以下、本発明を更に具体的に明らかにするために、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ、詳細に説明する。
先ず、図1に、本発明の一実施形態としてのパチンコ機10を示す。パチンコ機10において機体の外郭をなす外枠12の開口前面側には、各種の遊技用構成部材をセットする縦長方形の中枠14が開閉および着脱自在に組み付けられている。中枠14の前面側には、中枠14に対して着脱自在に組み付けられた遊技盤16を透視保護するためのガラス板が保持されたガラス枠18と、上皿20を備えた皿板22が、それぞれ、開閉可能な状態で組み付けられている。また、上皿20の下方には、下皿24が設けられており、かかる下皿24の右方には、発射ハンドル26が設けられている。そして、遊技者が発射ハンドル26に対して回動操作可能に装着された発射レバー28を回動操作することにより、上皿20に貯留された遊技球が球送り機構(図示せず)を介して発射装置(図示せず)に送られた後、遊技盤16に形成された遊技領域30に向けて発射されるようになっている。
遊技盤16は、表面に合成樹脂製のシートが被着された遊技板を備えており、かかる遊技板の表面側に固定されたガイドレール32で囲まれた略円形の遊技領域30の略中央には、図柄表示装置としての液晶表示器34が取り付けられている。液晶表示器34は横長な方形状の表示画面35を有しており、かかる表示画面35に変動図柄としての上特別図柄36a,中特別図柄36bおよび下特別図柄36cが、それぞれ変動および停止表示されるようになっている。
図2に例示するように、これら三つの特別図柄36a,36b,36cは、本実施形態においては、何れも、「1」〜「7」までの数字図柄によって構成されており、上特別図柄36aは、表示画面35の上側部分において右側から左側に「1」→「7」「1」・・・のループ状にスクロール表示されるようになっている一方、中特別図柄36bは表示画面35の上下方向中央部分で、下特別図柄36cは表示画面35の下側部分で、表示画面35の右側から左側に「7」→「1」「7」・・・のループ状にスクロール表示されるようになっている。このように、本実施形態においては、これら特別図柄36a,36b,36cは、数字図柄の並びを保った状態でスクロール表示されるようになっている。更に、これら特別図柄36a,36b,36cそれぞれにおいて、各数字図柄の間には、適当なキャラクタなどによって構成されたブランク図柄38が表示されており、かかるブランク図柄38は、特別図柄36a,36b,36cと共にスクロール表示されるようになっている。
また、本実施形態では、これら三つの特別図柄36a,36b,36cは、一斉に変動表示が開始されるようになっている一方、上特別図柄36a,下特別図柄36c,中特別図柄36bの順番で停止表示されるようになっている。なお、本実施形態における変動表示とは、特別図柄の図柄が確定していないように認識される表示状態をいい、例えば、特別図柄36a,36b,36cがスクロール表示されている状態等をいう。そして、これら特別図柄36a,36b,36cの図柄が確定して認識される状態が停止図柄とされている。また、本実施形態における停止表示とは、特別図柄36a,36b,36cの停止図柄が確定したように認識される表示状態をいい、例えば、特別図柄36a,36b,36cのスクロール表示が終了して、停止図柄で止まっている状態等をいう。
なお、本実施形態におけるパチンコ機10は、所謂5ラインのパチンコ機とされており、各特別図柄36a,36b,36cが、図2に例示するように、表示画面35上に最大でそれぞれ3つ停止表示されるようになっている。そして、特別図柄36a,36b,36cの変動表示が一斉に開始されて、順に停止表示されていく過程において、特別図柄36a,36b,36cの縦方向の並びの3つの有効ラインと、斜め方向の並びの2つの有効ラインの合計5つの有効ラインの内、何れかの有効ライン上で、上特別図柄36aおよび下特別図柄36cが同じ図柄で表示されて、中特別図柄36bが変動表示された状態がリーチ図柄とされている。ここにおいて、リーチ図柄を構成する有効ラインが1つ形成されている場合を「シングルリーチ」、2つ形成されている場合を「ダブルリーチ」、3つ形成されている場合を「トリプルリーチ」と称する。
そして、中特別図柄36bが停止表示されて、これら上特別図柄36a,中特別図柄36b、下特別図柄36cの全てが何れかの有効ライン上で同じ図柄で停止表示された状態が大当たり図柄とされる一方、中特別図柄36bのみが異なる図柄で停止表示された状態がリーチはずれ図柄とされる。また、上特別図柄36aと右特別図柄36cが何れの有効ライン上でも異なる図柄で停止表示された状態が完全はずれ図柄とされる。
また、液晶表示器34の下方には、始動入賞装置としての始動口40が設けられており、かかる始動口40内には、入球した遊技球を遊技盤16の裏側に排出する球通路上において近接スイッチによって構成された始動入球検出手段としての始動口スイッチ42(図5参照)が配設されている。そして、始動口40に遊技球が入球すると、始動口スイッチ42が遊技球の通過を検出して始動信号としての電気信号(検出信号)を出力するようにされており、かかる始動信号をきっかけとして判定が行われた後、判定の結果に基づいて決定された内容による複数の特別図柄36a,36b,36cの変動表示が開始されるようになっている。
一方、液晶表示器34の上方には、保留LED44が複数(本実施形態では4つ)設けられている。保留LED44は、特別図柄36a,36b,36cが変動表示されている最中に遊技球が始動口40に入球する毎に1つ点灯せしめられるようになっており、特別図柄36a,36b,36cの変動表示が所定回数(本実施形態では最大4回)保留されていることを遊技者に報知するようになっている。
更にまた、始動口40の下方には、可変入賞口としての大入賞口46が設けられている。かかる大入賞口46の入口には、液晶表示器34において特別図柄36a,36b,36cの図柄が揃って停止表示された場合、即ち、大当たりが発生した場合に開閉する扉48が配設されている。扉48は、通常の遊技状態では閉状態に維持されて遊技者に不利な状態とされる一方、大当たりが発生した場合には開閉動作せしめられて遊技者に有利な大当たり状態とされるようになっている。
このようなパチンコ機10は、遊技者が上皿20に遊技球を投入して発射レバー28を回動操作することによって、遊技球が遊技領域30内に発射されて、遊技領域30に打ち付けられた障害釘(図示せず)に当たりながら落下するようになっている。
ここにおいて、遊技球が始動口40内に入球すると、図3(a)に示すように、表示画面35において、三つの特別図柄36a,36b,36cの変動表示が開始される。なお、特に本実施形態においては、多くの場合、表示画面35の左端部には条件表示領域50が表示されて表示領域の左端部が隠されており、各特別図柄36a,36b,36cがそれぞれ最大で2つ表示されるようになっている。
ここにおいて、特に本実施形態においては、図3(b)に示すように、表示画面35にリーチの態様を指定する第一のリーチ条件39aが表示される場合がある。本実施形態においては、第一のリーチ条件39aとして、リーチ図柄を構成する上特別図柄36a,下特別図柄36cの図柄が指定されており、例えば、図3(b)においては第一のリーチ条件39aとして、リーチ図柄を構成する上特別図柄36a,下特別図柄36cとして「1」の図柄が指定されている。なお、かかる第一のリーチ条件39aは、図3(c)に示すように、少なくとも上特別図柄36aが停止されるまでの間、条件表示領域50に表示される。
そして、変動表示の開始から所定時間が経過すると、上特別図柄36aおよび下特別図柄36cが当該順序で停止し、上特別図柄36aおよび下特別図柄36cの図柄組合せに応じてリーチ状態の有無が報知される。ここにおいて、第一のリーチ条件39aが表示されており、かかる第一のリーチ条件39aを満たす態様でリーチ図柄が表示された場合には、リーチ図柄を構成する上下特別図柄36a,36bが、大当たり図柄に発展する確率が高くされている。
続いて、更に所定時間が経過すると、上特別図柄36aおよび下特別図柄36cに続いて中特別図柄36bが停止せしめられる。そして、上特別図柄36a、下特別図柄36c、および中特別図柄36bが縦方向に延びるラインに沿って静止した停止図柄とされる。これら三つの特別図柄36a,36b,36cの停止図柄の図柄組合せによって、大当たり状態またははずれ状態が遊技者に報知される。なお、始動口40への入球をきっかけとする始動信号の判定結果が、大当たり図柄とされる判定結果を大当たりと称し、完全はずれ図柄とされる判定結果を完全はずれ、リーチはずれ図柄とされる判定結果をリーチはずれと称する。
さらに、特に本実施形態におけるパチンコ機10においては、上特別図柄36aが第一のリーチ条件39aで指定された図柄と異なる図柄で停止せしめられて、リーチの態様が第一のリーチ条件39aを満たさないことが確定した場合でも、更に、図3(d)に示すように、第一のリーチ条件39aとは異なるリーチの態様を指定する第二のリーチ条件39bが表示されることがある。本実施形態においては、第二のリーチ条件39bとして、リーチ図柄の有効ライン数が指定されており、例えば、図3(d)においては第二のリーチ条件39bとして、リーチ図柄の有効ライン数が2の「ダブルリーチ」が指定されている。そして、下特別図柄36cが停止せしめられて、かかる第二のリーチ条件39bを満たす態様でリーチ図柄が表示された場合には、リーチ図柄を構成する上下特別図柄36a,36bが、大当たり図柄に発展する確率が高くされている。
なお、特に本実施形態におけるパチンコ機10は、図4(a)に示すように、表示画面35の左側部分が条件表示領域50に隠されている。そして、トリプルリーチが表示される場合には、図4(b)に示すように、条件表示領域50が消去されて、特別図柄36a,36b,36cがそれぞれ、横方向に3つ表示可能とされるようになっている。
そして、三つの特別図柄36a,36b,36cが最大5つの有効ラインの何れかの上で大当たり図柄で停止されることによって、大当たり遊技が開始される。大当たり遊技は、大入賞口46の扉48を開放することによって大入賞口46への入賞を許容するものであり、かかる扉48は、所定個数(例えば10個)の遊技球が入賞する個数条件または所定時間(例えば27秒)が経過する時間条件が満足されるまで開放状態に保持される。これにより、遊技者は、通常の遊技状態、即ち、大当たりが発生していない遊技状態で得ることが出来る賞球よりも多くの賞球を得ることが出来る。
次に、以上の如き遊技制御や、液晶表示器34の表示制御等を行なう主制御部としての主制御回路60の構成について、図5に基づいて説明する。図5に示すように、主制御回路60には、主制御回路60の全体を制御する主制御CPU62と、各種処理データ等を記憶する主制御RAM64と、制御プログラムや各種制御処理に必要なデータ等が記憶された主制御ROM66と、入力回路68と、出力回路70が設けられており、これらはバスにより相互に接続されている。また、主制御CPU62には、クロック信号を出力するクロック回路72が接続されている。
さらに、入力回路68には、始動口40に設けられて遊技球の入球を検出する始動口スイッチ42や、大入賞口46の内部に設けられて大入賞口46への入賞球のカウントを行う図示しないカウントスイッチ等が接続されている。
一方、出力回路70には、液晶表示器34への特別図柄36a,36b,36cの表示を行う表示制御部としての表示制御回路74や、保留LED44を発光制御する保留LED制御回路76等が接続されている。
そして、主制御CPU62は、所定周期(例えば、本実施形態においては、4ms)毎にクロック回路72からクロック信号が入力された場合には、主制御ROM66に記憶されているパラメータや制御プログラムに従って、後述する始動口処理や特別図柄表示処理を含んで構成された遊技処理を実行するようになっており、それによって、入力回路68を介して入力される入力信号等に基づいて各種制御信号を生成し、それら各種制御信号を出力回路70を介して表示制御回路74や保留LED制御回路76等に出力するようになっている。なお、入力回路68は、外部から入力されたアナログ信号等をデジタル信号に変換して出力する回路である。また、出力回路70は、主制御CPU72によって生成された各種データをシリアルデータ等に変換して出力する回路である。
そして、主制御回路60に設けられた主制御RAM64には、以下に示す各種のカウンタが用意されている。
大当たり判定カウンタ80は、大当たり判定に用いられるカウンタであって、クロック回路72から入力されるクロック信号に基づいて「1」ずつ加算され、初期値「0」から最大値「299」に加算された後に「0」に戻って加算される。
初期値決定用カウンタ82は、大当たり判定カウンタ80の加算開始値を決定するカウンタであって、クロック回路72から入力されるクロック信号に基づいて「1」ずつ加算され、初期値「0」から最大値「299」に加算された後に「0」に戻って加算される。
リーチはずれ判定カウンタ84は、リーチはずれまたは完全はずれの判定に用いられるカウンタであって、クロック回路72から入力されるクロック信号に基づいて「1」ずつ加算され、初期値「0」から最大値「9」に加算された後に「0」に戻って加算される。
変動パターンカウンタ86は、変動パターンを選択するために用いられるカウンタであって、クロック回路72から入力されるクロック信号に基づいて「1」ずつ加算され、初期値「0」から最大値「9」に加算された後に「0」に戻って加算される。
変動表示用タイマカウンタ88は、特別図柄36a,36b,36cの変動表示時間を計測するために用いられるカウンタであり、後述する特別図柄表示処理において選択された変動パターンに応じた変動表示時間がセットされる。
始動入球数カウンタ90は、始動口40に入球した遊技球の個数をカウントするために用いられるカウンタであって、初期値「0」から最大値「5」までの範囲で、遊技球が始動口40に入球する毎に「1」ずつ加算され、大当たり判定処理が行なわれる毎に「1」ずつ減算される。
さらに、主制御RAM64には、各判定処理等の際に使用される、以下に示す各種のフラグが設けられている。以下の説明においてフラグとは、「0」か「1」か何れかの値が格納されるものであり、「フラグをONにする」とは、フラグに「1」を格納することを示し、「フラグをOFFにする」とは、フラグに「0」を格納することを示すものとする。また、以下に説明する各フラグは、特に断りの無い限り、電源投入時にはOFFにされているものとする。
大当たりフラグ92は、大当たり判定の結果を示すフラグであり、「ON」である場合には、大当たりであることを示す一方、「OFF」である場合には、大当たりでないことを示す。
変動処理フラグ94は、特別図柄36a,36b,36cが変動表示中であるか否かを示すフラグであり、「ON」である場合には、特別図柄36a,36b,36cの変動表示が行われていることを示す一方、「OFF」である場合には、特別図柄36a,36b,36cの変動表示が行われていないことを示す。
さらに、主制御RAM64には、遊技処理に用いる情報の一時的な格納場所として、以下に示す各種の記憶エリアが設けられている。
第一乃至第五のカウンタ値記憶エリア96a〜eには、遊技球が始動口40に入球したときの大当たり判定カウンタ80、リーチハズレ判定カウンタ84の各カウンタ値が記憶される。
変動パターン記憶エリア98には、選択された変動パターンのデータが記憶される。
一方、主制御ROM66には、各種の判定や選択に用いられるテーブルを記憶する、以下に示す各種のテーブル記憶エリアが設けられている。
大当たり判定テーブル記憶エリア100には、表1に示す大当たり判定テーブルが記憶されている。大当たり判定テーブルは、大当たり判定カウンタ80のカウンタ値を示す「大当たり判定カウンタ値」と、このカウンタ値に対応する「大当たり判定」から構成されており、大当たり判定テーブルと取得した大当たり判定カウンタ80のカウンタ値に基づいて大当たりであるか否かを判定するようになっている。そして、本実施形態では、取得した大当たり判定カウンタ80のカウンタ値が「7」の場合に「大当たり」と判定される一方、それ以外の数値の場合には「はずれ」と判定される。
リーチはずれ判定テーブル記憶エリア102には、表2に示すリーチはずれ判定テーブルが記憶されている。リーチはずれ判定テーブルは、リーチはずれ判定カウンタ84のカウンタ値を示す「リーチはずれ判定カウンタ値」と、このカウンタ値に対応する「リーチはずれ判定」から構成されており、リーチはずれ判定テーブルと取得したリーチはずれ判定カウンタ84のカウンタ値に基づいてリーチはずれであるか否かを判定するようになっている。そして、本実施形態では、取得したリーチはずれ判定カウンタ84のカウンタ値が「3」である場合に「リーチはずれ」と判定される一方、それ以外の場合には、「完全はずれ」と判定されるようになっている。
第一の変動パターン選択テーブル記憶エリア104aには、表3に示す第一の変動パターン選択テーブルが記憶されている。第一の変動パターン選択テーブルは、変動パターンカウンタ86のカウンタ値を示す「変動パターンカウンタ値」と、このカウンタ値に対応する「変動パターン」から構成されており、第一の変動パターン選択テーブルと取得した変動パターンカウンタ86のカウンタ値に基づいて完全はずれの場合の変動パターンを選択するようになっている。そして、本実施形態では、変動パターンカウンタ86のカウンタ値が「0」〜「6」の場合に「変動パターンA」が、「7」〜「9」の場合に「変動パターンB」が選択されるようになっている。
第二の変動パターン選択テーブル記憶エリア104bには、表4に示す第二の変動パターン選択テーブルが記憶されている。第二の変動パターン選択テーブルは、変動パターンカウンタ86のカウンタ値を示す「変動パターンカウンタ値」と、このカウンタ値に対応する「変動パターン」から構成されており、第二の変動パターン選択テーブルと取得した変動パターンカウンタ86のカウンタ値に基づいてリーチはずれの場合の変動パターンを選択するようになっている。そして、本実施形態では、変動パターンカウンタ86のカウンタ値が「0」〜「6」の場合に「変動パターンC」が、「7」〜「9」の場合に「変動パターンD」が選択されるようになっている。
第三の変動パターン選択テーブル記憶エリア104cには、表5に示す第三の変動パターン選択テーブルが記憶されている。第三の変動パターン選択テーブルは、変動パターンカウンタ86のカウンタ値を示す「変動パターンカウンタ値」と、このカウンタ値に対応する「変動パターン」から構成されており、第三の変動パターン選択テーブルと取得した変動パターンカウンタ86のカウンタ値に基づいて大当たりの場合の変動パターンを選択するようになっている。そして、本実施形態では、変動パターンカウンタ86のカウンタ値が「0」〜「2」の場合に「変動パターンE」が、「3」〜「5」の場合に「変動パターンF」が、「6」〜「9」の場合に「変動パターンG」が選択されるようになっている。
なお、これら「変動パターンA」乃至「変動パターンG」はそれぞれ、特別図柄36a,36b,36cの変動表示に要する時間が異ならされており、本実施形態においては、後述する表6に示すように、「変動パターンA」は5秒、「変動パターンB」は10秒、「変動パターンC」は20秒、「変動パターンD」は30秒、「変動パターンE」は22秒、「変動パターンF」は27秒、「変動パターンG」は32秒に設定されている。
次に、表示制御回路74の構成について、図6に基づいて説明する。表示制御回路74は、表示制御CPU110,表示制御CPU110に接続された入力回路112,表示制御RAM114、プログラムROM116、およびVDP118,VDP118に接続されるキャラクタROM120,作業RAM122,出力回路124を含んで構成されている。また、表示制御CPU110には、クロック信号を出力するクロック回路126が接続されている。更にまた、入力回路112には、主制御回路60を構成する出力回路70が接続されている。また、出力回路124には、液晶表示器34が接続されている。
そして、表示制御CPU110は、所定周期(例えば、本実施形態においては、4ms)毎にクロック回路126からクロック信号が入力された場合には、プログラムROM116に記憶されているパラメータや制御プログラムに従って、後述する表示制御処理を実行するようになっており、それによって、主制御回路60からの制御信号に基づいて画像の編集内容を示す制御信号を生成し、VDP118との間で制御信号のやり取りを行う。VDP118は、表示制御CPU110からの制御信号に基づいて、キャラクタROM120から特別図柄36a,36b,36cの画像データ,ブランク図柄38の画像データ、第一および第二のリーチ条件39a,39bのメッセージ内容や演出表示データとしてのキャラクタ映像等の画像データ等を読み出し、作業RAM122を作業エリアとして編集し、これらの画像データを出力回路124を介して液晶表示器34に出力するようになっている。
また、表示制御RAM114には、以下に示すように、表示制御を行うために用いる各種のカウンタやカウンタ値記憶エリア、フラグ等が設けられている。
演出パターンカウンタ128は、演出パターンを選択するために用いられるカウンタであって、クロック回路126から入力されるクロック信号に基づいて「1」ずつ加算され、初期値「0」から最大値「9」に加算された後に「0」に戻って加算される。
リーチ構成図柄カウンタ130は、リーチ条件として指定される変動図柄であるリーチ構成図柄を選択するために用いられるカウンタであって、クロック回路126から入力されるクロック信号に基づいて「1」ずつ加算され、初期値「0」から最大値「6」に加算された後に「0」に戻って加算される。
リーチ図柄カウンタ132は、リーチ図柄を選択するために用いられるカウンタであって、クロック回路126から入力されるクロック信号に基づいて「1」ずつ加算され、初期値「0」から最大値「20」に加算された後に「0」に戻って加算される。
上図柄カウンタ134は、完全はずれ判定時に表示される上特別図柄36aの図柄を選択するために用いられるカウンタであって、クロック回路126から入力されるクロック信号に基づいて「1」ずつ加算され、初期値「0」から最大値「6」に加算された後に「0」に戻って加算される。
中図柄カウンタ136は、完全はずれ判定時に表示される中特別図柄36bの図柄を選択するために用いられるカウンタであって、上図柄カウンタ134が「0」にリセットされる桁上げ毎に「1」ずつ加算され、初期値「0」から最大値「6」に加算された後に「0」に戻って加算される。
下図柄カウンタ138は、完全はずれ判定時に表示される下特別図柄36cの図柄を選択するために用いられるカウンタであって、中図柄カウンタ136が「0」にリセットされる桁上げ毎に「1」ずつ加算され、初期値「0」から最大値「6」に加算された後に「0」に戻って加算される。
条件カウンタ140は、第一のリーチ条件を選択するために用いられるカウンタであって、クロック回路126から入力されるクロック信号に基づいて「1」ずつ加算され、初期値「0」から最大値「11」に加算された後に「0」に戻って加算される。
タイマカウンタ142は、上下特別図柄36a,36cを停止する時刻や、第一および第二のリーチ条件39a,39bを表示する時刻を計測するために用いられるカウンタであって、後述する表示処理内において加算される。
変動パターン記憶エリア144には、受信した変動パターンのデータが記憶される。
演出パターン記憶エリア146には、演出表示として選択された演出パターンが記憶される。
リーチ構成図柄記憶エリア148には、リーチ図柄を構成する上下特別図柄36a,36cの図柄が記憶される。
リーチ図柄記憶エリア149には、リーチ図柄を構成する上下特別図柄36a,36cの図柄組み合わせのデータが記憶される。
停止図柄記憶エリア150には、各特別図柄36a,36b,36cの図柄組合せのデータが記憶される。
第一のリーチ条件記憶エリア152には、選択された第一のリーチ条件39aが記憶される。
第二のリーチ条件記憶エリア153には、選択された第二のリーチ条件39bが記憶される。
表示処理フラグ154は、特別図柄36a,36b,36cの変動表示が行われているか否かを示すフラグであり、「ON」である場合には、特別図柄36a,36b,36cの変動表示が行われていることを示す一方、「OFF」である場合には、特別図柄36a,36b,36cの変動表示が行われていないことを示す。
一方、プログラムROM116には、各種の判定や選択に用いられるテーブルを記憶する、以下に示すテーブル記憶エリアが設けられている。
演出選択テーブル記憶エリア156には、表6に示す演出選択テーブルが記憶されている。演出選択テーブルは、受信した変動パターンおよび演出パターンカウンタ128に基づいて演出パターンを選択するためのものである。各列について概説すると、「変動パターン」は、受信した変動パターンを示すものである。「表示時間」は、変動パターンの表示に要する時間(秒)を示す。「演出パターンカウンタ値」は、当該演出パターンが選択されることとなる演出パターンカウンタ128の値を示す。「演出パターン」は、各演出パターンを識別するために付与された符号である。「有効ライン数」は、当該演出パターンにおいて表示される特別図柄36a,36b,36cが形成するリーチ図柄の有効ライン数であり、完全はずれとなる演出パターンの場合には、「0」が設定されている。「第一のリーチ条件表示」は、第一のリーチ条件39aの表示を行うか否かを示す。「第二のリーチ条件表示」は、第二のリーチ条件39bの表示を行うか否かを示す。「最終結果」は、当該演出パターンが用いられる大当たり判定の結果を示す。なお、表6における「表示時間」の列は、理解を容易にするためのものであり、演出選択テーブルには、「表示時間」の列を除いた情報が記憶されている。
先ず、本実施形態においては、「変動パターンA」を受信した場合には、演出パターンカウンタ128のカウンタ値に関わらず、「演出パターンAn」が選択されるようになっている。また、「変動パターンB」を受信した場合には、演出パターンカウンタ128のカウンタ値に関わらず、「演出パターンBn」が選択されるようになっている。ここにおいて、「変動パターンA」を受信した場合に選択される「演出パターンAn」は、第一及び第二のリーチ条件表示を行わない演出パターンとされる一方、「変動パターンBn」を受信した場合に選択される「演出パターンBn」は、第一のリーチ条件表示のみを行なう演出パターンとされている。
また、「変動パターンC」を受信した場合には、演出パターンカウンタ128のカウンタ値が「0」〜「3」の場合に、「演出パターンCs」が、「4」〜「6」の場合に、「演出パターンCd」が、「7」〜「9」の場合に、「演出パターンCt」が選択されるようになっている。また、「変動パターンD」を受信した場合には、演出パターンカウンタ128のカウンタ値が「0」〜「3」の場合に、「演出パターンDs」が、「4」〜「6」の場合に、「演出パターンDd」が、「7」〜「9」の場合に、「演出パターンDt」が選択されるようになっている。ここにおいて、「変動パターンC」を受信した場合に選択される「演出パターンCs」、「演出パターンCd」、「演出パターンCt」は、第一及び第二のリーチ条件表示を行わない演出パターンとされる一方、「変動パターンD」を受信した場合に選択される「演出パターンDs」、「演出パターンDd」、「演出パターンDt」は、第一のリーチ条件表示のみを行なう演出パターンとされている。
また、「変動パターンE」を受信した場合には、演出パターンカウンタ128のカウンタ値が「0」〜「3」の場合に、「演出パターンEs」が、「4」〜「6」の場合に、「演出パターンEd」が、「7」〜「9」の場合に、「演出パターンEt」が選択されるようになっている。また、「変動パターンF」を受信した場合には、演出パターンカウンタ128のカウンタ値が「0」〜「3」の場合に、「演出パターンFs」が、「4」〜「6」の場合に、「演出パターンFd」が、「7」〜「9」の場合に、「演出パターンFt」が選択されるようになっている。また、「変動パターンG」を受信した場合には、演出パターンカウンタ128のカウンタ値が「0」〜「3」の場合に、「演出パターンGs」が、「4」〜「6」の場合に、「演出パターンGd」が、「7」〜「9」の場合に、「演出パターンGt」が選択されるようになっている。ここにおいて、「変動パターンE」を受信した場合に選択される「演出パターンEs」、「演出パターンEd」、「演出パターンEt」は、第一及び第二のリーチ条件表示を行わない演出パターンとされる一方、「変動パターンF」を受信した場合に選択される「演出パターンFs」、「演出パターンFd」、「演出パターンFt」は、第一のリーチ条件表示のみを行う演出パターンとされている。また、「変動パターンG]を受信した場合に選択される「演出パターンGs」、「演出パターンGd」、「演出パターンGt」は、第一及び第二のリーチ条件が表示される演出パターンとされている。
このように、本実施形態においては、第一のリーチ条件は、「最終結果」がはずれ、リーチはずれ、大当たりの何れの場合でも表示され得る一方、第二のリーチ条件は、「最終結果」が大当たりの場合にのみ表示され得るようにされている。また、詳細な説明は後述するが、本実施形態においては、「最終結果」が大当たりで第一のリーチ条件表示のみを行う演出パターンのみが、変動表示中の特別図柄36a,36b、36cの変動態様で満たすことの出来る第一のリーチ条件で表示される一方、その他の演出パターンの第一のリーチ条件は、表示中の変動態様で満たすことの出来ない条件が表示されるようになっている。具体的には、本実施形態においては、「演出パターンFs」、「演出パターンFd」、「演出パターンFt」において表示される第一のリーチ条件としては、表示中の変動態様で満たすことの出来る条件が表示される一方、その他の演出パターンで表示される第一のリーチ条件としては、表示中の変動態様で満たすことの出来ない条件が表示される。そして、特に「最終結果」が大当たりで、第二のリーチ条件の表示を行う「演出パターンGs」、「演出パターンGd」,「演出パターンGt」の場合には、第一のリーチ条件として、表示中の変動態様では満たすことの出来ない条件が表示された後に、第二のリーチ条件として、表示中の変動態様で満たすことの出来る条件が表示されることとなる。
リーチ構成図柄選択テーブル記憶エリア158には、表7に示すリーチ構成図柄選択テーブルが記憶されている。リーチ構成図柄選択テーブルは、リーチ構成図柄カウンタ130のカウンタ値を示す「リーチ構成図柄カウンタ値」と、このカウンタ値に対応する「リーチ構成図柄」から構成されており、リーチ構成図柄選択テーブルと取得したリーチ構成図柄カウンタ130のカウンタ値に基づいてリーチ構成図柄を選択するようになっている。そして、本実施形態では、リーチ構成図柄カウンタ130のカウンタ値が「0」の場合「1」が、「1」の場合「2」が、「2」の場合「3」が、「3」の場合「4」が、「4」の場合「5」が、「5」の場合「6」が、「6」の場合「7」が、それぞれ、リーチ構成図柄として選択されるようになっている。
リーチ図柄記憶手段を構成するシングルリーチ図柄選択テーブル記憶エリア160には、表8に示すシングルリーチ図柄選択テーブルが記憶されている。シングルリーチ図柄選択テーブルは、リーチ構成図柄を示す「リーチ構成図柄」と、リーチ図柄カウンタ132のカウンタ値を示す「リーチ図柄カウンタ」と、これら「リーチ構成図柄」および「リーチ図柄カウンタ」に対応する「リーチ図柄」から構成されており、「リーチ構成図柄」で指定されたリーチ図柄の中から、リーチ図柄カウンタ132のカウンタ値に対応するシングルリーチのリーチ図柄を選択するようになっている。なお、表8及び後述する表9、10に示す「表示内容」は、理解を容易にするためのものであり、当該リーチ図柄を構成する上下特別図柄36a,36cの表示態様を示すものである。
シングルリーチ図柄選択テーブルには、パチンコ機10において表示され得る全てのシングルリーチの態様が記憶されており、図柄「1」によってシングルリーチを構成するリーチ図柄から順に、図柄「7」によってシングルリーチを構成するリーチ図柄までが記憶されている。即ち、図柄「1」の場合、図柄「1」が左側の縦ライン上に並ぶリーチ図柄「s11」、図柄「1」が中央の縦ライン上に並ぶリーチ図柄「s12」、図柄「1」が右側の縦ライン上に並ぶリーチ図柄「s13」の3種類が記憶されており、図柄「2」の場合は同様に「s21」、「s22」、「s23」というようにして、それ以降の図柄「7」まで同様に記憶されている。そして、それぞれの図柄を構成するリーチ図柄(例えば、図柄「1」の場合、「s11」、「s12」、「s13」)について、リーチ図柄カウンタ132のカウンタ値が割り振られている。例えば、本実施形態においては、リーチ構成図柄が「1」で、リーチ図柄カウンタ132のカウンタ値が「0」〜「6」の場合「s11」が、「7」〜「13」の場合「s12」が、「14」〜「20」の場合「s13」が、それぞれ、シングルリーチのリーチ図柄として選択されるようになっている。
リーチ図柄記憶手段を構成するダブルリーチ図柄選択テーブル記憶エリア162には、表9に示すダブルリーチ図柄選択テーブルが記憶されている。ダブルリーチ図柄選択テーブルは、リーチ構成図柄を示す「リーチ構成図柄」と、リーチ図柄カウンタ132のカウンタ値を示す「リーチ図柄カウンタ」と、これら「リーチ構成図柄」および「リーチ図柄カウンタ」に対応する「リーチ図柄」から構成されており、「リーチ構成図柄」で指定されたリーチ図柄の中から、リーチ図柄カウンタ132のカウンタ値に対応するダブルリーチのリーチ図柄を選択するようになっている。
ダブルリーチ図柄選択テーブルには、パチンコ機10において表示され得る全てのダブルリーチの態様が記憶されており、図柄「1」によってダブルリーチを構成するリーチ図柄から順に、図柄「7」によってダブルリーチを構成するリーチ図柄までが記憶されている。即ち、図柄「1」の場合、図柄「1」が左上から右下の斜めライン上に並ぶリーチ図柄「d11」、図柄「1」が右上から左下の斜めライン上に並ぶリーチ図柄「d12」の2種類が記憶されており、図柄「2」の場合は同様に「d21」、「d22」というようにして、それ以降の図柄「7」まで同様に記憶されている。そして、それぞれの図柄を構成するリーチ図柄(例えば、図柄「1」の場合、「d11」、「d12」)について、リーチ図柄カウンタ132のカウンタ値が割り振られている。例えば、本実施形態においては、リーチ構成図柄が「1」で、リーチ図柄カウンタ132のカウンタ値が「0」〜「10」の場合「d11」が、「11」〜「20」の場合「d12」が、それぞれ、ダブルリーチのリーチ図柄として選択されるようになっている。なお、特に本実施形態においては、上下特別図柄36a,36cは、それぞれ、数字図柄の並びが保たれていることから、隣り合うリーチ構成図柄で、見かけ上同じリーチ図柄が設定されている。即ち、左上から右下のライン上に図柄「1」が並ぶダブルリーチは、右上から左下のライン上に図柄「2」が並ぶダブルリーチと見かけ上同じであり、例えば、表9に示すように、「d11」と「d22」や、「d12」と「d71」は、見かけ上同じリーチ図柄となる。
リーチ図柄記憶手段を構成するトリプルリーチ図柄選択テーブル記憶エリア164には、表10に示すトリプルリーチ図柄選択テーブルが記憶されている。トリプルリーチ図柄選択テーブルは、リーチ構成図柄を示す「リーチ構成図柄」と、リーチ図柄カウンタ132のカウンタ値を示す「リーチ図柄カウンタ」と、これら「リーチ構成図柄」および「リーチ図柄カウンタ」に対応する「リーチ図柄」から構成されており、「リーチ構成図柄」で指定されたリーチ図柄の中から、リーチ図柄カウンタ132のカウンタ値に対応するトリプルリーチのリーチ図柄を選択するようになっている。
トリプルリーチ図柄選択テーブルには、パチンコ機10において表示され得る全てのトリプルリーチの態様が記憶されており、図柄「1」によってトリプルリーチを構成するリーチ図柄から順に、図柄「7」によってトリプルリーチを構成するリーチ図柄までが記憶されている。即ち、図柄「1」の場合、図柄「1」が左上から右下の斜めライン上に並ぶリーチ図柄「t11」、図柄「1」が中央の縦ライン上に並ぶリーチ図柄「t12」、図柄「1」が右上から左下の斜めライン上に並ぶリーチ図柄「t13」の3種類が記憶されており、図柄「2」の場合は同様に「t21」、「t22」、「t23」というようにして、それ以降の図柄「7」まで同様に記憶されている。そして、それぞれの図柄を構成するリーチ図柄(例えば、図柄「1」の場合、「t11」、「t12」、「t13」)について、リーチ図柄カウンタ132のカウンタ値が割り振られている。例えば、本実施形態においては、リーチ構成図柄が「1」で、リーチ図柄カウンタ132のカウンタ値が「0」〜「6」の場合「t11」が、「7」〜「13」の場合「t12」が、「14」〜「20」の場合「t13」が、それぞれ、トリプルリーチのリーチ図柄として選択されるようになっている。なお、特に本実施形態においては、上下特別図柄36a,36cは、それぞれ、数字図柄の並びが保たれていることから、リーチ構成図柄から昇順および降順で2つ目までのリーチ構成図柄において、見かけ上同じリーチ図柄が設定されている。即ち、左上から右下のライン上に図柄「1」が並ぶトリプルリーチは、中央列の縦ライン上に図柄「2」が並ぶトリプルリーチ、および右上から左下のライン上に図柄「3」が並ぶトリプルリーチと見かけ上同じであり、例えば、表10に示すように、「t11」は「t22」および表中では省略する図柄「3」をリーチ構成図柄とする「t33」と、見かけ上同じリーチ図柄となる。
上図柄選択テーブル記憶エリア166aには、表11に示す上図柄選択テーブルが記憶されている。上図柄選択テーブルは、上図柄カウンタ134のカウンタ値を示す「上図柄カウンタ値」と、このカウンタ値に対応する「上特別図柄」から構成されており、上図柄選択テーブルと取得した上図柄カウンタ134のカウンタ値に基づいて上特別図柄36aの停止図柄を選択するようになっている。そして、本実施形態では、上図柄カウンタ134のカウンタ値が「0」の場合「1」が、「1」の場合「2」が、「2」の場合「3」が、「3」の場合「4」が、「4」の場合「5」が、「5」の場合「6」が、「6」の場合「7」が、それぞれ、上特別図柄36aの停止図柄として選択されるようになっている。
また、中図柄選択テーブル記憶エリア166bおよび下図柄選択テーブル記憶エリア166cには、それぞれ、表12および表13に示す中図柄選択テーブルおよび下図柄選択テーブルが記憶されている。これら中図柄選択テーブルおよび下図柄選択テーブルのテーブル構成および記憶内容は、それぞれ、上述の上図柄選択テーブルと同様とされおり、中図柄選択テーブルと取得した中図柄カウンタ136のカウンタ値に基づいて中特別図柄36bの停止図柄を選択する一方、下図柄選択テーブルと取得した下図柄カウンタ138のカウンタ値に基づいて下特別図柄36cの停止図柄を選択するようになっている。
リーチ条件記憶手段を構成する第一のリーチ条件選択テーブル記憶エリア168には、表14に示す第一のリーチ条件選択テーブルが記憶されている。第一のリーチ条件選択テーブルは、第一のリーチ条件39aの表示内容を選択するために用いられるテーブルであり、「Qn1」〜「Qn7」まで設けられた第一のリーチ条件について、最終結果を示す「結果」、有効ライン数を示す「有効ライン数」、リーチ構成図柄を示す「リーチ構成図柄」の組合せ毎に、条件カウンタ140のカウンタ値が適当な個数割り振られており、これら「結果」、「有効ライン数」、「リーチ構成図柄」、および条件カウンタ140のカウンタ値に対応する第一のリーチ条件39aの表示内容を選択するようになっている。
ここにおいて、第一のリーチ条件「Qn1」〜「Qn7」は、表示画面35に表示されて、リーチ図柄を構成する上下特別図柄36a,36cの図柄を指定するものであり、表15に示すように、「Qn1」〜「Qn7」の表示内容は、それぞれ、「「1」の図柄でリーチをかけてください」〜「「7」の図柄でリーチをかけてください」とされている。なお、表15に示す第一のリーチ条件に付与された符号と表示内容との関連はキャラクタROM120に記憶されている。
ここにおいて、表14に示す第一のリーチ条件選択テーブルには、「結果」が当たりの場合には、表示中の上下特別図柄36a,36cによって満たすことの出来る条件を選択するために、リーチ構成図柄と等しい図柄を指定する第一のリーチ条件に対して条件カウンタ140のカウンタ値が割り振られて、その他の第一のリーチ条件にはカウンタ値が割り振られないようにされている。これにより、例えば、「結果」が「当たり」で「リーチ構成図柄」が「1」の場合には、条件カウンタ140のカウンタ値に関わらず第一のリーチ条件として「Qn1」(「「1」の図柄でリーチをかけてください」)が選択されるようになっている。
一方、「結果」がはずれの場合には、表示中の上下特別図柄36a,36cによって満たすことの出来ない条件を選択するために、リーチ構成図柄と異なる図柄を指定する第一のリーチ条件に対して条件カウンタ140のカウンタ値が割り振られて、リーチ構成図柄と等しい図柄を指定する第一のリーチ条件にはカウンタ値が割り振られないようにされている。例えば、「結果」が「はずれ」の「有効ライン数」が「1」で「リーチ構成図柄」が「1」の場合には、第一のリーチ条件「Qn1」(「「1」の図柄でリーチをかけてください」)にはカウンタ値が割り振られておらず、残りの「Qn2」〜「Qn7」にカウンタ値が割り振られている。
さらに、本実施形態においては、上下特別図柄36a,36cが数字の並び順を保ってスクロール表示されることから、「有効ライン数」が「2」および「3」の場合には、前述のように、リーチ構成図柄とそれに隣接する図柄のリーチが同時に表示され得る。例えば、表9に示したリーチ図柄「d11」と「d22」のように、リーチ構成図柄「1」のダブルリーチは、リーチ構成図柄「2」のダブルリーチでもあり、リーチ図柄「t11」、「t22」、「t33」のように、リーチ構成図柄「1」のトリプルリーチは、リーチ構成図柄「2」および「3」のトリプルリーチでもある。従って、「有効ライン数」が「2」の場合、「リーチ構成図柄」に隣接する2つのリーチ構成図柄に対応する第一のリーチ条件にも条件カウンタ140のカウンタ値が割り振られておらず、「有効ライン数」が「3」のリーチはずれの場合、「リーチ構成図柄」から昇順および降順で2つ目までのリーチ構成図柄に対応する第一のリーチ条件にも条件カウンタ140のカウンタ値が割り振られていない。
例えば、「有効ライン数」が「2」、「リーチ構成図柄」が「1」のリーチはずれの場合、リーチ構成図柄に対応する第一のリーチ条件「Qn1」(「「1」の図柄でリーチをかけてください」)に加えて、リーチ構成図柄「1」に隣接するリーチ構成図柄「2」および「7」に対応する第一のリーチ条件「Qn2」(「「2」の図柄でリーチをかけてください」)および第一のリーチ条件「Qn7」(「「7」の図柄でリーチをかけてください」)にもカウンタ値が割り振られないようにされている。これにより、はずれの場合には、当該リーチ図柄に対応する第一のリーチ条件は表示されないようにされており、換言すれば、第一のリーチ条件を満たすリーチ図柄が表示された場合には、大当たりとなるようにされている。また、同様に、「有効ライン数」が「3」、「リーチ構成図柄」が「1」のはずれの場合には、リーチ構成図柄に対応する第一のリーチ条件「Qn1」(「「1」の図柄でリーチをかけてください」)に加えて、リーチ構成図柄「1」から昇順で2つ目までの図柄「2」および「3」に対応する第一のリーチ条件「Qn2」(「「2」の図柄でリーチをかけてください」)、第一のリーチ条件「Qn3」(「「3」の図柄でリーチをかけてください」)、およびリーチ構成図柄「1」から降順で2つ目までのリーチ構成図柄「7」および「6」に対応する第一のリーチ条件「Qn7」(「「7」の図柄でリーチをかけてください」)、第一のリーチ条件「Qn6」(「「6」の図柄でリーチをかけてください」)にもカウンタ値が割り振られないようにされている。
リーチ条件記憶手段を構成する第二のリーチ条件選択テーブル記憶エリア170には、表16に示す第二のリーチ条件選択テーブルが記憶されている。第二のリーチ条件選択テーブルは、第二のリーチ条件が表示される演出パターン(本実施形態においては、「演出パターンGs」、「演出パターンGd」,「演出パターンGt」)における有効ライン数を示す「有効ライン数」と「第二のリーチ条件」から構成されており、演出パターンの有効ライン数に基づいて第二のリーチ条件39bの表示内容を選択するようになっている。
ここにおいて、第二のリーチ条件「Ql1」〜「Ql3」は、表示画面35に表示されて、リーチ図柄の有効ライン数を指定するものであり、表17に示すように、「Ql1」の表示内容は「シングルリーチをかけてください」、「Ql2」の表示内容は「ダブルリーチをかけてください」、「Ql3」の表示内容は「トリプルリーチをかけてください」とされている。そして、本実施形態では、第二のリーチ条件選択テーブルによって、「有効ライン数」が「1」の場合「Ql1」が、「有効ライン数」が「2」の場合「Ql2」が、「有効ライン数」が「3」の場合「Ql3」が、それぞれ、第二のリーチ条件として選択されるようになっている。なお、表17に示す第二のリーチ条件に付与された符号と表示内容との関連はキャラクタROM120に記憶されている。
表示タイミングテーブル記憶エリア172には、表18に示す表示タイミングテーブルが記憶されている。表示タイミングテーブルは、各演出パターンについて、第一のリーチ条件を表示する時刻である「第一のリーチ条件表示時刻」、変動表示された上特別図柄36aを停止する時刻である「上特別図柄停止時刻」、第二のリーチ条件を表示する時刻である「第二のリーチ条件表示時刻」、変動表示された下特別図柄36cを停止する時刻である「下特別図柄停止時刻」を、変動開始からの経過時間として記憶するものである。なお、理解を容易とするために、表18においては、それら上下特別図柄停止時刻、第一及び第二のリーチ条件表示時刻を、変動開始からの経過秒数として示すが、表示タイミングテーブルには、かかる経過秒数に対応するタイマカウンタ142のカウンタ値が記憶されている。また、例えば「演出パターンAn」のように、第一及び第二のリーチ条件表示を行わない演出パターンの場合には、「上特別図柄停止時刻」および「下特別図柄停止時刻」のみに値が設定されており、「演出パターンBn」のように、第二のリーチ条件表示を行わない演出パターンの場合には、「上特別図柄停止時刻」、「下特別図柄停止時刻」、および「第一のリーチ条件表示時刻」のみに値が設定されている。そして、特に本実施形態においては、第一乃至は第二のリーチ条件表示を行う演出パターンの場合、第一のリーチ条件表示時刻は、上特別図柄停止時刻よりも前に設定されるとともに、第二のリーチ条件表示時刻は、上特別図柄停止時刻よりも後で、下特別図柄停止時刻よりも前に設定されている。
次に、主制御CPU62が実行する遊技処理について、図7に基づいて説明する。先ず、ステップ(以下、Sとする)1において、電源が投入された主制御CPU62は、電源投入時にのみ、電源投入処理を実行する。この電源投入処理において、主制御CPU62は、主制御RAM64等の各RAMの初期化を行ない、主制御CPU62周辺の各機器の初期設定を行なう。そして、主制御CPU62は、割り込み許可を設定し、割り込み処理を開始する。これにより、電源投入処理(S1)が実行された後は、S2以降の処理が割り込み毎に繰り返して実行されることとなる。
そして、主制御CPU62は、S2において、入力処理を実行する。この入力処理は、大当たり判定カウンタ80,初期値決定用カウンタ82、リーチはずれ判定カウンタ84,変動パターンカウンタ86の各カウンタ値をそれぞれ1加算することによって行われる。そこにおいて、大当たり判定カウンタ80のカウンタ値が一周した場合には、初期値決定用カウンタ82の値を大当たり判定カウンタ80の初期値として設定する。これにより、大当たり判定カウンタ80が大当たりを示す値(本実施形態では「7」)となるタイミングを変化せしめることが出来る。
続いて、主制御CPU62は、S3において、始動口処理を実行する。この始動口処理について、図8に基づいて説明する。先ず、主制御CPU62は、S10において、遊技球が始動口40に入球したか否か、即ち、始動口スイッチ42が遊技球の通過を検出した場合に出力する検出信号が入力されたか否かを判定し、遊技球が始動口40に入球していない場合(S10:NO)には、始動口処理を終了する一方、遊技球が始動口40に入球した場合(S10:YES)には、S11において、始動入球数カウンタ90のカウンタ値が「5」以上であるか否か、即ち、保留球数が上限であるか否かを判定する。
保留球数が上限に達している場合(S11:YES)には、主制御CPU62は、始動口処理(S3)を終了する。一方、保留球数が上限に達していない場合(S11:NO)には、主制御CPU62は、S12において、現在の大当たり判定カウンタ80,リーチハズレ判定カウンタ84の各カウンタ値を取得して第一乃至第五のカウンタ値記憶エリア96a〜eのうち第一のカウンタ値記憶エリア96a側の空いている記憶エリアに記憶する。
具体的には、第一のカウンタ値記憶エリア96aにカウンタ値が記憶されていない、即ち、第一のカウンタ値記憶エリア96aが空いている場合には第一のカウンタ値記憶エリア96aに、第一のカウンタ値記憶エリア96aに各カウンタ値が既に記憶されている、即ち、第一のカウンタ値記憶エリア96aが空いていない場合には第二のカウンタ値記憶エリア96bに、第一および第二のカウンタ値記憶エリア96a,bが空いていない場合には第三のカウンタ値記憶エリア96cに、第一乃至第三のカウンタ値記憶エリア96a〜cが空いていない場合には第四のカウンタ値記憶エリア96dに、第一乃至第四のカウンタ値記憶エリア96a〜dが空いていない場合には第五のカウンタ値記憶エリア96eに、取得した各カウンタ値が記憶される。
その後、主制御CPU62は、S13において、始動入球数カウンタ90のカウンタ値を1加算する。そして、主制御CPU62は、S14において、保留表示処理を実行する。この保留表示処理は、始動入球数カウンタ90のカウンタ値から1減算した数、即ち、保留球数の数だけ保留LED44を点灯させる制御信号を保留LED制御回路76に送信することによって行われる。そして、保留LED制御回路76は、受信した制御信号に基づいて保留LED44を点灯する。このような保留表示処理を終了すると、主制御CPU62は、始動口処理(S3)を終了する。
上述の如き始動口処理(S3)を終了した主制御CPU62は、次に特別図柄表示処理(S4)を実行する。この特別図柄表示処理について、図9に基づいて説明する。先ず、主制御CPU62は、S20において、大当たりフラグ92がONになっているか否かを判定し、大当たりフラグ92がONになっている場合(S20:YES)には、特別図柄表示処理(S4)を終了する。
大当たりフラグ92がOFFになっている場合(S20:NO)には、主制御CPU62は、S21において、変動処理フラグ94がONであるか否かを判定する。
変動処理フラグ94がOFFである場合(S21:NO)には、主制御CPU62は、S22において、始動入球数カウンタ90のカウンタ値が「1」以上であるか否かを判定し、始動入球数カウンタ90のカウンタ値が「0」である場合(S22:NO)には、特別図柄表示処理(S4)を終了する一方、始動入球数カウンタ90のカウンタ値が「1」以上である場合(S22:YES)には、S23において、変動処理フラグ94をONにした後、S24において、第一のカウンタ値記憶エリア96aに記憶された大当たり判定カウンタ80のカウンタ値と大当たり判定テーブルに基づいて大当たり判定カウンタ80のカウンタ値が大当り数値であるか否かを判定する。
大当たり数値である場合(S24:YES)には、主制御CPU62は、S25において、現在の変動パターンカウンタ86のカウンタ値と第三の変動パターン選択テーブルに基づいて変動パターンを選択し、選択した変動パターンのデータを変動パターン記憶エリア98に記憶した後、S29以降の処理を実行する。
大当たりでない場合(S24:NO)には、主制御CPU62は、S26において、第一のカウンタ値記憶エリア96aに記憶されているリーチハズレ判定カウンタ84のカウンタ値とリーチハズレ判定テーブルに基づいてリーチハズレであるか否かを判定する。
リーチハズレである場合(S26:YES)には、主制御CPU62は、S27において、現在の変動パターンカウンタ86のカウンタ値と第二の変動パターン選択テーブルに基づいて変動パターンを選択し、選択した変動パターンのデータを変動パターン記憶エリア98に記憶した後、S29以降の処理を実行する。
リーチハズレでない場合(S26:NO)には、主制御CPU62は、S28において、現在の変動パターンカウンタ86のカウンタ値と第一の変動パターン選択テーブルに基づいて変動パターンを選択し、選択した変動パターンのデータを変動パターン記憶エリア98に記憶した後、S29以降の処理を実行する。
そして、主制御CPU62は、S29において、変動パターン記憶エリア98に記憶されている変動パターンの変動表示時間に対応するようにして、変動表示用タイマカウンタ88の初期値をセットする。
次に、主制御CPU62は、S30において、変動パターン記憶エリア98に記憶されている変動パターンのデータを表示制御回路74に送信する。
その後、主制御CPU62は、S31において、始動入球数カウンタ90のカウンタ値が「2」以上であるか否かを判定し、始動入球数カウンタ90のカウンタ値が「2」以上でない場合(S31:NO)には、S33以降の処理を実行する。
一方、始動入球数カウンタ90のカウンタ値が「2」以上である場合(S31:YES)には、主制御CPU62は、S32において、第二乃至第五のカウンタ値記憶エリア96b〜eに記憶されている各種カウンタ値を第一のカウンタ値記憶エリア96aの側のカウンタ値記憶エリアに一つシフトして記憶する。
具体的には、始動入球数カウンタ90のカウンタ値に基づいて、第二のカウンタ値記憶エリア96bにカウンタ値が記憶されている場合には第一のカウンタ値記憶エリア96aに、第三のカウンタ値記憶エリア96cにカウンタ値が記憶されている場合には第二のカウンタ値記憶エリア96bに、第四のカウンタ値記憶エリア96dにカウンタ値が記憶されている場合には第三のカウンタ値記憶エリア96cに、第五のカウンタ値記憶エリア96eにカウンタ値が記憶されている場合には第四のカウンタ値記憶エリア96dに、それぞれ、記憶しなおす。
その後、主制御CPU62は、S33において、始動入球数カウンタ90のカウンタ値を1減算して特別図柄表示処理(S4)を終了する。
また、変動処理フラグ94がONである場合(S21:YES)には、主制御CPU62は、S34において、変動表示用タイマカウンタ88のカウンタ値が「0」であるか否か、即ち、変動表示時間が終了したか否かを判定し、変動表示時間が終了していない場合(S34:NO)には、S35において、変動表示用タイマカウンタ88のカウンタ値を1減算した後、特別図柄表示処理(S4)を終了する。一方、変動表示時間が終了している場合(S34:YES)には、S36において、複数の特別図柄36a、36b,36cの変動表示を終了し、複数の特別図柄36a、36b,36cを停止表示させるための制御信号を表示制御回路74に送信する停止表示処理を実行する。
次に、主制御CPU62は、S37において、変動処理フラグ94をOFFにした後、S38において、変動パターン記憶エリア98に記憶されている変動パターンのデータが大当たりの場合における変動パターンのデータであるか否かを判定する。
大当たりの場合における変動パターンのデータでない場合(S38:NO)には、主制御CPU62は、後述するS40以降の処理を実行する一方、大当たりの場合における変動パターンのデータである場合(S38:YES)には、主制御CPU62は、S39において、大当たりフラグ92をONにする。
続いて、主制御CPU62は、S40において、変動表示処理を終了する。この変動表示終了処理は、変動パターン記憶エリア98に記憶されている変動パターンのデータを消去するものである。そして、主制御CPU62は、かかるS40の処理の後、特別図柄表示処理(S4)を終了する。
このような特別図柄表示処理(S4)を終了した主制御CPU62は、次に、特典付与処理(S5)を実行する。この特典付与処理は、所謂大当たり遊技を実行するための従来公知の制御方法が適宜に採用可能であり、かかる特典付与処理において、主制御CPU62は、大入賞口46を閉じる扉48を所定数のラウンドに亘って開状態にすると共に、大入賞口46に入った遊技球に応じて賞球の払出を行なう。そして、大当たり遊技が終了した時点で、大当たりフラグ92をOFFにする。
次に、特典付与処理(S5)を終了した主制御CPU62は、S6において、出力処理を実行する。この出力処理は、主制御回路60が保持する各種データの出力や、主制御回路60に接続されている、図示しない払出制御基板、ランプ制御基板、音声制御基板等へのコマンド送信を行うものである。
そして、主制御CPU62は、S7において、残余時間処理を行なう。残余時間処理は、次の割り込み処理が行なわれるまでの残余時間において、主制御RAM64の初期値決定用カウンタ82のカウンタ値を加算するものである。
続いて、表示制御回路74における、表示制御CPU110が実行する表示制御処理について、図10に基づいて説明する。先ず、表示制御CPU110は、S50において、カウンタ値更新処理を実行する。このカウンタ値更新処理は、演出パターンカウンタ128、リーチ構成図柄カウンタ130、リーチ図柄カウンタ132、上図柄カウンタ134、条件カウンタ140のカウンタ値を1加算することによって行われる。ここにおいて、上図柄カウンタ134のカウンタ値を1加算することより上図柄カウンタ134のカウンタ値が一周した場合には中図柄カウンタ136のカウンタ値を1加算する。また、中図柄カウンタ136のカウンタ値が一周した場合には下図柄カウンタ138のカウンタ値を1加算する。
カウンタ値更新処理(S50)を終了した表示制御CPU110は、S51において、表示処理を実行する。かかる表示処理(S51)について、図11に基づいて説明する。先ず、表示制御CPU110は、S60において、表示処理フラグ154がONであるか否かを判定し、表示処理フラグ154がOFFである場合(S60:NO)には、S61において、変動パターンのデータを受信しているか否かを判定する。
変動パターンのデータを受信していない場合(S61:NO)には、表示制御CPU110は、表示処理(S51)を終了する一方、変動パターンのデータを受信している場合(S61:YES)には、表示制御CPU110は、S62において、表示処理フラグ154をONにした後、S63において、演出選択テーブル記憶エリア156に記憶されている演出選択テーブル(表6参照)と、受信した変動パターン及び現在の演出パターンカウンタ128のカウンタ値に基づいて、対応する演出パターンを選択して、演出パターン記憶エリア146に記憶する。
次に、表示制御CPU110は、S64において、受信した変動パターンが大当たり又はリーチはずれの変動パターンか否かを判定する。変動パターンが大当たり又はリーチはずれの変動パターンである場合(S64:YES)には、表示制御CPU110は、S65において、リーチ構成図柄選択テーブル記憶エリア158と、リーチ構成図柄カウンタ130のカウンタ値に基づいて、対応するリーチ構成図柄を選択して、リーチ構成図柄記憶エリア148に記憶する。
そして、表示制御CPU110は、S66において、リーチ図柄を選択して、リーチ図柄記憶エリア149に記憶する。具体的には、演出パターン選択テーブル(表6参照)に基づき、演出パターン記憶エリア146に記憶した演出パターンの有効ライン数が「1」の場合にはシングルリーチ図柄選択テーブル記憶エリア160に記憶されたシングルリーチ図柄選択テーブルに基づき、有効ライン数が「2」の場合にはダブルリーチ図柄選択テーブル記憶エリア162に記憶されたダブルリーチ図柄選択テーブルに基づき、有効ライン数が「3」の場合にはトリプルリーチ図柄選択テーブル記憶エリア164に記憶されたトリプルリーチ図柄選択テーブルに基づき、それらリーチ図柄選択テーブルに設定されて、リーチ構成図柄記憶エリア148に記憶されたリーチ構成図柄に対応するリーチ図柄の中から、リーチ図柄カウンタ132に対応するリーチ図柄を選択して、リーチ図柄記憶エリア149に記憶する。
次に、表示制御CPU110は、S67において、受信した変動パターンが大当たりの変動パターンか否かを判定し、大当たりの変動パターンである場合(S67:YES)には、S68において、リーチ図柄記憶エリア149に記憶せしめた上下特別図柄36a,36cに、リーチ構成図柄記憶エリア148に記憶されたリーチ構成図柄と同じ図柄を中特別図柄36bとして加えた停止図柄組み合わせを、大当たり図柄として停止図柄記憶エリア150に記憶する。一方、受信した変動パターンが大当たりの変動パターンでない場合(S67:NO)には、表示制御CPU110は、S69において、リーチ図柄記憶エリア149に記憶せしめた上下特別図柄36a,36cに、中図柄選択テーブル記憶エリア166bに記憶された中図柄選択テーブルと中図柄カウンタ136のカウンタ値に基づいて選択した中特別図柄36bを加えた停止図柄組み合わせを、リーチはずれ図柄として停止図柄記憶エリア150に記憶する。ここにおいて、上特別図柄36aの図柄と中特別図柄36bの図柄が同じものになってしまった場合には、中特別図柄36bの図柄を上特別図柄36aの図柄と異なるものに変更する。特に本実施形態においては、リーチ構成図柄から昇順及び降順で2つ目までの図柄が同時にリーチ図柄とされる場合があることから、それらリーチを構成する図柄と重なることの無いように、中特別図柄36bの図柄を上特別図柄36aの図柄よりも少なくとも3つ大きくしたり、或いは、中特別図柄36bの図柄を上特別図柄36aの図柄よりも少なくとも3つ小さくしたりする。
また、S64において、受信した変動パターンが大当たりおよびリーチはずれの変動パターンでない場合(S64:NO)には、表示制御CPU64は、S70において、上図柄選択テーブル記憶エリア166aに記憶された上図柄選択テーブルと、上図柄カウンタ134のカウンタ値に基づいて上特別図柄36aの図柄を選択し、中図柄選択テーブル記憶エリア166bに記憶された中図柄選択テーブルと、中図柄カウンタ134のカウンタ値に基づいて中特別図柄36bの図柄を選択し、下図柄選択テーブル記憶エリア166cに記憶された下図柄選択テーブルと、下図柄カウンタ138のカウンタ値に基づいて下特別図柄36cの図柄を選択して、このように選択された上,中,下の特別図柄36a、36b,36cの組み合わせを停止図柄記憶エリア150に記憶する。そこにおいて、上特別図柄36aの図柄と下特別図柄36cの図柄が同じものになってしまった場合には、下特別図柄36cの図柄を上特別図柄36aの図柄と異なるものに変更する。具体的には、例えば、下特別図柄36cの図柄を上特別図柄36aの図柄よりも1大きくしたり、或いは、下特別図柄36cの図柄を上特別図柄36aの図柄よりも1小さくしたりする。
そして、表示制御CPU110は、S71において、演出パターン選択テーブルに基づき、演出パターン記憶エリア146に記憶した演出パターンが、第一のリーチ条件表示を行う演出パターンか否か判定し、第一のリーチ条件表示を行う演出パターンでない場合(S71:NO)には、表示制御CPU110は、S77以降の処理を実行する一方、第一のリーチ条件表示を行う演出パターンである場合(S71:YES)には、表示制御CPU110は、S72において、演出パターン記憶エリア146に記憶した演出パターンが、最終結果が大当たりで、第一のリーチ条件表示のみを行う演出パターン(本実施形態においては、「演出パターンFs」、「演出パターンFd」、「演出パターンFt」)か否かを判定する。
最終結果が大当たりで第一のリーチ条件表示のみを行う演出パターンである場合(S72:YES)には、表示制御CPU110は、S73において、第一のリーチ条件選択テーブル記憶エリア168に記憶された第一のリーチ条件選択テーブル(表14参照)の「結果」が「当たり」で、「リーチ構成図柄」がリーチ構成図柄記憶エリア148に記憶された図柄に対応するものの中から、条件カウンタ140のカウンタ値に対応する第一のリーチ条件を選択して、第一のリーチ条件記憶エリア152に記憶する。
最終結果が大当たりで第一のリーチ条件表示のみを行う演出パターンでない場合(S72:NO)には、表示制御CPU110は、S74において、第一のリーチ条件選択テーブル記憶エリア168に記憶された第一のリーチ条件選択テーブル記憶エリアの「結果」が「はずれ」で、「有効ライン数」が演出パターン記憶エリア146に記憶せしめた演出パターンの有効ライン数で、「リーチ構成図柄」がリーチ構成図柄記憶エリア148に記憶された図柄に対応するものの中から、条件カウンタ140のカウンタ値に対応する第一のリーチ条件を選択して、第一のリーチ条件記憶エリア152に記憶する。
次に、表示制御CPU110は、S75において、演出パターン選択テーブルに基づき、演出パターン記憶エリア146に記憶した演出パターンが、第二のリーチ条件表示を行う演出パターンか否か判定し、第二のリーチ条件表示を行う演出パターンでない場合(S75:NO)には、表示制御CPU110は、S77以降の処理を実行する一方、第二のリーチ条件表示を行う演出パターンである場合(S75:YES)には、S76において、第二のリーチ条件選択テーブル記憶エリア170と、演出パターン記憶エリア146に記憶した演出パターンの有効ライン数に基づき、第二のリーチ条件を選択して、第二のリーチ条件記憶エリア153に記憶する。
続いて、表示制御CPU110は、S77において、演出パターン記憶エリア146に記憶した演出パターンのデータを、VDP118に送信して、VDP118にこれらのデータに基づいて表示画面35上に特別図柄36a,36b,36cを変動表示すると共に演出画像を表示させる表示処理を開始した後、表示処理(S51)を終了する。これにより、VDP118は、各特別図柄36a,36b,36cの数字の並びを保った状態で、これら特別図柄36a,36b,36cを表示画面35の右から左に向けてスクロール表示する。このように、本実施形態においては、VDP118を含んで、スクロール表示手段が構成されている。
一方、S60において、表示処理フラグ154がONである場合(S60:YES)には、表示制御CPU110は、S78において、特別図柄36a,36b,36cを停止表示するための制御信号(停止コマンド)を受信したか否かを判定する。
停止コマンドを受信していない場合(S78:NO)には、表示制御CPU110は、S79において、タイマカウンタ142を「1」加算した後に、S80において、演出パターン選択テーブルに基づいて、演出パターン記憶エリア146に記憶された演出パターンが第一のリーチ条件表示を行う演出パターンか否かを判定し、第一のリーチ条件表示を行う演出パターンでない場合(S80:NO)には、S83以降の処理を実行する。一方、第一のリーチ条件表示を行う演出パターンである場合(S80:YES)には、表示制御CPU110は、S81において、表示タイミングテーブル記憶エリア172に記憶された表示タイミングテーブルに基づき、タイマカウンタ142のカウンタ値が、第一のリーチ条件表示時刻に対応する値に到達したか否かを判定し、タイマカウンタ142のカウンタ値が第一のリーチ条件表示時刻に対応する値に到達していない場合(S81:NO)には、S83以降の処理を実行する。
タイマカウンタ142のカウンタ値が第一のリーチ条件表示時刻に対応する値に到達した場合(S81:YES)には、表示制御CPU110は、S82において第一のリーチ条件記憶エリア152に記憶した第一のリーチ条件のデータをVDP118に送信して、VDP118にかかるデータに基づいて表示画面35上に第一のリーチ条件39aを表示させる第一のリーチ条件表示処理を行なう。
次に、表示制御CPU110は、S83において、表示タイミングテーブル記憶エリア172に記憶された表示タイミングテーブルに基づき、タイマカウンタ142のカウンタ値が、上特別図柄停止時刻に対応する値に到達したか否かを判定し、タイマカウンタ142のカウンタ値が上特別図柄停止時刻に対応する値に到達していない場合(S83:NO)には、S85以降の処理を実行する一方、上特別図柄停止時刻に対応する値に到達している場合(S83:YES)には、S84において、VDP118に対して、停止図柄記憶エリア150に記憶された上特別図柄36aのデータに基づいて、上特別図柄36aを停止表示させる。
続いて、表示制御CPU110は、S85において、演出パターン選択テーブルに基づいて、演出パターン記憶エリア146に記憶された演出パターンが第二のリーチ条件表示を行う演出パターンか否かを判定し、第二のリーチ条件表示を行う演出パターンでない場合(S85:NO)には、S88以降の処理を実行する。一方、第二のリーチ条件表示を行う演出パターンである場合(S85:YES)には、表示制御CPU110は、S86において、表示タイミングテーブル記憶エリア172に記憶された表示タイミングテーブルに基づき、タイマカウンタ142のカウンタ値が、第二のリーチ条件表示時刻に対応する値に到達したか否かを判定し、タイマカウンタ142のカウンタ値が第二のリーチ条件表示時刻に対応する値に到達していない場合(S86:NO)には、S88以降の処理を実行する。
タイマカウンタ142のカウンタ値が第二のリーチ条件表示時刻に対応する値に到達した場合(S86:YES)には、表示制御CPU110は、S87において第二のリーチ条件記憶エリア153に記憶した第二のリーチ条件のデータをVDP118に送信して、VDP118にかかるデータに基づいて表示画面35上に第一のリーチ条件39aに換えて第二のリーチ条件39bを表示させる第二のリーチ条件表示処理を行なう。
そして、表示制御CPU110は,S88において、表示タイミングテーブル記憶エリア172に記憶された表示タイミングテーブルに基づき、タイマカウンタ142のカウンタ値が、下特別図柄停止時刻に到達したか否かを判定し、下特別図柄停止時刻に到達していない場合(S88:NO)には、表示処理(S51)を終了する一方、下特別図柄停止時刻に到達した場合(S88:YES)には、S89において、VDP118に対して、停止図柄記憶エリア150に記憶された下特別図柄36cのデータに基づいて、下特別図柄36cを停止表示させる。ここにおいて、特に本実施形態においては、表示画面35の左側端部が通常は条件表示領域50によって隠されていることから、演出パターンの有効ライン数が「3」である場合には、VDP118に対して、下特別図柄36cを停止表示すると共に、条件表示領域50を適当なタイミングで表示画面35上から消去させるようにされている。また、第一乃至は第二のリーチ条件39a,39bは、下特別図柄36cが停止表示された後に表示画面35から消去するようにされている。
また、S78において、停止コマンドを受信した場合(S78:YES)には、表示制御CPU110は、S90において、VDP118に対して、演出パターンに基づく特別図柄36a,36b,36cの変動表示を終了して、停止図柄記憶エリア150に記憶された特別図柄36a,36b,36cのデータに基づいて、特別図柄36a,36b,36cを停止表示させる停止表示処理を実行する。
そして、表示制御CPU132は、S91において、変動パターン記憶エリア144に記憶されている変動パターンのデータ、演出パターン記憶エリア146に記憶されている演出パターンのデータ、リーチ構成図柄記憶エリア148に記憶されているリーチ構成図柄のデータ、リーチ図柄記憶エリア149に記憶されている上下特別図柄36a,36cのデータ、停止図柄記憶エリア150に記憶されている特別図柄36a,36b,36cのデータ、第一のリーチ条件記憶エリア152に記憶されている第一のリーチ条件のデータ、第二のリーチ条件記憶エリア153に記憶されている第二のリーチ条件のデータとを、それぞれ消去するデータ消去処理を実行する。
続いて、表示制御CPU110は、S92において、表示処理フラグ154をOFFにした後に、表示処理(S51)を終了する。
以上のように、本実施形態におけるパチンコ機10においては、大当たり判定カウンタ80、リーチはずれ判定カウンタ84、大当たり判定テーブル記憶エリア100、リーチはずれ判定テーブル記憶エリア102、およびS24,S26を含んで判定手段が構成されている。また、本実施形態においては、上下特別図柄36a,36cによって構成されるリーチ図柄が、様々な有効ライン数で構成されることによって遊技の興趣を高めるリーチ演出が行なわれており、かかる各有効ライン数のリーチ図柄を表示する演出パターンを記憶せしめた演出選択テーブル記憶エリア156および各有効ライン数のリーチ図柄を記憶するシングル乃至トリプルリーチ図柄選択テーブル記憶エリア160,162,164を含んで、リーチ演出記憶手段が構成されている。また、リーチ構成図柄カウンタ130、リーチ図柄カウンタ132、リーチ構成図柄選択テーブル記憶エリア158、シングル乃至トリプルリーチ図柄選択テーブル記憶エリア160、162、164、およびS64、S65、S66を含んで、リーチ演出選択手段が構成されている。また、VDP118、S84、S89を含んで、リーチ演出表示手段が構成されている。また、演出選択テーブル記憶エリア156、S71を含んで、第一のリーチ条件表示判定手段が構成されていると共に、演出選択テーブル記憶エリア156、S75を含んで、第二のリーチ条件表示判定手段が構成されており、これら第一のリーチ条件表示判定手段および第二のリーチ条件表示判定手段を含んで、リーチ条件表示判定手段が構成されている。また、第一のリーチ条件選択テーブル記憶エリア168、条件カウンタ140、およびS73,S74を含んで、第一のリーチ条件選択手段が構成されており、特に本実施形態においては、第一のリーチ条件選択テーブル記憶エリア168、S73を含んで、表示中の変動態様で満たすことの出来る第一のリーチ条件を選択する当たり用第一のリーチ条件選択手段が構成されていると共に、第一のリーチ条件選択テーブル記憶エリア168、S74を含んで、表示中の変動態様と異なる第一のリーチ条件を選択するはずれ用第一のリーチ条件選択手段が構成されている。また、第二のリーチ条件選択テーブル記憶エリア170、S76を含んで、第二のリーチ条件選択手段が構成されている。また、タイマカウンタ142、第一のリーチ条件記憶エリア152、表示タイミングテーブル記憶エリア172、VDP118、およびS81、S82を含んで、第一のリーチ条件表示手段が構成されている。また、タイマカウンタ142、第二のリーチ条件記憶エリア153、表示タイミングテーブル記憶エリア172、VDP118、およびS86,S87を含んで、第二のリーチ条件表示手段が構成されている。
このような構造とされたパチンコ機10においては、特別図柄36a,36b,36cの変動表示が開始された後に、表示画面35上にリーチ図柄を構成する図柄を指定する第一のリーチ条件39aが不定期に表示される。そして、上特別図柄36aおよび下特別図柄36cが、第一のリーチ条件39aで指定された図柄でリーチ図柄とされた場合には、特別図柄36a,36b,36cが大当たり図柄組み合わせで停止されて、遊技者に有利な大当たり遊技が生ぜしめられるようにされている。
一方、上特別図柄36aが、第一のリーチ条件39aで指定された図柄と異なる図柄で停止された場合には、下特別図柄36cが停止される前であっても、上下特別図柄36a,36cが第一のリーチ条件39aを満たすリーチ図柄を構成しないことが遊技者に認識される。しかし、本実施形態におけるパチンコ機10においては、第一のリーチ条件39aを満たせないことが明らかとなった後に、有効ライン数を指定する第二のリーチ条件39bが新たに表示されることがある。そして、下特別図柄36cが停止されて、第二のリーチ条件39bが満たされた場合には、特別図柄36a,36b,36cが大当たり図柄組み合わせで停止されるようになっている。
これにより、本実施形態におけるパチンコ機10は、たとえ第一のリーチ条件39aを満たせないことが明らかとなった場合でも、第二のリーチ条件39bが表示される可能性が残されていることから、遊技者に第二のリーチ条件39bが表示されるかもしれないという期待を与えることが出来て、特別図柄36a,36b,36cの変動表示に対してより長い関心を与えることが出来る。更に、特に本実施形態においては、第一のリーチ条件39aに対応しない図柄で上特別図柄36aが停止された場合でも、第二のリーチ条件39bとして、停止表示された上特別図柄36aを用いて満たすことの出来る条件が指定される。即ち、第一のリーチ条件39aとして「5」の図柄が指定された状態で、上特別図柄36aが「1」で停止されたとしても、第二のリーチ条件39bとして、例えばダブルリーチなどのように、停止表示された「1」の上特別図柄36aを用いて満たすことの出来る条件が表示されるようになっている。これにより、第一のリーチ条件39aを満たすことが出来なかった変動表示をそのまま用いつつ第二のリーチ条件39bを満たす変動表示を行うことが出来て、例えば第二のリーチ条件を満たすためにそれまでの表示内容が消去されて、それまでと全く関連の無い新たな演出が開始される等のように、変動表示の流れを中断することも無い。その結果、遊技者に違和感を与えることもなく第二のリーチ条件を表示することが可能とされており、第一のリーチ条件39aが満たされないことが明らかとなって遊技者を落胆させた後に、それまでの変動表示を第二のリーチ条件39bに合致する変動表示とすることによって、遊技者に違和感を与えることなく大当たりの喜びを与えることが可能とされているのである。
そして、特に本実施形態においては、特別図柄36a,36b,36cが数字図柄とされて、その並びを保った状態でスクロール表示されることから、複数の図柄で同時にリーチ図柄の有効ラインが形成される可能性がある。ここにおいて、特に本実施形態においては、リーチ図柄で満たすことの出来ない第一のリーチ条件を選択する場合には、リーチ図柄の有効ライン数を考慮して第一のリーチ条件が選択されるようになっており(表14参照)、ダブルリーチの場合は、リーチ図柄を構成する2つの図柄から外れた図柄を指定する第一のリーチ条件が、トリプルラインの場合には、リーチ図柄を構成する3つの図柄から外れた図柄を指定する第一のリーチ条件が表示されるようになっている。これにより、数字の並びを保ってスクロール表示されて、2以上の有効ラインが同時に形成され得るパチンコ機においても、リーチ図柄が満たすことの出来る第一のリーチ条件と、リーチ図柄が満たすことの出来ない第一のリーチ条件を、確実に選択して表示することが可能とされているのである。
以上、本発明の一実施形態について詳述してきたが、これはあくまでも例示であって、本発明は、かかる実施形態における具体的な記載によって、何等、限定的に解釈されるものではない。
例えば、第一及び第二のリーチ条件として指定されるリーチの態様は、前述の如き変動図柄の図柄や、有効ライン数に限定されない。例えば、第二のリーチ条件として、特殊なキャラクタ等が表示される演出態様(所謂各種のスーパーリーチ)を指定する等しても良い。また、前記実施形態においては、第二のリーチ条件として有効ライン数を指定することから、有効ライン数が明らかとなる前である下特別図柄36cが停止される前のタイミングで第二のリーチ条件を表示するようにされていたが、第二のリーチ条件は、変動図柄がリーチ図柄で表示された後に表示することなども可能であって、例えば第一のリーチ条件として前記実施形態と同様に図柄を指定すると共に、第二のリーチ条件として、特殊なキャラクタ等が表示される変動態様を指定する場合には、変動図柄がリーチ図柄で表示された後に、第二のリーチ条件を表示する等しても良い。そのような態様を実現するためには、例えば前記実施形態において、第二のリーチ条件39bとして特定のキャラクタが表示される変動態様を指定すると共に、表示タイミングテーブル記憶エリア172に記憶された表示タイミングテーブルにおいて、第二のリーチ条件39bの表示タイミングを、上下特別図柄36a,36cが停止せしめられた後で、且つキャラクタが表示されるよりも前のタイミングに設定すること等によって、容易に実現することが出来る。更にまた、本発明は必ずしも有効ラインが複数形成され得る所謂マルチラインタイプのパチンコ機に限定されるものではないのであって、例えば、上記の如き第二のリーチ条件として特殊なキャラクタ等が表示される所謂スーパーリーチを指定するような場合には、1ラインのパチンコ機に本発明を用いることも勿論可能である。
なお、前述の実施形態においては、第一のリーチ条件が満たされた場合や、第二のリーチ条件が満たされた場合には、必ず大当たりが発生するようにされていたが、例えば、それら第一乃至は第二のリーチ条件が満たされた場合でも、大当たりが発生しない場合や、第一乃至は第二のリーチ条件が満たされなかった場合でも、大当たりが発生する場合を設ける等しても良い。具体的には、前記実施形態においては、第二のリーチ条件選択手段として、第二のリーチ条件選択テーブル記憶エリア170、S76を含んで、表示中の変動態様で満たすことの出来る第二のリーチ条件を選択する当たり用第二のリーチ条件選択手段のみが含まれていることによって、第二のリーチ条件が表示された場合には必ず条件が満たされて大当たりが発生するようにされていたが、例えば、第二のリーチ条件が表示されたとしても、第二のリーチ条件が満たされない場合を生ぜしめるために、はずれ用第二のリーチ条件選択手段を設ける等しても良い。このようなはずれ用第二のリーチ条件選択手段は、例えば、前記実施形態における演出選択テーブル(表6参照)中に、リーチはずれの場合の演出パターンとして、第二のリーチ条件表示を有する演出パターンを設けると共に、S76において、選択された演出パターンがリーチはずれの演出パターンの場合には、当該演出パターンで表示されるリーチの有効ライン数とは異なるライン数を指定する第二のリーチ条件を選択することによって実現することが出来る。