JP5180995B2 - 電池 - Google Patents
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Description
そして、これらの電池では、互いに対向した面間、すなわち負極板の面と正極板の面とで互いに積層方向において重なっている部分の面間でリチウムイオンの授受が主に行われる。
この技術では、正極板を波状に加工して屈曲部を形成すると共に、負極板及びセパレータも正極板と同様に波状に加工して正極板の屈曲部と対応する位置に同様の屈曲部を形成する。そして、これらの各屈曲部を相互に合わせることで、正極板に対するセパレータの相対位置のズレ、及びセパレータに対する負極板の相対位置のズレを抑えている。
そして、活物質が塗工された集電体を波状に加工する際に、凸状となる箇所と凹状となるところで活物質が部分的に引っ張りと圧縮の作用を受け、このためこの屈曲部において活物質にヒビ割れが生じたり、あるいは電極板から活物質等が部分的に剥離してしまう可能性がある。そして、電極板から活物質が剥離してしまった場合には、その分だけ電池の電気容量が低下してしまい、結果として電池性能が低下してしまう可能性がある。
まず、図1〜図4を用いて、本発明に係る参考例の電池について説明する。
本参考例の電池は、図1に示すように、複数の正極板10と、複数の負極板20と、それぞれの正極板10とそれぞれの負極板20との間に配置されるセパレータ(ここでは複数の負極板20それぞれを袋状に覆うセパレータ30としている)と、不図示の電解液と、これらを収納する電池缶90と、を備えている。
なお、以下の説明においては、リチウムイオン二次電池を例にして説明するが、これに限られない。例えば、本発明はリチウムイオン二次電池以外の他の二次電池や、一次電池など、セパレータを介して正極板と負極板とが積層される電池に適用が可能である。
一方、負極板20は、銅箔を略矩形状に加工した集電体に、例えばカーボン材料(人造黒鉛等)で構成される負極活物質を塗工した負極板本体21と、この負極板20の端部から伸びる負極タブ29と、を備えている。
正極板本体11と正極タブ19は、上記した正極活物質が正極板本体11に塗工された後に、打ち抜き型で打ち抜くことによって一体形成される。同様に、負極板本体21と負極タブ29についても、上記した負極活物質が負極板本体21に塗工された後に、打ち抜き型で打ち抜くことによって一体形成される。なお、正極タブ19と負極タブ29とを総称して、電極タブと称する。
袋状のセパレータ30は、多孔質のポリエチレン樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリアミド樹脂等で形成されている。負極板20の負極板本体21は袋状のセパレータ30に内包される。また、負極タブ29の一部がセパレータ30から露出している。
これら正極板10と、負極板20を内包したセパレータ30とが複数積層されることで、電極積層体100を形成する。なお、図示は省略したが、電極積層体100の両端の電極板は袋状のセパレータ30に内包された負極板20である。
正極板本体11は、図2(A)に示すように、略矩形の形状である。ここでは、当該略矩形の形状の4辺のうち、正極タブ19が接続する辺を辺13b、辺13bに対向する辺を辺13a(辺13bは辺13aから見て上方(+Y方向)に位置する)、辺13aと辺13bのそれぞれの端部に接続する2辺を辺14aと辺14bという(辺14bは辺14aから見て右側(+X方向)に位置する)。
正極タブ19は、辺13bの中点よりも−X方向側に偏って配置されている。なお、正極タブ19は辺13bに接続していると便宜上表現しているが、正極タブ19は正極板本体11の集電体と元々一体である。
負極タブ29は、辺23bの中点よりも+X方向側に偏って配置されている。このため、積層方向(Z軸方向)から見て正極タブ19と負極タブ29が重ならず、正極タブ19と負極タブ29との短絡を防止できる。なお、負極タブ29は辺23bに接続していると便宜上表現しているが、負極タブ29は負極板本体21の集電体と元々一体である。
上記当初の積層配置においては、負極板本体21は正極板本体11よりもやや面積が大きく構成されており、積層方向(Z軸方向)から見て負極板本体21の面内に正極板本体11が納まるように配置・積層される。
図2(A)で示すように、負極板本体21の辺23aに近接した第一および第二セパレータの部位を互いに直接融着して融着部35aを形成し、負極板本体21の辺24aに近接した第一および第二セパレータの部位を互いに直接融着して融着部36aを形成し、負極板本体21の辺24bに近接した第一および第二セパレータの部位を互いに直接融着して融着部36bを形成し、負極板本体21の辺23bに近接し且つ負極タブ29に重ならない第一および第二セパレータの部位を互いに直接融着して融着部35bを形成している。
ここでは、負極板本体21の各辺の中点付近にそれぞれ対応する融着部が局所的に形成されている。図中、これら融着部は線状に形成されているが、点状に形成してもよい。
これら4つの融着部により、第一および第二セパレータから袋状のセパレータ30が構成される。上記4つの融着部のそれぞれは負極板本体21の4辺にそれぞれ対応し且つ近接して配置されるので、袋状のセパレータ30に内包される負極板本体21は、袋状のセパレータ30に対して位置決めされることになる。また、第一および第二セパレータは上記4つの融着部以外では互いに融着されていないので、電解液を負極板本体21へ十分に浸透させることができる。
このように2つの凸部40で正極板本体11を確実に支えるために、2つの凸部40は一定の間隔を空けて配置される。具体的には、2つの凸部40は融着部35aをX軸方向において挟み、且つ、Y軸方向において融着部35aとほぼ同一の位置に配置される。よって、積層方向において、負極板本体21の面内にはこれら凸部は形成されない。もちろん、当該一定の間隔に相当する長さを有する凸部が形成できる場合には、2つの凸部を形成する必要はなく、1つの凸部のみを形成して正極板本体11を支えて保持することも可能である。
また、負極板本体21と正極板本体11の積層方向(Z軸方向)における凸部40の高さは、積層された正極板本体11の厚みを超えない高さであることが望ましい。積層状態に影響を与えないためである。
凸部40を形成するには上記挟持刃で摘む工程が必要なため、ヒートシーラーで押圧して上記融着部を形成するよりも時間を要する。従って、負極板本体21を第一および第二セパレータで挟みこむ前に、事前に凸部40を形成しておけば、負極板本体21の活物質へ与える熱的影響を低減することができる。
また、本参考例の電池においては、負極板本体を袋状のセパレータに内包する構成としたが、同様に、負極板本体の代わりに正極板本体を袋状のセパレータに内包して4つの融着部を形成し、さらに当該セパレータに2つの凸部を形成して負極板本体を支えて保持する構成としてもよい。
さらに、負極板本体のみならず正極板本体も袋状のセパレータに内包し、いずれか一方の袋状のセパレータに形成された2つの凸部で、他方の袋状のセパレータを支えて保持する構成としてもよい。
凸部の数は正極板本体11を支えて保持するために少なくとも2つあればよい。もちろん、2つ以上の複数の凸部を形成すれば、支えて保持する力を強化することができる。
参考例の電池の第一変形例について、図4を用いて説明する。なお、以下の各種変形例(第一変形例〜第四変形例)は、いずれも、参考例に対して、袋状のセパレータ30に形成された凸部の位置や数等が異なるものであり、その他の構成は参考例と同じである。
参考例では、袋状のセパレータ30の一面、すなわち第一セパレータ31にのみ2つの凸部を形成していたが、本変形例では、袋状のセパレータ30の両面、すなわち第一セパレータ31に2つの凸部40を形成し且つ第二セパレータ32にも2つの凸部40aを形成している。積層方向の凸部40aの高さは、凸部40の高さと同様である。
また、2つの凸部40と2つの凸部40aとはY軸方向において融着部35aと同様の位置に配置される。よって、積層方向において、負極板本体21の面内にはこれら凸部は形成されていない。
さらに、2つの凸部40と2つの凸部40aとは、いずれも融着部35aを挟んで配置されるものの、X軸方向における互いの位置は、これら4つとも異なった位置となるよう配置される。このように4つとも異なった位置に配置されることから電極板の積層状態に影響を与えることなく、参考例の2倍の数の凸部が存在することで参考例よりもより強固に正極板本体11を支えて保持することができる。よって、参考例よりもより効果的に電池性能の低下を防止することができる。
参考例の電池の第二変形例について、図5を用いて説明する。
参考例では、負極タブ29の形成される負極板本体21の辺に対向する辺に対応する融着部35aの近傍に2つの凸部40が形成されているが、本変形例では凸部40のみならず、負極板本体21の他の辺に対応する融着部35b、36a、36bのそれぞれの近傍に、凸部40と同様の凸部を形成している。
具体的には、2つの凸部41aは融着部36aをY軸方向から挟み、且つ、X軸方向において融着部36aとほぼ同一の位置に配置される。また、2つの凸部41bは融着部36bをY軸方向において挟み、且つ、X軸方向において融着部36bとほぼ同一の位置に配置される。この構成により、上記当初の積層の際に袋状のセパレータ30を介して負極板20に積層された正極板10が、電池使用時に振動等により左右の方向(X軸方向)に位置ズレした場合においても、2つの凸部41aまたは2つの凸部41bで正極板本体11を支えて保持するので、負極板本体21と正極板本体11の積層方向(Z軸方向)における互いの面において重なっていない部分の面積を極力低減することができる。
ここでは、負極板20上に積層される正極板10を保持して各方向への移動を規制するために、負極板本体の各辺に対応してそれぞれ2つの凸部を形成したが、これに限られずに1つあるいは3つ以上の凸部を形成してもよい。
参考例の電池の第三変形例について、図6(A)、(B)を用いて説明する。
図6(A)、(B)では、第二変形例の凸部40bと異なり、本変形例では袋状のセパレータ30を介して負極板20に積層される正極板10の正極タブ19を挟みこむように、2つの凸部40cがセパレータ30に形成されている。2つの凸部40cは負極板本体21の辺23bの近傍であって、各々Y軸上で実質的に同じ位置に配置される。また、これに伴い、第二変形例ではそれぞれ2つ形成されていた凸部41a、41bが各々1つ形成されている。具体的には、凸部41aは融着部36aよりも電池缶の底面側(−Y側)にのみ形成され、また、凸部41bは融着部36bよりも電池缶の底面側(−Y側)にのみ形成されている。他の部分については、第二変形例と同様である。
このように、本変形例では、セパレータ30を介して負極板20に積層される正極板10の正極タブ19を2つの凸部40cで挟む構造となっているので、セパレータ30に対する正極タブ19の±X方向の相対移動を規制することができる。従って、正極板10が上記当初の配置から位置ズレした場合においても、負極板本体21と正極板本体11の積層方向(Z軸方向)における互いの面において重なっていない部分の面積を、第二変形例よりもより効果的に低減することができる。
本変形例では、袋状のセパレータ30の一面にのみ凸部を形成していたが、第一変形例と同様に、袋状のセパレータ30の両面に凸部40、40c、41a、41bと対応する凸部を形成してもよい。ただし、第一変形例と同様であるので、当該対応する凸部の各々は、積層された際、他のセパレータ30に形成されている凸部40、40c、41a、41bのそれぞれと積層方向(Z軸方向)において当たらないように、XY平面上で他のセパレータ30に形成されている凸部40、40c、41a、41bと重ならない位置に配置される。
参考例の第四変形例について、図7を用いて説明する。
参考例では、積層方向(Z軸方向)から見て負極板本体21の面内に凸部40が形成されないが、本変形例では参考例の凸部40と異なり、負極板本体21の面内に凸部40と同様の凸部42が形成される。具体的には、2つの凸部42はX軸方向に一定の間隔を空けて配置され、且つ、Y軸方向において融着部35aより上方(+Y方向)且つ積層方向(Z軸方向)から見て負極本体21の面内に配置され、且つ積層方向から見て上記当初の積層配置における正極板10に重ならない位置に配置される。
積層方向から見て、充放電が行われる正極板本体11と負極板本体21との間にこれら凸部が介在しても電池性能に対して実質的な影響が生じない場合には、本変形例のように積層方向から見て負極板本体21の面内にこれら凸部を形成してもよい。
この構成により、電池使用時等の振動等により上記当初の配置から正極板本体11が位置ズレを生じ、電池缶90の下方(−Y方向)へ移動した場合にも、これら2つの凸部42で正極板本体11を上記負極板本体21の面内に支えて保持するので、負極板本体21と正極板本体11の積層方向(Z方向)における互いの面において重なっていない部分が生じない。従って、参考例および第二変形例〜第三変形例よりも、電池性能の低下を効果的に防止することが可能となりうる。
但し、本変形例では、上記の通り、負極板本体21の面内に凸部42を形成しているため、この凸部42の形成後に融着部を形成して負極板本体21を封入した袋状のセパレータ30を形成することが望ましい。、凸部42の形成時に融着で生じる熱による負極板本体21への悪影響を回避することができるからである。
もちろん、2つより多い数の凸部を上記面内に形成することで電池性能に実質的な影響が生じる場合には、適宜、上記面内に形成する凸部の数を調整し、実質的な影響が生じない数に制限すればよい。このとき、上記面内に形成される凸部以外の凸部は、適宜、第二変形例〜第三変形例に示した位置に配置すればよい。
本発明に係る一実施形態の電池について、図8及び図9を用いて説明する。
参考例ではセパレータ30を挟みこんでセパレータ30自身からなる凸部を形成していたが、本実施形態では、セパレータ30とは別部材(後述する)からなる凸部を形成する点が大きく異なる点である。すなわち、本実施形態では、参考例と同様、セパレータ30の表面から突出した凸部が形成される。他の部材については参考例と同様である。なお、本実施形態、および後述の本実施形態の第一変形例および第二変形例においては、参考例に示した融着部35a、35b、36a、36bが便宜上図示されていないが、これら融着部はこれら本実施形態およびその変形例においても形成されている。
セパレータ30の両面には、セパレータ30とは別部材からなる実質的に直方体状の凸部51、52、53、54が形成されている。ここでは、凸部51、52、53、54のいずれも、積層方向(Z軸方向)から見て長さL、幅Wであるとする。なお、積層方向の高さはH(積層された隣のセパレータ30に接触しない高さ)とする。
具体的には、図8(A)、(C)に示すように、第一セパレータ31の表面(図8(C)参照)であって、Y軸方向において融着部35aとほぼ同一の位置且つ上記長さLがX軸方向にほぼ平行となるよう凸部51が配置される。凸部51は、このようにY軸方向において融着部35aとほぼ同一の位置にあるため、積層方向において、負極板本体21の面内には形成されない。
すなわち、袋状のセパレータ30の正面には凸部51と凸部52が、また、袋状のセパレータ30の背面には凸部53と凸部54が配置される。
そして、このとき、隣り合う袋状のセパレータ30同士は、一方の袋状のセパレータ30の正面と他方の袋状のセパレータ30の背面とが向かい合い、且つ、積層方向から見て当該正面に配置された凸部51および凸部52と当該背面に配置された凸部53および凸部54とが重ならず、図9に示すように互いに嵌め合って噛み合うように積層される。
この構成により、上記当初の積層配置に積層された正極板10が、電池使用時に振動等により電池缶の下方向(−Y方向)に位置ズレした場合においても、隣り合う2つの袋状のセパレータ30の間に介在している当該正極板10は、2つの凸部51と凸部53がその正極板本体11を支えて保持することになる。よって、負極板本体21と正極板本体11の積層方向(Z軸方向)における互いの面において重なっていない部分の面積を極力低減することができる。
さらに、この構成によれば、隣り合う袋状のセパレータ30同士が上述のように各々にそれぞれ2つづつ配置された凸部によって互いに噛み合うように積層されているので、上記振動等によっても、互いのセパレータ30同士の位置ズレを極力低減することができる。上記正面および背面の各々の凸部を近接して配置させるほど、上記噛み合いの効果を増大させ、上記位置ズレを効果的に防止できる。
参考例と同様、袋状のセパレータ30の中で負極板本体21は位置決めされている。従って、積層型電池において、複数の負極板本体21同士の位置ズレが防止され、その間に積層される正極板本体も上述のとおり2つの凸部で保持されるので、電池性能の低下を抑え、高性能の電池を提供することができる。
工業的により製造容易な観点からは、別部材として、上記樹脂等よりも例えば酸化アルミニウムや窒化アルミニウム等のセラミックスを用いることが望ましい。これらの材料でセパレータ30表面に凸部を形成する方法としては、形成容易なマスキング法や、プリンティング法等の各種方法が挙げられる。
マスキング法では、まず、凸部51〜54の形状及び大きさに対応した貫通孔が形成されているマスクパターンを準備する。次に、セラミックス粉末に溶剤を混ぜて、スラリーを形成する。そして、このマスクパターンをセパレータ上に置いて、スラリーをセパレータ上に塗工し、スラリーが乾燥した後にマスクパターンを外す。以上で、セパレータ上にセラミックスによる凸部51〜54が形成される。
また、プリンティング法では、印刷技術を用いて、セラミックス粉末と溶剤とを含むスラリーをセパレータに付着させた後、このスラリーを乾燥させる。以上の方法でも、セパレータ上にセラミックスによる凸部51〜54を形成することができる。
従って、参考例に比してセパレータ30上における凸部の形成位置を容易に調整することができるとともに、凸部の高さの調整もより容易にできる。
上述のように、上記正面および背面の各々の凸部を近接して配置させるほど、上記噛み合いの効果を増大させることができる。この点、上述の酸化アルミニウムや窒化アルミニウム等のセラミックスを別部材とすれば、マスキング法やプリンティング法などで微細な配置を容易に行うことができるので、上記近接配置を行うには適している。
また、本実施形態の電池においては、負極板本体を袋状のセパレータに内包する構成としたが、同様に、負極板本体の代わりに正極板本体を袋状のセパレータに内包する構成としてもよい。
さらに、負極板本体のみならず正極板本体も袋状のセパレータに内包し、同様の凸部をいずれの袋状のセパレータにも形成して上記のように互いに噛み合う構成としてもよい。
上記実施形態の電池の第一変形例について、図10を用いて説明する。なお、以下の各種変形例(第一変形例〜第二変形例)は、いずれも、上記実施形態に対して、袋状のセパレータ30に形成された凸部の位置や数等が異なるものであり、その他の構成は上記実施形態と同じである。
上記実施形態では、袋状のセパレータ30の正面および背面のそれぞれにおいて、負極タブ29の形成される負極板本体21の辺に対向する辺に対応する融着部35aの近傍に、2つの凸部が各々形成されているが、本変形例ではこれら凸部のみならず、袋状のセパレータ30の正面において負極板本体21の他の辺に対応する融着部35b、36a、36bのそれぞれの近傍または直上に、凸部51〜54と同様の凸部を形成している。これら凸部51〜54は、積層方向において、負極板本体21の面内には形成されない。
この構成により、上記当初の積層配置に積層された正極板10が、電池使用時に振動等により左右の方向(X方向)に位置ズレした場合においても、凸部55aまたは凸部55bで正極板本体11を支えて保持するので、負極板本体21と正極板本体11の積層方向(Z方向)における互いの面において重なっていない部分の面積を極力低減することができる。また、この構成により、上記当初の積層配置に積層された正極板10が、電池使用時に振動等により電池缶の上方向(+Y方向)に位置ズレした場合においても、凸部56で正極板本体11を支えて保持するので、負極板本体21と正極板本体11の積層方向(Z方向)における互いの面において重なっていない部分の面積を極力低減することができる。
上記実施形態の電池の第二変形例について、図11及び図12を用いて説明する。
上記実施形態の電池における凸部51〜54による融着部35aの近傍での1箇所の上記噛み合いと異なり、袋状のセパレータ30に内包される負極板本体21の隣り合う2辺にそれぞれ対応する融着部の近傍に、それぞれ袋状のセパレータ30の正面と背面で2つづつの凸部(袋状セパレータの正面と背面の各々に計4つの凸部が配置されることになる)を配置し、2箇所で上記噛み合いをする構成としている。ここでは、上記実施形態と同様、これら凸部のいずれも、積層方向から見て長さL、幅Wであり、また、積層方向(Z方向)の高さはH(積層された隣のセパレータ30に接触しない高さ)の実質的に直方体であるとする。
また、図11(B)(および図12参照)に示すように、第一セパレータ31の表面(ここでは背面)であって、Y軸方向において融着部35aとほぼ同一の位置且つ上記長さLがY軸方向にほぼ平行となるよう、凸部53a、54aがX軸方向で融着部35aを挟むように一定間隔を空けて配置される。このとき、凸部53a、54aは、積層方向(Z軸方向)から見て、凸部51a、52aに重ならず且つ凸部51aと凸部52aとを結ぶ直線の線状に凸部51aと凸部52aとによって挟まれる位置に配置される。また、第一セパレータ31の表面(ここでは裏面)であって、X軸方向において融着部36bとほぼ同一の位置且つ上記長さLがX軸方向にほぼ平行となるよう凸部53b、54bがY軸方向で融着部36bを挟むように一定間隔を空けて配置される。このとき、凸部53b、54bは、積層方向(Z軸方向)から見て、凸部51b、52bに重ならず且つ凸部51bと凸部52bとを結ぶ直線の線状に凸部51bと凸部52bとによって挟まれる位置に配置される。
これら凸部51a、52a、53a、54a、51b、52b、53b、54bは、積層方向において、負極板本体21の面内には形成されない。
さらに、この構成によれば、隣り合う袋状のセパレータ30同士が2箇所で噛み合う、すなわちX軸方向における凸部51a、52aと凸部53a、54aとの噛み合いと、Y軸方向における凸部51b、52bと凸部53b、54bによる噛み合いがなされるように積層されているので、上記振動等によっても、互いのセパレータ30同士の位置ズレを極力低減することができる。
なお、上記正面および背面の各々の凸部を近接して配置させるほど、上記噛み合いの効果を増大させ、上記位置ズレを効果的に防止できるので、これら凸部は、別部材として酸化アルミニウムや窒化アルミニウム等のセラミックス等を用い、マスキング法やプリンティング法等で微細加工して形成するのが望ましい。
上記実施形態と同様、袋状のセパレータ30の中で負極板本体21は位置決めされている。従って、積層型電池において、複数の負極板本体21同士の位置ズレが防止され、その間に積層される正極板本体も上述のとおり凸部で保持されるので、電池性能の低下を抑え、高性能の電池を提供することができる。
また、上記実施形態およびその変形例では凸部を袋状のセパレータ30とは異なる別部材で形成したが、参考例と同様、上記実施形態およびその変形例の凸部を袋状のセパレータ自身を突出させて形成してもよい。
この場合においても、上述と同様の効果が得られる。
Claims (4)
- 複数の第一電極板と、
複数の前記第一電極板をそれぞれ内包した袋状セパレータと、
複数の前記袋状セパレータのうちの第一袋状セパレータと第二袋状セパレータとで挟まれて積層されている第二電極板と、
前記第一袋状セパレータにおける前記第二袋状セパレータ側に表面に形成され、前記表面から突出した2つの凸部と、
前記第二袋状セパレータにおける前記第一袋状セパレータ側に表面に形成され、前記表面から突出した2つの凸部とを有し、
前記第一袋状セパレータの1つの前記凸部と前記第二袋状セパレータの1つの前記凸部とで前記第二電極板を保持するとともに、前記第一袋状セパレータの前記2つの凸部と前記第二袋状セパレータの前記2つの凸部とは互いに噛み合うように配置されていることを特徴とする電池。 - 前記第一電極板は負極板であり、前記第二電極板は正極板であることを特徴とする請求項1に記載の電池。
- 前記凸部は前記袋状セパレータ自身が突出したものであることを特徴とする請求項2に記載の電池。
- 前記凸部は前記袋状セパレータとは別部材であることを特徴とする請求項2に記載の電池。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2010142626A JP5180995B2 (ja) | 2010-06-23 | 2010-06-23 | 電池 |
Applications Claiming Priority (1)
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