以下本発明をデジタルカメラに適用した場合の実施の一形態について図面を参照して説明する。
図1は、同実施の形態に係るデジタルカメラ10全体の電子回路の概念構成を示すものである。
図中、撮影モードでのモニタリング状態においては、モータ(M)11の駆動により撮影レンズ光学系12中の一部のレンズ、具体的にはズームレンズ及びフォーカスレンズの位置が適宜移動される。この撮影レンズ光学系12の撮影光軸後方の結像位置に、図示しないメカニカルシャッタを介して、固体撮像素子であるCCD13が配置される。
CCD13は、タイミング発生器(TG)14、CCDドライバ15によって走査駆動され、一定周期毎に結像した光像に対応する光電変換出力を1画面分出力する。
この光電変換出力は、AGC/SH(Auto Gain Control/Sample Hold)回路16において、アナログ値の信号の状態でRGBの各原色成分毎にその時点に設定されているISO感度に応じて自動ゲイン調整された後にサンプルホールドされ、A/D変換器17に送られる。
A/D変換器17では、アナログの画像データをデジタルデータに変換し、カラープロセス回路18へ出力する。
カラープロセス回路18は、デジタルの画像データに対して画素補間処理及びγ補正処理を含むカラープロセス処理を行ない、マトリックス変換によりデジタル値の輝度色差系の画像データYUVを生成した後にDMA(Direct Memory Access)コントローラ19に出力する。
DMAコントローラ19は、カラープロセス回路18の出力する画像データYUVを、同じくカラープロセス回路18からの複合同期信号、メモリ書込みイネーブル信号、及びクロック信号を用いて一度DMAコントローラ19内部のバッファに書込み、DRAMインタフェース(I/F)20を介してバッファメモリとして使用されるDRAM21にDMA転送を行なう。
制御部22は、CPUと、ワークメモリとして使用される主記憶メモリ等から構成されるもので、後述する再生動作を含む動作プログラムやデータ等を固定的に記憶した不揮発性メモリ23から必要なプログラム等を読出し、該主記憶メモリに適宜必要なプログラムやデータを一時的に展開して書込みながら、このデジタルカメラ10全体の制御動作を司る。
しかして制御部22は、上記画像データのDRAM21へのDMA転送終了後に、この画像データをDRAMインタフェース20を介してDRAM21より読出し、表示コントローラ24を介してVRAM25に書込む。
表示コントローラ24は、上記画像データをVRAM25より定期的に読出して表示部26に出力する。
この表示部26は、デジタルカメラ10の筐体背面に配設された、バックライト付きの対角3インチ程度のサイズを有するカラー液晶パネルとその駆動回路とで構成される。この表示部26は、撮影モード時には電子ファインダとして機能し、表示コントローラ24からの画像データ等に基づいた表示を行なうことで、その時点で表示コントローラ24から取込んでいる画像等をリアルタイムにモニタ表示する。一方で表示部26は、再生モード時には選択した画像等を再生表示する。
このように表示部26にその時点での被写体の画像をモニタ画像としてリアルタイムに表示している、所謂スルー画像の表示状態で、静止画撮影を行ないたいタイミングでキー入力部27の一部を構成するシャッタキーを操作すると、キー入力部27からトリガ信号が発生される。
制御部22は、このトリガ信号に応じてその時点でCCD13から取込んでいる1画面分の輝度及び色差信号のDRAM21へのDMA転送を取り止め、あらためて適正な露出条件に従ったシャッタ速度で図示しないメカニカルシャッタ及び上記CCD13を駆動して1画面分の輝度及び色差信号を得てDRAM21へ転送し、その後にこの経路を停止し、記録の状態に遷移する。
この記録の状態では、制御部22がDRAM21に書込まれている1フレーム分の画像データYUVをDRAMインタフェース20を介してY,U,Vの各コンポーネント毎に縦8画素×横8画素の基本ブロックと呼称される単位で読出して画像処理部28に書込む。この画像処理部28では、画像データを所定の画像フォーマット、例えばJPEG(Joint Photograph coding Experts Group)に従ったADCT(Adaptive Discrete Cosine Transform:適応離散コサイン変換)、エントロピ符号化方式であるハフマン符号化等のデータ圧縮処理により符号化する。
そして、得た符号データを1画像分のデータファイルとして該画像処理部28から読出し、このデジタルカメラ10に着脱自在に装着される記録媒体であるメモリカード29に書込む。
そして、1フレーム分の輝度及び色差信号の圧縮処理とメモリカード29への全圧縮データの書込み終了に伴なって、制御部22はCCD13からDRAM21への経路を再び起動する。
また、上記制御部22にはさらに、上述したキー入力部27と、音声処理部30、フラッシュ駆動部31、及びUSBインタフェース32が接続されている。
キー入力部27は、上記シャッタキーの他に、電源キー、ズームキー、撮影モードキー、再生モードキー、カーソルキー、セットキー、メニューキー、マクロキー、及びフラッシュキー等を有するもので、それらの操作に伴うキー入力信号は直接制御部22へ送信される。
音声処理部30は、PCM音源等の音源回路を備え、音声の録音時にはこのデジタルカメラ10の筐体前面に配設されたマイクロホン部33より入力された音声信号をデジタル化し、所定のデータファイル形式、例えばMP3(Moving Picture coding Experts Group−1 audio layer 3)規格にしたがってデータ圧縮して音声データファイルを作成し、上記メモリカード29へ送出する。
一方、音声処理部30は、音声の再生時にメモリカード29から読出されてきた音声データファイルの圧縮を解いてアナログ化し、上記表示部26と同じくデジタルカメラ10の背面側に設けられるスピーカ部34を駆動して、拡声放音させる。
フラッシュ駆動部31は、静止画像撮影時に図示しないフラッシュ駆動用の大容量コンデンサを充電した上で、制御部22からの制御に基づいてキセノン放電管等で構成されるフラッシュ発光部35を撮影タイミングに同期して閃光駆動させる。
しかるに、撮影モード時に静止画像ではなく動画像の撮影が選択されている場合には、1回目のシャッタキーが操作された時点で、上述した静止画データを取得して画像処理部28でデータ圧縮し、メモリカード29へ記憶するという一連の動作を適宜フレームレート、例えば30[フレーム/秒]で連続して実行するものとして開始し、適宜一定時間、例えば0.5[秒]毎に画像処理部28がそれら複数の静止画データをMPEG−4(Moving Picture coding Experts Group−4)のデータファイルとしてデータ圧縮して設定し直し、あらためてメモリカード29に記録し、最終的に該シャッタキーが2回目に操作されるか、またはメモリカード29の空き容量がなくなった時点でそれら一連のデータファイルを1つのデータファイルとしてメモリカード29上で統括設定する。
また、再生モード時には、制御部22がメモリカード29に記録されている画像データを選択的に読出し、画像処理部28で撮影モード時にデータ圧縮した手順と全く逆の手順で圧縮されている画像データを伸長し、伸長した画像データをDRAMインタフェース20を介しDRAM21に保持させた上で、このDRAM21の保持内容を表示コントローラ24を介してVRAM25に記憶させ、このVRAM25より定期的に画像データを読出してビデオ信号を発生し、上記表示部26で再生させる。
選択した画像データが静止画像ではなく動画像であった場合、選択した動画像ファイルを構成する個々の静止画データを必要により前後の静止画データを用いて再生した上で記録時と同様の所定のフレームレートで時間的に連続して実行し、最後の静止画データの再生を終了した時点で、次に再生の指示がなされるまで先頭に位置する静止画データのみを用いて再生表示する。
USBインタフェース32は、USB(Universal Serial Bus)規格に準じてUSB端子36に接続されるパーソナルコンピュータやプリンタ装置等、各種外部機器との送受信を行なう。
次に上記実施の形態の動作について説明する。
(第1の動作例)
なお、このデジタルカメラ10の記録媒体であるメモリカード29にはすでに、動画データを含む複数のデータファイルが記録されているものとする。
図3は、動画データの撮影モード時に表示部26で表示される画面を例示するものである。同図は、キー入力部27のシャッタキー操作による動画撮影が開始される前の状態を示すもので、画面全体ではその時点で撮影レンズ光学系12を介してCCD13に入射されている画像がそのままスルー画像として表示される。
これと併せて画面上端中央には、動画データの撮影モードが設定されていることを示すムービーカメラマークMCが表示され、同画面上端の右側には、その時点で設定されている動画撮影内容(画像サイズと画質、フレームレート)でのメモリカード29の空き容量に応じた記録可能時間T1、及び撮影使用としている動画データの録画経過時間T2を表示している。
この時点では、記録可能時間T1が「0:03:53(0時間3分53秒)」であり、録画経過時間T2はまだ動画を開始していないために「0:00:00(0時間00分00秒)」となっている。
さらに、表示部26の画面下端では、動画撮影をスタートさせるためにキー入力部27のシャッタキーの操作を促すべく
「スタート:シャッタキー」
のようなガイドメッセージを表示している。この表示に従って1回目のシャッタキー操作を行なうことで、動画データの撮影が開始される。
図2は、動画データの撮影時に上述した如く連続して画像データを取得し、メモリカード29へ記録する動作と平行して実施される、メモリカード29の空き容量確保のための処理内容を示すもので、その動作制御はすべて撮影動作と同様に制御部22が予め不揮発性メモリ23に記憶されている動作プログラムを主記憶メモリに展開して実行する。
その処理当初に制御部22は、記録媒体であるメモリカード29の空き容量が少なくなったか否かを、空き容量が所定量、例えばその時点で設定されている動画撮影内容で3分間分以下となったか否かにより判断する(ステップA01)。
ここでまだ空き容量が少なくなっていないと判断した場合には、次いで所定のキー、例えばメニューキーとカーソルキー及びセットキーの組合せ操作によりメモリカード29に記録されているデータの削除モードに移行する指示がなされたかどうかを判断する(ステップA02)。
削除モードへの移行指示がなされていないと判断した場合、再び上記ステップA01からの処理に戻る。しかして、上記ステップA01,A02の処理を繰返し実行することで、メモリカード29の空き容量が少なくなるか、またはデータの削除モードに移行する指示がなされるのを待機する。
上記ステップA01でメモリカード29の空き容量が少なくなったと判断すると、表示部26にて例えば
「メモリ残量が少なくなりました
撮影時間を延長する為に保存データを削除して下さい
削除するデータを選択しますか?
削除するデータを選択する:セットキー」
のようなガイドメッセージを表示することでデータの削除に促した上で(ステップA03)、そのメッセージ通りにキー操作が実行されたか否かにより、削除モードが選択されたか否かを判断する(ステップA04)。
ここで削除モードが選択されない場合には、再び上記ステップA01からの処理に戻る。
一方で、上記ステップA04において削除モードを選択するキー操作がなされたと判断した場合、あるいは上記ステップA02において空き容量が少なくなっていないもののユーザにより直接データ削除モードに移行する指示がなされたと判断した場合には、次いで所定の表示設定で削除するデータを選択するために、削除候補となるデータを対応する画像とそのデータを削除した場合に延長される動画モードでの撮影時間と共に表示する(ステップA05)。
図4は、このとき表示部26で表示される表示形態の一例を示すものである。同図では、撮影中の動画を示すスルー画像の画面を表示部26の画面の右上側に多少縮小して表示すると共に、空いた画面左上側で削除候補となるデータの対応画像を表示し、その上下に他の削除候補の選択を促す矢印に代わる各三角形を表示する。
併せて、表示部26の画面下部では図示する如く
「どのファイルを削除しますか?
ファイル名:CIMG0304.avi
サイズ:10MB
撮影時間:+5:10」
のようなガイドメッセージを表示することで、画像が表示されているデータのファイル名(及び拡張子)とサイズ、及びそのデータを削除した場合に延長される撮影時間をユーザに知らせる。
なお、図4では、削除候補として動画データ(AVIファイル)が選択されており、その時間的に連続した一連の画像データの先頭に位置する記録画像がそのデータを代表するものとして表示されていることを示す。
このような表示状態から、表示形式を変更する指示がなされたか否か(ステップA06)、表示順序を変更する指示がなされたか否か(ステップA07)、別の削除候補を選択するための指示がなされたか否か(ステップA08)、あるいはその時点で表示されている削除候補の削除を選択する指示がなされたか否か(ステップA09)を順次判断し、いずれも該当しなければ再び上記ステップA05からの処理に戻って、同様の処理を繰返し、いずれかの指示がなされるのを待機する。
上記ステップA06で表示形式を変更する指示がなされたと判断した場合、直接上記ステップA05に戻り、所定の表示設定に基づき、例えば上記図4に示したような表示形式から、動画撮影を行なっているスルー画像中の一部に削除候補となるデータに対応した画像を嵌め込んで表示するような、所謂ピクチャ・イン・ピクチャの状態となるように表示形式を変更設定した上で、削除候補が選択指示されるのを待機する。
このように表示形式をユーザが任意に変更可能とすることで、ユーザの好みに合致したレイアウトで削除候補となるデータを表示させることができ、動画の撮影途中で不要なデータを削除する際の作業性を高めることができる。
また、上記ステップA07で表示順序を変更する指示がなされたと判断した場合、直接上記ステップA05に戻り、所定の表示設定に基づき、例えばそれまでがデータのタイムスタンプにより古い順序で削除候補を選択するべく表示していたのであれば、データの容量が大きい順序で削除候補を選択するべく表示するように変更するなど、削除候補の選択に対する順序の基準を変更するように設定した上で、削除候補が選択指示されるのを待機する。
ここで、タイムスタンプの古いデータから順に表示して選択可能とした場合には、ユーザが削除候補のデータを選択するのに要する手間が少なくなる可能性が高く、より迅速にデータを削除して動画の撮影時間を延長する作業を効率的に実行できる。
一方で、データ容量の大きいデータから順に表示して選択可能とした場合にも、同じくユーザが削除候補のデータを選択するのに要する手間が少なくなる可能性が高く、より迅速にデータを削除して動画の撮影時間を延長する作業を効率的に実行できる。
また、上記したタイムスタンプの古い順、データ容量の大きい順の双方の要素を組合せ、よりデータが古く、且つデータ量が大きいものを先に選択して削除候補とする、というように、データの古さと大きさという2つの要素により評価、重み付けを行なってその総合的な評価値から削除候補となるデータの表示順序を決定するようにしても良い。
こうすることで、ユーザが削除候補のデータを選択するのに要する手間が少なくなる可能性が非常に高くなり、より短時間のうちに不要なデータを削除して動画の撮影時間を延長する作業を効率的に実行でき、本来の動画データの撮影に集中できるようになる。
また、上記ステップA08で別の削除候補を選択するための指示、具体的にはキー入力部27のカーソルキー(「↑」キーまたは「↓」キー)操作がなされたと判断した場合には、直接上記ステップA05に戻り、所定の表示設定に基づき、そのキー操作に従ってその時点で選択されている表示順序に応じた次の削除候補のデータに対応する画像を表示するべく設定した上で、削除候補が選択指示されるのを待機する。
そして、上記ステップA09でその時点で表示されている削除候補の削除を選択する指示がなされたと判断すると、次いで他のデータの削除も引き続き行なうか否かを、例えば表示部26にて
「さらに他のデータも選択しますか?」
のようなガイドメッセージと共に表示した上で(ステップA10)、そのメッセージに対してさらに他のデータも削除する旨のキー操作がなされたか否かにより判断する(ステップA11)。
ここで、さらに他のデータも削除するべく、対応するキー操作がなされた場合には、再び上記ステップA05からの処理に戻り、まだ削除候補として選択されていない他のデータを対象としてそのいずれかを選択するための処理を実行する。
また、削除候補となるデータを1つ、または複数選択した上で、さらなる削除候補の選択を行なわないとのキー操作がなされ、ステップA11でこれを判断すると、削除対象としたことを確認するべく、その時点で選択したデータを表示部26において一覧表示し、さらに削除を実行するキー操作がなされるか否かにより、削除が確認されたか否かを判断する(ステップA13)。
ここで、削除をキャンセルする旨のキー操作がなされた場合には、選択したデータの削除を保留して、再び上記ステップA05からの処理に戻る。
しかして、上記ステップA13でデータの削除を確認するキー操作がなされたと判断すると、その時点で選択している削除候補のデータを上記メモリカード29から一括して削除設定した上で(ステップA14)、再び上記ステップA01からの処理に戻る。
図5は、こうして不要なデータの削除を行なうことにより、動画データの撮影途中で撮影可能な時間が延長された場合の画面を例示するものである。
ここでは、上記図4で削除候補として表示されていた動画データ「CIMG0304.avi」の削除を実行したことで「5分10秒」分だけ動画撮影可能な時間が延長され、上記図4の状態から14秒が経過した、録画経過時間T2が「00:01:09(0時間1分09秒)」時点の画面を示すものである。
このとき記録可能時間T1は「00:07:54(0時間7分54秒)」(=「2分58秒」+「5分10秒」−「14秒」)となっており、削除した動画データ分だけ録画経過時間T2が延長されていることがわかる。
このように、動画撮影を行なっているユーザ自身の意志を反映して任意の不要なデータを選択した上で削除を実行することで、動画撮影途中であっても記録媒体であるメモリカード29に必要な空き容量を確保することが可能となる。
なお、上記実施の形態では、削除対象のデータの画像とファイル名のみならず、そのデータを削除することで延長される動画データの残撮影可能時間を表示するものとした。
これにより、データの削除で延長できる記録可能時間を直接把握することができ、無駄に記録済みのデータを削除してしまい、あるいは記録済みのデータを削除してもまだなお記録媒体の空き容量が足りない、などといった事態になるのを未然に防止し、必要な容量分だけの空き容量を記録媒体に作成することができる。
また、削除対象のデータを選択するに当たっては、メモリカード29に記録されている複数のデータ中から所定の優先順位に従って削除候補となるデータを選択するものとしたので、動画撮影の途中で不要なデータを削除する際に必要なキー操作数を減少し、すみやかに削除を実行できる。
この場合、複数のデータ中から削除候補となるデータを選択する所定の優先順位として、複数の表示順序を予め用意し、ユーザがそれらの中から1つを変更して選択することが可能としたので、ユーザの好みに応じて削除候補のデータを選択するのに要する手間が少なくなる可能性が高く、より迅速にデータを削除して動画の撮影時間を延長する作業を効率的に実行できる。
また、上記実施の形態では、メモリカード29に記録されている複数のデータを削除候補として選択可能としたため、例えば不要ではあるが容量自体は小さいデータを複数選択するなど、ユーザの意図を反映して動画データの撮影に必要な空き容量を確保することができる。
(第2の動作例)
なお、このデジタルカメラ10の記録媒体であるメモリカード29にはすでに、動画データを含む複数のデータファイルが記録されているものとする。
図3は、動画データの撮影モード時に表示部26で表示される画面を例示するものである。同図は、キー入力部27のシャッタキー操作による動画撮影が開始される前の状態を示すもので、画面全体ではその時点で撮影レンズ光学系12を介してCCD13に入射されている画像がそのままスルー画像として表示される。
これと併せて画面上端中央には、動画データの撮影モードが設定されていることを示すムービーカメラマークMCが表示され、同画面上端の右側には、その時点で設定されている動画撮影内容(画像サイズと画質、フレームレート)でのメモリカード29の空き容量に応じた記録可能時間T1、及び撮影使用としている動画データの録画経過時間T2を表示している。
この時点では、記録可能時間T1が「0:03:53(0時間3分53秒)」であり、録画経過時間T2はまだ動画を開始していないために「0:00:00(0時間00分00秒)」となっている。
さらに、表示部26の画面下端では、動画撮影をスタートさせるためにキー入力部27のシャッタキーの操作を促すべく
「スタート:シャッタキー」
のようなガイドメッセージを表示している。この表示に従って1回目のシャッタキー操作を行なうことで、動画データの撮影が開始される。
図6は、動画データの撮影時に上述した如く連続して画像データを取得し、メモリカード29へ記録する動作と平行して実施される、メモリカード29の空き容量確保のための処理内容を示すもので、その動作制御はすべて撮影動作と同様に制御部22が予め不揮発性メモリ23に記憶されている動作プログラムを主記憶メモリに展開して実行する。
その処理当初に制御部22は、記録媒体であるメモリカード29の空き容量が少なくなったか否かを、空き容量が所定量、例えばその時点で設定されている動画撮影内容で3分間分以下となったか否かにより判断する(ステップB01)。
ここでまだ空き容量が少なくなっていないと判断した場合には、次いで所定のキー、例えばメニューキーとカーソルキー及びセットキーの組合せ操作によりメモリカード29に記録されているデータの削除モードに移行する指示がなされたかどうかを判断する(ステップB02)。
削除モードへの移行指示がなされていないと判断した場合、再び上記ステップB01からの処理に戻る。しかして、上記ステップB01,B02の処理を繰返し実行することで、メモリカード29の空き容量が少なくなるか、またはデータの削除モードに移行する指示がなされるのを待機する。
上記ステップB01でメモリカード29の空き容量が少なくなったと判断すると、表示部26にて例えば
「メモリ残量が少なくなりました
撮影時間を延長する為に保存データを削除して下さい
削除するデータを選択しますか?
削除するデータを選択する:セットキー」
のようなガイドメッセージを表示することでデータの削除に促した上で(ステップB03)、そのメッセージ通りにキー操作が実行されたか否かにより、削除モードが選択されたか否かを判断する(ステップB04)。
ここで削除モードが選択されない場合には、再び上記ステップB01からの処理に戻る。
一方で、上記ステップB04において削除モードを選択するキー操作がなされたと判断した場合、あるいは上記ステップB02において空き容量が少なくなっていないもののユーザにより直接データ削除モードに移行する指示がなされたと判断した場合には、次いで所定の表示設定で現在記録途中である動画データ中のすでに記録されている部分から削除する範囲を選択するために、削除候補となる部分の画像とそのデータを削除した場合に延長される動画モードでの撮影時間と共に表示する(ステップB05)。
このとき表示部26では、撮影中の動画を示すスルー画像の画面を表示部26の画面の右上側に多少縮小して表示すると共に、空いた画面左上側で削除候補となる、現在撮影途中である動画データの先頭に位置するGOP(Group Of Pictures)の先頭側に位置するI(Intra:イントラ符号化)ピクチャの対応画像を表示し、その下側にのみ、削除範囲の開始位置の先端を促す矢印に代わる三角形「▽」を表示する。
併せて、表示部26の画面下部では図示する如く
「どの位置から削除しますか?」
のようなガイドメッセージを表示することで、今回削除しようとしている範囲の開始位置の指示をユーザに促す。
このような表示状態から、表示形式を変更する指示がなされたか否か(ステップB06)、その時点で選択して表示している画像の「コマ」位置(より詳細には、動画ファイルを構成する各GOPの先頭側に位置するIピクチャ)を変更する指示がなされたか否か(ステップB07)、削除範囲の開始位置の指示がなされたか否か(ステップB08)、あるいは削除範囲の終了位置の指示がなされたか否か(ステップB09)を順次判断し、いずれも該当しなければ再び上記ステップB05からの処理に戻って、同様の処理を繰返し、いずれかの指示がなされるのを待機する。
上記ステップB06で表示形式を変更する指示がなされたと判断した場合、直接上記ステップB05に戻り、所定の表示設定に基づき、上述したような表示形式から、動画撮影を行なっているスルー画像中の一部に削除候補となるデータに対応した画像を嵌め込んで表示するような、所謂ピクチャ・イン・ピクチャの状態となるように表示形式を変更設定した上で、削除候補が選択指示されるのを待機する。
このように表示形式をユーザが任意に変更可能とすることで、ユーザの好みに合致したレイアウトで削除候補となるデータを表示させることができ、動画の撮影途中で不要なデータを削除する際の作業性を高めることができる。
また、上記ステップB07で選択するコマ位置を変更する指示がなされたと判断した場合、直接上記ステップB05に戻り、所定の表示設定に基づき、選択するコマ位置(より詳細には、各GOP先頭側のIピクチャ)をキー入力部27のカーソルキー(「↑」キーまたは「↓」キー)操作に対応して変更(移動)するように設定した上で、新たなコマ位置が選択指示されるのを待機する。
また、上記ステップB08で削除範囲の開始位置の指示、具体的にはキー入力部27のセットキー操作がなされたと判断した場合には、直接上記ステップB05に戻り、所定の表示設定に基づき、そのキー操作に従ってその時点で選択されている動画データ中のGOPを削除範囲の先頭として設定した上で、削除範囲の終了位置が指示されるのを待機する。
以後、上記ステップB07で選択するコマ位置を変更する指示がなされたと判断する毎に、選択するコマ位置(より詳細には、各GOP先頭側のIピクチャ)をキー入力部27のカーソルキー(「↑」キーまたは「↓」キー)操作に対応して変更(移動)するように設定した上で、新たなコマ位置が選択指示されるのを待機する。
このとき表示部26の下部では、
「どの位置まで削除しますか?」
サイズ:10MB
撮影時間:+5:10」
のようなガイドメッセージを表示することで、その時点で表示している画像が含まれるGOPまでが削除された場合の削除範囲のサイズとその削除範囲を削除した場合に延長される撮影時間とをユーザに知らせる。
そして、上記ステップB09でその時点で表示されている削除範囲の終了位置を選択する指示がなされたと判断すると、次いで削除の確認として、例えば表示部26にて
「指示された範囲を削除しても良いですか?
キャンセル:MENU/削除:SET」
のようなガイドメッセージを表示した上で(ステップB10)、そのメッセージに対して削除を確認するべく該当キーが操作されたか否かを判断する(ステップB11)。
ここで、削除をキャンセルする旨のキー操作がなされた場合には、選択したデータの削除を保留して、再び上記ステップB05からの処理に戻る。
しかして、上記ステップB11でデータの削除を確認するキー操作がなされたと判断すると、その時点で選択している削除範囲のデータをGOP単位で上記メモリカード29から削除設定し、削除範囲を挟んで分割された、現在撮影途中の動画データを一つの同図データファイル(MPEG)ファイル)としてつなぎ合わせる設定を行なった上で(ステップB12)、再び上記ステップB01からの処理に戻る。
図5は、こうして撮影途中の動画データ中から不要な範囲の削除を行なうことにより、動画データの撮影途中で撮影可能な時間が延長された場合の画面を例示するものである。
ここでは、範囲指定した部分の削除を実行したことで「5分10秒」分だけ動画撮影可能な時間が延長され、上記図3の状態から「1分09秒」が経過した、録画経過時間T2が「00:01:09(0時間1分09秒)」時点の画面を示すものである。
このとき記録可能時間T1は「00:07:54(0時間7分54秒)」(=「3分53秒」+「5分10秒」−「1分09秒」)となっており、削除した動画データの範囲部分に対応した分だけ録画経過時間T2が延長されていることがわかる。
このように、とりあえず動画の撮影を開始した後に、当該動画データ中の不要な部分については撮影途中であっても適宜範囲指定を行なって削除し、メモリカード29の空き容量を確保することができる。
したがって、容量に制限があるようなメモリカード29を使用している場合でも躊躇なく動画の撮影を開始することができる。この場合、一般にパストムービー機能等と呼称されている、動画撮影モード時に撮影開始を指示する一定時間、例えば5秒前から自動で録画を開始するような機能と組み合わせて実行することで、ユーザに取って貴重な被写体の動きが「頭切れ」なく確実に撮影することができる。
加えて、動画中の不要部分については動画撮影の途中でも簡易な操作で削除できるので、メモリカード29の記録容量を効率的に活用して、動画データを含むより多数の各種データを記録させることができる。
なお、上記動作例では、動画データの記録形式がMPEGに準拠するものであるとし、指示した範囲をGOP単位で削除するものとして説明したが、本発明はこれに限らず、例えば時間的に連続した複数の静止画(JPEG)(Joint Photograph coding Experts Group)データからなるAVI(モーションJPEG)ファイルであれば、実際の1コマ(静止画像1枚)単位で容易に指示された範囲を削除できる。
また、より効率的に範囲の削除を行なう場合には、予め設定した時間幅、例えば30秒間を単位として削除範囲の開始位置、及び終了位置をスキップして変更させ、その後に詳細な位置の指示を行なうような多段階の位置の指示を行なうものとしてもよいし、さらには、画像認識技術により画像中の情景が大幅に変わる位置を自動的にスキップするように設定することも考えられる。
なお、上記実施の形態は、記憶された画像の中から削除候補を選択するように構成したが、このような構成ではなくともよく、メモリに記憶されているいかなる種類のデータを選択して削除可能に構成しても良い。
最近はメモリカードの容量が大きくなっているので、撮影画像のみならず、表計算ソフトやワープロソフトで再生されたデータファイルを同一のメモリカードに記憶して持ち歩く人が増えているからである。
この時、例えば上記図4でこの種のデータを選択した時は、画像データの代わりに当該ソフトのデータであることを示す画像を表示させても良いし、当該ソフトのデータをそのままドキュメントとして表示させても良い。
また、図4においてはスルー画像と共に記録画像を一つずつ表示する構成としたが、このような構成ではなくともよく、記録画像を一覧表示してその中から画像を選択するように構成しても良いし、更にスルー画像と共に表示するようにしても良い。このように構成することで、さらに記録画像を選択しやすくすることができる。
また、本発明で記載した削除とは、当然のごとくデータを直接削除することに限らず、当該データのフラグ情報のみを削除することで、当該データの記憶領域に上書き可能な状態とすることも含むものとする。
また、上記実施の形態はデジタルカメラに適用した場合について説明したものであるが、本発明はこれに限らず、デジタルビデオムービーカメラ、カメラ機能を有する携帯電話端末やPDA(Personal Digital Assistants:個人向け情報携帯端末)や携帯電子ゲーム端末など、各種の電子機器とその電子機器にインストールされ、当該機器の動作を制御する動作プログラム等に適用できる。
その他、本発明は上述した実施の形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、上述した実施の形態で実行される機能は可能な限り適宜組合わせて実施しても良い。上述した実施の形態には種々の段階が含まれており、開示される複数の構成要件により適宜の組合せにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施の形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、効果が得られるのであれば、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。