JP5181191B2 - 検鏡 - Google Patents

Description

本発明は、例えば子宮頸部の擦り付けテストを行うのに適した検鏡に関する。

子宮頸癌は、世界的に見て女性の第２位の癌であり、現在この病気にかかる女性の約４分の１は３５才以下である。全ての癌と同様に、早期発見及び早期治療により治療の成功の可能性が大きくなる。子宮頸部の擦り付けテストは、子宮頸癌の前駆病変を発見するのに効果的な方法であることが判明している。このようなテストを実行するために、子宮頸部から最上層の細胞を取り除くためのへら又はブラシを用いて細胞のサンプルを採取する。そして、採取した細胞をスライドガラスに「擦り付け」、保存溶液に付けて検査のために研究所に送る。女性は３年毎に擦り付けテストを行うことが推奨されている。テストは現在のところ看護師、医師及び資格ある他の医療関係者によって行われている。

しかしながら、擦り付けテストは女性による理解が望ましいレベルよりも低いため、その潜在能力を果たしておらず、さらに、多くの女性はテストを受けるのを遅らせてテストとテストとの間隔が推奨されているよりも長くなってしまう。テストを受けない又は遅れてしまうことに係わる要因は、このようなテストを行うストレスや、女性が忙し過ぎて日程を調整及びこれに気を付けることができないことを含んでいる。また、テストの実行に多くの医療関係者の時間を使ってしまい、医療サービスにおける相当な消耗となっている。例えば、血液の存在又は細胞の数が不十分であるためサンプルが不適切であると見なされる場合、別の擦り付けテストを行う必要がある。

検鏡は、医療関係者によって使用される器具であり、膣を開けて子宮頸部に近付けるのに役立つ；それは通常プラスチック又は金属でできており、ヒンジ機構によって接続された２つのブレードと、ブレードが離れるよう移動させるハンドルとを有している。このように、ブレードは、はさみ機構によって展開及び閉鎖位置の間を移動し、ネジ山によって展開位置でロックされる。また、検鏡は、内診のために使用する。それは、医療関係者が患者に使用するためにデザインされる。ハンドルは医療関係者による使用のために形成及び設けられており、不可能ではないにしても、患者自身がこのような器具を保持しにくかったり扱いにくくなっている。また、ハンドルは、サンプルを採取したり又は内診を行う場合に、医療関係者の有するスペースを制限する。さらに、このような器具を取り扱うのに両手を必要とする。

現在のところ、医療関係者の背後に設けられた直射可能な光源を有する電球の使用が通常であり、子宮頸部のサンプルの検査又は採取のために照射する。このため、医療関係者が光を遮って患者に影を作る可能性がある。

ＷＯ２００４／０３９２５２は、膣鏡を開示しており、ブレードを膣に挿入した後にハンドルをブレードモジュールから外して展開位置に固定する。

また、米国特許第２００５１１３６４４号に記載するような４つのブレードを具えた手術用検鏡といった、検鏡の他のデザインも有る。

ＷＯ９６／２８０８３は、円形の開口部を有するハウジングの中にそれぞれが保持される４つのブレードを有する検鏡を開示している。このブレードは、開口部の周りに間隔を開けて置かれ、ハウジングに対して回動可能でブレードの先端部を外側に移動させるため、検鏡を通り環状の開口部を含む検査経路を開ける。ブレードが回動する軸は、ブレードの長さ方向に沿って途中まで設けられており、各ブレードの内側端部が、開口部の周りを回動可能なカムリングに接触する。カムリングは、ブレードの内側端部と係合するカム面を有しており、ブレードの内側端部を内側に移動させて、軸の周りにブレードを回動させ、検査経路を開けるようブレードの先端部を外側に移動させる。この発明は、所定の位置にブレードを保持するための止めリングを要する。このように、この器具は組み立てるべき多くの部品を要するため、特に使い捨て可能な部品の作製及び組み立てがいずれも高価である。

ＵＳ−５ ５０９ ８９３は、各ブレードがその長さ方向に沿った軸の周りを途中まで回動できるように、それぞれが環状の支持部材と環状部品との間に保持される少なくとも２の拡張器ブレードを有する検鏡を開示している。支持部材は、環状の開口部及び開口部に周りに間隔を開けて設けられたブレードを有している。ブレードの先端部が外側に回動すると、環状の開口部を通ってブレード間のスペースを延びる検査経路が検鏡を通して開く。開口部の周りを回動可能でカム面を有するカムリングが、ブレードの内側の部分に係合し、すなわち先端部から離れて、リングの回動によりカム面がブレードを回動させる。カムリングは、ラチェット及び爪構成によって所定の位置に保持される。この器具は、組み立てるべき多くの部品を要するため、特に使い捨て可能な部品の作製及び組み立てがいずれも高価である。

ＷＯ９６／２８０８３及びＵＳ−５ ５０９ ８９３双方の目的は、一度使用した後に捨てることができる使い捨て可能な検鏡を作製することである。使い捨て可能な医療器具を構成する上での重要な側面は、その機能を発揮しながらもできるだけ安価に作製しなければならないことである。それにもかかわらず、これらの２つの明細書に記載された２つのブレード型の検鏡によっても、このような器具は最小限５つの別々の部品を使用して作製しなければならず、これらの部品の組み立てに時間及び手間がかかるため、検鏡が高価になる。

本発明は、特許請求の範囲に記載されている。

大まかに言えば、本発明は、器具本体に取り付けられた２つのブレード及び検査用開口部を具えた検鏡を提供する；ブレードは、閉じた格納構成から開いた伸展構成に移動可能である。閉じた構成では、ブレードが互いに対向するよう平行に同じ方向に延びており、検鏡の挿入に適している。開いた又は伸展した構成は、子宮頸部の細胞サンプルを採取する場合に使用するが、ブレードが離れている。２つのブレードは、好適には、凹形状であり、遠位端に向けて先細となっているため、全体として円錐形の外部形状で、膣に挿入又は膣から抜く際に、汚れから子宮頸部のサンプル採取具を保護できる内部空間を形成する。

一方のブレードが、器具本体に回動可能に取り付けられており、他方のブレードが器具本体と一体になっている。第１のブレードは、対応するソケットに係合する対向する一対のヒンジピンによって、器具本体に回動可能に取り付けられている。一体化した第２のブレード及び第１のブレードのピンとソケットとの回動接続を用いることで、ＷＯ９６／２８０８３及びＵＳ−５ ５０９ ８９３はいずれも最低５つの部品でできているのと比較すると、本発明に係る検鏡を３つの部品のみで作製できることを意味する。また、本体にカムを固定し、ピンとソケット接続を用いて第１のブレードを留め金接続することによって、検鏡を迅速且つ安価に組み立てることができる。このように、ＷＯ９６／２８０８３又はＵＳ−５ ５０９ ８９３の２つのブレードを有する検鏡と比較すると、本発明に係る検鏡をより一層安価に作製できる。

検鏡を開けるため、すなわち、開いた伸展位置にブレードを移動させるための機構は、器具本体の開口部の外側に位置する通路に沿って回転可能なカム面を有するリングを有する；カム面が回転すると、カム面が回動可能なブレードに直接又は間接的に係合して、ブレードを展開位置に移動させる。バイオネット機構と同じような溝とピンとの接続によってリングを保持してもよい。リングは、器具本体の開口部から離れるよう延びるハンドルを有しており、ユーザがリングを回転させることができる。リングのハンドルのデザインは、右利き及び左利きのユーザの使用に適している。ハンドルが好適には器具本体の開口部の外側に設けられリングの中央部から離れるように向いているため、ブレードが展開位置にある場合に、ハンドルが器具本体の開口部を通りブレード間を延びる視覚的な通路を遮らないように、ハンドルを構成できる。

移動可能なカムの構成により、このような機構がロック機構無しに展開位置を保持できる。

また、器具本体は、取り付け可能なミラーを有しており、このミラーは適切な角度に回転して、ユーザが子宮頸部の細胞のサンプルを採取するための採取器具を扱い易くする。ミラーの代わりに、使用する際にカメラを用いて子宮頸部の画像を生成してもよい。

一方のブレードは、好適には固定ブレードであり、好適にはその内側の面にホルダ、例えば、スナップ式の機構を具えており、子宮頸部のサンプル採取具、例えば、ブラシを保持する。このため、挿入に先立ってサンプル採取具を検鏡に予め装填することができ、処置を簡単にして採取具さらにはサンプルが汚染するリスクを減らす。

サンプル採取具は、好適には、ロッドに取り付けられたサンプル採取ヘッドと光源、例えば、サンプル採取ヘッドに光を向ける取り外し可能に取り付けできる発光ダイオード（ＬＥＤ）とを有する。都合のよいことに、ロッドが透明であり、光源が採取ヘッドに向けて光を伝達する導光路として機能するロッドに光を向ける。これにより、細胞のサンプルを採取する際に子宮頸部を見易くするという利点を有する。光源、例えば、ＬＥＤを組み込むことによるさらなる利点は、満足のいくサンプルを採取するのに必要とされる力を子宮頸部に向けてサンプル採取具に加える際に、表示器として光を使用することである。このため、サンプル採取具は、子宮頸部に向けて採取具ヘッドに必要な圧力が加わる場合に光源によって放射される光を変える（例えば、カラーまたはパルスを変える）圧力センサを有しており、ユーザに報知する。発光を変える代わりに、必要な圧力が加わっていることを指示する可視式又は可聴式の他の報知を与えることができる。これにより、良好なサンプルを採取する可能性が増える。

本発明を使用することで、医療関係者によらずに、ユーザが自宅に居ながらにして個人的に自分で選んだ時間に、ユーザが子宮頸部の細胞サンプルを自身で採取することができる。検鏡及びサンプル採取具は、使用するのが簡単である。このため、月経周期の前後に予定しなければならない日程を調整して医師の診療室を訪れる必要がない。このため、子宮頸部の擦り付けテストの結果を得るためのプロセス全体がスピードアップして、より多くの女性が指定された時間に擦り付けテストを受けるものと思われるため、早期に癌が発見され治療が成功する女性の数が増える。

ここで、本発明に係る特定の実施例を添付図面を参照して一例として説明する。

まず、図１から図４を参照すると、本発明に係る検鏡１を示している；図１及び図３において、それは閉鎖位置にあり、図２及び図４において、それは展開位置にある。

検鏡は、本体１００に取り付けられた外環部４と２つのブレード２，３とを有する器具本体１００を有している。ブレードは、対向しており、互いに平行に延びている。第１のブレード２は、器具本体１００内で対応するソケットに係合する対向する一対のピン４０を担持しており、第１のブレードが本体１００に対して回動可能に取り付けられている。第２のブレード３は、本体に固定取付されており、実際には本体と一体になっている。

ブレード２，３の内側の面は全体的に凹面状となっているため内部空間３９を規定する一方で、その外側の面は凸状で、円錐形を成すように検鏡の端部に向かって先細となっている。閉鎖位置では、２つのブレードの端部が整合する。ブレードは、好適には最も快適なフィットを与えるような形状であるため、２つのブレードの面を全く同じような先細にする必要がない。

環状部４の外縁は、約４ｃｍから６．５ｃｍの直径を有し、環状部４の内側の面は約３．５ｃｍから６．３ｃｍの直径を有する。ブレード２，３は、約８ｃｍから１４ｃｍの長さ、好適には約９ｃｍから１２ｃｍの長さである。環状部側の端部におけるブレードの外径は、環状部４の外径にもよるが、約４ｃｍから６．５ｃｍである。環状部４から最も離れたブレードの外径は、約２ｃｍから２．５ｃｍである。

器具本体１００は、外側リング４と一体形成されたグリップ１０を有しており、膣の中にこの器具を挿入して適切な位置に設置し易くなっている。好適には、ブレード２，３に面するグリップ１０の面にリブ面１１が設けられており、十分な肉厚を保持する。

外側の環状部４の中に嵌る内側リング５が設けられている。この内側リング５は、その外側の周囲面７に溝部６を有し、外側リング４の内側面９は、溝部８に係合して内側リング５を環状部４の中で回転させることができる多くの突起部８を有する。内側リング５に、溝部６に対して垂直な溝が設けられていることで、バイオネット接続の方法で、内側リングが突起部に嵌合することができる。内側リング５が回転する角度を制限するために、溝部６は、各々が内側リング５の周りの一部にわたる等間隔に設けられた多くの溝部の形式となっている；例えば、各々が内側リングの周りを９０°にわたって設けられ他方のリングが９０°まで回転する角度を規制する３つの溝部が設けられている。

内側リング５は、好適には、その回転を助ける少なくとも１のハンドル１２を有しており、図面に示す実施例では、それは互いに対向する２つのハンドル１２を有する。ハンドルは、検鏡のグリップ１０の形状と似ており、リング５の中央部から離れるよう延びている。

内側リング５の内側の面は、環状ではないが、カム面４１を有する。回動ブレード２の一端４２は、回動ブレード２が内側リングの中に設置されて内側リングの内側の面に係合するように、後方に延びている。検鏡が閉じられた場合（図１参照）、カムは端部４２と係合しない；しかしながら、別のリング５が回転する場合、カム面４１が回動ブレード２の端部４２に係合するため、回動ブレード２が回動ピン４０の周りを回動してブレード２，３が分かれる。図２及び図４は、完全に展開した位置にあるブレード２，３を示す。内側リング５が逆方向に回転できることで、回動ブレード２が固定ブレード３に向けて戻ることができるため検鏡が閉じる。これは、内側リング５が９０°まで回転することで、検鏡が展開できるような構成である。スロット１３が本体１００の中に設けられているため、一方のブレード２の回動が可能である。

カム面４１のカム角度及びカム４１に対する端部４２の摩擦及び外側リング４の中の内側リング５の摩擦が、ロック機構無しに回動ブレード２をその展開位置に保持する。

検鏡は、好適には、ミラー１６を取り外し可能に保持するための一対の対向アーム１４，１５を有している。ミラー１６は円形で、好適にはその裏側１７は、サンプルを採取する処置の際に扱い易くするため、ドーム形である。ミラーは、上記のように、サンプル採取具を位置決めするためのガイドを与える溝部１８を有している。ミラーアーム１４，１５は、約５ｃｍから１０ｃｍの長さであるが、好適には７ｃｍから９ｃｍの長さである。

図４に示すように、環の開口部及びリング４，５を通る中央の検査経路２０が形成されており、検鏡が展開する場合にブレード２，３の間を延びる。図４及び図６に示すように、内側リング５のハンドル１２がリングの中央部から離れるよう外側に延びており、検査経路２０を遮らない。

図７は、その内面にクリップ１９を有して所定の位置に細胞サンプル採取具を保持する固定ブレード３の内側面を示している；この採取具はブラシヘッドを収容しており以下に詳細に説明することとする。しかしながらここでは、ブレードの腔内及びクリップ１９とブレード３の端部との間に十分なスペースが有り、サンプル採取具のブラシヘッドを収容するための場所スペースがあることに留意されたい。

上記のように、検鏡は、女性の子宮頸部から細胞のサンプルを採取するための器具とともに使用することを目的とするものであり、この器具は、図示する実施例では、透明な材料、例えば、ポリカーボネートでできたロッド３３の下端部に設けられたブラシ５０（図９及び以下の説明を参照）である。サンプルを採取するために使用するブラシヘッドは、子宮頸部の擦り付けに使用する標準タイプであり、無菌包装５１の中に設けられている。

ロッド３３の上端部は、図８に示すように、ハンドル３８の基部のソケット４９の中に摩擦によって保持されている。ＬＥＤケーシング３２がソケット４９の中に設けられたロッドの端部に形成される。

ハンドル３８は、軸方向に互いに移動できる内殻３０及び外殻３１から成るバッテリケーシング３０，３１を有している。外側ケーシングの小さい突起部３６が内側ケーシングに設けられたソロット３７に保持される；突起部３６がスロット３７に沿って摺動でき、軸方向の移動を規制するだけでなく外側及び内側ケーシング殻３０，３１間の回転移動を防止することができる。内殻３０は、ＬＥＤケーシング３２に組み込まれ導光部として機能してロッドの下端部から光を出すロッド３３に沿った方向に発光するＬＥＤ（図示せず）に電力を供給するためのバッテリ（図示せず）を収容することができる；採取ブラシ５０の部分に照射する性能は、子宮頸部の細胞サンプルを採取するブラシの位置決めに役立つ。

感圧スイッチ（図示せず）がハンドル３８の上端部、すなわち、ＬＥＤケーシング３の反対側の端部のスイッチケーシング３４の中に設けられている。ハンドルの中にロッド３３を押し上げる力により、中のバッテリケーシング殻３０及びバッテリが、スロット３７の長さによって決まる分だけ、外側ケーシング殻３１の中で上動する；同様に、このような動きは、ロッド３３及び内側バッテリケーシング殻３０に対するハンドル３８の外側ケーシング殻３１の下動であると考えることができる。バッテリによってスイッチに与えられる力が閾値を超える場合にスイッチが閉じ、スイッチが閉じることでＬＥＤがその動作を変えることができる（以下を参照）。閾圧力は、ブラシが好ましい細胞サンプルを得るよう子宮頸部に与える圧力に設定される。このため、ＬＥＤの動作の変化により、このような圧力が加わっていることをユーザに知らせる。

検鏡及びブラシの動作を図９を参照して説明することとする。ブラシヘッド５０が無菌カバー５１の中に設けられている；ブラシは、ロッド３３にブラシを押し込むためのコネクタ５４を有している。カバー５１を開け（図９．１）、コネクタ５４を取り出してロッドの端部のソケットの中に押し込むと、ソケットがロッドの端部にブラシをしっかりと保持する。ハンドル３８は、ロッド３３の他端が既に押し込められており；ブラシ、ロッド及びハンドルが一体となって子宮頸部のサンプル採取具４７を形成する。カバー５１は、この段階ではブラシから取り外さない。

そして、サンプル採取具４７を検鏡５８の中に取り付けて（図９．２及び９．３）、クリップホルダ１９によって固定ブレード３の所定の場所に保持する。そして、無菌カバー５１をブラシヘッドから取り外す（図９．４）。

検鏡を膣の中に挿入し（図９．５）、ハンドル１２を時計方向に回転させることによって検鏡のブレードを開ける。サンプル採取具４７のハンドル３８は、検鏡の端部を通って突出し、検鏡のホルダクリップ１９からロッド３３を取り外すよう操作できる。スイッチノブ３５を回転させることによってＬＥＤをオンにすることができる（図９．６）。

ユーザが子宮頸部５８を見ることができるように、ミラー１６を必要に応じて動かす（図９．７）。ミラーを使用して、ブラシ５０の先端を子宮頸部５８の中央部に向ける（図９．８）。サンプルホルダ４７を操作する際に、ハンドル３８を保持しながらブラシが子宮頸部に当たるようハンドル３８を軸方向に押す；ロッド３３をミラーの溝１８に係合させることによってロッド３３を固定することができる。ブラシに所要の圧力を加えて細胞サンプルを採取すると、上記のように、バッテリがスイッチを切るのに十分な圧力によってハンドル３８のスイッチを押し付けることで（図９．９）、ＬＥＤの動作を切り替える。ある実施例では、ＬＥＤが通常安定した光を送り、的確な圧力を加えた場合に点滅光に変わる。代替的に、ＬＥＤが切り替わることによって放射される光の色、例えば、ＲＧＢ（赤−緑−青）タイプのＬＥＤを使用でき、放射される白色光が例えば赤色光に変わる。さらなる実施例では、サンプリングブラシに十分な圧力を加える場合に光量を増減できる。代替的な可聴式、接触式又は可視式指示を、ＬＥＤの動作を切り替える代わりに設けてもよい。

ＬＥＤの動作の変化を観測した状態で、ブラシの毛を曲げるのに十分な子宮頸部に対する所要のレベルの圧力を保持しながら、図示するようにハンドル３８すなわちブラシ５０
を回転させることによって細胞サンプルを採取する（図９．１０）。所望の細胞を採取するのに、通常ブラシの２回転で十分である。

そして、膣壁にブラシが接触しないよう注意しながら採取具４７を膣から抜く（図９．１１）。そして、スイッチノブ３５を回転させることによって、ＬＥＤを切る。抜いた後、ブラシ５０の幅よりも直径が大きい円筒形の小瓶８０にブラシを入れる（図９．１２ａは、この小瓶を示す）。対向する一対の内側頂部８２が、小瓶の中の壁を途中まで下方に延びるよう設けられている。これらの頂部の間隔はブラシ５０の幅よりも短く、ブラシを頂部と平行にしてブラシを小瓶の中に挿入でき、さらにブラシを回転９０°回転させ（図９．１２ｂ）、ブラシを頂部の下に引っ掛けて小瓶の内部にブラシヘッドを残したままロッド３３をブラシヘッドから離すことができる（図９．１２ｃ）。これにより、手でブラシヘッドを取り外す必要がなくなるため、サンプルが汚れる危険性を防止する。そして、小瓶を分析のために研究所に送る（図９．１１）。ロッド３３及びハンドル３８を消毒して再使用できる。小瓶の代わりに、例えば顕微鏡用スライドといった、他のサンプルキャリヤを用意してもよい。

検鏡は、好適には、３つの部品、すなわち、（固定ブレード３を含む）器具本体１００、回動ブレード２及び内側リング５の射出成型によって作製される。検鏡の材質として、例えば、ＡＢＳ（アクリロニトリル ブタジエン スチレン）、スチレン、ポリカーボネート、ＰＶＣ、アクリル、及びＡＢＳ−ポリカーボネートの混合物といった、医療用途に適した堅い硬質プラスチックが好ましい。

本発明に係る検鏡は、通常、キットのパーツとして供給される。このようなキットは、検鏡、さらには、少なくとも１の滅菌したブラシヘッド、保護包装を含む；保護包装は、ブラシの操作部として使用するロッド３３；ＬＥＤ及びバッテリユニット；ミラー；及びサンプルを保存するためのアルコール溶液が入っておりブラシヘッドに係合するリブを具えた少なくとも１の小瓶、を含んでいる。また、このようなキットは、小冊子及び／又はコンパクトディスクといった使用するための取扱説明書を含む。また、任意に、このようなキットが潤滑剤を含んでよい。

キットのあるパーツ、例えば、検鏡、ロッド、ＬＥＤ、バッテリ及びミラーは、再使用できる。使用後にロッド及び検鏡を煮沸消毒できる。交換したブラシヘッド及び小瓶を含むキット、例えば９５％エタノールの保存溶液を含むキットを別々に販売できる。また、代替的に、検鏡及びロッドを使い捨てにすることができる。

本発明に係る検鏡は、専ら家庭用である必要がない。ミラーを検鏡に取り付けない場合、検鏡は、例えば、外科手術を支援するための検査用、さらには子宮頸部の擦り付けサンプルを採取する医療関係者用といった、病院又は一般的な医療用途に適している。ハンドル１２の形状により、視界に関して制限がなく、さらには医療関係者が処置の際に自由に移動させることができる。

本発明に係る検鏡を３つの（ミラーを含む４つの）パーツのみで作製でき、従来技術と比較して組み立てるのが容易且つ安上がりであると思われる；すなわち、従来技術の検鏡の組み立てを時間がかかり及び高価にしている、開口部の周りに複数の回動可能なブレードを設けるといった必要がない。

図１は、本発明に係る検鏡の閉鎖位置における縦断面図である。 図２は、本発明に係る検鏡の展開位置における縦断面図である。 図３は、本発明に係る検鏡の閉鎖位置における正面図である。 図４は、本発明に係る検鏡の展開位置における正面図である。 図５は、本発明に係る検鏡の斜視図である。 図６は、本発明に係る検鏡の斜視図である。 図７は、サンプル採取具用のクリップを示す下部固定ブレードの斜視図である。 図８は、サンプル採取具のパーツの部分断面図である。 図９は、子宮頸部の細胞サンプル採取における図１から図８に係る検鏡及びサンプル採取具の動作を図式的に示す。

Claims (9)

1. 本体と、
   開口部と、
   前記開口部の対向する縁で前記本体にそれぞれ固定された第１のブレード及び第２のブレードであって、前記第１のブレードが、前記本体に対して回動するよう固定され、且つ前記第２のブレードに近接する位置にある一方の格納位置と前記第２のブレードから離れる他方の展開位置との間を移動可能な第１のブレード及び第２のブレードと、
   前記一方の位置から前記他方の位置に第１のブレードを移動させるよう構成された機構であって、前記開口部の周り又はその外側に位置する通路に沿って移動可能な、例えばカム面といった部材を具えており、前記部材が前記格納位置から前記展開位置に前記第１のブレードを前記通路に沿って移動させるよう構成された機構とを具え、
   前記第１のブレードが展開位置にある場合に、前記開口部を通って前記ブレード間を延びる検査経路が形成され、
   前記第１のブレードが前記本体に対して回動可能であり、前記第２のブレードが前記本体と一体とであり、前記第１のブレードが、対応するソケットに係合する対向するヒンジピンの組によって前記本体に回動可能に取り付けられ、
   前記移動可能な部材が、前記開口部の周り又は外側に位置する通路に沿って回転可能なカム面を有するリングに設けられ、
   前記リングがユーザの片方の手で第１方向に回転されると、前記第１のブレードの端部が前記カム面と係合して、前記第１のブレードが前記一方の格納位置から前記他方の展開位置へと前記本体に対して回動し、
   前記リングがユーザの片方の手で前記第１方向とは逆方向に回転されると、前記第１のブレードが回動して前記一方の格納位置へと戻り、前記第１のブレードの端部が前記カム面と非係合状態になることを特徴とする検鏡。
2. 前記通路が、少なくとも部分的に環状で前記開口部の縁の周りを延びることを特徴とする請求項１に記載の検鏡。
3. 前記開口部がリングで形成されることを特徴とする請求項１に記載の検鏡。
4. 前記機構が、前記通路に沿って前記移動可能な部材を移動させるための操作部を有することを特徴とする請求項１から３のいずれか１項に記載の検鏡。
5. さらに、前記検査経路に沿って通過する放射を反射するよう構成されたミラーを具えており、前記ミラーを任意に取り外し可能であることを特徴とする請求項１から４のいずれか１項に記載の検鏡。
6. さらに、前記検査経路に沿った画像を記録できるカメラを具えることを特徴とする請求項１から４のいずれか１項に記載の検鏡。
7. さらに、子宮頸部のサンプル採取具を有しており、
   前記サンプル採取具が、第１の端部及び第２の端部を有するロッドと、
   前記ロッドの前記第１の端部に接続可能な、例えば、取外可能なブラシといった採取器具であって、子宮頸部のサンプルを採取するよう構成された採取器具と、
   前記ロッドの前記第２の端部に接続可能な光源であって、前記ロッドの第１の端部に向けて光を導くよう構成された光源と、
   を具えることを特徴とする請求項１から６のいずれか１項に記載の検鏡。
8. 前記ロッドが、前記第２の端部から前記第１の端部に光を伝達可能であり、
   前記光源が前記ロッドに沿って光を導くよう構成されることを特徴とする請求項７に記載の検鏡。
9. 前記ロッドの第２の端部に取り付け可能な操作部を有する検鏡であって、
   前記ロッドが女性の子宮頸部に押し付けられることによって前記操作部に作用する圧力に反応する圧力センサと、
   前記センサが所定の閾値を超える圧力を検出する場合に、例えば、前記光源からの発光を変えるような、可聴式、接触式又は可視式指示を与えるよう構成された報知システムと、
   を有することを特徴とする請求項８に記載の検鏡。

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