。
CPU211は、大当たりが発生した場合に、I/O214を介して、大入賞口ソレノイド254に対して大入賞口ソレノイド254の開閉信号を出力する。また、CPU211は、大当たりが発生した場合に、大入賞口109を一定期間開放するように大入賞口ソレノイド254の開閉を制御する。さらに、CPU211は、大当たりが発生した場合に、大入賞口109の開放を所定ラウンド(たとえば15ラウンド)繰り返すように大入賞口ソレノイド254の開閉を制御する。
また、I/O214は、普通入賞口スイッチ(普通入賞口SW)255、256からの出力信号を、CPU211に入力する。普通入賞口SW255、256は、たとえば近接センサなどによって実現することが可能である。CPU211は、普通入賞口SW255、256からの出力信号に基づいて、遊技球が普通入賞口107に入賞したことを検出する。また、CPU211は、遊技球が普通入賞口107に入賞したことを受信すると、上述した賞球制御部に対して賞球制御信号を出力する。
I/O215は、ラムクリアスイッチ217からの出力信号を、CPU211に入力する。ラムクリアスイッチ217は、押圧操作されている状態でオン状態を示す信号を出力する。また、ラムクリアスイッチ217は、たとえばメイン基板などに設けられている。これにより、ラムクリアスイッチ217を操作することによる操作信号を、直接主制御部210に入力することができ、ラムクリア信号を遊技機の外部から入力できないようにすることができる。
また、ラムクリアスイッチ217は、加えられた外力に応じて凹凸する構造を有している。これによって、ラムクリアスイッチ217は、ラムクリアスイッチ217を直接操作した場合に限って、主制御部210にラムクリア信号を出力する。すなわち、主基板に接続した不正なハーネスや基板などを介して、ラムクリア信号を遊技機の外部から入力できないようにすることができる。
遊技機は、ラムクリアスイッチ217をカバーするカバー部材を備えていてもよい。カバー部材は、ラムクリアスイッチ217の操作を制限するために設けられる。カバー部材は、たとえばラムクリアスイッチ217の操作の前にはかならず開放するような操作がなされない限り、ラムクリアスイッチ217の操作ができないようにラムクリアスイッチ217をカバーする形状および構造を有している。なお、ここでは、カバー部材217の形状および構造については説明を省略する。
CPU211は、たとえば電源スイッチ(図示を省略する)が操作されるなどして電源の供給があった場合、ラムクリアスイッチ217からオン状態を示す信号が出力されていると、遊技の遊技情報を初期化(ラムクリア)する。CPU211は、ラムクリアに際して、たとえばRWM領域に記憶された初期値乱数や初期値データなどを0(ゼロ)にする。
CPU211は、始動SW251、ゲートSW252、大入賞口SW253、普通入賞口SW255、256から受信した各種の出力信号に応じた制御信号を生成し、生成した制御信号をI/O216を介して図柄制御部220に出力する。また、CPU211は、電源の供給状態とラムクリアスイッチ217からの出力信号に応じた制御信号を生成し、生成した制御信号をI/O216を介して図柄制御部220に出力する。
図柄制御部220は、主制御部210が出力した制御信号に基づいて、遊技機の演出制御をおこなう。この実施の形態では、図柄表示部220が、演出制御基板として機能する。図柄制御部220は、CPU221と、ROM222と、RAM223と、I/O224〜226と、を備えて構成される。
CPU221は、I/O224を介して主制御部210からの制御信号およびROM212に記憶されたプログラムに基づいて、遊技内容を演出する演出処理を実行する。ROM222は、演出処理の実行にかかる各種プログラムや、図柄表示部104に表示する各種画像データを記憶する。各種画像データは、背景画像、図柄画像、キャラクタ画像などである。RAM223は、CPU221の演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能する。
CPU221は、たとえばROM222に記憶されたプログラムを読み込んで、背景画像表示処理、図柄画像表示/変動処理、キャラクタ画像表示処理など各種画像処理を実行する。また、CPU221は、各種画像処理の実行に際し、適宜必要な画像データをROM222から読み出し、読み出した画像データを、I/O225を介して図柄表示部104に出力する。ここで、CPU221は、具体的には、たとえば入賞するまでの間遊技内容を演出する図柄や、リーチ(3つの図柄のうち2つが揃った状態)図柄、大当たり時の遊技内容を演出する図柄などをあらわす画像データを出力する。
図柄表示部104は、図柄制御部220から受信した画像データをVRAMなどに書き込む。図柄表示部104は、図柄画像やキャラクタ画像は背景画像よりも手前に見えるように表示する。具体的には、たとえば図柄表示部104が表示する背景画像と図柄画像の表示位置が表示画面内の同一位置に重なる場合、Zバッファ法など周知の陰面消去法により各画像データのZバッファのZ値を参照することで、図柄画像を優先してVRAM244に記憶させる。
I/O225は、上述したチャンスボタン117からのチャンスボタン操作信号を、CPU221に入力する。また、I/O225は、チャンスボタン117以外の別のボタンからの操作信号を、CPU221に入力してもよい。別のボタンとしては、たとえば、上述した十字キー118によって選択された文字や図形などを特定するとともに、特定された文字や図形を確定する「ENTER」ボタンなどを設けてもよい。
CPU221は、I/O226を介して、演出処理をおこなうための各種の信号のうち、装飾LED261、ガラス枠ランプ262およびサイドランプ263などの遊技機が備える各種の光源の発光動作の制御に関する制御信号をランプ制御部230に出力する。また、CPU221は、演出処理をおこなうための各種の信号のうち、下部バスSP271や上部ステレオスピーカ272からの音声出力制御に関する制御信号を音声制御部240に出力する。
ランプ制御部230は、図柄制御部220がおこなう演出処理のうち、装飾LED261、ガラス枠ランプ262、サイドランプ263などの発光体の発光制御をおこなう。ランプ制御部230は、CPU231と、ROM232と、RAM233と、I/O234、235と、を備えて構成される。
CPU231は、I/O234によって入力された図柄制御部220からの制御信号に基づいて、ROMに記憶されたプログラムを読み込む。そして、CPU231は、読み込んだプログラムを実行することにより、装飾LED261、ガラス枠ランプ262、サイドランプ263などの発光体の発光/消灯を制御する。RAM233は、CPU231の演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能し、CPU231による発光体の発光/消灯に際して適宜必要なデータが書き込まれる。
音声制御部240は、図柄制御部220がおこなう演出処理のうち、音声出力に関する音声出力処理をおこなう。音声制御部240は、CPU241と、ROM242と、RAM243と、I/O244、245と、を備えて構成される。CPU241は、I/O244によって入力した図柄制御部220からの制御信号に基づいて、ROM242に記憶されたプログラムを読み込んで音声出力処理をおこない、下部バスSP271や上部ステレオスピーカ272から音声を出力する。RAM243は、CPU241の演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能し、CPU241による音声出力処理に際して適宜必要なデータが書き込まれる。
図2に示したように、この実施の形態においては、上記構成の主制御部210と、図柄制御部220、ランプ制御部230および音声制御部240は、それぞれ異なるプリント基板(メイン基板、サブ基板、ランプ制御基板および音声制御基板)に設けられる。主制御部210、図柄制御部220、ランプ制御部230、音声制御部240は、各々が異なる基板に設けられている形態に限らない。たとえば、図柄制御部220とランプ制御部230と音声制御部240とを同一のプリント基板上に設けるなど、一部あるいはすべての制御部を同一のプリント基板上に設けることも可能である。
(主制御部の機能的構成)
つぎに、主制御部(メイン基板)210の機能的構成について説明する。図3は、主制御部210およびその周辺の機能的構成を示すブロック図である。図3において、主制御部210は、電源検出部301と、検出部302と、バックアップ部303と、記憶部304と、判断部305と、制御部306と、出力部307と、を備えている。
電源検出部301は、主制御部210に対する電源の供給の有無を検出する。遊技機の電源は、たとえば電源スイッチをオフにする操作がなされた場合に遮断され、電源スイッチをオンにする操作がなされた場合に供給される。また、遊技機の電源は、たとえば停電などにより電源自体の機能が停止した場合に遮断され、停電が解除されて電源自体の機能が復旧した場合に自動的に、あるいは電源投入操作された場合に供給される。
電源が遮断された場合、電圧の大きい基板の電圧値から徐々に低下する。電源検出部301は、たとえば主制御部210に対して供給される電源の電圧値に基づいて、当該電圧値が所定値を下回った場合に、主制御部210に対する電源の供給が遮断されたと判断する。なお、停電などによって電源が遮断された場合は、電圧値が所定値を下回る前に電源が所定値以上に復旧することもある。電源検出部301は、たとえばCPU211によってその機能を実現することができる。
検出部302は、主制御部210に対する電源の供給があった場合に、当該電源供給後に所定の操作がおこなわれたことを示す操作信号を検出する。検出部302は、たとえば電源供給後に出力されたラムクリア信号を検出する。すなわち、検出部302は、電源供給後に、電源スイッチとともにラムクリアスイッチ217が押圧操作されたことを検出する。この実施の形態においては、電源スイッチとともにラムクリアスイッチ217が1回押圧操作されたことを検出する。
検出部302は、たとえば電源供給後に、所定回数出力されたラムクリア信号を検出してもよい。すなわち、検出部302は、電源スイッチとともにラムクリアスイッチ217が所定回数押圧操作されたことを検出してもよい。ここで、所定回数は、2回あるいは3回以上の任意の回数に設定することが可能である。検出部は、たとえばCPU211、I/O214によってその機能を実現することができる。
また、検出部302は、所定の複数種類のキー操作がおこなわれたことを示す操作信号を検出してもよい。所定の複数種類のキー操作は、電源スイッチとともにラムクリアスイッチ217を押圧操作すること以外の操作であり、たとえば電源スイッチとともにチャンスボタン117を押圧操作することとすることができる。また、所定の複数種類のキー操作は、たとえばチャンスボタン117とともにラムクリアスイッチ217を押圧操作することとしてもよい。検出部302は、たとえばCPU211、ROM212、I/O215、電源スイッチおよびラムクリアスイッチ217によってその機能を実現することができる。
バックアップ部303は、主制御部210に対する電源の供給量が所定値を下回る場合、遊技中の遊技情報のバックアップデータを生成する。バックアップ部303は、たとえば遊技中の遊技情報をすべて含むバックアップデータを生成する。バックアップデータの生成については後述する(図7を参照)。
遊技中の遊技情報は、たとえば、払い出し予定の賞球個数、大当たり中であればラウンド数などである。また、遊技中の遊技情報は、たとえば大当たり判定用乱数、大当たり判定用乱数の取得にかかるカウント値、初期値乱数、初期値乱数の取得にかかるカウント値、初期値データである。記憶部304は、バックアップ部303が生成したバックアップデータを記憶する。記憶部304は、たとえばRAM213によってその機能を実現することができる。
また、バックアップ部303は、バックアップデータの生成が正常に完了した場合、生成したバックアップデータに関連付けて当該バックアップデータが有効であることを示すフラグを立てる。記憶部304は、バックアップデータが有効であることを示すフラグを生成したバックアップデータに関連付けて記憶する。バックアップ部303は、たとえばCPU211、ROM212およびRAM213によってその機能を実現することができる。
判断部305は、主制御部210に対する電源の供給があった場合、バックアップ部303により生成されたバックアップデータの有効性を判断する。判断部305は、たとえばバックアップデータに関連付けられたフラグが立てられている場合、当該バックアップデータが有効であると判断する。一方、判断部305は、バックアップデータに関連付けられたフラグがない場合、当該バックアップデータが無効であると判断する。判断部305は、たとえばCPU211、ROM212およびRAM213によってその機能を実現することができる。
制御部306は、検出部302によってラムクリア信号が検出された場合に、遊技を開始する。制御部306は、具体的には、たとえば発射部による遊技球の発射を可能とし、図柄制御部220に対して演出処理をおこなわせる制御信号を出力する。また、制御部306は、具体的には、たとえば始動入賞があった場合に大当たり判定用乱数を取得する。さらに、制御部306は、具体的には、たとえば初期値乱数の選択を開始する。これによって、大当たり判定が可能になる。
また、制御部306は、判断部305による判断結果に基づいて、バックアップデータが無効である場合に、遊技中の遊技情報を初期化する。制御部306は、バックアップデータが無効である場合は、たとえば大当たり判定用乱数、大当たり判定用乱数の取得にかかるカウント値、初期値乱数、初期値乱数の取得にかかるカウント値、初期値データなどをすべて0(ゼロ)にする。制御部306は、たとえばCPU211、ROM212、RAM213およびI/O216によってその機能を実現することができる。
出力部307は、主制御部210に対する電源の供給があった場合、検出部302によってラムクリア信号が検出されるまでの間、図柄制御部220に対して異常演出の開始信号を出力する。異常演出は、たとえば遊技機に異常が発生したことを告知する異常告知画像を図柄表示部104に表示することによっておこなう。出力部307は、たとえばCPU211、ROM212、RAM213およびI/O216によってその機能を実現することができる。
また、異常演出は、たとえば下部バスSP271や上部ステレオスピーカ272から、サイレンなどの警報音声を出力することによっておこなう。さらに、異常検出は、たとえば装飾LED261、ガラス枠ランプ262およびサイドランプ263などを所定のパターンで点滅(点灯でも可)させることによっておこなってもよい。
遊技機は、異常演出として、異常告知画像の表示、警報音声の出力、各種ランプの点滅のすべてをおこなう。また、遊技機は、異常演出として、異常告知画像の表示、警報音声の出力、各種ランプの点滅のいずれか1つあるいは2つをおこなってもよい。遊技機は、異常演出として、たとえば異常告知画像の表示および警報音声の出力をおこなってもよいし、警報音声の出力および各種ランプの点滅をおこなってもよいし、異常告知画像の表示および各種ランプの点滅をおこなってもよい。
(主制御部の処理手順)
つぎに、主制御部210の処理手順について説明する。主制御部210は、メイン基板処理、メイン基板処理(INT割り込み)、バックアップ制御処理などの各処理をおこなう。ここで、メイン基板処理について説明する。図4は、メイン基板処理の手順を示すフローチャートである。図4のフローチャートにおいて、まず、電源投入制御処理をおこなう(ステップS401)。電源投入制御処理については詳細を後述する(図8を参照)。
そして、電源投入制御処理のつぎに、各種出力処理をおこなう(ステップS402)。ステップS402においては、各種出力処理として、たとえば図柄表示部104において起動用の画像を表示させたり、下部バスSP271や上部ステレオスピーカ272から警報音を出力したり、装飾LED261、ガラス枠ランプ262、サイドランプ263などの発光体を発光させたりする。
つぎに、各種割り込み外制御処理をおこなう(ステップS403)。ステップS403においては、割り込み外制御処理として、主制御部210がおこなう処理のうち、INT割り込みするメイン基板処理(図5を参照)に含まれる処理以外の処理をおこなう。ステップS403においては、具体的には、たとえば、時間制御処理、乱数制御処理、特図特電制御処理、普図普電制御処理、払出制御処理、データ作成処理、出力制御処理以外の処理を実行する。
つぎに、主制御部210の処理状態を割り込み禁止とし(ステップS404)、割り込み禁止にした状態で初期値乱数に+1して、初期値乱数を更新する(ステップS405)。そして、+1することで更新した初期値乱数の値が、307以上であるか否かを判断する(ステップS406)。
この実施の形態においては、上述したように0〜306までの数値群の中から初期値乱数を選択する。このため、ステップS406においては、初期値乱数の取り得る最大値よりも大きい307以上であるか否かを判断する。すなわち、ステップS406においては、乱数として用いる数値範囲によって、比較に用いる数値が異なる。
ステップS406において、更新した初期値乱数の値が307未満である場合(ステップS406:No)は、ステップS408に移行する。一方、ステップS406において、更新した初期値乱数の値が307以上である場合(ステップS406:Yes)は、更新した初期値乱数の値が初期値乱数の取り得る最大値を超えていると判断できるので、初期値乱数の値を、初期値乱数の取り得る最小値である0にセットする(ステップS407)。その後、ステップS404において禁止した割り込みを許可する状態にして(ステップS408)、ステップS403へ戻る。以降、ステップS403〜ステップS408の処理を繰り返す。
つぎに、INT割り込みするメイン基板処理について説明する。図5は、INT割り込みするメイン基板処理の手順を示すフローチャートである。図5に示したINT割り込みするメイン基板処理は、図4に示した電源投入制御処理の実行中に、電源投入制御処理に割り込ませて実行される。また、INT割り込みするメイン基板処理は、電源投入制御処理とは別に開始される。さらに、INT割り込みするメイン基板処理は、所定時間(たとえば4msec)ごとに開始される。
図5のフローチャートに示したように、まず、時間制御処理を実行し(ステップS501)、つぎに乱数制御処理を実行する(ステップS502)。ステップS501において実行する時間制御処理、ステップS502で実行する乱数制御処理については詳細を後述する。
その後、特図特電制御処理、普図普電制御処理、払出制御処理、データ作成処理、出力制御処理を順番におこなう(ステップS503〜ステップS507)。その後、前回のINT割り込みするメイン基板処理を開始してから4msecが経過した場合に、再度ステップS501に戻り、一連の処理を実行する。なお、ステップS503〜ステップS507において実行する時間制御処理、特図特電制御処理、普図普電制御処理、払出制御処理、データ作成処理および出力制御処理については、ここでは説明を省略する。
つぎに、INT割り込みするメイン基板処理のうち、乱数制御処理について説明する。乱数制御処理は、図4に示したメイン基板処理の実行中に開始される、INT割り込みするメイン基板処理の中で実行される。図6は、乱数制御処理の処理手順を示すフローチャートである。図6において、まず、RAM213における大当たり判定用乱数の取得にかかるカウント値に+1して、大当たり判定用乱数の取得にかかるカウント値(図6において「カウント値(大当たり判定用乱数)」と記載)を更新する(ステップS601)。
そして、ステップS601において+1することで更新した大当たり判定用乱数の取得にかかるカウント値が、307以上であるか否かを判断する(ステップS602)。この実施の形態においては、上述したように0〜306までの数値群の中から大当たり判定用乱数を取得する。このため、ステップS602においては、大当たり判定用乱数の取得にかかるカウント値の取り得る最大値よりも大きい307以上であるか否かを判断する。すなわち、ステップS602においては、乱数として用いる数値範囲によって、比較に用いる数値が異なる。
ステップS602において、更新した大当たり判定用乱数の取得にかかるカウント値が307未満である場合(ステップS602:No)は、ステップS604に移行する。この場合、RAM213には、+1することで更新した数値が大当たり判定用乱数の取得にかかるカウント値として記憶される。
一方、ステップS602において、更新した大当たり判定用乱数の取得にかかるカウント値が307以上である場合(ステップS602:Yes)は、更新した大当たり判定用乱数の取得にかかるカウント値が大当たり判定用乱数の取り得る最大値を超えていると判断できるので、大当たり判定用乱数の取得にかかるカウント値を、大当たり判定用乱数の取り得る最小値である0にセットする(ステップS603)。この場合、RAM213には、0(ゼロ)が大当たり判定用乱数として記憶される。
つぎに、RAM213における大当たり判定用乱数の取得にかかるカウント値が、初期値データと一致するか否かを判断する(ステップS604)。ステップS604において、RAM213における大当たり判定用乱数の取得にかかるカウント値が、初期値データと一致しない場合(ステップS604:No)は、一連の乱数制御処理を終了する。この実施の形態では、図5に示したように、乱数制御処理を終了した後に、特図特電制御処理を開始する。
一方、ステップS604において、RAM213における大当たり判定用乱数の取得にかかるカウント値が、初期値データと一致する場合(ステップS604:Yes)は、RAM213に記憶されている初期値乱数を、大当たり判定用乱数の取得にかかるカウント値としてセットして、大当たり判定用乱数の取得にかかるカウント値を更新する(ステップS605)。これにより、RAM213に記憶されている大当たり判定用乱数の取得にかかるカウント値と初期値乱数とが同じ数値となる。
RAM213に記憶されている初期値乱数は、上述したように、大当たり判定用乱数の取得にかかるカウント値とは異なる時期に随時更新されている。ステップS605においては、大当たり判定用乱数の取得にかかるカウント値を、RAM213における大当たり判定用乱数の取得にかかるカウント値が初期値データと一致すると判定した時点においてRAM213に記憶されている初期値乱数に更新する。
つぎに、初期値データを初期値乱数に更新して(ステップS606)、一連の乱数制御処理を終了する。上述したように、RAM213に記憶されている初期値乱数は、上述した図4の処理によって随時更新されているため、ステップS606においては、RAM213に記憶されている大当たり判定用乱数が初期値データと一致すると判定した時点においてRAM213に記憶されている初期値乱数を、初期値データとしてセットする。この実施の形態では、乱数制御処理を終了した後に、特図特電制御処理を開始する。
図6におけるステップS605の処理とステップS606の処理とは、いずれのステップを先におこなってもよい。すなわち、この実施の形態においてはステップS605の処理の後にステップS606の処理をおこなう説明をしたが、ステップS606の処理の後にステップS605の処理をおこなうことも可能である。
つぎに、バックアップ制御処理について説明する。図7は、バックアップ制御処理の手順を示すフローチャートである。バックアップ制御処理は、主制御部210に供給される電源の電圧値が、所定の電圧値以下に降下したことを示す電圧降下信号があった場合に、たとえば図4に示したメイン基板処理の実行中に割り込ませておこなう割り込み処理である。バックアップ制御処理は、主制御部210がおこなうすべての処理に優先しておこなわれる。バックアップ制御処理は、電圧降下信号があった任意のタイミングで開始する。
図7のフローチャートにおいて、まず、電圧降下信号があった場合はバックアップ有効フラグをオフにする(ステップS701)。これにより、バックアップ用として設定されていた電源オフ時RWM領域チェックサムが無効になる。そして、電源遮断時処理をおこなう(ステップS702)。電源遮断時処理については説明を省略する。
つぎに、電源をオフする時点における遊技機の遊技状態に基づいて、電源オフ時RWM領域チェックサムを作成する(ステップS703)。ステップS703の処理によって、電源をオフする時点における遊技に関する各種のデータがRWM領域に記憶される。その後、バックアップ有効フラグをオンにして(ステップS704)、一連のバックアップ制御処理を終了する。これにより、電源をオフする時点における遊技に関する各種のデータが、利用可能な状態で記憶される。
つぎに、電源投入制御処理について説明する。図8は、電源投入制御処理の手順を示すフローチャートである。図8に示した電源投入制御処理は、図4に示したメイン基板処理におけるステップS401においておこなう。電源投入制御処理は、主制御部210に対する電源の供給があった場合に実行する。
図8のフローチャートにおいて、まず、主制御部210に対する電源の供給があった場合に、主制御部210の処理状態を割り込み禁止にする(ステップS801)。そして、ラムクリアスイッチ217のレベルがオンであるか否かを判断する(ステップS802)。上述したように、ラムクリアスイッチ217のレベルは、押圧操作されている状態でオンとなる。ラムクリアスイッチ217のレベルがオンである、すなわちラムクリアスイッチ217が押圧操作されている場合(ステップS802:Yes)は、ステップS806へ移行する。
ステップS801において、ラムクリアスイッチ217のレベルがオンではない、すなわちラムクリアスイッチ217が押圧操作されていない場合(ステップS802:No)は、RAM213に記憶されたバックアップデータが有効であるか否かを判断する(ステップS803)。ステップS803においては、バックアップデータに関連付けられたフラグが立てられているか否かを判断する。バックアップデータが無効である場合、すなわちバックアップデータに関連付けられたフラグが立てられていない場合(ステップS803:No)は、ステップS806へ移行する。
ステップS803において、バックアップデータが有効である場合(ステップS803:Yes)は、RAM213に設けられた電源投入時RWM領域にチェックサムを作成する(ステップS804)。そして、ステップS804において作成したチェックサムが、バックアップデータと同値であるか否かを判断する(ステップS805)。
ステップS805において、チェックサムとバックアップデータとが同値ではない場合(ステップS805:No)は、バックアップデータが無効であると判断して、RWM領域を初期化する(ステップS806)。そして、図柄制御部(サブ基板)220へ電源投入中コマンドを送信する(ステップS807)。この実施の形態において、電源投入中コマンドは、ラムクリアスイッチ217の再操作を促すメッセージを図柄表示部104に表示させるための制御信号である。
図柄制御部220は、電源投入中コマンドが入力されると、図柄表示部104に電源投入中を案内する画像データを出力する。図柄制御部220は、たとえば「起動中」などのメッセージを表示するための画像データを出力する。また、図柄制御部220は、「遊技スタートキーを操作してください」などのメッセージを表示するための画像データを出力する。これにより、図柄表示部104は、図9に示したようなメッセージ901、902を表示する。
その後、ラムクリアスイッチ217が出力する信号のエッジがオン状態となったか否かを判断する(ステップS808)。ステップS807においては、ラムクリアスイッチ217が出力する信号がオフからオン状態になったことをもって、エッジがオン状態となったことを検出する。エッジがオン状態となっていない場合(ステップS808:No)は、ステップS807に戻り、図柄制御部220へ電源投入中コマンドを送信する。オン状態となった場合(ステップS808:Yes)は、ステップS801において禁止した割り込みを許可する状態にして(ステップS809)、一連の電源投入制御処理を終了する。
また、ステップS805において、チェックサムとバックアップデータとが同値である場合(ステップS805:Yes)は、バックアップデータが有効であると判断して、電源復旧時処理をおこなう(ステップS810)。電源復旧時処理については、ここでは説明を省略する。これにより、バックアップデータに基づいて、電源の供給が遮断された状態で遊技機を起動することができる。
この実施の形態によれば、バックアップデータが有効である場合には、たとえばパチンコホールの従業員など、遊技機の起動操作者による格別の操作を介することなく、電源復旧時処理以降も電源の供給が遮断された時点の遊技状態を継続して遊技を再開することができる。その後、ステップS809へ移行して、一連の電源投入制御処理を終了する。
つぎに、始動SW処理について説明する。始動SW処理は、図8に示した電源投入制御処理を終了し、大当たり判定用乱数の取得にかかるカウント値のカウントを開始した後に実行可能となる。図10は、始動SW処理の手順を示すフローチャートである。図10に示した始動SW処理は、所定時間(たとえば4msec)ごとに実行する。図10のフローチャートにおいて、まず、始動SW251がオン状態となったか否かを判断する(ステップS1001)。
ステップS1001において、始動SW251がオン状態となった場合(ステップS1001:Yes)は、エッジカウンタを+1し(ステップS1002)、+1したエッジカウンタの値が2であるか否かを判断する(ステップS1003)。+1したエッジカウンタの値が2である場合(ステップS1003:Yes)は、始動入賞信号をオン状態とする(ステップS1004)。これにより、始動入賞があったことが検出される。その後、始動SW処理を抜け、4msec後に再びステップS1001から処理を開始する。
一方、ステップS1001において始動SW251がオン状態となっていない場合(ステップS1001:No)は、RAM213に設けられたエッジカウンタの値を0(ゼロ)に設定する(ステップS1005)。また、ステップS1003において+1したエッジカウンタの値が2ではない場合(ステップS1003:No)は、そのまま始動SW処理を抜ける。そして、前回始動SW処理を開始してから4msecが経過した場合に、再びステップS1001から処理を開始する。
図11は、始動SW251の出力変化を示す説明図である。図11において、縦軸は電圧信号の変化、横軸は時間経過を示している。また、図11において、複数の点線は4msecの時間が経過したことを示している。図11に示したように、遊技球が始動入賞口105を通過した場合、始動SW251の出力は3回連続してオン状態となる。オン状態が連続する回数は、遊技球の大きさによって所定範囲内に定められる。このため、始動SW251の出力が4回連続してオン状態となった場合は、始動入賞口105に遊技球が詰まっているなど、遊技機に異常が発生していることを検出することも可能である。
つぎに、大当たり判定処理について説明する。大当たり判定処理は、図8に示した電源投入制御処理を終了し、大当たり判定用乱数の取得にかかるカウント値のカウントを開始した後に実行可能となる。また、大当たり判定処理は、図10に示した始動SW処理を終了し、始動入賞があったことが検出された後に実行可能となる。
図12は、大当たり判定処理の手順を示すフローチャートである。図12のフローチャートにおいて、まず、始動入賞があったか否かを判断する(ステップS1201)。ステップS1201においては、図10に示した始動SW処理の結果に基づいて、始動入賞があったか否かを判断する。始動入賞がない場合(ステップS1201:No)は、ステップS1205へ移行する。
ステップS1201において、始動入賞があった場合(ステップS1201:Yes)は、始動入賞した遊技球の保留個数が4個未満であるか否かを判断する(ステップS1202)。ここで、保留個数は、始動入賞した遊技球の個数である。言い換えれば、保留個数は、遊技球が始動入賞口105に入賞した回数(始動入賞数)を示している。遊技機は、具体的には、遊技球が始動入賞した時点で取得した大当たり判定用乱数の値を記憶している。遊技機は、保留個数をRAM213に設けられた記憶領域に記憶しておく。保留個数は、最大数で4個である。すなわち、遊技機は、最大で4回分の大当たり判定をおこなうだけの大当たり判定用乱数を記憶する。
ステップS1202において、保留個数が4個以上である場合(ステップS1202:No)は、ステップS1205へ移行する。一方、保留個数が4個未満である場合(ステップS1202:Yes)は、上述したように大当たり判定用乱数を取得する(ステップS1203)。そして、保留個数を+1するとともに、ステップS1203において取得した大当たり判定用乱数をRAM213に設けられた記憶領域に記憶する(ステップS1204)。
つぎに、ステップS1204において記憶された保留個数が1以上であるか否かを判断する(ステップS1205)。保留個数が1以上ではない場合(ステップS1205:No)は、ステップS1201に戻る。1以上である場合(ステップS1205:Yes)は、保留個数−1の数値を保留個数とするとともに、ステップS1204において記憶した大当たり判定用乱数を大当たり値と比較する(ステップS1206)。そして、比較した結果に基づいて、大当たり判定用乱数が大当たり値であるか否かを判断する(ステップS1207)。
ステップS1207において、大当たり判定用乱数が大当たり値である場合(ステップS1207:Yes)は、大当たり変動処理をおこなって(ステップS1208)、その後に図柄を停止させる(ステップS1209)。ステップS1209の大当たり変動処理によって、図柄表示部104は、大当たりの図柄が揃った状態の図柄(たとえば「777」)を表示する。その後、大当たり動作処理をおこなって(ステップS1210)から、ステップS1201に戻り、始動入賞があったか否かを判断する。大当たり変動処理、大当たり動作処理については、ここでは説明を省略する。
一方、ステップS1207において、大当たり判定用乱数が大当たり値ではない場合(ステップS1207:No)は、はずれ変動処理をおこなって(ステップS1211)、その後に図柄を停止させる(ステップS1212)。ステップS1212の処理によって、図柄表示部104は、3つの図柄が揃っていない状態の図柄を表示する。なお、はずれ変動処理については、ここでは説明を省略する。その後、ステップS1201に戻り、始動入賞があったか否かを判断する。
上述したように、この実施の形態によれば、電源の供給があった場合は、電源を供給するための操作とは別に、電源スイッチおよびラムクリアスイッチ217の押圧操作をおこなわなくては遊技を開始できない。このため、たとえばぶら下げ基板と称される不正な基板を主制御部210に接続し、この不正な基板が出力した信号によって電源の遮断および供給をおこなっても、電源の供給を開始した後に電源スイッチおよびラムクリアスイッチ217を押圧操作することができなければ、以降の遊技を中止することができる。
これによって、遊技機の外部から特定の数値の出現タイミングを予測して、特定の数値を大当たり判定用乱数として取得して大当たり遊技を高頻度でおこなわせる不正行為を防止することができる。
また、この実施の形態によれば、電源の供給があった場合は、電源を供給するための操作とは別に、電源スイッチおよびラムクリアスイッチ217の押圧操作をおこなった場合に遊技を開始するので、電源の供給を開始したタイミングと大当たり判定用乱数の取得を開始するタイミングとを異ならせることができる。
このため、たとえば主制御部(メイン基板)210に接続した不正な基板を介して大当たり判定用乱数のカウント値および初期値乱数をともに0(ゼロ)にした状態を不正に作り出すとともに、電源の供給を開始したタイミングを取得しても、電源の供給を開始したタイミングと大当たり判定用乱数の取得にかかるカウント値のカウントを開始するタイミングとが異なっているため、遊技機の外部から特定の数値の出現タイミングを予測することができない。
これによって、遊技機の外部から特定の数値の出現タイミングを予測して、特定の数値を大当たり判定用乱数として取得して大当たり遊技を高頻度でおこなわせる不正行為を防止することができる。
また、この実施の形態によれば、たとえば停電時など主制御部210に対する電源の供給量が所定値を下回る状況が発生した場合は、遊技中の遊技情報のバックアップデータを生成する。そして、主制御部210に対する電源の供給があった場合のバックアップデータが無効であれば、たとえば初期値乱数や初期値データなど、大当たり判定用乱数の取得に用いる情報を初期化する。
この場合も、電源スイッチおよびラムクリアスイッチ217の押圧操作をおこなわなくては遊技を開始できない。すなわち、主制御部に接続した不正な基板が出力した信号によって電源の遮断および供給をおこなった場合には、電源の供給を開始した後に電源スイッチおよびラムクリアスイッチ217を押圧操作することができないため、以降の遊技を中止することができる。
これによって、遊技機の外部から特定の数値の出現タイミングを予測して、特定の数値を大当たり判定用乱数として取得して大当たり遊技を高頻度でおこなわせる不正行為を防止することができる。
また、この実施の形態によれば、主制御部210に対する電源の供給量が遮断された後に主制御部210に対する電源の供給があった場合のバックアップデータが有効であれば、たとえばパチンコホールの従業員など、遊技機の起動操作者による格別の操作を介することなく、遊技を再開することができる。そして、この場合、電源復旧時処理以降も電源の供給が遮断された時点の遊技状態を継続して遊技を再開することができる。
これによって、大当たり判定用乱数のカウント値および初期値乱数が0(ゼロ)なることなく遊技を再開することができるので、遊技機の外部から特定の数値の出現タイミングを予測することを困難にすることができる。これによっても、遊技機の外部から特定の数値の出現タイミングを予測して、特定の数値を大当たり判定用乱数として取得して大当たり遊技を高頻度でおこなわせる不正行為を防止することができる。
また、この実施の形態によれば、電源スイッチおよびラムクリアスイッチ217を押圧操作するという、通常のラムクリア時と同じ処理をおこなって出力される信号を検出しているため、たとえばパチンコホールの従業員などはラムクリア時のキー操作を繰り返すだけでよい。
これによって、たとえば従業員などに対して、電源投入時のラムクリア操作に加えて、同じ操作を繰り返す程度の軽微な負担を追加するだけで、遊技機の外部から特定の数値の出現タイミングを予測して、特定の数値を大当たり判定用乱数とすることで大当たり遊技を高頻度でおこなわせる不正行為を防止することができる。
このように、この実施の形態の遊技機は、ラムクリア操作がおこなわれた場合あるいは電源の供給を開始した時点におけるバックアップデータが無効である場合は、電源の供給を開始した後にラムクリア操作がおこなわれなければ、遊技を開始しない。遊技を開始するための操作は、ラムクリア操作に限るものではないが、たとえば従業員などが遊技機に対して直接操作した場合に検出可能な操作信号の出力をともなう操作である。
すなわち、この実施の形態の遊技機は、主制御部210に対する電源の供給があった場合に当該電源供給後に所定の操作がおこなわれたことを示す操作信号(ラムクリア操作にともなう信号)を検出する。また、この実施の形態の遊技機は、主制御部210に対する電源の供給があった場合に有効なバックアップデータの有無を判断する。そして、主制御部210に対する電源の供給があってからラムクリア操作にともなう信号が検出された場合、あるいは、有効なバックアップデータがある状態で主制御部210に対する電源の供給があった場合に遊技を開始し、以降、始動入賞ごとに取得される大当たり判定用乱数と大当たり値とが一致する場合に大当たり遊技をおこなう。
また、この実施の形態によれば、主制御部210に対する電源の供給があった場合、電源スイッチおよびラムクリアスイッチ217が押圧操作されるまでの間、図柄制御部220が異常演出をおこなうので、遊技機の周囲の顧客および店舗を巡回する店員に不正行為がおこなわれていることを知らしめることができる。これによって、不正行為を効率的かつ効果的に発見することができ、不正行為の防止効果に寄与することができる。