JP5179193B2 - 電動モータにおける高調波の減少 - Google Patents

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Description

発明の分野
本発明は電動モータに関し、さらに詳細には、モータにおいて発生する高調波およびこれらの高調波により生じる悪影響の減少に関するものである。
発明の背景
電動モータは電気エネルギーを機械的エネルギーに変換する。普通の構造の電動モータでは、シャフトが取り付けられて回転する回転子、静止固定子、およびエンドシールドなどの基本部品を区別することができる。回転子は軸受けで支持されるように配置されている。一般的に、回転子と固定子との間には小さなエアギャップが残されている。
多相の同期および非同期モータなどの多相交流回転機械の動作は、磁界が機械内部で循環することに基づいている。多相固定子巻線は、正弦波電圧が相巻線へ送られるように作られる。各相巻線へ送られる電圧は相対移相量が360/mの角度である。ただしmは位相数である。こうして、固定子巻線を通過する電流は磁界を作り出し、これが機械内のエアギャップを巡回し、この磁界が回転子巻線の磁界と相互に作用することによって、回転子を回転させる。同期機械の回転子巻線における磁界は、一般的には永久磁石から作られるか、または直流を回転子の励磁巻線へ供給することによって作られる。非同期機械における回転子巻線の磁化は、総じて、回転子巻線内で誘起されて固定子電流の磁束により生じる電圧および電流を介して行われる。
目的は、エアギャップの磁束密度の分布をできる限り純粋正弦波にすることである。回転子の回転運動は磁束密度の基本正弦波によって達成されるが、実際には、モータに影響を及ぼす磁界もまた高調波状態、すなわち純粋波の高調波成分を含んでいる。
磁束密度の高調波は固定子と回転子との間に余分な分力を生じる。さらに、トルクの大きさが変動(トルクリップル)し、モータにさらなる損失が生じる。高調波を含む磁束によって生じる力の変動の周波数および形態がモータの機械的固有周波数に近い場合、高調波の結果、機械の大きな騒音と振動が生じる。さらに、不自然な振動が生じる可能性がある。不自然な振動においては、部品に対して力が掛かり、これを振動させるが、励起周波数はその部品の固有周波数ではない。さらに、高調波は計測および防護機器の誤動作や、過電圧や、過負荷状態を引き起こす。
三相電動モータでは、磁界の奇数次高調波成分だけが発生する。従来技術の方式は、微小ピッチ巻線、くさび、および磁石の分散配置を利用して固定子の基本巻線を変えることによって、高調波の影響を最小限度にする試みが行われている。しかし最近のモータでは、モータ電流の周波数に対して6倍および12倍の周波数を発生する分力により生じる振動と騒音が明らかになっている。この分力は、とくに磁束密度の第5、第7、第11および第13高調波成分によってもたらされる。
高調波成分は、固定子および回転子の周縁部での巻線の不連続と、エアギャップにおける透磁率の変動との両方によって回転電気機械におけるエアギャップの磁束密度で発生する。固定子巻線は、総じてスロットおよびコイル群内に集中され、その場合、エアギャップ内で生成される起磁力は正弦波状に分布しない。エアギャップにおける透磁率変動は、なかでも、固定子および回転子の溝切りがある場合はそれと、突出極と、磁気飽和とによって生じる。電動モータの磁界の高調波は、回転子により生じる高調波と、固定子によって生じる高調波とに分けることができる。
トルクリップルは他の回転磁界機械でも発生するが、とくに永久磁石同期モータについて以下に説明する。永久磁石同期モータは、軸方向磁束機械または半径方向磁束機械である。軸方向磁束機械では、機械のエアギャップの磁束が主に機械の軸方向に位置する。他方、半径方向磁束機械では、機械のエアギャップの磁束は、主に、軸に対して半径方向に走る。
永久磁石機械の回転子により生じるトルクリップルの減少は、例えば米国特許出願第2004/0070300号で説明されている。この公報に開示されている方式では、回転子磁石によって生じる磁界は、回転子磁石を極形状にすることによって、およびこれらの配置を斜めにすることによって、できる限り純粋な正弦波になるように形成されている。また、回転子により生じるトルクリップルを減少させる方式は、例えば米国特許第6380658号公報、および第5886440号公報に開示されている。従来技術の方式にはまた、回転子により生じるトルクリップルを磁石の分散配置によって減少させるものがある。
Y. Akiyama他の著作による出版物「誘導モータのスロットリップルと磁気ノイズに関するFEMシミュレーション」IEEE IAS 第31回年次総会報告、米国サンディエゴ、1996年、第644頁〜第651頁には、回転子のスロットのランダム配置が説明されている。この出版物には、回転子スロットの不等間配置を用いることによる誘導モータの磁気ノイズの減少方法が開示されている。異なる3種類の回転子溝切り原理(方法A、BおよびC)が記載されている。方法AおよびBでは、回転子スロットは完全にランダムに配置されている。シミュレーションの結果は、モータが非常に薄い歯の位置で飽和の影響を受けやすいことを示している。方法Cでは、回転子の溝切りが周縁部の四半分に分割され、各四半分においてスロット間距離が一定である。隣接する四半分間には、小さい変位がある。回転子Aは、干渉成分の観点から最善の結果を出している。
前述のように、固定子の円周方向における電流の離散的分布により発生する高調波と、固定子の溝切りによって生じるエアギャップにおける透磁率の変動により発生する高調波との結果、トルクリップルは固定子によっても生じるが、前述の出版物には、これに対する解決策を提示していない。
従来技術の方式は、固定子電流の、なかでも微小ピッチ巻線による分布で、または斜めスロットの使用で生じる高調波を減少させることを試みている。微小ピッチ巻線は、ある次数のスロット高調波をなくすことができるが、溝切り部の高調波に対して影響を与えることはできない。斜めスロットもやはり、透磁率を周縁部により均一に分布させるが、斜めスロットを用いることはモータの製造工程を複雑にし、さらにモータから得られるトルクを小さくする。スロットの入口にくさびを用いることにより、溝切りによって生じる透磁率の変動を少なくすることは、公知のことである。くさびによって、透磁率の変動をより均一にし、ある高調波の振幅を小さくすることができる。例えば、フィンランド特許第FI112412号公報には、電気機械の巻線を製造する方法が開示されている。この方法では、巻線コイルを、スロットに入れる前に最終形状に成形する。その後、巻線コイルを、一方のコイルをスロットの基部に配し、他方のコイルをその上に配して、これらが重なるように配置する。さらにこの方法では、巻線コイルを配した後に、スロットを強磁性のくさびによって閉じる。くさびにより、また微小ピッチ巻線を用いることにより、高調波成分を、くさびなしのモータに比べて、約四分の一の大きさに減衰させることができる。
米国特許第6285104号公報にはトルクリップルを減少させる方法が開示され、この方法では、異なる本数の導線を固定子のスロットに配置し、正弦波状に各スロットへ供給される電流ベクトルを他のスロットの電流ベクトルとできる限り同じになるようにしている。この方法において、固定子のスロット幅は、そのスロットに収容される導線の本数によって決まる。この方法はさらに、固定子に対して円周方向の回転子磁石の運動を開示している。開示されている方法において、とりわけ1つの欠点は、定子および固定子の巻線の製造工程をより困難にすることである。
いくつかの従来技術方式では、例えば国際出願公開第9826643号公報に記載されているように、モータに生じる機械的振動を減衰させている。この公報によれば、第2の電圧をモータの電源へ供給し、その周波数を基本周波数の倍数にしている。この周波数は、位相数と位相毎の固定子スロット数とによって異なる。
フィンランド特許第FI950145号公報によると、軸流モータの磁心(固定子)をプレートの円筒状積層体として以下のように製造することは、従来技術である。リボン状の強磁性プレートを螺旋状か、または環状に巻いてプレートの円筒状積層体にする。巻いてロールにする前に、プレート上の固定子スロットの正確な位置を計算し、スロットを打ち抜くが、プレートを特殊な打ち抜き溝切り機で真平面にする。打ち抜き位置は等間隔にはしない。なぜならば、プレート積層体の中心軸の周囲に蓄積するプレートの集まりの半径が、巻いているうちに変化するからである。このプレート積層体を十分巻回した時、この積層体における固定子スロットを所望の位置に配置し、所望の深さにし、スロットの壁を平坦にする。
従来技術の方式に伴う問題は、高調波により生じる振動および騒音が従来技術の方法では最善には減少しないことにある。例えば、エレベータでの使用において電動モータのトルクリップルにより生じる振動が、いまだにエレベータかごの振動、および不自然な動きとして感じられる可能性がある。高調波により生じる騒音もまた、乗客の乗り心地を低下させる可能性がある。
発明の目的
本発明は、固定子の巻線および固定子の溝切りにより生じる高調波を従来技術の電動モータで生じる高周波よりも小さくし、さらに高調波により生じる電動モータ動作への悪影響を最小限にするモータを得ることを目的とする。
発明の概要
本発明の方法は、請求項1の特徴段に開示されている事項により特徴付けられる。本発明のモータは、請求項10の特徴段に開示されている事項により特徴付けられる。本発明の他の実施例は、他の請求項に開示されている事項により特徴付けられる。
いくつかの本発明の実施例を、本願の明細書および図面で説明する。本願の発明の内容は、特許請求の範囲に規定されているものとは別の形で規定することも可能である。また、本発明の内容は、とくに外在あるいは内在するサブタスクの点から見た場合、または達成される各利点あるいは利点の各範疇から見た場合、いくつかの別々の発明から成っていることもある。その場合、特許請求の範囲に含まれる属性のいくつかは、別々の発明概念からみて不要であるかもしれない。基本的発明概念の範囲において、本発明の様々な実施例における特徴は、他の実施例と併せて適用可能である。本方法および装置に関して記載した構成要件は、本発明の方法に関連して記載した構成要件を本発明の装置が有し、またその逆になるように、互いに関連させて適用することができる。しかし、本方法に関して記載した手順上の各側面は、本装置に関して説明した機器に必ずしも拘束されることはなく、より広範にすることもできる。
本発明による方法は電動モータを形成するものであり、本モータは、回転子と、固定子と、回転子および固定子用の支持構造物、ならびにモータからの回転運動を伝える出力部とを有し、固定子のスロットまたは、スロットを含む場合はそれを含む極心は、等間隔配置とは異なる配置方式で固定子の周縁部に配置されている。この固定子スロットおよび/または極心の配置方法を、固定子スロットおよび/または固定子極の分散配置と呼ぶことができる。スロットおよび/または極を不等間隔で配置することの目的は、固定子巻線および固定子溝切りにより生じる高調波を減少させ、次いで、モータの振動、騒音および損失の削減を達成することである。本発明による方式で溝切りされた固定子をVSP(可変スロットピッチ)固定子と呼ぶこともできる。等間隔配置からのずれは、好ましくは固定子のさまざまな部分間における対称性に従うとよい。本発明により作られたモータは軸方向磁束モータでよく、その場合、モータの固定子は、リボン様強磁性プレートを巻いてプレート積層体の中心軸を中心とする円筒形プレート積層体を作ることによって製造し、この方法ではさらに、プレートを積み重ねて巻く前に、プレートに打ち抜き機械で切り欠きを打ち抜いてスロットを形成する。
本発明の電動モータでは、複数の固定子スロットおよび/または極心を等間隔分布からずらすという配置方式で固定子の周縁部に配設する。望ましくは、等間隔分布からずらすことを固定子の一部分で行い、この部分に配置されるスロットおよび/または極の等間隔配置からのずれは、固定子の他部分におけるずれと実質的に対称になるように行われる。本発明の概念はまた、固定子の極および/またはスロットを本発明による方法によって分散配置する方法を含む。これらのスロットを例えば打ち抜きによって、すなわち、この穿孔に適した器具を用いてプレートに切り欠きを打ち抜くことによって作ることができる。固定子製造の一つの方法では、平坦な強磁性プレートにスロットを打ち抜き、その後、このプレートを螺旋状に巻いてプレート積層体にする。
本発明による利点の一つは、モータの固定子により生じる高調波が等間隔配置溝切りと比べて、1/10にまで減衰することである。したがって本発明により、従来技術のモータより、振動および騒音レベルが低く、動力損失が小さく、より均一なトルクを生み出すモータを得る。本発明のモータのコイルおよび巻線の製造には、従来技術の構造および技法すべてを用いることができる。なぜならば、等間隔配置と比べて、本固定子の構造に対して行われる修正は小さく、コイルの製造または巻線工程に影響を及ぼさないようにできるからである。したがって、モータの動作の観点から重要な磁界の基本波は、実際上、変わらずに維持される。代わりに、振動および騒音の観点から最重要である三相機械の第5、第7、第11および第13高調波の振幅が実質的に減少する。
発明の詳細な説明
本発明による方法は電動モータを形成するものであって、本モータは、回転子と、固定子と、回転子および固定子用の支持構造物、ならびにモータからの回転運動を伝える出力部とを有し、固定子は複数のスロットおよび/または極であり、複数の固定子スロットおよび/または固定子極は、等間隔配置とは異なる方式で配置されている。
多相電動モータの固定子用巻線は、例えば固定子の周縁部にスロットを作ることによって、および絶縁導線ループを有するコイルをスロット内に置くことによって配設することができ、このコイルを互いに接続して所望の種類の巻線を得る。スロット巻線は、典型的には、固定子フレームをモータの相数(m)および極数(2p)で決まる領域数に分割して、分散させて形成する。例えば三相モータの場合では、A相、B相およびC相と称される相のうち、A相のコイルの一方のコイル側部はA相の正領域に属し、他方のコイル側部はA相の負領域に属す。このような場合、B相およびC相のコイル側部は一般的に上記コイル側部の間に配置される。また、巻線を集中極巻線として配設することができ、その場合、各極は、極本体にコイルを巻きつけることによって固定子の周縁部に形成され、他の相に属するコイル側部が1つの極の両コイル側部の間に残らないようにする。以後、極心という用語は、コイル本体にも、またその一部であるなんらかの磁極片を称するのに用いる。極心にも溝切りを施すことができるが、その場合、極の巻線は、極本体の周囲に配されているコイル、および極心の溝切りに配されているコイルの両方から作ることができる。
巻線が形成された従来技術の固定子では、スロットもしくは極心は一般的に固定子の周縁部に等距離で配置されている。この固定子の構造は、固定子周縁部の電流の離散的分布、およびその固定子配列により生じる固定子周縁部の透磁性の変化のため、高調波を発生する。本発明では、固定子スロットの固定子周縁部における配置場所は、従来の等間隔分布配置とは異なっている。これを、固定子スロットの分散配置と称することができる。同じ発明概念は、極巻線を用いた場合、固定子の極を不等距離間隔で配置できることを含んでいる。このことは、極心またはこれに関連したスロットの等距離配置によって実現でき、また不等距離配置は、機械的極心に対して適用できるだけでなく、極の磁気軸に対しても適用することができる。
固定子巻線により生じる磁界は、電流がこの巻線を通過する効果によって作られる。スロット巻線における電流はスロットに集中しているため、エアギャップ内に巻線により生成される起磁力は、スロットの場所で急激に変化する。目的は、生成された起磁力をできる限り純粋な正弦波にするように巻線を設計することである。なぜなら、回転子の回転運動を行うのはまさにこの基本周波数成分であるからである。しかし、この急激に変化する起磁力波も高調波を含んでいる。高調波成分の割合は、フーリエ級数により起磁力の波形を表わすことによって、すなわち、正弦波と余弦波の和として波形を表示することによって解析することができる。スロットの配置を変えることによって、生成される起磁力の高調波成分に影響を及ぼすことができる。本発明の方式では、スロットの位置を等間隔配置から変えて、生成される起磁力の波形の高調波構成を変化させ、電気機械に有害であることが知られている第5、第7、第11および第13高調波域の割合を減少させることができる。スロットの不等間隔配置はまた、エアギャップにおいて固定子の歯により生じる透磁性の変動を分散させて、磁界のスロット高調波成分を減衰させる。
本発明による不等間隔配置は、スロットもしくは極の分散配置ではあるが、固定子の少なくとも2つの部分でスロットおよび/または極の等間隔配置からのずれが互いに対称になるように実現することが望ましい。この対称性は、例えば鏡像対称でよく、または、スロットおよび/または極の配置を2つの部分において同じように繰り返してもよい。本明細書において部分とは、固定子における対称性条件を満たすなんらか部分を指し、最も単純には、例えば固定子周縁部の半体部分でよい。しかし、各部分間には、固定子の対称性条件を満たさない部分を配することができ、対称性条件を満たす部分は、固定子の等間隔分布部分である必要はない。一定の対称性を利用して、巻線は、不等間隔に形成された固定子の溝切り部または極心に形成し、巻線の不等間隔配置が固定子と回転子の間に有害な分力を発生しないようにすることができる。
本発明によれば、固定子周縁部におけるスロットおよび/または極心の配置は形状関数によって決めることができ、この形状関数は、等間隔で溝切りされる固定子のスロットの配置を表す配置関数に、いわゆる変換関数を加えることによって生成する。固定子は、スロットおよび/または極が実質的に形状関数に従って配置されるように作られる。
図4は、従来技術の固定子の一部示す。図を明確にするために円形を展開した直平面を示す。図4では、固定子のスロットは水平に等間隔で配置され、すなわち、スロット40、42間の距離はスロット42、44間の距離と同じであり、同様に、歯41、43間の距離と歯43、45間の距離は同じ長さである。
選択した基準点に対して等間隔配置で溝切りされた、固定子周縁部における各スロットの配置は、配置関数f(式1)により表すことができる。
F(k) = (k-1) * L/Q (1)
ただし、Qは固定子スロット数、kはスロットの次数(1、2、…、Q)、Lは固定子周縁部の長さである。式1の形式で表されているf(k)は、スロットkの位置を基準点からの距離として示し、ここでは次数1のスロットである。図4を参照して、式1の記号f(k)はスロットの中心点、すなわち、スロットの回転軸上の一点と考えることができる。配置関数fは、スロットkの位置を角度で表すように作ることもできるが、その場合、式1における記号Lは、値360oに置き換える。極心の位置は、それに応じて上述のスロットの位置の代って表すことができる。この場合、配置関数fにおいて、スロットの次数は、選択された基準点に対する極心の次数に置き換え、スロット数Qはその機械における極数2pmに置き換える。ただし、pは機械における極対の数であり、mは相数である。
スロットもしくは極心の配置を表す形状関数は、等間隔配置された溝切り用の配置関数に溝切りを変化させる変換関数を加えることによって生成する。
したがって、本方式におけるスロットの配置は式2によって得られる。
M(k) = f(k) + H(k) (2)
ただし、M(k)は次数kのスロットの配置を示す。また、形状関数および変換関数の値は、距離または角度のいずれかによって表すことができる。
式(2)を利用し、kの代わりに歯の次数を用いることによって、歯の配置に関する情報も得ることができる。なぜならば、スロットおよび歯の位置は互いに関連しているからである。しかし、歯の幅は、スロットの分散配置によって変化することを考慮に入れる必要がある。
変換関数Hは、例えば式(3)による正弦関数にすることができる。
H(k) = a * sin(s * 2π * f(k)/ L) (3)
ただし、sは変換関数における対称性数で、これは固定子周縁部の対称部分の数を定義している。aは振幅で、これは変化の大きさを定義している。例えば、s = 3の場合、3つの緊密なグループと3つの粗密なグループとが固定子周縁部上に見られる。対称性数sおよび振幅aは、所望の方法によって選択することができる。
正弦関数の間隔長は、好ましくは、横断面で見て溝切りに不連続性が生じないように、すなわち、固定子の内周縁部の長さが正弦関数による間隔長のちょうど倍数になるように選択するとよい。固定子フレームの内周縁部は、本明細書では総じて周縁部の回転子側と称す。また変換関数は、多数の正弦関数の和にすることができる。フーリエ展開によれば、この形状について任意の連続関数が得られる。こうして、本発明の方法では、固定子フレームにおけるスロットおよび/または極に関する全体として不等間隔の配置が決まる。
図5a、図5bおよび図5cは、等間隔分布の溝切りを本発明よる溝切りに修正する様子を図式的に示している。図5aは、固定子の断面を示し、スロット51が従来技術の方式によって等間隔で配置されている。図5cは、本発明による固定子54の断面を示す。スロット55の位置は、図5aに示すものより僅かにずれている。図5cから、断面領域の3点において溝切りが平均よりも密になり、対応して、ある3点では溝切りが平均よりも疎になっているのがわかる。同図に、溝切りがまばらな3点のうちの1つを点bで記す。この点から、隣接するスロット間の距離の最小点および最大点が60度間隔で交互に続いている。したがって、固定子54の周縁部において、α>βの条件を満たす角度α56と角度β57とを選択することができる。これらの角度間の差は、例えば実質的に1度の大きさにすることができる。本実施例では、スロットの位置決めは、対称性数が3である正弦波変換関数を用いて決めている。それぞれのスロット55の位置は、図5aによる値とは、変換関数により示された値の合計分だけ異なっている。この例において、正弦関数の1間隔は、固定子の全円の1/3と同じ、すなわち120度であり、換言すれば、固定子は120度の対称部分を3つ含んでいる。固定子周縁部の1/6を、本例における対称条件を満たす部分として選んでもよい。
図5bに、図5cによる固定子の1/3部分を示し、これは、明確にするために、直平面に展開し、強調したスロット53の不等間隔配置と共に示す。
本発明による好ましい一実施例では、各スロットは、標準幅のスロットのままであるが、標準幅のスロットにおけるスロットの分散配置の間隔がばらついている。このことは、製造技法の観点からすると簡易な方式である。しかし本発明による高調波の減少は、非標準幅の固定スロットを用いも可能である。
本発明の概念は、例えば、巻き終わった際にコイルの両端部が互いに重なり合って配置される重ね巻き、およびコイル両端部が同じ高さに配置される同心巻きなどの従来技術の方法を用いて作られる巻線に適用することができる。
極の分散配置は、例えば標準幅の極心間の角度を変えることによって、または極心間の角度を一定に保つ極心の幅を変えることによって、または上述の幅および角度の両方を変えることによって、実現することができる。本発明による固定子の極巻線を変えることができるなんらかの変数を図6に図式的に示す。図6には、軸方向磁束機械の固定子フレーム60と、その中に配設され溝切りされた4つの極心61とを示す。本発明によるこの方式では、等距離配置からのずれは、極心間の角度62と、極心の幅63と、スロット間の角度64と、極心61におけるスロット65の位置決めとによって得ることができる。これらの極心に溝切りをしないこともでき、その場合、変数パラメータは、もちろん極心間の角度62、および極の幅63になる。本発明による方式において、等距離配置からのずれは、上述のパラメータのうち1つ以上に絞って得ることができる。したがって、本発明による方法では、例えば極心の必要な幅を選択し、その後、固定子周縁部における極の不等間配置の位置を決めてもよいし、または別のやり方として、最初に極間の角度を選択し、その後、極心毎にわずかに異なる幅を決めてもよい。さらに、極心におけるスロットに対する不等間配置の位置を決めることもできる。極心およびスロットの幅および位置は、長さ測定値または角度値で表すことができる。
本発明は半径方向磁束機械に適用することができ、この場合、本発明による溝切りまたは極心は、例えば固定子プレートの製造工程で設けることができる。または、本発明は、軸方向磁束機械に適用することができ、この場合、本発明による溝切りおよび/または極心は、例えば固定子ストリップの製造工程で設けることができる。
本発明の電動モータは、複数のスロットおよび/または極が配された固定子と、回転子と、これらのための支持構造物、ならびにモータから出力される回転運動を出力する出力部とを有し、固定子スロットおよび/または極は、等間隔配置とは異なる配置方式で配設されている。等間隔配置からのずれは、望ましくは、固定子の少なくとも一部分におけるスロットおよび/または極の等距離配置からのずれが固定子の少なくとも他の一部分と対称になるように形成される。本発明を適用可能な電動モータの各タイプの例を図1〜図3に示す。図1は、永久磁化された半径方向磁束機械の動作部品の一例を示している。機械の回転子20は、例えば鋼鉄もしくは電気板で製造される。回転子の表面に永久磁石21が配置されている。固定子22も電気板から製造することができる。本例の固定子は2つの半片から作られている。コイル23は、例えば絶縁した銅製導体から作ることができ、これらは、同図に示すように、固定子22に、例えば環状に配置することができる。回転子と固定子との間の磁束の主たる方向は、シャフトから見て半径方向である。
図2は、永久磁化させた軸方向磁束機械の動作部品の一例を示している。機械の固定子は溝切りを有しているが、軸方向磁束機械は極巻線を有することもできる。同図に一例として示す機械では、永久磁石が定子26に配置され、固定子24の巻線がスロット25内に作られている。同図には3つの固定子コイル27、28、29が図示されている。回転子と固定子との間のエアギャップにおける機械の磁束の方向は、主に機械のシャフト方向である。
図3に、従来技術の方法により溝切りされたモータの固定子フレームおよび回転子フレームの断面を示す。固定子30の内部周縁部は、複数のスロット31と、これらスロット間の歯32とを有している。回転子33もまた、複数のスロット3および歯35を有し、回転子33と固定子30との間には狭いエアギャップがあり、このエアギャップ内では、磁束が固定子30から定子33へ、またその逆に通る。回転子33および固定子30のスロット34、31には共に巻線が配置されている。この種のモータでは、必要ならば、本発明によるスロットの分散配置を回転子側へ適用して、回転子から発生する高調波を減少させることもできる。
本発明の好ましい一実施例では、変換関数により生成されるスロットもしくは極の等距離配置からのずれを小さくして、通常の等距離配置を本発明によって変えても固定子コイルもしくは巻き線の製造へ影響がでないようにする。本方法によるスロットの新規な配置は、固定子ストリップもしくは電気板にスロットを形成する機械にソフトウエアを準備することで実現することができる。
本発明の好ましい一実施例では、スロットおよび/または極の等距離配置からのずれは、変換関数の値と同じ大きさの少なくとも1つの正弦関数によって生成する。好ましい一実施例では、変換関数における対称性数は、s = 2 として選択する。本発明による方法で特徴的なのは、使用するs値が大きいほど、高調波減衰と同じ効果を達成するのに必要な値が大きくなることである。
本発明の他の実施例では、変換関数における対称性数sは、少なくとも、s = 2 になるよう選択する。いくつかの実施例においては、奇数よりも偶数のs値が望ましい。なぜならば、変換関数における極対数が奇数であると、定子に対してかかる複合力がゼロにならなくなり、このことが軸受けに損耗を発生させる可能性があるからである。しかし、対称性数を1とすることも含めて、奇数の対称性数にすることは可能であり、また例えば低速回転の軸方向磁束機械ではこのことが好ましい可能性がある。
本発明の思想には、分散配置したスロットまたは極心を用いた固定子を製造することも含まれる。一製造方法では、固定子プレートもしくは固定子ストリップにスロットを切り欠き、これらの切り欠きプレートもしくは切り欠きストリップから固定子の積み重ねを作る。固定子構造体におけるさまざまな層は、例えば溶接することによって互いに固定することができる。固定子ストリップの場合、例えば軸方向磁束機械を例にすると、先ず、固定子スロットもしくは固定子極の設置位置を計算し、その後、ストリップに穿孔し、最後に、例えばフィンランド特許第FI950145号公報に開示されている方法によって、この溝切りしたプレートを巻いて螺旋形にするとよい。また螺旋に巻いた後に、スロットをプレート積層体に作ることもできる。このような場合、溝切りにはレーザ切断を用いることが望ましい。なぜならば、仕上がったプレート積層体に対してスロットを打ち抜き形成すると、その打ち抜きにより生じる摩損の結果、プレートのさまざまな層間に有害な短絡が生じる危険があるからである。
さらに本発明の思想には、巻かれてリボン様プレート積層体にされる強磁性プレートにおける切り欠きの位置を決める際に、本発明の形状関数および変換関数を用いることによって本発明によるスロットの分散配置を得る電動モータの固定子製造方法も含まれる。フィンランド特許第FI950145号公報には、ある方法および装置が開示され、これは、プレート積層体の直径が大きくなるに従って固定子ストリップにある2つの切り欠き間の距離が大きくなるにもかかわらず、最終的なスロットを円筒形プレートに整列させて強磁性プレートまたは固定子ストリップに切り欠きを打ち抜くことで、等距離配置の溝切りを施した円筒型固定子を作ることできるものである。とくに、プレート積層体の直径に依存する補正値を用いて2つの切り欠き間の間隔を大きくすることで、ストリップを巻いた時に等間隔の固定子溝切りが固定子の中に形成されるように、切り欠きを配置している。本発明によれば、等間隔巻線を表すスロット配置関数に変換関数を加え、これによって、溝切りの形状を表す形状関数を得る。強磁性プレートに切り欠きを打ち抜くことで、プレート積層体の半径に依存する補正率によって2つの切り欠き間の間隔を大きくして、形状関数に対応した非等距離溝切りを仕上がったプレート積層体に形成することで固定子を製造する。本発明の方法は、フィンランド特許第FI950145号公報に開示されている装置に合うようにソフトウエアを修正することによって実現することができる。この場合、等距離溝切りを表す配置は、変換関数によって修正する。本発明による固定子溝切りは、同数の等距離スロットを有する固定子に対するスロット位置の変化が非常に小さくなるように、実現することができるので、互いに類似し等距離固定子溝切り用に製造された固定子コイルを本発明による固定子に用いることができる。
とくにエレベータモータの場合、できる限り大きなトルクをモータから得ること望ましいが、場所が限られているのでモータの外形は小さくする必要がある。このことは、実際には、エレベータモータの固定子の外形をモータの直径に対してできる限り大きくすることが目的であり、それゆえ、望ましくはコイルの端部用に残る空間をできる限り小さくするとよいことを意味している。本発明によれば、互いに同じ大きさの固定子コイルを不等間隔配置に配して巻線を作り、その巻線固定子は、同数の等間隔スロットを有し、同様な方法で巻かれている固定子と同じ大きさのモータフレームの中へさらに嵌め込むことができる。例えば、エレベータ用に設計された永久磁化軸方向磁束モータにおける2層重ね巻きを施された固定子であって、その外周縁部の直径が320mmであり、またその隣接する2つのスロット間の間隔のずれの最大が1mm未満であるものの場合、互いに同じ大きさの固定子コイルが巻かれた固定子を内径380mmの固定子フレームに嵌め込むことができる。したがって、本発明の方法の採用には、固定子コイルの製造に何の変更も必要ない。さらに、互いに同じ大きさのコイルをその溝切りが不等間隔に配置された固定子で用いることによって、固定子周縁部にある個々のコイルの位置は他のコイルとの幅の違いに基づいては決まらないので、その巻線工程は、等間隔の溝切りを有する固定子の製造と実質的に同じくらい簡易であるという利点がある。また、等間隔配置に対する溝切りの変更を小さくすることの利点は、磁束の特定の高調波は、基本波に対して大きな影響を及ぼすことなく減衰することができることである。
本発明の一実施例では、等間隔スロットの配置関数、変換関数、および形状関数をプレート積層体の内周縁部の測定長さに従って形成する。プレート積層体の打ち抜き処理は、プレート積層体の内周縁部に置かれるストリップの端部から開始し、プレート積層体における大きい直径に置かれるストリップの位置へ打ち抜き工程が進むにつれて、プレート積層体の直径に依存する補正率によって2つのスロット間の間隔を大きくする。
本発明の一実施例では、等間隔溝切りのスロットの固定子周縁部上の位置、変換関数、および形状関数を角度値として表す。実際に、スロットまたは極心の本発明による配置を形状関数で決ったように実現すると、形状関数または変換関数の値の端数を切り上げたり切り捨てたりする必要があり、その結果、作られる固定子の対称性にわずかに影響が出る。本発明による溝切りまたは極心は、切り上げまたは切り捨てに関係なく、スロットおよび/または極の実際の位置が式3に示されている値と実質的に相違しないように実現するのが望ましい。しかし例えば、実際の位置と形状関数により表された位置とのずれは変換関数の振幅の10%に相当するが、これは対称性条件を満足する観点からすると、かなり小さなずれとみなすことができる。
本発明の一適用例として、モータの固定子のスロットおよび歯を測定して、例えば歯の幅を5ミリメートルの大きさ、スロットの幅を7ミリメートルの大きさとすることができる。
本発明の一適用例は、例えば5/6の微小ピッチを用いて固定子巻線を微小ピッチ巻線にしたモータである。
本発明の好ましい一実施例では、1つの正弦関数を変換関数として用い、0.3ミリメートルの振幅を選択する。形状関数の対称性数を2とした場合、第5、第7、第11および第13高調波の実質的減衰が達成される。しかし、このとき、基本波の振幅は、実際には変化しない。
好ましい第2の実施例では、変換関数の振幅として0.3ミリメートルを選択し、対称性数として3を選択している。好ましい第3の実施例では、変換関数の振幅として0.2ミリメートルを選択し、対称性数として2を選択している。第2および第3の実施例の両方おいて、とくに第11および第13高調波の実質的な減衰が達成される。
本発明の一適用例は、欧州特許第EP676357号公報に開示されているようなエレベータシステムの動力源として用いられる平型モータである。このモータは薄層固定子と薄層回転子を有している。回転子プレートの表面には複数の永久磁石が配置されている。欧州特許第EP676357号公報による方式では、モータの重要部分が非常に平坦な形状である。その結果、モータは、直接エレベータの昇降路に配置することができ、それゆえ個別の機械室が必要ない。
本発明は個々の適用例に限定されることはなく、一般の電動モータに適用することができる。他の望ましい適用例は、エスカレータの駆動機である。
本発明は上述の実施例に限定されるものでなく、これら実施例は発明の一例を示しているにすぎず、本願特許請求の範囲に定義された発明の概念を逸脱しない範囲においてさまざまな形態が可能であることは、当業者にとって自明のことである。
永久磁石回転子を備えた従来の半径方向磁束機械の一例を示す図である。 永久磁石回転子を備えた従来の軸方向磁束機械の一例を示す図である。 従来技術によって溝切りされた固定子および回転子フレームの断面図である。 直平面に展開した従来技術による固定子の周縁部の部分を示す図である。 等距離に分散させて溝切りを設けた従来の固定子フレームの断面図である。 直平面に展開した本発明による溝切りを設けた固定子フレームの一部の断面図である。 本発明による溝切りを設けた固定子フレームの断面図である。 本発明による変化させることができるパラメータを示した図である。

Claims (19)

  1. コイルをスロットに配置する段階を含み、回転子と、固定子と、該回転子および固定子用の支持構造物ならびにモータからの回転運動を伝える出力部とを有し、該固定子に複数のスロットおよび/または極が配された電動モータを製造する方法において、該複数のスロットおよび/または極は、等間隔配置からずれて配置され、該方法はさらに、
    −前記スロットおよび/または極の等間隔配置を変化させる変換関数を決める段階と、
    −前記固定子のスロットおよび/または極の位置を決める形状関数を、該スロットおよび/または極の位置を決める前記変換関数の値を等間隔溝切りに従って加算することによって決める段階と、
    −前記スロットおよび/または極を実質的に前記形状関数に従って位置決めして、固定子を形成する段階とを含み、同じ位相に属する前記スロットおよび/または極それぞれの等間隔配置を変化させて前記固定子の等間隔配置に対する構造の変更を小さくして、前記コイルの製造または巻線工程に影響を及ぼさないことを特徴とする電動モータの製造方法。
  2. 請求項1に記載の方法において、該方法はさらに、
    −前記固定子の少なくとも1つの部分における前記スロットおよび/または極の配置の等間隔配置からのずれを、他の部分で形成されるずれと対称にする段階を含むことを特徴とする電動モータの製造方法。
  3. 請求項1または2に記載の方法において、該方法はさらに、
    −前記固定子周縁部におけるスロットの不等間隔配置を決める段階を含むことを特徴とする電動モータの製造方法。
  4. 請求項1ないしのいずれかに記載の方法において、該方法はさらに、
    −前記固定子の極心におけるスロットの不等間隔配置を決める段階を含むことを特徴とする電動モータの製造方法。
  5. 請求項1ないしのいずれかに記載の方法において、該方法はさらに、
    −前記固定子周縁部における極の不等間隔配置を決める段階を含むことを特徴とする電動モータの製造方法。
  6. 請求項1ないしのいずれかに記載の方法において、該方法はさらに、
    −前記スロットおよび/または極の等間隔配置からのずれの幅を、前記固定子の極心に対して、互いに僅かに異なるように決める段階を含むことを特徴とする電動モータの製造方法。
  7. 請求項1ないしのいずれかに記載の方法において、前記変換関数における対称性数は少なくとも2であることを特徴とする電動モータの製造方法。
  8. 請求項1ないし7のいずれかに記載の方法において、前記変換関数における対称性数は偶数であることを特徴とする電動モータの製造方法。
  9. 請求項1ないしのいずれかに記載の方法において、前記製造されるモータは軸方向磁束モータであり、該モータの固定子は、リボン様強磁性プレートを巻いて前記プレート積層体の中心軸を中心とする円筒形のプレート積層体を作ることによって製造し、巻いてプレート積層体を作る前に、打ち抜き装置によって該プレートに切り欠きを入れてスロットを作ることを特徴とする電動モータの製造方法。
  10. 固定子を有し、さらに複数のスロットおよび/または極と、該スロットに配されたコイルと、回転子と、該回転子および固定子用の支持構造物と、モータから回転運動を出力する出力部とを有する電動モータにおいて、該複数のスロットおよび/または極は、等間隔配置からずれて該固定子に配設されて、該スロットおよび/または極の配置の等間隔配置からのそれぞれのずれは、該等間隔配置を変化させる変換関数の値と同じ大きさに形成されて前記固定子の等間隔配置に対する構造の変更を小さくして、前記コイルの製造または巻線工程に影響を及ぼさないことを特徴とする電動モータ。
  11. 請求項10に記載の電動モータにおいて、前記複数のスロットおよび/または極の配置の等間隔配置からのずれは、少なくとも1つの部分において、前記固定子の少なくとも1つの他の部分におけるずれと対称であることを特徴とする電動モータ。
  12. 請求項10または11に記載の電動モータにおいて、該電動モータの回転子は永久磁化されていることを特徴とする電動モータ。
  13. 請求項10ないし12のいずれかに記載の電動モータにおいて、該電動モータは軸方向磁束モータであることを特徴とする電動モータ。
  14. 請求項10ないし12のいずれかに記載の電動モータにおいて、該電動モータは半径方向磁束モータであることを特徴とする電動モータ。
  15. 請求項10ないし14のいずれかに記載の電動モータにおいて、前記固定子の巻線は微小ピッチ巻線であることを特徴とする電動モータ。
  16. 請求項10ないし15のいずれかに記載の電動モータにおいて、該電動モータはエレベータシステムの動力供給源として用いられることを特徴とする電動モータ。
  17. 請求項10ないし16のいずれかに記載の電動モータにおいて、前記固定子は、固定子プレートもしくは固定子ストリップにスロットを打ち抜き、かつ該スロットが作られたプレートまたは該スロットが作られたストリップで前記固定子の積み重ねを作ることによって、溝切りされることを特徴とする電動モータ。
  18. 請求項10ないし17のいずれかに記載の電動モータにおいて、前記電動モータの固定子コイルは、互いに類似していることを特徴とする電動モータ。
  19. 請求項18に記載の電動モータにおいて、前記電動モータの固定子コイルは、固定子の溝切りと等距離に作られることを特徴とする電動モータ。
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