図1は本発明による防災監視システムの第1実施形態を示した説明図である。図1において、防災センタなどに設置された受信機10からは、建物内の監視エリア11に向けて火報伝送ライン12が複数系統引き出されており、火報伝送ライン12には伝送機能を備えた火災感知器14が接続されている。
火災感知器14のそれぞれには固有の感知器アドレスが予め設定されている。感知器アドレスは例えば8ビットアドレスであり、したがって火報伝送ライン12の1回線当たり最大255アドレスまでの火災感知器14を接続することができる。
受信機10と火災感知器14の間の火報伝送ライン12の伝送は、火報ライン伝送プロトコルに従って行う。1対n通信となる火報ライン伝送プロトコルは例えば次の手順に従う。
(1) 上位装置から複数の下位装置を順次指定してポーリング信号を周期的に送信する。
(2) 下位装置において自己アドレスに一致するポーリング信号を受信した時に、送信要求が存在したら割込信号を上位装置に送信する。
(3) 上位装置において割込信号を受信したら、グループアドレスを順次指定したグループ検索コマンド信号を下位装置に順次送信して割込応答信号のあった下位装置のグループを特定する。
(4) 上位装置から特定した下位装置のグループに属するアドレスを順次指定してグループ内検索コマンド信号を送信する。
(5) 下位装置において自己アドレスに一致するグループ内検索コマンド信号を受信した時に送信要求に基づく信号を上位装置に送信する。
この火報ライン伝送プロトコルによる伝送処理を受信機10と火災感知器14について具体的に説明すると次のようになる。
受信機10は、通常の監視時にあっては、感知器アドレスを順次指定した正常監視用のポーリングコマンドを送信しており、火災感知器14は自己の設定アドレスに一致するポーリングコマンドを受信すると、正常監視応答を行う。このため受信機10にあっては、ポーリングコマンドに対し応答がなかった火災感知器14があった場合には、その感知器の障害を検出することができる。
火災感知器14は、受信機10の全ての感知器アドレスに対するポーリングコマンドの送信周期ごとに繰り返し出力される一括AD変換コマンドを受信した際に、内蔵した火災検出機構における煙濃度や温度などのアナログ検出データをサンプリングし、予め定めた火災レベルと比較し、火災レベルを超えたときに火災を検出するようにしている。
火災感知器14は、一括AD変換コマンドに基づくサンプリング結果から火災を判断した場合には、その後の自己の感知器アドレスを指定したポーリングコマンドのタイミングで、受信機10に対し割込信号を送信する。割込信号は応答ビットをオール1とするような通常は使用されない信号を送る。
受信機10は火災感知器14側からの割込信号を受信すると、グループ検索コマンドを発行して、火災検出した火災感知器を含むグループからの割込応答を受信してグループを判別し、続いて、判別したグループに含まれる個々の火災感知器に対し、順次アドレスを指定したポーリングを行い、火災応答を受けることで、火災を検出した火災感知器14の感知器アドレスを認識し、火災警報動作を行うことになる。
火報伝送ライン12に接続される最大255台の火災感知器14は、例えば8台ごとにグループアドレスが設定されており、受信機10からのグループ検索コマンドに対し、火災を検出している感知器が含まれるグループから割込応答が行われ、火災を検出している火災感知器14を含むグループを特定できるようにしている。
このような火報伝送ライン12を介して受信機10及び伝送機能を有する火災感知器14を接続した防災監視システムに加え、本実施形態にあっては、同じ施設内に防犯監視システム、省エネルギーシステム、及び入退出管理システムといった他の設備が同時に設置されており、この他設備に対応して他設備監視装置36,38,40が設置されている。
また火災感知器14を設置している監視エリア11には、他設備監視装置36,38,40に対応して監視端末として、非常押釦装置16、人数カウンタ18、電力センサ20、COセンサ22、温度センサ24、カードリーダ26、RFIDタグ30や携帯電話用の無線中継器30などが設置されている。
これらの監視端末は、所定のイベントを検出した時に、送信先の他設備を特定する宛先識別子となるベンダ識別子と検出情報を含む上りイベント信号を火災感知器14に送信する。また監視端末には表示機能や制御機能が設けられている場合があり、この場合には火災感知器14から端末制御信号を受信して処理を実行する。更に、監視端末以外に、制御専用の制御端末を設ける場合もある。
この監視端末から他設備監視装置36,38,40側に送信するイベント信号を、以下、上りイベント電文(上りイベント信号)という。これに対し、他設備監視装置36,38,40から監視端末に対し送るイベント信号を、以下、下りイベント電文(下りイベント信号)という。
監視端末としての非常押釦装置16、人数カウンタ18、電力センサ20、COセンサ22、温度センサ24、カードリーダ26、無線中継器28のそれぞれは、火災感知器14に対し無線回線で接続されている。例えば非常押釦装置16で押ボタン操作によるイベントが発生すると、送信先(宛先)を示すベンダ識別子(ベンダID)と、非常押ボタンのオンオフを示すイベント情報(検出情報)をもつ上りイベント電文が生成されて無線送信され、通信可能エリアに存在する火災感知器14で受信される。
非常押釦装置16からの上りイベント電文を受信した火災感知器14は、上りイベント電文に感知器アドレスを含ませた上りイベント電文に変換して受信機10に火報ライン伝送プロトコルに従って送信する。
即ち、火災感知器14が非常押釦装置16から上りイベント電文を受信すると、受信機10からの感知器アドレスを指定したポーリングコマンドの受信に対し、火災検出時と同様に割込信号を送信する。
受信機10は火災感知器14からの割込信号を受信すると、グループ検索コマンドを送信し、上りイベント電文を受信した火災感知器からの割込応答を受信することで、グループアドレスを特定する。
グループアドレスを特定したら、グループ内に含まれる8台の火災感知器14の感知器アドレスを順次指定したポーリングを行う。このため上りイベント電文を受信している火災感知器14は、受信機10からのグループ内の感知器アドレスを指定したポーリングによる自己アドレスの判別で、感知器アドレスを含ませた上りイベント電文を火報伝送ライン12を介して受信機10に送信する。
受信機10に対しては、他設備監視装置36,38,40が汎用伝送ライン32を介して接続されている。汎用伝送ライン32としては、例えばRS−232CやRS−485などの伝送インタフェースが適用された伝送ラインを使用する。イーサネット(R)等を使用しても良い。
受信機10は火災感知器14から上りイベント電文を受信すると、これに感知器アドレスなどから作成したエリア情報と時刻情報を付加した上りイベント電文を生成し、火報ライン伝送プロトコルに従って他設備監視装置36,38,40に送信する。
他設備監視装置36,38,40は受信機10から受信した上りイベント電文を解読し、そこに含まれているイベント識別子から自己宛か否か判別し、自己宛であることを判別すると、エリア情報、時刻情報、更に集約された監視情報に基づき、監視エリア11で発生した監視情報に応じた表示、制御、処理、保存などの処理を行うことになる。
また他設備監視装置36,38,40は、それぞれに対応して設けた監視端末及び制御端末に対し、表示、制御などの適宜の処理のために端末制御情報を含む下りイベント電文を送信することができる。
例えば他設備監視装置36から非常押釦装置16に情報を送って表示させたい場合には、この表示情報を制御情報とし、非常押釦装置16の設置場所を示すエリア情報を含む下りイベント電文を、汎用伝送ライン32を介して受信機10に送信する。
受信機10は下りイベント電文を受信すると、そのエリア情報から該当する火災感知器14のアドレスを識別し、火災感知器14のポーリングタイミングで、指定アドレスを含む下りイベント電文を火報伝送ライン12に送信する。
非常押釦装置16に対応した火災感知器14は、自己アドレスを指定した下りイベント電文を受信すると、そのまま下りイベント電文として非常押釦装置16に送信する。非常押釦装置16は、受信した下りイベント電文に含まれる端末制御情報に基づき、例えば表示動作などを行う。
受信機10の上位側には更にデータベースサーバ34が汎用伝送ライン32を介して接続される。データベースサーバ34は、受信機10から受信した上りイベント電文に含まれる非常押釦装置16、人数カウンタ18、電力センサ20、COセンサ22、温度センサ24、カードリーダ26、RFIDタグ30や携帯電話用の無線中継器30などの監視端末からの検出情報を抽出してセンサレコードを生成し、データベースに格納する。
またデータベースサーバ34は、データベースに収集した検出情報を加工して加工済データをデータベースに格納し、他設備監視装置36,38,40からの検索要求に応じてデータベースを検索して検索結果を検索要求元に送信する。
図2は図1の受信機、火災感知器、監視端末、他設備監視装置及びデータベースの詳細を示したブロック図である。図2において、受信機10にはCPU42が設けられ、プログラムの実行により実現される機能として火災監視部44と受信機中継部46を設けている。
CPU42に対しては火報伝送部48が設けられ、火報伝送部48から火報伝送ライン12が引き出され、火災感知器14を接続している。またCPU42に対し汎用伝送部50が設けられ、汎用伝送部50から汎用伝送ライン32を介してデータベースサーバ34及び他設備監視装置36,38,40を接続している。
更にCPU42に対しては、火災監視データベース54、エリア管理テーブル56及び他設備管理テーブル52が設けられている。火災監視データベース54には、火災監視に必要な各種の情報、例えば火災感知器14における煙や熱といった種別、更には図示しない制御機器に対する連動情報などが格納されている。
エリア管理テーブル56には、感知器アドレスを、感知器設置場所を示す警戒エリア、ブロック、フロア情報などに変換するための情報が格納されている。他設備管理テーブル52には、上りイベント電文に含まれるベンダ識別子に対応した他設備名などが格納されている。
受信機10に接続された火災感知器14にはCPU58が設けられ、CPU58にはプログラムにより実行される機能として火災検出部60と感知器中継部62が設けられている。
CPU58に対しては火報伝送部64が設けられ、火報伝送部64に火報伝送ライン12を接続し、受信機10との間で火報伝送プロトコルに従って電文の双方向伝送を行うようにしている。火災感知器14に設けられた電源部74は、受信機10からの火報伝送ライン12による電源供給を受け、感知器内部に電源を供給する。
この火災感知器14に対する受信機10からの電源供給については、通常時にあっては商用AC100ボルトの整流による直流電源を供給しているが、停電に備えて、受信機10には図示しないバッテリー電源が予備電源として設けられており、停電時には例えば30分に亘りシステムの監視動作を補償する電源バックアップが行われる。
火災感知器14のCPU58に対しては、更に、センサ部66、無線伝送部68及び記憶部72が設けられている。センサ部66は光電式煙検出機構を備えた煙センサまたはサーミスタ等の検出素子を用いた熱センサが使用される。
記憶部72には予め設定された感知器アドレスが記憶されており、記憶部72としては不揮発性のメモリを使用している。無線伝送部68は、アンテナ70を介して監視端末15との間で上りイベント電文、下りイベント電文の無線伝送を行う。無線伝送部68は小電力無線局に対応しており、例えば400MHz帯の特定周波数を使用して10ミリワット以下の送信電力で無線送信を行う。
監視端末15にはCPU76が設けられ、CPU76にはプログラムの実行により実現される機能として端末処理部78が設けられている。CPU76に対し、この実施形態にあっては、非常押ボタン80、表示部82、記憶部88及びアンテナ86を備えた無線伝送部84を設けている。
監視端末15において、非常押ボタン80の操作が行われると、CPU76の端末処理部78がイベントを検出してイベント検出情報を生成し、記憶部72に予め記憶されているイベントの伝送先を示す例えば他設備監視装置36のベンダ識別子を含めた上りイベント電文を生成し、無線伝送部84から小電力無線局の仕様に従った送信信号を作成して、アンテナ86から送信することになる。
一方、受信機10に対し汎用伝送ライン32を介して接続したデータベースサーバ34 にはCPU92が設けられ、CPU92にはプログラムの実行により実現される機能としてデータベース管理部94とデータベース加工部96が設けられている。
データベース管理部94は、受信機10から受信した上りイベント信号に含まれる検出情報を抽出してセンサデータベース100に格納する。データベース加工部96は、センサデータベース100に収集した検出情報を加工して加工済データを加工済データベース102に保存し、他設備監視装置36からの検索要求に応じて加工済データベース102を検索して検索結果を検索要求元に送信する。
また、受信機10に対し汎用伝送ライン32を介して代表として示す他設備監視装置36が接続され、他設備監視装置36には汎用伝送部104、端末監視部106及び端末管理テーブル108が設けられている。端末監視部106は、その設備の監視処理内容に依存した処理手順を持っている。端末管理テーブル108には、監視端末に対し下りイベント電文を送信するために必要な情報として、端末識別子(端末ID)、種別及びエリア情報が格納されている。
図2において、防災監視システムとしての動作は、受信機10のCPU42に設けた火災監視部44と火災感知器14のCPU58に設けた火災検出部60により行われている。
一方、監視端末15と他設備監視装置36,38,40との間で上りイベント電文及び下りイベント電文を伝送するための処理は、受信機10のCPU42に設けた受信機中継部46と、火災感知器14のCPU58に設けた感知器中継部62により行われている。
即ち、監視端末15のCPU76に設けた端末処理部78は、火災以外の所定のイベント、例えば非常押ボタン80のボタン操作を検出し、送信先の他設備を特定する例えば他設備監視装置36を示す宛先識別子であるベンダ識別子と、押ボタン80のオンオフを示す検出情報を含む上りイベント電文を生成して無線送信する。
監視端末15からの上りイベント電文を受信した火災感知器14は、CPU58の感知器中継部62により、受信した上りイベント電文に感知器アドレスを含めて受信機10に送信する。
受信機10のCPU42に設けた受信機中継部46は、火災感知器14から受信した上りイベント電文の感知器アドレスを、イベント発生場所を示すエリア情報に変換すると共に、イベント発生時刻を示す時刻情報(タイムスタンプ)を含めた上りイベント電文を、宛先識別子であるベンダ識別子により判別された他設備監視装置36に送信する。
他設備監視装置36の端末監視部106は、受信機10からの上りイベント電文を受信すると、そこに含まれるエリア情報、時刻情報、ベンダ情報及びイベント情報に基づいて、監視端末15で送信した上りイベント情報に対応した監視、制御、表示などの処理を行う。
また受信機10から汎用伝送ライン32に送信された上りイベント電文はデータベースサーバ34でも受信され、データベース管理部94が上りイベント電文に含まれるエリア情報、時刻情報、ベンダ情報及びイベント情報(検出情報)に基づいて所定形式のセンサレコードを生成してセンサデータベース100に格納し、所謂センサデータの収集を行う。
またデータベース加工部96は、所定期間や所定の未処理レコード数といった所定の加工処理の開始タイミングを判別すると、センサデータベース100に収集しているセンサレコードと、予め準備している個人ID、履歴学習データ、過去事例データ及び建物地図データなどを利用して加工処理を実行し、加工済データを含む所定形式の加工済レコードを生成して加工済データベース102に格納する。
更に、データベース加工部96は、他設備監視装置36側からの下りイベント電文による検索要求を受信すると、要求された検索条件に基づいて加工済データベースを検索し、検索結果として得られた加工済データを検索要求元に送信する。
一方、他設備監視装置36から監視端末15に下りイベント電文を伝送する際には、端末監視部106で端末監視テーブル108を参照し、監視端末15の設置場所を示すエリア情報、及び監視端末15に対する端末制御情報を含む下りイベント電文を生成し、受信機10に伝送する。
受信機10は、受信機中継部46で下りイベント電文のエリア情報を、エリア監視テーブル56の参照により感知器アドレスに変換し、変換した感知器アドレスのポーリングタイミングで下りイベント電文を火災感知器14に送信する。
火災感知器14の感知器中継部62は、受信機10から受信した下りイベント電文からイベント情報を取り出し、ベンダ識別子に基づき監視端末15を特定して送信する。監視端末15は、端末処理部78において受信した下りイベント電文に含まれる端末制御情報から、例えば表示部82に他設備監視装置36から指示された内容を表示させる。
図3は第1実施形態におけるデータベースサーバの処理機能を示したブロック図である。図3において、データベースサーバ34は、図2のCPU92に示したように、プログラムにより実行される機能としてデータベース管理部94とデータベース加工部96を備えている。
データベース管理部94に対しては、汎用伝送部98−1により火災受信機10を経由した火災感知器及び監視端末からの上りイベント電文が受信され、上りイベント電文に含まれている検出情報(イベント情報)に基づいて所定の形式を持ったセンサレコードを生成し、センサデータベース100に格納する。
本実施形態にあっては、火災受信機10の上位側に設けられた他設備監視装置36,38,40として、例えば他設備監視装置36は防災監視システムを構築しており、また他設備監視装置38は空調監視システムを構築しており、更に他設備監視装置40は入退出監視システムを構築している。
この他設備監視装置36,38,40側の監視システムと監視エリア側に設けている監視端末との対応関係を見ると、防災監視システムを構築する他設備監視装置36にあっては、非常押釦16及び人数カウンタ18の検出情報を処理し、空調監視システムを構築する他設備監視装置38にあっては、COセンサ22、電力センサ20の検出情報を処理し、更に入退出監視システムを構築する他設備監視装置40にあっては、人数カウンタ18や無線中継器28を経由して得られる商品に付されているRFIDタグ30からの情報を処理する。
データベースサーバ34に設けたデータベース加工部96は、センサデータベース100に蓄積された検出情報を含むセンサレコードを対象に加工処理を実行し、例えば加工済データベースとして、この実施形態にあっては避難誘導データベース102−1、省エネルギーデータベース102−2及び商品提供情報データベース102−3を構築している。
データベース加工部96によるセンサデータベース100の加工処理にあっては、更に予め準備された個人IDデータベース110、履歴学習データベース112、過去事例データベース114及び建物地図データベース116の情報を利用した加工処理を行うことができる。
データベース加工部96により作成された避難誘導データベース102−1、省エネルギーデータベース102−2、商品提供情報データベース102−3に対しては、他設備監視装置36,38,40からの下りイベント電文による検索要求に基づいた検索処理が実行され、要求された検索条件に見合う加工済データを検索結果として取得して要求元に送信することになる。
図4は図3のデータベースサーバ34のデータベース管理部94で生成するセンサレコードを示した説明図である。図4において、センサレコード118は、データベースの管理番号となるID、上りイベント電文から得られたセンサデータとしてのイベント情報、センサの種別などを示すセンサID、ベンダ識別子、エリア情報、更に時刻情報で構成されている。
このようなセンサレコード118をデータベースサーバ34で収集してセンサデータベースサーバ100に蓄積することで、本実施形態の防災監視システムの警戒エリアに設置している火災感知器14の機能として実現される煙センサ14−1、熱センサ14−2に加え、監視端末として設けられている非常押釦装置16、COセンサ22、人数カウンタ18、電力センサ20、無線中継器28を経由して得られるRFIDタグなどのセンサ情報をリアルタイムで収集して、データベースサーバ34に蓄積することができる。
図5は図3のデータベースサーバ34のデータベース加工部96で生成する加工済レコードを示した説明図である。
図5(A)は図3の避難誘導データベース102−1に格納される避難誘導レコード120であり、例えば受信機10において火災検出が行われたとき、センサデータベース100に格納されている火災感知器に基づく煙センサ14−1及び熱センサ14−2の検出情報を含む図4のセンサレコード118を対象に、データベース加工処理により作成される。
この避難誘導レコード120は、データベース管理番号であるIDに続き、火災発生場所、火災発生階、避難経路情報、直上階避難経路情報及び直下階避難経路情報を含んでいる。これらの避難経路情報は、図3における建物地図データベース116と火災検出を示すセンサレコードの加工処理により生成されたレコードである。
図5(B)は図3の省エネルギーデータベース102−2に格納される空調省エネルギーレコード122を示している。図3の空調監視システムを構築する他設備監視装置38にあっては、警戒区域における空調監視として省エネルギーとする空調運転を監視しており、このため空調省エネルギーレコード122にあっては、例えば予め定めた一定時間ごとに、センサデータベース100に格納しているCOセンサ22や電力センサ20の検出情報を含むセンサレコードを対象に、データベース加工処理を実行して作成される。
空調省エネルギーレコード122にあっては、データベース管理番号となるIDに続き、空調地区省エネ空調条件、標準電力量、実電力量、電力低減割合を含んでいる。
図5(C)は、図3の商品提供情報データベース102−3に格納される商品販売レコード124を示している。商品提供情報データベース102−3は、例えば入退出監視システムを構築する他設備監視装置40の監視エリアに入居している例えば店舗の利用状況を監視するために使用される。
商品販売レコード124は、センサデータベース100に蓄積されている例えば人数カウンタ18のセンサレコード、及び無線中継器28を経由して得られた商品に付されているRFIDタグ30からの情報を含むセンサレコードを対象にデータベース加工処理を実行することで作成されている。
この商品販売レコード124には、データベース管理番号となるIDに続き、商品コード、販売フロア、日販売数、週販売数、月販売数、通年販売数、更に他の商品との売れ具合を示すランキングが含まれている。
図5(D)は同じく図3の商品提供情報データベース102−3に格納される来客レコード126を示している。来客レコード126は、センサデータベース100に蓄積されている人数カウンタ18の検出情報をイベント情報として含むセンサレコードを対象にデータベース加工処理により作成されている。
この来客レコード126は、データベース管理番号となるIDに続き、店舗コード、日来客数、週来客数、月来客数、通年来客数、更に他店舗に対する順位を示すランキングが含まれている。
この図5に示すような避難誘導レコード120、空調省エネルギーレコード122、商品販売レコード124、更には来客レコード126などが、データベースサーバ34においてセンサデータベース100に収集されたセンサデータの加工処理により生成されていることから、他設備監視装置36,38,40側において、それぞれが構築しているシステムのニーズに応じ、データベースサーバ34に対し必要な検索要求を出すことで対応するレコードが検索され、上りイベント電文により検索結果が他設備監視装置36,38,40側に送られ、ディスプレイなどに検索結果として表示することができる。
このため、火災監視を対象とした防災監視システムでありながら、同じ警戒区域に設置している火災以外のセンサによる情報を収集すると同時に、その収集結果を加工することで防災監視システムの情報を他システムに反映させることができ、防災監視システムとしての付加価値を大幅に高めることができる。
図6は第1実施形態の受信機10と火災感知器14の間で伝送される呼出電文と応答電文のフォーマットを示した説明図である。図6(A)は受信機10から火災感知器14に送信する呼出電文128であり、8ビットのコマンド、アドレス及びチェックサムで構成されており、それぞれの先頭にスタートビットが設けられ、また末尾にパリティビットPRとストップビットを配置している。
図6(B)は火災感知器14から受信機10に送信される応答電文130である。応答電文130は8ビットのデータとアドレスチェックサムで構成されており、それぞれの先頭にスタートビットが設けられ、末尾にパリティビットPRとストップビットを配置している。
図6(A)の呼出電文128で使用するコマンドとしては、通常監視時に感知器の正常応答を求めるポーリングコマンド、火災割込みに対しグループ検索を行うグループ検索コマンドなどが主なものである。
図7は第1実施形態における上りイベント電文のフォーマットを示した説明図である。図7(A)は監視端末15から火災感知器14に送信される上りイベント電文132−1である。この上りイベント電文132−1は、電文の宛先を示す他設備を表すベンダ識別子134と、押ボタンスイッチのオンオフ情報などを含むイベント情報136で構成される。また、イベント電文122−1の先頭にはスタートビットが設けられ、末尾にはパリティビットとストップビットが配置されている。
上りイベント電文132−1におけるベンダ識別子134とイベント情報136は、図7(A)の応答電文130のデータに対応して8ビットであるが、この8ビットのデータ部は必要に応じて可変することができ、イベント情報136としてオンオフ情報以外に画像などのデータも送ることができる。
図7(B)は火災感知器14から受信機10に送信される上りイベント電文132−2を示す。上りイベント電文132−2はデータ部138とアドレス+チェックサム140で構成され、これは図7(B)の応答電文130に対応している。上りイベント電文132−2のデータ138には、図6(A)の監視端末15側から受信した上りイベント電文132−1に含まれているベンダ識別子134とイベント情報136が配置される。
図7(C)は受信機10から他設備監視装置36,38,40に送信される上りイベント電文132−3を示す。上りイベント電文132−3は、汎用伝送ライン32の伝送インタフェースである例えばRS−232Cに対応したフォーマットとして、ヘッダ142、データ144及びCRC145で構成されている。
データ144の部分には、図7(B)の上りイベント電文132−2のデータ138を構成しているベンダ識別子134とイベント情報136に加え、上りイベント電文132−2の感知器アドレスから変換したエリア情報146と、上りイベント電文132−2の受信時刻に対応したタイムスタンプなどを用いた時刻情報148を付加している。
図8は本実施形態における下りイベント電文のフォーマットを示した説明図である。図8(A)は他設備監視装置36,38,40から受信機10に送信される下りイベント電文150−1を示す。下りイベント電文150−1は、汎用伝送ライン32の伝送インタフェースである例えばRS−232Cに対応したヘッダ152、データ154及びCRC155で構成されている。
データ154の部分には、宛先の監視端末15の設置場所を示すエリア情報156、送信時刻を示すタイムスタンプなどの時刻情報158、送信元を示すベンダ識別子160、及び監視端末15に対する表示や制御の内容を示す端末制御情報162で構成されている。なお時刻情報158については、監視端末15側で処理が必要ない場合には除くことができる。
図8(B)は受信機10から火災感知器14に送信される下りイベント電文150−2を示す。下りイベント電文150−2は、8ビット構成を取るコマンド164、アドレス166、データ168及びチェックサム170で構成され、それぞれの先頭にはスタートビットが配置され、末尾にはパリティビットPRとストップビットが配置されている。
データ168には、図8(A)に示す他設備監視装置36,38,40から受信した下りイベント電文150−1に含まれるベンダ識別子160と端末制御情報162が配置される。またアドレス166は、図8(A)の下りイベント電文150−1に含まれるエリア情報156をエリア管理テーブル56の参照により変換した感知器アドレスが配置される。
図8(C)は火災感知器14から監視端末15に送信される下りイベント電文150−3を示す。下りイベント電文150−3は、図8(B)の下りイベント電文150−2のデータ168に配置されているベンダ識別子160と端末制御情報162を含み、先頭にスタートビットを配置し、末尾にパリティビットPRとストップビットを配置している。
なお、図8の下りイベント電文150−1〜150−3における端末制御情報162についても、オンオフ情報以外に画像データなどを送ることが可能であり、したがって端末制御情報162としては、8ビット単位に適宜に増減可能な可変長のデータとすることができる。
図9は図2の受信機10に設けたエリア管理テーブル56の詳細を示した説明図である。図9において、エリア管理テーブル56は系統1〜nに分けて作られており、各系統ごとに感知器アドレス001〜255が割り当てられ、感知器アドレスのそれぞれに対応して、エリア情報として建物のフロアや部屋名が登録されている。
このため、感知器アドレスによりエリア管理テーブル56を参照することでエリア情報に変換することができ、またエリア情報によりエリア管理テーブル56を参照することで感知器アドレスに変換することができる。
図10は図2の他設備管理テーブル52の詳細を示した説明図である。図10において、他設備管理テーブル52は他設備を示すベンダ識別子と設備名で構成されている。したがって、上りイベント電文に含まれるベンダ識別子により他設備管理テーブル52を参照することで、宛先となる設備名を特定することができる。設備名としては、特定の名称であってもよいし、汎用伝送ライン32のRS−232Cインタフェースにおけるネットワークアドレスなどであってもよい。
図11は図2の他設備監視装置36に設けた端末管理テーブル108の詳細を示した説明図である。図11において、端末管理テーブル108には、監視端末を示す端末識別子、監視端末におけるセンサ、表示、制御といった種別、更に監視端末の設置場所を示すエリア情報が予め登録されている。
このため、他設備監視装置36で特定の監視端末に対し制御や表示といったイベント情報を送りたい場合には、端末管理テーブル108の端末識別子からエリア情報を取得し、取得したエリア情報を用いて、図8(A)に示す下りイベント電文150−1を作成して受信機側に送信すればよい。
図12は第1実施形態における防災監視システムにおける通常監視時の伝送タイミングを示したタイムチャートである。図12にあっては、受信機10に対し4台の火災感知器14−1〜14−4を示しており、火災感知器14−1〜14−4のアドレスをアドレス1〜4としている。受信機10は、一括AD変換コマンド172を送信した後、一定間隔で255の最大感知器数に対応したアドレスを順次指定したポーリングコマンド176−1〜176−255を送信し、その後、再び一括AD変換コマンド172を送信する。
一括AD変換コマンド172を受信した火災感知器14−1〜14−4は、一斉に火災検出情報のサンプリング174−1〜174−4を行い、サンプリングしたデータと火災レベルを比較し、火災検出の有無を判断している。
ポーリングコマンド176−1,176−2,176−3,176−4,・・・のそれぞれに対しては正常監視動作を示す応答178−1〜178−4を送信する。もし火災感知器側から応答が得られない場合には、受信機10にあっては、その火災感知器を障害として処理することになる。
図13は本実施形態における火災発生時の伝送タイミングを示したタイムチャートである。図13において、一括AD変換コマンド172による火災感知器14−1〜14−4のサンプリング174−1〜174−4において、例えば火災感知器14−1で火災判断が行われたとすると、次のポーリングコマンド176−1のタイミングで割込信号180を送信する。
この割込信号を受けて受信機10は、グループ検索コマンドによるポーリング182を行う。グループ検索コマンド182に対し、火災感知器14−1を含むグループアドレスが判別され、その内、火災を検出している火災感知器14−1がグループ応答として割込応答184を送信する。
この割込応答184により受信機10は、火災感知器14−1を含む8台の火災感知器のグループで火災検出が行われることを認識し、火災感知器14−1のアドレス1からアドレス8までを順次指定しながらグループ内検索のためのポーリングコマンド186−1,186−2,・・・を送信する。
このとき1番目のポーリングコマンド186−1に対し、火災を検出している火災感知器14−1が火災応答188を行う。これによって受信機10は、アドレス1の火災感知器14−1で火災検出が行われたことを認識し、感知器アドレスからエリア情報に変換し、火災警報表示を行うことになる。
図14は本実施形態における火災監視処理を示したタイムチャートである。図14において、受信機10は、ステップS1で一括AD変換コマンドを送信し、これを受けて火災感知器14が、ステップS2でAD変換により検出データを取得し、ステップS3で火災レベルを超えることで火災を検出したとする。
続いて、火災感知器14のアドレスを指定した受信機10からのステップS4におけるポーリングコマンドに対し、ステップS5で火災感知器14が割込応答を送信する。これを受けて、ステップS6で受信機10はグループ1の検索コマンドを送信する。ここで、火災を検出した火災感知器がグループ2に所属していたとすると、ステップS6のグループ1の検索コマンドに対し、火災感知器14はステップS7で無応答となる。
続いて受信機10は、ステップS8でグループ2の検索コマンドを送信し、火災を検出している火災感知器14はグループ2に属することから、ステップS9で割込応答を送信する。ステップS9の割込応答を受信した受信機10は、ステップS10でグループアドレス内の感知器アドレスの第1番目を指定し、グループ内第1検索コマンドを送信する。
ここで、受信機10がグループ内の第2アドレスであったとすると、ステップS11で無応答となる。次に受信機10は、ステップS12でグループ内第2検索コマンドを送信する。これに対し、受信機10は自己アドレスを判別し、ステップS13で火災応答を送信する。
ステップS13の火災応答に対し、受信機10は、ステップS14で火災を検出した感知器アドレスを認識し、火災警報処理を実行する。更にステップS15で必要に応じて他設備に火災移報を行う。
これを受けてデータベースサーバ34にあっては、火災検出情報を含むセンサレコードを生成し、センサデータベース100に格納する。同時に、火災検出情報を含むセンサレコードの加工により避難誘導経路情報を含む加工済レコードを生成し、加工済データベース102に格納し、検索要求があれば検索結果として応答する。
またステップS15の火災移報を受けて他設備監視装置36にあっては、ステップS17で火災移報処理を実行する。
続いて受信機10は、ステップS18でグループ内第3検索コマンドを送信し、これに対してはステップS19で無応答となり、以下、グループに属する8番目となるグループ内第8検索コマンドまでの送信をステップS20で行い、これに対してもステップS21で無応答となり、その後、ステップS22から再び通常のポーリングに移行する。
図15は第1実施形態における上りイベント電文の伝送処理を示したタイムチャートである。図15において、監視端末15においてステップS31で非常押ボタンの操作などによりイベントが発生すると、ステップS32で図7(A)に示す上りイベント電文132−1を作成して火災感知器14に送信する。
火災感知器14は、ステップS33で、受信した上りイベント電文に基づき図7(B)に示す感知器の上りイベント電文132−2を生成する。一方、受信機10にあっては、ステップS34で、通常のポーリングにより例えば火災感知器14のアドレスを指定したポーリングを行う。このポーリングに対し火災感知器14は自己アドレスとの一致を判別し、ステップS35で割込応答を送信する。割込応答を受信した受信機10は、ステップS36でグループ1の検索コマンドを送信する。
ここで火災感知器14がグループ2に属していたとすると、ステップS37で無応答となる。続いて受信機10は、ステップS38でグループ2の検索コマンドを送信する。このとき火災感知器14はグループ2に属していることから、ステップS39で割込応答を送信する。
これによって受信機10は、割込みを行った火災感知器14がグループ2に属していることを認識でき、続いてグループ内の感知器アドレスを順次指定した検索コマンドを送信する。即ち、ステップS40でグループ内の第1検索コマンドを送信し、これに対してはステップS41で無応答となる。
続いてステップS42でグループ内第2検索コマンドを送信するが、これが割込みを行った火災感知器14の感知器アドレスに一致し、ステップS43で上りイベント電文を受信機10に送信する。
受信機10は、ステップS44で、受信した上りイベント電文に基づき図7(C)に示す受信機での上りイベント電文132−3を生成し、ステップS45でデータベースサーバ34及び他設備監視装置36に送信する。
データベースサーバ34はステップS46で上りイベント電文を受信し、イベント電文に含まれているエリア情報、時刻情報及びイベント情報に基づきセンサレコードを生成してセンサデータベース100に格納する。
また、他設備監視装置36は、ステップS47で受信機10からの上りイベント電文を受信し、イベント電文に含まれているエリア情報、時刻情報及びイベント情報に基づき、所望の監視処理を実行する。
続いて受信機10は、ステップS48〜S49でグループ内第3検索コマンドから最後の第8検索コマンドまでを順次送信するが、これに対し火災感知器14側は、ステップS50〜S51に示すように無応答となり、その後、再びステップS52で通常のポーリングに戻る。
図16は本実施形態における下りイベント電文の伝送処理を示したタイムチャートである。図16において、他設備監視装置36で監視端末15に対するイベント情報を送信するためのイベントがステップS61で発生すると、ステップS63で図8(A)に示した下りイベント電文150−1を生成して受信機10に送信する。
一方、受信機10にあっては、ステップS62で火災感知器14に対し通常のポーリングを行っている。続いてステップS64で他設備監視装置36から下りイベント電文を受信すると、図8(B)に示す下りイベント電文150−2を生成し、ステップS65で、下りイベント電文に変換した感知器アドレスに対するポーリングタイミングで、下りイベント電文を火災感知器14に送信する。
火災感知器14は、受信機10からの下りイベント電文を受信すると、ステップS66で図8(C)に示した感知器の下りイベント電文150−3を生成し、ステップS67で監視端末15に対し電文を送信する。
監視端末15は、ステップS68で受信した感知器からの下りイベント電文を解読し、イベント情報に含まれる制御、表示などの処理を行う。この下りイベント電文の伝送が済むと、受信機10はステップS69で再び通常のポーリングに戻る。
図17は図2の監視端末15のCPU76に設けた端末処理部78による端末処理を示したフローチャートである。図17において、端末処理は、ステップS71でイベント発生を判別すると、ステップS72に進み、イベントデータを読み込み、ステップS73でベンダ識別子を付加した上りイベント電文を作成し、ステップS74で電文を火災感知器14に送信する。
一方、ステップS75で火災感知器14から下りイベント電文を受信した場合には、ステップS76で電文を解読し、電文のイベント情報に基づき、ステップS77で監視端末における制御、表示、処理を実行する。
図18は図2の火災感知器14のCPU58に設けた火災検出部60及び感知器中継部62による感知器処理を示したフローチャートである。図18において、感知器処理は、ステップS81で受信機10からのポーリングを判別すると、ステップS82で正常応答を送信する。
続いてステップS83で上りイベント電文を監視端末から受信したことを判別すると、ステップS84で感知器アドレスを付加した上りイベント電文を作成し、ステップS85で自己の感知器アドレスを指定したポーリングに対し割込応答を送信する。
続いてステップS86でグループ検索コマンドを受信すると、ステップS87で割込応答を送信する。続いてステップS88で自己アドレスを指定したポーリングコマンドを受信すると、ステップS89において上りイベント電文を送信する。続いてステップS90で下りイベント電文の受信を判別すると、ステップS91で感知器アドレスを外した下りイベント電文を作成し、ステップS92で下りイベント電文を監視端末に送信する。
一方、ステップS93で火災検出を判別した場合には、ステップS94で火災情報送信処理を実行する。この火災情報送信処理はステップS84〜S89と基本的に同じであり、ステップS89における処理が火災応答の送信となる。
図19は図2の受信機10に設けたCPU42における火災監視処理部44及び受信機中継部46による受信機処理を示したフローチャートである。図19の受信機処理において、ステップS101で正常監視のためのポーリングコマンドの送信を行っており、ステップS102で正常監視応答が受信されない場合には、ステップS103で、そのポーリングコマンドの感知器アドレスについて感知器障害処理を行う。
続いてステップS104で火災感知器側からの割込受信を判別すると、ステップS105で割込感知器の検索処理を実行する。この検索処理は、まずグループ検索コマンドを送信し、応答が得られたグループにつき、グループ内の感知器アドレスを順次指定したポーリングを行い、割込みを発生した火災感知器を検索する。続いてステップS106で、検索した火災感知器にポーリングコマンドを送信し、上りイベント電文を送信させる。
続いてステップS107で火災感知器からの電文が上りイベント電文の受信であることを判別すると、ステップS108に進み、上りイベント電文を読み込んで解読し、ステップS109で感知器アドレスからエリア情報を生成し、またステップS110で時刻情報を生成し、ステップS111でエリア情報と時刻情報を付加した上りイベント電文を作成し、ステップS112でベンダ識別子で特定される他設備に対し上りイベント電文を送信する。
一方、ステップS107でポーリングコマンドに対する応答が上りイベント電文でなかった場合には、ステップS113に進み、火災応答の受信か否かチェックし、火災応答の受信であった場合には、ステップS114で火災受信警報処理を実行することになる。
またステップS115で他設備監視装置から下りイベント電文が受信されたことを判別すると、ステップS116で下りイベント電文を読み込んで解読し、ステップS117でエリア情報から感知器アドレスを生成し、ステップS118で、生成した感知器アドレスのポーリングタイミングで下りイベント電文を送信する。
図20は図2のデータベースサーバ34のCPU92に設けたデータベース管理部94及びデータベース加工部96によるデータベースサーバ処理を示したフローチャートである。
図20において、データベースサーバ処理は、ステップS121で初期化処理を行った後、ステップS122で受信機10からの上りイベント電文の受信の有無をチェックしており、上りイベント電文を受信すると、ステップS123に進み、上りイベント電文に含まれる少なくとも検出情報(イベント情報)を抽出し、ステップS124で例えば図4に示したようなセンサレコード118を生成してセンサデータベース100に保存する。
続いてステップS122でデータベース加工タイミングの有無をチェックしている。データベース加工タイミングは、所定時間の経過時またはセンサレコードが所定数得られたときなどに判別される。
加工タイミングを判別すると、ステップS126でセンサデータベース100から該当するセンサレコードを読み出して所定の加工処理を実行し、例えば図5に示したような加工済レコードを生成して加工済データベース102に保存する。
続いてステップS128で他設備監視装置36からのデータベース検索要求を下りイベント電文により受信すると、受信した検索要求の検索条件に基づき、ステップS129で加工済データベース102の検索処理を実行する。この検索処理により得られた検索データ即ち加工済レコードについて、ステップS130で要求元に対し検索結果を上りイベント電文に含めて応答する。
図21は本発明による防災監視システムの第2実施形態を示した説明図であり、監視エリア毎にエリアコントローラを設け、エリアコントローラにデータベースサーバとしての機能を持たせたことを特徴とする。
図21において、防災センタなどに設置された受信機10からは、建物内の警戒区域に向けて火報伝送ライン12が引き出されており、火報伝送ライン12には例えば建物の階別などのエリアA,Bに分けてエリアコントローラ170が配置される。エリアコントローラ170からは受信機10と同様に火報伝送ライン12が引き出され、エリアA,Bの各々に設置している伝送機能を備えた火災感知器14が接続されている。
エリアコントローラ170のそれぞれには固有のコントローラアドレスが予め設定されている。コントローラアドレスは例えば8ビットアドレスであり、したがって火報伝送ライン12の1回線当たり最大255アドレスまで接続可能であるが、エリア数は大規模設備であってもそれほど多くはならないので、アドレス容量としては充分に余裕がある。
エリアコントローラ170からの火報伝送ライン12に接続された火災感知器14のそれぞれにも固有の感知器アドレスが予め設定されている。感知器アドレスは例えば8ビットアドレスであり、したがって火報伝送ライン12の1回線当たり最大255アドレスまでの火災感知器14を接続することができる。しかし、他設備の監視端末によるトラヒックの増加を考慮し、例えば1ライン当りの感知器接続数を最大アドレスの1/4となる64台に制限する。
受信機10とエリアコントローラ170の間、及びエリアコントローラ170と火災感知器14の間の火報伝送ライン12の伝送は、図1の第1実施形態と同様に、火報ライン伝送プロトコルに従って行う。
火報ライン伝送プロトコルによる伝送処理をエリアコントローラ170と火災感知器14について具体的に説明すると次のようになる。
エリアコントローラ170は、通常の監視時にあっては、感知器アドレスを順次指定した正常監視用のポーリングコマンドを送信しており、火災感知器14は自己の設定アドレスに一致するポーリングコマンドを受信すると、正常監視応答を行う。このためエリアコントローラ170にあっては、ポーリングコマンドに対し応答がなかった火災感知器14があった場合には、その火災感知器の障害を検出することになる。
火災感知器14は、エリアコントローラ170の全ての感知器アドレスに対するポーリングコマンドの送信周期ごとに繰り返し出力される一括AD変換コマンドを受信した際に、内蔵した火災検出機構における煙濃度や温度などのアナログ検出データをサンプリングし、予め定めた火災レベルと比較し、火災レベルを超えたときに火災を検出するようにしている。
火災感知器14で一括AD変換コマンドに基づくサンプリング結果から火災を判断した場合には、その後の自己の感知器アドレスを指定したポーリングコマンドのタイミングで、エリアコントローラ170に対し割込信号を送信する。割込信号は応答ビットをオール1とするような通常は使用されない信号を送る。
エリアコントローラ170は火災感知器14側からの割込信号を受信すると、グループ検索コマンドを発行して、火災検出した火災感知器を含むグループからの割込応答を受信してグループを判別し、続いて、判別したグループに含まれる個々の火災感知器に対し、順次アドレスを指定したポーリングを行い、火災応答を受けることで、火災を検出した火災感知器14の感知器アドレスを認識し、火災検出情報と感知器アドレスから変換したエリア情報を含む火災監視情報を生成し、生成した火災監視情報を受信機10に同じく火報ライン伝送プロトコルに従って伝送し、火災警報を行わせる。
エリアコントローラ170からの火報伝送ライン12に接続される最大64台の火災感知器14は、例えば8台ごとにグループアドレスが設定されており、エリアコントローラ170からのグループ検索コマンドに対し、火災を検出している感知器が含まれるグループから割込応答が行われ、火災を検出している火災感知器14を含むグループを特定できるようにしている。
一方、火報ライン伝送プロトコルによる伝送処理を受信機10とエリアコントローラ170の間の伝送について具体的に説明すると次のようになる。
受信機10は、通常の監視時にあっては、コントローラアドレス14を順次指定した正常監視用のポーリングコマンドを送信しており、エリアコントローラ170は自己の設定アドレスに一致するポーリングコマンドを受信すると、正常監視応答を行う。このため受信機10にあっては、ポーリングコマンドに対し応答がなかったエリアコントローラ170が存在した場合には、そのエリアコントローラ170の障害を検出することになる。
エリアコントローラ170において火災検出情報の生成により送信要求が発生すると、その後の自己のコントローラアドレスを指定したポーリングコマンドのタイミングで、受信機10に対し割込信号を送信する。
受信機10はエリアコントローラ170側からの割込信号を受信すると、グループ検索コマンドを発行して、送信要求が発生したエリアコントローラを含むグループからの割込応答を受信してグループを判別し、続いて、判別したグループに含まれる個々のエリアコントローラに対し、順次アドレスを指定したポーリングを行い、アドレス一致でエリアコントローラ170から送信された火災監視情報を受信し、火災監視情報に含まれる火災検出情報とエリア情報に基づき火災警報処理を実行する。
このような火報伝送ライン12を介して受信機10、エリアコントローラ170及び伝送機能を有する火災感知器14を接続した防災監視システムに加え、第2実施形態にあっては、同じ施設内に防犯監視システム、省エネルギーシステム、及び入退出管理システムといった他の設備が同時に設置されており、この他設備に対応して他設備監視装置36,38,40が設置されている。
また火災感知器14を設置しているエリアA,B毎の警戒区域には、他設備監視装置36,38,40に対応して監視端末として、非常押釦装置16、人数カウンタ18、電力センサ20、COセンサ22、温度センサ24、カードリーダ26、RFIDタグ30や携帯電話用の無線中継器30などが図1の第1実施形態と同様に設置されている。
これらの監視端末は、所定のイベントを検出した時に、送信先の他設備を特定する宛先識別子となるベンダ識別子と検出情報を含む上りイベント信号を火災感知器14に送信する。また監視端末には表示機能や制御機能が設けられている場合があり、この場合には火災感知器14から制御用のイベント信号を受信して処理を実行する。更に、監視端末以外に、制御専用の制御端末を設ける場合もある。
監視端末としての非常押釦装置16、人数カウンタ18、電力センサ20、COセンサ22、温度センサ24、カードリーダ26、無線中継器28のそれぞれは、火災感知器14に対し無線回線で接続されている。例えば非常押釦装置16で押ボタン操作によるイベントが発生すると、送信先(宛先)を示すベンダ識別子(ベンダID)と、非常押ボタンのオンオフを示すイベント情報(検出情報)をもつ上りイベント電文が生成されて無線送信され、通信可能エリアに存在する火災感知器14で受信される。
非常押釦装置16からの上りイベント電文を受信した火災感知器14は、上りイベント電文に感知器アドレスを含ませた上りイベント電文に変換してエリアコントローラ170に火報ライン伝送プロトコルに従って送信する。
即ち、火災感知器14が非常押釦装置16から上りイベント電文を受信すると、エリアコントローラ170からの感知器アドレスを指定したポーリングコマンドの受信に対し、火災検出時と同様に割込信号を送信する。
エリアコントローラ170は火災感知器14からの割込信号を受信すると、グループ検索コマンドを送信し、上りイベント電文を受信した火災感知器からの割込応答を受信することで、グループアドレスを特定する。
グループアドレスを特定したら、グループ内に含まれる8台の火災感知器14の感知器アドレスを順次指定したポーリングを行う。このため上りイベント電文を受信している火災感知器14は、受信機10からのグループ内の感知器アドレスを指定したポーリングによる自己アドレスの判別で、感知器アドレスを含ませた上りイベント電文を火報伝送ライン12を介してエリアコントローラ170に送信する。
エリアコントローラ170は火災感知器14から上りイベント電文を受信すると、それまでに受信した自己及び他の監視端末からの情報に基づき、所定のアルゴリズムに従った演算を実行し、集約された監視情報を作成し、これに感知器アドレスなどから作成したエリア情報と時刻情報を付加した上りイベント電文を生成し、火報ライン伝送プロトコルに従って受信機10に伝送する。
更に、エリアコントローラ170には、火災感知器14及び非常押釦装置16、人数カウンタ18、電力センサ20、COセンサ22、温度センサ24、カードリーダ26、無線中継器28など監視端末による検出情報を収集してデータベースに蓄積し、更に、データベースに蓄積した検出情報を加工して加工済データをデータベースサーバ34に転送する機能が設けられる。
受信機10に対しては、データベースサーバ34及び他設備監視装置36,38,40が汎用伝送ライン18を介して接続されている。汎用伝送ライン18としては、例えばRS−232CやRS−485などの伝送インタフェースが適用された伝送ラインを使用する。イーサネット(R)等を使用しても良い。
受信機10はエリアコントローラ170から上りイベント電文を受信すると、上りイベント電文に含まれるベンダ識別子により指定される送信先である例えば他設備監視装置20に上りイベント電文を送信する。
他設備監視装置20は受信機10から受信した上りイベント電文を解読し、そこに含まれているエリア情報、時刻情報、更に集約された監視情報に基づき、エリアコントローラ170を設置したエリアで発生した監視情報に応じた表示、制御、処理、保存などの処理を行うことになる。
また他設備監視装置36,38,40は、それぞれに対応して設けた監視端末及び制御端末に対し、表示、制御などの適宜の処理のために下りイベント電文を送信することができる。
例えば他設備監視装置20から非常押釦端末装置26に情報を送って表示させたい場合には、この表示情報を制御情報とし、非常押釦端末装置26の設置場所を示すエリア情報を含む下りイベント電文を、汎用伝送ライン18を介して受信機10に送信する。
受信機10は下りイベント電文を受信すると、そのエリア情報から該当するコントローラアドレス14を識別し、そのエリアコントローラ170のポーリングタイミングで、下りイベント電文をアドレス指定されたエリアコントローラ170に送信する。
エリアコントローラ170は下りイベント電文を受信すると、そこに含まれる制御情報を取り出し、所定のアルゴリズムに従って制御情報を解析し、1又は複数の制御端末の処理に必要な端末制御情報に変換し、変換した端末制御情報にエリア情報から変換した感知器アドレスを加えた下りイベント電文を作成し、火報ライン伝送プロトコルに従って対応する1又は複数の火災感知器14に送信する。
火災感知器14は下りイベント電文を受信すると、そのまま下りイベント電文として監視端末又は制御端末に送信する。監視端末又は制御端末は、受信した下りイベント電文に含まれる端末制御情報に基づき、例えば非常押釦装置26における表示動作などを行う。
データベースサーバ34はエリアA,Bに設けたエリアコントローラ170から受信機10を経由して転送された検出データから処理した加工済データをデータベースに格納して蓄積し、他設備監視装置36,38,40からの下りイベント電文による検索要求基づいてデータベースの加工済データを検索し、検索結果として応答送信する。
図22及び図23は、図21の受信機10、エリアコントローラ170、火災感知器14、監視端末15及び代表として示す他設備監視装置36の詳細を示したブロック図である。
図22及び図23において、受信機10、火災感知器14、監視端末15、及び他設備監視装置36は図2の第1実施形態と基本的に同じであることから、同一符号を付して説明を省略する。相違点は、受信機10及び火災感知器14がエリアコントローラ170との間で伝送を行う点である。
第2実施形態で新たに設けたエリアコントローラ170にはCPU174が設けられ、プログラムの実行により実現されるエリアコントローラ中継部174の機能として監視演算部176と制御演算部178を設けている。
更に、データベース機能としてCPU174にデータベース管理部94データベース加工部96が設けられている。データベース管理部94とデータベース加工部96は図2の第2実施形態でデータベースサーバ34に設けたと同じ機能である。
CPU174に対しては火報伝送部184,186が設けられ、受信機10から引き出された火報伝送ライン12を火報伝送部184に接続し、また火報伝送部186から引き出された火報伝送ライン12に火災感知器14を接続している。
なお、エリアコントローラ170に対する電源供給は受信機10からの火報伝送ライン12により行われ、また火災感知器14に対する電源供給はエリアコントローラ170から引き出された火報伝送ライン12により行っている。
更にCPU172に対しては、他設備管理テーブル52、火災監視データベース54、エリア内管理テーブル190及びセンサデータベース100が設けられている。
他設備監視テーブル52は第1実施形態と同じであり、図10に示す内容を持っている。火災監視データベース54は図2の第1実施形態と同じであり、火災監視に必要な各種の情報、例えば火災感知器14における煙や熱といった種別、更には図示しない制御機器に対する連動情報などが格納されている。エリア内管理テーブル190には、感知器アドレスを、感知器設置場所を示す警戒エリア、ブロック、フロア情報などに変換するためのエリア情報が格納されている。
監視演算部176は、火災感知器14を経由して複数の監視端末15から受信した上りイベント電文に含まれる検出情報を、演算により所定の監視情報に集約し、集約した監視情報を含む上りイベント信号を受信機10を経由して対応する他設備監視装置36に送信する。
制御演算部178は、記受信機10を経由して他設備監視装置36から受信した下りイベント電文に含まれる制御情報を、演算により1又は複数の監視端末に分配する端末制御情報に変換し、変換した端末制御情報を含む下りイベント電文を火災感知器10を経由して対応する1又は複数の監視端末15に送信する。
データベース管理部94は火災感知器14から受信した上りイベント電文に含まれる漢詩端末15の検出情報を抽出してセンサデータベース100に格納する。データベース加工部96は、センサデータベース100に収集蓄積された検出情報を加工して加工済データを生成し、加工済データを含む上りイベント電文を生成して受信機10を経由してデータベースサーバ34に送信する。
エリアコントローラ170のCPU172に設けた監視演算部176と制御演算部178は、次の監視制御を実行する。
(1)火災監視制御
(2)防犯監視制御
(3)省エネルギー監視制御
(4)入退出監視制御
監視演算部176による火災監視制御は、火災感知器14からの火災検出に基づく上りイベント電文に基づき、エリア内管理テーブル190を参照し、感知器アドレスをエリア情報に変換し、このエリア情報に火災検出情報を加えた火災監視情報を含む上りイベント電文を火災受信機10に伝送する。
これに加え監視演算部176にあっては、例えば火災感知器14からの火災検出情報、COセンサ22からのCOガス検出情報、及び人数カウンタ18からの人数情報について、各情報の時間による変化量をセンサデータベース100に蓄積しておき、蓄積された情報に対し総合的に判断することにより、例えば危険度のような火災監視に必要な情報に加工する複数の情報を集約して1つの情報にまとめる演算を実行し、その演算結果として得られた例えば火災危険度のような情報を受信機10に送信し、火災危険度がプリアラームレベルを超えたときにプリアラームを出し、更に火災レベルを超えたときに火災警報を出すようなことができる。
一方、制御演算部178は、受信機10でエリアコントローラ170からの火災監視情報に基づき火災警報を出した際に、火災が発生したエリア情報に対し防排煙及び避難誘導といった制御情報を含む下りイベント電文を受信し、この制御情報を解読することで、エリア内に設置している例えば防排煙機器、防火戸及び避難誘導灯に対する端末制御情報を作成し、対応する火災感知器14のアドレスを指定した下りイベント電文を送信し、防排煙機器の起動、防火戸のラッチ解除、更には避難誘導灯の点灯制御などを行わせる。
即ち制御演算部178は、火災受信機10からのエリアを対象とした総合的な制御情報を解析して複数の端末制御情報に分配し、分配した端末制御情報を、対応する感知器アドレスを指定した下りイベント電文により送信し、対応する制御機器を動作させる。
このように、エリアコントローラ170の監視演算部176にあっては、火災感知器14を含む端末機器からの検出情報の複数を1つに集約して得られた演算結果としての監視情報を作成して受信機10側に伝送するため、火災感知器14からの複数の上りイベント電文が1つにまとめられて受信機10に送ることができ、これによって受信機10に対する伝送のトラフィックを小さくして、受信機10の処理負担を低減することができる。
この点は制御演算部178についても同様であり、受信機10からの1つの制御情報を分析して、複数の制御機器あるいは監視端末に対する端末制御情報に分配し、それぞれ下りイベント電文として送信することで、受信機10からのトラフィックを小さくして、受信機10側の処理負担を低減することができる。
次に防犯監視制御を対象とした場合、監視演算部176は、火災感知器14を経由して例えば非常押釦装置16及び人数カウンタ18からのイベント検出に基づく上りイベント電文を受信し、防犯監視のためのセンサにおける時間的な変化がセンサデータベース100に保存し、センサ側からの情報が特定のイベント例えば非常押釦操作を判別したとき、そのときのセンサデータベース100に格納している例えば人数カウンタ18の人数情報に基づき所定の演算を行って、集約された1つの防犯監視情報を生成し、この防犯監視情報を含む上りイベント電文を受信機10を経由して他設備監視装置36に送信し、必要な防犯監視のための警報を行う。
また制御演算部178は、受信機10を経由して他設備監視装置36から受信した包括的な防犯制御情報を含む下りイベント電文を解読し、制御端末である例えば施錠装置などの防犯制御機器に対する1または複数の端末制御情報を所定の演算により生成し、この端末制御情報を含む下りイベント電文を、火災感知器14を介して対応する防犯制御機器に送信し、侵入者撃退用のアラーム、ドア施錠ロックなどの防犯制御を行う。
次に省エネルギー監視制御を対象とした場合、監視演算部176は、火災感知器14を経由して、COセンサ22、電力センサ20及び温度センサ24の各イベント検出に基づく上りイベント電文を受信し、必要に応じてセンサデータベース100に格納する。
この状態で監視演算部176は、例えばCOガス濃度、消費電力及び室内温度などを総合的に判断し、対象エリアにおける省エネルギー情報を所定の演算により集約し、演算された省エネルギー情報を含む上りイベント電文を、受信機10を介して他設備監視装置36に送る。
このエリアコントローラ170から送られた省エネルギー監視情報に基づき、他設備監視装置36側は現在の省エネルギー状況を判断し、もし更なる省エネルギーを図る必要があれば、省エネルギーを促進させるための制御情報をエリアコントローラ170のコントローラアドレスを指定して、受信機10経由で伝送する。
制御演算部178は、受信機10を経由して受信した他設備監視装置36からの省エネルギー制御情報につき、火災感知器14を経由して、省エネルギー制御機器である例えば空調制御機器、照明制御機器、電力制御機器といった端末制御機器に対し、1または複数の端末制御情報を作成して下りイベント電文により送信し、更に省エネを促進するため、空調制御機器により室内温度を下げ、照明制御機器により不必要な照明を消灯し、更に電力制御端末により、エリア内で稼動している電気機器の運転モードを省エネモードに切り替え、省エネルギーの度合を促進させる制御を行う。
更に入退出監視制御の場合、監視演算部176は、火災感知器14を介して人数カウンタ18とカードリーダ26における人数情報及びカードリーダの読取情報のそれぞれにつき、上りイベント電文を入力し、センサデータベース100に格納する。
この状態で監視演算部176は、例えばカードリーダ26からカード読取に基づく上りイベント電文を受信するごとに、受信機10を経由して他設備監視装置36に上りイベント電文を送るような処理は行わず、例えば予め定めた一定時間例えば10分単位に、センサデータベース100に格納された人数カウンタ18の検出情報やカードリーダ26の読取情報に基づき、現在のエリアコントローラ170の設置エリアにおける人数情報を演算し、これを上りイベント電文に含めて、受信機10を経由して他設備監視装置36に伝送する。
これによって、人数カウンタ18やカードリーダ26のイベント検出ごとに受信機10を経由して他設備監視装置36に上りイベント電文を送る必要がなく、エリアコントローラ170で集約された情報として送ることができるため、受信機10との間のトラフィック及び処理負担を低減することができる。
一方、制御演算部176は、他設備監視装置36からエリアコントローラ170を設置しているエリアの入退出開始時刻と入退出終了時刻などの1つのまとまった制御情報が出されることから、この制御情報を含む下りイベント電文を制御演算部178で受信解読し、エリアに設置している例えばドア開閉装置やゲート開閉装置に対する端末制御情報を1または複数生成し、火災感知器14を経由して下りイベント電文を送信し、入退出の開始及び入退出の終了に伴うドア開閉装置やゲート開閉装置の制御を行う。
この場合にも、他設備監視装置36側からの1つの制御情報を送るだけで、エリアコントローラ170においてエリアに設置している複数の端末制御情報に分配して転送制御でき、受信機10及び他設備監視装置27側のトラフィックと処理負担を低減することができる。
なお本実施形態におけるエリアコントローラ170を使用した監視演算機能及び制御演算機能は、他設備監視装置における防災監視、省エネルギー監視、入退出管理などの適宜の用途に応じ専用の演算を行うエンジンを準備すればよく、適宜のシステムにおける監視制御を対象とすることができる。
またエリアコントローラ170における各種システムに対応した監視演算部及び制御演算部としては、1つのエリアコントローラ170におけるCPUのエンジンとして複数エンジンを設けるようにしてもよいし、監視演算及び制御演算の機能ごとにエリアコントローラを別々に設置して並列的に動作させるような形態をとってもよい。
またエリアコントローラ170に設けたセンサデータベース100に端末側のセンサ情報や端末情報を格納し、その内容から1つの集約した監視情報を求める演算を行うようにしているが、別のデータベースに予め必要なデータをダウンロードして保存しておき、これに端末側のセンサ情報を加えて、総合的な判断により、まとまった監視情報を作成して上位側に伝送するようにしてもよい。
また監視演算部及び制御演算部として機能する判断ロジックのエンジンについては、追加、削除、バージョンアップなど、受信機10を経由した上位側の他設備監視装置36からのダウンロードにより行うことが可能である。
図24は第2実施形態のエリアコントローラにおけるデータベースサーバとしての処理機能をデータベースサーバと共に示したブロック図である。
図24において、エリアコントローラ170には、図22のCPU172に示した機能としてデータベース管理部94とデータベース加工部96が設けられている。データベース管理部94は、火報伝送部186により火災感知器14を経由して、監視端末である例えば非常押釦装置16、COセンサ22、人数カウンタ18、電力センサ20、更にはRFIDタグ30からの情報を中継する無線中継器28で検出された検出情報を含む上りイベント信号を受信する。
また火災感知器14は、そのセンサ部66として煙センサ14−1または熱センサ14−2として機能し、これらについても必要に応じて、煙データや熱データをセンサデータとして上りイベント電文により受信することができる。
データベース管理部94は、火報伝送部186により受信した上りイベント電文に含まれている検出情報であるイベント情報を取り出し、例えば図4に示したと同じセンサレコード118を生成し、生成したセンサレコード118をセンサデータベース100に格納する。
即ちデータベース管理部94は、エリアコントローラ170が設置された監視エリアに設置している火災感知器14や各種の監視端末で検出された検出情報を収集・蓄積する処理を行っている。
データベース加工部96は、センサデータベース100にセンサレコードが蓄積された所定のタイミング、例えば一定期間経過時あるいは所定数のセンサレコード蓄積時に起動し、センサデータベース100に蓄積しているセンサレコードに基づいて加工処理を実行し、加工済データを生成する。
このデータベース加工部96による加工処理は、センサデータベース100に記録されているセンサレコードのみならず、エリアコントローラ170に予め準備している個人IDデータベース110、履歴学習データベース112、加工事例データベース114、更には建物地図データベース116を使用して、必要な加工データを生成する。
データベース加工部96により得られる加工データとしては、例えば第1実施形態について図5に示した避難誘導レコード120、空調省エネルギーレコード122、商品販売レコード124あるいは来客レコード126などがある。データベース加工部96で作成された加工データは、火報伝送部184により受信機10を介して、上りイベント電文に含めてデータベースサーバ34に送信される。
データベースサーバ34は、汎用伝送部98−1、データベース管理部95、更に加工済データに対応して例えば避難誘導データベース102−1、省エネルギー情報データベース102−2及び商品提供情報データベース102−3を設けており、更にデータベース管理部95は汎用伝送部98−2を介して、他設備監視装置36,38,40との間で電文伝送を行うことができる。
データベースサーバ34のデータベース管理部95は、受信機10を介して接続している複数のエリアコントローラ170から転送された加工済データを、加工済データの種別に応じ避難誘導データベース102−1、省エネルギー情報データベース102−2または商品提供情報データベース102−3に格納している。
この状態で他設備監視装置36,38,40側から下りイベント電文により検索要求を受信すると、検索条件に従って対象とするデータベースを検索し、検索結果を上りイベント電文に含ませて応答する。
この第2実施形態のエリアコントローラ170及びデータベースサーバ34にあっては、データベース管理処理とデータベース加工処理を各エリアコントローラ170に分散し、上位に位置するデータベースサーバ34は各エリアコントローラ170でセンサデータから加工した加工済データを収集・蓄積し、他設備監視装置36,38,40からの検索要求に対し検索結果として加工済データを提供するため、上位に位置するデータベースサーバ34の処理負担を大幅に低減することができると同時に、エリアコントローラ170から加工済データを転送することから、第1実施形態のようにセンサデータをすべて転送する場合に比べ、データベースサーバ34に対するエリアコントローラ170側からのトラフィックを低減することができる。
図25及び図26は第2実施形態における上りイベント電文のフォーマットを示した説明図である。図25(A)は監視端末25から火災感知器14に送信される上りイベント電文132−1であり、図7(A)の第1実施形態と同じである。
図25(B)は火災感知器14からエリアコントローラ170に送信される上りイベント電文114−2であり、図7(B)の第1実施形態と同じである。
図26(C)はエリアコントローラ170から受信機10に送信される上りイベント電文132−31を示す。データ196の部分には、図25(B)の上りイベント電文132−2のデータ138を構成しているベンダ識別子134と監視演算により求めた監視情報202に加え、上りイベント電文132−2の感知器アドレスから変換したエリア情報146と、上りイベント電文132−2の受信時刻に対応したタイムスタンプなどを用いた時刻情報148を付加している。
図26(D)は受信機10から他設備監視装置36に送信される上りイベント電文132−32を示す。上りイベント電文132−32は、汎用伝送ライン32の伝送インタフェースである例えばRS−232Cに対応したフォーマットとして、ヘッダ142、データ1144及びCRC145で構成され、この点は図7(C)の第1実施形態と同じであるが、データ144の部分には、エリア情報146、時刻情報148、ベンダ識別子134及び第2実施形態に固有な監視情報202が含まれている。
図27は第2実施形態における下りイベント電文のフォーマットを示した説明図である。図27(A)は他設備監視装置36から受信機10に送信される下りイベント電文150−1であり、図8(A)の第1実施形態と同じであるが、データ154の中に第2実施形態に固有な監視端末15に対する包括的な制御内容を示す制御情報204で配置されている。
図27(B)は受信機10からエリアコントローラ170に送信される下りイベント電文150−21を示す。下りイベント電文150−21は、図8(B)の第1実施形態と同じであるが、データ168の中に第2実施形態に固有な制御演算により生成された端末制御情報206が配置されている。
図27(C)はエリアコントローラ170から火災感知器14に送信される下りイベント電文150−22を示す。下りイベント電文150−22は、8ビット構成を取るコマンド208、アドレス210、データ212及びチェックサム214で構成され、それぞれの先頭にはスタートビットが配置され、末尾にはパリティビットPRとストップビットが配置されている。
データ214には、図27(A)に示す他設備監視装置36から受信した下りイベント電文150−1に含まれるベンダ識別子160と、制御情報204に基づいて所定の演算で求めた端末制御情報160が配置される。またアドレス210には、制御情報204に基づく制御演算で求めた端末制御情報206の宛先となる制御機器に通信可能な感知器アドレスが配置される。
図27(D)は火災感知器14から監視端末25に送信される下りイベント電文150−3を示す。下りイベント電文150−3は、図27(C)の下りイベント電文150−22のデータ212に配置されているベンダ識別子160と端末制御情報206を含み、先頭にスタートビットを配置し、末尾にパリティビットPRとストップビットを配置している。
なお、図27の下りイベント電文150−1,150−21,150−22,150−4における制御情報204,端末制御情報206についても、オンオフ情報以外に画像データなどを送ることが可能であり、したがって制御情報205,端末制御情報206としては、8ビット単位に適宜に増減可能な可変長のデータとすることができる。
図28は図22のエリアコントローラ170に設けたエリア内管理テーブル190の詳細を示した説明図であり、エリアを1F〜nFの階別に分けてエリアコントローラを設置し、この場合に各エリアコントローラに設けられるn個のエリア内管理テーブル190−1〜190−nに分けて示している。
図28において、例えば1Fのエリア内管理テーブル190−1を例にとると、1つのエリアにつき感知器アドレス001〜064が割り当てられ、感知器アドレスのそれぞれに対応して、エリア情報として建物のフロアや部屋名が登録されている。
このため、感知器アドレスによりエリア管理テーブル54−1を参照することでエリア情報に変換することができ、またエリア情報によりエリア管理テーブル54−1を参照することで感知器アドレスに変換することができる。
図29は図2の受信機10に設けたエリア・他設備管理テーブル194の詳細を示した説明図であり、図29(A)のエリア管理テーブル194−1と図29(B)の他設備管理テーブル194−2に分けて示している。
図29(A)のエリア管理テーブル194−1はエリア名とコントローラアドレスの関係を登録している。このため下りイベント電文に含まれるエリア名によりエリア管理テーブル194−1を参照することで、対応するエリアコントローラ170のアドレスを取得して伝送することができる。
図29(B)の他設備管理テーブル194−2は他設備を示すベンダ識別子と設備名で構成されている。したがって、上りイベント電文に含まれるベンダ識別子により他設備管理テーブル194−2を参照することで、宛先となる設備名を特定することができる。設備名としては、特定の名称であってもよいし、汎用伝送ライン32のRS−232Cインタフェースにおけるネットワークアドレスなどであってもよい。
図30は第2実施形態のエリアコントローラと火災感知器における火災発生時の伝送タイミングを示したタイムチャートである。図30において、エリアコントローラ170は、ステップS141で一括AD変換コマンドを送信し、これを受けて火災感知器14が、ステップS142でAD変換により検出データを取得し、ステップS143で火災レベルを超えることで火災を検出したとする。
続いて、火災感知器14のアドレスを指定したエリアコントローラ170からのステップS144におけるポーリングコマンドに対し、ステップS145で火災感知器14が割込応答を送信する。これを受けて、ステップS146でエリアコントローラ170はグループ1の検索コマンドを送信する。ここで、火災を検出した火災感知器がグループ2に所属していたとすると、ステップS146のグループ1の検索コマンドに対し、火災感知器14はステップS147で無応答となる。
続いてエリアコントローラ170は、ステップS148でグループ2の検索コマンドを送信し、火災を検出している火災感知器14はグループ2に属することから、ステップS149で割込応答を送信する。ステップS9の割込応答を受信したエリアコントローラ170は、ステップS150でグループアドレス内の感知器アドレスの第1番目を指定し、グループ内第1検索コマンドを送信する。
ここで、エリアコントローラ170がグループ内の第2アドレスであったとすると、ステップS151で無応答となる。次にエリアコントローラ170は、ステップS152でグループ内第2検索コマンドを送信する。これに対し、火災感知器14は自己アドレスを判別し、ステップS153で火災応答を送信する。ステップS153の火災応答に対し、エリアコントローラ170は、ステップS154で火災を検出した感知器アドレスを認識する。
続いてグループ内の第3アドレス〜第7アドレスにつき同様な処理を行うが、無応答さなり、ステップS155でグループ内の最終アドレスの検索コマンドを送り、ステップS156で無応答となると、ステップS157で火災監視演算により作成した火災監視情報を含む上りイベント電文を火報ライン伝送アルゴリズムに従って受信機10に送信する火災情報送信処理を実行する。
受信機10はステップS158でエリアコントローラ170からの上りイベント信号を受信し、ステップS159で火災検出情報とエリア情報に基づき火災警報処理を実行する。
図31は第2実施形態における上りイベント電文の伝送処理を示したタイムチャートである。図31において、監視端末15がステップS161で非常押釦操作などによりイベントが発生すると、ステップS162で図25(A)に示した上りイベント電文132−1を作成し、火災感知器14に無線送信する。
火災感知器14は、ステップS163で監視端末15からの上りイベント電文132−1を受信し、エリアコントローラ170に送信する図25(B)に示した上りイベント電文132−2を作成する。続いて、火災感知器14のステップS164とエリアコントローラ170のステップS165において、火報ライン伝送アルゴリズムに従った上り電文送信処理と上り電文受信処理が行われ、これによって火災感知器14から上りイベント電文132−2がエリアコントローラ170に送信される。
続いて火災感知器14は、ステップS166で図示しない他の監視端末から上りイベント電文132−1を受信してエリアコントローラ170に送信する上りイベント電文132−2を作成し、火災感知器14におけるステップS167とエリアコントローラ170におけるステップS168の処理により、火報ライン伝送アルゴリズムに従った上り電文送信処理と上り電文受信処理を実行し、上りイベント電文132−2をエリアコントローラ170に送信する。
更に火災感知器14は、ステップS169で図示しない他の監視端末からの上りイベント電文を受信し、エリアコントローラ170に送信する上りイベント電文132−2を作成し、ステップS170及びステップS171で火報ライン伝送アルゴリズムに従った電文送信処理と電文受信処理を行い、ステップS169で作成した上りイベント電文132−2をエリアコントローラ170に送信する。
エリアコントローラ170にあっては、ステップS164,S167及びS170の3回の上り電文受信処理で受信した火災感知器14からの上りイベント電文132−2に含まれている3つのイベント情報を対象に、ステップS172で監視情報を生成する所定の演算を実行し、図26(C)に示す上りイベント電文132−31を作成し、エリアコントローラ170におけるステップS173と受信機10におけるステップS174の火報ライン伝送アルゴリズムに従った上り電文送信処理と上り電文受信処理により、ステップS172の演算で作成した監視情報を含む上りイベント電文132−31を受信機10に送信する。
受信機10にあっては、ステップS175で受信した上りイベント電文132−31に基づき、図26(D)に示すデータベースサーバ34及び他設備監視装置36に送信するための上りイベント電文132−32を作成し、ステップS176で汎用ラインの上り電文送信処理により他設備監視装置36に送信し、これを他設備監視装置36がステップS176で汎用ラインの上り電文送信処理により受信し、受信した上りイベント電文132−32に含まれるエリア情報146、時刻情報148、ベンダ識別子134、更に監視情報202に基づき、例えば防災監視のための受信警報処理などを実行する。
エリアコントローラ170はステップS177で例えばステップ165,S168,S171の各々で受信した上りイベント信号から取り出したイベント情報(検出情報)につき、図4に示したようなセンサレコード118を生成してセンサデータベース100に格納する。
またエリアコントローラ170はセンサデータの収集蓄積につき所定時間経過や所定数蓄積といった加工タイミングへの到達を判別すると、ステップS178でデータベース加工処理を実行し、生成された加工済データをステップS179,S180の火報ラインの電文送受信処理によりエリアコントローラ170から受信機10に送り、更にステップS181の汎用ラインの電文送信処理により図示しないデータベースサーバ34に送信してその加工済データベース102に格納させる。
図32は第2実施形態における下りイベント電文伝送処理を示したタイムチャートである。図32において、他設備監視装置36で監視端末15に対する制御情報を送信するためのイベントがステップS191で発生すると、ステップS192で図27(A)に示した下りイベント電文150−1を作成し、汎用ラインの下り電文送信処理により受信機10に送信する。
受信機10は、ステップS193で他設備監視装置36からの下りイベント電文150−1を受信し、これに基づき、図27(B)に示すエリアコントローラ170に対する下りイベント電文150−21を作成し、ステップS194の受信機10における火報ラインの下り電文送信処理と、エリアコントローラ170におけるステップS195の火報ラインの下り電文受信処理との連携により、火報ライン伝送アルゴリズムに従って、下りイベント電文150−21をエリアコントローラ170に送信する。
エリアコントローラ170は、ステップS196で、受信した下りイベント電文150−21の制御情報204に基づき、自分のエリアに存在する制御端末を対象とした端末制御情報を演算し、図27(C)に示す火災感知器14に送信するための下りイベント電文150−22を作成し、ステップS197で火報ラインの下り電文送信処理と、火災感知器14のステップS198における火報ラインの下り電文受信処理の連携により、火報ライン伝送アルゴリズムにより、下りイベント電文150−22をエリアコントローラ170から火災感知器14に送信する。
火災感知器14はステップS199で、エリアコントローラ170から受信した下りイベント電文150−22に含まれる制御情報204を持つ図27(D)に示す下りイベント電文150−3を作成し、監視端末15に無線により下り電文を送信する。監視端末15は、ステップS200で火災感知器14から受信した下りイベント電文150−3を解読し、その端末制御情報206に基づく処理を実行する。
一方、エリアコントローラ170にあっては、ステップS196の端末制御情報の演算において、監視端末15のみならず他の監視端末や制御端末に対する端末制御情報も同時に演算しており、このように演算した他の端末制御情報につき、ステップS201及びS202のそれぞれで火報伝送ラインの下り電文送信処理の実行により、端末制御情報を含む下りイベント電文150−3を、対応する監視端末または制御端末に無線により送信して、端末制御情報に基づく処理を実行させる。
図33は図22のエリアコントローラ170に設けたCPU172による処理の基本を示したフローチャートである。図33において、エリアコントローラ処理はステップS211の火災監視処理と、ステップS212のデータベース処理を実行している。
図34は図33のステップS211におけるエリアコントローラ処理の詳細を示したフローチャートである。図34において、ステップS221で正常監視のためのポーリングコマンドの送信を行っており、ステップS222で正常監視応答が受信されない場合には、ステップS223で、そのポーリングコマンドの感知器アドレスについて感知器障害処理を行う。
続いてステップS224で火災感知器側からの割込受信を判別すると、ステップS225で割込感知器の検索処理を実行する。この検索処理は、まずグループ検索コマンドを送信し、応答が得られたグループにつき、グループ内の感知器アドレスを順次指定したポーリングを行い、割込みを発生した火災感知器を検索する。続いてステップS226で、検索した火災感知器にポーリングコマンドを送信し、上りイベント電文を送信させる。
続いてステップS227で火災感知器からの電文が上りイベント電文の受信であることを判別すると、ステップS228に進み、上りイベント電文を読み込んでそれまでに受信した他のイベント電文の内容と合わせた所定の演算により集約した監視情報を生成し、ステップS229で感知器アドレスからエリア情報を生成し、またステップS230で時刻情報を生成し、ステップS231でエリア情報と時刻情報を付加した上りイベント電文を作成し、ステップS232で火報ライン伝送アルゴリズムの送信処理により上りイベント電文を受信機10に送信する。
一方、ステップS227でポーリングコマンドに対する応答が上りイベント電文でなかった場合には、ステップS233に進み、上り火災電文の受信か否かチェックし、上り火災電文であった場合には、ステップS234で火災検出情報及び感知器アドレスを含む上り火災電文を作成し、火報ライン伝送プロトコルの電文送信処理により受信機10に送信する。
またステップS235で受信機10から下りイベント電文が受信されたことを判別すると、ステップS236で下りイベント電文を読み込んで解読し、更に所定の演算により1又は複数の制御端末に対する端末制御情報を求め、ステップS237でエリア情報から感知器アドレスを生成し、ステップS238で、生成した感知器アドレス及び端末監視情報を含む下りイベント電文を、対応する感知器アドレスのポーリングタイミングで火災感知器14に送信する。
図35は図33のステップS212におけるデータベンス管理処理の詳細を示したフローチャートである。図35において、ステップS241で火災感知器14からの上りイベント電文の受信を判別すると、ステップS242で電文中から検出情報(イベント情報)を抽出する。続いてステップS243で図4に示したようなセンサレコード118を生成し、センサデータベース100に保存する。
またステップS244で所定のデータベース加工タイミングへの到達を判別すると、ステップS245に進み、センサデータベース100からセンサレコードを読出して加工処理を実行し、ステップS246で図5に示したような加工済データを生成し、受信機10を経由してデータベースサーバ34に送信して保存させる。
図36は図22の受信機10に設けた火災監視処理部44及び受信機中継部46による受信機処理を示したフローチャートである。図36の受信機処理において、ステップS251で正常監視のためのポーリングコマンドの送信を行っており、ステップS252で正常監視応答が受信されない場合には、ステップS253で、そのポーリングコマンドのアドレスについてエリアコントローラの障害処理を行う。
続いてステップS254でエリアコントローラ170側からの割込受信を判別すると、ステップS255で割込要求を出したエリアコントローラ170の検索処理を実行する。この検索処理は、まずグループ検索コマンドを送信し、応答が得られたグループにつき、グループ内の感知器アドレスを順次指定したポーリングを行い、割込みを発生したエリアコントローラ170を検索する。続いてステップS256で、検索したエリアコントローラ170にポーリングコマンドを送信し、上りイベント電文を送信させる。
続いてステップS257でエリアコントローラ170からの電文が上りイベント電文の受信であることを判別すると、ステップS258に進み、上りイベント電文を読み込んでベンダ識別子から宛先となる他設備を認識し、ステップS259で認識した他設備に対し汎用ラインの上り電文送信処理により上りイベント電文を送信する。
一方、ステップS257でポーリングコマンドに対する応答が上りイベント電文でなかった場合には、ステップS260進み、上り火災電文の受信か否かチェックし、上り火災電文であった場合には、ステップS261で火災受信警報処理を実行することになる。
またステップS262で他設備監視装置から下りイベント電文が受信されたことを判別すると、ステップS263で下りイベント電文を読み込んで解読し、ステップS264でエリア情報からコントローラアドレスを生成し、ステップS265で、生成したコントローラアドレスのポーリングタイミングで火報ライン伝送プロトコルに従った下り電文送信処理により下りイベント電文をエリアコントローラ170に送信する。
なお、上記の実施形態にあっては、火災感知器14と監視端末15との間を電波回線で接続するようにしているが、これ以外に赤外線や超音波などの回線で接続するようにしてもよい。
また上記の実施形態にあっては、通常監視時は火災感知器を順次ポーリングして正常監視応答を求め、火災検出時には割込信号を送信して、グループ検索及びグループ内検索により火災を検出した火災感知器を特定して火災応答を出させるという火報ライン伝送プロトコルを使用しているが、本発明は、この火報用の伝送プロトコルに限定されず、受信機一台に対し複数台の火災感知器を接続して、1対nのポーリング伝送を行う適宜の伝送プロトコルを利用してイベント電文の上り及び下りの双方向伝送を行わせても良い。
また上記の実施形態にあっては、エリアコントローラ170に対する電源供給を、受信機からの火報ラインにより行っているが、エリアコントローラ170に受信機10と同様に主電源部と予備電源部を設け、受信機10から独立した電源供給としても良い。
また本発明における防災監視システムに組み合わせる他設備としては、同じ建物や施設内に設置する設備であれば、その用途や種類による限定は受けない。
また本発明は、その目的と利点を損なうことのない適宜の変形を含み、更に上記の実施形態に示した数値による限定は受けない。