JP5182029B2 - 階調マスク - Google Patents

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Description

本発明は、表示装置等の製造過程において、ハーフトーン露光に好適に用いられる階調マスクに関するものである。
液晶表示装置や有機エレクトロルミネッセンス表示装置等の表示装置のフォトリソグラフィー工程数を減らすパターン形成方法に関しては、例えば露光光に対して階調を有するフォトマスク(階調マスク)が知られている。
階調マスクとしては、例えば、透明基板上に半透明膜、エッチングストッパー膜および遮光膜が順に積層されており、透明基板が露出した透過領域と、半透明膜が露出した半透過領域と、遮光膜が形成されている遮光領域とを有するものが知られている。
このような階調マスクを製造する際には、まず遮光膜をフォトリソグラフィー法によりパターニングし、次いでエッチングストッパー膜を剥離し、続いて半透明膜をフォトリソグラフィー法によりパターニングする。すなわち、遮光膜と半透明膜はそれぞれ別の工程でパターニングされる。
フォトリソグラフィー技術において、下層のパターンと上層のパターンとがどれだけ正確に重ね合わせられているかを示す、重ね合わせ精度を向上させることは非常に重要である。よって、上記のような階調マスクにおいて半透明膜のパターンと遮光膜のパターンとがどれだけ正確に重ね合わせられているかを示す、重ね合わせ精度を向上させることは、階調マスクを用いて表示装置を作製する上で極めて重要な指標となる。
重ね合わせ精度の測定は、メインパターンとは別途に設けられた専用の測定マークを用いて行われる。この測定マークとしては、例えばボックス・イン・ボックスと称されるマークが知られている(特許文献1の図6参照)。
特開平11−288076号公報
上記のような透明基板上に半透明膜、エッチングストッパー膜および遮光膜が順に積層された階調マスクにおいて、ボックス・イン・ボックスの測定マークを形成すると、透明基板が露出した透過領域と、半透明膜が露出した半透過領域と、エッチングストッパー膜が露出した領域と、遮光膜が形成されている遮光領域とが混在してしまうため、現状の測定装置では、重ね合わせのズレを検出することは困難である。
この点について、図面を参照して説明する。
図11(a)は上面図、図11(b)は図11(a)のC−C線断面図、図11(c)は測定マークの上方から光を照射した場合の図11(a)のC−C線断面に応じた検出信号の光量を示すグラフである。図11(a)、(b)に例示する階調マスクは、透明基板102上に半透明膜103、エッチングストッパー膜104および遮光膜105が順に積層されたものであり、遮光膜105が形成された遮光領域113に接し、半透明膜103が露出した半透過パターン121と、半透過パターン121内に形成され、透明基板102が露出した透過パターン122とを有する測定マーク120を備えている。
このような測定マークの場合、図11(c)中のスライスレベルLで、図11(a)中の距離X1、X2、Y1、Y2(半透過パターン121のボックスと透過パターン122のボックスとの上下左右の距離)を測定しようとすると、測定しようとする部位の片側しかスライスレベルが交差する部分がなく、現状の測定装置では測定が困難である。よって、重ね合わせのズレを検出することができない。
図12(a)〜(e)は、透明基板上に半透明膜、エッチングストッパー膜および遮光膜が順に積層された階調マスクにおいて、ボックス・イン・ボックスの測定マークを形成する工程の一例を示すものである。
まず、遮光膜105をフォトリソグラフィー法によりパターニングし、エッチングストッパー膜104を露出させ、遮光膜105のボックスを形成する(図12(a)〜(b))。次いで、露出した部分のエッチングストッパー膜104を剥離して半透明膜103を露出させる(図12(c))。続いて、再度、遮光膜105をフォトリソグラフィー法によりパターニングし、遮光膜105のボックス内にエッチングストッパー膜104のボックスを形成する(図12(d))。
図13(a)は図12(d)のD−D線断面図、図13(b)は測定マークの上方から光を照射した場合の図12(d)のD−D線断面に応じた検出信号の光量を示すグラフである。図12(d)および図13(a)に例示する階調マスクは、遮光膜105が形成された遮光領域113に接し、半透明膜103が露出した半透過パターン123と、半透過パターン123内に形成され、遮光膜105が形成された遮光パターン124と、遮光パターン124内に形成され、エッチングストッパー膜104が露出したパターン125とを有する測定マーク120を備えている。
このような測定マークの場合、図13(b)中のスライスレベルLで、図12(d)中の距離X1、X2、Y1、Y2(遮光パターン124のボックスとパターン125のボックスとの上下左右の距離)を測定しようとすると、遮光膜とエッチングストッパー膜の透過率がほぼ等しいため、現状の測定装置では測定が困難である。よって、重ね合わせのズレを検出することができない。
そこで、図12(e)に例示するように、エッチングストッパー膜104を剥離して遮光膜105のボックス内に半透明膜103のボックスを形成することで、遮光膜105が形成された遮光領域113に接し、半透明膜103が露出した半透過パターン123と、半透過パターン123内に形成され、遮光膜105が形成された遮光パターン124と、遮光パターン124内に形成され、半透明膜103が露出した半透過パターン126とを有する測定マーク120を形成することができる。
図14(a)は図12(e)のE−E線断面図、図14(b)は測定マークの上方から光を照射した場合の図12(e)のE−E線断面に応じた検出信号の光量を示すグラフである。このような測定マークの場合、図14(b)中のスライスレベルLで、図12(e)中の距離X1、X2、Y1、Y2(遮光パターン124のボックスと半透過パターン126のボックスとの上下左右の距離)を測定することが可能になる。
しかしながら、重ね合わせのズレを検出することが可能になるものの、測定マークを作製する工程数が増えるため、負担が大きくなる。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、透明基板上に半透明膜、エッチングストッパー膜および遮光膜が順に積層された階調マスクにおいて、高精度に重ね合わせズレを測定することが可能な重ね合わせ精度測定マークを有する階調マスクを提供することを主目的とするものである。
上記目的を達成するために、本発明は、透明基板と、上記透明基板上に形成された半透明膜と、上記半透明膜上に形成されたエッチングストッパー膜と、上記エッチングストッパー膜上に形成された遮光膜とを有し、上記透明基板が露出した透過領域と、上記半透明膜が露出した半透過領域と、上記遮光膜が形成された遮光領域とを有する階調マスクであって、上記半透明膜が露出している外郭パターンと、上記外郭パターン内に形成され、上記透明基板が露出している内郭パターンと、上記内郭パターン内に形成され、上記エッチングストッパー膜が露出している中央パターンとを有する重ね合わせ精度測定マークを備え、上記内郭パターンは、外側に互いに平行な一対の外側エッジを2組有し、内側に互いに平行な一対の内側エッジを2組有し、2組の外側エッジは互いに垂直であり、2組の内側エッジは互いに垂直であることを特徴とする階調マスクを提供する。
本発明によれば、重ね合わせ精度測定マークを上記のような構成とすることにより、透明基板上に半透明膜、エッチングストッパー膜および遮光膜が順に積層された階調マスクにおいて、重ね合わせのズレを測定することが可能となる。
上記発明においては、上記内郭パターンの外側の形状および内側の形状が矩形であることが好ましい。重ね合わせ精度を測定する測定装置では、矩形の辺(エッジ)の位置を認識するように構成されているものが多く、汎用性が高くなるからである。
また、本発明は、透明基板と、上記透明基板上に形成された半透明膜と、上記半透明膜上に形成されたエッチングストッパー膜と、上記エッチングストッパー膜上に形成された遮光膜とを有し、上記透明基板が露出した透過領域と、上記半透明膜が露出した半透過領域と、上記遮光膜が形成された遮光領域とを有する階調マスクであって、上記半透明膜が露出している第1半透明膜パターンからなる第1測定マークと、上記半透明膜が露出している第2半透明膜パターン、および、上記第2半透明膜パターン内に形成され、上記透明基板が露出している第2透明パターンを有する第2測定マークと、上記半透明膜が露出している第3半透明膜パターン、上記エッチングストッパー膜が露出している第3エッチングストッパー膜パターン、および、上記第3半透明膜パターンおよび上記第3エッチングストッパー膜パターンに囲まれ、上記透明基板が露出している第3透明パターンを有する第3測定マークとを有する重ね合わせ精度測定マークを備え、上記第1半透明膜パターン、上記第2透明パターンおよび上記第3透明パターンは、互いに平行な一対のエッジを2組有し、2組のエッジは互いに垂直であり、上記第1半透明膜パターンと、上記第2透明パターンと、上記第3半透明膜パターンと上記第3透明パターンとを合わせたパターンと、上記第3エッチングストッパー膜パターンと上記第3透明パターンとを合わせたパターンとが同一の形状を有し、当該階調マスクを製造する際の上記第1半透明膜パターンのデータ寸法と、上記第2透明パターンのデータ寸法と、上記第3半透明膜パターンおよび上記第3透明パターンを合わせたパターンのデータ寸法と、上記第3エッチングストッパー膜パターンおよび上記第3透明パターンを合わせたパターンのデータ寸法とが同一であり、当該階調マスクを製造する際の上記第2半透明膜パターンのデータ寸法が、上記第2透明パターンのデータ寸法よりも大きいことを特徴とする階調マスクを提供する。
本発明によれば、上記の場合と同様に、重ね合わせ精度測定マークを上記のような構成とすることにより、透明基板上に半透明膜、エッチングストッパー膜および遮光膜が順に積層された階調マスクにおいて、重ね合わせのズレを測定することが可能となる。
本発明においては、重ね合わせ精度測定マークを所定の構成とすることにより、透明基板上に半透明膜、エッチングストッパー膜および遮光膜が順に積層された階調マスクにおいて、重ね合わせのズレを測定することが可能になるという効果を奏する。
以下、本発明の階調マスクについて詳細に説明する。
本発明の階調マスクは、重ね合わせ精度測定マークの構成により、2つの実施態様に分けることができる。以下、各実施態様に分けて説明する。
I.第1実施態様
本発明の階調マスクの第1実施態様は、透明基板と、上記透明基板上に形成された半透明膜と、上記半透明膜上に形成されたエッチングストッパー膜と、上記エッチングストッパー膜上に形成された遮光膜とを有し、上記透明基板が露出した透過領域と、上記半透明膜が露出した半透過領域と、上記遮光膜が形成された遮光領域とを有する階調マスクであって、上記半透明膜が露出している外郭パターンと、上記外郭パターン内に形成され、上記透明基板が露出している内郭パターンと、上記内郭パターン内に形成され、上記エッチングストッパー膜が露出している中央パターンとを有する重ね合わせ精度測定マークを備え、上記内郭パターンは、外側に互いに平行な一対の外側エッジを2組有し、内側に互いに平行な一対の内側エッジを2組有し、2組の外側エッジは互いに垂直であり、2組の内側エッジは互いに垂直であることを特徴とするものである。
本発明の階調マスクについて図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の階調マスクの一例を示す断面図である。図1に例示するように、階調マスク1は、透明基板2と、透明基板2上に形成された半透明膜3と、半透明膜3上に形成されたエッチングストッパー膜4と、エッチングストッパー膜4上に形成された遮光膜5とを有しており、透明基板2が露出した透過領域11と、半透明膜3が露出した半透過領域12と、遮光膜5が形成された遮光領域13とを有している。さらに、階調マスク1は、図2(a)〜(c)に例示するような重ね合わせ精度測定マーク20を備えている。
図2(a)〜(c)は、本発明の階調マスクにおける重ね合わせ精度測定マークの一例を示す模式図である。図2(a)は上面図、図2(b)は図2(a)のA−A線断面図、図2(c)は重ね合わせ精度測定マークの上方から光を照射した場合の図2(a)のA−A線断面に応じた検出信号の光量を示すグラフである。図2(a)、(b)に例示する階調マスクにおける重ね合わせ精度測定マーク20は、遮光膜5が形成された遮光領域13に接し、半透明膜3が露出した外郭パターン21と、外郭パターン21内に形成され、透明基板2が露出した内郭パターン22と、内郭パターン22内に形成され、エッチングストッパー膜4が露出した中央パターン23とを有している。
内郭パターン22は、外側に互いに平行な一対の外側エッジ31a・31bおよび32a・32bを2組有しており、一方の1組の外側エッジ31a・31bおよび他方の1組の外側エッジ32a・32bは互いに垂直である。また、内郭パターン22は、内側に互いに平行な一対の内側エッジ33a・33bおよび34a・34bを2組有しており、一方の1組の内側エッジ33a・33bおよび他方の1組の内側エッジ34a・34bは互いに垂直である。
このような重ね合わせ精度測定マークにおいて、図2(c)中のスライスレベルLで、図2(a)中の距離X1、X2、Y1、Y2(内郭パターン22の外側のエッジと内郭パターン22の内側のエッジ(中央パターン23のエッジ)との上下左右の距離)を測定する場合、エッチングストッパー膜は遮光膜と透過率がほぼ等しいため、距離X1、X2、Y1、Y2を測定することが可能である。よって、重ね合わせのズレを検出することが可能になる。
本発明の階調マスクは、例えば図3(a)〜(g)に示すように作製することができる。まず、透明基板2上に半透明膜3a、エッチングストッパー膜4aおよび遮光膜5aが順に積層されたマスクブランクを準備し、このマスクブランクの遮光膜5a上にフォトレジスト層10aを形成する(図3(a))。次いで、フォトレジスト層10aをパターン露光および現像して、フォトレジストパターン10bを形成する(図3(b))。続いて、フォトレジストパターン10bの開口部の遮光膜5aをエッチングし、フォトレジストパターン10bを除去して、遮光膜5bのパターンを形成する(図3(c))。次に、遮光膜5bのパターンの開口部のエッチングストッパー膜4aを剥離し、エッチングストッパー膜4bのパターンを形成する(図3(d))。次に、遮光膜5bのパターン上にフォトレジスト層10cを形成する(図3(e))。次いで、フォトレジスト層10cをパターン露光および現像して、フォトレジストパターン10dを形成する(図3(f))。続いて、フォトレジストパターン10dの開口部の半透明膜3aおよび遮光膜5bを同時にエッチングし、フォトレジストパターン10dを除去して、半透明膜3bのパターンを形成する(図3(g))。
図4(a)〜(f)は、図3(a)〜(g)に例示する階調マスクの製造方法における重ね合わせ精度測定マークが形成される部分の上面図である。なお、図3(a)〜(g)に例示する工程と、図4(a)〜(f)に例示する工程とでは、図4(b)が図3(b)に対応し、図4(c)が図3(c)に対応し、図4(d)が図3(d)に対応し、図4(e)が図3(f)に対応し、図4(f)が図3(g)に対応している。
まず、透明基板上に半透明膜、エッチングストッパー膜および遮光膜5aが順に積層されたマスクブランクを準備し(図4(a))、このマスクブランクの遮光膜5a上にフォトレジスト層を形成し、フォトレジスト層をパターン露光および現像して、フォトレジストパターン10bを形成する(図4(b))。次いで、フォトレジストパターン10bの開口部の遮光膜5aをエッチングして、フォトレジストパターン10bを除去して、遮光膜5bのパターンを形成する(図4(c))。次に、遮光膜5bのパターンの開口部のエッチングストッパー膜4aを剥離して半透明膜3aを露出させる(図4(d))。続いて、遮光膜5bのパターン上にフォトレジスト層を形成し、フォトレジスト層をパターン露光および現像して、フォトレジストパターン10dを形成する(図4(e))。次いで、フォトレジストパターン10dの開口部の半透明膜3aおよび遮光膜5bをエッチングして透明基板2およびエッチングストッパー膜4bを露出させ、フォトレジストパターン10dを除去する(図4(f))。これにより、図2(a)〜(c)に例示する重ね合わせ精度測定マークが得られる。
このように本発明においては、重ね合わせ精度測定マークを作製するための工程数を増やすことなく、重ね合わせのズレを検出することが可能な重ね合わせ精度測定マークを得ることができる。
本発明において、1回目のパターニングと2回目のパターニングとの相対的な位置のズレ、すなわち重ね合わせのズレは、上記の距離X1、X2、Y1、Y2を用いて、下記式(1)、(2)により算出することができる。
X方向のズレ量=(X1−X2)/2 (1)
Y方向のズレ量=(Y1−Y2)/2 (2)
X1=X2の場合にはX方向のズレ量は0となり、X1≠X2の場合にはX1−X2の差がX方向のズレ量となる。また、Y1=Y2の場合にはY方向のズレ量は0となり、Y1≠Y2の場合にはY1−Y2の差がY方向のズレ量となる。
なお、上記式(1)、(2)において、X1−X2の差およびY1−Y2の差を2で除しているのは、片側分のズレ量を求めているためである。
本発明においては、図4(a)〜(f)に例示するように、1回目のパターニングにて、エッチングストッパー膜が露出した中央パターンのエッジ(透明基板が露出した内郭パターンの内側のエッジ)が形成された後に(図4(b)中の破線を参照)、2回目のパターニングにて、透明基板が露出した内郭パターンの外側のエッジ(半透明膜が露出した外郭パターンの内側のエッジ)が形成される(図4(e)中の破線を参照)。そのため、重ね合わせのズレは、1回目のパターニングにて形成される、エッチングストッパー膜が露出した中央パターンのエッジ(透明基板が露出した内郭パターンの内側のエッジ)を基準にして、算出される。
例えば、上記式(1)においてX方向のズレ量がプラスの値になる場合には、図2(a)において1回目のパターニングに対する2回目のパターニングの重ね合わせが左方向にずれていることを意味する。一方、上記式(1)においてX方向のズレ量がマイナスの値になる場合には、図2(a)において1回目のパターニングに対する2回目のパターニングの重ね合わせが右方向にずれていることを意味する。
また例えば、上記式(2)においてY方向のズレ量がプラスの値になる場合には、図2(a)において1回目のパターニングに対する2回目のパターニングの重ね合わせが上方向にずれていることを意味する。一方、上記式(2)においてY方向のズレ量がマイナスの値になる場合には、図2(a)において1回目のパターニングに対する2回目のパターニングの重ね合わせが下方向にずれていることを意味する。
以下、本発明の階調マスクにおける各構成について説明する。
1.重ね合わせ精度測定マーク
本発明における重ね合わせ精度測定マークは、半透明膜が露出している外郭パターンと、外郭パターン内に形成され、透明基板が露出している内郭パターンと、内郭パターン内に形成され、エッチングストッパー膜が露出している中央パターンとを有するものである。また、内郭パターンは、外側に互いに平行な一対の外側エッジを2組有し、内側に互いに平行な一対の内側エッジを2組有し、2組の外側エッジは互いに垂直であり、2組の内側エッジは互いに垂直である。
以下、外郭パターン、内郭パターンおよび中央パターンに分けて説明する。
(1)外郭パターン
外郭パターンは、半透明膜が露出している領域で構成されるパターンである。通常、外郭パターンは、透明基板上に半透明膜のみが形成されている領域であり、エッチングストッパー膜および遮光膜が形成されていない領域で構成される。
外郭パターンは、図2(a)に例示するように、外郭パターン21の外側が遮光領域13に接し、外郭パターン21の内側が内郭パターン22に接するように配置される。
外郭パターンは、内側が内郭パターンに接していることから、内側に互いに平行な一対のエッジを2組有し、2組のエッジが互いに垂直となっている。例えば図2(a)に示すように、外郭パターン21は、内側に互いに平行な一対のエッジ31a・31bおよび32a・32bを2組有し、一方の1組のエッジ31a・31bと他方の1組のエッジ32a・32bとが互いに垂直となっている。
外郭パターンの形状としては、内側に互いに平行な一対のエッジを2組有し、2組のエッジが互いに垂直であるような形状であり、かつ、外郭パターンを遮光領域で囲むことができ、外郭パターン内に内郭パターンおよび中央パターンを形成することができる形状であれば特に限定されるものではない。具体的に、外郭パターンの外側の形状および内側の形状としては、矩形、十字形等とすることができる。通常、外郭パターンの外側の形状および内側の形状は、矩形である。
外郭パターンの大きさとしては、重ね合わせズレ量よりも大きければ特に限定されるものではない。なお、外郭パターンが大きすぎると、階調マスクの有効面積が相対的に小さくなる。また、外郭パターンの線幅が狭すぎるものは、パターニングが困難である。
(2)内郭パターン
内郭パターンは、透明基板が露出している領域で構成されるパターンである。通常、内郭パターンは、透明基板上に半透明膜、エッチングストッパー膜および遮光膜のいずれも形成されていない領域で構成される。
内郭パターンは、図2(a)に例示するように、内郭パターン22の外側が外郭パターン21に接し、内郭パターン22の内側が中央パターン23に接するように配置される。
内郭パターンは、外側に互いに平行な一対の外側エッジを2組有し、2組の外側エッジが互いに垂直であり、さらに内側に互いに平行な一対の内側エッジを2組有し、2組の内側エッジが互いに垂直である。例えば図2(a)に示すように、内郭パターン22は、外側に互いに平行な一対の外側エッジ31a・31bおよび32a・32bを2組有し、一方の1組の外側エッジ31a・31bと他方の1組の外側エッジ32a・32bとが互いに垂直となっている。また、内郭パターン22は、内側に互いに平行な一対の内側エッジ33a・33bおよび34a・34bを2組有し、一方の1組の内側エッジ33a・33bと他方の1組の内側エッジ34a・34bとが互いに垂直となっている。
内郭パターンの形状としては、外側に互いに平行な一対の外側エッジを2組有し、2組の外側エッジが互いに垂直であり、内側に互いに平行な一対の内側エッジを2組有し、2組の内側エッジが互いに垂直であるような形状であり、かつ、内郭パターンを外郭パターンで囲むことができ、内郭パターン内に中央パターンを形成することができる形状であれば特に限定されるものではない。具体的に、内郭パターンの外側の形状および内側の形状としては、矩形、十字形等とすることができる。通常、内郭パターンの外側の形状および内側の形状は、矩形である。
内郭パターンの大きさとしては、重ね合わせズレ量よりも大きければ特に限定されるものではない。なお、内郭パターンが大きすぎると、階調マスクの有効面積が相対的に小さくなる。また、内郭パターンの線幅が狭すぎるものは、パターニングが困難である。
(3)中央パターン
中央パターンは、エッチングストッパー膜が露出している領域で構成されるパターンである。通常、中央パターンは、透明基板上に半透明膜およびエッチングストッパー膜が順に積層されている領域であり、遮光膜が形成されていない領域で構成される。
中央パターンは、図2(a)に例示するように、中央パターン23が内郭パターン22で囲まれるように配置される。
中央パターンは、外側が内郭パターンに接していることから、外側に互いに平行な一対のエッジを2組有し、2組のエッジが互いに垂直となっている。例えば図2(a)に示すように、中央パターン23は、外側に互いに平行な一対のエッジ33a・33bおよび34a・34bを2組有し、一方の1組のエッジ33a・33bと他方の1組のエッジ34a・34bとが互いに垂直となっている。
中央パターンの形状としては、外側に互いに平行な一対のエッジを2組有し、2組のエッジが互いに垂直であるような形状であり、かつ、中央パターンを内郭パターンで囲むことができる形状であれば特に限定されるものではない。具体的に、中央パターンの形状としては、矩形、十字形等とすることができる。通常、中央パターンの形状は、矩形である。
中央パターンの大きさとしては、重ね合わせズレ量よりも大きければ特に限定されるものではない。なお、中央パターンが大きすぎると、階調マスクの有効面積が相対的に小さくなる。また、中央パターンの線幅が狭すぎるものは、パターニングが困難である。
2.半透明膜
本発明に用いられる半透明膜は、透明基板上に形成されるものである。半透明膜は、上記重ね合わせ精度測定マーク、ならびに後述の遮光領域、半透過領域および透過領域の形状に応じて、透明基板上にパターン状に形成される。
半透明膜は、透過率調整機能を有するものであれば特に限定されるものではなく、フォトマスクに用いられる一般的な半透明膜を用いることができる。半透明膜としては、例えば、クロム、モリブデンシリサイド、タンタル、アルミニウム、ケイ素等の酸化物、窒化物、炭化物などの膜が挙げられる。中でも、クロム、酸化クロム、窒化クロム、酸化窒化クロム、酸化窒化炭化クロムなどのクロム系膜が好ましい。これらのクロム系膜は、機械的強度に優れており、さらには耐光性に優れ安定しているからである。その結果、本発明の階調マスクを長時間の使用に耐えうるものとすることができる。このクロム系膜は、単層であってもよく、2層以上が積層されたものであってもよい。
後述するように、半透明膜と同様に、遮光膜もクロム系膜であることが好ましいが、半透明膜と遮光膜との間にエッチングストッパー膜が形成されているので、半透明膜および遮光膜のエッチング選択性を考慮しなくてもよいのである。また、図3(f)〜(g)に例示するように、半透明膜および遮光膜を同時にエッチングするためにも、半透明膜および遮光膜はクロム系膜であることが好ましい。
半透明膜は、波長250nm〜600nmにおける任意の波長の透過率が、5%〜70%の範囲内であることが好ましく、より好ましくは10%〜50%の範囲内である。透過率が上記範囲未満では、本発明の階調マスクを用いたパターン形成において、半透過領域と遮光領域との透過率の差が出にくくなる場合があり、また透過率が上記範囲を超えると、半透過領域と透過領域との透過率の差が出にくくなる場合があるからである。
なお、各波長での透過率は、透明基板の透過率をリファレンス(100%)として、半透明膜の透過率を測定した値である。装置としては、紫外・可視分光光度計(例えば日立U-4000等)、またはフォトダイオードアレイを検出器としている装置(例えば大塚電子MCPD等)を用いることができる。
半透明膜の膜厚としては、所定の透過率特性を満たす膜厚であればよく、例えばクロム膜の場合は5nm〜50nm程度とすることができ、また酸化クロム膜の場合は5nm〜150nm程度とすることができる。半透明膜の透過率はその膜厚により変わるので、膜厚を制御することで所望の透過率とすることができる。また、半透明膜が酸素、窒素、炭素などを含む場合は、その透過率は組成により変わるので、膜厚と組成とを同時にコントロールすることで所望の透過率を実現できる。
半透明膜の成膜方法としては、例えばスパッタリング法、イオンプレーティング法、真空蒸着法などの物理蒸着法(PVD)が用いられる。例えばスパッタリング法を用いて酸化窒化炭化クロム膜を成膜する場合は、Arガス等のキャリアガス、酸素(炭酸)ガス、窒素ガスを反応装置内に導入し、Crターゲットを用いた反応性スパッタリング法にて酸化窒化炭化クロム膜を成膜することができる。この際、酸化窒化炭化クロム膜の組成の制御は、Arガス、酸素(炭酸)ガス、窒素ガスの流量の割合を制御することにより行うことができる。
また、半透明膜のパターニング方法としては、通常、フォトリソグラフィー法が用いられる。なお、半透明膜のパターニング方法については、後述の階調マスクの製造方法の項に詳しく記載するので、ここでの説明は省略する。
3.遮光膜
本発明に用いられる遮光膜は、エッチングストッパー膜上に形成されるものである。遮光膜は、上記重ね合わせ精度測定マーク、ならびに後述の遮光領域、半透過領域および透過領域の形状に応じて、パターン状に形成される。
遮光膜は、実質的に露光光を透過しないものであり、露光波長における平均透過率が0.1%以下であることが好ましい。このような遮光膜としては、フォトマスクに用いられる一般的な遮光膜を用いることができ、例えば、クロム、酸化クロム、窒化クロム、酸化窒化クロム、モリブデンシリサイド、タンタル、アルミニウム、ケイ素、酸化ケイ素、酸化窒化ケイ素などの膜が挙げられる。中でも、クロム、酸化クロム、窒化クロム、酸化窒化クロム等のクロム系膜が好適に用いられる。このようなクロム系膜は、最も使用実績があり、コスト、品質の点で好ましいからである。このクロム系膜は、単層であってもよく、2層以上が積層されたものであってもよい。
遮光膜の膜厚としては、特に限定されるものではなく、例えばクロム膜の場合には50nm〜150nm程度とすることができる。
遮光膜の成膜方法としては、例えばスパッタリング法、イオンプレーティング法、真空蒸着法などの物理蒸着法(PVD)が用いられる。
また、遮光膜のパターニング方法としては、通常、フォトリソグラフィー法が用いられる。なお、遮光膜のパターニング方法については、後述の階調マスクの製造方法の項に詳しく記載するので、ここでの説明は省略する。
4.エッチングストッパー膜
本発明に用いられるエッチングストッパー膜は、半透明膜上に形成されるものである。エッチングストッパー膜は、上記重ね合わせ精度測定マーク、ならびに後述の遮光領域、半透過領域および透過領域の形状に応じて、パターン状に形成される。
半透明膜と遮光膜との間にエッチングストッパー膜が形成されていることにより、階調マスクを製造する際、遮光膜のエッチング時に、物理的に半透明膜がエッチングされるのを防止することができる。これにより、半透明膜および遮光膜のエッチング速度を考慮する必要がなくなるので、半透明膜および遮光膜を形成する材料の選択の幅を広げることができる。また、エッチングストッパー膜は、半透明膜を保護するため、半透過領域における半透明膜の膜厚の均一性を向上でき、階調マスクの階調をより鮮明なものとすることができる。
エッチングストッパー膜としては、階調マスクを製造する際、遮光膜のエッチング時に半透明膜もエッチングされるのを防ぐことができるものであれば特に限定されるものではなく、フォトマスクに用いられる一般的なエッチングストッパー膜を用いることができる。例えば、チタン、窒化チタン、酸化チタン、窒化酸化チタン、ニッケル、ニッケルアルミニウム、窒化タンタル、酸化タンタル、モリブデンシリサイド等が挙げられる。中でも、チタン、窒化チタン、酸化チタン、窒化酸化チタン等のチタン系膜が好ましい。チタン系膜は、遮光膜として汎用的であるクロムのエッチャントに対して耐性がある。また、チタン系膜は、比較的使用しやすいエッチャント(例えば、水酸化カリウムと過酸化水素と水の混合液)でエッチングが可能であり、SUSなどを腐食させないのでエッチング装置が作り易いという利点を有する。
エッチングストッパー膜の膜厚としては、特に限定されるものではなく、10nm〜100nm程度とすることができる。なお、エッチングストッパー膜は、膜厚が比較的薄くても上述した効果を十分に発揮できる。
エッチングストッパー膜の成膜方法としては、例えばスパッタリング法、イオンプレーティング法、真空蒸着法などの物理蒸着法(PVD)が用いられる。
なお、エッチングストッパー膜の剥離方法については、後述の階調マスクの製造方法の項に詳しく記載するので、ここでの説明は省略する。
5.透明基板
本発明に用いられる透明基板は、フォトマスクに用いられる一般的な基板を使用することができる。例えば、ホウ珪酸ガラス、アルミノホウ珪酸ガラス等の光学研磨された低膨張ガラス、石英ガラス、合成石英ガラス、パイレックス(登録商標)ガラス、ソーダライムガラス、ホワイトサファイアなどの可撓性のない透明なリジット材、あるいは、透明樹脂フィルム、光学用樹脂フィルムなどの可撓性を有する透明なフレキシブル材を用いることができる。中でも、石英ガラスは、熱膨脹率の小さい素材であり、寸法安定性および高温加熱処理における特性に優れている。
6.遮光領域、半透過領域および透過領域
本発明における遮光領域は、遮光膜が形成されている領域である。本発明においては、透明基板上に半透明膜、エッチングストッパー膜および遮光膜が順に積層されていることから、遮光領域は、透明基板上に半透明膜、エッチングストッパー膜および遮光膜が順に積層されている領域となる。
本発明における半透過領域は、半透明膜が露出している領域である。通常、半透過領域は、透明基板上に半透明膜のみが形成された領域であり、半透過領域では、透明基板上に半透明膜のみが形成されており、エッチングストッパー膜および遮光膜は形成されていない。
後述するように、透明基板とエッチングストッパー膜との間に第2半透明膜が形成されていてもよく、この場合、階調マスクは上記半透過領域とは異なる透過率特性をもつ第2半透過領域を有することができる。この場合、2階調以上の多階調マスクとすることができる。
また、本発明における透過領域は、透明基板が露出している領域である。通常、透過領域は、透明基板上に半透明膜、エッチングストッパー膜および遮光膜のいずれも形成されていない領域である。
遮光領域、半透過領域および透過領域の形状としては、特に限定されるものではなく、本発明の階調マスクの用途に応じて適宜調整される。
7.その他の構成
本発明においては、透明基板とエッチングストッパー膜との間に第2半透明膜が形成されていてもよい。この場合、階調マスクは上記半透過領域とは異なる透過率特性をもつ第2半透過領域を有することができ、2階調以上の多階調マスクとすることができる。パターニングを繰り返し行うことにより、半透過領域と、この半透過領域とは異なる透過率特性を有する第2半透過領域とを形成することは可能である。
8.用途
本発明の階調マスクは、フォトリソグラフィー法などのように、露光工程を経て製造される様々な製品の製造に用いることができる。中でも、液晶表示装置、有機EL表示装置、プラズマディスプレイパネル等の表示装置の製造、特に大型の表示装置の製造に好適に用いられる。
本発明の階調マスクを用いた一括露光により2種以上のパターンを同時に形成する用途として、具体的には液晶表示装置におけるスペーサおよび配向制御用突起の同時形成、液晶表示装置における高さの異なるスペーサの同時形成、液晶表示装置におけるスペーサおよびオーバーコート層の同時形成、液晶表示装置用カラーフィルタにおけるスペーサおよび配向制御用突起の同時形成、液晶表示装置カラーフィルタにおける高さの異なるスペーサの同時形成、液晶表示装置カラーフィルタにおけるスペーサおよびオーバーコート層の同時形成、表示装置における半導体素子作製時の厚みの異なるレジストの形成などを挙げることができる。
本発明の階調マスクの大きさとしては、用途に応じて適宜調整される。
9.階調マスクの製造方法
次に、本発明の階調マスクの製造方法について説明する。本発明の階調マスクの製造方法は、通常、透明基板上に半透明膜、エッチングストッパー膜および遮光膜が順に積層されたマスクブランクを準備するマスクブランク準備工程と、遮光膜をパターニングする遮光膜パターニング工程と、遮光膜のパターンの開口部に位置するエッチングストッパー膜を剥離するエッチングストッパー膜剥離工程と、半透明膜をパターニングする半透明膜パターニング工程とを有している。
図3(a)〜(g)は、本発明の階調マスクの製造方法の一例を示す工程図である。まず、透明基板2上に半透明膜3a、エッチングストッパー膜4aおよび遮光膜5aが順に積層されたマスクブランクを準備し(マスクブランク準備工程)、このマスクブランクの遮光膜5a上にフォトレジスト層10aを形成し(図3(a))、次いでフォトレジスト層10aをパターン露光および現像して、フォトレジストパターン10bを形成し(図3(b))、フォトレジストパターン10bの開口部の遮光膜5aをエッチングし、フォトレジストパターン10bを除去して、遮光膜5bのパターンを形成する(図3(c))(図3(a)〜(c)、遮光膜パターニング工程)。次に、遮光膜5bのパターンの開口部のエッチングストッパー膜4aを剥離し、エッチングストッパー膜4bのパターンを形成する(図3(d)、エッチングストッパー膜剥離工程)。続いて、遮光膜5bのパターン上にフォトレジスト層10cを形成し(図3(e))、次いでフォトレジスト層10cをパターン露光および現像して、フォトレジストパターン10dを形成し(図3(f))、フォトレジストパターン10dの開口部の半透明膜3aおよび遮光膜5bをエッチングし、フォトレジストパターン10dを除去して、半透明膜3bのパターンを形成する(図3(g))(図3(e)〜(g)、半透明膜パターニング工程)。
以下、本発明の階調マスクの製造方法における各工程について説明する。
(i)マスクブランク準備工程
マスクブランク準備工程は、透明基板上に半透明膜、エッチングストッパー膜および遮光膜が順に積層されたマスクブランクを準備する工程である。なお、透明基板、半透明膜、エッチングストッパー膜および遮光膜については、上述したとおりであるが、半透明膜および遮光膜はクロム系膜であることが好ましく、エッチングストッパー膜はチタン系膜であることが好ましい。
(ii)遮光膜パターニング工程
遮光膜パターニング工程は、遮光膜をパターニングする工程である。遮光膜のパターニング方法としては特に限定されるものではないが、通常、フォトリソグラフィー法が用いられる。
フォトリソグラフィー法の場合、マスクブランクの遮光膜上にレジストを塗布し、ベークを行ってフォトレジスト層を形成する。レジストとしては、ポジレジストおよびネガレジストのいずれも用いることができる。
遮光膜をパターニングするためのフォトレジスト層のパターン露光では、図3(b)に例示するように遮光領域となる領域にフォトレジスト層が残存し、かつ、図4(b)に例示するように中央パターンとなる領域にフォトレジスト層が残存するように、パターン露光する。すなわち、図3(b)に例示するように透過領域および半透過領域となる領域にてフォトレジスト層が除去され、かつ、図4(b)に例示するように外郭パターンおよび内郭パターンとなる領域にてフォトレジスト層が除去されるように、パターン露光する。
パターン露光の方法としては、通常、描画法が用いられる。描画法としては、特に限定されるものではなく、通常のフォトマスク描画に用いられる電子線描画法やレーザー描画法等を用いることができる。液晶表示装置や有機EL表示装置などの表示装置の大型化、製造時の多面付化に伴い、階調マスクも大型化しているため、表示装置用の階調マスクの作製には主にレーザー描画法が適用される。
パターン露光後のフォトレジスト層の現像は、一般的な現像方法に従って行うことができる。
フォトレジスト層のパターン露光および現像後は、フォトレジストパターンの開口部に位置する遮光膜をエッチングする。遮光膜のエッチング方法としては、例えば硝酸第2セリウムアンモニウム水溶液等によるウェットエッチング、塩素系ガス等によるドライエッチングのいずれも適用することができる。中でも、ウェットエッチングが好ましい。ウェットエッチングはコストや生産効率の点で有利である。また、ウェットエッチングは化学反応で溶解が進行するため、エッチャントを選択することによりエッチング速度を容易に制御できる点からも好ましい。遮光膜がクロム系膜である場合には、硝酸セリウム系ウェットエッチャントが好適に用いられる。
フォトレジスト層の除去方法としては特に限定されるものではなく、通常、酸素プラズマ処理による灰化や、有機アルカリ液、無機アルカリ液による洗浄によって行う。
遮光膜パターニング工程後に、遮光膜のパターンの検査を行う検査工程や、必要に応じて欠陥を修正する修正工程を行ってもよい。遮光膜がクロム膜である場合には、一般的なフォトマスクの検査技術、修正技術を適用することができる。遮光膜のパターンの寸法検査、遮光膜のパターンの欠陥検査の検査工程や、修正工程を行うことにより、次の工程に欠陥を有する基板が渡るのを防ぎ、良品率が高まり、マスクコスト低減に寄与する。
(iii)エッチングストッパー膜剥離工程
エッチングストッパー膜剥離工程は、遮光膜のパターンの開口部に位置するエッチングストッパー膜を剥離する工程である。
エッチングストッパー膜がチタン系膜である場合、剥離方法としては、水酸化カリウムと過酸化水素と水の混合液等によるウェットエッチング、フッ素系ガス等によるドライエッチングのいずれも適用することができる。中でも、コストやスループットなどの点から、ウェットエッチングが好ましい。
(iv)半透明膜パターニング工程
半透明膜パターニング工程は、半透明膜をパターニングする工程である。半透明膜のパターニング方法としては特に限定されるものではないが、通常、フォトリソグラフィー法が用いられる。
フォトリソグラフィー法の場合、遮光膜のパターンおよびエッチングストッパー膜のパターンが形成された透明基板上にレジストを塗布し、ベークを行ってフォトレジスト層を形成する。レジストとしては、ポジレジストおよびネガレジストのいずれも用いることができる。
半透明膜をパターニングするためのフォトレジスト層のパターン露光では、図3(f)に例示するように半透過領域および遮光領域となる領域にフォトレジスト層が残存し、かつ、図4(e)に例示するように外郭パターンとなる領域にフォトレジスト層が残存するように、パターン露光する。すなわち、図3(f)に例示するように透過領域となる領域にてフォトレジスト層が除去され、かつ、図4(e)に例示するように内郭パターンおよび中央パターンとなる領域にてフォトレジスト層が除去されるように、パターン露光する。
なお、パターン露光の方法、フォトレジスト層の現像、半透明膜のエッチング方法、およびその他の点については、上記遮光膜パターニング工程におけるパターン露光の方法、フォトレジスト層の現像、遮光膜のエッチング方法、およびその他の点と同様とすることができる。
II.第2実施態様
本発明の階調マスクの第2実施態様は、透明基板と、上記透明基板上に形成された半透明膜と、上記半透明膜上に形成されたエッチングストッパー膜と、上記エッチングストッパー膜上に形成された遮光膜とを有し、
上記透明基板が露出した透過領域と、上記半透明膜が露出した半透過領域と、上記遮光膜が形成された遮光領域とを有する階調マスクであって、
上記半透明膜が露出している第1半透明膜パターンからなる第1測定マークと、
上記半透明膜が露出している第2半透明膜パターン、および、上記第2半透明膜パターン内に形成され、上記透明基板が露出している第2透明パターンを有する第2測定マークと、
上記半透明膜が露出している第3半透明膜パターン、上記エッチングストッパー膜が露出している第3エッチングストッパー膜パターン、および、上記第3半透明膜パターンおよび上記第3エッチングストッパー膜パターンに囲まれ、上記透明基板が露出している第3透明パターンを有する第3測定マークと
を有する重ね合わせ精度測定マークを備え、
上記第1半透明膜パターン、上記第2透明パターンおよび上記第3透明パターンは、互いに平行な一対のエッジを2組有し、2組のエッジは互いに垂直であり、
上記第1半透明膜パターンと、上記第2透明パターンと、上記第3半透明膜パターンと上記第3透明パターンとを合わせたパターンと、上記第3エッチングストッパー膜パターンと上記第3透明パターンとを合わせたパターンとが同一の形状を有し、
当該階調マスクを製造する際の上記第1半透明膜パターンのデータ寸法と、上記第2透明パターンのデータ寸法と、上記第3半透明膜パターンおよび上記第3透明パターンを合わせたパターンのデータ寸法と、上記第3エッチングストッパー膜パターンおよび上記第3透明パターンを合わせたパターンのデータ寸法とが同一であり、
当該階調マスクを製造する際の上記第2半透明膜パターンのデータ寸法が、上記第2透明パターンのデータ寸法よりも大きい
ことを特徴とするものである。
本実施態様の階調マスクについて図面を参照しながら説明する。
図5は、本実施態様の階調マスクの一例を示す断面図である。図5に例示するように、階調マスク1は、透明基板2と、透明基板2上に形成された半透明膜3と、半透明膜3上に形成されたエッチングストッパー膜4と、エッチングストッパー膜4上に形成された遮光膜5とを有しており、透明基板2が露出した透過領域11と、半透明膜3が露出した半透過領域12と、遮光膜5が形成された遮光領域13とを有している。さらに、階調マスク1は、図6(a)、(b)に例示するような重ね合わせ精度測定マーク20を備えている。
図6(a)、(b)は、本実施態様の階調マスクにおける重ね合わせ精度測定マークの一例を示す模式図である。図6(a)は上面図、図6(b)は図6(a)のB−B線断面図、図6(c)は重ね合わせ精度測定マークの上方から光を照射した場合の図6(a)のB−B線断面に応じた検出信号の光量を示すグラフである。図6(a)、(b)に例示する階調マスクにおける重ね合わせ精度測定マーク20は、遮光膜5が形成された遮光領域13に接する、第1測定マーク51と、第2測定マーク52と、第3測定マーク53とを有している。第1測定マーク51は、半透明膜3が露出した第1半透明膜パターン41から構成されている。第2測定マーク52は、半透明膜3が露出した第2半透明膜パターン42と、第2半透明膜パターン42内に形成され、透明基板2が露出した第2透明パターン43とを有している。第3測定マーク53は、半透明膜3が露出した第3半透明膜パターン44と、エッチングストッパー膜4が露出した第3エッチングストッパー膜パターン45と、第3半透明膜パターン44および第3エッチングストッパー膜パターン45に囲まれ、透明基板2が露出した第3透明パターン46とを有している。
第1測定マーク51の第1半透明膜パターン41、第2測定マーク52の第2透明パターン43、および第3測定マーク53の第3透明パターン46はそれぞれ、互いに平行な一対のエッジを2組有しており、2組のエッジは互いに垂直となっている。
第1測定マーク51の第1半透明膜パターン41の形状は矩形、第2測定マーク52の第2透明パターン43の形状は矩形、第3測定マーク53の第3半透明膜パターン44と第3透明パターン46とを合わせたパターンの形状は矩形、第3測定マーク53の第3エッチングストッパー膜パターン45と第3透明パターン46とを合わせたパターンの形状は矩形であり、同一の形状となっている。
このような重ね合わせ精度測定マークにおいて、図6(c)中のスライスレベルL1で、図6(a)中の距離X1、Y1(第1測定マーク51の第1半透明膜パターン41の寸法)を測定し、図6(c)中のスライスレベルL2で、図6(a)中の距離X2、X3、Y2、Y3(第2測定マーク52の第2透明パターン43の寸法、および、第3測定マーク53の第3透明パターン46の寸法)を測定する場合、エッチングストッパー膜は遮光膜と透過率がほぼ等しいため、距離X1、X2、X3、Y1、Y2、Y3を測定することが可能である
図7(a)、(b)は、本実施態様の階調マスクを製造する際の各パターンの描画データの一例を示す模式図である。図7(a)は1回目のパターニングのときの描画データ、図7(b)は2回目のパターニングのときの描画データを示す。図7(a)に例示するように、第1半透明膜パターン61aのデータ寸法はb1×b2、第2半透明膜パターン62aのデータ寸法はc1×c2、第3半透明膜パターンおよび第3透明パターンを合わせたパターン63aのデータ寸法はb3×b4である。また、図7(b)に例示するように、第2透明パターン62bのデータ寸法はb5×b6、第3エッチングストッパー膜パターンおよび第3透明パターンを合わせたパターン63bのデータ寸法はb7×b8である。なお、図7(b)において、1回目のパターニングのときの描画データを破線、2回目のパターニングのときの描画データを一点鎖線で示している。
このとき、1回目のパターニングにおける第1半透明膜パターン61aのデータ寸法(b1×b2)と、2回目のパターニングにおける第2透明パターン62bのデータ寸法(b5×b6)と、1回目のパターニングにおける第3半透明膜パターンおよび第3透明パターンを合わせたパターン63aのデータ寸法(b3×b4)と、2回目のパターニングにおける第3エッチングストッパー膜パターンおよび第3透明パターンを合わせたパターン63bのデータ寸法(b7×b8)とは同一となっている。
そして、2回目のパターニングにおける第3エッチングストッパー膜パターンおよび第3透明パターンを合わせたパターン63bは、1回目のパターニングにおける第3半透明膜パターンおよび第3透明パターンを合わせたパターン63aに対して、X方向の右方向に距離a1、Y方向の上方向に距離a2ずれている。そのため、第3測定マークを構成する第3透明パターンの寸法を測定することにより、X方向のオフセットa1およびY方向のオフセットa2だけずれて重なった部分の寸法を確認することができる。
また、1回目のパターニングにおける第2半透明膜パターン62aのデータ寸法(c1×c2)は、2回目のパターニングにおける第2透明パターン62bのデータ寸法(b5×b6)よりも大きくなっている。
本実施態様の階調マスクは、例えば図8(a)〜(g)に示すように作製することができる。まず、透明基板2上に半透明膜3a、エッチングストッパー膜4aおよび遮光膜5aが順に積層されたマスクブランクを準備し、このマスクブランクの遮光膜5a上にフォトレジスト層10aを形成する(図8(a))。次いで、フォトレジスト層10aをパターン露光および現像して、フォトレジストパターン10bを形成する(図8(b))。続いて、フォトレジストパターン10bの開口部の遮光膜5aをエッチングし、フォトレジストパターン10bを除去して、遮光膜5bのパターンを形成する(図8(c))。次に、遮光膜5bのパターンの開口部のエッチングストッパー膜4aを剥離し、エッチングストッパー膜4bのパターンを形成する(図8(d))。次に、遮光膜5bのパターン上にフォトレジスト層10cを形成する(図8(e))。次いで、フォトレジスト層10cをパターン露光および現像して、フォトレジストパターン10dを形成する(図8(f))。続いて、フォトレジストパターン10dの開口部の半透明膜3aおよび遮光膜5bをエッチングし、フォトレジストパターン10dを除去して、半透明膜3bのパターンを形成する(図8(g))。
図9(a)〜(f)は、図8(a)〜(g)に例示する階調マスクの製造方法における重ね合わせ精度測定マークが形成される部分の上面図である。なお、図8(a)〜(g)に例示する工程と、図9(a)〜(f)に例示する工程とでは、図9(b)が図8(b)に対応し、図9(c)が図8(c)に対応し、図9(d)が図8(d)に対応し、図9(e)が図8(f)に対応し、図9(f)が図8(g)に対応している。
まず、透明基板上に半透明膜、エッチングストッパー膜および遮光膜5aが順に積層されたマスクブランクを準備し(図9(a))、このマスクブランクの遮光膜5a上にフォトレジスト層を形成し、フォトレジスト層をパターン露光および現像して、フォトレジストパターン10bを形成する(図9(b))。次いで、フォトレジストパターン10bの開口部の遮光膜5aをエッチングして、フォトレジストパターン10bを除去して、遮光膜5bのパターンを形成する(図9(c))。次に、遮光膜5bのパターンの開口部のエッチングストッパー膜4aを剥離して半透明膜3aを露出させる(図9(d))。続いて、遮光膜5bのパターン上にフォトレジスト層を形成し、フォトレジスト層をパターン露光および現像して、フォトレジストパターン10dを形成する(図9(e))。次いで、フォトレジストパターン10dの開口部の半透明膜3aおよび遮光膜5bをエッチングして透明基板2およびエッチングストッパー膜4bを露出させ、フォトレジストパターン10dを除去する(図9(f))。これにより、図6(a)、(b)に例示する重ね合わせ精度測定マークが得られる。
このように本実施態様においては、重ね合わせ精度測定マークを作製するための工程数を増やすことなく、重ね合わせのズレを検出することが可能な重ね合わせ精度測定マークを得ることができる。
図6(a)に例示する第1測定マーク51を構成する第1半透明膜パターン41は、図7(a)、(b)および図9(a)〜(f)に例示するように、1回目のパターニングにて画定される。よって、第1測定マークを構成する第1半透明膜パターンの寸法を測定することにより、1回目のパターニングの出来上がり寸法を確認することができる。
図6(a)に例示する第2測定マーク52を構成する第2透明パターン43は、図7(a)、(b)および図9(a)〜(f)に例示するように、2回目のパターニングにて画定される。よって、第2測定マークを構成する第2透明パターンの寸法を測定することにより、2回目のパターニングの出来上がり寸法を確認することができる。
図6(a)に例示する第3測定マーク53を構成する第3透明パターン46は、図7(a)、(b)および図9(a)〜(f)に例示するように、1回目のパターニングおよび2回目のパターニングにて画定される。図7(a)、(b)に示すように、1回目のパターニングにおける第3半透明膜パターンおよび第3透明パターンを合わせたパターン63aのデータ寸法(b3×b4)と、2回目のパターニングにおける第3エッチングストッパー膜パターンおよび第3透明パターンを合わせたパターン63bのデータ寸法(b7×b8)とは同一となっている。この2回目のパターニングにおける第3エッチングストッパー膜パターンおよび第3透明パターンを合わせたパターン63bは、1回目のパターニングにおける第3半透明膜パターンおよび第3透明パターンを合わせたパターン63aに対して、X方向の右方向に距離a1、Y方向の上方向に距離a2ずれている。よって、第3測定マークを構成する第3透明パターンの寸法を測定することにより、X方向のオフセットa1およびY方向のオフセットa2だけずれて重なった部分の寸法を確認することができる。
本実施態様において、1回目のパターニングと2回目のパターニングとの相対的な位置のズレ、すなわち重ね合わせのズレは、上記の距離X1、X2、X3、Y1、Y2、Y3、X方向のオフセットa1、Y方向のオフセットa2を用いて、下記式(3)、(4)により算出することができる。
X方向のズレ量=(X2−a1−X3)−(X2−X1)/2 (3)
Y方向のズレ量=(Y2−a2−Y3)−(Y2−Y1)/2 (4)
上記式(3)において、(X2−a1−X3)は、X方向のオフセットa1だけずれて重なった部分の寸法(1回目のパターニングの出来上がり寸法と2回目のパターニングの出来上がり寸法との差(片側)を含む。)を示している。また、上記式(3)において、(X2−X1)/2は、X方向について、1回目のパターニングの出来上がり寸法と2回目のパターニングの出来上がり寸法との差(片側)を示している。
同様に、上記式(4)において、(Y2−a2−Y3)は、Y方向のオフセットa2だけずれて重なった部分の寸法(1回目のパターニングの出来上がり寸法と2回目のパターニングの出来上がり寸法との差(片側)を含む。)を示している。また、上記式(4)において、(Y2−Y1)/2は、Y方向について、1回目のパターニングの出来上がり寸法と2回目のパターニングの出来上がり寸法との差(片側)を示している。
X方向のズレ量およびY方向のズレ量がプラスの値またはマイナスの値になる場合に、1回目のパターニングに対する2回目のパターニングの重ね合わせがいずれの方向にずれているかは、オフセットa1,a2の取り方によって異なる。
例えば、X方向については、オフセットa1を右側にとる場合、上記式(3)においてX方向のズレ量がプラスの値になる場合には、図6(a)において1回目のパターニングに対する2回目のパターニングの重ね合わせが右方向にずれていることを意味し、上記式(3)においてX方向のズレ量がマイナスの値になる場合は、図6(a)において1回目のパターニングに対する2回目のパターニングの重ね合わせが左方向にずれていることを意味する。
一方、オフセットa1を左側にとる場合、上記式(3)においてX方向のズレ量がプラスの値になる場合には、図6(a)において1回目のパターニングに対する2回目のパターニングの重ね合わせが左方向にずれていることを意味し、上記式(3)においてX方向のズレ量がマイナスの値になる場合は、図6(a)において1回目のパターニングに対する2回目のパターニングの重ね合わせが右方向にずれていることを意味する。
また例えば、Y方向については、オフセットa2を上側にとる場合、上記式(4)においてY方向のズレ量がプラスの値になる場合には、図6(a)において1回目のパターニングに対する2回目のパターニングの重ね合わせが上方向にずれていることを意味し、上記式(4)においてY方向のズレ量がマイナスの値になる場合は、図6(a)において1回目のパターニングに対する2回目のパターニングの重ね合わせが下方向にずれていることを意味する。
一方、オフセットa2を下側にとる場合、上記式(4)においてY方向のズレ量がプラスの値になる場合には、図6(a)において1回目のパターニングに対する2回目のパターニングの重ね合わせが下方向にずれていることを意味し、上記式(4)においてY方向のズレ量がマイナスの値になる場合は、図6(a)において1回目のパターニングに対する2回目のパターニングの重ね合わせが上方向にずれていることを意味する。
なお、透明基板、半透明膜、エッチングストッパー膜、遮光膜、透過領域、半透過領域、遮光領域、その他の構成、用途、および階調マスクの製造方法等については、上記第1実施態様と同様であるので、ここでの説明は省略する。以下、本実施態様の階調マスクにおける他の構成について説明する。
1.重ね合わせ精度測定マーク
本実施態様における重ね合わせ精度測定マークは、上記半透明膜が露出している第1半透明膜パターンからなる第1測定マークと、上記半透明膜が露出している第2半透明膜パターン、および、上記第2半透明膜パターン内に形成され、上記透明基板が露出している第2透明パターンを有する第2測定マークと、上記半透明膜が露出している第3半透明膜パターン、上記エッチングストッパー膜が露出している第3エッチングストッパー膜パターン、および、上記第3半透明膜パターンおよび上記第3エッチングストッパー膜パターンに囲まれ、上記透明基板が露出している第3透明パターンを有する第3測定マークとを有するものである。
以下、第1測定マーク、第2測定マークおよび第3測定マークに分けて説明する。
(1)第1測定マーク
第1測定マークは、半透明膜が露出している第1半透明膜パターンから構成されるものである。
第1半透明膜パターンは、半透明膜が露出している領域で構成されるパターンである。通常、第1半透明膜パターンは、透明基板上に半透明膜のみが形成されている領域であり、エッチングストッパー膜および遮光膜が形成されていない領域で構成される。
第1半透明膜パターンは、図6(a)に例示するように、第1半透明膜パターン41が遮光領域13で囲まれるように配置される。
第1半透明膜パターンは、互いに平行な一対のエッジを2組有し、2組のエッジは互いに垂直である。
第1半透明膜パターンは、後述の第2透明パターン、第3半透明膜パターンと第3透明パターンとを合わせたパターン、および、第3エッチングストッパー膜パターンと第3透明パターンとを合わせたパターンと同一の形状を有している。第1半透明膜パターンの形状としては、これらのパターンと同一の形状であり、互いに平行な一対のエッジを2組有し、2組のエッジは互いに垂直であるような形状であり、第1半透明膜パターンを遮光領域で囲むことができる形状であれば特に限定されるものではない。通常、第1半透明膜パターンの形状は、矩形とされる。
また、本実施態様の階調マスクを製造する際の第1半透明膜パターンのデータ寸法は、第2透明パターンのデータ寸法、第3半透明膜パターンおよび第3透明パターンを合わせたパターンのデータ寸法、および、第3エッチングストッパー膜パターンおよび第3透明パターンを合わせたパターンのデータ寸法と同一である。このように各パターンの描画データを設計することにより、重ね合わせのズレが測定可能となる。
第1半透明膜パターンの大きさとしては、重ね合わせズレ量と、オフセットa1,a2と、測定可能な線幅αとの合計よりも大きければ特に限定されるものではないが、中でも、重ね合わせズレ量と、オフセットa1,a2と、測定可能な線幅αと、1回目のパターニングの出来上がり寸法および2回目のパターニングの出来上がり寸法の差((X2−X1)および(Y2−Y1))との合計よりも大きいことが好ましい。第1半透明膜パターンの線幅が狭すぎるものは、パターニングが困難である。また、第1半透明膜パターンのデータ寸法は、上述したように、第3半透明膜パターンおよび第3透明パターンを合わせたパターンのデータ寸法、および、第3エッチングストッパー膜パターンおよび第3透明パターンを合わせたパターンのデータ寸法と同一であるので、第1半透明膜パターンの大きさがオフセットa1,a2よりも小さいと、第3透明パターンを形成することが困難となる。一方、第1半透明膜パターンが大きすぎると、階調マスクの有効面積が相対的に小さくなる。
ここで、上記の測定可能な線幅αとしては、0.7μm以上であることが好ましい。
また、上記の1回目のパターニングの出来上がり寸法および2回目のパターニングの出来上がり寸法の差としては、最大で0.5μm程度である。
(2)第2測定マーク
第2測定マークは、半透明膜が露出している第2半透明膜パターンと、第2半透明膜パターン内に形成され、透明基板が露出している第2透明パターンとを有するものである。この第2透明パターンは、互いに平行な一対のエッジを2組有し、2組のエッジは互いに垂直である。
第2半透明膜パターンは、半透明膜が露出している領域で構成されるパターンである。通常、第2半透明膜パターンは、透明基板上に半透明膜のみが形成されている領域であり、エッチングストッパー膜および遮光膜が形成されていない領域で構成される。
第2半透明膜パターンは、図6(a)に例示するように、第2半透明膜パターン42の外側が遮光領域13に接し、第2半透明膜パターン42の内側が第2透明パターン43に接するように配置される。
第2半透明膜パターンは、内側が第2透明パターンに接していることから、内側に互いに平行な一対のエッジを2組有し、2組のエッジが互いに垂直となっている。
第2半透明膜パターンの形状としては、内側に互いに平行な一対のエッジを2組有し、2組のエッジは互いに垂直であるような形状であり、かつ、第2半透明膜パターンを遮光領域で囲むことができ、第2半透明膜パターン内に第2透明パターンを形成することができる形状であれば特に限定されるものではない。通常、第2半透明膜パターンの外側の形状および内側の形状は、矩形である。
第2半透明膜パターンの大きさとしては、重ね合わせズレ量と、第2透明パターンの大きさとの合計よりも大きければ特に限定されるものではない。第2半透明膜パターンの線幅が狭すぎるものは、パターニングが困難である。一方、第2半透明膜パターンが大きすぎると、階調マスクの有効面積が相対的に小さくなる。
第2透明パターンは、透明基板が露出している領域で構成されるパターンである。通常、第2透明パターンは、透明基板上に半透明膜、エッチングストッパー膜および遮光膜のいずれも形成されていない領域で構成される。
第2透明パターンは、図6(a)に例示するように、第2透明パターン43が第2半透明膜パターン42で囲まれるように配置される。
この第2透明パターンは、互いに平行な一対のエッジを2組有し、2組のエッジは互いに垂直である。
第2透明パターンは、上記第1半透明膜パターン、後述の第3半透明膜パターンと第3透明パターンとを合わせたパターン、および、後述の第3エッチングストッパー膜パターンと第3透明パターンとを合わせたパターンと同一の形状を有している。第2透明パターンの形状としては、これらのパターンと同一の形状であり、互いに平行な一対のエッジを2組有し、2組のエッジが互いに垂直であるような形状であり、第2透明パターンを第2半透明膜パターンで囲むことができる形状であれば特に限定されるものではない。通常、第2透明パターンの形状は、矩形とされる。
また、本発明の階調マスクを製造する際の第2透明パターンのデータ寸法は、第1半透明膜パターンのデータ寸法、第3半透明膜パターンおよび第3透明パターンを合わせたパターンのデータ寸法、および、第3エッチングストッパー膜パターンおよび第3透明パターンを合わせたパターンのデータ寸法と同一である。上述したように、このように各パターンの描画データを設計することにより、重ね合わせのズレが測定可能となる。
第2透明パターンの大きさとしては、重ね合わせズレ量と、オフセットa1,a2と、測定可能な線幅αとの合計よりも大きければ特に限定されるものではない。第2透明パターンの線幅が狭すぎるものは、パターニングが困難である。また、第2透明パターンのデータ寸法は、上述したように、第3半透明膜パターンおよび第3透明パターンを合わせたパターンのデータ寸法、および、第3エッチングストッパー膜パターンおよび第3透明パターンを合わせたパターンのデータ寸法と同一であるので、第2透明パターンの大きさがオフセットa1,a2よりも小さいと、第3透明パターンを形成することが困難となる。一方、第2透明パターンが大きすぎると、階調マスクの有効面積が相対的に小さくなる。
なお、上記の測定可能な線幅α、および、1回目のパターニングの出来上がり寸法と2回目のパターニングの出来上がり寸法との差については、上述したとおりである。
また、本実施態様の階調マスクを製造する際の第2半透明膜パターンのデータ寸法は、第2透明パターンのデータ寸法よりも大きい。これにより、第2半透明膜パターン内に第2透明パターンを形成可能であり、2回目のパターニングの出来上がり寸法を確認することができる。
(3)第3測定マーク
第3測定マークは、半透明膜が露出している第3半透明膜パターンと、エッチングストッパー膜が露出している第3エッチングストッパー膜パターンと、第3半透明膜パターンおよび第3エッチングストッパー膜パターンに囲まれ、透明基板が露出している第3透明パターンとを有するものである。この第3透明パターンは、互いに平行な一対のエッジを2組有し、2組のエッジは互いに垂直である。
第3半透明膜パターンは、半透明膜が露出している領域で構成されるパターンである。通常、第3半透明膜パターンは、透明基板上に半透明膜のみが形成されている領域であり、エッチングストッパー膜および遮光膜が形成されていない領域で構成される。
第3半透明膜パターンは、図6(a)に例示するように、遮光領域13および第3透明パターン46に接するように配置される。
第3半透明膜パターンは、第3透明パターンに接していることから、図6(a)に例示するように、第3半透明膜パターン44および第3透明パターン46の境界に、互いに垂直な一対のエッジを有している。
第3半透明膜パターンは、この第3半透明膜パターンと第3透明パターンとを合わせたパターンの形状が、上記第1半透明膜パターンの形状、上記第2透明パターンの形状、および、第3エッチングストッパー膜パターンと第3透明パターンとを合わせたパターンの形状と同一になるような形状を有している。第3半透明膜パターンの形状としては、このような形状であれば特に限定されるものではなく、通常、矩形とされる。
第3半透明膜パターンの大きさは、重ね合わせズレ量およびオフセットa1,a2に応じて決定される。パターニング性に関しては第3透明パターンの線幅に依存するので、第3半透明膜パターンの線幅は小さくてもパターニング性に影響はない。また、第3半透明膜パターンの大きさは、重ね合わせズレ量よりも小さくてもかまわない。
第3エッチングストッパー膜パターンは、エッチングストッパー膜が露出している領域で構成されるパターンである。通常、第3エッチングストッパー膜パターンは、透明基板上に半透明膜およびエッチングストッパー膜が順に積層されている領域であり、遮光膜が形成されていない領域で構成される。
第3エッチングストッパー膜パターンは、図6(a)に例示するように、遮光領域13および第3透明パターン46に接するように配置される。
第3エッチングストッパー膜パターンは、第3透明パターンに接していることから、図6(a)に例示するように、第3エッチングストッパー膜パターン45および第3透明パターン46の境界に、互いに垂直な一対のエッジを有している。
第3エッチングストッパー膜パターンは、この第3エッチングストッパー膜パターンと第3透明パターンとを合わせたパターンの形状が、上記第1半透明膜パターンの形状、上記第2透明パターンの形状、および、上記第3半透明膜パターンと第3透明パターンとを合わせたパターンの形状と同一になるような形状を有している。第3エッチングストッパー膜パターンの形状としては、このような形状であれば特に限定されるものではなく、通常、矩形とされる。
第3エッチングストッパー膜パターンの大きさは、重ね合わせズレ量およびオフセットa1,a2に応じて決定される。パターニング性に関しては第3透明パターンの線幅に依存するので、第3エッチングストッパー膜パターンの線幅は小さくてもパターニング性に影響はない。また、第3エッチングストッパー膜パターンの大きさは、重ね合わせズレ量よりも小さくてもかまわない。
第3透明パターンは、透明基板が露出している領域で構成されるパターンである。通常、第3透明パターンは、透明基板上に半透明膜、エッチングストッパー膜および遮光膜のいずれも形成されていない領域で構成される。
第3透明パターンは、図6(a)に例示するように、第3透明パターン46が第3半透明膜パターン44および第3エッチングストッパー膜パターン45で囲まれるように配置される。
この第3透明パターンは、互いに平行な一対のエッジを2組有し、2組のエッジは互いに垂直である。
第3透明パターンは、上記第3半透明膜パターンと第3透明パターンとを合わせたパターンの形状、および、上記第3エッチングストッパー膜パターンと第3透明パターンとを合わせたパターンの形状が、上記第1半透明膜パターンの形状、および、上記第2透明パターンの形状と同一になるような形状を有している。第3透明パターンの形状としては、このような形状であり、互いに平行な一対のエッジを2組有し、2組のエッジが互いに垂直であるような形状であり、第3透明パターンを第3半透明膜パターンおよび第3エッチングストッパー膜パターンで囲むことができる形状であれば特に限定されるものではない。通常、第3透明パターンの形状は、矩形とされる。
第3透明パターンの大きさとしては、測定可能な線幅αよりも大きければ特に限定されるものではない。第3透明パターンの線幅が狭すぎるものは、パターニングが困難である。一方、第3透明パターンが大きすぎると、階調マスクの有効面積が相対的に小さくなる。
また、本実施態様の階調マスクを製造する際、第3半透明膜パターンおよび第3透明パターンを合わせたパターンのデータ寸法、および、第3エッチングストッパー膜パターンおよび第3透明パターンを合わせたパターンのデータ寸法は、第1半透明膜パターンのデータ寸法、および、第2透明パターンのデータ寸法と同一である。上述したように、このように各パターンの描画データを設計することにより、重ね合わせのズレが測定可能となる。
(4)その他の構成
第1測定マーク、第2測定マークおよび第3測定マークは、図6(a)に例示するように、通常、それぞれ独立して配置される。
図7(b)に例示するようなX方向のオフセットa1およびY方向のオフセットa2は、重ね合わせズレ量よりも大きければ特に限定されるものではないが、重ね合わせズレ量に対して余裕を持って大きいことが好ましい。具体的に、X方向のオフセットおよびY方向のオフセットはそれぞれ、重ね合わせズレ量を1とすると、2〜3程度であることが好ましい。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
以下、本発明について実施例および比較例を用いて具体的に説明する。
[実施例1]
本発明の効果を確認するために、520mm×800mm×10mmの石英ガラスを用いて実験を行った。石英基板上に、半透明膜(CrOx膜、膜厚50nm)、エッチングストッパー膜(Ti系膜、膜厚30nm)、遮光膜(Cr膜、膜厚150nm)の順に積層されているブランクスを用意した。
まず、ブランクスにフォトレジストを塗布し、基板の外周部に本発明の第1実施態様の重ね合わせ精度測定マークを形成するための1回目のパターンを描画した。この際、図4(b)に例示するように、外郭パターンとなる30μm×30μmの正方形の抜きパターン内に中央パターンとなる10μm×10μmの正方形のパターンが位置するように描画した。1回目のパターンでは、図10に例示するように、重ね合わせ精度測定マークが10箇所配置されるように設計した。続いて、レジストの現像、遮光膜のエッチング、およびエッチングストッパー膜のエッチングを行った後、レジスト剥離を行った。
次に、再びブランクスにフォトレジストを塗布し、本発明の第1実施態様の重ね合わせ精度測定マークを形成するための2回目のパターンを描画した。この際、図4(e)に例示するように、内郭パターンとなる20μm×20μmの正方形の抜きパターン内に上記1回目のパターニングで形成した中央パターンとなる10μm×10μmの正方形のパターンが位置するように描画した。続いて、レジストの現像、および半透明膜のエッチングを行った後、レジスト剥離を行った。
上述の工程を経て形成された重ね合わせ精度測定マークをそれぞれ測定し、重ね合わせズレ量を算出した(表1参照)。
[実施例2]
本発明の第2実施態様の重ね合わせ精度測定マークを形成するための1回目のパターンおよび2回目のパターンを描画した以外は、実施例1と同様にして重ね合わせ精度測定マークを形成した。
1回目のパターンの描画では、図7(a)に例示するように、第1測定マークおよび第3測定マークとなる10μm×10μmの正方形のパターンと、第2測定マークとなる15μm×15μmの正方形のパターンを描画した。
2回目のパターンの描画では、図7(b)に例示するように、第2測定マークおよび第3測定マークとなる10μm×10μmの正方形のパターンを描画した。この際、X方向およびY方向のオフセットをそれぞれ2μmとした。
そして、重ね合わせ精度測定マークをそれぞれ測定し、重ね合わせズレ量を算出した(表1参照)。
[比較例]
石英基板上に遮光膜(Cr膜、膜厚150nm)が形成されており、エッチングストッパー膜を有さないブランクスを用意した。
まず、ブランクスにフォトレジストを塗布し、基板の外周部に重ね合わせ精度測定マークを形成するための1回目のパターンを描画した。この際、図15(a)に例示するように、透明基板102上に半透明膜が形成された領域となる30μm×30μmの正方形の抜きパターン内に、透明基板102上に遮光膜105と半透明膜が積層された領域となる20μm×20μmの正方形のパターンが位置するように描画した。1回目のパターンでは、図10に例示するように、重ね合わせ精度測定マークが10箇所配置されるように設計した。続いて、レジストの現像、遮光膜のエッチングを行った後、レジスト剥離を行った。
次に、パターン状の遮光膜が形成された基板上に、半透明膜(CrOx膜、膜厚50nm)を形成した。次いで、半透明膜上にフォトレジストを塗布し、重ね合わせ精度測定マークを形成するための2回目のパターンを描画した。この際、図15(b)に例示するように、上記1回目のパターニングで形成した透明基板102上に遮光膜105と半透明膜103が積層された領域となる20μm×20μmの正方形のパターン内に、透明基板102が露出した領域となる10μm×10μmの正方形の抜きパターンが位置するように描画した。続いて、レジストの現像、ならびに半透明膜および遮光膜のエッチングを行った後、レジスト剥離を行った。
これにより、一般的なBox in Boxの重ね合わせ精度測定マークを得た。そして、重ね合わせズレ量を従来の方法で測定した(表1参照)。なお、図16(a)は図15(b)のF−F線断面図、図16(b)は重ね合わせ精度測定マークの上方から光を照射した場合の図15(b)のF−F線断面に応じた検出信号の光量を示すグラフである。
[評価]
Figure 0005182029
表1の結果を見ると、実施例1および実施例2での測定の差は無く、さらに従来の方式の測定結果ともずれていない。このことから、本発明の階調マスクにおいてアライメントのズレ量の測定は可能であることが確認された。
本発明の階調マスクの一例を示す概略断面図である。 本発明の階調マスクにおける重ね合わせ精度測定マークの一例を示す模式図である。 本発明の階調マスクの製造方法の一例を示す工程図である。 本発明の階調マスクにおける重ね合わせ精度測定マークの作製方法の一例を示す工程図である。 本発明の階調マスクの他の例を示す概略断面図である。 本発明の階調マスクにおける重ね合わせ精度測定マークの他の例を示す模式図である。 本発明の階調マスクを製造する際の、重ね合わせ精度測定マークを構成するパターンの描画データの一例を示す模式図である。 本発明の階調マスクの製造方法の他の例を示す工程図である。 本発明の階調マスクにおける重ね合わせ精度測定マークの作製方法の他の例を示す工程図である。 実施例における重ね合わせ精度測定マークの位置を示す模式図である。 現状の測定装置にて重ね合わせのズレを検出することが困難である、重ね合わせ精度測定マークの一例を示す模式図である。 重ね合わせ精度測定マークの作製方法の一例を示す工程図である。 現状の測定装置にて重ね合わせのズレを検出することが困難である、重ね合わせ精度測定マークの他の例を示す模式図である。 現状の測定装置にて重ね合わせのズレを検出することが可能である、重ね合わせ精度測定マークの一例を示す模式図である。 比較例における重ね合わせ精度測定マークの作製方法を示す模式図である。 比較例における重ね合わせ精度測定マークを示す模式図である。
符号の説明
1 … 階調マスク
2 … 透明基板
3 … 半透明膜
4 … エッチングストッパー膜
5 … 遮光膜
11 … 透過領域
12 … 半透過領域
13 … 遮光領域
20 … 重ね合わせ精度測定マーク
21 … 外郭パターン
22 … 内郭パターン
23 … 中央パターン
31a、31b、32a、32b … 内郭パターンの外側エッジ
33a、33b、34a、34b … 内郭パターンの内側エッジ

Claims (3)

  1. 透明基板と、前記透明基板上に形成された半透明膜と、前記半透明膜上に形成されたエッチングストッパー膜と、前記エッチングストッパー膜上に形成された遮光膜とを有し、
    前記透明基板が露出した透過領域と、前記半透明膜が露出した半透過領域と、前記遮光膜が形成された遮光領域とを有する階調マスクであって、
    前記半透明膜が露出している外郭パターンと、前記外郭パターン内に形成され、前記透明基板が露出している内郭パターンと、前記内郭パターン内に形成され、前記エッチングストッパー膜が露出している中央パターンとを有する重ね合わせ精度測定マークを備え、
    前記内郭パターンは、外側に互いに平行な一対の外側エッジを2組有し、内側に互いに平行な一対の内側エッジを2組有し、2組の外側エッジは互いに垂直であり、2組の内側エッジは互いに垂直である
    ことを特徴とする階調マスク。
  2. 前記内郭パターンの外側の形状および内側の形状が矩形であることを特徴とする請求項1に記載の階調マスク。
  3. 透明基板と、前記透明基板上に形成された半透明膜と、前記半透明膜上に形成されたエッチングストッパー膜と、前記エッチングストッパー膜上に形成された遮光膜とを有し、
    前記透明基板が露出した透過領域と、前記半透明膜が露出した半透過領域と、前記遮光膜が形成された遮光領域とを有する階調マスクであって、
    前記半透明膜が露出している第1半透明膜パターンからなる第1測定マークと、
    前記半透明膜が露出している第2半透明膜パターン、および、前記第2半透明膜パターン内に形成され、前記透明基板が露出している第2透明パターンを有する第2測定マークと、
    前記半透明膜が露出している第3半透明膜パターン、前記エッチングストッパー膜が露出している第3エッチングストッパー膜パターン、および、前記第3半透明膜パターンおよび前記第3エッチングストッパー膜パターンに囲まれ、前記透明基板が露出している第3透明パターンを有する第3測定マークと
    を有する重ね合わせ精度測定マークを備え、
    前記第1半透明膜パターン、前記第2透明パターンおよび前記第3透明パターンは、互いに平行な一対のエッジを2組有し、2組のエッジは互いに垂直であり、
    前記第1半透明膜パターンと、前記第2透明パターンと、前記第3半透明膜パターンと前記第3透明パターンとを合わせたパターンと、前記第3エッチングストッパー膜パターンと前記第3透明パターンとを合わせたパターンとが同一の形状を有し、
    当該階調マスクを製造する際の前記第1半透明膜パターンのデータ寸法と、前記第2透明パターンのデータ寸法と、前記第3半透明膜パターンおよび前記第3透明パターンを合わせたパターンのデータ寸法と、前記第3エッチングストッパー膜パターンおよび前記第3透明パターンを合わせたパターンのデータ寸法とが同一であり、
    当該階調マスクを製造する際の前記第2半透明膜パターンのデータ寸法が、前記第2透明パターンのデータ寸法よりも大きい
    ことを特徴とする階調マスク。
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